◆−一言から。−氷月椋佳 (2004/2/8 14:45:35) No.29298


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29298一言から。氷月椋佳 E-mail URL2004/2/8 14:45:35




−一言から。−



『あなたの気持なんて知らないから私は空へ飛びたつの』

『愛しさなんてもう無い。だから手なんか掴まない』

『微笑むことさえ疲れたから、変わることの無い人形に』

『信じてなんていわない。だから裏切っても良いでしょう』

『私が幸せそうに見えるなら、あなたはきっと幸せね』

『あの頃は涙を流したのに、君に似た者を失ったとき涙さえもうなかったんだ』





ふと気が付くと、自分の目の前が暗いものに覆われていた。



「お前なにみてんだよ?」

その正体の後ろから覗いてきた青年に、バシッと先ほどまで読んでいた本をぶつけた。

「〜っ。何すんだっ!?」

「だって読むのじゃまするんだもん」

先ほどの本を手に取り、再び読み始めた。だが、その行動を青年は面白なさそうに言った。

「それそんなにおもしれぇかぁ?」

「少なくともあんたよりかは面白い」

あぁそうかい、と青年は違う方向を見ながら煙草を吸い始めた。



どれくらいたった頃だろうか、青年はいつの間にか寝ている相手の手の中にある本を手に取った。

そしてその本のタイトルは。


「・・・・はぁ。そういうこと」




『People use language to communicate with one another』




「ってゆーか。あたりまえじゃねぇか」


バシッ。


「いでっ!!」

振り返るとそこには、眠そうな顔をしながら殺気を飛ばしている者がいた。



「あははは。何見てるのかな」


「・・・・・・・気のせいだろ?」








あとがき。

完全オリジナル小説です。
・・・オリジナルって久しぶりに書きましたね。
ちなみに上の英文を訳すと『人間は意思を伝え合うのに言葉を使う』
になります。
最初の言葉はもう授業中にこそこそ考えてました・・・。
考えた後何かこれで出来ないかな〜と、思って出来たのがこれ。

少しでも楽しんでいただけたなら幸いです。
ではでは。ここまで読んでくれた方、有難うございました。