-異界黙示録伝《風の書》その6-魔沙羅 萌(6/1-22:11)No.2903
 ┗Re:異界黙示録伝《風の書》その6-松原ぼたん(6/3-18:10)No.2933


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2903異界黙示録伝《風の書》その6魔沙羅 萌 6/1-22:11

ぼたんさま、文が上手だって言ってくださってどうも、ありがとうございます。
個人的にあまりよい文だとは感じてなかったんだけど。
国語の成績も悪いし。嫌いじゃないんだけど。
少し、自信が持てました。本当にありがとうございます。
今回は……その6だよね。


精霊たちの歌……
それは、『リラ』が独自の進化をはじめてからその元素の霊たちが歌い継いだものだ。
それは、2000年ごとに起こる混乱にあわせた黙示の歌……。
その混乱の原因はいろいろとある。
たとえば、6000年前には神と魔神がはっきりと別れるという事件。
4000年前には『赤き龍』の目覚めと『風渦巻きし所に住まうの者』の対立。
2000年前には元素の霊と『魔王』そして、『元素の力を継ぎし者たち』の伝説。
そして……今、『リラ』では過去に類を見ないほどのたくさんの混乱が渦巻いている……。
そして、その混乱の中、精霊たちは黙示の歌を解き放っている……。
そう、失われし『トキノウタ』を……失われた『環』をよみがえらせるために……。


ミッシング・リンク 〜失われていく『環』〜


「生態系への大きな異変……?どういう意味だ、フェアル?
この妖精界になにが起こっているというんだ!」
ゼルガディスさんはどうやら少し、落ち着きがない状態のよう。まあ、彼女があんなこといってるのに、落ち着けるのは私ぐらいかも。
「それもあるけど、今、ティタニアってなにやってるの?
キメラを造るなんて2000年前に逆戻りよ。
あ、そうそう、そこにいるキメラな方がゼルガディスさんで、人間の女性がアメリアさんよ」
「をい」
ゼルガディスさん、何か言いたさそう。パックやアメリアさんもこけてるし……説明のしかた、悪かったかな。
『え、ええとですね、私にわかっている事はあまりありませんが……
こちらの世界の《科学》というものの中で《進化論》というものがあります。
その中に、《進化の環》というものがあります。
たとえば…精霊と人間を繋ぐなかに私たち妖精がいたり、動物がいたりします。
2000年前……こんな実験が行われました。
鳥人族の少年をつかって新たなる生物を創り出す実験……
《環》を破壊され、独自の進化を進めさせられた少年は…《鵺》…つまり、得体の知れない生物になってしまいました…。
ティタニアは自分で合成獣を作り、新たなる生物を創造する事によってすべての生物を操るつもりなんです』
ということは……
「それっておもいっきり神への冒涜よね……もっともあの『魔女』のやりそうなことね」
思わず呟く私にパックは…
「でもさあ、アグニ、《神への冒涜》ってお前が言うなよ。火の神のお前が」
……。
「パックぅ、貴方ねえ、私が言っている神って言うのは創造の神、大地母神《リラ》のことよ。間違っても自分のことじゃないわ。わかりましたか?」
「わーった、わーった」
パックはそんなことを言いながらも他愛のない会話をも紙に書き写して行く。
どうでもいいけど、そんな会話まで書かなくてもいいのに。
「確かに許されていいものじゃありませんよね」
ゼルガディスさんの隣でアメリアさんがそう呟く。
「フェアル、一つ聞いていいか。その後、《鵺》はどうなった」
『その答えは私なんかより、アグニ様の方がくわしいと思います。
アグニ様のお母様は《当事者》ですから』
鵺についてか……本当は話さない方がいいのかもしれないけれど……
「どうなんだアグニ」
……。
「わかりました。話します。
私が、鵺の話をはじめて聞いたのは20歳ぐらいの頃です。
その鵺がどうなったかと言うと……魔王が封印されてからすぐ、消息を絶ちました。
でも、本当は発見されていたんです。そちらの世界での最初のキメラの姿ってご存知ですか?
見るからに得体の知れない生物……《鵺》だったんです。
鵺は…二つの世界の狭間でさまよったあげく、初のキメラ実験において実験台の生物と混ざってしまったんです」
「それって……とてつもなく大事ですよね。
あ、アグニさんってわたしと同じ年かと思ってたのに、年上だったんですね」
なにをいまさら……って、私、説明してなかったなあ。
『そんなことよりアグニ様、すぐにここを出ましょう。
ティタニアのやろうとしている事はそれだけではないんです。
ティタニアは私やパックをつかってとんでもない事をやらかそうとしているんです!
《クローン魂移植技術》。その実験をやろうとしているんです!
私はともかく…お願いです、パックをつれて逃げてください!』
…なんて恐ろしい事を……。
確かに、パックやフェアルのような体質の妖精はその技術の実験に最適と言える。
魔力の大きい者である妖精を使うのがこの技術の条件。
二人とも、その条件には軽くとどいている。
「アメリアさん、ゼルガディスさん、いったんフェアルとパックをつれてフィナリスへもどりましょう」
「賛成です」
「同感だ」
「いきましょう、フェアル。フィナリスへ」

〔続く〕

……暗い。
しかも長い。
まあ仕方がないさ、こんな話を考えちゃったんだから。
てなわけでまだ続きます。


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2933Re:異界黙示録伝《風の書》その6松原ぼたん E-mail 6/3-18:10
記事番号2903へのコメント
 面白かったです。

>ゼルガディスさんはどうやら少し、落ち着きがない状態のよう。まあ、彼女があんなこといってるのに、落ち着けるのは私ぐらいかも。
 確かに・・・・。
>「をい」
 つっこみたくもなるよねー、わかりやすいけど(笑)。
>「でもさあ、アグニ、《神への冒涜》ってお前が言うなよ。火の神のお前が」
 鋭いつっこみかも(笑)。
>……暗い。
 うーん、確かに。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。