◆−儚き一時の夢の如く−闇竜翔 (2003/8/11 21:45:25) No.26682
26682 | 儚き一時の夢の如く | 闇竜翔 E-mail | 2003/8/11 21:45:25 |
闇:久々に書く短編です。一応ゼロフィリのつもりで書きます 短いですしおかしくても気にしないで下さい ######################################## 儚き一時の夢の如く 暗い夜空に大輪の花が咲く。 そして、余韻を残してその暗い空に再び花が消えていく。 そんな様子を村から少し離れた丘でフィリアは見ていた。 一人でゆっくりその様子を見ているのである。 「うわぁ・・・・・・」 また一つ大輪の花が咲いた。 「綺麗・・・・・・」 ポツリとそういう。 音がその後から思い出したように追ってくるが、そんな音はドラマタやデモンスレイヤーの二つ名で呼ばれる破壊魔の近くで少しのあいだ生活している経験のある彼女にとって可愛いものだ。 そして、また一つの花が開く。 「本当に綺麗・・・・・・」 「それは良かったですね」 急に彼女一人だったはずの空間にもう一人のものが立っていた。 そんな事が出来る相手は彼女の中でもほんの数人しか当てはまらない。 そして、その声には死ぬほど心覚えがあるが今の彼女は怒る気にさえならなかった。 「ゼロス、何の用ですか?」 顔さえ振り向かずにフィリアは尋ねる。とゼロスはいつもと変わらない顔のまま彼女の隣に座り、 「いえ、あなたの家に行ったらお祭りだというのとあなたが居なかったのでちょっと探しただけですよ」 「そうですか」 そう言ったきり二人とも黙ってしまう。 夜空には再びたくさんの花火が打ち上げられた。 その花火がゆっくりと夜空に消え始める様子を見ながらゼロスが口を開く。 「フィリアさん、花火って人の心のようだと思いませんか?」 突然のその言葉にフィリアが首をかしげる。 ゼロスはいつもの喰えない笑顔を浮かべると、 「すぐに消えてしまうけど、その消えるまでの少しのあいだに輝きを残すってところが人の心のようじゃないかと僕は思うんですよ」 いつもと違ってフィリアをからかうのでなく話して来るゼロスに初めてフィリアはゼロスの方に顔を向けた。 「ゼロスにもそんな事を思うところがあったんですね」 「いえ、前に異世界からある人が来た時に人の心は何にたとえれるかと尋ねられたんですよ。そのときに言った僕のセリフを思い出しましてね」 そう言って夜空に顔を向けるゼロス。 フィリアもそっちの方を向く。 時間的には最後の花火が上がってもおかしくない時間。 大きな花火が打ち上げられた。 「うわぁ・・・・・・」 「これは綺麗ですね」 フィリアが歓声を上げ、ゼロスが素直に感想を言う。 そして、その光は少しのあいだ夜空を照らし、そして闇夜の中に消えた。 フィリアは少しのあいだその様子を見つづけると、 「それで、その異世界から来た人は人の心とはどう言うものだといったのですか?」 フィリアがゼロスに聞く。ゼロスは少しのあいだ目を閉じ、 「うつろいゆく人の心、それはガラス細工のように脆く儚い・・・・・・でしたね」 そこまで言ってゼロスは立ち上がる。 「さて、そろそろ帰りましょうか」 そう言ってフィリアの様子を見るがフィリアは動く様子が無い。 首をかしげると、 「もう一発ぐらい上がるかもしれませんから」 そう言って全くその場から動かない。 ゼロスはしばらくその様子を見た後、 「フィリアさん、こっちを向いてください」 そう言う。フィリアは一応振り返り、 「わあっ」 歓声を上げた。 そこにはゼロスの力によって七色に弾ける光の小さな塊があった。 「もう花火はお終いですけど、これで最後の一発でしょう」 「ありがとうございます。ホントに綺麗・・・・・・」 そう目を輝かせるフィリアを前にゼロスはある悪戯心がむくむくと頭を上げた。 そして、目を輝かせているフィリアの隣にくると、 「花火を見せたんですから、僕にも報酬があるべきですね」 そして、自らの唇を彼女の唇に押し当てる。 「な、ななななななななな」 俗に言うキスだがあまりの事にフィリアは硬直する。 その隙にゼロスは笑いながら空間移動した。 そして、フィリアが怒り出すがすでに時は遅し。 「まったく」 少し赤くなった自らの頬を覚ましてフィリアは暗い空を向き・・・・・・ 「また明日から同じような生活に戻るんですね」 そう言ってその場から静かに立ち去った。 後には静かな丘が残るだけ・・・・・・ END ######################################## 闇:えっと即効で考えたものなので少し(かなり)おかしいところはあるでしょうが見逃してください それでは、こんな文を読んでくれる方がいらっしゃったら再び会える日を楽しみにしつつ・・・・・・ 今回はこれにて!さよ〜なら〜 |