◆−また見切り発車−棒太郎 (2003/12/26 19:38:39) No.28814
 ┣がんばってください−エモーション (2003/12/26 21:31:17) No.28817
 ┃┗ありがとうございます−棒太郎 (2003/12/26 23:12:27) No.28819
 ┣異邦の彼方より (1)−棒太郎 (2003/12/27 00:41:39) No.28820
 ┃┗王室スキャンダル騒動(激しく違う)−エモーション (2003/12/27 20:42:06) No.28828
 ┃ ┗Re:王室スキャンダル騒動(激しく違う)−棒太郎 (2003/12/29 00:28:08) No.28846
 ┣異邦の彼方より (2)−棒太郎 (2003/12/29 23:56:41) No.28857
 ┃┗Re:異邦の彼方より (2)−エモーション (2003/12/30 22:25:25) No.28868
 ┃ ┗役者が揃ってきた、といったところですね−棒太郎 (2003/12/31 22:39:07) No.28881
 ┣異邦の彼方より (3)−棒太郎 (2004/1/1 17:17:19) No.28899
 ┃┗出ましたね……(^_^;)−エモーション (2004/1/2 15:09:06) No.28907
 ┃ ┗出ちゃいました・・・・・−棒太郎 (2004/1/3 22:02:33) No.28923
 ┗異邦の彼方より (4)−棒太郎 (2004/1/4 23:07:52) No.28931
  ┗意外な方が依頼者だったのですね。−エモーション (2004/1/5 23:42:10) No.28938
   ┗あんまりこういったことには関わりなさそうですしね−棒太郎 (2004/1/8 20:46:36) No.28957


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28814また見切り発車棒太郎 2003/12/26 19:38:39


こんばんは、棒太郎です。
懲りずにまた何か書かせていただきます。
今回もまた見切り発車です。
よろしければ、読んでやってください。


*************************************


『異邦の彼方より』





   それはいずことも知れぬ時、いずことも知れぬ地にあった
   
   重く巨大な石の集合体

   無数の部屋を有し、無数の住人が存在するその果ては誰も知らぬ

   巨大な石造りの迷宮の城

   その名は―――――――





辺りには血の臭いが充満していた。
道ばたには警護の者や御者達の死体が転がっていた。
その脇で、女達が恐怖で体を震わせて身を寄せ合っていた。
「へへ、こいつぁかなりの収穫だぜ。」
血のこびりついた山刀を手に、盗賊の一人がお宝の品に満足そうな声を上げた。
「女のほうも上玉が揃ってるしな。」
女達の方を見て、下卑た笑いを浮かべる。
「どうせ街に行っても娼館に売られんだろ?だったらその前に俺らが具合を見てやるよ。」
そう言って舌なめずりをした。
女達はまた恐怖に震える。しかし、その姿は盗賊たちの嗜虐心をくすぐるだけであった。
「お頭。」
その時、一人が声をかけた。
その声に見ると、一人の男が道の向こうから歩いてきた。
手には杖を持ち、その先で道の前方を確かめるように歩いている。
「なんでぇ、めくらか。」
やがて、男の杖が道の死体に当たった。
男は2,3度それを杖で確かめ、そしてかがみこんで手を触れた。
ひとつ息をつくと立ち上がり、辺りを覗うように顔を向け、また歩き出した。
そして、盗賊たちの近くまで来ると歩みを止めた。
「7人か・・・・・・派手にやったものだ。」
盗賊の正確な人数を口にした。
「てめぇ、めくらのくせになんで分かった?」
「どうしようもない畜生の臭いは隠せんさ。」
男の言葉に、盗賊たちはいきり立った。
「なんだとっ!!」
「てめぇっ!!ぶっ殺すぞ!!」
「やめておけ・・・・・抜けば、ただでは済まんぞ。」
男は冷静な口調で言った。
その言葉に3人が、男に斬りかかった。

 シュオッ   ズバッ!!

斬りかかろうとした寸前、空を切り裂く音が聞こえ、血飛沫が舞った。
男は逆手に持った剣を、静かに納めた。
男の持っていた杖は、どうやら仕込み杖だったようだ。
盗賊たちは、一撃で切り伏せられていた。
「ヤロウ!!」
更に3人が向かっていったが、

 ザンッ!  ズシャッ!  ドスッ!

抜き放たれた一刀が一人を切り伏せ、返す刃でもう一人を切り伏せた。
そして残りの一人の胸を深々と貫き、その背中から刃が顔を出した。
「ヒ、ヒィッ!!」
残った一人が背を向けて逃げ出した。
男は仕込みを納め、倒れている盗賊の山刀を拾い上げると、走り去る盗賊に向かって投げつけた。
山刀は吸い込まれるように、盗賊の延髄に深々と突き刺さり、その命を奪った。
男が震えている女達のほうに顔を向けると、傍にやって来た。
「街へ行くのか?私も用があるから共に行くか?」




*************************************

とりあえず、出だしです。
また見切り発車なので、これからどうなることやら。
それでは。

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28817がんばってくださいエモーション E-mail 2003/12/26 21:31:17
記事番号28814へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

新作ですね。
今のところリナたちは絡んでいませんが、今回は、どのようなお話になるのでしょう。

>こんばんは、棒太郎です。
>懲りずにまた何か書かせていただきます。
>今回もまた見切り発車です。
>よろしければ、読んでやってください。

見切りとはいえ、ある程度は形があるのでしょうから、凄いです。
……見えてるラストが、まだ書き上がってないよ……(遠い目)

>『異邦の彼方より』

>   それはいずことも知れぬ時、いずことも知れぬ地にあった
>   
>   重く巨大な石の集合体
>
>   無数の部屋を有し、無数の住人が存在するその果ては誰も知らぬ
>
>   巨大な石造りの迷宮の城
>
>   その名は―――――――

一瞬、ストーン・ヘンジかと思い、迷宮で連想するのは、やはりダイダロスでしょうか。
でも何故か、無数の住人で全然関係ない「迷路館の殺人(by綾辻行人氏)」を
連想しました……。あれは住んでいると言うより、泊まり込みだったけれど。
(しかも殺人事件が起きる)

>「へへ、こいつぁかなりの収穫だぜ。」
>血のこびりついた山刀を手に、盗賊の一人がお宝の品に満足そうな声を上げた。
>「女のほうも上玉が揃ってるしな。」
>女達の方を見て、下卑た笑いを浮かべる。
>「どうせ街に行っても娼館に売られんだろ?だったらその前に俺らが具合を見てやるよ。」
>そう言って舌なめずりをした。
>女達はまた恐怖に震える。しかし、その姿は盗賊たちの嗜虐心をくすぐるだけであった。

いつでもどこでも、こういう方々はいるものですが……こう言うのを見ていると、
リナの盗賊イジメに文句言う気はなくなりますね。……子供に「しょうがないなあ。
今回だけだぞ」と言うパパ口調には、なっちゃいますが(笑)

>そして、盗賊たちの近くまで来ると歩みを止めた。
>「7人か・・・・・・派手にやったものだ。」
>盗賊の正確な人数を口にした。

盲目の方は気配等に敏感ですが、この方はかなり良く分かる方なのですね。
一人で旅をしているだけでも、尋常じゃないとは思いますが。

>男の持っていた杖は、どうやら仕込み杖だったようだ。
>盗賊たちは、一撃で切り伏せられていた。
>「ヤロウ!!」
>更に3人が向かっていったが、
>
> ザンッ!  ズシャッ!  ドスッ!
>
>抜き放たれた一刀が一人を切り伏せ、返す刃でもう一人を切り伏せた。
>そして残りの一人の胸を深々と貫き、その背中から刃が顔を出した。
>「ヒ、ヒィッ!!」
>残った一人が背を向けて逃げ出した。
>男は仕込みを納め、倒れている盗賊の山刀を拾い上げると、走り去る盗賊に向かって投げつけた。
>山刀は吸い込まれるように、盗賊の延髄に深々と突き刺さり、その命を奪った。

圧倒的ですね……。盲目のハンデを感じさせません。それ以上に見えないことが、
逆に気配を察知するのに役立っている……プラスになっている感じですね。
ここまでになるのは、相当の努力がいったと思いますが、本当に強いです。

>男が震えている女達のほうに顔を向けると、傍にやって来た。
>「街へ行くのか?私も用があるから共に行くか?」

女の人達にとっては、ほっとしますね。
とりあえず、敵ではないようですし。

>とりあえず、出だしです。
>また見切り発車なので、これからどうなることやら。
>それでは。

「座頭市」のようなこの人物が、今回のゲストでしょうか。
リナ達とどう関わってくるのかなと思います。
それとも「彼方から」と同じように、時間設定が微妙に違うのでしょうか。
何にせよ、どうなっていくのか、楽しみです。がんばってください。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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28819ありがとうございます棒太郎 2003/12/26 23:12:27
記事番号28817へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>新作ですね。
>今のところリナたちは絡んでいませんが、今回は、どのようなお話になるのでしょう。

>見切りとはいえ、ある程度は形があるのでしょうから、凄いです。
>……見えてるラストが、まだ書き上がってないよ……(遠い目)

こんばんは、エモーションさん。
とりあえず、書き出しだけ書きました。
このあと、今回はゼルガディスとアメリアが出る予定です。
リナたちはいまのところわかりません。


>>   それはいずことも知れぬ時、いずことも知れぬ地にあった
>>   
>>   重く巨大な石の集合体
>>
>>   無数の部屋を有し、無数の住人が存在するその果ては誰も知らぬ
>>
>>   巨大な石造りの迷宮の城
>>
>>   その名は―――――――
>
>一瞬、ストーン・ヘンジかと思い、迷宮で連想するのは、やはりダイダロスでしょうか。
>でも何故か、無数の住人で全然関係ない「迷路館の殺人(by綾辻行人氏)」を
>連想しました……。あれは住んでいると言うより、泊まり込みだったけれど。
>(しかも殺人事件が起きる)

一応、今回の伏線と言うことで。
今後関わってくる予定です。

>>そう言って舌なめずりをした。
>>女達はまた恐怖に震える。しかし、その姿は盗賊たちの嗜虐心をくすぐるだけであった。
>
>いつでもどこでも、こういう方々はいるものですが……こう言うのを見ていると、
>リナの盗賊イジメに文句言う気はなくなりますね。……子供に「しょうがないなあ。
>今回だけだぞ」と言うパパ口調には、なっちゃいますが(笑)

無法者っていうのは、いつでもどこでもいますからね。
リナの盗賊いじめもあながち批判できませんね。

>>そして、盗賊たちの近くまで来ると歩みを止めた。
>>「7人か・・・・・・派手にやったものだ。」
>>盗賊の正確な人数を口にした。
>
>盲目の方は気配等に敏感ですが、この方はかなり良く分かる方なのですね。
>一人で旅をしているだけでも、尋常じゃないとは思いますが。

確かに盲人の一人旅って、こういう輩には格好の獲物でしょうし。

>> ザンッ!  ズシャッ!  ドスッ!
>>
>>抜き放たれた一刀が一人を切り伏せ、返す刃でもう一人を切り伏せた。
>>そして残りの一人の胸を深々と貫き、その背中から刃が顔を出した。
>>「ヒ、ヒィッ!!」
>>残った一人が背を向けて逃げ出した。
>>男は仕込みを納め、倒れている盗賊の山刀を拾い上げると、走り去る盗賊に向かって投げつけた。
>>山刀は吸い込まれるように、盗賊の延髄に深々と突き刺さり、その命を奪った。
>
>圧倒的ですね……。盲目のハンデを感じさせません。それ以上に見えないことが、
>逆に気配を察知するのに役立っている……プラスになっている感じですね。
>ここまでになるのは、相当の努力がいったと思いますが、本当に強いです。

目が見えないことが、余計な情報に惑わされないでいるのでしょうね。
でもそうなるには、確かに相当の修練が必要です。

>>男が震えている女達のほうに顔を向けると、傍にやって来た。
>>「街へ行くのか?私も用があるから共に行くか?」
>
>女の人達にとっては、ほっとしますね。
>とりあえず、敵ではないようですし。

とりあえず、彼はあーゆー無法はしませんので。

>>とりあえず、出だしです。
>>また見切り発車なので、これからどうなることやら。
>>それでは。
>
>「座頭市」のようなこの人物が、今回のゲストでしょうか。
>リナ達とどう関わってくるのかなと思います。
>それとも「彼方から」と同じように、時間設定が微妙に違うのでしょうか。
>何にせよ、どうなっていくのか、楽しみです。がんばってください。
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

彼が今回のゲストその1です。
モデルはもちろん座頭市です。ハンディキャップのある戦士って結構好きなもので。
今回この程度の量で申し訳ないです。
次はゼルガディスがでてきます。
それでは、ありがとうございました。

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28820異邦の彼方より (1)棒太郎 2003/12/27 00:41:39
記事番号28814へのコメント

どうも、棒太郎です。
前回は本当に序の序という感じの書き出しでした。
申し訳ないです。
それでは、続きをば。


*************************************

『異邦の彼方より』 (1)


似たような景色の続く街道を、一人の男が歩いていた。
まるで人目を避けるようにフードを目深に被っていた。
その隙間から、岩のような異様な肌がチラリチラリと見えていた。
平坦な一本道を、常人よりやや早めの足取りで歩いていた。
やがて、街道の向こうから一頭の馬が凄い勢いで駆けてくるのが見えた。
(なにかの急ぎの伝令か・・・・・・?)
そう思いながら、男―――ゼルガディスは道の脇へと寄った。
そして、馬の背に乗った者の姿もはっきりと分かるほどの距離まで来た時、突然馬から血飛沫が大きく飛び、馬が転倒した。



「よく来てくれた。カーライル。」
豪華な調度品に囲まれた応接室で、イヤミにならない程度の飾りの付いた礼服を着た若者が、目の前のソファに座る盲目の男に感謝の言葉を述べた。
「なに、君には義理がある。そう、改まることもないだろう?」
「しかし、女性連れとは驚いたよ。君もなかなかやるものだ。」
その言葉に、カーライルは苦笑を浮かべた。
「それは誤解だな。途中の道行きで盗賊に襲われていたのでね。彼女達もこの街まで来るようだったので、ついでというわけだ。」
「そうか。しかし、彼女達のあの熱い視線はただ助けてもらったからというわけではなさそうだぞ?」
カーライルはまた苦笑を浮かべた。
「しかし、また礼を言わねばならないな。ゴットフリード。彼女達の働き先の面倒まで見てもらって。」
「なに、構わないさ。これも何かの縁だ。彼女達にしても、この街に来る当初の目的よりもましだろうよ。」
そうして、お互いに笑みを浮かべた。
ノックがして、侍女がお茶を運んできた。カーライルの手にカップを握らせると一礼して部屋を退出した。
「ところで、これでよかったのか?詳しい伝承はもう聞けないが、確かにセイルーン王家が闇に葬った代物だということだ。」
そう言い、懐から小さな赤く輝く小さな宝石の付いた三角形のプレートを取り出した。
「間違いないと思う。かつて先祖が王位の簒奪者である現王家の者に奪われたものだ。」
プレートを手にし、ゴットフリードはしみじみとそれを眺めた。
「しかし、カーライル。困ったことに問題が起きてしまったんだよ。」
ゴットフリードがそう言うや、突然カーライルは一気に部屋の扉まで跳躍し、仕込み杖で扉を貫いた。
「問題というのは・・・・・・これか?」
仕込み杖を抜き取ると、ゆっくりと扉が開き、何かが倒れた。
それは先程の侍女だった。
「あ、ああ、そうだ。鬱陶しい”目”や”耳”がこのところ付き纏っていてな・・・・・・・しかし、この女もそうだったとは。」
「さっき茶を運んできた時、さりげなく私の仕込みを調べていたのでね。」
刀身に血を拭い取り、鞘に納めた。
「王家の連中も伊達ではないということか・・・・・・誰にも知られずに計画を進めてきたつもりだったが・・・・・・」
「それで、何か厄介なことがあったのか?」
「おっと、そうだ。実は連中のスパイに、この一部を盗まれたんだよ。ひとつでも失うわけにはいかないので、追手をかけたがそれでも心もとなくてね。」
「追手は君の私兵か?」
「いや、すべて金で雇った刺客だ。全部で7人いる。」
「名は?」
ゴットフリードが刺客の名を告げると、カーライルは納得したように頷いた。
「ほほう、それなら大丈夫だろうが。しかし、一応私も行こうか?」
「そうしてくれるとありがたい。」



何が起こった?
ゼルガディスは目の前で起こった出来事に目を見張った。
彼の腕の中では、女性が苦しげに呼吸している。
『運の悪いやつだ・・・・・・・・この場に居合わせた己の不運を嘆けよ。』
どこかから声が聞こえた。
あのとき、彼女の乗っていた馬の後ろ足が一本突如、何かに切断された。
もんどりうって倒れた馬から放り出された女性は、体を地面に打ちつけながらも体勢を整えた。
手にショートソードをもち、辺りを見回している。
ゼルガディスが駆け寄ろうとした時、
「ああっ!!」
突如、女性の腹部が深く切り裂かれた。
「っ!?」
そのときゼルガディスは確かに見た。
地面から剣をもった一本の手が突き出し、彼女を切りつけ、また地面に潜っていったのを。
「おい!しっかりしろ!」
ゼルガディスは女性を抱え起こすが、傷はひどいものだった。
なんとか止血をしようとするが、
「っ!?」
女性を抱え、飛び退くや否や、地面からまた刃が突き出てきた。
『ほう、バケモノのようなその身は伊達ではないようだな。』
また声が響く。
(地中に身を潜めているのか?)
ゼルガディスは辺りの気配を探る。
(どうする・・・・・)
剣を構え、考える。
その時―――
『死ね。』
ゼルガディスの背後から、剣が突き出てきた。

 ズッ

『何!?』
ゼルガディスはその刃を自分の左腕で受けた。
剣が左腕に突き刺さるのとほぼ同時に、右手の剣を逆手に持ち、地面に思いっきり突き刺した。
『ぐっ!』
そして、突き刺した剣のすぐ傍の地面に掌を押し当てた。
「フレアアローッ!!」
炎の魔力が地面に向けられた。
『ギャアアアアアアアアアアッ!!』
凄まじい叫び声をあげながら、地面から火達磨になった人間が現れた。
のた打ち回っていた者は、やがて力尽き動かなくなった。


*************************************

なんとか導入部分を書けました。
ご想像の通り、セイルーン王家が騒ぎに巻き込まれることになります。
なもんで、アメリアの出演も必然的に・・・・・・
また長くなりすぎないよう頑張りたいと思います。
それでは。

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28828王室スキャンダル騒動(激しく違う)エモーション E-mail 2003/12/27 20:42:06
記事番号28820へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

さっそく続きですね。
セイルーン王室の過去の確執が、今回の核になっているのですか。
どうやら根強い因縁があるようです。
そして唐突に巻き込まれるゼルガディス……。
やはり彼は天性の巻き込まれ体質なのですね。
ちなみにタイトルは、エヴァのモデルにしたエヴァンジェリン姫シリーズの作中及び
コミックス&文庫版タイトルだったりします(笑)
スキャンダル騒動の質と内容が激しく違うと思いつつ、ふと浮かんでしまいましたので(笑)


>(なにかの急ぎの伝令か・・・・・・?)
>そう思いながら、男―――ゼルガディスは道の脇へと寄った。
>そして、馬の背に乗った者の姿もはっきりと分かるほどの距離まで来た時、突然馬から血飛沫が大きく飛び、馬が転倒した。

騒動は、呼ばれなくてもやって来る。やはり巻き込まれ体質ですね、ゼル。

>「ところで、これでよかったのか?詳しい伝承はもう聞けないが、確かにセイルーン王家が闇に葬った代物だということだ。」
>そう言い、懐から小さな赤く輝く小さな宝石の付いた三角形のプレートを取り出した。
>「間違いないと思う。かつて先祖が王位の簒奪者である現王家の者に奪われたものだ。」
>プレートを手にし、ゴットフリードはしみじみとそれを眺めた。

セイルーン王家が闇に葬った代物……。あまり良いものとは思えませんが、
何か秘密があるんですね。
現王家を簒奪者というゴットフリードさん。何やら根深い確執がありそうです。
盗賊に襲われた幸薄い女性達に、仕事を世話してあげたりしているのですから、
基本的には悪い方ではないのでしょうけれど……。

>「さっき茶を運んできた時、さりげなく私の仕込みを調べていたのでね。」
>刀身に血を拭い取り、鞘に納めた。
>「王家の連中も伊達ではないということか・・・・・・誰にも知られずに計画を進めてきたつもりだったが・・・・・・」

カーライルさん。さすがに敏感ですね。そしてセイルーン王家も、しっかりゴッドフリードさんを
監視していたのですか……。こっそりとはいえ、動き出した途端すぐに
対応し始めるところを見ると、元々それなりに監視していたのでしょうね。
件の代物が、伝承がもう聞けないと言う辺り、相当過去にあった確執なのに、
今でもそれなりに監視がついていた、ということは……王位を狙うとかいう
レベルの問題じゃなく、そうされるだけの理由が、ゴットフリードさんの家系にはあるんですね。

>「いや、すべて金で雇った刺客だ。全部で7人いる。」
>「名は?」
>ゴットフリードが刺客の名を告げると、カーライルは納得したように頷いた。
>「ほほう、それなら大丈夫だろうが。しかし、一応私も行こうか?」
>「そうしてくれるとありがたい。」

……かなり名のある方々を雇ったのでしょうか。

>何が起こった?
>ゼルガディスは目の前で起こった出来事に目を見張った。
>彼の腕の中では、女性が苦しげに呼吸している。
>『運の悪いやつだ・・・・・・・・この場に居合わせた己の不運を嘆けよ。』
>どこかから声が聞こえた。

基本的にゼルはやっぱり親切ですよね。そしてつくづく巻き込まれ体質……。

>『何!?』
>ゼルガディスはその刃を自分の左腕で受けた。
>剣が左腕に突き刺さるのとほぼ同時に、右手の剣を逆手に持ち、地面に思いっきり突き刺した。
>『ぐっ!』
>そして、突き刺した剣のすぐ傍の地面に掌を押し当てた。
>「フレアアローッ!!」
>炎の魔力が地面に向けられた。
>『ギャアアアアアアアアアアッ!!』
>凄まじい叫び声をあげながら、地面から火達磨になった人間が現れた。
>のた打ち回っていた者は、やがて力尽き動かなくなった。

さすが、ですね。ゼル。ある意味ロック・ゴーレムの身体を持つゼルだからできる
戦法でもありますが、すぐに考えて実行できるのはさすがです。
この刺客は、地面に潜んでいると悟らせたのが敗因ですね。
ゼルを多少舐めてかかったのでしょう。
これでしっかり、そして完璧に巻き込まれ決定♪のゼル。
さて、女性をちゃんと助けることができるのでしょうか。
それとも、「後を頼む」と言われてしまうのでしょうか。

>なんとか導入部分を書けました。
>ご想像の通り、セイルーン王家が騒ぎに巻き込まれることになります。
>なもんで、アメリアの出演も必然的に・・・・・・
>また長くなりすぎないよう頑張りたいと思います。
>それでは。

現在のセイルーン王家の起源に関わりそうな事件ですね。
何やら根深そうな今回の話の中で、アメリアやゼルは何を知って、どう思うことに
なるのでしょう。
続きを楽しみにしています。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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28846Re:王室スキャンダル騒動(激しく違う)棒太郎 2003/12/29 00:28:08
記事番号28828へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>さっそく続きですね。
>セイルーン王室の過去の確執が、今回の核になっているのですか。
>どうやら根強い因縁があるようです。
>そして唐突に巻き込まれるゼルガディス……。
>やはり彼は天性の巻き込まれ体質なのですね。
>ちなみにタイトルは、エヴァのモデルにしたエヴァンジェリン姫シリーズの作中及び
>コミックス&文庫版タイトルだったりします(笑)
>スキャンダル騒動の質と内容が激しく違うと思いつつ、ふと浮かんでしまいましたので(笑)

こんばんは、エモーションさん。
今回の元は、セイルーン王室の過去です。
まあ、どこでも長い歴史の中には清流だけでなく、濁流もあるわけですが。
人間がある限り、そういったドロドロしたものも絶えないと思います。
そして、ゼルガディスは・・・・・・・・・やっぱり巻き込まれてしまいますね(笑)
彼もなかなか平穏な人生はのぞめないのかも。


>>そして、馬の背に乗った者の姿もはっきりと分かるほどの距離まで来た時、突然馬から血飛沫が大きく飛び、馬が転倒した。
>
>騒動は、呼ばれなくてもやって来る。やはり巻き込まれ体質ですね、ゼル。

望むと望まざるとに関わらず、どこからでも彼の下にやってくるのですな。

>>「間違いないと思う。かつて先祖が王位の簒奪者である現王家の者に奪われたものだ。」
>>プレートを手にし、ゴットフリードはしみじみとそれを眺めた。
>
>セイルーン王家が闇に葬った代物……。あまり良いものとは思えませんが、
>何か秘密があるんですね。
>現王家を簒奪者というゴットフリードさん。何やら根深い確執がありそうです。
>盗賊に襲われた幸薄い女性達に、仕事を世話してあげたりしているのですから、
>基本的には悪い方ではないのでしょうけれど……。

もちろん、大いに秘密があります。
これ自体、”闇黒の瞳”のように邪悪というわけではないのですが。
ゴットフリードはいい領主として、領民の評判はいい人です。
基本的にはいい人ですが、王家との確執はまた別の話になります。

>>「さっき茶を運んできた時、さりげなく私の仕込みを調べていたのでね。」
>>刀身に血を拭い取り、鞘に納めた。
>>「王家の連中も伊達ではないということか・・・・・・誰にも知られずに計画を進めてきたつもりだったが・・・・・・」
>
>カーライルさん。さすがに敏感ですね。そしてセイルーン王家も、しっかりゴッドフリードさんを
>監視していたのですか……。こっそりとはいえ、動き出した途端すぐに
>対応し始めるところを見ると、元々それなりに監視していたのでしょうね。
>件の代物が、伝承がもう聞けないと言う辺り、相当過去にあった確執なのに、
>今でもそれなりに監視がついていた、ということは……王位を狙うとかいう
>レベルの問題じゃなく、そうされるだけの理由が、ゴットフリードさんの家系にはあるんですね。

王家すべてというわけではなく、ゴットフリードの一族に過剰に反応してるのは一部だけですが。
カーライル、ただの盲人ではありませんので。
なかなかの手練れです。

>>ゴットフリードが刺客の名を告げると、カーライルは納得したように頷いた。
>>「ほほう、それなら大丈夫だろうが。しかし、一応私も行こうか?」
>>「そうしてくれるとありがたい。」
>
>……かなり名のある方々を雇ったのでしょうか。

一応、裏の世界では名の知れた者たちという風になってます。

>>何が起こった?
>>ゼルガディスは目の前で起こった出来事に目を見張った。
>>彼の腕の中では、女性が苦しげに呼吸している。
>>『運の悪いやつだ・・・・・・・・この場に居合わせた己の不運を嘆けよ。』
>>どこかから声が聞こえた。
>
>基本的にゼルはやっぱり親切ですよね。そしてつくづく巻き込まれ体質……。

冷たい人間ではないでしょうし。
けれども厄介な体質ですよね(笑)

>>『何!?』
>>ゼルガディスはその刃を自分の左腕で受けた。
>>剣が左腕に突き刺さるのとほぼ同時に、右手の剣を逆手に持ち、地面に思いっきり突き刺した。
>>『ぐっ!』
>>そして、突き刺した剣のすぐ傍の地面に掌を押し当てた。
>>「フレアアローッ!!」
>>炎の魔力が地面に向けられた。
>>『ギャアアアアアアアアアアッ!!』
>>凄まじい叫び声をあげながら、地面から火達磨になった人間が現れた。
>>のた打ち回っていた者は、やがて力尽き動かなくなった。
>
>さすが、ですね。ゼル。ある意味ロック・ゴーレムの身体を持つゼルだからできる
>戦法でもありますが、すぐに考えて実行できるのはさすがです。
>この刺客は、地面に潜んでいると悟らせたのが敗因ですね。
>ゼルを多少舐めてかかったのでしょう。
>これでしっかり、そして完璧に巻き込まれ決定♪のゼル。
>さて、女性をちゃんと助けることができるのでしょうか。
>それとも、「後を頼む」と言われてしまうのでしょうか。

はい。ゼルガディスの巻き込まれは決定です。
この刺客も相手がゼルガディスでなければ、仕留められていたでしょうが。
確かに侮っていた部分もあります。

>>なんとか導入部分を書けました。
>>ご想像の通り、セイルーン王家が騒ぎに巻き込まれることになります。
>>なもんで、アメリアの出演も必然的に・・・・・・
>>また長くなりすぎないよう頑張りたいと思います。
>>それでは。
>
>現在のセイルーン王家の起源に関わりそうな事件ですね。
>何やら根深そうな今回の話の中で、アメリアやゼルは何を知って、どう思うことに
>なるのでしょう。
>続きを楽しみにしています。
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

あまり重くならないようにしていきたいのですが・・・・・・
しかし、設定が設定だけにどうなるかまだまだわかりません。
こんなんでもよければ、これからもこの話にお付き合い下さい。
それでは。

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28857異邦の彼方より (2)棒太郎 2003/12/29 23:56:41
記事番号28814へのコメント

こんばんは、棒太郎です。
概略的な部分はできてますが、細かい肉付けがどうなっていくのかわかりません。
こんな感じのスタートですが、どうぞよろしくお願いします。
それでは、どうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (2)



 ――このおれの手は、果て知れぬ大海原を真っ赤に染めて、緑を紅一色に変えるだろう―――

   『マクベス』 第二幕第二場



冬の気配がすでにすぐ側まで近づいてきているのが、感じるようになってきた。
ふとアメリアは手を止め、窓の外の景色に目を向けた。
その向こうに広がる空も、冬の色をその身に帯び始めていた。
遠くどこまでも続く空は、あの激動ともいえる旅で見たときと 寸分も変わらないように思えた。
あのときのことは、今でも脳裏にまざまざと思い浮かぶ。
できるなら、もう一度彼女達と共に旅をしてみたいとも思う。ハチャメチャなところはあったが。
そしてアメリアの頭の中には、そのとき一緒だったとある青年の顔が浮かび上がる。
彼はこの空の下、今はどこを旅しているのだろうか。
もう一度会いたいと、ふと思う。
そんな淡い想いに軽く笑い、また目の前の本に目を落としたとき、

「――――!?」
「――――」

不意に表がすこし慌しくなったのを感じた。
何事かと思い、部屋を出て表へと赴くと、城の警備隊が数人、何やら一人の男を囲むようにしていた。
その男の姿を目にしたとき、アメリアは驚きの声をあげた。
「!?ゼルガディスさん!?」



「2つほど戻らずじまいか・・・・・・・」
部屋の中、ゴットフリードの声が静かに響いた。
「これで、向こうにもおおまかなヒントを与えてしまうことになるな。連中も馬鹿ではないだろうから、漠然とした疑惑の段階で表立って動いてくることはないだろうが・・・・・・・」
そう言い、窓の外へ目を向けた。
外は、晴天の領地の光景が広がっていた。
「どのみち、もはやサイは投げられた。」
キッと鋭い視線を向けた。
「必ずあれを取り戻せ。立ち塞がる者は排除せよ―――」

「失礼致します。」
そのとき、ノックと共に一人の初老の執事が入ってきた。
「ゴットフリード様。カーライル様が連れてこられたご婦人方がお礼を申したいといらっしゃっております。」
振り向いたゴットフリードの目には、先程までの苛烈な色はなかった。
「なにもそこまで気を使わなくてもいいのにな。」
やれやれといった感じで苦笑を浮かべるが、どこか照れ隠しのように見えた。
「それともカーライルが目当てかな?」
からかうネタができたと言わんばかりに、愉しそうな笑みを浮かべて応接室へと赴いた。



(まあ、そう簡単に帰らしてはくれないとは思っていだが・・・・・)
通された城の一室で、ゼルガディスは少し厄介そうに心の中で呟いた。

あの、地中に潜む奇怪な者を倒した後、ゼルガディスは助けた女性から一つの包みと手紙を渡された。
傷は思った以上に深手で、女性の呼吸は絶え絶えで、瞳の光も弱っていた。
「お・・・・お願い・・します・・・・・どうか・・・・・これを・・・・・・」
必死の瞳で、女性はゼルガディスにそれを託そうとしていた。
「いや・・・だが・・・・・・・」
ゼルガディスは迷った。
女性の今わの際の頼みを引き受けるか。しかし、あまり厄介ごとに首を突っ込む気にもなれない。
「お・・お願い・・します・・・・・・これを・・・・・セイ・・ルー・・ンに・・・・・・」
女性の言葉に、ゼルガディスの表情がピクリと動いた。
「セ・・セイ・・ル・・・・・ン・・・・・・・の・・・・・王宮・・へ・・・・・・・・・・おね・・・・がい・・・・します・・・・・・・」
何か国家に関わることなのか?
ゼルガディスは思った。
それならば、話は凄まじく厄介なことになりそうだったが、しかし一人の少女の顔が脳裏に浮かんだ。
「・・・・・・・わかった。これをセイルーンに届ければいいんだな。」
ゼルガディスが包みと手紙を受け取ったのを見て、女性は安心したように笑みを浮かべた。
「安心しろ。必ず届けると約束する。あんたはその傷を―――」
「あ・・・・あり・・が・・・・と・・・・・・・・・・・」
そのとき、女性の体からすべての力が抜けた。
しばし、女性を見ていたゼルガディスは、やがて立ち上がり、街道脇の奥の森の中に、女性を埋葬した。
女性の持ち物の一部を遺品とし、ゼルガディスは託された包みと手紙を懐に、セイルーンに向かって歩き出した。

「ゼルガディス殿。お待たせしてしまって申し訳ない。」
その声と共に、部屋に一人の騎士が入ってきた。
「私はセイルーン騎士団第8師団隊長のアルベルトです。貴方がお持ちくださったものの確認が出来ました。確かにあれは私の部下の物です。」
どこかやりきれないような表情を浮かべ、アルベルトは言った。
「ゼルガディス殿。失礼ながらひとつお尋ねしたいことが―――」
「あの包みの中身なら、一片たりとも見ていないから安心してくれ。」
相手が言おうとすることを察知し、いち早く口にした。
「まあ、俺の言葉を完全に証明するものはないがな。」
「いえ、貴方を信用いたしましょう。」
「・・・・・・・いいのか?そんなにあっさりと・・・・・」
「はい、姫様の口添えもありますので・・・・・・」
そうアルベルトが言った時、
「ゼルガディスさん!!」
「っ!?」
勢いよくアメリアが入ってきた。
「お久しぶりです!!お元気でしたか!?」
「あ、ああ・・・・・・これといってとくには・・・・・・」
「嬉しいです!また、ゼルガディスさんとお会いできるなんて!」
「お、おい、アメリア・・・・・・」
興奮の余り、大きな声を出すアメリアに、ゼルガディスは変な誤解を回りに与えぬよう、慌てて止めに入った。



「ハクシュン!ハックシュン!!」
盛大なくしゃみが響き渡った。
「誰か噂をしているな・・・・・・・またゴットフリードあたりが、邪推しているのか?」
馬車の荷台に揺られながら、カーライルは呟いた。
「・・・・・奪われたものは雇った連中にまかせても大丈夫だとは思うが・・・・・とりあえず、王家の動きも探っておくか・・・・・・・」
久方ぶりの里帰りだな―――カーライルは閉じられた目を空へと向け、小さく笑った。








『報酬はもう200、追加しよう。必ずや、奪われた物を取り戻して欲しい。また、取り戻した者には更に金貨300、特別に与えよう。もし邪魔する者がいれば、殺しても構わない。ただし下手に表立った騒ぎにしないようにな・・・・・・・・』
そう書かれた紙を見るや、影はそれをクシャリと握りつぶした。


「では、とりあえずセイルーンシティへ行くとするか」


「ふふ、あわせて500・・・・・か。」


「はぁ、セイルーンですか・・・・・・・」


「邪魔者は殺す・・・・・・久しぶりに楽しめる・・・・・・ふふふ・・・・・」


それぞれの場所で影たちは、ある者は笑みを浮かべ、ある者はやれやれと呟いた。
そして、一路セイルーンの方角へと姿を消した。


*************************************

続きでした。
これからしばらくは刺客との戦いが続くと思います。
ますますゼルは厄介ごとに巻き込まれていきますな。
これも彼の運命か・・・・・?
それではまた次回。

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28868Re:異邦の彼方より (2)エモーション E-mail 2003/12/30 22:25:25
記事番号28857へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

ゼルとアメリアが再会し、話が動き出しましたね。
ゼルとアメリアは普通に〃仲間〃というだけでなく、やっぱりお互い
多少気になるのでしょうね。
……どうしてもいろんな事情から、ゼルの方が逃げ腰になるのだと思いますが。


>不意に表がすこし慌しくなったのを感じた。
>何事かと思い、部屋を出て表へと赴くと、城の警備隊が数人、何やら一人の男を囲むようにしていた。
>その男の姿を目にしたとき、アメリアは驚きの声をあげた。
>「!?ゼルガディスさん!?」

噂をすれば……とは言いますが、あまり大きな都市に来たがらないゼルが、城の方へ来るというだけでも、アメリアにとしては驚きますよね。
不意に感じとったのは、巫女の直感なのか、乙女の直感なのか……。(^.^)

>「2つほど戻らずじまいか・・・・・・・」
>部屋の中、ゴットフリードの声が静かに響いた。
>「これで、向こうにもおおまかなヒントを与えてしまうことになるな。連中も馬鹿ではないだろうから、漠然とした疑惑の段階で表立って動いてくることはないだろうが・・・・・・・」

先祖の残した品は複数あるのですね。2つ……はゼルが助けた女性が、
持っていた分でしょうか。
大まかなヒント……どうやらその品が絡むだけで、かなり問題が起きかねないと
見られる代物のようですね。

>「セ・・セイ・・ル・・・・・ン・・・・・・・の・・・・・王宮・・へ・・・・・・・・・・おね・・・・がい・・・・します・・・・・・・」
>何か国家に関わることなのか?
>ゼルガディスは思った。
>それならば、話は凄まじく厄介なことになりそうだったが、しかし一人の少女の顔が脳裏に浮かんだ。
>「・・・・・・・わかった。これをセイルーンに届ければいいんだな。」
>ゼルガディスが包みと手紙を受け取ったのを見て、女性は安心したように笑みを浮かべた。

セイルーンじゃなくても、最終的には引き受けた気もしますが、
やはり真っ先に浮かぶのは、アメリアのことですよね。やっぱり仲間意識が働きますし。

>「ゼルガディス殿。失礼ながらひとつお尋ねしたいことが―――」
>「あの包みの中身なら、一片たりとも見ていないから安心してくれ。」
>相手が言おうとすることを察知し、いち早く口にした。
>「まあ、俺の言葉を完全に証明するものはないがな。」
>「いえ、貴方を信用いたしましょう。」
>「・・・・・・・いいのか?そんなにあっさりと・・・・・」
>「はい、姫様の口添えもありますので・・・・・・」

やはりこう言うときは、コネが物を言いますね。アメリアから色々逸話を
力説されたのでしょうか。

>「お久しぶりです!!お元気でしたか!?」
>「あ、ああ・・・・・・これといってとくには・・・・・・」
>「嬉しいです!また、ゼルガディスさんとお会いできるなんて!」
>「お、おい、アメリア・・・・・・」
>興奮の余り、大きな声を出すアメリアに、ゼルガディスは変な誤解を回りに与えぬよう、慌てて止めに入った。

この場面。何だか目に浮かびますね(笑)
ひたすら元気いっぱい、分かりやすいくらいに感情を表現する(そしてそれが逆に
色恋とは無縁な感じを与えてしまう)アメリアと、周囲を気にして、ちょっと
おたおたするゼル。端で見ていると微笑ましいかもしれません。

>馬車の荷台に揺られながら、カーライルは呟いた。
>「・・・・・奪われたものは雇った連中にまかせても大丈夫だとは思うが・・・・・とりあえず、王家の動きも探っておくか・・・・・・・」
>久方ぶりの里帰りだな―――カーライルは閉じられた目を空へと向け、小さく笑った。

カーライルさんも動き出しましたね。この方はかなり相手にするのが大変そうです。
また、セイルーンのご出身なのですね。

>それぞれの場所で影たちは、ある者は笑みを浮かべ、ある者はやれやれと呟いた。
>そして、一路セイルーンの方角へと姿を消した。

金額に満足している人、邪魔者は殺してOKに喜ぶ(?)危ない人、
一見やる気なさげな人と、三者三様のようですが、どうやらカーライルさんが動く前に、
一波乱も二波乱もありそうですね。

>続きでした。
>これからしばらくは刺客との戦いが続くと思います。
>ますますゼルは厄介ごとに巻き込まれていきますな。
>これも彼の運命か・・・・・?
>それではまた次回。

アルベルトさんがどう出るかに関係なく、(ユストゥスなら、こんな良い戦力、
逃さないだろうなあ……(笑))すでに否応なしに巻き込まれていますね、ゼル(^_^;)
最初は事情は聞かないでしょうが、少なくともアメリアにも危険が及ぶ、となったら、
損得関係なしに動くでしょうし。
次はどのような展開になるのでしょうか。続きを楽しみにしています。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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28881役者が揃ってきた、といったところですね棒太郎 2003/12/31 22:39:07
記事番号28868へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>ゼルとアメリアが再会し、話が動き出しましたね。
>ゼルとアメリアは普通に〃仲間〃というだけでなく、やっぱりお互い
>多少気になるのでしょうね。
>……どうしてもいろんな事情から、ゼルの方が逃げ腰になるのだと思いますが。

こんばんは、エモーションさん。
いつもありがとうございます。
この二人は、やっぱりお互いにお互いのことが気になる者同士でしょうし。


>>その男の姿を目にしたとき、アメリアは驚きの声をあげた。
>>「!?ゼルガディスさん!?」
>
>噂をすれば……とは言いますが、あまり大きな都市に来たがらないゼルが、城の方へ来るというだけでも、アメリアにとしては驚きますよね。
>不意に感じとったのは、巫女の直感なのか、乙女の直感なのか……。(^.^)

大都市の、しかも一番いそうにない場所にいるのだから、驚きますね。

>>「これで、向こうにもおおまかなヒントを与えてしまうことになるな。連中も馬鹿ではないだろうから、漠然とした疑惑の段階で表立って動いてくることはないだろうが・・・・・・・」
>
>先祖の残した品は複数あるのですね。2つ……はゼルが助けた女性が、
>持っていた分でしょうか。
>大まかなヒント……どうやらその品が絡むだけで、かなり問題が起きかねないと
>見られる代物のようですね。

ひとつのものが、いくつかのパーツに分かれているようなものです。
この遺品は、過去の因縁に関係があります。

>>それならば、話は凄まじく厄介なことになりそうだったが、しかし一人の少女の顔が脳裏に浮かんだ。
>>「・・・・・・・わかった。これをセイルーンに届ければいいんだな。」
>>ゼルガディスが包みと手紙を受け取ったのを見て、女性は安心したように笑みを浮かべた。
>
>セイルーンじゃなくても、最終的には引き受けた気もしますが、
>やはり真っ先に浮かぶのは、アメリアのことですよね。やっぱり仲間意識が働きますし。

王室に関わりがあるようなら、やはり真っ先に思い浮かぶでしょう。

>>「いえ、貴方を信用いたしましょう。」
>>「・・・・・・・いいのか?そんなにあっさりと・・・・・」
>>「はい、姫様の口添えもありますので・・・・・・」
>
>やはりこう言うときは、コネが物を言いますね。アメリアから色々逸話を
>力説されたのでしょうか。

そうですね(笑)
アメリアから熱く力説されたことでしょう。

>>「お久しぶりです!!お元気でしたか!?」
>>「あ、ああ・・・・・・これといってとくには・・・・・・」
>>「嬉しいです!また、ゼルガディスさんとお会いできるなんて!」
>>「お、おい、アメリア・・・・・・」
>>興奮の余り、大きな声を出すアメリアに、ゼルガディスは変な誤解を回りに与えぬよう、慌てて止めに入った。
>
>この場面。何だか目に浮かびますね(笑)
>ひたすら元気いっぱい、分かりやすいくらいに感情を表現する(そしてそれが逆に
>色恋とは無縁な感じを与えてしまう)アメリアと、周囲を気にして、ちょっと
>おたおたするゼル。端で見ていると微笑ましいかもしれません。

アメリアの元気の良さに、微笑ましく思えるのでしょう。
ゼルももう少し、甲斐性持たないといけませんね。

>>「・・・・・奪われたものは雇った連中にまかせても大丈夫だとは思うが・・・・・とりあえず、王家の動きも探っておくか・・・・・・・」
>>久方ぶりの里帰りだな―――カーライルは閉じられた目を空へと向け、小さく笑った。
>
>カーライルさんも動き出しましたね。この方はかなり相手にするのが大変そうです。
>また、セイルーンのご出身なのですね。

この人もかなりの実力者ですが。
まあ、リュウゼンよりかはましではないかと。

>>それぞれの場所で影たちは、ある者は笑みを浮かべ、ある者はやれやれと呟いた。
>>そして、一路セイルーンの方角へと姿を消した。
>
>金額に満足している人、邪魔者は殺してOKに喜ぶ(?)危ない人、
>一見やる気なさげな人と、三者三様のようですが、どうやらカーライルさんが動く前に、
>一波乱も二波乱もありそうですね。

ゴットフリードの雇った刺客たちです。
一癖も二癖もある連中ですので、ただではすまないでしょう。

>>続きでした。
>>これからしばらくは刺客との戦いが続くと思います。
>>ますますゼルは厄介ごとに巻き込まれていきますな。
>>これも彼の運命か・・・・・?
>>それではまた次回。
>
>アルベルトさんがどう出るかに関係なく、(ユストゥスなら、こんな良い戦力、
>逃さないだろうなあ……(笑))すでに否応なしに巻き込まれていますね、ゼル(^_^;)
>最初は事情は聞かないでしょうが、少なくともアメリアにも危険が及ぶ、となったら、
>損得関係なしに動くでしょうし。
>次はどのような展開になるのでしょうか。続きを楽しみにしています。
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

アメリアも少々無鉄砲なところがあるから、ゼルガディスも多かれ少なかれ、動くことになるでしょう。
次回は、ゴットフリードの雇った刺客たちが顔を見せることになるでしょう。
そして、とある人物もでてきます。
それでは。

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28899異邦の彼方より (3)棒太郎 2004/1/1 17:17:19
記事番号28814へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
新年を迎えましたが、今年はより良い年でありますように。
それではどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (3)



 ――宮廷という場所では、表面だけで判断したら間違いだらけなのです。らしく見える、というのは、ほとんど真実ではないのですから――

    ラ・ファイエット夫人『クレーヴの奥方』



「これは・・・・!?間違いないのか・・・・?」
「はい・・・・・・恐らくは・・・・・・・」
「なんということだ・・・・・・・よもやこれが存在していたとは・・・・・・・」
「やはり、アーデンハイル卿は、その身の内に復讐の灯火を宿していたのですな・・・・・・」
「そうとなれば、一刻も早く手を打たねばならんが・・・・・・・しかし、なるだけ表立たせるわけにはいかん・・・・・・・」
「ですが・・・・・・」
「これは、王室の封じられた闇の歴史だ・・・・・・・我らはそれを護っていかねばならんのだ・・・・・・・・・・お前達の存在意義の一端も、そこにあることを忘れるな・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・はい・・・・」



「ふう・・・・・・・・」
王宮の、人気の少ない場所で、ゼルガディスは一つ息をついた。
あの女性の頼みから、包みを届けに来てから数日。
城の客間の一室を与えられ、ゼルガディスはそこに滞在していた。
「ゼルガディスさんっ!!」
元気のいい声が響き、彼の側へアメリアがやって来た。
「どうしたんですか?ゼルガディスさん?」
「いや・・・・・別にどうということはないんだがな・・・・・なんだか落ち着かなくてな・・・・・・・・」
もともとお尋ね者であるし、なおかつこの体である。
どことなく周りが気になってしまうのは、仕方がないことだろう。
(まあ、そう簡単に帰れるとは思っちゃいなかったが・・・・・)
アメリアには見せぬように、また静かに息をついた。
自分が頼まれたものは、どうやら相当に事の大きいもののようだと感じた。
客人として、城に滞在させてくれているが、体よく軟禁されているも同じだった。
(事が一段落するまでは、守秘のために返してくれそうもないな。)
アメリアの父、フィリオネル王子は今、地方のほうに赴いているとの事だった。
少なくともフィル王子が戻ってくるまでは、ここに縛り付けられることになりそうだと思った。
「ゼルガディス殿!」
アルベルトがこちらにやって来るのが見えた。
「どうされました?何やらお疲れのようにも見えますが・・・?」
「いや、なんでもない。こういったところは慣れないせいか、落ち着かなくてな・・・・・」
「まあ、いづれ慣れますよ。ところで、あの包みのことなのですが・・・・・・貴方が預かったのはあれひとつですか?」
「ああ・・・・・そうだが・・・・・・・」
「・・・・・・そうですか。あ、いえ、お気になさらず。」
アルベルトが軽い笑みを浮かべて手を振った。
「それよりアルベルトの旦那。少し城の外を散歩させてもらってもいいか?何、すぐ戻るさ。」
「ええ、別に構いませんよ。」
「そうですか!じゃあ、私が案内しますね!ゼルガディスさん!」
「な――!?」
そう言って、アメリアはゼルガディスを引っ張っていった。
「ちょっ――!?ア、アメリア様ーーっ!?」
後にはアルベルトの呆気に取られた声だけが響いていた。


「さてさて。ようやく白魔術都市に到着か。」
一人の男が都市の入り口を見ながら、愉しそうに笑った。
「それに色々と蜜に群がる虫もやって来たようさね。」


穏やかな陽の中を、ゼルガディスとアメリアは歩いていた。
他愛のない話が二人の間を飛び交っている。
もっとも大方はアメリアが喋っているが。
「ゼルガディスさん?」
人気の途絶えたところに来た時、不意にゼルガディスが足を止めた。
不思議に思い、アメリアが訊ねたとき――
「アメリアッ!!」
「え?きゃっ!?」
突如、ゼルガディスがアメリアをガバッと抱きしめた。
「え、え!?だ、ダメです、ゼルガディスさん!わ、私まだ、心の準備が―――」
混乱しながら、そんな言葉を口にしたとき、

「ほう、少しはやるようだな。」

別の男の声が聞こえてきた。
「何者だ、貴様・・・・・・・」
いつの間にかゼルガディスは剣を抜いて構えていた。
「お前が預かったものを返してもらおうか?」
「なんのことだ?」
「とぼけるなよ。こいつに訊いたから間違いはないぞ。」
その声と共に、ひとつの影が現れた。
「なにっ!?」
ゼルガディスが驚きの声を上げた。
そこにいたのは、あの時彼が倒した者だった。
「ゼルガディスさん。この人は一体なんですか?」
「ゼルガディス・・・・・ほう、お前があの魔剣士ゼルガディスか。」
声がなるほどと言うように呟いた。
「あなたは一体誰なんですか!?コソコソしないで堂々と姿を現しなさい!!」
ビシィっと虚空を指差し、アメリアが叫ぶ。
「指を刺すな。指を。」
ポツリとゼルガディスが言った。
「ふん、何者か知らんが、この都市で死霊術を使うことがどうなのか分かっているのか?」
「くくく、俺の技はそんなチンケなものじゃないぞ。」
そう声が言うや、更にいくつかの影が現れた。
どれも、ただのゾンビとは違い、腐敗もなくそのままの姿を留めていた。
「まあ、別に死んでも問題はない。返ってそのほうが訊きだしやすい―――!?」
突如、声が途切れた。

「操術は術士本体に気を使わなきゃいかんよ。」

もうひとり別の声が聞こえてきた。
「くっ、何者だ。貴様?」
一人の男が姿を現した。
白衣を着た、メガネをかけた青年だった。
「これがお前さんの技かね。”死体蘇生者”ハーバード=ウェストさん?」
続いてもう一人姿を現した。黒塗りの櫃を背負った男だった。
「お前さんのお求めのものは、やつがれも持っていましてね。」
そう言ってニヤリと笑みを浮かべた。
「ちっ!用意が少し足りないか・・・・・・・」
白衣の男――ハーバード=ウェストは、舌打ちすると身を翻し、その場から姿を消した。
「ふむ――案外馬鹿じゃないさね。」
愉しそうな笑みを浮かべながら、黒子装束の男が呟いた。
そして、ゼルガディスとアメリアのほうへ振り向いた。
「お前は―――?」
「お初にお目にかかります。やつがれはからくり師のジゴマと申します者で。」
そう言い、ジゴマは深々と頭を下げた。



紅に染まる西の空を見つめながら、ゴットフリードはじっと佇んでいた。
「”人間の心は、愛情の高みを登りつめると休息を見出すが、憎しみの感情の急勾配を下るときは滅多に止まらないものだ”・・・・・・か。」
とある本の一文を口にした。
「し、失礼します。」
ノックと共に、初々しい感じのメイドが入ってきた。
「あ、あの・・・・お、お茶をお持ちしました!」
「ああ、ありがとう。そこに置いといておくれ。」
ニコリと笑いながらゴットフリードはそう言った。
「サナ・・・・・、そう硬くならず力を抜くといい。」
サナと呼ばれた少女は、その言葉に「はいっ!」と応え、また硬くなる。
それに苦笑しながら、労いの言葉をかけ、退室させた。
「ふぅ〜〜〜〜〜〜。」
緊張感から開放され、力が抜けて壁にズルズルともたれかかった。
「ん?おや、サナちゃん。どうしたの?」
「あ、タイタスさん。」
サナはやって来た執事見習いの青年に気が付いた。
「いえ、その、ゴットフリード様に粗相をしないようにと思って、緊張して・・・・・」
「ははは。まあ、最初はガチガチに緊張するからね。ま、その心がけをしっかりと持ってれば大丈夫だよ。」
にこりと笑いながらタイタスはそう言った。
「ま、そうでなくても好きな人の前では緊張するかな?」
「!?タ、タイタスさん!?」
顔を真っ赤にしてサナは叫ぶが、タイタスはそれを微笑ましく見ながらじゃあね〜、とその場を去っていった。

*************************************
いやぁ、ジゴマさん・・・・・・・出てしまいましたねぇ。
今回は敵側ではないですが。
まだまだ刺客もやってきます。
それではまた次回。

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28907出ましたね……(^_^;)エモーション E-mail 2004/1/2 15:09:06
記事番号28899へのコメント

棒太郎様、こんにちは。

>こんにちは、棒太郎です。
>新年を迎えましたが、今年はより良い年でありますように。
>それではどうぞ。

あけましておめでとうございます。今年が少しでも良い年になるといいですよね。
続き〜♪ まさか〃彼〃が出てくるとは……。
興味深いと思うと、積極的に関わる、関わらないにしろ、出没しているのかなと思いました。


>「やはり、アーデンハイル卿は、その身の内に復讐の灯火を宿していたのですな・・・・・・」
>「そうとなれば、一刻も早く手を打たねばならんが・・・・・・・しかし、なるだけ表立たせるわけにはいかん・・・・・・・」
>「ですが・・・・・・」
>「これは、王室の封じられた闇の歴史だ・・・・・・・我らはそれを護っていかねばならんのだ・・・・・・・・・・お前達の存在意義の一端も、そこにあることを忘れるな・・・・・・・」

光あれば陰有り、と。闇の部分だけに「当たり障りなく」処理し、対応する必要が
あるのでしょう。専門に扱う部署が当然あるわけですね。
……と言っても、アメリアはまだ知らないかもしれませんが、王族が全く知らずにいる、
ということはないでしょうけれど。

>自分が頼まれたものは、どうやら相当に事の大きいもののようだと感じた。
>客人として、城に滞在させてくれているが、体よく軟禁されているも同じだった。
>(事が一段落するまでは、守秘のために返してくれそうもないな。)

これはもう、当然の状況ですよね。アメリアとしてはゼルに申し訳ないと思う反面、
ちょっと嬉しいかもしれませんが。

>「それよりアルベルトの旦那。少し城の外を散歩させてもらってもいいか?何、すぐ戻るさ。」
>「ええ、別に構いませんよ。」
>「そうですか!じゃあ、私が案内しますね!ゼルガディスさん!」
>「な――!?」
>そう言って、アメリアはゼルガディスを引っ張っていった。
>「ちょっ――!?ア、アメリア様ーーっ!?」
>後にはアルベルトの呆気に取られた声だけが響いていた。

アメリア……素早い(笑)周りに口を挟む隙も与えず、即行動♪
これくらいしないと、余計なお供がついてきますしね。

>穏やかな陽の中を、ゼルガディスとアメリアは歩いていた。
>他愛のない話が二人の間を飛び交っている。
>もっとも大方はアメリアが喋っているが。

ほのぼのとしたデートですね♪ 端で見ていると微笑ましいカップルです。

>「アメリアッ!!」
>「え?きゃっ!?」
>突如、ゼルガディスがアメリアをガバッと抱きしめた。
>「え、え!?だ、ダメです、ゼルガディスさん!わ、私まだ、心の準備が―――」

アメリア。心の準備があればOKなのですね(笑)

>「何者だ、貴様・・・・・・・」
>いつの間にかゼルガディスは剣を抜いて構えていた。

デートを邪魔されてしまいましたね、ゼル。それだけで斬ってもいいかも(笑)

>「ゼルガディス・・・・・ほう、お前があの魔剣士ゼルガディスか。」
>声がなるほどと言うように呟いた。
>「あなたは一体誰なんですか!?コソコソしないで堂々と姿を現しなさい!!」
>ビシィっと虚空を指差し、アメリアが叫ぶ。
>「指を刺すな。指を。」
>ポツリとゼルガディスが言った。

お約束ですね(笑)人を無闇に指さすのは失礼ですよ、アメリア姫。
……でも、もう癖になっているのでしょうね。

>白衣の男――ハーバード=ウェストは、舌打ちすると身を翻し、その場から姿を消した。
>「ふむ――案外馬鹿じゃないさね。」
>愉しそうな笑みを浮かべながら、黒子装束の男が呟いた。
>そして、ゼルガディスとアメリアのほうへ振り向いた。
>「お前は―――?」
>「お初にお目にかかります。やつがれはからくり師のジゴマと申します者で。」
>そう言い、ジゴマは深々と頭を下げた。

白衣にメガネで「マッドサイエンティストかー?!」と思ったのは、単なる偏見ですが(笑)
研究者タイプのようには見えますね。軽く攻撃でも受けて姿を現したのですね。
そしてジゴマさん、ご登場……。さすがに、どこに出てきても不思議はない方です。
リナ達が知ったら、「根本的には信用するな。ゼロスと同じように思った方が良い」
とでも言いそうですね。

>「”人間の心は、愛情の高みを登りつめると休息を見出すが、憎しみの感情の急勾配を下るときは滅多に止まらないものだ”・・・・・・か。」
>とある本の一文を口にした。

受け継がれた憎しみなら、尚更ですね。どこまでいけば満足するか、という部分がありませんから。

>「いえ、その、ゴットフリード様に粗相をしないようにと思って、緊張して・・・・・」
>「ははは。まあ、最初はガチガチに緊張するからね。ま、その心がけをしっかりと持ってれば大丈夫だよ。」
>にこりと笑いながらタイタスはそう言った。
>「ま、そうでなくても好きな人の前では緊張するかな?」
>「!?タ、タイタスさん!?」
>顔を真っ赤にしてサナは叫ぶが、タイタスはそれを微笑ましく見ながらじゃあね〜、とその場を去っていった。

サナさん、可愛いですね。タイタスさんも何気に楽しそうな方です。
本当に、ゴットフリードさんが単純に悪い方ではないだけに、一体何があったのかと思いますし、
憎しみの根強いのだとも分かります。

>いやぁ、ジゴマさん・・・・・・・出てしまいましたねぇ。
>今回は敵側ではないですが。
>まだまだ刺客もやってきます。
>それではまた次回。

ジゴマさん……。今回はどんな役回りを行うのでしょうか。敵側でないだけ
マシなのでしょうけれど、やはりゼロスと同じように見た方が良いのでしょうね。
「敵ではないだけ。絶対的な味方でもない」と。
さて、次はどんな展開になるのでしょうか。
それでは、続きを楽しみにしつつ、これで失礼します。

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28923出ちゃいました・・・・・棒太郎 2004/1/3 22:02:33
記事番号28907へのコメント


>棒太郎様、こんにちは。

>あけましておめでとうございます。今年が少しでも良い年になるといいですよね。
>続き〜♪ まさか〃彼〃が出てくるとは……。
>興味深いと思うと、積極的に関わる、関わらないにしろ、出没しているのかなと思いました。

こんばんは、エモーションさん。
一応今年のわたしの星は全体的に良好のような感じみたいですが。
”彼”、出てきちゃいました。敵側じゃないだけ、前よりは楽かと思います。


>>「これは、王室の封じられた闇の歴史だ・・・・・・・我らはそれを護っていかねばならんのだ・・・・・・・・・・お前達の存在意義の一端も、そこにあることを忘れるな・・・・・・・」
>
>光あれば陰有り、と。闇の部分だけに「当たり障りなく」処理し、対応する必要が
>あるのでしょう。専門に扱う部署が当然あるわけですね。
>……と言っても、アメリアはまだ知らないかもしれませんが、王族が全く知らずにいる、
>ということはないでしょうけれど。

裏の汚れ仕事みたいなのを遂行する部署というのは、どこでもあると思いますので。
扱うものが扱うものだけに、ある一部分の者しか知らないでしょう。

>>自分が頼まれたものは、どうやら相当に事の大きいもののようだと感じた。
>>客人として、城に滞在させてくれているが、体よく軟禁されているも同じだった。
>>(事が一段落するまでは、守秘のために返してくれそうもないな。)
>
>これはもう、当然の状況ですよね。アメリアとしてはゼルに申し訳ないと思う反面、
>ちょっと嬉しいかもしれませんが。

国家機密に関わるようなことなら尚更ですからね。
アメリアにしたら、微妙に複雑なところですね。

>>「そうですか!じゃあ、私が案内しますね!ゼルガディスさん!」
>>「な――!?」
>>そう言って、アメリアはゼルガディスを引っ張っていった。
>>「ちょっ――!?ア、アメリア様ーーっ!?」
>>後にはアルベルトの呆気に取られた声だけが響いていた。
>
>アメリア……素早い(笑)周りに口を挟む隙も与えず、即行動♪
>これくらいしないと、余計なお供がついてきますしね。

思い立ったら即行動。
これが行き過ぎると”ある愛の光景”になります。

>>穏やかな陽の中を、ゼルガディスとアメリアは歩いていた。
>>他愛のない話が二人の間を飛び交っている。
>>もっとも大方はアメリアが喋っているが。
>
>ほのぼのとしたデートですね♪ 端で見ていると微笑ましいカップルです。

この光景は本人達が何と言おうとも、そう見えてしまいますね。

>>突如、ゼルガディスがアメリアをガバッと抱きしめた。
>>「え、え!?だ、ダメです、ゼルガディスさん!わ、私まだ、心の準備が―――」
>
>アメリア。心の準備があればOKなのですね(笑)

恐らくそうではないでしょうか(笑)

>>「何者だ、貴様・・・・・・・」
>>いつの間にかゼルガディスは剣を抜いて構えていた。
>
>デートを邪魔されてしまいましたね、ゼル。それだけで斬ってもいいかも(笑)

そうそう、上手く事は運びませんね(笑)

>>「あなたは一体誰なんですか!?コソコソしないで堂々と姿を現しなさい!!」
>>ビシィっと虚空を指差し、アメリアが叫ぶ。
>>「指を刺すな。指を。」
>>ポツリとゼルガディスが言った。
>
>お約束ですね(笑)人を無闇に指さすのは失礼ですよ、アメリア姫。
>……でも、もう癖になっているのでしょうね。

昔からの癖はなかなか治りませんからね。

>>白衣の男――ハーバード=ウェストは、舌打ちすると身を翻し、その場から姿を消した。
>>「ふむ――案外馬鹿じゃないさね。」
>>愉しそうな笑みを浮かべながら、黒子装束の男が呟いた。
>>そして、ゼルガディスとアメリアのほうへ振り向いた。
>>「お前は―――?」
>>「お初にお目にかかります。やつがれはからくり師のジゴマと申します者で。」
>>そう言い、ジゴマは深々と頭を下げた。
>
>白衣にメガネで「マッドサイエンティストかー?!」と思ったのは、単なる偏見ですが(笑)
>研究者タイプのようには見えますね。軽く攻撃でも受けて姿を現したのですね。
>そしてジゴマさん、ご登場……。さすがに、どこに出てきても不思議はない方です。
>リナ達が知ったら、「根本的には信用するな。ゼロスと同じように思った方が良い」
>とでも言いそうですね。

ハーバード=ウェスト、そんな感じです(笑)
マッドサイエンティストタイプの人です。
そして、ジゴマ・・・・・・・
タイプ的には、ほんとゼロスのようなものですからね。

>>「”人間の心は、愛情の高みを登りつめると休息を見出すが、憎しみの感情の急勾配を下るときは滅多に止まらないものだ”・・・・・・か。」
>>とある本の一文を口にした。
>
>受け継がれた憎しみなら、尚更ですね。どこまでいけば満足するか、という部分がありませんから。

負の感情というのは、底が見えないように思えますしね。

>>「いえ、その、ゴットフリード様に粗相をしないようにと思って、緊張して・・・・・」
>>「ははは。まあ、最初はガチガチに緊張するからね。ま、その心がけをしっかりと持ってれば大丈夫だよ。」
>>にこりと笑いながらタイタスはそう言った。
>>「ま、そうでなくても好きな人の前では緊張するかな?」
>>「!?タ、タイタスさん!?」
>>顔を真っ赤にしてサナは叫ぶが、タイタスはそれを微笑ましく見ながらじゃあね〜、とその場を去っていった。
>
>サナさん、可愛いですね。タイタスさんも何気に楽しそうな方です。
>本当に、ゴットフリードさんが単純に悪い方ではないだけに、一体何があったのかと思いますし、
>憎しみの根強いのだとも分かります。

次以降で書いていくと思いますが、サナはカーライルが助けた女性陣の一人です。
タイタスも今後、彼らに関わっていくキャラです。

>>いやぁ、ジゴマさん・・・・・・・出てしまいましたねぇ。
>>今回は敵側ではないですが。
>>まだまだ刺客もやってきます。
>>それではまた次回。
>
>ジゴマさん……。今回はどんな役回りを行うのでしょうか。敵側でないだけ
>マシなのでしょうけれど、やはりゼロスと同じように見た方が良いのでしょうね。
>「敵ではないだけ。絶対的な味方でもない」と。
>さて、次はどんな展開になるのでしょうか。
>それでは、続きを楽しみにしつつ、これで失礼します。

そうですね。敵ではないですけど、味方というにしても胡散臭い感じがしますしね。
信用できる味方ではないですね。
しかし、また暴れてくれることでしょう。
それでは。

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28931異邦の彼方より (4)棒太郎 2004/1/4 23:07:52
記事番号28814へのコメント

こんばんは、棒太郎です。
いろいろと役者が揃い始めてきました。
さてさて、どうなっていきますやら・・・・・・
それではどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (4)



 ――どうしたら過去のことが忘れられる。過去とは現在のことでしょう。そしてまた、未来のこと。私たちは嘘をついて過去から逃れようとする。だけど駄目。人生がそんなこと許さないわ――

   オニール『夜への長い旅路』




セイルーンの王宮のある一部は、奇妙な客人が持ってきた物によって静かな動揺に包まれていた。
その中心である王宮の応接室には、アルベルトとその上司、騎士団総司令部の参謀役の一人、バルトロメオがなにやら難しい顔をしていた。
彼らの対面には、不思議そうにバルトロメオのもつ宝飾された小さなプレートを見つめるアメリアに、一歩離れてじっと全体の空気を探るように見つめているゼルガディス、そして愉しげな笑みを隠そうとしない黒子衣装のからくり師、ジゴマがいた。
「ジゴマ――と言ったか・・・・・・お前もこれもここへと託されたのだな。」
「はい、そうでございます。」
「これを預けた者は・・・・・・?」
バルトロメオに次いで、アルベルトが声を掛けた。
「貴方様方の手のお方なら存じませんな。」
「なに!?では、一体誰からこれを!?」
アルベルトの驚きの声に、ジゴマはニヤリと笑いながらわざとらしく、フゥムと唸った。
「まあ、やつがれはそれを間接的に預かったようなものでございますよ。しかし、そちらの御仁の例も考えれば、貴方様方の手のお方はもうお亡くなりになっているんじゃありませんかね?」
「く・・・・・・・」
アルベルトの拳がグッと握りこまれる。
「では、お前にこれを託した者は一体誰なのだ?」
バルトロメオが静かに問うた。
「名を明かすのは、依頼主の意向に背くような感じなんですがねぇ・・・・・」
やれやれとジゴマが肩を竦める。
「しかし、言わねば貴方様方はやつがれを信用しないでしょうし――――」
仕方ありませんや――と一つ息をついた。

「やつがれにそれを託しなさったのは、グレイシア王女様でございますよ。」

その言葉に、驚愕が走った。
「姉さんがっ!?」
「なっ―――!?それで!?今グレイシア様はどこにいらっしゃる!?」
「そこまでは言えませんや。」
アルベルトの驚きの声に、ジゴマは愉しげな笑みを浮かべる。
「恐らくグレイシア様もそれを偶然託されなさったのでしょう。そして、どうやら途中で刺客に襲われなさったようで。まあ、偉く頑丈な御方のようでございますが、無理はいけませんのでね。やつがれが依頼を受けたのですよ。」
「姉さんは!?姉さんは大丈夫なんですか!?」
不安げな、心配した声をかけるアメリア。
「それはご安心を。いくつか護衛を置いておきましたので。しかし―――」
そう言い、ジゴマはゼルガディスの方を向いた。
「先程のそちらの御仁のように、それを狙って刺客が次々とやって来たみたいでございますね。」
「じゃあ、あのときの奴も同じ手の者か・・・・・・何者だ・・・・?」
ゼルガディスの脳裏に、あの地中に潜む刺客が思い浮かんだ。
「話を聞く限り、恐らくそいつは土竜という奴でございましょう。」
「土竜だと・・・・・・・あいつがそうか・・・・・・」
「知っているんですか?ゼルガディスさん?」
「いや、名前だけはな・・・・・・裏の世界でも知られた名だ。」
「ええ、地行術という地に潜み、移動する技を使う手練でございますよ。」
重い沈黙が数瞬支配した。
「さっきの奴のことも考えるとまだまだいるわけだな・・・・・・」
「そうでしょうな。やつがれもここにくるまでに一人、始末いたしましたが。貴方様の倒した土竜、そして先程の”死体蘇生者”ハーバード=ウェスト。まあ、恐らくは裏世界でも名だたる者が刺客として差し向けられているかも知れませんな。」
「・・・・・・・急いでフィリオネル王子にもお戻りになっていただかねばならんな。」
バルトロメオが低く呟いた。
そのとき、ふとジゴマが窓の外へ目を向けた。
それに気が付いたゼルガディスもそちらへ目を向けたが、外にはただ木々の枝が風に小さく揺れてるだけだった。
しかし、唯一外に曝しているジゴマの口元は、ニヤリとした笑みを形作っていた。



「ツィ、ツィ、ツィ、ツィ、ツィ」
セイルーンシティの入り口の近くで、小鳥を呼ぶように舌を鳴らす音が小さく聞こえた。
すると、空の向こうから一羽の鳥が大きな翼を羽ばたかせながらやってきた。
だが、それは普通の鳥ではなかった。
猛禽類のような鋭い爪の付いた三本の足を持ち、肉を引き裂くような鋭利な嘴、そして翼の真ん中辺りの蝙蝠のように、三本の鉤爪がそれぞれついていた。
「よしよし、お帰り。」
それを呼んでいた者が、やさしく頭を撫でた。
「うふふ、2つとも王宮にあるのね。他の連中もついてるみたいだから、早いところ手に入れないとね。せっかくの報酬が少なくなっちゃうわ。」
静かに笑うと、それに合わせるように怪鳥も「ルガァーーーッ!」と啼いた。
そしてその影が、セイルーンシティの中へ入っていったとき、怪鳥の姿はいつのまにか消えていた。


「兄さん、セイルーンシティへ着いたよ。」
「ああ、どうもありがとう。」
「いいのかい?なんなら兄さんの行き先まで送ってってやるよ?」
「いや、お気持ちだけで十分ですよ。」
「そうかい。気をつけてな。」
馬車と別れを告げ、カーライルは城下町へと向かって歩き出した。
「勝手知ったる街並みだしな。ふふ、変わらんな。」
懐かしそうに声を上げた。
「人も変わっていない・・・・・ということかな?」
コツコツと杖の音が静かに響いた。








「ふぅ・・・・・・」
酒場の隅で、ゼルガディスは酒を呷りながら、ひとつ息をついた。
「如何なさいました、ゼルガディス様?」
「!?」
唐突に聞こえてきた声に、ゼルガディスは振り向いた。
「どうも、やつがれでございますよ。」
見ると、側にいつの間にかジゴマが立っていた。
「貴様・・・・・」
ゼルガディスはわずかに構えた。
確かに呼ばれる一瞬前まで、何の気配も感じなかった。
(こいつ・・・・・人間か・・・・・・・?)
そんな疑問が頭をよぎる。
だが、魔族というわけではなさそうだった。
「あのプレートの件がお気になさるんで?」
「あれはもう、セイルーンの国家の問題だ。俺には関係ないことだ。」
そう言い、また一口酒を飲む。
あれから、フィリオネル王子が帰ってき、ゼルガディスたちは解放された。
ゼルガディスが運んできた物は、国の上層部が関わってくるレベルのものであろう。
あとは、セイルーンと言う国の問題だ。
自分にはもう関係ない。
そう、ゼルガディスは思っていた。
「なら、何故この街に留まっていなさるんで?」
その心の隙間を衝くように、ジゴマが言葉を投げた。
「お気になさる方がいらっしゃるので?ましてや、あの刺客たちのこともございますし―――」
「黙れ・・・・・・・」
ギロリとジゴマを睨みつけた。
「おお、怖。」
そう言い、ジゴマがおどけるように肩を竦め、その場を退散した。
「・・・・・・・・・」
黙り込むゼルガディスの脳裏に一人の少女の姿が思い浮かぶ。
(あいつのことだ。なにか無茶をしなけりゃいいが・・・・・)
そう心の中で呟いた時―――
「あ、あの〜〜〜〜」
一人の男が声を掛けてきた。
ひょろりとした中肉中背の、なんとなく頼りなげな感じのする青年だった。
「何だ・・・・・・?」
ゼルガディスは無愛想に聞き返した。
青年は何故か「すいません、すいません・・・・・」と謝りながら、少しオドオドしたように声をあげた。
「ちょっとお願いしたいことがあるんですが〜・・・・・」
青年はゼルガディスの顔色を覗うように、見つめていた。

「あなたが手渡されたものをこちらにいただけませんでしょうか?」

その瞬間、ゼルガディスはバンッとテーブルの対面へと飛び移り、剣の柄に手を掛けた。
「わあっ!ちょ、ちょっと待ってくださいよ!」
「お前も刺客の一人か!?」
「もう少し、穏やかに行きましょうよ〜。」
青年は本当にあたふたとしていた。
「僕は”図書館司書”のカシミールと言うんですが・・・・・・あなたがそんな風に出ると僕もそうせざるを得ないじゃないですか〜〜〜。」
刺客とは思えないような情けない声をあげる。
「他の刺客のこと、喋ってもらうぞ。」
「恨まないで下さいよ〜。おとなしくしてくれれば、楽に死ねたんですけど・・・・・」
その前に――と言い、一冊の本を取り出した。
「例のものの在り処をまず聞かせてもらいます。」
本の表紙には『告げ口心臓』と書かれていた。


*************************************

続きでした。
雇われた刺客が次々と姿を現してきます。
しばらくは刺客との戦いが続くと思います。
それでは。

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28938意外な方が依頼者だったのですね。エモーション E-mail 2004/1/5 23:42:10
記事番号28931へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

今回は意外な御方の名前が出てきましたね。ふと、彼女の護衛をしている
カラミティさんやクロックワークさんを想像して、どうなっているのだろうと
思ってしまいました。


>彼らの対面には、不思議そうにバルトロメオのもつ宝飾された小さなプレートを見つめるアメリアに、一歩離れてじっと全体の空気を探るように見つめているゼルガディス、そして愉しげな笑みを隠そうとしない黒子衣装のからくり師、ジゴマがいた。

何だかこれだけでも、それぞれの性格が現れていますね。やはり楽しんでますね、ジゴマさん。

>「名を明かすのは、依頼主の意向に背くような感じなんですがねぇ・・・・・」
>やれやれとジゴマが肩を竦める。
>「しかし、言わねば貴方様方はやつがれを信用しないでしょうし――――」
>仕方ありませんや――と一つ息をついた。
>
>「やつがれにそれを託しなさったのは、グレイシア王女様でございますよ。」

まさかここで彼女の名前が出てこようとは……。
ジゴマさんは、言われなくても彼女の名前も素姓も知っていたのでしょうけれど、
彼女は一応口止めしたのですね。

>「なっ―――!?それで!?今グレイシア様はどこにいらっしゃる!?」
>「そこまでは言えませんや。」
>アルベルトの驚きの声に、ジゴマは愉しげな笑みを浮かべる。

この辺りは何となく、彼女の意向だけでなく、彼女の身の安全のために、
追求しない方が良い気がしますね。
どこに〃耳〃や〃目〃がいるか分かりませんし。

>「恐らくグレイシア様もそれを偶然託されなさったのでしょう。そして、どうやら途中で刺客に襲われなさったようで。まあ、偉く頑丈な御方のようでございますが、無理はいけませんのでね。やつがれが依頼を受けたのですよ。」

……そうですよね(^_^;)ドラ・スレ受けても、ピンピンしてますし(笑)
でも、ゼルは「まあ、アメリアの姉だし」とか思ってそうですね。

>「さっきの奴のことも考えるとまだまだいるわけだな・・・・・・」
>「そうでしょうな。やつがれもここにくるまでに一人、始末いたしましたが。貴方様の倒した土竜、そして先程の”死体蘇生者”ハーバード=ウェスト。まあ、恐らくは裏世界でも名だたる者が刺客として差し向けられているかも知れませんな。」

もう、これだけで事情を知らない者でも、十分大事らしいのが分かりますね。

>そのとき、ふとジゴマが窓の外へ目を向けた。
>それに気が付いたゼルガディスもそちらへ目を向けたが、外にはただ木々の枝が風に小さく揺れてるだけだった。
>しかし、唯一外に曝しているジゴマの口元は、ニヤリとした笑みを形作っていた。

……何やら気づいていますね、ジゴマさん。でも、それを話さない辺りは、やはり楽しみが優先なジゴマさんですね(^_^;)

>それを呼んでいた者が、やさしく頭を撫でた。
>「うふふ、2つとも王宮にあるのね。他の連中もついてるみたいだから、早いところ手に入れないとね。せっかくの報酬が少なくなっちゃうわ。」
>静かに笑うと、それに合わせるように怪鳥も「ルガァーーーッ!」と啼いた。

ジゴマさんが気が付いたもの、ですね。やはり〃目〃と〃耳〃がもういましたか。

>「勝手知ったる街並みだしな。ふふ、変わらんな。」
>懐かしそうに声を上げた。
>「人も変わっていない・・・・・ということかな?」
>コツコツと杖の音が静かに響いた。

セイルーンに到着したカーライルさん。彼はさっそく行動をはじめるのでしょうか。

>(こいつ・・・・・人間か・・・・・・・?)
>そんな疑問が頭をよぎる。
>だが、魔族というわけではなさそうだった。

さすがに微妙に違うのは、分かるんですね。

>「なら、何故この街に留まっていなさるんで?」
>その心の隙間を衝くように、ジゴマが言葉を投げた。
>「お気になさる方がいらっしゃるので?ましてや、あの刺客たちのこともございますし―――」
>「黙れ・・・・・・・」
>ギロリとジゴマを睨みつけた。
>「おお、怖。」
>そう言い、ジゴマがおどけるように肩を竦め、その場を退散した。

ジゴマさん……遊んでますね。気持ちは分かりますが(←待てこら)

>黙り込むゼルガディスの脳裏に一人の少女の姿が思い浮かぶ。
>(あいつのことだ。なにか無茶をしなけりゃいいが・・・・・)

ゼルとしては、どーしても気になりますよね。でも、自分がこれ以上、
ほいほい関われるようなことでもないだけに、かなりやきもきしているのでしょう。
複雑ですよね、本当に。

>青年はゼルガディスの顔色を覗うように、見つめていた。
>
>「あなたが手渡されたものをこちらにいただけませんでしょうか?」
>
>その瞬間、ゼルガディスはバンッとテーブルの対面へと飛び移り、剣の柄に手を掛けた。

……何故でしょう。丁度良いうっぷん晴らし、という感じに見えました(汗)
また、自分の所へ来た刺客をきっちり倒して減らせば、その分アメリアが
無事になる確率が高いとも思っていそうですし。

>「他の刺客のこと、喋ってもらうぞ。」
>「恨まないで下さいよ〜。おとなしくしてくれれば、楽に死ねたんですけど・・・・・」
>その前に――と言い、一冊の本を取り出した。
>「例のものの在り処をまず聞かせてもらいます。」
>本の表紙には『告げ口心臓』と書かれていた。

カシミールさんは、この態度で油断を誘うタイプなのでしょうか。
この本……タイトルからして、何やら厄介そうなですね。
また、他にどんな本を持っているのかな、と思いました。

>続きでした。
>雇われた刺客が次々と姿を現してきます。
>しばらくは刺客との戦いが続くと思います。
>それでは。

目立つせいもあるのか、刺客にあっさりと遭遇してしまったゼル。
何やらややこしい技を使うような相手に、どんな戦いをするのでしょうか。
それでは、今日はこの辺で失礼します。
続きを楽しみにしていますね。

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28957あんまりこういったことには関わりなさそうですしね棒太郎 2004/1/8 20:46:36
記事番号28938へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>今回は意外な御方の名前が出てきましたね。ふと、彼女の護衛をしている
>カラミティさんやクロックワークさんを想像して、どうなっているのだろうと
>思ってしまいました。

こんばんは、エモーションさん。
ジゴマの出演が決まったときに、彼が絡んでくるきっかけとして、セイルーンに縁の人物を出そうと思い、彼女の名前が出てきました。
しかし、彼女とジゴマの人形たちの光景って・・・・・異様でしょうね。


>>彼らの対面には、不思議そうにバルトロメオのもつ宝飾された小さなプレートを見つめるアメリアに、一歩離れてじっと全体の空気を探るように見つめているゼルガディス、そして愉しげな笑みを隠そうとしない黒子衣装のからくり師、ジゴマがいた。
>
>何だかこれだけでも、それぞれの性格が現れていますね。やはり楽しんでますね、ジゴマさん。

ジゴマはどこぞの方と同じで愉快犯、確信犯ですからね。

>>仕方ありませんや――と一つ息をついた。
>>
>>「やつがれにそれを託しなさったのは、グレイシア王女様でございますよ。」
>
>まさかここで彼女の名前が出てこようとは……。
>ジゴマさんは、言われなくても彼女の名前も素姓も知っていたのでしょうけれど、
>彼女は一応口止めしたのですね。

意外や意外、といったところですね。
ジゴマはもちろん正体を知ってたでしょうね。

>>「そこまでは言えませんや。」
>>アルベルトの驚きの声に、ジゴマは愉しげな笑みを浮かべる。
>
>この辺りは何となく、彼女の意向だけでなく、彼女の身の安全のために、
>追求しない方が良い気がしますね。
>どこに〃耳〃や〃目〃がいるか分かりませんし。

本人の意思の尊重というのもありますが、単にジゴマが面白がって教えないだけでもあります。

>>「恐らくグレイシア様もそれを偶然託されなさったのでしょう。そして、どうやら途中で刺客に襲われなさったようで。まあ、偉く頑丈な御方のようでございますが、無理はいけませんのでね。やつがれが依頼を受けたのですよ。」
>
>……そうですよね(^_^;)ドラ・スレ受けても、ピンピンしてますし(笑)
>でも、ゼルは「まあ、アメリアの姉だし」とか思ってそうですね。

まあ、ちょっとやそっとのことじゃどうってことないでしょうね。

>>「そうでしょうな。やつがれもここにくるまでに一人、始末いたしましたが。貴方様の倒した土竜、そして先程の”死体蘇生者”ハーバード=ウェスト。まあ、恐らくは裏世界でも名だたる者が刺客として差し向けられているかも知れませんな。」
>
>もう、これだけで事情を知らない者でも、十分大事らしいのが分かりますね。

プレート2枚に、それだけの面子が集っているのですから、端から見ても事態の度合いが測れますね。

>>それに気が付いたゼルガディスもそちらへ目を向けたが、外にはただ木々の枝が風に小さく揺れてるだけだった。
>>しかし、唯一外に曝しているジゴマの口元は、ニヤリとした笑みを形作っていた。
>
>……何やら気づいていますね、ジゴマさん。でも、それを話さない辺りは、やはり楽しみが優先なジゴマさんですね(^_^;)

そうです。やはり、愉快犯ですから。

>>「うふふ、2つとも王宮にあるのね。他の連中もついてるみたいだから、早いところ手に入れないとね。せっかくの報酬が少なくなっちゃうわ。」
>>静かに笑うと、それに合わせるように怪鳥も「ルガァーーーッ!」と啼いた。
>
>ジゴマさんが気が付いたもの、ですね。やはり〃目〃と〃耳〃がもういましたか。

そうです。ゴットフリートの雇った刺客の一人です。

>>「人も変わっていない・・・・・ということかな?」
>>コツコツと杖の音が静かに響いた。
>
>セイルーンに到着したカーライルさん。彼はさっそく行動をはじめるのでしょうか。

カーライルも動き出します。
これでまた、入り乱れてくることになりそうです。

>>(こいつ・・・・・人間か・・・・・・・?)
>>そんな疑問が頭をよぎる。
>>だが、魔族というわけではなさそうだった。
>
>さすがに微妙に違うのは、分かるんですね。

ゼロスとかを間近で見てますからね。

>>「お気になさる方がいらっしゃるので?ましてや、あの刺客たちのこともございますし―――」
>>「黙れ・・・・・・・」
>>ギロリとジゴマを睨みつけた。
>>「おお、怖。」
>>そう言い、ジゴマがおどけるように肩を竦め、その場を退散した。
>
>ジゴマさん……遊んでますね。気持ちは分かりますが(←待てこら)

やっぱり愉快犯ですから。

>>黙り込むゼルガディスの脳裏に一人の少女の姿が思い浮かぶ。
>>(あいつのことだ。なにか無茶をしなけりゃいいが・・・・・)
>
>ゼルとしては、どーしても気になりますよね。でも、自分がこれ以上、
>ほいほい関われるようなことでもないだけに、かなりやきもきしているのでしょう。
>複雑ですよね、本当に。

事態が事態だけに、一介の剣士が簡単に関われることではないですからね。

>>青年はゼルガディスの顔色を覗うように、見つめていた。
>>
>>「あなたが手渡されたものをこちらにいただけませんでしょうか?」
>>
>>その瞬間、ゼルガディスはバンッとテーブルの対面へと飛び移り、剣の柄に手を掛けた。
>
>……何故でしょう。丁度良いうっぷん晴らし、という感じに見えました(汗)
>また、自分の所へ来た刺客をきっちり倒して減らせば、その分アメリアが
>無事になる確率が高いとも思っていそうですし。

そうですね。雇われた刺客の人数など、色々と不明な情報を知る貴重な糸ですから。

>>その前に――と言い、一冊の本を取り出した。
>>「例のものの在り処をまず聞かせてもらいます。」
>>本の表紙には『告げ口心臓』と書かれていた。
>
>カシミールさんは、この態度で油断を誘うタイプなのでしょうか。
>この本……タイトルからして、何やら厄介そうなですね。
>また、他にどんな本を持っているのかな、と思いました。

彼の態度は演技ではなく、素です。
でも相手にしてみたら侮ってしまいますので。
『告げ口心臓』はエドガー・アラン・ポーの小説にあります。読んだことはありませんが・・・・・

>>続きでした。
>>雇われた刺客が次々と姿を現してきます。
>>しばらくは刺客との戦いが続くと思います。
>>それでは。
>
>目立つせいもあるのか、刺客にあっさりと遭遇してしまったゼル。
>何やらややこしい技を使うような相手に、どんな戦いをするのでしょうか。
>それでは、今日はこの辺で失礼します。
>続きを楽しみにしていますね。

やはり、ゼルは天性の巻き込まれ体質なんでしょうかね。
まだまだ後に控えているのがいろいろいるので、頑張ってもらいたいところです。
それでは、ありがとうございました。