◆−罪びとたちの夜(ガウリナです)−ちや (2004/5/2 21:56:32) No.29955 ┣これでちやさんもお仲間ですねv−かお (2004/5/2 22:04:06) No.29956 ┃┗どうもです。−ちや (2004/5/4 22:33:20) No.29974 ┗いつの間にっ!−海藤雄馬 (2004/5/11 19:58:08) No.30006
29955 | 罪びとたちの夜(ガウリナです) | ちや E-mail URL | 2004/5/2 21:56:32 |
こんにちは。はじめまして。 ちやというものです。 今回ちょっと暗いですが、ガウリナ話を投稿させてください。 ・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・・*・・・・*・・ 罪びとたちの夜 それは冥王(ヘルマスター)の件が片付き、ゼルガディスとアメリア、シルフィールと別れた後のことだった。 数日は二人とも何も言わずに旅を続けた。 そう、何事もなかったかのように……。 それはそんな中起きた。 「おいおい。もういい加減にしておけよ」 ガウリイはそう言うと、あたしが手にしていたグラスを取り上げた。中にはあたしお気に入りのワインが入っているのに〜っ なんとなく二人して飲みたい気分になって、宿のおじさんから酒を数本とつまみを買い取り、ガウリイの部屋で飲んでいたんけど、酔った気分になりたくて(でも今日はなぜか酔えない)ろれつが回らない振りをしたら、ガウリイにこれ以上酒を飲まないようにって注意された。 「いーぢゃんっ。もっとのふの!」 「だ〜か〜ら〜明日頭痛いって言って泣くのはお前さんだぞ」 ワインを取られてムッとした。あたしはガウリイからグラスを奪い返すためにガウリイにすがりつくかのように絡みついてガウリイの手からグラスを奪おうとする。 「だめだって」 「いやっ飲むっ!」 「リナ」 たしなめるようなガウリイの物言いに、あたしは子供扱いされているみたいで寂しくになりそしてつい言ってしまった。 「だって飲まなきゃやってられないもん…」 「リナ?」 いつもの様子と違うあたしの声にガウリイは訝しんで尋ねた。 「あたしだって酔って何もかも忘れたい時があるのよ…」 結局、酔っている振りをやめてあたしは本音を漏らしてしまった。 「どうしたんだ?」 ガウリイが先ほどとは違って心配そうな顔をしてあたしを覗き込んだ。その瞳には、 なぜ酔った振りをするんだ? またなぜ忘れたいなどと言うんだ…。 そんな風に言いたそうだった。 ガウリイは…… 本当は……言っちゃいけないのかもしれない。だけどあたしは黙っているのが辛かった。 だから…… 「あたし…さ……」 「ん?」 あたしはポツリポツリと言葉を紡ぎだした。 「ゼルたちには言わなかったんだけど……さ。覚えてるのよね。あの時のこと……」 「リナ…?」 突然何を言い出すのかと思っただろうが、『あの時』というのはあたしが『重破斬(ギガ・スレイブ)』を使った時のことだというのはガウリイにも分かったみたいだった。 「リナ…覚えてたのか…」 ガウリイ自身、あたしが忘れたと言っていたため、あえて自分も知らない振りをしてくれたみたいだけど、ガウリイもしっかりとあの時のこと覚えていたみたいだ。 「ん…ちゃんと覚えてる…。 それに……あたしは……」 ガウリイ一人のために世界を巻き込んだことをあたしはちゃんと覚えてる。 だけどあたしは…… 「あの時に戻れても……あたしは…多分…何度繰り返しても同じ事をするわ。ほかの人を……全ての人を犠牲にしても、あたしは……あたしは……」 やっぱりあたしはガウリイの言うように子供なのかもしれない。 子供染みた独占欲で、世界を壊そうとした…… ガウリイも呆れるかもしれない。ガウリイにとってただの『被保護者』がそこまで思ってるなんて…。 だけど。 「リナ…オレは……」 ガウリイがまじめな顔をしてあたしを見つめ返した。 そんな中、あたしはガウリイの言葉を思い出す。 ――ひねくれもので、意地っ張りで…お人よしで、照れ屋だけど…… あたしは暗闇の中でガウリイの声を聞いていた。 否、金色の魔王(ロード・オブ・ナイトメア)が聞こえるようにしていたのかもしれない。 ――自分よりも弱いものにはとことん甘いやつだけど…… 必死な声であたしの体を追いかけるガウリイ。 あなたはあの時どう思ってたの? ――オレはなぁ…そんなお前がっ!! そう言った次の瞬間、あたしは明るい場所にいた。 一番最初に目に入ったのはガウリイの心配そうな…でもほっとしたような、嬉しそうな複雑な表情(かお)。 あたしはそれを見た時、自分の想いを隠すことが出来なかった。 気がついたら…自分からガウリイに口付けていた。 だけどガウリイも拒まなかった。 そしてあたしたちは意識が薄れ―― 気がつくと抱き合ってみんなの前。 あたしはみんなには覚えてないと言うしかなかった。 みんなに言いたくない…というより、ガウリイが覚えているのが怖かったから…だから口に出して言えなかったのかもしれない。 人間は、命の危機に陥った時に側にいる人に恋に似た感情を抱くという。 もう後がないから…気持が盛り上がるのだと聞いたことがある。 あたしたちは、あの時まさにその通りだったのではないかと、そう思いガウリイに言うのが怖かった。 だけど…。 想いはいつまで経っても変わらない。 いや、それどころか黙っているのがとても苦しい。 「あたし…あたしって馬鹿だよね……。 すっごく自分が愚かで世界で一番罪深い人間だと思うわ…」 あたしは、あの時世界と引き換えにガウリイを助けたいと願った。 それだけで満足だった。 それなのに、自分の想いを気づいて欲しいと思うのは、なんて強欲なんだろう…… 「それを言うなら……オレもさ」 「ガウリイ…」 ガウリイは掴んでいたグラスをベッド横のサイドテーブルに置いた。そして、あたしに向かって優しく微笑んだと思うと…… 「がっ…ん…」 ガウリイの、唇が触れる。柔らかい、あの時と同じ…… 「お前さんが…どれだけの想いであれを使ったのかは、オレには分からない。 だけどオレは…オレはそれが心底嬉しかったんだ……。 リナが…リナがそんな風に罪だと思っているのに……だ」 「ガウリイ…」 それって…… それってあたしが望んでいる答えでいいの? そう思っていいの? 「リナが覚えてないって言ったから…覚えてないんだって言ったほうがいいと思った。 だけど、オレはあの時あったことを絶対に忘れたくない」 ガウリイがそっとあたしに腕を回して包み込むように優しく抱く。 その温もりにせつなくなって涙が溢れた。 「リナが好きだ…どうしようもないほど」 「がうりい…がうりい……」 その言葉にあたしもガウリイを抱きしめ返す。 そして今度は貪られるような激しいキス。 先ほどまでの絶望感が、今度は幸福感に変わっていく。 ガウリイのたった一言であたしは天国にも行けるし地獄にも落ちる。 何故こんな風に思うようになってしまったのだろう…? 体を密着させ、ガウリイの鼓動を聞いていると落ち着いてくる。 このままこうして全てを忘れていたいと思ってしまう。 忘れることも… 許されることも出来ない罪なのに…… ――あたしは一人の人のために全てのものを犠牲にしようとした。 その罪はどれだけ重いのだろう…… それでも…それでもあなたの側にいたいと思うのは更に重い罪なのでしょうか? ・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・*・・・・・*・・・・*・・ えと…多分暗いと思われるんですが……読んでくれてどうもです。 ガウさんサイドも考えたんですけど……どーしましょ…。 |
29956 | これでちやさんもお仲間ですねv | かお E-mail URL | 2004/5/2 22:04:06 |
記事番号29955へのコメント こんにちわ。ちやさん。 ふふふ、これでちやさんもこちらの常連さんに突入ですね! (こらこら) というわけで、こちらでははじめまして、のかおこと薫です。 ふふふvこちらでちやさんの小説が読めるとは! 前いってたやつですね。ふふふふふ(怪しい笑み ガウリイとリナの想い、いいですよねぇ。 あのNEXT最終話、いろいろと話が想像できますもんねぇ。 あ、ちなみに、せっかく考えたんでしたら、ぜひともにガウリイサイドも! ええ、是非に(懇願! 何はともあれ、こちらへの投稿、ようこそいらっしやいませ。の境地です。 これでお仲間ですね。(あ、ゲストブックへの登録もしませんか?←何気に催促) これからお互いにがんばりましょうね。こちらでも、サイトでも。 それでは、意味になってない感想ですが、レスなのです。 それでは、失礼しますのです。 byかお |
29974 | どうもです。 | ちや E-mail URL | 2004/5/4 22:33:20 |
記事番号29956へのコメント こんにちは。かおさん。 早速どうもです。 一度やってみたかったのですよ。書き殴りさんは有名ですもの。 >ガウリイとリナの想い、いいですよねぇ。 >あのNEXT最終話、いろいろと話が想像できますもんねぇ。 >あ、ちなみに、せっかく考えたんでしたら、ぜひともにガウリイサイドも! NEXTのラストはいろいろと考えられますよねー。 あとガウさんサイドは……どうしましょう…(汗) ……書けたら書きます…ハイ。 ではでは、どうもです。 |
30006 | いつの間にっ! | 海藤雄馬 | 2004/5/11 19:58:08 |
記事番号29955へのコメント こんばんは、こちらでははじめましてですね、ちやさん。 どうも、ここでは読み逃げ常習犯(マテ)海藤雄馬です。 いつの間にっ!という感じです。 ガウリナですね〜vどう見てもガウリナですよね〜v NEXTの最終は、どう転んでもガウリナにしか見えませんからねv >――あたしは一人の人のために全てのものを犠牲にしようとした。 > その罪はどれだけ重いのだろう…… > それでも…それでもあなたの側にいたいと思うのは更に重い罪なのでしょうか? 最後のこの部分が、すっごくリナさんの想いが伝わってくるというか・・・。 リナさんはガウリイさんのことをすっごく思っているんだな〜と。 ちやさんのお話は、こういう感情の込めている言葉が凄く素敵に表現されていますよね。 さすが、恋愛系作家さん♪ ガウリイさんサイドも是非とも読んで見たいですv ガウリイさんはこのとき、何をどう思っていたのか・・・。 ちやさんのガウさんは、白くないので・・(笑) 楽しみにしていますねv ではでは、短いですが・・・。 |