◆−強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ)−星村さゆる (2003/9/30 23:53:21) No.27201 ┣初めまして。−イヌひこ (2003/10/1 00:22:27) No.27202 ┃┗こちらこそ初めましてv−星村さゆる (2003/10/1 17:55:08) No.27208 ┗強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ)−星村さゆる (2003/10/1 17:38:08) No.27207 ┣うああv−イヌひこ (2003/10/1 22:54:12) No.27217 ┃┗Re:うああv−星村さゆる (2003/10/6 21:18:40) No.27275 ┣Re:強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ)−祭 蛍詩 (2003/10/2 20:32:01) No.27232 ┃┗お久しぶりです!−星村さゆる (2003/10/6 21:38:01) No.27276 ┗はじめまして〜v−にゅーよーく (2003/10/2 22:36:53) No.27235 ┗はじめまして〜どぅもv−星村さゆる (2003/10/6 21:47:30) No.27277
27201 | 強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ) | 星村さゆる | 2003/9/30 23:53:21 |
どーも今晩はv星村です。 「前の続きはどーなったんじゃい!」というツッコミが聞こえてきそうですが、まぁそれはさておき(殴)あああああすみませんっ!!!忘れてるわけじゃナイのです。絶対書きますから!もーしばしのお待ちをっ! 今回の話は珍しく原作アメリアでのゼルアメです。某さんの書かれた原作ゼルアメがあまりに素敵でして、自分でも書いてみたくなったのです。 それでは前書きはこのへんで。前編、いってらっさ〜い☆ ■強行手段■ それは彼女の一言から始まった。 「ねぇリナ。私、前から思ってたんだけど」 夕食を済ませ、各自の部屋に引き上げたあと。寝る準備をしていたリナの部屋に、アメリアがひょっこりと顔を出した。 「なによ、改まって」 いつもと変わらない口調で話すアメリアに、リナは先を促した。 「ゼルガディスさんって、リナのこと好きなんじゃないの?」 べち。 リナは思いっきりベッドから転がり落ちた。 「なななななないきなり何言ってくれちゃうのよアメリア!ンなワケないでしょーがっ!!」 「え?気づいてないの?相変わらずニブいのね」 声を荒げるリナとは裏腹に、ケロリとしたアメリア。 「ニブっ・・・あのねぇアメリア!大体ねぇ、何を根拠にそー思うのよ!?」 「だって・・・リナとゼルガディスさんって、すごく仲いいじゃない。ときどき、私なんて入り込めないくらい・・・。 それに、ガウリイさんが言ってたのよ?『ゼルは昔、リナに気があったんじゃないかなぁ』って」 体勢を整えるべく、必死で脱力した身体を支えながらリナは呻いた。 「ガウリイの奴・・・それからアメリア!あんたはどぉこをどー見れば、そんな風に見えんのよ!?」 「それはリナが鈍いからよぉ」 何を言ってもムダだと悟ったリナは、寝ることにした。 「鈍いのはどっちよ・・・」 「?何か言った?」 「だーーもぅ!くだらないこと言ってないでサッサと寝なさいっ!!明日も早いんだから!」 「はーい。じゃ、ね。お休み♪」 アメリアが去ったあと、この部屋に盛大な溜息が響いた。 明かりを消してベッドに寝転がりながら、リナはつぶやいた。 「あいつの気持ちなんて、ちっともわかっちゃいないんだから」 目を閉じ、話題に上った彼の顔を思い浮かべる。 「・・・ゼルも大変よね」 ――ズキン (あれ・・・?まただ・・・) あの後自分の部屋に戻ったアメリアだが、どうにも寝付けずにいた。 昼寝などしていないし、今日も街を歩きまわり、先程もおいしいご飯を食べて。 宿の布団だって、よく日干しされていて肌触りもいいのに。 それは、この胸を刺す痛みのせいだろうか? 横になりながら、何度目かの寝返りをうつ。 リナにゼルガディスのことを話している間も、心の裏側でなにかがうずいていた。 それは、ガウリイの言葉を聴いてからだった。 『ゼルガディスって、昔リナに気があったんじゃないかなぁ』 それからだった。ずっと、胸が痛むのは。 感じたことのない痛み。 忘れようとして、ワザとからかってみた。 でも、効果はなかった。 眠ってしまおうと思っても、身体が言うことを聞いてくれない。 がばっ! 「いつまでもウジウジ悩んでいても仕方ないわ!こういうことは、本人に聞くのが一番なのよっ!」 「どうした?アメリア」 椅子に座り読書をしていたゼルガディスは、来訪者に顔を上げた。 「あの、ゼルガディスさんに訊きたいことがあるんですけど」 「なんだ。言ってみろ」 彼はページをめくりながら答える。 「ゼルガディスさんって、リナのこと好きなの?」 どがしゃあああっ!! 瞬間ゼルガディスは椅子ごと真横にひっくり返り、おまけに頭を机のカドにぶつけた。 「・・・大丈夫ですか?」 「・・・何を言うんだおマエぅわぁっ!?」 冷静な態度もどこへやら。すっかり取り乱したゼルガディスにアメリアは尋ねた。 「図星?」 「違うわぁっ!!」 「やだなぁもぅゼルガディスさんってば。自分のことなのに気づいてないんですか?リナと同じでニブいのね」 (〜〜〜〜この娘はぁぁぁぁ!!) 目の前でコロコロ笑うアメリアに、全身から怒りのオーラを出すが、いっこうにアメリアは気づかない。 激しい頭痛を覚え、ピクピクするこめかみを思わず押さえて唸った。 頭痛の原因は、ほかにもあった。 彼は気づいていた。 アメリアがおかしい。 人の話を聴かず突っ走るところや、思いっきり勘違いしてもそれを信じて疑わないところはいつものことだが・・・ 「なにか」おかしい。 これはいつものアメリアではない。 この笑い方も、何かを誤魔化しているような・・・平気な「フリ」をしているような、違和感がある。 (なにを隠している――?) 知らないうちに、苛立ちが募る。 「恋、すなわちそれは、愛への目覚め―― 素晴らしいわゼルガディスさん!これこそまさしく正義なのよっ!」 そんな彼の胸中をアメリアが知る由もなく。 彼女の演説は果てしなく続いていた。 どこかへ行ってしまったアメリアを、どーやって引き戻そうか・・・と彼が思案していると、いきなりぐわしぃっ!と両手を握られた。 「ゼルガディスさん、がんばってくださいね!私応援するから!」 「人の話をきかんかいっ!!」 彼のツッコミがむなしく響く。 「ガウリイさんがいるからって、諦めちゃあダメよ」 「人の話を聴けいうとるのがわからんのかぁっ!!」 ゼルガディスから手を放すと、その手で人差し指を得意げに立てた。 「いいですかゼルガディスさん。想っているだけでは相手のは伝わらないわ。 もっと、言葉や振る舞いで表さないと!」 ブチッ 自分の話を聞かない態度に・・・そして、何かを押し隠すアメリアに、何かが切れた。 怒りを通り越し、正体不明な笑いがこみ上げてくる。 ゆらりっ、と立ち上がり、不敵な笑みを口の端に浮かべながらアメリアに歩み寄る。 「ほほぅ。つまりお前さんは、好きな相手には態度で示せ――と」 「はい!その通りです!」 自分の意見を反復するゼルガディスに、アメリアは力いっぱい頷く。 ――言い切ったな。 「・・・いいだろう」 アメリアの肩を緩く掴んだ。 驚き彼を見つめるアメリア。 「?ゼル・・・」 言葉は途中で終わった。 「どうだ?これでいいのか?」 至って冷静な表情で腕を組みながら、アメリアを見下ろしていた。 返事はない。 放心状態の彼女にそれを言うのは、酷というものだろう。 さんざん煽っておいて、いざ実行するとコレか。 ・・・無理もないだろうが。 どのくらい時間が過ぎたか。 以前突っ立ったままのアメリアが、口を開いた。 「・・・・・・ぁ・・・あの・・・ぃ・・・今・・・」 やっとのことで言葉を搾り出した。 「・・・・・・・・・失礼しますっっ!!!」 グルリと回れ右をして、ロボットのようにギクシャク歩き、扉に向かう。 途中で一度転んだが、すぐに立ち上がり、廊下に出た。 ぞのままペタリと廊下に座り込む。 (い・・・今・・・) ついさっき起きたこと。 事態はなんとか飲み込んだ。 でも。 信じられない。 アメリアが扉の向こうに消えたのを見送ったあと、彼はベッドに仰向けに倒れこんだ。 緊張から開放され、どっと疲れが押し寄せる。 はーっ、と大きく息を吐く。 右手の甲で唇に触れたあと、額と目を覆った。 彼の顔もまた、アメリアと同様真っ赤に染まっている。 ――熱い。 「あのバカ・・・」 つぶやきが零れた。 つづく。 Question:ゼルはアメリアに何をしたのでしょうか? わかった方は、後編で答え合わせしてくださいねv |
27202 | 初めまして。 | イヌひこ | 2003/10/1 00:22:27 |
記事番号27201へのコメント こんにちは、初めまして、イヌひこと言います。 今まで星村さんの作品、読み逃げ犯でした。 ごめんなさい〜〜(T0T)。 原作版ゼルアメ、すごく良いですーーー!!(>ヮ<) ゼルアメ大好きなんですよう。 アニメのゼルアメもですが、原作のも大好きです! わたしもあるサイト様で原作版ゼルアメ見て、 ああ、良いなあー、と思った経験があります…。 (↑長編ですごいお話でした) でもアニメ版で書かれてる方が多いような気がしてたんで、 誰か原作で書いてくれないかなー、と思ってたのです。 なので今日それが見れて(しかもスゴクお上手で!)感動ですっ!! ほんとにありがとうございました。 後編もがんばってください。 QUESTIONの答え、もう頭の中では想像完了してるんですが…(笑)、 答え合わせ楽しみにしてますv では、失礼しましたっ。 (な、なんか初めましてなのに、ちょっとハイテンションになっちゃってます…すいませんっ;) |
27208 | こちらこそ初めましてv | 星村さゆる | 2003/10/1 17:55:08 |
記事番号27202へのコメント イヌひこさん、こんばんは!星村です。 「読み逃げ犯」(笑)いえいえ、読んでくださるだけで嬉しいのですv実を言えば私だってイヌひこさんのお話読み逃っ・・・あああああすみません>< 原作ゼルアメもいいッスよね!アニメ派なんですが、アニメだとどーしても「アメ→ゼル」ですから・・・。ところでイヌひこさんが読まれた長編小説って、もしかして「おにいちゃん」が出てきます?違ってたらごめんなさい^^; 小説、喜んでいただけて嬉しいです。書いた甲斐がありましたvしかも誉めていただいて・・・上手だと言ってくださったのは、ゼルアメにはまって、ネットで小説読みまくったからだと思います。もともと文を書くのが好きですし♪「感動した」と言っていただけるのは、本当に励みになります。 これからも精進しますね!後編も書けましたので、また読んでくださいネ。 テンションの高い感想は大好きなんで、またレスくださると嬉しいです。 イヌひこさん、ありがとうございましたvv Question・・・カンのいい人はもう分かってますよね(恥) |
27207 | 強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ) | 星村さゆる | 2003/10/1 17:38:08 |
記事番号27201へのコメント 前の続きです。さてさて、一体どーなるのやら・・・ ■強行手段■ 後編 金縛り状態だったアメリアは、ハッと我に返った。 ガバッと立ち上がり、向かいの部屋に猛ダッシュする。 ほとんど突き破るようにドアを開け、部屋に飛び込んだ。 ベッドの上の人物がギョッとした顔でアメリアを見る。 「リナあああああぁあっ!!!」 叫んでアメリアはリナに突進した。 「アメリア!?ちょっと何よこんな時間にっ!?」 「そんなことはどーでもいいのよっ!どーすればいいのリナっ!」 言うなりベッドに座り、リナの首を両手で掴むとガクガク前後に揺さぶった。 「ぐぇ・・・ぐるじ・・・あめりあ・・・」 「ねぇねぇねぇどうしようっ!?」 リナの額に青筋が浮かぶ。 「わかったから落ち着かんかい火炎球!」 じゅどむ。 「・・・で?夜中に人をたたき起こしてまで何の用なのよ?」 アメリアに火炎球を喰らわせ黙らせると、静かにリナは尋ねた。 ――逆にそれが怖かったりする。 歯切れ悪く、アメリアは話す。 「・・・あのね・・・さっき、ゼルガディスさんのトコにいったの。 それで、訊いてみたの。『リナのこと好きなの?』って」 「はぁ!?」 大きな声に、アメリアはビクリと首をすくませる。 「怒らないで〜っ!だって気になって眠れなかったんだものっっ」 「・・・ゼルはなんて?」 「それが・・・その・・・」 なぜか顔を真っ赤に染め、言いよどむアメリア。 沈黙が続く。 一分、二分・・・ リナの低い声が響く。 「すべての力の源よ・・・輝き」 「あああっ!わかった!ちゃんと話すからぁっ!!」 肩を掴まれ見上げると、真剣な眼差しに射抜かれた。 思わずドキリとしてその目をみつめた。 「?ゼル・・・」 気づけば、彼の顔で視界がいっぱいになり・・・ アメリアの唇に、ゼルガディスの唇が触れた。 「いきなりキスとは・・・ゼルもやるわね・・・」 リナの言葉に反応し、アメリアの顔は更に紅潮する。他人に改めて「キス」などと言われると、恥ずかしくなってくる。 「どおしよおリナ〜〜〜」 これ以上ないくらいに顔を染め上げ、半泣きで自分を見つめるアメリアに、リナは頭を掻いた。 「『どうしよう』って・・・あんたはゼルがそうした理由、もうわかってんでしょ?」 「うっ・・・それはっ・・・」 アメリアが悩んでいるのはここだった。 「あんなことする理由・・・ひとつしかないって分かってる・・・けど・・・信じられないのよ。だってその後も何事もなかったかのようにしてたし!・・・ずっと、ゼルガディスさんが好きなのはリナだと思ってたし!」 「こぉんのドンカン!ゼルがあたしのこと好きなワケないでしょーが! あいつの目を見ればそんくらい分かるっつーの!!」 「・・・目・・・?」 意外な言葉に、キョトンとするアメリア。 「いい?あたしはガウリイと会う前、一人で旅をしてたのは知ってるわね?」 コクリとアメリアが頷く。 「それで、その間たぁ〜〜〜くさんの人に逢ってきたわ。 ・・・って言っても・・・ほとんどヘンな奴だったけど・・・ で、そうこうしてるうちに、『人を見る目』をもつようになったわ。 相手が何を思っているのか。言っていることは、嘘か真実か。 目を見れば大体分かるの。 あいつのあたしを見る目は――『信頼してる』ってトコね」 相槌を打つことも忘れ、リナの話に聴き入る。 「で!アメリアに対してはどうかと言うと。 なんつーか・・・今まで見たことないのよね、ゼルのあんな目。 優しいのよ。すごーく」 静かな口調でリナは話す。 「あんたを大事に想ってる、ってことよ」 「・・・ホントに・・・?」 「あたしが嘘つくワケないでしょ」 穏やかな沈黙が落ちた。 「ところで・・・肝心のアメリアの気持ちはどーなのよ?」 「・・・わたし?」 突然の問いに、アメリアは目を丸くする。 「そーよ!ゼルのことどう思ってんのよ?」 「どう・・・って・・・『正義の為に闘う仲間』としか」 瞬間、スリッパで頭をはたかれた。 「いった〜い・・・何するのよぉっ!?」 怒って叫ぶが、それより激しく言い返される。 「嘘つくんぢゃないわよ! だったらなんで、あんなツラそうな顔してたのよ!?」 「――え――?」 「さっき。あたしからかいながら、なんか変だったじゃない。ずっと。 あたしが気づかないとでも思った?」 アメリアは、観念して認めた。 「・・・まさか、気づかれるなんてね・・・。 リナの言うとおりよ。私、ずっと思ってたの・・・やだな、って」 悟られまいと、一生懸命隠してたのに。 リナにはかなわない。 この感情の名前。本当は、とっくに知ってた。 ただ・・・認めたくなかった。 苦笑しつつ、かえってさっぱりした顔でアメリアは言った。 「ごめんなさい、リナ。私、あなたに嫉妬してたみたい」 「あんたに嫉妬される理由なんてないわよ」 「でも、すごいわリナ。鋭いのね」 関心していうアメリアにリナは得意げに、 「あったりまえでしょ!ま、少なくともあんたよりはニブくないわよ♪」 「・・・ガウリイさんの気持ちはわからないくせに・・・」 ボソリと漏らしたつぶやきを、リナの地獄耳が捉える。 「うん?何言ってるかな!?」 声に含まれた殺気に、アメリアが顔を引きつらせる。 「あ、ははははははvなんでもないわよっv じゃ!今度こそお休み!」 慌てて扉に向かうアメリアに呼びかける。 「アメリア!」 「なっなに?火炎球はカンベンしてよ?!」 「そうじゃなくて・・・ ちゃんと返事すんのよ。ゼルに」 「・・・うん」 部屋の前で、アメリアはウロウロしていた。 どうしよう。 答えはとっくに決まっている。ただ、それをゼルガディスに直接告げるとなると― (告白なんて無理よお〜〜っ!!!) 今からしなければならないことを思うと、手がすくんでノックすることなどできなかった。臆病な自分を、もう一人の自分が叱る。 (だめよアメリア!逃げ出しちゃあ!正義の使者の名がすたるわっ!) パンッと軽く頬をたたき、気合を入れなおす。 顔を上げると握った手にグッと力を込めた。 (よーーしっ!) コンコン。 「・・・誰だ」 「ゼルガディスさん、アメリアです」 「ゼルガディスさん、おはようございます」 「ああ」 ゼルガディスは夕べと同じように椅子に座って魔道書を読んでいた。 素っ気ない彼の態度を見ていると、昨日のことが夢だったのでは、と不安になる。 ご飯前にも勉強なんてエライなぁ、などと考えていると、ゼルガディスはパタンと本を閉じた。 「何の用だ」 彼の言葉が合図になったように、アメリアは話し出す。 ぴしっ!と背筋を伸ばしてから、アメリアは深々と頭を下げた。 「あのっ!昨日はすみませんでした!」 そんなアメリアを怪訝そうに見るゼルガディス。 「いきなり押しかけて、それにその・・・勘違いしてたみたいで・・・ あの・・・それで・・・」 言葉は続かなかった。否、続けられなかった。 ゼルガディスの視線を感じる。 顔に血が上っていくのがわかる。 口の中が渇く。 言おうとしていた言葉が思い出せない。 扉の前での決意は、早くも揺らぎかけていた。 反応のないゼルガディスに、決意は崩れさっていく。 「とゆーわけで失礼しますっ!」 ケムリに巻いて扉に向かおうとした瞬間。 強く手を引っ張られる感覚。 「待て」 手首を掴まれ、アメリアはビクリと身体を強張らせた。 「・・・まだ話は途中だろう」 アメリアの瞳を正面からに見据え、ゼルガディスは言い放つ。 口調は冷静だが、彼の心臓はドクドクと波打っている。 「・・・あ・・・」 触れられた手首が熱い。そこから身体中に熱が回っていくようだ。 ゼルガディスの視線に耐え切れなくなり、アメリアはうつむいて黙ってしまった。 そんな彼女に小さく溜息をついて、ゼルガディスは話し出す。 「・・・お前、俺はリナが好きだとか言ったな。 なぜそう思ったのか知らんが・・・とにかく誤解だ。 確かにリナのことは・・・昔興味があった。すごい女だと思ったし、憧れた。 でも、違うんだ。お前が思っているようなものではない」 「今・・・俺が好きなのは、お前だ」 その言葉に嘘はなかった。 「・・・迷惑だったか」 どこか哀しそうな彼の言葉に、はじかれたように顔を上げる。 「違います!そんなんじゃありません!」 無言の態度が、どうやら誤解させてしまったらしい。 真実を知らせるため再び話し出す。 「・・・私、昨日リナに『変だ』って言われました」 「ああ。そうだな・・・」 「はい。それで・・・ってえええっ!?」 「きっ、気づいてたんですか!?」 焦った声でアメリアは問い詰める。 「まぁな。多分旦那も口にしないだけで気づいてただろうな」 (・・・そんなに顔に出やすいのかなぁ・・・) むろん―普通の人が見ただけではわからなかっただろうが、アメリアの周りにいる人達は「普通」ではなかった。 「・・・気になってたんだ」 いつもの彼からは考えられないねぎらいの言葉に、アメリアの心にあたたかいものが広がってゆく。 落ち着きを取り戻したアメリアは、ゆっくり口を開いた。 「心配してくださったんですね・・・ありがとうございます。それで・・・その気持ち、やっとわかったんです。 私、リナに嫉妬してたんです。 『ゼルガディスさんに好かれてるリナ』に・・・」 言える。きっと。今なら。 「『嫉妬』だと言ったな・・・つまり。それはどういうことなんだ?」 意地の悪い、しかし愉しそうな笑みを浮かべ、ゼルガディスは問う。 「〜〜〜〜わかってるクセに・・・」 「『思っていることは言葉や振る舞いで示せ』そう言ったのはお前だな?」 伏せていた目を開き 真っすぐに彼を見て 「・・・大好きです!」 澄んだ声が、二人を包んだ。 彼はフッと微笑むみ、少女を柔らかく抱きしめた。 窓からの朝風が心地よい。 「・・・それにしても、だ。 勝手に勘違いしてそれを信じて突っ走って、人の話もきかないで落ち込んでその上嫉妬までして・・・こんなヤツのどこに惚れたんだろうな」 「そんなこと私に聞かないでくださいよっ」 サラサラした髪をとかしながらゼルガディスは言う。 「つらかっただろう。なんでもない振りをするのは」 「・・・はい」 「とにかく、これからはもう妙な勘違いはするな。 ――お前の苦しむ顔は・・・もう見たくない」 二人の顔が同時に赤くなった。 終わり 【あとがき】どうでしたか・・・?ゼルが素直すぎて別人;; クイズの答え、当たりましたか? 当たった方!ヨカッタねおめでとう! では〜。 |
27217 | うああv | イヌひこ | 2003/10/1 22:54:12 |
記事番号27207へのコメント こんばんは、イヌひこです。 うああ、続きだあ〜〜v なんか出だしのリナとアメリアの会話に思わず笑ってしまいました。 前編のQuestionのシーンと言い、テンポが良くって面白い〜。 嫉妬するアメリアがかわいくって大好きです。あと積極的なゼルさんもグーv クイズの答えは一応予想道理でした。 何事もなかったようにしれっと行動しちゃうゼルさんがかっこ良くて好きでした><(でも内心はどきどき?)。 わ、私の話読んで下さってたんですか?一体どれですか(あわあわ)!? いや、なんかゼルがアメさんにラブでないものばっかり(そのくせゼルアメと主張してるし)書いてるので、 「これ、ゼルアメの人が読んで嫌がられたりしてたらどうしよ〜」とか、もう恐ろしくて。怖くてゼルアメ小説へのレスもできない状態でした…。 でも、やっぱり嬉しかったです。ありがとうございます。 素敵なゼルアメどうもありがとうございました。 これからもがんばってください! では失礼しました〜! PS.あ、ちなみに私が読んだのは「おにいちゃん」(←気になります)は出てないと思います。 かなり昔なので記憶が…; なんか超シリアスで、オールキャラ総出演の豪華なお話でした〜。 |
27275 | Re:うああv | 星村さゆる | 2003/10/6 21:18:40 |
記事番号27217へのコメント イヌひこさんこんばんは!遅レスすみません><; 後編も読んでくださってありがとうございましたv テンポ良かったですか!はい、あの辺は重くならないようにポンポン進めようと思って書いのです。成功してよかったわ♪ 嫉妬するアメリア・・・アメリアって実はヤキモチ妬きですよね。でも嫌なコにはしたくないので、その辺難しいですよネ; 積極的なゼル!アニメでお姫様抱っこしたときの大胆さ再び!!ガーヴ戦から大胆さが増して、結婚式では確信犯的なことも言ってたのに・・・ぬわぁぜTRYで戻ってしまった〜!? 積極的なゼルは大好きです♪でも飽くまで冷静にv何事もなかったよ〜に余裕ぶってるニクい奴ですv(ゼル好きですから許してください) イヌひこさんのお話、拝見してました!なんというか、みんなカワイくて・・・それぞれ「らしい」可愛らしさがなんとも!「ゼルガディス・ファクトリー」のゼルのセリフには笑いました・・・。あと、NG集も面白かったです!また書いて欲しいですvあと、タイトル忘れたんですが、告白大会が!ガウリイの「ゼルガディスが好きだったんだ」宣言には一瞬凍りつきましたけど(笑)イヌひこさんのセンス大好きですvv また色々励ましのお言葉いただけて光栄です。これからもよろしくお願いします♪ ああ・・・「おにいちゃん」は出てませんでしたか・・・ 「魔道士協会」のティルトさんという方が書かれた「オーブルシティ動乱」というお話です。サイトあるので覗いてみては? 最後に!Question正解おめでとうございました! |
27232 | Re:強行手段(ゼルリナに見せかけ思いっきりゼルアメ) | 祭 蛍詩 | 2003/10/2 20:32:01 |
記事番号27207へのコメント こんにちは〜! お久しぶりです!祭です。 前編も読ませていただきました。 原作の方はあまりよく知らないのですが、どうやらアニメよりも大人っぽいですね! 前編でゼルさんがアメリアちゃんに何をしたか…もしかして…ふふふvv(←不気味;) ―というわけで、レスさせて頂きます!! > ■強行手段■ 後編 > > 金縛り状態だったアメリアは、ハッと我に返った。 > ガバッと立ち上がり、向かいの部屋に猛ダッシュする。 > ほとんど突き破るようにドアを開け、部屋に飛び込んだ。 > ベッドの上の人物がギョッとした顔でアメリアを見る。 >「リナあああああぁあっ!!!」 > 叫んでアメリアはリナに突進した。 突進…(笑) >「アメリア!?ちょっと何よこんな時間にっ!?」 >「そんなことはどーでもいいのよっ!どーすればいいのリナっ!」 そんなことはどーでもいい…んですか?! > 言うなりベッドに座り、リナの首を両手で掴むとガクガク前後に揺さぶった。 >「ぐぇ・・・ぐるじ・・・あめりあ・・・」 >「ねぇねぇねぇどうしようっ!?」 > リナの額に青筋が浮かぶ。 >「わかったから落ち着かんかい火炎球!」 > > じゅどむ。 うわぁ; 宿屋が壊れなかった事を祈ります(アメリアちゃんの心配は?) >「・・・で?夜中に人をたたき起こしてまで何の用なのよ?」 > アメリアに火炎球を喰らわせ黙らせると、静かにリナは尋ねた。 > ――逆にそれが怖かったりする。 確かに; > リナの低い声が響く。 >「すべての力の源よ・・・輝き」 >「あああっ!わかった!ちゃんと話すからぁっ!!」 魔法で脅迫って、リナちゃんのよく使う手ですねv > 肩を掴まれ見上げると、真剣な眼差しに射抜かれた。 > 思わずドキリとしてその目をみつめた。 >「?ゼル・・・」 > 気づけば、彼の顔で視界がいっぱいになり・・・ っということは!! > アメリアの唇に、ゼルガディスの唇が触れた。 ぎにゃーーvv やっぱしvv >「それで、その間たぁ〜〜〜くさんの人に逢ってきたわ。 > ・・・って言っても・・・ほとんどヘンな奴だったけど・・・ ガウリいさんも十分変な方だと…;; > で、そうこうしてるうちに、『人を見る目』をもつようになったわ。 > 相手が何を思っているのか。言っていることは、嘘か真実か。 > 目を見れば大体分かるの。 > あいつのあたしを見る目は――『信頼してる』ってトコね」 人を見る目、リナちゃん良さそうですよね。 >「ところで・・・肝心のアメリアの気持ちはどーなのよ?」 >「・・・わたし?」 > 突然の問いに、アメリアは目を丸くする。 >「そーよ!ゼルのことどう思ってんのよ?」 >「どう・・・って・・・『正義の為に闘う仲間』としか」 > 瞬間、スリッパで頭をはたかれた。 えぇ、こんな返答する娘はどんどんはたいちゃってくださいv >(告白なんて無理よお〜〜っ!!!) >今からしなければならないことを思うと、手がすくんでノックすることなどできなかった。臆病な自分を、もう一人の自分が叱る。 >(だめよアメリア!逃げ出しちゃあ!正義の使者の名がすたるわっ!) 正義の使者は関係無いんじゃぁ…; >「ゼルガディスさん、おはようございます」 >「ああ」 > ゼルガディスは夕べと同じように椅子に座って魔道書を読んでいた。 > 素っ気ない彼の態度を見ていると、昨日のことが夢だったのでは、と不安になる。 ポーカーフェイスですか。 > 扉の前での決意は、早くも揺らぎかけていた。 > 反応のないゼルガディスに、決意は崩れさっていく。 >「とゆーわけで失礼しますっ!」 > ケムリに巻いて扉に向かおうとした瞬間。 > 強く手を引っ張られる感覚。 をを!やるじゃないですかゼルさん! >「今・・・俺が好きなのは、お前だ」 ぅわーーvv告白ーvv > むろん―普通の人が見ただけではわからなかっただろうが、アメリアの周りにいる人達は「普通」ではなかった。 いろんな意味で、ですねv >「心配してくださったんですね・・・ありがとうございます。それで・・・その気持ち、やっとわかったんです。 > 私、リナに嫉妬してたんです。 > 『ゼルガディスさんに好かれてるリナ』に・・・」 > > 言える。きっと。今なら。 頑張れ恋する乙女!! >「『嫉妬』だと言ったな・・・つまり。それはどういうことなんだ?」 > 意地の悪い、しかし愉しそうな笑みを浮かべ、ゼルガディスは問う。 >「〜〜〜〜わかってるクセに・・・」 >「『思っていることは言葉や振る舞いで示せ』そう言ったのはお前だな?」 > 伏せていた目を開き > 真っすぐに彼を見て >「・・・大好きです!」 ぃよっしゃぁ!! 良かったですね、二人ともv >「・・・それにしても、だ。 > 勝手に勘違いしてそれを信じて突っ走って、人の話もきかないで落ち込んでその上嫉妬までして・・・こんなヤツのどこに惚れたんだろうな」 なんかひどい言い様ですね; >「とにかく、これからはもう妙な勘違いはするな。 > ――お前の苦しむ顔は・・・もう見たくない」 > > 二人の顔が同時に赤くなった。 照れてますねぇvv それにしても、これにて一見落着!です! >【あとがき】どうでしたか・・・?ゼルが素直すぎて別人;; でもこんなゼルさんも可愛いですよねv > クイズの答え、当たりましたか? はい!当たりましたv 楽しかったです! ゼルさんが珍しく積極的で! 『寝言』の方の続きも楽しみにさせて頂きます! では、この辺で! |
27276 | お久しぶりです! | 星村さゆる | 2003/10/6 21:38:01 |
記事番号27232へのコメント 蛍詩さんこんばんは!お久しぶりですねv遅レスすみません><; 原作アメリアはリナのこと呼び捨てにしています。原作とアニメでは、アメリアは大分違うと言われていますが、本質的には何も変わっていませんよvどっちも可愛いアメリアなのですv・・・でも原作はゼルアメがほとんどナイ・・・あ、でもあらいずみ先生は結構ゼルアメ絵描いてくれますよvヴァルとフィリアのヤバいのとか・・・(汗) Question正解おめでとうございます!ゼルってテレ屋なくせに、やるときゃやりますもんねぇvvヤツならあれくらいやるだろう!(ホントか?)でもアメリアにはあれくらいしないと伝わらないと思って・・・もしあそこでゼルが顔を真っ赤にしながら『アメリア!好きだ!!』とか言ったら大爆笑です(ひでぇ)あ、でもそれもいいかもv(アホ) リナは、人を見る目あると思います。出逢いは人を強くする!(え)リナのそういうところ好きです。ゼルアメへのリナの影響力は大きいのです。 ドンカン娘にヤキモキするゼルとリナ。がんばれ(笑) 積極的で大胆なゼル・・・男はやるときはビシィッ!と決めなきゃならんのよ!ゼルって甲斐性ナシなので、このくらいして欲しいんですが・・・ 楽しんでいただけてヨカッタです♪ 寝言の続き・・・ガンバリマス!(ガッツ!) |
27235 | はじめまして〜v | にゅーよーく E-mail | 2003/10/2 22:36:53 |
記事番号27207へのコメント はじめまして! にゅーよーくといいます☆ 勉強の息抜きに書き殴りさんに来たらこんなステキなゼルアメがv アニメのゼルとは違って大人なゼルがっ!(><) キザ男ー!(え?) 何かいろいろ言いたいことあるんですが、言葉になりませんーv とにかくス・テ・キv(誰) それでは。(^^) 短くてすみませんっ! にゅーよーくでした☆ |
27277 | はじめまして〜どぅもv | 星村さゆる | 2003/10/6 21:47:30 |
記事番号27235へのコメント にゅーよーくさんコンバンハ!星村です。この度はこげなヘッポコ話を読んでくださって感謝ですv・・・なのに遅レスでごめんなさい><; にゅーよーくさんのお名前は、水原夕輝さんの小説のレスでお見かけしていました。それで、「あぁvゼルアメ好きさんなのネv」と思って覚えていたのです。 勉強、とは学生さんですか?勉強がんばってください!あ、でもやり過ぎると胃に穴あきますんで、適当にしっかりね!(何)私もよく受験勉強と偽りネットしてましたv(オラ) 「ステキ」でしたか!はわわ〜v嬉しいッス!!大人・・・なんでしょうか?キザ男?!あはは、そうかも知れませんねvゼルってキザですもん。「魂の荒野を流離う哀しき改造人間」とか自分で言ってますし(TRYにて)原作でもそこかしこにキザっちいゼルが!アメリアのこと「正義かぶれのお嬢ちゃんよ」とか言ってましたし♪『お嬢ちゃん』って・・・!!(壊) 少しでも楽しんでいただけて幸いですvご感想ありがとうございました(ぺこ) |