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2921スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達1めなりん 6/3-02:30

再掲示の再掲示です。

スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達1

暖かい日の光。
ごんごんうるさい鐘。
人々の騒ぎまくる声。
やたらめったらガチャガチャうるさい食器の音。
「っだーもう!!何考えてるのよ!あんたは!!」
カフェテラスの美女がさけんだ。
ショートカットの髪が風になびき、赤い瞳が反対側に座っている少女の顔を覗き込む。
「なにって・・・なに?」
いきなし阿呆な事をぬかした少女は、覗き込まれた顔をちょっと動かして、
「おっばちゃ〜ん!!もう一つベーコンピザね〜!!」
金色の髪がさらりとたれるが、前髪がながすぎて、顔が目までは見えない。
「ちよっと・・・髪が香茶ん中入ってるんだけど・・・」
ジト目でにらみつつ言う先程の美女に対し、もう一人、こちらは16歳くらいの美少女が伸びをしながら言う。
「まぁまぁべるるん。怒っても仕方ないわよ。こいつがガウリイ並の天然ボケだなんて、 いつもの事でしょ?」
べるるんと呼ばれた美女は、仕方なく椅子に座り直し、こういった。
「質問をもう1度繰り返すわ。
めなりん?あなたは今、デモン・ブラッドは、まだ30個近くあるって、そう言ったわよね?」
「はぐ。」
金髪の変な少女――めなりんは、あつあつのピザを食べながら、こっくりとうなずく。
実はべるるん、ひたいに青スジたててたりもするが、気にせずに話を続ける。
「それは―デモン・ブラッドは、どこにあるの?」
「ひははい。(知らない)」
「どぁかぁらぁっ!!何でそこで知らないのよっ!!?あんたは!!
ついでに言えば、話をする時ぐらい、ピザは食べずに言いなさいっ!!」
青スジたててた理由を一気に口にだすべるるん。
「はっへ、ほひいーんはおん。(だって、おいしーんだもん)
ほへに、(それに)んぐっ。はぁ。
・・・それに、あたしがその話をねーちゃんに聞いた時、ねーちゃんも知らないっていってたんだよ?」
「ふむ・・・めなりんのお姉様さえ知らないとなると・・・
やっぱり、自分達で見つけにいくっきゃないんじゃないの?べるるん。」
「そうねぇ・・・。私と火眼黒翔狼さんとめなりんのデモン・ブラッドだけじゃあ、強大な魔力もなにも、
ただのアクセサリーぐらいにしか役に立ちそうもないし・・・」
「だから、K伯爵でいいってば。私もべるるんって呼んでいるんだから。」
美少女――もとい、K伯爵は、そういって香茶を一口。
「んじゃぁ、K伯爵って呼ばせてもらう上に、敬語使うのもやめちゃったりとかするけど・・・
K伯爵は、デモン・ブラッド、集めに行くの?」
「そうねぇ・・・」
―――デモン・ブラッド―――
魔血玉と訳される石で、リナのタリスマンの石と同じ物。
ルビーアイ、ダーク・スター、カオティックブルー、デス・フォッグの4体が表されている(ゼロス談)・・・はずである。
――だが、ぢつは結構あったりするのだ、これが。
といっても、もちろん他の魔族を表しているものもあるのだが。
なんか知らんが、まぁ血が固まったものらしいから、他にもたくさんあるだろう。
で、それのすべてが集まった時、たぶん強大なパワーを発揮するんじゃないか、という事で、3人・・・
3体はあつまったのだ。
むろん、3体という言い方をしたのは、人間じゃないからである。
すなわち、魔族なのだ。
ちなみにどうやら、3体ともかなり高位の魔族らしい。
「行こうかなぁ・・・このまま待ってるよりは、いくらかマシでしょ。
いかに世の中広しといえど、30個ちかくあるんなら、一つや二つは見つかるはずよ。」
K伯爵が言う。
「んじゃ、早速いきましょ!ほらほら!いつまでもピザ食べてないで!!」
かくして、3人・・・3体は向かったのだった――
どこに?

「セイルーン聖王国か・・・なるほど。ここなら王立図書館もあるし、結構人口密度高いし・・・
さすがK伯爵ね。」
セイルーンの表通り。
そこに、あの3人(体)は歩いていた。
ちなみに、もちろんだがちゃんと人間の格好をしている。前から。
「それじゃ、まずは聞き込みと王立図書館へ行きましょ。手分けして。」
一瞬ちらっとめなりんを見てから続けるK伯爵。
「あたしは一人で王立図書館にいくから、べるるんはめなりん連れて聞き込みしてくれる?」
「わかった。夕食の時間に宿でね。」
――はぁ・・・やだなぁ・・・めなりん引き受けちゃった・・・・
べるるんは、内心そう思っていた。

「セイルーンの医療少年院?」
あのあと。
K伯爵と別れ、めなりんをひきずって、表通りで聞き込みをしていたべるるんは、その言葉を聞き返していた。
「そうよ。そこの看護婦さんでね。あたしの友達なんだけど。優しくて良い子よ。
その子が持ってたわ。変な物が手に入った、って。確か、3個ぐらいあったような気がするわ。」
「3個もっ!!?」
思わず声を上げるべるるん。
その若い女の人は、ちょっとびっくりしてから、また続ける。
「ええ。そこのるきあさんって人がもってたはずよ。ただ、もうどこかに売っぱらっちゃったかもしれないけど」
「わかりました。どうも有り難う」
そういって、べるるんは一礼。
ボケっと見ていためなりんの頭を無理矢理押して、めなりんにも礼をさせる。
「あ、ちょっと待って」
急に女の人が呼び止めた。
「その医療少年院・・・どこにあるか、知ってる?」
「え・・・セイルーンのどこか、でしょう?」
「いや、名前がそうなだけで。本当は、あの山の頂上にあるのよ。」
言って指差す彼女。
そこには―
―――だいぶ離れたところに、約6000キロメートルほどの高さの山々がそびえたっていた――。

「へぇ〜結構あるのね〜この手のものって。」
王立図書館の魔にまつわる関係の本棚(といっても約100個ちかくあるのだが。)
さして驚いていない顔で、K伯爵は手近な一冊をとった。
「ふむふむ。」
――!?――
ぱたんっ!と本をしめる。
「デモン・ブラッドって・・・やっぱり・・・」

「あそこっ!!?あそこの頂上!!?ほんっとに人すんでいるわけ?」
K伯爵は、手にしたフォークのポテトを食べるのも忘れて立ち上がっていた。
「どあぁって。そう言ってたんだもの。その女の人――松葉ぼたんさんが、ね。」
べるるんが覚悟を決めた様に言う。
「なんでみんな驚いてるの?」
「あのねぇ。めなりん?わかるの?あそこを登って行かなきゃいけないのよ?あんたは」
めなりんは顔面ちかくのK伯爵の顔にも言葉にも、たじろかずにこう言う。
「空間渡ればいいじゃん。」
「あのねぇっ!!?空間渡るには、そこをイメージしないと渡れないでしょうにっ!!
あそこの絵でも無い限り、インスピレーションは無理よっ!む・り!!(ちなみに写真<カメラ>はまだ無いようです)」
はぁっ、と大きく息をついて、K伯爵は座り直した。
「こっちは・・・どこにあるかはわからなかったけど、デモン・ブラッドが何なのかって事はわかったわ。
あれは―――死ぬっほどたくさんあるらしいわ。
30では済まないかもしれない。
示しているものは、あの4体の、命、力、そして、4体の5人(体)の腹心のそれぞれの命と力。
それから・・・あの方――めなりんのお姉様の全てを表したものがあるらしいわ。
たぶん、それがめなりんのでしょうね。
総合して―――
―――49個ね。つまり、あと46個よ。」
「ふーん・・・」
めなりんは、まじまじと自分のそれを見つめた。
「あたしのも将来つくられるのかなぁ・・・」
「うげ〜そんなの持ってたら破壊どころじゃないわよ。」
めなりんの本気(?)の言葉に、べるるんが心からつっこみをいれる。
「で、やっぱり頂上行くの?」
とりあえず、と聞くめなりん。
「そうねぇ・・・べるるん、行く?」
「あたしは行くわっ!!悪と破壊のため、全力をつくすのみよっ!!」
「べるるんが行くんならあたしも行く〜」
「あんたはメイドか?」
「いいよ。メイドでも。あ、そうだった、これ。」
言って、めなりんが紙きれを出す。
ポケットにつっこんであったらしく、ぐちゃぐちゃにはなっているが、それはまぎれもなく―
「馬車の時刻表じゃない、これっ!やったぁこれで上まで楽していけるわ!」
K伯爵が叫んだ。
「銅貨2枚ね。OK!んじゃ、明日は早いんだから、さっさと寝るわよ!」
べるるんも嬉しそうにこう言って、自分の部屋へと戻る。
――だが。めなりんを甘く見てはいけない。

「な、なによこれっ!!?」
思わず叫ぶべるるん。
「・・・牧草。」
「ちょっと待ってよ!!牧草って・・・この上にのってけってゆーのっ!?」
「うん。」
「じょおおだんじゃなぁぁいぁぁわぁぁよぉぉ!!」
かっくんかっくんめなりんの首をゆさぶって、べるるんは泣き怒る。
「あんなくさいとこ、のれるわけないじゃないのっ!!」
「君達・・・?さっさと乗ってくれないか?」
「いや、でも、牧草の上は・・・」
たじろぐK伯爵。
「なにいってるんだ?ちゃんと別々になってるから、大丈夫だって。」
「え?いやあのそういうことじゃなくて・・・(くさいんだってばこのおやじあほか)」
小声でつぶやいたべるるんの言葉を、しかし男は聞いていたようで、ピクピクしながらこういった。
「値段は少々たかくなるが・・・普通の馬車にのってくかい?
それと・・・俺の名前は、ちゅうただ。ちゅ・う・た」
「・・・いくらです?それ。」
うさんくさそうにきくK伯爵の言葉に、ちゅうたはこういった。
「金貨200枚」
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?
そおぉんなぁ、リナ=インバースもびっくりよっ!!?」
べるるん、激怒。
「馬だけなら銀貨3枚だ。これでいいか?」
「わかったわ・・・馬借りるわよ。馬2頭で銀貨6枚ね。」
「まいどあり。んじゃ、そっから好きなの選んでってくれ。」
「ねぇねぇべるるん、なんで2頭なの?あたしは?」
「めなりんは乗馬したことないでしょ?だからあたしの後ろにのってくのよ」
「ふ〜ん。」
べちべち。
めなりんが2頭の馬をたたいたとたん。
「ヒヒ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜ンッ!!」
ぱからっぱからっぱからっ
「だぁぁぁぁぁぁ!馬鹿〜〜〜〜!!あんたはうましかよぉぉぉ!!」
「落ち着いてK伯爵!!このスピードでいけば、3時間でつくわ!!
幸い、みんなのってたことだし♪」
「♪じゃなぁぁい!!べるるんっ!!?そっちは2人だからいいけど、こっちは1人なのよぉぉっ!!?」
「まぁまぁ。どーどー。」
「めなりんあとで刺すわよぉぉ!!どーどーなんてあたしは馬か〜っ!!?」
ぱからっぱからっぱからっぱからっぱからっぱからっぱから・・・・

ずどしゃごっ!!
「いたたた・・・」
医療少年院の建物に、おもいっきりぶつかるK伯爵(すいません^^;)
「ん?どうした?」
そのK伯爵に、ゆっくり近づいていく一人の男。
「院長?どうしました?」
それに習って歩く看護婦2名。
「院長・・・って・・・うあああ!ごっ!ごめんなさい!!刺すならめなりんを刺してっ!!」
「いや、刺しはしませんが・・・
私の名前は、一坪といいます。ところで・・おけがは?」
一坪さんは、K伯爵の腕をみてから、看護婦に命令をくだす。
「葉山くん、第2集中治療室あいてたよね?」
「はい。たしか。あいていたとおもいますが。」
「るきあくん、準備しといてくれ。」
「はい。」
いってデモン・ブラッドの持ち主、るきあさんは、奥の方へといってしまう。
「葉山くん。運ぶのは頼んだよ。」
「はい。それでわ、ちょっと失礼を。・・・・・」
いってなにやら呪文をとなえる葉山とよばれた人。
「・・・!レイ・ウイーーーーングっ!!」
「いやぁぁぁもうこんなのいやぁぁぁぁ!!」
どぴゅーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっ!!
『いってらっしゃ〜い♪』
「さて。めなりん。るきあさんとやらを追うわよっ!」
「なんで?」
「その人がもってるからでしょデモン・ブラッド〜〜!!」
「そうなの?」
「そうなのよっ!!とにかく、追うわよ!!」

再掲示続きます。



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2922スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達2めなりん 6/3-02:33
記事番号2921へのコメント
再掲示2です。



「いやぁぁぁぁぁ!!」
K伯爵は看護婦に運ばれ(?)ているところである。
「いやぁぁぁぁぁ!!」
ぼすんっ!
結構ふんわりしたベッドに突っ伏すK伯爵。
「あ、やっと来ましたか。でも仰向けになってくださらないと治療が・・・」
何時の間にか居る一坪院長が、オペの用意をしながら言う。
「その前にレイ・ウイングでとばさないでくださいっ!!
第一、なんで院長さん、こんな所にいるんですかっ!!?」
「近道しましたから。あなたは今ぐるっと一回りしてから来たんですよ。
でわ・・・洸君、注射して。葉山君、足しっかり押さえといてくれよ。」
いつの間にやら、看護婦が五人、医者が二人に増えている。
がしっ!がしっ!!
「いやぁぁ!!乙女の柔肌を〜っ!!」
ぴしゅっ、と注射から、何やら液が漏れる。
「さぁて・・・」
洸とよばれた白衣の医者が、にやりと笑った。
「いいなぁ・・・この頃注射乱れうちしてないなぁ・・・」
葉山看護婦、恐い事をつぶやく。
「何をいってるんです、葉山さん。明日思う存分できるじゃないですか。」
もう一人、看護婦さんがちょっぴしうらやましそうに言う。
「でもぉ、みさちゃさん〜」
「やっちゃうよ、葉山さん。」
「あ、はいどうぞ。足押さえてますから。」
なにやら激しい内部葛藤の中、いよいよこの時はやって来た。
ざく。
「いったーーーーーーーーーーーーーい!!」
「大丈夫です。麻酔ですから。
アクアくん、メス取って。」
「麻酔って・・・本当なの・・・?・・・死ぬっほど痛みが・・・」
「はい、メスです」
看護婦さんの手の中には―むろん、メス。
メスを受け取る一坪院長。
「るきあ君、みさちゃ君、腕、押さえて。アクアくん、よろしく」
「はい。ていあっ!」
アクア看護婦、右手を一閃!
そのチョップは、ものの見事にK伯爵にきまる。
「麻酔の意味ないんじゃないのぉぉぉ・・・」
最後にきついツッコミをいれて、K伯爵の意識はここで途絶えた。

「ったく・・・K伯爵ったらどぉこ行っちゃったのかしら?」
べるるんが頭をかきながら言う。
あれから二人(匹)は、とりあえず、という事で、近くにあった喫茶店に入ったのだった。
むろん、めなりんはばっかばっか食っている。
「こうなったのも、馬の扱いもしらないめなりんのせいだかんねっ!!」
「あのぉ〜」
「ぬあによっ!!?あ・・・
ご、ごめんなさい、なんですか?」
べるるんが振り向いたその先には。
みつあみの女の子。パジャマみたいなのを着ているところからして、この子も犯罪を犯した様である。
とてもそんな子には見えないけどなぁ・・・人はみかけによらないっていうのかしら・・・?
疑問を抱きながらも、べるるんはその子の答えを待つ。
その美少女は、開口一番こういった。
「あなた・・・、魔族ですよね?」
「ちがうわ」
きっぱりすっぱりはっきりいうべるるん。
「いえ、私にはわかるんです。あなたもわかるでしょう?私が何なのか。」
そう。先程のべるるんの疑問。
ちゃんと訳せば、とても魔族には見えない、という事だったのだ。
べるるんが溜め息をつく。
「そうよ。こっちの変な奴もね。私はべるぜ。この馬鹿がめなし。
べるるんって呼んでもらってかまわない上に、めなりんってよんであげて。
それから・・・ここ、座ったら?椅子あいてるから。」
「はい・・・私の名前は赤神官ティナ。
人間界でもティナって名前です。」
ティナは座ってからそう言った。
「それで・・・聞きたいのは、それだけじゃないんでしょう?」
真顔で言うべるるん。
「はい・・・私・・・実は、本来なら空間移動できるハズなのに・・・
できなくなっちゃったんです。ここに入って、1週間くらいで。」
「空間移動が・・・できない?」
「ええ。」
「う〜ん・・・何でなんだろ・・・?」
「どしたの?二人とも。」
人事のように言うめなりん。
「だからぁ、この人が空間移動できなくなっちゃって、なんでなんだろうって考えてるのよ」
「なぁんだぁ。簡単じゃん。」
「わかるんですかっ!?」
身を乗り出すティナ。
「ん。精神脈がくずれてるんだよ。」
『せいしんみゃく?』
思わず聞き返すべるるんとティナ。
「うん、ねーちゃんが言ってた。
この世の生きるものには、全て精神脈ってゆーのがあって、それでその人がどうなってるのかわかるんだって。
ちなみに、精神体の魔族は、かなり変動が激しいらしいよ。」
「・・・なんであんた、んなこと知ってんの?」
べるるんの問いに、横でティナがこくこくうなずく。
「なんとなく、これはLONになる時すっごい必要な事だって言ってたような記憶があるから」
「なんとなくってなによぉぉぉ!!?」
すぱーーん!!×2
手にしたスリッパでめなりんの頭をはたく2匹。
「でもまぁとにかく、心あたりはないわけ?」
べるるんが問う。
「ないです。」
きっぱりはっきり言う彼女(?)。
「カゲカゲ。」
いきなり変な声。
ぴょんっ!
べるるんの目の前に、赤い物体が飛び出てくる。
「きゃぁっ!・・・これ・・・ヒトカゲじゃないの・・・?」
「あ、そのこは、ポケモンワールドからのお土産なんですよ〜ヒーちゃんって言います。かわいいでしょ?」
「番組まちがえてる?」
「いえ、まちがえてません。
それじゃ、そろそろ門限あるんで。でわ。」
そういって、ティナは立ち去った―。
放心していたが、肝心なことを思い出すべるるん。
「あり?そういえば、K伯爵どうなったんだっけ?」

「オペ終了。お疲れ様。」
「お疲れもなにもっ!!なんだったのよっ!!?これっ!!
気がついたら腕と足切られてるわ、今度はアッパーくらわれるわ!
しかも次に気がついた時には猿ぐつわかまされて、なわでふんじばられてたのよっ!!?」
「いやぁ。じたばたじたばた暴れたから、てこずりましたよ。」
「あのねぇっ!!?」
K伯爵激怒。
「てこずったってどーゆーいみよっ!?」
「そのままの意味です。おかげで違う所まで切ってしまいましたよ。」
ぷち。
「おんどりゃぁぁぁ!!ほんとに医者かぁぁ!!?」
「この人もうちに入った方がいいかもしれませんねぇ・・・」
「なにかんが・・・」
ベッドの上で暴れるK伯爵の腕を掴んで、一坪院長は言った。
「205号室へ移動します」

「K伯爵〜どぉ〜?具合は?」
「べるるんっ!!めなりん付きで!!
って、その花束はなによっ?めなりんっ?」
「入院祝い」
「あのねぇめなりん?花はうれしいけど気持ちはうれしくない。」
「わぁ良かった」
「ちょ、ちょっと?あんた達?」
べるるんが頭をおさえて言う。
「ああああ、ごめんごめん。で、るきあさんの方はどうするの?」
「それなんだけど・・・丁度良くK伯爵も入院したことだし
そっちの件、よろしく」
「丁度良くって・・・
あれ?ちょっと待ってよ?そっちの件って?」
「いやぁ・・・ぢつはさぁ。」
べるるんは、ティナの事を話した。
「なるほどねぇ・・・あ、ねぇ、それって・・・
カタート山脈のさぁ、鳳魅さんあ〜んど熾王神官さんに聞いたらどお?」
「な〜いすK伯爵っ!!あの二人・・・二匹なら、なんとかできるかもねっ!!」
鳳魅と熾王神官。この二匹、魔族うちでは有名な術者だったりする。
いわゆる、『まほうつかいのおばーさん』という奴である。
まぁ、おばーさん、というほどの見た目ではないが。
がちゃ。
「面接時間終わりです。食事よ、キャルルさん。(人間バージョンのお名前)」
るきあ看護婦、登場。
「たのんだわよ、キャルル。」
「まっかしといて!」
「退院できないといいね」
「どういう意味よ、めなりん」
「それじゃ、看護婦さん、よろしく。」
「はい。」
ばたん・・・
「それじゃぁ、ここに御飯置いとくわね。」
「あの、るきあさん」
「はい?」
「デモン・ブラッドって知ってる?」
「知らない。」
めきずしゃぁっ!
勢いよくベッドから転がり落ちるK伯爵。
「ちょ、ちょっとちょっと、大丈夫?」
「だ、だいじょうぶですけどぉ・・・
んじゃ、こういう石もってません?」
言って自分のデモン・ブラッドを見せる。
「これは―――!
もって・・・ました。」
「どっかにうっぱらっちゃったの?」
「いえ、そうではなくて。たしかここの・・・
ティナちゃん・・・だったかしら?
その子がほしいって言うから、あげちゃったのよ。」
ふむ、つまりそのティナ・・・
え?ちょっとまってよ。
「え・・?ティナって・・・まさか・・・みつあみの女の子・・・?」
思い当たって、おそるおそるきいてみるK伯爵。
「そうよ。良く知ってるわね〜」
ひゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!
じ、人生って計り知れないぃ!
人じゃないけど・・・
一人でボケツッコミなんかをしてみる。
「それじゃ、隣の部屋に食事はこばなきゃいけないから・・・
あ、そいえば、何でこんな事あなたが知ってるの?」
「ああ、たしか、松原ぼたんさんって人に教えてもらったんですよ。」
「まぁったく、ぼたん先輩ったら。」
「せ、先輩?」
「そーよ。看護学校はいってたころお世話になったの。良い先輩だったわよ
けど、嘘はつけないのよね〜先輩ってば。そこが良いんだけど。
素直ってことだものね〜。あ、ちなみに、その人はセイルーンの中心部のセイルーン中央病院で
セイルーン中央病院でではたらいてるのよ」
「ふ〜ん・・・どうもありがとうございました。」
このままいけば世間話になると予想したK伯爵は、すぐさまこの話題を終わらせた。
がちゃ・・・
ティナちゃん、か・・・けど・・・これと空間移動となにか関係はないのかしら・・・?

次の日、喫茶店。
たいした事なくてもう退院したK伯爵と、悲しそうな顔をしてみせるめなりんと、複雑な心境のべるるん。
そこでK伯爵は、昨日のあの事を、二人(?)に話したのだった。
「ぅえええええっ!?てぃ、ティナちゃんがぁ?」
べるるんが腰を浮かして驚く。
「そーなのよー、るきあさんの話だと。う〜ん・・・」
べるるんは座りながら、
「んじゃぁ、それと空間移動と、なにか関係があるの・・・?」
「ないんじゃない?」
すかさず言うめなりん。
「なにを根拠に?」
と、これはK伯爵。
めなりんは、K伯爵の方をむいて、笑顔で力いっぱいこう言った。
「なんとなく。」
すっぱ〜ん!!
「あほかぁぁい!」
すかさずスリッパでツッコミをいれるK伯爵。のりのいい魔族である。
「ふむ・・・」
それに対してべるるんは、その言葉を真に受けている。
「ちょ、ちょっと・・・?本気で考えてるの・・・?」
「そうよ。この子も一応そーゆー能力あるのよ〜
こないだなんか、大根のお値段税込みであてちゃったんだから。」
きょとんっとした顔で言うべるるん。
「・・・そりは・・・ちがふとおもふんだけど・・・」
ジト目、呆れ顔でK伯爵がつぶやく。
「いや、でも、降魔戦争も知ってたらしいし。あと、フィブリゾが消滅したのとかも
予感してたみたいだし・・・ここまであたっちゃうとねぇ・・・・
ちなみに、人間ばぁじょんでの得意技も、あてカンらしいわよ。」
「それって・・・得意技って言うの・・・?」
「言う!」
胸を張ってきっぱりと。めなりんはそう言った。
「数学のテストなんて、本当にこれで命拾いしたんだから。
方程式わかんなくって、女のカンで120人って書いたら、あってたんだよ。
それあってなかったら平均点こえてなかったし。(本当)」
くだらん得意技を自慢しまくるめなりん。
「それって・・・つまり、数学苦手っていってるよーなもんなんだけど。」
きつーいツッコミをいれるK伯爵。
「まぁ、とにかく。めなりんのくだらん得意技の話で盛り上がってないで。
それに。もう来ちゃったみたいだし?」
べるるんが視線をずらして言う。
視線のさきには。
赤い縁取りのあるパジャマに身を包み、おさげがかわいい一人の少女。
そう。例の、ティナである。
今日は、ヒトカゲのヒーちゃんは置いてきたようである。
「こんにちは。べるるんさん、めなりん。そちらの方は?」
「私は火眼黒翔猊。人間の時はキャルル。この人達の仲間よ。」
席を立って会釈するK伯爵。
「私はティナです。人間の時もティナ。赤神官をやってます。」
「座っていいわよ、ティナちゃん。」
べるるんが椅子をひいて言う。
「どうも・・・で、なんですか?用って」
ティナは座って、みんなを見まわす。
「デモン・ブラッド・・・って、しってるわね。」
いきなりそっちに話を振るK伯爵。
「け、K伯爵?」
べるるんが困った顔をする。
「隠す必要は全くないわ。なら、必要な事を聞くのみよ。――知ってるわよね?」
ティナは、無言でこっくりうなずいた。
「そう。じゃ次の質問。あなたは、それをいくつか持っている。――YES?」
今度は少し迷ってから、ティナはこっくりうなずく。
「あなたが空間移動出来るようにしてあげるわ。」
『!?』
べるるんが目を見開き、ティナはそれに加えてうつむいていた顔を上げる。
――K伯爵・・・鳳魅さんと熾王神官さんにたのむ気ね――
「そのかわり――それ、頂戴(はぁと)」
「もちろんです!!本当に・・・本当に空間移動できるようになれるんですね?」
ティナが声のトーンをあげる。
「しっ。誰かに聞かれたらどうするの。」
「あ、すいませんべるるんさん。」
あわてて口を塞ぐティナ。
「いや、あやまんなくてもいいわよ。けど、あなたここから出られるの?」
「いえ、一応罪人ですから・・・」
――ふむ・・・連れてくことは無理、か――
べるるんは考えてから、
「それじゃ、ちっとばかしカタート行って来るわね。
いくわよK伯爵、めなりん!」
「OK!!わかってんじゃない!」
「ええ〜あたしまだスープ飲みきってない〜」
「っだ〜!さっさとこんかい!」
べるるんがめなりんの手を引っ張って連れて行く。
「あの人たち・・・いつもああなのかなぁ・・・?」
残されたティナは一人、つぶやいていた――

茂みの中。
「いくわよ、みんな。」
「スープぅ・・・」
「スープスープってうるさいわよ!」
乗り気なK伯爵に、名残惜しいめなりんと、めなりんをなだめる(?)べるるん。
・・・・・・
鳥達が、虫が、木々が。
異様な音に反応しあう。
空気が震えているのだ。3匹の魔族の魔力によって。
――しゅんっ!!

「鳳魅・・・気付いた?」
「ええ。熾王神官・・・」
二人は食事の手を同時に止めていた。
「なにかが・・・来るわね」
熾王神官が言ったその時。
しゅんっ!!
どがららららっ!
ガチャーンッ!
「いったたたた・・・くぉらっ!めなりんっ?あんた、コントロール失敗したでしょ?」
べるるんが怒鳴る。
「え〜だってだって〜スープが頭からはなれなくってぇ・・・」
「それで食物の中にご到着ってわけね・・・?」
ぎくぅっ!
3匹は、おそるおそるそっちをむいた。
そう。そこには、青スジたてた熾王神官あ〜んど鳳魅が・・・
「ごめんなさいぃぃ!消滅させるならめなりんを消滅させてぇっ!」
「もーいーわよ。幸い、もうキャベツしか残ってなかったしね。」
熾王神官が溜め息をつきながら言った。
「で?何の用?」
鳳魅が話をきりだす。
「いや、ぢつは・・・」
べるるんがティナのことを話す。
もちろん、デモン・ブラッドが目的だということは伏せて、だが。
「――それは・・・つまり、そこの地形に問題があるのね。」
と、鳳魅。
「地形?」
K伯爵が鸚鵡返しに聞き返す。
「そうよ。高度高いと、空間移動しにくくなるの。
これは、色々クソややこしい理屈があるんだけどね。
その上、人間ばぁじょんじゃ、力を想うままに発揮できない。
つまし・・・悪い条件そろいまくりってやつね。
ついでにあの山、六ぼうせいでしょ。
あの、三角が上下になってかさなってるやつ。これも条件の一つね。
あんたたちも、なんか今日重いなーとか、おもったでしょ?」
鳳魅が説明する。
「なるほど、そいでコントロールに失敗したのね、この馬鹿。」
べるるんが納得する。
「ちょっと待っててね。」
言って何やら杖のようなものを出現させ、奥の部屋へいってしまう熾王神官。
鳳魅もエプロンをとってそちらへ駆けていく。
――待つ事約5分――
がちゃりっ。
「はい、この薬飲ませてみて。だめだったらまた来なさい。」
鳳魅が薬のはいった小瓶をべるるんに渡す。
「どうもありがとうございました―でわ。」
しゅんっ!――
「鳳魅・・・どしてお金とんなかったの?」
「――きまぐれ、かな。」
「異議無し、ね。」

「うわぁぁっ!これのめばいいんですね?」
「そーよ。」
胸を張って言うK伯爵。
「けど、なんか変な色ぉ・・・緑だよぉ?青汁なんじゃないのぉ?」
「くぉらめなりんっ!そゆ事言うなっ!
あ、ああああ、べ、別になんでもないわよ。」
焦るべるるん。
「カゲ?」
首をかしげるヒーちゃん。
「デモン・ブラッドは、私のベッドの枕の下にあります。」
そう言って、ティナは瓶の蓋を開ける。
ごくごく。
ティナが薬を飲んだその時。
「魔力が・・・みなぎる・・・?」
「今よ!ティナちゃん!」
――しゅんっ!
ティナとヒーちゃんの姿は、虚空へと消えたのだった―。

「枕の下、とかって言ってたわね。」
言って、べるるんが枕をどけてみる。
「3個じゃなくて・・・5個じゃないっ!!!」
そう。そこにはまぎれもなくデモン・ブラッドが、それも5個も置いてあった。
「ぃやったぁ!一気に5個よ!らぁっきー!!」
K伯爵が歓声をあげた。
これで、あと41個。
がんばれ魔族!全てのデモン・ブラッドを集めるその日まで、君たちがあきらめる事はたぶんないっ!!

まだまだ続くっ!!

…再掲示もまだまだ続くっ!!

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2923スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達3めなりん 6/3-02:35
記事番号2922へのコメント
再掲示3です。なんて懐かしい駄文なんでしょう(;;)


「あーお腹いっぱい!もーたべらんなーい」
「もう食べ物なんてこれっぽっちもないわよ、めなりん
にしても、あんたよく全部食ったわねー」
食の町、アトラスシティの食堂。
セイルーンから今度はどこへ向かうか、とべるるんが二匹に聞いた所、
『たまにはグルメに・・・』とかいいつつ、食の町、アトラス・シティとなったのだった。
ちなみにめなりんの前のにゃらにゃらの鍋は、10個近くはあった。
それに加え、にょへろんも4皿ほど食べていためなりん。
「太るわよ」
ぼそっと一言、K伯爵がいう。ジト目で、他人のふりをしながらも。
だがそう言いながらも、きっちし5人前、スープの一滴も残さずたいらげてたりするK伯爵。
むろんべるるんは店の隅でランチセットAだけ頼んで、その惨状を眺めていた。きっちし他人のふりをして。
「お嬢ちゃん、よく食べたねぇ。金貨2300枚ね。」
食堂の小太りのおばちゃんがいやみたらたら言った。
「はい、2300枚。」
実はすんごい金額を、めなりんはあっさりと払う。
「・・・おや?お前さん、ひょっとして・・・」
おばちゃんがじろじろめなりんを見る。
金色の髪で、前髪が長すぎて目が見えなくて。
こんな変な奴、この世界に一人(?)しかいない。
「あんた・・・まぁた何かやらかしたの?」
「人聞きの悪い事言わないでよ〜K伯爵。」
「ふむ・・・ちょっと、ちょっとティナちゃ〜ん?」
――え?――
その名前に、三人(?)は聞き覚えがあった。
「は〜い、なんですかぁ?あっ!べるるんさんにK伯爵に・・・えっと・・・」
「めなりんよ。それと、何度も言うけどべるるんって、呼び捨てでかまわないから。」
べるるんが優しく教える
「はい、すいません・・・」
「いいですよ。私もあなたの事覚えてませんから」
『そゆことをあっさりゆーなぁー!』
どごっ!×2
めなりんの頭が半分テーブルに埋まる。
「あんたら・・・お店のもの壊さないでくんない・・・?」
まだいた店のおばちゃんが呟く。
「ふう。まぁ無事につっこんだところで。
ティナ、あんたこんな所でなにやってるの?」
「無事って・・・べるるん・・・?」
めなりんが後ろで呟き、のの字を書いていぢけはじめる。
「私は、ウエイトレスやってますけど?」
「そうじゃなくって・・・とにかくここじゃ、あれね。場所を変えましょ。」

近くの丘(んなもんあったのか?)
ティナは事情説明をする。
「私はS様と喧嘩して家出してきたんですよ〜そいで財布開けたらカラッポで、
あそこであーやって稼いでいたってわけなんです。ちなみにひーちゃんは置いてきちゃいました」
追記。思いっきしかいつまんで。
「家出・・・」
K伯爵の呟きは、しかしティナには聞こえていたようで、
「よくあるんですよね〜皆さんないですか?」
―ないっつの―
今度は心の中でツッコミを入れるK伯爵。
「まぁまぁ、人の日常せーかつはどーでもいいとして・・・」
その時。
ぶおおんっ!!
炎が舞い上がる。
ここからはかなり遠いが、どうやら先程の食堂の近くらしい。
「やばい!ティナの働くとこがなくなっちゃうっ!空間移動!!」
しゅんしゅんしゅんしゅんっ!
4人(匹)は虚空へと消えた。

「エクスト・ボール!(本当にある呪文です。信じてお願いぷりーづっ!てなかんじです。)」
消火の呪文をぶっ放すちかくの魔道士。
だが、火の手は燃え広まるばかりである。
魔道士が弱いわけではない。炎が異常なほど強力なのだ。
そこに―
しゅんしゅんしゅんしゅんっ!
4匹とーちゃくっ!
ちなみにとーちゃくしたのは人目のない空地。走りながら呪文を唱える。
「うりゃぁぁっ!4人で巨大!エクスト・ボーーーーーーール!!」
ぶぐしゅううっ!
あたりに煙が立ち込める。
―だが。
「だめかっ・・・?これはっ!?」
べるるんがある事に気付いた。
「みんな下がって!K伯爵、めなりん!いくわよっ!」
「OK!」
「どこにいくの?」
一人状況を理解していないめなりん。
そこに、なにかの呪文の詠唱がきこえる。
べるるんとK伯爵である。
めなりんが、あわてて呪文を唱えはじめる。
人間のききとれるような声ではない。空気はふるえているが、聞き取る事はできない。
あたかも風がふいているかのように。何かが聞き取れるかなー?ぐらいのもんである。
人間の聞き取れる音ではないのだ。度を越している。
風が止み、炎はますます燃え上がる。
ずがしゃっ!ぐおおおお・・・ん・・・
柱が倒れたその時。
「魔水陣!(オリジナル魔法なので、信じないでくださいお願いぷりーづっ!)」
三匹は、唱えた呪文を解き放つ!
青い魔法陣が、炎の周りをまわって・・・
ふいっ
一瞬にして、炎が消える。
「やっぱり・・・」
「そのようね、べるるん。」
K伯爵も気付いたようだ。
「え?何?何なのねぇ?」
「後で話すわよ。・・・にしても・・・」
食堂は、もはや炭と化していた。
宿のおばちゃんの姿も見えない。
たぶん、一瞬にして消滅したのであろう。
灰の中から、ウエイトレスかなんかの手が、助けを求めているかのように出ている。
にゃらにゃらの鍋なんぞ、カタチも残っちゃいない。
「・・・寝覚め悪くなりそーね・・・」
べるるんがポツっと呟いた。

宿の三人部屋。
「でわ。くどいですが、私の名前は嶋ゆたかですから。」
エクスト・ボールぶっ放していた先程の魔道士が、ナンパしつつ帰っていく。(すいません嶋様っ!!)
どーやらK伯爵に気があるようである。
「でわ。キャルルさん。」
「は、はいはい〜」
ひきつりかけた笑みを浮かべて追い出すK伯爵。
ばたん・・・
「ったくもー町を救ってくれたお礼とか何とか言って、ただのナンパじゃない・・・」
溜め息を吐きながら言うK伯爵。
「あら、いーじゃない、あたしはあーゆー男好きよ」
「あげようか?」
「いらないわ。あれよりもっといい男知ってるもの。」
たらい回すべるるんとK伯爵。
「いい男って・・・もしかして〜うりうり」
「やーねーもう〜K伯爵こそ〜」
がちゃ。
「なにやってんの?」
いいとこでめなりんが風呂から帰ってくる。
「いやいや、なんでもないのよ。」
べるるんが笑ってごまかす。
「ねぇ、さっきのさぁ、意味深な会話、なんだったの?」
「へ?」
「やっぱり・・そのようね、べるるん・・・って、」
わざわざ声色まで使って言うめなりん。
「あ、あれね。あの炎ね〜魔の炎だったのよ。
だから、エクスト・ボールじゃ効かないって事。」
「ふ〜ん・・・そんじゃぁ、魔族がやった、ってわけ?」
「そゆ事よ。にしても・・・まぁたややこしくなりそうねーべるるん。」
「もうややこしくなっちょるわよ・・・」
べるるんが溜め息を吐いた。廊下の足音を察知して。
がちゃ。
「みなさんただいま〜お風呂おっきかったですよぉ〜」
みつあみの名残か、天パーかかった髪をタオルで巻き、赤いパジャマに身を包んでいる美少女。
ティナである。
「なんであんたがついてくんのよ〜」
宿代払わされたべるるんが、口癖のように言う。
先程食堂を救おうとしたのも、魔族らしからぬ呟きも。ただ単にこうなる事がいやだったからなだけである。
「だって、私あそこに住み込みで働いてたんですから・・・」
「まぁいーじゃない、べるるん。」
「そゆこといって、K伯爵はティナの宿代払ってないでしょーに。
いったいいくらしたと思ってんのよ、この子一人で。」
「銅貨2枚」
「あほかおのれは〜っ!?」
すぱ〜んっ!
べるるんが、おもいっきしスリッパでめなりんの頭をひっぱたく。ちなみに本当は金貨3枚だったりする。
「それより・・・何であの食堂が狙われたの?」
「あのねーめなりん?んなことあたしらにわっかるわきゃないっしょーが」
べるるんの機嫌が悪くなりまくってくる。
「あ、それなら私なんとなくわかります」
『へ?』
K伯爵とべるるんの声がハモった。
「もしかして・・・あなたがたのデモン・ブラッドが、何か関係しているのかも」
「デモン・ブラッドが?」
「そうです、K伯爵。これを集める魔族が、あなたがたのほかにもいるそうですし。」
ちょっと待てよ・・・
最年長のべるるんが思いつく。
気の・・・せいかな・・・

「すいませぇん。あの、それデモン・ブラッドですよねぇ?」
「へ?」
色素の薄い金髪、ペイルライラックの瞳、どっちかっていうと色白。(当人談)
髪を二つに分けて金具(?)でとめてて、金具の下から緩めのたてまきロール(当人談)
村娘ってゆーよりどこぞのお嬢様ちっくな エプロンドレスに身を包んだ(当人談)美少女(作者の思い込み)
その子がめなりんの左腕を指して問いかけてきたのである。
ちなみにここはまだアトラスシティ。K伯爵とめなりんが、どーしてももう一度にゃらにゃらを!
とか何とか言ったので、にゃらにゃらのある食堂を探していたのだ。
「ねぇ・・・なんなの?このふりふりエプロンドレス・・・」
「えー?かわいいじゃないですかぁっ」
「ぜんっぜん。」
趣味の異なるティナと火花をちらす(?)女の子。
「私の名前はレイディア=グロディロウヴァスといいます。よろしく」
「よ、よろしくって、私はべる・・ぢゃなくってっ!なによどーゆーことよ?」
「なにって・・・あなたがたも、狙われているんでしょう?」
『はぁ?』
「え?知らないんですかぁ?」
「し、知るも何も・・・第一あんた、魔族でしょーが。」
K伯爵の口がすべる。
「そうですけど?」
だがロディは動じない。
「それより、そのねらわれてるとかなんとかっての、詳しく教えてくんない?
えっと・・・イレディアさん。」
「レイディア。ロディ、でいいです。」
ロディが、K伯爵の言葉を訂正した。

「じゃ、邪将軍隊?なにそれぇ。」
うさんくさそうにK伯爵が言う。
近くの原っぱで、緊急会議の真っ最中である。
「はい。そいつらがデモン・ブラッド10個もってるらしいんですよね〜」
『じゅ、10こぉっ!!?』
「さては・・・作者の奴、だんだんつまんなくなってきたわね?」
「いや、K伯爵。これはきっと10個だとおもってたら1個だったというオチをつけるつもりよっ!」
「なぁにいってんのべるるん。ただ単に何となく、10個ってことにしただけかもしんないじゃないの」
「めなりん?そりはないとおもうな〜ティナは。きっと10個が、このお話の鍵になってるのよっ!!」
『それはない』
全員でツッコむ。ひどいやつらである(ざくっ!ぷしゅー)
「あの・・・みなさん?ついでゆーとお話のかぎなんて、考えてないんじゃないですか?作者。」
「ぬぁによっ!ロディさん!そんな変な格好した奴にいわれたかないわっ!!」
「へ、変って、この素晴らしいお洋服のどこが変なのよっ!?」
「ふん!言っていいの?」
「どーぞ言ってごらんなさいっ!」
「そのふりふりエプロンドレス!まるでハイジの羊のようだわっ!」
「ハイジは羊なんか飼ってないわ!山羊よ、や・ぎ!まだまだ甘いわね!ティナさん!!」
「なによっ!第一、なんなのよそのおじょおさまちっくな変な髪型っ!マルチナ?あんたっ!!
「たてまきロールよっ!緩めにするのがたいっへんなんだからぁっ!おさげにいわれたくないわよっ!」
「ふっ!ゼルディガスのあの髪型にくらべれば!」
「ば〜かゼガルディスでしょ〜なに名前まちがえてんのよおーほほほっ!」
「ゼルガディス、よ。」
K伯爵がさらりと言った。
「ぜっ!ゼルガディスっていったもん!あたしはっ!」
「あ、あたしだって!」
口々に言う2匹。
「んな事はどーでもいいとして、よ。その邪将軍隊って、どんな奴等なの?」
べるるんが横道にそれまくった話を元に戻す。
「あ、ああはい、えっと邪将軍隊っていうのは、たしか4匹くらいの少人(?)数で、
それでもすんごく強い奴等が組んでるんで、倒すのはまぢで絶対に無理でしょうね。」
「ふ〜ん・・・で、ロディは何個もってるの?」
「え?」
「デモン・ブラッドよ。」
「ああ、すいませんK伯爵。えっと、4個です。」
「4個!?うそっ!?まぢ?ねぇそれ引き取るからさーそしたら邪将軍隊と関わりなくなるよ〜?」
K伯爵が血相変えて言う。
「あ、んじゃこれはお渡ししますけどぉ・・・けど、私も全部見届けさせてもらいます。」
「へ?」
「だって、みなさんが消滅するのか、それとも邪将軍隊が消滅するのか。
このままじゃ、いくらなんでも寝覚めが悪すぎちゃいますもん。
ちなみにこれは、見届けてからお渡しいたします。一応価値ある物ですしねぇ。」
「わかったわよぉ・・・まったく・・・」
「ちょ、ちょっと待ってよK伯爵っ!?宿代どーなんのよぉっ!?」
「むろん、私がもちますよ。そんな宿代も持てないほど貧乏じゃないし、馬鹿でもないしぃ。」
ぴぴぴくぅっ!!
一瞬ティナの肩が震えた。
「え?ティナさん、もしかして自分の宿代ももってないんですかぁ?」
「そーよっ!悪かったわねぇっ!!第一、働いてたとこがつぶれちゃったんだものっ!仕方ないわよっ!」
「どーせ、あなたが怠けてたからつぶれちゃったんでしょー?」
「ちっ!ちがうわよぉっ!誰かに放火されたのよっ!それだけなんだからっ!」
慌てながら言うティナ
「それって・・・邪将軍隊が、あなたの魔血玉目当てにやったんじゃないのぉ?」
「え?私もう、魔血玉持ってないわよ?この人達にあげちゃったもの。」
――!
べるるんの中で、イメージが膨らむ。
「あ・・・」
思わず声に出してしまうべるるん。
「どうしました?」
きょとんっと言うロディ。
「え・・・あ・・何でもないのよ、ちょっとね」
もし私の想像があっていたら・・・
べるるんは、落ちる汗をぬぐおうとさえせずに俯いた。

次の日。アトラスシティの喫茶店。
「え?カタートに?」
べるるんがイヤそうな顔をして聞いた。
「そうです。邪将軍隊はカタートの洞窟か何かのところにいるんです。」
「それがどうかしたの?べるるん?」
K伯爵がきょとんっと言う。
「あたし寒いの嫌なのよぉぉ〜カタートってめちゃめちゃ寒いじゃない〜」
「そういえば寒いねぇ」
「のほほんというんじゃないっ!めなりんっ!・・にしても。
カタートの洞窟・・・この世界で2番目に寒い所じゃないのぉ・・・」
「その通りです。」
すっぱり言うティナ。ちなみに一番寒いのはカタートの頂上である。当たり前の話だが。
「カタート山脈か〜」
べるるんが遠い目でつぶやきをもらした。
カタート山脈。
ディルス王国の近くの山脈で、魔王シャブラニグドゥが氷付けになってる、という噂で有名である。
L様の言葉でいえば、
『昔から、世間の風とカタートの氷はつめたいものと相場が決まってるのよっ!』との事。
とにかく寒い。むちゃくちゃ寒い。そして、カタートにはあまたの魔族が生息している。
よわいとこならレッサー・デーモン。つよいとこならシャブラニグドゥ(氷付け)。
たしかに邪将軍隊とかゆーものがいそうではある。
だが、やはりなにかが引っ掛かるべるるん。
「それじゃ、まずはここからディルスへ行って、一休みしてから行くって事で。」
ティナが提案した。
「そーね。んじゃいこっか?」
コーヒーゼリーを食べていためなりんの髪を引っ張りつつ、K伯爵が立ち上がった。

「ねぇ、なんで空間移動しないんです?しかも裏街道なんて通って・・・」
ロディが愚痴をこぼす。
そう。ここはまぎれもなく裏街道である。
道も整理されてないし、おまけにヘビも見かけたりする。
「お洋服が・・・」
ロディが自分の服を見つめた。
今日は昨日ティナにつっこまれたからか、一応フツーのエプロンドレスではあるが、
それでもやはりどこか上品な気をかもしだしていたりする(当人談)
が、その『素晴らしいお洋服』も、土で汚れるわ、木の枝でやぶれるわ。
「まだまだ、人間ってもんがわかってないわね〜ロディさんは」
「なっ?そぉんなつっけんどんに答えなくったっていいでしょティナさん?」
その時だった。
五匹が足を止めたのは。
同時に、五匹を囲んで生まれる殺気。
――とーぞくである。
つまりロディ以外は、みんなとーぞくいぢめが大好きだったりするのだ。
「あああああっ!?どーしてみなさん、そぉんなリナ=インバースみたいな悪趣味なわけぇっ!?」
ロディがなかば悲鳴声で言う。
がさっ。
草むらから出てきた禿頭の大男は、月並みなセリフを吐いた。
「へっ。お前等、命がおしけりゃだすもんだしな。」
ふむ。どーやらこいつが親分のよーである
「はん。そぉんな月並みなセリフしか頭にないよーな奴に、ばか正直に金出す奴なんざいないわよ」
なぜかやたらとうれしそーに言うK伯爵。
「な、なんだってぇ?おい、野郎どもっ!」
やはり親分だったか(ああっ!?一人称になってないかっ!?by作者)
で、まぁ物語はパターン通りに進んでいたりする。
出てきたのは、ごろつき風の男が十人ほど、それに加えてまどーしが二人いたりもする。
「これだけ・・・?つっまんないわねー」
余裕の笑みを浮かべてティナが言う。
「は、はんっ!強がり言いやがって!いけぇっ!」
『おおおおおおっ!』
叫んで突っ込んでくるごろつき達。
「それいけポチィ〜ッ!」
いってめなりんを蹴り飛ばすべるるん。
だが、こーくることはめなりんはきっちし予測していた。
――いつもの事だから。
「きゃーははは。ふれあ・あろ〜」
ばびゅばびゅばびゅっ!!
炎が巻き上がる。
とーぞく全滅・・・とまではいかないが、あとはわずかに、三人のごろつきと二人の魔道士。
そしてやっぱしがちがちにガードされていた野党の親分が残っているだけ。
「いけぇ〜っ!」
やおらうれしそーにべるるんが叫ぶ。
同時に、どこからともなく蝿が召喚されたりなんかもする。
「うわわわわ」
めなりんが急いで木の陰にかくれ、K伯爵が一歩下がり、加えてティナがそのK伯爵の後ろに隠れる。
ちなみにロディはもともと隠れていたが、尚も一歩後退さる。
四匹とも、蝿がキライだったりするのだ、これが。
そして、なぜかは知らんが盗賊達も。
「うげげげ」
なんぞと言って逃げて行く。
たかが蝿で盗賊が逃げ出すか?フツー?
K伯爵が心の中でツッコミを入れた。
ちなみにべるるんにちょっぴし影がついてるのは、K伯爵の気のせいなんだろーか?
ともあれ、全員片付いた。
「ちょっと、起きなさいよっ」
ティナがフレア・アローで焼けこげているごろつきを揺さぶる。
「ん・・・?俺は?・・!しまった!」
あわててもがくが、体力はないに等しい。
「教えてくれない?お宝のありか、を。でないと――」
「で、でないとなんだよ」
K伯爵が、あわてずさわがずきっぱしとこう言った。
「あの盗賊の親分らしきヤツをとっつかまえて、セーラー服を着させるわ。」
「ひぃぃぃっ!勘弁してくれぇぇっ!」

「へー結構あるんですね〜」
ロディが感嘆の声を上げた。
とーぞくたちの宝物庫。
「あ、ねぇこれなんて、マジック・ショップに高く売れそうだわ〜」
べるるんが早速品定めを始める。
「ねぇ・・・これ、デモン・ブラッドじゃないっ!?」
K伯爵が叫んだ。
そう。たしかにそこには、デモン・ブラッドが2個ほど転がっているのだ。
「らぁっきー!これでロディの分もあわせれば、15個よっ!15個!!」
べるるんまではしゃぐ。
「邪将軍隊たおしたらどのくらいになるの?」
算数苦手なめなりんが、K伯爵に聞く。
「25個!あああああっ!作者ってばラクしよーとしてるっ!?」
ぎく。(図☆)
K伯爵が壊れかかる。(必至で話をそらそうとしている)
だが、それも無理のない事。49個のうちの25個が集まれば、もぉほとんど制覇したよーなもんである。
ま、そんなこんなで、五匹がディルスについたのは、それから数分後であった。
むろん、空間移動したのである。
マジック・ショップに、ぶんどったお宝を売りさばき、やっと一行は歩きはじめた。
めちゃくちゃ寒い、カタート山脈へと。

<<続くっ!>>

再掲示続きます。

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2924スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達4めなりん 6/3-02:38
記事番号2923へのコメント
再掲示4です。

4でござ〜る

「なにっ!?なんなのここねぇっ!?どーしてここだけんな寒いのぉっ!?」
「だから寒いっていったでしょーがぁぁっ!K伯爵っ!!」
「さむいっ!とにかくティナ寒いっ!ホカロン誰かもってないっ!?」
「ふふ…ふふふふふふははは…ふふふ・・」
「恐いよめなりんっ!ロディも壊れちゃうよっ!?」
びょぉぉぉぉぉぉ…
とにかく寒いカタート山脈のふもと。
ごてーねーに雪までふって、もうあたりは一面の銀世界である。
もちろん五匹の格好は、マントもローブもない、普通の村娘姿である。
それでこの吹雪のなか、何にもいわずにいられたら、聖人にでもなった方がいい。
そして、風の音と絶妙にマッチするめなりんの笑い声。
「ロディもこわれちゃるっ!おーほほほほほっ!!」
「ふふふふ・・ふふ・・ふふふふはふっふふふ・・ふぅふふ…」
「ひいいっ!気持ち悪いっ!やめてお願いぷりーづっ!」
K伯爵が泣き喚く。
「ロディ〜気持ち悪い〜あとでうらむぞ〜なんまいだ〜」
めなりんの笑い声に、ロディの高笑いとティナの念仏が加わり、果てはべるるんまで
「寒いの寒いのとんでけ〜」
と呪文のように言う果てしなくこわ〜い光景。
「ここが洞窟の入り口よっ!おーほほほほっ!!」
「わかったっ!わかったからお願いみんなやめてぷりーづっ!
正常なのあたしだけじゃないっ!!いやぁぁぁぁぁっ!ぷりーづぅぅっ!!」
などといいつつ、薄暗い洞窟の中へ入っていく一行。
「何言ってるの…K伯爵だってぷりーづ連発してるじゃない…寒いの寒いのとんでけ〜」
べるるんがか細い声で言う。
「ふふ…うふふ…」
「おーほっほっほっほ!」
「なんまいだーなんまいだー」
ミスマッチしている笑い声に、念仏のトッピング、おまじないの渦にぷりーづの嵐。
これをはた。とみたとき、人々は恐怖の渦にのまれる事まちがいなしっ!!である。
しかもその音が洞窟の中でこだまするから、負の感情どころじゃないだろう。
ぺちゃ…ぺちゃ…ぺちゃ…
やたら気色悪い音を立て、進んでいく5匹。
まわりはひかりゴケなるものや、フェアリーソウルなどもいるので結構明るいが
立ち込めるのは異様なまでの緊迫感。
絶望、悲しみ、恐怖、嫉妬…そう。ここはまるで瘴気の森のなかのように
マイナスの気が洞窟一杯に立ち込めているのである。
それに加えて、やたらジメジメしていて、気持ち悪い事この上ない。
――いつ襲ってくるんだろう。
べるるんはそれだけ…じゃないかもしんないけどそう考えていた。
もうべるるんにはわかっていたのだ。何がどーなっているのか、を。
そしてたぶん、K伯爵も。カンでめなりんも気付いているのかも知れない。
――そこの状況が全くわかっていないあなた!説明しませう。
ちなみにこれだけで全てのなりゆきが飲み込めてる人は仙人か天使になったほーがいいでしょう。
こほんっ。
邪将軍隊。どー考えても邪将軍の隊である。
べるるんは、それを聞いた時から、あるいはそれ以前に気付いていた。
――邪将軍――
てーい!!という魔族をトップに、ぢつは部下は一匹もいない(爆)
とゆうか、邪魔王という魔族もいる事はいるのだが、異世界の魔王なのである。
何らかの事情があって、こちらの世界にとばされたのだ。
たぶん、その何らかの事情とゆうのが、魔血玉集めなのだろうが。
一匹しかいないのに、なぜ『隊』なんぞと、複数の魔族がいる事を示す言葉がオヒレにつくか。
答えは簡単。邪将軍てーい!!が、誰かと手を結んだからである。
そこでべるるんは考えた。
そのお相手が、赤眼の魔王、ルビーアイの7つに分かたれた一つと、それ率いる二匹だとしたら。
そう。S様とロディとティナが、邪将軍と手を結んでいたら。
つまり、である。
ティナとロディは仲間であり、二匹にとってべるるん、K伯爵、めなりんは、敵以外の何でもないのだ。
そして、カタートで本性を発揮するつもりなのだろう。
なぜかとゆーと、カタートにSがはりつけられているからである。当たり前の話。
そこで二匹は、一行を誘導し、いきなし本性発揮して三匹つぶしたあげく、魔血玉盗もう、とゆー魂胆だろう。
ちなみに罠とわかっていて罠にはまったのには、ちゃんとした理由がある。
*べるるん:どーせ最後には決着つけなきゃなんないんだし。
*K伯爵:罠?んなもんはねのけりゃあいーのよっ!!
*めなりん:なんとなく。
・・・前言撤回。あんまり理由はない。
まー意味のわからん説明であったが、要はロディとティナはグルでそのうち戦闘になる、とゆー事である。
そして、『そのうち』はやってきた。
ロディとティナが足を止めた。
つられて三匹も足を止める。
ロディとティナが振り返り、そしてロディはこういった。
「おーっほっほっほっ!まんまと罠にはまってくれたわね!」
やたら高飛車なロディ。
ティナもそれにならって言い放つ。
「ふっ!私とロディさんは、なんと邪将軍隊だったりしたのよっ!」
だがしかし。
『知ってた。』
べるるんとK伯爵の声がハモり、さらに
「ふ〜ん、それで?」
とめなりんが呑気に言う。
硬直する二匹。どーやら内部葛藤を起こしているよーである。
「どーする?」
「とりあえずデモン・ブラッドいただいて、トンズラこきましょ。」
K伯爵の問いに、べるるんが頭を押さえつつ答えた。

『はっ!?』
二匹がきづいた時には、三匹はすでにいなかった。
むろん、ロディの四つの魔血玉と一緒に。
「あの盗っ人魔族ぅ〜っ!!」
人(?)のこと言えないきもするが、ロディはそう言いつつ駆け出していた。

ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪
「えー只今、べるるん、K伯爵、めなりん(以後BKM)の三匹と、ティナとロディ(以後TR)
どちら共々、あのだだっぴろい洞窟でなんと魔族ともあろうものが五匹揃って
ま・よ・っ・て!
いるそうです。いや〜笑えますね〜はっはっはっは。
以上、リポーターは小説本邦初公開ぢつは出されたくなかった芥川でしたっ!」
ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪

「まよっちゃったもんは迷っちゃったもんよぉっ!!」
K伯爵が叫んだ。
「とりあえずここは一体どこなのよ…?」
「さっき通ったよ?ココ。ほらあそこに目印の×あるもん」
染色の呪文――落書きの呪文とも言うが、とりあえず、たしかに通った印としてつけた×マークが
そりゃあもうくっきりはっきりどっきりきっちりぴっちりかっきりぴかぴかとそこにあった。
「・・・完全にまよったわね…うどわっ!?」
言ったべるるんの背中に、柔らかいものがあたる。
「きゃっ!?…べ、べるるんっ!?さっきはよくもぉっ!」
「てぃ、ティナ?ロディまで…あんた達、内部葛藤はどーなったわけ?」
そう。そこにいたのは、なぜかはわからんが女狐のカッコのロディとフツーのいつものティナだった。
ちなみに女狐のカッコは、ロディにぴったし似合っている。
「あれは自己完結したわっ!い、一応ねっ!」
そんなティナの頬には、ひとすじの汗。
「ま、まぁともかくっ!」
いきなし張り詰める緊迫感。
「パターン通り、戦うわけね。やり方は?」
べるるんが問う。
「勝負は一対一。ついでに、ロディは審判。いっとくけどこっちが有利になるよーにはしないわ。」
「OK。」
ロディの提案にべるるんが答え、K伯爵は無言でうなずく。
「んじゃ、まずティナがいくわ。そっちは?」
「めなりん行く〜!」
「だそうよ。さっさといって勝ってらっしゃい」
べるるんがめなりんの背中をポンッと叩いた。
二匹はお互いの間合いを考えて位置につく。
…めなりんは、なんとなくかも知れないが。
ロディの合図を待つ二匹。
数秒後。
ロディが右手をあげた。
「はじめっ!」
同時に動く二匹。
スピードは互角。体力も同じくらいだろう。違うのは知力だけである。
だが、さすがにこの時は、二匹ともシンクロしていた。
「せーのっ」
ティナが掛け声をつけて右手を繰り出し、めなりんも右手を振り下ろすっ!
『じゃんけんぽんっ!』
がしゃべきょどがららずごちゅどぉぉぉんっ!!!
勢いよく突っ伏し、爆発する三匹。
「やったぁっ!勝ったよべるるんっ!パーで勝った〜っ!!」
「ごめぇんロディさぁ〜ん、負けちゃったぁ〜」
「あ〜ほ〜か〜おんどらはぁぁっ!?」
がきょぺしぃぃぃんっ!!
べるるんが灰皿でめなりんの頭をぶん殴り、スリッパでロディの頭をひっぱたく。
「ちょ、ちょっと待って!?どっからはえてきたのその灰皿とスリッパ!」
ティナが頭を押さえつつ聞く。
「宿屋のパクってきたのよっ!!他にも石鹸とタオルもらってきちゃったわ!」
「ちょっとぉべるる〜ん…この頃壊れてきてるよキャラクターが…リナみたいな事やらないでぇ…」
K伯爵が後ろから恐々つっこむ。
ちなみにめなりんはといえば、ぴくりとも動かない。
…いつまでたっても、動かない…

ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪
「只今、緊急連絡がはいってきましたっ!
なんとBKMが仲間割れ(?)をして、一匹は意識不明の模様!
あほですね〜つっこんで死んじゃったとは。くっくっく。
以上、リポーターはゼロス様命の友希でしたぁ〜〜っ!!」
ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪

金色の髪の毛は、べるるんの服の袖とともに、すでに赤く染まっていた。
「ちょっとっ!?めなりんっ!?ぅおぉ〜いっ!?」
べるるんが必死で叫び、K伯爵が診察する。
「ふむ、息はちょびっとだけしてるわね。流血がひどいのかな?それほどでもないか…」
ちなみにだくだく流血している血は約8リットル。息はしてないも同然だったりする。
魔族は普通、きられても血はでないのだが、こーゆー変なとこには、妙に凝り性らしい。
というわけで、めなりんの場合だけは、見た目とダメージが比例するのだ。
「んじゃ後頭部にマトモにぶつかったから気を失ってるだけとか?」
べるるんの思い付きだめしに、K伯爵が活を入れてやる。
反応、なし。
「あああぁぁぁぁぁああっ!仲間が死ぬぅぅううっ!」
べるるんが半泣きでわめく。
「一応コイツがLONの妹ってことはつまりあたしってば混沌に帰されちゃうわけ…?」
「べるるん、短い間だったけど、仲良くできてたぶん良かったわ」
「たぶんって何・・・?」
「そーゆー事してる場合なの?」
『はっ!』
ティナがジト目でつっこみ、二匹が通常モードに移転する。
「こーゆー時はパターン通りに、リザレクションをかけるとかさぁ」
ロディがまるっきし他人事のよーに言う。
――他人(匹)事ではあるが。
「魔族にリザレクかけてもなおんないわよぉ…第一つかえるのがいないって、ココに」
K伯爵が突っ込む。
ついでに、いまだにめなりんは何の変化もなく、ただべるるんに支えられているだけである。
ああ…お話がどんどん横道にそれてゆく…――

何ココ。
青い空間。変な感じが体をつつむ。
みんながいない。
声だけが、あたしの頭に響き渡る。
「知っているか?デモン・ブラッドを発動させるとどうなるか…?」
どこかで聞いたような女の人の声。
人じゃないかもしんないけど。
「知らない」
きっぱりはっきり言うあたし。
「そうか。ならば自らでその力を解放するがいい。
…だが。後悔する結果にならないように気をつけなさい。」
…ほにょ?
瞬間、あたりが揺らいだ。
青い空間が渦巻きになって、『声』にひきはなされる。
「一つだけ!あなたは一体誰!?」
「私は…お前だ。」

「へ?」
すっとんきょーな声が、洞窟にこだました。
「め、めなりんっ!?・・・とその前に、開口一番へはないでしょへは。」
べるるんが突っ込む。
だがその表情は、安堵の色がうかがえる。と思う。
「…あたしが…あの人(人じゃないかもしんないけど)・・・?」
意味のわからん言葉を吐くめなりん。
「ま、まぁ、とりあえず無事で良かった…と思うわ。あは、あははははは…」
K伯爵、乾き笑い。
「のーみそのほーは、もっとヤバくなっちょるかもしんないけど…」
小声でつけたすK伯爵。
「ふっ!まぁ今日の所はこれで勘弁してあげるわっ!!んじゃーねっ!!」
やおら大声をあげて、いきなし走り去るティナとロディ。
「終わったの?」
「そ。あんたの勝ちよ」
言ってべるるんはウインク一つ。
「うげ」
すぱぁぁんっ!
今度はスリッパではたくべるるんであった――。

地に付かんばかりの金色の髪。
ひときわ鮮やかなレッドの魔血玉が、闇の中にきらびやかに光り輝く。
「…たのんだわよ。べるぜ、火眼黒翔猊、めなりん」
言って彼女は立ち上がった。
この後はオフレコ指示がでているが、一応書かせていただく。
「部下Sっ!!このお茶苦いっ!!でがらしじゃないのっ!?パイプ椅子でなぐるわよぉぅっ!!?」
…やめたほうがよかったかも知れない。

辺りはすでに、どこがどこなのかもわからなかった。
あれから三匹は、洞窟の中できっちりずぅ〜っと迷いつづけていたのだ。
空間移動も、まぁたいろいろとややこしーことがあってできない。
「なに…?ココ…」
K伯爵が疲れた口調で言う。無理もないが。
そこには、おっきな扉があった。
茶色っぽいがっしりした扉で、ほどほどの金細工がほどこされている。
「ここって…邪将軍隊のアジトじゃない?」
べるるんが思い付く。
ぎぃいいぃぃっ。
作戦を考える間も無く。
めなりんは扉を押していた。
…それは、三匹に異様に脱力感を与えた。
一人(?)の女が、闇の真ん中に、こたつにはいってぬっくぬっくみかんを食べているのである。
「す、スタッフサー○スへ電話しようかな…」
ぢつは本気で言ってたりするK伯爵。
その女は、三匹に気付きながらも、また新しいみかんへと手を伸ばす。
どこからともなくいつのまにやら。右手には刃物が握られていたりする。
次の瞬間。
なにかが動いたと思った時には、みかんの皮はきれいにもぎとられていた。
「お前達も、こーゆー風になりたいか?」
女は刃を拭きながら、こたつからゆっくりはいあがる。
「その前に。私はまだやる事があるものでね…ロディ!」
がちゃっ
奥の部屋から、ロディが現れる。
「はい」
「相手をしてやって」
いって女は奥の部屋へと姿を消した。
「ロディって、審判じゃなかったの?それにティナは?」
べるるんが聞く。
「審判だけど、あたしにも一応、使い魔がいるから。
ティナさんは今ごろサンブルグで魔血玉探してるんじゃないですか?スピカ!」
にゃ〜ん
ロディの足元から、猫の声がする。
よく見れば、そこには一匹の黒いネコ。
「相手したげて」
みゃ〜
一つネコが鳴いたその途端。
ネコが人間のカタチをとった。
黒いショートカットでかなりの美形。
だが、その青い瞳には、冷たく光るものがある。
魔族だが、猫の方が属性は近そうである。
「あたしがいくわ。」
K伯爵が歩み進める。
「ロディはいつものとーり、審判やりますね。あ、それと。
猫だからって甘く見ると、ひっかかれますよ。」
ロディがそう言いつつ、真ん中に立つ。
「僕はスピカです。よろしく。」
「あたしは火眼黒翔猊。K伯爵でいいわ。」
ちなみに、闇の中といっても、これまたフェアリーソウルなどがいて結構明るい。
光ゴケはさすがに生えていないが。(生えてた方が気持ち悪い)
二匹が立ち止まる。
ロディが手を挙げて言った。
「はじめっ!」
「うぉぉおおっ!」
叫び声とともに、スピカが突っ込んでくる!
スピカが大きく右手を振り下ろす。
なんなくかわすK伯爵。
次々とスピカが攻撃するが、猫同様、スピードがあっても威力はあまりない。
その上、魔族と猫のスピードの差なんて、ないに等しいといってもいいだろう。
しばらく、攻防が続いて――
タイミングを見計らって、K伯爵が足掛けをする。
「うわっ?」
バランスを崩すスピカ。
そこにK伯爵が、スピカの顎めがけて右手を一閃!
そこにやたらとカワイイ声がこだました。
「ごろにゃおぉ〜ん♪」
ずてぇっ!
「何!?どーしてこの小説、戦闘になるとこーなっちゃうわけっ!?」
べるるんが叫ぶ。
「こしょこしょこしょこしょ…」
「ごろごろごろごろ…」
「すっかりなついてるねぇ。K伯爵は猫好きだしねぇ〜(信じないで下さい。本人に聞いてませんので)」
めなりんがやたら呑気に言う。
「猫は猫ってことかしらね」
痛むこめかみを押さえつつ、べるるんも言う。
「ああああっ!スピカァッ!ちゃっちゃとやっちゃってぇぇっ!!ちゃっちゃとぉぉぅっっ!!」
半泣きで命令するロディ。
――だが、一向にスピカはK伯爵とじゃれている。
「戦闘不能で、K伯爵の勝ちじゃない?」
べるるんがジト目、あきれ顔で言った。
「しっかたないなぁもぉっ!セリアッ!!」
ロディが叫んだ。
同時に、コツコツと靴の音。
ロディの後ろに、それはいた。
これも魔族である。そしてたぶん、それはまた、何かの動物に近い存在――
ストレートロングのつややかな銀と青の髪。
やっぱり美形で、するどく青い目が印象的な女。
透きとおるような青い神官服が、闇に移る。
「イルカ…?」
べるるんが呟いた。
そう。それはイルカに近い存在であったりなんかしちゃったりもぢつはする。
「私の名は、セレス。
イルカっていうのはやめてほしいわね。」
ちょっとムッときたのか、やや怒り気味で言うセレス。
「で、そちらさんは?」
ロディが聞く。
「いえ…――」
だが、答えたのはセレス。
「私から指名させていただきます。
私をイルカってよんだそこの魔族さん?」
べるるんを目で指す。
「私はべるぜって名前なんだけど?イルカさん?」
必殺、イヤミ返し!
良い子も悪い子も普通の子も大人も、真似しちゃいけないよ。
「そう。べるぜさんっていうの。
まぁ、とにかく。
あなたと戦(や)らせてもらうわ」
「途中で逃げたりしないわよね?」
「するわけないでしょ。私にもプライドってものがあるからね」
「それじゃ、逃げたらあなたの負けって事ね?」
「いいわよ別に。あなたにおびえる奴なんてきっといないでしょうし?」
双方イヤミをとばしまくる。
だが、この時。べるるんは勝利を確信していた。
蠅さんこーげきでもするつもりだろう。確かにアレをやればセレスは確実に逃げる。
――ちょっぴしさみしいかもしんない。あたし。友達いないじゃんか。
内心べるるんはそう思っていたのだが。
ロディが手をあげて合図する。
…はじめと言わないところからすると、どーやら疲れているようである。
まぁたしかに、使い魔の魔族(猫)が、逆に向こうに懐いて戦闘不能とゆーのには、肩の力も抜けるだろう。
だが、手をあげるだけで、二匹には十分だった。
「破壊水流波!」
セレスが叫ぶ。
と同時に、青い衝撃波…ブラム・ブレイザーのようなものが、べるるんを包み込む。
「サイ・バリア!!(この時代に使えたのかは謎)」
だが、べるるんの赤っぽい(ロスユニでは赤じゃないです。たぶん)バリアが、
それのことごとくをはじき散らす。
セレスが叫んだ。
「水よ!」
どごごごごごごごご…
同時に、どこからともなく水の湧き出す音がして――
どしゃざざばぁぁぁぁんっ!
「ぅきゃぁぁああっ?」
次の瞬間、下から水が噴き出し、べるるんが空中に放り出される。
「鯨の上みたいで結構気持ちいいわね」
強がり…本気なのかもしれないが、そう言ってそこから地へと降りる。
そして、セレスからだいぶ離れたところに着地する。
別にセレスが恐いわけじゃない。水がいまだにざばざば湧き出てきているのだ。
「さっさと水とめなさいよっ!お洋服が濡れてしまうわ!」
ロディが叫ぶ。
「…と…」
セレスが頬に汗ひとすじたらしつつ呟いた。
「…とまらなく…なってしまいましたわ…」
ざばざばざばざばざばざば…
しばらく、次から次へと湧き上がる水の音だけが、薄暗い闇の中にこだました。

ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪
「只今、TR(今はRですが)の方の攻撃の暴走により、水がざばざばわきあがっております。
すでに今はもう、K伯爵でいう胸のあたりまで水が渦を巻きつつあります。
魔族なんだから空間に浮く事ぐらいできるだろうというそこのあなたっ!
まだまだ甘い。カタート山脈の洞窟といえば、オリハルコンがめいっぱいなんです。
つまり、魔力が減退してしまうわけですね〜これがまた。攻撃くらいならできますがね。
都合のいい理屈をこね回していますねぇ〜っふっふっふっふっふっふ…
以上!リポーターは、K殿のもとでちょこまか働くミニム…もとい、葬無でしたぁっ!」
ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪(ああ、葬無さんすいません↑ちょこまかだなんて…しくしく。)

「あほかぁぁぁぁぁいいいぃっ!!?葬無〜〜〜〜っ!助けなさいよぉぉっ!!」
K伯爵が泣き叫んだ。
ちなみにK伯爵より背が低いめなりんは、溺れているかと思いきや、きっちし立ち泳ぎをやっている。
一方セレスはといえば、イルカに変身して、華麗に泳ぎまわっている。
背中にロディを乗せて。
「ふっ、やっぱし、水の中は気持ちいいですわ〜」
「そゆ事いってないでさっさとこの事態をどーにかなさいっ!」
ロディが高飛車に言い放つ。
「そんな事おっしゃったって、止まりませんもの…このお水。」
「てーねーにおをつけなくていいからぁっ!!
えーいっ!今回はこのくらいで失礼するわっ!さぁセレス!泳ぐのよっ!」
「はいっ!」
ざばざばざばざばざばざばざばざばざばっ!
わけのわからないまま、責任をほっぽりだして逃げる二匹。
「あ〜っにげだ・・ごぼごぼ…」
K伯爵の意識が途絶える。
「ああああっ!今度はK伯爵がぁぁぁっ!」
べるるんが頭を抱えた。
ああこの三匹の運命やいかにっ!?…助かる事にはまちがいないだろーけど。

<<続くぞっ!!続かなかったらこまるっちゅーの!(一人ボケツッコミ(寂))>>

再掲示まだまだ続きます。

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2925スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達5めなりん 6/3-02:40
記事番号2924へのコメント
再掲示ナンバー5です。むしょーに懐かしいです。



ざばざばざばざばざばざばざばざばざばざばざばざばざばざばざば…
いまだに流れている水の音だけが、部屋の中にこだまする。
「K伯爵?K伯爵〜っ!?」
めなりんがいくら呼んでも、K伯爵は目覚めない。
「ああ…今度はK伯爵がぁぁぁ…」
痛むこめかみを押さえつつ、べるるんがつぶやいた。
ちなみに今の水量は、べるるんの肩のあたりまでである。
「いい?めなりんっ!K伯爵運んで扉まで泳いで!
合図があったらダム・ブラス!いいわねっ!!」
「たぶんOKっ!」
たぶんという言葉がひっかかるべるるんだが、今はつっこんでられるほどの余裕はない。
めなりんがK伯爵をかついで扉の方へ泳ぎにかかる。
べるるんは潜水してめなりんより早く扉へ向かい、まず扉に隠し持っていたナイフを突き刺す。
扉の厚さといったらすごいものである。オリハルコンばっかしのこの洞窟で、ダム・ブラス一発で
通るはずもない。
…その前に、べるるんが一体どこにナイフを隠していたかの方が気になるが。
「めなりんっ!ココよっ!」
べるるんが水面に顔を出して叫んだ。
「ダム・ブラスッ!!」
がきょっ!がらがらがら…ざばばばば…
「命中〜っ!めなりん早くっ!」
「言われなくともっ!」
ざばばばば…
「言われなくとも流されるぅ〜〜〜っ!!」
「水力発電できそうねっ!ってンなこと言ってる場合じゃなぁぁいっ!」
水に押し流される三匹。すでに溺れてるも同然である。
「めなりんっ!風の結界張って!」
唐突に、べるるんが叫んだ。
「へ?えっと…ウインディーバリアっ!(ナーガが使っていたような気が…)」
「レビテーションッ!」
風の結界にレビテーションがつき、べるるんのコントロールによって、下へ沈む。
そう。今、三匹はさながら、透明な潜水艦に乗っているようだった。
(イメージはクリムゾンの妄執のクリムゾンへ潜入する時みたいなかんじですね)
「一気に加速するわよっ!めなりん、K伯爵の具合はどうっ?」
「気を失ってるだけだと思うけど、水たくさん飲んでるみたい。」
「吐かせてっ!」
「どーやって?」
「腹押せっ!」
「…出るの?お腹押しただけで?」
「…出ないよーな気もするけど…」
ああ…この二匹、あやしい…

どこよココは。
わたしは青くてだだっぴろい、異様な空間にいた。
べるるんもめなりんもいない、変なトコに。
あ、なるほど。めなりんはこれを見ていたワケね、あの時。
「そうだ」
「ぅどわぁぁっ!?な、何っ?何なのっ?」
女の人の声が頭に響く。
いつか聞いたような…ずっと前、生まれるよりも前に…
「お前はデモン・ブラッドを集め、何をしようとしている?」
「え?」
な、なにって…ねぇ…ははははは…
「何となく…集めてるかも知れませんけど…」
もともと何となく力が増幅するんじゃないかってなかんじで集めてたし…
こんな事聞かれても、特に何もないわねぇ…
そー考えると、邪将軍隊に渡した方が良かったんじゃ…?
「…よろしくたのんだわよ。」
「え?あ、ハイ…」
同時に、軽い目眩におそわれる。
なにを…たのまれたのよ?私は?

「あーっ!べるるんべるるんっ!目ぇ覚ましたよーっ!!」
やたらうれしそーな声が、K伯爵の頭に響く。
「ん…っ!?な、なによどこなのよここはぁぁぁぁっ!!!?」
「え?どこって…水の中」
べるるんがあっさり言う。
「いやぁぁぁっ!こわぁぁぁいっ!!揺れる揺れる揺れるぅぅっ!!」
そう。ぢつはめちゃめちゃ揺れたりとかするのだ、これがまた。
おまけに、洞窟はでこぼこしてるので、岩にあたったりもするし。
決して『みんなでうきうき快適な旅♪』というよーなモンではない。
「いやぁぁぁっ!べ、べるるぅぅんっ!!?コントロールちゃんとしてよぉぉぉっ!」
「ンな事いったって、この水、たぶんいまだに吹き出てるハズよっ?」
確かにさっきから水量が増えてきているのだ。
そんな中でフツーにコントロールできたら魔族なんかやってないで創生主にでもなった方がいい。
「どーするのよそれじゃぁっ!?」
K伯爵が叫ぶ。
「とりあえず流されてけば、出口にたどりつける――ハズよ」
頬の汗と最後のハズさえなければ、べるるんの言葉を、K伯爵は信じたかもしれない。
「ねぇ…それ以前にやばいモノがあるんだけど…」
K伯爵がべるるんと反対の方向を見て言う。
「あ、やっぱしこのパターン?」
べるるんがひきつり笑いをうかべつつ言った。
そこには、皆様のご予想通り。
基本に忠実とゆーか、ありきたりとゆーか。
津波さんが口を開けて待っていた。

「んっ…ココは…どぁひぃぃっ!?」
薄紫で統一された、結構広い部屋。
窓からの心地よい日差しが眩しい。
暖炉の薪が、ぱきっと音がして折れる。
そのすぐわきのベッドで、K伯爵は目を覚ました。
ベッドはふかふかして気持ちいいし、隣を見ればべるるんとめなりんも同じベッドで寝ている。
ついでに言えばこんな部屋など、K伯爵は知らなかった。
それよりも、もっともっと驚いたのは――
隣に男がいたことと、自分が水色の水玉模様のパジャマ姿だったという事だった。
まぁ、フツー濡れたままの服でベッドに寝かせる奴はいないだろーが。
ちなみに男は、イスに座ったまま眠りこけている。
「ぱ、パジャマって事と、あそこに男がいるっつーことは、つまり…」
K伯爵の顔から血の気がひく。(それとも、こーゆー場合はほてるのかなぁ?)
その時だった。
がちゃっ
「あら、起きてたんですか?」
ドアをあけて出てきたのは、一人(?)の若い女。
歳は見た目が15〜6ぐらいだろうか。魔族である事には間違いないようである。
黒い髪を後ろでポニーテールにまとめ、なぜか魔道服に身を包んだやさしい面影の美人。
ちなみに、今はショルダーガードやマントなどは付けていないようである。
雫型のイヤリングが、日の光でキラキラ瞬く。
…よかった、見られてない。あの男に。
内心ホッとするK伯爵。
そんな事を考えているうち、女はベッドの横のわりと小さめのテーブルに
香茶(紅茶ではないぞっ!)の入ったティーポットとティーカップを置く。
「これ、お香茶。冷えるでしょう?暖まって下さいね。」
言ってにっこり笑う。
「あ、どうも…」
てれつつも礼を述べるK伯爵。
「そちらの二匹は、まだ起きてないみたいですねぇ」
べるるんとめなりんを目で指して言う彼女。
「ええ。疲れてるんでしょうし…ってそじゃなくって!
なんでどーして私たち、こぉんな所にいるんですかっ!?」
「え?家の前でびしょぬれでたおれていたから、とりあえず、と思いまして。
服がびしょびしょだったから、私がパジャマに着替えさせたんですよぉ。
ついでにここはカタートのふもとの近くの森(ンなもんあるのか?)の中の山小屋ってトコでしょうかね」
「ナルホド…ここまで流されてきたわけね…結局水はとまったのかなぁ…」
一匹納得するK伯爵。
「それじゃ、私はちょっと出かけますね。お香茶、気が向いたら飲んで下さい」
「ええ。」
「あ、それと私は、海王ゆかりって言います。それじゃぁ」
がちゃ…
「ふぅ。」
――あ、自分の名前言うの忘れた…?
う〜ん…ま、いっか。また会う事になるんだろうし…――
K伯爵はとりあえず香茶を飲もうとする。
春らしい桜模様の(この世界に桜なんてあるんだろーか…?)ティーカップを取り、香茶をそそぐ。
「あ、こぼした」
「んにょわぁぁっ!?」
いきなりの声にびっくりするK伯爵。
「やだなぁ…そんな驚くなよ」
男が目を覚ましたのだ。
黒い神官服がよく似合う、美形の男である。
ゆーなればTM(レボリューションのつづりなんて知らぁんっ!)ってところか。
(ちなみにこれ↑も、言葉の言い回しもぜんっぶ想像です。本当はもっとお上品な(爆・笑)方です)
「あ、すいません…どこにこぼしました?」
「ベッド。こりゃーもうとれないだろうな。」
見れば、掛け布団のはしに、子供の拳ぐらいのシミ。
「うぐ…どぉもすいません…」
「いーよいーよ、別に。
俺は翼月星。むろん魔族だ。」
「私は火眼黒翔猊。K伯爵でいいです」
「っ!?」
自己紹介をしたK伯爵から身をひく星。
そして、恐る恐るこう聞いた。
「…ゆかりが、なんかしなかったか?」
「はぁっ!?」
K伯爵の目が点になる。
「なんかしなかったかって…名乗るの忘れちゃいましたからぁ…」
「あ…そ、そっか…」
星が胸を撫で下ろす。
そして、横目でベッドを見た。
一つのベッドに三匹寝ていたらしいが、今やK伯爵の寝ていた所は、
めなりんにきっちし占領されていた。
(…ってゆーかぁ、ほらぁあたしってば寝相悪いから…もともとは端っこにいたのに
きっとべるるん乗り越しちゃったのねぇ…よくあるんだ、こゆ事(しくしくっ!真実なのよっ!))
「他の二匹はごーかーごーかー、よく寝るなぁ」
「私は気を失ってましたからねぇ。
二匹とも、泳いだり魔力使ったりで、ぢつは結構つかれてたんじゃないですか?」
あっさり言い放つK伯爵。
「ま、これから目を覚ますよな。
ちょっくら出かけてくるわ、俺」
言って星は立ち上がり、ドアへと歩み寄る。
「そーいえば、ゆかりさんとはどこまでいったんですか?」
ずがしゃどごべきゃごすがしょごがららららげしょげしょどずばどぉんっ!
…カパコンッ!
勢いよく突っ伏しつつ爆発する星の頭に、上から落ちてきたバケツがとどめをさした。
「あのなぁっ!?女同士がどこまでいくだのいかないだのって、レズかお前はっ!?」
「お、おんなどぉしぃぃぃっっ!?女って、女ってのはつまり女ですよぉっ!?」
「おーれーはー女どぅぁぁあああっ!!」
「嘘ですっ!女ってのは一人称は私とか、せいぜいアルル=ナジャとかでも僕とか…」
「個人の勝手だろーがぁっ!ンなもんはぁぁっ!
でも第一俺は魔族だっ!男とか女とかはどっちでもいいんだッ!」
「けど、見た目はどーみたって男ですよぉぉっ!」
その言葉を聞くなり、星はつかつかとK伯爵に歩み寄る。
そして、K伯爵の顔面間近…(ピー(カタカナ2文字))範囲内でこういった。
「見かけで人を判断しちゃいけないんだぞ。」
次の瞬間、K伯爵のスクリューパンチは、見事に星にきまっていた。

「すいませぇん、デモン・ブラッドって知ってますぅ〜?」
問い掛ける女の子の肩にかかるみつあみが、風に踊る。
場所。サンブルグの表通り。
日時。夏、昼を少しまわった頃。
そして、女の子の視線の先の一人の女がロコツな顔をしつつ髪をかきあげたその時。
風は吹き荒れた。
「や、やっほぉ…ティナさん…」
「ろ、ロディさんっ?どーしたの?」
おさげの女の子 ――つまりティナは、いぶかしげな顔をしてたずねた。
ティナと女の前に現れた彼女は、むろんロディである。
――が。
女狐のカッコのまんま、びしょぬれでソコにやってきたのだ。
「せ、セレスがちょっと…」
「セレスちゃんが?」
たじっと後退りつつ、ロディはこう答えた。
「暴走…しちゃったの」
しばしの間をおいて。
「はぁ?」
なにがなんだかわからず、ティナは聞き返していた。
ちなみにこの時二匹は気付いていなかったが、女はとっくに家に帰った。
後で分かった事だがその女は、それ以来家にこもりっぱなしだったそうである。

「つまり?」
「だぁかぁらぁ。セレスってば、なぁんかちょっち様子がおかしーのよっ!
それで、一応S様とこに送り付けといた――というワケなんだけどさぁ…」
ロディがしびれをきらして叫んだ。
あの後二匹は、近くの食堂に行き、作戦会議――もとい、事情説明を繰り広げていた。
「で、セレスが泳いでったら隣町のトゥール・シティの地下水道に出てね。
ティナさんがサンブルグで探索やってるって聞ーてたもんだから、さ。来てみたのよ、暇だったし。
後のあたしの二匹の使い魔は、ソニア・シティで探索させてるんだけどね。
で、あたしはスピカとセレスを出して戦わせたんだけど、これがさぁ…なんつーか…聞かないで。お願い」
「わ、わかったわ」
ロディの瞳の奥に、恐怖と悲しみと絶望と、なにより怒りがこもっているのに気付いたティナは、
あわててそう言った。
「…にしても、セレスちゃんの魔力が暴走するってゆーのは…」
「そこなのよ、ティナさん。
かつてのリナ=インバースみたいに、制御にきれない力が暴走しちゃったってんなら、まだわかるわ。
だけど、いつも制御しきれていた、その上、魔力じゃなく水を操る『能力』に変化がある、という事は…」
会話が途切れた。
しばらく、他の馬鹿騒ぎしている客達(ごろつきとも言う)の声が、二匹の耳に入る。
「…精神脈がどーとかこ−とかってヤツ…?」
ティナが重苦しく呟き、ロディが首を縦に振った。
かつてティナはそれを耳にし、ロディもその事をティナに散々愚痴を聞かされたので少しは知っていた。
いつだったか、ティナが盗賊いぢめに颯爽と出かけて行った時、ちょっとばかし一般市民を
巻き添えにしてしまい、それから山の頂上のセイルーン医療少年院へ入院させられたその時である。
空間移動して逃げ帰ろうと思ったティナは、なぜか空間を渡る事ができなくなっていた。
ティナは空間移動ができなくなった、とあの三匹に打ち明けたのだった。
そん時めなりんが精神脈がなんたらかんたら…とゆー話をちょびっとしたのだった。
…ほんっとにちょびっと。
(わかんない人はスレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達2を読んで下さいませ。)
ちなみに、そんなことは全然関係あるわけもなく(笑)ある薬を飲んでティナは無事にSのところへ帰った
…――ハズである。
だがしかし、あの薬。
見た目も青汁だが、飲んでも青汁、その上、吐き気や頭痛がしたりなんぞとゆーとんでもない薬だったのだ。
熾王神官殿が言うには、酢玉子なんだそーだが(当人談)
それでティナはねちねちとロディに愚痴っていたワケである。
「精神脈…精神がくずれていると、それに比例して精神脈までもが崩壊される…」
ロディがポツっと言った。
「セレス…何か悩み事でもあるのかなぁ…?」
「なにいってんのよロディさんってば。給料が安いからに決まってんじゃないのっ!!」
自信満々言い放つティナ。
「あたしは真面目よっ!?」
「あたしも真面目に言ってるけど?
まぁロディさん、そうカリカリしないで。」
「…セレス…」
ロディの低い呟きが、ざわめく声に流されていく。
その時だった。
ティナとロディが消えたのは。
そして数秒後。
二匹と会うこととなる事態を、男女――本人の意見では女らしいが――二匹は予測していなかった。

朝。
澄んだ空気。
小鳥達の囀り。
暖かい春の日差し。
そして、鳴り響く怒声――
「だぁかぁらぁぁっ!!起きなさいってばぁぁぁっ!」
K伯爵が布団を引っぺがす。
昨日、あの後。
どっかへ行ってしまったあの二匹――海王ゆかりと翼月星の帰りを待ちつつ、K伯爵は物思いに耽っていた。
が、いつまでたっても帰ってこないし、べるるんとめなりんは寝たまんま。
それで一夜を明けたのだった。
「な…なによK伯爵ってばぁ…はっ!?ココは一体…?」
「気付くのが遅いのよぉぉっ!!」
眠い目をこすりつつ起きるべるるんに叫ぶK伯爵。
「いまだに寝てるめなりんよりはいーでしょーに?」
「へっ?」
驚いてみてみれば、たしかにごーかーイビキをたてつつ寝ているめなりん。
「寝相、寝言、イビキ、よだれ(笑)…見事に4連発揃ってるわね…」
(時々鼻血も出ます(爆)起きるとシーツが血で真っ赤(笑)まるで殺人(爆笑))
「そんな事より、ココは一体どこなのよ?」
「それがさぁ…」
――約二分――
「ふむ。そんな事があったのかぁ…」
「そーなのよ。あたしも最初はめちゃくちゃびっくりしたんだけどね〜」
納得するべるるんに、のほほんとかえすK伯爵。
そして、ある事に気付き、べるるんはのほほん返しにこう尋ねた。
「そいで、デモン・ブラッドはどこにあんの?」
「…」
「…?」
――約三十秒――
「ああぁぁああっ!!?まさかっ!?水の中に落としたぁっ!?」
「お、落としてきちゃったわけぇ!?あたしたちっ!?
ってことは、めなりんの左腕についてるの一つっきゃないって事っ!?」
口々にわめく二匹。
「あぁ…振り出しに戻る、ってワケか…」
「何言ってんのK伯爵、最初は三個だったじゃないの。今は振り出しより三歩ほど前ね」
「あたしがあんたらに会う前は自分の一つだけだったもぉんっ!(きっとこの話番外編で書く(笑))」
ぜぇはぁぜぇはぁ
髪ボサボサで、K伯爵は、目をうるうるさせつつ息をきらした。
で、一気に落ち込むK伯爵。バックは無論黒で、スポットライトがカシャッ!と当たる。
「あ」
いきなしバックがもとの部屋に戻った。
「え?どったの?知的美少女火眼黒翔猊さん?」
べるるんが、半ば呆然として床を見つめているK伯爵の顔を覗き込む。
床を見つめていた知的美少女K伯爵は、青ざめた顔を上げ、こう言った。
「…盗まれたのかもしんない。てへっ(語尾はぁと)」
「…」
「…て、てへ?」
――約四十秒――
「てへじゃないでしょそれって〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っっ!?」
「だぁって二匹が寝てるからぁっ!
と、ストップ。今ここでいろいろ言ってても、なんにもなんないわ。」
「そーね…とにかく」
べるるんはちらりと視線をベッドに動かしつつ溜め息交じりに
「この馬鹿を起こしましょ。」
と、呟いたのだった。

「サンブルグ?」
「そう。サンブルグって町。言っとくけど、食べ物じゃないからね。
あ、ちなみにこの町のマジックショップ、安い上に品揃え結構豊富だから、寄ってってもいーい?」
いまだに若草色のシマシマ模様のパジャマで顔を洗いつつ聞き返すめなりんに、
すでに部屋に干してあった服を着込み、髪をブラッシングしながら答えるK伯爵。
「なに買うの?」
「ふふっ。ひ・み・つっ!」
なにやら意味ありげな顔を浮かべつつ、べるるんに答えるK伯爵。
「気色悪い」
じゃばぁぁっ!!
「あんたはすっこんでてね」
K伯爵はなにやらニコニコしながら、めなりんに水をぶっかける。
「まーねーこれで念願のマジック・アイテムが買えるかと思うと…」
「…まだあるとは決まってないわよ?」
じゃばしょごぁっ!
「黙っててってばぁ〜」
つっこんだべるるんが、めなりんの二の舞となる。
「ま、と・に・か・くっ!
デモン・ブラッドとついでにお宝目当てに出発よぉっ!」
意気込んで言ったK伯爵の言葉に、二匹は何も反応しない。
その時、K伯爵は気がついたのだ。
氷漬けになっている、二匹の無残な姿に。

「あぁっ!これよこれぇっ!!
これこそずばりっ!『レザリアムの泉』よぉぉっ!!」
K伯爵が、歓喜の声を上げた。
サンブルグのマジック・ショップ。
一行は、一番最初にここへやってきたのだった。
K伯爵曰く、
『安くていいもの(マツキヨ?)ってゆーのは、早く売れちゃうもんなのっ!』
との事である。
「れ、れざりあむのいずみ?」
うさんくさそーな顔をして、べるるんが聞いた。
「そうっ!
レザリアムの遺跡に隠されたお宝NO.1っ!よ〜」
しかし気にせず動じる事も無く、K伯爵は目を輝かせつつそう答えた。
レザリアムの泉。
レザリアムとは、この町の隣の町に結構近い、いわゆる『ご先祖様の遺跡』とゆー奴である。
エルフのじーさんがその昔作ったものだったらしいが、今ではもう無くなってしまった。
それには、あのリナ=インバースも関わっている。
(ここらへんのことはスレイヤーズろいやる参照)
レザリアムの泉は、そこの中の泉(どーやって取ったのかは謎。たぶん空間移動だろう)
なのだが、これにも『飲むと効果がある』んだそーである。
飲むと…HP全回復(爆)
あんまし役に立ちそーもないが…ま、いっか。
…伏線にならん。(−−;(いつのまにやら一人称?)
「ってわけで、コレ、買ってくわねっ!はいお金…」
K伯爵の動きが止まった。
長く、黒い髪が揺れる。
K伯爵に負けず劣らずの、知的な顔立ち。
ペンを持つ細い指がきれいな女性――だが、魔族。
無論、K伯爵の知っている顔だった。
「ゆっ!ゆかりさんっ!?」
「え?」
だが、返ってきたのは意味不明な間抜けたお言葉。
「…なんでわたしの名を?」
「へっ!?」
―その後。
K伯爵の動きが約30秒ほど止まったのは、言うまでもない。

ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
「え〜只今、緊急事態が発生いたしましたっ!
場所、サンブルグのマジック・ショップ。日時、心地よい昼下がり。
なんとデモン・ブラッドを持ち去ったと思われていた一人(?)海王ゆかりさんが
現れました!その上、きっちししらをきりまくっておりますっ!
K伯爵ってば、まぁたかたまっちゃってぇ…んもう、純情ですねぇ…くすくす。
んでわでわっ!リポーターはそりゃぁもぅ、作者ぶっ刺してリポーター占拠した、
セイルーンの近くの山にいたはずの愛知県匿名希望様、その名もずばりぃっ!!!」
めきずしゃぁっ!

「皆様、今のとこは飛ばして下さい。
ちなみにあたしは、1センチのショート・ソードで蝉状態で半殺しにされた間抜けな…」
ごがぁっ!!

「愛知県匿名希望のその名は…っ!」

ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪(時間切れ)

「はっ?わ、私ってば一体何を…?」
「え?」
ゆかりが聞き返す。
「い、いやぁ別に…は、ははははっ!!」
乾き笑い。
「あらぁ、お客様すてきな宝石でございますことぉ〜っ!!」
いきなしゆかりは、めなりんの左腕をぐいぐい引っ張りつつ声を張り上げた。
そこには、光り輝くデモン・ブラッド。
これのはまっているブレスレットは、本人以外ははずせないため、残っていたのだ。
「どうですぅ?百五十万で?」
あぁゼロス(死)
「だめです。」
いきなし横から割ってはいるべるるん。
「まぁどぉして?」
「ダメなもんはダメですっ!」
強く言ったべるるんの言葉を聞くと、ゆかりは後ろを向き、イヤミったらしくこう言った。
「んじゃ、レザリアムの泉売るのやぁ〜めよぉっと」
「どぅえぇぇぇえええええええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!??」
K伯爵が声を荒立てる。
「なんでっ?どぉしてぇっ!?ンなこと関係ないじゃなぁいっ!」
「だぁって、それだって結構高いのよぉ〜ここはさぁ、店長がキビシくて
安くていいもの揃えになっちゃってるからさぁ〜そのくらいは、ね。」
言ってゆかりはウインク一つ。
「Kはくしゃくぅ〜…」
めなりんがか細い声を出す。
「でぇぇええいぃっ!こんな時だけ女の子になるんじゃないぃっ!」
K伯爵が叫んだ。
「んじゃ、今日の夕方、この町の裏通りに来て下さい。
そこで、お話つけましょ?」
「わかりました…いこっか、べるるん、めなりん。」
K伯爵が仕方なく、マジック・ショップから出る。
「またどうぞ〜っ!!」
イヤミたらたらのゆかりを背に、K伯爵は青筋立てつつ外に出た。

外は快晴だった。
青く広がる雲一つない空が、三匹を出迎えていた。
「…はぁ…」
力無く、K伯爵が溜め息を吐く。
「う〜ん…どうするの?」
べるるんが空を見上げつつポツッと呟いた。
「どうするったって…そりゃま、レザリアムの泉は、前からずっと欲しかったアイテムではあるけど…」
がくっ!と、K伯爵の肩から、力が抜けた。
「もぉいーわ…あきらめたもん」
「けど…あのゆかりさんとかって魔族…」
「そぉね…全然雰囲気違ったわね…」
空を見上げて、二匹は呟き合う。
それについていくめなりん。
「…この空が赤く染まったら…」
「行くの?レザリアムの泉の所に」
無言で頷くK伯爵。
そして三匹は、食堂へと入って行ったのだった…。
(やっぱいつの時代も食いもんよねっ!)

夕方、サンブルグ裏通り。
「で、お決まりになられました?」
「さっさと決めろよな。ったく俺までつきあわせやがって…」
集まったのは、五匹の魔族達だった。
そのうち一匹は、無論海王ゆかりである。
そしてもう一匹は…――
「せっ!星っ!?どぉしてココにっ!?」
K伯爵が叫ぶ。
だがやはし。
「なんで俺の名前しってるわけ?」
返ってきたのは、こんな答えであった――

「…はっ?あ、あぁぁ、えと、わたしってば一体なにを…?」
「さっきのあの魔族さんのお言葉を聞ーて、いきなし内部葛藤ひきおこしたんでしょ。覚えてないの?」
「いやな事ってのは早いうちに忘れるものよ」
気がついたK伯爵は、そう会話をかわしつつ二匹の魔族の方を向いた。
「で、名前なんざどーでもいいとして、よ。
レザリアムの泉はあるんでしょうね?」
「K伯爵っ!?」
めなりんが声をあげた。
「…」
黙ったまま、K伯爵はマジック・ショップのアルバイト店員二匹を睨み付ける。
その瞳に、なにかを感じ取るべるるん。
「それってつまり…」
言いかけた言葉を飲み込むめなりん。
だが彼女は、言葉を続けた。
「それってつまり…レザリアムの泉ってなに?」
めきずしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!
「黙っててね。」
無表情で近くの漬物石でめなりんをぶっつぶすべるるん。
「っふふ…」
ゆかりが小さく笑った。
その時。K伯爵は気付いた。
こいつらが、偽者だと。
「ロディ…?」
「なっ?なんでわかるのっ?」
K伯爵のかまかけにきっちし引っ掛かるロディ。
この店員二匹、どちらもロディとティナであったのだ。
「そりゃもちろん。このデモン・ブラッドの価値をあんたたちが知っていたから。
そしてもう一つ。その前に本物に会っちゃっていたってことからよ。まだまだダイコンね」
そう。
たしかに森で会ったあの二匹は、まちがいなく本物である。
なぜなら、本物のゆかりの魔道服に、ショルダーガードをしていれば
見えなさそうな肩のところに、まぎれもなく、青く海王の紋章が入っていたからだ。
ちなみにK伯爵は気付いていなかったが、他にも紋章はグローブとベルトに入っていた。
紋章は、一人前の海王として、世間の風とカタートの氷に耐えられることが第1条件らしい(当人談)
ちなみにゆかりはカタートの氷に耐えられる程の実力の持ち主である(当人談)
「ちっ…しっかたないわねぇ〜もぉ〜っ!」
一瞬、二匹の姿がゆらぎ、ティナとロディの姿に変わる。
「けど、あんたたちと海王ゆかりさんと翼月星さんが会っていた事は知っていたわよ
もうあの二匹、人質(?)にとっちゃってるからね、あたし達」
『なっ?』
ロディの言葉に反応する二匹。
「今ごろは、港で冷たい塩風に冷やされている事でしょーねー」
ティナがなにやらうれしそーに言う。
「どうして関係ない魔族を?」
「それはあなたの言えたセリフじゃないわよっ!べるるんさんっ!?」
ロディが、言葉に憎しみを込めつつ言い放った。
「あなたと戦ってから、セレスの調子がおかしいのよぉっ!
いきなし暴走してみたり、ふと物思いに耽ってみたり…」
「まぁまぁロディさん、落ち着いて落ち着いて。」
ティナがロディをなだめる。
だがロディの瞳の中の炎は、いまだ燃えつづけていたりする。
「それじゃ!ソニア・シティで待ってるわ!」
そう言い残して。
ロディとティナは、虚空へと姿を消した――

<<続くなりよ〜>>

まぁだまだまだ再掲示続きます。

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2926スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達6めなりん 6/3-02:42
記事番号2925へのコメント
再掲示です。実はあんまり載せたくないです。皆様刺さないで下さい(TT)

6でござるよ♪

「ソニア・シティ…こっから西へ10日程ってとこかしらね」
K伯爵が言う。
少し遅い朝食の、デザートのストロベリー・ヨーグルトを丁度取り終えたところだった。
ここはいまだにサンブルグ。宿の下の食堂で、香茶をすすりつつ三匹はくつろいでいた。
近所のおばちゃんが、井戸端会議。
五月蝿いだけの子供が、走りまわる。
そんな、いつもの平和な朝だった。
ちなみにK伯爵は知的モードなので、何やら難しそうな本を読みながら。
めなりんは食モードの真っ最中。この分だとK伯爵のお話も聞いてはいないだろう。
べるるんは何やらぼーっと青春(すいません×100)しつつ、窓の外を眺めながら香茶を飲んでいた。
「にしても…なんなんだろ、あの問題発言…」
ポツッと呟くべるるん。
あれからべるるんは、あの言葉が気になっていた。
「私のせいで、セレスがおかしいとかなんとかって…」
記憶を呼び戻す三匹。
確かにあの時ロディは、皮肉やら怒りやら悲しみやら絶望やらを込めた眼差しで、そう言った。
三匹にとっては、むちゃくちゃ美味しい負の感情だったが…
「セレスかぁ…そいえば、あの時変な行動とってたわね〜…
魔力ぼーそーしまくってたもんね〜…あ、魔力じゃなくて能力か?」
K伯爵が香茶を口に含みつつ言った。
「とにかく、ソニア・シティに行くっきゃないわよ、べるるん。
そこで、全て…かどーかわかんないけど、謎が解き明かされるはずよ」
「真実はいつも一つっ!」
いきなし立ち上がり、椅子に足を乗っけて、めなりんが叫ぶ。
「いつだって、愛と正義で立ち向かえば、必ず道が開けるわっ!!
悪は必ず滅びるものときまっているのよぉっ!正義は最後に勝つんだから!!」
「う゛っ!?め…めな…り…」
「あんた…魔族でしょーに…?しかも最初の言葉、モロに名探偵コナ○じゃないのぉ…ぐはっ」
「あ?わかっちゃった?K伯爵ってばぁ」
なにやらうれしそーにめなりんが、死にそうな顔の二匹に言う。
そして。
三匹は、正義と愛と真実と食欲の名のもと、ソニア・シティへと向かったのだった。

「はいっ!銀貨3枚ねっ!さぼてんさんっ!」
「毎度、ありがとぉございましたぁっ!またどぉぞ〜っ!」
K伯爵が、何やらおっきな袋をかつぎつつ、二匹のところへ戻ってくる。
といっても隣の服屋さんで、二匹で服をねぎっていたので
あんましK伯爵はその場には行きたくなかったのだが。
「あ、K伯爵、おかえりっ♪」
「ただいまっ!隣の店のさぼてんさんって人、いーわよーっ!ほら見てコレ!」
そう言って、自分より二周りは大きいであろう袋を二匹に見せる。
「何はいってんの?」
「塩」
画面、ダーク・アウト…――
べるるんの素朴な質問に、あっさり答えるK伯爵。
「でねでねっ!ほらココ港町でしょ〜?塩が安いのなんのってっ!」
うれしそーに自慢するK伯爵に、しかしべるるんは
「そんなに買ってどーすんのよ…?」
「ぎくぅっ!?」
K伯爵、顔面蒼白。
「知的美人もここにとどまる、と」
「は、はいめなりんっ塩持っててね
…んで。そっちは服、買えたわけ?」
必死で話題をそらすK伯爵。
「金貨50枚のを、銅貨20枚にねだってるトコよ…」
言ってべるるんは、ちらっとめなりんを見た。
「何を言ってるんですっ!?正義と愛で銅貨20枚にまでしてあげたとゆーのに、
店長の御茶らちゃさんっ?もしかして、美人でびゅーてぃほーな顔して、あなた悪?」
「あなたこそ何を言ってるんですか!?
正義と愛だからって、金貨50を銅貨20になんてする事できません!」
「ひどいぃ店長…めなりん、服くんないと泣いちゃう」
「勝手に泣いてて下さい!」
「おらおららちゃさん、とっとと服ださねーと、めなりんが月にかわっておしおきよ?」
「なにを決めポーズまでつけてセーラームー○してるんですかぁっ!?まったく!」
「しかたない…らちゃさん、ここは一気に銅貨10枚に…」
「もっと悪いじゃないですか!?もぉ来ないで下さいっ!」
「い・や。めなりん算数苦手だもぉ〜ん♪」
「っくあぁぁぁぁぁあああああああああっっ!?」
「おーほほほっ!店長!命惜しくば、さっさと服を渡しなさい!」
はぁ…
べるるんが、溜め息を吐いた。
「さっきから、ずぅ〜っとあの調子なのよ…」
「そもそも、金貨50が銅貨20に変わるわけないじゃない…」
K伯爵がジト目でこの何とも言えない惨状を眺める。
「金貨50枚払っていただけたら、考えてもいいですっ!」
「んじゃ、金貨40枚とかはどぉ?店長様♪」
「それくらいなら…まぁ、いーですけど…」
めなりんの思い付きに、店長はしぶしぶ、服をたたんでめなりんに渡す。
そして、めなりんがやすやすと代金を払った。
「毎度ありがとうございましたぁ…」
ぐんなりした調子で、店長御茶らちゃは、袋の中の金貨を覗いた。
「!?」
金貨は、40どころか、50枚以上あったのだった――。
いやまぁここだけの話かっこよくしてるわけじゃなくって作者とめなりんが算数苦手だからなんだけど…

だが別に、三匹は意味もなく買いあさっているわけではない。…たぶん。
数日前、変な手紙が届いたのだ。
爆竹でもしかけられてるかと思ったが、幸いそれは無かった様である。
それには、こんな事が書かれてあった。
「時間をあげるわっ!それまで、色々対策でも練っていなさい!ティナ、ロディ」
無論三匹は相談の一つもせず、有り余った時間の中で、ただひたすら楽しんでいただけである。
で、その間、「るんるんショッピング」をくりかえしているだけの事なのだ。
無論、意味はないに等しいが、時間が有り余っているからと言って、作戦会議なんぞを開いたとこで、
どーしよーもない事はどー考えても事実なんである。
いや、別に書く事無いからとかじゃなくって、ちゃんと考えて書いてるんですけどね…
「このフルーツ何円っ!?」
「あ、この本、いくらですか?」
めなりんとK伯爵の声が、表通りに響いた。
こんな平和(?)な景色は、この後、約一時間でつぶれさったのだ。

「な、なぁによあんたたちぃぃっ!?」
叫び声がこだまする。
ソニア・シティの港の、第一倉庫近く。
夕方、魔族達は集った。
女狐の格好のロディと、いつもの格好のティナ。
そして…――
食べ物やら雑貨品やらを抱え込まされためなりん、そしてべるるんとK伯爵。
「だぁって〜ちょーど火曜特の市(爆)だったんですもの〜めなりん、落とさないでね
でもまぁ魔族たるもの、貧乏根性は欠かせません事よっ!ねっ!ほらぁ気にしない気にしない」
K伯爵がやおら嬉しそうに、ティナの叫びに答える。
「いや、ふつーは気にすると…」
なおもティナがぶつぶつ言うが、これはもう無視。
「そいで、海王ゆかりさんと、翼月星さんはどこなわけ?」
「ふっ…べるぜさん、その前にこのあたしの使い魔、セレスについて…」
「やっぱ基本に忠実、典型的に、倉庫の中とかじゃない?」
「いやぁ、ここはきっと馬鹿あたしの馬鹿分身のことだから、意表をついて地面に埋もれているとか…」
「話そらすんじゃないわよぉっ!」
K伯爵とめなりんの提案にティナが突っ込む。
「セレスっ!」
ぱちんっと指を鳴らすロディ。
しゅんっ!
「ロディ様、何でしょう…っ!」
べるるんを見て硬直するセレス。
「…ほぉほぉ。なりゅほどね〜ねぇめなりん?」
「うんうん、ほんっと、女っていーよねーK伯爵〜」
「あんたも女でしょーがぁ〜」
「魔族に性別ないじゃなぁ〜い」
なにやらにっこにっこ話し合う二匹。
「けどまさかね〜べるるんにねぇ…」
「めなりんそれ失礼だってば」
なおもぐふぐふと、二匹がべるるんを見る。
「…な、なによっ?」
『べつにぃ』
声をハモらせて答える二匹。
(ここまでくれば、みなさんもうおわかりですよね?(にこにこ)べるぜ様、セレス(セリア)様、
ごめんなさい×10000000000000000000000000000です。by作者)
「なっなにっ!?なんなのっ!?ねぇどーしたの!?」
「そぉよっ!仲間内だけで勝手に盛り上がっちゃって!」
ロディとティナの抗議の声。
一方セレスは、頬を赤らめたまま、じぃ〜っとべるるんを見ていたりする。
「ほうほう。前のあの厳しいのはつまり、愛情の裏返しだったとこーゆーわけね」
「…ただ単に、設定狂っただけじゃないの?」
汗を垂らしつつ言っためなりんの言葉に、しかしK伯爵はあっさり真実を見抜く。
「あたしの分身によると、『キャラが勝手に動き出す(真実)』なんだそーだけど…」
なにやらぶつぶつ言うめなりん。
「さてセレスちゃん?ここで問題ですっ!」
いつの間にやら白衣をきて眼鏡をかけている保健の先生ばーじょんK伯爵に、セレスが一歩後退。
「はいこれは?」
バック、保健室モード。
そしてはたまたいつのまにやら、しっかり視力検査表があったりする。
(いろんなサイズでCとか書いてあって右とか左とか言ってくヤツです)
「…上…」
「これは?」
K伯爵は、間を置かず次々と質問していく。
「下、左、左、右、上…」
「ふむ。」
K伯爵が一つ、うなずいた。
「全部まちがってるわ」
ちゅどんっ
一同、小爆発。
「視力、両目ともに0、001程度。このままほっとくと二度と光は…――」
「そっ、そんなに悪いんですかっ!?うちのセレス…K先生っ…!?」
「えぇ…残念だけど、もう…」
「だぁぁぁっ!ロディさんまで調子あわせてないでぇっ!!」
ティナが突っ込む。
「それってどーでもいーけどなんかものぉっっすごく失礼な事だと思う…」
「いやぁ、常識だって。怨むんなら作者を怨んで♪」
後ろの方でべるるんとめなりんがなにやらぶつぶつと言いあっている。
(…べるぜ様ごめんなさいすいませんでしたってなもんで一気に切腹!血がぷしゅーっ! by作者)
「つまりセレスは一体なんなわけぇっ!ねぇっ!?」
「そぉよっ!あたし達にもちっとは教えなさいよ!」
「え…ひょっとして、まだ気付いてないの?
セレスちゃんの乙女なお気持ちに(はぁと)」
K伯爵がうれしそーに言う。
「俗に言う恋ってやつだぁね」
それにならって、めなりんがついにきっちし発言してしまった。
ちなみに、ロディとティナはと言えば。
二人揃ってしっかり硬直していた…――

約10秒。
「…はっ!?ろっ、ロディってば一体ナニを…?」
「いや、そんな事より海王ゆかりさんと翼月星さんの居場所を…」
額に青筋たてつつ、べるるんが言う。
「あぁぁぁあああぁぁぁぁあっ!?近寄らないでっ!この性悪魔族!」
「あんたも魔族でしょーが…」
いつのまにやらきっちり復活したティナがツッコミを入れる。
「うっ、うちのセレスになんてことをっ!?しくしく!」
「あ、あたしなんっもしてないけど…?」
「大丈夫。その格好だけできっちり公害になってるから」
げし。…どさっ
肘鉄くらって倒れるめなりん。
「はいはいそこのべるぜさぁ〜ん?
無事にめなりん殺害したところで、まずはセレスちゃんに本性発揮して上げましょう」
「わーってるわよ、K伯爵…」
やれやれ、といった感じで、べるるんが左手を挙げた。
セレスが感情を隠しきれずに、熱ぅ〜い眼差しでみつめている中で。
(ごめんなさいセレス様お詫びにとりあえず洗面器に吐血!SE:がふぅっ!びちゃぁっ!by作者)
そして、次の瞬間。
べるるんの右手から、約50匹の蝿さん達が湧き出てくる!
『いやぁぁぁぁぁっ!』
ロディとティナが必死で叫び、逃げ惑う。(すいませんすいませんすいませんby作者)
ちなみにK伯爵といまだに肘鉄くらってくらくらしてるめなりんは、すでに倉庫の裏に隠れていた。
「おーっほっほっほっ!」
開き直ったべるるんが高笑いを上げまくった。(お願いします。作者を殺害して下さい(笑))
――が、しかし。
「まぁ、美味しそう」
べち。
セレスがにこにこと言った言葉に、一同がずっこけた。
「セレスッ!あんたまさか美的感覚リナ=インバースよりないんじゃないっ!?」
「いやぁでもロディさん、ぢつは見た目のわりに結構イケるんだよ、蝿さん」
「まぁめなりんっ!私の素晴らしい美的センスがわかるのね!?
って、見た目のわりにとはなんですの?見た目のわりにとはっ!?許せませんわ!」
「あんたら…小説が先に進んでないんだから…そぉいぅ冗談は…」
「なにいってるのぉK伯爵さん、本当の事ですわよ」
がくっ。
肩の力が抜けるK伯爵。
「なんでこぉなるの…ねぇ…」
放心状態でつぶやくべるるん。(すいませんすいませんすいませんすいませんすいませんすいません…)
「うぅ、あたしってば魔族なのに…」
セレスが自分の世界にいりびたる。(切腹いたします。5,4,3,2,1っ!ぴしゃーーーby作者)
「あ」
とーとつに、めなりんのすっからかんの頭の中にイメージが浮かびあがった。
…――みんな、また硬直するかもしんないけど、まいっか♪――
そんなことを思いつつ、買った物がすべて入っている重い袋をなにやらゴソゴソやりつつ、声をかける。
「べるるんべるるん、ちょっとこっち着てっ!」
「着てじゃなくて来てでしょーに…」
などといーつつ、二匹は倉庫の裏に身を隠す。
「セレス、ちょぉっときくけどあやつのどこがいいというの?
(ごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさいごめんなさい…)」
「え…カッコイイ(もぉ作者、切腹します…)じゃありませんか…なんてきゃーもぉ私ってばっ!」
『どこが?』
ロディとティナ、そしてK伯爵の言葉が混ざり合う。
「え…全てが…」
セレスがきっぱり言い切った。
さぁ、話がおもしろくなってきたぞっと♪(核爆)by作者
「はいはい皆様っ!静粛にぃぃっ!!」
いきなしめなりんが叫んだ。
「質問です。セレスさん、あなたはべるるんの性別は何だと思ってますか?」
と言って、どっからか、マイクをセレスに突き付ける。
ついでにきっちし司会者の格好をしていたりするめなりん。
「え…めなりんってば、魔族には性別ないですわよ…?」
「だからぁ、どっちかっていったら?」
セレスは少し戸惑ってから
「そりゃ、男でしょ?(殺害したら、串刺しにして火で炙ってもOKです…)」
「大はずれぇ〜っ!はいべるるん、出てきてくださぁ〜いっ!」
そして。
その場にいた約4匹の魔族――セレスはもちろん、ロディとティナ、K伯爵が凍り付いた。
そう、そこには。
めなりん用に買っってあった、ロングのジャンパースカートをはいたべるるんが立っていたのだった――

ほら、伏線だったでしょ♪意味ない買い物も♪by作者――

ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪
「え〜只今、緊急速報が入ってきました。
なんとあのズボンしかはかないといっていたべるぜさんが、スカートをはいて出てきましたぁっ!
作者、こんなこと書いて怨まれないでしょうかね〜?あ〜楽しみですねぇ…わくわくどきどきっ!!
以上リポーターは、ゼロスを出して欲しい、水ならこちらへ!水竜王のシャーナちゃんでしたぁぁっ!」
ぴ〜んぽ〜んぱ〜んぽぉ〜ん♪

あの…ほんっとに、HPで五寸釘とか売ってるとこもあるらしいんですけど…怨まないで下さいね…

「こらぁっ!硬直すんじゃないっ!この程度のことでへこたれるなぁっ!」
べるるんがおもいっきし叫んだ。
「だぁってンなかっこーで出てくるからぁっ!!」
「そうよっ!K伯爵のゆーとーりっ!ロディ鳥肌立ってきちゃったっ!」
「ティナ、ヒーちゃん連れてくれば良かった…」
「ちょっとぉぉっ!その言葉むちゃむちゃ失礼なんだけどぉぉっ!?」
といーつつ、めなりんの襟首ひっつかみ、
「そこの脳みそカラッポすっからかんの、ぱけらった作者の分身その2っ!」
「いやぁぁぁべるるんこわいぃぃっ!やめてお願いぷりーづっ!」
バック、黒。んでもって燃え盛る炎。
そしてべるるんは、左手をめなりんに向け、とどめの一撃。
「蝿さんこーげきぃぃっ!」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
(今のとこすべてあわせて言います。ごめんなさい×10000000000000000000000)

と、そん時だった。
蝿を避けたK伯爵が、間違えて倉庫の中に入ってしまう。
そこで、見たものは。
「ゆ、ゆかりさんっ!星さんっ!」
「げっ!見つかっちゃったよロディさんっ!」
ティナが声を上げた。
確かに、何やら果物に埋もれて、二匹が縄で柱に縛られているのが見える。
だが、返事はない。
―…まさかっ!?
K伯爵の背中に、冷たいものが駆け抜ける。
急いで二匹へ駆け寄るK伯爵。
「ゆかりさんっ!?星さんっ!?」
さぁ基本に忠実。
『ぐーぐー』
…ぷち。
「寝るんじゃなぁぁいっ!」
「うわぁぁああっ!?揺さぶんないで…って、あなたはっ!」
ゆかりが目を覚ました。
「少し待ってて下さいね!」
そしてK伯爵は、荷物からナイフを取るため、買ったものを預けていためなりんのところへ駆け出した。

「せ、せれす〜?んね、せれすちゅわぁ〜ん?」
ロディがセレスの前で、ぱたぱた手を振ってみせる。
「…名前まちがわれて…」
セレスの言葉にのけぞるロディ。
「その上こんな事までさせられて…」
背後にめらめら炎が燃えている。
SE:ごごごごごごごごごごごごごご…
「女系の魔族だったですなんて…」
セレスは後ろを向いているが、ひしひし怒りが伝わってくる。
そして、振り向きざまにこう叫んだ。
「そんなんで済むと思うなぁぁぁぁっ!!!」
ひぃえぇぇぇっ!すいませんですぅぅっ!by作者
「むかつくから暴走ぅぅっ!!とぉぉりゃぁぁっ!!」
ざばぁぁんっ!!
「きゃぁぁぁっ!お洋服がぁぁぁっ!この女狐の服、結構高かったんだからぁぁっ!」
「あぁっ!スカートだと走りにくぅいっ!足が寒い!!ハイヒールはもつれるしぃっ!」
「ヒーちゃぁぁんっ!助けてぇぇぇっ!!」
「あぁぁあああっ!K伯爵の塩が溶けるぅ〜っ!」
「ちょっとめなりんっ!預けた塩、ちゃんと保護しときなさいよぉっ!?」
「溺れ死になさぁぁいっ!」
ざばぁぁぁんっ!
「こらセレス!近所迷惑よっ!上司からの命令よっ!直ちにやめなさぁ〜いっ!」
「そーよセレス!名前間違われて失恋させられたぐらいで暴走すんなら
あったしなんか男って言われてスカートはかされた時点でとぉっくに暴走してるわよぉっ!」
「さっき蝿さん生み出してたじゃないっ!魔族の事いえますのっ!?」
「塩っ!塩がっ!塩井神官殿助けてっ!」
「めなりんそれ熾王神官さんだってばっ!」
パニクる6匹。
「いぃぃっけぇぇぇぃぃっ!」
セレスが叫ぶ。
「名前と乙女の純情な心の敵ぃぃっ!!」
ずどべしゃばごぉぉぉぉばしゃぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!
「K伯爵…塩、半分溶けちゃった…」
「なんですってぇっ!?…って、…あ…」
K伯爵が、めなりんの方を向いて、一瞬動きが止まる。
めなりんの後ろには、港の第一倉庫。
そしてそこから現れる、魔族が二匹。
翼月星と、海王ゆかりである。
そして二匹は、交互に呟く。
「こんな目にあわせられて…」
「おまけに今ので服がびしょぬれ…」
「俺も男に間違われたうえスクリューパンチくらったのにこんな事でなぁ…」
「え〜ぇ…同じく、水を扱う存在(もの)としては、とても許せないです…」
二匹が近づいてくる。瞳に炎をもやしつつ。
そして星の手に、光が灯った。
黒く、光ともおもえるが、闇にも見える球体。
――虚無であろう。
そう。これこそ星の得意技、神魔融合魔法。
「神魔融合魔法っ!」
「きゃぁぁぁっ!」
「いやぁぁぁっ!」
ロディとティナがあわてふためくが、二匹は決して馬鹿ではなかった。
その証拠に、あっさり避ける二匹。
その先には――
「めなりんっ!」
K伯爵が叫んだ。
「残りの塩、ちゃんと守ってよっ!」
ばぢばぢばぢばぢぃっ!
「がふっ!(吐血)
守ったぞ…塩…って、その前にあたしの身の事はどーなるの?」
「塩以下」
「なるほど、さすがK伯爵っ!」
「そこで納得すなぁっ!
で、なんで神魔融合魔法、まともにくらって平気なわけ?」
「よくぞ聞いてくれましたべるぜさんっ!
って、ただ単に神魔融合なら神魔融合の防御で耐えられると思っただけ…」
「仲間うちでぶつぶつ呟くなっ!」
ロディが叫ぶ。
「仕方ないわ!もう逃げの手よ!いこっロディさん!」
「あっ!ティナさん待ってよぉぉっ!」
「ロディ様待って下さいっ!水止めましたからっ!」
しゅんしゅんしゅんっ!
そして三匹は、Sのところへ帰って行ったのだった。

「どうも有り難うございました」
ゆかりが微笑んだ。
「どーでもいいが、俺達一体何のために出てきたんだ?」
星が質問する。
「ただ単に何となく」
すっぱし答えるめなりん。
「それで、あなたのお名前は何と言うんです?」
「げげっ」
ゆかりがK伯爵に言った言葉に、星がモロに反応する。
「なに?どうしたの?」
「あ、いや、べつに…」
ゆかりが、いぶかしげに星を見る。
「私は、火眼黒翔猊。K伯爵でいいです」
「ぅえぇぇええええええええぇぇぇぇええええええぇぇっ!?」
やたら大きなリアクションをするゆかり。
「あぁ、とーとー言っちまったか…」
星が頭を押さえつつ呟いた。
「K伯爵…って、あのですかっ!?」
「た、たぶんそのあたしじゃないですか?」
それを聞くと、ゆかりは目をキラキラさせつつ、
「きゃぁぁ〜っ私、大ファンなんですぅ〜っ!!
あっ!サイン下さいぃ〜っ!ここの魔道士服の袖にでも…」
「へっ?あ、あぁハイ…」
うろたえつつも、サインするK伯爵。
「どぉもありがとうございましたぁっ!
あ、これ、お礼と言っちゃ何なんですけど、こないだ洞窟の近くで見つけたんです」
SE:ぽんっ!
どこからともなく、麻袋が出てくる。
その中には――
「で、デモン・ブラッドっ!あたし達のじゃない!?」
べるるんが叫んだ。
それもそのハズ。今まできっちり作者に忘れ去られていたモノがココにあるのだから。
作者だって驚いたぞ。やはりキャラは勝手に動くな。
「デモン・ブラッドは戻ってきたし、これで一件落着だねっ! 」
めなりんがうれしそーに言う。
光り輝く赤い玉を見ながら。
「いや、まだある。」
べるるんが唐突に水を差す。
「あたしのズボン、どこ?」

「さてと。今度はどこに行こっか?」
べるるんが聞いた。
もちろん今はもう、スカートははいてないが。
ソニア・シティの広場。
噴水が音をたてて噴き上がる。
「そぉねー…ま、とりあえず。
歩きながら考えましょっか?」
そう言って、二匹は歩き出す。
ポテトフライを食べていためなりんを引っ張って――。

<<6、終わり。でも7書く(笑)だってまだ全部集まってないしね。>>

まぁぁぁぁぁだまだまだまだ続きます。今度はUPです。

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2927スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達7めなりん 6/3-02:44
記事番号2926へのコメント
プロローグ(?)

伝説の、デモン・ブラッド。
それは、スレイヤーズ世界だけにあるもんではない。
そう。今回の舞台、それは――
――ロスト・ユニバースの世界、略してロス世界…――

スレイヤーズ世界の魔族達あ〜んど住人達その7!
番外編、ロスト・ユニバース世界の魔族達あ〜んど住人達1!(つまり2もあるって事ね)

「出航準備完了。システム正常…!?」
「どうしたキャナル!?」
「なにが起こったの!?」
「C-34に、進入者三名発見!」
「どしぇぇぇぇぇぇぇっ!?まさかナイトメア!?」
「いえ、これは…」
…魔族…
言いかけた言葉を、ホログラフは無理矢理飲み込んだ。

「…で、なんでいきなしロス世界になってんのよ?」
べるるんはそう言って、その場に座りこんだ。
その床にはでかでかと、C-34と赤く書いてある。
「だぁって、こーなったのは全部べるるんのせーでしょー?」
「う゛っ!?K伯爵…そゆことは言わないで♪…」
そうなんである。
スレ世界で、三匹は『堕天使の神殿』とやらに行った。
といってもべるるんの趣味だったので、本編とは全くもって関係なかったハズであった。
そうなのだ。そうなのだが、作者はきっちしネタにしてしまったのだ。
ふっ、我ながら…馬鹿だな…by作者
その神殿の奥に、堕天使の像(なんじゃそりゃ)があったのだが…――
べるるんがそれに手を触れた瞬間、なんらかの干渉力と、それを増幅させるパワーが発生した。
…で、気がつくと三匹は、ココにいたとゆーわけなんである。
ここは何かの船の中なのだろう。グレイの通路が延々と続き、
なにやら三匹にはよくわからない文字列が数多並び、ドアが左右にいくつもいくつもついている。
「とにかく、ここにいちゃはじまんないわ。移動しましょう」
K伯爵が立ち上がる。
「移動するって、どこに?」
言ってはならないことをほざくめなりん。
「…と、とりあえず、誰かとっつかまえて…」
そんなことをいいつつ、三匹はとりあえず、カンを頼りに歩き出した。

…約2分後
「…あ、そっか」
唐突に、K伯爵が言った。
「何一匹でうなずいてんの?」
べるるんが尋ねる。
「これは私の勝手な推測だけど…
なんかさっきから、異様に気配がしてたでしょ?」
確かに、さっきから体にまとわりつくかのように気配がうごめいている。
それは何処へ行っても、離れはしなかったし、それどころか近づいているようにも思えてしまう。
だがどこを見回しても、誰も居はしなかった。
「つまり、この船自体が、気配を放っているのよ」
「…ってことはもしかかしてこの船って…」
「べるるんの予想通りね。
この船――ソードブレイカー、つまりキャナル=ヴォルフィードよ」
「あ、わかっちゃいましたぁ?」
『ぅわぁぁっ!?』
いきなし現れる一人の少女に、二匹は声を上げた。
銀色の髪が風になびき、彼女はすとんっと着地する。
…アニメでは髪、緑だけどね…(アニメしか見ていない人へ)
ちなみに彼女は立体映像で、この船内にて少女の姿を保つことができる。
…アニメでは圏外じゃなきゃ、できるんだけどね、外でも…(アニメしか以下略)
「わたしがこの船、キャナル=ヴォルフィードです。ちなみにこれはホログラフ。
それで、あなたたちは何者なんですか?さっきからの様子だと、敵ではないようなんですけど」
「私は火眼黒翔貎。K伯爵って呼んで。
…キャナル、キャニーって呼んでもいい?」
「だめ」
予想通りに全面否定されて、それでもやっぱし思わず後退するK伯爵。
「わたしがべるぜ。べるるんとかべるるっちとか色々あるけど、好きなよーに呼んで。
そいで本題に入るんだけど、あたしらはスレ世界から召喚されちゃったみたいなのよねーどうも…」
…まぁ、その原因は私なんだけど…
心の中で付け足すべるるん。
「そうですか…あなたがた、魔族さんですよね?」
「ぎくぅっ!?な、なぜわかる!?」
「引っ掛かんないでよ…もぉ…」
べるるんがモロにかまかけに引っ掛かり、K伯爵が頭を抱える。
「そりゃーそーゆー顔してますし、私もそーゆー存在(モノ)に似ている存在(ソンザイ)ですから」
「そーいわれてみれば、確かに…」
確かにそーゆー顔である…
K伯爵は両目の色ちがうわ、べるるんはちょっち鬼畜でダークだわ、めなりんは髪でほとんど顔ないわ…
魔族的な顔、といえば、たしかにそうなのかもしれない。
まぁ、性格は…この小説ではどーかしらんが…
「…あり?」
K伯爵が思い出した。
「…め、めなりんは…?」
「はっ!まさかあの馬鹿、どっかで迷ってんじゃないでしょーね!?」
べるるんがいらついた調子で声を上げる。
「大丈夫です。ちょっと待って下さい…その人(?)は、ミリィと一緒に調理室にいますね」
と、キャナル。
「おし、んじゃいくわよ!」
そう言って、べるるんがキャナルの方へ走り出す。
K伯爵もその後についていく。
「あ、盛り上がってるトコ悪いんですけど、反対です。こっちです」
一人走らなかったキャナルが、お約束の言葉を言った。

そして、ここにもう四匹。
「なんで!?なんなの!?なんで私たちこんなところにいるの!?」
正装のロディが黄色い声を上げて、その場に崩れ込む。
無理もない。彼女たちにしてみれば、なんか魔族三匹がおかしな行動をとったので、つけてみれば。
いきなしなにか光がぱぁーっ!と全員を包み込んで、気がついたらどこかの町。
それも、宇宙ドックとやらに近いので、なんか先程からごーごー五月蝿い。
ちなみにここはなにかの古い神殿なのだろう。人の目は無いに等しい。
ちなみのちなみに、正装の服はロディにぴったし似合って、やはりどこか上品な雰囲気を醸し出している。
「あの三匹が、なにやらおかしな動きをとりました。
ロディ様の命令で、後を尾けていたらこうなってしまいました、と…メモメモ…」
動物のような…簡単にミもフタもなく言ってしまえば、雪兎魔族がそう言ってメモをとった。
赤い瞳、緑の髪、色白な肌、愛らしい顔立ち。まさしくそれは雪兎に近い存在であった。
ロディの使い魔、クリスである。
ちなみに彼女は本体がほんっとーに雪兎なので、常に人間の状態を保っている。
「また日記につけるの?クリスさん…」
その隣の使い魔が言った。
黒兎だろうか。気弱…とゆうより、引込み思案なイメージ(当人談)で、美女である。
ロディの使い魔四匹目、(これで最後だけど)アイラ。
スピカ、セリア、アイラ、クリス…ペット扱いされていても、ロディにちゃんと尽くしている。
ロディさん…いい部下を持って、幸せですねぇ…byLONM
「やっぱしご主人様の命令はあんまし聞かない方がいいです…っと。
当たり前よ、アイラちゃん。日記はきちんとつけて、毎晩朗読するものなのよ」
…なにかまちがった認識をしているように思う…
アイラが心の中で呟く。
「ロディさぁん、これからどーしよう?」
ティナが聞いた。
ティナはいつもの『スポーティーカジュアル』な服である。それでもやっぱし似合ってるけど。
「わっ、私達穴掘りーずの仲は不滅よ!とゆうわけで、とりあえずここがどこかを知りましょう!」
ロディが堅い決心をした。
ちなみにこの後、彼女達は変な視線を気にしつつ歩くことになってしまう。
そして妙なリアクションをとられつつ、ここがべガという星だとわかるのだ。
…怨むなら作者を怨みましょう。

げしどかどがらぁがしゃぁぁどげしょごぉぉぉばどごぉぉぉぉんっっ!
壮大な爆発音は、キャナル達の近くからした。
「向こうね!」
「ええ!」
べるるんの問いかけに答えるキャナル。
「…って、あぁぁぁあああっ!私のっ!私のかわいい調理器具がぁぁぁっ!!」
キャナルが頭を抱えて泣き叫んだ。
「やっほーキャナル!って、そっちの方々は?こっちにも一人来てるんだけど」
キッチンの女がケーキにぱくつきながら陽気に言った。
もーだれかわかると思うから名前言っちゃお。
そう。宇宙1をめざす宇宙1の料理人(いろんな意味で)ミレニアム=フェリア=ノクターンである。
呼ぶ時はミリィといいましょう。
「にこやかに言わないでくださいっ!あぁぁっ!泡立て器が溶けてる!ボールが変形してるっ!」
「まぁまぁキャナル、怒るとエンジンに悪いわよ。この変な子がめなしで、めなりんって呼ばれてるの」
見れば、ミリィの隣に座りながらぱっかぱっかケーキを食べているめなりんの姿。
「こっちが火眼黒翔貎さんで、K伯爵。こっちはべるぜさんで、べるるん、あるいはべるるっち」
『よろしく〜』
二匹の声がはもる。
「それにしても、何なの?あんた達、その変な格好」
ぴくぅぅっ!
ミリィの言葉に、一瞬、K伯爵の顔がひきつり、べるるんの髪の毛が逆立つ。
「なぁに?このダサいの…ケインと一脈通じる所があるんじゃないの?」
ぴぴぴぴくくくぅぅぅぅっ!!
完全にK伯爵の顔が完全にひきつった上に、べるるんの髪の毛が逆立つ。
「あんたもあんたよ、なによその長いスカート」
「あ、これはねミリィ、ロングスカートっていって、私はこれが好きではいてんの♪」
全然動ぜず、ケーキを口に運ぶ手を止め、説明までするめなりん。鈍感なやつである。
「ふぅ〜ん…でも、今の時代にはこんなの流行んないわよ」
ミリィが肘をついていった。
「でも、K伯爵のその瞳の色はステキだわ」
「あ、ありがと」
青筋だてつつも、答えるK伯爵。
「でもやっぱし私みたいな目の覚めるような金髪じゃなきゃ〜」
ぴぴぴぴぴぴぴぴくくくくくううぅぅぅぅぅぅぅっっっっ!!
K伯爵とべるるんの顔がひきつり、髪の毛が逆立ち、めなりんのケーキを口に運ぶ手が少し止まる。
K伯爵の髪の毛は黒だし、べるるんのは銀。
めなりんのは金髪と何とか言える茶色といってもいいぐらいのもんだったりするのである。
ちなみにめなりんは金髪にあこがれていたりもするのである。
「あたし達はスレ世界から来たのっ!」
たまらず、K伯爵が叫んだ。
「あぁ、そーだったの。どーりで大昔の格好してると思ったわ。でスレ世界ってどこ?」
ぴぴぴぴぴぴぴぴくくくくくくくくくううううぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ〜〜っっっっっ!?
「…キャナル、こいつ船からおろしていい?宇宙空間の塵にさせちゃいましょう」
K伯爵が本気で言った。
「もっちろんいいですよ!ちゃっちゃと殺っちゃって下さい!
私も始終コックピットに飲み物持ってくるわ、攻撃の時は残弾数考えずに撃ちまくるわ
朝食の度にキッチン壊すわ昼食の度にキッチン壊すわ夕食の度にキッチン壊すわ
その上こないだ宇宙ゴキブリなんて船内に持ってきたんですよぉぉぉぉぉぉっっ!!?」
キャナルが不満をすべて言い放つ。
「そ、そんな事いったって、自分だって給料払ってくんないくせして
きれいなシャトルに買いかえたり見た目はカッコイイけど性能は悪いビーム砲買ったりしてるじゃない!」
ミリィも痛い所を突いてくる。
その時だった。
「なにやってんだ、お前等」
唐突に、一人の男が現れた。
歳は18くらいで、顔立ちもいいのだが、意味不明のマントが玉にキズ。
この船のマスター、マントが怪しい刃物マニアのナイスガイ、ケイン=ブルーリバー。
「いーところに来たわ!ちょっと聞ーてよケイン!
キャナル達ってば、この宇宙1のあたしを宇宙空間に放り捨てよーとしてるのよ!?」
「別にいーじゃないか、俺も協力してやろーか?
マントのことは逐一気にするわ寝てるといきなし爆発音聞こえるわ…」
「マントのことは、ケインの変なセンスが悪いんでしょー!?」
「なっ!お、俺のこのマントのどこが変だとゆーんだっ!?センス溢れるマントのどこがっ!?」
「言ってあげよーじゃないの!こんな時代に馬鹿丸出しのマントなんぞフツーは着ないわよ!」
「オリジナリティーがあるとか言ってくれっ!」
「う〜ん、確かにマントに関しては、私もミリィと同意見ですね…
オリジナリティー、とゆーより、それをつけてるとただの変人に見えます」
「なぬぅぅぅぅっ!?キャナル、お前までそんな事を!?
…で、話を元に戻すが、その人達は一体何なんだ?誰なんだ?どーしてここにいる?」
いきなし真顔に戻って、キャナルに尋ねるケイン。
「この方達は、どうやらスレ世界から召喚されてしまったよーなんですよ」
キャナルが話を切り出そうとする。
「いや、そう…なんですけど…」
べるるんが割ってはいる。
「とりあえず…壊れたキッチンの前で話すの、やめません?」
べるるんの意見に、一同は深々と肯いた。

そして約2分後、魔族三匹は、自己紹介やらスレ世界やらを話し終わった。
ちなみに場所はコックピット。ついでに魔族だと言うことは話さない。
「ふむ…あ、ねえねえケイン、べガのあの遺跡、スレ世界に行けるかもよ!?」
「べガ?」
ケインがミリィの言葉を鸚鵡返しにして尋ねる。
「恒星座標、8−2−G、べガ。琴座の星です。
標準のでいう、夏の大三角形のうちの一つですね、この近くです。
ちなみに今は、アルタイルの第5宇宙港。先程、発進しようとしたところに
進入者が現れたんです。その進入者ってゆーのが、つまりはあなた達なんですけどね」
キャナルが三匹を目で指した。
話を続けるキャナル。
「いいお仕事も見つかりませんし、ナイトメアも来ないと思いますし…
この際、べガまで連れていってあげたらどうですか?お仕事として。不都合はないと思いますが」
「あたしは構わないわよ、別に。チョコレートも底をついちゃったところだったし…ケインはどう?」
「俺もまぁ、構わねーけど…報酬は…?」
ケインの言葉を聞いて、三匹は顔を見合わせた。
何しろ三匹は、この世界の金を持ち合わせてはいないのである。
「…う〜んと…あ、そーだめなりんっ!」
「なに?K伯爵」
K伯爵は、めなりんの顔を見下ろして、
「マントあげたら?あんた持ってるんでしょ?」
「おぉぉぉぅぅっ!も、物分かりのいい奴等だっ!俺のこの美的センスがわかるのか!?」
ケインがすかさず感嘆の声を上げる。
「マントなんて持って…」
すぱこぉぉぉぉんっ!
いきなしスリッパを生み出してめなりんの頭をひっぱたくべるるん。
めなりんがその勢いで床に倒れる。
そこを狙ってべるるんがしゃがみ込み、小声で、
「マントを混沌からひきずり出しなさい。でないと…」
顔面近くで、すごい剣幕で睨み付け、左手をめなりんの顔に向ける。
それはずばり、蝿さん攻撃のしるしであった。
しゅたぁぁっ!
いきなし立ち上がるめなりん。
「…(ぶつぶつぶつ)」
「どうしたの?めなりん」
ミリィが、なにやら呟き、手で印をつくるめなりんに問い掛ける。
「な、なんでもないのよミリィ!何よぉ〜ケインってばその顔!まったくもぉ〜
こいつ時々、いきなし意味不明の言葉をつぶやくのよ〜でもまぁ見過ごして見過ごして、あははは…」
K伯爵が一気にまくしたてる。
ありのままに真実を…つまり、めなりんがマントを生み出すなんぞと言ってしまえば
いくら相手がスレ世界を知らなくてもあやしがる事は十分ある。
それにケインはスレイヤーズシリーズを読んだこともあるのだ(幻夢 目覚める参照)
ちなみに前にも言ったが、三匹はミリィとケインには魔族だと話していない。
魔族なんぞという言葉からして、である。
危害を加えるものとしか考えられないよーなものを素直に船にとどめる奴がいるのか?
答えは、99%の確立でノーである。
1%は、魔王崇拝者etc…
「…創生んでもって召喚」
ぶわぁっ!
めなりんの『力ある言葉』と同時に、なにか黒いものがでてくる。
…マント。
「ぅわぁぁっ!か、かっこいいじゃねーかぁぁっ!おし!この仕事受けた!」
「ちょ、ちょっと待ってよケイン、それじゃあたしのお給料、まぁた出ないってことぉ!?」
「そうですよ!そんなんでいちいちやってたら家計が持ちません!赤字いくらだと思ってるんですか!?」
ミリィとキャナル、二人の抗議の声が、ケインに突き刺さる。
「何だとおまいらぁっ!文句あんのか!?
ミリィお前、べガでチョコレート買いたいんだろ!?なっ!?
それにキャナル!マントのクリーニング代が、これでちょっとは持つかもしれんじゃないか!」
「あ、そうだったわ。あたし、お財布もってこーよぉっと♪」
「はっ!く、クリーニング代…わかりました…」
嬉しそうに自分の部屋に財布を取りにいくミリィと、しぶしぶ肯くキャナル。
「けど、クリーニング代と報酬とじゃ…キッチンもさっき壊されたし…」
なおもぶつぶつ呟くキャナルに、めなりんはまたK伯爵の命令とべるるんのおどしでぶつぶつ呟く。
「さっきから何やってるんです?あなた方」
「いやぁ、なんでしょーねーっはっはっは」
K伯爵は汗ひとすじたらしつつ、無意味にから笑い。
「…またまた創生、召喚」
ぱぁぁぁぁっ!
一瞬、光がまたたく。
「な、なんだ!?敵か!?」
ケインが驚きの声を上げる。
「いえ、違います!キッチンに反応、異変あり!あぁぁっ!?全てなおってます!新品同様っ!」
キャナルが嬉しそうに叫ぶ。子供がおもちゃを買ってもらった時と、まるっきり同じ反応だ。
「モニターに出せるか?」
ケインがキャナルに聞く。
「ええ!第2モニターに回します!」
ピッ
「ぅおぉぉぉっ!?し、新品じゃねーか!?」
「この馬鹿がやりました」
と言って、めなりんを指すべるるん。
「馬鹿なあたしがやりました。スレ世界の魔法を使って」
したっ!と手を挙げて言うめなりん。
魔法のところを強調しまくっている。
「キャナル?文句はないな?」
「はい!十分です!」
いって立体映像の手は、コントロールパネルの上を踊る。
「全システム異常無し。航路、銀河エリア8−2−G琴座、べガへ。設定完了」
『オーケイ。八番ドック、ゲート開きます』
うぃぃぃ…ん…
管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
「ソードブレイカー発進準備完了!」
「GO!」
キャナルの明快な声と、ケインの指示に、ソードブレイカーは今、宇宙へと飛び出した。

「相転移航法(フェイズドライブ)可能区域まで、標準時間で約2分です」
事務的な口調のままで、キャナルが言った。
「2分?偉く早いわね…いつもは標準で、何時間もかかるのに…」
ミリィが、さして興味なさそうに言う。
ちなみにその右手には、しっかり財布が握られている。
「ええ。なんか妙な干渉でもおこしてるんでしょう。船の速度が異様に速いんです」
「ふーん…」
ミリィは気楽に返事をしてから…
…ぴきぃぃぃぃんっ!
瞬時に凍てつくキャナル以外の一同。
「ちょっと待って!それってつまり故障してるんじゃないの!?」
「そうだぞキャナル!お前の立体映像もなんかおかしいぞ、おい!?」
確かに言われてみれば、キャナルの姿が不規則に消えたり現れたりを繰り返している。
「ですからぁ〜ここら辺は色々な電波障害があるんですよ、それに干渉されてるだけですよ」
…勿論嘘である。
本当は、神の側であるキャナルと、魔族の側であるべるるん、K伯爵、めなりん。
そしてその狭間に生きる人間、ケインとミリィ。
立場の違う存在の大半が揃い、変な干渉がおきたのだろう。
そのせいか、先程から魔族三匹もちょっぴし調子がおかしかったりする。
「…どぉして…浮いてるの…?」
K伯爵が、悲惨な声を上げた。
そうなんである。
三匹は今、ソードブレイカーの中をふよふよ漂っていた。
なにしろ下に行けない。重力緩和システムがいかれているのだろうか。
「重力緩和システムと生命維持装置(ライフシステム)に異常があります。そして――」
――あなたがたと私とは、存在が全く違うため、『離れようとする力』が働いているようです。
最後だけは、三匹の頭の中に伝えるキャナル。
「そして?」
ケインが尋ねる。
「ケイン達は、前からこの世界の存在でしたから、きっと大丈夫なんでしょうね」
キャナルは慌てて言い繋いだ。
「ふぅ〜ん?」
ミリィがいぶかしげな顔をしてキャナルを見つめた。
キャナルは思わず、立体映像の目をそらす。
「あ、フェイズドライブ可能区域に突入しました。機関チェック、航路設定実行中…終わりました」
「OK!フェイズドライブシステム起動!進路、銀河座標8−2−G」
「了解。フェイズドライブシステム、起動します」
うぃぃぃぃぃ…ぃぃぃん…
ヴン…グンッ!
起動音と、なにかが震えるような音が二度ほどした。
気がつけば、もうフェイズドライブの真っ最中である。
ディスプレイには、ただただ薄青い暗闇がひろがり、なにかのプレッシャーが身を押す…――
そんな感じだった。
「超光速空間への突入完了。システム、異常。でも正常」
「どっちなんだかわかんないわよそれ!」
キャナルのほがらかな声に、しかしミリィは焦りつつもツッコミを入れる。
「ばーちゃんすまねえ…キャナルぶっこわれっかもしんねぇ…」
一方ケインはぶつぶつ呟きつつ、パイロット・シートで落ち込んでいる。
「目標空域到達まで、通常ならおよそあと十五標準時間。今ならざっと5分程度♪」
「うれしそーにいわないでっ!」
K伯爵が突っ込む。
「っ!?システムに異常発生!!」
ヴーヴーヴーヴー♪
声と同時に、アラームが鳴り出し、照明がパッと赤くなる。
「もう発生してるんでしょぉ…」
半ばヤケクソ気味に、べるるんが言い放つ。
「…そりゃそうなんですけど…このままだと…5分が1分になっちゃいますね」
にこにこと、しかし顔は青いキャナルが言った。
――……。(黙)
K「…いやぁぁぁっ!!あたしまだ死にたくないっ!葬無助けてっ!」
ミ「あたしだってまだ宇宙1になってないのよぉっ!?何とかしてよぉっ!」
べ「シタン先生と死ねるなら…♪」
め「ここにシタン先生はいないと思うけど?」
ケ「めなりんっ!俺のマント引っ張りつつそゆ事ゆーなぁっ!手をはなせっ!手をっ!」
キ「ケイン!フェイズドライブから、通常空間へのドライブアウト終了!」
め「速いね〜」
K「知ってるめなりん?これがあたしとべるるんとあんたのせーだってこと?」
キ「全システム、異常ばりばり!このままだとべガと衝突しちゃいますぅっ!」
ケ「なんでこーなるんだぁぁぁぁっ!?」
ミ「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!ぢーざすぅっ!?」
K「とにかくなんとかせんと…ってきぃやぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜」
べ「きゃーっちょっとちょっと何〜!?」
め「震度8…うひゃぁっ?ちょっと重いよ二人ともぉっ!」
べ+K『重いとはなによぉぉっ!!』げしっ×2
ミ「わわわわっ!?今の二人の蹴りで船体また揺れたわよ!?どーしてくれんの!?」
ケ「だーっ!船体まだ傾いてるぞキャナル!えぇいっ!エンジン出力カット!」
キ「了解!エンジンカット!あぁぁっ!私のボディがぁぁ〜っ!」
ふぃぃんっ!
無くなったエンジンが、傾いた船体を揺らす。
だが。
キ「…だめです…スピードは落ちてはいますが、急ブレーキは踏めません…」
ホログラフ、泣く。
「ちょぉっとかしてね!」
「いやぁっ!?」
K伯爵が、ハンディパソコンのコードをそこらへんのコンセントにぶっ刺す。
ちなみにハンディパソコンは、ガンナーシートにあったミリィのものである。
だがミリィはそれに気付かず、パニクっている。
「なにするんですかぁっ!?」
キャナルが止めようとするが、もはやK伯爵はキーボードをうちまくっている。
「えいっ!」
トンッ!
ぴっ…
何かが一つ、鳴ってから…
しゅいぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃん…
薄暗かった明かりがもとの明るさに戻り、周囲のパイロットランプも点滅を停止する。
「ほら、これで元に戻ったわ」
「さぁっすが知的美少女K伯爵!お見事!宇宙1〜っ!きゃーきゃーサインちょーだぁ〜いっ!」
自信満々言うK伯爵に、誉めちぎりまくるめなりん。
「入港準備します」
にこやかにそういって、キャナルの指がコントロールパネルの上を滑った。

「…な、なんか変なかんじ…」
ティナが不満の色を浮かべた。
あれから四匹は、ロス世界とスレ世界の文化が異なることを思い出し、着替えることにした。
着替えるとはつまりそこらのブティックで買ったのを着ただけである。
買ったということはまぎれもなく、金が手に入ったということである。
…盗賊いぢめ。
ロス世界にだって…とゆーか、どこの世界にも必ず三流悪役とゆーのはいるもんだったりする。
「かわいいじゃないですか、ご主人様」
「そぉ?ありがと、クリス。あなたもなかなかかわいいわよ♪」
フリフリレースお嬢様系の白いブラウスと蒼いスカートのロディが、嬉しそうに言う。
「でもなんか暑そうです…」
アイラが言ってはならないことを言った。
ひゅぅぅぅぅぅ…
ロディの赤いマフラーが風に揺れた。
図星だったりするのである。
クリスは白い、ほわほわっとした感の暖かそうな服を着ている。
彼女も汗をかいていたりする。
ティナはいつものように、カジュアルに決めているのだが、隣に一匹、他とちがうものがこういった。
「第一、なぜわたしだけ黒兎ばーじょんなのです…?」
黒兎…つまりアイラはそう言った。
ちなみにちゃんと人間語である。魔族というのはエライなぁ。
「だって、クリスは雪兎になったら、この温度じゃ溶けちゃうし…」
ロディの目が泳ぐ。
三匹の服を買った瞬間、お金が無くなってしまいました♪なんて言えるわけがない。
「あ、ほらほらぁっ!アイラ見て〜宇宙船よっ!!おっきーでしょ〜〜?」
言って、ロディが焦りまくりつつ指で指したものこそが。
…ソードブレイカーだったりしたのだった。

<<続きます!by約束守ってくれなかった作者ぶっ殺してここだけは占領した海王ゆかり♪>>

yyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyyy

はひぃ〜みなさん、遅れまくってすいません。
先程上から雪とあられの攻撃をうけたもんで…って、あそこに見えるは張本人!
「作者ぁぁぁっ!!まぁっちなさぁぁいっ!」
いやぁぁっ!やめて海王ゆかり様〜〜〜っっ!うぐろわぁぁゎゎゎ…ぽてっ。
「感想、そして何より苦情、お待ちしてまぁっす!by海王ゆかり様よ♪」

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2928スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達8めなりん 6/3-02:47
記事番号2927へのコメント
皆さんこんばんわ〜(大半の人がこうだろうと推定)
それではいってみましょー第8談。いやぁはっはっは状態ですねぇはっはっは
…殴×1000…――


ロスト・ユニバース世界の魔族達あ〜んど住人達2

〜前回までのあらすじ〜
意味わかんない神殿で何らかの干渉力がはたらいて主役二匹+馬鹿一匹はロス世界へと飛ばされる。
三匹が到着したのは、かの有名なソードブレイカー。
ミリィに聞く所によると、三匹はべガ星の神殿でスレ世界に帰れるという。
そこで三匹はトラブルコントラクターのケインに、べガ星まで送ってもらうこととなる。
しかぁし!べガ星にはティナとロディ、そしてロディの使い魔クリスとアイラもいたのだっ!!
…と、台本に書いてありますわ。
とゆーわけで、本編はいりまぁ〜すぅ♪実況は私えれなでしたー!

「どぉ?」
K伯爵が、二匹の前で、くるりん、と一回転してみせた。
一行はもうすでに、べガに来ていた。
ちなみにここはビジネスホテル。
ケイン達に空間移動を魔法だと信じ込ませ、三匹だけ、ホテルのある一室に侵入したのである。
そう、別れる直前。
ミリィもキャナルも、それどころかあのケインさえもが、
三匹のそのスレ世界の格好で出ていったら十分怪しまれると言い出したのだ。
そこで三匹は、現代風の服に着替えることに相成った、とゆーわけである。
K伯爵は青っぽいミニのワンピースに白いレースの上着、なぜか眼鏡までかけている。
ちなみにきれいな黒髪は、後ろで一つに結ってある。
キャナルが密かに伝えてくれたのだ。
三匹の他にも、スレ世界から来た魔族がこの星に絶対いる、と。
とりあえずティナとロディだと判断した三匹は、少し変装することにした。
「知的美少女、図書室出現!って感じ♪」
めなりんが、変なたとえをしてみせる。
「あ、ありがと」
複雑な心境で、K伯爵は微笑んだ。
「それでどーして私はこうなってるわけ?」
ただ一匹、不満をぽそっと呟いたのは無論べるるん。
「うぅ、気持ち悪い…」
「どーゆー意味よ、K伯爵っ…暑いなぁ…ちょっと水、飲んでくるわ」
そう言って、そこら辺にあった冷水機のレバーを、足でがこんっ!と押す。
「うぅぅぅぅっっ!やっぱしいやぁぁぁぁっっ!!」
「K伯爵、落ち着いて落ち着いて。どーどー」
「どーどーって馬じゃないんだからぁっ!にしても、よく我慢できるわねーあんた」
「ま、まぁ…見ないことにしてるから…」
二匹のそんな行動も、この状況では無理もないかもしれない。
べるるんの姿は俗に言う、スリット付きチャイナドレス風♪…とゆー奴である…
ごめんなさい…べるぜお姉様…今度私刺し殺して…by作者
とにかく、いつものズボンをどこかへしまいこみ、碧いチャイナドレスらしきもの(?)をはき、
そしてソニア・シティで買ったアクセサリー類を身につけて、ヒールがやたら高い靴を履く。
…これでまた、めなりんとの身長の差が伸びた…。
今まで肘の位置にめなりんの頭があったのに、これだと手首より少し上。
ちなみにK伯爵もブーツを履いているので、べるるんとの身長の差はいつも通りだったりする。
それでもやっぱしめなりんとは大分差があるが…
「にしても、ほんっと暑いわねぇ…一体ココ、何度あるのかしら…?」
K伯爵が額の汗を拭いつつ、横目でめなりんの服装を見た。
めなりんはべるるんとは逆に、すでに男の子と化していた。
Tシャツに太股丸見えのデニムのズボン…
このいまいちオリジナリティーの欠ける服装は、作者も愛用している♪
髪はブロンドから黒に変えて、ショートカット(魔族っていいなぁ)、Tシャツは白。
ついでにこの赤いGパン(赤いGパンっていいよね(なんでだ))、べるるんのものだったりする。
靴はやっぱしスニーカー、である。
色設定を変えれば、ポケモンの、カスミのコスプレでもやっているかのようだ。
「どっからどーみても、変装とゆーよりゃ仮装だわね…」
水を飲みつつべるるんは、ぽつっとそう言ったのだった。

「え〜っと…現在地がここですから、そうですねーここから南へ標準時間で2時間程度ですかねぇ」
キャナルが、地図を片手にのほほんとした口調で言った。
「2時間もかぁ…なんかいい運動になりそーだわ」
K伯爵が、澄み切った空を見て言った。
「それじゃ、元気でね、みんな」
「またな」
ミリィとケインが別れの挨拶を言う。
「お世話になりました」
「それじゃ私達はこれで…」
べるるんはそう言いつつ、めなりんの髪をぐいっと引っ張る。
…あれ?
K伯爵が、何かに思い当たる。
…ま、気のせいか…
そして三匹は、南に向かって――古代文明の眠る地、堕天使の居城(爆)へと歩き出した。
そんでもって、ここからが大変なのである…。

「…気にしちゃ駄目よ」
唐突に、K伯爵はそう言った。
あれから約30分。
南へと進んでいるそのうち、なにかの気配…――それも複数、後を尾けてくる。
「4匹ね」
べるるんが声を押さえてそう言った。
「なにが?」
一匹状況を理解してないめなりん。
K伯爵が、やれやれ、といった口調で
「だからぁ、さっきからずっと後を…」
「ティナさんとロディさん?それになんか知らないまぞ…むぐぅっ!」
とりあえずべるるんは手近にあったよくわからん食い物その1をめなりんの馬鹿な口に押し込んだ。
ちなみにそれは現代でいう「ハンバーガー」の類似品とでもいえばいいと思う。
「どうする?K伯爵…」
「そうね…次の路地で曲がって、待ち伏せしてみましょ」

「ご主人様ぁ〜本当にあれ、あの三匹なんでしょうか…?」
クリスが手帳片手に言った。
「だぁってぇっ!見なさいよあのK伯爵の長くて細いきれいな足をっ!!」
「ロディさんロディさん、証拠になってない」
指を差して言うロディに、ティナがきっちりツッコミを入れる。
「退屈」
黒兎ばーじょんアイラが、ロディの腕の中でぽそっと言った。
彼女たちの前には、三匹の魔族があるいていた。
三匹は、地図を見てはツッコミを入れたり食べ物を買ったりと、普通のレジャー客のように振舞っている。
だが、気配だけは違うのだ。
「いいことティナさん!?女ってのは足なのよっ!
あ、でもティナさんも足、きれいなんだったっけぇ〜?」
ロディがじぃ〜っとティナの足を見つめる。
その隙に、アイラはロディの腕からすり抜ける。
なにしろこの星、暑くてかなわない。
とゆーわけで、ティナもそのきれいな足がよぉっく見えるスカートをはいていたのだ。
「こらぁっ!ロディさんっ!?変な所をじろじろ見るんじゃないぃっ!!」
「そうですっ!ご主人様ってば変態っ!!きゃぁぁぁ〜〜っんもぉ〜〜っ」
「嬉しそうに言わないのクリスっ!バックにハートマークつけるわよっ!?」
「…馬鹿…」
小さく呟いたアイラの言葉は、しかし三匹にズクッと刺さった。
「あ、ほらほらご主人様っ!あの三匹、あそこの路地に曲がりましたよっ!?」
クリスが指を差してそう言う。
「指をさすな指を」
ロディが自分を棚にあげて突っ込む。
「ンな事やってる場合じゃないわっ!行くわよっ!みんなっ!!」
ティナが、三匹の後を追う。
それにつられて、ロディとクリスも駆け出す。
「ねっけつぅ…」
一匹だけ、アイラが人間の姿に変身してから、てくてくとそちらへ歩いて行った。

裏路地。
と言っても、戦うには十分の広さだ。
そこで、三匹は足を止めた。
くるっと半回転。
そこに、予想通りの顔が……
「…あんたら、なんでそんな格好を?」
K伯爵が、目を点にしてそう尋ねた。
そこには、なぜか作業衣を着た四匹がいた。
「だって…こないだ買った服、暑いんだもん…それにこの作業衣…かわいいし…」
ティナがしゅ〜んとして言った。
「ティナ様ティナ様、そんな問題発言せずに、さっさとデモン・ブラッド頂いちゃいましょうよっ」
クリスがロディの耳元で囁く。
「えぇ〜でもぉ〜なんてゆーか、ここはこの小説の意味不明なノリにあわせてあげないと…」
「大丈夫よティナさん。この馬鹿作者なんぞ、困らせてやりゃいーのよ」
「でもでもロディさん?そいでもしいぢめられたら私はイヤ」
「それはないと思いますよ、作者は小心者ですし〜」
「あっははは、そぉれもそーねーっ、クリス!」
「ロディさ〜ん笑わないでよっ、ティナ真剣なんだからぁ〜」
「まぁあの変態作者の事ですからぁ、気にしない気にしない」
「だってクリスちゃん?自分の小説に自分出してるよーなシロモノだよ?」
(↑それはそうじゃないとお話が進まないのと、ギャグにしたかったから(笑))
「あ、それもそうか…でもでもこの作業衣、なんか変ですって〜」
「どこがよ〜!?めちゃめちゃかわいいじゃないのっ!」
「そうよっクリスちゃんてばっ!ロディさんの言うとーりじゃないのっ!」
永遠に続く…――
…登場人物にまでいぢめられる作者の立場って一体…しくしく…by作者
「内輪揉めがあるみたいだから、私達はこれで」
K伯爵はそう言って、路地から抜け出し、元のコースへと戻る。
それについて行くべるるんとめなりん。
「第一自分の事をりん付けで呼んでる所なんて奇妙奇天烈、理解不能、おまけに暴行詐欺まで…」
「…行っちゃいましたよ」
クリスの作者への悪口の途中に、アイラは涼やかにそう言い放つ。
ひゅぅぅぅぅぅぅぅぅぅぅ…
そんな四匹に、冷たい風が吹いたのだった。

「?」
K伯爵が振り向いた。
なにやら冷たい風が吹き荒れる。
「またなんか寒いギャグでもとばしたんじゃないの?」
べるるんがぼそっと言った。
「いや…それにしても変よ」
確かに。
先程は真夏の気温だったのが、急に冷えてきている。
「わ〜っ!雪だ雪〜!!」
めなりんがはしゃいだ。
――う〜ん、さっきまで暑かったのに、路地に白い粉が、はらはらと…
「…って、なぁぁんでいきなし雪ふってんのよぉぉっ!寒いぃっ!ミニスカート嫌いっ!」
K伯爵が叫び声を上げる。
今、三匹の格好は夏の格好なのだ。
それでこの雪の中、一言も言わずにいられたらすでに死人である。
「うぅ…スカートは冷えるぅぅ…ズボンどこにしまったっけ…?」
「雪〜雪〜♪きゃーははは」
「こらぁっ!はしゃぐんじゃなぁぁいっ!!」
「そ、そこまでよっ!おーっほっほ…っほ…」
突然辺りに高らかに響き渡る、情けない高笑い。
「ロディ〜っ!ここは一時休戦しない!?」
「するわけないでしょK伯爵っ!いけぇっ!アイラ!!」
「寒すぎ…」
呆れつつも、アイラは一歩踏み出す。
「っだーっ!こーなったらめなりんっ!あんた、雪投げてきなさいっ!」
K伯爵、壊れる。
「それいけあんぱんま〜んっ!」
どかぁぁっ!
いきなし背後から飛蹴りを食らわせるべるるん。
「きゃーははは」
「…大馬鹿」
アイラが、文字通り宙を舞うめなりんを眺めつつ、ぽつっと呟いた。
「アイラちゃんっ!マイペースでいかないと、あいつただの馬鹿よっ!」
ティナが真顔で叫んだ。
「ただの馬鹿とはなにようちのめなりんはただの超大馬鹿なんだからぁっ!」
K伯爵が対抗する。
「そーよそーよ!作者はそれ以下なんだからぁっ!世話やかせんじゃないってのよあいつっ!」
べるるんものってくる。
「作者はもう超大大馬鹿だって決まってるのっ!そんなの常識でしょっ!?」
クリスが青スジたてつつ叫び返す。
ミもフタもない魔族達である。
…本当のことかもしんないけど…(いやぁん(爆)by作者)
「いけっ!アイラ!」
ロディが指図する。
「たぁぁっ!」
瞬時に、アイラの右手に生まれる蒼白い魔力球っ!
ぽぉんっ、と軽く、空から落ちてくるめなりんのほーに放り投げる。
「きゃーいやぁ〜〜ん♪」
ばどごぉぉんっ!
「…ちょ、直撃…」
K伯爵は頭を抱えて呟いた。
煙の中から、黒い影が…
…ひるるるるるる…ずべしゃぁぁぁっっ!!
「こらぁっ!人に着陸すんじゃないっ!」
「だめだよ〜べるるんってばぁ、人じゃなくって魔族だってば〜」
「…やっぱし、馬鹿」
アイラは馬鹿を見つめつつ、やはりそう呟いた。
第1ラウンド、たったの30秒でアイラの勝ち!
「…めぇぇぇなぁぁぁりぃぃぃん?」
「な、なんか恐いんですけど〜いやぁんべるるんお姉様ってばぁ〜」
雪のせいもあるのか、一同全員鳥肌がたつ。
でもまぁこのべるるんにこう言われたら、誰だって見てるだけで鳥肌たつだろう。
「もっかいいけぇぇぇぇぇっっ!」
「きゃぁぁぁぁっ♪」
またまた宙を舞うめなりん。
「んじゃ今度はクリスね」
「はぁ〜いっ!んじゃいっきま〜すぅっ!」
元気よく、したぁっ!と手をあげてから、彼女はぶつぶつと何かを唱えはじめた。
「よっ、と」
今度は無事着陸するめなりん。
「めっなり〜ん?それ負けたら夕食抜きね〜」
K伯爵が朗らかにそう言った。
その時。
突如、雪が止んだ。
急に空が暗くなり、そして…
ぴしゃぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーーーんっっ!
「いやぁぁぁっ!雷きらぁぁいっ!お洋服がっ!わぁぁたぁぁしぃぃのぉぉ作業服がぁぁぁっ!!」
ロディが逃げ惑い、ティナの後ろに身を隠す。
「ふっふっふ…私の得意技は天気あやつったり氷とばしたりすることなのよっ!」
クリスがやおらうれしそーに手をあげた。
そこに、魔力が収束していく。
めなりん絶体絶命のピーンチ!
「いけークリスッ!殺せー」
「どっちの応援してんのよべるるんってば♪」
「いやぁだK伯爵ってばわかんないのぉ?っくっくっく…」
後ろで二匹がなにか嬉しそうに言い合う。
その瞬間だった。
ぴしゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーーーーーーーーーーーーんっっっ!!
「はうっ!」
クリスがあげた手に、雷が直撃したのだ。
そう、雷は高い所に落ちるというあの性質である!
たしかにクリスはこの中でも身長は高いほうだ。そしてめなりんは一番低いだろう。
それに手まであげていたのだから、避雷針になるにはもってこいの状態だったわけである。
そしてクリスは、自分の攻撃で自分を攻撃してしまったのだった…
第2ラウンド、なんとかめなりんの勝ち!
「それにしても、なんなんだろ、この異常な天気…」
K伯爵は、荒れ狂う空を見上げてつぶやいた。

べガ星はもともと一年中気温が高く、降水量の少ない星として知られている。
いわゆる観光地とゆーやつで、観光名所がたくさんあり、いつでも人でにぎわっている小さな星。
そしてもう一つ、ここを基点として、大きな会社があるのだ。
その名も、べガ・コーポレーション!
…なんてオリジナリティーのない名前なんだろう…
まぁそれはともかく、この会社はコンピューター関係のかなり大規模な会社なのだ。
だが、裏はやっぱし犯罪組織「ルシファー」らしい。
「ナイトメア」の孫組織らしいが、こちらも割と大きな組織だ。
ある一説では、「ルシファー」が、この星の気候を操っているなんぞとゆー馬鹿らしい噂まであるほど…――

「!?」
ティナがあることに気付いた。
「電磁波…じゃないかしら」
ロディも気付いたようである。
雪が降ってきた時から、きぃぃぃぃぃんという音が響いていた。
それもたぶん、人間には聞こえないくらいの音が。
「なんで電磁波が…あぁぁぁっ!?」
K伯爵が声を張り上げる。
「この電磁波の中に組み込まれているパターン、デモン・ブラッドの魔力波動数と同じだわっ!」
「うそぉぉっ!?ロス世界にもあったの!?デモン・ブラッドって!?」
べるるんが驚きまくる。
「けど、これは確かにデモン・ブラッドだわ!」
K伯爵は自信たっぷり肯いた。
「まりょくはどーすー?」
一匹、状況を理解していないめなりんが問う。
「えーっとぉ、魔力波動数っていうのはね。
特殊な魔力の波動っていうのがあってそれを使って、
アストラル・サイド――精神世界面から、その物のありかを探る、なんて事が出来るわけよ。
私達も、そして魔力を持っていれば、人間だってね。魔力パターン知ってなきゃ意味なしだけど」
(スレイヤーズ5巻、白銀の魔獣161Pあんど166P参照)
K伯爵が、至極わかりやすく説明してくれる。
「そしてそのデモン・ブラッドの波動数が、今流れている電磁波に刻み込まれている。
つまりそこには、なんらかのかたちで、デモン・ブラッドがあるとゆーことなのよっ!!」
「でもでもK伯爵、んじゃこの電磁波はどっから流れてるの?」
ぴきぃん…
一同、固まる。
そんな事までわかるわけがないのだ。
電磁波はアストラルに属していないのだから。
ちなみにデモン・ブラッドの魔力波動は、変な風に電磁波にまぎれこんでいるためその力が弱まり
アストラルサイドでの隔離変…いや、むつかしい理屈はともかく、だめなもんはだめなんである。
「こ、ここは基本的にかつ典型的に、ルシファーがなんらかの陰謀を…」
クリスが汗を一筋垂らしつつ言う。
「そ、そぉね…そいじゃ乗り込んでみましょうか?は、はははは…ダッシュ!」
乾いた笑いを浮かべつつ、ティナが電磁波の強い方へと駆け出す。
「あ〜っ待ってよティナさ〜ん!」
「私もいきます〜っ!」
「…この寒いのに、熱いやつら…」
続いてティナとクリス、アイラも駆け出して行った。
「私たちもいこっか?」
「そぉね…ここにいてもなんもはじまらないだろーし」
そして三匹は、虚空へと消えたのだった。

「ここがべガ・コーポレーション、もといルシファー…なの?K伯爵…」
「地図からするとその通りよ…けど…」
目の前にあるその会社を眺めつつ、ただひたすら呆然と、三匹は立ち尽くしていた。
空間移動で来てみたものの…
「…どこになにがあるんだろうね…」
しぃ〜〜ん…
めなりんの言葉に、一同はただただどでかい会社を見つめる。
先程も述べたが、デモン・ブラッドのだいたいの居所はわかっているが、細かい所まではわからない。
なにせ、電磁波の中に刻まれているだけなのだ。
「…そっか!電磁波だわ!」
K伯爵がぽんっと手を打った。
「電磁波?」
鸚鵡返しに聞くべるるん。
「魔力波動はわかんないけど、この電磁波がどこから流れてきてるのかなら…」
言いながらK伯爵は目を閉じる。
「わかんの?」
「さっきは他になにか異常電波があったけど、ここは近いから一番大きなのを手掛かりにすれば…」
めなりんの問いに、答えるK伯爵。
しばし精神を集中させ…――
約20秒後。
「…わかったぁっ!」
「どこなの!?」
「この会社の地下よっ、その東の方だわっ!きゃー私ってすごぉいっ!」
言って彼女は駆け出した。
「すごいのはアースジェ…」
げしっ
デモン・ブラッドのもとへと――

「すいませぇ〜ん、あのぉ〜ここに急患が〜って聞いたんですけどぉ〜」
「え?」
雪の降る、でものどかぁ〜な昼休み。
受け付けの美女その1…名札には一姫と書かれているその女の人に、三人の看護婦らしき人々。
「それでぇ〜地下室でガスが散漫してるとかなんとかでぇ〜」
「は?」
「ちょっとぉ〜調べさせてもらいますぅ〜」
「…あなた達、何者なんですか?」
受け付けの美女その2篠塚お姉様は、怪しい三人組に向かって聞いた。
確かに怪しい。全てが怪しい。
男のような(あぁすいません)美女と、両目の色ちがう美少女と、目が髪で隠れて見えないガキ。
「私達、ナースでぇ〜っす!」
「やや無理があるように思えますけど」
ぎくっ…
三人の動きがとまった。
「看護婦の服は着てますけど、ネームプレートもありませんし…」
痛い所をついてくる。
――こーなったら…
「蝿、召喚」
小声で、そのうちの一人が呟いた。
「いぃぃやぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!」
ばたんっ…
突如現れた蝿に、卒倒する受け付けの美女達。
「さすがは蠅魔王…作者も助かってるでしょーね」
「どぉいぅ意味よ、K伯爵」
「あたしの分身によれば、怪我させずに気絶させる攻撃として使ってるらしい♪」
「っだぁぁぁっ!殺しちゃるかっ!?お前!?」
怪しい三人組は、怪しい言葉を叫びつつ、階段で地下に降りて行った。
…と、監視カメラには記録される。

「やっぱ楽だぁねぇ〜♪快適快適!」
「きもちわるぅ〜おえぇぇぇ…」
「エレベーターで酔うんじゃないっ!」
…そう。
監視カメラの目のとどかぬ範囲で、三匹はエレベーターに乗り移ったのだ。
ただ一匹、酔っているのは馬鹿めなりん。
「それにしても暑いわねー…上はまだ寒いのかしら…」
「わからないわよ、K伯…うわぁっ!?」
どがぁぁぁぁぁっ!!
「きゃぁぁっ!?」
どすどすどす!
「ひぇぇぇっ!?吐くっ!」
…ぴぃぃぃぃ…
細い摩擦音を残して、エレベーターの揺れがおさまる。
これが何を表しているのか、その時の三匹には到底予想もつかなかった。

「魔族が吐かないのよ…」
心配そうな顔をして、K伯爵がそう言った。
もっとも、心配の対象はめなりんではないが。
自分の洋服についたらどうしようとかべるるんが怒って蝿召喚したらどこに逃げようとか…
それにしてもこのエレベーター、一体どこまで続いているのか、先程からもう5分はたっている。
「こないだなんて、西○のエスカレーターでも酔ったもんっ!」
「自慢になってないわよ」
ひややかなアイラのツッコミに、べるるんがうなずいた。
「…って、あっ、あいらぁぁぁっ!!?」
「気付いてなかったの?」
「ロディ!ティナにクリスもっ!」
K伯爵が真っ青の顔で悲劇な声をあげた。
「はいっ!ここは私、クリスが説明いたしまぁす!
ここについたら、あんた達がエレベーターに乗る所が見えたんですよ!
それでドアをティナお姉様がこじ開けて、エレベーターの上に飛び乗ったんです!」
「ば、ばかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!」
K伯爵が絶叫した。
「馬鹿とはなによ!馬鹿とは!ここにカバが!」
「それはスープーシャ…ってそれ番組ちがうしアニメ化してない!
いっ、いいことロディ?さてここで問題です。このエレベーターは…」
K伯爵が、いかにも意味ありげに言葉を中断させる。
「この…」
「エレベーターは…?」
ロディに続くティナ。
「…なるほど…」
一匹、アイラが無表情でぽつっといった。
気にせずK伯爵は言葉を続ける。
「…このエレベーターは…何人まで乗れるでしょうっ!?」
…。
「さ、さぁんにぃんのりぃぃっ!?」
そうです。ロディさん大正解!by作者
つまり、定員オーバーというやつである。
そしていまこのエレベーターは、地下に向かってまっ逆様。
ぴぃぃっという先程の音、あれこそずばりワイヤーがひきちぎ…
ぷちぃんっ!
…れた。
「嘘よ詐欺よ!こんなハイテク技術世界にンなこと…!」
「ところがティナ!ここであなたに問題!この小説の作者は誰でしょう!?」
……。
「もぉおしまいだわぁぁぁぁぁぁっっ!!」
心から涙しつつ、ティナが絶叫をあげた。
「そうっ!この小説では、んなわけないことが現実化してしまうとゆー特殊能力を持っているのよ!」
「冷静に分析してる暇はなさそうよ、K伯爵!このディスプレイに、只今地下130kmって…」
「あたり前よべるるんっ!とゆーわけで勝機はあなたにまかせた!」
………。
「もうだめですぅぅぅぅぅぅぅぅっっ!私たちここで死んじゃうんですねぇぇっ!?」
「どーゆー意味よクリスっ!?」
「そのまんまの意味だと思うけど…」
「あーっめなりん言ったわね!?もとはといえば、あんたがこぉんな設定たぁてたんでしょーがっ!」
いやぁ…その場の成り行きとノリで、この小説つくってるんで…(真実…)伏線も少しはありますけど…
「あたしじゃなぁぁいっ!あたしだけどぉぉっ!!」
「よし、パワフル蝿さん攻撃決定。
K伯爵、ハンディパソコンでなんとかできない!?」
「ハンディパソコンなんて持っちゃいないわ!あればハッキングできるかもしれないけど…」
…くすっ
べるるんが、小さく微笑した。
鳥肌。寒気。悪寒。目眩。
それらが一瞬、めなりんを襲う。
ヴィィィン…
べるるんとめなりんだけを中に入れて、防御結界展開。
「ハンディパソコンうみだせぇぇぇっ!!」
「うみだしますぅぅぅぅぅっっ!」
しゅいんっ!
「その場のノリでハンディパソコンが…うぅむ、謎は深まるばかりだ…」
「アイラ、アイラ、かっこつけてるばーいじゃないよっ!」
「クリスが私の名を…あぁ…」
「なんだかんだ言って、結局は恐いのね…?」
後ろで二匹が騒いでいるが、K伯爵はハンディパソコンひっつかむ。
とりあえず、ちかくのコンセントにコードをぶっ刺す。
コンセントもその場のノリで出てくる時代になったか…by作者
カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…
サカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカ…
「うぅ、なんかこの音、ゴキブリが這ってる音みたぁい…」
「やだティナさんてばぁ、ゴキなんてこぉんなところにいるわけな…」
K伯爵の指がとまる。
サカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカサカ…
「…キーボードうつ音は、さかさかなんて音じゃない…し…」
「めなりん、それは言わないお約束…」
そう言いながら、ティナは視線を後ろへ…
「きゃぁぁぁぁっ!!いたぁぁぁっっ!それもこいつ宇宙ゴキブリっ!」
「蝿の次はゴッキー!?もう私吐くぅ!!」
「とにかくこいつをこのアー○ジェットでっ!」
どこからか、クリスがアースジェッ○をべるるんにパスする。
「なんで私なの!?」
『蝿だから』
一同の声が揃う。
「あぁっ!私ってすごぉぉいっ!!」
涙しながら、べるるんはゴキブリを追い掛け回す。
三人乗りのくせしてこのエレベーターのだだっぴろいのなんのって。
ソードブレイカーのコックピットくらいの広さは楽にあるのだ。
…宇宙ゴキブリの繁殖力は強い。
「きゃーっ!こっちもっ!」
クリスが突然悲鳴をあげる。
「あのねぇっ!?私達魔族でしょーに!?」
当然ティナがツッコミをいれる。
「だめ…私のお洋服にさわらないで…お願いよゴキブリさん…」
「擬人法」
「めなりんっ!謎の言葉つぶやいてないで、あんたもちっとは手伝いなさい!」
そしてエレベーターは、揺れに揺れるのだった…――

続きますわ♪byえれなお姉様(なんか変なとこに出してしまってすみません)

…と、とーそーーーーーーーーーーーーーーーーーっっ!!!








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2935Re:スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達7、8松原ぼたん E-mail 6/3-18:55
記事番号2928へのコメント
 おもしろかつたです。

>言いかけた言葉を、ホログラフは無理矢理飲み込んだ。
 そういう概念ないでしょうからね。
>…で、気がつくと三匹は、ココにいたとゆーわけなんである。
 世の中って不思議。
>言ってはならないことをほざくめなりん。
 言えてる(笑)。
>この船――ソードブレイカー、つまりキャナル=ヴォルフィードよ」
 ソードブレイカーの名前まで知ってるんだ、おそるべし。
>予想通りに全面否定されて、それでもやっぱし思わず後退するK伯爵。
 何を元に予想を・・・・?
>「大丈夫です。ちょっと待って下さい…その人(?)は、ミリィと一緒に調理室にいますね」
 をひこら・・・・(^^;)。 
>…なにかまちがった認識をしているように思う…
 お知り合いにミーナ(うろ覚え)って人います?(笑)
>…怨むなら作者を怨みましょう。
 恨まれてもいいわけ?
>そう。宇宙1をめざす宇宙1の料理人(いろんな意味で)ミレニアム=フェリア=ノクターンである。
 設定いろいろごちゃまぜなんですね。
>「あぁ、そーだったの。どーりで大昔の格好してると思ったわ。でスレ世界ってどこ?」
 とりあえず言い返す・・・・さすがというか・・・・。
>それはずばり、蝿さん攻撃のしるしであった。
 ひぇぇ。
>それにケインはスレイヤーズシリーズを読んだこともあるのだ(幻夢 目覚める参照)
 そーだったっけ?
>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
 多くの顔を持つ男(笑)。
>立場の違う存在の大半が揃い、変な干渉がおきたのだろう。
 まずくない、それ。
>薄暗かった明かりがもとの明るさに戻り、周囲のパイロットランプも点滅を停止する。
 凄い。
>着替えるとはつまりそこらのブティックで買ったのを着ただけである。
 魔族じゃなかったのか・・・・?
>ケイン達に空間移動を魔法だと信じ込ませ、三匹だけ、ホテルのある一室に侵入したのである。
 信じたのか・・・・・、さすがSFに見せかけたファンタジーの世界の住人(違ったっけ?)。
>「どっからどーみても、変装とゆーよりゃ仮装だわね…」
 鋭い。
>「…って、なぁぁんでいきなし雪ふってんのよぉぉっ!寒いぃっ!ミニスカート嫌いっ!」
 お気の毒。
>それにしてもこのエレベーター、一体どこまで続いているのか、先程からもう5分はたっている。
 ・・・・そりゃ酔うわ。
>「さ、さぁんにぃんのりぃぃっ!?」
 やばいのでは?
>つまり、定員オーバーというやつである。
 ブザーなんなかったの?
>『蝿だから』
 なるほど。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3067松原ぼたんさま遅れてごめんなさいm(_ _)mめなりん 6/14-08:16
記事番号2935へのコメント
> おもしろかつたです。
ありがとうございますぅぅぅっ!!!

>>この船――ソードブレイカー、つまりキャナル=ヴォルフィードよ」
> ソードブレイカーの名前まで知ってるんだ、おそるべし。
>>予想通りに全面否定されて、それでもやっぱし思わず後退するK伯爵。
> 何を元に予想を・・・・?

たったいまつくった設定(笑)
K伯爵はロスユニを読んでいた!(爆)

> お知り合いにミーナ(うろ覚え)って人います?(笑)

いやぁ、いないと思いますけどぉ(笑)

>>…怨むなら作者を怨みましょう。
> 恨まれてもいいわけ?

恨みたいならとことん恨んで下さい(笑)

>>それはずばり、蝿さん攻撃のしるしであった。
> ひぇぇ。

受けてみます?(爆)

>>それにケインはスレイヤーズシリーズを読んだこともあるのだ(幻夢 目覚める参照)
> そーだったっけ?

そーだったと思いますぅ

>>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
> 多くの顔を持つ男(笑)。

他にもまた出てくることでしょう(笑)

>>立場の違う存在の大半が揃い、変な干渉がおきたのだろう。
> まずくない、それ。

まずいです(きっぱり)

>>着替えるとはつまりそこらのブティックで買ったのを着ただけである。
> 魔族じゃなかったのか・・・・?

はっ!忘れていた!(爆)
いーや、ロス世界では空間移動以外はできないことにしちゃえ!(爆)

>>ケイン達に空間移動を魔法だと信じ込ませ、三匹だけ、ホテルのある一室に侵入したのである。
> 信じたのか・・・・・、さすがSFに見せかけたファンタジーの世界の住人(違ったっけ?)。

信じたんです。
なにしろSFに見せかけたファンタジーの世界の住人ですから(笑)

>>「…って、なぁぁんでいきなし雪ふってんのよぉぉっ!寒いぃっ!ミニスカート嫌いっ!」
> お気の毒。

雪降ってる時ってめちゃ寒いですよねぇ〜

>>それにしてもこのエレベーター、一体どこまで続いているのか、先程からもう5分はたっている。
> ・・・・そりゃ酔うわ。

まぁ酔わない人も一人や二人はいるでしょーけどね(^^;;;

>>つまり、定員オーバーというやつである。
> ブザーなんなかったの?

システムエラーで〜す(キャナル調)

>>『蝿だから』
> なるほど。

納得してどーすんですか(笑)

> 本当に面白かったです。

どうも、遅れてもうしわけないです(TT)
ネット禁止してたんで…
宴にたまに来てたけど…(爆)

> ではまた、ご縁がありましたなら。
さようならですぅ〜〜〜〜〜(^^)

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3201スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達9めなりん 6/24-20:02
記事番号2928へのコメント
皆様こんにちはこんばんわぐっどもーにんぐぅ〜!
お待たせしました〜9でぇ〜す!
え?待ってない?
…それはともかく、今回はシリアス路線でいきました!!
たくさんの苦情、心よりお待ちしておりますぅ!!!

☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ☆ミ

スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達9
ロスト・ユニバース世界の魔族達あ〜んど住人達3〜

「ゴッキーホイホイ!」
エレベーターの中に、ティナの声がこだました。
「キンチョー○!」
続いてクリスが声をあげる。
「あぁぁぁっ!五月蝿くてハッキングしにくいっ!」
K伯爵が、キーボードをたたきつつ叫んだ。

ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
「前回までのあらすじをご説明いたしまぁす!
意味わかんない神殿で何らかの干渉力がはたらいて主役二匹+馬鹿一匹はロス世界へと飛ばされる。
三匹が到着したのは、かの有名なソードブレイカー。
ミリィに聞く所によると、三匹はべガ星の神殿でスレ世界に帰れるという。
そこで三匹はトラブルコントラクターのケインに、べガ星まで送ってもらうこととなる。
しかぁし!べガ星にはティナとロディ、そしてロディの使い魔クリスとアイラもいたのだっ!!
…と、前回の台本の一番最初に書いてありますね。
今回は台本無しで説明しちゃいますけど、とりあえず着替えてついでに変装した一行。
ここべガ星は蒸し暑い星で、魔族のみなさんは作者の趣味の割になかなかの格好をしていらっしゃいます。
そんなところで、べるぜさん(べるるん)と火眼黒翔貎さん(K伯爵)と馬鹿目無士(めなりん)は
ティナさんとレイディアさん(ロディさん)とクリスさんとアイラさんに遭遇し戦闘になってしまいます。
まぁ結局引き分けなのですが、戦闘中に、この蒸し暑い中に雪がふってきたのです。
そしてそれと共に流れてくる電磁波に、K伯爵さんはデモン・ブラッドの魔力波動数を感知します。
その電磁波は、べガ・コーポレーションの裏組織、「ルシファー」から流れているようなのですね〜
まぁこのお話の目的は、デモン・ブラッドを集めたらどーなるかなーうきうき♪みたいなもんですから。
結局一行はそこに乗り込むんですけど、エレベーターが定員オーバーでワイヤー切れて落ちてる状態。
K伯爵がハンディパソコンでハッキングして修理しているようですけど…
…宇宙ゴキブリなんてものがでてきちゃって、ここで続く、となっているのです。
それでは本編はいりま〜すぅ!実況は、いつもかしこく正確ならば、やっぱり私Askでした!」
ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪

「な、長い実況ですこと、さすがはAskさん…こんなことがあったのね…あの頃はまじで良かったわ…」
ロディがひたすら涙しつつそう言った。
「ロディ、後ろにゴッキーが…」
「きゃぁぁぁっ!さわんないでゴキブリぃぃぃっ!いぃぃぃやぁぁぁっっ!」
べるるんの冗談をまにうけるロディ。
「うぅ〜っ、時間がたりないわ…あとちょっとでズドン、ね…」
K伯爵がディスプレイをみつめながらそう呟く。
「私も手伝います」
「え?」
すとんっ、とK伯爵の横に座ったのは、アイラ。
「めなりん」
ゴキブリ殺し真っ最中のめなりんに、アイラが声をかける。
「ほにゅ?」
「ハンディパソコンもう一つ追加」
「はぁ〜いっ!」
ぽんっ!
「こう簡単に出てくると、ありがたみがないわね…」
苦笑いしながらも、K伯爵のハンディパソコンにコードを繋いで、彼女はキーボードをうちはじめる。
…こんな敵も、悪くないよね…
そう思いながらK伯爵は、再びディスプレイとにらめっこをするのであった。
…と、こう書くと終わってしまうではないか。
「でぇぇいっ!蝿よ!あいつらをどーにかして頂戴!」
ぶぅぅん…かさかさ…べしばきごすっ…
「あぁぁっ!圧倒負けまくり!」
「そんなんで魔力つかうなーっ!ひゃぁっ!えぇぇいっ!!」
クリスがスプレー片手に走り回る。
あれから一体、どのくらいたったのだろうか。
エレベーター…すでにゆりかご状態である。
「しかたないわ…」
完全にぶちきれたティナが、ずずいっと一歩踏み出した。
「ヒーちゃんっ!」
「かげぇっ!」
一体どこにいたのか、ヒトカゲがぴょんっと飛び出してくる。
これこそずばり、ティナの使い魔!
…なわけはない。ただのペットのようなものである。
「れっつ・攻撃!」
「かげぇぇぇぇっ!!」
ぶおぉぉぉぉぉおおおおおおっっ!!
ぱたぱたぱたぱたっ!
「おぉ!圧勝!さすがヒトカゲね!」
べるるんが歓喜の声をあげる。
「まぁ、蝿ではないから」
ティナのその言葉に、べるるんはエレベーターのすみっこで…
「あれ?あの馬鹿は?」
辺りを見回すべるるん。
「うおぇぇぇぇ…」
めなりんは一匹、エレベーターの入り口のところで真っ青になっていた。

「は、はっやぁーい…」
K伯爵は目をみはった。
なにしろアイラのキーボードさばきの速いこと速いこと。
「私はどちらかといえば頭脳派なんです(勝手につくった設定です。まにうけないようにしましょう)」
にこっと笑ってから、彼女はまたキーボードをたたき出す。
「これなら、私の計算が正しければ1秒の差で、落ちる寸前に助かるわ」
…。
「いやぁぁぁぁっ!」
アイラの涼やかな言葉に、K伯爵は超高速スペシャルウルトラ回転モードでキーボードをうちまくる。

「おーい、しっかりしろー」
呑気な声で、ロディが言った。
「ま、これも人生の試練よ!頑張れ頑張れ!」
「ほにゅにゅにゅにゅ…クリス、私人ぢゃない」
泣きながらめなりんは、三匹を見上げた。
「吐く時はこのゴミ袋ね♪」
「う、べるるん…もぉだめ…」
ばたっ。
「こらっ!スカートの手をお離しっ!あらっ、はずれないわねっ、えいっ!えいえい!!」
そしてめなりんの記憶はここで途絶える。
これは作者のめなりんいると厄介だからとりあえず気絶させちゃおう大作戦に基づいていたりする。

カタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタカタ…
トンッ!
「ビンゴ!」
K伯爵が声を上げる。
ず、ずずずずずぅぅぅぅ…
そしてエレベーターは、よくわからん音をたてつつ止まった。
「サンキュー、アイラ」
「いや…でも私思ったんですけど…」
「え?」
「…空間移動すればよかったかも…」
ぴきぃんっ!
K伯爵は、その場で凍り付いた。

「―?」
凍り付いたその場から抜け出し、K伯爵は目を閉じた。
「どうしたの?」
アイラがK伯爵の顔を覗き込む。
「あるわ、この近くに!」
「何が?」
「デモン・ブラッドよっ!!」
言ってK伯爵は、ドアに魔力を叩き付ける。
どがぁっ!がらがらがら…
…またまたビンゴ。
ドアが無くなったちょうどそこに、通路があった。
「突入!いっちばぁ〜ん!」
「あーっ!待ちなさいK伯爵!」
「あ、クリス!?」
「ロディさん行くよっ!」
疑いもせず、四匹は駆け出した。
「何か変よ…」
アイラだけが、ぽつっと呟く。
その呟きを、べるるんは聞き逃さなかった。

延々と、通路は続いていた。
そこを一行は、早足で歩いていく。
壁には赫いランプが灯り、警報機はうなる。
緊急事態の合図そのまんまだ。なんちゅーオリジナリティーのない会社なんだろう。
…まぁ、この際、オリジナリティーがどうのこうのは、関係ないかもしれないが。
「…どっち?」
急に先頭を行っていたティナが、K伯爵に聞いた。
警告ランプに照らされて見えるには、道が二つに分かれているのだ。
「電磁波は、右から流れているわ」
「OK!んじゃ右ね!」
言ってティナが駆け出す。
それに、ロディとクリスも続く。
「あ、でも魔力波動は左よ。右は落とし穴もあるみたいだし?」
「へっ!?」
ぱっくん。
三匹の真下の床が、口を開けた。
『いぃぃぃやぁぁぁぁぁっっ!』
そして三匹は、奈落の底へと…
そう、三匹である。
「K伯爵…?」
K伯爵の背中に、悪寒がはしる。
「…だましたわね…?」
「あ、アイラってば、まだいたの〜?う、うふうふっ♪」
「K伯爵、それって無駄だと思う」
べるるんが後ろから、冷めたツッコミをする。
「ここからは別行動ということにするわ」
そう言い放ち、アイラは自ら、落とし穴の中へ飛び降りる。
これは実は作者が別行動をとらせようとしているだけだったりする…なんて不自然なんだろう…

「暑い…」
「重い…」
二匹は同時に愚痴をこぼした。
「どうしてこんなに暑いのかしら…時間がたつにつれて、暑くなってきているなんて…」
「どうしてこんなに重いんだろう…大食いだから太ったのか…?でもこいつ魔族だし…」
…二匹の背中が妙に小さく見えるのは、作者の気のせいなんだろーか?
ちなみにめなりんはべるるんの背中で気絶したままである。そしてべるるんは愚痴る。
どーせ私は重いさ…by作者
それにしても、地下通路の暑いことといったらただごとじゃない。
真夏の東京より上回るであろう。真夏の東京の温度は約48度…そんなにないか。
…ぎっちょん
「?」
K伯爵が足をとめる。
「どした?」
「なんか今、音がしなかった?」
K伯爵の発言に、しばしべるるんは耳を澄まし…
…ぎっちょん
「ほらっ!今音が!」
「確かにするけど、一体何の音…?」
…ぎっちょん
「それはよくわからないけど…行こう、べるるんっ!」
「了解っ!」
駆け出す二匹。
広がる闇に、現れたのは…
「…ねぇ…なに?この意味不明ドア」
「さ、さぁ…K伯爵がわかんないもんが私にわかるわけないじゃない…」
…灰色のドアだった。
ごく普通の会社のごく普通のドアである。
見た目は。
だがその造りは鉄製だろうか、かなり強いものとみた。
「これには、実験室って書いてあるけど…」
そう言ってK伯爵は、その実験室と書かれたプレートに手を触れてみる。
カァァァァッ!
「うわぁっ!?」
プレートから光が溢れ出た!
その光は二匹を飲み込み、そして…
しゅいんっ!
ドアが開いた。
「おぉっ!こりはまさしく!!」
「デモン・ブラッド!!!」

どすどすどすっ!…すとんっ
やたら大きな音をたて、四匹はどこかの通路へ着地(?)した。
「いぃったぁぁいっ!ティナ泣いちゃう!」
「あぁっ!ロディのお洋服がぁぁぁっ!!」
「まんまとだましてくれたわね、K伯爵っ!」
「普通だまされないわ」
…。
いつもながらのツッコミが、妙にその場に寒い風を巻き起こす。
「そ、そうだわ!一体全体、ここはど…」
どこなの!?
そう言おうとして、ロディは自分の目を疑った。
目の前には、いくつものコンピューターだけが整然と並んでいた。
部屋の広さは、狭くもなく広くもなく、といったところだろうか。
人影はまったくないし、監視カメラなどのたぐいもなかった。
一つだけ、中央の壁にでかでかとあるメインディスプレイらしきものには、こう書かれてあった。
『気象制御装置、エラー発生』と。
「ど、どういうこと…?」
クリスが小さく言葉を漏らす。
「やっぱり、ルシファーが気象を制御していたの…?」
「アイラちゃん!ここはやっぱし私達悪の仲良し四人組みがっ!!」
ティナが一歩踏み出したその時。
ぐちょ。
「…き」
『きゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっっっ!!!』
ティナが踏んでいたものは、一つの死体だった。

「きゃぁぁっ☆ついにこれで…何個だっけ?」
「K伯爵、そーゆーボケは…とにかく、ここにあるの合わせて、1,2,3…これで29個ね」
ちなみにデモン・ブラッドは、普通のオフィスの机の上に忽然と置いてある。
だがオフィスの広いのなんの。天井もかなり高い。
これならたとえジャイアン○馬場がジャイアント○場2号に肩車されてきたってあと6人ほどならOK!!
…そんなことあるわけないが。
とかなんとかゆーことで、只今のデモン・ブラッド、いっきに29個。
さぁ、だんだん終わりに近づいてきましたねぇ…――

四匹はただ呆然と、そこに立ち尽くしていた。
鳴り響くブザーと、赤く照明を照らす警報ランプが心にうざい。
少女は血でまみれ、ぐったりと倒れていた。
中から腸やら肝臓やらが見えてたりするが気のせいということにして過ごしておこう。
髪はもともと赤なのか、それとも血の赤なのか。
死に顔は悲しそうだった。
「なによ、これ…」
誰かがポツッと呟きを残す。
「し、死因は複数を刺された多量出血とみるのが妥当よね…」
「ええ、御主人」
アイラがただただ死体をみつめてそう言う。
「その証拠として――
彼女は他に傷を残してはいないようですし、体が青いということは、血が抜けている証拠ですから」
「窒息死ならもっと汚い死に様だし、溺死の場合は耳から血がでるはず。その形跡もないわ…」
呆然とした表情で、ティナが続ける。
「凶器はやっぱし、剣よね…」
クリスはいいながら、なにかの光を見た。
闇の中に映えた、その一瞬の光を、クリスはなんとも思わなかった。
だが、それこそが犯人だったりするのである。

「で、これからどうしよう?」
前に海王ゆかりにもらった麻袋にデモン・ブラッドをしまい込み(6参照)べるるんはそう言った。
「とにかく、この気象をなんとかしましょうよ。電磁波、この近くから発信されてるみたいだし」
K伯爵が提案する。
「この近くって、どうやってわかんの?」
「そーねー…ここは東の方でしょ、電磁波も東から流れてきてたから」
「なぁるほど」
こーゆーときに知的派がいると助かるものである。
「んじゃ、とりあえず」
言いながら、なにやら意味深な視線をドアに送るべるるん。
「そうね、あのとことん怪しそうな分厚ぅ〜いドアの向こう、行ってみましょうか?」
K伯爵が言ったその時だった。
「待てっ!」
突如、後ろから声がかかる。
「そこへは、俺達が通させない!」
「あ、あなたは…――」

「…どうするの?ご主人?」
「どうします?」
「どーすんの、ロディさん?」
「なんで私に聞くのよっ!…とにかく、気象制御装置辺りにデモン・ブラッドがないか探してみましょ」
そして四匹は、そこらへんを探し回ったのだった。

「ケイン…それにミリィも」
K伯爵が声を絞り出した。
二匹の前に立っていたのはまぎれもなく、ケイン=ブルーリバーとミレニアム=フェリア=ノクターン。
ケインの右手には、闇の中に光り輝くサイ・ブレード。
むろんミリィも銃は持っているが、あんなもん魔族には通用しない。
ま、サイ・ブレードで魔族がきれるかってゆーと、そーでもないかもしんないが…
き、きっと光の剣だと思ってびっくりしているんだろう!
「やっぱりね…」
「や、やっぱりって、K伯爵!?」
「ケイン、あなた別れる時に『またな』って言ってたでしょ。
もう絶対に会うことなんかあるはずのない私達に。おかしすぎるわ」
ケインが、小さく笑った。
「なんかこの小説、今回はシリアスだな」
そうなんです。私のきまぐれです。そしてシリアスのためにはめなりんいると邪魔なんです(笑)by作者
「どーして私達の邪魔をするの?」
「今回の仕事の内容は、ルシファーの気象制御装置を直すことだ。レイルに頼まれてな。
お前達は、そのちょうど前に、ソードブレイカーにあらわれた。
第一、おっかしいじゃねーか、ふつー船にいきなし乗っかってましたなんて、信じる奴いねーぞ」
…。
ぱちくりっ。
べるるんとK伯爵は、同時に瞬きをした。
「まさかあんたら、わたしたちがきしょーせーぎょなんとかをどーこーしたとでも…?」
「その通りよ、べるぜさん」
ミリィが真顔でパライズ・ガンを構える。
…。
ぷっ
「きゃーははははははあぁんたたちばぁっかじゃないの!?」
「ひーっひーっ、お、おかしすぎて笑いとまんなーいっ!!」
「へっ?」
ミリィが間の抜けた声を出す。
「あたしたち、そんなスパイとかじゃないわよぉ〜あーはははははっ!!」
「勘違いとか誤解っておっそろしーわよねぇーぎゃははははははっっ!!」
ケインとミリィの呆然とした顔を見て、さらに大笑いする二匹。
「じゃあ、なんなのよ」
……。
とりあえず魔族とは言えない。絶対に言えない。
そんでもって…デモン・ブラッド目当てだという事も言えない。絶対に言えないったら言えない。
「えと…ここの気象制御装置がホラ暴走しちって、ほんでもってだから…その…」
K伯爵が目を泳がせつつでも笑顔で言う。
そんな彼女に、ケインは
「じゃあ、おまえらもトラ・コンなのか?」
「…と、とらこん?」
「トラブル・コントラクター。やっかいごと下請け人ってやつだ」
ケインがサイ・ブレードの刃を消した。
とりあえずは一安心。
「ま、まぁそんなとこね」
言って、から笑いをするべるるん。
「…で、ききてーんだが、なんでそのガキ死んでるんだ?」
「こいつがいるとシリアスできないから作者が気絶させた。まぁ後々いい出番あるから…10でだけど」
K伯爵はそう言って、分厚いドアのノブに手をかけた。
その途端。

ちゅどごぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉんんっっっ!!!!!!

「なに!?」
「一体なにがおこったの!?」
ティナとクリスが次々に声を上げる。
まだ地面は揺れている。地震のようにも思えるが…
「アイラ!状況分析!!」
「はい!」
即応答して、アイラはドアを蹴り飛ばす。
「東の方で何かが爆発したようです!魔族には痛くもかゆくもないでしょうけど…
でもその近くから、なにか…なにかが動き出すような変な地響きも聞こえてくるんです!」
「地響き…?」
ティナの呟きが、ぐらつく部屋に残る。
――危険には金と宝と儲け話がつきものである。
エラー気象制御装置の並ぶ部屋に、もはや人影は一つもなかった…――

「きゃぁっ!?」
K伯爵が悲鳴を上げる。
まぁ、ドアノブに爆弾しかけるなんて誰も考えてなかっただろう。
「なんか爆発したの!?」
ミリィがK伯爵に向かって叫ぶ。
ごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごごご…
「な、なに?この振動音…まさか…」
べるるん、大正解〜!!
この小説は、である。
その場の成り行きとノリでお話がつくられるため、「なぜそーなる?」な展開がよくあるのだ。
それは皆様も十分承知だろう。作者もじゅーじゅーわかっている。
そしてこの小説は、そーでなければめなりんワールドではなぁいっ!
とゆーわけで変な展開になるわけなのだっ!かーっかっかっか!by作者
…なんぞという馬鹿げた法則に基づいて、とりあえず悪の親分登場…
「とかなんとかゆーわけで、私アルルと申しますぅ〜」
こけっ。
何となくシリアスから戻されたような気がして、K伯爵がコケてみた。
「凶器はサイ・ブレードですぅ〜人切る感触たまりませぇ〜ん」
「けっこーアヤシイ奴だな…姿形も…」
ケインが目の前の女の子をジト目で見つつそう言った。
…ケインにアヤシイといわれたらおしまいだぞ、おい…
とにかく彼女…アルルは、なんとも言えない女だった。
赤い瞳、赤い髪、赤い服。まるで血でぬりたくったかのよーな女の子。
「それにしてもこの、ごごごごごっつー音はなんなの?」
ミリィがぼそっと呟いた。
「それはぁ、ユイですぅ〜」
言ってアルルはにまりと笑う。
そして先程の馬鹿作者の意味不明な小説紹介は、この続きを指し示しているものである。
どがらごしゃずげしめきゃごどばぁぁぁぁぁぁんっ!!
「なに!?」
不自然な音をたてつつ、ドアからなにかが飛び出した!
「いらっしゃい、ユイ!」
「うわぁぁっ!?こ、こいつ…!」
驚愕…だと思われるべるるんの声が、辺りにこだました。
「こいつ…なに…?」
その場にそぐわない返答が、寒い風を呼び起こした。
だがまぁそれも当然の事といえるだろう。
目の前に現れた奴…体格が人の10倍ほどのロボットなのだから…
「いつのまにロボアニメに入っていたの!?」
「そーじゃないでしょに…」
K伯爵の一言に、後ろから聞き覚えのある声がする。
「ティナ!みんなもっ!」
そう。
そこには、たった今到着したばかりの四匹がいたのだ。
だが彼女達は、アルルを見ておのれの目を疑った。
「あの子…死んでるハズよ…」
ロディが声を絞り出す。
「どういうことだっ!?」
ケインが叫ぶ。
「私達、先程気象制御装置の並ぶ部屋であの子を見ました…
凶器は刀で、死因は腹部を殺られて出血多量、すでに死んでるハズ…です…」
アイラがとぎれとぎれにそう呟いた。
…くすっ
アルルが、小さく笑う。
「それは私の双子の姉。実験体1号ですぅ〜私は2号なんですよぉ〜ん♪」
…実験体!?
「いつのまに科学小説に入っていたの!?」
「だからK伯爵、この小説はこーゆー突発的なことがよくあるんだってば…」
K伯爵とティナが後ろでぶつぶつ言ってるが、とりあえず一同は無視。
「…おかしいとは思ってたのよね」
アイラがぽつっと言った。
アルルがそれに、一瞬だけ反応する。
「どういうこと…?」
ミリィが声を絞り出す。
「ふつー、こぉいぅ摩訶不思議小説以外では、よ。
運良くエレベーターの先に通路を見つけるなんてことないわ。
なにしろ、あのエレベーターは落ちる寸前に止まってた…つまり。
最下階より下にあったハズなのよ。それがなぜ奇麗に通路が口を開けて待っていらっしゃったか…」
ここでアイラは、びしぃっ!とアルルを指差し、
「ずばり!アルル、ここはあなたの意志空間ね!!」
「なんですとぉっ!?」
クリスが声をあげる。
意志空間…つまり、自分の思うがままの空間を作り出すというもんである。
そしてこれができるのは、超能力者、あるいは純魔族…それも、カナリ高位のヤツなのだ(多分)。
「そうですぅ〜!大正解、アイラさんお見事〜!」
…ん?
「ちょっと待ったぁ!」
K伯爵が、いきなしストップをかける。
「あなたどーしてアイラの名前知ってるの!?」
ぎっくぅ…
彼女はマトモに硬直した。
―しばしの間―
アルルは、ふぅっと溜め息一つ吐き、
「…しっかたないなぁ〜話すよ、私の負けぇ〜。
こっからは、ちょぉっち難しぃ〜くなっちゃうんでぇ〜
素晴らしぃ〜い読者の皆様はぁ、下を読んで下さいね〜♪」
よろしくお願いしま〜すぅ by作者

今からはるか昔のこと。
この星べガには、街など一つもなかった。
なぜか異様に寒かったのである。
だがただ一つ、研究施設だけがあった。
その研究施設は、この星のよくわからん古い城から溢れ出る、不思議パワーを探っていた組織だった。
まぁ、その『よくわからん古い城』が、ずばり現代でいう堕天使の居城だったのだが…――
ある時探索を行っていた一人が、光り輝く赤い石を、そこから見つけ出した。
石の研究は、いろんな方向へと進んでいった。
ある所ではそのパワーを使って、『人造人間』を作り出すところまで出ていたほどに。
…かくいう気象制御装置も、この研究所から発明されたものなのだが。
そして気象制御装置の実験スイッチが押された時――
あたりには花が咲き乱れ、空には小鳥が舞い、木々は風に葉を揺らす…そんな世界の第一歩が始まった。
人造人間達は、そんな楽園で育てられたのだ。
そして今その星は、観光地として栄えている。
なら研究施設はどうしたのか?
ズバリそうでしょう(C,丸○君)
悪の犯罪組織、ルシファーへと、成長したのである。
組織は、裏ではまだまだ、その居城や不思議な石の探索を行っていた。
だがどうしたというのだ。
ある時それは輝きはじめ、そこにいた人々を飲み込み、光は嘲笑うようにふぃと消える。
そしてその時期を境に、気象制御装置はボロくなるわ、ユイとアルルの調子はおかしいわ…
…んでつまり原因は、何らかの干渉力で来ちゃった魔族達だったとこーゆーわけである。
まぁ元の世界に返せばいいのだが、それで堕天使の居城に何らかの影響が出たら一大事。
それに、三匹の方からは、あの石も奪い返さなければならない。
そこで、少し探りを入れていたのだ。
気象制御装置はすぐさま止まり、そして人々は、そしてこの星は――
――どちらかといえば、正義の組織かもしれなひ…?

「と、ゆーわけで私にはあなたに攻撃をする理由ができましたぁ〜その石を返してくださいぃ」
アルルが、べるるんの持っているデモン・ブラッドを指差して言った。
「嫌」
きっぱりすっぱり断るべるるん。
そうでなければこの小説終わってしまう…
「それじゃーいきますぅ!ユイ!」
そう言って、アルルが赤いポケットから、これまた赤いリモコンを取り出す。
「ぽちっとな♪」
呟いて彼女は、はたまた赤いボタンを押した。
…ぎっちょん。
ユイとやらの足が、不快な音をたてつつゆっくりと動き出す。
「この音…!」
「さっき聞いた音だわ!」
べるるんの言葉に、K伯爵が続く。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
そしてユイとかゆーロボは、いきなしスピードをあげて突進してくる!
「きゃぁぁぁっ!?」
ロディが悲鳴をあげて逃げ惑う。
「宇宙1がぁぁっ!!」
意味不明なことを叫びつつ、ミリィがその後を追う。
…びりぃぃぃぃっ!!
突然、不愉快な音がした。
「あぁっ!俺のマントがぁぁぁぁっ!!」
破れたのはケインのマント。なにかに引っ掛かったらしい。
「あわわわわわ…」
クリスがどもる。
「う、うそでしょっ!?」
べるるんが現実逃避する。
「ほにゅっ!?」
めなりんが音に反応したかべるるんが走りまわったために揺れたのか目を覚ます。
「対戦闘用ロボのようね。ついでにリモコン操作…
型はちょっと古いみたいだけど、威力はかなりのモンだわ」
K伯爵が現実逃避で冷静に分析する。
「はぅっ」
ティナが泡ふいて気絶する。
「ティナ様!?」
アイラがティナを抱えて走る。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
ロボ・ユイはいまだに追いかけてくる。
「おーっほっほっほっほ!ぅおーっほっほっほっほっほっほっほっほ!!!ですぅ〜」
アルルの哄笑が、あたりに響き渡る。
無論その手には力がはいり、彼女は仮にも実験体2号なだけあって、腕力は強いはずである。
ぱきぃんっ
澄んだ音が、辺りにこだました。
「…へへっ…」
「へへっじゃないだろがぁぁっ!!なんだよ今の音!?」
ケインがすかさずツッコミを入れる。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
『ミドリ…』
ユイがつぶやいたその言葉を聞くものは、一人とていなかった。
そして暴走ロボとパニック魔族+人間のおいかけっこが続くのだった――

続きまーーーーーーーーすっ!!by ここにもでてるぜ☆一坪様

ppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppppp

読んで下さって、どうもありがとうございました〜(^^)
10はもうできあがってる(寸前)んで、そのうちUPします。
とにかくっ!
ぱきぃんっと音高く壊れたものはなんなのかっ!?
アルルとユイの真の謎はなんなのかっ!?
気絶した馬鹿めなりんの出番はあるのか!?
暴走したユイはどうなるのか!?
キャナルの出番はもうないのか!?
ユイのつぶやいたミドリとは誰なのか!?
堕天使の居城はどーなっているのか!?
全員の行方はどうなるのか!?死ぬのか生きるのか!?
気象制御装置はどうなるのか!?星の人々は救われるのか!?
そのまえにこのロスユニ編、ちゃんと完結するのか!?
すべての謎は10でお送りいたしますっ!!乞うご期待!!!
みんなどんどん苦情を送ろう!そしてがんがん五寸釘!でわっ!!

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3213スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達10めなりん 6/25-18:30
記事番号3201へのコメント
皆様おはようございます。今日も一日頑張りましょう。え?これから寝るの?
そこのあなた、こんにちは。ただチャットは楽しんだかい?それとも自宅?
テレホの君はこんばんわ。夜更かしは美容と健康の敵ですよ。お金の味方だけど。
…なんぞといいつつロス世界最終回をお送りいたします。
そしてサイズの都合上、超ミニミニL・S劇場がありますが…
…気にしなくて結構です(笑)でも投票して下さい(おひ)

ddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddddd

スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達10
ロスト・ユニバース世界の魔族達あ〜んど住人達4

「リモコンこわしちゃいましたぁ〜」
『ダアホーーーーーーッ!!』
一同の黄色い声は、高らかに響き渡った。
「第一、このユイってのはなんなのよ!?
それにあのきしょーせーぎょそーちの女の子は!?」
びくっ!
クリスの言葉に、一瞬アルルが反応する。
ケ「ぅどわぁぁぁぁ!?」
ミ「きゃぁぁぁぁっ!」
テ「いやぁーーーっ!!」
べ「嘘よ夢よっ!」
め「ほえぇぇ〜?」
ク「アイラ様!アイラ様しっかり!」
ア「う…ぅう〜ん…」
ロ「お洋服がっ!わぁたぁしぃのぉっ(以下略)」
K「敵のロボユイは、いまだ猛スピードで前進中っと…」
K伯爵が簡潔に状況説明をしてくれる。
結局は全員、パニックに陥ってるだけなのだが…―

「ユイ!ユイ!!」
アルルは必死にロボの名前を呼んだ。
無論のことユイは、全く反応しない。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
「ユイ!わたしよっ!」
焦りの声は、口調がかわってきていた。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
「わたしよっ!わたしだけを殺して!!」
…え?
一同は、逃げることも忘れてそこに止まり、アルルをみつめた。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
ユイの足音だけが、耳にうざったいほどに入ってくる。
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
「あなたを殺したのは…」
アルルの目から、涙が溢れ出る。
いまやその涙の目には、古い記憶しかうつってはいなかった――

…ねぇ…かあさま…とうさま…
あかとあおのコードにつながれて…
ずっとさびしかったのに…
どうしてわたしはにばんめなの?
なぜあのひとはかわいがれるの?
やっぱり…わたしは、ただの…

…実験体だから…?
…ミドリじゃないから…?
「そう…私は…実験体でしか…なかった…」
どすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどすどす!!!
「でもあなたは…ちがったんだよね…」
どすどすど…す…ど……す……
アルルの少し前で、ユイは足をとめた。
そしてユイはおおきく右手をあげて…――
「やばいっ!」
「あ、ちょっとティナ!?」
ティナがアルルへと駆け出した。
「ユイ…」
ヴンッ!!
ユイの右手がくりだされた!
手応えはなかった。
…たんっ
「ティナ!?なぜ助けたの!?」
「そーね…私らしくない行為だったけど…」
あの意味ありげな会話の意味知りたかったしぃ〜うふふふっ
なんぞと思いつつ、ティナは安全なところへと移動する。
それに今はケインやミリィも見ているのだ。魔族だとばれたら大変である。
「ティナ!その子担いでこっちきて!その間に私は…!!」
ロディが一本の剣を、虚空から生み出した。
その剣こそ、ロディの武器、シェーラザードである!!
刃に触れた部分の情報を読み、瞬時に陰陽に取り入って その部分をきれいに陰陽子レベルに分解する…
ひたすらむつかしー原理ではあるが(作者もよくわかんなーい^^;)まぁ大事なのはハートなのである。
ちなみにこれはスサノオ様からいただいたものらしい。(我の記憶なのであやふやに覚えときましょう)
「えぇいっ!」
ざしゅっ!
気合でロディは、ロボに攻撃を浴びせ掛けた!
ヴ・・・ヴヴヴ・・・
ロボが、低く唸った。
ブワァァァァァァッ!
瞬時にロボから疾風が巻き起こる!
「きゃぁぁぁっ!?」
どさっ!
ロディが飛ばされる。
だがそれでも、ユイの方にもダメージがあったようで、停止したまま動かない。
「今のうちにダッシュ!」
べるるんのその言葉に、反対の意を持つものなど誰もいなかった…――

「ふぅ…」
クリスは大きく一息ついた。
「ここまでくれば安全ですぅ〜」
アルルが無理に笑ってみせる。
「で、アルル…あなたはユイを…」
びくっ…
「話してみ」
K伯爵は、なるっべく優しくそう言った。
「気持ち、楽になるよ」
私達は負が集まるだろーしね♪
――世の中やはり悪である(泣)
彼女は、ぽつりぽつりと話しはじめた。
「…わたしは…実験体でした…
でも、ユイ姉さんは…違ったんです。
あの人には、いつもたくさんの愛情が集まっていた…
当たり前よね、私はミドリじゃないもん。
所長の父様と、秘書の母様は、私なんかよりも姉さんのほーがよかったんだ…」
フムフム。
つまり…
ユイとアルルは人造人間でつくられた双子。
しかしユイはアルルとはなんらかの違いのある子供で、研究所の二人に愛情を込めて育てられる。
そして無論、アルルはそんなユイに嫉妬して…
たぶん、もう父と母は殺し済み、あとはユイだけ、といったところか…――
K伯爵の予想通りだったりする。
なんというつまらん小説なんだろう(笑)
だが、『ミドリ』がどーにもひっかかる。
それだけは、なにがなんだかわからない。
「…で、なんでユイがロボットに?」
「もともとあったロボットに、脳を植え付けたんです…」
…?
「なぜ、そんなことを?」
アイラの言葉に、アルルの動きが一瞬止まった。
「そ、それは…」
下唇を噛んでじっと下を向いたまま、石みたいに動かなくなる。
…フムフムフム。
「結局、ユイのことを嫌いきれていないわけね。
それであなたは、ユイを殺してから恐くなって、ロボットに植え付けた…」
「言わないで!」
言葉を遮って、アルルは叫んだ。
大粒の涙を流しながら。
「言わないで!もうそのことは…あんなこと繰り返したくなんかなかったのに…」
――あんなこと!?
どがらぁぁぁぁっ!!
いきなり、横手の壁が崩れ落ちる!
「ユイ!?」
がしょんっ…
「いやぁっ!」
がしょんっ…
「もういや!3489893729462836592756日前のあの事件を思い出させないで!」
「や、ややこしーですねー…3489893…あれ?次6?7?」
ティナが後ろでぶつぶつ計算する。
その後ろでミリィは、こう呟いた。
「3489893729462836592756日…まさか…」
がしょんっ…
「ユ…イ…」
アルルが泣きながら後退していく。
そんな彼女を責めるかのように、ユイは一歩一歩アルルに近づく。
がしょっ…
ユイの動きが止まった。
「きゃぁっ!」
ユイの手がアルルに伸びた!
がしっ!
「アルル!!」
ケインが叫ぶ。
「…私は、ミドリじゃないっ…」
ユイはアルルを掴んだまま、その手を上に持ち上げた。
「私は…ミドリじゃないはずなのに…どうしてあんなこと…
でも…姉様、もし運命の糸がほどけて、あなたと死ねるのなら…私はそれでも構いません…」
ロボットは動かない。
「姉様…お先に参ります…」
もはや、アルルのその目は、ロボットを見てはいなかった。
…ユイ姉様…
ロボットの手に、力がこもった。

にぶい音、そして悲鳴が、辺りに響きわたった。
そしてオフィスは赤で染まった。

「ユイ…とか言ったわね」
ミリィが一歩、ずずいっと踏み出した。
こういう時は人間の出番である。
やはり人間、愛と正義で生きるのみですっ!byアメリア
がしょんっ…
ユイが一歩、ミリィに近づいた。
「あんた、アルルのこと…憎んでたわけ?」
がしょんっ…
「憎んでなんてなかったんでしょ?」
がしょんっ…
「恨まれてることも知らなかった…」
がしょんっ…
「自分が自分でなくなる前は…」
がしょんっ…
「そうよ、あんたが一番キライだったのは――」
がしょんっ…
「――大切なものを失わせた、自分自身…」
がしょ…んっ…
「どっかの部屋で、これ見つけたわ」
そう言って、ミリィは一つのフロッピーディスクを取り出した。
「かなり古かったけど…これを見て、3489893729462836592756日前のあの事件ってのがわかったわ」
…がしょ…
「実験体2号が1号を殺そうとして、逆に殺された…ってね。
たぶんあんたらの言ってたミドリとかってのが、実験体2号でしょ。
その証拠に、それまでの日誌にはミドリって書いてあるわ。
そしてその後、その2号の脳を使ってできた実験体がアルル…と…」
…が…しょ…
「そしてあんたはやっぱし、実験体1号ってワケね…?」
…しょ…
「繰り返される運命は…変えることなんかできなかった…」
……
ユイが、完全に沈黙した。
「…これだけは、教えといたげるわ」
ミリィは動ぜずに続ける。
「命なんてもろいもんよ。何万も何億もあるからこそすぐになくなっちゃう。
でもね、もろいからこそ大切なのよ。なくしたものは決して帰ってはこないわ」
「ミリィ、前に出すぎだ!」
ケインが叫ぶ。
だがミリィは気にせずにこう叫んだ。
「人の命を平気で踏みにじるって事は、自分を否定するのも同じことなんだからっ!」
『ミドリ…アル…ル』
一瞬聞こえた声と共に、ロボットは一斉射撃を始めた!

「やべぇ逃げろ!!」
ケインが叫び、マントをひるがえす。
「あ、ちょ、ちょっと待ってよケイ〜ンッ!」
今までのシリアスモードはどこへやら、ミリィがその後を追う。
そして、二人の姿は通路の向こうへと消えた。
「さぁ〜ってと!そろそろあんたの出番よ!めなりんっ!!ってその前に早く背中からおりんかいっ」
べるるんがなにやら嬉しそうに叫びつつ、めなりんを下に降ろす。
「ほにゅ?」
「ほにゅ?じゃないっ!あの超必殺丸秘アイテム出しなさいっ!」
「…なにそれ?」
がくぅっ…
「ロディ達は、時間かせいでて…K伯爵、ちょっと」
「あ、はいはい」
そう言ってK伯爵は、二匹の方へ駆け足。
「っふふ!まっかしといて!!」
ロディは威勢良くそう言って、ユイの方へ向き直る。
「さぁ〜て、どーやっていたぶってやろーかしら?」
ティナがやたらニヤニヤしつつ言う。
「そりゃぁもう、焼くなり煮るなりどーぞなんなりと、ってね!」
クリスが一歩踏み出る。
「頭脳だったら負けないわよ!」
珍しく、アイラも燃えているらしい。
〜ラウンド1〜
「えいっ!」
どぎゅんっ!!
アイラの魔力攻撃!
しかし効果はいまひとつのようだ!
「ていやっ!」
ティナの肘鉄!
ユイが抵抗した。
きゅいぃぃ〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!
ユイの目ビーム!
ちゅどちゅどちゅどちゅどごぉぉぉんっ!!!!
「きゃぁぁぁっ!お洋服がぁぁっ!!」
ロディに精神ダメージ30!
「氷!」
クリスの氷の攻撃!
ユイの右手が氷漬けになるが、とばっちりでティナに20のダメージ+氷漬け!
「あぁっ!ごめんなさいぃ〜〜〜っ!!」
クリスに精神的ダメージ10!
…結果的に、ただいまのところユイの方が圧倒有利!
ずどぉ〜んっ!!
いきなし奥の方から、地響きが聞こえる。
「なに?まさかまた敵のロボ!?」
アイラが状況分析。
「いえ、あれは…め…めなり…ん…?」
『きゃーははははっ!!』
土埃の中から現れたのは、知ってる人はよぉ〜く知ってる(笑)めなりんのロボットメナリンキャー!!
「ユイ、あんたに、もひとつ教えてあげるわっ!!」
べるるんが叫んだ。
「わたしたちは魔族だから、人を殺すことはなんとも思わないけどね!」
…おい。
「ただ、それでとばっちり食らう私達の身にもなってごらんなさいっ!
人殺すときってのは、それなりにさいっっしんの注意をはらって行うものなのよっ!!」
…良い子も悪い子もふつーの子も、殺しはいけません。
「命ってのは一つしかないんだからねっ!」
べるるんの叫びに気付いたのか、ロディが
「人生とかってのは、一度きりの大切なものよっ!…たぶんっ!!!」
「いけ!メナリンキャー!!」
K伯爵が指揮をとる。
『はぁ〜いっ!』
ちなみにメナリンキャーはめなりんの精神で動いているため、めなりんの分身とも言えよう。
「とりあえず攻撃!」
『きゃーははははっ!!!』
K伯爵の指示に従って、メナリンキャーはとりあえず攻撃を始めた。
〜ラウンド2〜
『きゃーはははははっ!!!!』
どがどがどがどがどが!!
メナリンキャーのパンチ!
ユイは40のダメージ!
『にゃは〜っ!』
げしげしげしげしげし!!
メナリンキャーのキック!
ユイは30のダメージ!
ユイのロケットパンチ!
どゅいぃぃぃんっ!!!
『はぅっ』
メナリンキャーは21のダメージ!
「えぇ〜い!必殺技っ!!」
K伯爵がどこからかリモコンを取り出す。
「上上下下右左右左AB!」
ぎゅいぃぃぃぃ……ん…
メナリンキャーの右手に、黒い磁気のよーなものが収束していく。
それはスコップの形をとった。
「超電磁スコップ攻撃!!」
K伯爵が頬に汗ひとすじたらしつつ叫んだ!
『え〜〜〜〜〜〜いやっと♪』
ざく。
凍っていた右手に当たった!
効果は抜群だ!
ユイ、多大のダメージ!!
ユイは倒れた!
「めなりん、やったぁ〜っ!今日は何でも好きなモン食わせたげる!」
べるるん、その言葉は命取り…
とりあえず、めなりんwithメナリンキャー、勝利!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「あ、そっか、ここってアルルとユイの意志空間なんだっけ…」
K伯爵、気付くのが遅い。
天井から岩みたいなのは落ちてくるわ地面は揺れるわ壁はくずれるわ…
「きゃぁぁぁっ!」
ロディが心から叫ぶ。
「もうやだこんなのー!!」
クリスがねをあげる。
「こっちよ!」
K伯爵が誘導する。
ッカァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァッ!!
瞬時に横手の壁から、光りが溢れ出る!
壁が崩れ落ちた。
「あれは…!?」
二つの子供らしきものが、透明なカプセルの中で静かに眠っていた。
「ユイ…アルル…?」
思わずその名を口に出すアイラ。
「どうする…?」
ロディがたずねる。
「…多分…もう、二人はわかっていると思う…
運命は、自分でひんまげることができる…って、ね」
K伯爵の言葉を残して、一向は空間へと消えた。

「ふぅ〜やっとついたわ、堕天使の居城!」
べるるんがかなりニコニコしつつそう言った。
時は夕刻。
気温は普通。
そう、気象制御装置なんかじゃない、自然の温かさ。
今までのはどーやら、氷河期とゆーやつだったらしい。
そしてそして、人造人間の冷徹な心…
それが、なんらかのかたちで、おかしな気象につながっていたのである。
「さてと…戻ろっか?」
K伯爵が、中へと歩み進む。
「食べ物〜食べ物〜♪」
めなりんが、アイスなめつつその後へついていく。
「邪将軍てーい!!様の出番も、Sの出番も、これでできるわけね」
ロディがつくづくそう言った。
居城は結構広かった。
大理石の床に、紅い絨毯が延々としかれてある。
「典型的」
ティナの低い呟きが、辺りに高く響き渡った。
それほど静か、とも言えよう。時刻は夕方である。
やがて、一行は広い部屋にでた。
2つの天使の像を両脇に、高々と聳え立つ堕天使の像。
「これかな…」
そっ…
べるるんが試しに手を振れてみる。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…
「どんぴしゃ、か…違ったらこの小説、先に進まないもんねぇ」
アイラの涼しい呟きも、騒音にまみれて聞こえない。
そして魔族達は、光と共にスレ世界へと帰っていったのである――

「うぅ〜んっ!」
精一杯伸びをして、それから深く深呼吸。
全員が真っ先にやったのはそれだった。
夕焼けで赫く見える。
自分も、あの家も、あの山も、この川も…
物語が終わっていくかのように…
…ここはどうやら、トゥール・シティらしい。
その証拠に、ここには川…というか地下水道がいりくんでいるのだ。
目の前に流れる川は、まさしくここがトゥール・シティだといっているよーなもんだった。
「やっぱ空気がおいしーわぁ〜向こうもいいですけど、こっちもいーですねぇ〜」
クリスが明快にそう言った。
「ほぉ〜んと、なんか疲れちゃったぁ…ケイン、今ごろどーしてんだろ?」
「あいつらのことだから、死んではいないと思うわよ」
「ほにゅ?ケインって誰?」
ごしっ。
「その光景も懐かしいわね」
アイラが、三匹を見て笑った。
「でも、なんで私達あんなとこに召喚されちゃったのかしら…?」
ティナが疑問を抱く。
「作者の陰謀意外に考えられるのは…運命の糸ってやつ?」
K伯爵が夕日を眺めつつ答える。
「くっさいセリフ」
ぼちゃっ。
…無言でK伯爵は、めなりんを川に投げ捨てた。
そして話は、元に戻って…
「…デモン・ブラッドよこしなさぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜いっ!」
「いやよぉ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜っ!!」
魔族達のおいかけっこは、いつまでも続くのである…――

《番外編終わりっ!本編続くっ!!》

sssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssssss

超ミニミニL・S劇場

L様(以下L)「…というわけで皆様やっほー(^^)噂のパツキン魔王Lですっ!」
部下S(以下S)「その下で忠実に働くマイナー魔王の部下Sですっ!」
作者(以下作)「そして作者と書いてはいるが神坂一様ではない作者めなりんですっ!」
L・S『おまいはひっこんでろ』
げしっ!
L「ふっ、このLに勝てるものなどいないわ!!」
S「どーでもいいですけど、なんなんですかこれは?」
L「いつも、原作での私達の出番はあとがきくらいしかないでしょ?だからここをのっとって…」
S「でもこれ読んでる人少ないと思いますよ」
L「ムッ」
ごがっ!
L「…とまぁ、めでたくSも死んだところで!それでわLの読者に挑戦!コーナーいってみましょう!!」
S「ここでそんなんやっていいんですか?」
L「はっ!?復活してる!?…ま、いいんじゃない?一坪様優しいし♪」
S「それで、今回はなにをするんですか?」
L「…ふっふっふ…それはもう、決まってるでしょ!」
S「…へ?」
L「輝け青春蘇れ中間管理職魔王!第一回スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達人気投票!!」
作「いやそれってマズイと思う…」
L「お黙りっ!!」
ごすっ!
S「でも一坪さんが許してくださいますかねー?」
L「許してくれるでしょ。あの人の心は混沌より広く深いんだから(しみじみ)」
S「でもこれ読んでる人投票してくださいますかねー?」
L「投票してくれるにきまってんじゃないの!これ今読んでるってだけで心が広いののしるしなのよ?」
S「でも誰が集計するんですか?」
L「馬鹿作者」
S「それはいいかも…って、それはそうと、まさか上位狙ってません?」
L「狙わなくても私は1位だも〜ん、おーっほっほっほ!!」
S「ナーガに似てきましたよ、L様…」
L「そう?実感わかないけど?」
S「それで、投票方法なんかは?」
L「そうねぇ…普通のだとつまんないから…」
……
L「よし!それじゃーこうしちゃおう!
とりあえず好きなキャラ、こいつの出番をもっとふやせキャラ、
魔族っぽいキャラ、きっとみんなこの人のことは忘れているだろうキャラ。
それぞれ1名ずつ選んで、選んだ理由を簡単に下に書いて下さい!下のは例です」

例)
とりあえず好きなキャラ
L様
すばらしいから

こいつの出番をもっと増やせキャラ
L様
すばらしいから

魔族っぽいキャラ
L様
すばらしいから

きっとみんなこの人のことは忘れているだろうキャラ
L様
すばらしいから

S「これって、例っていいます…?」
L「言う。以上のことを書いて、どっかに設置されるハズの専用掲示板に投票してやってください」
S「えぇっ!?専用掲示板なんてものができるんですかっ!?」
L「そーなのよっ!作者がここでランキングやっていいかって一坪様に聞いたらしいんだけど。
その時に一坪様が提案してくださったのよぉぉぉぉぉぉぉぉっーーーーーー!!!!!!!!!
S「どぅえぇぇぇぇぇぇっ!?それって迷惑なんじゃないんですか!?人のHPでですよ!?」
L「まぁ、一坪様はお優しいから♪ついでに、そっちにも説明があります!
ちゃんと読んでから投票しないと、混沌の底にコンクリづけで沈めちゃるわよっ!!」
S「それにここは小説のコーナーであって、ランキングのコーナーではないですからね〜」
L「むかっ」
どげしばこどがががずどきゅおぉぉんっ!!!
L「…あ、あとできたら感想も書いてね♪お名前は、匿名でも本名でもPNでもなんでもOK! 」
S「なんかすごいことに…いちちちちち…」
L「参加資格は特になし。ついでに苦情つきでもOK。マイナス票は絶対不可。
それから、小説でてる人は、自分に投票しても可。複数投票は原則的になしとします」
S「受付期間は?投票結果はどこでやるんですか?」
L「とりあえず様子を見ます。結果発表はここで、このシリーズで発表すると思うけど。
受付期間は、今のところ一ヶ月ぐらいの予定。全く集まらない場合は、期間をのばします。」
S「全く集まらない気が…」
めしどかちゅごごごずどがじょーーーーーーーんっ!!!!
L「さぁっ!全国の約1億万人のあたしのファンのみんな!今こそたちあがる時よ!!」
作「リナとかアメリアとかゼロスとかには応募しちゃいけないの?」
L「うぅ〜ん…それいれると集計爆発して作者の保険金が…って、それはそれでいーとしても。
そーゆーのはナシ、ということにします。でもケインやミリィやキャナルは、でてるからアリね♪
作中に通り名で出てきたリナやゼルガディスは省きます。現時点で存在するものだけ、ということで…」


例)
作中より。
「はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!?
そおぉんなぁ、リナ=インバースもびっくりよっ!!?」(べるぜさん)
「セレスッ!あんたまさか美的感覚リナ=インバースよりないんじゃないっ!?」(ロディさん)
投票、リナ
不可。
投票、リナ=インバース
それでも不可。

「なによっ!第一、なんなのよそのおじょおさまちっくな変な髪型っ!マルチナ?あんたっ!!
「たてまきロールよっ!緩めにするのがたいっへんなんだからぁっ!おさげにいわれたくないわよっ!」
「ふっ!ゼルディガスのあの髪型にくらべれば!」
「ば〜かゼガルディスでしょ〜なに名前まちがえてんのよおーほほほっ!」
「ゼルガディス、よ。」
(ロディさん、ティナさん、火眼黒翔貎さん)
投票、マルチナ
不可。
投票、ゼルガディス
やっぱし不可。
投票、ゼガルディス
無論不可。

やはり人間、愛と正義で生きるのみですっ!byアメリア
投票、アメリア
申し訳ありませんがこれも不可。

S「つまり、動いたりセリフを持ってたりしている方を投票ってわけですね」
L「アナウンスさんも可。愛知県匿名希望様なんかも、作中に出ているので可とします」
作「…じゃあLねーちゃん、あんたはどーなんの?」
L「あたしはOK。SもOK。ついでに言うなら作者は不可♪」
作「でもねーちゃんになんてマイナス票くらいしか…」
ぐさっ!!ぼぐっ!!ごがらぁっ!!みしみしっ!!きゅいぃぃぃぃぃぃんっっ!!!!!
L「それでわみなさぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜んっ!
スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達11でお会いいたしましょうっ!!さようならぁ〜!!!」

《超ミニミニL・S劇場、終わり》

mmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmmm

超スペシャルミニミニ作者劇場(おひ)
如何でしたでしょうか?これでロスユニ編は完結であります。
今回はシリアス路線でいくことはなかったハズ…とゆーかこの小説ではそんなことはなかったのに(笑)
やはりキャラクターって勝手に動き出すんですねぇ〜…
今回は自分としてはかなり真面目にしてみましたがどうでしょう?
最後の方はいつものとおりですけど(爆)
それでわぁ〜〜〜〜〜っ!感想苦情、心からお待ちしておりまぁ〜すっ!(^^)
ついでに人気投票よろしくおねがいしまぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜すっ!m(_ _)m

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2981Re:スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達7一坪 E-mail URL6/7-01:22
記事番号2927へのコメント
めなりんさんは No.2927「スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達7」で書きました。
>「全システム異常無し。航路、銀河エリア8−2−G琴座、べガへ。設定完了」
>『オーケイ。八番ドック、ゲート開きます』
>うぃぃぃ…ん…
>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
>「ソードブレイカー発進準備完了!」
>「GO!」
>キャナルの明快な声と、ケインの指示に、ソードブレイカーは今、宇宙へと飛び出した。

一坪って何者?

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3068パパありがとうございますぅ☆めなりん 6/14-08:18
記事番号2981へのコメント
>>「全システム異常無し。航路、銀河エリア8−2−G琴座、べガへ。設定完了」
>>『オーケイ。八番ドック、ゲート開きます』
>>うぃぃぃ…ん…
>>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
>>「ソードブレイカー発進準備完了!」
>>「GO!」
>>キャナルの明快な声と、ケインの指示に、ソードブレイカーは今、宇宙へと飛び出した。
>
>一坪って何者?

多くの顔を持つ男(爆)

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3106Re:パパありがとうございますぅ☆くすくすK伯爵 6/17-05:45
記事番号3068へのコメント
めなりんさんは No.3068「パパありがとうございますぅ☆」で書きました。
>>>「全システム異常無し。航路、銀河エリア8−2−G琴座、べガへ。設定完了」
>>>『オーケイ。八番ドック、ゲート開きます』
>>>うぃぃぃ…ん…
>>>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
>>>「ソードブレイカー発進準備完了!」
>>>「GO!」
>>>キャナルの明快な声と、ケインの指示に、ソードブレイカーは今、宇宙へと飛び出した。
>>
>>一坪って何者?
>
>多くの顔を持つ男(爆)

(笑)、一体どれだけの顔があるんだろう?

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3162くすくす☆ってK伯爵ってば♪めなりん 6/20-21:56
記事番号3106へのコメント
K伯爵さんは No.3106「Re:パパありがとうございますぅ☆くすくす」で書きました。
>めなりんさんは No.3068「パパありがとうございますぅ☆」で書きました。
>>>>「全システム異常無し。航路、銀河エリア8−2−G琴座、べガへ。設定完了」
>>>>『オーケイ。八番ドック、ゲート開きます』
>>>>うぃぃぃ…ん…
>>>>管制室の一坪さん(ふっふっふ)からの通信と同時に、開いていくドックから、宇宙が垣間見える。
>>>>「ソードブレイカー発進準備完了!」
>>>>「GO!」
>>>>キャナルの明快な声と、ケインの指示に、ソードブレイカーは今、宇宙へと飛び出した。
>>>
>>>一坪って何者?
>>
>>多くの顔を持つ男(爆)
>
>(笑)、一体どれだけの顔があるんだろう?

それは、秘密です(^b゜)

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2980Re:スレイヤーズの魔族達あ〜んど住人達5愛知県匿名希望 E-mail URL6/7-01:06
記事番号2925へのコメント
>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
>「え〜只今、緊急事態が発生いたしましたっ!
> 場所、サンブルグのマジック・ショップ。日時、心地よい昼下がり。
> なんとデモン・ブラッドを持ち去ったと思われていた一人(?)海王ゆかりさんが
> 現れました!その上、きっちししらをきりまくっておりますっ!
> K伯爵ってば、まぁたかたまっちゃってぇ…んもう、純情ですねぇ…くすくす。
> んでわでわっ!リポーターはそりゃぁもぅ、作者ぶっ刺してリポーター占拠した、
> セイルーンの近くの山にいたはずの愛知県匿名希望様、その名もずばりぃっ!!!」
>めきずしゃぁっ!
>
>「皆様、今のとこは飛ばして下さい。
>ちなみにあたしは、1センチのショート・ソードで蝉状態で半殺しにされた間抜けな…」
>ごがぁっ!!
>
>「愛知県匿名希望のその名は…っ!」
>
>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪(時間切れ)

ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
「愛知県匿名希望さんからのお知らせです。

 正体ばらしたら血の雨が降るでしょう。くっくっくっ。

 以上です。お心当たりの方はご注意下さい。」
ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪

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3069愛知県匿名希望様へのラブレター(爆)めなりん 6/14-08:24
記事番号2980へのコメント
>>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
>>「え〜只今、緊急事態が発生いたしましたっ!
>> 場所、サンブルグのマジック・ショップ。日時、心地よい昼下がり。
>> なんとデモン・ブラッドを持ち去ったと思われていた一人(?)海王ゆかりさんが
>> 現れました!その上、きっちししらをきりまくっておりますっ!
>> K伯爵ってば、まぁたかたまっちゃってぇ…んもう、純情ですねぇ…くすくす。
>> んでわでわっ!リポーターはそりゃぁもぅ、作者ぶっ刺してリポーター占拠した、
>> セイルーンの近くの山にいたはずの愛知県匿名希望様、その名もずばりぃっ!!!」
>>めきずしゃぁっ!
>>
>>「皆様、今のとこは飛ばして下さい。
>>ちなみにあたしは、1センチのショート・ソードで蝉状態で半殺しにされた間抜けな…」
>>ごがぁっ!!
>>
>>「愛知県匿名希望のその名は…っ!」
>>
>>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪(時間切れ)
>
>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
>「愛知県匿名希望さんからのお知らせです。

> 正体ばらしたら血の雨が降るでしょう。くっくっくっ。

> 以上です。お心当たりの方はご注意下さい。」
>ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪

ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪
「作者からのお知らせです。

血の雨はスタジオ内に飛び散るそうです。

至急レイン・コートに身を包んで下さい。

尚、誰かが死亡しても、原因不明のものとみなします。

以上です。お心当たりのあるそこの方、ご注意下さい。」
ぴぃ〜んぽぉ〜んぱぁ〜んぽぉ〜ん♪



今書いてて気付いたこと。
「原因」を
「げいいん」
で変換してしまうと
「鯨飲」
となりますね(謎)