◆−異邦の彼方より (18)−棒太郎 (2004/2/18 17:46:06) No.29377 ┣嵐の前の静けさ、でしょうか。−エモーション (2004/2/20 00:36:51) No.29387 ┃┗そうですね−棒太郎 (2004/2/20 22:55:27) No.29394 ┣異邦の彼方より (19)−棒太郎 (2004/2/23 14:14:00) No.29423 ┃┗タイタスさんに勇者(笑)の称号を授けましょう……。−エモーション (2004/2/23 22:11:40) No.29427 ┃ ┗ある意味、勇者です(笑)−棒太郎 (2004/2/24 14:12:35) No.29429 ┣異邦の彼方より (20)−棒太郎 (2004/2/24 16:05:39) No.29431 ┣異邦の彼方より (21)−棒太郎 (2004/2/24 20:54:38) No.29441 ┃┗フー・マンチューさんとリュウゼンさん。人外の戦いになりそう……−エモーション (2004/2/24 23:02:34) No.29442 ┃ ┗誰も入り込めません−棒太郎 (2004/2/27 22:45:02) No.29461 ┗異邦の彼方より (22)−棒太郎 (2004/3/3 17:26:47) No.29502 ┗セイルーン王家の黒歴史ですね−エモーション (2004/3/3 22:32:31) No.29505 ┗やっとこさ、事の真相が出始めました−棒太郎 (2004/3/5 00:19:45) No.29520
29377 | 異邦の彼方より (18) | 棒太郎 | 2004/2/18 17:46:06 |
こんばんは、棒太郎です。 ツリーが下のほうまで来てるので、新たに。 今日は『ロード・オブ・ザ・リング』を観てきました。いや、凄い迫力でした。 あと、サムの忠義心に涙。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『異邦の彼方より』 (18) 午後の日差しが緩やかに執務室に差し込んでくる。 ゴットフリードは黒壇の机に向かい、様々な書類を捌いていたが、一息つくと傍らのティーカップを手に取った。 温くなったお茶を一口飲み、フゥッと息を吐いた。 奪われたプレートはすべて取り戻すことができた。 しかし、中央は薄々感ずいているようであるし、いずれ彼らの手がこちらに向けられてくるのは時間の問題であろうと思われた。 急いで調べ上げなければならないな―――そう思ったとき、ドアをノックする音が聞こえた。 ゴットフリードが呼びかけると、初老の執事が部屋に入ってきた。 「ゴットフリード様・・・・・・あの、お客様がお見えになっておられまして――――」 「客?今日は誰ともそんな約束はしてないが・・・・・・どうした、マーキンス?」 執事がどこか落ち着かない様子を見せているのに、不審に思い、問いかけると、 「いえ・・・その・・・・・・お見えになられているお客様なのですが・・・・・・・・それが・・・アメリア王女様とのことで―――」 「な、何っ!?」 さすがに驚いて、飲みかけていたお茶を危うく噴き出しそうになってしまった。 「いやぁ、申し訳ありませんねぇ。すぐに気が付きませんで。」 館に向かう道筋の途中で、タイタスが軽い調子で詫びてきた。 「僕もサナちゃんもセイルーンの人間じゃないもので、今イチ中央の政治の状況には疎いんですよ。」 「タイタスさんたちは他の国からセイルーンに来たんですか?」 「まあ、僕だけじゃなく、結構ここにはそういう人たちがいますよ。理由は様々ですけどね。戦争やらなにやらで流浪せざるを得なかった人たちが大半ですかね。」 あ、でも逃亡している犯罪者とかは一人もいませんよ―――タイタスはそう言った。 「・・・・・・わたしも、貧しい農家の生まれで借金のカタに金貸しに売り飛ばされたんです。娼館かどこかに売られるところを偶々、ゴットフリード様に拾われて・・・・・それでお側で働かせていただいてるんです。」 「そうだったんですか・・・・・・」 アメリアがしんみりと呟いた。 「女の人は大概人買いに売られた人たちですね。ゴットフリードさんはそういった人たちを自由にして、仕事の世話をしてあげたりしてますね。」 本当に人間のできた人ですよ―――タイタスの言葉に、ゼルガディスはふぅんと呻いた。 実際、話に聞いてもなかなか立派な領主である。それほどまでの人間はそうはいない。 (なんだかこんがらがってきそうだな・・・・・) 国家反逆の疑惑者と身近な人物から聞く領主像とが絡まって、なかなかちゃんとした姿が思い描けなかった。 「あ、もうすぐですよ。ちょっと僕は先に行って知らせてきますね。」 領主の館は聞いていた通り、華美な装飾のほとんどない質素な、だが歴史を感じさせる佇まいだった。 館の内も表と変わらず、華美な物のない質素なものであった。 玄関のメインホールをぐるりと見回していると、左右に分かれた大階段の上から人が降りてきた。 「アメリア様!?なんと、まさしく・・・・・・・」 驚きと困惑の色を浮かべながらも、ゴットフリードは二人の前へとやって来た。 「お久しぶりです。ゴットフリードさん。」 「アメリア様・・・・・・しばらくの無沙汰、誠に申し訳ございません・・・・・しかし、一体何故こちらへ・・・・?」 「それは―――」 言いかけて、ゴットフリードがそれを制した。 「私としたことが、このような玄関先にお立ちさせたままで申し訳ございません。とりあえず、部屋へお入りください。すぐに準備させますので。」 そう言い、ゴットフリードは二人を中へと案内した。 フードを取って顔を晒したゼルガディスに、一瞬怪訝そうな表情を浮かべたが、それもすぐに消え、変わらず礼をとった。 途中、若いメイドの一人がゼルガディスを見てそそくさと目をそらした。 それを認めたゴットフリードは短く、だが激しく怒りの声をあげた。 「ゼルガディス殿。館の者の無礼、申し訳ない。」 「あ、いや・・・・・別に気にしちゃいない・・・・・・誰でもこれは驚くだろうからな。」 応接室に案内された二人は、この館で少しばかりの贅沢といえそうな厚手の革張りのソファに腰を下ろし、その向かいにゴットフリードが腰掛けた。 「アメリア様・・・・・・何故こちらへおいでに?王宮のほうからは何も覗っておりませんが?」 お茶を運んできたメイドを下がらせ、ゴットフリードが本題に入った。 「それは――――」 「実は王宮でな―――あんたに関しての誹謗が横行していてな。」 ゼルガディスが横から口を挟んだ。下手に言い繕うより、ある程度真実を述べたほうがいいだろうと思ってのことだった。 「誹謗?」 「ああ、それもかなり性質の悪いもののようらしい。いや、実際一部の者には事実と受け取る輩もいるとのことらしい。」 「ふん・・・・・・どのようなものかは知らないが、誹謗中傷には慣れている。」 ゴットフリードはやれやれと息をついた。 「だが、事によっちゃあんたの罷免に関わるかも知れない。いや、そうした動きもある。」 ほう――とゴットフリードは眉を吊り上げた。 「けれども、アメリア・・・・・王女はあんたを信じているんでな。その話は信じられないとして、非公式にこうしてやってきたわけだ。」 相手が何処まで気が付いているのかは知らないが、これくらいが精一杯だった。 我ながら苦しい解説だ――とゼルガディスは思った。 ゴットフリードはアメリアのほうに視線を向けた。 奥底に悲痛な色を潜めた瞳を真っ直ぐに、こちらに向けていた。 (王室から何かしら探りに来たわけではないのか・・・・・・・まあ、この方がそのような行動をするわけもないしな・・・・・・) ゴットフリードも正確にアメリアの性格を読み取っていた。 「・・・・・・まあ、私が何かしら、悪く言われるのに身に覚えが無いわけでももありません・・・・・・・恥を晒すようですが、確かに過去に私の先祖と中央とでちょっとした確執がありましてね。未だにその因縁を―――」 引きずっているところがあります―――ゴットフリードはそう言った。 「加えて、アーデンハイル家の者は代々頑固者なところがありまして。そうしたこともあって、中央と折り合いが良いとは言えません。」 「でも、ゴットフリードさんは素晴らしい人です。そんな悪く言われるようなことなんて―――」 勿体無いお言葉、恐縮です―――ゴットフリードは深々と頭を下げた。 「しかし、そうした高名はすべて代々の先祖が積み重ねた偉業があってのこと。私自身は虎の威を借りているだけに過ぎません。」 「そんあことはありません!こちらに来る前にもタイタスさんやサナさんからゴットフリードさんのことを聞きました。とても人間のできた人だと―――」 「ま、まあ、そういった訳で、アメリア様はあんたの無実を証明したくて、ここまで来たんだ。」 話が逸れそうになるのを、慌ててゼルガディスが修正に入った。 「そうですか・・・・・・そのようなご足労をおかけしてしまって、本当に申し訳ございません。ただ、やはりお父上や周りの方々にご迷惑はおかけしないほうがよろしいかと・・・・・・」 さりげなく釘を刺すことは忘れなかった。アメリアもこれにはウッと言葉を詰まらせてしまう。 「しかし、これも私の不徳の致すところ・・・・・・・近いうちに中央へ参りましょう。」 そう言って、ゴットフリードはにこりと微笑んだ。 「さて、今日はこちらへお泊まりになって、ゆっくりと休んでください。宴の準備もいたしますので」 「いえ、そんな突然お邪魔したのに悪いです。」 「しかし、王家の方を下々の宿へお泊めさせるわけには―――」 「大丈夫です。それにわたし、この街の雰囲気とても好きですから。」 それでもそのようなご無礼は―――、大丈夫です―――と押収が続いたが、結局ゴットフリードのほうが折れた。 「分かりました・・・・・・それではこの街でも一級の宿へご案内いたします。私の紹介状も書きますので、それをお持ちください。」 そうして、ゴットフリードは呼び鈴を鳴らした。 「はいはい、お呼びですか。」 少しして、応接室にタイタスがやって来た。 「タイタス、こちらのお二方を宿のほうへ案内してくれ。くれぐれも失礼の無いようにな。」 「はい、畏まりました。」 タイタスを先頭に、二人は部屋を後にした。 「ふう、まさかアメリア様がやって来られるとはな・・・・・少しやりにくくなったな。」 アメリアの真っ直ぐな瞳を思い出し、呟いた。 「ゴットフリード、どうする?」 「どうするもなにも、カーライル。当初の予定通りに進めるよ。」 「そうか・・・・・・君がそういうなら別に良いが・・・・・・」 カーライルの言葉に、ゴットフリードは問返した。 「何かきになることでも?」 「いや・・・・・・・ゴットフリード、君は女、子供を殺せと言われれば殺せるか?」 「それは・・・・・・・・まさか、カーライル!」 「いや、今のはただの問いかけだ。だが、君に外道仕事はできん。そのために私がいることを忘れないでくれ。」 その言葉と共に、カーライルの気配は消えた。 「それは本当ですか?」 「本当じゃ。なんとも奇妙な縁じゃて。」 「確かにねぇ。何か裏の人間を呼んだかと思えば、その中に御老がいるし――」 「そりゃ、こっちの台詞じゃわい。今度は何処に行ったかと思えば、こんなところでそんな真似しとるし。まったく、セパルグレイブ卿の嘆く顔が目に浮かぶようじゃ。」 「ははは、それはまあ仕方ないでしょう。」 「それになんじゃ、あの女子は?結構いい雰囲気ではないか?」 「ちょっと、ちょっと。それは誤解ですよ。彼女には心に想う人がいるんですよ。勿論僕にだって、いますし。」 「なに、必死になっとるんじゃ。わかっとるわい、お主が想い人一筋ということは。」 「ったく、そんな冗談よしてください。いつか馬に蹴られますよ。」 「ひょ、ひょ。昔から恋愛談義はいい話のタネよ。」 「しかし、もう”嵐”は目の前ですか・・・・・・」 「うむ。いずれにせよ、これは避けられぬわ。すぐに起こるぞ。」 ************************************* 続きでした。 今回も緩やかな展開になってしまいました。 次に期待です。 それではまた次回。 |
29387 | 嵐の前の静けさ、でしょうか。 | エモーション E-mail | 2004/2/20 00:36:51 |
記事番号29377へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 ゼル&アメリアとゴットフリードさんのご対面、第一ラウンドですね。 さすがにいきなりアメリア来るとは思わなかったゴットフリードさんと、 とにかく「確かめたい」一心で来てしまったアメリア、そして対策考える前に 直接対面になってしまったゼルでは、互いに様子を見つつ、軽いジャブの 応酬くらいしかできませんね。やはり。 そして、どうしても交渉はゼルに回っているのですね。 ……頑張れ、ゼル。これも将来のための修業(笑)←勝手に決めてます(笑) >今日は『ロード・オブ・ザ・リング』を観てきました。いや、凄い迫力でした。 >あと、サムの忠義心に涙。 >それでは続きをどうぞ。 第一部を観て、「これは最後に纏めてみよう」と思ったクチです(笑) いえ、だって第一部のラストで「ここで終わりかーーっ!!」と思ったもので。 原作ファンの妹が誉めてますから、出来は安心はしていましたが、 これは期待していいのですね♪ >奪われたプレートはすべて取り戻すことができた。 >しかし、中央は薄々感ずいているようであるし、いずれ彼らの手がこちらに向けられてくるのは時間の問題であろうと思われた。 >急いで調べ上げなければならないな―――そう思ったとき、ドアをノックする音が聞こえた。 ゴットフリードさんも、プレートについてはまだよく分かっていない部分があるのですね。 ……面倒なものじゃないと良いのですが……。 >「いえ・・・その・・・・・・お見えになられているお客様なのですが・・・・・・・・それが・・・アメリア王女様とのことで―――」 >「な、何っ!?」 >さすがに驚いて、飲みかけていたお茶を危うく噴き出しそうになってしまった。 これはまあ……当然の反応でしょうね……(^_^;) 昨日の今日で、いきなり王族が現れるとは、普通、思いませんし。 >「まあ、僕だけじゃなく、結構ここにはそういう人たちがいますよ。理由は様々ですけどね。戦争やらなにやらで流浪せざるを得なかった人たちが大半ですかね。」 >あ、でも逃亡している犯罪者とかは一人もいませんよ―――タイタスはそう言った。 流通が盛んで余所者でも住みやすい……となれば、活気が出るのも当然ですね。 その辺りは領地を治める段階で、当然頭に入っているものですが、元から住んでいる者が 排他的にならない、変な摩擦が起きないような土地柄にするのは、かなり大変でしょう。 これは相当な手腕ですね。 >実際、話に聞いてもなかなか立派な領主である。それほどまでの人間はそうはいない。 >(なんだかこんがらがってきそうだな・・・・・) >国家反逆の疑惑者と身近な人物から聞く領主像とが絡まって、なかなかちゃんとした姿が思い描けなかった。 確かに「何故?」と思いますよね。ただ反逆をする者は必ず、どうしようもない領主で、 オレ様万歳系や真性電波(笑)とは限らないので、(というか、そんな奴が 反逆しても確実に失敗する。成功しているのは統治者としては良い人物が ほとんどですし)見極めはほんとに難しいと思います。 >フードを取って顔を晒したゼルガディスに、一瞬怪訝そうな表情を浮かべたが、それもすぐに消え、変わらず礼をとった。 >途中、若いメイドの一人がゼルガディスを見てそそくさと目をそらした。 >それを認めたゴットフリードは短く、だが激しく怒りの声をあげた。 >「ゼルガディス殿。館の者の無礼、申し訳ない。」 >「あ、いや・・・・・別に気にしちゃいない・・・・・・誰でもこれは驚くだろうからな。」 さすがに、人間出来てますね。ゼルとしてもこういう人を疑い、敵対する 可能性がある、と警戒しなきゃいけないのは残念でしょうね。 >「けれども、アメリア・・・・・王女はあんたを信じているんでな。その話は信じられないとして、非公式にこうしてやってきたわけだ。」 >相手が何処まで気が付いているのかは知らないが、これくらいが精一杯だった。 >我ながら苦しい解説だ――とゼルガディスは思った。 本当にこれしか言い様がないですよね。 ついでに言えばアメリアの思考と行動に関しては、思いっきり事実ですし。 >奥底に悲痛な色を潜めた瞳を真っ直ぐに、こちらに向けていた。 >(王室から何かしら探りに来たわけではないのか・・・・・・・まあ、この方がそのような行動をするわけもないしな・・・・・・) >ゴットフリードも正確にアメリアの性格を読み取っていた。 ゴットフリードさんくらいの人なら、アメリアがどんな人物かなんてすぐに 分かるのでしょうし、確執や因縁を抜きにすれば、アメリア個人に悪感情は 持っていないでしょうしね。 >「ふう、まさかアメリア様がやって来られるとはな・・・・・少しやりにくくなったな。」 >アメリアの真っ直ぐな瞳を思い出し、呟いた。 さすがに、アメリアのような人間の前では、あまり公に出来ないような行動は、 しにくいですよね。どうしても気分的に。 >「いや・・・・・・・ゴットフリード、君は女、子供を殺せと言われれば殺せるか?」 >「それは・・・・・・・・まさか、カーライル!」 >「いや、今のはただの問いかけだ。だが、君に外道仕事はできん。そのために私がいることを忘れないでくれ。」 >その言葉と共に、カーライルの気配は消えた。 カーライルさん……確かに「仕事」と割り切れば、大概のことはできるのでしょうけれど、 何やら不穏なことを考えてますね。「気持ちを汲んで」とか「先のことを考えて」と、 ゴットフリードさんが何か言う前に、自主的な判断で行動したりしないといいのですが。 ……でも、宿に様子見には忍んできそうですね。 >「そりゃ、こっちの台詞じゃわい。今度は何処に行ったかと思えば、こんなところでそんな真似しとるし。まったく、セパルグレイブ卿の嘆く顔が目に浮かぶようじゃ。」 >「ははは、それはまあ仕方ないでしょう。」 >「それになんじゃ、あの女子は?結構いい雰囲気ではないか?」 >「ちょっと、ちょっと。それは誤解ですよ。彼女には心に想う人がいるんですよ。勿論僕にだって、いますし。」 >「なに、必死になっとるんじゃ。わかっとるわい、お主が想い人一筋ということは。」 >「ったく、そんな冗談よしてください。いつか馬に蹴られますよ。」 >「ひょ、ひょ。昔から恋愛談義はいい話のタネよ。」 >「しかし、もう”嵐”は目の前ですか・・・・・・」 >「うむ。いずれにせよ、これは避けられぬわ。すぐに起こるぞ。」 これはタイタスさんとフー・マンチューさんですね。2人は知り合いだったのですね。 会話からすると、タイタスさんは実はそれなりの身分の人なのでしょうか。 そしてフー・マンチューさんと同様にプレートの秘密を知っている……。 タイタスさんはその事でどう動くのかな、と思いました。 >続きでした。 >今回も緩やかな展開になってしまいました。 >次に期待です。 >それではまた次回。 作中の言葉を借りれば〃嵐〃の前の静けさ、というところなのでしょうね。 宿に移ったゼルとアメリア。予定通り行動を起こすつもりのゴットフリードさん。 次にどのような展開になるのか、楽しみです。 それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 続きをお待ちしています。 |
29394 | そうですね | 棒太郎 | 2004/2/20 22:55:27 |
記事番号29387へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >ゼル&アメリアとゴットフリードさんのご対面、第一ラウンドですね。 >さすがにいきなりアメリア来るとは思わなかったゴットフリードさんと、 >とにかく「確かめたい」一心で来てしまったアメリア、そして対策考える前に >直接対面になってしまったゼルでは、互いに様子を見つつ、軽いジャブの >応酬くらいしかできませんね。やはり。 >そして、どうしても交渉はゼルに回っているのですね。 >……頑張れ、ゼル。これも将来のための修業(笑)←勝手に決めてます(笑) こんばんは、エモーションさん。 第一ラウンド開始です(笑) お互いにあまり順部ができてない状態での対面ですので、軽いジャブにしかなりません。 >>今日は『ロード・オブ・ザ・リング』を観てきました。いや、凄い迫力でした。 >>あと、サムの忠義心に涙。 >>それでは続きをどうぞ。 > >第一部を観て、「これは最後に纏めてみよう」と思ったクチです(笑) >いえ、だって第一部のラストで「ここで終わりかーーっ!!」と思ったもので。 >原作ファンの妹が誉めてますから、出来は安心はしていましたが、 >これは期待していいのですね♪ 期待していいと思います。凄いスケールです。 >>急いで調べ上げなければならないな―――そう思ったとき、ドアをノックする音が聞こえた。 > >ゴットフリードさんも、プレートについてはまだよく分かっていない部分があるのですね。 >……面倒なものじゃないと良いのですが……。 かなり昔に、行方知れずになったものがありますから、そのときに伝承も一緒に失われてしまったものもあります。 >>「な、何っ!?」 >>さすがに驚いて、飲みかけていたお茶を危うく噴き出しそうになってしまった。 > >これはまあ……当然の反応でしょうね……(^_^;) >昨日の今日で、いきなり王族が現れるとは、普通、思いませんし。 まあ、確かに(笑) 寝耳に水ですからね。 >>「まあ、僕だけじゃなく、結構ここにはそういう人たちがいますよ。理由は様々ですけどね。戦争やらなにやらで流浪せざるを得なかった人たちが大半ですかね。」 >>あ、でも逃亡している犯罪者とかは一人もいませんよ―――タイタスはそう言った。 > >流通が盛んで余所者でも住みやすい……となれば、活気が出るのも当然ですね。 >その辺りは領地を治める段階で、当然頭に入っているものですが、元から住んでいる者が >排他的にならない、変な摩擦が起きないような土地柄にするのは、かなり大変でしょう。 >これは相当な手腕ですね。 ここら辺は、アーデンハイル家の長年の苦労の賜物ですね。 それにもともと実りのよくない土地で、人も少ないとなると、余所から来た人たちも受け入れて、人手を多くしたほうがいいですし。 >>国家反逆の疑惑者と身近な人物から聞く領主像とが絡まって、なかなかちゃんとした姿が思い描けなかった。 > >確かに「何故?」と思いますよね。ただ反逆をする者は必ず、どうしようもない領主で、 >オレ様万歳系や真性電波(笑)とは限らないので、(というか、そんな奴が >反逆しても確実に失敗する。成功しているのは統治者としては良い人物が >ほとんどですし)見極めはほんとに難しいと思います。 特権階級意識を振りかざすひとはえてしてそう言う人が多いですからね。無理も無いと思います。 >>それを認めたゴットフリードは短く、だが激しく怒りの声をあげた。 >>「ゼルガディス殿。館の者の無礼、申し訳ない。」 >>「あ、いや・・・・・別に気にしちゃいない・・・・・・誰でもこれは驚くだろうからな。」 > >さすがに、人間出来てますね。ゼルとしてもこういう人を疑い、敵対する >可能性がある、と警戒しなきゃいけないのは残念でしょうね。 基本的には人間が出来た人物ですので。ゴットフリードは。 >>「けれども、アメリア・・・・・王女はあんたを信じているんでな。その話は信じられないとして、非公式にこうしてやってきたわけだ。」 >>相手が何処まで気が付いているのかは知らないが、これくらいが精一杯だった。 >>我ながら苦しい解説だ――とゼルガディスは思った。 > >本当にこれしか言い様がないですよね。 >ついでに言えばアメリアの思考と行動に関しては、思いっきり事実ですし。 嘘ではないですからね。 その辺を強調すれば、あまり怪しくは思わないでしょうし。 >>(王室から何かしら探りに来たわけではないのか・・・・・・・まあ、この方がそのような行動をするわけもないしな・・・・・・) >>ゴットフリードも正確にアメリアの性格を読み取っていた。 > >ゴットフリードさんくらいの人なら、アメリアがどんな人物かなんてすぐに >分かるのでしょうし、確執や因縁を抜きにすれば、アメリア個人に悪感情は >持っていないでしょうしね。 王室に対しては確執があっても、個人に対しては別です。 特にアメリアのような人物に関しては。 >>「ふう、まさかアメリア様がやって来られるとはな・・・・・少しやりにくくなったな。」 >>アメリアの真っ直ぐな瞳を思い出し、呟いた。 > >さすがに、アメリアのような人間の前では、あまり公に出来ないような行動は、 >しにくいですよね。どうしても気分的に。 彼もアメリア個人をも憎んでるわけではないですし。 どちらかといえば、好意的に見ています。 >>「いや、今のはただの問いかけだ。だが、君に外道仕事はできん。そのために私がいることを忘れないでくれ。」 >>その言葉と共に、カーライルの気配は消えた。 > >カーライルさん……確かに「仕事」と割り切れば、大概のことはできるのでしょうけれど、 >何やら不穏なことを考えてますね。「気持ちを汲んで」とか「先のことを考えて」と、 >ゴットフリードさんが何か言う前に、自主的な判断で行動したりしないといいのですが。 >……でも、宿に様子見には忍んできそうですね。 まあ、先走ったことはしませんが・・・・・・・ ただ力が解放されたため、依然とは少し人間が変わってしまっているところもあります。 >>「なに、必死になっとるんじゃ。わかっとるわい、お主が想い人一筋ということは。」 >>「ったく、そんな冗談よしてください。いつか馬に蹴られますよ。」 >>「ひょ、ひょ。昔から恋愛談義はいい話のタネよ。」 >>「しかし、もう”嵐”は目の前ですか・・・・・・」 >>「うむ。いずれにせよ、これは避けられぬわ。すぐに起こるぞ。」 > >これはタイタスさんとフー・マンチューさんですね。2人は知り合いだったのですね。 >会話からすると、タイタスさんは実はそれなりの身分の人なのでしょうか。 >そしてフー・マンチューさんと同様にプレートの秘密を知っている……。 >タイタスさんはその事でどう動くのかな、と思いました。 この人たちはあの二人です。 タイタスの正体も、いずれ後ほど明らかになります。 >>続きでした。 >>今回も緩やかな展開になってしまいました。 >>次に期待です。 >>それではまた次回。 > >作中の言葉を借りれば〃嵐〃の前の静けさ、というところなのでしょうね。 >宿に移ったゼルとアメリア。予定通り行動を起こすつもりのゴットフリードさん。 >次にどのような展開になるのか、楽しみです。 >それでは、今日はこの辺で失礼いたします。 >続きをお待ちしています。 ”嵐”はもうすぐ起こると思います。 アルベルトも領地に入ってきてますし、それに対してカーライルも動くでしょうし。 後、ジゴマも控えてますし。 また、入り乱れてくると思います。 それではどうもありがとうございました。 |
29423 | 異邦の彼方より (19) | 棒太郎 | 2004/2/23 14:14:00 |
記事番号29377へのコメント こんにちは、棒太郎です。 最近何故か眠りがスッキリしなくて困ってます。 ぐっすり寝た気がしません。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『異邦の彼方より』 (19) 夜が静かに更けていこうとしてゆく。 その中を蠢くようにいくつかの影が動いていた。 静かに、辺りを警戒しながら、ゆっくりとゴットフリードの館に近づいていった。 そして、その光景をまた、ひとつの影が街の鐘楼の上から見下ろしていた。 「おやおや、動き出したかい。さっそく舞台の開幕さね。」 愉しそうに影――ジゴマは笑った。 椅子に腰掛け、ゼルガディスは剣を手にしながら隣室の様子を覗っていた。 隣の部屋では、アメリアがもう眠りについているはずだった。 しかし、ここはいわば敵地とのいえる処。ゼルガディスは念の為、寝ずの番を決め込んだ。 ランプの灯りがゆるゆると煌めいていた。 宿の者には、タイタスが紹介状と共に、ゴットフリードの古くからの知り合いの子とその供と紹介してくれた。 領主様の大切な客人ということで、宿のほうもいつも以上の応対ぶりだった。 まあ、そう無碍に遠慮するのもなんだと思い、向こうにまかせていたが、ただタイタスがダブルベッドのついたスウィートルームを手配しようとした時は、慌てて取り押さえた。 「まあまあ、ゆっくり旅の疲れを取ってくださいよ。ふ・た・り・で♪」と言ったタイタスに思いっきりゲンコツを喰らわしてしまった。 頭に出来た大きなタンコブをさすりながら帰っていったタイタスを尻目に、隣同士の部屋を選びなおし、チェックインした。 (さて・・・・・これからどうするか・・・・・・・) どのようにして、ゴットフリードの真意を探っていくかを考えていた時、部屋の窓ガラスにコツンと何かが当たった。 2度3度とコツン、コツンと窓ガラスに当たる。 何か―――とゼルガディスが用心しながら窓を開けると、途端に黒い影が部屋の中に入ってきた。 「!?」 ゼルガディスが剣を抜こうとしたとき――― 「ゼルガディス様、やつがれでございますよ。」 黒塗りの櫃を背負ったジゴマが笑みを浮かべて立っていた。 「一体なんだ?」 「いえ、ちょいとお知らせに。」 テーブルに置いてあったブランデーを一杯飲み干すと、 「セイルーン騎士団第八師団が動き出しました。」 そう言った。 「第八師団?確か、アルベルトの―――」 「ええ、そうでございます。第八師団は主に諜報活動や治安維持などを専らとするところでございますよ。それに――――」 裏仕事も手がけるという話もございます―――ジゴマはそう言った。 「まさか、領主の暗殺―――」 「さて、そこまでは知りませんがね。とりあえずセイルーンの影の部隊であることは確かですがね。それに非合法の部隊員を抱えているとの話もありますし。」 「非合法の――」 「あのカーライル様も元はそういったものだったようで。」 騎士団お抱えのアサシンだったというわけか―――ゼルガディスはカーライルの腕を思い出した。 「ま、何かしら決着をつけようという腹でございましょう。それをお知らせに参ったわけで―――」 そのとき、部屋の扉がバンッと開かれた。 「ジゴマさん!それはほんとですか!?」 驚愕の色を目に浮かべたアメリアが立っていた。ゼルガディスはアメリアを見ると小さく顔をしかめた。 アメリアは数瞬、ジゴマの顔を見ると、踵を返して走り出した。 「アメリアッ!!」 ゼルガディスがその後を追いかける。そしてその後ろにジゴマが続いた。 「ジゴマッ!アメリアが起きていたのを知ってたな!!」 「さぁて――」 ゼルガディスの怒りの視線など何処吹く風というように、ジゴマは人を食った笑みを浮かべた。 館の三方を取り囲むように、影たちは三つのグループに分かれ、潜んでいた。 アルベルトの合図が上がり次第、一斉に館のゴットフリードに強襲をかける。 そのときをじっと待っていた。 だが、異変が起こったのは少ししてからだった。 館の向かって左手に潜んでいた部隊の一人の背後から、何かが首に巻きついたかと思うと、そのまま首の骨を捻り折った。 傍にいた者が気付き、後ろを振り向いた瞬間、その眉間を石礫が穿った。 左翼の部隊は何者かに次々と沈められていった。 「何が起こった!?」 異変に気が付いたアルベルトが様子を確かめようとした時――― 「た、隊長!」 部下の声に振り向くと、前に一人の男が杖を手に立っていた。 「カ、カーライル・・・・・・」 アルベルトの震える声に、カーライルはニッと笑みを浮かべた。 「くくく・・・・・やはり裏のほうで動き出したか・・・・上の連中は何を恐れるのやら・・・・」 くつくつと笑うカーライルに、数人の兵士が襲いかかった。 「ま、待てッ!!」 アルベルトの制止の声が届く間もなく、銀光が閃いた。 キンと仕込が納められると同時に、兵士の体は袈裟斬りや横一文字に寸断された。 「他愛も無い。」 カーライルの声にアルベルトは体に震えが走ったのを感じた。 以前出会ったときと、まるで雰囲気が違っていた。どこか禍々しいような、まるで別人に変化したような感じだった。 「おやおや、とうとう目覚めちまいましたか。」 そのとき、奥のほうから軽い調子の声が聞こえてきた。 そちらを見ると、闇の奥から黒子衣装の男が姿を現した。 「ジゴマ殿・・・・・貴方がそちらにおられるのですから当然でしょう。」 「しかし、これほどまでとはねぇ。やつがれの予想以上でございますよ。」 言葉と裏腹に、面白そうに笑うジゴマにアルベルトは仕込みを構えた。 そのとき―― 「ジゴマッ!」 ゼルガディスも闇の奥から現れた。 「!?あいつは?」 カーライルを一目見て、ゼルガディスもそのただならぬ気配を感じた。 「君がここにいるということは・・・・・・・アメリア様も来てらっしゃるのか?」 静かにカーライルが訊いた。 ゼルガディスは答えず、剣を抜き、構えた。 「向かってくる以上は加減などできん。すべて斬る!」 カーライルは仕込みを正面に構えた。 そして一同は驚きの声を上げた。 固く閉じられたカーライルの瞼がゆっくりと開いていくのだった。 カッと青白い妖気の光を煌めかせながら、その瞳は一同を見つめていた。 「ひょ、ひょ。始まったかい。」 締め上げていた兵士の首を捻り、フー・マンチューが呟いた。 「さて、どれほどのもんかちょいと見物させてもらうかの。」 事切れた兵士の体を放り投げ、フー・マンチューはゼルガディスたちのところへ歩き出した。 ************************************* 続きでした。 次からまた激闘が始まります。 でもクライマックスはまだ先です。長いなぁ・・・・・ それではまた次回。 |
29427 | タイタスさんに勇者(笑)の称号を授けましょう……。 | エモーション E-mail | 2004/2/23 22:11:40 |
記事番号29423へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 >こんにちは、棒太郎です。 >最近何故か眠りがスッキリしなくて困ってます。 >ぐっすり寝た気がしません。 >それでは続きをどうぞ。 ああ、それは何だかもの凄く嫌ですね。何かの理由で神経が高ぶっているのかも。 暖かくしてお休みしてくださいませ。 >隣の部屋では、アメリアがもう眠りについているはずだった。 >しかし、ここはいわば敵地とのいえる処。ゼルガディスは念の為、寝ずの番を決め込んだ。 この辺りはさすがに油断はしていません、ゼル。 リナやガウリイ辺りもそうでしょうけれど、多少は眠ってなくても平気でしょうし。 ……ガウリイは眠ってても、気配で起きるかな。 >まあ、そう無碍に遠慮するのもなんだと思い、向こうにまかせていたが、ただタイタスがダブルベッドのついたスウィートルームを手配しようとした時は、慌てて取り押さえた。 さすがです! タイタスさん!!(爆笑) 一目でこの2人が、相手をどう思っているのか見抜きましたね!! ゼルを相手にこれをやってのけようとする辺り、勇者(笑)ですね。 >「まあまあ、ゆっくり旅の疲れを取ってくださいよ。ふ・た・り・で♪」と言ったタイタスに思いっきりゲンコツを喰らわしてしまった。 >頭に出来た大きなタンコブをさすりながら帰っていったタイタスを尻目に、隣同士の部屋を選びなおし、チェックインした。 これはゼルの反応も無理もないですが……ゲンコツが照れ隠しにしか見えません(笑) そしてタイタスさん……微妙に、愛の暴走をするダルフィン様モードが 入ってないですか?(^_^;) そしてサナさんから、タンコブの理由を聞かれて話して……乙女の恥じらいパンチを 喰らうとか(笑)←勝手に妄想。 >「セイルーン騎士団第八師団が動き出しました。」 >そう言った。 >「第八師団?確か、アルベルトの―――」 >「ええ、そうでございます。第八師団は主に諜報活動や治安維持などを専らとするところでございますよ。それに――――」 >裏仕事も手がけるという話もございます―――ジゴマはそう言った。 >「まさか、領主の暗殺―――」 >「さて、そこまでは知りませんがね。とりあえずセイルーンの影の部隊であることは確かですがね。それに非合法の部隊員を抱えているとの話もありますし。」 >「非合法の――」 >「あのカーライル様も元はそういったものだったようで。」 >騎士団お抱えのアサシンだったというわけか―――ゼルガディスはカーライルの腕を思い出した。 動きが始まった途端、現れたジゴマさん。 ゼルが(うすうす予測してはいても)知らない部分の情報提供。 この件に関わっている以上、知らないでいると困る情報ではありますね。 でも…… >「ま、何かしら決着をつけようという腹でございましょう。それをお知らせに参ったわけで―――」 >そのとき、部屋の扉がバンッと開かれた。 >「ジゴマさん!それはほんとですか!?」 >驚愕の色を目に浮かべたアメリアが立っていた。ゼルガディスはアメリアを見ると小さく顔をしかめた。 今、アメリアに知られるのはちょっと……な情報でもある……と。既に時遅しですが(汗) ところで、アメリア姫……。もしかして、ゼルの部屋との境の扉にでも へばりついてたのでしょうか……。 ……スウィート・ルーム、借りていた方が良かったかも……。監視が出来るから。(^_^;) >アメリアは数瞬、ジゴマの顔を見ると、踵を返して走り出した。 >「アメリアッ!!」 >ゼルガディスがその後を追いかける。そしてその後ろにジゴマが続いた。 >「ジゴマッ!アメリアが起きていたのを知ってたな!!」 >「さぁて――」 >ゼルガディスの怒りの視線など何処吹く風というように、ジゴマは人を食った笑みを浮かべた。 対策練る間もなく、領主の館へ直行、ぱあと2。 特に今のアメリアは、ちょっとやそっとでは止められず、騎士団を止めるべく 身体張って突っ込んでいくでしょうから、ゼルとしては堪ったものじゃないですね。 ジゴマさんはアメリアとゼルを、「舞台」に引き出す気満々だったのですね(^_^;) >館の向かって左手に潜んでいた部隊の一人の背後から、何かが首に巻きついたかと思うと、そのまま首の骨を捻り折った。 >傍にいた者が気付き、後ろを振り向いた瞬間、その眉間を石礫が穿った。 >左翼の部隊は何者かに次々と沈められていった。 強いですね……さすがに。剣で斬っていないので、フー・マンチューさんのようですが。 敵が多い場合は、各個撃破が基本ですが、この方が相手ですと、まるで数が ハンデになってない気がします。 >カーライルの声にアルベルトは体に震えが走ったのを感じた。 >以前出会ったときと、まるで雰囲気が違っていた。どこか禍々しいような、まるで別人に変化したような感じだった。 以前のカーライルさんを知っている者にとっては、違いが顕著に分かるくらい、 変わってしまっているんですね。 >「おやおや、とうとう目覚めちまいましたか。」 >そのとき、奥のほうから軽い調子の声が聞こえてきた。 >そちらを見ると、闇の奥から黒子衣装の男が姿を現した。 >「ジゴマ殿・・・・・貴方がそちらにおられるのですから当然でしょう。」 >「しかし、これほどまでとはねぇ。やつがれの予想以上でございますよ。」 ジゴマさん……本当に楽しそうに……(汗) 厄介な存在になりそうとは思っても、自分が施した「からくり」の結果には、 ひたすら興味と満足のようなものがあるんですね。 >カーライルを一目見て、ゼルガディスもそのただならぬ気配を感じた。 >「君がここにいるということは・・・・・・・アメリア様も来てらっしゃるのか?」 >静かにカーライルが訊いた。 >ゼルガディスは答えず、剣を抜き、構えた。 ……何気にカーライルさんも、ゼルとアメリアをワンセットで考えてますね。 間違いはないですが。 アメリアの安全が優先のゼルとしては、問いかけに答える気はないでしょうけれど、 アメリアは、どこにいったのでしょう……? >そして一同は驚きの声を上げた。 >固く閉じられたカーライルの瞼がゆっくりと開いていくのだった。 >カッと青白い妖気の光を煌めかせながら、その瞳は一同を見つめていた。 盲目のカーライルさんが、〃目覚めて〃開いた〃目〃……。 ミヤリさんのときと同様に、何か不可解な力があるのでしょうか。 >「さて、どれほどのもんかちょいと見物させてもらうかの。」 >事切れた兵士の体を放り投げ、フー・マンチューはゼルガディスたちのところへ歩き出した。 一仕事終えてギャラリーに回る、というところでしょうか。 カーライルさんの力を見たいというのもあるでしょうが、プレートのことを 知っているフー・マンチューさんとしては、やはり事の展開は気になるのでしょうか。 >続きでした。 >次からまた激闘が始まります。 >でもクライマックスはまだ先です。長いなぁ・・・・・ >それではまた次回。 小休止の後はやはり急速に動きますね。 それと同時にゼルの受難も続く……。また、フー・マンチューさんには 遊ばれそうな気がしますし(^_^;) ちょっかいだすの、面白そうですからね、ゼルは。 クライマックスはまだ先……私も「王女様と私」で10話以降、毎回のように思いました。 「何でここまで来てるのに、なかなか終わりにならないのか」と(滝汗) これはもう、書いていくしかないですよ、本当に。がんばってくださいませ。 それでは、カーライルさんの〃力〃や、アメリアがどんな行動を取っているのかなど、 続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼いたします。 |
29429 | ある意味、勇者です(笑) | 棒太郎 | 2004/2/24 14:12:35 |
記事番号29427へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >>こんにちは、棒太郎です。 >>最近何故か眠りがスッキリしなくて困ってます。 >>ぐっすり寝た気がしません。 >>それでは続きをどうぞ。 > >ああ、それは何だかもの凄く嫌ですね。何かの理由で神経が高ぶっているのかも。 >暖かくしてお休みしてくださいませ。 こんにちは、エモーションさん。いつもありがとうございます。 睡眠のほうは休みを利用してとことん寝まくって解消させております。 この間、風邪を引いていたのでその影響が残っていたのかも知れません。 >>隣の部屋では、アメリアがもう眠りについているはずだった。 >>しかし、ここはいわば敵地とのいえる処。ゼルガディスは念の為、寝ずの番を決め込んだ。 > >この辺りはさすがに油断はしていません、ゼル。 >リナやガウリイ辺りもそうでしょうけれど、多少は眠ってなくても平気でしょうし。 >……ガウリイは眠ってても、気配で起きるかな。 ゼルほどの修羅場を渡ってきた者なら、警戒するのは当然でしょうね。 そんなところで寝られるのは、よほど肝が太いかアホかのどちらかでしょうね。 >>まあ、そう無碍に遠慮するのもなんだと思い、向こうにまかせていたが、ただタイタスがダブルベッドのついたスウィートルームを手配しようとした時は、慌てて取り押さえた。 > >さすがです! タイタスさん!!(爆笑) >一目でこの2人が、相手をどう思っているのか見抜きましたね!! >ゼルを相手にこれをやってのけようとする辺り、勇者(笑)ですね。 タイタス・・・・・まさに勇者です(笑) しかし、ある意味では油断の出来ない人物でしょうね。ずばり見抜いたんですから。 >>「まあまあ、ゆっくり旅の疲れを取ってくださいよ。ふ・た・り・で♪」と言ったタイタスに思いっきりゲンコツを喰らわしてしまった。 >>頭に出来た大きなタンコブをさすりながら帰っていったタイタスを尻目に、隣同士の部屋を選びなおし、チェックインした。 > >これはゼルの反応も無理もないですが……ゲンコツが照れ隠しにしか見えません(笑) >そしてタイタスさん……微妙に、愛の暴走をするダルフィン様モードが >入ってないですか?(^_^;) >そしてサナさんから、タンコブの理由を聞かれて話して……乙女の恥じらいパンチを >喰らうとか(笑)←勝手に妄想。 本人は怒りの鉄拳のつもりだったんでしょうが、傍から見たらそう見えますね(笑) タイタスも何気にセクハラギリギリですね。 >>「さて、そこまでは知りませんがね。とりあえずセイルーンの影の部隊であることは確かですがね。それに非合法の部隊員を抱えているとの話もありますし。」 >>「非合法の――」 >>「あのカーライル様も元はそういったものだったようで。」 >>騎士団お抱えのアサシンだったというわけか―――ゼルガディスはカーライルの腕を思い出した。 > >動きが始まった途端、現れたジゴマさん。 >ゼルが(うすうす予測してはいても)知らない部分の情報提供。 >この件に関わっている以上、知らないでいると困る情報ではありますね。 >でも…… 表立ってはなかなか聞くことの出来ない情報ですが・・・・・・・ >>「ま、何かしら決着をつけようという腹でございましょう。それをお知らせに参ったわけで―――」 >>そのとき、部屋の扉がバンッと開かれた。 >>「ジゴマさん!それはほんとですか!?」 >>驚愕の色を目に浮かべたアメリアが立っていた。ゼルガディスはアメリアを見ると小さく顔をしかめた。 > >今、アメリアに知られるのはちょっと……な情報でもある……と。既に時遅しですが(汗) >ところで、アメリア姫……。もしかして、ゼルの部屋との境の扉にでも >へばりついてたのでしょうか……。 >……スウィート・ルーム、借りていた方が良かったかも……。監視が出来るから。(^_^;) なかなか寝付けないでいるところに、ゼルとジゴマの話が聞こえてきたというところです。 やっぱり壁にへばりついて、聞き耳立ててるでしょうね。 >>「ジゴマッ!アメリアが起きていたのを知ってたな!!」 >>「さぁて――」 >>ゼルガディスの怒りの視線など何処吹く風というように、ジゴマは人を食った笑みを浮かべた。 > >対策練る間もなく、領主の館へ直行、ぱあと2。 >特に今のアメリアは、ちょっとやそっとでは止められず、騎士団を止めるべく >身体張って突っ込んでいくでしょうから、ゼルとしては堪ったものじゃないですね。 >ジゴマさんはアメリアとゼルを、「舞台」に引き出す気満々だったのですね(^_^;) ほんとに猪突猛進になってます、アメリア。 そしてジゴマはこうなることが分かって、わざとやってます。やっぱりこの舞台の役者の一員と見てますから。 >>館の向かって左手に潜んでいた部隊の一人の背後から、何かが首に巻きついたかと思うと、そのまま首の骨を捻り折った。 >>傍にいた者が気付き、後ろを振り向いた瞬間、その眉間を石礫が穿った。 >>左翼の部隊は何者かに次々と沈められていった。 > >強いですね……さすがに。剣で斬っていないので、フー・マンチューさんのようですが。 >敵が多い場合は、各個撃破が基本ですが、この方が相手ですと、まるで数が >ハンデになってない気がします。 これはお察しの通り、フー・マンチューです。 ゲリラ戦を仕掛けてますが、この人数でもこのじーさんの場合では屁の突っ張りにもならんでしょう。 >>カーライルの声にアルベルトは体に震えが走ったのを感じた。 >>以前出会ったときと、まるで雰囲気が違っていた。どこか禍々しいような、まるで別人に変化したような感じだった。 > >以前のカーライルさんを知っている者にとっては、違いが顕著に分かるくらい、 >変わってしまっているんですね。 姿かたちは同じだけれども、発する気配や雰囲気が別人のように変化しています。 >>「しかし、これほどまでとはねぇ。やつがれの予想以上でございますよ。」 > >ジゴマさん……本当に楽しそうに……(汗) >厄介な存在になりそうとは思っても、自分が施した「からくり」の結果には、 >ひたすら興味と満足のようなものがあるんですね。 その通りですね。 自分の技術(わざ)で蘇った、いわば彼の「作品」ですから。 やはり愛着みたいのがあります。 >>カーライルを一目見て、ゼルガディスもそのただならぬ気配を感じた。 >>「君がここにいるということは・・・・・・・アメリア様も来てらっしゃるのか?」 >>静かにカーライルが訊いた。 >>ゼルガディスは答えず、剣を抜き、構えた。 > >……何気にカーライルさんも、ゼルとアメリアをワンセットで考えてますね。 >間違いはないですが。 >アメリアの安全が優先のゼルとしては、問いかけに答える気はないでしょうけれど、 >アメリアは、どこにいったのでしょう……? 次回に、アメリアの行方はどうしたのか書きますので。 もちろんジゴマが関わっています。 >>そして一同は驚きの声を上げた。 >>固く閉じられたカーライルの瞼がゆっくりと開いていくのだった。 >>カッと青白い妖気の光を煌めかせながら、その瞳は一同を見つめていた。 > >盲目のカーライルさんが、〃目覚めて〃開いた〃目〃……。 >ミヤリさんのときと同様に、何か不可解な力があるのでしょうか。 ミヤリのような特殊能力というわけではないですが、スーパーサイヤ人が金色の逆立った髪になるのと似たようなものです。 >>「さて、どれほどのもんかちょいと見物させてもらうかの。」 >>事切れた兵士の体を放り投げ、フー・マンチューはゼルガディスたちのところへ歩き出した。 > >一仕事終えてギャラリーに回る、というところでしょうか。 >カーライルさんの力を見たいというのもあるでしょうが、プレートのことを >知っているフー・マンチューさんとしては、やはり事の展開は気になるのでしょうか。 カーライルの力がみたいのもありますし、事態の成り行きを見るという意味もあります。 場合によってはまた、参戦しますが。 >>続きでした。 >>次からまた激闘が始まります。 >>でもクライマックスはまだ先です。長いなぁ・・・・・ >>それではまた次回。 > >小休止の後はやはり急速に動きますね。 >それと同時にゼルの受難も続く……。また、フー・マンチューさんには >遊ばれそうな気がしますし(^_^;) >ちょっかいだすの、面白そうですからね、ゼルは。 >クライマックスはまだ先……私も「王女様と私」で10話以降、毎回のように思いました。 >「何でここまで来てるのに、なかなか終わりにならないのか」と(滝汗) >これはもう、書いていくしかないですよ、本当に。がんばってくださいませ。 >それでは、カーライルさんの〃力〃や、アメリアがどんな行動を取っているのかなど、 >続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼いたします。 最近、急展開が多いですが・・・・・ ゼルの受難、おそらくこの話が終わるまで続いていくことでしょう。 まあ、なんだかんだ言っても書いていくしかないので、頑張って最後まで書いていきます。 それではどうもありがとうございました。 |
29431 | 異邦の彼方より (20) | 棒太郎 | 2004/2/24 16:05:39 |
記事番号29377へのコメント こんにちは、棒太郎です。 今日は「ヘブンアンドアース」観てきました。 どうやらわたしは、あーゆー砂漠とか荒涼とした処に惹かれるみたいです。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『異邦の彼方より』 (20) 漆黒の闇の中を、アメリアは走った。 騎士団がゴットフリードに何か危害を加えるようなら、止めなければならない――その想いがあった。 ゴットフリードの疑惑を晴らすこと、それが今の彼女の想いでもあった。 「待て!!アメリア!!」 ゼルガディスの手が、アメリアの肩を掴んだ。 そのまま、体を思いっきり引っ張られた。 「何をするんですか!?ゼルガディスさん!」 「何をするんですか、じゃない!!」 ゼルガディスが叫んだ。 「このまま行っても騎士団を止めることは出来ん!!お前が出て行ったところでどうにもならないんだ!」 「でも、ゴットフリードさんが―――」 「敵ではないかもしれん。だが、俺たちを味方と思っているのかも分からん。迂闊に動くんじゃない!」 「傍観なんてイヤです!」 「アメリアッ!分からないか!」 互いの言葉の押収が続く中、やれやれとジゴマが声をあげた。 「ゼルガディス様がご心配なさるのもわかりますがねぇ。しかし、一度行かせて上げたら如何でございますか?この道中はそれが目的でございましょう?」 「お前は黙ってろ!!」 ゼルガディスの怒号に肩を竦める。 「仕方がありませんやね。もう舞台の幕は上がっておりますよ。」 ジゴマがそう言うや、後ろの櫃から飛鳥の如く影が飛び出した。 「!?」 その影に振り向いた瞬間、ゼルガディスは自分の意識に何かが入り込み、支配するような感覚に襲われた。 「こ・・これは・・・・・?」 「クロックワークの”時の監獄”、そうは逃れられませんよ。」 ゼルガディスの目の前には、あのシルクハットの男が立っていた。 「さて、アメリア様。既に幕は上がっております。別の花道からご案内いたしましょう。」 そう言うや、ジゴマは大きく飛び上がり、脳天から真っ逆さまに落ちた。 額が地面につくと同時に、背の櫃がアメリアをすっぽりと飲み込んだ。 そのまま、また飛び上がり、地面に着地するとアメリアの姿はそのまま櫃の中に消えていた。 ランプの灯りが灯る執務室で、ゴットフリードはプレートを手に、いくつかの本に目を通していた。 そのとき、ランプの灯が静かに靡いた。 「ん?」 ランプに目を向けるゴットフリードに、どこかから声が振ってきた。 「ゴットフリード。」 「カーライルか?」 「騎士団が動き出した。」 「何!?」 ゴットフリードは窓の横手に張り付くと、そっとカーテンの隙間から外の様子を覗った。 辺りは夜の闇に包まれ、細かくは見えない。 「ここは既に正面と左右、三方に囲まれている。君も早く―――」 「くっ、連中は出そうな杭はすべて打ってきた奴らだったな。少し、甘く見ていたか・・・・・」 そして、呼び鈴を鳴らし、マーキンスッ!と執事の名を呼んだ。 「如何なされました、ゴットフリード様?」 「マーキンス、館の者を皆、すぐに起こせ。そしてここから脱出させるんだ。」 「一体なにが――――」 「詳しく話している時間が無い。彼らが巻き添えを食ってはいけない。早くしてくれ。」 「・・・・・・畏まりました。」 数巡、途惑いを見せていたマーキンスだったが、すぐさま執務室を退室して、階下へ降りていった。 館の正面では、蒼白い妖気の炎を宿らせた瞳をむけるカーライルと、ゼルガディス達が対峙していた。 「お前は―――」 ゼルガディスの唸り声にカーライルは小さく笑みを浮かべた。 「!?」 そのとき、ゼルガディスは横へ跳び、ジゴマは大きく跳躍した。 銀光が閃いたかと思うと、兵士の何人かが一振りで一刀両断されていた。 「こいつぁ、とんでもねぇ兇剣だな。」 塀の壁を地面のようにして張り付いているジゴマが声を漏らした。 事実、彼の剣閃は地面まで切り裂いていた。 「カーライル・・・・・セイルーンを滅ぼす気か・・・・・?」 アルベルトの言葉に、カーライルはニィッと笑みを浮かべた。 「もともと私もセイルーンの人間ではない。他所から来た流れ者よ。確かに非合法ながら王国に関わる仕事をしていたが・・・・・・・それは生きていくためにしてきたこと。君達ほど愛国心があるわけではない。」 「なら何故、アーデンハイル卿に?」 今度はゼルガディスが訊ねた。 「彼には・・・・・・もはやないはずの命を救われた・・・・・・・・・私と・・・・そして、妹のな・・・・・・・」 その言葉にアルベルトはどこか衝撃を受けた風だった。 「メルリーンさんも・・・・・・生きているのか・・・・・・・・」 「ええ、生きておられますよ。」 横からジゴマが口を挟んだ。 「メルリーンとしての記憶を全て消して、まったく別の人間として、別の場所で幸せにお暮らしになっておりますよ。」 カーライル様のご要望でね―――ジゴマは言った。 「別の人間・・・・・・・?」 「それが妹のためだ。」 カーライルが剣を抜いた。 「あのとき、女としての幸せを奪われた妹のな。」 「う・・・・・こ、ここは・・・・・・?」 ぼんやりとする頭を振るい、アメリアは辺りを見回した。 すぐ目の前にゴットフリードの館があった。 「確か・・・・・ジゴマさんの櫃が覆って、それから―――」 記憶を掘り起こそうとしていた時、突然背後からポンと肩を叩かれた。 「ひゃっ!?」 慌てて振り返るとそこには――― 「ひょ、ひょ、ひょ。こんばんは、お嬢ちゃん。」 フー・マンチューがいた。 「あ、あなたは―――!?」 「そう警戒しなさんな。今回はなんもせんよ。」 好々爺の笑みを浮かべるフーマンチューに、アメリアは多少警戒しながらも近づいていく。 「ここの主に用があってきたんじゃろ?なら、はよ行ったほうがええぞ。もうすぐここも戦場になるからの。」 フー・マンチューの言葉にアメリアは顔を曇らせる。 「無駄じゃ。いくらお嬢ちゃんが骨を折ろうとも、この流れは止められんわい。じゃからはよぅ行くがええ。」 「お、お爺さんは?」 「ひょ、ひょ。わしゃ、もう少し仕事をすることにしての。ま、心配してくれんでも大丈夫じゃ。前にも言ったが、わしに敬老精神は不要じゃよ。」 「いえ・・・・でも・・・人の命を奪うのは―――」 アメリアの言葉に、フー・マンチューはひとつ笑みを浮かべるとその背中を押し出した。 「現実はとても厳しいがの。その心をいつまでも忘れんことじゃ。」 しばらくアメリアの背中を見守っていたフー・マンチューだったが、 「さて、もうそろそろ第二波が来る頃かの。」 来るべき戦火に向かって、愉しげな笑みを浮かべた。 ************************************* 続きでした。 カーライルの過去もこれから語られていくこととなります。 そして、ゴットフリードとアメリアのご対面第2弾。 それではまた次回 |
29441 | 異邦の彼方より (21) | 棒太郎 | 2004/2/24 20:54:38 |
記事番号29377へのコメント 書けるときに書いておこう ************************************* 『異邦の彼方より』 (21) 剛剣が唸りを上げてゼルガディスに襲い掛かった。 まともに受ければ、受けた剣ごと斬られそうな勢いである。 しかも、単なる力任せというのではなく、空を裂くほどの疾さをも備えていた。 ズシャッ 「くっ!」 刃はいとも簡単に、ゼルガディスの岩の体を切り裂いた。 他の兵士たちも紙を切るように斬られてゆく。 「こりゃ、凄まじいもんだ。剣技は以前にも増して、更に魔人。」 ジゴマが愉快げに声を上げた。 「人の想いというのは、時として凄い力を出すもんだ。」 そういえば、あの御方もそうだったな―――と、ジゴマは蒼い髪の美女を思い返した。 「それほどまで我が身をかけますかね、カーライル様。」 「私達、兄妹の受けた恩義は計りしれないもの。そのためならば―――」 「なかなかの義侠心の御方ですなぁ。いや、惜しい。」 襲い掛かる斬撃をかわしながら、ジゴマはますます笑みを浮かべた。 「これほどまでの強さとは・・・・・」 ゼルガディスが呻いた。 「現役時代でも、1,2位を争うほどの腕の持ち主とのことでしたからねぇ。」 「なら、何故騎士団と対立を?」 「まあ、やつがれもあちら様からチラリと聞いたことですが―――――妹様のために足を洗って、堅気になろうとしたらしいんですがね。その最後の仕事で、どうやらもろともに始末されかかったそうで。」 ジゴマの言葉が聞こえたのか、カーライルがそちらを向いた。 「そうだ。元々私達兄妹は、戦火で国を追われた流れ者。他所者が――それもまだ少年だった者が――幼い妹を養うために、裏の世界へ身を投じることになるのは、そう長くは無かった。幸か不幸か、私はどうやら才覚に恵まれていたらしくな、仕事に困ることは無かった。」 ヒュッと刃を振るい、大きく血飛沫が舞う。 「そして、セイルーン騎士団の非合法組織にスカウトされた。数々の裏の仕事をこなしてきた私は”黒のアサシン”と呼ばれるまでになった。だが―――」 私も裏の世界から足を洗おうと思う機会が訪れた――カーライルは呟いた。 「それは・・・・?」 「妹の結婚だ。」 カーライルは彼方へと視線を飛ばした。 「妹は堅気で暮らしてきた。だが、私のやっていることに薄々感ずいていたのではないかと思う。私もな、これを機に妹のためにも真っ当に生きようと思った。そして、そのとき受けた仕事と引き換えに足を洗うことにした。だが・・・・・甘かったよ。」 自嘲の笑みを浮かべた。 「騎士団にとって、私は多くの仕事をこなし過ぎたのさ。万が一にも裏仕事が外に洩れないようにな・・・・・・私は不意をつかれ、瀕死の重傷を負った。」 なあ、アルベルト――と、カーライルはアルベルトに向かってニヤリと笑った。 「私だけならまだ良かった・・・・・・・だが上の者は念入りだった。何も知らぬ妹にまで刃にかけようとした・・・・・・そのとき、妹は光を失った・・・・・・・それでもなんとか二人で逃げ出した・・・・・死にかけと目の見えぬ女の逃亡――逃げ切れないのは分かっていた・・・・だが、それでもこのアーデンハイルの領地まで逃げてきた。しかし、そこで倒れた・・・・・」 「そのとき助けたのがここの領主か。」 「そうだ。あのときはまだ、先代のアーデンハイル卿が領主だったが。とにかく私達はふたりに助けられた。傷の手当てをして匿ってくれたよ。追っ手がすぐそこまで迫っていたが、何があっても中央には渡さん、と先代は仰った。しかし、私達の逃走経路は知られていたからな。このままではふたりにも迷惑がかかってしまう。そう思っていたとき―――」 カーライルの目がジゴマのほうを向いた。 「やつがれとお会いになったんでございますよ。」 ジゴマが言葉を継いだ。 「まあ、生きているのが不思議なくらいの重傷でしたがね。それでやつがれがちょいと施術をさせてもらったんでございますよ。」 「施術?」 「まあ、ちょいと以前とは違う人間になっちまうのはご容赦くださいと断ったんですが、むしろ望むところだとね。それに妹様に自分の目をやって欲しいとも。あとはこちらでダミーを用意させてもらいましたかね。」 「おかげで追っての目をごまかすことができた。カーライルとメルリーンはあのとき死んだ。」 「命を救われた恩を返すため・・・・・・アーデンハイルの下にいるわけか。」 「その通りだ。あのときの先代の言葉がとても嬉しかったよ。そして、先代は遺言でゴットフリードの力になってくれるようにと仰っていた。」 「だからか・・・・・・」 「そうだ。だから、彼の障害となるものはすべて排除する!」 そう言うや、疾風のごとくカーライルが動いた。 その手の刃がジゴマに向かって閃いた。が――― ガキンと火花を上げて、それは弾かれた。 「やつがれにも用心棒がおりましてね。まあ、それなりの遣い手でございますよ。」 背中の櫃から細身の片刃の剣とそれを握る手が出ていた。 それを見たカーライルが先程までとは打って変わって深く身構えた。 そのとき、夜気を裂いて何かが飛んできた。 「ひょ、ひょ。時間が無いぞ。若いの。」 闇の奥からフー・マンチューが現れた。 ピッと指を弾くや、兵士の眉間が穿たれていった。 (指弾か・・・・・・・なんて威力だ!) 厄介な人物がまた揃ってしまった。 「おやおや、”怪人”様までご登場とは。」 ゼルガディス様――ジゴマはゼルガディスを呼んだ。 「この御老人、ひとつやつがれが手を打ちましょう。」 「できるのか!?」 そのとき、ジゴマの背中の櫃からザッと影が舞い上がり、地に降り立った。 それは黒い菅笠を目深に被った青年だった。 (こ・・この男・・・・・・・強い・・・・) ゼルガディスは一目見て、肌で感じ取った。 「ほう・・・・・・」 青年を一目見たフー・マンチューが初めて、構えを取った。 「これほど血が躍る相手は、ほんに久しく会わなんだわ。お主・・・・・名は?」 「リュウゼン・・・・・・・と申します。」 青年――リュウゼンは腰の一刀を抜いた。 「わしはフー・マンチューじゃ。」 二人の間の空気が、ピンと張り詰めた。 「さて、ゼルガディス様。あちらは任せて参りましょうか。」 「そうはさせん!」 火花を上げつつ、刃が絡まった。 アメリアは静かに扉を開けて、館の中に入っていった。そのとき――― 「あ〜あ、フー大人また悪い癖が出たね。」 聞き覚えのある声がしたかと思うと、一人の男が姿を現した。 「まったく・・・時間が無いって言ったのはそっちなのに。」 「タ・・タイタスさん・・・?」 アメリアの呟き声が聞こえたのか、タイタスはアメリアの潜んでいるほうを振り向いた。 「アメリア様。そんなところにいらっしゃらないで、こちらに御出でなさいな。」 数巡躊躇った後、アメリアは姿を現した。 「アメリア様、ゴットフリード様にお会いに?」 「え・・・は、はい。」 「ならゴットフリード様は2階の執務室にいらっしゃいますよ。早く行かれたほうがいい。」 タイタスがそう言ったとき、館の中がバタバタと慌しくなった。 「ちょっと僕はみんなを避難させないといけないので。じゃ、気をつけてくださいよ。」 そう言って、アメリアを階段へ送り出した。 「さて、後は向こうの出方次第だな。」 首をゴキリと鳴らして、タイタスはそう呟いた。 ************************************* 続きでした。 とりあえず、カーライル過去話、なんとか語り終えました。 そして、勃発する妖怪と修羅の対決。 次はゴットフリード対話編ですね。 それではまた次回。 |
29442 | フー・マンチューさんとリュウゼンさん。人外の戦いになりそう…… | エモーション E-mail | 2004/2/24 23:02:34 |
記事番号29441へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 おおっ! 今日は2話ですね! ジゴマさんの演出で、二手に分かれたゼルとアメリア。 そしてカーライルさんの過去。 光があれば影もあるものですが、セイルーンが〃国〃として持つ闇の部分が、 出始めましたね。 プレート絡みの〃闇〃の部分は、ゴットフリードさんの担当になるのかなと思いました。 >「このまま行っても騎士団を止めることは出来ん!!お前が出て行ったところでどうにもならないんだ!」 >「でも、ゴットフリードさんが―――」 >「敵ではないかもしれん。だが、俺たちを味方と思っているのかも分からん。迂闊に動くんじゃない!」 >「傍観なんてイヤです!」 >「アメリアッ!分からないか!」 ゼルの言い分はもっともなんですよね。アメリアも分かっているのでしょうが、 本当に……真っ直ぐですよね、アメリア……。 >「クロックワークの”時の監獄”、そうは逃れられませんよ。」 >ゼルガディスの目の前には、あのシルクハットの男が立っていた。 >「さて、アメリア様。既に幕は上がっております。別の花道からご案内いたしましょう。」 >そう言うや、ジゴマは大きく飛び上がり、脳天から真っ逆さまに落ちた。 >額が地面につくと同時に、背の櫃がアメリアをすっぽりと飲み込んだ。 >そのまま、また飛び上がり、地面に着地するとアメリアの姿はそのまま櫃の中に消えていた。 とりあえずゼルを足止めして、櫃にアメリアを入れて運ぶ、と。 「舞台」のためなら手間を惜しみませんね、ジゴマさん。 >「ここは既に正面と左右、三方に囲まれている。君も早く―――」 >「くっ、連中は出そうな杭はすべて打ってきた奴らだったな。少し、甘く見ていたか・・・・・」 >そして、呼び鈴を鳴らし、マーキンスッ!と執事の名を呼んだ。 >「如何なされました、ゴットフリード様?」 >「マーキンス、館の者を皆、すぐに起こせ。そしてここから脱出させるんだ。」 >「一体なにが――――」 >「詳しく話している時間が無い。彼らが巻き添えを食ってはいけない。早くしてくれ。」 本当に……きちんとノーブル・オブリージュ(だったかな)が身に付いている方です。 ゴットフリードさん。身代わりや目くらましに使おうとか思うような者たちとは大違いです。 >「こいつぁ、とんでもねぇ兇剣だな。」 >塀の壁を地面のようにして張り付いているジゴマが声を漏らした。 >事実、彼の剣閃は地面まで切り裂いていた。 もの凄いパワーです。光の剣の威力をセーブしないで使った時の、 ガウリイレベルの剣技かもしれないですね。 >「メルリーンとしての記憶を全て消して、まったく別の人間として、別の場所で幸せにお暮らしになっておりますよ。」 >カーライル様のご要望でね―――ジゴマは言った。 >「別の人間・・・・・・・?」 >「それが妹のためだ。」 >カーライルが剣を抜いた。 >「あのとき、女としての幸せを奪われた妹のな。」 辛い思いをさせないために、という事ですね。 >「無駄じゃ。いくらお嬢ちゃんが骨を折ろうとも、この流れは止められんわい。じゃからはよぅ行くがええ。」 >「お、お爺さんは?」 >「ひょ、ひょ。わしゃ、もう少し仕事をすることにしての。ま、心配してくれんでも大丈夫じゃ。前にも言ったが、わしに敬老精神は不要じゃよ。」 >「いえ・・・・でも・・・人の命を奪うのは―――」 >アメリアの言葉に、フー・マンチューはひとつ笑みを浮かべるとその背中を押し出した。 >「現実はとても厳しいがの。その心をいつまでも忘れんことじゃ。」 フー・マンチューさん自身の性格もあるのでしょうけれど、アメリアは本当に 周りがつい、親切にしてしまう何かがあるんでしょうね。 >「くっ!」 >刃はいとも簡単に、ゼルガディスの岩の体を切り裂いた。 >他の兵士たちも紙を切るように斬られてゆく。 ゼルの身体すら簡単に傷つけてしまうのでは、生身の人間には堪らないですね。 本当に、凄い力です。 >「人の想いというのは、時として凄い力を出すもんだ。」 >そういえば、あの御方もそうだったな―――と、ジゴマは蒼い髪の美女を思い返した。 >「それほどまで我が身をかけますかね、カーライル様。」 >「私達、兄妹の受けた恩義は計りしれないもの。そのためならば―――」 >「なかなかの義侠心の御方ですなぁ。いや、惜しい。」 ダルフィン様を思い出しつつ、現在のカーライルさんを前にして「想い」というものを、 少し興味深く感じたのでしょうか。 ……そして、しっかり斬撃をかわしているのはさすがです。ジゴマさん。 >「そうだ。元々私達兄妹は、戦火で国を追われた流れ者。他所者が――それもまだ少年だった者が――幼い妹を養うために、裏の世界へ身を投じることになるのは、そう長くは無かった。幸か不幸か、私はどうやら才覚に恵まれていたらしくな、仕事に困ることは無かった。」 >ヒュッと刃を振るい、大きく血飛沫が舞う。 >「そして、セイルーン騎士団の非合法組織にスカウトされた。数々の裏の仕事をこなしてきた私は”黒のアサシン”と呼ばれるまでになった。だが―――」 >私も裏の世界から足を洗おうと思う機会が訪れた――カーライルは呟いた。 >「それは・・・・?」 >「妹の結婚だ。」 兄妹二人、生きるために必死だったのですね。巡り合わせが違えば、 まだ別の生き方ができたのかもしれないですが、運良くそうなる者より、 裏の世界へ行くことになる人間の方が、多いでしょうね。 カーライルさんの子ども時代、というと今は病気で寝たきりな王様が、 元気にバリバリ仕事をしていたころでしょうけれど、多分、今政務を行っている フィルさんよりは、福祉その他が行き届いてないでしょうしね。 (何か、フィルさんはそう言う方面は、諸国漫遊して庶民の生活や現状を見てきた分、 分かっているでしょうから、父親の時より重視して、力を入れてそうですから) >「騎士団にとって、私は多くの仕事をこなし過ぎたのさ。万が一にも裏仕事が外に洩れないようにな・・・・・・私は不意をつかれ、瀕死の重傷を負った。」 >なあ、アルベルト――と、カーライルはアルベルトに向かってニヤリと笑った。 >「私だけならまだ良かった・・・・・・・だが上の者は念入りだった。何も知らぬ妹にまで刃にかけようとした・・・・・・そのとき、妹は光を失った・・・・・・・それでもなんとか二人で逃げ出した・・・・・死にかけと目の見えぬ女の逃亡――逃げ切れないのは分かっていた・・・・だが、それでもこのアーデンハイルの領地まで逃げてきた。しかし、そこで倒れた・・・・・」 妹のために必死で生きてきた兄としては、結局それが妹の幸せを壊し、命を狙われるはめに 陥らせてしまったことが悲しくて、そしてセイルーン王家に対して、妹への仕打ちに関しては、 当然ですが絶対に許せないんですね。 それだけに、先代のアーデンハイル卿やゴットフリードさんには、恩があると。 これはもう、無理もないですね。 >「まあ、ちょいと以前とは違う人間になっちまうのはご容赦くださいと断ったんですが、むしろ望むところだとね。それに妹様に自分の目をやって欲しいとも。あとはこちらでダミーを用意させてもらいましたかね。」 ……ちょいとどころじゃないような気がしますが(汗) ところで、メルリーンさんはカーライルさんの目を移植して、記憶を消した (またはまったく別人としての記憶を与えた?)だけで、別にそれ以上の事は されていないんですよね。まあ、カーライルさんもそれは念を押したと思いますが。 >「ひょ、ひょ。時間が無いぞ。若いの。」 >闇の奥からフー・マンチューが現れた。 >ピッと指を弾くや、兵士の眉間が穿たれていった。 >(指弾か・・・・・・・なんて威力だ!) >厄介な人物がまた揃ってしまった。 ゼルとしては当然の感想ですね(汗) それにしても、フー・マンチューさん。本当に気楽に倒してますね。 ……ゼルって、年寄りに「可愛がられる」タイプかも(苦笑) >そのとき、ジゴマの背中の櫃からザッと影が舞い上がり、地に降り立った。 >それは黒い菅笠を目深に被った青年だった。 >(こ・・この男・・・・・・・強い・・・・) >ゼルガディスは一目見て、肌で感じ取った。 やはりゼルもリュウゼンさんの強さは、はっきり分かるんですね。 >青年を一目見たフー・マンチューが初めて、構えを取った。 >「これほど血が躍る相手は、ほんに久しく会わなんだわ。お主・・・・・名は?」 >「リュウゼン・・・・・・・と申します。」 >青年――リュウゼンは腰の一刀を抜いた。 >「わしはフー・マンチューじゃ。」 >二人の間の空気が、ピンと張り詰めた。 ああ、すでに他の者には入り込めない世界が……(^_^;) >「さて、ゼルガディス様。あちらは任せて参りましょうか。」 >「そうはさせん!」 >火花を上げつつ、刃が絡まった。 フー・マンチューさんの相手はリュウゼンさんとしても、やはりカーライルさんとは、 きっちりと相手をしなくてはならないわけですね。 これは、かなり大変です、ゼル。 >「ならゴットフリード様は2階の執務室にいらっしゃいますよ。早く行かれたほうがいい。」 >タイタスがそう言ったとき、館の中がバタバタと慌しくなった。 >「ちょっと僕はみんなを避難させないといけないので。じゃ、気をつけてくださいよ。」 >そう言って、アメリアを階段へ送り出した。 >「さて、後は向こうの出方次第だな。」 >首をゴキリと鳴らして、タイタスはそう呟いた。 アメリアを見るなり、目的を理解したと思われるタイタスさん。 本当に、この方も一癖も二癖もある方ですね。 どこまで分かっているのでしょうか。 >続きでした。 >とりあえず、カーライル過去話、なんとか語り終えました。 >そして、勃発する妖怪と修羅の対決。 >次はゴットフリード対話編ですね。 >それではまた次回。 カーライルさんに関しては「これは恨まれても仕方ないでしょう」ですね、本当に。 そして人外の戦いになりそうな、フー・マンチューさんとリュウゼンさんの戦い。 「もう……誰も止められない……」と呟くのみですね。 ゴットフリードさんのもとへ行ったアメリア。語られるであろうセイルーンの〃闇〃の部分に、 押しつぶされないと良いのですが……。 また、プレートもやっぱり謎ですね。国を興せる程の力を持つものなのに、 現王室の先祖がそのままそれを所有せず、割って封印した辺りが、かなり不気味です。 現段階では、ゴットフリードさんはどこまで分かっているのでしょう。 ゴットフリードさんとの対話がどうなるのか、アメリアの前にどんな事実が 語られるのか、続きを楽しみにしています。 それでは、今日はこの辺で失礼します。 |
29461 | 誰も入り込めません | 棒太郎 | 2004/2/27 22:45:02 |
記事番号29442へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >おおっ! 今日は2話ですね! >ジゴマさんの演出で、二手に分かれたゼルとアメリア。 >そしてカーライルさんの過去。 >光があれば影もあるものですが、セイルーンが〃国〃として持つ闇の部分が、 >出始めましたね。 >プレート絡みの〃闇〃の部分は、ゴットフリードさんの担当になるのかなと思いました。 こんばんは、エモーションさん。 最近、時間が余ってると2話投稿したりしてますね。暇人だなぁ・・・・・ ようやく過去が語られ始めました。 ひとまずカーライルは終了。次はプレート絡みの過去ですね。 >>「敵ではないかもしれん。だが、俺たちを味方と思っているのかも分からん。迂闊に動くんじゃない!」 >>「傍観なんてイヤです!」 >>「アメリアッ!分からないか!」 > >ゼルの言い分はもっともなんですよね。アメリアも分かっているのでしょうが、 >本当に……真っ直ぐですよね、アメリア……。 確かにゼルは正論ですが。 そうもいかないのが、人情でしょう。 >>そう言うや、ジゴマは大きく飛び上がり、脳天から真っ逆さまに落ちた。 >>額が地面につくと同時に、背の櫃がアメリアをすっぽりと飲み込んだ。 >>そのまま、また飛び上がり、地面に着地するとアメリアの姿はそのまま櫃の中に消えていた。 > >とりあえずゼルを足止めして、櫃にアメリアを入れて運ぶ、と。 >「舞台」のためなら手間を惜しみませんね、ジゴマさん。 「役者」は「舞台」にきちんと出ないと、という持論からですね。 >>「如何なされました、ゴットフリード様?」 >>「マーキンス、館の者を皆、すぐに起こせ。そしてここから脱出させるんだ。」 >>「一体なにが――――」 >>「詳しく話している時間が無い。彼らが巻き添えを食ってはいけない。早くしてくれ。」 > >本当に……きちんとノーブル・オブリージュ(だったかな)が身に付いている方です。 >ゴットフリードさん。身代わりや目くらましに使おうとか思うような者たちとは大違いです。 基本的には人間ができた人ですので。 >>「こいつぁ、とんでもねぇ兇剣だな。」 >>塀の壁を地面のようにして張り付いているジゴマが声を漏らした。 >>事実、彼の剣閃は地面まで切り裂いていた。 > >もの凄いパワーです。光の剣の威力をセーブしないで使った時の、 >ガウリイレベルの剣技かもしれないですね。 人外のパワーです。まあ、ジゴマが絡んでますし。 >>「メルリーンとしての記憶を全て消して、まったく別の人間として、別の場所で幸せにお暮らしになっておりますよ。」 >>カーライル様のご要望でね―――ジゴマは言った。 > >辛い思いをさせないために、という事ですね。 辛い記憶を抹消し、新たな別の人生を送らせるためです。 >>アメリアの言葉に、フー・マンチューはひとつ笑みを浮かべるとその背中を押し出した。 >>「現実はとても厳しいがの。その心をいつまでも忘れんことじゃ。」 > >フー・マンチューさん自身の性格もあるのでしょうけれど、アメリアは本当に >周りがつい、親切にしてしまう何かがあるんでしょうね。 人より真っ直ぐな分、懸命さがよく見えるんでしょうね。 >>「くっ!」 >>刃はいとも簡単に、ゼルガディスの岩の体を切り裂いた。 >>他の兵士たちも紙を切るように斬られてゆく。 > >ゼルの身体すら簡単に傷つけてしまうのでは、生身の人間には堪らないですね。 >本当に、凄い力です。 生身の人間では、屁のツッパリにもなりません。 >>「人の想いというのは、時として凄い力を出すもんだ。」 >>そういえば、あの御方もそうだったな―――と、ジゴマは蒼い髪の美女を思い返した。 > >ダルフィン様を思い出しつつ、現在のカーライルさんを前にして「想い」というものを、 >少し興味深く感じたのでしょうか。 >……そして、しっかり斬撃をかわしているのはさすがです。ジゴマさん。 なかなか面白いスパイスとなると思っています。 まあ、只者ではありませんからね、この男・・・・・・・ >>「そうだ。元々私達兄妹は、戦火で国を追われた流れ者。他所者が――それもまだ少年だった者が――幼い妹を養うために、裏の世界へ身を投じることになるのは、そう長くは無かった。幸か不幸か、私はどうやら才覚に恵まれていたらしくな、仕事に困ることは無かった。」 >>ヒュッと刃を振るい、大きく血飛沫が舞う。 >>「そして、セイルーン騎士団の非合法組織にスカウトされた。数々の裏の仕事をこなしてきた私は”黒のアサシン”と呼ばれるまでになった。だが―――」 >>私も裏の世界から足を洗おうと思う機会が訪れた――カーライルは呟いた。 >>「それは・・・・?」 >>「妹の結婚だ。」 > >兄妹二人、生きるために必死だったのですね。巡り合わせが違えば、 >まだ別の生き方ができたのかもしれないですが、運良くそうなる者より、 >裏の世界へ行くことになる人間の方が、多いでしょうね。 >カーライルさんの子ども時代、というと今は病気で寝たきりな王様が、 >元気にバリバリ仕事をしていたころでしょうけれど、多分、今政務を行っている >フィルさんよりは、福祉その他が行き届いてないでしょうしね。 >(何か、フィルさんはそう言う方面は、諸国漫遊して庶民の生活や現状を見てきた分、 >分かっているでしょうから、父親の時より重視して、力を入れてそうですから) 自国民ならまだしも、他国から流れ着いたものですからね。 余計に、そういったことを受けづらいと思います。 >>「騎士団にとって、私は多くの仕事をこなし過ぎたのさ。万が一にも裏仕事が外に洩れないようにな・・・・・・私は不意をつかれ、瀕死の重傷を負った。」 >>なあ、アルベルト――と、カーライルはアルベルトに向かってニヤリと笑った。 >>「私だけならまだ良かった・・・・・・・だが上の者は念入りだった。何も知らぬ妹にまで刃にかけようとした・・・・・・そのとき、妹は光を失った・・・・・・・それでもなんとか二人で逃げ出した・・・・・死にかけと目の見えぬ女の逃亡――逃げ切れないのは分かっていた・・・・だが、それでもこのアーデンハイルの領地まで逃げてきた。しかし、そこで倒れた・・・・・」 > >妹のために必死で生きてきた兄としては、結局それが妹の幸せを壊し、命を狙われるはめに >陥らせてしまったことが悲しくて、そしてセイルーン王家に対して、妹への仕打ちに関しては、 >当然ですが絶対に許せないんですね。 >それだけに、先代のアーデンハイル卿やゴットフリードさんには、恩があると。 >これはもう、無理もないですね。 自分だけならまだしも―――という思いがありますからね。 それにやはり先代やゴットフリードには多大な恩を感じていますし。 >>「まあ、ちょいと以前とは違う人間になっちまうのはご容赦くださいと断ったんですが、むしろ望むところだとね。それに妹様に自分の目をやって欲しいとも。あとはこちらでダミーを用意させてもらいましたかね。」 > >……ちょいとどころじゃないような気がしますが(汗) >ところで、メルリーンさんはカーライルさんの目を移植して、記憶を消した >(またはまったく別人としての記憶を与えた?)だけで、別にそれ以上の事は >されていないんですよね。まあ、カーライルさんもそれは念を押したと思いますが。 一応依頼事ですので、余計なことはしてません。大丈夫です。 >>「ひょ、ひょ。時間が無いぞ。若いの。」 >>闇の奥からフー・マンチューが現れた。 >>ピッと指を弾くや、兵士の眉間が穿たれていった。 >>(指弾か・・・・・・・なんて威力だ!) >>厄介な人物がまた揃ってしまった。 > >ゼルとしては当然の感想ですね(汗) >それにしても、フー・マンチューさん。本当に気楽に倒してますね。 >……ゼルって、年寄りに「可愛がられる」タイプかも(苦笑) 圧倒的なレベルの差ですからね。 >>そのとき、ジゴマの背中の櫃からザッと影が舞い上がり、地に降り立った。 >>それは黒い菅笠を目深に被った青年だった。 >>(こ・・この男・・・・・・・強い・・・・) >>ゼルガディスは一目見て、肌で感じ取った。 > >やはりゼルもリュウゼンさんの強さは、はっきり分かるんですね。 ゼルも伊達に幾つもの修羅場を潜ってきてはいないと思いますので。 >>青年を一目見たフー・マンチューが初めて、構えを取った。 >>「これほど血が躍る相手は、ほんに久しく会わなんだわ。お主・・・・・名は?」 >>「リュウゼン・・・・・・・と申します。」 >>青年――リュウゼンは腰の一刀を抜いた。 >>「わしはフー・マンチューじゃ。」 >>二人の間の空気が、ピンと張り詰めた。 > >ああ、すでに他の者には入り込めない世界が……(^_^;) 強者は強者同士、惹かれ合うのでしょう。すでに世界を作っちゃってます。 >>「さて、ゼルガディス様。あちらは任せて参りましょうか。」 >>「そうはさせん!」 >>火花を上げつつ、刃が絡まった。 > >フー・マンチューさんの相手はリュウゼンさんとしても、やはりカーライルさんとは、 >きっちりと相手をしなくてはならないわけですね。 >これは、かなり大変です、ゼル。 リュウゼンもフー・マンチューしか目に入らないでしょうし、カーライルの相手はしなくてはなりません。 >>そう言って、アメリアを階段へ送り出した。 >>「さて、後は向こうの出方次第だな。」 >>首をゴキリと鳴らして、タイタスはそう呟いた。 > >アメリアを見るなり、目的を理解したと思われるタイタスさん。 >本当に、この方も一癖も二癖もある方ですね。 >どこまで分かっているのでしょうか。 まあ、フー・マンチューと知り合いですし。 もうすぐ正体が明らかになります。 >>続きでした。 >>とりあえず、カーライル過去話、なんとか語り終えました。 >>そして、勃発する妖怪と修羅の対決。 >>次はゴットフリード対話編ですね。 >>それではまた次回。 > >カーライルさんに関しては「これは恨まれても仕方ないでしょう」ですね、本当に。 >そして人外の戦いになりそうな、フー・マンチューさんとリュウゼンさんの戦い。 >「もう……誰も止められない……」と呟くのみですね。 >ゴットフリードさんのもとへ行ったアメリア。語られるであろうセイルーンの〃闇〃の部分に、 >押しつぶされないと良いのですが……。 >また、プレートもやっぱり謎ですね。国を興せる程の力を持つものなのに、 >現王室の先祖がそのままそれを所有せず、割って封印した辺りが、かなり不気味です。 >現段階では、ゴットフリードさんはどこまで分かっているのでしょう。 > >ゴットフリードさんとの対話がどうなるのか、アメリアの前にどんな事実が >語られるのか、続きを楽しみにしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。 カーライルがゴットフリードにつく理由は、ああしたことがあったからでした。 この人、アサシン出身だけどサムライのように義理堅いところがあるんですよね。 そして、次はゴットフリードとアメリアの対面です。 もうすぐ、タイタスの正体やプレートとの関係も明らかになります。 フー・マンチューとリュウゼンは・・・・・・どうなるでしょうね(笑) わたしにも予想がつきません。 それでは、どうもありがとうございました。 |
29502 | 異邦の彼方より (22) | 棒太郎 | 2004/3/3 17:26:47 |
記事番号29377へのコメント こんにちは、棒太郎です。 最近また寒くなってきてたまらんです。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『異邦の彼方より』 (22) ―――だれひとり、自分に課せられた悲しみから逃れるわけにはいかない いったん入ったひびは、どんなことをしても、もう癒らないのだ――― レオーノフ 『泥棒』 辺りは血の臭いすら掻き消されてしまいそうなほどの、緊迫感に包まれていた。 その中心には、体を半身に切って構える小柄な老人と、正眼より少し下に剣を構える黒笠の青年がいた。 青年は頭を前へ突き出すように、やや前屈の姿勢をとっていた。 (ふむ・・・・・・肉を切らせて骨を断つ――か・・・・・あの構え、おそらくは己の面なりを打たせて、相手を斬る相打ちの技と見た・・・・・・) 老人――フー・マンチューは、瞬時にその技を見て取った。 (生半な手は打てぬな・・・・・・・) もはや意識戦とでもいうような睨み合いが続いていた。 そして、誰も入り込めぬ世界をつくりあげている二人の横では、カーライルが魔人といえる剣を振るっていた。 「くっ!なんて剣だ!」 身を翻しながらゼルガディスが苦々しげに呟いた。 「さて・・・・・どういたしましょうかねぇ。」 その横で、原因ともいえる男が愉しげな声で呟いた。 「リュウゼンさんはあっちのお相手をまかせちまったし・・・・・ロペティかデッドエンドのどちらかがいりゃ、少しは違うだろうが―――」 グレイシア様の護衛につけちまってるしなぁ―――と、少しの間、思案に暮れていたが、やがて顔を上げた。 「ま、取り敢えずは時間だ。また後にするか。」 大階段を駆け上がり、アメリアは執務室へと向かった。 部屋の前に来ると、ひとつ大きく深呼吸をし、ゆっくりとドアを開けた。 ランプの灯りが照らし出す部屋の中で、剣の納まった鞘を手に持ち、ゴットフリードは窓から外の光景を見つめていた。 「!誰だ?」 ドアが開いたのに気が付き、振り返った。そして、ゴットフリードの声に応えるように、アメリアは静かに入っていった。 「!?アメリア様・・・・・・・」 ゴットフリードの目が、驚きに見開いた。 「どうしてここに―――?」 「ゴットフリードさん―――」 アメリアは絞りだすような声を上げた。 「騎士団がゴットフリードさんを捕らえに来てるんです・・・・・・・でも、ゴットフリードさんはそんなことするようなひとじゃありません!私は信じてます!」 アメリアの必死の言葉に、ゴットフリードはそっと目を伏せ、沈痛に耐える様な表情を浮かべた。 「ゴットフリードさん・・・・・・?」 「アメリア様・・・・・・・その御心、嬉しく思います・・・・・しかし―――」 再び目線をアメリアに向けると、何かを握った手を前に差し出した。 「残念ながら・・・・・彼らの言うことはあながち間違いじゃないのです。」 その手には、数枚のプレートが握られていた。 「そんな―――――嘘です!そんなの嘘です!」 「・・・・・・・事実です・・・・・・アメリア様。」 「どうしてですか!?どうして、ゴットフリードさんがそんなことを―――!?」 ゴットフリードは窓辺から、アメリアの前へとやって来た。 「アメリア様・・・・・・・これはセイルーンを現王家が治めるようになったときからの、因縁です。」 「因縁・・・・・・・?」 「アメリア様もご存知でしょう。その昔、セイルーンを興した旧王家のことを・・・・・」 「は、はい――――その後、後継者に恵まれず王位を現王家のご先祖様に譲ったと――――」 「そう・・・・・表の歴史にはそう記されている・・・・・・・しかし、実際はそんな平和的なものではなかった・・・・・・・」 それを聞いて、あるひとつの考えがアメリアの身を強張らせた。 「それじゃ・・・まさか・・・・・・・・」 「そう、旧王家の者達を謀殺―――いえ、虐殺したのです。」 ギュッとプレートを握る手に力が篭った。 「もともと旧王家も現王家も同じ一族でした・・・・・・しかし、旧王家には現王家にないものがあった。それがこれです。」 「この・・・・プレートが・・・・・・・?」 「ええ。私も詳しいことは分かりませんが、セイルーンがまだ出来たばかりの頃―――その当時は今のような大国ではなく、小さな新興国に過ぎませんでした。いつ、周りの国々に飲み込まれるかもしれない脅威に度々晒されていたのです。しかし、それらを退け、今のセイルーンの基盤を築くことができたのは、これによるためだといわれています。」 まるで生徒に教える教師のように、アメリアに話していく。 「現王家の先祖はその力を、更に勢力を広げるためにつかおうとしましたが、旧王家は取り合わなかった。やがて、それを欲した現王家の先祖は旧王家の者達を抹殺し、王位を簒奪したのです。しかし、これは彼には使うことが出来なかった。どうやら旧王家の者にしか扱えぬようなのです。そして、復讐を恐れた彼らは、万が一を考え、プレートを分割し、それぞれへ隠蔽したのです。」 そうしてゴットフリードは一旦言葉を切った。 明かされた事実に、アメリアの身に重い空気が圧し掛かった。 「もうお気づきかとおもいますが・・・・・・・私は――いえ、アーデンハイル家はその旧王家の流れを汲む者の末裔です。」 そう言いながらも、ゴットフリードは複雑な表情でアメリアを見ていた。 何かしら、王家を憎んでいると言っても、この少女にはむしろ好感の念を抱いていた。 「アメリア様・・・・・・・もはや、サイは投げられたので――――っ!?」 言いかけたゴットフリードが、いきなりアメリアに向かって剣を抜き放った。 刃はアメリアの横を通り、その後ろへと突き刺さった。 そのとき、何かの気配が動いたのを感じた。 振り返ると、そこに頭から足先まで、黒尽くめに包まれた人影が立っていた。 「ちっ!ここまでやる気か!」 「!?」 剣を振るっていたカーライルも館の変化に気が付いた。 「まさか――――」 「ほぅ・・・・・どうやら第二波の到着のようですな。」 ジゴマがそう言った。 「第二波だと――!?」 「まさか・・・・・・”黒狩人”か!?」 「流石、元いなすっただけあって、理解が早い。」 「”黒狩人”とは何だ?」 「第八師団の闇の実行部隊でございます。早い話、非合法のアサシン部隊でございますよ。」 ニィッとジゴマが笑みを浮かべた。 「もともとカーライル様もそこに所属なさっていなすったようで。しかし、上の連中も用心深い。更に極秘裏に非合法部隊の派遣とは。どうやら、公に裁く気はないようですな。」 「おのれっ!!」 踵を返し、カーライルは館に向かって駆け出そうとしたが、 「おおっと、そうはいきませんや。」 ジゴマがその前に立ち塞がった。 「どけっ!!」 カーライルの剣が、袈裟斬りに斬り下ろされた。 だが、ジゴマは動かず、その刃は胸の半ばまで深々と食い込んだ。 「!?」 カーライルも、そしてゼルガディスも驚きを浮かべた。 ダラリとジゴマの両手が、力なく下がる。 (馬鹿な・・・・・・あいつがあんな呆気なく―――?) ゼルガディスがそう思ったとき、 「お・・・お兄ちゃん・・・・・・」 微かに声が聞こえた。 その声を聞いたカーライルの顔に、さらに驚きが浮かんだ。 ずるりとジゴマの覆面が地に落ち、そこから女の顔が現れた。 「メ、メルリーン・・・・・・」 「どう・・・し・・・て・・・・・・お・・兄・・・・・ちゃ・ん・・・・・・」 瀕死の、弱々しげな瞳を向け、”メルリーン”は言った。 そのとき、ほんの僅かにカーライルの力が緩んだ。 「メルリー――――!?」 カーライルの言葉が途切れた。その胸に”メルリーン”の片手が深々と食い込んでいた。 「おやすみ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・」 ニヤリと笑みを浮かべ、中で何かをいじるように腕を捻り、そのままカーライルとともに地面に倒れた。 二人ともそのまま動かなかった。 ゼルガディスはしばし、二人に目を向けていたが、やがて館へ向かって走り出した。 サナは恐怖の表情を浮かべて、座り込んでいた。 目の前には、黒尽くめの影が刃を手に、見下ろしていた。その身からは殺気以外、なにも出ていなかった。 恐怖に凍りつき、体が動かなかった。 そのサナへ、影の刃が振り下ろされようとしたとき――― 「おおっと。」 横合いから声がして、その刃を弾いた。 「ったく、血に狂った畜生が。」 手に暖炉の火かき棒を持ったタイタスが立っていた。 影がタイタスに襲い掛かろうとした時、ヒュッと空を切り、火かき棒が影の体に叩き込まれた。そして、その脳天へ一撃を振り下ろそうとした時、横からもう一人が襲い掛かってきた。 それを避けながら、タイタスの体が影に向かい、影は左目を押さえ、のけぞった。 タイタスの、突き出した右の二指が目を貫いたのだった。 そして二人それぞれに一撃を叩き込み、沈黙させた。 「サナちゃん、大丈夫かい?」 タイタスがサナに向かって振り向いた時、 「!?」 サナはタイタスの背後に、刃を振り下ろそうとしている影を見た。 サナが叫ぶ間もなく、刃はタイタスの頚椎へ振り下ろされた―――――が、 「ふん、獣だって無用の狩りはしないっていうのに。まったく獣以下の所業だよ。」 影の背後にタイタスが立ち、刃を持つ手を捻り上げ、首に腕を巻きつけていた。 「サナちゃん、ここは危ないよ。早くマーキンスさんたちについて逃げるんだ。」 「で・・・・でも・・・・・・ゴットフリード様が・・・・・・・・・」 「はぁ〜〜、愛だねぇ。」 サナの言葉に、しみじみと呟いたタイタスは、腕を更に食い込ませ、捻り上げた。 グギリと鈍いイヤな音がし、影は崩れ落ちた。 「けど、君達が傷ついたらあの人は辛いよ。だから早く行くんだね。」 僕はもう少し、掃除するから―――とタイタスは館の奥へと消えていった。 ************************************* 続きでした。 だいぶ、乱戦になってきましたが、まだもう少し、過去が語られます。 カーライルとジゴマが倒れましたが・・・・・・誰もジゴマの心配なんざしないでしょう(笑) それではまた次回。 |
29505 | セイルーン王家の黒歴史ですね | エモーション E-mail | 2004/3/3 22:32:31 |
記事番号29502へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 >こんにちは、棒太郎です。 >最近また寒くなってきてたまらんです。 >それでは続きをどうぞ。 本当に……三寒四温とは言いますが、暖かい日といかにも冬な日が交互にきますから、 よけいに寒く感じますよね。 さて、お待ちしていました、続きですね♪ 何だか懐かしの某黄金聖○士の千日戦争状態なフー・マンチューさんとリュウゼンさん。 そしてカーライルさんとジゴマさんの対決──どうやらジゴマさんは一時退場のようですね。 >(ふむ・・・・・・肉を切らせて骨を断つ――か・・・・・あの構え、おそらくは己の面なりを打たせて、相手を斬る相打ちの技と見た・・・・・・) >老人――フー・マンチューは、瞬時にその技を見て取った。 >(生半な手は打てぬな・・・・・・・) >もはや意識戦とでもいうような睨み合いが続いていた。 リュウゼンさんはあの奥義を放つつもりでしょうか。 そして、あっさり見抜くフー・マンチューさん……。 本当に、二人だけの世界です。 >「リュウゼンさんはあっちのお相手をまかせちまったし・・・・・ロペティかデッドエンドのどちらかがいりゃ、少しは違うだろうが―――」 >グレイシア様の護衛につけちまってるしなぁ―――と、少しの間、思案に暮れていたが、やがて顔を上げた。 ロペティさんとデッドエンドさんはあのお方(汗)とご一緒でしたか……。 確かに、何気に凄いあのお方の護衛は、生半可な人形では出来ないでしょうけれど…… ナー……げふげふっ、とロペティさんが一緒にいるのって、ビジュアル的にも、 精神的に周囲与えるダメージも凄そうです……。 >「騎士団がゴットフリードさんを捕らえに来てるんです・・・・・・・でも、ゴットフリードさんはそんなことするようなひとじゃありません!私は信じてます!」 >アメリアの必死の言葉に、ゴットフリードはそっと目を伏せ、沈痛に耐える様な表情を浮かべた。 政略だの何だのとなれば、まだ別なのでしょうけれど、アメリアのような人間からの 「信頼」を、ある意味裏切る(裏切っている)のは、ゴットフリードさんからすれば 辛いのでしょうね。 >「もともと旧王家も現王家も同じ一族でした・・・・・・しかし、旧王家には現王家にないものがあった。それがこれです。」 >「この・・・・プレートが・・・・・・・?」 >「ええ。私も詳しいことは分かりませんが、セイルーンがまだ出来たばかりの頃―――その当時は今のような大国ではなく、小さな新興国に過ぎませんでした。いつ、周りの国々に飲み込まれるかもしれない脅威に度々晒されていたのです。しかし、それらを退け、今のセイルーンの基盤を築くことができたのは、これによるためだといわれています。」 >まるで生徒に教える教師のように、アメリアに話していく。 >「現王家の先祖はその力を、更に勢力を広げるためにつかおうとしましたが、旧王家は取り合わなかった。やがて、それを欲した現王家の先祖は旧王家の者達を抹殺し、王位を簒奪したのです。しかし、これは彼には使うことが出来なかった。どうやら旧王家の者にしか扱えぬようなのです。そして、復讐を恐れた彼らは、万が一を考え、プレートを分割し、それぞれへ隠蔽したのです。」 セイルーン王家の闇の部分……本家と分家が争って、分家が勝ったというノリですね。 現王家がプレートを使わなかった理由は納得ですが、同じ一族なのに現王家の先祖には 使えなかった、と言う点を見ていると、旧王家の流れを汲むとはいえ、ゴットフリードさんに 使えるのかどうかが、気になるところですね。 単純に直系と傍系の違いかもしれないですが、何をもって「直系」と判断しているのか、 というのがありますから。 それにしてもこのプレート、一体何なのでしょう。ゴットフリードさんの語った黒歴史が、 9割方事実としても、このプレートが厄介なものではない、という保証はないのですよね。 >言いかけたゴットフリードが、いきなりアメリアに向かって剣を抜き放った。 >刃はアメリアの横を通り、その後ろへと突き刺さった。 >そのとき、何かの気配が動いたのを感じた。 >振り返ると、そこに頭から足先まで、黒尽くめに包まれた人影が立っていた。 >「ちっ!ここまでやる気か!」 いきなり何をするのかと思えば、さらに怪しげな方々が……。 >「まさか・・・・・・”黒狩人”か!?」 >「流石、元いなすっただけあって、理解が早い。」 >「”黒狩人”とは何だ?」 >「第八師団の闇の実行部隊でございます。早い話、非合法のアサシン部隊でございますよ。」 >ニィッとジゴマが笑みを浮かべた。 >「もともとカーライル様もそこに所属なさっていなすったようで。しかし、上の連中も用心深い。更に極秘裏に非合法部隊の派遣とは。どうやら、公に裁く気はないようですな。」 ……先程の方は、アメリアまで殺す勢いだったような……(汗) 何にせよ、また厄介なものが出てきましたね。 そしてゼルの心配度数もUP……。 >「お・・・お兄ちゃん・・・・・・」 >微かに声が聞こえた。 >その声を聞いたカーライルの顔に、さらに驚きが浮かんだ。 >ずるりとジゴマの覆面が地に落ち、そこから女の顔が現れた。 >「メ、メルリーン・・・・・・」 >「どう・・・し・・・て・・・・・・お・・兄・・・・・ちゃ・ん・・・・・・」 >瀕死の、弱々しげな瞳を向け、”メルリーン”は言った。 >そのとき、ほんの僅かにカーライルの力が緩んだ。 >「メルリー――――!?」 >カーライルの言葉が途切れた。その胸に”メルリーン”の片手が深々と食い込んでいた。 >「おやすみ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・」 >ニヤリと笑みを浮かべ、中で何かをいじるように腕を捻り、そのままカーライルとともに地面に倒れた。 ……ジゴマさん……得意ですよね、こーゆーの……(^_^;) 相討ち状態のカーライルさんとジゴマさん。 ……もっとも、ジゴマさんは必要があればそのうちまた「あれもやつがれの人形でして」 とか言いつつ出てきそうですが。 >ゼルガディスはしばし、二人に目を向けていたが、やがて館へ向かって走り出した。 ゼルとしてはひたすら困惑するだけですよね……。一応(特にカーライルさんが) 起き上がってこないか確認して、あとはアメリアの元へダッシュ。 でも、アメリアにジゴマさんについてどう説明するか、悩むでしょうね。 >サナは恐怖の表情を浮かべて、座り込んでいた。 >目の前には、黒尽くめの影が刃を手に、見下ろしていた。その身からは殺気以外、なにも出ていなかった。 うーん、目撃した者は殺す、ですね。基本と言えば基本ですが……そのまえに、 標的以外には見つからないように、慎重に行動しろという感じです。 >影がタイタスに襲い掛かろうとした時、ヒュッと空を切り、火かき棒が影の体に叩き込まれた。そして、その脳天へ一撃を振り下ろそうとした時、横からもう一人が襲い掛かってきた。 >それを避けながら、タイタスの体が影に向かい、影は左目を押さえ、のけぞった。 >タイタスの、突き出した右の二指が目を貫いたのだった。 >そして二人それぞれに一撃を叩き込み、沈黙させた。 ……フー・マンチューさんと知り合いだけあって、強いですね……。 この方々は、少なくともジゴマさんと会う前の、カーライルさんくらいの 強さなのでしょうに、あっさりと……。 >「サナちゃん、ここは危ないよ。早くマーキンスさんたちについて逃げるんだ。」 >「で・・・・でも・・・・・・ゴットフリード様が・・・・・・・・・」 >「はぁ〜〜、愛だねぇ。」 >サナの言葉に、しみじみと呟いたタイタスは、腕を更に食い込ませ、捻り上げた。 >グギリと鈍いイヤな音がし、影は崩れ落ちた。 >「けど、君達が傷ついたらあの人は辛いよ。だから早く行くんだね。」 >僕はもう少し、掃除するから―――とタイタスは館の奥へと消えていった。 うーん、余裕ですね、タイタスさん。 サナさんはただひたすら、ゴットフリードさんが心配なのでしょうけれど、 ここは確かに、タイタスさんの言うとおりにした方がいいのかも。 彼女がさらに黒狩人たちと遭遇しないことを祈ります。 >続きでした。 >だいぶ、乱戦になってきましたが、まだもう少し、過去が語られます。 >カーライルとジゴマが倒れましたが・・・・・・誰もジゴマの心配なんざしないでしょう(笑) はい、心配していませんでした、すみません(^_^;) なにぶん、ダルフィン様が相手でもピンシャンしている方ですから、ねぇ……(笑) 一段落ついてゼルとアメリアが外へ出たら、カーライルさんの遺体はあるのに、 ジゴマさんのはどこにもない、なんて当然のようにありそうですし。 >それではまた次回。 アメリアにとって衝撃的なセイルーン黒歴史。プレートに関しての謎と合わせて、 どんな事実が出てくるのでしょうか。 そして急げ、ゼル!!……でも途中、思いっきり黒狩人に懐かれて(笑)そうですね。 それでは、続きを楽しみにしつつこの辺で失礼いたします。 |
29520 | やっとこさ、事の真相が出始めました | 棒太郎 | 2004/3/5 00:19:45 |
記事番号29505へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 >本当に……三寒四温とは言いますが、暖かい日といかにも冬な日が交互にきますから、 >よけいに寒く感じますよね。 > >さて、お待ちしていました、続きですね♪ >何だか懐かしの某黄金聖○士の千日戦争状態なフー・マンチューさんとリュウゼンさん。 >そしてカーライルさんとジゴマさんの対決──どうやらジゴマさんは一時退場のようですね。 こんばんは、エモーションさん。 本当に寒暖が極端ですよね。堪りません。 フー・マンチューとリュウゼンは膠着状態で、ジゴマもまた意外(?)な展開に。 最近、二転三転してます。 >>(ふむ・・・・・・肉を切らせて骨を断つ――か・・・・・あの構え、おそらくは己の面なりを打たせて、相手を斬る相打ちの技と見た・・・・・・) >>老人――フー・マンチューは、瞬時にその技を見て取った。 >>(生半な手は打てぬな・・・・・・・) >>もはや意識戦とでもいうような睨み合いが続いていた。 > >リュウゼンさんはあの奥義を放つつもりでしょうか。 >そして、あっさり見抜くフー・マンチューさん……。 >本当に、二人だけの世界です。 誰も手出しできません。したら巻き添え喰らいます。 >>「リュウゼンさんはあっちのお相手をまかせちまったし・・・・・ロペティかデッドエンドのどちらかがいりゃ、少しは違うだろうが―――」 >>グレイシア様の護衛につけちまってるしなぁ―――と、少しの間、思案に暮れていたが、やがて顔を上げた。 > >ロペティさんとデッドエンドさんはあのお方(汗)とご一緒でしたか……。 >確かに、何気に凄いあのお方の護衛は、生半可な人形では出来ないでしょうけれど…… >ナー……げふげふっ、とロペティさんが一緒にいるのって、ビジュアル的にも、 >精神的に周囲与えるダメージも凄そうです……。 ロペティのほうはもしかしたら、フィーリングが合うかも知れませんね。 まあ、デッドエンドがいるからストッパーになってくれるでしょうが。 >>アメリアの必死の言葉に、ゴットフリードはそっと目を伏せ、沈痛に耐える様な表情を浮かべた。 > >政略だの何だのとなれば、まだ別なのでしょうけれど、アメリアのような人間からの >「信頼」を、ある意味裏切る(裏切っている)のは、ゴットフリードさんからすれば >辛いのでしょうね。 アメリア個人は悪く思ってませんし。それに、ゴットフリードも完全に悪になりきれる人物でもないですしね。 >>「ええ。私も詳しいことは分かりませんが、セイルーンがまだ出来たばかりの頃―――その当時は今のような大国ではなく、小さな新興国に過ぎませんでした。いつ、周りの国々に飲み込まれるかもしれない脅威に度々晒されていたのです。しかし、それらを退け、今のセイルーンの基盤を築くことができたのは、これによるためだといわれています。」 >>まるで生徒に教える教師のように、アメリアに話していく。 >>「現王家の先祖はその力を、更に勢力を広げるためにつかおうとしましたが、旧王家は取り合わなかった。やがて、それを欲した現王家の先祖は旧王家の者達を抹殺し、王位を簒奪したのです。しかし、これは彼には使うことが出来なかった。どうやら旧王家の者にしか扱えぬようなのです。そして、復讐を恐れた彼らは、万が一を考え、プレートを分割し、それぞれへ隠蔽したのです。」 > >セイルーン王家の闇の部分……本家と分家が争って、分家が勝ったというノリですね。 >現王家がプレートを使わなかった理由は納得ですが、同じ一族なのに現王家の先祖には >使えなかった、と言う点を見ていると、旧王家の流れを汲むとはいえ、ゴットフリードさんに >使えるのかどうかが、気になるところですね。 >単純に直系と傍系の違いかもしれないですが、何をもって「直系」と判断しているのか、 >というのがありますから。 >それにしてもこのプレート、一体何なのでしょう。ゴットフリードさんの語った黒歴史が、 >9割方事実としても、このプレートが厄介なものではない、という保証はないのですよね。 王家の争いに関してはそんな感じですね。 プレートに関してももうすぐ、どんなものか判明します。そしてはその時はタイタスの正体も・・・・・・ >>そのとき、何かの気配が動いたのを感じた。 >>振り返ると、そこに頭から足先まで、黒尽くめに包まれた人影が立っていた。 >>「ちっ!ここまでやる気か!」 > >いきなり何をするのかと思えば、さらに怪しげな方々が……。 フー・マンチューの言ってた”第二波”です。 >>「第八師団の闇の実行部隊でございます。早い話、非合法のアサシン部隊でございますよ。」 >>ニィッとジゴマが笑みを浮かべた。 >>「もともとカーライル様もそこに所属なさっていなすったようで。しかし、上の連中も用心深い。更に極秘裏に非合法部隊の派遣とは。どうやら、公に裁く気はないようですな。」 > >……先程の方は、アメリアまで殺す勢いだったような……(汗) >何にせよ、また厄介なものが出てきましたね。 >そしてゼルの心配度数もUP……。 ゼルの苦労は続きます(笑) >>「メルリー――――!?」 >>カーライルの言葉が途切れた。その胸に”メルリーン”の片手が深々と食い込んでいた。 >>「おやすみ・・・・・・お兄ちゃん・・・・・」 >>ニヤリと笑みを浮かべ、中で何かをいじるように腕を捻り、そのままカーライルとともに地面に倒れた。 > >……ジゴマさん……得意ですよね、こーゆーの……(^_^;) >相討ち状態のカーライルさんとジゴマさん。 >……もっとも、ジゴマさんは必要があればそのうちまた「あれもやつがれの人形でして」 >とか言いつつ出てきそうですが。 相手の心のスキマを突くのは彼の常套手段ですからね。 今までのこともありますが、やはり心配されませんね、ジゴマ(笑) >>ゼルガディスはしばし、二人に目を向けていたが、やがて館へ向かって走り出した。 > >ゼルとしてはひたすら困惑するだけですよね……。一応(特にカーライルさんが) >起き上がってこないか確認して、あとはアメリアの元へダッシュ。 >でも、アメリアにジゴマさんについてどう説明するか、悩むでしょうね。 ゼルにとっては意外な展開ですからね。 >>サナは恐怖の表情を浮かべて、座り込んでいた。 >>目の前には、黒尽くめの影が刃を手に、見下ろしていた。その身からは殺気以外、なにも出ていなかった。 > >うーん、目撃した者は殺す、ですね。基本と言えば基本ですが……そのまえに、 >標的以外には見つからないように、慎重に行動しろという感じです。 まあ、殺しが癖になってるような者も中にいますから・・・・・・ >>影がタイタスに襲い掛かろうとした時、ヒュッと空を切り、火かき棒が影の体に叩き込まれた。そして、その脳天へ一撃を振り下ろそうとした時、横からもう一人が襲い掛かってきた。 >>それを避けながら、タイタスの体が影に向かい、影は左目を押さえ、のけぞった。 >>タイタスの、突き出した右の二指が目を貫いたのだった。 >>そして二人それぞれに一撃を叩き込み、沈黙させた。 > >……フー・マンチューさんと知り合いだけあって、強いですね……。 >この方々は、少なくともジゴマさんと会う前の、カーライルさんくらいの >強さなのでしょうに、あっさりと……。 能ある鷹は爪を隠す――と言うように、上手い具合に自分の力を悟らせてませんから、周りに。 >>サナの言葉に、しみじみと呟いたタイタスは、腕を更に食い込ませ、捻り上げた。 >>グギリと鈍いイヤな音がし、影は崩れ落ちた。 >>「けど、君達が傷ついたらあの人は辛いよ。だから早く行くんだね。」 >>僕はもう少し、掃除するから―――とタイタスは館の奥へと消えていった。 > >うーん、余裕ですね、タイタスさん。 >サナさんはただひたすら、ゴットフリードさんが心配なのでしょうけれど、 >ここは確かに、タイタスさんの言うとおりにした方がいいのかも。 >彼女がさらに黒狩人たちと遭遇しないことを祈ります。 彼はいかなる事態にも、軽口叩くような感じの人物ですから。 それだけの実力を持ってるということですが。 >>続きでした。 >>だいぶ、乱戦になってきましたが、まだもう少し、過去が語られます。 >>カーライルとジゴマが倒れましたが・・・・・・誰もジゴマの心配なんざしないでしょう(笑) > >はい、心配していませんでした、すみません(^_^;) >なにぶん、ダルフィン様が相手でもピンシャンしている方ですから、ねぇ……(笑) >一段落ついてゼルとアメリアが外へ出たら、カーライルさんの遺体はあるのに、 >ジゴマさんのはどこにもない、なんて当然のようにありそうですし。 やっぱり心配されてないジゴマ(笑) まあ、人間性(?)があーゆーのですからねぇ・・・・・ お察しの通り、またひょっこり姿を現しますよ。 >>それではまた次回。 > >アメリアにとって衝撃的なセイルーン黒歴史。プレートに関しての謎と合わせて、 >どんな事実が出てくるのでしょうか。 >そして急げ、ゼル!!……でも途中、思いっきり黒狩人に懐かれて(笑)そうですね。 > >それでは、続きを楽しみにしつつこの辺で失礼いたします。 ゼルの受難はまだまだ続きます(笑) 彼もまた、そういう星の下に生まれてしまったのでしょう。 それでは、どうもありがとうございました。 |