◆−白蛇女のワンダランド−オロシ・ハイドラント (2003/12/1 17:48:03) No.28426 ┣……シュール……。−エモーション (2003/12/3 21:35:50) No.28460 ┃┗Re:……シュール……。−オロシ・ハイドラント (2003/12/4 20:00:02) No.28472 ┗白蛇女のラビリンス1−オロシ・ハイドラント (2003/12/4 20:22:06) No.28474 ┣静かな湖畔の森のかげから♪−エモーション (2003/12/5 21:09:34) No.28505 ┃┗Re:静かな湖畔の森のかげから♪−オロシ・ハイドラント (2003/12/6 19:01:53) No.28514 ┗白蛇女のラビリンス2−オロシ・ハイドラント (2003/12/6 18:50:56) No.28513 ┗Re:白蛇女のラビリンス2−エモーション (2003/12/6 20:54:00) No.28517 ┗Re:白蛇女のラビリンス2−オロシ・ハイドラント (2003/12/8 18:04:20) No.28536
28426 | 白蛇女のワンダランド | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/1 17:48:03 |
寒い季節でしたが、雪は降っていませんでした。 今日はある特別な人の誕生日だったのですが、白蛇女はそれを全く知らずにいました。 その日の正午頃、街道を歩いていた白蛇女は通りすがりの男の人に、一枚の羊皮紙を渡されました。 羊皮紙には当然のことながら文字が書かれていました。 ≪今日の日が落ちぬ内に、お前はこの世の人間ではなくなっているだろう 狂える救世主≫ 文章を読み終えた白蛇女は、不愉快そうな表情を浮かべて後ろを振り向きました。 しかし世の中には不思議なことはあるものです。 男の人の姿はどこにもありませんでした。 それから二時間ほど歩いた頃でしょうか。 白蛇女は道の脇の茂み、何かがキラリと光るのを見ました。 素早く茂みに入った白蛇女は、ガソガソ草を掻き分けて、小さなコインを発見しました。 間違いない、正真正銘の金貨です。 白蛇女は金貨を着服することにしました。 するとその時、また光が見えました。 白蛇女は素早く光の在処へ飛び込んで、またしても金貨を手に入れました。 さらにもう一回光が見えたので、もう一枚金貨の数が増えました。 さらに一枚、また一枚、金貨はどんどん増えていきます。 それと同時に、どんどん街道からも離れていきます。 白蛇女はそのすべての金貨を、自分が先に進むたびに、その場所へと運んでいました。 愚かと思う方もいらっしゃるでしょうが、金貨へのあまりの執着心がそうさせたのでしょう。 でもやがて、疲れ果てた白蛇女は、地面に倒れ込んでしまいました。 日もほとんど沈み掛けておりましたし、街道はどこにも見えません。 白蛇女は随分遠くまで来てしまったようです。 もう動く気力はありません。 数え切れないほどの金貨の山を睨みつつも、白蛇女は闇の世界へと誘われました。 気雑したのは、疲れていたからではありません。 たくさんある金貨の一部分に、真っ赤な血が付着していたからです。 白蛇女が目覚めた場所は、洞窟の中でした。 白蛇女は、そこが洞窟の中だとすぐに分かったのですが、それは非常に浅い洞窟で、出口から白い光が差し込んでいたからです。 まだ疲れが残っていましたが、すぐに外に出ることにしました。 一応、光は当たっているのですが、洞窟の中は非常に寒いのです。 薄着をしていた白蛇女は、完璧に風邪をひいていました。 外は明るい色をしていました。 辺り一面に広がる草原は、優しい陽射しに照らされています。 非常に暖かい場所でした。 白蛇女は辺りを見回しました。 動物の気配はありませんでした。 植物にしても、背の低い草の他には何も生えていませんでした。 遠くの方にも何も見えません。 ここが草原と洞窟しかない世界でないのなら、歩いていればいつしか違う場所に辿り着くでしょうけれど、果たしてどこまで歩けば良いというのでしょうか。 もしや陸の孤島とはこういう場所も含まれるのではないかと白蛇女に考えさせたほど、悪夢的な場所でした。 そう、これでは本当に悪夢みたいです。 ですが、どれだけ大変でも、歩かなければなりません。 ここで草食動物になって一生生活するわけにはいかないのです。 白蛇女は歩き出しました。 歩いている内に鼻水が出て来ます。 時折、くしゃみも出ました。 辛いですが、今は我慢しなければなりません。 歩いても歩いても、日は暮れませんでした。 太陽はずっと白蛇女を照らし続けます。 暖かいなんでものではない。 はっきり言って暑いです。 薄着の白蛇女にとっても、太陽の光は厳しいものでした。 しかも同時に寒いのです。 気温の暑さと、風邪による悪寒とが混じり合っていて、実に不快なのです。 それでも白蛇女は歩き続けました。 日は暮れないのに、お腹は空きます。 白蛇女は草を食べました。 もう草しか食べるものがなかったのです。 でも草を初めて口に含んだ時から、草は単なる非常食ではなくなりました。 美味しかったのです。 甘かったのです。 ここで草食動物したって良い。 白蛇女はそう思いましたが、一瞬後にその考えを捨てました。 やはりこの草原は抜けなければなりません。 白蛇女は歩きました。 白蛇女は歩き続けました。 日の暮れることのない大地を歩くことに、終わることのない一日のほとんどを使いました。 休むのは草を食べる時と寝る時だけです。 白蛇女の体内時計で、十六時間歩いて八時間寝ます。 歩く十六時間の間に、三度草食べタイムがあります。 草はどの草も甘くて美味しい草でした。 寝る時も草の上で寝るのですが、非常に暖かいので問題はありません。 いつしか風邪も治りました。 白蛇女の旅は続きます。 白蛇女の草原を歩く旅が終わったのは、旅が始まって随分経った後のことです。 無限にも近く広い草原のある場所には、時を刻むものはありませんので、随分経った後のことだとしか、言うことが出来ないのです。 白蛇女は一匹の羊と出会いました。 なぜ羊がここに現れたかというと、私が最近、村上春樹の「羊をめぐる冒険」を読んだからです。 とにかく羊は現れました。 白蛇女は羊に近付きました。 でも羊は退きました。 両者の距離は縮まりません。 白蛇女が走ったら、羊はジャンプして大きく後退しました。 もはやこれは羊ではありえないと思うかもしれませんが、不思議な世界に住む羊なのですから、これくらは許してやってください。 一つの何かに出会うと、すぐに同じような別の何かに出会うというのは、よくあることだと思います。 白蛇女は二匹目の羊を見つけました。 二匹目の羊も同じような羊でした。 でも二匹目の羊は凶暴な性格なのか、あるいは一匹目の羊も同じだけれど、本性が現れていないだけなのか、とにかく二匹目の羊は、一匹目の羊に襲い掛かりました。 一匹目の羊は抵抗しようとも、逃げようともしませんでした。 ただ二匹目の羊の体当たりを喰らって倒れ、何度もジャンプした二匹目の羊に踏みつけられました。 でも、そこに白蛇女が介入しようとすると、二匹仲良くに後ろへと逃げるました。 やがて一匹目の羊は、二匹目の羊に殺されました。 なぜか二匹目の羊は鋭い牙を持っていて、これで一匹目の羊に喰らいつきました。 その時です、血が流れたのは。 白蛇女は羊の血を見て卒倒してしまいました。 意識が戻った時、辺りは夕暮れでした。 日は沈み掛け、草はオレンジ色に照らされ、冷たい風が吹いていました。 朦朧とする頭が正常になって来ると、草原が終わっていることに気が付きました。 ある方向には絶望的なまでに広い空間がありましたが、別の一方には、樹木の群れが世界の最果ての壁のように屹立していました。 森があったのです。 白蛇女はしばし悩んだ後、とりあえず草を食べました。 森にいくかどうかは、とりあえず満腹になってから考えようという答えです。 でも草を口に含んだ一瞬後、白蛇女はそれを吐き出しました。 草は不味かったのです。 しかも普通の草以上に。 こうなれば森にいくしかありません。 草が不味いのですから、草原で暮らすことは不可能です。 白蛇女は森に向かいました。 そして森に踏み込む一瞬前、ある一つのことを思い出しました。 それは≪高笑い≫です。 白蛇女は、ずっと忘れていた≪高笑い≫という行為を思い出したのです。 そして白蛇女は森に入りました。 たった今思い出した≪高笑い≫が、森を抜けるのに必要不可欠であることを、白蛇女はまだ知らずにいました。 ≪続く……かな?≫ |
28460 | ……シュール……。 | エモーション E-mail | 2003/12/3 21:35:50 |
記事番号28426へのコメント こんばんは。 これは……ナーガのお話でしょうか。 文章は、絵本風と言いますか、昔話or物語風ですね。 でも、内容は何だかシュール。不思議で独特の雰囲気があります。 金貨につられてしまうあたり、そして血を見て気絶するのは、やはりナーガかな、 と思いますが、あえて固有名詞が出てこないあたりに、「何かしかけがあるかな?」とも 思っています。 また、草原を歩いていた頃は「美味しかった」草が、羊と会い、再び気絶して、 森が出現した途端、「不味くなる」あたり、彼女の「何か」が変わった事を 示しているのかなとも。 最初の方に出てきた、 >≪今日の日が落ちぬ内に、お前はこの世の人間ではなくなっているだろう 狂える救世主≫ という言葉。 彼女はいったいどんな事態に陥っているのでしょうか。 謎が謎を呼んでいますね。 さてこのお話、続く……のでしょうか。続きましたら、またよませていただきたいです。 それでは、この辺で失礼します。 |
28472 | Re:……シュール……。 | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/4 20:00:02 |
記事番号28460へのコメント >こんばんは。 こんばんは。 > >これは……ナーガのお話でしょうか。 ええ、どうやらそのようです。 >文章は、絵本風と言いますか、昔話or物語風ですね。 >でも、内容は何だかシュール。不思議で独特の雰囲気があります。 実は、不思議の国的な物語を書こうとそれだけ決めて書き出していたりします。 ナーガが出て来ることが決まっていたのみで、後はすべてアドリブ。 >金貨につられてしまうあたり、そして血を見て気絶するのは、やはりナーガかな、 >と思いますが、あえて固有名詞が出てこないあたりに、「何かしかけがあるかな?」とも >思っています。 ナーガ(?)のキャラは充分に出せたか不安です。次回(があれば)はもうちょいナーガらしくしようと思います。 ちなみに、しかけは多分(おい)ないはずです。 >また、草原を歩いていた頃は「美味しかった」草が、羊と会い、再び気絶して、 >森が出現した途端、「不味くなる」あたり、彼女の「何か」が変わった事を >示しているのかなとも。 なるほど。そうか。そう考えることも出来るんですな(……お前が気付かされてどうする)。 > >最初の方に出てきた、 >>≪今日の日が落ちぬ内に、お前はこの世の人間ではなくなっているだろう 狂える救世主≫ >という言葉。 >彼女はいったいどんな事態に陥っているのでしょうか。 >謎が謎を呼んでいますね。 一体どうなったのでしょうねえ(待て)。 ……いや、ある程度は考えてはありますけど。 > >さてこのお話、続く……のでしょうか。続きましたら、またよませていただきたいです。 >それでは、この辺で失礼します。 > こんないい加減な話を読んでくださってありがとうございます。 今年のクリスマスまでには少なくとも完結させようと思っております。 それでは、本当にどうもありがとうございました。 |
28474 | 白蛇女のラビリンス1 | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/4 20:22:06 |
記事番号28426へのコメント ≪高笑い≫を思い出した白蛇女は、一日中笑い続けました。 それは愛する人とずっと一緒にいたいという心理に似ているのかも知れませんし、それとは異なるのかも知れません。 白蛇女が歩いている森は、実に不思議な森でした。 第一に生き物の気配がしません。 それに地面には草など一本も生えておらず、こげ茶色の固い地面が露出していました。 ただ数え切れないほどの樹が立ち並んでいるだけの森です。 樹と樹の間にはやけにスペースがあり、どこか人工的でもありました。 響く音といえば、おーほっほっほっほっという高笑いのみです。 白蛇女は一人です。 孤独を辛いとは思いませんでしたが、あまりの静寂に少なからぬ恐怖を感じていたことは確かです。 その恐怖を露にしようとはしませんでしたが。 ここでの食料は空気でした。 空気そのものが白蛇女のエネルギー源になっていました。 そういうわけで、白蛇女は四六時中満腹です。 さらに眠気も取れるため、休息を取る必要もありませんでした。 ちなみにこの場所では、太陽の位置は常に変化します。 朝になったり、昼になったり、夜になって暗くなったり、再び光が誕生したりします。 しかも目まぐるしいスピードで。 白蛇女に日数を数える趣味はありませんでしたが、なぜだか、この森に来て何回日が沈んで昇ったかを、鮮明に思い出すことが出来ました。 なぜかは知りませんが、出来たのです。 さて、森に入って三十七日が経ちました。 もちろんこれは森での時間ですので、あなたが住む世界の三十七日とは全く違う長さです。 笑い続ける白蛇女の目の前に、モグラ男が立ち塞がりました。 モグラ男は、「羊をめぐる冒険」に出て来る羊男のパクリではありません。 モグラ男は、あくまでもモグラ男なのです。 ≪続く……であろう≫ |
28505 | 静かな湖畔の森のかげから♪ | エモーション E-mail | 2003/12/5 21:09:34 |
記事番号28474へのコメント こんばんは。 さらに不可思議な展開が続いていますね。ナーガの冒険……。 1.となっていますので、続くのですね。 高笑いしつつ、森を歩いているのですか……。 ……びじゅある的に怖いものがありますね、ちょっと……。(^_^;) 空気そのものがエネルギー源ですか。 睡眠も休息も必要ない、というのが何か凄いです。 ただ、 > さて、森に入って三十七日が経ちました。 > もちろんこれは森での時間ですので、あなたが住む世界の三十七日とは全く違う長さです。 とありますので、もしかしたら一日も経っていないのかも、とも思いました。 そして現れたモグラ男……。 何かが現れる事が、ナーガにとって転換期になっていますよね。 このモグラ男と会ったことで、今度はどのような変化が起きるのでしょうか。 このどこか不可思議なお話、いったいどうなるのでしょうか。 続きを楽しみにしていますね。 それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 |
28514 | Re:静かな湖畔の森のかげから♪ | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/6 19:01:53 |
記事番号28505へのコメント >こんばんは。 こんばんは。 > >さらに不可思議な展開が続いていますね。ナーガの冒険……。 >1.となっていますので、続くのですね。 実は書いている途中で中断しなければならない理由があったんですが、わざわざ保存するのもどうかと思ってそのまま投稿しました。 1となっているのはそのためです。 > >高笑いしつつ、森を歩いているのですか……。 >……びじゅある的に怖いものがありますね、ちょっと……。(^_^;) 確かに。 出会ったら、即逃げ出すと思います。 >空気そのものがエネルギー源ですか。 >睡眠も休息も必要ない、というのが何か凄いです。 これに関しては、擬似理論的なもので説明がつくかも知れませんし、つかないかも知れません。 >ただ、 >> さて、森に入って三十七日が経ちました。 >> もちろんこれは森での時間ですので、あなたが住む世界の三十七日とは全く違う長さです。 >とありますので、もしかしたら一日も経っていないのかも、とも思いました。 その可能性は充分にあると思います。 一時間さえ経っていないかも。 >そして現れたモグラ男……。 >何かが現れる事が、ナーガにとって転換期になっていますよね。 >このモグラ男と会ったことで、今度はどのような変化が起きるのでしょうか。 次回もよく分からない感じで滅茶苦茶に展開しています。 良ければどうぞ。 > >このどこか不可思議なお話、いったいどうなるのでしょうか。 >続きを楽しみにしていますね。 >それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 ご感想、毎度本当にどうもありがとうございます。 それでは…… |
28513 | 白蛇女のラビリンス2 | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/6 18:50:56 |
記事番号28474へのコメント モグラ男の身長は、三十センチメートルくらいでしかありませんでした。 つまり白蛇女はモグラ男を見下すように、モグラ男は白蛇女を見上げるようにして向き合っていたのです。 「実に芸術的な笑い声ですね」 モグラ男は醜い容貌をしていたのですが、言葉遣いは綺麗でした。 「あら、分かる?」 白蛇女はモグラ男に対して、非常に良い印象を持ちました。 白蛇女を理解出来る者は、真の芸術を理解出来る者のみと思っていたからです。 「当然です。伊達に二十年もモグラ男をやっているわけではありませんから」 よく分からない台詞でしたが、白蛇女は有頂天気味になっていたため、そんなことは全く気にしませんでした。 「ところで……」 「何でしょうか?」 「この森を抜けるにはどうしたら良いの?」 森を抜けることが出来たとしても、自分の元々いた場所に戻ることが出来るとは限らないのですが、少なくとも一歩前進したという気持ちにはなれるはずです。 しかし、モグラ男は森を抜ける術を知りませんでした? 「でも、図書館にいけば分かるかも知れませんよ」 「じゃあ、その図書館とやらへはどうやって……?」 するとモグラ男は頭を下げて、 「申し訳ありません。私は知らないのです」 存在は知っているのに場所を知らないのは、おかしいとも思えますが、モグラ男は本当に知らないようです。 無理矢理吐かせようとしても無駄でした。 仕方がないのでモグラ男と別れ、白蛇女は再び歩き始めました。 再び≪高笑い≫を始めました。 そして十日ほど歩くと、今度はザリガニフクロウが現れました。 フクロウなのに、なぜかザリガニのようなハサミを持っている生き物でした。 ザリガニフクロウは、出会い頭に襲い掛かって来ました。 最初の突進をうまくかわした白蛇女は、走って距離を取りました。 でもザリガニフクロウは速いです。 すぐに距離を詰めて来ました。 逃げることは不可能で、迎え撃つにも武器がないという状態です。 まさか凶悪なハサミを持った相手に対して、素手で戦うわけにはいきません。 ザリガニフクロウは二度目の突進を試みました。 樹の枝が落ちてないか必至で探していた白蛇女は、どうにかそれを回避出来ましたが、その時に樹にぶつかって、そのまま気絶してしまいました。 意識が戻った時、白蛇女は狭い部屋の中にいました。 木造の何もおかれていない殺風景な部屋で、扉らしきものはなく、小さな窓には鉄格子がはまっていました。 白蛇女は全身を白い紐のようなもので拘束されていました。 白蛇女は何者かの手に落ちたのです。 その何者かというのは、ザリガニフクロウのことでしょうか。 そうかも知れませんし、違うのかも知れません。 ただ白蛇女を拘束していた紐が、全くの役立たずであったことだけが事実です。 力を込めると、簡単に千切れました。 また部屋の壁も試しに蹴ってみると簡単に穴が空きました。 脱出は容易だったのです。 これは白蛇女の腕力が、この世界での基準値を大きく上回っていたためなのかも知れませんし、彼女を捕らえた者に、白蛇女を拘束し続ける意思がなかったからかも知れません。 誰にも分からないことなのです。 さて、外に出てみると、そこにも森が広がっていました。 それも今まで歩いて来た場所とは違い、草もボウボウに生えていましたし、樹と樹の間のスペースも随分小さくなっていました。 今まで歩いて来た森とは随分異なって見えます。 しかし同じなのです。 外見は全く別ですが、本質的には同じだということを、白蛇女は直感しました。 白蛇女は歩き出します。 それも堂々たる態度で、≪高笑い≫を発しながら。 とても脱走中の人間の取る態度とは思えませんでしたが、それもそのはず、白蛇女は自分が脱走中の人間だとは欠片も思っていませんでした。 白蛇女は歩き続けます。 三日ほど歩きました。 そして白蛇女はそれを発見しました。 深い森の中にひっそり佇む建造物。 随分古びた建物です。 白蛇女には分かりました。 その建物こそが、探していた場所であることが。 ≪続く……のですか?≫ |
28517 | Re:白蛇女のラビリンス2 | エモーション E-mail | 2003/12/6 20:54:00 |
記事番号28513へのコメント こんばんは。 うーん。ナーガの身には、本当に何が起きているのでしょう? モグラ男はある意味お助けキャラですね。 >「でも、図書館にいけば分かるかも知れませんよ」 この台詞を読んだとき、脳内にドラクエ風BGMと、「ナーガは図書館のことを知った!」 と言うコメントが浮かびました。 そしてザリガニフクロウ……。ナーガに攻撃してきた最初のキャラだな、と思いました。 羊男は勝手に同士討ち(縄張り争い?)してましたから。 気絶して気が付くと、変わっている風景……。 気絶している間に、違う場所へ運ばれているのか、それとも世界が変わっているのか、 相変わらず謎ですね。 ラストに出現した図書館。さて、ここで何が分かるのでしょうか。 絵本のようで、でもシュールなナーガの冒険。 続きがどうなるのか、楽しみにしています。 それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 |
28536 | Re:白蛇女のラビリンス2 | オロシ・ハイドラント URL | 2003/12/8 18:04:20 |
記事番号28517へのコメント >こんばんは。 こんばんは。 > >うーん。ナーガの身には、本当に何が起きているのでしょう? ……どうなんでしょう? >モグラ男はある意味お助けキャラですね。 ええ、RPGだと情報を与えてくれるキャラに当たるでしょうね。 > >>「でも、図書館にいけば分かるかも知れませんよ」 >この台詞を読んだとき、脳内にドラクエ風BGMと、「ナーガは図書館のことを知った!」 >と言うコメントが浮かびました。 結構ドラクエその他のRPG作品の影響は受けていると思います。 思えば、RPGでファンタジー世界に触れていなかったら小説を書くきっかけとなったトールキンの作品も読んでなかったかも。 > >そしてザリガニフクロウ……。ナーガに攻撃してきた最初のキャラだな、と思いました。 >羊男は勝手に同士討ち(縄張り争い?)してましたから。 ドラクエでいうスライム的存在(?) いやその割には強いかもしれませんが(ナーガ負けてるし) >気絶して気が付くと、変わっている風景……。 >気絶している間に、違う場所へ運ばれているのか、それとも世界が変わっているのか、 >相変わらず謎ですね。 >ラストに出現した図書館。さて、ここで何が分かるのでしょうか。 図書館内でも意外な展開が待ち受けていると思います。 とっておきのキャラクターも出て来るはずですし。 > >絵本のようで、でもシュールなナーガの冒険。 >続きがどうなるのか、楽しみにしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 ご感想どうもありがとうございます。 どんどん続きを書いていこうと思います。 それでは…… |