◆−異邦の彼方より (5)−棒太郎 (2004/1/13 21:27:25) No.29001
 ┣やはり誰でも、連想されるのは愉快犯な人ですね。ジゴマさん。−エモーション (2004/1/14 21:40:05) No.29007
 ┃┗愉快犯な人は書いてて楽しくもあります−棒太郎 (2004/1/14 22:45:47) No.29012
 ┣異邦の彼方より (6)−棒太郎 (2004/1/14 21:50:00) No.29008
 ┣異邦の彼方より (7)−棒太郎 (2004/1/15 15:05:12) No.29017
 ┃┗ああっ!この人までっ?!−エモーション (2004/1/15 22:12:11) No.29024
 ┃ ┗この人まで出てしまいました−棒太郎 (2004/1/17 22:53:06) No.29048
 ┣異邦の彼方より (8)−棒太郎 (2004/1/19 12:29:30) No.29082
 ┃┣いろんな意味で大変ですね、ゼル……(汗)−エモーション (2004/1/19 22:13:48) No.29093
 ┃┃┗頑張れ〜〜♪負けんな〜〜〜♪−棒太郎 (2004/1/21 22:29:22) No.29120
 ┃┗Re:随分と出遅れちゃいました−オロシ・ハイドラント (2004/1/21 19:37:30) No.29115
 ┃ ┗お久しぶりです−棒太郎 (2004/1/21 22:43:04) No.29123
 ┗異邦の彼方より (9)−棒太郎 (2004/1/23 15:35:05) NEW No.29135
  ┗ゼル……苦労しますね(笑)−エモーション (2004/1/23 23:09:17) NEW No.29144
   ┗苦労人です(笑)−棒太郎 (2004/1/24 23:26:57) NEW No.29168


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29001異邦の彼方より (5)棒太郎 2004/1/13 21:27:25


こんばんは、棒太郎です。
正月は2日から働いて疲れました。
3が日くらいは休んで欲しいものです。
それではどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (5)



 ―――人間はどいつもこいつも深い淵だ。のぞくとめまいがする―――
  
   ビューヒナー『ヴォイツェック』




「まずはアレの在り処を訊かせて貰いますよ。」
そう言い、カシミールは手元に一冊の本を取り出した。
古式然とした装丁のされた表紙には、『告げ口心臓(テル・テール・ハート)』と題されていた。
ゼルガディスが剣を閃かせるより少し早く、その本が開いた。
「ぐっ!?」
奇妙な圧迫感が全身を包んだ。
胸を何かに押さえ込まれるような感じだった。
「あんまり暴れないで下さいよ〜〜。でないと余計苦しむことになりますから〜。」
申し訳なさそうなカシミールの声がした。
その声に顔を向けたゼルガディスの顔に、驚きが走った。
カシミールが両手に乗せるように開いてる本の上に、赤く脈打つ心臓があった。
「くっ!」
「わ、わわ!」
ゼルガディスが剣を振るおうとすると、カシミールは慌てて心臓に向かってギュッと力を込めた。
「うぐっ!?」
苦痛がゼルガディスを襲った。
「だから言ったのに・・・・・・・」
ハァッと息をつくと、カシミールは心臓に向かって話しかけた。
「さて、貴方が預かったものは今どこにありますか?」
その言葉に応えるように、心臓がドクンドクンと大きく小さく脈打ち始めた。
『セ・・イル・・・・・ン・・・・・・王宮・・・・・・・・・・』
「な、なに!?」
心臓の脈打つ音が、一つの声となった。
ゼルガディスは驚きながらも、これ以上情報がカシミールに渡らないよう、再び剣に手をかけた。
「だから、おとなしくしててくださいよ〜〜〜。」
そう言い、また力を込めようとしたとき、カシミールはウッと声を上げて、本を床に落とした。
「っ!?」
驚きの色を浮かべるゼルガディスとカシミールの横手に、黒い絢爛なドレスを着た女性がフワリと足をついた。
その右手には長身のレイピアが握られていた。
「あ、貴女は―――!?」
カシミールが驚愕の声を上げたとき、
「ゼルガディス様、ご無事で?」
いつの間にかゼルガディスの横に、黒子衣装の男――ジゴマが立っていた。
カシミールは右肩を押さえ、新たに現れた二人を見ていたが、すぐさま韋駄天もかくやというように、一目散に走り去っていった。
それを見ながらジゴマは背に背負った櫃を下ろした。
蓋が開き、先程の女性が近づいてきて中を覗き込むように顔を近づけると、そのままその中へと吸い込まれるように消えていった。
ゼルガディスはその光景をなにか怪しいものを見たかのように見つめていた。
どう見ても、人がすっぽりと入るとは思えなかった。
「危ないところでございましたね、ゼルガディス様。」
ニッと笑いながらジゴマが振り向いた。
「しかし、あの男が”図書館司書”のカシミールですか。なんとも面白い技を使う――――」
「・・・・・・一応礼は言っておく。」
「これはこれは。しかし、なにかご不満でも?」
「お前を見てるとある男を思い出すんでな・・・・・・」
ゼルガディスの脳裏に黒の神官服を着た男の顔が浮かぶ。
「その様子ですと、その御方、あまりよくは思われてないようですな。」
さして気にするでもなく、ジゴマは笑った。




「ふむ、追手も既に到着しているのか。」
酒場の隅で杯を傾けながら、カーライルは呟いた。
「王室の連中もそろそろ気が付いてくるかな?どの道もはや全面戦争は避けられないか。」
グイッと杯を呷った。
「出る杭は完全に打ち潰す――か。ふん、奴らの常套手段だ。」
吐き出すように呟くと、カーライルは席を立った。
入り口近くの席では、ガラの悪そうな酔っ払いたちが女性の店員に絡んでいた。
無理矢理手篭めにしようといった感じの、タチの悪いものだった。
カーライルがスッとその横を通り過ぎた。
キンと小さく金属の鳴るような音が聞こえたような気がし、店員の腕を無理矢理掴んでいた酔っ払いの一人の腕が綺麗な切り口を見せて床に落ちた。
酔っ払いが絶叫を上げたときには、カーライルの姿は路地の向こうへと消えていた。

その少し後に、「ツィ、ツィ、ツィ、ツィ」と何かの鳴き声のようなものが夜気に混じって聞こえてきた。




セイルーンの王宮の一室は、異様な沈黙に包まれていた。
「それは・・・・・・本当なのか?」
どこかやりきれない表情で言葉をつむいだのは、フィリオルネ王子だった。
「はい・・・・・・恐らくは・・・・・」
バルトロメオが静かに応えた。
「王子・・・・・もはや猶予はありませんぞ・・・・・」
「しかし・・・・・・・アーデンハイル卿が・・・・・・・」
「お気持ちお察しします・・・・・・」
フィリオルネ、バルトロメオ、そしてアルベルトが囲む机には、あの2枚のプレートが置かれていた。
「既に私の部下も何人か未帰還となっております。やはり、アーデンハイル卿に叛意があるやも知れません。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
アルベルトの言葉に、考え込むように沈黙する。
そのとき、コンコンと小さく部屋のドアをノックする音が聞こえた。
「?何だ?」
そして、「失礼します」と一人の侍女が入ってきた。
「どうした?」
「あの―――――」
そう言いかけたとき、突然侍女は大きく跳躍した。
「なっ!?」
そして、机の上のプレートを掴み、再び跳躍した。
「キサマッ!」
アルベルトの剣が閃き、片腕が落ちた。
だが、侍女は怯むことなくもう片方の手にプレートの一枚を掴んだまま、窓を突き破り、外へ消えていった。




*************************************

続きでした。
なかなか思うように進みませんな。
長くなりすぎて、序文の引用文のストックが足りるかどうかが心配です。
それでは、また次回。

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29007やはり誰でも、連想されるのは愉快犯な人ですね。ジゴマさん。エモーション E-mail 2004/1/14 21:40:05
記事番号29001へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

>こんばんは、棒太郎です。
>正月は2日から働いて疲れました。
>3が日くらいは休んで欲しいものです。
>それではどうぞ。

お疲れさまです(汗)本当に、三が日くらいは労働側を休ませればいいのに。
お盆は割とずらせるけれど、年末年始は全世界共通なんですから。

今回で展開が動き出しましたね。関わってくる相手が、あのような厄介な代物を
使うと分かって、ゼルは……やっぱり動くのでしょうね。(^.^)


>奇妙な圧迫感が全身を包んだ。
>胸を何かに押さえ込まれるような感じだった。
>「あんまり暴れないで下さいよ〜〜。でないと余計苦しむことになりますから〜。」
>申し訳なさそうなカシミールの声がした。
>その声に顔を向けたゼルガディスの顔に、驚きが走った。
>カシミールが両手に乗せるように開いてる本の上に、赤く脈打つ心臓があった。

何だか凄くシュールですね……。本を向けた相手の心臓を写し取って、
ついでに影響も与えることが出来る、というところでしょうか。

>「さて、貴方が預かったものは今どこにありますか?」
>その言葉に応えるように、心臓がドクンドクンと大きく小さく脈打ち始めた。
>『セ・・イル・・・・・ン・・・・・・王宮・・・・・・・・・・』
>「な、なに!?」
>心臓の脈打つ音が、一つの声となった。
>ゼルガディスは驚きながらも、これ以上情報がカシミールに渡らないよう、再び剣に手をかけた。

自分の意思とは無関係に、問いかけに答えちゃうのですね。驚きつつも、すぐに
気づいて妨害しようとするゼル……。さすがです。
一瞬、ここで「アメリア姫をどう思っていますか?」と聞いたら、違う意味で
ゼルのダメージが精神的に倍増かも(笑)と悪魔な事を思ってしまいました。

>驚きの色を浮かべるゼルガディスとカシミールの横手に、黒い絢爛なドレスを着た女性がフワリと足をついた。
>その右手には長身のレイピアが握られていた。

ベル・ベージュさんですね♪ カシミールさんが驚いていましたが、以前にも
会ったことがあるのでしょうか。ジゴマさんとは初対面のようですが。

>それを見ながらジゴマは背に背負った櫃を下ろした。
>蓋が開き、先程の女性が近づいてきて中を覗き込むように顔を近づけると、そのままその中へと吸い込まれるように消えていった。
>ゼルガディスはその光景をなにか怪しいものを見たかのように見つめていた。
>どう見ても、人がすっぽりと入るとは思えなかった。

誰がどう見ても、不思議ですからね。この様子は。の○太の机の引き出し(笑)に
人が入っていくのを、初めてみたような気分なのかもしれないですね。
面白いとか、不思議と思うか、気持ち悪いと思うかは、それぞれでしょうけれど。

>「・・・・・・一応礼は言っておく。」
>「これはこれは。しかし、なにかご不満でも?」
>「お前を見てるとある男を思い出すんでな・・・・・・」
>ゼルガディスの脳裏に黒の神官服を着た男の顔が浮かぶ。

ダルフィン様はナイの方でしたが、ゼルはやはりゼロスを連想しますよね。
「敵じゃないけれど、味方でもない」辺りが余計に。

キンと小さく金属の鳴るような音が聞こえたような気がし、店員の腕を無理矢理掴んでいた酔っ払いの一人の腕が綺麗な切り口を見せて床に落ちた。
>酔っ払いが絶叫を上げたときには、カーライルの姿は路地の向こうへと消えていた。

カーライルさん……さりげに凄いことをしますね。この手の人間は、嫌いなんですね。

>その少し後に、「ツィ、ツィ、ツィ、ツィ」と何かの鳴き声のようなものが夜気に混じって聞こえてきた。

鳥(?)を使っていたのはカーライルさんだったのでしょうか。
それともこの鳥は、ゴットフリードさんの手の者との連絡用でしょうか。

>「しかし・・・・・・・アーデンハイル卿が・・・・・・・」
>「お気持ちお察しします・・・・・・」
>フィリオルネ、バルトロメオ、そしてアルベルトが囲む机には、あの2枚のプレートが置かれていた。
>「既に私の部下も何人か未帰還となっております。やはり、アーデンハイル卿に叛意があるやも知れません。」

さすがに時期国王(いい加減、禅譲すればいいのにと思いますが)だけあって、
フィルさんは知っているんですね。でも、基本的に良い人で、争いごとを
好まないフィルさんとしては、そうしなくてはならないことがあると、
分かっていても、できるだけ手荒な手段は取りたくないのでしょうね。

>そう言いかけたとき、突然侍女は大きく跳躍した。
>「なっ!?」
>そして、机の上のプレートを掴み、再び跳躍した。
>「キサマッ!」
>アルベルトの剣が閃き、片腕が落ちた。
>だが、侍女は怯むことなくもう片方の手にプレートの一枚を掴んだまま、窓を突き破り、外へ消えていった。

いきなり、ですね。この侍女さんは入り込んだ追っ手なのか、元からゴットフリードさんが
王宮に入れていた者なのか。何にせよ、片腕を切られても怯まずに、
命令を遂行するのが凄いです。

>続きでした。
>なかなか思うように進みませんな。
>長くなりすぎて、序文の引用文のストックが足りるかどうかが心配です。
>それでは、また次回。

一つプレートが奪われて(奪い返されて?)、話が動き出しましたね。
ここからゼルは、どうやって関わっていくのかなと思っています。
話は本当に……進むときは一気に進むのですけれどね……(^_^;)
心理面や状況が複雑だと、やはりその辺りでどうしても「どこまでネタを伏せて書くか」や、
「このキャラの心理をどう表現したらいいのか」で考えてしまいますから。
引用文……これはもう自分の読書レベルが出てしまいますよね。
また、合うのを見つけるのが大変ですし。
こちらは今日、思いっきり雪が降りました。15cmは積もったと思います。
暖冬とは言いますが、もしかしたらこの時期から急に普段通りになるのかもしれないですね。
風邪などにご注意してくださいませ。
それでは、今日はこの辺で失礼します。

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29012愉快犯な人は書いてて楽しくもあります棒太郎 2004/1/14 22:45:47
記事番号29007へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。

>お疲れさまです(汗)本当に、三が日くらいは労働側を休ませればいいのに。
>お盆は割とずらせるけれど、年末年始は全世界共通なんですから。
>
>今回で展開が動き出しましたね。関わってくる相手が、あのような厄介な代物を
>使うと分かって、ゼルは……やっぱり動くのでしょうね。(^.^)

こんばんは、エモーションさん。
本当に疲れました。年始から8連勤でした・・・・・・・
最近はほんと風情というか、情緒というものが薄れてますよ。
物語はようやく導入から展開が動き出してきました。
しばらくは刺客とのバトルが続くと思いますが。


>>その声に顔を向けたゼルガディスの顔に、驚きが走った。
>>カシミールが両手に乗せるように開いてる本の上に、赤く脈打つ心臓があった。
>
>何だか凄くシュールですね……。本を向けた相手の心臓を写し取って、
>ついでに影響も与えることが出来る、というところでしょうか。

そんな感じです。
そうして尋問したり、拷問したりします。

>>『セ・・イル・・・・・ン・・・・・・王宮・・・・・・・・・・』
>>「な、なに!?」
>>心臓の脈打つ音が、一つの声となった。
>>ゼルガディスは驚きながらも、これ以上情報がカシミールに渡らないよう、再び剣に手をかけた。
>
>自分の意思とは無関係に、問いかけに答えちゃうのですね。驚きつつも、すぐに
>気づいて妨害しようとするゼル……。さすがです。
>一瞬、ここで「アメリア姫をどう思っていますか?」と聞いたら、違う意味で
>ゼルのダメージが精神的に倍増かも(笑)と悪魔な事を思ってしまいました。

心臓から情報を聞きだせるものですので。
精神攻撃としては、その質問はいいかもしれませんね(笑)

>>驚きの色を浮かべるゼルガディスとカシミールの横手に、黒い絢爛なドレスを着た女性がフワリと足をついた。
>>その右手には長身のレイピアが握られていた。
>
>ベル・ベージュさんですね♪ カシミールさんが驚いていましたが、以前にも
>会ったことがあるのでしょうか。ジゴマさんとは初対面のようですが。

はい、彼女です。
カシミールは突然の乱入者に驚いてます。彼らとは初対面です。

>>それを見ながらジゴマは背に背負った櫃を下ろした。
>>蓋が開き、先程の女性が近づいてきて中を覗き込むように顔を近づけると、そのままその中へと吸い込まれるように消えていった。
>>ゼルガディスはその光景をなにか怪しいものを見たかのように見つめていた。
>>どう見ても、人がすっぽりと入るとは思えなかった。
>
>誰がどう見ても、不思議ですからね。この様子は。の○太の机の引き出し(笑)に
>人が入っていくのを、初めてみたような気分なのかもしれないですね。
>面白いとか、不思議と思うか、気持ち悪いと思うかは、それぞれでしょうけれど。

確かに不思議なものです。
こんなの実際見たら誰でも驚きますね。

>>「お前を見てるとある男を思い出すんでな・・・・・・」
>>ゼルガディスの脳裏に黒の神官服を着た男の顔が浮かぶ。
>
>ダルフィン様はナイの方でしたが、ゼルはやはりゼロスを連想しますよね。
>「敵じゃないけれど、味方でもない」辺りが余計に。

関わったキャラによって、思い浮べるのは違うでしょうけど。
共通するのはやはり”愉快犯”です。

>キンと小さく金属の鳴るような音が聞こえたような気がし、店員の腕を無理矢理掴んでいた酔っ払いの一人の腕が綺麗な切り口を見せて床に落ちた。
>>酔っ払いが絶叫を上げたときには、カーライルの姿は路地の向こうへと消えていた。
>
>カーライルさん……さりげに凄いことをしますね。この手の人間は、嫌いなんですね。

そうですね。多少八つ当たりの部分もありますが・・・・・・

>>その少し後に、「ツィ、ツィ、ツィ、ツィ」と何かの鳴き声のようなものが夜気に混じって聞こえてきた。
>
>鳥(?)を使っていたのはカーライルさんだったのでしょうか。
>それともこの鳥は、ゴットフリードさんの手の者との連絡用でしょうか。

この鳥の主は次で出てきます。

>>「しかし・・・・・・・アーデンハイル卿が・・・・・・・」
>>「お気持ちお察しします・・・・・・」
>>フィリオルネ、バルトロメオ、そしてアルベルトが囲む机には、あの2枚のプレートが置かれていた。
>>「既に私の部下も何人か未帰還となっております。やはり、アーデンハイル卿に叛意があるやも知れません。」
>
>さすがに時期国王(いい加減、禅譲すればいいのにと思いますが)だけあって、
>フィルさんは知っているんですね。でも、基本的に良い人で、争いごとを
>好まないフィルさんとしては、そうしなくてはならないことがあると、
>分かっていても、できるだけ手荒な手段は取りたくないのでしょうね。

一応王家の事情は知っています。
ただまだ信じられないという気持ちが強いです。

>>アルベルトの剣が閃き、片腕が落ちた。
>>だが、侍女は怯むことなくもう片方の手にプレートの一枚を掴んだまま、窓を突き破り、外へ消えていった。
>
>いきなり、ですね。この侍女さんは入り込んだ追っ手なのか、元からゴットフリードさんが
>王宮に入れていた者なのか。何にせよ、片腕を切られても怯まずに、
>命令を遂行するのが凄いです。

これも次でわかりますが、刺客の放ったものです。

>>続きでした。
>>なかなか思うように進みませんな。
>>長くなりすぎて、序文の引用文のストックが足りるかどうかが心配です。
>>それでは、また次回。
>
>一つプレートが奪われて(奪い返されて?)、話が動き出しましたね。
>ここからゼルは、どうやって関わっていくのかなと思っています。
>話は本当に……進むときは一気に進むのですけれどね……(^_^;)
>心理面や状況が複雑だと、やはりその辺りでどうしても「どこまでネタを伏せて書くか」や、
>「このキャラの心理をどう表現したらいいのか」で考えてしまいますから。
>引用文……これはもう自分の読書レベルが出てしまいますよね。
>また、合うのを見つけるのが大変ですし。

ようやっとエンジンが回転し始めてきた感じです。
わたしの話は、進むときは一気に進み、進まないときはなかなか進まないといったものですので・・・・・・

>こちらは今日、思いっきり雪が降りました。15cmは積もったと思います。
>暖冬とは言いますが、もしかしたらこの時期から急に普段通りになるのかもしれないですね。
>風邪などにご注意してくださいませ。
>それでは、今日はこの辺で失礼します。

最近急に寒くなってきましたよね。
でもこの寒さが本来の寒さなのかもしれませんね。
でも寒いの苦手だからどっちにしろ堪りません。炬燵でゴロゴロします。
それではどうもありがとうございました。

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29008異邦の彼方より (6)棒太郎 2004/1/14 21:50:00
記事番号29001へのコメント

こんばんは、棒太郎です。
まだ刺客の顔見せのような状態が続いてますが、よければお付き合いください。
それではどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (6)


 ―――正義を口にする連中が、結局いちばん気違いじみた連中に思えるね!―――

   セリーヌ『夜の果ての旅』




少し前に遡る――

フィリオルネ、バルトロメオ、アルベルトが話し合う部屋に、そっと聞き耳を立てる人影がいた。
『アーデンハイル卿に叛意の疑いがあると思われるかもしれません。』
(そんな―――――)
アルベルトの声に、その人影―――アメリアは心の中で絶句した。
(どうして、ゴットフリードさんが――――)
信じられないという思いが沸き起こってくる。
ゴットフリードの領地がセイルーンの端のほうであり、また彼自身も主だった行事以外は、王宮にやってくることもあまりないため、そう多く会った事はないが、アメリア自身、彼は素晴らしい人間だと思っている。
2,3度、彼の領地へ赴いたことがあったが、領民の誰からも敬愛されていた。
民のことを常に考え、決して権力をかさに振るうことはないと皆が口を揃えてそう言っていた。
アメリアもゴットフリードと会って、彼の人間性に感動した。領主としての理想の姿だと思ったものだった。
そしていつも見せていたやさしい目が、よりアメリアを困惑させた。
(どうして―――――)
再び、そう思ったとき、誰かがやって来る気配がしたので、慌てて別のところへ隠れた。
やってきたのは一人の侍女だった。
侍女が部屋の中へ入ってすぐ、
『キサマッ!?』
怒号が聞こえ、ガラスの割れる音がした。


「どうだ。見つかったか?」
バルトロメオが帰ってきたアルベルトに尋ねた。
「はい・・・・・・中庭のところで倒れておりました。しかし、プレートは・・・・・・」
「なんということだ・・・・・」
バルトロメオが苦々しげに呟いた。
「それとひとつおかしなことが・・・・・・」
「なんだ?」
「あの侍女なのですが・・・・・・・調べたところどうやら死後3時間以上は経っているようなのです。」
「なんだと・・・?」
あの騒ぎから10数分ほどしか経っていない。
「我々のところにやって来たときはすでに死んでいた、ということになります。」
「馬鹿な・・・・・・」
そう呟いて、ふと何かを思い出した。
あの怪しげな黒子衣装の男が言っていた名前を――――




「ふふふ、とりあえず片方は手に入れられたか。」
ニッと笑いながら白衣を身に着けたメガネの男――ハーバード=ウェストはプレートを見やった。
「案外他愛もないものだ。あともう一つも簡単に手に入れられそうだな。」
笑って、プレートを眺めていたハーバード=ウェストだが、突如その顔が驚きに包まれた。
「な、なにっ!?」
手にしていたプレートがただの板切れになっていた。
その表面にはご丁寧に”ハズレ”の文字が記されていた。
「くそっ!!」
ハーバード=ウェストは板切れを思いっきり地面に叩きつけた。



「さぁて、それじゃぁ王宮のほうに参りましょうか。」
「なんだと?」
ジゴマの言葉に、ゼルガディスは訝しげに問うた。
「いやいや。どうやら蜜に群がる虫どもが集まったようで。どうも一騒ぎあったようでございますよ。」
唯一見えている口が、ニィッと笑った。
そして懐からあるものを取り出した。
「それにこいつもお渡ししないといけませんでしょうからね。」
「な!?それはっ!?」
ジゴマが懐から取り出したものは、あのプレートだった。
「馬鹿な・・・・・あのとき渡したのは確かに・・・・・・」
「やつがれはからくり師で。」
愉しそうにそう言うと、それを懐に戻し、揚々と歩き出した。
ハッと我に返ったゼルガディスも、ジゴマの後を追っていく。
そのとき――

「あら、丁度よかった♪」

路地の向こうから女の声が聞こえてきた。
「棚ぼた、棚ぼた。一応貴方達のことも見張っていて正解だったのね。」
そう言いながら、フレアスカートを翻し、清楚な感じの少女が現れた。
年のころは17,8歳ほどか。左腕に大きなバスケットケースをぶら下げていた。
「先を越されちゃったと思ったけど。下手したら偽物掴まされるところだったわ。」
「・・・・・・お前も刺客の一人か・・・・」
ゼルガディスが剣に手をかけた。
ジゴマはただ愉しそうに立っているだけだった。
「うふふ。私はエルマっていうの。よろしくね♪」
そう言うや、エルマは鉤状に曲げた指を咥え、ピーーッ!と高く指笛を吹いた。
「!?」
ゼルガディスたちの頭上に何かの影がかかった。
咄嗟に剣を振るうや、ソレはルガーーッ!と啼いた。
ギラギラと光る目に、猛禽類のような嘴、大きな翼に三本足の鋭い爪を持った大鳥だった。
「ちっ、フレア・アロー!!」
襲い掛かる炎の矢に、怪鳥は大きく上昇した。
「あら、結構やるのね。」
エルマはにっこり笑ってそう言うと、息を吸い込んだ。
「〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜」
薄く開いた口から、鳴き声ともなんとも形容しがたい音が響いた。
するとその音に応えるように、バスケットケースからズルリと何かが姿を現そうとした。
二股に分かれた赤い舌をちらつかせまがら、背にのこぎり状のとげの生えた首の長いトカゲ状の生き物だった。
体長はゆうに5メートルはあろうかというものだった。
「なっ!?」
ゼルガディスは驚きの声を上げた。ジゴマの背負った櫃並みに不可思議なバスケットケースだった。
シャーッと声を上げるや、オオトカゲは素早い動きで襲い掛かった。
「くっ!」
かろうじて飛び退いてかわすゼルガディス。
「ジゴマッ!お前も―――」
横のジゴマに声をかけようとしたとき、

『ゼルガディス様、お先に失礼します』

ジゴマの姿はなく、そう書かれた紙を、人形が高々と掲示していた。
「あ、あのヤローーーッ!!」
ゼルガディスの怒号が夜の闇に響いた。



*************************************

ゼルガディス、相変わらずの受難でした。
これからもまだまだ控えているので頑張っていって欲しいものです。
それではまた次回。

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29017異邦の彼方より (7)棒太郎 2004/1/15 15:05:12
記事番号29001へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
此処最近、急に寒くなってきて堪らないです。
早く張るが来て欲しい・・・・・・
それではどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (7)



セイルーン王宮の中庭は、にわかに騒がしくなった。
例の部屋の窓の下から少し行ったところに、侍女の死体が倒れていた。
両足は見事にグチャグチャになっていたが、それでもここまでやってきたことは驚きだった。
「しかし、おかしいな。」
「なにがだ?」
「彼女、調べてみたらどうも死んでから3時間以上は経っているようなんだ。」
「おい、まさか死体が歩いたっていうのか?それにここは白魔術都市だぞ。生半可な死霊術は効かないぞ。」
「だから、首を捻ってるのさ。」
その兵士たちの会話を、物陰からアメリアはこっそりと聞いていた。
(もしかして、ゼルガディスさんと会った―――)
あの白衣の男――ハーバード=ウェストを思い出した。
刺客がここまでやって来た――そう思うと、彼女は城下町へ向かおうと走り出した。
(ゼルガディスさんに知らせないと!)
まだ、セイルーンシティにいる――何故かそう確信していた。
兵士が中庭の騒ぎに気を取られている隙に、アメリアはこっそりと城門を抜け、街へ向かって走った。
そのとき、
「っ!?」
なにかがアメリアに襲い掛かってきた。咄嗟に飛び退き、避けた。
「奴らと一緒にいた少女か。これは丁度いい。」
声が聞こえ、白衣をたなびかせ、ハーバード=ウェストが姿を現した。
「貴方ですね!?あのような惨いことをしたのは!このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが天に代わって正義の裁きを下します!!」
「なっ!?ア、アメリアだと!?」
アメリアの名を聞き、ハーバード=ウェストは驚きの声を上げた。
「ふ、ふはは、はははは!ならますます運がいい!お前を使えば、ブツを手に入れることなど容易いことだ!」
そう言うや、ハーバード=ウェストの合図と共に、側にいた死人たちがアメリアに襲い掛かった。
ハーバード=ウェストをネクロマンサーと見たアメリアは、浄化の呪文を唱える。
だが――
「え!?」
浄化の呪文などもろともせず、死人は両横からアメリアの腕をねじり上げ、組み伏せた。
「そんな―――!?」
「あのとき言わなかったか?俺の技はそんなチンケなものじゃないと?」
ハーバード=ウェストはニヤリと笑った。
「普通の死霊術なら効いただろうがな。俺の技は死者の魂を喚び出して操るのではなく、擬似霊魂とでも言えばいいかな?人工的に肉体に宿るものを創り出して操るのさ。別に死んでいる者の魂じゃないから、浄化の呪文など効きはしないさ。」
そう言いながら、短剣を手に取り、アメリアの側へと近づいてきた。
「さて、とりあえずは死んで貰うぞ。その後で一働きしてもらおう。」
刃がアメリアの胸へと突き立てられた。そしてアメリアの口を塞いだ。
(ゼルガディスさんっ!!)
アメリアは心の中でゼルガディスの名を叫び、ギュッと目を瞑った。
「――――っ!?」
そのとき、ハーバード=ウェストの全身が大きく痙攣するのを感じた。


「ィシャァーーーッ!」
断末魔の叫びを上げて、オオトカゲはズンと地面に倒れた。
少し息を荒げながら、ゼルガディスはエルマに向かって剣を構えた。
ところどころ服は裂け、いくらか傷を負っている。
それでも瞳は衰えぬ光を宿していた。
「そんな・・・・私の護衛獣(ガーディアン・ビースト)をたった一人で倒すなんて・・・・・・・」
信じられないという表情で、エルマはその光景を見ていた。
「あまり手荒な真似はしたくない・・・・・・おとなしくしてもらおうか?」
静かにゼルガディスが言った。
「なめないでちょうだい!まだこれからよ!」
そう叫ぶや、「リリリリリリィ」と喉を鳴らすような音をあげた。
「させるかっ!」
バスケットケースから再び何かがでようとしたが、それより早くゼルガディスはエルマに向かって行った。
「!?」
ゼルガディスの剣がエルマに届こうとする寸前、横合いから別の輝きが走り、火花を上げつつ絡み合った。
「悪いがやらせるわけにはいかないのでね。」
一人の男が立っていた。
「あ、あなたは・・・・?」
「雇い主から聞いているだろう?わたしがそうだ。」
チラッとエルマに顔を向け、そう言った。
「お前達には第一にやって貰うことがある。とりあえず此処は引き受けよう。」
「・・・・・・・」
男の言葉に、エルマは憮然とした表情をしながら姿を消した。
「お前も刺客のひとりか・・・・・・?」
「正確には少し違うがな・・・・・・」
そうしてゼルガディスは男の顔を改めて見た。
「目が・・・・・・?」
ゼルガディスの言葉に、男――カーライルはニッと笑った。


ハーバードウェストが離れるのを感じて、アメリアは目を開けた。
こちらを向いているハーバード=ウェストの背は、右の首元近くから背骨の中央にかけて切り裂かれていた。
「血が出ぬように斬った。」
ハーバード=ウェストの前に立つ人影がそう言った。
ゼルガディスかとアメリアは思ったが、黒塗りの菅笠を目深に被った青年だった。
その右手には、細身の片刃の剣が握られていた。言葉どおり、血は付着していなかった。
恐るべき腕の冴えであった。
「大人しくしていれば、一生口を開くことはあるまい。だが、派手に動くと裂けるぞ。」
「貴様・・・・・・何者だ?」
ハーバード=ウェストが怯えたように訊いた。
青年は小さく笑った。
「一太刀で殺さなかったわけがわかるか?―――雇われた刺客の数とその名、すべて白状してもらおうか?」
ハーバード=ウェストは答えず、激しい炎を燃やすような瞳で睨みつけていた。
「プレートはどこにある?」
「私を倒したら教えてやろう。」
その直後、死人たちが青年に襲い掛かった。
だが、銀光が走ったかと思うと、次の瞬間にはことごとく頭を割られたり、首をはねられたりしていた。
「どうだ。喋るか、ここで死ぬか?」
ハーバード=ウェストの体が後方へ飛び、アメリアの傍らへ着地するや、アメリアの体を引き寄せ、その喉元に短剣の切っ先を突きつけた。
だが、青年は澄んだような笑みを見せた。
「大人しく生きていけと言ったが。」
その次の瞬間、ハーバード=ウェストの背中から大きく鮮血が噴き上げた。
「うおおっ!?」
のけぞるハーバード=ウェストに向かって、青年が空中を滑るように跳んだ。
そして飛来した刃が、ハーバード=ウェストの首筋を断った。
地面にのたうつハーバード=ウェストに青年が近づき、その片足がハーバード=ウェストの頚骨を踏み砕くまで、アメリアは目を閉じることも出来ずに見届けるほかなかった。
青年がこちらを振り向いた時、アメリアは次は自分の番かと思った。それほどに冷たい空気を感じさせた。
だが――

「ご苦労様、リュウゼンさん。」

青年の近くにいつのまにか黒子衣装の男が現れた。
確かジゴマと言ったか―――アメリアはその名を思い出した
青年はジゴマのほうを向き直り、一礼した。
「さ、ひと休みし――――」
その途中、ジゴマの体を光が薙いでいった。
頭を下げたままで、青年が抜き打ちの一刀を放ったのであった。
刀身はすでに鞘に戻っていた。
アメリアは、ジゴマの上体が腰からずれたような感じがして目を見開いた。
「やれやれ、仕様がねえな。」
ジゴマは苦笑しながら両手を腰に当てた。ヨッと少し力を入れると、ずれた感じはなくなった。
「あんまり精巧にこしらえるのも考えもんだ。出来る奴を見ると斬りたくなる――――もとの癖まで同じときてやがる。」
そう言って、背中の櫃を下ろし、蓋を開けると、青年は頭から中へと潜り込み、すっぽりと全身がその中へ入っていった。
蓋をして櫃を背負うと、ジゴマはアメリアに顔を向けた。
ジゴマの衣装は腰の部分で二つに裂けていたが、アメリアには理解できなかった。
そしてそれをやった人物がかつて、旅の仲間であったリナの姉――スィーフィード・ナイトである――ルナ=インバースと互角の勝負を繰り広げた男と瓜二つなことなど知る由もなかった。



*************************************
続きでした。
実は後半のアメリアのシーン、この話の中で特に書きたかったもののひとつだったりします。
ようやく出せて嬉しいです。刺客も一人減ったし。
まだまだゼルの受難は続きますが(笑)
それではまた次回。

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29024ああっ!この人までっ?!エモーション E-mail 2004/1/15 22:12:11
記事番号29017へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

続きが2話もっ!
そして、本当に寒くなりましたよね。雪もちらほらと降ってますし。
スキー場は見事なパウダースノーなので、喜んでますが。
ゼルの受難とアメリア危機一髪。とりあえず一息ついたとは言え……
ゼルの受難は続くのですね(笑)


>ゴットフリードの領地がセイルーンの端のほうであり、また彼自身も主だった行事以外は、王宮にやってくることもあまりないため、そう多く会った事はないが、アメリア自身、彼は素晴らしい人間だと思っている。
>2,3度、彼の領地へ赴いたことがあったが、領民の誰からも敬愛されていた。
>民のことを常に考え、決して権力をかさに振るうことはないと皆が口を揃えてそう言っていた。
>アメリアもゴットフリードと会って、彼の人間性に感動した。領主としての理想の姿だと思ったものだった。
>そしていつも見せていたやさしい目が、よりアメリアを困惑させた。

アメリアは心配で、思わず立ち聞きしてしまったのですね。
領主としての姿は間違いのないものですし、人柄も確かなので、何も知らない
アメリアとしては、本当に信じられないのですね。

>「ふふふ、とりあえず片方は手に入れられたか。」
>ニッと笑いながら白衣を身に着けたメガネの男――ハーバード=ウェストはプレートを見やった。
>「案外他愛もないものだ。あともう一つも簡単に手に入れられそうだな。」
笑って、プレートを眺めていたハーバード=ウェストだが、突如その顔が驚きに包まれた。
>「な、なにっ!?」
>手にしていたプレートがただの板切れになっていた。
>その表面にはご丁寧に”ハズレ”の文字が記されていた。

あの侍女さんは、この人に操られていたんですね。その為に殺されたのですか……。
そして、この〃ハズレ〃は面白かったです。ジゴマさんだなとすぐ分かりますね(笑)
自分がやられたら腹立つと思いますが、これは純粋にざまを見ろと思いました。

>「棚ぼた、棚ぼた。一応貴方達のことも見張っていて正解だったのね。」
>そう言いながら、フレアスカートを翻し、清楚な感じの少女が現れた。
>年のころは17,8歳ほどか。左腕に大きなバスケットケースをぶら下げていた。

新たな刺客……。普通に会ったのなら、ゼルが親切にするタイプ(笑)ですね。
敵だと分かっているし、その辺りは割り切ると言っても、あまり戦いたくないでしょうね。

>ゼルガディスたちの頭上に何かの影がかかった。
>咄嗟に剣を振るうや、ソレはルガーーッ!と啼いた。
>ギラギラと光る目に、猛禽類のような嘴、大きな翼に三本足の鋭い爪を持った大鳥だった。

鳥さんの飼い主ですね。……でもどーゆー鳥なのでしょう……。
年末の、ルナが捌いた御歳暮のガチョウ(笑)と同じくらい謎ですね。

>薄く開いた口から、鳴き声ともなんとも形容しがたい音が響いた。
>するとその音に応えるように、バスケットケースからズルリと何かが姿を現そうとした。
>二股に分かれた赤い舌をちらつかせまがら、背にのこぎり状のとげの生えた首の長いトカゲ状の生き物だった。
>体長はゆうに5メートルはあろうかというものだった。
>「なっ!?」
>ゼルガディスは驚きの声を上げた。ジゴマの背負った櫃並みに不可思議なバスケットケースだった。
>シャーッと声を上げるや、オオトカゲは素早い動きで襲い掛かった。

本当に、どうやって入っていたんだよ〜(汗)という感じですね。
それにしてもこのエルマさん。動物(?)使いのようなものでしょうか。
(師匠の名前はム○ゴロウ(笑)とか)

>『ゼルガディス様、お先に失礼します』
>ジゴマの姿はなく、そう書かれた紙を、人形が高々と掲示していた。
>「あ、あのヤローーーッ!!」
>ゼルガディスの怒号が夜の闇に響いた。

見事にジゴマさんから、この場を押しつけられてしまったゼル。
ゼル一人でも大丈夫だと踏んだのでしょうけれど……受難ですね(笑)
でも思わず「怒ってる。怒ってる」と、「星界の戦旗」のエクリュアさんみたいな事を
画面の前で呟いてしまいました。
ところで紙を掲示したこのお人形は、戦闘用ではないのですね。……誰でしょう?

>その兵士たちの会話を、物陰からアメリアはこっそりと聞いていた。
>(もしかして、ゼルガディスさんと会った―――)
>あの白衣の男――ハーバード=ウェストを思い出した。
>刺客がここまでやって来た――そう思うと、彼女は城下町へ向かおうと走り出した。
>(ゼルガディスさんに知らせないと!)
>まだ、セイルーンシティにいる――何故かそう確信していた。

さすがにアメリアはすぐに気づきますね。
ここでまだセイルーンにいる、と確信するのは巫女の勘かもしれませんが、
頼りにする相手としてゼルを連想するのは、やはり気持ちの問題ですね。

>声が聞こえ、白衣をたなびかせ、ハーバード=ウェストが姿を現した。
>「貴方ですね!?あのような惨いことをしたのは!このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが天に代わって正義の裁きを下します!!」

ここでフルネームを名乗るのは、かなり拙いです……アメリア……(汗)
ゼルがこの場にいたら、頭抱えそうですね。

>「あのとき言わなかったか?俺の技はそんなチンケなものじゃないと?」
>ハーバード=ウェストはニヤリと笑った。
>「普通の死霊術なら効いただろうがな。俺の技は死者の魂を喚び出して操るのではなく、擬似霊魂とでも言えばいいかな?人工的に肉体に宿るものを創り出して操るのさ。別に死んでいる者の魂じゃないから、浄化の呪文など効きはしないさ。」

人工無能「霊魂」くん(我ながら、なんてネーミング……)、という感じでしょうか。
凄いとは思いますが……本当に嫌な奴ですねー……。

>「さて、とりあえずは死んで貰うぞ。その後で一働きしてもらおう。」
>刃がアメリアの胸へと突き立てられた。そしてアメリアの口を塞いだ。
>(ゼルガディスさんっ!!)
>アメリアは心の中でゼルガディスの名を叫び、ギュッと目を瞑った。

絶体絶命のアメリア。ゼルの名前を心の中で叫んで、ヒロインしています。

>少し息を荒げながら、ゼルガディスはエルマに向かって剣を構えた。
>ところどころ服は裂け、いくらか傷を負っている。
>それでも瞳は衰えぬ光を宿していた。
>「そんな・・・・私の護衛獣(ガーディアン・ビースト)をたった一人で倒すなんて・・・・・・・」

やはりゼルは強いですね。ジゴマさんが「後は任せた(笑)」と、置いていくだけの
ことはあります。

>「なめないでちょうだい!まだこれからよ!」
>そう叫ぶや、「リリリリリリィ」と喉を鳴らすような音をあげた。
>「させるかっ!」
>バスケットケースから再び何かがでようとしたが、それより早くゼルガディスはエルマに向かって行った。

さすがに倒すと決めたら躊躇いませんね。そこまで甘くないと。
そして、絶妙のタイミングで現れましたね、カーライルさん。
この方もさすがとしか、言えない腕ですね。

>「お前も刺客のひとりか・・・・・・?」
>「正確には少し違うがな・・・・・・」
>そうしてゼルガディスは男の顔を改めて見た。
>「目が・・・・・・?」
>ゼルガディスの言葉に、男――カーライルはニッと笑った。

ゼルとしては、どうしても盲目という点で、レゾを思い出しますよね。
この場でカーライルさんと、戦うことになるのでしょうか……。
かなりピンチかもしれないですね、ゼル。

>「血が出ぬように斬った。」
>ハーバード=ウェストの前に立つ人影がそう言った。
>ゼルガディスかとアメリアは思ったが、黒塗りの菅笠を目深に被った青年だった。
>その右手には、細身の片刃の剣が握られていた。言葉どおり、血は付着していなかった。
>恐るべき腕の冴えであった。

……こ、この人はー?! っと言う気分ですね。物騒ですが、この場では
ある意味ありがたい剣の腕の持ち主ですし。

>その直後、死人たちが青年に襲い掛かった。
>だが、銀光が走ったかと思うと、次の瞬間にはことごとく頭を割られたり、首をはねられたりしていた。

……さすがに強いです。物体Xですら、簡単に斬ってしまう方でしたしねぇ……。

>「大人しく生きていけと言ったが。」
>その次の瞬間、ハーバード=ウェストの背中から大きく鮮血が噴き上げた。
>「うおおっ!?」
>のけぞるハーバード=ウェストに向かって、青年が空中を滑るように跳んだ。
>そして飛来した刃が、ハーバード=ウェストの首筋を断った。
>地面にのたうつハーバード=ウェストに青年が近づき、その片足がハーバード=ウェストの頚骨を踏み砕くまで、アメリアは目を閉じることも出来ずに見届けるほかなかった。

目を閉じたくてもできない、というところですね。ガウリイの剣技を見ているだけに、
かなりの腕なのは分かるでしょうけれど、アメリアからすれば、今までに
見たこともない剣技でしょうし、何よりガウリイとは違うタイプの〃気〃に
賞賛する気にもなれないでしょうから。

>青年はジゴマのほうを向き直り、一礼した。
>「さ、ひと休みし――――」
>その途中、ジゴマの体を光が薙いでいった。
>頭を下げたままで、青年が抜き打ちの一刀を放ったのであった。
>刀身はすでに鞘に戻っていた。
>アメリアは、ジゴマの上体が腰からずれたような感じがして目を見開いた。
>「やれやれ、仕様がねえな。」
>ジゴマは苦笑しながら両手を腰に当てた。ヨッと少し力を入れると、ずれた感じはなくなった。
>「あんまり精巧にこしらえるのも考えもんだ。出来る奴を見ると斬りたくなる――――もとの癖まで同じときてやがる。」

このリュウゼンさんは、ジゴマさんの人形だったわけですね。
それにしても……〃マスター〃に対する礼を取りつつ、斬りつける……。
やたら殺伐とした関係ですね(^_^;)
そしてやはりダメージを受けたはずでも、平然としている……ああ、やっぱりジゴマさん(笑)
この話は「剣狼伝」の後の時間の話なのかな、と思いましたが……何となく
時系列は同じような気もしますね。もしかしたらそれよりも前なのか……。
ただ、何にしても、「いつ、どこにでてきてもおかしくないか。だってジゴマさんだし」
と思わせてしまうのが、ジゴマさんたる由縁ですね。

>続きでした。
>実は後半のアメリアのシーン、この話の中で特に書きたかったもののひとつだったりします。
>ようやく出せて嬉しいです。刺客も一人減ったし。
>まだまだゼルの受難は続きますが(笑)
>それではまた次回。

楽しませていただきましたー。
ジゴマさん……もう色々とやってくれますね。まさかリュウゼンさんが出てくるとは
思いませんでした。彼は知っている人物なら〃人形〃を作れるのでしょうか。
思わず、リナやガウリイの人形を作って、どこかで使っている姿を想像しました。
また、ベル・ベージュさんたちにも、元のモデルがいたのかな、とも。
とりあえず、プレートは王宮に戻る……のでしょうけれど、ゼルはさて、
どうなるのでしょう。ガンバレ、ゼル。明日は多分あるぞ(笑)!
それでは、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼いたします。

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29048この人まで出てしまいました棒太郎 2004/1/17 22:53:06
記事番号29024へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>続きが2話もっ!
>そして、本当に寒くなりましたよね。雪もちらほらと降ってますし。
>スキー場は見事なパウダースノーなので、喜んでますが。
>ゼルの受難とアメリア危機一髪。とりあえず一息ついたとは言え……
>ゼルの受難は続くのですね(笑)

こんばんは、エモーションさん。
本当にここ最近冷え込んできて、たまったもんじゃありません。
ゼルのほうもまだまだ受難が続きます(笑)


>>アメリアもゴットフリードと会って、彼の人間性に感動した。領主としての理想の姿だと思ったものだった。
>>そしていつも見せていたやさしい目が、よりアメリアを困惑させた。
>
>アメリアは心配で、思わず立ち聞きしてしまったのですね。
>領主としての姿は間違いのないものですし、人柄も確かなので、何も知らない
>アメリアとしては、本当に信じられないのですね。

アメリアはまだ王家の事情は知りませんので、やはり困惑しています。
ゴットフリードの人徳は確かなものなので、よけいにそう思っています。

>笑って、プレートを眺めていたハーバード=ウェストだが、突如その顔が驚きに包まれた。
>>「な、なにっ!?」
>>手にしていたプレートがただの板切れになっていた。
>>その表面にはご丁寧に”ハズレ”の文字が記されていた。
>
>あの侍女さんは、この人に操られていたんですね。その為に殺されたのですか……。
>そして、この〃ハズレ〃は面白かったです。ジゴマさんだなとすぐ分かりますね(笑)
>自分がやられたら腹立つと思いますが、これは純粋にざまを見ろと思いました。

はい。あの侍女は彼に操られていました。
そして、プレートはお察しの通り、ジゴマの仕業です。

>>「棚ぼた、棚ぼた。一応貴方達のことも見張っていて正解だったのね。」
>>そう言いながら、フレアスカートを翻し、清楚な感じの少女が現れた。
>>年のころは17,8歳ほどか。左腕に大きなバスケットケースをぶら下げていた。
>
>新たな刺客……。普通に会ったのなら、ゼルが親切にするタイプ(笑)ですね。
>敵だと分かっているし、その辺りは割り切ると言っても、あまり戦いたくないでしょうね。

確かに余り女子供と戦うのは、気が進まないでしょうし。
やりにくい相手でしょうね。

>>ギラギラと光る目に、猛禽類のような嘴、大きな翼に三本足の鋭い爪を持った大鳥だった。
>
>鳥さんの飼い主ですね。……でもどーゆー鳥なのでしょう……。
>年末の、ルナが捌いた御歳暮のガチョウ(笑)と同じくらい謎ですね。

この鳥はエルマの使役するものです。
まあUMAっぽいものを想像していただければ。

>>二股に分かれた赤い舌をちらつかせまがら、背にのこぎり状のとげの生えた首の長いトカゲ状の生き物だった。
>>体長はゆうに5メートルはあろうかというものだった。
>>「なっ!?」
>>ゼルガディスは驚きの声を上げた。ジゴマの背負った櫃並みに不可思議なバスケットケースだった。
>>シャーッと声を上げるや、オオトカゲは素早い動きで襲い掛かった。
>
>本当に、どうやって入っていたんだよ〜(汗)という感じですね。
>それにしてもこのエルマさん。動物(?)使いのようなものでしょうか。
>(師匠の名前はム○ゴロウ(笑)とか)

そうですね。エルマは”護衛獣”と呼ぶ怪生物を操ります。
エルマの呼び出しに応えて、バスケットケースから現れます。

>>『ゼルガディス様、お先に失礼します』
>>ジゴマの姿はなく、そう書かれた紙を、人形が高々と掲示していた。
>>「あ、あのヤローーーッ!!」
>>ゼルガディスの怒号が夜の闇に響いた。
>
>見事にジゴマさんから、この場を押しつけられてしまったゼル。
>ゼル一人でも大丈夫だと踏んだのでしょうけれど……受難ですね(笑)
>でも思わず「怒ってる。怒ってる」と、「星界の戦旗」のエクリュアさんみたいな事を
>画面の前で呟いてしまいました。
>ところで紙を掲示したこのお人形は、戦闘用ではないのですね。……誰でしょう?

ゼル、またもや受難です(笑)
この人形は、ラウンドガールみたいなものを思い浮べてください。

>>あの白衣の男――ハーバード=ウェストを思い出した。
>>刺客がここまでやって来た――そう思うと、彼女は城下町へ向かおうと走り出した。
>>(ゼルガディスさんに知らせないと!)
>>まだ、セイルーンシティにいる――何故かそう確信していた。
>
>さすがにアメリアはすぐに気づきますね。
>ここでまだセイルーンにいる、と確信するのは巫女の勘かもしれませんが、
>頼りにする相手としてゼルを連想するのは、やはり気持ちの問題ですね。

女の勘、というものでしょうね。

>>声が聞こえ、白衣をたなびかせ、ハーバード=ウェストが姿を現した。
>>「貴方ですね!?あのような惨いことをしたのは!このアメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが天に代わって正義の裁きを下します!!」
>
>ここでフルネームを名乗るのは、かなり拙いです……アメリア……(汗)
>ゼルがこの場にいたら、頭抱えそうですね。

やっぱり彼女としては名乗ってしまうでしょう。
根が真っ直ぐすぎますでしょうから。

>>「普通の死霊術なら効いただろうがな。俺の技は死者の魂を喚び出して操るのではなく、擬似霊魂とでも言えばいいかな?人工的に肉体に宿るものを創り出して操るのさ。別に死んでいる者の魂じゃないから、浄化の呪文など効きはしないさ。」
>
>人工無能「霊魂」くん(我ながら、なんてネーミング……)、という感じでしょうか。
>凄いとは思いますが……本当に嫌な奴ですねー……。

まあ、ちょいとイヤミな感じの人物ですかね。
自分の技術を自慢してます。

>>刃がアメリアの胸へと突き立てられた。そしてアメリアの口を塞いだ。
>>(ゼルガディスさんっ!!)
>>アメリアは心の中でゼルガディスの名を叫び、ギュッと目を瞑った。
>
>絶体絶命のアメリア。ゼルの名前を心の中で叫んで、ヒロインしています。

まさにヒロインです。白馬の王子様が駆けつけてきてくれるか?

>>それでも瞳は衰えぬ光を宿していた。
>>「そんな・・・・私の護衛獣(ガーディアン・ビースト)をたった一人で倒すなんて・・・・・・・」
>
>やはりゼルは強いですね。ジゴマさんが「後は任せた(笑)」と、置いていくだけの
>ことはあります。

ジゴマもゼルの腕前を見て取って、置いていきましたからね(笑)

>>「させるかっ!」
>>バスケットケースから再び何かがでようとしたが、それより早くゼルガディスはエルマに向かって行った。
>
>さすがに倒すと決めたら躊躇いませんね。そこまで甘くないと。
>そして、絶妙のタイミングで現れましたね、カーライルさん。
>この方もさすがとしか、言えない腕ですね。

やらなきゃやられますからね。
カーライルのほうも一筋縄ではいかないでしょう。

>>そうしてゼルガディスは男の顔を改めて見た。
>>「目が・・・・・・?」
>>ゼルガディスの言葉に、男――カーライルはニッと笑った。
>
>ゼルとしては、どうしても盲目という点で、レゾを思い出しますよね。
>この場でカーライルさんと、戦うことになるのでしょうか……。
>かなりピンチかもしれないですね、ゼル。

この状況では、一戦交えざるを得ないでしょうね。

>>ゼルガディスかとアメリアは思ったが、黒塗りの菅笠を目深に被った青年だった。
>>その右手には、細身の片刃の剣が握られていた。言葉どおり、血は付着していなかった。
>>恐るべき腕の冴えであった。
>
>……こ、この人はー?! っと言う気分ですね。物騒ですが、この場では
>ある意味ありがたい剣の腕の持ち主ですし。

こちらでも出てしまいました。
剣の腕は確かに、有無を言わせないですからね。

>>その直後、死人たちが青年に襲い掛かった。
>>だが、銀光が走ったかと思うと、次の瞬間にはことごとく頭を割られたり、首をはねられたりしていた。
>
>……さすがに強いです。物体Xですら、簡単に斬ってしまう方でしたしねぇ……。

ルナやガウリイと互角以上に戦える人ですからねぇ。

>>のけぞるハーバード=ウェストに向かって、青年が空中を滑るように跳んだ。
>>そして飛来した刃が、ハーバード=ウェストの首筋を断った。
>>地面にのたうつハーバード=ウェストに青年が近づき、その片足がハーバード=ウェストの頚骨を踏み砕くまで、アメリアは目を閉じることも出来ずに見届けるほかなかった。
>
>目を閉じたくてもできない、というところですね。ガウリイの剣技を見ているだけに、
>かなりの腕なのは分かるでしょうけれど、アメリアからすれば、今までに
>見たこともない剣技でしょうし、何よりガウリイとは違うタイプの〃気〃に
>賞賛する気にもなれないでしょうから。

そうですね。
今まで見てきた剣士たちとは、違いますし。
ガウリイとは正反対のタイプですしね。

>>「やれやれ、仕様がねえな。」
>>ジゴマは苦笑しながら両手を腰に当てた。ヨッと少し力を入れると、ずれた感じはなくなった。
>>「あんまり精巧にこしらえるのも考えもんだ。出来る奴を見ると斬りたくなる――――もとの癖まで同じときてやがる。」
>
>このリュウゼンさんは、ジゴマさんの人形だったわけですね。
>それにしても……〃マスター〃に対する礼を取りつつ、斬りつける……。
>やたら殺伐とした関係ですね(^_^;)
>そしてやはりダメージを受けたはずでも、平然としている……ああ、やっぱりジゴマさん(笑)
>この話は「剣狼伝」の後の時間の話なのかな、と思いましたが……何となく
>時系列は同じような気もしますね。もしかしたらそれよりも前なのか……。
>ただ、何にしても、「いつ、どこにでてきてもおかしくないか。だってジゴマさんだし」
>と思わせてしまうのが、ジゴマさんたる由縁ですね。

はい。このリュウゼンはジゴマの人形です。
ほとんど本人と変わりないので、癖なども何もかも同じです。
時間軸は曖昧な感じにしようとも思ったんですが、リュウゼンが出たのでとりあえず『剣狼伝』より前ではないですね。

>>続きでした。
>>実は後半のアメリアのシーン、この話の中で特に書きたかったもののひとつだったりします。
>>ようやく出せて嬉しいです。刺客も一人減ったし。
>>まだまだゼルの受難は続きますが(笑)
>>それではまた次回。
>
>楽しませていただきましたー。
>ジゴマさん……もう色々とやってくれますね。まさかリュウゼンさんが出てくるとは
>思いませんでした。彼は知っている人物なら〃人形〃を作れるのでしょうか。
>思わず、リナやガウリイの人形を作って、どこかで使っている姿を想像しました。
>また、ベル・ベージュさんたちにも、元のモデルがいたのかな、とも。
>とりあえず、プレートは王宮に戻る……のでしょうけれど、ゼルはさて、
>どうなるのでしょう。ガンバレ、ゼル。明日は多分あるぞ(笑)!
>それでは、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼いたします。

ジゴマは今回も色々とやってくれます。
ベル=ベージュたちは特定のモデルはいませんが、知っている人物の人形も造れます。
セルの受難はまだまだ続きます。
それでは、どうもありがとうございました。

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29082異邦の彼方より (8)棒太郎 2004/1/19 12:29:30
記事番号29001へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
最近ほんとに寒くなってきて参っております。
早く春になって欲しい・・・・・
それでは続きをどうぞ。


*************************************

『異邦の彼方より』 (8)



夜も更けた路地は、いつもと違い異様な雰囲気に包まれていた。
その中心に、二つの人影がじっと対峙していた。
影の一人――ゼルガディスは剣を正眼に構え、もう一つの影――カーライルをじっと見据えていた。
対するカーライルも、柄を逆手に握りながら、体の正面に仕込み杖を構えていた。
「君に恨みはないが・・・・・・・悪いが、邪魔者は排除させてもらう。」
「こっちもいろいろと訊きたいことがある・・・・・・」
互いに相手の出方を探りながら、そう言葉を口にした。
空気の緊張が、ピリピリと膨れ上がってゆく。
「!!」
それが頂点に達しようとした時、どちらともなく地を蹴った。

 シュッ!!  ガキンッ!!

カーライルから放たれた横薙ぎの一撃を、ゼルガディスは瞬時に剣で受け止めた。しかし―――
「!?」
受け止めていたのは杖であった。
仕込みを抜かず、杖に納めたまま、鞘打ちの一撃を放ったのであった。
(しまった!)
ゼルガディスが咄嗟に後ろに跳ぼうとした時、シュッと仕込が閃いた。

 ガキンッ!

「ぐっ!」
「む!?」
そのまま、ゼルガディスは後方へ跳び、間合いを開けた。
左の肩口を押さえながら、それでも剣を構えた。
(・・・・・油断していたつもりはないが・・・・・・・予想以上の腕前だ・・・・・・・)
カーライルも仕込みを納めることなく、先程の一撃に思いをめぐらせていた。
(確かに手応えはあったが・・・・・・しかし、あの異様な感触は・・・・・?)
流石のカーライルも、ゼルガディスが邪妖精と岩人形のキメラであるとは思いもよらなかった。
「君は・・・・・・どうやら、ただの身体ではないようだな。」
「ちょいとワケありでね。」
再び仕込みを納め、構えるカーライルに、ゼルガディスは油断なく構えながら応えた。
「あんたもただの盲人じゃあないな。」
「ふふ、私もワケありでね。」
そして、二人の間にまた緊迫した空気が流れ出した。


「ご無事でございますか?アメリア様。」
ジゴマの声にアメリアはハッと我に返った。
先程の黒笠の剣士の技、そしてジゴマとの一連の光景にぼんやりとした衝撃を受けていた。
「あ・・・・・さ、さっきの人は・・・・・・?」
「ハーバード=ウェストならあちらでくたばっておりますよ。」
ジゴマが指差した先には、確かにハーバード=ウェストの死体が転がっていた。
夢かとも思うようなことであったが、現実だったようだ―――
「もう一人のお人は、まああれがやつがれの商売道具で。」
おどけるようにジゴマが笑った。
「さて、王宮にお戻りなさったほうがよろしゅうございますよ。」
「あ・・・・・でも、ゼルガディスさんに・・・・・・」
「ああ、そうでした。ゼルガディス様の所へ戻らないといけませんやね。”トップブリーダー”のエルマが相手ですが、そう遅れを取ることもないでしょうけど。」
それを訊いた途端、アメリアの目の色が変わった。
「ゼルガディスさんは、また刺客のひとと戦ってるんですか?」
「そうでございますよ。けどご安心を―――」
そう言いかけたとき、アメリアの手がジゴマの襟首をグワシッと掴んだ。
「それなら急いでゼルガディスさんのところへ行かないと!さあ、早くいきましょう!!」
言うや否や、全速力で駆け出した。
「ちょっとちょっと、アメリア様。落ち着いてくださいよ――――――」
そのままアメリアに引っ張られるジゴマの声が、ドップラー効果を残しながら木霊した。


「お留守の合間にこんばんは♪」
プレートのある部屋のバルコニーに、人影が降り立とうとしていた。
あの怪鳥に運ばれて、エルマがちょんと着地した。
「とりあえずこれで金貨300はOKね。」
そう言い、窓を開けようとしたとき、
『グアァッ!』
低い叫びと共に、血の臭いが漂ってきた。
「?」
窓から覗くと、部屋の床には数人の兵士が倒れ、辺り一面おびただしく血が飛び散っていた。
そして、その中で一人、プレートを手にする人影があった。
右手には、手甲のようなグローブをはめ、それぞれの指先には魔獣の爪を思わせるような、鋭利な刃が付いていた。
その人影は窓の外のエルマに気付き、風のように襲い掛かってきた。
「ちょっ――!?」
それがエルマに届こうとした寸前、横合いから怪鳥が影に襲い掛かり、事なきを得た。
「ちょ、ちょっと待ってよ。私は貴女と同じよ。それを取り戻せって雇われたの。」
慌ててエルマが、目の前の長身の女性に説明した。
女性はニィッと笑うと、そのままバルコニーから海へ飛び込むように、飛び降りていった。
下を覗いて見ると、女性の姿はどこにもなかった。
「ふう・・・・・・あれが”虐殺者”スケアクロウね・・・・・・なんてヤバイ奴なのよ・・・・・・」
安堵の溜息を吐きながら、彼女の狂ったような光を宿した双眸を思い返し、エルマは呟いた。
「はぁ〜〜〜〜〜・・・・・・先、越されちゃったな・・・・・・・クスン・・」



ゼルガディスとカーライルの対峙はまだ続いていた。
あれから何度か剣を打ち合ったが、決着はまだだった。
しかし、ゼルガディスの身体に刻まれる斬撃の後は増えていた。
(く・・・・・この男・・・・・・強い・・・・・)
(やはり並みの剣では、あの身体を十分に傷つけることはできないようだな・・・・・)
ジリ、ジリ、と様子を探りながら、カーライルは仕込み杖を水平に構え、柄を順手に握り替えた。
(ならば、これでケリをつけるか・・・・)
そう心の中で呟くや、猛然と地を蹴った。
「くっ!」
ゼルガディスがそれを迎え撃とうとした時、
「っ!?」
横から銀光が疾り、カーライルはそれを受け止め、体勢を崩しつつも着地した。
「何者だ――!?」
「お前は――!?」
ゼルガディスとカーライルの声が重なった。
そこには、あのレイピアを手にした、黒いドレスの女性が立っていた。
「おやおや、これはまた奇遇ですな。」
聞こえてきた声に、二人はハッとした。
「ゼルガディスさん!大丈夫ですか!?」
「ア、アメリア?どうしてこんなところに?
聞こえてきた少女の声に、ゼルガディスは驚いた。
「まさか・・・・・ジゴマ殿・・・・?」
「お懐かしゅうございますねぇ。カーライル様。」
驚きの色を浮かべるカーライルに、ジゴマはニヤッと笑った。
「王家に雇われたのですか・・・・?ジゴマ殿・・・・・」
「まあ、そうといえばそうでしょうかね。やつがれの受けた依頼が、どうも貴方様の雇い主のことに間接的に関わっていたようで。」
「まさか・・・正式に受けるつもりですか?」
「それはこちらの勝手で。」
二人のやり取りを聞いていたゼルガディスが、ジゴマに問いかけた。
「知っているのか?」
「昔、この御方から依頼を受けたことがありますんですよ。」
ニッと笑うジゴマに、カーライルは仕込みを構え、ほとばしらせた。
その一刀がジゴマに届く寸前、あの女性のレイピアがそれを受けた。
「くっ――!」
互いに大きく飛び離れ、再び突進した。
火花が散ったかと思うと切っ先が空中へ踊った。
左肩を押さえつつ、カーライルは盲人とは思えぬ動きで、民家の塀の上に舞い上がり、そのまま夜の闇の向こうへと消えた。
「ご苦労、ベル=ベージュ。」
ジゴマはベル=ベージュと呼んだ女性が戻ってくるのを迎えたが、その姿を見るとひとつ息をついた。
「向こうの肩を斬ったが、こちらは切っ先を折られ、しかも袈裟斬りの傷を受けている。生身なら、下手すりゃお陀仏だな。」
言うなり、女性は力なく崩れ落ち、ジゴマの櫃の中へと消えていった。
「ゼルガディスさん・・・・・・怪我はだいじょうぶですか?」
アメリアが呼びかけた。
「ああ・・・・・大したことはない・・・・それより―――」
キッと睨むようにアメリアを見つめた。
「なんだってこんなところにお前がいるんだ!」
「そ、それは・・・その・・・・・城に刺客が現れたのでゼルガディスさんに知らせようと―――」
「今の状況を考えろ!もし、なにかあったらどうするんだ!!」
まるで子供を叱り付ける母親のように、ゼルガディスはお説教する。
「ハーバード=ウェストと出くわしてましたからねぇ。」
ジゴマの一言が火に油を注いだ。
「な、なんだと!?アメリア!お前は本当に――ガミガミ、クドクド(以下省略)」
「ご、ごめんなさ〜〜い。ゼルガディスさ〜〜〜ん。」
夜の路地にアメリアのなんとも情けない声が響いた。



*************************************

ようやくひと段落着いた感じです。
やっと次の舞台に話が移せます。
刺客のほうも大体出揃いました。(ゼルの倒した土竜、ジゴマが始末したという人、ハーバード=ウェスト、カシミール、エルマ、スケアクロウ)
残りの一人も後からでてきます。
それではまた次回。

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29093いろんな意味で大変ですね、ゼル……(汗)エモーション E-mail 2004/1/19 22:13:48
記事番号29082へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

>こんにちは、棒太郎です。
>最近ほんとに寒くなってきて参っております。
>早く春になって欲しい・・・・・
>それでは続きをどうぞ。

こちらも今日は雪でしたし。明日はちょっと和らぐそうですが、また木曜日辺りから
寒くなるとか。……天気予報でのあの寒気団が無茶苦茶気になるところです(汗)
さて、プレートはどうやらひとつ、奪い返されたようですね。刺客の方々……
ほんとに、いろんな意味でとんでもないですね。
そして再会したゼルとアメリア。状況がこうなった以上、ゼルはアメリアに
協力するしかないですね。……する気満々でしょうけれど(笑)


>カーライルから放たれた横薙ぎの一撃を、ゼルガディスは瞬時に剣で受け止めた。しかし―――
>「!?」
>受け止めていたのは杖であった。
>仕込みを抜かず、杖に納めたまま、鞘打ちの一撃を放ったのであった。
>(しまった!)
>ゼルガディスが咄嗟に後ろに跳ぼうとした時、シュッと仕込が閃いた。

カーライルさん、さすがに強いですねー(汗)
剣技はやはり、ゼルよりも上ですね。……よくリュウゼンさんに狙われなかったなあ……(^_^;)

>流石のカーライルも、ゼルガディスが邪妖精と岩人形のキメラであるとは思いもよらなかった。

……まあ、こればっかりは、見たり触れたりしないと分かりませんしね。

>そう言いかけたとき、アメリアの手がジゴマの襟首をグワシッと掴んだ。
>「それなら急いでゼルガディスさんのところへ行かないと!さあ、早くいきましょう!!」
>言うや否や、全速力で駆け出した。
>「ちょっとちょっと、アメリア様。落ち着いてくださいよ――――――」
>そのままアメリアに引っ張られるジゴマの声が、ドップラー効果を残しながら木霊した。

アメリア……(笑)この辺りの「思いこんだら一直線」っぷりは健在ですね。
しかも、あの! ジゴマさんが! 押されてます!!(笑)
さすがに、ジゴマさんにとっても、アメリアのこの行動は予想外だったのでしょうね。
読んでいて、思わず吹き出してしまいました。

>窓から覗くと、部屋の床には数人の兵士が倒れ、辺り一面おびただしく血が飛び散っていた。
>そして、その中で一人、プレートを手にする人影があった。

カーライルさんのおかげで、王宮にきたエルマさん。来た途端に目撃した
スプラッタな場面には、さすがに驚いたのですね。
でも仮にも王宮の兵士、けして普通以下の腕じゃないでしょうに……(汗)
それにしても、必要以上に血を流す形で殺しているような気がするのは、
気のせいでしょうか……(ガクガクブルブル)

>「ふう・・・・・・あれが”虐殺者”スケアクロウね・・・・・・なんてヤバイ奴なのよ・・・・・・」
>安堵の溜息を吐きながら、彼女の狂ったような光を宿した双眸を思い返し、エルマは呟いた。

うーん、誰が見ても立派に〃アブナイ〃人、なのですね……。
ある意味、もっとも適した職業選択をしているのかもしれませんが(滝冷や汗)

>「はぁ〜〜〜〜〜・・・・・・先、越されちゃったな・・・・・・・クスン・・」

何か可愛いですね。エルマさんも素に戻ると、ごく普通の少女なのですね。
……問題があるのは職業選択だけで。

>(ならば、これでケリをつけるか・・・・)
>そう心の中で呟くや、猛然と地を蹴った。
>「くっ!」
>ゼルガディスがそれを迎え撃とうとした時、
>「っ!?」
>横から銀光が疾り、カーライルはそれを受け止め、体勢を崩しつつも着地した。
>「何者だ――!?」
>「お前は――!?」
>ゼルガディスとカーライルの声が重なった。
>そこには、あのレイピアを手にした、黒いドレスの女性が立っていた。

まさに間一髪、でしたね。もしかしたらアメリアがジゴマさんを引きずって
来なければ、危なかったのかもしれませんね。

>「王家に雇われたのですか・・・・?ジゴマ殿・・・・・」
>「まあ、そうといえばそうでしょうかね。やつがれの受けた依頼が、どうも貴方様の雇い主のことに間接的に関わっていたようで。」
>「まさか・・・正式に受けるつもりですか?」
>「それはこちらの勝手で。」

一度関わったのなら、ジゴマさんが敵に回ると厄介だと分かりますよね。
カーライルさん。内心、少し困ったなと思っているのでしょうね。

>「ご苦労、ベル=ベージュ。」
>ジゴマはベル=ベージュと呼んだ女性が戻ってくるのを迎えたが、その姿を見るとひとつ息をついた。
>「向こうの肩を斬ったが、こちらは切っ先を折られ、しかも袈裟斬りの傷を受けている。生身なら、下手すりゃお陀仏だな。」
>言うなり、女性は力なく崩れ落ち、ジゴマの櫃の中へと消えていった。

さすがです。カーライルさん……(汗)
壊されてしまったベル=ベージュさんは、これで退場でしょうか。

>「ああ・・・・・大したことはない・・・・それより―――」
>キッと睨むようにアメリアを見つめた。
>「なんだってこんなところにお前がいるんだ!」
>「そ、それは・・・その・・・・・城に刺客が現れたのでゼルガディスさんに知らせようと―――」
>「今の状況を考えろ!もし、なにかあったらどうするんだ!!」
>まるで子供を叱り付ける母親のように、ゼルガディスはお説教する。
>「ハーバード=ウェストと出くわしてましたからねぇ。」
>ジゴマの一言が火に油を注いだ。
>「な、なんだと!?アメリア!お前は本当に――ガミガミ、クドクド(以下省略)」
>「ご、ごめんなさ〜〜い。ゼルガディスさ〜〜〜ん。」
>夜の路地にアメリアのなんとも情けない声が響いた。

あははは。これはもう、ゼルとしてはお説教して当然ですね(笑)
私の方のオーソンと、同じ気分を味わっているわけですし。
そしてゼルガディスお母さん(笑)のお説教では、アメリアは黙って聞くしか、
選択肢がありませんね。心底、心配しているから、ゼルは怒っているわけですし。
また、面白がって油注ぐジゴマさん……。さすが愉快犯です♪
大変な状況の中ですが、何となく一息つく雰囲気ですね。
……でも早く城に戻った方がいいのでは……? お三人さん(笑)

>ようやくひと段落着いた感じです。
>やっと次の舞台に話が移せます。
>刺客のほうも大体出揃いました。(ゼルの倒した土竜、ジゴマが始末したという人、ハーバード=ウェスト、カシミール、エルマ、スケアクロウ)
>残りの一人も後からでてきます。
>それではまた次回。

刺客はあと一人、いるのですか……。一体、どんな技を使うのか楽しみです。
謎の鍵であるプレートをひとつ、取り返されたところで、次から新たな展開に
なるのですね。
やたらと厄介そうな事件。そして、目を離すと危険に突進して行きかねないアメリア(笑)と、
ゼルにとってはもう、放っておけない状況になっていますね。
何とかがんばってほしいものです。
それでは、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼いたします。

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29120頑張れ〜〜♪負けんな〜〜〜♪棒太郎 2004/1/21 22:29:22
記事番号29093へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。

>こちらも今日は雪でしたし。明日はちょっと和らぐそうですが、また木曜日辺りから
>寒くなるとか。……天気予報でのあの寒気団が無茶苦茶気になるところです(汗)
>さて、プレートはどうやらひとつ、奪い返されたようですね。刺客の方々……
>ほんとに、いろんな意味でとんでもないですね。
>そして再会したゼルとアメリア。状況がこうなった以上、ゼルはアメリアに
>協力するしかないですね。……する気満々でしょうけれど(笑)

こんばんは、エモーションさん。
本当に冷え込みが厳しくなってきましたね。ほんとに春が待ち遠しい・・・・・
刺客の連中は、個性的にしようと頑張ってます。でも一番個性的なのはジゴマだったりします(笑)
そしてゼルガディスも本格的に関わっていくことになります。


>>仕込みを抜かず、杖に納めたまま、鞘打ちの一撃を放ったのであった。
>>(しまった!)
>>ゼルガディスが咄嗟に後ろに跳ぼうとした時、シュッと仕込が閃いた。
>
>カーライルさん、さすがに強いですねー(汗)
>剣技はやはり、ゼルよりも上ですね。……よくリュウゼンさんに狙われなかったなあ……(^_^;)

経験や場数はゼル以上に積んでいますから。
確かにリュウゼンに一手、仕合を所望されますね。

>>流石のカーライルも、ゼルガディスが邪妖精と岩人形のキメラであるとは思いもよらなかった。
>
>……まあ、こればっかりは、見たり触れたりしないと分かりませんしね。

今まで、普通の人間を斬ってきましたからね。
まさか、そんなんだとは思わないでしょう。

>>「それなら急いでゼルガディスさんのところへ行かないと!さあ、早くいきましょう!!」
>>言うや否や、全速力で駆け出した。
>>「ちょっとちょっと、アメリア様。落ち着いてくださいよ――――――」
>>そのままアメリアに引っ張られるジゴマの声が、ドップラー効果を残しながら木霊した。
>
>アメリア……(笑)この辺りの「思いこんだら一直線」っぷりは健在ですね。
>しかも、あの! ジゴマさんが! 押されてます!!(笑)
>さすがに、ジゴマさんにとっても、アメリアのこの行動は予想外だったのでしょうね。
>読んでいて、思わず吹き出してしまいました。

猪突猛進タイプですから(笑)
その真っ直ぐすぎる勢いは、ジゴマすら呑込んでしまいかねないほどです(笑)

>>窓から覗くと、部屋の床には数人の兵士が倒れ、辺り一面おびただしく血が飛び散っていた。
>>そして、その中で一人、プレートを手にする人影があった。
>
>カーライルさんのおかげで、王宮にきたエルマさん。来た途端に目撃した
>スプラッタな場面には、さすがに驚いたのですね。
>でも仮にも王宮の兵士、けして普通以下の腕じゃないでしょうに……(汗)
>それにしても、必要以上に血を流す形で殺しているような気がするのは、
>気のせいでしょうか……(ガクガクブルブル)

いえ、確かに必要以上に血を流す形で殺してます。
『邪魔者は殺してもOK』に笑っていた刺客が彼女です。

>>「ふう・・・・・・あれが”虐殺者”スケアクロウね・・・・・・なんてヤバイ奴なのよ・・・・・・」
>>安堵の溜息を吐きながら、彼女の狂ったような光を宿した双眸を思い返し、エルマは呟いた。
>
>うーん、誰が見ても立派に〃アブナイ〃人、なのですね……。
>ある意味、もっとも適した職業選択をしているのかもしれませんが(滝冷や汗)

傍から見てもわかるほどヤバイ人です。

>>「はぁ〜〜〜〜〜・・・・・・先、越されちゃったな・・・・・・・クスン・・」
>
>何か可愛いですね。エルマさんも素に戻ると、ごく普通の少女なのですね。
>……問題があるのは職業選択だけで。

彼女も、年頃の少女ですし。

>>「っ!?」
>>横から銀光が疾り、カーライルはそれを受け止め、体勢を崩しつつも着地した。
>>「何者だ――!?」
>>「お前は――!?」
>>ゼルガディスとカーライルの声が重なった。
>>そこには、あのレイピアを手にした、黒いドレスの女性が立っていた。
>
>まさに間一髪、でしたね。もしかしたらアメリアがジゴマさんを引きずって
>来なければ、危なかったのかもしれませんね。

まあ、ジゴマのことですから、間一髪を演出して間に合っていたでしょうが・・・・・

>>「王家に雇われたのですか・・・・?ジゴマ殿・・・・・」
>>「まあ、そうといえばそうでしょうかね。やつがれの受けた依頼が、どうも貴方様の雇い主のことに間接的に関わっていたようで。」
>>「まさか・・・正式に受けるつもりですか?」
>>「それはこちらの勝手で。」
>
>一度関わったのなら、ジゴマさんが敵に回ると厄介だと分かりますよね。
>カーライルさん。内心、少し困ったなと思っているのでしょうね。

味方でも完全に信用できない人ですしね。
敵に回ればイヤな奴ですから。
カーライルもそれはマズイと思ってます。

>>「ご苦労、ベル=ベージュ。」
>>ジゴマはベル=ベージュと呼んだ女性が戻ってくるのを迎えたが、その姿を見るとひとつ息をついた。
>>「向こうの肩を斬ったが、こちらは切っ先を折られ、しかも袈裟斬りの傷を受けている。生身なら、下手すりゃお陀仏だな。」
>>言うなり、女性は力なく崩れ落ち、ジゴマの櫃の中へと消えていった。
>
>さすがです。カーライルさん……(汗)
>壊されてしまったベル=ベージュさんは、これで退場でしょうか。

またひょっこり出てくるかもしれませんが。
先のネタバレで、カーライルの今の強さは、実はジゴマが関わりあったりします。

>>「今の状況を考えろ!もし、なにかあったらどうするんだ!!」
>>まるで子供を叱り付ける母親のように、ゼルガディスはお説教する。
>>「ハーバード=ウェストと出くわしてましたからねぇ。」
>>ジゴマの一言が火に油を注いだ。
>>「な、なんだと!?アメリア!お前は本当に――ガミガミ、クドクド(以下省略)」
>>「ご、ごめんなさ〜〜い。ゼルガディスさ〜〜〜ん。」
>>夜の路地にアメリアのなんとも情けない声が響いた。
>
>あははは。これはもう、ゼルとしてはお説教して当然ですね(笑)
>私の方のオーソンと、同じ気分を味わっているわけですし。
>そしてゼルガディスお母さん(笑)のお説教では、アメリアは黙って聞くしか、
>選択肢がありませんね。心底、心配しているから、ゼルは怒っているわけですし。
>また、面白がって油注ぐジゴマさん……。さすが愉快犯です♪
>大変な状況の中ですが、何となく一息つく雰囲気ですね。
>……でも早く城に戻った方がいいのでは……? お三人さん(笑)

お母さん、大噴火です(笑)娘のことが心配でたまらんのですよ。
ジゴマもちゃっかりかき回すことを忘れてません。
愉快犯ここにあり、です。


>>刺客のほうも大体出揃いました。(ゼルの倒した土竜、ジゴマが始末したという人、ハーバード=ウェスト、カシミール、エルマ、スケアクロウ)
>>残りの一人も後からでてきます。
>>それではまた次回。
>
>刺客はあと一人、いるのですか……。一体、どんな技を使うのか楽しみです。
>謎の鍵であるプレートをひとつ、取り返されたところで、次から新たな展開に
>なるのですね。
>やたらと厄介そうな事件。そして、目を離すと危険に突進して行きかねないアメリア(笑)と、
>ゼルにとってはもう、放っておけない状況になっていますね。
>何とかがんばってほしいものです。
>それでは、続きを楽しみにしつつ、この辺で失礼いたします。

最後の刺客・・・・・・一応造詣は出来てます。
他の6人以上の実力者です。いずれ登場する時をお待ちください。
そしてゼルの受難はまだまだ、どんどん続いていきます(笑)
それでは、どうもありがとうございました。

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29115Re:随分と出遅れちゃいましたオロシ・ハイドラント URL2004/1/21 19:37:30
記事番号29082へのコメント

こんばんは。
ハイドラントです。
お久しぶりです。
覚えておいででしょうか。


まあそれはさておき、実にキャラが魅力的な作品だと思いました。
ジゴマ氏のような喋りからして異色なキャラが登場し、個性ある刺客達が競い合っていて、味方だけでなく敵まで応援したくなります(おい)。
しかもこれだけキャラが登場するというのに、主人公のゼルも、VSカーライルなどで充分に見せ場を作っていて(ジゴマ氏に助けられてしまいましたけど)、主人公の地位がちゃんと維持されてると思います。
>(確かに手応えはあったが・・・・・・しかし、あの異様な感触は・・・・・?)
>流石のカーライルも、ゼルガディスが邪妖精と岩人形のキメラであるとは思いもよらなかった。
>「君は・・・・・・どうやら、ただの身体ではないようだな。」
>「ちょいとワケありでね。」
キメラの特質が生かされている辺りから考えて、彼もこれから他の強烈キャラ達と同じ土俵で戦っていけるんじゃないかあなと考えてますし。


第六(ですよね)の刺客スケアクロウさん、残虐さを見せつけ、プレートを奪って去っていきましたけど、さて腕前の方はどの程度でしょう。
それに最後の刺客とは一体。強いやつは最後に現われるものだと思いますから、やはり強敵なのでしょうか。
そしてこの戦いにはどんな決着が着くのでしょう。
特に三番目は非常に気になります。
本当に結末が予想出来ません。
続きが楽しみです。
それでは少々短いかも知れませんが、これで失礼させて頂きます。

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29123お久しぶりです棒太郎 2004/1/21 22:43:04
記事番号29115へのコメント


>こんばんは。
>ハイドラントです。
>お久しぶりです。
>覚えておいででしょうか。

こんばんは、ハイドラントさん。
お久しぶりです。

>まあそれはさておき、実にキャラが魅力的な作品だと思いました。
>ジゴマ氏のような喋りからして異色なキャラが登場し、個性ある刺客達が競い合っていて、味方だけでなく敵まで応援したくなります(おい)。

なんだかありがたいお言葉、どうもありがとうございます。
前回の『剣狼伝』で、神殿のキャラとか完全に書けなかった部分があったので、今回はキャラの性格付けをもうちょいしようと思って、いろいろなキャラが出ております。
ジゴマは自分でも気に入ってるキャラです。ああいう飄々としたのが好きみたいです。

>しかもこれだけキャラが登場するというのに、主人公のゼルも、VSカーライルなどで充分に見せ場を作っていて(ジゴマ氏に助けられてしまいましたけど)、主人公の地位がちゃんと維持されてると思います。

主人公の影が薄くならないように、いつも注意して書いております。
オリキャラに食われないよう、気をつけてます。

>>(確かに手応えはあったが・・・・・・しかし、あの異様な感触は・・・・・?)
>>流石のカーライルも、ゼルガディスが邪妖精と岩人形のキメラであるとは思いもよらなかった。
>>「君は・・・・・・どうやら、ただの身体ではないようだな。」
>>「ちょいとワケありでね。」
>キメラの特質が生かされている辺りから考えて、彼もこれから他の強烈キャラ達と同じ土俵で戦っていけるんじゃないかあなと考えてますし。

一応、強烈キャラに負けないように、そこら辺のバランスをいつも計ってます。
でもバランスを取るのはなかなか疲れますね。

>第六(ですよね)の刺客スケアクロウさん、残虐さを見せつけ、プレートを奪って去っていきましたけど、さて腕前の方はどの程度でしょう。
>それに最後の刺客とは一体。強いやつは最後に現われるものだと思いますから、やはり強敵なのでしょうか。

スケアクロウもそれなりの強さにしてます。
7人の刺客のなかで、一番狂気を前に出してる人物です。
また、最後の一人ですが、これは予想に違わず強敵です。
お楽しみに。

>そしてこの戦いにはどんな決着が着くのでしょう。
>特に三番目は非常に気になります。
>本当に結末が予想出来ません。
>続きが楽しみです。
>それでは少々短いかも知れませんが、これで失礼させて頂きます。

ラストのおおまかなプロットはできているのですが、きちんとした仕上げに、現在試行錯誤しております。
ラストが出来ていれば楽ですからね。
頑張って生きたいと思います。
それでは、どうもありがとうございました。

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29135異邦の彼方より (9)棒太郎 2004/1/23 15:35:05
記事番号29001へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
ようやく舞台は次へ移りそうですが、また長くなりそうです。
それでは、続きをどうぞ。


*************************************


『異邦の彼方より』 (9)


王宮の一室で、フィリオルネは大きな溜息をついた。
もたらされた報告によって、彼はひとつの決断を下さねばならなかった。
(アーデンハイル卿・・・・・・・・お主は何を思っておるのだ・・・・・)
セイルーン騎士団の諜報部員が、その命と引き換えに手に入れたプレート。
かつての昔、セイルーン王国の成立に大きな力となったといわれているが、詳しい伝承は今はもう誰にも分からなかった。
今またなんのためにそれを揃えようとしているのか・・・・・・
だが、セイルーンという国に、いやこの国の民に何かしらの災いが及ぶようなものなら、誰であろうと止めねばならない。
(しかし・・・・彼ほどの人物・・・・・・・そう失わせてはならぬ・・・・・・・)
そう、板挟みに苦しんでいた。

「フィリオルネ王子、まんじりともなさらぬご様子ですね・・・・・・」
アルベルトが心配そうに呟いた。
「だが、ご決断してもらわねば困る。」
バルトロメオがきっぱりとした口調で言った。
「国家の大事に関わることだ。それにこれは王家の闇の封じられた歴史にも関わる。」
「しかし、もはや遥か昔のことでしょう?」
「愚か者!先だってアルフレッド様の事件があったばかりではないか!風評を甘く見てはいかん。例えもはや証明するものがなくても、王位を簒奪したなどという話は、国家の威厳に関わってくる!いずれ、セイルーンの発言力にも影響が出るやもしれん。我らはそれを防がねばならん!」
「はい・・・・・・・」
「事がこうなってしまっては、我らの独断で隠密裏に動くことは出来ん。ある程度の”形”が必要となる。」
そう言い、咥えていた煙草を乱暴にもみ消した。



「ふぅ、またここに出戻りか・・・・・・」
ゼルガディスはひとつ息をついた。
あれから、アメリア、ジゴマとともに王宮へ赴き、事のあらましを伝えたのだった。
ジゴマがプレートを持っていたことに少し騒ぎになったが、残りの1枚も奪われてしまっていたので、仕方なくそのことについての処罰は不問となった。
「あいつ・・・・ひょっとしてこうなることを読んでいたんじゃないか・・・・?」
ニヤニヤと愉しそうな笑みを浮かべるジゴマの顔を思い出し、そう口にした。
そのジゴマの姿はここにはなかった。
どこにいったのか―――――?
だが、ゼルガディスは詮索する気も失せていた。
また知らぬ間にひょっこり現れる――そう思っていた。
(しかし―――向こうものっぴきならない連中を雇った者だ・・・・・・)
昨晩に出会った刺客―――”図書館司書”のカシミール、”トップブリーダー”のエルマの姿が脳裏に浮かぶ。
そしてもう一人、あの盲目の剣士の姿が眼前に浮かんだ。
(あの男・・・・・凄まじい腕だ・・・・・・あのとき、ジゴマが割って入らなければどうなっていたか・・・・・・)
次に出会えば、勝てるか?分からなかった。



「すまない、ゴットフリード。あわよくばと思っていたが・・・・・どうも甘く見ていたようだ。」
ソファに腰掛け、茶を一口すすりながらカーライルはそう謝った。
「いや、いいんだ。王家の動きが大体分かっただけでもありがたい事だ。それに、君が傷を負わされるほどだ。高望みはしないよ。」
セイルーンシティからゴットフリードの領地まで早馬で急いでも3日はかかろうかというほどなのに、昨晩セイルーンシティにいたカーライルはもう、ゴットフリードの館にいた。
「少々、まずいことになった。向こうに少し厄介な人物がいる。」
「そうなのか?」
「ああ。まだ正式に向こうについたわけではないが、一筋縄ではいかないだろうな。」
「君ほどの者ががそこまで言うとは・・・・・・・・」
ゴットフリードは少し考え込んだが、すぐに顔を上げた。
「ここまで来た以上、腹はすでに括っているさ。それに雇った刺客の最後の一人も到着したしな。」
ゴットフリードがその名を告げると、カーライルの顔に見る見る驚きの色が浮かび上がった。
「まさか・・・・・・本当なのか・・・・・?」
「あ、ああ・・・そうだが?どうしたんだ?」
「信じられん・・・・・・・」
カーライルの呟きに、ゴットフリードも驚きの色を浮かべていた。




きょろきょろと辺りを覗うようにして、王宮の庭を、木陰に隠れながら城門の近くまで移動する影があった。
そして、王宮に納める品を運んできた馬車の荷台にこっそりと潜り込むことに成功した。
馬車が城を出て、しばらく移動した時、サッと路地の裏手に降り立った。
「ふぅっ。」
頭に被ったフードを下ろし、一息ついた。
その人影はアメリアであった。
「なんとか見つからずに済んだかな?」
きょろきょろと周りを確認して、また一息ついた。そのとき―――

「アメリア様。なにをなさっていなさるんで?」

突如後ろから掛けられた声に、心臓が跳ね上がりそうになった。
思わず大声を出してしまいそうになる寸前、掌が口を塞いだ。
「しーーっ。やつがれでございますよ。」
「ひ・・・ひうぉわわん?」
振り向いた先には黒子衣装の男――ジゴマが立っていた。
「ど、どうしたんですか?ジゴマさん?」
「それはこちらの台詞でございますよ。王宮を抜け出して、どうなされたんです?」
ジゴマの顔には小さな笑みが張り付いていた。あるいはこの男、アメリアの目的など、とうに知っているのかもしれない。
「い、いえ、ちょっと城の外へと思って・・・・・・」
歯切れ悪く応えるアメリアに、ジゴマはニィと笑みを浮かべた。
「アーデンハイル卿のご領地へ行こうとしなすってたんでしょう?」
ジゴマの言葉に、アメリアはまた驚いた。
「ど、どうしてそれを―――?」
「やつがれにも色々と”耳”がございましてね。」
そう言っておどけたように笑みを浮かべる。
「どこか信じられない、といったご様子でございますね。」
「・・・・・・・・・・」
「それで確かめに行かれるので?」
「・・・・・はい。ゴットフリードさんに叛意があるなんて・・・・・・信じられません!あの人はとても立派な人です。領民のことをまず第一に考えて・・・・・そんな人が―――!!」
アメリアの搾り出すような声が静かに響いた。
「お願いです、ジゴマさん!どうか父さんたちには黙っていてください!わたし、どうしても自分で確かめたいんです!」
そう言って懇願するアメリアをしばしじっと見ていたジゴマは、やがていつもの笑みを顔に浮かべた。
「真っ直ぐなおひとですねぇ・・・・・・・・よござんしょ。このジゴマ、貴女様の旅のお供をいたしましょう。」
「え、そんな―――――」
「旅は道連れ、世は情け。刺客たちのこともございますし、それに女の一人旅は何時の時代も物騒でございますからねぇ。」
「すいません。ありがとうございます!」
こうして奇妙な旅の二人組みが出来上がった。



アメリアがセイルーンシティを後にしてから1日が過ぎたとき―――
「なにっ!?」
ゼルガディスは懐中時計を手にしたシルクハットの男が持ってきた手紙に目を通し、驚きの声を上げた。
そこにはアメリアがゴットフリード=ヴァン=アーデンハイルの領地へと向かった、と言うことが記されていた。
「あのバカ娘がっ!!!」
ゼルガディスは憤慨の声を上げると、荷物を手に取り、疾風の如くアメリアの後を追っていった。



*************************************

続きでした。
今回はまた次の舞台への導入みたいになってしまいました。
次からまた刺客たちとのバトルを繰り広げる予定です。
それでは。

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29144ゼル……苦労しますね(笑)エモーション E-mail 2004/1/23 23:09:17
記事番号29135へのコメント

棒太郎さま、こんばんは。

>こんにちは、棒太郎です。
>ようやく舞台は次へ移りそうですが、また長くなりそうです。
>それでは、続きをどうぞ。

次へのつなぎと同時に、ゼルのさらなる受難の始まりですね(笑)
思いこんだら一直線のアメリア。ゼルは手綱をとるべく、奮闘するのでしょう。
……ゼルはこういう星回りの元に、生まれついているのでしょうか(笑)


>セイルーン騎士団の諜報部員が、その命と引き換えに手に入れたプレート。
>かつての昔、セイルーン王国の成立に大きな力となったといわれているが、詳しい伝承は今はもう誰にも分からなかった。

何だか、かなり強力な力を持っていそうですね。
国は人が集まって作るもので、何でも一振り魔法の杖なんて感じに、出来るものでは
ないですが、周囲に「国」として認めさせるための、支えになるだけの力が
あったのでしょうか。

>だが、セイルーンという国に、いやこの国の民に何かしらの災いが及ぶようなものなら、誰であろうと止めねばならない。

フィルさんの偉いところは、真っ先に民のことを心配するところですよね。

>「愚か者!先だってアルフレッド様の事件があったばかりではないか!風評を甘く見てはいかん。例えもはや証明するものがなくても、王位を簒奪したなどという話は、国家の威厳に関わってくる!いずれ、セイルーンの発言力にも影響が出るやもしれん。我らはそれを防がねばならん!」

簒奪、と言っても、負けた側、かつての地位から引きずり下ろされた側からみれば、
どこの国のどんな王朝も、「簒奪」で成り立っているんですよね。基本的には。
きちんと政を行って、周囲や民衆に支持されるからそう言われないだけです。
王だ貴族だと言ったところで、周囲が認めてくれなければ、ただの自称ですし。
でも、確かに変な口実に使われたら、厄介ではありますよね。

>「あいつ・・・・ひょっとしてこうなることを読んでいたんじゃないか・・・・?」
>ニヤニヤと愉しそうな笑みを浮かべるジゴマの顔を思い出し、そう口にした。
>そのジゴマの姿はここにはなかった。
>どこにいったのか―――――?
>だが、ゼルガディスは詮索する気も失せていた。
>また知らぬ間にひょっこり現れる――そう思っていた。

ゼル……。すっかり、ジゴマさんの基本行動を理解していますね。
ある意味、これまでの(主にリナに関わった事による)経験のせいでしょうか。
以前なら、かなり追求したでしょうし。(そして軽くあしらわれて、イライラが増すだけ、と)

>(あの男・・・・・凄まじい腕だ・・・・・・あのとき、ジゴマが割って入らなければどうなっていたか・・・・・・)
>次に出会えば、勝てるか?分からなかった。

ふと、カーライルさんとガウリイ、どちらが強いのかなと思いました。
何にせよ、ゼルは自分がカーライルさんと対峙することを、視野に入れて対策を
考えているのでしょうか。

>セイルーンシティからゴットフリードの領地まで早馬で急いでも3日はかかろうかというほどなのに、昨晩セイルーンシティにいたカーライルはもう、ゴットフリードの館にいた。

街から街へ、すぐに移動出来る手段があるのでしょうか。
それともカーライルさんだから出来る事なのか……。

>ゴットフリードがその名を告げると、カーライルの顔に見る見る驚きの色が浮かび上がった。
>「まさか・・・・・・本当なのか・・・・・?」
>「あ、ああ・・・そうだが?どうしたんだ?」
>「信じられん・・・・・・・」
>カーライルの呟きに、ゴットフリードも驚きの色を浮かべていた。

どうやらかなりの大物のようですね(汗)
そしてカーライルさんにとっては、昨夜から驚きの連続ですね。
でも、「信じられん」……って、何やらさらに秘密がありそうです。

>「・・・・・はい。ゴットフリードさんに叛意があるなんて・・・・・・信じられません!あの人はとても立派な人です。領民のことをまず第一に考えて・・・・・そんな人が―――!!」
>アメリアの搾り出すような声が静かに響いた。
>「お願いです、ジゴマさん!どうか父さんたちには黙っていてください!わたし、どうしても自分で確かめたいんです!」
>そう言って懇願するアメリアをしばしじっと見ていたジゴマは、やがていつもの笑みを顔に浮かべた。
>「真っ直ぐなおひとですねぇ・・・・・・・・よござんしょ。このジゴマ、貴女様の旅のお供をいたしましょう。」
>「え、そんな―――――」
>「旅は道連れ、世は情け。刺客たちのこともございますし、それに女の一人旅は何時の時代も物騒でございますからねぇ。」
>「すいません。ありがとうございます!」
>こうして奇妙な旅の二人組みが出来上がった。

アメリア……(^_^;)本当に思いこんだら一直線……。無茶します、本当に。
でも、気持ちは分かりますね。
そしてやはり面白がっているジゴマさん。そして、昨夜同様に振り回されるのでしょうか(笑)

>そこにはアメリアがゴットフリード=ヴァン=アーデンハイルの領地へと向かった、と言うことが記されていた。
>「あのバカ娘がっ!!!」
>ゼルガディスは憤慨の声を上げると、荷物を手に取り、疾風の如くアメリアの後を追っていった。

お久しぶりのクロックワークさん。ジゴマさんはゼルの反応を面白がって、
手紙を寄こしたのだろうな、と思いますが、何となく半分は「愛と勇気と真実と
正義の申し子」なアメリアの行動に、慣れてなくて扱いに困ったのかもと思いました。
何にせよ、ゼルガディスお母さん。再び大噴火ですね(笑)
でも、すぐに後を追うのは、やはり愛です♪ ……本人、全力で誤魔化しそうですが。

>続きでした。
>今回はまた次の舞台への導入みたいになってしまいました。
>次からまた刺客たちとのバトルを繰り広げる予定です。
>それでは。

次回はアメリアとジゴマさんの珍道中でしょうか。
また、アメリアの動きは……多分読まれているのでしょうから、刺客たちとのバトルが
始まるのですね……。ゼル、がんばって追いつこう!

天気予報の予測どおり、大雪が降りました。ニュースでは仙台は10cmと
言っていたけれど……嘘つけ。どこの測定だ、それは。なくらい、積もってます(笑)
トータルで23〜25cmでしょうか。しかもまだ降っているし。
見事なパウダースノーなので、スキー場は喜んでますが。
年が明けて、寒さが本当に厳しくなっています。風邪などに注意なさってくださいませ。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。続きを楽しみにしていますね。

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29168苦労人です(笑)棒太郎 2004/1/24 23:26:57
記事番号29144へのコメント


>棒太郎さま、こんばんは。

>次へのつなぎと同時に、ゼルのさらなる受難の始まりですね(笑)
>思いこんだら一直線のアメリア。ゼルは手綱をとるべく、奮闘するのでしょう。
>……ゼルはこういう星回りの元に、生まれついているのでしょうか(笑)

こんばんは、エモーションさん。
はい、ゼルの新たな受難の始まりです(笑)
ゼロスと同じような星の下の生まれなんでしょうね。


>>セイルーン騎士団の諜報部員が、その命と引き換えに手に入れたプレート。
>>かつての昔、セイルーン王国の成立に大きな力となったといわれているが、詳しい伝承は今はもう誰にも分からなかった。
>
>何だか、かなり強力な力を持っていそうですね。
>国は人が集まって作るもので、何でも一振り魔法の杖なんて感じに、出来るものでは
>ないですが、周囲に「国」として認めさせるための、支えになるだけの力が
>あったのでしょうか。

それなりの力がないと周りの国からの脅威に曝されますので。
その一端をになったものです。

>>だが、セイルーンという国に、いやこの国の民に何かしらの災いが及ぶようなものなら、誰であろうと止めねばならない。
>
>フィルさんの偉いところは、真っ先に民のことを心配するところですよね。

こういう人が上に立ってくれるのなら、何ら問題はないんですけどね。

>>「愚か者!先だってアルフレッド様の事件があったばかりではないか!風評を甘く見てはいかん。例えもはや証明するものがなくても、王位を簒奪したなどという話は、国家の威厳に関わってくる!いずれ、セイルーンの発言力にも影響が出るやもしれん。我らはそれを防がねばならん!」
>
>簒奪、と言っても、負けた側、かつての地位から引きずり下ろされた側からみれば、
>どこの国のどんな王朝も、「簒奪」で成り立っているんですよね。基本的には。
>きちんと政を行って、周囲や民衆に支持されるからそう言われないだけです。
>王だ貴族だと言ったところで、周囲が認めてくれなければ、ただの自称ですし。
>でも、確かに変な口実に使われたら、厄介ではありますよね。

あまり下手なカードは打てませんからね。外交関係なんか特に。

>>どこにいったのか―――――?
>>だが、ゼルガディスは詮索する気も失せていた。
>>また知らぬ間にひょっこり現れる――そう思っていた。
>
>ゼル……。すっかり、ジゴマさんの基本行動を理解していますね。
>ある意味、これまでの(主にリナに関わった事による)経験のせいでしょうか。
>以前なら、かなり追求したでしょうし。(そして軽くあしらわれて、イライラが増すだけ、と)

はい。大体序ゴマの行動は分かってきました。
以前のままなら、いいように遊ばれてるでしょうけど。

>>(あの男・・・・・凄まじい腕だ・・・・・・あのとき、ジゴマが割って入らなければどうなっていたか・・・・・・)
>>次に出会えば、勝てるか?分からなかった。
>
>ふと、カーライルさんとガウリイ、どちらが強いのかなと思いました。
>何にせよ、ゼルは自分がカーライルさんと対峙することを、視野に入れて対策を
>考えているのでしょうか。

今の時点では、ガウリイのほうが上ですね。なんせ、リュウゼンとほぼ互角ですから。
今のカーライルの実力も並みのものではないですが、リュウゼンたちと比べると少し辛いものがあるというところです。

>>セイルーンシティからゴットフリードの領地まで早馬で急いでも3日はかかろうかというほどなのに、昨晩セイルーンシティにいたカーライルはもう、ゴットフリードの館にいた。
>
>街から街へ、すぐに移動出来る手段があるのでしょうか。
>それともカーライルさんだから出来る事なのか……。

カーライルだからできることですね。この辺りはいずれ。

>>「まさか・・・・・・本当なのか・・・・・?」
>>「あ、ああ・・・そうだが?どうしたんだ?」
>>「信じられん・・・・・・・」
>>カーライルの呟きに、ゴットフリードも驚きの色を浮かべていた。
>
>どうやらかなりの大物のようですね(汗)
>そしてカーライルさんにとっては、昨夜から驚きの連続ですね。
>でも、「信じられん」……って、何やらさらに秘密がありそうです。

今のところの設定では、裏世界でも物凄い人物ということになってます。

>>そう言って懇願するアメリアをしばしじっと見ていたジゴマは、やがていつもの笑みを顔に浮かべた。
>>「真っ直ぐなおひとですねぇ・・・・・・・・よござんしょ。このジゴマ、貴女様の旅のお供をいたしましょう。」
>>「え、そんな―――――」
>>「旅は道連れ、世は情け。刺客たちのこともございますし、それに女の一人旅は何時の時代も物騒でございますからねぇ。」
>>「すいません。ありがとうございます!」
>>こうして奇妙な旅の二人組みが出来上がった。
>
>アメリア……(^_^;)本当に思いこんだら一直線……。無茶します、本当に。
>でも、気持ちは分かりますね。
>そしてやはり面白がっているジゴマさん。そして、昨夜同様に振り回されるのでしょうか(笑)

直情で一直線なタイプですもんね、彼女。
そしてやっぱりジゴマは面白がってるのが分かりますか。
まあ、彼は別にとある依頼を受けてますので、行く先は一緒なんですが。

>>そこにはアメリアがゴットフリード=ヴァン=アーデンハイルの領地へと向かった、と言うことが記されていた。
>>「あのバカ娘がっ!!!」
>>ゼルガディスは憤慨の声を上げると、荷物を手に取り、疾風の如くアメリアの後を追っていった。
>
>お久しぶりのクロックワークさん。ジゴマさんはゼルの反応を面白がって、
>手紙を寄こしたのだろうな、と思いますが、何となく半分は「愛と勇気と真実と
>正義の申し子」なアメリアの行動に、慣れてなくて扱いに困ったのかもと思いました。
>何にせよ、ゼルガディスお母さん。再び大噴火ですね(笑)
>でも、すぐに後を追うのは、やはり愛です♪ ……本人、全力で誤魔化しそうですが。

反応というか、これからの舞台を考えて手紙を遣しました。
勿論面白がってます。
そして、またしても火山の大噴火。しばらくは続くでしょう。


>>続きでした。
>>今回はまた次の舞台への導入みたいになってしまいました。
>>次からまた刺客たちとのバトルを繰り広げる予定です。
>>それでは。
>
>次回はアメリアとジゴマさんの珍道中でしょうか。
>また、アメリアの動きは……多分読まれているのでしょうから、刺客たちとのバトルが
>始まるのですね……。ゼル、がんばって追いつこう!

珍道中になりますねぇ。付き添いがジゴマだから胡散臭いものですが。
そして刺客たちも勿論やってきます。

>天気予報の予測どおり、大雪が降りました。ニュースでは仙台は10cmと
>言っていたけれど……嘘つけ。どこの測定だ、それは。なくらい、積もってます(笑)
>トータルで23〜25cmでしょうか。しかもまだ降っているし。
>見事なパウダースノーなので、スキー場は喜んでますが。
>年が明けて、寒さが本当に厳しくなっています。風邪などに注意なさってくださいませ。
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。続きを楽しみにしていますね。

大変ですね。
こちらは雪が積もるどころか、降ることもそんなにないので、積雪の苦労は実感としてあまり分からないのですが。
寒さは確かに厳しくなっていますね。早く春が来て欲しいです。
それでは、どうもありがとうございました。