◆−Curtain Call−かぼちゃ (2003/8/16 17:22:26) No.26716 ┣第一幕 At the end of the day 1−かぼちゃ (2003/8/16 18:35:34) No.26717 ┃┗Re:第一幕 At the end of the day 1−氷月椋佳 (2003/8/16 20:30:51) No.26718 ┃ ┗ありがとうございますっ!−かぼちゃ (2003/8/16 20:47:19) No.26719 ┣At the end of the day 2−かぼちゃ (2003/8/16 22:48:30) No.26721 ┣At the end of the day 3−かぼちゃ (2003/8/17 12:19:34) No.26722 ┃┗Re:At the end of the day 3−まりあ (2003/8/18 01:33:38) No.26726 ┃ ┗Re:At the end of the day 3−かぼちゃ (2003/8/18 13:13:25) No.26729 ┣At the end of the day 4−かぼちゃ (2003/8/18 21:54:19) No.26732 ┣第二幕 Stars−かぼちゃ (2003/8/20 15:40:26) No.26745 ┃┗Re:第二幕 Stars−まりあ (2003/8/20 21:20:34) No.26748 ┃ ┗Re:第二幕 Stars−かぼちゃ (2003/8/21 13:55:18) No.26753 ┣Stars 2−かぼちゃ (2003/8/21 18:02:03) No.26757 ┃┣Re:Stars 2−青い月 (2003/8/22 00:25:11) No.26766 ┃┃┗Re:Stars 2−かぼちゃ (2003/8/22 10:18:09) No.26770 ┃┗Re:Stars 2−まりあ (2003/8/23 01:06:58) No.26784 ┃ ┗Re:Stars 2−かぼちゃ (2003/8/23 15:34:48) No.26789 ┣Stars 3−かぼちゃ (2003/8/23 18:51:52) No.26793 ┃┣Re:Stars 3−まりあ (2003/8/25 02:26:17) No.26814 ┃┃┗Re:Stars 3−かぼちゃ (2003/8/25 17:00:59) No.26819 ┃┗Re:Stars 3−青い月 (2003/8/25 15:01:15) No.26816 ┃ ┗Re:Stars 3−かぼちゃ (2003/8/25 17:08:59) No.26821 ┗Stars 4−かぼちゃ (2003/8/25 19:50:24) No.26824
26716 | Curtain Call | かぼちゃ | 2003/8/16 17:22:26 |
―序曲― 流れ続ける時間の中で 幕はいつ上がったのかも分からないが終幕はやがて訪れる 人々は舞台の上で踊り続ける 台本は即ち運命 役者達はシナリオに従い続ける人形 運命に翻弄されながら生きる 舞台を下りたものは終幕を見ることなく終わりを告げる 人々は役者 与えられた役と台詞に縛られ生きる 役者達は終幕までの一時を演じ続ける 一つの物語を この世界の物語を 人生はカーテンコールの無い舞台 ************************************* あぁ・・・私とした事が何やら無謀な挑戦をしてしまったような気が致します。私、凄くはやまった行動したのでは・・・? 人生で初めて長い話を書こうと試みるのですが、私の事ですのであまり長くならない気がします。ちゃんと終わるのでしょうか?まともなものが書けるのでしょうか?前途多難です。 こんな私ですがお付き合い頂けたらと存じます。 あらすじですが多分、スレイヤーズ本編から八十年から九十年くらい経ってからの事だと思ってください。リナとかが死んでしまった直後という設定です。リナさんのファンの方、すいません・・・。 多分、私は凄く趣味に走ってしまうと思います。題名が題名なので分かる人は分かると思いますが、ミュージカルの話とかからイメージを持ってきてるところとかあります。ほとんどがLes Miserablesからだと思いますが・・・。 と、そんなとこです。あんまり自信ないのですがよろしくお願いします。 |
26717 | 第一幕 At the end of the day 1 | かぼちゃ | 2003/8/16 18:35:34 |
記事番号26716へのコメント At the end of the day 一日の終わりに 獣王は今なお氷の中で眠る赤眼の魔王を見つめた。魔王を封印している水竜王の呪縛。過ぎ去った膨大な時間がこの封印を少しづつ弱めていた。それを施したものが残っていない今、衰えるのも自然な事。――だが、それでも破るには至らない。 「我が王よ。しかし時は近い。・・・・・・いずれ我らはまた、滅びへと歩みを進めることができる。」 獣王は静かにそう告げた。金色の瞳は氷の中の大きな闇を映し出した。 「獣王様・・・・・・・・・。」 「・・・・・・ゼロスか。」 「はい。今、戻りました。」 獣神官ゼロスは敬意を表し、恭しく礼をした。獣王はそんな部下の方へ一歩踏み出す。 「何か、変わりはなっかたか?」 「はい・・・特にはありません。ところで、赤眼の魔王様のご様子は・・・?」 「うむ。封印は順調に弱まってきてはいる。しかし、流石に水竜王の封印というだけあって、まだ我々の魔力だけでは全く通用しない。」 「そうですか・・・。」 ゼロスは俯く。彼は獣王が魔王が目覚めることを心から望んでいるわけではないということを知っていた。もちろん、そうでありながら獣王が他の魔族たちの為に必死で封印を解こうとしている事も。そのことを思うと、ゼロスはやりきれないような気になる。それでも、自分に出来る事とやるべき事だけは、はっきりとわかった。即ち、『従う事』。 「何かあったのか?」 「え?」 まるで、見透かされてしまったように思えた。ゼロスはただでさえ神経をすり減らしている獣王に心配をかけぬように、隠しているつもりだったが、彼の母である獣王にはお見通しだったらしい。因みに、彼女にゼロスお得意の『秘密攻撃』が通用しない事も分かりきっていた。ゼロスは諦めて話す。 「実は先日、リナ=インバースが死にました。魔を滅する者と呼ばれていた人間です。」 「あの者か・・・。」 何故か獣王の口調は重々しかった。そして、心配そうにゼロスを見た。こういう顔をされるとゼロスはいたたまれない気持ちになってしまう。この状況を打開しようと言葉をひねり出そうとするが何も思いつかなかった。 「それで浮かない顔をしていたのか?」 「そんな・・・・・・あの人たちは人間ですよ?何故たかが人間が死んだくらいでそんな感傷的にならなくちゃならないんです?」 今の自分の事を見事に言い当てられ、ゼロスはまともに動揺していた。 「ゼロス。お前はあの者達と僅かな間ではあるが同じ時を共有した。そんなものたちを失って、つらいと感じているのでは?」 獣王は優しい表情をしていた。しかし、口調は厳しい。ゼロスは奥歯を噛みしめ、ただただその言葉に聞き入っていた。 「お前はあの者達と、同じ道を肩を並べて歩いた。あの者達は仲間と呼べる存在だったのではないか?」 「まいりましたねぇ・・・。」 恥ずかしそうに顔を書きながら言うゼロス。 「確かに、惜しい人を亡くした・・・といった感じはありますよ?でも、あの人たちを仲間だと思った事はありません。一度も・・・ね。」 うっすらと目を開く。冷たい笑みだった。だがそれも、すぐにいつもの楽しげな笑顔に変わる。獣王には解った。ゼロスのその笑みにこめられた『だから心配しないで下さいね。』という気持ちに。 「では、僕はこれで・・・。」 いってゼロスは空間を渡り消えた。その時、獣王はゼロスが聞こえないつもりで言った呟きを耳にしていた。 「僕が魔族である限り、仲間になんかなれませんよ。」 ************************************* うぅ・・・。疲れました。しかも、全然本題まで行き着きません・・・。つらいですが、辛抱強く書いて行きたいと思います。ですからどうか、辛抱強く読んでやってください・・・(懇願) |
26718 | Re:第一幕 At the end of the day 1 | 氷月椋佳 E-mail URL | 2003/8/16 20:30:51 |
記事番号26717へのコメント かぼちゃさんどもです。氷月です。 こういう話…大好きだったりします。 > 「僕が魔族である限り、仲間になんかなれませんよ。」 あぁっ!せつない〜。ゼロス君〜!(蹴 なんかこの話はまるぞ自分。 > うぅ・・・。疲れました。しかも、全然本題まで行き着きません・・・。つらいですが、辛抱強く書いて行きたいと思います。ですからどうか、辛抱強く読んでやってください・・・(懇願) やっぱ好きですね。こういう引き込まれる話。 ではではっ、次の話も待っております。 がんばって下さい。 |
26719 | ありがとうございますっ! | かぼちゃ | 2003/8/16 20:47:19 |
記事番号26718へのコメント >かぼちゃさんどもです。氷月です。 こんばんは。読んでいただけたのですね。嬉しいです! >こういう話…大好きだったりします。 >> 「僕が魔族である限り、仲間になんかなれませんよ。」 >あぁっ!せつない〜。ゼロス君〜!(蹴 ゼロス君はこれから準主役っぽく頑張っていただきたいと思います。 >なんかこの話はまるぞ自分。 そう言っていただけると俄然やる気が出ます。本当にありがとうございます。 > >> うぅ・・・。疲れました。しかも、全然本題まで行き着きません・・・。つらいですが、辛抱強く書いて行きたいと思います。ですからどうか、辛抱強く読んでやってください・・・(懇願) >やっぱ好きですね。こういう引き込まれる話。 >ではではっ、次の話も待っております。 >がんばって下さい。 > はいっ!頑張りますとも! まだまだ構成力とかがなくて変な事を書いてしまうかもしれませんがよろしくお願いします。 |
26721 | At the end of the day 2 | かぼちゃ | 2003/8/16 22:48:30 |
記事番号26716へのコメント At the end of the day 一日の終わりに ゼロスは独りになった。彼と言葉を交わした事のある『人間』はもうこの世に残ってはいない。だが、人間以外ならば、まだ一部のものが生きているはずだ。ゼロスは今その一人のもとへ向かっているのだ。目的はリナたちの死を告げるため。 ゼロスは別れてからまだ一度もその人物のもとを訪れた事はなかった。住んでいる場所がはっきりと分からないのも確かだったが、何よりゼロスはその人物が苦手だったのだ。顔を合わせれば喧嘩ばかりしていたし、その人といると所詮、自分は魔族でしかないと思い知らされる。所詮、命あるものにとって忌み嫌われる存在でしかないと・・・・・・。それでも会いたいと思ったのはその人も僅かながら共に旅をした事があるものだったからだろう。 ゼロスが訪れたのはのどかな町だった。目的の人物が今もこの町にいるかどうかは疑問だったが、ほかにあてもない。もし、何も変わっていないようなら、この町のどこかでのんびりと彼女の大好きだった骨董品の店でも営んでいるはずである。 不意にゼロスは足を止めた。その視線の先にいたのは彼の探していた人物ではない。だが、嫌というほど見覚えのある人物だった。間違えるはずもない。それは 「ヴァルガーヴ・・・。」 ゼロスは呆然と呟いた。翡翠色の髪を揺らし、彼はゼロスの方を見た。彼がここにいるという事は闇を撒く者との戦いの後、転生したという事だろうか?ともかく、ゼロスの探す人物、フィリアがこの町にいるという事が確定したようなものだ。 「てめぇ、何者だ?」 ヴァルガーヴはゼロスに鋭い視線を送りながら問う。どうやら、かつての記憶は残っていないらしい。だが、転生する前と口調や仕草は何一つ変わっていない。当時と全く同じ姿だった。 「おぃ、答えたらどうだ。てめぇ、魔族だろ?何でこんな所にいるんだ?」 再び問われてゼロスはにっこりと微笑み・・・ 「そうですよ。僕は・・・・・・」 「生ゴミィィィィィィィィィ!!」 突然の絶叫がのどかな田舎町にこだまする。やまびこが何度か返って来た。そこにゼロスの探していた人、フィリアが立っていた。はぁはぁと息を切らしながらモーニングスターを構える見慣れた姿。しかし、その姿は当時より少し老けたように見えた。竜族の命は人間よりはるかに長いとはいえ、永遠ではないのだ。彼女も、時の流れに身を置く者として当然年をとる。それが、全ての生命に化せられた運命。しかし、ゼロスは・・・・・・・・。 ゼロスはしばらくその姿を見つめた。 「懐かしいものですね。生ゴミなんて呼ばれるのも久しぶりですよ。」 いつもならすぐに文句を言ってくるはずのゼロスが意外なほどおとなしい反応をしたので、フィリアはどう言葉を続けたらいいのか分からなくなってしまった。フィリアは一瞬ゼロスを睨んだが、その表情は見る間に涙で崩れていった。その間、ヴァルガーヴは二人のやり取りを黙って見つめていた。 「はぁ・・・。」 フィリアは突然、溜息を吐くと力が抜けたとでもいうようにモーニングスターをしまった。そしてゼロスの方を真っ直ぐに見ると涙をぬぐい、きりっとした表情を作った。 「いまさらこんな所に何のようですか?」 「あなたには少し酷な話になると思うのですが・・・?」 「・・・・・・・・・とりあえず、家に来てください。」 フィリアはややきつい口調で言う。そしてゼロスの返事を待たずにぽてぽて歩き出す。ゼロスもそれに続くことにした。ただ、ヴァルガーヴは 「俺はその辺うろついてるから。」 とその場に残った。ゼロスはそんなヴァルガーヴの姿を見てクスリと笑った。 「同じなのに、まるで変わってしまいましたね・・・。」 ************************************* あぁ〜。いまだに主人公が誰かも分からぬ状態ですみません。ゼロス・・・じゃないんですよ・・・・・・・・。 |
26722 | At the end of the day 3 | かぼちゃ | 2003/8/17 12:19:34 |
記事番号26716へのコメント At the end of the day 一日の終わりに 「で、一体何のようです?」 家に着くなり、フィリアは厳しい口調で訊ねてきた。ゼロスはしばらく困った様な表情をしていたが、フィリアもまた諦めたような視線をゼロスに送っていた事に気付き、自分がなにを言おうとしているのか、もうばれてしまっているような気がしてきた。 「先日リナさんが亡くなりました。死因は老衰です。『これで私も皆に追いつく』と、笑って逝きました。」 フィリアはやっぱりとでも言いたげな複雑な表情になった。 「他の皆さんも・・・なんですね。」 フィリアはお茶を出しながら、いつもと変わらぬ口調で言う。ゼロスは頷いただけだったがフィリアのいつもと変わらぬ口調の中にこめられているものに気付いていた。ゼロスに対して『別にどうって事ない』と強がる気持ちと『気丈に耐えている』気持ちが入り乱れている事に。今のゼロスにはそれが痛いほどわかった。獣王にリナの死を告げた時の自分とフィリアの今の表情はとても似ていた。 「少し意外ですね。この事をあなたに言ったら、即泣き崩れてしまうと思ってましたよ。」 けらけらと笑って見せるゼロスにフィリアも無理に作った笑顔を向けた。 「どんなに強い人でも時間に勝てるものはいませんから。」 その笑顔にゼロスはもはや完全に打ちのめされた。綺麗な笑顔。少しやつれてはいるが旅をしていた頃と同じ綺麗な笑顔だった。仲間の死を悼みながらも決して絶望しない強さがそこにはあった。おそらく、この時がいつの日か訪れるのを覚悟していたのだろう。 「あなたも苦労の絶えない方ですね。女手一つであのヴァルガーヴを育ててきたんですか?」 ゼロスの問いをフィリアは首を振って否定した。 「最近まで、本当につい最近まではジラスさんとグラボスさんも一緒だったんですよ。・・・でも」 「彼らも逝ってしまったのですね。」 しばしの沈黙。 「あ、それから今のヴァルは『ヴァルガーヴ』ではありません。魔族でもなんでもない、私の大切な一人息子ですから・・・。」 「わかりましたよ。」 フィリアは何かに耐えているような顔だった。その切ない表情にゼロスの方が耐えかねていた。 「じゃ。そろそろお暇させて頂きますよ。」 「もう行くんですか?」 カップのそこに残ったお茶を飲み干して席を立つゼロスにフィリアは言った。ゼロスはそんなフィリアににっこりと微笑みかける。どこか人間的な暖かさを持つ軟らかい笑顔だった。 「もう日も落ちる時間帯ですし、いつまでも居座っていたら迷惑でしょうから。」 「私は別に構いませんが・・・」 「仕事以外で帰りが遅いと上の方がうるさいんですよ。それに僕がいつまでもここに居たんじゃヴァルガーヴさんが帰ってきにくいでしょう?」 「ヴァルです。」 ゼロスの間違いをフィリアはきつい口調で訂正する。どうやら、よほど気にしているらしい。 ゼロスはくすくす笑いながら壁にかけておいた杖をとる。 「では、できることならもう一度お会いしたいですね。」 「・・・その頃には私もきっと」 「そっれは淋しいですね。まぁ、いいでしょう。せいぜい長生きしてください。きっと逢いに着ますから。」 「え・・・・・・?」 フィリアは何か言おうとしたがその前いゼロスは行ってしまった。 「全く勝手なんですから。」 そう言ったフィリアの目には涙が溢れていた。 ゼロスが早々と出て行ったのは自分がいたのではフィリアは強がって泣く事もできないだろうと思い気を利かせたからだ。それは魔族である彼なりの精一杯の優しさだった。 ************************************* どうしましょう・・・。第一幕が終わりません。次こそは終わって第二幕にいけると思うのですが・・・。しかも、『一日の終わりに』と言いつつそれらしいものは砂粒ほども出てません。どうしましょう。 悩んでもしょうがないのでこのまま続行します。 |
26726 | Re:At the end of the day 3 | まりあ | 2003/8/18 01:33:38 |
記事番号26722へのコメント コメント入れさせていただきます。 >「先日リナさんが亡くなりました。死因は老衰です。『これで私も皆に追いつく』と、笑って逝きました。」 リナらしいですね。 >フィリアはお茶を出しながら、いつもと変わらぬ口調で言う。ゼロスは頷いただけだったがフィリアのいつもと変わらぬ口調の中にこめられているものに気付いていた。ゼロスに対して『別にどうって事ない』と強がる気持ちと『気丈に耐えている』気持ちが入り乱れている事に。今のゼロスにはそれが痛いほどわかった。獣王にリナの死を告げた時の自分とフィリアの今の表情はとても似ていた。 こーゆー感傷的なシーンでも、この二人は似てるんですね。 >けらけらと笑って見せるゼロスにフィリアも無理に作った笑顔を向けた。 ゼロスが笑ってるのはただ「いつもの笑顔」でしょうか? それともフィリアを安心させるためにわざと・・・? >「どんなに強い人でも時間に勝てるものはいませんから。」 心が強いからって時間に勝てたら、そりゃすごいですよね。 >「最近まで、本当につい最近まではジラスさんとグラボスさんも一緒だったんですよ。・・・でも」 >「彼らも逝ってしまったのですね。」 あっさりと言っちゃいましたね、ゼロスさん。 >「じゃ。そろそろお暇させて頂きますよ。」 >「もう行くんですか?」 フィリア、意外と名残惜しかったり・・・。 > ゼロスが早々と出て行ったのは自分がいたのではフィリアは強がって泣く事もできないだろうと思い気を利かせたからだ。それは魔族である彼なりの精一杯の優しさだった。 その優しさの欠片でもTRYで見せていたら、あんなに嫌われなかったのでは? > どうしましょう・・・。第一幕が終わりません。次こそは終わって第二幕にいけると思うのですが・・・。しかも、『一日の終わりに』と言いつつそれらしいものは砂粒ほども出てません。どうしましょう。 良いんじゃないですか? 別に。 > 悩んでもしょうがないのでこのまま続行します。 はい、そうしてください。私、こういうほんわかした感傷的ストーリー好きです。次回も楽しみにしてます。がんばってください。 |
26729 | Re:At the end of the day 3 | かぼちゃ | 2003/8/18 13:13:25 |
記事番号26726へのコメント >コメント入れさせていただきます。 初めまして。感想ありがとうございます。こんな駄文を読んでいただき嬉しいやら恥ずかしいやらです。 >>「先日リナさんが亡くなりました。死因は老衰です。『これで私も皆に追いつく』と、笑って逝きました。」 >リナらしいですね。 リナさんには終わりの瞬間まで明るく生きていて頂きたく思いましたので・・・。『訪れる死をしっかりと見つめながらも強く生きぬいた』という風にゼロスが率直な感想を述べるのも良いかと思ったのですがあえて本人の台詞を持ち出す事にしました。 >>フィリアはお茶を出しながら、いつもと変わらぬ口調で言う。ゼロスは頷いただけだったがフィリアのいつもと変わらぬ口調の中にこめられているものに気付いていた。ゼロスに対して『別にどうって事ない』と強がる気持ちと『気丈に耐えている』気持ちが入り乱れている事に。今のゼロスにはそれが痛いほどわかった。獣王にリナの死を告げた時の自分とフィリアの今の表情はとても似ていた。 >こーゆー感傷的なシーンでも、この二人は似てるんですね。 はい。感傷的なシーンだからこそかもしれません。親しい人の死を悼むとき、人の心は悲しみという共通点を持っているので深いところは同じだと思いましたので。 >>けらけらと笑って見せるゼロスにフィリアも無理に作った笑顔を向けた。 >ゼロスが笑ってるのはただ「いつもの笑顔」でしょうか? それともフィリアを安心させるためにわざと・・・? それはどちらか断定はできませんね。 >>「どんなに強い人でも時間に勝てるものはいませんから。」 >心が強いからって時間に勝てたら、そりゃすごいですよね。 この辺が冒頭部分のテーマにつながってますかね・・・。 >>「最近まで、本当につい最近まではジラスさんとグラボスさんも一緒だったんですよ。・・・でも」 >>「彼らも逝ってしまったのですね。」 >あっさりと言っちゃいましたね、ゼロスさん。 生きるとか死ぬとかいう観点がある程度欠落している部分がやっぱり魔族なんですよ。 >>「じゃ。そろそろお暇させて頂きますよ。」 >>「もう行くんですか?」 >フィリア、意外と名残惜しかったり・・・。 かもしれません。 >> ゼロスが早々と出て行ったのは自分がいたのではフィリアは強がって泣く事もできないだろうと思い気を利かせたからだ。それは魔族である彼なりの精一杯の優しさだった。 >その優しさの欠片でもTRYで見せていたら、あんなに嫌われなかったのでは? その通りだと思います。TRYのときのゼロスは残酷でいやみな部分を多く見せたましたからね。 >> どうしましょう・・・。第一幕が終わりません。次こそは終わって第二幕にいけると思うのですが・・・。しかも、『一日の終わりに』と言いつつそれらしいものは砂粒ほども出てません。どうしましょう。 >良いんじゃないですか? 別に。 そう言ってもらえると嬉しいです。励みになります。 >> 悩んでもしょうがないのでこのまま続行します。 >はい、そうしてください。私、こういうほんわかした感傷的ストーリー好きです。次回も楽しみにしてます。がんばってください。 はい。頑張ります。ありがとうございます。 |
26732 | At the end of the day 4 | かぼちゃ | 2003/8/18 21:54:19 |
記事番号26716へのコメント At the end of the day 一日の終わりに 赤く染まった空は来るべき夜にむけて徐々に光を弱めていた。しかし町のざわめきは一向に止む気配がなかった。活気に満ちた町は何処も庶民達の喧嘩や噂話が絶えることはない。 「おいっ!てめぇ、よくもこんな鈍ら刀売りつけたな!!」 不意に上がった啖呵を切る声に、野次馬達がどっと詰め寄った。喧嘩を売った男はは武器を売っていた店主のむなぐらを掴んで喚き散らすが店主も負けてはいない。店主は男を突き飛ばす。 「鈍らだと!?うちの商品にケチつけんのか!?」 店主の叫ぶ声に野次馬達から歓声が上がる。 これが日常だった。活気に溢れている分、血の気の多い者達も多い。 「こんな蒟蒻さえ切れねぇ剣売りつけてっ!」 「ふざけるな!そんなに言うなら、お前の首で試し切りしてやるっ!」 どうやらこの喧嘩は本気のぶつかり合いに発展してしまったらしい。野次馬達もやや身の危険を感じ少しづつ遠のいていった。 僅かなギャラリーに囲まれて今にも殺しあいそうな二人を止めたのは一人の女性だった。 「うん。それ、あたしが買う。」 すっかり気おされて帰ろうとしていた野次馬達の間から現れた赤毛の女はその場にそぐわないのんびりとした口調で言った。 「喧嘩の種はコレ?いくらするの?」 彼女は諍いの中で地に落ちた剣をひょいっと拾い上げながら言った。突然のことに呆然としている二人を彼女は無表情に見つめた。 「まあいいわ。コレ、お代ね。」 言って彼女は剣を持っていく代わりに袋を後ろに放って行った。袋の中から金貨が二、三枚跳ねて外にこぼれた。 「驚いたな。」 そう言って、喧嘩を売った男は袋に手を伸ばし、硬直した。 「畜生っ!まんまとハメられた!」 男は袋を拾い上げると勢いよく地面にたたきつけた。袋の中は外に出た二、三枚の金貨以外、全て石ころだった。ギャラリーたちは驚くと同時に声を上げて笑った。 その人々の中にヴァルの姿もあった。ヴァルはしばらく男の負け惜しみしている姿を他の野次馬達と同じように見てたがすぐに飽きて他の場所へと移って行く。 ヴァルは気の向くままに歩いていた。母・フィリアのもとに訪れた客をヴァルは鬱陶しく思い、できれば早く帰りたいのだがそういう訳にもいかなくなっていた。帰るのが早すぎて再びその客と会うのはまっぴらだ。 「あのぅ・・・・・・コレ、落としましたよ?」 「ん?」 見れば、先ほど剣を騙し取っていた女である。手にはさっきの剣とヴァルの財布が握られていた。 「あぁ。悪ィな。」 ヴァルは愛想笑いと共に財布を受け取った。そして詐欺なんかやっているような人間が律儀に人の財布を拾って返してくれるものだろうか、と思考をめぐらせる。同時に財布の中を確認。確かに金貨が入っている。 ヴァルは納得して財布をしまおうとしたが、先ほどの光景を思いだし財布をひっくり返してみる。案の定、金貨が入っていたのは表面だけで残りは全て鉄くずとすりかえられていた。 「・・・・・・・・・・・・・・・ッ!!?」 ヴァルは慌て辺りを見渡す。赤い髪の女が人ごみの中に消えるのを見てそれを追った。 日が大分落ちてきていた。 「おい!待てっ!」 ヴァルは追いかけるうちに人気のない路地裏に来ていた。すると女は諦めたのか足を止めヴァルの方に向き直る。 よく見ると彼女の着ているすみれ色のワンピースはボロボロで継接ぎだらけ。顔も意外に若く十七か十八。赤く長い髪は所々、縺れていた。ヴァルはその姿に一瞬戸惑う。 「何よ?貧乏人がそんなに珍しい?」 彼女はヴァルを喰らい付いてきそうな勢いで睨みつける。 「いや、別に・・・・・・。」 「財布の中身がそんなに大事かい?こっちは、そうでもしなけりゃ生きてけないんだ。」 開き直る態度にヴァルは呆気にとられた。 ちょうど日が沈んだ。 「わかった。見逃してやるよ。」 ヴァルは諦めて背を向ける。彼女は意外そうにしていたが、何の前触れもなく笑い出す。 「へぇ。あんた、いいやつじゃない。なんていうの?」 「は?」 ヴァルは面倒くさそうに振り返る。彼女は楽しそうに笑っていた。 「名前だよ。あたしはラザリっていうんだ。」 「ヴァル。」 「そう。ヴァルだね・・・。縁があったらまた会いましょ。」 ヴァルは後ろからの声に振り返らずに手を振った。 「二度と会いたくねぇ。」 こうして、一日が終わりをつげる。 この一日は序幕に過ぎず、終幕へその一歩を踏み出した。 ************************************* はぅ。一応ここで第一幕At the end of the day が終わります。良かった。 この先からは少しづつ話が本題に近づいていくと思います。 この話の元ネタですが一番最初に書いたとおり、ミュージカルのイメージからとっています。コレの題名のCurtain Callはわかると思いますが、この『一日の終わりに』というのも『Les Miserable』の中で使われた曲の題です。 この先も各章の題名はミュージカル音楽の曲名を使っていくと思います。 |
26745 | 第二幕 Stars | かぼちゃ | 2003/8/20 15:40:26 |
記事番号26716へのコメント Stars 星達よ ここに来る事が海王ダルフィンの日課だった。カタート山脈の頂上――赤眼の魔王の眠る場所を。 濁りのない美しい氷は様々な方向に刃のような先端を向けている。それは何か神聖なものを象った彫刻のようであり、また禍々しく歪なものにも見えた。そして、その中央にいる者。深紅の輝きを持っていたはずの魔王は透明なはずの氷の中で色褪せ、蒼く沈んで見えた。 海王はその氷に手を当てて瞳を閉じる。そして、その手から自分の力を送り込んでゆく。海王の表情は次第に険しいものに変わっていった。少しでも氷が解けるのを早めようと海王は必死になっていた。だが、水竜王の残した封印は千年以上の年月を経て衰えつつあるものの海王一人の力ではどうしようもなかった。 氷に触れた手が青白い光に包まれている。その手を介して伝わってくる反動に苦しげに眉間にしわを寄せながら耐える。噛みしめた奥歯が音を立てる。 「・・・・・・・・・・・・・・・ッ。」 声を出す事すら許されぬほどの激痛が全身を包む。精神世界面に在るはずの本体までもが苦痛を訴えているのが解った。そして力なくその場に膝をつく。 「駄目・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」 悲しく呟く声は誰の耳にも届く事はなかった。 「私ではこの封印は解けない・・・・・・・。」 蒼い瞳が氷の中に眠るものを見つめる。己の無力さを噛みしめながら。 ――ただ、ここから出してあげたくて その思いも届かない。かつての友。今、仕えるべき王。 「レイ・・・。私は今でも貴方の親友でいたいと思ってる。それと同時に貴方を我が王として崇めている。だから、絶対に貴方をここから出して見せます。」 再び語り合える日が―― 「ダルフィン?」 不意いに後ろから声をかけられ海王は我に返った。 「大丈夫か?」 声の主は獣王だった。獣王は海王の顔を心配そうに覗き込んでいる。そして海王に手を差し伸べ立たせると見る間に呆れたような表情に変わっていった。 「全く。今動ける腹心が我々だけなのだからしかっりしていなければならないだろう?」 海王は言われて少し不機嫌そうに俯いた。すると獣王の表情がふっと綻び優しげな笑顔に変わる。海王も解っていた。獣王は口調が厳しいためこんな言い方しかできないが本当は海王を心配していると。先ほどの言葉も『だから無理するな』という意味で獣王は言っている。 「勿論、ここで眠っている魔王様の為にもな。」 「当然でしょう?」 と、海王も微笑み返した。 「ところでゼラス。あなたがここに来るなんて珍しい事もあるのね。」 「ああ。実はお前を探していたのだ。」 獣王の答えに海王はきょとんとした。仕事熱心な獣王は必要以外のことはしない主義だった。その獣王がこのような何でもないときに一体なんの用だと言うのか、と海王は訝しく思った。 「この数年間の間に我々が厄介としてきた人間が死んでいった。先日、魔を滅する者も死んだ。」 真剣な顔で言う獣王に海王は突然表情を曇らせた。一度、氷のほうに目をやってから再び獣王の方に向き直る。 「ゼロスはきっと、悲しんだでしょうね。」 「いや、あの子は諦めていたはずだ。人と神と魔。どれも共に生きるべきではないとな。それに」 「それでも・・・・・・」 海王は獣王の言葉を遮る。儚く、切ない笑顔。 「それでも辛かったと思います。あの、いつもの笑顔で隠してるだけだと。」 あの時と同じ笑顔だと獣王は思った。何人かの部下と魔王を失い、それでも『大丈夫。大丈夫だから・・・。』と、誠意一杯の微笑みを浮かべていた海王。人間の死を報告しに来た時のゼロス。獣王は胸が締め付けられるようだった。 ――私も、あんなふうに笑っていたのか・・・・・・? 「話がそれましたね。で?」 今度は獣王のほうが現実に引き戻された。 「えぇ・・・と、要するに、その者達が死んで我々は動きやすくなった。そこで、次の作戦に移ろうと思う。とはいえ、魔王様が二体滅び、冥王、覇王共に不在故、あまり無茶はできないが・・・・・・。」 「大丈夫よ。まだ私たちがいるんですもの。それにもう、あまり慎重にと言うわけにもいきませんから・・・・・・。」 「全面的に戦えと言うことか。」 獣王は溜息混じりに言う。打って変わって海王はどこか楽しげだった。 「私は戦いたいんです。降魔戦争の時のように大切な人たちが戦ってるのに、結界を張るためとはいえ待っているだけなんて耐えられません。」 ――行くことになったのが俺で良かったよ。 ――随分と余裕そうだな。 ――そうでもねぇさ。二度と戻って来れない気がして怖くてしょうがねぇ。 それでも、おめぇの死に顔なんか見るよりはずっとましだ。 ――必ず戻って来い。 ――努力はする。滅びるときは皆、一緒がいい。 不意に思い出してしまった感情に獣王は耐え切れなくなってきていた。獣王自身も海王と同じ気持ちではあった。だが如何せん獣王は海王ほど素直じゃない。 「ゼラス。勝手に滅びないでね。私の知らないところで親友のあなたが滅びるなんてイヤよ。」 「わかっている。当然だろう?」 その言葉に海王は力強く微笑んだ。 「この決意が揺るがぬよう精一杯戦おう。そして降魔戦争で我らの成し得なかった夢をこの手に!」 ************************************* こんにちは。何とか第二幕に到達しました。ここからは、戦闘とかも入ってくる予定です。あくまで予定なので信じないで頂きたいと存じます。それと、ヴァルが頑張り始めます。 では、この先も読んでいただけたら嬉しいです。 |
26748 | Re:第二幕 Stars | まりあ | 2003/8/20 21:20:34 |
記事番号26745へのコメント > ここに来る事が海王ダルフィンの日課だった。カタート山脈の頂上――赤眼の魔王の眠る場所を。 日課、って永遠に近い時を生きる魔族がですか? ある意味、すごいような・・・。 > 海王はその氷に手を当てて瞳を閉じる。そして、その手から自分の力を送り込んでゆく。海王の表情は次第に険しいものに変わっていった。少しでも氷が解けるのを早めようと海王は必死になっていた。だが、水竜王の残した封印は千年以上の年月を経て衰えつつあるものの海王一人の力ではどうしようもなかった。 命と引き換えに張った結界ですからね。 >「私ではこの封印は解けない・・・・・・・。」 今は、まだ・・・ですか。 > その思いも届かない。かつての友。今、仕えるべき王。 友? 「仕えるべき王」はわかるんですが、友とは? >「レイ・・・。私は今でも貴方の親友でいたいと思ってる。それと同時に貴方を我が王として崇めている。だから、絶対に貴方をここから出して見せます。」 こういうシーンを見るたび、神族が嫌いになります。こうなった原因は神族にあるのですから。 >海王は言われて少し不機嫌そうに俯いた。すると獣王の表情がふっと綻び優しげな笑顔に変わる。海王も解っていた。獣王は口調が厳しいためこんな言い方しかできないが本当は海王を心配していると。先ほどの言葉も『だから無理するな』という意味で獣王は言っている。 獣王のことを良くわかってますね。さすがは海王。 >「それでも辛かったと思います。あの、いつもの笑顔で隠してるだけだと。」 フィリアを慰めながら、本当に傷ついていたのはゼロスだった・・・? けど、魔族ゆえに、それを自覚することは出来ないんですよね。 >あの時と同じ笑顔だと獣王は思った。何人かの部下と魔王を失い、それでも『大丈夫。大丈夫だから・・・。』と、誠意一杯の微笑みを浮かべていた海王。人間の死を報告しに来た時のゼロス。獣王は胸が締め付けられるようだった。 魔族だから・・・気丈に振舞っていなくてはいけないんですね。 >「えぇ・・・と、要するに、その者達が死んで我々は動きやすくなった。そこで、次の作戦に移ろうと思う。とはいえ、魔王様が二体滅び、冥王、覇王共に不在故、あまり無茶はできないが・・・・・・。」 無茶をして二人ともやられてしまったら、魔族は全滅といってもおかしくありませんからね。 >「私は戦いたいんです。降魔戦争の時のように大切な人たちが戦ってるのに、結界を張るためとはいえ待っているだけなんて耐えられません。」 海王って意外と好戦的だったんですね。 >――行くことになったのが俺で良かったよ。 >――随分と余裕そうだな。 >――そうでもねぇさ。二度と戻って来れない気がして怖くてしょうがねぇ。 > それでも、おめぇの死に顔なんか見るよりはずっとましだ。 >――必ず戻って来い。 >――努力はする。滅びるときは皆、一緒がいい。 これは・・・? 誰と誰の会話なのでしょう? >「ゼラス。勝手に滅びないでね。私の知らないところで親友のあなたが滅びるなんてイヤよ。」 もう誰も・・・友が死ぬのは嫌だ、とういうことですか。 >「この決意が揺るがぬよう精一杯戦おう。そして降魔戦争で我らの成し得なかった夢をこの手に!」 『滅び』=夢、ですか。魔族らしいですね。 > こんにちは。何とか第二幕に到達しました。ここからは、戦闘とかも入ってくる予定です。あくまで予定なので信じないで頂きたいと存じます。それと、ヴァルが頑張り始めます。 今回はヴァルが現れませんでしたね。 > では、この先も読んでいただけたら嬉しいです。 もちろん、読みます。がんばって書いてください。 |
26753 | Re:第二幕 Stars | かぼちゃ | 2003/8/21 13:55:18 |
記事番号26748へのコメント 読んでいただけたのですね。嬉しいです。思わず小躍りしました。 >> ここに来る事が海王ダルフィンの日課だった。カタート山脈の頂上――赤眼の魔王の眠る場所を。 >日課、って永遠に近い時を生きる魔族がですか? ある意味、すごいような・・・。 それだけ思い入れがあるんですよ。上の人には絶対服従が基本の魔族だからこそこんな事する人もいるのではないでしょうか・・・。 >> 海王はその氷に手を当てて瞳を閉じる。そして、その手から自分の力を送り込んでゆく。海王の表情は次第に険しいものに変わっていった。少しでも氷が解けるのを早めようと海王は必死になっていた。だが、水竜王の残した封印は千年以上の年月を経て衰えつつあるものの海王一人の力ではどうしようもなかった。 >命と引き換えに張った結界ですからね。 はい。そう簡単に破られては命を掛けた甲斐がないですから。 >>「私ではこの封印は解けない・・・・・・・。」 >今は、まだ・・・ですか。 ですね。・・・そして、いずれ時が来れば・・・。 >> その思いも届かない。かつての友。今、仕えるべき王。 >友? 「仕えるべき王」はわかるんですが、友とは? この部分は後に明らかになります。(私が覚えてられたら・・・) >>「レイ・・・。私は今でも貴方の親友でいたいと思ってる。それと同時に貴方を我が王として崇めている。だから、絶対に貴方をここから出して見せます。」 >こういうシーンを見るたび、神族が嫌いになります。こうなった原因は神族にあるのですから。 神も魔も、自らの信じ、夢見た未来のために戦った結果ですね・・・。 >>海王は言われて少し不機嫌そうに俯いた。すると獣王の表情がふっと綻び優しげな笑顔に変わる。海王も解っていた。獣王は口調が厳しいためこんな言い方しかできないが本当は海王を心配していると。先ほどの言葉も『だから無理するな』という意味で獣王は言っている。 >獣王のことを良くわかってますね。さすがは海王。 長い付き合いですから(笑) >>「それでも辛かったと思います。あの、いつもの笑顔で隠してるだけだと。」 >フィリアを慰めながら、本当に傷ついていたのはゼロスだった・・・? けど、魔族ゆえに、それを自覚することは出来ないんですよね。 悲しい宿命ですね。この種族にとらわれるというあたりがこの話の主題になってきます。 >>あの時と同じ笑顔だと獣王は思った。何人かの部下と魔王を失い、それでも『大丈夫。大丈夫だから・・・。』と、誠意一杯の微笑みを浮かべていた海王。人間の死を報告しに来た時のゼロス。獣王は胸が締め付けられるようだった。 >魔族だから・・・気丈に振舞っていなくてはいけないんですね。 はい。魔族は悲しみを表に表すべき種族ではないと思うので・・・。 >>「えぇ・・・と、要するに、その者達が死んで我々は動きやすくなった。そこで、次の作戦に移ろうと思う。とはいえ、魔王様が二体滅び、冥王、覇王共に不在故、あまり無茶はできないが・・・・・・。」 >無茶をして二人ともやられてしまったら、魔族は全滅といってもおかしくありませんからね。 確かにその通りです。それに獣王としては海王を気遣う気持ちも強かったので。 >>「私は戦いたいんです。降魔戦争の時のように大切な人たちが戦ってるのに、結界を張るためとはいえ待っているだけなんて耐えられません。」 >海王って意外と好戦的だったんですね。 こんな時代ですから・・・。何と言うか、決意の現われみたいなものでもあったと思います。 >>――行くことになったのが俺で良かったよ。 >>――随分と余裕そうだな。 >>――そうでもねぇさ。二度と戻って来れない気がして怖くてしょうがねぇ。 >> それでも、おめぇの死に顔なんか見るよりはずっとましだ。 >>――必ず戻って来い。 >>――努力はする。滅びるときは皆、一緒がいい。 >これは・・・? 誰と誰の会話なのでしょう? ネタバレしてしまうので伏せます。 >>「ゼラス。勝手に滅びないでね。私の知らないところで親友のあなたが滅びるなんてイヤよ。」 >もう誰も・・・友が死ぬのは嫌だ、とういうことですか。 こういう気持ちは誰でも持っていますから・・・。 >>「この決意が揺るがぬよう精一杯戦おう。そして降魔戦争で我らの成し得なかった夢をこの手に!」 >『滅び』=夢、ですか。魔族らしいですね。 はい。存在していたいと望む者と本気でぶつかり合う方々ですから、それに見合った言葉を捜してみました。 >> こんにちは。何とか第二幕に到達しました。ここからは、戦闘とかも入ってくる予定です。あくまで予定なので信じないで頂きたいと存じます。それと、ヴァルが頑張り始めます。 >今回はヴァルが現れませんでしたね。 ええ。でもここからはヴァルが主役?っぽく出てきます >> では、この先も読んでいただけたら嬉しいです。 >もちろん、読みます。がんばって書いてください。 はい。頑張ります。読んでいただけてると思うだけで凄くやる気になってきます。 |
26757 | Stars 2 | かぼちゃ | 2003/8/21 18:02:03 |
記事番号26716へのコメント Stars 星達よ その日ヴァルは朝早くから外に出ていた。ジラスとグラボスの死後、ヴァルはいつも孤独を感じていた。人間たちと同じように学校に通い、母・フィリアの店を手伝いながら生活していたヴァルだが世間はそんな彼を暖かくは迎えてはくれなかったのだ。学校でも友達はなかなかできず、先生たちもヴァルの事は違った目で見ていた。 全ては彼が異種であるが故。 彼がどんなに努力して打ち解けようとしても、違うのだ。そのことはフィリアもヴァル自身も十分に理解していた。だが彼らがどんなに努力したところで人間にはなれない。 それでもジラス達はヴァルを受け入れていた。ヴァルの事を最も理解していた。二人はフィリアと共にまだ幼くて何も解らずに苦しみを一人で背負っていたヴァルを励まし支えていた。しかしそんな二人も今はただ、土の下で眠るのみ。 彼らを失ってからヴァルも変わってしまった。だがどんなに変わっても彼が古代竜であると言う事実は変わらなかった。孤独を紛らわすためにヴァルは自ら一人になろうとした。一人でいれば誰も自分を『異物』として見たりはしない。次第にフィリアとも会話が途絶え始め堕ちるべき場所は幾らでも用意されていた。 そしてこの日、ついに一人でいることに耐えかねたヴァルはジラスとグラボスの墓を訪れる事にした。朝日に照らされた丘の上にそれはあった。気で作られた質素な十字架が二本立っているだけの墓だった。 近くに行くとその墓の前に蹲る人の姿が確認できた。ヴァルはやや歩調を速め丘を登っていった。よく見るとそれは人ではなく獣人だった。墓に花を供えている。 「あなたも・・・・・・墓参りですか?」 獣人は年を取りしゃがれた声で言った。振り返るその姿はどこかジラスに似ている気がした。一瞬、同じ種族の者かと思ったがジラスの赤い毛並みとは違いもっと淡い色の金色だった。にっこりと精一杯、愛嬌を振りまいている。 「あぁ。大切な人が二人も死んでな。」 ヴァルが答えると獣人は楽しそうに笑った。 「・・・そうですか。そうですか。確かあの人も同じ事を言っていました。」 「あの人?」 「ええ。旅人ですよ。この近くで行き倒れになっていたんです。」 獣人は懐かしそうに語る。そしてどこか、淋しげ。 「少しお話しても良いでしょうか・・・?」 「ああ。かまわねぇが・・・。」 「それは良かった。・・・昔、私がまだ子供だった頃、母さんと二人で町外れの小屋で住んでいたんです。私はこの通り獣人ですから・・・あの頃はまだよく解らなかったけれど、人間から見れば私たちは怪物です。だから町に住めなかったんでしょうね・・・。」 獣人は溜息を吐く。ヴァルは黙って聞き入っていた。 「そんなある日、旅人がやって来たんです。その人も獣人でした。母さんと二人でずっと暮らしてましたから、父親がいたらこんな感じだろうと思い、とても嬉かった。でも、その人は自分が立ち向かうべきものを見つけて・・・行ってしまいました。」 獣人は立ち上がり、ヴァルに手を差し伸べた。ヴァルはその手をとり、握手を交わす。 獣人は空を仰ぎ見る。あの日も晴れていたと。空に微笑む。流れ星が空を横切って町へ向かっていった。星は町に着くと炎に変わった。それが彼の戦いだと、納得した。 「付き合せてしまいすみませんでした。聞いてくれてありがとうございます。」 言い終えると獣人は丘を下って行った。後に残ったヴァルは墓の前に膝をついた。 「ついに俺も一人になったよ。お前らがいなくなって・・・」 「安心しろ。すぐに奴らの元へ逝かせてやる。」 冷たく凍りつくような声はヴァルの後ろから聞こえた。ヴァルは立ち上がり振返った。 「何のようだ?」 ヴァルも敵意を表した厳しい声音で言う。そこにいたのは長い金色の髪を一つに束ね、それを風に弄らせたまま立つ男だった。喪服のような黒い服を着ている。 「かつての過ちを正すために、ここに来た。」 ************************************* うわぁ・・・中途半端。ごめんなさい。下手くそで・・・。今はこれが精一杯。 |
26766 | Re:Stars 2 | 青い月 URL | 2003/8/22 00:25:11 |
記事番号26757へのコメント かぼちゃさん、コンニチハ。 コメントは2回目です。(覚えていらっしゃるでしょうか…?) 初回からずっと読ませていただいてます。 もう…スゴク面白いです! 長編は大変だと思いますが(自分も初めて書き終えたばかりなので大変さが…w)、 楽しみにしてますのでガンバッテ下さいね♪ |
26770 | Re:Stars 2 | かぼちゃ | 2003/8/22 10:18:09 |
記事番号26766へのコメント ありがとうございます! 勿論覚えていますとも。 初回から読んでいただけてるなんて光栄です。 私の拙い文を面白いと言って頂けて嬉しき事限りなしです。 本当に長編って大変ですね。 部活に通う時、電車の中とかで考えてるんですけど帰って来るまでに忘れたりしてます。 読んでくれてる人がいるって凄く励みになりますね。 これからも頑張ります! |
26784 | Re:Stars 2 | まりあ | 2003/8/23 01:06:58 |
記事番号26757へのコメント > その日ヴァルは朝早くから外に出ていた。ジラスとグラボスの死後、ヴァルはいつも孤独を感じていた。人間たちと同じように学校に通い、母・フィリアの店を手伝いながら生活していたヴァルだが世間はそんな彼を暖かくは迎えてはくれなかったのだ。学校でも友達はなかなかできず、先生たちもヴァルの事は違った目で見ていた。 人間は自分たちの型にあてはまらない者を平気で見捨てますからね。 > 彼がどんなに努力して打ち解けようとしても、違うのだ。そのことはフィリアもヴァル自身も十分に理解していた。だが彼らがどんなに努力したところで人間にはなれない。 「努力したところで」ってどうやって努力を・・・・・? > それでもジラス達はヴァルを受け入れていた。ヴァルの事を最も理解していた。二人はフィリアと共にまだ幼くて何も解らずに苦しみを一人で背負っていたヴァルを励まし支えていた。しかしそんな二人も今はただ、土の下で眠るのみ。 お墓、作ってあげたんですね。 > 彼らを失ってからヴァルも変わってしまった。だがどんなに変わっても彼が古代竜であると言う事実は変わらなかった。孤独を紛らわすためにヴァルは自ら一人になろうとした。一人でいれば誰も自分を『異物』として見たりはしない。次第にフィリアとも会話が途絶え始め堕ちるべき場所は幾らでも用意されていた。 せっかく、やり直した人生を、また棒に振ってしまうのですか? > 近くに行くとその墓の前に蹲る人の姿が確認できた。ヴァルはやや歩調を速め丘を登っていった。よく見るとそれは人ではなく獣人だった。墓に花を供えている。 ジラスの知り合いですね。 >「あなたも・・・・・・墓参りですか?」 >獣人は年を取りしゃがれた声で言った。振り返るその姿はどこかジラスに似ている気がした。一瞬、同じ種族の者かと思ったがジラスの赤い毛並みとは違いもっと淡い色の金色だった。にっこりと精一杯、愛嬌を振りまいている。 獣人にも種族が、いろいろあるんですか。 >「それは良かった。・・・昔、私がまだ子供だった頃、母さんと二人で町外れの小屋で住んでいたんです。私はこの通り獣人ですから・・・あの頃はまだよく解らなかったけれど、人間から見れば私たちは怪物です。だから町に住めなかったんでしょうね・・・。」 確かに見かけだけなら人間姿の竜族より獣人のほうが嫌われるでしょうね。 >「そんなある日、旅人がやって来たんです。その人も獣人でした。母さんと二人でずっと暮らしてましたから、父親がいたらこんな感じだろうと思い、とても嬉かった。でも、その人は自分が立ち向かうべきものを見つけて・・・行ってしまいました。」 これって、もしかしてNEXTのジラスでは・・・・・・? > 獣人は空を仰ぎ見る。あの日も晴れていたと。空に微笑む。流れ星が空を横切って町へ向かっていった。星は町に着くと炎に変わった。それが彼の戦いだと、納得した。 やっぱり。ジラスが巨大大砲を放ったシーンですね。 >「ついに俺も一人になったよ。お前らがいなくなって・・・」 フィリアは数に入ってないんですか。 >「何のようだ?」 >ヴァルも敵意を表した厳しい声音で言う。そこにいたのは長い金色の髪を一つに束ね、それを風に弄らせたまま立つ男だった。喪服のような黒い服を着ている。 オリキャラ、ですよね。私の知っている人物にはいませんし。たぶん。 >「かつての過ちを正すために、ここに来た。」 なんか昔のヴァルと似たようなことを言ってますね。 > うわぁ・・・中途半端。ごめんなさい。下手くそで・・・。今はこれが精一杯。 いえいえ、そんな。ひしひし感動でしたよ。次もがんばってください。 |
26789 | Re:Stars 2 | かぼちゃ | 2003/8/23 15:34:48 |
記事番号26784へのコメント >> その日ヴァルは朝早くから外に出ていた。ジラスとグラボスの死後、ヴァルはいつも孤独を感じていた。人間たちと同じように学校に通い、母・フィリアの店を手伝いながら生活していたヴァルだが世間はそんな彼を暖かくは迎えてはくれなかったのだ。学校でも友達はなかなかできず、先生たちもヴァルの事は違った目で見ていた。 >人間は自分たちの型にあてはまらない者を平気で見捨てますからね。 悲しい事ですがそれが現実なんです。だから民族紛争やら何やらが起こるんですよね・・・。 >> 彼がどんなに努力して打ち解けようとしても、違うのだ。そのことはフィリアもヴァル自身も十分に理解していた。だが彼らがどんなに努力したところで人間にはなれない。 >「努力したところで」ってどうやって努力を・・・・・? そこまで考えてませんでした(汗)。多分、周りの方々に合わせようと努めたのでは?と思います。 >> それでもジラス達はヴァルを受け入れていた。ヴァルの事を最も理解していた。二人はフィリアと共にまだ幼くて何も解らずに苦しみを一人で背負っていたヴァルを励まし支えていた。しかしそんな二人も今はただ、土の下で眠るのみ。 >お墓、作ってあげたんですね。 大切なお仲間ですからね。勿論ですよ。ただ、共同墓地とかに作って揚げられなかったのはやはり種族の問題だったりします。 >> 彼らを失ってからヴァルも変わってしまった。だがどんなに変わっても彼が古代竜であると言う事実は変わらなかった。孤独を紛らわすためにヴァルは自ら一人になろうとした。一人でいれば誰も自分を『異物』として見たりはしない。次第にフィリアとも会話が途絶え始め堕ちるべき場所は幾らでも用意されていた。 >せっかく、やり直した人生を、また棒に振ってしまうのですか? そうはならないで欲しいです。できれば立ち直ってもらいたいと思いながら書いております。 >> 近くに行くとその墓の前に蹲る人の姿が確認できた。ヴァルはやや歩調を速め丘を登っていった。よく見るとそれは人ではなく獣人だった。墓に花を供えている。 >ジラスの知り合いですね。 はい。一応、TRYの何話かで出てきた小さい狐(だと思う)のつもりです。 >>「あなたも・・・・・・墓参りですか?」 >>獣人は年を取りしゃがれた声で言った。振り返るその姿はどこかジラスに似ている気がした。一瞬、同じ種族の者かと思ったがジラスの赤い毛並みとは違いもっと淡い色の金色だった。にっこりと精一杯、愛嬌を振りまいている。 >獣人にも種族が、いろいろあるんですか。 多分・・・(汗)。その辺、あまり詳しくないんです・・・。 >>「それは良かった。・・・昔、私がまだ子供だった頃、母さんと二人で町外れの小屋で住んでいたんです。私はこの通り獣人ですから・・・あの頃はまだよく解らなかったけれど、人間から見れば私たちは怪物です。だから町に住めなかったんでしょうね・・・。」 >確かに見かけだけなら人間姿の竜族より獣人のほうが嫌われるでしょうね。 ですね。 はい。それでも根本的なところで竜族の存在も否定されてしまうんでしょうね。 >>「そんなある日、旅人がやって来たんです。その人も獣人でした。母さんと二人でずっと暮らしてましたから、父親がいたらこんな感じだろうと思い、とても嬉かった。でも、その人は自分が立ち向かうべきものを見つけて・・・行ってしまいました。」 >これって、もしかしてNEXTのジラスでは・・・・・・? そうです!ジラスです。解って頂けて嬉しいです! >> 獣人は空を仰ぎ見る。あの日も晴れていたと。空に微笑む。流れ星が空を横切って町へ向かっていった。星は町に着くと炎に変わった。それが彼の戦いだと、納得した。 >やっぱり。ジラスが巨大大砲を放ったシーンですね。 実はあのシーン大好きなので、つい書いてしまいました(笑) >>「ついに俺も一人になったよ。お前らがいなくなって・・・」 >フィリアは数に入ってないんですか。 フィリアは母であるというだけで真の理解者とはちょっと違うので・・・。 >>「何のようだ?」 >>ヴァルも敵意を表した厳しい声音で言う。そこにいたのは長い金色の髪を一つに束ね、それを風に弄らせたまま立つ男だった。喪服のような黒い服を着ている。 >オリキャラ、ですよね。私の知っている人物にはいませんし。たぶん。 はい。オリキャラです。記念すべき(?)二人目です。 >>「かつての過ちを正すために、ここに来た。」 >なんか昔のヴァルと似たようなことを言ってますね。 あ。そういえばそうですね。この人もある信念の元に生きてますから。 >> うわぁ・・・中途半端。ごめんなさい。下手くそで・・・。今はこれが精一杯。 >いえいえ、そんな。ひしひし感動でしたよ。次もがんばってください。 ありがとうございます・・・。本当に嬉しいお言葉です。 はい。勿論頑張りますとも! |
26793 | Stars 3 | かぼちゃ | 2003/8/23 18:51:52 |
記事番号26716へのコメント Stars 星達よ 風が変わった。辺りの空気は穏やかなものから一転し、張り詰めていた。ヴァルは突然現れた男と向き合いこの異常なまでの殺気を感じ取っていた。冷たく凍るような感触。そんな空気が朝日の暖かさをよそに満ちていた。 「ようやく見つける事ができた。」 男は言う。冷淡な口調だった。ヴァルは何も言わずにただ神経を研ぎ澄まし次に起こることを予測しようとしていた。 空気が乱れる。 『来る・・・!』 僅に殺気が増すのを感じヴァルは迎え撃とうと身構える。同時に鈍い衝撃が全身を覆った。 「何のつもりだ!?」 ヴァルは突然の攻撃に怒りを押さえきれずに叫ぶ。男は相変わらず無慈悲な眼差しを送っている。ヴァルは男を鋭く睨みつけると勢いよく地を蹴った。飛び掛る体制のまま魔力を手の中に集中させ光球を出現させる。 ヴァルがそれを放つ瞬間、男は真横に飛んでそれをかわす。光球は地に触れると無意味にその破壊力をばら撒いた。男は直撃は免れたものの、余波によってバランスを崩す。 普通ならこの隙を突いて攻撃すべきだがヴァルはこれ以上攻撃しなかった。 「答えろ。てめぇ、何のつもりだ?」 ヴァルの口調には苛立ちがにじみ出ている。それでも男は表情を変えなかった。 「今となっては我らのしたことは非道な行いであったと伝えられている。だが私は今でも我らの行いは正しかったと信じている。」 男は淡々と答えた。しかしその意味はヴァルにはよく解らなかった。今のヴァルが知りうるはずのないことだった。それはフィリアがヴァルに知られてしまうのを最も恐れていた事実。 「何のことだ・・・?」 再びヴァルは問う。 「哀れなものだな。自らの種が絶えるべきモノだとも知らないとはな・・・。」 その時男は初めて表情を変えた。歪んだ笑みに・・・。ヴァルはそれを見てぞっとした。その笑みはただの邪悪な笑みではないのだ。激しい憎悪と憤怒を持っていながら強い信念が感じられた。それは決して悪ではなく彼の信じる唯一の正義。 「私は我が種にこの身を捧げ貴様らの種を絶つ為に戦ったのだ。今、我らのした事が決して過ちではなかったと証明してやろう。」 男が言い終えると彼の周りに青白い人の頭くらいの大きさの光が漂い始めた。それは分裂し、またもとの大きさまで成長しアメーバーなどの生物のように増え始めている。 そしてそのうちの幾つかがヴァルの方に向かって行く。それらは一つ一つがバラバラに動きながら速度を速める。ヴァルは全て避ける事はできないと、光に向かって光球を叩き込む。光球に触れると光は周りのものも巻き込んで消えた。 しかし光は男の周りで増え続けていた。ヴァルはそれに向かって立て続けに攻撃を続けた。爆音が辺りに響き渡った。そして、後には耳の痛くなるほどの静寂が戻ってくる。 次に聞こえてきた音はヴァルの発したのでもその男の発したものでもなかった。男は慌てた様子で声のした方を見る。聞こえたのは話し声だった。恐らく町に住む人だろう。ヴァルは巻き込まれるようないようにしなければと思ったがそれは相手も同じだったらしい。 「命拾いしたな。」 男は言う。ヴァルはその姿を観察するような眼で見ていた。男はヴァルに背を向ける。 「名乗って行ったらどうだ?」 「貴様に知る必要が?」 話し声はどんどん近づいてきていた。爆音を聞きつけた野次馬らしい。 「レザン。」 男は短く名前だけを答えて歩き始めた。丘を下る時に二人の青年とすれ違う。この二人が声の主らしい。一人は背が高く堀の深い顔立ち。黒髪の男だ。もう一人は小柄で痩せ型。茶色い髪で目が大きい。こちらは少年といった感じだ。 「なぁ、ココでなんかあったのか?」 背の高い方の男が問う。ヴァルは彼らを疑るような目で見つめた。好奇心で人を見る下劣な奴ら。他人に起こった不幸を見て騒ぎ立てるだけの嫌な生き物。ヴァルには人間がそう見えた。 「凄い後が聞こえたんだけど・・・・・・おい、あんたは大丈夫なのかい?」 ヴァルは答えなかった。すると背の低い方の男がヴァルの方に足早に駆け寄った。 「おい!アンタ怪我してんじゃねぇか!大丈夫かよ・・・?オーガスタ、何か清潔な布持ってないか?」 背の低い男はやけに『清潔な』の部分を強調して言う。オーガスタと呼ばれた男もヴァルの傍によるとポケットからハンカチを取り出した。 「とりあえずこれでいいか?」 オーガスタは心配そうに言うがヴァルの反応は冷たかった。ヴァルはハンカチを差し出す彼の手を振り払った。さらにヴァルは二人の事を睨みつける。二人は困った様な顔をする。 しかしオーガスタはヴァルの手をとると傷にハンカチを当てた。 「余計な事するな。」 「でもさ・・・居合わせちまったのも何かの縁だし、怪我してんのをほっとくのも後味悪いしさ。」 背の低い方の男が言う。ヴァルはただの野次馬とは違うと感じた。もしかしたら、もう一度人と関わる事ができるのではないかと・・・。 「オレさ、ダンテっていうんだ。お前は?」 ダンテの問いにヴァルはしばらくぼうっとしていたが、急に何か蟠っていた物が取れたような気がした。そう思うと同時にふっと顔がほころぶ。自然に笑う事ができたのは何年ぶりだろう・・・。 「ヴァル。」 ************************************* あぁ・・・。私にしては続いてます。 オリキャラが結構出てきました・・・。名前を考えるのが一苦労ですね。 これからも増える予定ですし。 大変です。学校が始まったら今ほど頻繁にパソコンに向かってるわけにもいきませんしね・・・。 |
26814 | Re:Stars 3 | まりあ | 2003/8/25 02:26:17 |
記事番号26793へのコメント > 風が変わった。辺りの空気は穏やかなものから一転し、張り詰めていた。ヴァルは突然現れた男と向き合いこの異常なまでの殺気を感じ取っていた。冷たく凍るような感触。そんな空気が朝日の暖かさをよそに満ちていた。 戦いのゴングが鳴った、ってな感じですね。 >「ようやく見つける事ができた。」 見つける―――――ということは探していたということですか。それは、ヴァルを? それとも、もしかして・・・エンシェントドラゴンを・・・。 >『来る・・・!』 >僅に殺気が増すのを感じヴァルは迎え撃とうと身構える。同時に鈍い衝撃が全身を覆った。 なんか戦いのレベルが普通と違うような気がします。 >「今となっては我らのしたことは非道な行いであったと伝えられている。だが私は今でも我らの行いは正しかったと信じている。」 もしかして、この男、黄金竜・・・? >男は淡々と答えた。しかしその意味はヴァルにはよく解らなかった。今のヴァルが知りうるはずのないことだった。それはフィリアがヴァルに知られてしまうのを最も恐れていた事実。 やっぱり、あの事―――『過去の惨事』ですよね。 >「哀れなものだな。自らの種が絶えるべきモノだとも知らないとはな・・・。」 ヴァルは知っているのですか? 自分が、エンシェントドラゴンだということを。 >その時男は初めて表情を変えた。歪んだ笑みに・・・。ヴァルはそれを見てぞっとした。その笑みはただの邪悪な笑みではないのだ。激しい憎悪と憤怒を持っていながら強い信念が感じられた。それは決して悪ではなく彼の信じる唯一の正義。 正義にも、いろいろな種類がありますよね。魔族の正義――――滅び。神の正義――――世界を守ること。 >「私は我が種にこの身を捧げ貴様らの種を絶つ為に戦ったのだ。今、我らのした事が決して過ちではなかったと証明してやろう。」 過ちです。十分に。 >「命拾いしたな。」 >男は言う。ヴァルはその姿を観察するような眼で見ていた。男はヴァルに背を向ける。 ヴァルにとって、男の言葉には謎が多すぎますからね。 >「名乗って行ったらどうだ?」 >「貴様に知る必要が?」 >話し声はどんどん近づいてきていた。爆音を聞きつけた野次馬らしい。 >「レザン。」 結局答えるんですか。 >「なぁ、ココでなんかあったのか?」 >背の高い方の男が問う。ヴァルは彼らを疑るような目で見つめた。好奇心で人を見る下劣な奴ら。他人に起こった不幸を見て騒ぎ立てるだけの嫌な生き物。ヴァルには人間がそう見えた。 少々、ひねくれてますね。人間の見にくい部分ばかり、見て育ったのでしょう。 >「とりあえずこれでいいか?」 >オーガスタは心配そうに言うがヴァルの反応は冷たかった。ヴァルはハンカチを差し出す彼の手を振り払った。さらにヴァルは二人の事を睨みつける。二人は困った様な顔をする。 思いっきり、好意を踏みにじってますね。これは、種族がどうであれ、嫌われるのが普通です。 > しかしオーガスタはヴァルの手をとると傷にハンカチを当てた。 ああ、心の広い人だ・・・・・。 >「でもさ・・・居合わせちまったのも何かの縁だし、怪我してんのをほっとくのも後味悪いしさ。」 なんか、ガウリイみたいですね。 >背の低い方の男が言う。ヴァルはただの野次馬とは違うと感じた。もしかしたら、もう一度人と関わる事ができるのではないかと・・・。 本当は人間と仲良くしたいんですものね。きっかけさえあれば、心の広い人間がいたら、仲良く出来ます。 >「オレさ、ダンテっていうんだ。お前は?」 >ダンテの問いにヴァルはしばらくぼうっとしていたが、急に何か蟠っていた物が取れたような気がした。そう思うと同時にふっと顔がほころぶ。自然に笑う事ができたのは何年ぶりだろう・・・。 >「ヴァル。」 うう、感動的な場面! 目頭が熱くなりました。 >あぁ・・・。私にしては続いてます。 >オリキャラが結構出てきました・・・。名前を考えるのが一苦労ですね。 がんばってください♪ >これからも増える予定ですし。 それは・・・覚えるほうも大変というかなんというか。 >大変です。学校が始まったら今ほど頻繁にパソコンに向かってるわけにもいきませんしね・・・。 次もがんばってください。では。 |
26819 | Re:Stars 3 | かぼちゃ | 2003/8/25 17:00:59 |
記事番号26814へのコメント >> 風が変わった。辺りの空気は穏やかなものから一転し、張り詰めていた。ヴァルは突然現れた男と向き合いこの異常なまでの殺気を感じ取っていた。冷たく凍るような感触。そんな空気が朝日の暖かさをよそに満ちていた。 >戦いのゴングが鳴った、ってな感じですね。 はい。こういう緊張感って好きなんですよ・・・。つい実際に戦うシーンより長くしちゃったりするんです・・・(汗) >>「ようやく見つける事ができた。」 >見つける―――――ということは探していたということですか。それは、ヴァルを? それとも、もしかして・・・エンシェントドラゴンを・・・。 こんな風に考えながら読んでいただけると嬉しいです。どっちだろう・・・? >>『来る・・・!』 >>僅に殺気が増すのを感じヴァルは迎え撃とうと身構える。同時に鈍い衝撃が全身を覆った。 >なんか戦いのレベルが普通と違うような気がします。 人間じゃないからOK? >>「今となっては我らのしたことは非道な行いであったと伝えられている。だが私は今でも我らの行いは正しかったと信じている。」 >もしかして、この男、黄金竜・・・? ご名答です!ここまで言えば解ってもらえるかな?って思いながら書きました。 >>男は淡々と答えた。しかしその意味はヴァルにはよく解らなかった。今のヴァルが知りうるはずのないことだった。それはフィリアがヴァルに知られてしまうのを最も恐れていた事実。 >やっぱり、あの事―――『過去の惨事』ですよね。 はい。その通りです。 >>「哀れなものだな。自らの種が絶えるべきモノだとも知らないとはな・・・。」 >ヴァルは知っているのですか? 自分が、エンシェントドラゴンだということを。 この地点ではヴァルはまだ何も知らされていません。フィリアが過去を知られるのを恐れていたので・・・。 >>その時男は初めて表情を変えた。歪んだ笑みに・・・。ヴァルはそれを見てぞっとした。その笑みはただの邪悪な笑みではないのだ。激しい憎悪と憤怒を持っていながら強い信念が感じられた。それは決して悪ではなく彼の信じる唯一の正義。 >正義にも、いろいろな種類がありますよね。魔族の正義――――滅び。神の正義――――世界を守ること。 はい。そういったものが重なって戦いが起こるんです。彼もそんな運命に飲まれた一人です。 >>「私は我が種にこの身を捧げ貴様らの種を絶つ為に戦ったのだ。今、我らのした事が決して過ちではなかったと証明してやろう。」 >過ちです。十分に。 これが彼なりの正義なんですよ・・・多分・・・・・・。 流石にこいつの性格は理不尽すぎるかと思ってびくびくしながら書きました。 >>「命拾いしたな。」 >>男は言う。ヴァルはその姿を観察するような眼で見ていた。男はヴァルに背を向ける。 >ヴァルにとって、男の言葉には謎が多すぎますからね。 会話がかみ合ってなかったですしね・・・。ヴァルにしてみればとんだ災難だね。 >>「名乗って行ったらどうだ?」 >>「貴様に知る必要が?」 >>話し声はどんどん近づいてきていた。爆音を聞きつけた野次馬らしい。 >>「レザン。」 >結局答えるんですか。 案外素直な方のようです。てか、早くこの場から消えたかったんだじゃ・・・。 >>「なぁ、ココでなんかあったのか?」 >>背の高い方の男が問う。ヴァルは彼らを疑るような目で見つめた。好奇心で人を見る下劣な奴ら。他人に起こった不幸を見て騒ぎ立てるだけの嫌な生き物。ヴァルには人間がそう見えた。 >少々、ひねくれてますね。人間の見にくい部分ばかり、見て育ったのでしょう。 そうですね。周りの環境次第で性格は幾らでも歪みます。 >>「とりあえずこれでいいか?」 >>オーガスタは心配そうに言うがヴァルの反応は冷たかった。ヴァルはハンカチを差し出す彼の手を振り払った。さらにヴァルは二人の事を睨みつける。二人は困った様な顔をする。 >思いっきり、好意を踏みにじってますね。これは、種族がどうであれ、嫌われるのが普通です。 はい。私なら「何だよコイツ。せっかく心配してやってんのに。」とか言って見捨てます。 >> しかしオーガスタはヴァルの手をとると傷にハンカチを当てた。 >ああ、心の広い人だ・・・・・。 ええ。私とは大違い(爆) >>「でもさ・・・居合わせちまったのも何かの縁だし、怪我してんのをほっとくのも後味悪いしさ。」 >なんか、ガウリイみたいですね。 言われてみれば・・・・・・意図的にそうなった訳ではないんですけどねぇ。 >>背の低い方の男が言う。ヴァルはただの野次馬とは違うと感じた。もしかしたら、もう一度人と関わる事ができるのではないかと・・・。 >本当は人間と仲良くしたいんですものね。きっかけさえあれば、心の広い人間がいたら、仲良く出来ます。 はい。これがきっかけになって立ち直ってもらえたらと思います。 >>「オレさ、ダンテっていうんだ。お前は?」 >>ダンテの問いにヴァルはしばらくぼうっとしていたが、急に何か蟠っていた物が取れたような気がした。そう思うと同時にふっと顔がほころぶ。自然に笑う事ができたのは何年ぶりだろう・・・。 >>「ヴァル。」 >うう、感動的な場面! 目頭が熱くなりました。 そうやって感動していただけると嬉しいです! >>あぁ・・・。私にしては続いてます。 >>オリキャラが結構出てきました・・・。名前を考えるのが一苦労ですね。 >がんばってください♪ 頑張ります! >>これからも増える予定ですし。 >それは・・・覚えるほうも大変というかなんというか。 その中で重要なのは僅かという能率の悪い話なんですがご理解いただけたらと存じます。 >>大変です。学校が始まったら今ほど頻繁にパソコンに向かってるわけにもいきませんしね・・・。 >次もがんばってください。では。 はい!応援ありがとうございます! ご期待に沿えるか不明ですが精一杯、頑張らせていただきます。 |
26816 | Re:Stars 3 | 青い月 URL | 2003/8/25 15:01:15 |
記事番号26793へのコメント 読ませて頂きました〜♪ 手に汗握るとは、こういうことを言うのでしょうか。 ヴァルとレザン、ヴァルとダンテ。 この二人との今後の関係が気になります。 焦らずジックリ書いて下さい。 楽しみにしてますね! |
26821 | Re:Stars 3 | かぼちゃ | 2003/8/25 17:08:59 |
記事番号26816へのコメント 嬉しいお言葉ありがとうございます。 この話は魔族が戦いを起こそうとする動きとヴァルとかゼロスを取り巻く人間模様の二つが縦軸横軸となってます。(なっていたらいいな) 人間関係はこれからもっと拗れたり修正されたりが続きます。 訂正・・・続くと思います・・・・・・。 楽しみにしていて下さる方がいるのはやっぱり嬉しいものですね・・・。 その分、期待外れにならない様にというプレッシャーが・・・! できる限りの努力をしようと思ってます。 本当に読んでくださりありがとうございます。 |
26824 | Stars 4 | かぼちゃ | 2003/8/25 19:50:24 |
記事番号26716へのコメント Stars 星達よ 空は漆黒。かの者達の翼の色を想起させる不愉快な夜。 レザンはそんな気の滅入る様な空を見る。彼の蒼い目は空の闇を映し本来の鮮やかさを鎮めていた。何処までも澄んだ星空を他の人が見たなら美しいと言うに違いない。しかし彼の歪んだ思念はそれすらも否定した。 レザンにとって最も許せないものは規律を乱すものだった。彼の父親が良い例である。 レザンの父親は火竜王に仕える黄金竜の一員だった。だが彼は古代竜の討伐という仕事を与えられた時に一族を裏切った。いかに彼らが危険な存在であってもこのような非道な行為は虐殺に過ぎない、と訴え続けたのだ。時が経ち、黄金竜が古代竜討伐に向かうと彼は出来るだけ多くの者を匿おうとした。しかしそれもすぐに発見されてしまったのだ。 勿論匿われていた古代竜はその場で殺されレザンの父親は法廷に引きずり出された。判決は死刑。一族への反発は第一級犯罪だったのだ。彼は家族の目の前で処刑された。 幼いレザンは法に背くものがいかなる最期を遂げるのか見せ付けられた。その時にレザンは父親のような最後を迎えるのを極端に恐れた。彼は年をとるにつれ厳格になっていった。父親の死はここまで彼の人格を歪めてしまったのだ。従わぬものにあるのは死。一族の判断に異議を唱えるものは処刑される。それも全て、世界というもっと尊いものを守るための犠牲だと彼は信じていた。そう信じ、一族に従う事が生きる道だと思い込んでしまったのだ。 そして彼は一族のしようとした事を次々と実行した。古代竜を滅ぼすのもその一環だった。彼らは最も忌むべき者なのだ。よりにもよって、彼の父親を離反させたのはあの者達だという事実が彼の使命感をいっそう掻き立てていた。 空の色はかの者達の、最も忌むべき種の翼の色を想起させるものだった。奴らの漆黒の羽根が血に塗れて空に舞い散る瞬間を夢にまで見た。そしてその空には星が輝く。こんな夜でも闇を見張る神々のように思えた。 この世に生きるもので一度悪に染まり善に戻れるものはいない。闇は闇として、光は光としてしか生きられない。星空はそう訴えているようにすら思えた。生れ落ち意思を持つ以上、救われたり、更生する事は無いと・・・。 そんな星達は彼の理想を象っているようだった。 「星達よ。」 彼は漠然と呟く。誓いの言葉を聞き入れてもらうために。彼の誓いを聞いていてくれる者すらない今、空を、この漆黒の空に煌く星だけだった。彼の理想である星達だけが唯一、彼を理解しうるようにすら感じられたのだ。 「今ここに誓おう。一族の敵を滅ぼす。私のすべき事だ。何としても成し遂げて見せよう。」 レザンの纏った黒い服が風に揺れた。黒い服。喪服。 この服は一族の使命を果たせずに死んだ哀れな同胞と彼に道を示した父親への弔いだった。そのための喪服。彼は父親の死後、黒い服しか着てはいない。 だが、彼は気付いているのだろうか? 彼の纏う喪服がこの漆黒の空よりも闇に近い事に・・・・・・。 ************************************* はぁ・・・。いつになく短いです。 しかも全てレザン一色。独白長すぎ。ほか、何も書いてないじゃん・・・。 独白って書いてるとのってきて止まらなくなるんですよ・・・。 この先もこんな文が出てくるかもしれませんが辛抱強く読んでやってください。 お願いします・・・・・・。 |