◆−Curtain Call−かぼちゃ (2003/9/20 19:17:20) No.27018 ┣Re:Curtain Call−無限 劉人 (2003/9/20 20:45:56) No.27019 ┃┗Re:Curtain Call−かぼちゃ (2003/9/21 17:51:06) No.27029 ┣Re:Curtain Call−青い月 (2003/9/21 00:20:38) No.27025 ┃┗Re:Curtain Call−かぼちゃ (2003/9/21 17:53:01) No.27030 ┣第五幕 You’ll be in my heart−かぼちゃ (2003/9/21 18:43:48) No.27031 ┣You’ll be in my heart 2−かぼちゃ (2003/9/23 16:56:37) No.27062 ┃┗Re:You’ll be in my heart 2−まりあ (2003/9/25 02:13:27) No.27088 ┃ ┗Re:You’ll be in my heart 2−かぼちゃ (2003/9/25 17:06:38) No.27092 ┗You’ll be in my heart 3−かぼちゃ (2003/9/27 18:46:26) No.27138 ┗Re:You’ll be in my heart 3−アオイツキ (2003/9/28 11:17:06) No.27146 ┗Re:You’ll be in my heart 3−かぼちゃ (2003/9/29 20:36:36) No.27180
27018 | Curtain Call | かぼちゃ | 2003/9/20 19:17:20 |
―客席― 物語は急展開を見せて興奮が高まる たくさんの台詞が たくさんの歌声が 会場を埋め尽くしていた 私は何も出来ずに事の成り行きを見つめる 望まぬ展開も受け入れて 手を出す事は許されない 私が手出ししたら せっかくの物語が止まっちゃう・・・ そんなのは勿体無い ************************************* 今回L様風な詩にしてみました。 そういえば、一昨日くらいにやっとスレイヤーズスペシャルの新刊買いました。 それにオーガスタって名前が出てて微妙に驚きました。 今回、いつにもましてよく解らないことになってしまいました。 こんな状態の私ですがどうか見捨てないでください・・・。 よろしくお願いします。 |
27019 | Re:Curtain Call | 無限 劉人 E-mail | 2003/9/20 20:45:56 |
記事番号27018へのコメント はじめましてコンニチハ! ショウセツ2で駄小説を投稿させていただいてます! > ―客席― > >物語は急展開を見せて興奮が高まる > >たくさんの台詞が > >たくさんの歌声が > >会場を埋め尽くしていた > >私は何も出来ずに事の成り行きを見つめる > >望まぬ展開も受け入れて > >手を出す事は許されない > >私が手出ししたら > >せっかくの物語が止まっちゃう・・・ > >そんなのは勿体無い くぁっくいいっ! なんだか力有るモノの苦悩って感じですねvvv >こんな状態の私ですがどうか見捨てないでください・・・。 >よろしくお願いします。 よろしくお願いします! |
27029 | Re:Curtain Call | かぼちゃ | 2003/9/21 17:51:06 |
記事番号27019へのコメント >はじめましてコンニチハ! >ショウセツ2で駄小説を投稿させていただいてます! 初めまして!こんなだ文を読んでいただきありがとうございます! >> ―客席― >> >>物語は急展開を見せて興奮が高まる >> >>たくさんの台詞が >> >>たくさんの歌声が >> >>会場を埋め尽くしていた >> >>私は何も出来ずに事の成り行きを見つめる >> >>望まぬ展開も受け入れて >> >>手を出す事は許されない >> >>私が手出ししたら >> >>せっかくの物語が止まっちゃう・・・ >> >>そんなのは勿体無い >くぁっくいいっ! >なんだか力有るモノの苦悩って感じですねvvv 感無量です・・・(溜息)。そう言っていただけると投稿してよかったって思えます・・・。 でもこの話にL様本人は登場しなかったりするんですよね・・・。 書きたかったから書いてみようってノリで・・・。 すみません・・・、行き当たりばったりで・・・(泣)。 >>こんな状態の私ですがどうか見捨てないでください・・・。 >>よろしくお願いします。 > >よろしくお願いします! ありがとうございます! |
27025 | Re:Curtain Call | 青い月 URL | 2003/9/21 00:20:38 |
記事番号27018へのコメント コンニチハ〜 いよいよ第五幕ですね。 楽しみに待っています! |
27030 | Re:Curtain Call | かぼちゃ | 2003/9/21 17:53:01 |
記事番号27025へのコメント わぁ! 嬉しいお言葉ありがとうございます! これからも頑張りますので是非、お付き合いください! |
27031 | 第五幕 You’ll be in my heart | かぼちゃ | 2003/9/21 18:43:48 |
記事番号27018へのコメント You'll be in my heart 心の中に カタートは静まり返っていた。そこは命あるものが踏み入れるべきではない死の山そのものだった。かつては水竜王の住まう神聖な場所がすっかり朽ちてしまっていた。その地に住まうものが神から魔に移り変わったと言うだけで・・・。 ゼロスはかつてのこの山は美しい場所だったと思い返す。それが少しづつ形を変えたのをゼロスは見ていたのだ。神ともの間に起こったそれを目の当たりにしている。山頂を仰ぎ見てゼロスはそこであったことをもう一度その場で見ているような気になった。 「そう・・・・・・・・。あの戦いで魔竜王は死んだ。」 いつもとは違う暗い響きの獣王の声にゼロスは驚き振り返った。獣王もまた、ゼロスと同じようにして山頂を見た。そこであった戦いを見つめ直すように獣王は氷の頂を見つめた。 ゼロスは獣王がいつからそこに居たのか分からなかった。しかし、獣王の考えはなんとなく予想が出来た。獣王が口にした魔竜王の名によってゼロスは獣王の傷が未だに癒えてない事を知った。獣王もあの時以来、降魔戦争のと気以来、ずっと苦しみ続けていた。たった千年・・・・・・そしてこれからの永久に近い時を苦しみぬく。 ゼロスにも同じことが起こるのかもしれないのだ。 「獣王様!!!」 ゼロスは不意に大きな声を出し、懇願するように獣王の前に跪いた。苦しげなむせび泣くような声だった。獣王はそんなゼロスをじっと見つめた。ゼロスの肩は僅かに震えていた。 「・・・僕は・・・・・・僕は愚かです・・・・・・!!!!」 「――ゼロス・・・。」 「僕は魔族の身でありながら滅びを否定しました・・・!あの方の元へ還るのを拒んだのです!」 ゼロスは下を向いたまま血を吐くように言葉を続けた。獣王の表情も悲しげに強張っていた。 「・・・僕はもう・・・・・・滅びを望めない・・・・・・・・。」 「ゼロス・・・。もう良い。」 獣王は包み込むような笑顔を浮かべゼロスの肩に手を置いた。だがゼロスはその手を振り払い、獣王の顔を見た。ゼロスはいつもの笑みを失っていた。獣王はゼロスのその表情を見て愕然とした。あの者達への愛情はこんなにも自分の部下を蝕んでいたのかと・・・。 「違うんです・・・。僕が言いたいのは・・・!!」 「計画を中止しろと行く事か?」 獣王はゼロスの目を真っ直ぐに見つめていた。ゼロスは揺ぎ無い精神で自分の主に立ち向かおうとしていた。 「いいえ。」 心は自分でも驚くほどに落ち着いていた。 「それが無理なのは僕もよく解ってます。そしてそんな無理な相談をするほど僕は馬鹿じゃありません。ただ、僕は道を示していただきたいのです。」 獣王はここに来てようやく理解した。ゼロスの願いはどちらをとっても犠牲を伴うのだ。フィリアたちを助ければ魔族の夢を犠牲に、魔族の願いを優先すれば世界は滅びる。 「解った。」 獣王は静かにゼロスを立たせた。 「お前に道を与える。ただし、どの道を歩むのかはお前次第だ。」 いつも以上に威厳のある声。 「魔族である事に捕らわれる必要は無い。」 「獣王様・・・・・・・。」 「これがお前にある道だ。」 そうとだけ言い残し獣王はゼロスに背を向けた。 「はい・・・。」 ゼロスは微かな、それでいて力強い声で言った。 迷いの道は断たれたのだ。 ************************************* 第五幕、フィル・コリンズの曲を題名にしちゃいました。 レミゼラブルから離れようとしたら思いつかなくなってしまったので ディスニーに逃げました。 |
27062 | You’ll be in my heart 2 | かぼちゃ | 2003/9/23 16:56:37 |
記事番号27018へのコメント You'll be in my heart 心の中に そこには壁があった。触れれば冷たい官職を帰すだけのその壁は何処か魔王を封じた氷に似ていた。獣王はゼロスがその壁を壊そうとしているように思えたのだ。 獣神官ゼロスは元来、慈悲とか友愛とかそういった物は待ち合わせずに生み出されたものだった。彼の持つ性格と言うべき物は欺き滅ぼす事だった。それは性格と言うよりむしろ本能に近い。魔族として当然のものなのだ。 しかし、ゼロスはその持つべき性質を放棄して命ある者、しかも神に使えてた者を助けようと言うのだ。獣王はかなりの衝撃を受けた。これでゼロスは反逆者となってしまう。さらにゼロスが決断できるよう獣王は迷い戸惑う彼の背を押した。失ってしまってからでは遅いと獣王自身、身をもって知っていたのだ。 ――滅びる時は皆いっしょがいい・・・。 解ってはいたはずだ。こうする事によって獣王はゼロスを失ってしまうと。解っていたにも拘らずそうしてしまったのは獣王がゼロスの内心を理解できてしまったためであった。 かつて獣王は降魔戦争で多くを失った。その中でも一番失ってしまった物は仲間達だった。自分の部下達、志を同じくした同士、魔竜王ガーヴ、水竜王の施した氷の中で眠る赤眼の魔王。帰ってこれるよう努力すると言って笑った魔竜王は死に、我らは勝つべくして戦うと宣言した魔王も山頂から戻らない。 魔王が相打ちとなったと聞いた時、獣王は愕然とした。滅びるなら皆いっしょにと願った魔竜王の望みは潰えて、戦い続けていたゼロスの努力は徒労に終わり、獣王は何も出来なかった。ただ辛くてこみ上げる思いを叫びだしていた。 獣王は全てが終わったと感じた。あの時は。 そして今、ゼロスにそんな思いをさせるのはあまりにも酷な事だった。自分もあの時滅びていればよかったと、魔竜王の代わりに命を賭して戦ったのが自分だったらと、何度も今存在している己が身を呪った。残された僅かな望みを拾う気さえ負けてしまうほどの心の痛みにゼロスを立ち向かわせるなど獣王には出来なかった。 おそらく存在を願った以上、ゼロスはその感情に勝つ事は出来ないだろう。それだけの覚悟をもってして始めて魔族は魔族であることを否定できる。もし、その覚悟なしに魔族であることを否定したら、滅びてしまう。身を滅ぼしてでもと言う願いはあるかもしれないがゼロスの場合はそうではない。 即ち、存在を願う自分を受け入れたのだ。存在を望んだ魔族の自分自身を認めてしまったのだ。自ら望んで存在すると、出来る事なら命を得たいと悲しいまでに望んでいた。 獣王はそんなゼロスを哀れだと感じた。魔族でありながら魔族になりきれずにいるなど悲しみを招くだけに過ぎない。ゼロスを人間たちと接しさせたのは間違いだったと獣王は感じ始めていた。ゼロスを変えたのは彼らだと信じ込もうとしているのだ。 自分の部下には何の咎も無いと信じたかったのだ。獣王にとってゼロスはあくまで被害者なのだ。時代の流れに翻弄され、運命に逆らう事も出来ずに苦しんでいる被害者。自分も含めて世界に存在する全てのものが偉大な母の前で踊り続ける人形なのだ。この世界など戯曲に過ぎない。茶番な悲しい物語を紡いでいる愚かな役者達が戦いを続けているだけ。 「早く終わらせなければ・・・・・・・・・。」 この決意は正しいのか、それは解らなくともこれこそが獣王の失った仲間たちの願っていた真実。 「幕を下ろそう・・・・・・・・・。」 ************************************* 短い獣王の独白。 ちょっぴり親馬鹿・・・。 |
27088 | Re:You’ll be in my heart 2 | まりあ | 2003/9/25 02:13:27 |
記事番号27062へのコメント > You'll be in my heart 心の中に コメント入れさせてもらいます。 > 獣神官ゼロスは元来、慈悲とか友愛とかそういった物は待ち合わせずに生み出されたものだった。彼の持つ性格と言うべき物は欺き滅ぼす事だった。それは性格と言うよりむしろ本能に近い。魔族として当然のものなのだ。 その本能が、崩れかけているんですよね。 > しかし、ゼロスはその持つべき性質を放棄して命ある者、しかも神に使えてた者を助けようと言うのだ。獣王はかなりの衝撃を受けた。これでゼロスは反逆者となってしまう。さらにゼロスが決断できるよう獣王は迷い戸惑う彼の背を押した。失ってしまってからでは遅いと獣王自身、身をもって知っていたのだ。 ゼロスも、獣王も、辛いでしょうね。反逆者、ということは、ガーブと同じ末路をたどるんでしょうか? 獣王は、魔族としてより、親としての決断を優先させたのですね。 >――滅びる時は皆いっしょがいい・・・。 もう、叶わぬ願い――――――――? > かつて獣王は降魔戦争で多くを失った。その中でも一番失ってしまった物は仲間達だった。自分の部下達、志を同じくした同士、魔竜王ガーヴ、水竜王の施した氷の中で眠る赤眼の魔王。帰ってこれるよう努力すると言って笑った魔竜王は死に、我らは勝つべくして戦うと宣言した魔王も山頂から戻らない。 失う辛さを、わかっていたはずなのに・・・。何かを失わずには、先に進めないんですよね。 > 魔王が相打ちとなったと聞いた時、獣王は愕然とした。滅びるなら皆いっしょにと願った魔竜王の望みは潰えて、戦い続けていたゼロスの努力は徒労に終わり、獣王は何も出来なかった。ただ辛くてこみ上げる思いを叫びだしていた。 神族も勝とうと必死ですからね。二つの勢力が勝とうとした場合、両方が勝つことはありえませんし。 > 獣王は全てが終わったと感じた。あの時は。 けど、終わってなかった。 > そして今、ゼロスにそんな思いをさせるのはあまりにも酷な事だった。自分もあの時滅びていればよかったと、魔竜王の代わりに命を賭して戦ったのが自分だったらと、何度も今存在している己が身を呪った。残された僅かな望みを拾う気さえ負けてしまうほどの心の痛みにゼロスを立ち向かわせるなど獣王には出来なかった。 ゼロスが苦しむのをわかっていながら、こうするのが一番良いと、ゼラスは思ったのですね。ゼラスの望みは違えど―――。苦しい思いをするのなら、先に滅びたほうが、良いのでしょうか。ゼラスもゼロスも、今、存在してること自体が辛いことならば―――――――。 > おそらく存在を願った以上、ゼロスはその感情に勝つ事は出来ないだろう。それだけの覚悟をもってして始めて魔族は魔族であることを否定できる。もし、その覚悟なしに魔族であることを否定したら、滅びてしまう。身を滅ぼしてでもと言う願いはあるかもしれないがゼロスの場合はそうではない。 永き時を生きたがために、生の喜びを知ってしまったのでしょうか? もうゼロスは、道を決めてしまったのですね。魔族であることを否定してでも、生きたいと・・・。 > 即ち、存在を願う自分を受け入れたのだ。存在を望んだ魔族の自分自身を認めてしまったのだ。自ら望んで存在すると、出来る事なら命を得たいと悲しいまでに望んでいた。 無になろうとするはずが、有を望んでしまったのですね。滅びても良いから生を望みたい、とか、魔族として滅びを望む、とか、どちらでもなく。存在を望む魔族でありたいと願ったのですね。 > 獣王はそんなゼロスを哀れだと感じた。魔族でありながら魔族になりきれずにいるなど悲しみを招くだけに過ぎない。ゼロスを人間たちと接しさせたのは間違いだったと獣王は感じ始めていた。ゼロスを変えたのは彼らだと信じ込もうとしているのだ。 運命に背いてしまったのですものね。これからゼロスは、悲しく辛く苦しいことが、いっぱいあるでしょうに・・・・。リナと会った、あの時から、ゼロスの運命は狂い始めていたのでしょうか。それとも、もっと前から、こうなることは決まっていたのでしょうか――――――? > 自分の部下には何の咎も無いと信じたかったのだ。獣王にとってゼロスはあくまで被害者なのだ。時代の流れに翻弄され、運命に逆らう事も出来ずに苦しんでいる被害者。自分も含めて世界に存在する全てのものが偉大な母の前で踊り続ける人形なのだ。この世界など戯曲に過ぎない。茶番な悲しい物語を紡いでいる愚かな役者達が戦いを続けているだけ。 ゼラスが造った瞬間、未来は決まっていたのかもしれませんね。あのお方のみが知る、未来が―――――。これからの未来はゼロスにとって幸せなものとなるのでしょうか。できるなら、全ての者の母がゼロスに救いの手を伸ばしてくれると良いのですが・・・・・・。あのお方は、世界を、この運命を、気まぐれで造ったのでしょうか・・・・・・。全てが悲しいです。運命はあまりにも残酷過ぎますっ。 >「早く終わらせなければ・・・・・・・・・。」 >この決意は正しいのか、それは解らなくともこれこそが獣王の失った仲間たちの願っていた真実。 どんなに迷っても、立ち止まってるわけには行かないのです。 >「幕を下ろそう・・・・・・・・・。」 結末はどうなるのでしょうか!? >************************************* >短い獣王の独白。 >ちょっぴり親馬鹿・・・。 すっごく感動しました。なんか悲しくて、泣けちゃいました。 次もがんばってください。 |
27092 | Re:You’ll be in my heart 2 | かぼちゃ | 2003/9/25 17:06:38 |
記事番号27088へのコメント >> You'll be in my heart 心の中に >コメント入れさせてもらいます。 うわぁ!ありがとうございます。 >> 獣神官ゼロスは元来、慈悲とか友愛とかそういった物は待ち合わせずに生み出されたものだった。彼の持つ性格と言うべき物は欺き滅ぼす事だった。それは性格と言うよりむしろ本能に近い。魔族として当然のものなのだ。 >その本能が、崩れかけているんですよね。 今まで当たり前にあったものが崩壊する事によって何かを得られることもあるんです。逆にゼロスのように新たなものを得たが為に今まで積み重ねたものを手放さなくてはならないときがあるんです。 >> しかし、ゼロスはその持つべき性質を放棄して命ある者、しかも神に使えてた者を助けようと言うのだ。獣王はかなりの衝撃を受けた。これでゼロスは反逆者となってしまう。さらにゼロスが決断できるよう獣王は迷い戸惑う彼の背を押した。失ってしまってからでは遅いと獣王自身、身をもって知っていたのだ。 >ゼロスも、獣王も、辛いでしょうね。反逆者、ということは、ガーブと同じ末路をたどるんでしょうか? 獣王は、魔族としてより、親としての決断を優先させたのですね。 かなり厳しい選択だったと思います。 でもニュアンスを変えてみると「グレた子供の進路について悩む親」って感じです(爆)。 >>――滅びる時は皆いっしょがいい・・・。 >もう、叶わぬ願い――――――――? まだそうとは限りません。 先に滅びた者達の願いを背負って残った者が努力をする事が出来れば・・・。 >> かつて獣王は降魔戦争で多くを失った。その中でも一番失ってしまった物は仲間達だった。自分の部下達、志を同じくした同士、魔竜王ガーヴ、水竜王の施した氷の中で眠る赤眼の魔王。帰ってこれるよう努力すると言って笑った魔竜王は死に、我らは勝つべくして戦うと宣言した魔王も山頂から戻らない。 >失う辛さを、わかっていたはずなのに・・・。何かを失わずには、先に進めないんですよね。 多大な犠牲を払った上に成り立って世界が存在してますから。犠牲になるのは常に魔族とは限らず、双方が多くを失っています。 >> 魔王が相打ちとなったと聞いた時、獣王は愕然とした。滅びるなら皆いっしょにと願った魔竜王の望みは潰えて、戦い続けていたゼロスの努力は徒労に終わり、獣王は何も出来なかった。ただ辛くてこみ上げる思いを叫びだしていた。 >神族も勝とうと必死ですからね。二つの勢力が勝とうとした場合、両方が勝つことはありえませんし。 決して共存はありえないからこそ戦って真実を得なければいけないんです。勝てた方のしたことが真実とも言いきれませんが・・・。 >> 獣王は全てが終わったと感じた。あの時は。 >けど、終わってなかった。 「まだ私達がいますから」と言う海王様の言葉のままです。 >> そして今、ゼロスにそんな思いをさせるのはあまりにも酷な事だった。自分もあの時滅びていればよかったと、魔竜王の代わりに命を賭して戦ったのが自分だったらと、何度も今存在している己が身を呪った。残された僅かな望みを拾う気さえ負けてしまうほどの心の痛みにゼロスを立ち向かわせるなど獣王には出来なかった。 >ゼロスが苦しむのをわかっていながら、こうするのが一番良いと、ゼラスは思ったのですね。ゼラスの望みは違えど―――。苦しい思いをするのなら、先に滅びたほうが、良いのでしょうか。ゼラスもゼロスも、今、存在してること自体が辛いことならば―――――――。 それこそが全ての魔族が滅びを望む理由だと私は思っています。生きると言う事は辛い事が多すぎるからそれなら世界なんて無ければいい。 >> おそらく存在を願った以上、ゼロスはその感情に勝つ事は出来ないだろう。それだけの覚悟をもってして始めて魔族は魔族であることを否定できる。もし、その覚悟なしに魔族であることを否定したら、滅びてしまう。身を滅ぼしてでもと言う願いはあるかもしれないがゼロスの場合はそうではない。 >永き時を生きたがために、生の喜びを知ってしまったのでしょうか? もうゼロスは、道を決めてしまったのですね。魔族であることを否定してでも、生きたいと・・・。 これも一つの決心です。命あるものの望みをゼロスは知ってしまったんです。 >> 即ち、存在を願う自分を受け入れたのだ。存在を望んだ魔族の自分自身を認めてしまったのだ。自ら望んで存在すると、出来る事なら命を得たいと悲しいまでに望んでいた。 >無になろうとするはずが、有を望んでしまったのですね。滅びても良いから生を望みたい、とか、魔族として滅びを望む、とか、どちらでもなく。存在を望む魔族でありたいと願ったのですね。 もはや世捨て人のようになってしまいました。神にも人にも魔族にもなれない立場です。 >> 獣王はそんなゼロスを哀れだと感じた。魔族でありながら魔族になりきれずにいるなど悲しみを招くだけに過ぎない。ゼロスを人間たちと接しさせたのは間違いだったと獣王は感じ始めていた。ゼロスを変えたのは彼らだと信じ込もうとしているのだ。 >運命に背いてしまったのですものね。これからゼロスは、悲しく辛く苦しいことが、いっぱいあるでしょうに・・・・。リナと会った、あの時から、ゼロスの運命は狂い始めていたのでしょうか。それとも、もっと前から、こうなることは決まっていたのでしょうか――――――? それがいつから起こり始めたかはわかりませんが結果としてこうなってしまったと言うのも事実です。 >> 自分の部下には何の咎も無いと信じたかったのだ。獣王にとってゼロスはあくまで被害者なのだ。時代の流れに翻弄され、運命に逆らう事も出来ずに苦しんでいる被害者。自分も含めて世界に存在する全てのものが偉大な母の前で踊り続ける人形なのだ。この世界など戯曲に過ぎない。茶番な悲しい物語を紡いでいる愚かな役者達が戦いを続けているだけ。 >ゼラスが造った瞬間、未来は決まっていたのかもしれませんね。あのお方のみが知る、未来が―――――。これからの未来はゼロスにとって幸せなものとなるのでしょうか。できるなら、全ての者の母がゼロスに救いの手を伸ばしてくれると良いのですが・・・・・・。あのお方は、世界を、この運命を、気まぐれで造ったのでしょうか・・・・・・。全てが悲しいです。運命はあまりにも残酷過ぎますっ。 この章の冒頭にあるようにL様は手出しする事が出来ません。存在する自分の子供達に惜しみない慈愛を注ぎながら決して一つのものの願いをかなえひいきするようなことも出来ません。ある意味では客席で見ていて何も出来ないL様が一番辛い立場かもしれません。 >>「早く終わらせなければ・・・・・・・・・。」 >>この決意は正しいのか、それは解らなくともこれこそが獣王の失った仲間たちの願っていた真実。 >どんなに迷っても、立ち止まってるわけには行かないのです。 獣王の決断はこの地点ではよく解りません。ゼロスの願いの為に生きるか、それとも全魔族の願いの為に戦うか・・・。 >>「幕を下ろそう・・・・・・・・・。」 >結末はどうなるのでしょうか!? それは秘密ですv Byゼロス >>************************************* >>短い獣王の独白。 >>ちょっぴり親馬鹿・・・。 >すっごく感動しました。なんか悲しくて、泣けちゃいました。 >次もがんばってください。 本当にありがとうございます。感動していただけて嬉しき事限りなし。 頑張ります!! |
27138 | You’ll be in my heart 3 | かぼちゃ | 2003/9/27 18:46:26 |
記事番号27018へのコメント You'll be in my heart 心の中に 空が茜色に染まったのを見てフィリアは閉店の準備に取り掛かっていた。宣伝用として外に置いていた商品を室内に撤去する。 一つをしまい終え残りも勝たそうと外に出た時、辺りの空気が先ほどと違っていた。フィリアは今、持ち上げたばかりの壷を地面に落とした。壷は乾いた音と共に砕け散り夕日を受けて紅く輝いた。しかしその破片は地に落ちる前に宙にとどまり、巻き戻すように元の姿に戻った。 「随分と商品の扱いが悪いんですね。この店は。」 やや俯いて立つ神官。フィリアは呆気に取られていた。 フィリアにはそのゼロスの姿が消え入りそうに思えた。 「一つ、知らせる事があるんです。」 ゼロスは言う。淡々とした口調だ。フィリアは胸が塞がる様な思いでそれを聞いていた。 「魔王が目覚めるかもしれません。」 声は楽しそうだった。だが、涙を堪えているような、無理に搾り出した声だった。 その発言にフィリアはもう少し驚いても良かっただろうと思ったが以外にも心は落ち着いていた。魔王の復活よりもフィリアを驚かせたのはゼロスの態度だった。逆行の為、表情はわからないが悲しげな雰囲気を持っていた。 強いて言うなら――儚げ。 永遠に近い時を持つ力ある種族。そんな存在には儚さなど存在するはずか無いのに、今のゼロスは積もったばかりの雪のような印象を与える。 冷たくて。綺麗で。儚い。 触れた瞬間に融けてしまいそうなのだ。実際にゼロスが魔族の本能に忠実であれと望んだ儚い望みは獣王の慈愛によって融かされていたのだ。ならば、今現在のゼロスは何を失おうとしているのか。 「もう一度言います。魔王が・・・赤眼の魔王シャブラニグドゥが目覚めるかもしれません。」 ゼロスは無反応なフィリアに重ねて言った。 「何故私にそれを伝えるんです?」 フィリアは問う。それを言われるとゼロスはいきなりフィリアの肩を掴んだ。 「時間が無いんです!もう計画は動き出していて、各地でデーモンなどが町を襲撃しています!そこで得た負の感情で水竜王の封印をとこうとしているんです!!」 フィリアは言葉も無かった。ゼロスは縋り付くようにフィリアを抱き寄せた。 「・・・・・・このまま放置しておく事は出来ません。」 悲痛な声。本当に悲しく痛々しい・・・。 「何故・・・・・?何故、私にそれを伝えるんですか・・・・?」 フィリアは声を絞り出した。苦しげな嗚咽に近い声だった。 痛みがゼロスの温かな腕を通じて直に伝わってしまったような衝撃に涙が溢れ始めていた。涙は表面張力で流れ落ちることが出来ない。 同情とか、哀れみだとか、もっと複雑で言葉では足りないような感情の渦に呑まれてフィリアはゼロスの胸に顔をうずめた。意外なほどその身体は暖かくて、彼が魔族であることを忘れさせた。心音までもが聞こえてきそうで・・・。 ゼロスはフィリアの問いに答えられずにいた。 「魔族の立場なら・・・・・・・・」 「・・・・・・・・・て・・・・・・ます・・。」 「え?」 微かに耳に届いた声にフィリアは言葉を止めた。 ゼロスはフィリアの耳元でそっと囁く。フィリアの顔が朱に染まった。ゼロスはフィリアから離れるといつもとは違う微笑を浮べた。恥ずかしそうに。 「だから・・・貴女に滅びて欲しくないんですよ。」 ゼロスは言う。驚くほど穏やかな声で詠うように言葉を紡ぎだした。 「解りました。信じます。」 フィリアは力強く頷き、部屋に戻った。そこで箪笥の奥に大切にしまっていたものを取り出す。 火竜王に仕えていた頃に、リナ達と旅をしていた頃に着ていた巫女としての正装。フィリアは懐かしそうにそれを見つめてから着替えて外に出た。 ゼロスはフィリアのその服装を見て少し戸惑った。 「竜の峰にこの事を報告に行きます。貴方の言った事が偽りでないと、私は信じてますから。」 「お気をつけて。」 真剣な表情のフィリアにゼロスもやはり真剣に答えた。 フィリアはその場で竜の姿に戻り、竜の峰に向けて飛び立った。ゼロスはその金色の翼が遠ざかっていくのを見つめいていた。 ************************************* 後半、完全に趣味に走ってます。 でも、私が書くとイマイチ・・・(泣)。 |
27146 | Re:You’ll be in my heart 3 | アオイツキ URL | 2003/9/28 11:17:06 |
記事番号27138へのコメント コンニチハ♪ アオイツキです。(青月さんという方がいらっしゃるので青い月から変更しました。) 読ませて頂きました〜 今回は完璧にゼロフィリですねっ! ツボにハマリまくってしまいました。 > 永遠に近い時を持つ力ある種族。そんな存在には儚さなど存在するはずか無いのに、今のゼロスは積もったばかりの雪のような印象を与える。 > 冷たくて。綺麗で。儚い。 > 触れた瞬間に融けてしまいそうなのだ。 今回この部分の描写が最高にいいです! 何度も読み返しては情景を想像してしまいましたw 次回も楽しみにしております! 私も続きを書かなければ。。。w |
27180 | Re:You’ll be in my heart 3 | かぼちゃ | 2003/9/29 20:36:36 |
記事番号27146へのコメント ありがとうございます♪ 本当に嬉しき事限りなしです。 今回完全に趣味の世界でした(爆)。 儚くて切なげなゼロス君が書きたかったんです。 以前、ゼロスが雪の中で思考を巡らせてる物を書いたのですが 今回それのイメージも強いです。 では、これからもよろしくお願いします! |