-久しぶりです-東智華(5/11-23:51)No.2686
 ┗再掲示+α海の宝玉-東智華(5/11-23:54)No.2687
  ┣Re:再掲示+α海の宝玉-松原ぼたん(5/12-18:25)No.2692
  ┃┗松原様-東智華(5/13-21:09)No.2704
  ┗海の宝玉2-東智華(5/13-23:34)No.2705
   ┗Re:海の宝玉2-松原ぼたん(5/21-22:14)No.2783
    ┗松原様へ-東智華(5/21-22:29)No.2787


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2686久しぶりです東智華 5/11-23:51

前回ツリーが落ちて以来投稿するのは久しぶり。
何か何人の方から再掲示しないのですか?とか続き書かないのですか?と言われた
ので海の宝玉は再掲示します。
他の連載の分は直接お問い合わせ下さい。

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2687再掲示+α海の宝玉東智華 5/11-23:54
記事番号2686へのコメント
 いけない、離れる。
 私の手から。
 暴走する。
 絶大な力が。
 捕まえようとするがその手は宙を切っただけだった。
 駄目、駄目よ。
 きり、っと唇を噛む。
 彼女は信頼できる存在の名を口にする。
 それはやってきた。
「お呼びでございましょうか」
 彼女はその用件を口にする。
「わかりました。御心のままに」



「はぁ・・・綺麗な空ねぇ」
「・・・リナ」
「ほんとどこまでも続くような」
「リナさん!!どうするんですかこの状態をっ!!」
 それは酒場の喧嘩の真っ最中。
 勿論発端はリナだった。
 今や収集着かなくなっている。
「とりあえず逃げましょう」
 そう言ってリナ達はその場を離れた。
「それにしてもさっきのは尋常じゃなかったわねぇ」
「何云ってんですか?リナさんが煽ったんじゃないですか?」
 ・・・そりはそうだけど、アメリア。
「確かにぴりぴりしてましたねぇ」
 和やかにゼロスは云う。
 四方を海で囲まれた都市。
 王がいない都市。
 商業が盛んで活気に満ちあふれている。
 だが、何かさっきから視線が・・・
「ここは商業も盛んで流通も盛んで開けてたはずなんだけどなぁ・・・」
 何かぴりぴりしていた。
 不安げな顔の住民達。
 おまけにこそこそとこちらを窺っている。
 はぁっと溜息を着く。
 一体何なのよ。
「それは貴女達が異邦者だからよ」
 声をかけられる。
 そちらの方を振り向くと一人の女性。
 白いマントを羽織り、動きやすい格好に剣を指している。
 白い肌に黒ともみまがえる紺碧の絹糸のような髪に銀の瞳。
「誰?」
「私はあきら。竜嶺あきら」



「竜峰さん?」
 アメリアが聞き返す。
「そうよ」
「ちょっと、何で外から来たからってぴりぴりされなくちゃいけないの?」
「今大変なことになっているから、ここ」
「大変なこと?」
「そう、正体不明のね。原因が分からないしその直後に貴女達が来たから貴女達のせいと
思っているかもね」
「冗談じゃないわっ!」
 アメリアがいきり立つ。
「不安なのよ」
 ほぅっとその美女が溜息をつく。
「それで貴女は?」
 ゼロスが相変わらずにこにこして聞く。
「私はそれを何とかしようと思ってきたのよ」
「ふーん」
「具体的にどういう被害が?」
「神殿が消失したの」
「はい?」
「神殿が消失して今もあの辺りには不思議な磁場が働いてるわ」
「それから?」
「何か空間がねじ曲がってるみたいね」
「それってとっても大事じゃない?」
「そうね」
「どうするの」
「さぁ・・・」
 思わずちゃぶ台をひっくり返したくなっても彼女を一概には責められないだろう。
 そして幸運にもそこにちゃぶ台なるものはなかったのである。
「いつから?」
「貴女達が来る一週間前から」
 げっ!!
「何で貴女が行くの?」
「私は関係者なの」
「神殿の?」
 彼女は微笑んだ。
「そうよ」
「他の同じ系列の神殿に頼むわけにはいかなかったんですか?」
「一つは自治領である独立都市であるこの土地に他国に介入させる余地を防ぐため。
 二つ目は、これが一番重要なのよね、竜王崇拝じゃないのこの土地は。」
「それって・・・」
「ここ独自の神様を信じてるの」
「成る程・・・」
「わかってくれて嬉しいわ」
「私達も竜峰さんのご協力いたします!!」
 力一杯拳を握りしめ云う。
「悪に一人で立ち向かうのを見捨てておけません!!!!何より悪を見過ごすなんてこの
アメリアの正義の心が許しません」
「・・・そ、そう。ありがとう」
 ねーちゃん、ひきつってるぞ。
 ちょっと一歩さがってる。
「とりあえずあたしも協力するわ」
 上手くいけば礼金もらえるかもしれないし神殿の宝物とか魔法書とかはたまたこれはマ
ジックアイテムが作動して起こったのかもしれないし。 
     


「どうしたの?ゼロス」
 ゼロスは考え込んでいた。
 明日の昼頃待ち合わせだ。
「いえ・・・竜嶺さんのことなんですがね」
「彼女がどうかしたの?」
 深い青に銀の組み合わせ・・・どっかで知ってるような。
 どこでだろう。
 思い出せない。
 我ながら珍しい。
「あの色の組み合わせ知ってるような気がするんですが・・・」
「変わってるわよねぇ」
 うんうんとリナは頷く。
 青の髪に銀の瞳なんて。
 確かに変わっていた。
 まぁ、リナさんも竜嶺さんほどじゃないにしても変わっているんですけど。
 栗色の髪に赤い瞳。
 しかし翡翠の髪に金の瞳よりましかもしれない。
 

 
 銀の刃のような三日月が宙空に姿を現す頃ゼロスは森の中に来ていた。
 銀色の光・・・まるで今日会った彼女を彷彿させる。
 彼は昼間気にかかったことをそのままに置いておくような事はしなかった。
 杞憂に終わればそれでよし。
 だが、それが杞憂でなかったら・・・
 調べなければ。
 彼女が何者か。
 彼は精神世界へととぶ。
 彼が目指した場所は彼直属の部下のいる場所。
 精神世界へととび、彼は名を呼ぶ。
「香椰さん、香椰さんはおりませんか?」
「ここに」
 声がしてゼロスの目の前に16ぐらいの美少女が出現する。
 香椰・・・ゼロスの直属の部下だった。
 ふんわりとした緩やかなウェーブがかかった髪に夢見るような榛色の瞳。
 綿菓子のような雰囲気を持つ美少女。
「どうしたんですか?」
 鈴を転がすような声で聞く。
「調べて欲しいことがあるんです」
「何でしょう?」
 可愛らしく首を少し傾ける。
「『竜嶺あきら』、深海の青色の髪、銀色の瞳の女性を。」
「まぁ、珍しい。ゼロス様がリナ=インヴァース以外の女性に興味を持たれるなんて」
 そう言ってころころと笑う。
「香椰さん」
「どうせリナ=インヴァースがらみなのでしょうけど」
「香椰さん」
 軽やかに笑う少女を見つめる。
 この少女は実はゼロスは苦手としていた。
 事ある事にゼロスをからかうのだ。
「それでは調べときますから」
「そうしてください」
 ぐったりと疲れてゼロスはそう答える。
「そうそう」
 少女は話題を変える。
「としこ様にも聞いた方がいいんじゃないですの?」
 あの方の情報網は凄いものがありますから、とそう続ける。
 この美少女の姿をした魔族はゼロスにとって爆弾を投じたのだ。



「あら、珍しい客だこと」
 美貌の魔族がそう言う。
 20を少し越したぐらいの美貌の女性。
 射干玉の髪、黒曜石の瞳、透き通るような肌。
「何の用かしら」
 そう言って優雅に微笑む。
「竜嶺あきらという女性のことを知っていたら教えて欲しいんですが・・・」
 目の前の美貌の女性をゼロスは苦手としていた。
 魔族の中で彼女は特異な存在だった。
 魔王が4人の腹心以外に造った魔族、それが彼女だった。
 ゼロスは彼女に一度も勝てたことがなく、友人と云うより姉代わりだった。
 ゼロスは部下に説明したのと同じ説明を彼女にする。
 彼女は黙って聞いてるだけだった。
「また、あなたの大切な人間がらみ?」
 ゼロスは苦笑する。
「香椰さんにもそれを云われましたよ」
 ふふふ、と目の前の美女が笑う。
 ふと笑いをおさめ、彼女は口を開く。
「ゼロス、あなたの心配してるようなことにはならないわ。」
「一体それはどういう・・・」
 としこは婉然と微笑む。
「悪いことにならないから心配しなくてもいいわ」
 それはゼロスの望む答えではなかった。
「それで納得しろ、と」
「できないでしょうね」
 答えるつもりはない、か。
「失礼しました」
 その場をゼロスは辞退する。
 

「何を考えてるの?あきら」
 彼女の脳裏に浮かぶのはゼロスが説明した色彩を持つ魔族。
 だが、ゼロスが見た姿ではない。
 それは彼女のもう一つの姿とでも云うべきもの。
 どちらも彼女の姿。
 だが、彼女は漆黒の魔性が脳裏に描いてる姿を好んでとっていた。
「まさに台風の目ね」
 彼女の脳裏に浮かぶのはゼロスが気にかけていた女性ではなく、ゼロスですらない。
 闇をも照らす輝きを持った少女。
 栗色の髪、赤い瞳の不可能を可能にする少女。
「さてさてどうなることかしら」
 くすくすと彼女の赤い唇に笑みが刻まれた。      



 物質世界へと戻る。
 意味深な言葉で惑わしてくれますね。
 苦い思いで彼女の美貌を思い出す。
 彼女は特別だった。
 4人の腹心よりも長い年月を生きている魔性。
 彼女は魔王が赤の竜神と戦う前に造られた。
 其の魔力の大きさは計り知れない。
 少なくとも主である獣王クラスはあるだろう。
 だが、魔王は戦わせるために造ったのではないらしい。
 その辺の所はよくわからない。
 彼女は物事をどんなときにでも楽しむ癖がある。
「困ったものですね」
 はぁっと溜息をつく。
「この分だと香椰さんの手に負えないかもしれませんね」
 彼の直属の部下である少女。
 ほんわかした雰囲気に見落としがちだが、有能である。
 魔力はゼロスに準じるぐらいの魔力を持ち、外で活動しているゼロスに変わって群狼の
島での仕事をかわりにやっていてくれている。
 はぁっと溜息を吐く。
「どうしてリナさんはこう次から次へとトラブルを引き寄せてしかも首をつっこんでいく
のでしょう」
 もう一度溜息を吐く。
 幸か不幸かそれを聞いてるものは誰もいなかった。
 もしリナが聞いてれば激怒するようなことを云っているという自覚は彼にはない。
 もしリナが聞いてれば問答無用で竜破斬だろう。
 その際に受ける被害は尋常ではない。
 ゼロスは確かに大丈夫だろうがこの辺り一帯は吹き飛ぶだろう。
 作者は周囲のためにも彼女が先ほどの言葉を聞いていないことを喜ぶ。
 とりあえず監視しかないようですね。
 ゼロスはそう結論づける。
 彼女が何者か、どんな魔力を持っているのか、それはどれぐらいかが分からなければ迂
闊には動けない。
 意識を切り替える。
 全ての世界には法則があり、其の法則には原因と要因がある。
 それなしで何かが起こることはあり得ない。
 神殿が消失・・・それは突然に起こったという。
 これは一体どういうことでしょうかね。
 原因は何だ?
 それすらもわからない。
 かつて世界最大の魔導師協会が消え去った事件があった。
 そう、魔獣ザナッファーが起こした事件である。
 今回はそれではない。
 魔獣が関わっていたら神殿だけでは済んでいない。今頃この国は消滅しているだろう。
 魔族か・・・それが一番ありそうですね
 神殿に都合の悪いものでもあったんでしょうか?
 でもそれは神殿からとってくるだけで済む。
 そういえばここは竜神以外をまつってるんでしたね。
 ここの神殿自体が都合が悪かったか・・・
 どちらにしろ厄介なことにかわりはありませんね。
 そう思いゼロスは苦笑した。



「こんにちは。よく眠れた?」
 深海の髪の美女が微笑みながら聞いてくる。
「ええ、おかげさまで。」
 にっこりと笑って答える。
 勿論皮肉だ。
「そう、よかった」
 この皮肉には気付いているだろうに彼女はにっこり笑って返す。
「これからどうするつもりです?」
「どうするとは?」
「やはり、悪の本拠地に向かわなければなりません!!」
 アメリアがあらぬ方角をびしぃっと指して云う。
「ア、アメリア・・・」
「まだ悪と決まった訳じゃないんだけど・・・」
「神殿を消滅させるとは即ち悪!!」
「まだ無くなったとは確かなことは・・・」
「え?どういうことですか?」
 竜嶺の台詞にアメリアは訝しげな表情をする。
「ある時を境に消えて無くなっただけよ」
「つまり消滅じゃないんですか?」
「もしかしてまだ何処かにあると云うことですか?」
「え?」
「つまりこういう事よ、アメリア」
 溜息を吐いてリナが説明をする。
「ここにはない何処かにあるかもしれない、って云うことでしょ」
「どこですか?それは!?」
「さぁ・・・」
 風が五人の間を吹く。
「それに誰かの作為があるって決まった訳じゃないし」
「・・・・とりあえず調査ですね」
「そうね」
「それじゃあ、夕刻にA.T.HOMEという宿屋に」
「わかったわ」
「わかりました」
「わかった」
 ゼロスとリナとゼルガディスが答える。
 ガウリイはいつものごとくリナに一切を任せ、アメリアの方は、というと・・・
「世のため人のためこのアメリア原因を追及してみせるわ」
 太陽に向かって、何時の間に木に登ったのやら、宣言していた。   



「はぁ、閉鎖的なとこね。ここ」
 先ず神殿には祈りを捧げるが神殿内の人を見たことは一般人は無いという。
 勿論、神殿内部に関しても然り。
 そもそもここは神殿が全てを運営していたと云っても過言ではない。
 ロードや国王がいないこの地域では神殿の権威こそ全てだったのだ。
 それがなくなった。
 それは生活の基盤が崩れ去ったのと同じ事だ。
 知れば知るほどその特殊性に驚く。
 あまりにも違いすぎる。
 どぉん!と爆破音が響く。
 何?と思い振り返る。
 これが神殿が消失した原因に関わりあるのが起こしたんなら楽なんだろうけど・・・
 そうリナは思いながらそうでないだろうことはわかってていた。
 何となく足取りが重い。
 原因が分かっているような気がするのだろうけど知りたくない。
 これは何の解決にもならず問題を先送りしたにすぎないが、できるなら永遠にそこには
行きたくないけど行かなければならない。
 足取りは重いけれどかってに足がそちらへと向かう。
 すでにそこは人だかりができていた。
 人の輪をかき分けてリナは進む。
 そして原因となるものを見たとき、やっぱりと思った。
 何となくこういう予感はしてたのよね。
 嫌な予感ばっかりが当たってくれる。
 どうしてこうなんだろう・・・。
 リナはその光景を見ながら思った。



 ざわざわと人のざわめき。
 リナが見たものは・・・
「それは許されることではありません。今からでも遅くありませんから悔い改めましょ
う。この私が正義へと導いて上げます」
 そう、英雄おたくアメリアだった。
「全くあの子は・・・」
 頭を抱える。
「もう、しょうがないわね」
 そう言って呪文を唱える。
「翔封界!」
 アメリアをがしっと掴み抱えて飛ぶ。
「リナさん!?」
 アメリアが驚きの声を上げる。
「放して下さい!」
「放したら死ぬわよ」
「う゛・・・」
 アメリアは言葉に詰まる。
 いや、アメリアはフィルさんの子供だ。
「死なないでもきっと痛いわよ」
「絶対放さないで下さい」
 よろしい。
「何で魔法ぶっ放したりしたの?」
「勿論正義に町の人を導くためです」
「正義の?」
「はい!そうです」
 何か事あるごとに正義だと云うからなぁ。アメリアは。
 鵜呑みにするわけにはいかない。
「あっ!」
「リナさんどうしたんですか?」
「待ち合わせ・・・」
「ああっ!どうしましょう・・・」
 アメリアが途方に暮れる。
 騒ぎをおこしといて行くわけにもいかないし。
「アメリア、おろしたげるからその辺の宿でまっといてくんない?」
「いいですけど・・・」
「あたしガウリイ達呼んでくるから」
「わかりました」
「そうね・・・あの宿がいいわ」
 リナは指さす。
「わかりました」
 リナはアメリアを一旦おろしてガウリイ達を迎えに行った。

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2692Re:再掲示+α海の宝玉松原ぼたん E-mail 5/12-18:25
記事番号2687へのコメント
 面白かったです。

> 意味深な言葉で惑わしてくれますね。
 確かに意味深だわ。
> だが、魔王は戦わせるために造ったのではないらしい。
 うーん、不思議。
>「困ったものですね」
 人のことはいえまして?(笑)
> 勿論皮肉だ。
>「そう、よかった」
> この皮肉には気付いているだろうに彼女はにっこり笑って返す。
 うーん、怖い。
>「それじゃあ、夕刻にA.T.HOMEという宿屋に」
 あははは。
>「それは許されることではありません。今からでも遅くありませんから悔い改めましょ
>う。この私が正義へと導いて上げます」
 うーん、マイペースな子。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2704松原様東智華 5/13-21:09
記事番号2692へのコメント
確か以前も書いてくれて同じ作品に二度もレスつけてくれてありがとうございます。(感涙)
松原さんも頑張って下さい。
ギャグにするつもりはないのにアメリア出た途端ギャグになるのは一体何故?
恐るべしアメリア

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2705海の宝玉2東智華 5/13-23:34
記事番号2687へのコメント
 リナは待ち合わせの場所に行った。
 『A.T.Home』──── 確か彼女はそう言った。
「遅いぞリナ」
 どうやら待ちくたびれていたようだ。
「ごめんアメリアが何かもめ事を起こしてたようだからアメリアを連れて逃げてたの」
「アメリアが?」
「そう。で、アメリアのとこに行きましょう」
 いい?とあきらにリナは聞く。・・・ゼルガディスやゼロスやガウリイには了解さえも取らない
あたり彼女の性格がうかがいしれる。
「いいわよ」
「それじゃあ行きましょう」
「翔封界!!」
 リナがガウリイを抱えて飛びそれにならいゼルガディス、ゼロス、あきらと続く。
「おい、リナ。アメリアが起こした厄介事って」
「まだ聞いてないわよ。後で聞くことになってるの」
「一体どんな・・・」
「でも、また正義がどーのこーの云う奴じゃないの。呪文ぶっ放すぐらいだから」
「アメリアの理由なんてそれしかないだろう」
「それもそうね」
 ・・・そこまで云われるアメリアは一体。
 しかしそれが事実に基づいていることを作者は明記しておこう。
 正義おたくのアメリア。
 しかし彼女が正義だとはここにいる誰もが思っていないことだった。
 アメリア何をしたのかな・・・厄介な事って。
 アメリアさんもねぇ。彼女も変わった方ですから。厄介なことと云ってもいつもの事じゃありま
せんか。
 リナが事件を起こさないと思ったら今度はアメリアか。どうせ今回もつまらないことが発端と
なったに違いない。
 もう、アメリアったら。情報収集も芳しくないのに。このあたしが大人しくしてるのにあんたが
大人しくしてないって何事よ!
 アメリア・・・セイルーンのお姫様ね。ちっともそう見えなかったけど。でも噂に聞くリナさん
が事件を起こすよりましでしょうね。
 多種多様の思いを抱えアメリアの元へと急いだ。・・・急ぐ必要は別段と無かったのだが遅れて
アメリアの人を待たすなんて正義じゃありません!!ではじまってえんえんとアメリアの説
教・・・精霊魔法つき(笑)・・・を聞かされるのはそれこそ冗談じゃなかった。
 


「一体何が原因なのよ」
 アメリアと待ち合わせた宿屋でリナは開口一番にそう言った、
 それこそがそこにいるみんなの知りたいことだったのである。
「私は当然のことをしたまでです」
「当然のこと?」
「そうです!!」
 胸を張ってアメリアが答える。
 ゼルガディスの皮肉に気付いてさえいない。
 皮肉が通じないというのも哀れである。
「正義の天誅を下したのです!」
「で?原因は?」
 頬の筋肉が引きつるのを押さえリナが重ねて云う。
「そうでした!どうやらここの神殿は神殿にあるまじき事をしていたのです」
「神殿にあるまじき事?」
「そうです」
 ちらっとあきらの方を見る。
 あきらは構わないと云って先を促す。
「そうです!軍隊を持つなど神殿にあるまじき行為です!」
「・・・そうなの?」
 あきらがリナに振る。
「・・・あのねぇ、アメリア」
 ゼルガディスは額に手をやりはぁーっと溜息を吐いている。
 リナの声もあまりにも力がなさ過ぎる。
 ゼロスはのほほんとしている。
 ガウリイに至ってはきょとんとしてこれは何もわかってない証拠なのだ。
「ここは王国じゃないのよ。領主もいないし・・・」
「それはわかってますけど・・・」
 アメリアはみんなの態度が不満らしくふくれっ面だ。
「つまり神殿が王国も兼ねているのよ。つまり、神殿は神に祈りを捧げる場所であると同時に統治
をしているのよ。だから人々の暮らしを守るため軍隊を持っててもおかしくないでしょ」
「つまり・・・」
「この国の最高権力を持つ神殿への反逆ね」
 無情な一言をあきらが言い捨てる。
「うううぅぅぅ・・・」
「つまりアメリアはテロリストって云うことか?」
 ただ何気なく、そう何気なくガウリイは云っただけなのだろうがそれがアメリアにとどめを刺
す。・・・惨い
「ともかくアメリアは留守番をお願い」
 リナの最終宣告が下った。

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2783Re:海の宝玉2松原ぼたん E-mail 5/21-22:14
記事番号2705へのコメント
 面白かったです。感想遅れて申し訳ありません。ちょっと風邪など引いてたもので。

> いい?とあきらにリナは聞く。・・・ゼルガディスやゼロスやガウリイには了解さえも取らない
>あたり彼女の性格がうかがいしれる。
 言えてる。
>「そうです!軍隊を持つなど神殿にあるまじき行為です!」
 うーん、現実問題はとにかく確かにそうかも。けどあんたも巫女でしょーが。
> ただ何気なく、そう何気なくガウリイは云っただけなのだろうがそれがアメリアにとどめを刺
>す。・・・惨い
 確かにちょっとむごいかも。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2787松原様へ東智華 5/21-22:29
記事番号2783へのコメント
> 面白かったです。感想遅れて申し訳ありません。ちょっと風邪など引いてたもので。
だ・・・大丈夫ですか?
> うーん、現実問題はとにかく確かにそうかも。けどあんたも巫女でしょーが。
一応セイルーンは神殿は軍隊を持って無く持っているのは王室という前提ですから・・・・よく考えると巫女が攻撃魔法を使うのも・・・・
ありがとうございました。