◆−十、自分勝手とも知らずに−まりあ (2003/10/8 23:06:54) No.27293
 ┗Re:十、自分勝手とも知らずに−神高 紅 (2003/10/9 20:55:23) No.27302


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27293十、自分勝手とも知らずにまりあ 2003/10/8 23:06:54


「冥王はリナについて調べていた、だと?」
ここはフィリア宅。ゼロスとフィリアだけでは話が進まないので、ヴァルガーブをはさめながら、話し合いをしているのだ。
むろん、冥王の姿に関する誤解はもうといてある。
「ええ。特に、リナさんの性格に関して聞いてきました・・・・・」
一緒にお茶をしていた少年がフィブリゾだとわかったのがかなりショックだったのか、フィリアは少し元気がない。
「だとよ。他に聞きたいことは?」
「いえ、結構です」
そう言って、ゼロスは席を立つ。
ちら、とフィリアの方を見ると、心なしか顔が青ざめている。
「もしかしたら、フィブリゾ様はリナさんを利用する気かもしれません。なんといっても、あのお方の呪文を使える人間ですし」
別に説明する必要はなかったのだが、なんとなく、ゼロスは説明した。
「だとしたら、てめえには関係ねぇだろ。それとも、冥王の手伝いにでも行くつもりか?」
ヴァルガーブはゼロスを睨みながら言った。
これでもリナのことを心配しているのだろう。
「フィブリゾ様は一人で行動する方ですから。僕の手伝いなど要りませんよ」
あんなやつの手伝いなど誰がするものか。
「僕はただ、フィブリゾ様の計画を知ってみたい。ただそれだけですよ」
そうすれば、出来る限りリナさんのフォローが出来る。
だが、これからどうする? リナの持っているデモン・ブラッドの魔力をたどっていこうと思っていたが、何度やっても場所がつかめない。おそらくフィブリゾが結界内にでもつれこんでいるのだろう。
そんなことを考えながら、ゼロスはとりあえずアストラルサイドへ行こうとした。
しかしその瞬間。
「待ってください!」
フィリアが立ちあがり、ゼロスを止めた。
ゼロスは怪訝な顔をしつつも、その場に残る。
どうせリナを探す当ては無い。それに、もしかしてフィリアが何か知ってるかも・・・・・。
「あなたはリナさんをどう思ってるんですか!?」
「・・・・質問の趣旨がわかりませんね」
嘘だ。本当はわかっている。
彼女は、ゼロスがリナのことを好きか嫌いかを聞いているのだ。むろん、好き嫌いというのは恋愛上のことだろう。
「リナさんは・・・・・・・・・リナさんはっ・・・・・・・・」
フィリアは何やら意を決した様子でゼロスを睨んだ。
リナがどうしたというのだろう?
興味本位で聞くゼロスに向かって、フィリアははっきりと言った。
「リナさんにもう付きまとわないで下さい」
ゼロスの笑みが、ポーカーフェイスが消えた。
「なぜです」
自分の声が、思った以上に冷徹になる。まるで問い詰めてるような声に。
イライラする。なぜフィリアにそんなことをいわれなければならない? そんな筋合いはないはずだ。
イライラする。なんでこんなに心がかき乱れてるんだ。自分らしくもない・・・。
「リナさんが、迷惑がっているからです」
ズキンッ。
ゼロスは、自分の心が痛んだのを自覚した。
「だからどうだっていうんです。そんなこと・・・・・僕の知ったことじゃありませんよ」
そう言い残してゼロスはアストラルに渡った。

「イライラするッ」
ゼロスはアストラルで吐き捨てるように言った。
なんだというのだ。なぜこんなに自分は取り乱している?
ゼロスは自分の体を強く握り締めていた。
だが、本人は気付いていない。
「なんで・・・・・・・・・・なんでっ」
僕は壊れている!?
ゼロスはここで初めて、自分が狂っていることに気付いた。
そうだ・・・・僕は今、狂っている。
はやく戻らなければ。精神を安定させて、早く戻らなければ。
獣王神官ゼロス=メタリオムに!
「アアあああああぁぁァァァぁぁああアア・・・・・・・・・!!」
ゼロスは、吠えた。

「だめですね。私は」
フィリアは、天井を見ながら疲れた顔で言った。
これで、良かったのだろうか?
私の選択は正しかったのだろうか?
「嘘をつくなんて、巫女失格です」
フィリアの頬には、一筋の涙が流れていた・・・。

フィリアのそんな様子を見ながらも、ヴァルガーブにはそれを見てみぬフリをするしか出来なかった。
フィリアは、いつも自分を責め過ぎなんだ。
嘘も方言、という言葉のとおり、嘘が必要なときもあるというのに・・・・・・。
言っても多分、フィリアの罪悪感は抜けたりしないから。
見てみぬフリしか出来ない・・・・。
ヴァルガーブはフィリアに聞こえないように、くそっ、と毒づいた。
それにしても・・・・・・。
「ゼロスのやつ、なんか様子が変だったような・・・・?」
その嘆きは、フィリアに聞こえることなく。
絶え間なく続く時の流れに、かき消されて。
彼らの記憶からは、忘れ去られていってしまうのだった・・・・・・。

それぞれの、想いを胸に。
親切心が、時には取り返しのつかない過ちになるということを・・・・。
彼らが知る時は来ない。
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ま)「十、自分勝手とも知らずに」でした。いやぁ、なんか久しぶりに投稿した気がします。
冥)本当にだね。前回の「九、これがあたしの生きる道!」のときにたっくさんコメント着てたのにね。全部返さなかったし。
ま)う。皆様、ごめんなさいです。テストが近かったんですぅ。
冥)これで当分は投稿できるんだ。
ま)まあ、できるかぎりはしますけど。なんて言ったって、まりあは受験生ですから、一応お勉強しなくちゃ行けませんし・・・・・。
冥)そういえば、他の人のコメントでまりあの歳、二十歳ぐらいか? っていう質問あったよね。実際、いくつなのさ。実はゆうに三十超えてたり・・・。
ま)してませんっ! まりあはぴちぴち乙女の十五歳です。ていうか、三十だったら受験勉強なんてしてませんよ。
冥)実は中卒だったんで、今更高校生活したくなった、なぁんていうエピソードが・・・。
ま)ありませんってばっ。あ、それと、フィブの部下の名前ネーミング募集なんですけど、青月さんが「ペルセ」という名を応募してくれたんですが、これを採用させていただきます。青月さん、ご協力ありがとうございました。
冥)なんで自分で考えないのさ。
ま)苦手だからです。
冥)・・・・・・・・いや、そう断言されても困るけど。まあいいや。それでは、また次回お楽しみに☆
ま)今日は連絡ばっかでつまんなかったです・・・・・・。


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27302Re:十、自分勝手とも知らずに神高 紅 2003/10/9 20:55:23
記事番号27293へのコメント

どうもこんばんはまりあさん神高といふものです。
この前言った通りレスさせていただきます。
今回ゼロスの不安定なとこがでてる感じがよかったですこの3人にも注目ですね。
あとあとがきでのフィブのつっこみがおもしろい僕もそういうキャラつくろうか
なー。
最後にまりあさん受験生だそうですがなるようになる精神で乗りきろう。ではまた