◆−存在する意味 その10−雫 (2003/6/27 22:11:43) No.26373
 ┣Re:存在する意味 その10−氷月椋佳 (2003/6/28 11:44:50) No.26385
 ┃┗お久しぶりです!−雫 (2003/6/28 13:11:24) No.26387
 ┣存在する意味 その11−雫 (2003/6/28 22:51:39) No.26402
 ┣存在する意味 その12−雫 (2003/6/29 13:17:17) No.26411
 ┣存在する意味 その13−雫 (2003/6/29 18:05:18) No.26416
 ┃┗Re:存在する意味 その13−オロシ・ハイドラント (2003/7/2 19:22:20) No.26441
 ┃ ┗Re:存在する意味 その13−雫 (2003/7/2 20:16:00) No.26442
 ┣存在する意味 その14−雫 (2003/7/2 22:00:13) No.26444
 ┣存在する意味 その15−雫 (2003/7/3 21:42:53) No.26449
 ┣存在する意味 その16−雫 (2003/7/5 20:58:49) No.26472
 ┃┗Re:存在する意味 その16−オロシ・ハイドラント (2003/7/10 18:51:42) No.26498
 ┃ ┗Re:存在する意味 その16−雫 (2003/7/11 20:14:42) No.26507
 ┗存在する意味 その17−雫 (2003/7/17 20:20:48) No.26538
  ┗Re:存在する意味 その17−オロシ・ハイドラント (2003/7/18 20:47:34) No.26543
   ┗Re:存在する意味 その17−雫 (2003/7/19 20:26:07) No.26548


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26373存在する意味 その102003/6/27 22:11:43


 どうも、皆様お久しぶりの雫です。無事お休み復帰!「やった〜。これからも書いていくぞ!」と言う勢いです。それでは、内容に入りたいと思います。
*************************************

   存在する意味 その10

「暑い・・・・・。」
 獣王がそんな言葉を漏らした。熱帯雨林のようで鳥の声が獣王の耳元でうるさく聞こえた。
「そうですかなぁ・・・?」
 竜神官・ラルタークはそう言った。獣王は思わずラルタークを睨みつける。さらに後ろには竜将軍・ラーシャートがいる。魔竜王・ガーヴがゼロスが使えないことを知って貸してくれた・・・・・勝手に押し付けてきたのだ。

      『何か遭った時に役に立つだろう・・。』

 そう言って貸してくれたのだが獣王にとっては何か遭ったら逆に足手まといだ。覇王は何か遭ったら盾にする・・・と言っていたが獣王はゼロスにだってそんな事する気は無い。自分の部下にだってしないことを借り物の二人にするわけにはいかない。獣王は一人、溜息を吐いた。ゼロスは無事だろうか・・・・。
――まぁ・・・・。フィブリゾのところの部下がいるから大丈夫・・かな・・?



「何で・・・・。何でここから来ることが解ったんでしょう・・?偶然にしては何か出来すぎてますよね・・・・。・・・・クリアさん・・・?」
 ゼロスの言葉にクリアは思考をめぐらせているようだった。そしてそのうち、クリアの顔に怒りの色が現れた。自分なりに考えて出してしまった答え・・・。
「・・・・許しません・・・・・・。」
 クリアが黄金竜の方を睨みつけた。クリアはゼロスにニッコリ微笑んで言った。
「しばらく・・・・。攻撃しないで下さい。僕が・・・滅びかけても・・・。」
 ゼロスが少し目を開けた。しかし、またいつもの笑顔に戻る。ゼロスは溜息混じりに言った。
「解りました・・・。でも、生きて還って来て下さいよ・・・。」
 クリアは黙って頷いた。クリアが黄金竜の群れを見る・・・・。今は黄金竜達は人の姿をしていない。誰が誰なのかクリアにはよく解らない。クリアは大声で言った。
「ライさん!その群れの中にいるんでしょう!?さっさと姿を見せたらどうなんですか!?それとも・・・・・こっちから行きましょうか!?」
 クリアは体を宙に浮かせた。そして黄金竜の群れに突進して行った。一匹の黄金竜がクリアの前に立ちはだかる。
「雑魚には興味ありません!」
         ずばばっ
 クリアが手を振りかざした。そしてその手から激しい風を巻き起こした。その風に黄金竜は巻き込まれ切り刻まれ、地面に向かって落ちていった。
「次の犠牲者を出されたくないならさっさと出てきて下さい!どうしたんですか?結局、神と言うものは今も昔も僕を裏切ると言うわけですか・・・。その程度なんですか!?貴方も・・・・・。」
 その言葉を聴いて一匹の黄金竜が輝き、人の形に変わっていく。そして、そこにいたのは・・・・・。
「ミルガズィアさん。すいません。こいつには攻撃しないでくれません・・・?」
     「構わないが・・・・?」
 ライがクリアの傍に行く。羽だけがしまわれずに生やされているライはクリアに言った。
「下・・・・・。行こうか・・・・。」
 クリアが頷く。二人が地面に降りていく。



「寒い・・・・。」
 シェーラが思わず呟いた。覇王がシェーラを少し睨む。近くにいたグロウが言った。
「やっぱり必要だったでしょうぅ?マフラーとかぁ・・・。」
   「うぅ・・・。うるさいなぁ・・・。」
 シェーラが呟く。前の方を覇王が歩いている。その横を一人の男の子が歩いている。年は12、13ぐらいだろう。背中に大きな剣を担いでいる。茶色い髪の毛は色々な方向にはねている。髪と同じ色の瞳はハキハキとしていて輝きがある。覇神官・ダイナだ。覇王は彼にだけは微かに優しい笑みを浮べる。それを見るとシェーラはなんとなく淋しくなる。突然、覇王の歩みが止まる。ダイナが覇王の顔を覗き込んで言った。
「どうしたの?覇王様・・・?」
    「人だ・・・。」
 その言葉を聴きシェーラとグロウが顔をのぞかせた。雪と一瞬見分けがつかなかった。氷のように輝く銀色の髪。雪のように白い肌。年は18ぐらいだろうか。少し体が震えている。覇王は青年のところに歩み寄った。しかし・・・。
「先を急ぐぞ・・・・。」
      「えぇぇぇっ!?行っちゃうのぉ?」
              ぴくっ
 覇王はダイナの言葉に反応して少し動きが止まる。グロウがダイナに言った。
「でもぉ・・・。暖かいもの置いておけば大丈夫じゃないですかぁ・・?」
「だめだめ。スカイから聞いたんだけどさぁ、人間って弱いから魔族が寒いと思うぐらいの寒さだとほおっておくと死んじゃうんだって・・・。」
 沈黙・・・。そして・・・・
「し・・・・・仕方が無い!シェーラ!どこか建物を探せ!」
    「は・・・・はい!」
 シェーラが周りを見ると遠くの方に建物が見えた。
「向こうに建物があります!」
 覇王は頷くと青年を抱き上げた。



「貴方に裏切られるとは思ってませんでしたよ。」
「違う・・・・。」
「何がですか?そんなんじゃ解りませんよ・・・・。貴方以外に誰が攻めてくるところを知ってると言うのですか・・・?好きとかいって・・・ふざけないで下さいよ。・・・・僕は嫌いです。」
「違うって・・・・。誰かしらねぇけどよ。情報が漏れてたんだよ・・・。」
 クリアがライを睨んだ。ライはクリアの顔をじっと見つめた。クリアは言った。
「じゃぁ・・・なんで逃げないんですか・・・。逃げるように言ったでしょう。」
      「止められたんだよ・・・。」
 ライはクリアの目を見た。自分が映っている。何を話して良いか解らずに時間だけが過ぎていく。クリアは言った。
「・・・・ライさん。僕のこと本当に愛してるなら・・・・。滅ぼしてください。もう・・・・誰かを信じて裏切られるのはイヤなんです。」
「何で・・・オレが・・・・。」
「花・・・・・。」
           「・・・?」
 不思議そうな顔をするライ。クリアは少し微笑んで髪をなでてあるものをライに見せた。白い花・・・・。
「まだ・・・・付けてるんですよ・・・・。これをはずすのは貴方のぬくもりが消えてしまう気がして・・・・無意識のうちに怖くなっていたんです。それに・・・貴方が僕のこと好きなのはその髪についた花を見れば解ります。」
 ライの金色の髪には鮮やかな赤い花が添えられていた。ライはクリアの体を強く抱きしめた。ライの瞳から自然と涙が溢れでる。それをぬぐうことはしない。それ以上にクリアの事を抱いていたかった。クリアは言った。
「ライさん・・・・。僕、滅ぼされるなら空の中で死にたいです。」
        「ああ。解った。」
 ライはそう言ってクリアを抱きしめたまま翼を生やす。そして、空へと上っていく。


 ゼロスには解った。これからクリアは滅びるのだと・・・。今、黄金竜の男に抱かれて天空へ上っていく。







「っ・・・・・・・。」
「どうかしたのか?冥王様・・・。」
     「今・・・クリアが滅びた。」
 クローバーは息を呑んだ。風を操ることの出来たクリアはあまり感情を表に出さなかった。フィブリゾの表情が暗くなる。自分が赤眼の魔王を目覚めさせたからクリアは滅びたのだ。そう思うだけで体から負の感情が溢れ出る。



「ぅ・・・・・。あ・・・・れ・・・?」
 青年が目を覚ました。青年は一瞬驚くがしばらくして言った。
「貴方達は・・・・・?」
 覇王が言った
「ダイナスト・グラウシェラー。」
「シェーラと言います。」
「グロウですぅ」
「ダイナだよ。お兄ちゃんは何ていうの?」
 青年は黙り込む。しかししばらくして言った。
「スミマセン。親に名前をつけてもらえなかったかったので・・・。」
 沈黙。しかしダイナはいつものように元気に言った。
「じゃぁ、俺がつけてあげる。ん〜。覇王様。ここ北だよね。」
「あ・・・・ああ。」
 ダイナはにぃっと笑って言った。
「北ってさぁ、ノースって言うんだって。だからお兄ちゃんの名前はノーストってのはどう?」
 青年・・・・ノーストは少し笑った。とても綺麗な顔だった。ノーストは
「ノースト・・・・ノースト・・・・」
 と、何回も呟いた。グロウは少し笑った。ノーストは言った。
「し・・・・仕方ないでしょう?僕、捨て子だから名前なんか初めて貰うんですから。とっても嬉しいんです。」
      「捨て子・・・?」
 シェーラが声に出してそう言った。ノーストは淋しげに頷いた。




「仕方ありませんねぇ・・・。」
 ゼロスがどこか吹っ切れたように笑った。ゼロスは目を開きニヤリと怪しい笑みを浮べた。そしてまたいつもの笑みに戻る。ゼロスは小さな声で呪文を詠唱した。
 崖の上。ゼロスは人差し指を立て黄金竜の群れを裂くように手を動かした。そして小声で呟く。
「ブラストボム。」
          どごぉぉぉぉぉぉっ
 熱い爆風。落ちていくたくさんの黄金竜。ゼロスは笑った。



「ごめんな。」
 もう何回この言葉を呟いただろう。もう、この手の中には自分が愛していた魔族はいない。ライは涙を流した。ライは呟いた。
「オレはお前のこと忘れねぇよ。けどな・・・オレもお前の傍に行きたい。」
        ぐさっ
 ライは後になって自分のしたことに気付いた。ライは自分の手で自分の胸を貫いていた。赤い血で自分の手が濡れている。そして・・・・自分の体が落ちていく。下へ下へと・・・・・。



        ぴちゃっ
「ん?」
 ゼロスは自分の頬についた何かに気付いた。それは水だった。しかし雨が降る気配は全く無い。少しなめてみる。しょっぱい。
                 ぴちゃっ
 また頬に落ちる水。ゼロスが手で触るとそれは血だった。赤い・・・。そして、自分の前を黄金竜が落ちて行った。血を流しながら・・・・。

*************************************
 いや・・・・。疲れました。大変だ。言葉が・・・・絶え絶えで・・・。勝手に話が進んでいくし・・・。多分、ガーヴさんはゼラスさんのことが好きなんだと思う。勝手な予想。・・・すみません。それでは・・・。

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26385Re:存在する意味 その10氷月椋佳 E-mail 2003/6/28 11:44:50
記事番号26373へのコメント

> どうも、皆様お久しぶりの雫です。無事お休み復帰!「やった〜。これからも書いていくぞ!」と言う勢いです。それでは、内容に入りたいと思います。
おお!お久。雫さんっ!

>   存在する意味 その10
>
>「暑い・・・・・。」
> 獣王がそんな言葉を漏らした。熱帯雨林のようで鳥の声が獣王の耳元でうるさく聞こえた。
>「そうですかなぁ・・・?」
> 竜神官・ラルタークはそう言った。獣王は思わずラルタークを睨みつける。さらに後ろには竜将軍・ラーシャートがいる。魔竜王・ガーヴがゼロスが使えないことを知って貸してくれた・・・・・勝手に押し付けてきたのだ。
>
>      『何か遭った時に役に立つだろう・・。』
>
> そう言って貸してくれたのだが獣王にとっては何か遭ったら逆に足手まといだ。覇王は何か遭ったら盾にする・・・と言っていたが獣王はゼロスにだってそんな事する気は無い。自分の部下にだってしないことを借り物の二人にするわけにはいかない。獣王は一人、溜息を吐いた。ゼロスは無事だろうか・・・・。
>――まぁ・・・・。フィブリゾのところの部下がいるから大丈夫・・かな・・?
…ガーゼラって思った瞬間。
>「何で・・・・。何でここから来ることが解ったんでしょう・・?偶然にしては何か出来すぎてますよね・・・・。・・・・クリアさん・・・?」
> ゼロスの言葉にクリアは思考をめぐらせているようだった。そしてそのうち、クリアの顔に怒りの色が現れた。自分なりに考えて出してしまった答え・・・。
>「・・・・許しません・・・・・・。」
> クリアが黄金竜の方を睨みつけた。クリアはゼロスにニッコリ微笑んで言った。
>「しばらく・・・・。攻撃しないで下さい。僕が・・・滅びかけても・・・。」
> ゼロスが少し目を開けた。しかし、またいつもの笑顔に戻る。ゼロスは溜息混じりに言った。
>「解りました・・・。でも、生きて還って来て下さいよ・・・。」
> クリアは黙って頷いた。クリアが黄金竜の群れを見る・・・・。今は黄金竜達は人の姿をしていない。誰が誰なのかクリアにはよく解らない。クリアは大声で言った。
>「ライさん!その群れの中にいるんでしょう!?さっさと姿を見せたらどうなんですか!?それとも・・・・・こっちから行きましょうか!?」
> クリアは体を宙に浮かせた。そして黄金竜の群れに突進して行った。一匹の黄金竜がクリアの前に立ちはだかる。
>「雑魚には興味ありません!」
>         ずばばっ
> クリアが手を振りかざした。そしてその手から激しい風を巻き起こした。その風に黄金竜は巻き込まれ切り刻まれ、地面に向かって落ちていった。
>「次の犠牲者を出されたくないならさっさと出てきて下さい!どうしたんですか?結局、神と言うものは今も昔も僕を裏切ると言うわけですか・・・。その程度なんですか!?貴方も・・・・・。」
> その言葉を聴いて一匹の黄金竜が輝き、人の形に変わっていく。そして、そこにいたのは・・・・・。
>「ミルガズィアさん。すいません。こいつには攻撃しないでくれません・・・?」
>     「構わないが・・・・?」
> ライがクリアの傍に行く。羽だけがしまわれずに生やされているライはクリアに言った。
>「下・・・・・。行こうか・・・・。」
> クリアが頷く。二人が地面に降りていく。
はうわっ!まさかライが…あぁ。そんなわけない…と思うけど…
>「寒い・・・・。」
> シェーラが思わず呟いた。覇王がシェーラを少し睨む。近くにいたグロウが言った。
>「やっぱり必要だったでしょうぅ?マフラーとかぁ・・・。」
>   「うぅ・・・。うるさいなぁ・・・。」
> シェーラが呟く。前の方を覇王が歩いている。その横を一人の男の子が歩いている。年は12、13ぐらいだろう。背中に大きな剣を担いでいる。茶色い髪の毛は色々な方向にはねている。髪と同じ色の瞳はハキハキとしていて輝きがある。覇神官・ダイナだ。覇王は彼にだけは微かに優しい笑みを浮べる。それを見るとシェーラはなんとなく淋しくなる。突然、覇王の歩みが止まる。ダイナが覇王の顔を覗き込んで言った。
>「どうしたの?覇王様・・・?」
>    「人だ・・・。」
> その言葉を聴きシェーラとグロウが顔をのぞかせた。雪と一瞬見分けがつかなかった。氷のように輝く銀色の髪。雪のように白い肌。年は18ぐらいだろうか。少し体が震えている。覇王は青年のところに歩み寄った。しかし・・・。
>「先を急ぐぞ・・・・。」
>      「えぇぇぇっ!?行っちゃうのぉ?」
>              ぴくっ
> 覇王はダイナの言葉に反応して少し動きが止まる。グロウがダイナに言った。
>「でもぉ・・・。暖かいもの置いておけば大丈夫じゃないですかぁ・・?」
>「だめだめ。スカイから聞いたんだけどさぁ、人間って弱いから魔族が寒いと思うぐらいの寒さだとほおっておくと死んじゃうんだって・・・。」
> 沈黙・・・。そして・・・・
>「し・・・・・仕方が無い!シェーラ!どこか建物を探せ!」
>    「は・・・・はい!」
> シェーラが周りを見ると遠くの方に建物が見えた。
>「向こうに建物があります!」
> 覇王は頷くと青年を抱き上げた。
マフラ〜冬〜vは好きな季節だな〜v…冬生まれだからか?
>「貴方に裏切られるとは思ってませんでしたよ。」
>「違う・・・・。」
>「何がですか?そんなんじゃ解りませんよ・・・・。貴方以外に誰が攻めてくるところを知ってると言うのですか・・・?好きとかいって・・・ふざけないで下さいよ。・・・・僕は嫌いです。」
>「違うって・・・・。誰かしらねぇけどよ。情報が漏れてたんだよ・・・。」
> クリアがライを睨んだ。ライはクリアの顔をじっと見つめた。クリアは言った。
>「じゃぁ・・・なんで逃げないんですか・・・。逃げるように言ったでしょう。」
>      「止められたんだよ・・・。」
> ライはクリアの目を見た。自分が映っている。何を話して良いか解らずに時間だけが過ぎていく。クリアは言った。
>「・・・・ライさん。僕のこと本当に愛してるなら・・・・。滅ぼしてください。もう・・・・誰かを信じて裏切られるのはイヤなんです。」
>「何で・・・オレが・・・・。」
>「花・・・・・。」
>           「・・・?」
> 不思議そうな顔をするライ。クリアは少し微笑んで髪をなでてあるものをライに見せた。白い花・・・・。
>「まだ・・・・付けてるんですよ・・・・。これをはずすのは貴方のぬくもりが消えてしまう気がして・・・・無意識のうちに怖くなっていたんです。それに・・・貴方が僕のこと好きなのはその髪についた花を見れば解ります。」
> ライの金色の髪には鮮やかな赤い花が添えられていた。ライはクリアの体を強く抱きしめた。ライの瞳から自然と涙が溢れでる。それをぬぐうことはしない。それ以上にクリアの事を抱いていたかった。クリアは言った。
>「ライさん・・・・。僕、滅ぼされるなら空の中で死にたいです。」
>        「ああ。解った。」
> ライはそう言ってクリアを抱きしめたまま翼を生やす。そして、空へと上っていく。
>
>
> ゼロスには解った。これからクリアは滅びるのだと・・・。今、黄金竜の男に抱かれて天空へ上っていく。
あぁ、ライさんクリアさん…死んじゃうんですかぁ!でも彼らがそれを望んでいるのなら…。
>「っ・・・・・・・。」
>「どうかしたのか?冥王様・・・。」
>     「今・・・クリアが滅びた。」
> クローバーは息を呑んだ。風を操ることの出来たクリアはあまり感情を表に出さなかった。フィブリゾの表情が暗くなる。自分が赤眼の魔王を目覚めさせたからクリアは滅びたのだ。そう思うだけで体から負の感情が溢れ出る。
クリアさぁぁん!…うぐっ…
>「ぅ・・・・・。あ・・・・れ・・・?」
> 青年が目を覚ました。青年は一瞬驚くがしばらくして言った。
>「貴方達は・・・・・?」
> 覇王が言った
>「ダイナスト・グラウシェラー。」
>「シェーラと言います。」
>「グロウですぅ」
>「ダイナだよ。お兄ちゃんは何ていうの?」
> 青年は黙り込む。しかししばらくして言った。
>「スミマセン。親に名前をつけてもらえなかったかったので・・・。」
> 沈黙。しかしダイナはいつものように元気に言った。
>「じゃぁ、俺がつけてあげる。ん〜。覇王様。ここ北だよね。」
>「あ・・・・ああ。」
> ダイナはにぃっと笑って言った。
>「北ってさぁ、ノースって言うんだって。だからお兄ちゃんの名前はノーストってのはどう?」
> 青年・・・・ノーストは少し笑った。とても綺麗な顔だった。ノーストは
>「ノースト・・・・ノースト・・・・」
> と、何回も呟いた。グロウは少し笑った。ノーストは言った。
>「し・・・・仕方ないでしょう?僕、捨て子だから名前なんか初めて貰うんですから。とっても嬉しいんです。」
>      「捨て子・・・?」
> シェーラが声に出してそう言った。ノーストは淋しげに頷いた。
なにぃ!ノーストって確かに北だぁ!…なんでいままで気がつかなかったんだろ…。んでもって捨て子…考えましたねぇ。
>「仕方ありませんねぇ・・・。」
> ゼロスがどこか吹っ切れたように笑った。ゼロスは目を開きニヤリと怪しい笑みを浮べた。そしてまたいつもの笑みに戻る。ゼロスは小さな声で呪文を詠唱した。
> 崖の上。ゼロスは人差し指を立て黄金竜の群れを裂くように手を動かした。そして小声で呟く。
>「ブラストボム。」
>          どごぉぉぉぉぉぉっ
> 熱い爆風。落ちていくたくさんの黄金竜。ゼロスは笑った。
うわお。プラストボム使ってるよ…ゼロス君。
>「ごめんな。」
> もう何回この言葉を呟いただろう。もう、この手の中には自分が愛していた魔族はいない。ライは涙を流した。ライは呟いた。
>「オレはお前のこと忘れねぇよ。けどな・・・オレもお前の傍に行きたい。」
>        ぐさっ
> ライは後になって自分のしたことに気付いた。ライは自分の手で自分の胸を貫いていた。赤い血で自分の手が濡れている。そして・・・・自分の体が落ちていく。下へ下へと・・・・・。
>
>
>
>        ぴちゃっ
>「ん?」
> ゼロスは自分の頬についた何かに気付いた。それは水だった。しかし雨が降る気配は全く無い。少しなめてみる。しょっぱい。
>                 ぴちゃっ
> また頬に落ちる水。ゼロスが手で触るとそれは血だった。赤い・・・。そして、自分の前を黄金竜が落ちて行った。血を流しながら・・・・。
ラ…ライさん死んじゃった…うぅ…なんか悲しいよう。
>*************************************
> いや・・・・。疲れました。大変だ。言葉が・・・・絶え絶えで・・・。勝手に話が進んでいくし・・・。多分、ガーヴさんはゼラスさんのことが好きなんだと思う。勝手な予想。・・・すみません。それでは・・・。
いわゆるガーゼラってやつですねっ!ではでは、ひーちゃんでした。


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26387お久しぶりです!2003/6/28 13:11:24
記事番号26385へのコメント

>> どうも、皆様お久しぶりの雫です。無事お休み復帰!「やった〜。これからも書いていくぞ!」と言う勢いです。それでは、内容に入りたいと思います。
>おお!お久。雫さんっ!
はい。永らくお待たせしました。
>>「そうですかなぁ・・・?」
>> 竜神官・ラルタークはそう言った。獣王は思わずラルタークを睨みつける。さらに後ろには竜将軍・ラーシャートがいる。魔竜王・ガーヴがゼロスが使えないことを知って貸してくれた・・・・・勝手に押し付けてきたのだ。
>>      『何か遭った時に役に立つだろう・・。』
>> そう言って貸してくれたのだが獣王にとっては何か遭ったら逆に足手まといだ。覇王は何か遭ったら盾にする・・・と言っていたが獣王はゼロスにだってそんな事する気は無い。自分の部下にだってしないことを借り物の二人にするわけにはいかない。獣王は一人、溜息を吐いた。ゼロスは無事だろうか・・・・。
>>――まぁ・・・・。フィブリゾのところの部下がいるから大丈夫・・かな・・?
>…ガーゼラって思った瞬間。
はい。プチガーゼラです。
>>「下・・・・・。行こうか・・・・。」
>> クリアが頷く。二人が地面に降りていく。
>はうわっ!まさかライが…あぁ。そんなわけない…と思うけど…
はうおぉぉぉぉぉぉぉぉっ(意味不明)
>>「先を急ぐぞ・・・・。」
>>      「えぇぇぇっ!?行っちゃうのぉ?」
>>              ぴくっ
>> 覇王はダイナの言葉に反応して少し動きが止まる。グロウがダイナに言った。
>>「でもぉ・・・。暖かいもの置いておけば大丈夫じゃないですかぁ・・?」
>>「だめだめ。スカイから聞いたんだけどさぁ、人間って弱いから魔族が寒いと思うぐらいの寒さだとほおっておくと死んじゃうんだって・・・。」
>> 沈黙・・・。そして・・・・
>>「し・・・・・仕方が無い!シェーラ!どこか建物を探せ!」
>>    「は・・・・はい!」
>> シェーラが周りを見ると遠くの方に建物が見えた。
>>「向こうに建物があります!」
>> 覇王は頷くと青年を抱き上げた。
>マフラ〜冬〜vは好きな季節だな〜v…冬生まれだからか?
私も冬が好きです。基本どの季節も好きですが・・・。雪とか好きです。(そんな私は秋生まれ)
>> ゼロスには解った。これからクリアは滅びるのだと・・・。今、黄金竜の男に抱かれて天空へ上っていく。
>あぁ、ライさんクリアさん…死んじゃうんですかぁ!でも彼らがそれを望んでいるのなら…。
多分クリアさんはライさんが死ぬことは望んでないと思います。でももし自分が滅びるなら彼に滅ぼされたいと思うんでしょう。
>>「っ・・・・・・・。」
>>「どうかしたのか?冥王様・・・。」
>>     「今・・・クリアが滅びた。」
>> クローバーは息を呑んだ。風を操ることの出来たクリアはあまり感情を表に出さなかった。フィブリゾの表情が暗くなる。自分が赤眼の魔王を目覚めさせたからクリアは滅びたのだ。そう思うだけで体から負の感情が溢れ出る。
>クリアさぁぁん!…うぐっ…
クリアさん・・・。ここでご冥福をお祈りいたします。
>>「じゃぁ、俺がつけてあげる。ん〜。覇王様。ここ北だよね。」
>>「あ・・・・ああ。」
>> ダイナはにぃっと笑って言った。
>>「北ってさぁ、ノースって言うんだって。だからお兄ちゃんの名前はノーストってのはどう?」
>> 青年・・・・ノーストは少し笑った。とても綺麗な顔だった。ノーストは
>>「ノースト・・・・ノースト・・・・」
>> と、何回も呟いた。グロウは少し笑った。ノーストは言った。
>>「し・・・・仕方ないでしょう?僕、捨て子だから名前なんか初めて貰うんですから。とっても嬉しいんです。」
>>      「捨て子・・・?」
>> シェーラが声に出してそう言った。ノーストは淋しげに頷いた。
>なにぃ!ノーストって確かに北だぁ!…なんでいままで気がつかなかったんだろ…。んでもって捨て子…考えましたねぇ。
はい。ただノーストって呟いたら出てきただけなんですけど・・・。
>>「仕方ありませんねぇ・・・。」
>> ゼロスがどこか吹っ切れたように笑った。ゼロスは目を開きニヤリと怪しい笑みを浮べた。そしてまたいつもの笑みに戻る。ゼロスは小さな声で呪文を詠唱した。
>> 崖の上。ゼロスは人差し指を立て黄金竜の群れを裂くように手を動かした。そして小声で呟く。
>>「ブラストボム。」
>>          どごぉぉぉぉぉぉっ
>> 熱い爆風。落ちていくたくさんの黄金竜。ゼロスは笑った。
>うわお。プラストボム使ってるよ…ゼロス君。
ゼロス君頑張ってます。まぁこれからゼロス君とミルさんの戦いも始まるでしょうね。
>>「ごめんな。」
>> もう何回この言葉を呟いただろう。もう、この手の中には自分が愛していた魔族はいない。ライは涙を流した。ライは呟いた。
>>「オレはお前のこと忘れねぇよ。けどな・・・オレもお前の傍に行きたい。」
>>        ぐさっ
>> ライは後になって自分のしたことに気付いた。ライは自分の手で自分の胸を貫いていた。赤い血で自分の手が濡れている。そして・・・・自分の体が落ちていく。下へ下へと・・・・・。
>>        ぴちゃっ
>>「ん?」
>> ゼロスは自分の頬についた何かに気付いた。それは水だった。しかし雨が降る気配は全く無い。少しなめてみる。しょっぱい。
>>                 ぴちゃっ
>> また頬に落ちる水。ゼロスが手で触るとそれは血だった。赤い・・・。そして、自分の前を黄金竜が落ちて行った。血を流しながら・・・・。
>ラ…ライさん死んじゃった…うぅ…なんか悲しいよう
 でもこれはライさんの幸せでライさんにとってはクリアさんのいない世界では存在する意味が無いのだと思います。
>> いや・・・・。疲れました。大変だ。言葉が・・・・絶え絶えで・・・。勝手に話が進んでいくし・・・。多分、ガーヴさんはゼラスさんのことが好きなんだと思う。勝手な予想。・・・すみません。それでは・・・。
>いわゆるガーゼラってやつですねっ!ではでは、ひーちゃんでした。
読んで下さってありがとうです!これからも雫は頑張りますので氷月さんも頑張って下さい!それでは・・。

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26402存在する意味 その112003/6/28 22:51:39
記事番号26373へのコメント

 こんばんは。雫です。祝11回目!普通は10回目で祝うはずなのに・・・・。良いんです!雫だから・・・!(謎な言い訳)すみません。内容に入ります。
*************************************

   存在する意味 その11

 海王は船に乗っていた。船の中には海王もあわせて四人乗っていた。一人はディープシー・ダルフィン。二人目は淡い緑色の髪をした少女だ。年は16ぐらいだろう。凛々しい瞳の少女で髪を後ろで一つに結わえている。海神官・ディープだ。三人目はダルフ・・。そして四人目は・・・・ノアである。ノアは小さな船の中で前にいるディープと話をしながらも無意識のうちに隣にいるダルフを意識していた。
――体が・・・・触れ合ってる・・・・。
 ディープが言った。
「もうそろそろだね魔海の中心。」
「うん。もぅサイコ〜」
「・・・・・へ・・・・・?」
「あ・・・・・っ。な・・・・何でもないの・・・。うん。本当に・・・・。」
 不思議そうな顔をするダルフとディープ。しかし、海王にはノアの気持ちがなんとなくわかってクスリと笑った。
――ダルフがあたしの顔見てる〜。どうしよう・・・。



 ノーストは暖炉の火で手を温めながら言った。
「僕の母親は僕が五歳の時に僕を捨てました。この・・・・北の極点に・・。」

       おかぁさん。いつになったら迎えにきてくれるの?

      ゴメンネ。ゴメンネ。コレカラハアナタハヒトリ。

    どこ行くの?僕は連れてってくれないの?

        ゴメンネ。オカアサンハミンナトイッショ。

       見捨てるの・・?僕が悪い子だから?

     ゴメンネ。アナタハイイコヨ・・・。

          おかぁさん。やだ。一人にしないで。

「後から解りました。僕の家はまだ貧しかった。あの時、母は体の中に命を宿していたそうです。だから、僕は必要じゃなくなりました。きっと父に似た紅い髪の子供なんでしょうね・・・。」
 覇王はしばらくノーストを見た。魔族になる基本的な素質はあるようだ。あとは彼の心次第だ。彼が何を望んでいるか。会いたいのか、それとも復讐したいのか。
「でもさ、ノーストの兄ちゃんは何したいわけ?これからさぁ・・・。」
 ダイナの言葉にノーストはしばらく黙ってから言った。
「・・・・生きていたいです。強くなって、そして誰かの元でその誰かのために生きたいです。」
「だったらさぁ、お兄ちゃん魔族になったら?」
「・・・・・へ?」
 間抜けな声。シェーラは言った。
「そうです!覇王様の下で一緒に働くのはどうですか?きっと覇王様は許してくれます!魔族になりましょうよ!」
「良いでしょうぅ?」
 グロウの言葉。覇王は言った。
「・・・・別に構わない・・・・・。」
 ノーストは黙ったそして・・・・・・・。




「淋しい場所ですわね。」
 海王の言葉。四人の目の前には平らな島があった。あまり広いとはいえない。ダルフは言った。
「とりあえず上陸しましょう。計画のためのものを創るにはちょうど良い広さだと思います。」
 船が島に近ずく。
              ばちぃぃぃぃぃぃ
    「!?」
 船は電気を薄く延ばしたような壁にぶつかり少し弾かれた。ディープが言った。
「結界?」
「そのようだ。・・・・・・・はぁぁぁぁぁぁっ!」
 ダルフが雄たけびを上げると水が渦を作り結界にぶつかって弾けた。ノアが言った。
「あのぉ・・・。ここは水がたくさんあるから水と相性の良い人が作ったのでは、と思うのですが・・・・。」
     「じゃぁ。どうするんですの?」
「あたしに任せてください。これでも火の扱いには慣れています。」
 そう言って笑うとノアは深呼吸した。ノアの周りで空気が摩擦を生み熱を作り出す。そして炎が生まれ、ノアの手に凝縮した。それを結界に向けて打ち放つ。
     ごぉぉぉぉぉぉ
 結界は破れない。ノアは少し悔しくなった。ダルフの前で無力な自分をさらけ出してしまった。好きな人の前でこそ強くありたいし何でも出来るような魔族でいたいのだ。
          「もう一回。」
                   ごぉぉぉぉぉぉぉ






 何回同じことが続いただろう。海王も攻撃をした。皆で同時に攻撃もした。それでもダメだった。ノアは絶望していた。自分はなんでここに来たのだろう。彼の、ダルフの役に立ちたいからではないのだろうか。
――まだ試してないことがある。
 ノアは立ち上がった。意識を集中させる。

      ――心の炎よ 命の炎よ――

           ――我の全てを燃やし尽くせ――

――貴方の役に立つためなら、私の命ぐらい。

       ――我の全てを力にし、
         我が前に立ちふさがりし
         全てを燃やせ      ――





ごごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ




   物凄い熱気そして・・・・・。紅蓮の炎に飲み込まれた。



*************************************
 つかれたぁ〜。ちょっとただでさえ短いのにさらに短いかもしれません。私も頑張って書きます。ではそろそろ私はこれで。また今度・・・・。

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26411存在する意味 その122003/6/29 13:17:17
記事番号26373へのコメント

 皆さんこんにちは。雫です。いつもいつも似たような挨拶なのですがこの状況は多分何とかすることは今の私には無理だと思います。それでは本編に入らせていただきます。
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   存在する意味 その12

 吹雪が吹き荒れる中、覇軍は雪を踏みしめて歩いていた。その中にはノーストもいる。覇王は最初獣王のところが一人で海王のところが二人、魔竜王のところが二人で冥王のところが四人と聞いてどこかと数が被るのがイヤでこれ以上は増やさないことにしようと思っていた。
――もう、変なこだわりは捨てよう。
 他と足並みが揃っても別に構わない。それは自分の個性が無くなったのではなく自分の心が他人の心とたまたま意見があってしまっただけである。覇王は自分の顔を覗き込んでいるダイナに気付いた。覇王は言った。
「どうした?」
「覇王様ってさぁ、なんか突然何考えてるのかわからない時あって。大丈夫かなぁって・・・。」
「安心しろお前達のためにまだ滅びることはしない。」
 シェーラはなんとなくイライラした。自分にはそんな優しい言葉をかけてくれたことはない。グロウがシェーラに言った。
「まだ寒いんですかぁ?」
「違う!」
「でもシェーラさんは偉い方ですねぇ。」
 グロウからそんな言葉が出てくるとは思わなかった。シェーラは少しグロウの顔を見た。いつもの困った様な笑顔をしている。全てを覆い隠そうとするような、そんなふうにシェーラには見えた。ノーストは言った。
「ところでこれから何処に?」
 ノーストのところまでダイナが走りよる。そして地図を広げて見せた。そして一箇所、丸がついている場所を指差す。丸で囲ってある場所は、白く塗られた地図の中の大地に雫を落としたように緑色の大地が描かれていた。
        白い海の中の緑の大陸のように・・・・・。



 カタート山脈。そこで炎があがっていた。遠くから見るとそれはカタートが火を噴いているように見えてどこか怪しい気配がある。そこに水竜王はいた。水竜王は三人の魔族を相手にしている。一人は冥将軍・スカイ。もう一人は魔竜王・ガーヴで、そして・・・・・最後の一人は赤眼の魔王である。水竜王はしばらく黙って攻撃から身を守っていたが言った。
「赤眼の魔王よ・・・・。その・・・・エプロンはどうにかならないのか?」
    「解りましたよ・・・・。」
 赤眼の魔王はエプロンをはずした。そして手から炎を生み出す。ガーヴが刃で水竜王に切りかかった。もうこれ以上会話は無い。互いに必死だった。話している余裕が無いくらい・・・・。水竜王はガーヴの刃を受け止める。そこに炎が来る。
「はぁ!」
 瞬時に水を生み出し水竜王は炎を打ち消した。そこにスカイが攻撃を入れる。水によるその攻撃を水竜王は吸収した。まだ戦いは終わりそうにない。



 滅びの砂漠を冥王は歩いていた。クローバーも一緒である。冥王は足を止めた。冥王は言った。
「着いたよ。」
 そこは滅びの砂漠の白い砂の中で唯一黒く染まっていた。クローバーはさっきから黙っている。冥王は言った。
「どうしたの?クローバー・・・・。」
「よく平気でいられるよなぁ。冥王様は。」
「どう言う意味?」
 クローバーは冥王を睨んだ。そこには確かな憎しみの感情が渦巻いていた。クローバーは言った。
「クリアが死んだのに・・・・。滅びたのに・・・・・・。ノアだっていつそうなるか・・・・・・。」
「信じてやれないわけ・・・・。」
 冥王は溜息を吐いた。クローバーは冥王のその態度が気に入らなかった。たとえ自分の主でも・・・・。

           兄さん・・・・・。

 クリアは自分のことをそう呼んでいた。いつも「やめろ」と言っていたがそういわれて頼りにされるのが本当は嬉しかった。
――強くなきゃいけない。
 冥王はそう思っていた。本当はとても悲しい。今、自分が人間で涙を流せるとしたらこんな悲しい感情吐き出してしまいたい。そんなに悲しいのに、それを隠そうと必死になっているのに目の前の自分の部下は自分の事を理解してくれない。

      強く・・・・氷より冷たく・・・・・・

 冥王はそうなりたかった。そうすれば自分が負の感情を出すことなくほかの皆に迷惑をかけなくても良い・・・。強くなれば守ることが出来る・・・・。
 クローバーは言った。
「俺はもうこれ以上貴方にはついていけません。さようなら。」
 クローバーは空間を渡った。冥王はその場に膝をついた。

            泣きたい・・・・泣きたいよ・・・・

 そこに本当は弱い自分がいた・・・・・。




 目の前に広がる炎。ダルフは今までこんな炎を見たことは無かった。命さえ燃やすようなそんな炎だった。そして・・・・・。

        熱い・・・・体が燃える・・・・

            でも、あの人のために・・・・・

 炎がやむとそこにノアがいた。倒れている。ダルフはノアに言った。
「大丈夫か・・・・?」
「多分・・・・・結界は溶けた。」
「そうじゃなくて・・・・。」
「ねぇ・・・・しばらくこうやってあたしの話を聞いてて・・・・。」




「後半分・・・・。」
 ゼロスは溜息を吐いた。あまりにも歯ごたえが無い。これが本当に竜の力だろうか・・・・。それとも自分が強くなりすぎたのだろうか・・・・。しかし、ゼロスには解ることがあった。今、自分は焦っている。自分の仕事はドラゴンピークでカタートに行くであろう黄金竜たちを全滅させる・・・。または足止めすることである。しかし、竜族もずっとこの状況を続ける気は無いだろう。何か対応策を考えているだろう・・・・。
 ゼロスの前に一匹の黄金竜が現れた。たしかミルガズィアと竜の中で呼ばれていた気がする。ゼロスは呪文を詠唱した。
「ブラストボム」
           どごごごごごぉぉぉぉぉぉっ
 ミルガズィアは上手い具合に攻撃をよける。ゼロスはブラストボムを避ける竜を見て驚いた。ゼロスは偶然を信じる気は無い。少なくとも偶然ではない。奇跡と言う考えもあるがそれは否定した。これは彼の実力だ・・・・。
――少しは歯ごたえがあるでしょうかね・・・?



「ゼロス大丈夫かしら・・・?よく無茶する子だからね・・・・。」
 獣王が呟いた。ラルタークが言った。
「まぁ大丈夫でしょう・・・・・。」
「あんたが言ってもね・・・・。」
 獣王は苦笑した。親馬鹿もいいところだろう。ガーヴは大丈夫なのだろうか。赤眼の魔王様の傍にいるのだから大丈夫だろうがやはり心配である。自分に部下を貸したせいで滅びるなんて事はないだろうか・・・・。ガーヴはいい加減そうに見えてとても忠実な魔族である。魔王様の迷惑になるようなことはしないだろう。

      そのときは、魔竜王が裏切るなんて誰も思わなかった





 その姿は踊っているようにも見えた。冥王は黒い砂の上を舞っていた両手には白い砂を握っている。それを少しずつこぼしながら黒い砂の上を踊っている。その姿は破壊の大地に舞い降りた希望をまく天使のように見えた。
 そして・・・・・それは完成する。白い砂で描かれた魔方陣。あとはこの魔方陣の上に何か建物を作ろう。そうすればもう誰にも邪魔は出来ない・・・・。




「あ・・・・覇王様。」
「ん・・・?なんだ、シェーラ?」
 シェーラが指し示す先には草原があった。そこだけが夏のようだった。グロウが言った。
「対照的ですねぇ・・・・。」
 ダイナが草原に手を伸ばした。
      こつんっ
               壁が・・・・そこにあった。
「結界・・・と言うものでしょうか・・・?」
 ノーストのその言葉にダイナが頷いた。そして・・・その結界の中に・・・・
          (誰・・・・・・?)
 少女がいた。秋の麦畑のような茶色い髪そして同じ色の茶色い瞳。14歳ぐらいだろう。髪の毛をポニーテールにしている。その髪には緩くウェーヴがかかっていてとても綺麗だ。少女は言った。
(邪魔しないで。私はここに一人で居たいの。彼を待っているの。)
「誰をですかぁ。」
 グロウの質問。それに少女は真剣な顔で言った。
(男の子。一つ年下なの・・・・。私の弟なんだけど私は弟を愛していた。)

        毎日神に懺悔した。

          本当は持ってはいけない感情

              弟の言う好きとはまったく違う

      (大好きだった。愛しくて・・・・。)
 少女がただひたすら話を続ける。ノーストが言った。
「覇王様どうしますか?これからその少年を探しますか?」
 覇王は刃を結界に近づけた。しかし、刃は弾かれた。少女は言った。
       (頂戴・・・・。)
「ふぇう?」
 シェーラの間抜けな声。少女は言った。
(その少年を頂戴。・・・・似てるの・・・・・。私の弟に・・・・。)
「オレェ!?」
 照れて顔が赤くなるダイナ。少女の指の先にはダイナがいた。ダイナが言った。
「ヤダよ!オレ、覇王様の傍にいるんだから。だいたいお前のところにオレが行ったらお前は何してくれるんだよ?」
(皆を・・・・・。中に入れさせてあげる・・・・。でも、目的を果たした後も貴方は残らなければいけない。私の傍で、永遠の時を紡ぐの・・・・。)


*************************************
 はい。なんとか・・・・。無事ここまで・・・。どうなるんだろう・・・。色んなキャラが増えて疲れます。だいじょうぶかなぁ。それでは皆様・・。お体にお気をつけて。

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26416存在する意味 その132003/6/29 18:05:18
記事番号26373へのコメント

 どうも、雫です。ありきたりな挨拶なのですが連載は疲れます。(短いくせに数だけ多い。)いろいろありますがこんな私でもここまで読んでいて下さっている方がいるならぜひともお付き合い下さい。
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   存在する意味 その13

 ゼロスは杖を振り上げた。相手の体は大きい。しかし、ゼロスも力だけなら負けていないし、すばやさがある。ゼロスはミルガズィアとの距離を縮めた。しかし、

               どごぉぉぉぉ

「!?・・・・・・・っぁ!」
 近距離でのレーザーブレス。ゼロスは何とか体を持ち上げた。他の竜とは違う。戦闘慣れしているのではなく、戦いの基本がきちんとしていて冷静な判断力を持っているのだ。だからゼロスは少しずつ黄金竜の群れの近くに誘導されている。近距離ではブラストボムが打てない。ゼロスはミルガズィアとの間合いを取る。風が吹くがそんな事を気にしている人は殆どいなかった。しかし、ゼロスがクリアの事を思い出すには十分だった。何故・・・こんなことになったのだろう。答えは戦いの先にあるような気がした。




「城も建てたけど・・・・後は待つのみか・・・・・。」
 冥王は一人で呟いた。今はこの言葉に答えてくれる大切な部下はいない。何処へ行ったのだろう。冥王は溜息を吐いた。
「・・・・・・・・」
 フィブリゾは振り返った。そこにクローバーがいた。近づこうとしたがフィブリゾは足を止めた。クローバーが二本の大剣を手に持っていたのだから。クローバーがフィブリゾに襲い掛かる。クローバーは言った。
「許さねぇ。何が赤眼の魔王だ。前のほうが楽しかったし、辛いことは無かった。全てはあんな奴目覚めさせたお前が悪いんだ!」
 クローバーがフィブリゾの肩を剣で凪いだ。フィブリゾは黙ったまま動かない。最初は神の側がきたのだと思った。でもクローバーに操られてる様子は無かった。クローバーが言った。
「どうしたんだよ?滅ぼされたくなかったら、俺を滅ぼせよ・・・・。」




 ミルガズィアは叫んだ。自分の腕が大地に落ちていくのが見えた。ゼロスが場違いな天使のような笑みを浮べる。自分の中で増殖していく恐怖。一瞬・・・・・今も何が起こったのかわからない。ゼロスの体が一瞬消えて黒い影が見えたと思ったら腕に激痛が走っていた。
 ゼロスは微笑を浮べながらもミルガズィアの方を見た。腕を片方切り落としてやったもののまだ戦えそうな気がする。ゼロスは誰にも聞こえない程度に溜息を漏らした。
――ノアさんは・・・・・。ノアさんは無事でしょうか・・・・。
 ゼロスはそんな不安に駆られた。ただただ真面目に仕事をこなしていた自分に遊び心を目覚めさしてくれた女性。たまにグロい発言もあったのだがここまで友達として仲良くやってきた。恋の悩みとかを打ち明けられるのは相手が自分を恋愛対象と見ていない証拠である。一人で心臓も無いのにドキドキして勝手に顔を赤くしてしまってバカだ。なんて愚かなんだろう。
 こんなことしている場合じゃないと解っていてもゼロスはノアの気配を探した。
     空を埋め尽くすほどいた黄金竜はもう千匹程度になっていた。




「おとなしくしていろ。おとなしくしていれば滅びることは免れるはずだ。」
 ダルフの言葉。しかしノアは笑った。
「どの道あたしの体力じゃ無理。その前にダルフに・・・・貴方に話しておきたいことがあるの。」
 海王はディープを連れて陸に上がった。これで船の中は二人だけである。ノアはダルフの頬に手を伸ばした。まともに触れることも無かったダルフの体は死神のように冷たかった。
――こんな死神に見届けられるなら私も幸せかなぁ・・・・?
 ノアは言った。
「あたしがダルフと初めて会ったのはね・・・人間の世界だった。綺麗な人間だなぁって本気で思っちゃたりして、ばかだよね。で、海王さんのところに行ったらダルフがいて『あぁ・・・・・。魔族なんだぁ・・・。』って思ったの。」
「それで・・・?それがどうかしたのか?」
「ダルフって真面目さんだね・・・・。あたしの言いたいことに気付いてくれないんだ。」
「?」
 ノアはダルフの首に手を回した。そして体をおこしてダルフの唇に自分の唇を少しだけ重ねた。そしてすぐにはなす。それからノアは言った。
「あたしね・・・・、ダルフのこと・・・・好きだったんだ・・・。今さ・・・返事聞かせてくれる?」
    「・・・・・何といえば・・・・・。」
「嘘でいいから・・・・。好きって言って欲しい・・・・。」
「すまない・・・。魔族は嘘をつけない。俺は・・・お前の事を愛することは出来ない。しかし、お前の望む意味じゃなければ何度でも言ってやれる。好きだ。好きだ。同じ仲間としてお前が好きだ・・・・・。」
「・・・・・・ありがと・・・・・。人間は死ぬと星になるって言うけどあたしはどうなっちゃうんだろう?」
 ダルフはノアの体を抱きしめて言った。
「きっと綺麗な星になる。」
「ありがとうね。でもきっとそれは流れ星だよ。自分の身を燃やす・・・。」
 ノアは幸せそうな笑みを浮べて混沌へと消えた。しかし、その笑顔は誰にも見られてはいない。




「・・・・・ノア・・・・・・。」
 フィブリゾが呟いた。横に倒れているのはクローバー。体の真ん中に虚ろな穴を開けている。フィブリゾがやったのだ。そして・・・・。フィブリゾはその場に膝を着いた。

           命はもろい

             それ自体がかけらのようなもので

      生き物はそれをかき集めようとするけれど

        手の中に入ったものは幻で

               最後には消えてしまう

 魔族に寿命は無い。それでも終わる時は必ずやってくる。混沌に帰す時か、誰かに滅ぼされる時に・・・・・・・・。




 ノアの気配が消えた。ゼロスは絶望した。気配が消える。これは魔族の消滅、つまり滅びを意味した。ゼロスはその場で存在しないような薄い・・・・虚ろな存在になった。そしてゼロスが今、出している負の感情もカタートにいる魔王に吸われている。

         「生ゴミ」

                「それは秘密です。」

     「あたしさぁ、ダルフのこと好きみたい。」

 自分勝手で生ゴミと呼んできたり何か質問すると人差し指たててそれは秘密ですと言ってくる少女。そんな彼女の口癖を部屋で一人呟いたこともあった。それほど好きだった。
「何やってんですか・・・・・。僕も・・・・・・。」
 そんな呟きが漏れる。彼女のいない世界。それは自分の90%を失うのも同じような気がした。獣王様のために覚えた技もいつの間にかノアを守るために使いたいと思うようになっていた。
 ゼロスの放心状態を竜達が見逃すはずも無かった。全員でレーザーブレスを吐き出す。




「中に・・・・入れてくれる・・・・?」
(ええ。・・・・貴方が残ってくれればこの中で何をやっても構わない。)
 ダイナは悩んだ。この少女の条件を自分は飲むべきなのか。しかし、この少女は一体なにを言っているのだろう?戦闘以外のことに対しては考えが本当に子供なダイナには少女の言っていることが理解できなかった。とりあえず、自分はここに残ったらなぞの生態実験の材料にさせられる気がした。少女が言った。
(早く答えて・・・・・。欲しいの。貴方が・・・・。私の傍でずっと可愛がってあげる。その貴方の瞳が好きなの。純粋なその瞳が・・・。)
「覇王様・・・・。なんかホラーっぽいこと言ってるけどオレどうしたら良いのかなぁ?」
 ダイナはその理解できない内容を話す少女を自分の中で未知の生命体どんどんしたてあげた。
          可愛がる?瞳が好き?
――まさかこのおねぇちゃんオレの目玉えぐりぬく気が・・・・。
  やだなぁ。痛いんだよね・・・・・。
 のんきにそんな事を考える。覇王はノーストに言った。
「どう思う?」
「よく解りませんが、多分結界の中には彼女の核になっているものがあると思います。それを壊せば・・・・・彼女は・・・・。」
「死ぬか・・・・・。」
(決まったの?)
 少女の声ダイナが覇王のほうを見る。覇王が言った。
「結界の中なら何をしても構わないのだな?」
(ええ。その子をくれるなら約束は守る。)
「よし・・・・。くれてやろう。」
          「なぁ!」
 驚きの声をあげるシェーラとグロウ。
「覇王様良いのですか!?眠れない時にはこもりうた歌ってあげるほど大事にしていたのに手放しちゃって!」
「そうですよぉ。この前だってぇ、髪の毛にリボン付けられても怒らないで絶えてたじゃないですかぁ。」
「二人とも・・・・・かなり恥ずかしい記憶を持ち出すな。世間で私は極悪非道で通っているのだから。」
 ダイナは少女の方を見る。少女が笑う。ダイナは覇王に助けを求めるような目を向ける。少女の笑みに恐怖を覚えたのだ。覇王は言った。
「仕方あるまい・・・・。」
 ダイナはしばらく覇王の顔を見ていたが少女の方に向き直り近づいた。結局は主と部下の関係で親子みたいに親しみあえるわけではない。部下はただ主の命令に従うだけだ。ダイナが少女の前でとまる。少女がダイナの手を引っ張る。少女は覇王に向かって言った。
(もう入れるからどうぞ・・・・。)
 覇王は頷いた。そしてグロウとシェーラとノーストを引き連れて中に入って行った。少女がダイナに微笑みかけた。しかし、その微笑には何か邪悪なものが混じっている気さえした。








 獣王はゼロスの気配に気付いた。自ら滅びを望んでいる。しかもこの様子だとそうとうピンチのようだ。
――滅びるかもしれない!
「ゼロス!・・・・・二人とも!」
「はっ。」
「回り見張ってて!」
 獣王は意識を集中させた。その顔は子供を守ろうとする獣のように見えた。

*************************************
 あぁ!・・・・・いろんなとこであわただしくしちゃってどうする気だろう?最初、北の極点にいる少女もただの純情な少女だったのに今なんか怖いし(頑張れダイナ)。おわるかなぁ?・・・・・まぁ、それでは皆様またお会いしましょう。

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26441Re:存在する意味 その13オロシ・ハイドラント 2003/7/2 19:22:20
記事番号26416へのコメント

こんばんはラントです。


やっぱり面白いです。


移り変わっていくなかで、次々と失われていく命。
それでも、悲しみの涙雨は、けして戦火を消すことはない。
どれだけ冥王の部下達が滅びても、それでもノンストップなところに、哀しさを感じさせられました。


それでいて、重いだけでなくところどころに散りばめられたユーモア。
>「赤眼の魔王よ・・・・。その・・・・エプロンはどうにかならないのか?」
とか。
シリアスが上手なだけでなく、ギャグのセンスまでも有していて凄いです。


さて、次回はどう展開してゆくのでしょう?
楽しみにしています。
かなり短いですが、それでは……

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26442Re:存在する意味 その132003/7/2 20:16:00
記事番号26441へのコメント

>こんばんはラントです。
こんばんは、雫です。
>やっぱり面白いです。
いや・・・・。ありがとうございます。(照れてる・・・。)
>移り変わっていくなかで、次々と失われていく命。
>それでも、悲しみの涙雨は、けして戦火を消すことはない。
>どれだけ冥王の部下達が滅びても、それでもノンストップなところに、哀しさを感じさせられました。
戦いはドラマです。たくさんの人たちが争う場所に必ず出会いと悲しみが横たわっています。(何かを悟った!?脳みそ生クリームが・・・!?)
>それでいて、重いだけでなくところどころに散りばめられたユーモア。
>>「赤眼の魔王よ・・・・。その・・・・エプロンはどうにかならないのか?」
>とか。
>シリアスが上手なだけでなく、ギャグのセンスまでも有していて凄いです。
 シリアスを続けていると私が疲れてしまうんです。だからちまちまとギャグを入れてしまうんです。
>さて、次回はどう展開してゆくのでしょう?
>楽しみにしています。
>かなり短いですが、それでは……
いえいえ。お返事いただけただけで嬉しいです!それに長さじゃなくて内容です。オロシ・ハイドラントさんのお返事には心がこもっていてパソコンの前にいて嬉しくなってきます。これからも頑張ります。オロシ・ハイドラントさんも頑張って下さい!それでは・・・。

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26444存在する意味 その142003/7/2 22:00:13
記事番号26373へのコメント

 こんばんは、雫です。無事こんなところまで・・・・・・一人で感動に浸ったりします。それでは内容に入ります。
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   存在する意味 その14

 獣王は目をつむり一つの事に意識を集中させていた。そのうちアストラルサイドの入り口が大きく口を開き始める。普段だったらこんなに大きく開けることは無い。人間が間違えて入ったら困るのだ。
 獣王はアストラルサイドを通じてゼロスをこちらに引っ張り出すつもりなのだ。――あんたを簡単に滅ぼさせたりしないから。
 獣王が目を開けた。見つめる方向は・・・・・ドラゴンピーク。




「魔族!これで終わりだ!」
 ゼロスは動けなかった。いや・・・・動かなかった。今、ゼロスは自分の滅びを前にそれを待ち望んでいた。こうなるべきだった・・・・。最初からこの世界を滅ぼそうとせずにただ・・・・眺めていれば良かった。

        何て綺麗なんだろう・・・・

 空から降り注ぐ攻撃すらこの景色のために創られた金色の雨のように見えた。緑が多い茂り、ところどころに神々しいまでの大地が覗いている。空は蒼く晴れ金色の雨がこちらに向かって降っている。自分が流す事の出来ない涙の代わりに流れる金色の雨。その雨がこれから自分を消す・・・・。そんな事はどうでもいい。何故魔族はこんなにも美しい世界を壊そうとするのだろう?

                               ゼロス!!

「!?」
 懐かしい声が聞こえた。自分の存在を認めてくれた人。優しい温かい腕で体を温めてくれる人・・・。自分の事のように悲しんで悩んでくれる人。自分に色々教えてくれた・・・。
「獣・・・・王・・・・さ・・・・ま・・・?」
 世界がゆくっり動き始めた。ゼロスはこれでいいと思った。もういい加減に争いごとはいやだ。ゼロスは目の前に迫ったレーザーブレスを見て微笑んだ。
             どごぉぉぉぉぉっ
 数多のレーザーブレスがゼロスのいる場所でぶつかり爆発した。黄金竜の一人が言った。
「ミルガズィア様!早く手当てを・・・・!」
       「くそっ・・・。カタートから邪悪な気配がする。」
「今から行くぞ!」

                  「待て!!落ち着け!!」

 ミルガズィアが怒鳴った。黄金竜たちがシーンと静まる。ミルガズィアが呻く。大丈夫なはずが無い。腕が片方無いのだから・・・。近くにいた黄金竜が言った。
「三人ぐらいにしましょう・・・行くのは。それ以外は村に帰りミルガズィア様の手当てを・・・・。」
 それに黄金竜達は頷き三匹飛び立って行った。







「・・・・っ!」
 ゼロスはしりもちをついた。そこに獣王とラーシャートとラルタークがいた。獣王が言った。
「良かった・・・・。」
 ゼロスが立ち上がって空間を移動しようとする。しかし、その腕を獣王がきつく掴んだ。獣王が言った。
「どこに行く気?あんたの役目はもう終わったのよ。もう戦わなくて良いんだからね。」
「イヤです!僕は滅びたいんです!ノアさんが滅びたのに・・・僕が一人で生きてたって・・・。行かせて下さい!」
「女の子との約束、破るんだ・・・・。ゼロスは・・・・。」
 獣王が淋しげにそう言った。こんな子に育てた覚えは無いと言いたげである。後ろでラーシャートとラルタークが話しに入れずにとりあえず周りを見張っている。
 ゼロスが首を傾げかけて一つの事に思い当たり止めた。


  「あたしが滅んでも生ゴミは生きてあたしの事、忘れないで貰いたいんだ」

            それが・・・・・・


「彼女の存在していた証拠・・・・。」
 ゼロスがそう呟いた。獣王が頷いた。ゼロスが言った。
「・・・そんな事・・・関係ありません。彼女にはすみませんが、僕は一人で生きているのはイヤなんです。」
                     どごっ
 獣王はゼロスの頭を殴った。怯えるラーシャートとラルターク。ゼロスが驚いて瞳を開いて獣王を見た。怒ってはいない。悲しんでもいない。ただ・・・・・優しくゼロスを見守っていた。獣王はゼロスの体を抱きしめて言った。
「ゼロスのバカ。・・・・一人で生きてるんじゃ・・・・ないでしょ?あたしだってゼロスと一緒に生きているんだし・・・皆、ゼロスと同じ時間を過ごしているんだからね。」
「・・・・・・獣王様・・・・・・・。」
 獣王がゼロスから離れる。そのとき、ゼロスが言った。
「すみません・・・・。」
                             「え・・?」
 ゼロスが空間を渡る。
――何と言われようと僕は滅びたい。
                    「ゼロス・・・。」
      「・・・・・!?」
 ゼロスは一度振り返って驚いた。目の前に闇が広がっていた。それが獣王の中である事が解った。それは自分が生まれた場所・・・・。
「出してください!!」
        「出すわよ・・・。戦いが終わったらね。」
 ゼロスの意識は深い闇に投げ出された・・・・・。



*************************************
 短い。すみません。本当に短いです。もう少し長く書きたいのですが今はこれが精一杯です。ごめんなさい。私はこれで・・・・。皆様、夏ばてには気をつけて下さい。

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26449存在する意味 その152003/7/3 21:42:53
記事番号26373へのコメント

 こんばんは、雫です。存在する意味、祝15回目!張り切っていきますよぉ〜。ここまで読んで下さっている心が混沌の海よりも広い方、ありがとうございます。それでは内容に入っていきます。
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   存在する意味 その15

 海王とダルフとディープは平らな島の上にいた。そこに一人の男がいた。目に包帯を巻いているところから目が見えないのだろうか?灰色に近い銀色の髪は長く伸びきり、はねている。しかし、男だと遠くからでもわかった。男は上の服を着ていなかった。
 海王は男のところに歩み寄った。そして言った。
「すみません。あの・・・・あなたは・・・・・?」
 男は声に反応した。少し顔をあげ海王の方に手を伸ばす。
                  むりゅっ
      ずばごしぃっ
 男を殴り飛ばすディープ。ディープは言った。
「何さらすんですか!?海王様の胸を触って・・・・・・。海王様!この人は女の敵です!叩き潰しましょう!」
「・・・・・落ち着きなさい・・・・。別に魔族なんだから触られても・・・・ねっ、ダルフ。」
 クスリと笑う海王。しかし、ダルフは顔を赤くして言った。
「良くありません!・・・と言うより俺に話を振らないで下さい!」
――・・・・海王様・・・・。やっぱり大物だ・・・・。
 心の中でダルフが呟いた。男はにぃっと口元だけに笑みを浮べた。男は言った。
「俺はオーシャンってんだ。海王と・・・・ダルフ・・・・・お嬢ちゃんは?」
 ディープが顔を赤くしてオーシャンに殴りかかりかける。しかし、ダルフがディープを押さえ込み海王が言った。
「彼女はディープと言いますわ。」
                     ぐさっ
 海王は突然の攻撃に驚いた。しかし、海王は攻撃を喰らっていなかった。ディープがオーシャンの投げたナイフを手で受け止めていた。オーシャンが言った。
「へぇ・・・・・お嬢ちゃん、結構やるじゃないの・・・・。俺好きだぜぇ・・。そういう気ぃ強い奴が死にかけて泣き叫ぶ姿がな!」
 オーシャンが飛刀を取り出した。海王が一気に後ろに飛んで間合いをとる。ダルフとディープが刀を抜き放つ。
 オーシャンがニヤリと口元に笑みを浮べる。





 獣王はその場所にたどりついた。そこは大地が開けていて灰色になっていた。それは何かに燃やされたあとのように見えた。獣王は腰に下げていた袋に手を伸ばしながら言った。
「ラルターク、ラーシャート!あたしはこれからいろいろして手が離せなくなるから周り見張ってて!」
 無言で頷く二人。獣王は袋の中から一握り砂を取り出した。獣王は踊りながらその大地に赤い砂を振りまいた。舞いながら赤い砂をまく獣王の姿は火の粉を撒き散らす炎の女神のように見えた。獣王は目をうっすらと開けた。まだ始めたばかりでそこには意味の無い赤い線と点があるだけだった。





 覇王は黒い砂をまこうとした。しかし、砂は大地に降り立つ前に塵になって消えた。ノーストは言った。
「やっぱりここは彼女の結界の中ですから・・・・。やはり核を探す必要が。」
「魔族と契約してる類なら楽なんですけどね。」
 シェーラがそう言った。たまに独自に呪文を勉強してとんでもない事をしてしまう人間がいるのだ。そうなると大体、核がありそれを壊してしまえば死ぬ。グロウが言った。
「でもぉ・・・、可哀そうですよねぇ・・・。人にも・・・魔にも・・・・神にもなれなかった者の末路と言うものはぁ・・・。」
 覇王が目を細める。何か見つからないだろうか・・・・?覇王は当ても無く歩き始めた。


          (ば〜か・・・愚か者だよね・・・。)
 少女が呟いた。ダイナは首をかしげた。少女が手に丸い翡翠色の石を取り出して言った。
(核はここにあるもの・・・・。)
「頂戴!それ・・・・。」
 ダイナの言葉に少女は頷いた。おとなしくしているのは、はっきり言ってダイナにはとても嫌な事だ。ダイナは内心ガッツポーズをした。少女は石を持った手をダイナの胸に押し付けた。すると不思議な事に石がダイナの体の中に入っていった。
「ひっ!」
 思わず悲鳴を漏らすが後になってたいしたことじゃないと思うダイナ。少女は言った。
(魔族の核・・・・。私はそれを生み出す事が出来るの・・・。)
「魔族の核ぅ〜?」
(そう・・・それは人間の心臓と同じようなものですぐにそれが壊れたら核が出来た魔族は死んじゃうの。・・・そして・・・今、貴方の中に核を創り・・・・私の核と融合させた。)
 思わず固まるダイナ。それは彼女に死ぬ時は一緒と言われてしまったということだ。ダイナは怖くなった。自分に死が出来た・・・・。それも体のどこかが壊れただけでだめになってしまう。
 少女はダイナの体を抱き寄せた。ダイナは少女の手を払いのけた。少女は余裕のある笑みを浮べてダイナの頬に優しく触れた。

        壊れやすいガラスを扱うように・・・

 





 覇王は気付いた。ここに戻ってきていたすぐ先にダイナと少女が見える。ダイナが少女から視線を逸らすのが見えた。覇王にはダイナが本気でいやがっているのがわかった。ダイナは覇王と目が合って大声で言った。
「覇王様!オレの中に核がある!」
 覇王は驚愕した。後ろからシェーラとグロウとノーストが現れる。覇王は数歩ダイナに近寄った。少女はしばらくダイナの顔を見ていたが覇王の方を睨みつけた。ダイナが後ろにしょっていた剣を取り出した。そしてダイナは覇王に聞こえる程度の声で言った。
「バイバイ!・・・・覇王様・・・・。」
            「ダイナ・・・?」
          ぐさっ
 時が止まったように見えた。雪が降り積もっていく。





*************************************
 はい。いつものように短いです。いつか長く書きたいと思うのですが時間が足りません(表現力も・・・。)。それでは私はこの辺で失礼させていただきます。

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26472存在する意味 その162003/7/5 20:58:49
記事番号26373へのコメント

 こんばんは、雫です。ここまで短い話で進めてこられたのが不思議です。挨拶も変なものだし、もう殆ど変人。では、話しに入りたいと思います。
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   存在する意味 その16

           鈍いながらも鮮明に耳元で聞こえる音


     誰かが自分の行いを止めようと叫ぶ声


       溢れ出て服に色彩を与える紅い血


                 あどけなく見える悪魔の顔


   全てが壊れてしまうような悲鳴


                     そして――――

 地面に倒れる音。全てが紅く染まっていく。ダイナがニヤリと笑った。目の前にいるのは少女でもなくなった謎の生き物。それは黒く丸い翡翠の石を埋め込んだ物体だ。その石の部分が輝き方を変えるところを見るとそれが瞳だと言うことが解った。その体からは驚くほど紅い鮮血を出していた。服が汚れる事をダイナは気にしていない。
 その物体は言った。
「い・・・・いつから。」
 その声にシェーラは悲鳴を上げかけたがここは長い付き合いのグロウが頭を殴り飛ばして止めた。しかし、その物体から出た声は少女の歌うような声と全く変わらないのだ。ダイナは物体の質問に答えた。
「心臓みたいなものを創れるって言ったよね・・・・?バーカ。そんなもん普通に考えて創れるはず無いじゃん。」
――良かった。ダイナが戦闘以外のことに対しては本当に脳みそ子供で。
 と、心の中で覇王は呟いた。自分は気付かなかった。普通の魔族ならこんな事考えないだろう。やろうと思えばそういう技も編み出せるのだ。力がある者ならば。つまり、これははったりじゃなければ出来るはずは無い。
 ダイナは物体を見ながら言った。
「で・・・・・、結局お前って何者なんだ?不意をついたんだから普通の奴だったら死ぬんだけど・・・・。魔族の匂いはするんだけど。」
――そういえばぁ。ダイナさんって鼻が良いんですよねぇ。
 グロウはいつもの困った笑みを浮べながらダイナを見た。何気に強い。しかも覇神官のくせに剣を使っている。自分はこだわりで杖を使っているのに。
 物体はダイナを見つめながら言った。
「・・・私は・・・もと魔族・・・・・。でも・・・・はるか昔に裏切っている。赤眼の魔王に付いていく気は私たちには無かった。」
「私・・・・・たち・・・・?」
 ノーストはそう呟いた。『私たち』、敵は複数なのだろう。物体が言った。
「・・・でも・・・・貴方達にはもうどうでも良いこと・・・・。」
 ダイナは殺気に気付き身構えた。物体が少し歪む。そして・・・・
         ぱきっ
                      「うぃ!?」
 間抜けな声。ダイナの剣は見事に折れていた。物体がさらにダイナを突き飛ばした。そして・・・・・・
「ドゥールゴーファ!」
 シェーラが剣を投げつける。剣がその物体にぶつかる。そしてシェーラが地面をける。剣を持っていない分動きが早いそして物体の後ろに回りこみ剣を掴んだ。
         どすっ
 







「うおりゃぁぁぁぁぁ!滅びろ女の敵ぃ!」
 ディープの雄たけび。
「ディープ・・・・・。いつまでも過去の事をひきづるな。」
 ダルフの突っ込み。それを海王がのんびり見ている。オーシャンは言った。
「ダメだろ・・・・。声出したらお前らの場所がわかっちまうぞぉ〜。」
 ダルフがオーシャンを睨む。飛刀が飛んでくる。ダルフが間一髪のところで避ける。普段だったら避けない。相手の強い意志が入らないからだ。しかし、あの結界の中にいた人間なのだから何が出来るかわからない。オーシャンはディープに一気に近づく。オーシャンはディープに言った。
「結構良いスタイルしてんじゃんか・・・・。」
          ずばごっ
 ディープがオーシャンを殴り飛ばす。
「この女の敵!いつあたしの体のことを知りやがった。吐け!」
 ダルフはおかしいと思った。何故姿かたちが解ったのだろう?
――もしかしたら・・・・あいつは音じゃなくて・・・。
 ダルフは黙って石を投げた。しかしオーシャンはそれを避けた。そして
         ぽこっ
「いっっったぁ〜い!何すんのよ、ダルフ!」
「す・・・・すまない。」
 ダルフが謝る。海王が水を生み出しオーシャンにぶつけるしかし、それをオーシャンは水で生み出した壁で防ぐ。ダルフは刀で後ろから切りつける。
          ざぱぁぁぁぁ
 それすらも水の壁で防ぐオーシャン。ダルフは大きな声で言った。
「海王様!」
「はい?」
                絶叫

         なんで・・・なんで俺の上司は・・・・

            こんなにも鈍いんだぁぁぁぁ!!!


*************************************
 はい・・・・。その16・・・無事終了しました。短いのですが私はこれで失礼致します・・・。

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26498Re:存在する意味 その16オロシ・ハイドラント URL2003/7/10 18:51:42
記事番号26472へのコメント

こんばんはラントです。


> 地面に倒れる音。全てが紅く染まっていく。ダイナがニヤリと笑った。目の前にいるのは少女でもなくなった謎の生き物。それは黒く丸い翡翠の石を埋め込んだ物体だ。その石の部分が輝き方を変えるところを見るとそれが瞳だと言うことが解った。その体からは驚くほど紅い鮮血を出していた。服が汚れる事をダイナは気にしていない。
一体どうなったのでしょう?
あの少女……何者?


>「・・・私は・・・もと魔族・・・・・。でも・・・・はるか昔に裏切っている。赤眼の魔王に付いていく気は私たちには無かった。」
>「私・・・・・たち・・・・?」
> ノーストはそう呟いた。『私たち』、敵は複数なのだろう。物体が言った。
第三勢力?
この物語、ただ歴史をなぞるだけではないんでしょうかねえ?


>「海王様!」
>「はい?」
>                絶叫
>
>         なんで・・・なんで俺の上司は・・・・
>
>            こんなにも鈍いんだぁぁぁぁ!!!
まあそれだけ大物だということで……


いやあ面白いです。
それにしても、そろそろクライマックスでしょうか?
結末がどうなるのか楽しみです。


それではこれで失礼致します。

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26507Re:存在する意味 その162003/7/11 20:14:42
記事番号26498へのコメント

>こんばんはラントです。
こんばんは、雫です。
>> 地面に倒れる音。全てが紅く染まっていく。ダイナがニヤリと笑った。目の前にいるのは少女でもなくなった謎の生き物。それは黒く丸い翡翠の石を埋め込んだ物体だ。その石の部分が輝き方を変えるところを見るとそれが瞳だと言うことが解った。その体からは驚くほど紅い鮮血を出していた。服が汚れる事をダイナは気にしていない。
>一体どうなったのでしょう?
>あの少女……何者?
 なんか、もと魔族みたいだけど・・・赤眼の魔王の事も知ってるみたいだし。
>>「・・・私は・・・もと魔族・・・・・。でも・・・・はるか昔に裏切っている。赤眼の魔王に付いていく気は私たちには無かった。」
>>「私・・・・・たち・・・・?」
>> ノーストはそう呟いた。『私たち』、敵は複数なのだろう。物体が言った。
>第三勢力?
>この物語、ただ歴史をなぞるだけではないんでしょうかねえ?
 歴史と言うものはいくつもの秘密を隠し持っていたりします。それで勝手にオリジナルになってきました。
>>「海王様!」
>>「はい?」
>>                絶叫
>>
>>         なんで・・・なんで俺の上司は・・・・
>>
>>            こんなにも鈍いんだぁぁぁぁ!!!
>まあそれだけ大物だということで……
 ダルフさんは真面目だからそれだけじゃ片付けられないのでしょう。
>いやあ面白いです。
 ありがとうございます。
>それにしても、そろそろクライマックスでしょうか?
>結末がどうなるのか楽しみです。
 はい、楽しみにしていてもらえたら混沌の海に沈みかけるほど嬉しいです。
>それではこれで失礼致します。
 オロシ・ハイドラントさん、いつもお返事ありがとうございます。実は私はここに小説を書いている二人の人にあこがれて投稿してみたんです。その一人が実はオロシ・ハイドラントさんなんです。『冥王の騎士』を読んで、うわぁ・・・なんか良い話だな・・・・L様も出てくるし、何よりフィブリゾ君が可愛い・・・とか思って・・・、今だから突然言いたくなりました。それで始めて最初にオロシ・ハイドラントさんにお返事を貰ったときは嬉しくてもうどう書いていいのか解りませんでした。これからも私はオロシ・ハイドラントさんのファンだと思います。
 すみません。何かこんなところでファン発言までして・・・、少し長いですし。それではオロシ・ハイドラントさん、これで失礼致します。

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26538存在する意味 その172003/7/17 20:20:48
記事番号26373へのコメント

 こんばんは。雫です。そろそろ夏休みです。私はなんか色々、大変になるんだろうと考えています。それでははじめます。
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   存在する意味 その17

 冥王はクローバーだったモノを見つめた。それは部下を見る眼差しではなく、ただそこにある置物か何かを見るような何の感情も混じっていない瞳だった。冥王はソレに向かって言った。
「で・・・・、誰がクローバーの意思で戦ってるわけ?はっきり言って弱い。まぁ意識はのっとたんでしょう?」
「・・・・この体・・・・・。俺が頂いてる事いつ気付いた?」
 ソレは・・・・クローバーは穴を開けたままの体でそう冥王に訊ねた。冥王は答えた。
「一撃食らわせた後・・・・。もっと早く滅びてるか正体の血の花を咲かせる樹になってるはずだから・・・・・。」
 その瞬間、クローバーが姿を変える。丸い玉のようにも見える。しかし、ソレは黒く邪悪な感じがして瞳と思われる場所が真珠のように白くときに七色に輝いていた。
「魂狩りの堕天使達(ナイトウィザーズ)・・・・がなんでまだ生きてるわけ?」
「さすがに気付いていたか・・・・。いかにも、俺はクローバー。お前のとこの部下と同じ名前だ。まぁ・・・・俺も合わせて4人で魂狩りの堕天使達(ナイトウィザーズ)になるわけだ・・・・。」
 クローバーはそう言った。

――   魂狩りの堕天使達(ナイトウィザーズ)   ――

    今よりもはるか前・・・・五人の腹心が生まれるより前

      赤眼の魔王は四天王を創った

     それはこの世が四つの力によって生まれたと考えたからである

       一つは目に見えないもの

       一つは海

       一つは大地

       一つは目に映るもの

            しかし それらは失敗した

    完璧すぎる力が逆に暴走を招いた

          赤眼の魔王は四天王を遠くの地に追いやった

       一人は北の極点

       一人は魔海

       一人は滅びの砂漠

       一人は群狼の島

      そして・・・・彼らは歴史の闇に葬られた





 ダイナは地面を見た。もうあの変な奴はいない。シェーラが刺し殺した。ダイナは言った。
「ねぇ・・・いつ行き降り始めたの?」
「ダイナさんがぁ、あの変なのを刺した時ですよぉ。」
 グロウがそう答えた。ダイナは言った。
「ん〜・・・。おかしいなぁ・・・・。何も感じなかった。雪が自分の体に触れる事も・・・・。何か・・・・体が・・・・だるいし・・・・。」
 覇王がダイナに歩み寄る。ダイナの呼吸が少し荒い気がする。そしてダイナは刃になった。それは鋭く氷よりもすんでいる。覇神官・ダイナの正体。覇王はダイナに言った。
「お前はしばらくアストラルサイドに引っ込んでいろ。」
「えぇ!?ヤダよ!」
 ダイナの声が聞こえる。覇王は言った。
「その姿ではお前も存分に戦えないだろう?それに多分眠いはずだ。」
「・・・・・ふりゃ?・・・・うぅ〜・・・大丈夫だって」
 しかしすぐにダイナはアストラルサイドに引っ込んだ。シェーラが言った。
「覇王様!どう言うことです?魔族が眠いって・・・」
「家かえると寝てるお前が言うな。・・・まぁ・・・死んだってことだ。」
 シェーラが黙り込んだ。魔族は滅びの一歩手前で死ぬと言うことがある。そうなると、魔族はアストラルサイドに引っ込んで回復するまで待たなくてはいけないのだ。
 覇王は黒い砂を取り出した。そして舞うようにしながら白い大地に黒い雨を降らせて行く。戦いのためだけに創られた神のように見える。その神は全ての者に裁きを与えるために冷たく感情を封じ込めている。三人の部下はただひたすら裁きの神の舞を見つめていた。





「何かいる。」
 獣王が呟いた。この状態で滅びるわけには行かない。自分の中にゼロスを戻している。ここで自分が滅びるわけにも行かないし儀式を中断するわけにも行かない。
――魔竜王の部下には見張れと言ったけど他の人の部下を使うのは苦手だ。
 獣王は誰にも見られないように苦笑した。もしかしたら敵の存在に気付いているのは自分だけかもしれない。しかし、獣王の呟きが聞こえたのか慌てる竜将軍と竜神官。
――これぐらいで慌てるんじゃない。
 心の中だけでつっこむ獣王。しかし、姿が見えないと対応策も何も無い。今は魔方陣を完成させる事に集中するしかない。獣王は苛立ちを覚えた。
 まだ魔方陣は完成しない。




 三匹の黄金竜がカタート山脈の奥に向かっていた。常に三角の隊形を崩さないように気を使いながら進んでいく。この先にはおそらく赤眼の魔王がいるだろう。自分達はどこまで戦えるだろうか?不安はある。
――ミルガズィア様のためにも・・・・・
――これで昇格できたら良いな・・・。
 一匹の黄金竜が溜息を吐いた。
――ライ・・・・。お前は本気で・・・・
「サイ・・・・サイ!」
「・・・!?・・・んぁ?・・・・なんだ?」
「・・・あっのなぁ〜何ボケッとしてんだよ?」
 二匹の黄金竜がサイと言う黄金竜の顔を心配そうに覗き込む。サイは言った。
「心配しなくていいよ。ナステイスもカルスも・・・。」
「てっめぇ・・・・まさかまだ弟君のこと考えてんのか?」
 黙り込むサイ。図星だ。サイはライの兄である。カタート山脈に風が吹く。


    「あのな、あのな!聞いてくれよサイ兄!」
    「んぁ?なんだ?」
    「今日、綺麗な青年に会ったんだ。」
     ライの笑顔。
    「そう・・・ですか・・・。」
    「魔族なんだけど・・・・アイツ・・・淋しそうなんだ。」
    「魔族はやめろよ。」
    「残念。もう惚れたの。メロメロだから。」
     ライがまた笑う。

    「サイ兄・・・。俺どうしたらいいんだろう?」
     ライが悲しそうな顔をする。
    「どうしたんだ?」
    「ふられたのかなぁ?」
    「またその魔族かぁ?あきらめろって・・・。住む世界が違」
    「アイツを他の魔族と一緒にすんな!
     アイツにはクリアって名前があるんだ!」
     今度は怒る。
    「ごめん。」
    「アイツ・・・人間なんだ・・・前は・・・。救ってやりたい。」
     ライが泣き出す。
    ――喜怒哀楽が激しすぎるって。

    「見てくれよサイ兄!クリアが付けてくれたんだ。この花。」
     嬉しそうな顔。
    ――ごめん。ライ・・・。俺が話しちまった。お前とその魔族の秘密を。


 カタート山脈から風が消えた。後はただ人々の悲しみが行き交うだけ・・・・。





*************************************
 どうも・・・。なんか現実逃避したくなってきました。いつも短いのは謝るしかございません。すみません。今はこれが限界です。夏休み近づき受験生な私は、いろいろと生命の危機に立たされています。それでは私はこれで・・・・。

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26543Re:存在する意味 その17オロシ・ハイドラント URL2003/7/18 20:47:34
記事番号26538へのコメント

こんばんは


いろいろオリジの設定があって、こういうものを見せ付けられると対抗意欲が燃え上がって、創作意欲が涌き出てきます。
私の判断では、そういう作品は「優れてる」と言うんですよね(それだけが基準ではないですけど)。


>       一つは目に見えないもの
>
>       一つは海
>
>       一つは大地
>
>       一つは目に映るもの
ううん。何か難しい。
深い意味がありそうだけど、どうしても汲み取れないです。


> 獣王が呟いた。この状態で滅びるわけには行かない。自分の中にゼロスを戻している。ここで自分が滅びるわけにも行かないし儀式を中断するわけにも行かない。
なるほど。儀式とかあるんですね。


> カタート山脈から風が消えた。後はただ人々の悲しみが行き交うだけ・・・・。
ううん。言い終え方です。


それにしても……メッキー読んで下すって、どんもあんやとうござんます(何語?)


変な上に、かなり短いレスですみません。
これで失礼致します。

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26548Re:存在する意味 その172003/7/19 20:26:07
記事番号26543へのコメント

>こんばんは
 こんばんは、オロシ・ハイドラントさん。
>いろいろオリジの設定があって、こういうものを見せ付けられると対抗意欲が燃え上がって、創作意欲が涌き出てきます。
>私の判断では、そういう作品は「優れてる」と言うんですよね(それだけが基準ではないですけど)。
 私なんかの作品で創作意欲がわいていただけると嬉しいです。でも、オロシ・ハイドラントさんの優れてるの基準が何かはわかりませんが、私は優れた作品を書けるような人じゃないと思います。
>
>>       一つは目に見えないもの
>>
>>       一つは海
>>
>>       一つは大地
>>
>>       一つは目に映るもの
>ううん。何か難しい。
>深い意味がありそうだけど、どうしても汲み取れないです。
 一つ目の『目に見えないもの』とは、人間の心とか風とか魔法の効果に当たります。二つ目の『海』はそのまんま生命の生まれた場所である海です。三つ目の『大地』は、生き物が降り立つためだけに用意された世界の土台です。最後の『目に見えるもの』とは、生き物の姿形、植物、魔法の形(火炎球で言うところの燃えるのが効果で目に見える炎が形です。)
 と言うわけです。自分で説明してて難しい。
>> 獣王が呟いた。この状態で滅びるわけには行かない。自分の中にゼロスを戻している。ここで自分が滅びるわけにも行かないし儀式を中断するわけにも行かない。
>なるほど。儀式とかあるんですね。
 はい。これから重要になるはずです。冥王が作ってた魔方陣です。
>
>> カタート山脈から風が消えた。後はただ人々の悲しみが行き交うだけ・・・・。
>ううん。言い終え方です。
 ありがとうございます。ほめられてしまいました。とても嬉しいです。
>
>それにしても……メッキー読んで下すって、どんもあんやとうござんます(何語?)
 メッキー・・・冥王の騎士ですね。気に入った作品を読むのは人間として当然の事ですし・・・・。ですから、お礼を貰うのはやっぱり照れます。
>
>変な上に、かなり短いレスですみません。
>これで失礼致します。
 いえいえ、オロシ・ハイドラントさんありがとうございます。私もこれで失礼します。