◆−少女漫画的恋物語/第六話−○かほ○ (2004/3/23 20:45:52) No.29676
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29676少女漫画的恋物語/第六話○かほ○ 2004/3/23 20:45:52



 −ス−パ−にて−


ヤカン落としちゃいました事件の後―――
フィリアとヴァルガ−ヴは、お互い一人暮らしということもあり仲良しになっていたりした。
現に今日も、2人でス−パ−に買い物に来ていたりする。
楽しそうな二人。
そんな二人をつまらなげに、陰から見ている男が一人いた…。
「…フィリアさん……」
男はため息を付いた。
野菜売り場の陰に隠れて…。
「あぁ、フィリアさん…。
 僕の愛しいフィリアさん…。」
大根の山に隠れて、愛しの君をみつめる男。
はっきり言って、怪しい。
現に―――…
「お母さん、あれ何ィ?」
「しっ、近づいちゃダメよ花子ちゃん。」
さっきから、この光景が何度も彼の周りで見受けられる。
「あぁ!ヴァルガ−ヴさん!恨みますよ〜。
 僕のフィリアさんを取って!あぁ、あぁ、フィリアさ−ん!」


調味料売り場。
「…………ん?」
「どうした?フィリア。」
いきなり立ち止まるフィリア。
ヴァルガ−ヴもつられて足を止めた。
フィリアは後ろを振り返り、
「いえ、ゼロスの声が聞こえたような気がして…。」
「ゼロスの!?」
「いえ、私の気のせいでした。」
ゼロスの名前を聞いただけで殺気立つヴァルガ−ヴ。
どうやら二人は、犬猿の仲らしい…。
…どっちが猿だろう………?
と、まぁそんなことは、気にしないで、
フィリア達は、レジに向かった。
「計、2540円です。」
「はい、え−っと五百円玉は……」
2040円を出し、財布を覗くフィリア。
「フィリア、今夜の晩ご飯は?」
「グラタンですよ。あ、奥にあった。」
「ドリアの方がいいな…。」
「はいはい。はい、500円玉。」
500円玉を渡すフィリア。
レジの人は、ふふ、と笑いながらレジにお金をしまった。
「帰る前に、本屋寄ってもいいか?」
「はいはい。なるべく早くお願いしますね。」
買い物かごに、食料品を入れるフィリア。
入れ終わり、自動ドアのマットに乗ったとき、
「毎度ありがとうございましたぁ!新婚さんv」
後ろから、聞こえた声にビックリするのだった。


「まったく、あのス−パ−の店員さんったら…。」
ぶつぶつ言いながら、軽くブランコを揺らすフィリア。
本屋の後、公園にも寄ったのだ。
「どう思います?ヴァル?」
「………」
隣でブランコを漕ぐ、ヴァルガ−ヴに意見を求めるが、返事は無し。
いや、返せないかもしれない。
「…もう!帰りますよ!」
「―――いや、まだ帰れないみたいだ。」
いいながら、ブランコからゆっくりと降りるヴァルガ−ヴ。
「…はい?」
「お客さんだ。」
言葉と同時に、公園の茂みが、がさりと揺れた。


                            −続く−

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29691少女漫画的恋物語/第七話○かほ○ 2004/3/24 21:48:55
記事番号29676へのコメント


 −陰−


「客――!
 もしかして…、ゼロス!?」
「あぁ、多分な…。」
がさがさと、茂みが揺れる。
そして――
「―――出てくる!」
がさっ…!
次の瞬間、黒い陰が茂みの中から飛び出した!
それと同時に、黒い陰に向かって地を蹴るヴァルガ−ヴ。
二人の間合いがじゅうぶんに縮まり…。
「うおおぉおっ!」
ヴァルガ−ヴが、拳を振り上げ降ろす!
そして黒い陰は、吹っ飛ばされる――はずだった。
すかっ!
見事な空振り!
「うわっ!」
「ヴァル!」
思わぬ事態にバランスを崩すヴァル。
ずざっ。
前えと、倒れ込む。
陰は、見事に彼の横をすり抜け、そして――フィリアへと向かっていた。
「!?フィリア!」
「――――!」
それに気づき、声を上げるヴァル。
フィリアは、慌てて足のモ−ニング・スタ−に手を伸ばす。
次の瞬間、陰が迫り、モ−ニングスタ−が一閃した。
モ−ニングスタ−と陰、二つが重なり―――、
ぴしっ…。
「―――なっ!?」
モ−ニングスタ−に、一つの大きな亀裂がはしった。
ぴしぴし―…。
やがてそれは、無数の亀裂を生み出していき、そして、
パきんっ。
砕け散った。
「くっ!」
モ−ニングスタ−から手を放すフィリア。
陰と、慌てて間合いを取る。
―――が!
もう、目前に陰は来ていた。
「!」
ゼロスじゃ……ない…?!
その時フィリアが、あることに気づいた。
陰が、ゼロスにしては小さすぎることに――。
「フィリア!逃げろ!」
「!―――ヴァ……!」
そこで、声がとぎれた。
二人の陰が重なった瞬間。
二人は、消えた。
風が吹く。
「―――フィリア!?」
返事は、ない。
「……………………っ!ふぃりああぁあぁあああぁぁあああ!」


                              −続く−

−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−

予定が−、最初はゼロフィリの予定だったのに…。
あぁ、どうしましょ。
………………
ま、いっか。
では、すいません。さようなら。




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29771少女漫画的恋物語/第八話○かほ○ 2004/4/4 20:08:04
記事番号29676へのコメント



  −お姫様は今何処に?−


あの後、ゼロスの家に殴り込みに行った。
が、
ゼロスではなかった。



♪き−んこ−んか−んこ−ん。
「起立、きおつけ、礼!」
「「さようなら。」」
挨拶が終わると同時にヴァルは教室を飛び出した。
最近は毎日こんなかんじだ。
フィリアが連れ去られた日からは――…。
廊下を突っ走るヴァル。
廊下の角を曲がり、階段を駆け下りる。
最後の一段を飛ばし、靴箱に着くと急いで靴を取り出し、
「ヴァル。」
後ろから呼び止められた。
振り返るヴァル。
そこにいたのは、一人の少年。
銀の髪が綺麗なガクラン姿の少年だった。
「…ゼルガディス、ワリィけど急――」
「最近あちこちの不良グル−プ潰して回っているそうじゃないか。」
ヴァルの言葉を遮り、言うゼルガディス。
「恨みを買いすぎると、俺らのグル−プも危ないぜ。
 一応お前はリ−ダ−なんだから――」
「分かってる…!」
吐き捨てるように言うヴァル。
ゼルガディスは一瞬黙り、一呼吸おくと、冷静な口調で問いかける。
「…一体何をしてるんだ?」
「…………」
無言で先ほど床に置いた靴を見つめるヴァル。
沈黙が流れる。
一時の沈黙の後、
折れたのは、ゼルガディスだった。
ゼルガディスは、あきらめたように軽くため息をついた。
「…今日も――行くのか?」
「あぁ。」
「何処のグル−プだ?手伝おうか?」
「いや…、いい。」
くるりとゼルガディスに背を向け、靴に履き替えるヴァル。
ゼルガディスも慌てて靴に履き替え、後を追う。
「おい!ヴァル!」
ゼルガディスの呼びかけを無視し、そのまま正門をでるヴァル。
その時。
「ヴァルガ−ヴっ!」
後ろからなれなれしく呼びかけられた。
ゼルガディスではない。
この声は―――…


                          −続く−


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どら焼き食べたい。
○:時間がないので失礼します。