◆−時を越えた思い−遙琥珀&闇竜翔 (2003/9/20 23:06:10) No.27021
 ┗時を超えた思い 遥かなる意識の底で……−闇竜翔 (2003/9/20 23:17:58) No.27022


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27021時を越えた思い遙琥珀&闇竜翔 2003/9/20 23:06:10


闇:半年ほど更新が無かったので終わったのかと思われた方もいられるかもしれませんが一応まだ続いてます。
  ってな訳で再び再開します。前回までのお話は過去ログで調べてください(をい)
  それでは、一旦これにて・・・・・・

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27022時を超えた思い 遥かなる意識の底で……闇竜翔 E-mail 2003/9/20 23:17:58
記事番号27021へのコメント



アポカリプス……それは純粋なる『力』の塊。
烈雷と呪文の中では言われているが関係が無い。
その純粋なる『力』の塊はルイスの腹部を直撃した。

ギュウイイイイイイイイ、ドゴオオオオオオオオオオオオオオ

『力』とルイスの身体がぶつかり、空間に切れ目を入れてしまいそうな『力』がルイスの身体を吹き飛ばす。
「ぐわああああああああ」
それでも、ルイスはまだ生きていた。その驚異的な魔力を持ってどうにか威力を殺したのだ。それでも上半身のみが宙に浮いている状態だ。
「まだ生きてるのか」
アセルトがめんどくさそうに更に呪文を唱える。
「闇の底、食らい尽くすは、暗黒なる邪悪、その牙で打ち砕きて、我が前に暗黒の……」
そう言い右手をルイスの方に向け、
「滅びを示せ」
高速連動魔導式『ハウレス』発動。
その瞬間、闇を食らう闇がルイスを飲み込む。しかし、それでもルイスは自らの魔力を持って防いだ。
「厄介だな」
流石にアセルトが顔をしかめる。『ハウレス』は『アポカリプス』以上の破壊力を誇るのだ。
「どうする?」
そう思いながらもフィアナの鎖を『ラグナログ』で切り裂くアセルト。
「ありがとう」
フィアナが礼を言う。すると、
「ああ?別にお礼はいい。それより早く安全な場所に」
そうアセルトがいったとき、ルイスがこちらを向いている事に気づいた。
「くそっ」
そう言ってフィアナを背後にかばうアセルト。
「そろそろ終わりにしましょう」
ルイスがそう言った。
「言われなくても、お前は終わりだ」
アセルトがにべも無く言い放ち即座に呪文を唱え始める。
「永久の時の中、目覚めし民居れば、汝何を望むるか」
彼がそう言い複雑な八紡星を書き始める。
「天空を彩りし、虹の神よ、汝の力、今ひとたびの奇跡と共に……」
完成した八紡星の前に特殊な印字を結んでゆく。ルイスはその様子を無表情に見ている。
「混沌の眠りを覚まさん脅威の力、今一度我が力となりて、我が前に立ち塞がりし者に久しく眠りに着かせたまえ!」
魔導式発動、究極形態『アイリス』召喚。
その瞬間、アセルトの全身から虹色の光が表れ、一直線にルイスを直撃した。ルイスの左手が吹き飛ぶ。そして、
「ははははは、引っかかった」
ルイスがにたっと笑った。
「何!?」
アセルトが驚愕を顔に出す。『アイリス』の呪文は彼の高速連動魔導式の中の究極分類。ほぼ最強のものなのだ。ファントムでさえ『アイリス』は使えない。
そして、その破壊力は壮絶なもので、いかなるものも滅びに導くのだ。それを受けてルイスは生きているのだ。しかし、彼が驚愕に驚いているのはそれでは無い。
ルイスの口の動きからの呪文詠唱なのだ。
その魔法は、アセルトでさえ危険すぎると思い覚えなかった魔法。
ファントムでさえその危険性があるので使おうとしない魔法。
そう、あまりの危険性のために封じられた大魔法なのだ。もちろん欠点はある。
あまりの大魔法ゆえに魂を削ってしまうのだ。
「ひゃははははははははは!俺の勝ちだ!邪悪の底、眠りし民、目覚め、すべてを滅ぼせ、全ての存在よ、大いなる奈落に還れ!…………さあ発動せよ我が生涯最高傑作!妖魔法暗黒分類、戦略的攻撃魔法術『ギンヌンガガプ』!」
「しまった!」
アセルトが急いで呪を唱え、右手に焔を纏わせルイスの仮想人格の詠唱を破壊しようと走る。
この『ギンヌンガガプ』つまり『奈落』の発動には数章に渡る呪文詠唱が必要なのである。
ルイスは高速連動魔導式を使えない。それゆえに仮想人格を作り出し同時詠唱をしているのだ。
それさえ止めれれば『ギンヌンガガプ』を中断する事が出来る。
通常はいくつもの仮想人格によって意識が発狂してしまう。それをルイスはやってのけようとしているのだ。
アセルトの右手はルイスの身体を貫通した。しかし、気づくのが遅かった。
仮想人格詠唱終了、妖魔法暗黒分類禁呪、『ギンヌンガガプ』発動。
そして、破滅が始まった。




「うん?何かおかしいな」
アセルトに鎖を外してもらい、フィアナが地面に足を着いた時アセルトはルイスの方に飛び掛っていっていた。
そして、彼が右手を貫いたと思ったときからフィアナは異変を感じた。
「闇が……」
その後は言葉にならなかった。月明かりが当たらない場所にある闇が蠢いている。
「どうしたんだ?」
流石に寒気を感じレイピアを構えるフィアナ。
その時からすでに破滅が始まっていたのだ。




「くそっ、お前」
「いかがですか我が兄」
手を貫いた状態でアセルトはまだ固まっている。
妖魔法暗黒分類禁呪、戦略的攻撃魔法術『ギンヌンガガプ』それはあらゆるものを食い潰し破壊に導く魔法である。
「何でこんな魔術を……」
「なぜこの魔法が使えるかという事については秘密ですよ。そして、これで復讐が終わったわけでは無いですよ」
ルイスがそう言う。
「何!?」
アセルトが焦った時、彼の頭に鋭い痛みが襲う。
「妖魔法新邪術、『心の侵食』をかけさせて頂きました」
ルイスは仮想人格をまだ残していたのだ。
「何だと」
アセルトが唸ると、
「絶望しながら邪妖に堕ちろ!しゃはははははははははは!」
「くそっ!吹き飛べ!」
彼が自らの右手に纏わせている焔の力を更に強くする。
その瞬間、邪妖ルイスはその肉体と精神を木っ端微塵にして吹き飛ばされた。
「アセルト!」
フィアナの声が聞こえる。
振り向くといつ来たのか分からないがファントムがフィアナを結界で守っている。
「アセルト早く来い!この場から離脱するぞ!」
ファントムが口調を荒げるが、
「ちょっと無理です」
そう言うと同時に事情をファントムに精神波として送る。
「……なんだと」
事情を受け取ったファントムがつい呆然としてしまう。
「どうやら魔力も底をついたようです。また後で……」
そう言うとアセルトの意識は闇に落ちた。
「アセルト―――――――!」
アセルトが意識を失う前、フィアナの声が響いた。




アセルトは暗い闇の中を歩いていた。
(ヤットココニコレタ)
「何者だ?」
突然現れた影にそう言うアセルト。
(サア、イッショニオチヨウ)
「貴様何者だ!」
(キガラクニナレルゾ)
影は何も聞かずにアセルトの方に近づく。
アセルトは何気なく【影】から距離を取り、
「何だここは」
そう呟いた。
そこには、いくつもの大きな水晶の塊のような物が浮かんでいる。
「ここは?」
(フフフフフ、スグニゼツボウノソコニオトシテアゲマスヨ)
【影】がそう言う。
「何が絶望だ!ここがどこかは予想がつかんが……」
そこまで言って彼はその水晶の塊のようなものに顔があることが解かった。
「何!?」
驚愕を露にするアセルト。そして、思い出す。
「ここは、記憶の間、試練の谷か!」
試練の谷とは、邪妖になってしまうかそうでないかの試練の場所なのだ。
記憶の間と言われる場所で邪妖との精神的な対決をするのだ。
負ければ邪妖に勝てば元の妖魔に、
「負けれねえな」
彼はそう言うと同時に【影】を睨み、
「紅の炎、今永久に!」
高速連動魔導式『煉獄』発動。
しかし、炎は現れなかった。
「えっ?」
軽い驚きを胸にもう一度別の呪文を唱えるアセルト。
「氷の女帝、氷結の王よ」
高速連動魔導式『烈氷』発動。
しかし、今度も氷は現れなかった。
「能力がいや、魔法が使えない!?」
アセルトが慌てた声で言う。ここには剣も無い。
「どうする!?」
そう言うが救いが在るわけが無い。
そんな事をしている間にも【影】は水晶の方に近づき、
(ホラ、レンサスルヨ)
そう言った。
「ああ?」
言葉の意味を問いただすよりも前に、

パキイイイイイイン

乾いた音を立てて水晶が割れた。その水晶には壊れる前には誰かの顔がかかれていたはずだ。
「流沙の君!って流沙の君って誰だ?あれ?……思い出せない?まさか!」
恐怖で彼は顔を変化された。そして、

パキイイイイイン、パキイイイイイン、パキイイイイイン……………………

どんどん続いていく水晶の崩壊。その度忘れられていくもの。
「頼む、やめてくれ」
アセルトがどこか感情のこもってない目でそう言った。
「やめてくれ!!!!!」
その瞬間、【影】の気配に動揺がはしった。
(ナンダコレハ?)
一つの水晶球を見てそう言う。
その水晶球に顔は出ない。しかし、四本の鎖ががんじがらめに繋がれている。
(ナンダコレハ?)
再度そう言い攻撃を仕掛ける【影】しかし、その攻撃は【影】を逆に攻撃した。
「これは……」
アセルトがその水晶球を覗くと、見えたのは始めて見る顔。
どこか大人びていて黒い髪をしている。どうやら左眼は義眼のようで光が無い。そして、もう一つの右眼は鋭く獲物を狙う肉食獣を思わせるような眼光をしていた。
一度も会ったことが無い。けれどどこかであった事がある。
「…………闇……闇夜………闇夜の王……………ディーム……ディーム・ロスト……闇夜の王ディーム・ロスト!」
何かがアセルトの中で弾けた。
(ナンダコノケハイハイキナリチカラガ!!!!!)
【影】が驚きの声を上げる。
「そうか……そうだったのか」
アセルトが何かを思い出したかのように目を見開く。その瞬間、今まで割れていた水晶まで元に戻る。
(ナンナノダ!ナニガオコッタトイウノダ!)
突然の事に【影】が慌てるが、
「光の矢よ」
突如アセルトが魔法を使う。そして、彼の指先から光の矢が【影】に降り注ぐ。
(ギャアアアアアアアア、バカナ、ワガピースメーカーニテダシハデキヌハズダ!ナゼダ!)
【影】が慌ててそう言う。しかし、
「そりゃあ、妖魔があんた等秩序守護者の下に位置する者だからだろ。同等になれば意味は無い」
アセルトが何も無かったように言う。
(バカナ、オマエモヨウマダ!ワタシニハサカラエナイ!)
怒ったように【影】が言う。
「あーそれね。…………まああんたが消滅する前に一つだけ教えておくよ。俺の本当あだ名」
そう言うと彼は手で頭を掻き、
「邪眼の君さ」
その瞬間、完全に【影】が驚愕を露にする。
(ナンダト!アノジャガンノキミダト!バカナ!ヤツハ『アノオカタ』にホロボサレタハズ)
「何だけどね〜。まあ奇跡があったって事で」
アセルトはそう言うと右手を前に出し、
「黒き闇、悪魔の礎よ」
召喚連動魔導式『ルシファー』降臨。
(ソンナバカナ!ソンナバカナ!)
否定の言葉を並べる【影】。それをアセルトは静かに見た後、
「魂から消えて」
めんどくさそうに言った。
(イヤダアアアアアアアア!)
それが【影】の最後の言葉となった。
『ルシファー』の黒き翼が【影】の魂を少しずつ搾り取っていく。
そして、塵さえ残さすに【影】は消えた。
「アディオス。運が無かったと思ってくれい」
そう言うと一つの水晶急の前に立ち止まり、
「すぐ帰るからなフィアナ」
そう言うと共に彼は虚空に歩き出した。




頼むってだから……
しかしな、もう一度封印するのは大変だぞ
そこを何とか!
……仕方ない。私の封印のみにしておこう
おう、ありがとう。んであいつの方はどうだ?
まだ目覚めてはいない。
で?あいつはどうなった?
…………………
なあ?生きてんだろ?
じゃあ、封印するぞ
おい、ちょっと待てよ!質問には答えろ!
…………『封印』!




アセルトが目を覚ますと、自分のベッドに寝ていた。
どうやって戻ってきたかは覚えてない。
しかし、それもどうでもいいことだ。
隣にフィアナが寝ている。
どうやら無理して何十日も連続で徹夜したようだ。
「さて……何日眠ってたのかな?」
「五ヶ月間だ」
気づくとファントムが入り口に立っていた。
「あっ、幻の君様……」
「二ヶ月間俺達が捜索し、最終的にはファクト様が連れて帰ってくださった。そして、三ヶ月間お前は生死と妖魔と邪妖の間を彷徨った」
「…………」
ファントムの気配に押されて黙ってしまうアセルト。
「五ヶ月間ずっとフィアナはお前の事を心配して側に居たんだ。後で礼の一つでもしろ」
ファントムはそこまで言うと照れたように後ろを向き、
「寝てる奴に手を出そうなんて思うなよ」
そう言うと共に姿を消した。
アセルトは多少呆れ気味の顔をした後、
「ありがとうフィアナ」
まだ深く眠りについているフィアナの唇に自らの唇をつけた。









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