◆−スレイヤーズTRYノベル第二期!−オロシ・ハイドラント (2004/1/26 15:32:52) No.29183
 ┗スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕−オロシ・ハイドラント (2004/1/26 16:02:17) No.29185
  ┣Re:スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕−エモーション (2004/1/26 22:57:07) No.29196
  ┃┗Re:スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕−オロシ・ハイドラント (2004/1/27 19:35:25) No.29199
  ┗スレイヤーズTRYノベル:八話:恋する乙女?−オロシ・ハイドラント (2004/1/30 20:17:52) No.29224
   ┗スレイヤーズTRYノベル:九話:悪魔の誘拐−オロシ・ハイドラント (2004/2/3 17:02:57) No.29257
    ┣フィリアの受難、開始でしょうか−エモーション (2004/2/3 23:50:05) No.29261
    ┃┗Re:フィリアの受難、開始でしょうか−オロシ・ハイドラント (2004/2/4 15:38:08) No.29265
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29183スレイヤーズTRYノベル第二期!オロシ・ハイドラント 2004/1/26 15:32:52


第一期は序章に過ぎなかった。
そしてこの第二期もまた序章に過ぎない。
いつになったら本番に入るのだろうか。
というわけでこんばんは、ハイドラントです。
ついに六期分まで書き終え、少し余裕が出て来たので投稿です。
さて第二期は短いです。
二話か三話程度で終わります。
原稿用紙枚数にしても60枚か70枚程度で(それでも結構多いが)、第四期の一部を移したせいで長くなった第三期の半分くらいしかありません。
とはいえ、伏線が結構張られていたりします。
サブタイトルは「闇の襲来」編。
その闇が何なのかは読めば分かると思います。
それでは、ごゆっくりどうぞ。

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29185スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕オロシ・ハイドラント 2004/1/26 16:02:17
記事番号29183へのコメント
 7:闇の右腕


 ムッサボリーナを発ったあたし達がまず目指すのは、すぐ北にあるアウスベリー王国への国境だった。
 豊かな空気が吸えるという緑海街道を通り、――左右が深い森に覆われ、確かに空気も豊かだったが、少々閉塞感を感じた――北上したあたし達が目にしたのは、大地を隔てる巨大な壁であった。
「うわあっ……凄いわね」
 思わず感嘆の声が出た。
 壁は左右に広がっており、その距離は計り知れない。
 いかにして、このようなものが造られたのだろうか。
「これが平和の壁ですよ。アウスベリーとアルフォディーネの両王国は元々仲が悪く、戦争を繰り返していたんですが、やがて戦乱が収まり両国の和平がおこなわれた時にこれが造られたわけです。それにしても平和記念物が相手国の侵攻を防ぐ障壁とは……」
 馬車の速度が緩むと、ラファエルが一気に饒舌となった。
 あたし達はこの壁を越えるのだ。
 馬車は壁の一部にある門の方に向かっていく。
 潜るのは無料で手続きも必要ないため、すぐにアウスベリーの土を踏むことが出来た。


 アウスベリー東地方には広い平原があり、地平線を見ることが出来た。
 あたし達は丘陵地に位置する小さな村により、アウスベリー王国での初の宿泊を経験した。
 その宿は比較的高い位置に経っている上に、屋上が平らになっており、そこから大平原を見下ろすことも出来た。
 屋上の一階下は食堂になっており、そこもなかなかの展望台だ。
 実はこの宿、この村では一番高級なところなのだが、フィリアの反対を見事押し切り、どうにか泊まることが出来たのだ。
 ……やはり初宿泊は豪勢なところでないと。
 フィリアは始めの内こそ不機嫌だったが、豪勢な料理と素晴らしい展望、それに活気溢れる雰囲気に押され、いつしかハイテンションになっていた。
「しっかし本当に良く食うな。フィリアは」
「皆さんもどんどん食べてください! どうせ私の奢りなんですから」
 ガウリイの言葉に対し、フィリアは上機嫌でそう言った。
 ガウリイも相当食べているが、フィリアのそれは彼を遥かに凌いでいた。
 凄まじいペースだ。
 早食いの部類に入るあたしも、今の彼女には敵わない。
 一番遅いラファエルと比べると、空を飛ぶドラゴンと亀くらいの差がある。
 竜族はさほど食事を必要としないらしいし、今までの食事ではあまり食べていなかったが、実はこちらが彼女の本性なのだろうか。
 さらに言うと、彼女は大量のお酒を飲んでいる。
 頬は紅葉を始めているが、酔い潰れる様子は全くない。
 結局、上機嫌のまま彼女は一番先に退出した。
 食後、大浴場で入浴を済まし、あたしは床に就いた。
 飲酒を少々したためか、すぐに眠ることが出来たようだ。
 しかし夜中に突如、目が覚めた。
 このようなことがある時は、何かが必ず起こるのだ。
 起き上がって目を見開き、辺りに神経を集中させた。
 ……何も起こりそうにない。
 だが、このまま眠る気にはなれなかった。
 夜着のまま、あたしは廊下に出る。
 廊下にはランプの灯りが照っている。
 証明はトイレが共同になっているため必要なのだ。
 薄暗い廊下をゆっくりと歩き出す。
 闇があたしの傍をそっと通り抜けていく。
 足音は小さいながらも確実に響く。
 とはいえ消す気はない。
 あたしは屋上を目指した。
 なぜかそこへいく必要があるように感じたのだ。
 階段を昇り始める。
 食堂のある階も通り越し、さらに上へと。
 屋上へ通じる階段には灯りはなかったが、それでも手探りであたしは進む。
 突如、夜風が吹きつけた。
 月の光に彩られた夜の世界が姿を現す。
 歌声が聴こえた。


「あなたはなぜそこにいるの
 なぜ雨に打たれているの
 月の光も届かない
 闇の中にただ独り」


 美しい歌声だった。
 しかし同時に悲しさを孕んでいた。
 誰かがいるようだ。
 そして歌を歌っている。


「あなたのその眼差しは
 まだ光をなくしていない
 まだ翼を休ませるほど
 歳を経てはいないはず」


 柔らかに吹く風も、夜を照らす月も、星も、同じように歌っている。
 心にまで浸透して来るメロディ。
 あたしは歩みを進めた。
 彼女の元へと。
 歌は続く。
 悲しみは終わらない。


「あなたのその右の手に
 そっと唇を当てて
 あなたに笑顔が戻ったら
 私は死んでも構いません」


 屋上の片隅に彼女はいた。
 月光に照らさせた金色の髪が風になびく。
 彼女は歌を止めない。
 あたしにも全く気付いていない。


「愛という言霊は
 あなたに届く当てはない
 あなたがそれを拒むなら
 私は苦しみ続けます」


「……フィリア?」
 言葉が口を突いた。
 虚空を辿って、声は彼女の耳へと。
「……リナさん」
 歌が止んだ。
 沈黙。
 風が吹く。
 静かに吹く。
 さっきと違う。
 歌っていない。
 月も星も見つめているだけ。
 空気が急に重くなった。
 夢から覚めた時の感覚にも似ている。
「……どうしたんですか? こんな夜中に」
「それはこっちが言いたいわよ。ちょっと目が覚めただけよ」
 少しきつかったかも知れない。
「ところで今の何の歌?」
 口調を変えてそう訊ねると、フィリアはしばし風に揺られた後、おもむろに口を開いた。
「……分からないんです」
「分からない?」
「そうなんです」
 フィリアの口調は穏やかだが、感情は穏やかとは思えなかった。
「いつの間にか覚えていたんです」
 フィリアの心は涙に濡れているのではないだろうか。
 表面からでもそう推測出来る。
「それに……」
 それに? とあたしは心の中で訊いた。
 口には出さない。
 言葉にならない。
 沈黙が訪れる。
 フィリアは発言をためらっているようにも、ただ夜気に浸っているようにも思えた。
 恐らく答えは前者なのだろうと心で思った時、声が生まれた。
 美しい声だった。
「……不思議で、不思議で堪らないんですが、この歌を歌うたびに辛く悲しい気分になるんです。歌の内容がどうこうっていうんじゃないんです。……何ででしょうね?」
 微かに笑った。
 世界に光が満ちた。
 月が笑った。
 星が微笑んだ。
「何か、悲しい思い出でもあるんじゃないの?」
 空気が軽くなる。
 あたしは普段の言葉を取り戻した。
「さあ? 全く記憶にありませんが……」
 思えばフィリアは竜族だ。
 きっとあたし達よりずっと長い時間を生き続けているのだろう。
 百年。
 いや二百年かも知れないし、もっとずっと長い時間かも知れない。
 途方もない時の流れの中で、一体どれほどのことを見て来たというのだろうか。
 それならば、多少のものごとを忘れても、不思議ではないはずだ。
「あっ、そろそろ私寝ますね」
 フィリアの声は明るかった。
「じゃあまた明日」
 去るフィリアにあたしは手を振った。
 手を降り返して来るフィリアの表情は、まさしく満面の笑顔だった。
 一人になって、空を見続けてしばらく経つ。
 不意にあたしという存在が、夜に溶け込み、夜の一部と化す。
 いつか死ぬんだな。
 あたしは不意にそう思った。
 急に自分が頼りない存在に思えて来て、悲しくなった。
 竜族と違って人の命は短い。死んだら一体どうなるのだろうか。
 天国にゆくのか。
 それとも輪廻転生して、再びこの世に生れ落ちるのか。
 そんなものは人間の考え出した根拠のないシステムにすぎない。
 本当のことは誰にも分からない。それこそ死んでみない限りは。
「……あたしも、いつかは死ぬのよね」
 永遠の命が欲しいわけではないが、やはり死ぬのは恐ろしい。
 いくら死線を潜り抜けても、この根源的な恐怖は拭い去ることの出来ないものではないだろうか。
 ……単に若いからかも知んないけど。
「……ほう。死にたいのか? リナ・インバースよ」
 え?
 突如、声が聴こえた。
 だが気配はない。
 誰もいないはずだ。
 辺りを見回す。だが静かな光景。
 やはりここにいるのはあたしだけ。
 声は幻聴だったのだろうか。
「くくくっ、気付かないのか?」
 いや違う。
 絶対にどこかにいる。
「あんた何者? それとどこにいるの? 出てらっしゃい」
 あたしは強い口調で、声を虚空に浴びせる。
「まずは、最初の質問に答えよう」
 その声は男のものだ。
 冷静に観察すると、やや低く掠れた声だと分かった。
「……俺の名はエイデンバングル。ヴァルガーヴの使いだ」
 ヴァルガーヴ。
 あたしを襲った男の名。
 確かガーヴの意志を継いだと言っていた。
 彼の味方だとすれば、間違いなくあたしの敵。
「さて、第二の質問だな。……簡単だ。俺は後ろにいる」
 素早くあたしは振り向いた。
 するとそこには闇があった。
 黒い。黒いわだかまり。
 それは漆黒の布に見えた。
「あんたまさか……」
「会うのは二度目になる」
 そう。
 ヴァルガーヴからの手紙をあたしに渡した男だ。
「ヴァルガーヴは獣神官ゼロスのせいで重傷を負っている。すぐに目覚めるだろうが、今は意識すらない」
「それはご苦労様。で、あんたが代理役ってわけ?」
「言っておくが俺は強いぞ」
「そういうハッタリかますやつは弱いって、遥か昔から相場が決まってんのよ」
 姿が見えれば恐くない。
 あたしだっていっぱしの魔道士だ。
 あたしはエイデンバングルとやらを強く睨んだ。
「そういう舐めた口が決めるのも今の内だ!」
 その時、エイデンバングルが叫んだ。
 空気が激しく暴れ出し、轟音があたしの鼓膜を強打する。
 同時に降り掛かる強い視線。
 エイデンバングルの力が垣間見えた。
 あたしは動けなかった。
 嘘。
 ……全く動けない。
 凄まじい威圧感に縫い止められている。
 エイデンバングルが近付いて来る。
 死神の足音が聴こえる。
 ……殺される?
 黒い腕が伸びた。
 それは右腕だ。
 あたしに迫って来る真っ黒の闇。
 光をすべて吸い込む真の無明。
 首元を掴まれた。
 冷たい触感に震えてしまう。
 だが身動きはほとんど出来ない。
 それでもあたしはやつを睨み続けた。
 あたしは負けない。
 呪文を唱えることも出来ないが、視線だけでもあたしは勝つ。
 恐怖を振り払った。
 その時、腕が外れた。
 それと同時に突き飛ばされる。
「今日は別にお前を殺しに来たわけではない」
 彼はそう言った。
 落ち着いた口振りで。
「じゃあ……何しに来たのよ!」
 あたしは怒鳴った。
 だが身体は凍えるように震えている。
 安堵の感情もあったにせよ。
「自己紹介と、俺がいつでもお前を殺せるということを教えに来たのだ。もしヴァルガーヴを倒しても、俺がいるということを忘れるな」
 そう言って、彼は闇の溶けて消え去った。
 その瞬間に、あたしは脅えの呪縛から解き放たれた。
 それにしても一体何者だったのだろうか。
 あの恐ろしい男は。
 ただ推測するには、名乗った通りヴァルガーヴの使いとして、手足となって働くだけの男ではなさそうである。
 ヴァルガーヴに敬称をつけないことはもちろん、自己を顕示して実力をはっきり示していることがそう思わせる。
 まあ、力は隠しておくより示しておく方が、戦力として有効に働く場合もないわけではないだろうが。
 ともかく今日はこれで寝るとしよう。
 明日は即出発なのだから。
 あたしは自分の部屋に戻った。
 それにしても疑問に思うことがある。
 エイデンバングルは、なぜここにいたのだろうか。
 あたしが屋上に来る保障などないというのに。
 それに第一、なぜこの場所にあたしがいるのか分かったのだろうか。
 それほどまでに高い情報収集能力を持つというのか? 
 それともやつは、あたし達の知らぬ未知の力を持っているのだろうか?


 *


 ゼロスは一部始終を見ていた。
 「仕事」の息抜きとして……
 彼女が黒い男に襲われていた。 
 今回は助ける必要もないと思ったし、それは正しい判断だった。
 やはり、彼は彼女を殺さない。
 あるいは殺せないのだ。
 彼の正体は分からないが、そのことだけは確かである。
「それにしても……」
 ゼロスは呟いた。
「あの女性からは、妙に嫌な匂いがしますね」


 <@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>

 
 風神通信じゃないあとがき


 この話には謎の人物というものが、そりゃあもう仰山出て来ます。
 今回のエイデンバングルもその一員です。
 そういった謎の人物が何者なのか予想しながら読むのも、この話の楽しみ方の一つかも知れません。 
 途中で正体や行動動機を看破したからには短編リクエスト券を一枚差し上げます。
 勘でも推理でも占いでも神託でも超能力でも神通理気でも構いません。
 ちなみにこれは完全に正体が明かされるまで有効です。
 もっとも本格推理小説ではありませんので、手掛かりは少ないと思いますが。


 謎の人物該当者リスト(現在までに、作中に名前の出ている登場人物のみ)
 ・ラファエル
 ・ヴァルガーヴ(アニメを見ていれば半分は分かるはず)
 ・エイデンバングル


 それでは、これで失礼致します。
 読んで頂いた方、どうもありがとうございます。

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29196Re:スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕エモーション E-mail 2004/1/26 22:57:07
記事番号29185へのコメント

こんばんは。

第二期開始ですね。それにしても既に六期まで書き上げているのですか。凄いです。

今回は、多少リナとフィリアが打ち解けたようですね。
そしてフィリアが歌う歌……。何やら意味深な歌ですね。
そのまんま、ヴァルガーヴに向けているような歌でもありますし、
他にも意味がありそうだと思いました。
自分でも分からない歌、歌うと悲しい気分になるのに、(おそらく)歌わずに
いられないのであろう歌……。
フィリアにとってこの歌は、かなり大きな意味がありそうですね。

そしてまた現れた謎の人物、エイデンバングルさん。
魔族……とも微妙に違う感じがしますね。この辺りはノリと立場は違っても、
ラファエルさんも同じですが。
ヴァルガーヴを呼び捨てにしていて、尚かつ少なくとも同等以上の力を持つのですから、
手下や部下というより、とりあえず同盟を結んでいる間柄、が近いようですね。
リナに関してはヴァルガーヴの方に優先権がある、というところでしょうか。
ただ、ゼロスの台詞から推測すると、そうでなくても、今の時点でリナを
殺すことは出来なさそうですが。
それにしても、ヴァルガーヴは依頼に関係なく、いつかはリナの元へ
現れたのでしょうけれど、エイデンバングルさんの場合は、リナが依頼を
受けたからなのか、それともそうでないのか、ちょっと気になりますね。

>「それにしても……」
> ゼロスは呟いた。
>「あの女性からは、妙に嫌な匂いがしますね」

ゼロスの言うあの女性って……やっぱりフィリアですよね?
ふと、神魔戦争シリーズとリンクしているのかなと思いました。

謎の人物の方々の正体、動機……うーん、今のところまだよく分からないです。
少しでも判明前に分かると良いなあ……。

また、流れが速いため、もう下に行ってしまった昔話風しんませんそうの物語。
それにしても、リュージンはある意味、困ったちゃんな性格ですね(^_^;)
たった二人だけの仲間故の確執が、何とも悲しいと思いました。
自分の罪がたった一人だけの仲間を、ひたすら破滅へと追いやってしまった。
だから止めるのは自分の責任。罪からは逃げないし、滅ぼされるとしても、
相手の暴走だけは止める。今のリュージンはそれだけが目的なのでしょうね。
また、メイオーが無茶苦茶謎な存在でした。

それでは、今日はこの辺で失礼します。
続きを楽しみにしていますね。

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29199Re:スレイヤーズTRYノベル:七話:闇の右腕オロシ・ハイドラント 2004/1/27 19:35:25
記事番号29196へのコメント

>こんばんは。
どうも、こんばんは。
>
>第二期開始ですね。それにしても既に六期まで書き上げているのですか。凄いです。
いえ、投稿する踏ん切りがつかないでいる内に、いつの間にか(と思えるほどすんなり進んだわけでもないですが)そこまで進んでいただけです。
全体的な構成を整えたかったという理由もありますけど。
>
>今回は、多少リナとフィリアが打ち解けたようですね。
ええ、リナとフィリアの関係はどんどん進展してきます(何か誤解招きそうな表現)。
>そしてフィリアが歌う歌……。何やら意味深な歌ですね。
>そのまんま、ヴァルガーヴに向けているような歌でもありますし、
>他にも意味がありそうだと思いました。
>自分でも分からない歌、歌うと悲しい気分になるのに、(おそらく)歌わずに
>いられないのであろう歌……。
>フィリアにとってこの歌は、かなり大きな意味がありそうですね。
意味が一つでないことは確かです。
重要な意味も持っています。

歌について完全に明かされる場所までまだ漕ぎつけていなく、本当に物語の中にうまくはまってくれるか心配だったりするんですけど……。
>
>そしてまた現れた謎の人物、エイデンバングルさん。
>魔族……とも微妙に違う感じがしますね。この辺りはノリと立場は違っても、
>ラファエルさんも同じですが。
>ヴァルガーヴを呼び捨てにしていて、尚かつ少なくとも同等以上の力を持つのですから、
>手下や部下というより、とりあえず同盟を結んでいる間柄、が近いようですね。
まあ大体、こちらでのアルメイス役とでも考えて頂ければ良いと思います。
もちろんアルメイスとは正体も役柄も全く違いますが。
>リナに関してはヴァルガーヴの方に優先権がある、というところでしょうか。
ええ、そうなってます。リナはガーヴの仇ということになっていますから。
>ただ、ゼロスの台詞から推測すると、そうでなくても、今の時点でリナを
>殺すことは出来なさそうですが。
>それにしても、ヴァルガーヴは依頼に関係なく、いつかはリナの元へ
>現れたのでしょうけれど、エイデンバングルさんの場合は、リナが依頼を
>受けたからなのか、それともそうでないのか、ちょっと気になりますね。
……この辺りには結構ややこしい事情があったりします。
多分、この話で一番ややこしい動きを見せるキャラですので。
>
>>「それにしても……」
>> ゼロスは呟いた。
>>「あの女性からは、妙に嫌な匂いがしますね」
>
>ゼロスの言うあの女性って……やっぱりフィリアですよね?
>ふと、神魔戦争シリーズとリンクしているのかなと思いました。
……………………………あっ、確かに(思い出すの遅!)。
でもリンクはしてないです。
リンクさせると何か破綻するような気がしますし。
>
>謎の人物の方々の正体、動機……うーん、今のところまだよく分からないです。
>少しでも判明前に分かると良いなあ……。
エイデンバングルについて完全に判明するのはかなり後になると思います。
七期にならないと完全に判明しない予定のラファエルより遅いし……。
>
>また、流れが速いため、もう下に行ってしまった昔話風しんませんそうの物語。
>それにしても、リュージンはある意味、困ったちゃんな性格ですね(^_^;)
確かに。それが人間らしいといえば人間らしいのかも知れませんが。
>たった二人だけの仲間故の確執が、何とも悲しいと思いました。
単なるケンカというほど可愛いものじゃないですからね。
これに比べたら兄弟ゲンカなんて大したことじゃないのかも。
>自分の罪がたった一人だけの仲間を、ひたすら破滅へと追いやってしまった。
>だから止めるのは自分の責任。罪からは逃げないし、滅ぼされるとしても、
>相手の暴走だけは止める。今のリュージンはそれだけが目的なのでしょうね。
そうですね。結局のところ結構律儀なのかも知れません?
>また、メイオーが無茶苦茶謎な存在でした。
エデンの園でリンゴを食べさせようとする蛇役?
でもああいう効き目を起こすなら自分で食べても良かったような気が……。
やはり謎ですね(おい)。
>
>それでは、今日はこの辺で失礼します。
>続きを楽しみにしていますね。
それでは、ご感想どうもありがとうございます。
「王女様と私」の完結編出てますね。ゆっくりじっくり読ませて頂きます。

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29224スレイヤーズTRYノベル:八話:恋する乙女?オロシ・ハイドラント 2004/1/30 20:17:52
記事番号29185へのコメント

 今回長く見えますが、実はあとがきが結構長いせいだったりします(本編も短くはありませんが)。


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 8:恋する乙女?


 夜が明ける。
 昨日のことについては誰にも言わずにおいた。
 どうせ余計な心配を掛けるだけだ。
 朝食はヴァイキング形式となっていた。
 多数用意された料理の中から、欲しいものだけを選んで食べるという形の食事である。
 食品の質は低い場合が多いけれど、制限時間内はどれだけ料理を食べようと料金は均一という利点を持つ。
 当然大量に食べた。
 朝とはいえ遠慮はしない。
 食後、しばしの休憩を経て、あたし達は宿を発った。
 本日もまた天候に恵まれ、暖かな陽射しを感じることが出来た。
 黄金色の光に照らされた平原は、いかなる宝石よりも美しいのではないかと思えたほどだ。
 出発時に買いものをしていたため、街道の途中で昼食を取ることが出来た。
 地平線を眺めながらの食事はまた格別なものだ。
 夕刻にはそこそこ大きな村に辿り着いたが、今度の宿はあまり豪勢なものとは言えなかった。
 今度はフィリアの意見が勝利を収めたのだ。
 それからも旅が続き、ようやく国境付近にまで辿り着いた。
 アウスベリーを過ぎると、次はラドナ共和国に入る。
 そこから南下すれば、巨竜の化石と呼ばれる巨大山脈を越える必要がなくなるのだ。
 だが国境を越えるより先に、その事態は発生した。


「突然ですが、お三方には働いて頂きます」
 パルス・タウンという町の食堂で夕食の料理が来るのを待っていると、突然フィリアにそう言い渡された。
「ええっ! どういうことよ!」
 お二人とは、当然あたしとガウリイを差している。
「……路銀がなくなったんです」
 フィリアが沈んだ表情でそう言った。
「でも、費用は全部フィリア持ちって言ったでしょ。だから安心して持ち金全部使ったのに。こんな田舎じゃあ、魔道書もマジック・アイテムも売れないし。もっと早く言ってくれなかったの?」
 この辺りに大都市は一つもなく、この町で充分大きい方だ。
 ここよりましな場所にいくには結構は掛かるし、それも進行方向とは別の方向へ進まなければならない。
 この辺りはアウスベリーで最も辺鄙な土地なのだ。
 全く、戦争などしている暇があるなら辺境の開発でもした方が良いのに。
「だって言い出し難いじゃないですか! 勇気振り絞ってやっと言えたんですよ」
「そんなこと知らないわよ。第一、お金がないならあんたが働いて稼げば良いじゃないのよ」
 痛烈な言葉かも知れないと思ったが、自然に口に出されていた。
「当然です! 私だって働きますけど……」
 フィリアは言葉の途中で黙り込む。
 険悪なムードがあたし達の間に流れた。
「四人で働けば、それだけ稼ぎも増えます。その方が合理的じゃないですか。それに路銀が尽きたのは、わたくし達全員の責任ですよ」
 沈黙が続く中、口を開いたのはラファエルだった。
 ちなみに彼もお金は持っていないらしい。
「それはそうだけど……」
 確かにあたし達が贅沢さえしなければ、こんなことにはならかなったかも知れない。
「というわけで決定ですね。インバースさんもガブリエフさんも、明日から働いてくださいますね」
 仕方なくあたしは頷いた。
「ところで、ちょっと良いか?」
 そこへ、ずっと黙っていたガウリイが口を挟んで来る。
「さっきから何の話してるんだ?」
 ……聞いてなかったんかい。
 とにかく、あたし達は明日から仕事を探すことになった。


 この町では大きな事件など滅多に起こらず、盗賊らしき集団もいるにはいるが、今のところは表立って悪事を働いているわけではなく、理由のない盗賊いじめはフィリアに禁止されたため、あたしの魔道士としての能力が金銭に結びつくことはない。
 そうなると、あたし達は地道に働くしか手はなくなるのだが、仕事先はすぐに見つかった。
 雇ってくれたのはある宿の店主で、真面目に働くことを条件に、三度の食事と寝床を無償で与えてくれることとなった。
 仕事内容は、あたしとフィリアは一階にある食堂で皿洗いとウェイトレスの仕事、ガウリイはひたすら客室の掃除、ラファエルは掃除を手伝いつつ、受付の代理や宿泊客の案内をおこなうという風に、同じ職場でもやることは全く違う。
 給料は日払いで、意外と高い。
 聞くところによると、この辺りは作物がよく育つ上にその品質も上等なもので、それを使った料理は好評なため、かなりの観光客が集まるのだという。
 簡単に条件の良い仕事が見つかったのはそのためなのかも知れない。


 同じ仕事をしているため、フィリアとはたくさん会話をした。
 最初は嫌な女だと思っていたが、それは本質ではなかったようだ。
「リナさん。お茶を持って来ました」
 店主に許可をもらい、休憩していたあたしにお茶を淹れてくれたこともあった。
 なかなか良い娘である。
 特別上手なわけでもなかったが。
 また花の種類に詳しいことも判明した。
 この分野に関しての知識は、ラファエルすら凌ぐのではないだろうか。
「ところでリナさん」
「何?」
 ある日の晩のことである。
 桶に溜められた水と布巾を使い、二人並んでお皿を洗っている時、フィリアが小声で話し掛けて来た。
「……リナさんって、恋をしたことあります?」
「…………」
 あたしは口を塞がれたような感覚を覚えた。
「……あんた……まさか……」
 フィリアは幸せそうな笑みを浮かべながら、首を縦に振る。
 これは、まずい。
 旅の途中で恋などされたら、路銀を稼ぎ終えても町から出れなくなる可能性が出て来る。
「でも、告白する勇気がなくて……」
 無神経なことにも、彼女はあたしにアドバイスをして欲しいようだ。
 しかし、
「フィリア。あのね……」
「分かっています。私は竜、相手は人。でも種族の違いなんて愛の前では些細なことです。全く前例のないことでもありませんし……」
「いや、そうじゃなくて……」
「でも……」
 突然、熱く語り出したと思ったら、急に萎れ顔。
 全く起伏の激し過ぎる。
 まあ、あたしも他人のことは言えないかも知れないが。
「本当にお願いします。……リナさんも告白に立ち合ってください。そうすれば上手く告白出来ると思うんです」
 黙り込んだと思いきや、いきなり強く訴えて来る。
 どうやら恋する女を止めることは無理なようだ。
「分かったわ。それで誰が……」
 観念したあたしが受諾の言葉を発したその時、
「何しとんじゃお前らは! 仕事せんかい仕事!」
 料理長である。
 四十ほどのおっちゃんだ。
 普段は優しいが、起こると下手な魔獣より恐い。
「す、すみません!」「すみません!」
 あたしとフィリアは咄嗟に頭を下げる。
 こんなことでクビにされてはたまらない。
 あたし達は皿洗いを再開した。


 フィリアの話によると、お店に来ている客の中に、その人はいるらしい。
 ある日の晩、その客が見せに来ているのを確認したフィリアは、店主に頼み込んでどうにか許可をもらい、告白のチャンスをついに得た。
 ウェイトレスが客に恋の告白をするなどということは、店の評判を落とすことにもなりかねない――と思う――というのに、よく承諾してくれたものだ。
 あたしとフィリアは厨房側から店内を見回す。
 本日は普段以上に盛況なようだ。
 席の八割方は埋まっているのではないだろうか。
 客の群れを眺めつつ、目的の相手は誰なのかと小さな声で尋ねた。
 フィリアが返答して来る前に、あたしの眼が一つの人物を捉えた。
 奥の方でよく見えないのだが、確かにそこにいるのは全身を黒ローブで覆い尽くした者がいた。
 エイデンバングル!? と思ったが、どうも雰囲気が違う気がする。
 そういえば、同じような姿をした者とどこかで会いはしなかっただろうか。
「……あそこですよ。あそこですってばリナさん」
 どうやらあちらに気を取られ過ぎていたようだ。
 フィリアが小声で喚いている。
「どれどれ……?」
 あたしはフィリアが伸ばした指の先端を追い掛けた。
 比較的、厨房側に近い席である。
 座っているのはただ一人。
 喧騒と無縁に思えるし、むしろそれを煙たがっているように思える。
 良い。
 確かに良い。
 服装は少々みすぼらしいが、手入れは全身にいき届いているようだし、何より顔立ちが実に良い。
 同程度の年齢で彼の右に出るものはいないだろう。
 ただ……
「でもあれって……」
「素敵じゃないですか。時々微笑んでくれるんですよ。たまにはああいう方も……」
 フィリアの恋した対象は、寂しそうに一人でテーブルに着いている齢十二歳ほどの少年であった。
 まあ良いけど。
 他人の趣味はとやかく言うものではないし。
「じゃあいくわよ」
 あたしは厨房を飛び出した。
 フィリアも後に続く。
 標的は近い。
 だがその距離は、フィリアにとってはどれほど長く厳しいものであろうか。
 ともあれ少年に駆け寄ったあたしは、心を落ち着け、
「あの……ちょっと良い?」
 笑顔を浮かべ、少年に話し掛ける。
「何ですか?」
 どうやら好悪どちらの感情も、あたしには抱いていないように思える。
「こっちのお姉さんがお話したことあるんだけど……」
 言ってあたしは一歩下がる。
 赤くなって硬直しているフィリアの肩を叩き、前に進ませた。
「あの……」
 声が震えている。
 大丈夫だろうか。
 少年はフィリアをしっかり見つめている。
 緊張はあまり感じていないみたいだ。
 いつしか店中が静まり返り、いくつもの視線がフィリアと少年に突き刺さる。
 そういえば、あの黒ローブは? 
 あたしは店の奥へ目をやった。
 平然と食事をしている。
 どうやら興味はないらしい。
「あの、一目見たその時から……」
 少しずつ言葉を紡いでいくフィリア。
 偉い!
「あ、あなたのことが……す、好きになりました」
 少年はそんな彼女の言葉を真剣に聞いていてくれている。
 これはいけるのでは?
「よ、良ければ……私とお付き合いしてくださいませんか!?」
 ついにその言葉が放たれた。
 残るのは激しい沈黙。
 あたしの心臓さえ波打って来る。
 緊張して来た。
 時の刻みは停滞したように思えたが、そうではない。
 審判の時は必ずやって来る。
 今、沈黙が終わる。
 そして……
「こんな僕で良ければ」
 少年は笑顔で受け答えた。
 それにしても態度が少々大人びているような。


 <@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>


 風神通信第三号


・今日のあとがき
 

 最近思うこと。
 ……日本語って難しい。
 文章を書いていると本当に分かる。
 言葉の数がやたらと多い割には目的の言葉がなかなか見つからなかったりする。
 文法も結構厳しいような気がする。
 それにしても「彼」と「彼女」の総称になる言葉って存在するんでしょうか。推理小説などで「彼あるいは彼女」といった風な文章を見る時とか本気でそう思ってしまいます。
 ……で、結局何の話?


・今日のキャラクタ


 フィリア
 当作で、私の一番気に入っているキャラです。
 結構深い部分まで描けたと思います。まだ出ていませんが。
 また表面的には結構フィリアらしさを出せているんじゃないかと思います。
 意図的に違えてある場所もありますが。
 シリアス的な意味でもギャグ的な意味でも弱くて強いフィリア。
 ゼロスとの絡みはないかも知れませんが、これからもよろしくお願いします。
 

・特別企画:アイキャッチを考えてみよう


 ガウリナ
 ・ もの書きしているリナと、お茶汲みしているガウリイ。→結構普通?

 ゼルアメ
 ・ 刑事のゼル(警察手帳を突きつけてる)と女刑事のアメリア(銃を持っている)。→アニメにあったような気も……。

 ゼルリナ
 ・ 画面縦に二分割、手前に向かって歩くリナ(真剣な表情、背中に朝日)と奥へ向かうゼルの姿(後ろ向きなため顔見えず、目指す方に月)。→もしスレイヤーズTRYノベルが本ならこんなのを表紙にしたい。

 ラファガウ
 ・ 教師のラファエル(教鞭で黒板を差している)と寝ている生徒ガウリイ。→個人的にかなりお気に入り。ラファエルはリナの家庭教師役でも決まるかも。

 ラファリナ
 ・ 特攻服のラファエル(立ち、釘バット)とリナ(座り、煙草)→ミスマッチ系。イメージし辛いけど、絵にしたら面白いかも。

 リナフィリ
 ・ 男装(タキシード)のリナとパーティードレスのフィリア。背後には赤い絨毯の敷かれた階段→ダンスを踊っている感じでも良いかも。同じ構図でガウリイ(男性)、ゼル(女性)でも案外いけるかも(でもその逆は個人的にはちょっと……)

 ヴァルリナ
 ・ 真剣な表情のリナ(神滅斬使用中)と嘲笑うヴァルガーヴ(背中に黒い翼)

 ヴァルエイ
 ・ ヴァルガーヴの前に跪くエイデンバングル→結構シリアス系?
 ・ 吹雪の中に佇むヴァルガーヴと、画面の端で脚立に登り吹雪(紙)を降らせてるエイデンバングル→一変してギャグに。

 ヴァルゼロ
 ・ 向かい合うヴァルガーヴ(光の剣)とゼロス(杖)。→戦いの予感? ゼロスじゃなくガウリイでも良いかも。

 ゼロフィリ
 ・ ゴキブリホイ○イに捕まって顔だけ出すゼロスと、それを見つめる嫌悪感丸出しのフィリア→本編では実現出来ないかも知れないフィリアとゼロスの絡み。
 
 ヴァルフィリ
 ・ ステージで歌うフィリアと、唯一の観客ヴァルガーヴ。→寂しい……かも。


 他にこういうのも良いんじゃないかと思いましたら、遠慮なくどうぞ。

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29257スレイヤーズTRYノベル:九話:悪魔の誘拐オロシ・ハイドラント 2004/2/3 17:02:57
記事番号29224へのコメント


 9:悪魔の誘拐


 フィリアが例の少年との交際を始めて十日近く経つ。
 お金は充分ではないにせよ、切り詰めた生活をすれば何とか旅が出来るくらいは貯まった。
 従って出発予定日は明日だ。
 昨日の内にあたし達四人は、仕事を止めることを宿の店主に言っておいたため、今日は休息の日となっている。
 その日の朝、あたしは散歩をするために宿を出た。
 ラファエルがついて来たが、一人にして欲しいと出来るだけ穏やかに言い、早足で町外れの野原へ向かう。
 そして草の褥に寝そべって、空を見上げた。
 暖かいような冷たいような風を受け、雲が流れていく様を見つめながら、ここ十数日のことを思い出す。
 仕事は厳しかったが、店の人達は皆優しかった。
 明日になれば彼らと別れなければならない。
 少し寂しい気がした。
 でもここを離れる辛さは、フィリアの方がずっと大きいはず。
 彼女は今頃、あの少年との最後のデートを楽しんでいるはずだ。
 それにしても、ラファエルとガウリイは何をしているだろう。
 そんな風に色々なことを考えながら、あたしは青と白の交錯する空を見つめ続けた。
 別にこの野原にずっといたわけではないが、ここにいた時間は結構長い。


 宵と夜の境目のような頃だった。
 暗闇へ身を落としてゆく太陽を見守りながら、あたしは宿へと向かっていた。
 寂しげな風が吹く。
 あたしの身体にもぶつかって、一日が終わるという実感をもたらした。
 赤い闇の中を歩いていると、不意に胸騒ぎを感じた。
 気のせいだと思うことにして、そのまま進んでいくと、誰かがあたしにぶつかって来た。
 筋肉質のむさ苦しい男だ。
 その男はあたしに何か紙切れのようなものを押しつけると、そのまま遥か後方に消えていった。
 唖然としていたあたしは我に返るとともに、地面に落ちてしまっていた紙切れを拾い、目に入った文字を読み始めた。


『初めましてリナ・インバース君。
 いきなりですまないが暗闇の森まで一人で来たまえ。
 さもないと仲間の命が危ないぞ。』


 これは……脅迫状?
 誰かが誘拐されて人質に取られているとでもいうのか? 
 まさか、そんな……。
 暗闇の森という場所は聞いたことがある。町の近くの森であり、盗賊の住処として有名だ。
 盗賊達のアジトそのものを指しても使われるらしい。
 脅迫状が示しているのは、恐らくそちらの意味なのだろう。
 それにしてもこんな手口、あの時も……。
 どうしようかとあたしは考えたが、悩んでいる暇はないとすぐに判断し、あたしは呪文を唱えた。
「翔封界(レイ・ウィング)!」
 高速飛行の術を駆使し、森の方へ飛んでいく。
 距離的にはそれほど遠くはないはずだ。
 宿にいると思える二人――誘拐されたのは一人だと思うから残った二人――には知らせずにおくことにした。
 どうせ一人でいかねばなるまい。
 余計な心配をされたり、それが原因で人質を失ったりすることになっては困る。
 森の辺りにはすぐに到着した。
 特別深い森ではないが、それ自体が盗賊の庭となっており、木こり達も近付かない場所である。
 危険と書かれたぼろぼろの立て札が立てられている。
 それにしても随分、空が暗くなっている。
 遅くなることだけでも伝えておけば良かっただろうか。
 しかし、今さら戻る気にはなれない。
 あたしは森の中へと足を踏み入れた。
 一気に闇が満ちて来る。
 明かりの呪文を唱え、一歩ずつ確実に進んでいった。
 しばらく歩いていると突然、足が何かに引っ掛かる。
 それと同時に鈴の音が鳴った。
 まさか罠?
 しかし慌てる必要はない。
 これを仕掛けたのは、間違いなくここに巣食う盗賊達であろう。
 足音が聴こえて来る。
 松明の灯りがいくつか見える。
 あたしは照明を消すこともせずに、出来るだけ広い場所に移動し、敵の集合を待つ。
 大分集まって来た。
 よし。
「爆裂陣(メガ・ブランド)!」
 あたしの立つ地面を中心にして、螺旋を描くように波が走っていく。
「うわっ」「わっ」「ぐわっ」
 波が盗賊達の足元に触れると、地面が凄まじい勢いで上空に吹き上げ、盗賊達も吹き飛ばされる。
 この呪文を何度も連続で唱え、あっという間に盗賊達を全滅させた。
 あたしは倒した相手の一人の胸倉を掴み上げ、アジトに案内しろと脅し掛ける。
 その男を後ろ手に縛って縄尻を手にし、あたしの先を歩かせる。
 目的の場所へは三十分もしない内に辿り着いた。
 あたしは男を眠らせ草むらに寝かしておくと、目的の地に足を踏み入れた。
 暗く狭い道を進んでいくと、急に明かりが見えて来た。
 あたしは自分の明かりを消し去る。
 あの明かりの場所こそが、盗賊達の溜まり場に違いない。
 あたしは光ある地に足を踏み入れた。
 壁のあちこちに蜀台が掛けられており、その上で蝋燭の明かりが、その光景を照らし出していた。
 円形状の広い空間には、盗賊達が群れていた。
 誰もがあたしを見つめている。
 誰もが薄ら笑いを浮かべている。
 そしてあたしの目の前に、彼女はいた。
 冷たい地面に座らされ、手足と口を縛められている。
 その脇には、刃物を持った男が屈んでいた。
「フィリア!」
 あたしは叫んだ。
 沈んだ眼差しであたしを見つめるフィリア。
 表情が弱々しい。
 あたしは一歩を踏み出す。
 するとフィリアの脇にいた男が、フィリアの首に刃物を突き立て、動くなと凄んだ。
 陳腐な手だがこの場合、あたしは止まらざるをえない。
 動きを止める代わりに、相手を強く睨みつけた。
「良く来たな。リナ・インバース」
 一人の男が歩み出て来た。
 四十近い色白の男で、この群れの中では年長者の部類に入るだろう。
 手には鈴のようなものを持っている。
「私は盗賊団「ビリオン・ハンター」の頭目を努めるジャックという者だ」
 人の良さそうな顔をしているが、時折生理的嫌悪をもよおす笑い方をする。
 貧弱そうな風体のため頭目の威厳は全くないが、鈴を持っていることも合わせて、斬新とも言えなくもない。
「息子が挨拶したいと言っている」
 息子?
「!?」
 その時、あたしの前に彼が現われた。
「あんたは……」
「こんばんは、リナ・インバースさん」
 あの時の少年。フィリアが告白した相手。
「元々こいつは、あんたやあっちの姉ちゃんを捕まえるための餌役だったわけだ。まさか姉ちゃんの方から愛の告白をして来るとは思わんかったがね」
 異色の親分ジャックは、言いつつフィリアに視線を向け、精一杯嘲笑した。
 やはり善人なのは見た目だけだ。
 それにしても、あの少年が盗賊の一味だったとは。
 美少年だというのに、全く人は見掛けによらぬものだ。
 さてどうしようか。
 とりあえずフィリアを傷つけないように、盗賊を一掃する必要がある。
 ここにいる盗賊は、ざっと二十人ほどだろうか。
 結構多い。
 まず明かりの呪文を最大照度で発動させ、全員の目を焼く。
 それから刃物を突きつけている男を倒してフィリアに駆け寄り、彼女を庇いつつ全員に攻撃呪文を放つ。
 ……こんなところだろうか。
 作戦開始と思ったその時、ジャックが鈴を鳴らした。
 あたしは咄嗟に身構える。
 だが何も起こらない……と思ったその時、いきなり首の後ろを冷たいものに掴まれた。
「無駄な抵抗は止めろ」
 しわがれた声が聴覚を刺激する。
 同時に空間が冷たい沈黙に包まれた。
 あたしは掴まれたままの首を、後ろへと向ける。
「……エイデンバングル」
 やはりと言っても良いかも知れない。
 恐ろしい男がそこにいた。
 もしかして、あの鈴はこいつを呼び出すためにあったのだろうか。
「しばらく振りだな」
「……今度は殺しに来たのかしら?」
 挑戦的な視線を浴びせる。
 それでも脅えは拭い去れないが。
「ヴァルガーヴから命令が出た。リナ・インバースと、フィリア・ウル・コプトという女を捕らえよとな」
 捕らえる? 
 あたしだけならまだ納得もいくが、なぜフィリアもなのだろうか。
 やはり火竜王の神殿の者との因縁か何かがあるのだろうか。
「言っておくが、その理由については答えんぞ」
「ところで、ヴァルガーヴの身体はどうなの?」
「……獣神官の与えた傷は深い」
 どうやらこのエイデンバングルにとっても、ゼロスは非常に厄介な相手らしい。
 今の状況でも、ゼロスが助けに来てくれれば――本当はあんなやつなんかに貸しは作りたくないけど――良いのだが。
「さて、運搬に取り掛かるか」
 エイデンバングルは何かを宙に放り投げた。
 それはあたしの頭を通り越し、頭目ジャックの手元へ振って来る。
「報酬だ」
 それは中身の詰まった皮袋であった。
 恐らく中身は金貨だろう。
「どうもお役に立てて光栄です」
 ジャックが恭しく頭を下げた……その瞬間、何かと何かがぶつかる音がした。
「姿を見せたな。エイデンバングル」
 鋭い声が背後から響いた。
 勇ましさを感じさせるが、確かにそれは女性の声である。
 あたしの首が解放される。
 即座に後ろを振り向いた。
 黒い闇のその向こうに、もう一つの闇がある。
 闇の如き漆黒のローブ。
 この前に食堂で見た姿に違いない。
 エイデンバングルと同じ格好だが、持つ雰囲気はまるで違う。
 熱を感じる。
 人の持つような温もりを。
 しかし同時に氷のような冷たさも持っている。
 漆黒のローブが脱ぎ捨てられると、そこには一人の女性がいた。
 身体中に黒革を纏っていつ。
 その革の全身服は、戦士として完成された体格を披瀝している。
 力を感じる。
 背に大剣を抱えている。
 右手には漆黒の鉄小手がはめられていた。
 顔は美しかった。
 だが持つのは強者としての美だ。
 漆黒の瞳は刃の如く鋭い。
 長く伸びた黒髪も、どこか鋭角的な印象を与えた。
「……不意打ちか」
 だがその女戦士を目の当たりにしても、エイデンバングルは怯まなかった。
 そうだ。
 こいつも同じ強者。
 あの背後からの攻撃を防いだのだ。
「私の誇りが害されるのは、やつらに屈することくらいだ。私はそれほどプライドの高い女ではない」
 研ぎ澄まされた声は、冷気を孕んでいた。
 彼女は手を伸ばす。
 小さな呟き声の後に、手の平から銀の光が迸った。
 エイデンバングルは、無言でそれを受け止める。
 その瞬間、彼女は跳んだ。
 速い。
 あたしの位置に肉薄して来る。
 同時に背にあった剣が振り下ろされる。
 まずい。
 そう思った刹那、暴風が吹き荒れ、絶叫が幾重にも響いた。
 盗賊達の声だと分かった。
 辺りを見回すと、たった一振りでほぼ全員が絶命していた。
 無傷なのは、彼女本人を除けば、あたしとフィリア、フィリアをたぶらかした少年、それにエイデンバングルのみ。
 一振りでこれだけの人間が倒せるはずがない。
 ……彼女が普通の人間ならば。
「ほう。少年は助けるか。まあそれは構わんが……」
 あたしと彼女は今、フィリアと、そしてその前方に立つエイデンバングルと向かい合っている。
 あの少年はその狭間で震えていた。
「この女は大切な人質だ。巻き添えを喰らっては困るんだよ」
 言ってエイデンバングルは、縛られたフィリアを抱き抱える。
 フィリアは精一杯の抵抗を試みるが、全く効果はない。
 ……それにしても、彼女はフィリアを殺そうとした?
「そういうわけだ。お前との決着をここで着ける気はない」
 セフィクスと呼ばれた彼女は、その言葉を無視するように剣を一閃した。
 凄まじい風があたしにまで響き、剣から生まれた可視の衝撃波が、エイデンバングルへと迫った。
 その力が剣の持つ力か、あるいは彼女自身の力であるのかは分からないが、先ほど盗賊達を倒したのは、どうやらこの衝撃波であるらしい。
 この衝撃波が、恐ろしき大量殺戮を可能としていたようだ。
 しかし、これしきでエイデンバングルはやられなかった。
 それを受けてなお、平然と立っていた。
 この二人の持つ力は、あたし達人間を遥かに超越した次元にある。
 下手な中級魔族よりよっぽど強い。
 あまりにハイレヴェル過ぎて、到底手出しは出来そうにない。
「今日はここまでだ」
 エイデンバングルは立ち去った。
 フィリアを連れて……。
「……フィリアがさらわれた」
 あたしは無力だった。
 何も出来なかった。
 弱い。
 あたしは弱い。
 あまりにも弱過ぎる。
「リナ・インバース」
 不意に声が掛かった。
「セフィクス……だっけ?」
「確かに、生みの親にはそう名付けられた」
 あたしはセフィクスの顔を見つめる。
 その美貌には、孤高という言葉が相応しいのではないかと感じた。
「味方……なの?」
 素直に肯定の言葉が返って来るとは思えなかったが、あたしは彼女にそう問い掛けた。
「お前が私の敵ならば、お前はもう生きてはいない」
 あまり好意的な言葉ではなかったが、少なくとも敵ではないようだ。
「ところで、なぜここにあいつが来るって……」
「やつがここの盗賊に接触しているのを目撃したからだ。後は見張っていただけ。あいつがここへ来るまで」
「それは大変だったわね」
 彼女は言葉を返さない。
 蝋燭の明かりが静かに部屋を照らしている。
「……レリアス」
 よく聞き取れない声で彼女は呟いた。
「え?」
「いや、何でもない。私はこれで去るが、あなたともまた会うことになるはず」
 彼女が消えて、あたしが残る。
 手に皮袋を握った少年が震えている。
 あたしは彼に歩み寄り、顔面めがけて一発殴った。
「……これで許すわ。ただし、これからは真っ当に生きなさい」
 あたしは宝を――宝の絶対量は極めて少なかった。
 貧乏だったのだろう――掻き集める。
 少年の持つ袋は敢えて無視する。
 すっかり闇は深まっていたが、それはあたしの恐れるところではなかった。


 それにしてもあたしは思う。
 なぜエイデンバングルはこんなおかしな方法を使ったのだろう。
 あたし達四人を相手にしたくない場合でも、寝込みを襲うなりすれば、あたしを取り逃がすなどということはなかったはずだろうに。


 宿に帰ったあたしはフィリアがさらわれたことを打ち明けたのだが、ガウリイもラファエルも、必要以上に落ち込んだりはしなかったし、あたしを責めることもしなかった。
「絶対にコプトさんを取り戻しましょう。インバースさん」
「そうだ。相手の居場所は分からんが、あっちからは襲って来るだろうからな」
 二人はあたしを励ましてくれた。
 確かにフィリアは死んだわけじゃない。
 まだ生きているはずだ。
「とにかく、予定通りに出発することにしましょう。火竜王の神殿にいく気は変わってませんよね?」
「当ったり前じゃないのよ」
 自信を喪失している暇なんてない。
 フィリア。
 必ず助けるからね。


 *


 私は暗い洞窟の中に連れて来られました。
 ヒカリゴケ以外のみが光源の洞窟でした。
 私が監禁されていた場所は、洞窟の袋小路を利用して牢屋にしたような場所でした。
 その空間には扉が一つあり、真っ黒なローブを着た男――エイデンバングルというらしいですが――は、絶えずそこを見張っていました。
 また彼は食事を運んでくれもしました。
 見た目は無気味な人ですが、意外に優しい面もあるみたいです。
 また、あたしはもう一人の男にも出会いました。
 男というよりは青年と言った方が相応しいような風貌でした。
 彼は憎んでいました。
 憎悪の対象は分かりません。
 でも彼は憎んでいたのです。
「よう。黄金竜の嬢ちゃんよ」
 黒く長い髪を生やし、ラフな格好をしたこの青年こそが、リナさんが襲われたというあのヴァルガーヴなのだと思いました。
 それは実際正しかったようです。
「俺はあんたを殺してえ」
 ヴァルガーヴは私の身体を見回して、そう呟きました。
「…………」
 だったら殺しなさい、と思ったのですが、言葉にはなりませんでした。
「殺してえほど憎いが、それでも今は殺さねえ。利用する」
 彼は悲しそうにも見えました。
 気のせいかも知れませんが。
 結局、彼に向けては一言も発せませんでした。
 また、彼は傷を負っているようでした。
 随分と痛々しい傷でした。


 <@><@><@><@><@><@><@><@><@><@>


 風神通信第四号


・二期終了


 第二期終了しました。
 さて次回「白の聖域」編は、火竜王の神殿編です。
 かなり長い部分ですが、ここから一気に話が広がっていくと思います。
 それではこれで……。
 
 
・今日のキャラクタ


 ガウリイ
 メインキャラ四人の中で、一番喋らし難かったりします。
 饒舌なラファエルなどに押さえられ、なかなか台詞を出す機会がありませんし、いざ喋るとしてもボケになる可能性が高く、そのボケはやり過ぎるとマンネリになりますので。
 でも戦闘シーンになると打って変わって大活躍。妖斬剣が今日も光ります(何)。


 風神通信第四号(完)

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29261フィリアの受難、開始でしょうかエモーション E-mail 2004/2/3 23:50:05
記事番号29257へのコメント

こんばんは。
「ネタが纏まらない〜」と言いつつ、久々に引っ張り出したプリメ(笑)を
していて、レスを付けるのが遅れました。すみません。

路銀が尽きてバイトするリナ達。それはもう無理はないな(笑)と思いつつも、
いきなりなフィリアの恋に驚きました。しかも年下(^_^;)
……ショタ趣味ですか、フィリア……(笑)
そして、見た目より行動的です、フィリア。
上手くいったのは良くても、路銀が貯まれば旅に出るのに、どうするのかなと
思った矢先の誘拐事件。あの少年が囮役だったなんて、フィリアとしては
ショックですね。リナが最後に殴っちゃうのは当然でしょう。
エイデンバングルさんが、リナとフィリアを攫うのにこんな手間暇かけたのは、
ラファエルさんの目を誤魔化したかったのかな、とふと思いました。
また、新たに登場した敵ではないけれど、味方でもないセフィクスさん。
彼女はリナはともかく、フィリアを殺す気があったという辺り、
また新たな謎がでましたね♪
もっとも、理由はフィリア個人に対するものではなさそうですので、
そう言う意味では理不尽だろうなと思いますが。
ラストに登場のヴァルガーヴと、似たような理由かなあと邪推してます。

攫われてしまったフィリア。フィリア不在のまま、火竜王の神殿へ行くことに
なるのでしょうか。この先がどんな展開になるのか、楽しみです。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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29265Re:フィリアの受難、開始でしょうかオロシ・ハイドラント 2004/2/4 15:38:08
記事番号29261へのコメント


>こんばんは。
どうもこんばんは〜。
>「ネタが纏まらない〜」と言いつつ、久々に引っ張り出したプリメ(笑)を
>していて、レスを付けるのが遅れました。すみません。
プリメ……プリンセスメーカーですか?
あれはやったことないですね。どんな感じなんでしょう。
何はともあれ今回も読んで頂けて嬉しいです。
新作の方、焦らずにじっくりと良いものを作ってくださいませ。
>
>路銀が尽きてバイトするリナ達。それはもう無理はないな(笑)と思いつつも、
>いきなりなフィリアの恋に驚きました。しかも年下(^_^;)
>……ショタ趣味ですか、フィリア……(笑)
ショタも範囲内といった感じです(笑)。
ラファエルはそんなに趣味じゃないみたいですが……。
>そして、見た目より行動的です、フィリア。
確かに。でもまあ女性っていざという時は行動的らしいとどこかで聞きましたし。
>上手くいったのは良くても、路銀が貯まれば旅に出るのに、どうするのかなと
>思った矢先の誘拐事件。あの少年が囮役だったなんて、フィリアとしては
>ショックですね。リナが最後に殴っちゃうのは当然でしょう。
裏切られたわけですからね。
でも少年の心の中でも葛藤があったんじゃないかと、想像しています。
>エイデンバングルさんが、リナとフィリアを攫うのにこんな手間暇かけたのは、
>ラファエルさんの目を誤魔化したかったのかな、とふと思いました。
>また、新たに登場した敵ではないけれど、味方でもないセフィクスさん。
>彼女はリナはともかく、フィリアを殺す気があったという辺り、
>また新たな謎がでましたね♪
>もっとも、理由はフィリア個人に対するものではなさそうですので、
>そう言う意味では理不尽だろうなと思いますが。
>ラストに登場のヴァルガーヴと、似たような理由かなあと邪推してます。
この回は単純に見えて意外と色んな思惑が絡み合っている場所だったりします。
また手直しが多かった場所でもあったり。
>
>攫われてしまったフィリア。フィリア不在のまま、火竜王の神殿へ行くことに
>なるのでしょうか。この先がどんな展開になるのか、楽しみです。
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
今回もご感想本当にどうもありがとうございます。
それではこれで……

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29340前回までのあらすじオロシ・ハイドラント 2004/2/14 15:54:51
記事番号29257へのコメント

 前回までのあらすじ


 第一期:担当者ラファエル
 物語は、わたくしとインバースさんが出会ったところから始まります。
 わたくしは彼女に仕事の依頼をしましたが、断られてしまいました。
 そこでわたくしは言いました。
 わたくしとの決闘に負けたら依頼を引き受けてもらうと。そして勝てたなら依頼料を全額支払って立ち去ると。
 彼女も乗り気になったため、わたくし達は決闘することになりました。
 結果はわたくしの勝ち。
 多分、彼女は疲れていたんでしょう。だから体調万全のわたくしに負けた。それだけのことです。
 さてそれから、わたくしと、インバースさん、それにインバースさんに連れであるガウリイ・ガブリエフさんは、芸術都市ムッサボリーナに向かいました。
 実はわたくしは依頼の代理人でしかなく、真の依頼人はこの街に滞在しているのです。
 わたくし達は無事に真の依頼人である黄金竜の巫女フィリア・ウル・コプトさんに出会うことが出来ました。
 コプトさんは語りました。
 この世界で最も強い力を持つ四人の神の内の一人である火竜王ヴラバザードが、原因不明の病に掛かり、眠り続けていることを。
 実はインバースさんへの依頼は他でもない、火竜王の病を治療することです。
 こうしてわたくし達一向は火竜王の神殿に向かうことになりましたが、その日の夜、インバースさんがヴァルガーヴという男に襲われましたらしいです。
この日、この街のシンボルである巨大な樹木に封印されていた怪物が復活したのですが、これもヴァルガーヴの仕業だそうです。
 わたくし達は協力してこの怪物を倒しましたが、街に出た被害は多大。
 ヴァルガーヴ……本当に許せない男です。
 翌朝、わたくし達はムッサボリーナを発ちました。第一期のお話はここまでです。


 第二期:担当者フィリア
 ムッサボリーナを発った私達は、国境を越えて北のアウスベリー王国に入国しました。
 アウスベリー大平原は自然が豊富で素敵なところだったんですが、その平原の真ん中で路銀が尽きてしまい、働かなければならない状況に追い込まれました。
 私はリナさんと一緒にある食堂で仕事をしていたんですが、大変なことに、よく来るお客さんの一人に恋をしてしまいました。
 私は彼に想いを告げ、晴れて恋仲になったのですが、彼は実は盗賊の手先でして、私は見事に罠にはまったというわけです。盗賊達に取り囲まれ、抵抗する間もなく誘拐されてしまいました。
 リナさんが助けに来てくれたのですが、実は盗賊達の標的は私だけではなく、私とリナさんだったのです。エイデンバングルという謎の人物が現われ、リナさんを捕えようとしました。
 絶体絶命のピンチです。
 でもそこに助けが入りました。
 セフィクスという方らしく、女性なのに大きな剣を持っていました。
 彼女はエイデンバングルと良い勝負をしましたが、倒すことは出来ませんでした。エイデンバングルが私を連れて逃げたからです。
 こうして私は誘拐されることになりましたが、リナさんが助かっただけでも良かったと思います。

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29341スレイヤーズTRYノベル:十話;黄金の竜の聖地(緊急ニュースつき)オロシ・ハイドラント 2004/2/14 16:00:30
記事番号29340へのコメント
 
 先ほど投稿した十話に大きな問題点が見られたので、修正致しました。
 修正前の方は削除依頼を出していますが、削除される前に読まれようとする方が混乱するという事態も考えられなくないので、修正版と書いておくことにしておきました。
 それでは、間もなく本編が始まります。


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 10:黄金の竜の聖地


 ラドナ共和国に入ったあたし達は、そのままひたすら南下し続けた。
 大地はどんどん渇いていき、しまいには砂漠地帯に入った。
 あたし達は車を引く馬を、砂地の移動に適した駱駝(らくだ)に代え、さらに進む。
 火竜王の神殿は、この砂漠の中に聳え立っているそうだ。
 まるで邪な心を持つ者を拒むかのように。
 あれ以来、エイデンバングルは襲って来ない。
 ヴァルガーヴも同じくだ。
 フィリアの安否はようとして知れない。
「本当に何で現われないのかな。エイデンバングル」
 砂漠を歩いているあたしは、湧き出して来る汗を拭いながら、誰となしに呟いた。
 以前はあれほどあたしを殺そうとしていたのに、最近は全然そんな素振りを見せないのはなぜだろうか。
「もしかしたら何かを企んでいるのかも知れませんよ」
 すぐ隣を歩いていたラファエルが答える。
「企みねえ。……フィリアがさらわれたことと関係あるかも知んないわね」
「わたくし達を火竜王の神殿にまずいかせようとしているのかも知れません」
「え? もしかして連中ってあたし達のいき先も知ってる?」
「その可能性はありますね。ついでに目的も。でも、たとえそうだとしても何が変わるのですか?」
「…………」
 確かに、別に向かう場所を知られていても、今さら何が変わるというのか。
「まあ、とにかく火竜王の神殿を目指すのみね」
「その通りです」
 ちなみにこの会話の間、ガウリイはずっと車の中で昼寝をしていた。


 砂漠を進むにあたって、車を引かせたラドナ駱駝二頭には随分と迷惑を掛けたと思う。
 ラドナ駱駝は強い力を持ち、人三人を乗せ荷物を積んだ車も引くことが出来るのだが、それでもそれが苦痛ではないはずはない。
 そこで三人の内、一人か二人が炎天下を歩くことになった。
 砂漠の入り口では地図やコンパスが買えたので、それほど壮絶に道に迷うことはなかったが、気候は最悪なのである。
 昼は地獄の業火の如く高い気温を誇るが、夜は殺意を持った寒風が吹き荒れるのだ。
 それでも昼間はあたしが、冷気呪文を駆使し、夜はラファエルが暖房呪文を使うことによって、どうにかこの悪辣な状況を凌ぐことが出来た。
 そうやって進んでいって、火竜王の神殿が見えて来たのは、もういい加減にしてくれと思い始めた頃であった。
 すでに秋は衰えを見せ始めており、一月ほど経てば季節は冬へと変わるだろう。
 吹き荒れる砂塵。
 微かに見え隠れする巨大な影。
 嵐を潜り抜けたその先には、石の巨人が直立していた。
 真っ白な巨体は荘厳な旋律を、この地全体に響かせる。
 火竜王の神殿の外観はあまりにも巨大であった。
 その神殿を白い壁が覆っている。
 あたしは感嘆の声を上げた。
 車を降りて、壁の門の入り口へ向かう。
 門の前には二人の門番が立っていた。
 彼らは人間の男の姿をしているが、ともに正体は黄金の竜なのだろう。
「何者だ」
 低く強い声が響く。
 恐ろしい眼光があたし達を射抜いた。
 何も言わずにいると、その男は言葉を続ける。
「そなたらは竜族ではあるまい。神官や信徒にも見えぬが何者だ」
 なるほど、身分の確かではない者は入り口で振るい落とされてしまうのか。
 いやラファエルは以前入れたらしいのだから、何かが起こっていて警備が厳重になっていると考えた方が自然である。
 そしてその何かというのが、フィリア誘拐事件である可能性は高い。
「ラファエルと言えばお分かりでしょうか?」
 ラファエルは、門番二人の元へ歩み寄っていった。
「フィリア・ウル・コプト司祭夫人の依頼代理人兼引き受け人です。最長老閣下にお会いしたい」
「私は知らぬぞ。ラファエルなどという男は」
 門番は変わらぬ態度で睨み続けているが、ラファエルは平然と、
「知らないのならば調べてください。それが出来ないほど無能ではありませんよね」
「現在はフィリア・ウル・コプト夫人の誘拐問題で、怪しい身なりの人物を入れることは叶わんのだ」
 やはり、フィリアが誘拐されたことはすでに伝わっているようだ。
 恐らくヴァルガーヴやエイデンバングルがそれを知らせたのだろう。
 となると、フィリアを誘拐した理由は、彼女の身柄と何かを交換するためだという仮説が浮かび上がって来る。
 そうなると、必然的にフィリアが神殿にとって重要な人物でなければならなくなるが。
「なぜ警備が厳重になるのですか? そうしなければならない理由が、わたくしには見当もつきませんが」
 ラファエルは挑戦的で挑発的である。
 わざと相手の神経を逆撫でするような口調を使っている。
「フィリア様をさらわれた上に、あれまで奪われては神殿は大困りだ。……おっと、貴様らに言ってやる必要はなかったな」
 門番達は怒りを露にし始めている。
「なるほどよく分かりました。あなた方は門番としては無能でも、情報漏洩の能力に関しては天才的だということが」
「貴様!」
 ラファエルの言葉が引き金となる。
 二人の門番の片方が、ラファエルに向けて殴り掛かって来た。
 あたしとガウリイが飛び出そうとするのと同瞬、門番はラファエルに蹴り倒される。
「ゆ、許さんぞ! に、人間如きが……」
「それでどうします? 暴力に訴えるなんてことはしないでくださいよ」
「黙れ!」
 立ち上がった門番は何かを呟く。
 ラファエルが後ろへ下がった。
 光の矢が彼の頬を掠り、遥か後方に消えていく。
「やりましたね」
 ラファエルが背筋も凍るような声を出す。
 観戦していたもう一人の門番も、今は身構えていた。
「ホーリィ・バレット」
 そこへラファエルの術が放たれる。
 光の塊が、今まで何もしなかった方の門番を襲う。
 術はあたしの知らないものであるが、恐らく強力な精神精霊魔術なのだろう。
 だが果たしてこの相手に通じるか?
 ……いや、通じる、通じない、の問題じゃないような気もするけど。
 とにかく光の塊は、門番の身体に着弾した。
「ぐっ、ぐお……」
 何と効果覿面。
 精神面を激しく打たれたのか、その門番は気を失った。
「ちょっと!」
 あまりの仕打ちを見て、止めようと声を出したが、ラファエルはまるで何も聞こえないかのように無視する。
「お仲間はこうなりましたが、それでもやりますか? あなたの方は優しくしてあげませんよ」
「うるさい、黙れ!」
 怒りと恐怖に板挟みとなっている門番は、またしても殴り掛かって来た。
 ラファエルはそれを難なくかわし、楽しそうに笑った。
「お二人とも、手出しは無用です」
 あたし達に声を掛けつつ、相手の腕を掴み、投げ飛ばす。
「エビル・ブラスト!」
 仰向けに倒れた相手に向けて放たれたのは、黒い光の塊であった。
「ぐああああああああああああああああっ!」
 それを受けた瞬間、その門番は悶絶して倒れ込み、動かなくなった。
 黒魔術か精神精霊魔術かは分からないが、かなりの威力のある術である。
「優しくしてあげませんと言いましたのにね」
「ちょっと。……今のはひどいんじゃないの?」
 最初に倒した方に比べ、こちらはあまりに表情が醜い。
 苦悶の色に歪んでいる。
 いくらなんでもやり過ぎだ。
「すみません。少々腹が立ったもので……。でも、これで通れます」
 ラファエルは笑顔でそう言った。
「……通れますってね。あんた。このまま門潜ったら捕まるに決まってるじゃないのよ」
「大丈夫です。この神殿にいるのは話の分からない連中ばかりではありませんから」
 そう言ってラファエルが車の方に歩いていく。
 荒っぽい入場だが、この際は仕方がない。
 駱駝車を導きながら、門を潜った。
「どうやら、あなた方は大丈夫みたいですね」
 ラファエルがそう言って、笑顔を向ける。
「どゆこと?」
「この神殿には結界が張られているんですよ。魔族やその他の邪悪な者の侵入を防ぐもので、結構頑丈らしいです。さらに破られると警報が鳴るようになっていると聞きましたから、どんな恐ろしい相手にも、少なくとも不意打ちはされないで済むようです」
 

 門の向こうの地面は、白い石畳になっていた。
 前庭というには寂し過ぎる空間で、広いくせに何もない。
 そこであたし達を待っていたのは、黄金竜の群れであった。
 ざっと十人以上はいる。
 神殿の高い位置から降下して来た彼らは、素早くあたし達を取り囲む。
 一瞬の内に、進路も退路も阻まれてしまった。
 この数相手にケンカを売るのはさすがのラファエルでも不可能だろう。
 裁きを待つようにじっとしていると、不意に黄金の壁に亀裂が走った。
 竜の群れの奥より現われたのは、頭の禿げた壮年の男であった。
「そなたらは何者かな? 門番の許可を得ていないようだが」
 穏やかな表情をしている。
 他の連中とは少し違うようだ。
 白く美しい法衣を纏っている。
 位も他の連中より上なのだろうと思った。
「ラファエルと申します。誘拐されたフィリア・ウル・コプト助祭夫人の関係者です。他二名はおまけです。ところで、あなたは?」
 ラファエルは愛想良く答える。
 ……あたし達をここに連れて来るのが目的だったくせに。
「私はグラスフェル司祭という者だ」
「司祭殿ですか。総大司教猊下にお目通りは叶いませんでしょうか」
「なるほどラファエルか。もちろんそなたなら良いぞ」
「後、門番の者がわたくしどもに襲い掛かって来たのですが、その時につい気絶させてしまいました」
「構わんよ。良い灸になっただろう。それに門番に命令が伝わっていなかったかも知れん。今回は特別だ。この罪は誰にも問わせぬことにしよう」
「お心遣いに感謝します」
 こうしてあたし達は神殿に招かれることとなった。
 それにしても、本当にこれで良いのだろうか。


 *


「全く、何てやつだ」
「俺の受けたやつに比べりゃ、お前はまだマシだよ」
「大怪我しちまった」
「俺の方はほとんど死に掛けてるな」
「短気になるからだろ。もう少し粘ってから最後の最後に通してやるってのがシナリオだぜ」
「頭じゃ分かってるんだよ。だが、ついうっかり……」
「まあ良い。さっさとご主人に報告しにいくぞ。あいつらが来たことを……」
「ああ、そうだな」
 先ほどまで二人の門番であったものは起き上がり、天へと昇って消えた。
 その姿はさながら真っ黒な人形であった。





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 緊急ニュース
 私のHPである「風神の迷宮」がなくなってしまったことをお知らせしておきます。
 なぜなくなったかと言いますと、父が私に知らせずインフォシークを退会したからです。
 全く予期せぬ事態であったため、何人かの方にはご迷惑をお掛けし、私自身もいくつかのデータを失ってしまいました。
 HP再設の目処は立っておりませんが、近い内に再設されるかも知れません。

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29344大変でしたね。エモーション E-mail 2004/2/14 20:38:32
記事番号29341へのコメント

こんばんは。

HPが急にみられなくなって、どうしたのかと思いました。大変でしたね。
再設置をお待ちしています。

さて、第三部開始ですね。
ついにたどり着いた黄金竜の神殿。
のっけから態度の悪い門番がいると思いましたが、その正体は何やら怪しい方々だったようですね。
本当の門番はどうなったのでしょう……。
また、

>「フィリア・ウル・コプト司祭夫人の依頼代理人兼引き受け人です。最長老閣下にお会いしたい」

夫人って……フィリア、実は既婚者ですか……?(汗)
でも、前回少年相手に恋愛していたから、単に身分高い人に付いてる称号の類でしょうか。
(「創竜伝」の太真王夫人とか、「銀英伝」のヴェストパーレ男爵夫人みたいに)
それにしても、ラファエルさんはやっぱり強いですね。今のところ味方なのでいいですが、
敵に回ったらと考えると怖いですね。
また、リナはこちら側の世界にきて、多少新しい呪文の研究などを行っているのでしょうか。
魔道書の類を買い込んでましたから、新しく何か呪文を編み出していないのかなと
思っているのですが。
何にせよ、たどり着いた火竜王の神殿。ゼル、アメリアとの再会も近いのでしょうか。
また、現在神殿側が、フィリアの誘拐が伝わっている=相手が何か要求している、
もしくは何を要求してくるか予測が付く状態、になっているのだろうなと思うのですが、
その辺りがリナが受けた依頼と、どう関わるのかなと思いました。

次回でリナサイドである程度の説明がでるのか、それともゼルガディスサイドの冒険譚になるのか、
色々予測しつつ、続きをお待ちしています。
それでは、今日はこの辺で失礼いたします。

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29352Re:再設置はいつになるやら……オロシ・ハイドラント 2004/2/15 15:32:59
記事番号29344へのコメント


>こんばんは。
こんばんは。
>
>HPが急にみられなくなって、どうしたのかと思いました。大変でしたね。
私もいきなりのことで驚きました。まさか自分のページが一夜の内になくなるとは思っていなかったので(前日に書き上げて、ページ上にだけ保存していた小説もパー)
>再設置をお待ちしています。
当初は早急に作り直そうと思ったんですが、なぜか知りませんけど、ややこしいことになっていまして(よく分からないから説明不能)、うまくいきません。
まあ色々と足掻いてみますし、インフォシークにこだわらず、ヤフーとか頼ってみるって手もありますけど。
>
>さて、第三部開始ですね。
>ついにたどり着いた黄金竜の神殿。
>のっけから態度の悪い門番がいると思いましたが、その正体は何やら怪しい方々だったようですね。
>本当の門番はどうなったのでしょう……。
どっかで眠らされてるか、すでに消されているかでしょうね。
>また、
>
>>「フィリア・ウル・コプト司祭夫人の依頼代理人兼引き受け人です。最長老閣下にお会いしたい」
>
>夫人って……フィリア、実は既婚者ですか……?(汗)
実はそうだったりします。旦那サマは次回登場。
>でも、前回少年相手に恋愛していたから、単に身分高い人に付いてる称号の類でしょうか。
>(「創竜伝」の太真王夫人とか、「銀英伝」のヴェストパーレ男爵夫人みたいに)
あれは浮気(爆)だったり。
とはいえ、竜族の倫理観では浮気はタブーではなかったりするんですが。

>それにしても、ラファエルさんはやっぱり強いですね。今のところ味方なのでいいですが、
>敵に回ったらと考えると怖いですね。
本気出せばヴァルやエイ(エイデンバングルの略)とも充分にやり合えるかも。
研究家タイプに見えて、門番蹴り倒すなど素手での戦いも結構強いですし(意外とこういう人っているかも。昔の友人にガリ勉タイプで普段は気強くないのに、カツアゲ狩りとかしたらしい人いましたし)
>また、リナはこちら側の世界にきて、多少新しい呪文の研究などを行っているのでしょうか。
>魔道書の類を買い込んでましたから、新しく何か呪文を編み出していないのかなと
>思っているのですが。
……なるほど、確かにそうかも!(考えもつかなかったやつ)
でも呪文使う機会あんまりないような(これ以後の原稿見ながら)
>何にせよ、たどり着いた火竜王の神殿。ゼル、アメリアとの再会も近いのでしょうか。
まだ掛かります。ゼル達はリナ達に対し、随分と遅れを取っていますから。
>また、現在神殿側が、フィリアの誘拐が伝わっている=相手が何か要求している、
>もしくは何を要求してくるか予測が付く状態、になっているのだろうなと思うのですが、
>その辺りがリナが受けた依頼と、どう関わるのかなと思いました。
少なくとも今はそんなに関わって来ないような気が……。
ちなみに要求物は現在でも推測可能かも(多分)。
>
>次回でリナサイドである程度の説明がでるのか、それともゼルガディスサイドの冒険譚になるのか、
>色々予測しつつ、続きをお待ちしています。
次回はリナ編で結構説明中心の回になるかと(本当に連載には不向きな内容)
>それでは、今日はこの辺で失礼いたします。
どうもご感想ありがとうございました。