◆−ガウリナなんですがゼルリナ。−鈴咲時雨 (2003/7/10 21:35:24) No.26500
 ┗Re:ガウリナなんですがゼルリナ。−じょぜ (2003/7/14 18:16:45) No.26518


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26500ガウリナなんですがゼルリナ。鈴咲時雨 2003/7/10 21:35:24


前回投稿した「遺書」から続いているように読むこともできますが
自分の中ではネタがかぶっているだけで違う話、と思っています。
ので、前の話読んでくださった方で、読んでくださっている片がいましたら、
注意してもらえるとうれしいです。


☆:。・*★:。・*☆:。・*★:。・*☆:。・*★:。・*☆:。・☆:。・*★:。*★:。・*☆:。・☆:。。


 酒場で一人で酒を飲む事にだいぶ慣れたな、と思う。
 手の中のグラスを軽く動かす。大きく響く。グラスの中の氷が転がる音。
 
 寂れた旅館だった。
 まだ12時を少しまわったに過ぎない。普通ならもっと人がいるだろう。だがしかし、酒場にはリナを入れて2,3人。町から少し離れている為だろうか。
 居心地がよかった。

 下手に人が多いところだと隣に誰もいないことが寂しくてたまらなくなる。
 そのとき、誰かが肩をたたいた。

 「……一人か?」
 「……ええ」

 いつかに聞いた声だった。
 視線だけ動かす。懐かしい白いコートと、その中の人間とは違う肌。
 ゼルガディスだった。

「久しぶりだな」
「ええ、そうね。ゼル……あんたも一人?」
「聞くまでもないだろ」
「そうだけど、ネ。なんとなく」

 コップに酒が注がれていく音がする。
 おそらく自分のものより強いだろうその酒の匂いが鼻についた。

 甘い。

 酒のにおいは甘い。どんな記憶も感情もただ浸らせてさらっていく。夢を見せて虫を誘う花の匂いにも似た、甘い毒のにおい。
 
 嗅がない方がよかったのに。

 「……少し分けて」
 「……ああ」

 一度その匂いをかいだら酔わずにはいられなかった。











 青い空だった。
 いつか、初めて旅立つ日には自分を祝福していた空だった。
 
 今、空は私を笑っているのだろう。昔は空さえあればただそれだけで歩いた私だったのに。
 昨晩。私はついていくことを彼に承諾させていた。
 
「行き先はどっち?」
「南だ……いいのか?」
「……昨日言ったわ」
「……そうだな、悪い。……行くぞ」

 そう言うと、ゼルは私に手を差し出す。
 握ってはいけない。握ったら、どうなるかを私は知っている。


 それでも、私は手を握り返した。
 

 



 そうせずにはいられなくて。









 青い空は果てしなく、いつかは私を祝福した。
 今、青い空は私を笑うかのように
 ただ、果てしなく青い。




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 説明足りなすぎなので補足……
 え=と、ようはガウリィがいなくなって一人で旅するのがいやになっちゃったって言うりなのお話です。
 いや、りなにかぎって、そんなことはないと思うんですけどね。
 ……書きたくて(死)

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26518Re:ガウリナなんですがゼルリナ。じょぜ 2003/7/14 18:16:45
記事番号26500へのコメント

 お久しぶりですー! わ,私のこと覚えてますかー?(おそるおそる)

 大人なゼルとリナの話ですね。
 ゼルリナも結構好きなんですが,多分書けないだろーなー。^^;
 ゼル&リナのツーカーな二人の会話は結構好きなんですけどね。

 お酒を飲んだ後の空白はなにか意味がありそうですね。
 あのあとリナとゼルがどう過ごしたのか。
 ギャグ的な部分からはなかなか想像しにくいですが,ガウリイが死んだっていうシチュエーションなら,なにがあっても(笑)おかしくない。^^;
 でもきっとリナは一生喪失感から抜け出せないだろーなーと思います。
 ジジババになってからの死ならともかく,若くして先立たれちゃうと……。
 私の中ではガウリイは四人の中では一番最初に死んじまうよーな,なんか笑ってぽっくり逝きそうなイメージです(苦笑)。

 さらっとした文章ですけど,すごく雰囲気のあるお話だと思いました。