◆−どらまたてきをとめ エピソード U−惣流 まい (2004/3/15 21:47:55) No.29618


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29618どらまたてきをとめ エピソード U惣流 まい E-mail 2004/3/15 21:47:55





 「あっv」
 アメリアは人影を見つけると猛ダッシュで走り寄る。
 「ゼルガディスさぁぁぁん!!」
 その速さと言ったらまさに猪の如し。 ゼロスははっと我にかえり――それまではただ呆然とその姿を眺めていた――慌ててアメリアを追いかける。

 何故ここにゼルガディスさんがいるのでしょう。

 複雑な思いである。
 そんなゼロスを気にも留めないどころかすっかりと忘れ去っているようにアメリアは大きく手を振り、 ゼルガディスの元へと急ぐ。
 そんなアメリアに気付いたゼルガディスは相変わらずのその様子に口元に優しい微笑を浮かべる。 本人はおそらく気付いていないだろうが、某ドラマタとその旅の連れと始めてであった頃には考えられないくらい優しい笑みであった。 その笑みを作り出した一番の原因であろう少女はその限りなく小さな変化に気付き、 より一層笑みを深める。
 自分が知っている中で最も信頼の厚いパートナー達のようにいつも一緒にいられるわけではないが、 それでも自分達もともに歩きたいと言う心は一緒であることに気付くことが出来たことがとても嬉しい。 その上、 こうして自分を見つけてくれて、 そして笑顔を見せてくれる。

 「お久しぶりですっ!ゼルガディスさん!」
 走った勢いはそのままに岩の体を持つ自分に抱きついてくる少女を愛しげに受け止めた後、 ああ、 と返事を返す。
 「抱きついてくるのはいいんだが――いや、 あまり良くない気もするが――痛くないのか?」
 「何がです?」
 きょとんと自分を見返してくる少女に少し気まずさを覚えながらも
 「いや、俺の体がこんなのだから――」
 「ゼルガディスさん!」
 大きな声は自分を叱咤しているようで、無意識に体を反応させた。 そんなゼルガディスにアメリアは少しきついひとみで、
 「わたしが、 そんなことを気にする人間なんですか? ゼルガディスさんの中では」
 ゼルガディスは本気で怒ってくれるアメリアに思わず笑いそうになり、口元をその手で抑える。
 「いや、すまない」
 少し肩を震わせながら謝るゼルガディスにアメリアはぽぷくっと頬を膨らませ、
 「何がおかしいんですか〜?」
 「いや、おかしいんじゃないんだ」
 「じゃあ何で笑うんですかっ?!」
 「い、いや、なんでも・・・」

                     なんとも微笑ましい情景である。


 さて。
 二人の世界に入られ、忘れ去られているゼロスはというと。

 「どーーせ・・・僕なんて・・・」

                    いじけていた。

 「いいんですよー。 どーせ僕なんて、 しがない中間管理職ですよ。 この間だって折角写本を燃やしてこれから休みだって所に獣王様にゼフィーリアのワイン買ってきてとか言われたし 、その前だってようやく休みが取れたからアメリアさんの所に行こうと思ったら海王様に何故か仕事の手伝いをさせられるし・・・」

 なんともまあ、見事ないじけっぷりである。
 「今日だってようやくアメリアさんと二人っきりでいられることが出来て獣王様のいい付けを破ったかいがあったなって思ってたのにいきなり二日目でゼルガディスさんと合流しちゃったし・・・」
 はぁ、 と特大の溜息を吐く。
 「って、 ゼルガディスさん?!」
 ゼルガディスとゼロスはいわゆる犬猿の仲だ。 別にゼロス自身は彼のことは面白い人間だと思うし、 なかなか興味深い人間でもある。 なにより、からかったら面白いと言うことが先日ドラマタと呼ばれる少女と旅をしていた時に知った。 その点では別に嫌いではない、 いや、 寧ろ好きな部類に入る。 しかし、である。 このゼルガディス=グレイワーズという人間は自分の想い人であるアメリアを自分と同じように想っている。 彼がアメリアへ笑いかけたそのときが『嫌いではない人間』から、『鼻持ちならない人間』へと彼への評価が変わった瞬間である。
 視線を慌ててアメリアとゼルガディスに戻すとそこにはいじけていた自分を綺麗さっぱり忘れ去り――アメリアはゼルガディスに合えた嬉しさから、ゼルガディスは確信犯であることは明らかである――、 既に町の中へ入っているところである。

 「僕は負けませんからね!」
 誰に宣言する訳でもなく呟き、 町の中に入っていった二人を追いかけるため、 黒い法衣を翻した。




                  目的の町まで、後1日までの距離である。










 おまけ


 「あ、ゼロスさん忘れてきた」
 「ん?いたのか?」
 「ええ。何故か」
 「何時から付いてきていたんだ?」
 「セイルーンからです。そういえば、ドレスの仮縫い見られちゃいました」
 「へぇ・・・・」
 「ゼルガディスさん・・・目が・・・・」
 「ん?そうか?別にゼロスをどうこうしようとかは考えていないさ」
 「いや、別にゼロスさんがどうなろうとわたしのしったこっちゃないんですが」
 「・・・・・・・・」
 「明後日が楽しみですねv」
 「そうだな」
 「ゼロスさんが胃を壊さなければいいんですけど・・・・」
 「アメリア・・・腹壊しそうな奴を連れてきたのか?」
 「いや、だって面白そうでしたし」
 「実はお前結構黒いだろう」
 「ふふふv」


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   後書きング


 実は密かに最後のおまけが本文だったりして。
 プライド見ながらうってるからなんだか文がおかしいかも。
 あの敵役の殿方を見た瞬間に『あ、 スリザリンカラー』なんて思ってしまった。 うわぁ今何にはまってるか丸判り☆
 よし後一回でこの呪いの『どらをと』が終わるv
 卒業には間に合わなかったけど。 どっかで見ているはずだ。
 うむ。 ほめろ。
 あたしをほめろ。
 みろ! この部屋を。 あたしの吐いた砂だらけだ!
 ああヤヴァイ。 本音がついポロッと。
 皆さんすみません。 惣流はこんな人間なんです。
 そういえば昨日友人の本匠のソウジロウと藜チャンと卒業旅行に行って来ました☆
 めっちゃ疲れましたがすっごく楽しかったです☆ 藜チャンがお化け屋敷でひええぇぇえ! とか叫んでいるので微笑ましかった☆ どうやら惣流はお兄さんらしく、 二人のかわい子チャンから頼られた模様。
 んむ。
 両手に花。 ビバvv
 ああ。 オフ会がしたくなった今日この頃。
 分けわかんない後書きでした。

 惣流 まい