◆−七夕用短編:凍夏物語−オロシ・ハイドラント (2003/7/7 17:48:41) No.26477
 ┗取扱説明書−オロシ・ハイドラント (2003/7/15 20:27:55) No.26524
  ┗続・凍夏物語−オロシ・ハイドラント (2003/7/15 20:29:53) No.26525
   ┣完結編――落花−オロシ・ハイドラント (2003/7/15 20:30:56) No.26526
   ┗完結編――流水−オロシ・ハイドラント (2003/7/15 20:31:51) No.26527
    ┗某銘探偵に引っかけられた某作家を彷彿しました。−エモーション (2003/7/15 21:21:12) No.26528
     ┗Re:夏の雪は、その某銘探偵がチラッと出て来る話からパクりました。−オロシ・ハイドラント (2003/7/16 22:21:26) No.26535


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26477七夕用短編:凍夏物語オロシ・ハイドラント 2003/7/7 17:48:41

 あるいは前書に似て
 

 こんばんはラントです。
 本日、七夕ということでこの小説を書いてみました。
 いや、七夕らしいところは一切ないですけども……。
 それではどうぞ。


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 地獄の業火に焼かれた死者は
 安息の眠りを妨げられて
 星明りの下
 静かに歌う


 世界から音が消えた今でも、賑やかな喧騒はなお耳に残っている。
 風が吹いた。
 冷気を孕んだ風だ。
 季節外れで、さながら冬のよう。
 少々、寒い。
「……ねえ」
 小さな村の小さな宿の屋上で、二人は空を眺めていた。
「ん。何だ?」
 白い息。季節外れだが、儚くどこか美しく感じられる。
「綺麗ね」
 月明りが少女の美貌を暴いた。幼さを持つがゆえの美しさ。
「ああ、星が綺麗だ」
 頷くのは金髪の男。その肌は月光を浴びて、蒼白く輝いていた。
 屋上の木の手すりに掴まって、二人は空を見続けている。
 満天の星空。賛美せずにはいられない。
「それにしても、寒いわね」
 何度も執念深く吹いていた風が、ようやく目的を果たした。美しき星空に酔い痴れる二人を、現実世界に引き戻すという、あまりにも愚かな目的を……。
「帰る、か?」
 男が訊く。
 だが、少女は頷かない。
「風邪ひくぞ」
 男はそう言った。
 しかし、少女はその寒さも忘れて、
「今は、夏よ」
 季節は夏。
 しかし、凍えるような寒さ。
「……仕方ねえな」
 言って、俯く男。
「良いじゃないの。あ、流れ星!」
 むしろ、寒さを感じているのは自分の方だと、今思った。
「ほら、早くしないとって……」
 少女は嬉しそうだ。
 だが、男が顔を上げた時には、流星は世界から消えていた。
「全く。いっちゃったじゃない」
 少女が軽く叱る。
 男はそれに気にした様子もなく、
「そういや、アレだな」
「何よ」
「ほら……流れ星に向かって願いごとを言うとか、いう」
 少女はしばらく黙り込み、
「ごめん。あたし、知らなかった」
「そうか……」
 そして、淡々と時が流れた。
 それにしても、雪でも降りそうな夜だ。
「そういえば……」
 言葉は不意に出た。
「どうした?」
 少女は少し戸惑った。心の中で殺そうとした言葉を口にしてしまったのだ。
「いや……あのね……」
 少女は男の顔を覗く。
「ん?」
 男も視線を合わせた。
「ちょっと、昔を思い出して……」
「昔? いつのことだ?」
「ホントに、ちょっとだけ昔のことよ」


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 ちょうど一年前、今日と同じような寒い夜だった。
 二人の仲間を悲しい事件で失った後、あたしは相棒と二人で旅を続けていた。
 あたし達は、小さな村の小さな宿に泊まっていた。その宿は、今日泊まっているところと同じで、屋根が平らになっていた。
 あたしの部屋は、値段の割にはそこそこレヴェルの高い個室だったのだが、身体が疲れているのに関わらず、全く眠れなかった。
 相棒の方は、ぐっすりと眠っていたようで、少し寂しかった夜だ。
 嫌な予感がして眠れない時はあるけれど、この日はそれと少しだけ違った。どう違うのかは説明出来ないが……。
 あたしは部屋でベッドに座って、ただ窓の外を見ていた。
 時は静かに刻まれていて、ほんの少しの時間さえも絶望的なほどに長く感じられた。
 だが、退屈な時間はすぐに終わった。終わってしまった。
 窓の外から、白いものが見えたのだ。
 一瞬、あたしは目を疑った。
 それはまさしく……
「雪っ!?」
 あたしは思わず声を上げた。それを見たことによって生まれた恐怖心を、少しでも抑えるためという意味もあった。
 あたしは確かに見てしまったのだ。
 ……夏の夜に降る雪を。
 思えば、その日は少し肌寒かったような気がする。


 あたしは外に出てみた。
 真夏の雪は少し無気味でもあったが、恐怖心より好奇心の方が強かったあたしは、迷わず屋上に上がった。
 しかし、雪は降っていない。空気が少し冷たいくらいだ。
 見間違いかと思って、あたしは引き返した。
 だが、自室の窓でまた雪を見て、今度はその窓を開けてみた。
 雪が降っている。
 凍てついた天の涙は、やがて来る死を恐れずに、ゆっくりと空を舞っている。
 あたしは即座に屋上に駆け上がった。なぜ、屋上なのかは未だに分からない。
 とにかく、あたしは屋上に向かった。
 だが、あたしの目に飛び込んだのは、ただ満天の星空。当然、雪など降っていない。
 どういうことだろう?
 少し恐くなったあたしは、逃げ帰るように部屋に帰った。
 部屋では、また雪を見た。確かに見た。
 屋上にいけば降っていない。
 思考を繰り返した後、あたしは部屋の窓から外に出てみることにした。それだけの広さは充分にあった。
 当然、かなりの勇気がいった。
 さらに、雪が降っているのだから、当然そこは寒いのだろう。
 決心したのはしばらく悩んだ後のことだった。
 ちなみに、相棒を起こすという考えは、不思議と浮かんで来なかった。


「浮遊(レビテーション)」
 小声で呪文を唱える。
 もう後戻りは出来ないと、あたしは自分に言い聞かせた。
 窓の外では、今も雪が踊っている。そして葉を付けた樹木が数本立っている。
 あたしはその光景を目に焼き付けておくことにした。
 ゆっくりと窓に向かう。
 そして一気に飛び立った。
 そして世界を見回す。
 普通の世界だ。
 ……雪さえも降っていない。
 とりあえず、あたしは大地に降り立ってみた。
 ゆっくりと落下していく。
 不意に、凶暴な風が吹いた。
 気にせずに降りていく。
 だが、地に足が付く瞬間、あたしは奇妙な感覚を味わった。
 眩暈?
 いや、それにしてはあまりにも激しい。
 それに、あたしではなく世界が変動している。
 これは、錯覚ではない。視覚以外のもので、感じた。いや、悟った。
 一瞬にして、世界が変わった。
 あたしのいる世界と、違う世界がいったん入り混じって、あたしのいる世界の方が消え去ってしまったのだ。
 当然、戸惑った。
 あたしは目を閉じていた。
 しばらく、闇の中にいた。
 目を開けたのは、いい加減寒くなって来たからだ。
 世界を見ることに対する恐怖心よりも、凍死したくないという気持ちが勝ったのだ。
 あたしは目を開けた。
 そして、仰天した。
 世界は本当に変わっていた。
 妄想が現実になってしまった。
 大地は、ただ白かった。
 どこを見渡しても、宿など見つかりそうもない。
 足元にも、雪が積もっている。
 ここは、どこなのだろうか?
 不意に、これは夢だという考えが起こった。
 だが、すぐに否定した。
 絶対に夢ではないと、これも悟ってしまったからだ。
 だが、恐怖に囚われたまま、というわけにはいかない。
 確かに恐かったし後悔もしていたが、あたしは怖がったり悔やんだりするよりも、やるべきことをやろうとしていた。
 つまり、ここからの脱出。宿への帰還。
 あたしは呪文を唱えた。
「翔封界(レイ・ウイング)!」
 出来るだけ、明るい声を心掛けた。
 そしてあたしは飛び上がる……はずだった。
 しかし、術が機能しない。
 高速浮遊のこの呪文は、全く発動する兆しがなかった。
 どういうことだろうか?
 その後、あたしはいくつかの呪文を試してみた。
 しかし……どれも同じだった。
 魔法に頼ることが出来ない。
 どういうことだろう……。
 仕方がない。あたしは歩き出すことにした。
 それと同時に、吹雪が巻き起こる。世の中とは残酷なもの。
 寒さに身体を震わせつつ、一歩一歩、確実に進んでいった。
 空には満天の星が輝いていたが、そんなものはどうでも良かった。


 足が冷たい。あまりにも不快だ。
 そして、吹雪は身体の芯までも凍り付かせる。震えが止まらない。
 しかし、泣き言は言っていられないのだ。
 自分を抱き締めるような体勢で、歩き続けた。
 だが、風景が変わる兆しなどない。
 雪のヴェールからは、まだ抜け出せていないのだ。
 絶望感が蓄積されていく。
 あたしは死ぬの? 何度も心に問い掛けた。
 ひたすら白い迷宮を彷徨う。
 一時間、二時間……
 どれだけ歩いたかは分からない。
 体力は徐々に擦り減ってゆく。
 もうだめだ。
 結局、抜け道を見つけるよりも早く、あたしは倒れた。
 死を覚悟して、あたしは目蓋を閉ざした。


 暗闇の中で、歌を聴いた。
 静かな歌。歌詞は分からない。
 歌っている者のことも分からない。男女どちらのものなのかさえ……。
 とにかく、あたしは歌を聴いた。
 死んでしまったのかと思った。
 だって、あんな雪の中で歌を歌うなんて非常識だ。
 死んでしまったと思うと、目を開けるのが恐くなった。
 しかし、視覚を封じようともけして世界が見えぬわけではない。
 身体中の神経が、外の世界を感じ取った。いや、感じ取ってしまった。
 ……寒くない。
 それが一番目の感想だ。
 ……むしろ温かい。
 次の瞬間にはそう思った。
 ……恐らく、屋外にいる。
 これは、穏やかな風が吹いていることと、歌が壁で反響していないことから推理した。
 他には気配が感じられないことや、草の上に倒れていることなどが分かった。
 いい加減、目を開けようか。少しして、そう思った。
 その気になれば、それほど恐いものでもない。それに、思ったほど嫌な場所ではないようだ。
 あたしは自分があの世にいないことを信じて、ゆっくりと目蓋を開いた。
 光が差し込んで来る。
 眩しいほどの太陽の輝き。
 希望がふっと湧き出る。
 そして視界を全開にした。


 ……一体、何だったのだ?
 すべての幻は消え去った。
 あたしは独り……雪の中。
 また眩暈のような感覚に襲われて、雪の中に放り出された。
 ……ああ、さっきの温かい世界に戻りたい。
 目を開けなければ良かった。
 ひどく後悔。
 とにかく、あたしは立ち上がる。
 やはり、雪世界は雪世界のまま。
 だが、疲れが取れていた。
 それに吹雪も止んでいる。
 そして、寒さも感じない。
 え?
 そう……全然寒くない。
 不思議に思いながらも、確かな喜びを噛み締めていたあたし。
 しかし、歌が聴こえたのはその時だ。


 心臓を冷たい手で、掴まれたような感覚。
 身震いした。
 歌が……聴こえている。
 静かな歌。
 先ほど聴いたものと同じ。
 人の気配はない。ただ歌だけが聴こえる。
 あたしは辺りを見回してみた。
 しかし、誰もいない。
 歌だけが大きくなる。
 相変わらず歌詞は不鮮明だが、音は大きくなっている。
 無気味な歌だと、あたしは気付いた。
 まるで、幽霊なんかが歌いそうな歌だ。
 幽霊?
 反芻して恐くなった。恐くなったのは何度目だろうか?
 幽霊が近付いて来る。逃げる手段は、恐らくない。
 前後左右を確認する。まだ、誰もいない。
 未知のものに対する不安と危機感は、少しずつ膨張していく。
 そして、
「いやあああああああああ!!」
 あたしは悲鳴を上げた。


 自分の悲鳴が止んだ時、またも世界が変わった気がした。
 しかし、まだあたしは雪世界にいる。
 寒くないことも同じ。
 ただ、すべてがそのまま……とはいかなかった。
 幽霊がいた。
 あたしの目の前に、幽霊がいたのだ。
 そいつは一目で、男と分かった。男の幽霊だ。
 彼が歌を歌っていたのだ。
 そして、今も歌っている。
 歌いつつ、徐々に接近して来る。
 滅茶苦茶、恐い。
 二度目の悲鳴は出なかった。恐くて声さえ出なかったのだ。
 そろそろ、幽霊の顔が見える。
 いやだ。見たくない。
 しかし目を伏せるよりも早く、それは瞳に飛び込んで来た。
 その顔はまさしく……
「ルーク!?」
 死に別れた昔の仲間。


「…………」
「…………」
 彼は何も言わなかった。
 だから、あたしも言えなかった。
 それにしても、なぜルークが?


 ルークとはある事件であたし達と出会った。
 でも、別の事件で世界そのものを憎むようになったため、涙を飲んで退治した。
 彼も退治されることを望んでいた。
 まあ大体そんなところだろう。
 その彼にはもう怨念や、未練などないはず。いや、あたしの予想だけど……。


 彼の顔が鮮明に見える。
 その表情は悲しげだった。瞳も潤んでいる。少なくとも、憎悪が感じられないことに安堵した。
 彼は何も言わなかったが、あたしの存在は確認したようだ。
 その時、表情に笑みが浮かんだのは、鮮明に覚えている。
 あたし達はしばらく見詰め合った。
「…………」
「…………」
 でも、やっぱり無言。
 まるで、あたしも言葉を失ったようだった。
「…………」
 そしてしばしして、彼は去っていき、突然の吹雪の中に消え去った。
 一瞬の出会い、一瞬の別れ。
 あたしは彼の消えた場所をずっと眺めていた。
 彼は結局、一言も発しなかった。ただ歌を歌っていただけ。
 いや、違う。
 去り際に何かを呟いた。
 温かい言葉を、確かに口にした。
 それを聞き取れなかったのを、あたしは今でも後悔している。


「ルーク……安らかに眠って」


 あたしが元の世界に戻れたのは、まさしくその瞬間だった。
 あたしはベッドに座っていた。
 夜明けも近い時間帯だった。


<@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>


「なるほどな」
 寒空の下、長い話を聴き終え、男は納得したように頷いた。
「それにしても、良く出来た話だ」
「実話よ」
 語り終えた少女は、きつい口調でそう言った。
「でもなあ……」
 男は空を一通り見回して、
「俺がこの前読んだ本に、「この世には不思議なことなんかない」とか書かれてたぞ」
「…………」
 少女は黙り込む。
 すると、男は彼女の肩を軽く叩いて、
「まあ、どっちにしても、だ。この話は売れるんじゃないか?」
「……売れるって?」
 少女の瞳が輝いた。
「ああ、持ってくところに持ってけば、なかなか言い値が付くんじゃねえか。
 ……ネタとして、な」
「なるほど!」
 少女は手を打った。
「それで決まりね」
 そして、寒さも吹き飛ぶような声を上げる。
 完全に舞い上がった少女に、
「ところでよう」
「何?」
「実は……ずっと気になってたんだが……」
「何よ。早く言って」
「……ルークって一体誰だ?」


<@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>


「ふう。完成だな」
「先生、お疲れ様です」
「それにしても、よく分からん話だな、これ」
「……まあ、そうですね」
「ところで、提供者が「ルーク」以外の名前は出すなと言っていたそうだな」
「ええ、確かにそう言いました」
「ならばこうやって名前を出さないようにするよりも、仮の名前を付けた方が良かったんじゃないか?」
「それは先生の自由ですよ」
「でも君は、仮名は止めた方が良いと言った」
「言ってませんよ」
「いいや、絶対言った」
「……まあ、どっちでも良いですよ。そんなことより、どうするんですか?」
「何がだ?」
「だから、このままでいくか……それとも、仮名を使うかですよ」
「いや、私としては仮名を使いたい」
「でも今日締め切りですよ」
「……う〜ん。ならこのままでいこう」
「では、原稿預かりますね」
「ああ、そうしてくれ」
「では、先生さようなら……」
「ああ、またな」



<@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>


 我求むるは最後の後書


 意味不明話。
 これ一言で、片付けられます。
 一応、七夕用に書いたけれど……全く関係なし。
 カップリングものでも、ホラーでも、感動ものでもないし、ギャグというには弱すぎる。
 とにかく、こんな駄文を読んでくださった方、どうもありがとうございます。


 それにしても七夕企画として、皆様の願いごとを書くためのツリーというのを作ったら良いんじゃないかなと思ったんですが、さすがに私はそれをやる勇気はないです。
 だからせめて、自分の願いごとだけでも……。

 『文章力と構成力が向上して欲しい』
            オロシ・ハイドラント


それでは、良い夜を……。

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26524取扱説明書オロシ・ハイドラント URL2003/7/15 20:27:55
記事番号26477へのコメント

  ――取扱説明書――


 この話は約四通りの読み方が出来ます。
 「落花」編、「流水」編、「落花流水」編、「流水落花」編の四つです。
 どの読み方でも、まず「続・凍夏物語」を読みます。
 その後、解決編の「落花」のみを読むのが、「落花」編。
 「流水」のみを読むのが「流水」編。
 その後、「落花」→「流水」と読むのが「落花流水」編。
 「流水」→「落花」と読むのが「流水落花」編。
 って解説するまでもありませんね。


 チェック表(はい、いいえ イエス、ノウ ○、× などでお答えください)
 1、オロシ・ハイドラントの作品は許せる。
 2、夏に恐い話をすることは理解出来ない。
 3、怪奇小説(あるいは漫画、映像)より推理小説(あるいは漫画、映像)の方が好きだ。
 4、自分の主義主張はそれほど激しくない。
 5、どちらかといえば暇な方だ。
 6、「凍夏物語」をすでに読んでいる。
 7、どんな内容でも受け入れられる自信がある。


 5つ以上ならば落花流水。
 3つ以上ならば流水。
 1つ以上ならば流水落花。
 0ならば落花。


 でも、それほど当てになるものではありませんので、特に気にせずに読むのも良いかも知れません。


 最後に。
 ルークファンは少し注意。
 少々扱いが悪いと、取られる方もおられるかも知れません。

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26525続・凍夏物語オロシ・ハイドラント URL2003/7/15 20:29:53
記事番号26524へのコメント

 

 短編「凍夏物語」が同名の単行本に収録されて約一ヶ月。
 数日後には、オロシ・ハイドラント氏(本名:颪山蘭人)による異界語版が発表されるそうだ。
 単行本は正直言ってあまり売れなかったが、それでもそこそこのファンレターを頂けた。
 大変嬉しかった。随分と励みになった。
 ファンの皆様には感謝しています。
 だが、そのファンレターの中には一つだけ特殊なものが混ざっていた。
 それは大層恐ろしいものだった。
 あれは二週間ほど前の話である。


『夏の始めにセイルーン辺境に位置するDタウンの宿の宿泊客が、泊まり明けに死体となって発見された。
 被害者は宿の裏手に倒れており、死因はなぜだか凍死だった。
 そしてさらに不可解なことに、被害者は血を一滴も流していないのにも関わらず、血を使って「ルーク」という文字を書いていた。
 これは先生の短編「凍夏物語」と関係あるのではないでしょうか。
              黄色い闇』


 大体こんな内容だった。
 この手紙を見た私は戦慄した。
 私に激しい恨みを持つ者がいるのではないかとまで思ってしまった。
 こんな殺人事件を起こして、私に罪を着せようとしているのではないか。
 その時は、そんなことさえ考えるほどに錯乱していたのだ。
 だが「凍夏物語」と関係ないということは、まずないはずだ。
 私はDタウンの同じ宿に泊まることとなった。
 いやこれは私の意志ではなく、「龍帝出版」の編集者どもが無理矢理行かせたのだ。特に担当のヴローヴ氏はうるさかった。
 彼らに手紙の事件と短編の関係のことを話したら、いきなりDタウンに行って来いと言われてしまった。
 当然、そんなところに行きたくはない。あまりにも恐ろしいところだ。
 しかし逆らうことは出来なかった。売れない作家とは哀しいものだ。


 手配した馬車で、私はDタウンに到着した。そまではヴローヴ氏が同行したのだが、宿に着くなり自慢の黒髪を掻き揚げ、さぞ嬉しそうに、お気をつけてと言って帰っていった。
 私は呪詛の言葉を、去りゆく馬車に投げ掛けた。
 さて、そこは潰れ掛かった小さな宿であった。
 元々赤字続きだったのが、手紙の事件がさらに拍車を掛けたらしい。
 宿主夫婦以外の従業員は一人しかいないと、宿主自身が言っていた。
 宿主は役人もすでに事件の解決を諦めているのだと、さも哀しそうに言った。
 無理矢理な解釈をすれば犯行は可能としても、動機が不明だし、第一容疑者を絞り込めないらしいのだ。
 被害者は三十ほどの男だったらしい。なかなかの美貌を持っていたそうだが、発見時はこの世のものとは思えないような形相をしていたという。
 三十というと、大体私と同じくらいだ。そしてこの私ローゼン・ハイランドもかなりの美貌を持っている。
 被害者と私の共通点はそれだけではなかった。
 被害者は「聖十字書房」でそこそこ活躍している作家だという。つまり同業者だったわけだ。ちなみに「龍帝出版」と「聖十字書房」は、ともにセイルーンの企業である。
 この三つの共通点は私の恐怖心を倍増させた。
 さらに恐ろしいことに、この宿こそが「凍夏物語」の元ネタの情報提供者――確かリィナ・インダースとかいったか――が、「ルーク」を見た宿でもあるらしい。
 ここは恐がりの私には地獄のような場所だ。
 逃げ出したい。
 逃げ出したいと何度思ったことか。


 私が泊まることとなった二階の客室は、意外に綺麗なものだった。
 入り口である木の扉と、奥の窓は向かい合っており、右側の扉方面にテーブルと 椅子、窓方面にはベッドが置かれている。左側はすぐ壁だ。床には幾何学模様を描いた絨毯が敷いてある。
 けして広い部屋ではなかったが、私としては充分だった。
 私は外を散歩したり、執筆に集中したりして事件のことを忘れようとしていた。
 だが恐怖心は消えるどころか増すばかりで、日もあっさりと暮れてしまった。
 こんな時に限って、時間の流れは激流のように速い。
 すぐに闇の帳が落ちた。
 私は食事を摂ることにした。
 この宿には食事処がなかったため、外に出掛けることとなった。
 確かに外に出るのも恐かったが、それでも中にいるよりはマシに思えた。
 風が少し強かったが、それだけだった。
 「ルーク」の幻影を見たりはせず、無事に食事処に辿り着いた。
 私はチキンハンバーグランチと、クリームスープを注文した。
 私は美食家でも大食漢でもないので、食事には充分満足した。
 視線を感じるようになったのは、宿へ帰ろうと店を出てからだ。
 誰かに見られているという感覚。
 振り返ってみても、背後はただの暗闇だった。
 本当は誰かがいるのかも知れない。
 まさか……「ルーク」?
 そんな考えが浮かんだ瞬間、私は全速力で駆け出していた。
 必死で速度を保とうとする。
 追いつかれれば、「聖十字」の作家の二の舞だ。
 結局、何とか宿には辿り着けた。
 宿主夫婦や従業員にも出会ったが、脅えていることは多分隠し通せたと思う。
 私は部屋に戻って来た途端に、布団を頭まで被った。
 そして無理矢理にも眠ろうとした。
 だがうまくいくはずがない。
 恐怖は収まろうとはしなかった。
 再び視線を感じた。
 私はじっとしているのが耐えられなくなって、布団から出た。
 そして辺りを見回す。
 しかし誰もいない。
 それでも視線を感じる。
 人の気配もした。
 私は未知の恐怖に耐えられず、大きく足を上げて大地へ向けて振り下ろした。つまり大きな音を立てることで、心理的優位に立とうとしたのだ。それに幽霊でもいたならば、仰天して逃げていくかも知れない。
 しかし何の変化もなかった。
 そんな中、ふと私は窓の方を見た。


 ああ、雪が降っている。


 雪?
 私は慌てて視線をそらした。
 そしてもう一度ゆっくりと窓の方を向く。
 雪など降っていない。
 やはり気のせいだ。
 いつの間にか視線も気配も消えており、私は安堵してベッドに座り込んだ。


 だが、今までのことはすべて前奏曲に過ぎなかったのだ。
 真の恐怖は、もうしばらくしてからのことだ。
 私は椅子に座り、テーブルに鞄から取り出した羊皮紙を置いて執筆していた。
 長篇の締め切りが、すぐそこまで迫っているのだ。
 話は随分と佳境に入ったのだが、それでも気を抜くことは出来ない。
 私は羊皮紙を食い入るように見詰め、どんどん文字を書き殴っていった。
 コンコン。
 ノックの音が聴こえたのは、羊皮紙五枚目――本日書いた枚数――の半ばほどに達した時だ。
 いきなりのことに驚いたが、私はすぐに立ち上がって扉へと向かった。
 しかし扉を開けても誰もいなかったのである。
 恐怖心が蘇った。
 逃げ出したいと、また思った。
 しかし部屋の外に恐ろしいものがいる可能性もある。
 逃げることさえ許されないのだ。
 私は檻の中にいる。
 とりあえず私は扉を閉めた。
 そして執筆を再開した。
 ノックが聴こえて来ないか心配して筆があまり進まなかったのだが、ノック音は来なかった。
 ようやく八枚を書き終えたところだ。
 私はふと顔を上げた。
 だがこの時、私は窓側を向いていた。
 そして……窓の外には雪が降っていた。
 間違いない。雪が降っている。
 視線を一瞬そらしまた戻したが、それでも雪は降り続けていた。
 この時リィナ・インダースなら屋上にいったのだが、私は布団に潜り込んで、震えるだけだった。
 当然何の解決にもならない。
 急に視線を感じて飛び上がった。
 窓の外には雪など降っていなかった。
 だが視線と気配はまた感じられる。
 そしてふと窓を見れば雪。
 目をそらしてまた見ると、今度は降っていない。
 いつの間にか視線と気配が消えていた。
 これじゃあさっきと同じだ。
 そう思った瞬間、
 ゴン!
 窓が揺れた。
 もの音に驚いて一時的に身体が凍りつく。
 ゴン!
 また揺れた。
 外には誰かいるのか?
 いやこれは風だ。
 ゴン!
 風に違いない。
 そういえば今日は少し風が強かった。
 私が安心し掛けたその時、
 ゴゴゴゴゴゴ……
 世界が震えた。
 地震!?
 私はベッドに逃げ込もうとしたが、それより早く揺れは収まった。
 私はもう限界だった。
 その時の私は発狂し掛けていたかも知れない。


 心を何とか落ち着かせ、また執筆をしていたら今度は雨が降って来た。
 違った。
 それは雨ではなく氷雨であった。
 なぜだ?
 なぜ氷雨が降る?
 「凍夏物語」には氷雨は登場しなかった。
 いや、そういえば視線も気配もノックの音も登場しない。強い風や地震も……。
 夢なら覚めてくれと思った。
 ここは本当の地獄だ。
 私は錯乱状態にあったと思う。
 助けてくれ。お願いだ。
 誰でも良い。この状況をどうしかして欲しかった。
 悪質な悪戯のような現象が続くが、恐くて逃げ出すことも出来ないし、この謎を解くことも不可能だ。
 あ!
 そうだ。なにかのトリックがあるはずだ。
「この世には不思議なことなんかない」
 私は「凍夏物語」の一節を思い出した。
 確かリィナ・インダースの仲間であるガウライ・ガブリエラとかいう男の台詞だ。
 本当にガウライ・ガブリエラが言ったのではなく、私が文章にする時に付け足したのだが、そんなことはどうでも良い。
 とりあえず足場を確保したという気持ちになった。
 私はかなり落ち着きを取り戻した。
 しかし!
 そんな私を嘲笑うように次の悪戯は発生した。
 執筆に戻ろうとした私の目に飛び込んできたのは……紅。
 それは血だった。
 書き掛けの羊皮紙に血が付着していた。
 しかも、ただ付着していただけではない。
 血はアルファベットで「ルーク」という文字を象っていた。
 ……「ルーク」。
 この文字が足場を切り崩し、私を奈落へ落とそうとする。
 殺された同業者は「ルーク」という字を書いて死んだらしい。
 「凍夏物語」の登場人物「ルーク」。
 そもそも「ルーク」とは何者なのだろうか。
 そんなに珍しい名前ではない。かといって有名人で「ルーク」という名前の人間は聞いたことがない。
 幽霊として登場していた「ルーク」。
 登場人物内で、唯一実名を出すことを許された「ルーク」。
 本当に……何者なのだろうか。
 安らかに眠ったのではないのか。
 

 今度は雷鳴だった。
 それは、恐ろしい怪物の咆哮のようにも思えた。
 恐怖を感じている時の稲妻は、心臓に悪い。
 雷鳴は何度か轟いた。
 その度にフラッシュが目を焼く。
 一体、外はどうなっているのだ?
 窓を見た。
 雨も雪も氷雨も降っていない。
 異常な天候だ。
 もう執筆する気もない。
 羊皮紙はテーブルの下に置いてある鞄に仕舞った。片付けている間は背後に気配を感じたが、恐らくそれは気のせいだろう。
 振り返ってみたが……誰もいない。
 やはり気のせいだ。
 私はふと天井を眺めた。
 溜息を吐く。
 息は白かった。
 ……そういえば寒い。
 寒い!
 寒すぎる!
 どういうことだ。
 世界が光る。
 雷鳴が鳴る。
 そして天井には……巨大な血文字が映し出された。やはり「ルーク」という文字だった。
 それだけではない。天井から雪が降って来た。
 半透明な雪だ。
 冷たい!
 私は戦慄した。
 さらに血の雨が降る。
 私は逃げた。
 足は自然と窓に向かう。
 まるでそこに吸い込まれるように……。
 いつの間にか、私は窓に飛び込んでいた。
 窓の外。……「凍夏物語」では、異空間へ続いていた。
 空には雪が降っている。
 二階からだというのに、大地は果てしなく遠いように感じられた。
 奈落の底へ落ちてゆくようだ。
 ……私の意識は闇に消えた。



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26526完結編――落花オロシ・ハイドラント URL2003/7/15 20:30:56
記事番号26525へのコメント

 ――落花編――


 長い長い夢を見ていたような感覚。
 ついに私は目を覚ました。
 ここはどこだろう。
 出来れば自宅のベッドであって欲しい。
 しかし願いは、簡単に裏切られた。
 私が目覚めたのは……雪の中。
 しかし寒くはなかった。
 歌が聴こえる。
 どうやら、「凍夏物語」に出て来た歌と同ものだろう。
 さて、どうするか?
 リィナ・インダースは生き残った。作家の方は死んだ。
 どうすればリィナ・インダースになれるだろうか?
 私は必死で思考した。
 だが良い方法は見当たらない。
 リィナ・インダースは「ルーク」の知り合いだったらしい。
 私は「ルーク」を知らない。
 歌が鮮明になって来る。
 だがそれでも歌詞は分からない。
 雪の中に倒れたまま、私はそれを聴き取ろうとした。
 そうだ。歌を聴き取ることは何かの役に立つかも知れない。
 耳を澄ます。
「……ィナ……ィナ……ィナ」
 どうやら、「ルーク」は同じ言葉を繰り返しているようだ。
 多分、それが歌に聴こえるのだ。
「……ィナ……ィナ……ィナ」
 もう少しだ。
 もう少しで分かる。
「…リィナ……ィナ…リィナ」
 リィナ?
 ……リィナ・インダース?
 「凍夏物語」の主人公。
 彼女の名を呼んでいるのか?
 違う!
「…リィナ…ィナ…リィナ」
 リィナではない。
「ミリーナ」
 ミリーナ!
 これが歌詞の正体だ。
 ミリーナ。誰のことだろうか?
 人物。そして女性だ。
 となると、「ルーク」はミリーナに会いたくて、この世を彷徨っていることになるのか?
 いや、違うような気がする。
 何か違う。
 そうだ!
 「凍夏物語」に、「二人の仲間を悲しい事件で失った」との記述があったはずだ。
 その内の一人が「ルーク」。ならば「ミリーナ」はもう一人?
 その可能性は高い。
 とにかく、もしそうなるならば……
「ミリーナはここにはいない!」
 私は立ち上がって叫んだ。
「ミリーナはいないぞ!」
 ルークの姿が見えた。
 彼は……立ち止まっている。
 歌も止んだ。
「安らかに眠れ。……ルーク!」
 そした私はそう言った。
 魔法が解ける。
 すべてが消え去る。
 大いなる光が私を包んだ。
 夢が終わる。


 消えてゆく夢の中で、私は思った。


 作家殺しの犯人は、本当に「ルーク」なのだろうか?
 いや、あのファンレターを書いた「黄色い闇」こそが犯人ではないのか?
 ……それは私の勘に過ぎないのだが。
 とにかく「ルーク」は作家を殺すような人間(?)ではないと思う。
 彼はそんなことをする男ではない。私には分かる。

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26527完結編――流水オロシ・ハイドラント URL2003/7/15 20:31:51
記事番号26525へのコメント

 ――流水編――


 ようやく夢から覚めた。
 作中作の中の、作中作のように、夢の中でみた夢、その夢の中で見た夢……。
 夢から覚めた私は……雪の中に倒れていた。
 寒くはない。
 歌が聴こえる。
 意味不明な歌詞。
 恐らく歌詞などないのだろう。
 私は勇気を振り絞って立ち上がった。
 そして「ルーク」との対峙。
 だが私は恐れない。
 歌の聴こえる方を見た。
 だが……
「ル、ル、ル……」
 私の目に映ったのは……
「ル、ル、ル……ルークじゃない!」
 意味不明の歌を歌っていたのは……
「担当さん!」
 希望。
 私は……救われた。
 担当編集者のヴローヴ氏がそこにいた。
 氏は意味不明の歌を歌いながら、私の方へ歩み寄って来る。
 そしてヴローヴ氏は、喜びに打ち震える私の肩を叩いて、
「どうでした?」
 明るい声で言った。
「…………」
 しばし沈黙していた私だが、
「どういうことだ!?」
「やだなあ。企画ですよ」
「……きかく?」
 呆然とした。
「ということは……まさか」


「やっと気付いたんですか?」


 そう言ってヴローヴ氏が差し出したのは……メモリーオーブ。
「これは……」
「あなたの体験をすべて記録させて頂きましたよ」
 怪しく笑うヴローヴ氏。
「貴様っ!!」
 恐怖が一気に蒸発し、怒りが沸騰した私は、彼に掴み掛かる。
「ド、ドッキリですよ。先生の本売れないし、どうせならこういうことした方が……」
「ということは何だ! あれは全部、お前の仕業か!!」
「し、知り合いの魔道士に頼んで、それなりの魔族を一匹呼び出してもらったんですよ。その魔族を使って……」
 それでも、なお笑みを残しているヴローヴ氏。
 私は彼を突き倒し、思いっきり踏みつけてやった。


 作家が殺されたという話も、「帝王書店」が私のためだけに流したダミー情報であるという。あの宿の主人もグルだった。
 悪夢が終わる。


 消えてゆく夢の中で、私は思った。


 ところで、「凍夏物語」の「ルーク」はどこにいるのだろうか?
 私はそんな疑問を抱えていたが、それはすぐに解決した。
 そうだ。すべて嘘なのだ。
 リィナ・インダースの存在すら怪しい。
 「凍夏物語」も、編集者どもの演出だったに違いない。

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26528某銘探偵に引っかけられた某作家を彷彿しました。エモーション E-mail 2003/7/15 21:21:12
記事番号26527へのコメント

こんばんは。

気が付くと、続きが書かれていたのですね。
「書き殴り」では、あまり見ないタイプの形式の話に挑戦しているのが、
凄いと思いました。

てっきり、リナが体験した事を誰かに提供した、という話だと思っていたのですが、
スレパロで、でも微妙にパラレルワールドっぽい内容だったのですね。
そして、読んでいて、思わずタイトルのようなことを思ってしまいました。(^_^;)
こちらの作家さんは、きっちり報復していますが。
最後まで読んでも、「どれが現実でしょう?」と言うノリがあって、
さらにラストとして、「……これを君の次作品として、雑誌に載せたまえ、美○くん」
と言っているシルクハットにタキシード姿の銘探偵が出てきても、不思議は
なさそうな気がします。
……この辺りは、私の好みですけれど(笑)

とにかく、凄いなと思いました。次にどんなお話をかかれるのか、
楽しみにしています。
それでは、この辺で失礼いたします。

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26535Re:夏の雪は、その某銘探偵がチラッと出て来る話からパクりました。オロシ・ハイドラント URL2003/7/16 22:21:26
記事番号26528へのコメント


>こんばんは。
こんばんは。
>
>気が付くと、続きが書かれていたのですね。
ええ、大作疲れで短編が書きたくなりまして。
>「書き殴り」では、あまり見ないタイプの形式の話に挑戦しているのが、
>凄いと思いました。
こういう話がどうしても書きたかったです。
>
>てっきり、リナが体験した事を誰かに提供した、という話だと思っていたのですが、
>スレパロで、でも微妙にパラレルワールドっぽい内容だったのですね。
この話の世界がどんな世界なのかは完璧には決まっておりません。
スレイヤーズの世界なのか、作家ローゼン・ハイランド氏が創り出した世界なのか……。
>そして、読んでいて、思わずタイトルのようなことを思ってしまいました。(^_^;)
確かに、どことなくそれを感じさせるかも。
雪も降ってるし。
私は、某探偵集団が挑んだ某連続不可解密室殺人の真相を浮かべて書きましたけど。
>こちらの作家さんは、きっちり報復していますが。
まあ、○袋さんの方はメル○トル氏には逆らえそうにないですし。
>最後まで読んでも、「どれが現実でしょう?」と言うノリがあって、
>さらにラストとして、「……これを君の次作品として、雑誌に載せたまえ、美○くん」
>と言っているシルクハットにタキシード姿の銘探偵が出てきても、不思議は
>なさそうな気がします。
>……この辺りは、私の好みですけれど(笑)
ううむ。出そうかな(待て)
>
>とにかく、凄いなと思いました。次にどんなお話をかかれるのか、
>楽しみにしています。
もし続きを書くとすれば……バナナの皮で滑って記憶喪失。
ってパクりだし!


まあホントの話、次回作書くとすればタイトルは「凍夏百物語」となると思います。
夏といえば恐い話と京極氏!
>それでは、この辺で失礼いたします。
それでは、ご感想どうもありがとうございました。
大変嬉しく思っております。