-獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間-栗夢(5/24-10:45)No.2823
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2823獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間栗夢 5/24-10:45

おちちゃったもんで、新しく作りやんす。
これまでのストーリーが知りたいお方は・・・ログを見よう!
であであ。


あたしは、黒い何かの中に飲み込まれていた。
もがいてももがいても抜け出せない
―――助けて!
あたしのが叫んだ瞬間、あたしの体は宙に浮いていた
ふわり、とした感覚が身を包む
―――誰?
あたしの問いに答えるかのように、
下で渦巻く闇が消える
そこに居たのは、黒い髪の人だった
黒の髪を腰まで伸ばした、優しそうな男の人
―――貴方は誰?
あたしが聞くと、男の人は微笑んで闇に飲み込まれていく
――待って!!
あたしが叫んだ瞬間、光がすべてを飲み込んだ


「待って!!!」
自分の声で、あたしは目覚めた。
開きっぱなしの窓から、風が入ってくる
カーテンが風になびき、あたしはいつもの朝を迎えていた
「何だったんだろ」
あたしは、しばらく物思いにふける
ライラ=レディ=ロレンス
物心つくときから、あたしが繰り返し教えられた、あたしの名前。
あたしには、今はもう家族は居ない
数年前の神魔戦争のときに、全てをなくした
家も、家族も、何もかも
それからは、持ち前の魔術を使って適当に旅をしている
ハッキリ言って、魔術には自信を持っている。
数百年前の新大陸発見で、世界は一気に文明を成長させた
今や、魔術を使える人間なんて、数えるほどしか居ない
古き良き時代の大魔道士、
魔を滅する者リナ=インバース。
あたしは、それ以上の力を持っていると確信している
「それより・・・さっきの人・・・」
どこかで、見たことがある。
長い黒髪、赤い瞳、全身を包むあの衣装――――
まさかっ!?
「ルビーアイ・・・シャブラ・・・ニグドゥ・・」



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2832Re:獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間松原ぼたん E-mail 5/25-22:14
記事番号2823へのコメント
 面白かったです。

>数年前の神魔戦争のときに、全てをなくした
 結局人間がとばっちりうけるって点では神も魔族も変わりないですね。
>数百年前の新大陸発見で、世界は一気に文明を成長させた
 うみ、発見されちゃったんですか。・・・・そりゃ、時間の問題でしょうけど。
>あたしは、それ以上の力を持っていると確信している
 ホントだったらとんでもないんですけど・・・・。
>「ルビーアイ・・・シャブラ・・・ニグドゥ・・」
 って、カタートのS様?

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2835獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間・中編栗夢 5/26-06:44
記事番号2823へのコメント
昔、あたしはよく近所の図書館へ行っていた。
そこは、みんなが古くさがって寄り付かない、
魔術の文献ばかりが或る図書館だった。
日の光が、くすんだ木の床を照らし、
窓辺では猫が居眠りをしていて、
一生かけても読めないほど本があった。
あたしは、そこが大好きだった。
大戦が起きたことが知らされる数週間前。
あたしは、そこで不思議な人に会った。
黒の髪は腰まで伸ばし、赤い瞳、魔導師ルック。
『シャブラニグドゥ、我が名。
我が欠片に覚醒しとき、また参ろう。
その瞳。
決して無くすな』
その時は、変なことを言う人だとしか思っていなかった。
あたしが魔術の道を歩み始めたのは、
その事がきっかけかもしれない。
あの後、
あたしは必死になって『シャブラニグドゥ』という言葉の意味を調べた
なぜか、無性に気になった。
何もあるはずはない、あるはずはないと思っていた。
そして、或る日あたしは見つけた。
図書館の一番奥に眠っていた本。
厚さが三十センチはあった。
あたしは、何かに操られたかのようにその本を掴んだ。
それから後のことは全く覚えてない。
気づいたら、その本を持っていた。
ほんには、題名がなかった。
リナ=インバース著、と書いてあるだけだった。
あたしとリナ=インバースの出会いは、ここからだった。
あたしはくる日もくる日も本を読んだ。
読めない所も数箇所あったけど、全然気にしなかった。
本も終盤に差し掛かった所。
シャブラニグドゥの記述はあった。

この世界の魔王
赤眼の魔王シャブラニグドゥ
かつての降魔大戦で七つに分けられて以来、
一つは或る人間に取り付き、今はカタート山脈で氷付けになっている
一つは或る人間に取り付き、この私、リナ=インバースが滅ぼした
あとの六つは確かでない
これから覚醒するかもしれない
また、永遠に目覚めないまま終わるかもしれない

シャブラニグドゥの記述はここまでだった。
あたしは、多分その時に決めたんだ。
魔道士になる事。


うーん、ナイス邪ーん。
良くわかんない死ー。
どうでも言い分けない堕ろー。
と、言うわけで続苦

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2853Re:獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間・中編松原ぼたん E-mail 5/29-19:36
記事番号2835へのコメント
 おもしろかったです。

>『シャブラニグドゥ、我が名。
>我が欠片に覚醒しとき、また参ろう。
>その瞳。
>決して無くすな』
 それって・・・・。
>厚さが三十センチはあった。
 ・・・・よく読む気になったな。
>リナ=インバース著、と書いてあるだけだった。
 ・・・・感情表現多かったりする?
>一つは或る人間に取り付き、今はカタート山脈で氷付けになっている
 まだ滅ぼされてなかったの?

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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2912獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間・後編栗夢 6/2-06:26
記事番号2835へのコメント

遥か遠くからのキマリ。
人と、魔の狭間。
あたしは、どこへも行けない。


人と魔の狭間・後編


「やっぱり、来るべき時が来たってやつかしら」
あたしは窓の燦に体をもたれさせる。
海辺の街、セイルーン。
かつては聖王都なんて呼ばれていたのだが、
魔術の衰退が激しい今の世の中、そう呼ぶ者はほとんど居ない。
「公平に、人にも、魔にも、傾いてないつもりだったんだけどなぁ」
むう。やっぱりそこまで都合よくは行かないのね。
ま、生まれる前から背負った『宿命』ってヤツには逆らえないわけね。

あたしは、空を見上げた。
どこまでも底抜けな青空が広がっている。
もうすぐ、一年で一番暑い季節がやってくる。
いろいろな考えが頭の中で渦巻き―――
そして、『あるもの』を見た。

「とうとう、って奴ね・・・」
遥か遠くの空に浮かぶ、黒くて小さな点。
あたしぐらい目がよくないと、見えないだろう。
よく見ると、人の形をしていることが分かる。
だけど、あたしは本能でわかった。
魔族。



人と魔の狭間。

その少女は、公平でなければいけない

金色なる母の意志でなければいけない

戦ってはいけない

魔であってはいけない

人であってはいけない

少女は、神なのだから


《人と魔の狭間・終》
終わったわけじゃないよう。
ただ、次からは魔族編なんで。
であ。へろへろ〜。

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2934Re:獣王ゼロスと『s』の欠片〜人と魔の狭間・後編松原ぼたん E-mail 6/3-18:24
記事番号2912へのコメント
 面白かったです。

>魔術の衰退が激しい今の世の中、そう呼ぶ者はほとんど居ない。
 諸行無常ですねぇ。
>「公平に、人にも、魔にも、傾いてないつもりだったんだけどなぁ」
 そういうのって難しいでしょうね、ある意味。
>ただ、次からは魔族編なんで。
 続くんですか?

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。