◆−竜剣抄 第5話−棒太郎 (2004/6/8 21:53:48) No.30179 ┣ついに噂の人物、ご登場ですね。−エモーション (2004/6/9 22:45:20) No.30184 ┃┗まだ顔見せみたいなものですが−棒太郎 (2004/6/10 21:08:16) No.30186 ┣竜剣抄 第6話−棒太郎 (2004/6/17 19:24:17) No.30223 ┃┗最強の取り組み−エモーション (2004/6/18 21:49:51) No.30230 ┃ ┗注目の好カードです−棒太郎 (2004/6/18 23:38:13) No.30231 ┣竜剣抄 第7話−棒太郎 (2004/6/19 12:07:13) No.30232 ┣竜剣抄 第8話−棒太郎 (2004/6/20 16:13:53) No.30239 ┃┗さっそく元カレ&今カレの間で火花が散ってますね−エモーション (2004/6/20 22:37:00) No.30245 ┃ ┗バトル開始です−棒太郎 (2004/6/21 23:36:10) No.30252 ┣竜剣抄 第9話−棒太郎 (2004/6/23 00:55:11) No.30265 ┃┗さりげなく父と妹が不幸(笑)−エモーション (2004/6/23 22:55:47) No.30274 ┃ ┗愉しい家族模様(笑)−棒太郎 (2004/6/24 18:03:06) No.30279 ┗竜剣抄 第10話−棒太郎 (2004/6/24 20:00:36) No.30281 ┗ゲスト出演はこの方でしたか♪−エモーション (2004/6/24 23:09:05) No.30285 ┗タイタス登場シーンと並んで最初に考えていました−棒太郎 (2004/6/25 21:05:12) No.30293
30179 | 竜剣抄 第5話 | 棒太郎 | 2004/6/8 21:53:48 |
こんばんは、棒太郎です。 早いもので、もう一年も折り返し地点ですね。 それでは続きどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第5話 「ルナ・・・・・」 応接室を出たベルベインは、隣のルナに声をかけた。 「・・・・・・怖いか?」 「え・・・・・そんなことないわよ、おじいちゃん」 ルナの言葉にベルベインはひとつ笑みを浮べて、振り向いた。 「強い意志を持つのは大切だ。だがな・・・・・どんなものにも限界はある。それにな・・・”赤の竜神の騎士”っつってもお前も人間だ。怖れや不安があっても、それは何の恥でもねえ・・・・・・・」 そう言って、ルナの頭に軽く手を乗せた。 「お前の側には俺達がいる・・・・・・お前がどうであろうと俺の孫娘には何の変わりもない」 「おじいちゃん・・・・・・・」 ベルベインの言葉に、ルナは小さく頷いた。 傍から見ればヤクザみたいで口は悪いが、ひとの道・ひとの心は人一倍よく知っている男である。 (おばあちゃんじゃなくても惚れるわよね・・・・・おじいちゃんみたいな男の人だったら) そしてもうひとりの人物の姿が思い浮かんだ。 『貴女は人間ですよ。例えどんな力を持っていようとも、ひとりの可憐な女性です』 かつて祖父と似たような言葉を言った彼のことが、無性に懐かしく思えた。 別室で寝かされていたベルナードは、意識を取り戻し身を起こした。 「あら、気が付かれました?」 見るとベッドの側に一人の女性が腰掛けていた。 年齢は重なっているが、円熟美といえる落ち着いた美しさがあった。 「あ・・・・その、貴女は・・・・」 「あら、申し遅れましたね。私はファルネーゼ=グレス=インバースと申します。ルナの祖母です」 ファルネーゼのその言葉にベルナードは少なからず衝撃を受けた。 確かに年齢は重ねているが、母といわれても納得できそうな容姿であった。 美しく歳を重ねるとはこういうことなのか―――と考えた。 それに、上品で穏やかな気品に満ちていた。まあ、もともと王族の出であるので当然といえば当然だが。 「主人が御無礼を致しました」 そう言い、頭を下げるファルネーゼに、ベルナードは慌てて「そんなことは――」と言った。 何か、この女性に頭を下げさせるのは申し訳ない気がした。 (それにしても――――) じっとファルネーゼを見つめる。 (この人があの男の奥方とは・・・・・・まるで―――) 「美女と野獣みたいだ―――――ってか?」 その言葉とともにガシリと頭が掴まれた。 「!?」 「よう。気が付いたか?」 そこにはニィッと笑みを浮べるベルベインがいた。その笑みは、ベルナードには地獄の悪魔を思わせてしまった。 「いやぁ、さっきは申し訳ないことをしたなぁ。ま、誤解があってもいけねえからちょいとコミュニケーションといこうじゃねえか」 「あなた――――」 ファルネーゼがベルベインに声をかけるが、 「なぁに、ファルネーゼ。男同士の『語らい』ってやつだ。心配すんな。」 笑って、得物を掴む猛禽類の足の如くベルナードの頭を掴んだまま、部屋を出て行った。 しばらくして「ぎゃ〜〜〜」というかすかな叫び声が聞こえたような気がした。 (やれやれ・・・・・・まったく型にはまらぬ人物よな) 町の外れで空を見上げながら、ヨハネスは心の中で呟いた。 (ルナ=インバースというよりあの一家が、型に当て嵌めることができんな・・・・・) ベルベインは言うまでもなく、レンドールという男もそうだろう―――と、ヨハネスは思った。 (だが・・・・・グレンのことを放っておくわけにはいかん。ルナ=インバースにも動いてもらわねば) そのとき、背後でガチャリと音がした。 「!?」 咄嗟に振り返り、腰の剣に手を掛ける。音がするまで気配は全く感じなかった。 そこに立っていたのは一人の青年だった。 篭手をはめ、胸当てをつけた軽装。右手には白銀の輝きを放つバスタードソードが握られていた。 薄い笑みを浮べたその表情を現すかのように、不気味なオーラを発していた。 ヨハネスに青年の見覚えはない。だが、彼の中の欠片が告げていた。 「お前が・・・・・グレンか」 ヨハネスの言葉に青年――グレンは更に笑みを深めた。 「お前の手によってすでにふたりの騎士が斃された・・・・・これ以上お前の闊歩を許すわけにはいかん」 剣を抜き、青眼に構える。 グレンもゆっくりと刃をあげる。 「・・・・・・現世の”赤の竜神の騎士”もさして変わらない、か・・・・・」 「なに?」 「あの頃と比べ、現世は平和すぎるのか・・・・・・あのふたりも前世はもう少しましだったが―――――」 「ほざけっ!!」 そう叫ぶや、ヨハネスはグレンに向かって行った。 「〜〜〜〜〜〜」 「ベルナード・・・・・大丈夫?」 先程より更に悲惨な状態になったベルナードにリルカが声をかける。 「〜〜〜!〜〜!」 どうやら、この姿を見ろ!とでも言ってるらしかった。 「それにしても・・・・・凄い人ね。あのベルベインッて人・・・・・・」 リルカにしてもあそこまでの実力者はお目にかかったことがないようだった。 その言葉にベルナードが面白くなさそうな声を上げる。 「何言ってんの。もとはといえばあなたがあんな言い方するからでしょ。自業自得よ」 弟を叱る姉のように、ベルナードをたしなめる。 「〜〜〜・・・・・」 流石にベルナードもバツの悪そうな顔で、そっぽを向いた。 (まだまだ子どもなんだから・・・・・) くすりと笑いながらベルナードを見ていたそのとき、 「!?」 「ヨハネス様!?」 何かが彼らの意識に呼びかけた。 「これはっ!?」 何かを感じたルナの脳裏にまたフラッシュバックが起こった。 以前よりもより強烈に――― 「・・・・・・来る」 自分の心の内に、懐かしさと哀しみと喜びとが入り混じったような感情が広がってゆくようだった。 それを抑えながらルナは剣を手に取って部屋を出た。 「御老・・・・・・・・」 呼び止められ、老人が振り向いた。 「どうしたんじゃ?フレイ使用人筆頭?」 「これ・・・・あった・・・・・・机の上に・・・・・・」 そう言い、手にした手紙を渡した。 「ふむ・・・・なんじゃいな?」 広げた手紙には、『すこし出かけてきます。あとはよろしく』と短い文章が書かれていた。 それを見た老人はひょ、ひょ、ひょと笑みを浮べた。 「あ奴め・・・・・・どういう風の吹き回しじゃ?」 そう言いながら、「いい酒の肴ができたわ」とまた笑った。 ************************************* 続きでした。 次回はいよいよグレンとご対面になると思います。 それではまた次回 |
30184 | ついに噂の人物、ご登場ですね。 | エモーション E-mail | 2004/6/9 22:45:20 |
記事番号30179へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 ホラーでいえば、窓にちらりとジェ○ソン(仮名)の影が! ……な、回ですね。 一部、無関係に酷い目にあっている方がいらっしゃいますが(笑) ベルベインじーちゃんが、凄く楽しそうに見えました。 >傍から見ればヤクザみたいで口は悪いが、ひとの道・ひとの心は人一倍よく知っている男である。 >(おばあちゃんじゃなくても惚れるわよね・・・・・おじいちゃんみたいな男の人だったら) ベルベインじーちゃん、かっこいいです(^.^) ふと、ルナの男性の理想or基準はベルベインじーちゃんなのでは? と思いました。 リナは原作の台詞から察するに多分「お父さん」だったのでしょうけれど。 ……って、ハードルが無茶苦茶高い姉妹かも。乗り越えたガウリイは敢闘賞ですね(笑) さて、もうひと方もガンバレ。 >ファルネーゼのその言葉にベルナードは少なからず衝撃を受けた。 >確かに年齢は重ねているが、母といわれても納得できそうな容姿であった。 >美しく歳を重ねるとはこういうことなのか―――と考えた。 中身の綺麗な人は、本当に綺麗に年を取りますよね。 >(この人があの男の奥方とは・・・・・・まるで―――) >「美女と野獣みたいだ―――――ってか?」 >その言葉とともにガシリと頭が掴まれた。 出たーっ!! という感じですね。心を読んでいるような(笑) ベルナードさん、再びピンチです。 >「なぁに、ファルネーゼ。男同士の『語らい』ってやつだ。心配すんな。」 >笑って、得物を掴む猛禽類の足の如くベルナードの頭を掴んだまま、部屋を出て行った。 >しばらくして「ぎゃ〜〜〜」というかすかな叫び声が聞こえたような気がした。 ああ、何やらとっても楽しそう(汗)すっかり遊んでますね、ベルベインじーちゃん……(^_^;) ベルナードさん、成仏してください……(ちーん♪) >篭手をはめ、胸当てをつけた軽装。右手には白銀の輝きを放つバスタードソードが握られていた。 >薄い笑みを浮べたその表情を現すかのように、不気味なオーラを発していた。 >ヨハネスに青年の見覚えはない。だが、彼の中の欠片が告げていた。 >「お前が・・・・・グレンか」 一息着いた途端、グレンさんとエンカウントしてしまったヨハネスさん。 うーん、グレンさん。見るからに「私、かなりヤバイ方へイってます」な状態ですね。 >「・・・・・・現世の”赤の竜神の騎士”もさして変わらない、か・・・・・」 >「なに?」 >「あの頃と比べ、現世は平和すぎるのか・・・・・・あのふたりも前世はもう少しましだったが―――――」 >「ほざけっ!!」 >そう叫ぶや、ヨハネスはグレンに向かって行った。 器になっている本人の能力で、前世と現世ではやはり多少なりとも、差が出てしまうのですね。 それにしてもグレンさん。この台詞だけでも、ひたすら力に走っているのが分かりますね……(汗) いきなりなエンカウントですが、ヨハネスさんは大丈夫なのでしょうか。 >「ベルナード・・・・・大丈夫?」 >先程より更に悲惨な状態になったベルナードにリルカが声をかける。 >「〜〜〜!〜〜!」 >どうやら、この姿を見ろ!とでも言ってるらしかった。 でも、一応加減はしたのでしょうね、ベルベインじーちゃん……(^_^;) >「何言ってんの。もとはといえばあなたがあんな言い方するからでしょ。自業自得よ」 >弟を叱る姉のように、ベルナードをたしなめる。 >「〜〜〜・・・・・」 >流石にベルナードもバツの悪そうな顔で、そっぽを向いた。 >(まだまだ子どもなんだから・・・・・) 分かってはいるけれど、素直に認めるのは癪、というところでしょうか。 リルカさんとしては、苦笑するしかないですね。本当に姉弟のようです。 リアル年齢でもリルカさんが年上なのでしょうか。 >「これはっ!?」 >何かを感じたルナの脳裏にまたフラッシュバックが起こった。 >以前よりもより強烈に――― >「・・・・・・来る」 >自分の心の内に、懐かしさと哀しみと喜びとが入り混じったような感情が広がってゆくようだった。 >それを抑えながらルナは剣を手に取って部屋を出た。 「欠片」が反応するのか、グレンさんが来ていることに〃赤の竜神の騎士〃は、 全員気づいたのですね。ヨハネスさんが既にエンカウントしているのも、何となく 分かるのでしょうか。 慌ただしく事が起きていて、まだ気持ちの整理がついていないルナさん。 このまま遭遇して大丈夫なのでしょうか。 >広げた手紙には、『すこし出かけてきます。あとはよろしく』と短い文章が書かれていた。 >それを見た老人はひょ、ひょ、ひょと笑みを浮べた。 >「あ奴め・・・・・・どういう風の吹き回しじゃ?」 >そう言いながら、「いい酒の肴ができたわ」とまた笑った。 何か胸騒ぎがしたのか、いつもの放浪癖なのか、再びゴーメンガーストから 出奔したタイタスさん。そして楽しそうなフー・マンチューさん。 ……タイタスさん、すべてが片づいて戻ったら、思いっきり遊ばれそうですね(笑) >続きでした。 >次回はいよいよグレンとご対面になると思います。 >それではまた次回 とうとう現れたグレンさん。まだ精神面がぐらついているだろうルナさん、 そしてヨハネスさんが大丈夫なのでしょうか。 あとはグレンさんとルナさん(の前世)の関係を知ったタイタスさんの反応も楽しみです(笑)←鬼 この辺りの気分は、フー・マンチューさんと同じかもしれません、私(笑) それでは、続きを楽しみにしています。 |
30186 | まだ顔見せみたいなものですが | 棒太郎 | 2004/6/10 21:08:16 |
記事番号30184へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >ホラーでいえば、窓にちらりとジェ○ソン(仮名)の影が! ……な、回ですね。 >一部、無関係に酷い目にあっている方がいらっしゃいますが(笑) >ベルベインじーちゃんが、凄く楽しそうに見えました。 こんばんは、エモーションさん。 前回で「次には登場します」と言っときながら顔見せ程度で終わってますが・・・・・・ あとじーちゃんに関しては、もう遊んでます。玩具を手に入れた子どもみたいに。 >>傍から見ればヤクザみたいで口は悪いが、ひとの道・ひとの心は人一倍よく知っている男である。 >>(おばあちゃんじゃなくても惚れるわよね・・・・・おじいちゃんみたいな男の人だったら) > >ベルベインじーちゃん、かっこいいです(^.^) >ふと、ルナの男性の理想or基準はベルベインじーちゃんなのでは? と思いました。 >リナは原作の台詞から察するに多分「お父さん」だったのでしょうけれど。 >……って、ハードルが無茶苦茶高い姉妹かも。乗り越えたガウリイは敢闘賞ですね(笑) >さて、もうひと方もガンバレ。 一番身近な異性ですからね。やっぱり無意識のうちに比較対象になってると思います。 >>確かに年齢は重ねているが、母といわれても納得できそうな容姿であった。 >>美しく歳を重ねるとはこういうことなのか―――と考えた。 > >中身の綺麗な人は、本当に綺麗に年を取りますよね。 人間、そんな風に年をとりたいものです。 >>(この人があの男の奥方とは・・・・・・まるで―――) >>「美女と野獣みたいだ―――――ってか?」 >>その言葉とともにガシリと頭が掴まれた。 > >出たーっ!! という感じですね。心を読んでいるような(笑) >ベルナードさん、再びピンチです。 まさにいや〜〜んな状況です。 「美女と野獣」というのは結婚当初から言われてますので。 >>「なぁに、ファルネーゼ。男同士の『語らい』ってやつだ。心配すんな。」 >>笑って、得物を掴む猛禽類の足の如くベルナードの頭を掴んだまま、部屋を出て行った。 >>しばらくして「ぎゃ〜〜〜」というかすかな叫び声が聞こえたような気がした。 > >ああ、何やらとっても楽しそう(汗)すっかり遊んでますね、ベルベインじーちゃん……(^_^;) >ベルナードさん、成仏してください……(ちーん♪) もうすっかり遊んでます。 遊ばれるほうはただただ不幸でしかありませんが。 >>篭手をはめ、胸当てをつけた軽装。右手には白銀の輝きを放つバスタードソードが握られていた。 >>薄い笑みを浮べたその表情を現すかのように、不気味なオーラを発していた。 >>ヨハネスに青年の見覚えはない。だが、彼の中の欠片が告げていた。 >>「お前が・・・・・グレンか」 > >一息着いた途端、グレンさんとエンカウントしてしまったヨハネスさん。 >うーん、グレンさん。見るからに「私、かなりヤバイ方へイってます」な状態ですね。 ついに登場です。 典型的な修羅道に堕ちてます。 >>「あの頃と比べ、現世は平和すぎるのか・・・・・・あのふたりも前世はもう少しましだったが―――――」 >>「ほざけっ!!」 >>そう叫ぶや、ヨハネスはグレンに向かって行った。 > >器になっている本人の能力で、前世と現世ではやはり多少なりとも、差が出てしまうのですね。 >それにしてもグレンさん。この台詞だけでも、ひたすら力に走っているのが分かりますね……(汗) >いきなりなエンカウントですが、ヨハネスさんは大丈夫なのでしょうか。 ソフトは同じでもハードによって性能に差が出るみたいなもんです。 前世と現世でまったく同じってことはないでしょうし。 >>「ベルナード・・・・・大丈夫?」 >>先程より更に悲惨な状態になったベルナードにリルカが声をかける。 >>「〜〜〜!〜〜!」 >>どうやら、この姿を見ろ!とでも言ってるらしかった。 > >でも、一応加減はしたのでしょうね、ベルベインじーちゃん……(^_^;) 最低限手加減はしてます。あくまで最低限ですが。 >>「〜〜〜・・・・・」 >>流石にベルナードもバツの悪そうな顔で、そっぽを向いた。 >>(まだまだ子どもなんだから・・・・・) > >分かってはいるけれど、素直に認めるのは癪、というところでしょうか。 >リルカさんとしては、苦笑するしかないですね。本当に姉弟のようです。 >リアル年齢でもリルカさんが年上なのでしょうか。 一応ベルナードも”赤の竜神の騎士”であることに誇りをもっていますから。 難しい年頃です(笑) >>「・・・・・・来る」 >>自分の心の内に、懐かしさと哀しみと喜びとが入り混じったような感情が広がってゆくようだった。 >>それを抑えながらルナは剣を手に取って部屋を出た。 > >「欠片」が反応するのか、グレンさんが来ていることに〃赤の竜神の騎士〃は、 >全員気づいたのですね。ヨハネスさんが既にエンカウントしているのも、何となく >分かるのでしょうか。 >慌ただしく事が起きていて、まだ気持ちの整理がついていないルナさん。 >このまま遭遇して大丈夫なのでしょうか。 共鳴というかそういったもので察することができます。 このあとルナとの対面になります。 >>広げた手紙には、『すこし出かけてきます。あとはよろしく』と短い文章が書かれていた。 >>それを見た老人はひょ、ひょ、ひょと笑みを浮べた。 >>「あ奴め・・・・・・どういう風の吹き回しじゃ?」 >>そう言いながら、「いい酒の肴ができたわ」とまた笑った。 > >何か胸騒ぎがしたのか、いつもの放浪癖なのか、再びゴーメンガーストから >出奔したタイタスさん。そして楽しそうなフー・マンチューさん。 >……タイタスさん、すべてが片づいて戻ったら、思いっきり遊ばれそうですね(笑) もうちょっと後まで引っ張ろうかとも思いましたが、ここでそれとなく出てきました。 もうすぐ彼もやってくることでしょう。 >>続きでした。 >>次回はいよいよグレンとご対面になると思います。 >>それではまた次回 > >とうとう現れたグレンさん。まだ精神面がぐらついているだろうルナさん、 >そしてヨハネスさんが大丈夫なのでしょうか。 >あとはグレンさんとルナさん(の前世)の関係を知ったタイタスさんの反応も楽しみです(笑)←鬼 >この辺りの気分は、フー・マンチューさんと同じかもしれません、私(笑) >それでは、続きを楽しみにしています。 今回はまだ顔見せで終わってしまいましたが、次はグレンも暴れてくれると思います。 そして元カレVS今カレの対決もお楽しみに(笑) それではどうもありがとうございました。 |
30223 | 竜剣抄 第6話 | 棒太郎 | 2004/6/17 19:24:17 |
記事番号30179へのコメント こんばんは、棒太郎です。 いよいよ第1の山場に突入です。 さて、ルナたちの運命やいかに。 それでは、続きをどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第6話 表へと飛び出したベルナードとリルカの目に飛び込んできたのは、満身創痍のヨハネスの姿であった。 多くの傷が体に走り、右手の剣を支えに膝をついてなんとか体を起こしていた。だが呼吸は荒く、そうしているのがやっとの状態であることは明らかだった。 そして左腕の肘より下が、痛々しい痕をみせて無くなっていた。 「ヨハネス様!?」 ベルナードとリルカはヨハネスの下へと走り出した。 「ま、待て!来てはならん!」 だが、そのふたりを制するようにヨハネスが叫んだ。 そのとき、空を裂いて銀閃が襲い掛かった。 「ぐわっ!」 「きゃっ!」 想像以上に重い一撃であった。 「未熟・・・・・・・」 その後に呟きが聞こえてきた。白銀に輝く剣を下げた青年が立っていた。 「お・・・お前は―――――」 「この男が・・・・・・・グレン・・・・・・・・」 青年――グレンをひと目見て、そのただならぬ実力を感じたふたりは、表情を強張らせて剣を構えた。 ふたりを一瞥したグレンはやや拍子抜けしたような息をついた。 「どうやら現世は怠惰なほど平和であるようだな・・・・・」 その言葉がベルナードの神経に障った。 「なんだと!”赤の竜神の騎士”を汚す外道が何を言う!!」 「フゥ・・・・・・・」 呆れたようなグレンの溜息に、ベルナードは剣を振りかぶって踏み込んだ―――いや、踏み込もうとした。しかし次の瞬間、彼は顔面を掴まれ、地面に叩きつけられていた。 「・・・・・その程度の腕でいっぱしにいきがるなど百年早い、小僧」 冷ややかにグレンの言葉がベルナードに投げつけられた。 「・・・・・・どうした?相手の背後にいるんだぞ。チャンスじゃないのか?」 ベルナードを叩きつけたまま、振り返らず丁度背後にいるリルカに向かって言った。 あまりの出来事に瞬間呆然となっていたリルカは、その言葉で我に返った。 グレンは変わらずベルナードを叩きつけたままの態勢であった。 剣を構え、その背に向かって突進した。 「いかんっ!!」 ヨハネスが叫んだ。グレンが背を向けているこの状態は、傍目にはリルカの有利に見えるが、実際は戦いのペースを掴まれ、リルカは剣を抜かされたといえる。 「・・・・・遅い」 その呟きが発せらるや、激しい火花が飛び散りリルカの剣が宙を舞った。 そして剣が地面に突き刺さると同時に、鮮血が噴き出しリルカの身体は地面に倒れた。 「リルカッ!!?」 ベルナードが身を起こし、側へと駆けつける。傷はそれほど深くはなかった。 手加減したのがすぐにわかった。だが、何故致命傷の一撃ではなかったのか―――― その答えはベルナードが再びグレンに目を向けたとき分かった。 前に立つグレンの瞳はヨハネスたちを見てはいなかった。その視線の先には、射抜くような鋭い眼光を向けたルナが立っていた。 「あの瞬間感じた視線は・・・・・・君か・・・・・・・・」 グレンの瞳に懐かしそうな光が宿った。 「よもやここで会えるとは思わなかった・・・・・・ラナ・・・・・・」 だがその懐かしの声を振り払うように、ルナは剣を抜いた。 「私はルナ=インバースよ!前世は前世、現世は私よ!!」 そう言うや迅雷のような斬撃が続けて二撃、打ち込まれた。 グレンも初めて両手で剣を持ち、その斬撃を受け止め、捌いた。 「ハッ!!」 裂帛の気合と共に、剣が突き出された。絶妙といってもいい刺突であった。 それを剣で受けるとともに転身で捌いたグレンは、そのまま後方へ大きく跳んで間合いをとった。 「悲しいな・・・・・・またわたしを打ち払うのか?ラナ・・・・・・・」 グレンのその言葉を聞いた途端、ルナは額を押さえた。 あの光景が再び甦り、胸を締め付けるような感情の波が沸き起こる。 「違う・・・・・私は・・・・・ルナ・・インバース―――――」 沸き起こる衝動に必死に耐え、己を保とうとするが、堰を押し破ったように怒涛の如く感情が押し寄せてくる。 「ラナ・・・・君はいつもわたしの側にいてくれた・・・・・・・だが・・・またあのときのように封殺するというのか・・・・・・」 「ち・・・違・・・・・・・・」 ルナの弱々しい呟きを聞き、ヨハネスは目を見開いた。 「ま、まさか・・・・・・前世の記憶が彼女の精神を蝕んでいるのか!?」 ルナの顔に苦悶と葛藤の色がまざまざ浮かんでいる。 「や・・やめ――――違・・・・う・・・の―――私・・は・・・・私――――あなた・・を・・・裏切っては・・・・――――ルナ・・インバー・・・・――――私は・・・・あなたを・・・・・・・・」 感情の違う2つの声が彼女の口から洩れてくる。 「ラナ・・・・・わたしは君を恨んではいない・・・・・・・さあ、おいで」 優しく、慈愛のある声がルナに囁かれた。 「グレン・・・・・・・・・」 その声に応えるように、別の光を宿した瞳を向けて、ルナがグレンを見つめた。 そして剣を握っていた手を離すや、彼に向かって歩き出そうとした。 「――――っと、そうは問屋が下ろさねぇな」 そう声がするや、ルナの身体ががくりと崩れた。 その身体を支えながら、ベルベインがニヤリと笑みを浮べながら、グレンを睨みつけていた。 「てめえ、俺の孫娘を誑かそうたぁいい度胸だな」 そう言うと、隣のレンドールにルナを預け、グレンと対峙した。 「おい、ルナ、ルナ」 レンドールが軽く2,3度ルナの頬を叩くと、ルナが目を開いた。 「父・・・・さん?」 「おおっと、まだ動くな。おやっさんがお前に当身を食らわせて気付したが、まだ影響は残ってるだろうからな」 そう言って、ルナの身を地面に座らせた。 「今の状態があんなんじゃ、まともに戦えないからな。母さんもすぐ来るから大人しくしてろ」 ひとつ、ルナの頭を撫でると、レンドールはベルベインの側へと寄っていった。 すでにベルベインとグレンの間には、不可視の火花が飛び散っている。 「ちょい待ち、ちょい待ち、おやっさん。歳なんだから無茶はしないの。ここは若く活きのいい俺にまかしときなさい」 「へっ、てめぇ俺より弱ぇくせに何ぬかしてやがる。寝言は寝てから言え、アホ義息子」 ベルベインの言葉にレンドールはやれやれと肩を竦める。 ベルベインもひとつ笑って向けていた顔をグレンのほうへ戻した時、絶妙のタイミングでレンドールの手刀がベルベインの首筋を襲った。 (悪いね、おやっさん。あいつはどうみてもヤバすぎる。義母さんを悲しませるわけにはいかないし、おやっさんにもまだまだ長生きしてもらわないとな) ドッと鈍い音がして、膝を突いたのは―――――レンドールのほうだった。 「カ・・ハ・・・・・」 ちょうどレンドールの立っていた位置――鳩尾に当たるところにベルベインの鞘の先がつき立てられていた。 「けっ、てめぇの不意打ちなんぞ喰らうかよ。てめぇの考えてるこたぁバレバレなんだよ」 それに―――とベルベインが言葉を続ける。 「子が親より先に死んでどうする・・・・・・・」 一言、そう言うと鞘から剣を抜いた。 「さ、やるかい」 ************************************* 続きでした。 今回のルナは前世の記憶に精神・意識を侵されて、やばい状況になってしまいましたが、颯爽とじーちゃんと父ちゃん登場。 そして次回はじーちゃんVSグレンです。 それではまた次回。 |
30230 | 最強の取り組み | エモーション E-mail | 2004/6/18 21:49:51 |
記事番号30223へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 ついに登場のグレンさん。 ヤバさ加減と強さのレベルが、もの凄いですね。 そして最強の名実共に保護者コンビ、ベルベインじーちゃんとレンドールさん。 ノリは綱取り一歩手前の大関と、常勝無敗の名横綱が揃ってお相手、と言う感じですね。 ……大関が横綱にど突かれてますが(笑) >表へと飛び出したベルナードとリルカの目に飛び込んできたのは、満身創痍のヨハネスの姿であった。 >多くの傷が体に走り、右手の剣を支えに膝をついてなんとか体を起こしていた。だが呼吸は荒く、そうしているのがやっとの状態であることは明らかだった。 >そして左腕の肘より下が、痛々しい痕をみせて無くなっていた。 ちょっとの時間で、ヨハネスさんがこのような状態に……(汗) グレンさんの技の凄さがうかがえますね。 >ふたりを一瞥したグレンはやや拍子抜けしたような息をついた。 >「どうやら現世は怠惰なほど平和であるようだな・・・・・」 世の中の為には、その方が良いような気がしますが、力を求めるグレンさんにとっては、 少なくとも手応えのある相手、であるはずの〃赤の竜神の騎士〃がろくに手応えがないのは、 ひたすらつまらないのですね。 >手加減したのがすぐにわかった。だが、何故致命傷の一撃ではなかったのか―――― >その答えはベルナードが再びグレンに目を向けたとき分かった。 >前に立つグレンの瞳はヨハネスたちを見てはいなかった。その視線の先には、射抜くような鋭い眼光を向けたルナが立っていた。 ヨハネスさんに続き、ベルナードさん、リルカさんを文字通り、ばったばったと なぎ払ったグレンさん。しかもどうやら視線の方に気を取られていたようですので、 ほんとに「ちょっと邪魔」という感じでしか、相手していなかったようですね。 それでもこれですか……。強いです。 >「悲しいな・・・・・・またわたしを打ち払うのか?ラナ・・・・・・・」 >グレンのその言葉を聞いた途端、ルナは額を押さえた。 >あの光景が再び甦り、胸を締め付けるような感情の波が沸き起こる。 >「違う・・・・・私は・・・・・ルナ・・インバース―――――」 >沸き起こる衝動に必死に耐え、己を保とうとするが、堰を押し破ったように怒涛の如く感情が押し寄せてくる。 >「ラナ・・・・君はいつもわたしの側にいてくれた・・・・・・・だが・・・またあのときのように封殺するというのか・・・・・・」 現世でもかなりの剣の使い手である、ということを喜んでいそうな点を差し引いても、 さすがのグレンさんも、元彼女にはそれなりの想いがあるようですね。 前世と同じく、現世でも剣がかなり使えるのも、ポイント高かったのでは? (何となく、ルナが剣の使えない、普通の女性でしかなかったら、 あっさり斬ってたような気がしますし。あ、でももしルナが4〜5歳の幼児だったら、 グレンさんはどんな対応したんでしょうね) >感情の違う2つの声が彼女の口から洩れてくる。 >「ラナ・・・・・わたしは君を恨んではいない・・・・・・・さあ、おいで」 >優しく、慈愛のある声がルナに囁かれた。 >「グレン・・・・・・・・・」 >その声に応えるように、別の光を宿した瞳を向けて、ルナがグレンを見つめた。 前世の自分と現世の自分との間で、ある種の戦いになってますね。 現段階では、グレンさんの誘惑(汗)とラナさんの強い想いで、ルナが押されたようですが。 >「てめえ、俺の孫娘を誑かそうたぁいい度胸だな」 >そう言うと、隣のレンドールにルナを預け、グレンと対峙した。 颯爽とご登場のベルベインじーちゃんとレンドールさん。 最強の保護者コンビの判定は、「こいつは完璧不合格」ですね。 ……日常でもやってそうです(笑)やっぱり合格したガウリイは凄いかも。 >ベルベインもひとつ笑って向けていた顔をグレンのほうへ戻した時、絶妙のタイミングでレンドールの手刀がベルベインの首筋を襲った。 >(悪いね、おやっさん。あいつはどうみてもヤバすぎる。義母さんを悲しませるわけにはいかないし、おやっさんにもまだまだ長生きしてもらわないとな) >ドッと鈍い音がして、膝を突いたのは―――――レンドールのほうだった。 >「カ・・ハ・・・・・」 >ちょうどレンドールの立っていた位置――鳩尾に当たるところにベルベインの鞘の先がつき立てられていた。 >「けっ、てめぇの不意打ちなんぞ喰らうかよ。てめぇの考えてるこたぁバレバレなんだよ」 >それに―――とベルベインが言葉を続ける。 >「子が親より先に死んでどうする・・・・・・・」 義理の父子の不意打ち対決は、やはりベルベインじーちゃんに軍配が上がりましたか。 何だかんだ言っても、ベルベインじーちゃんはレンドールさんに「まだまだだが、 こいつになら後を任せてもいいな」と思っているのでしょうし、レンドールさんも 口では言わなくても尊敬していて、「唯一、俺が頭を下げる相手」と思っているのでしょうね。 軽口を叩き合いながらも、互いに相手に対する信頼や思いがあるのですね。 >続きでした。 >今回のルナは前世の記憶に精神・意識を侵されて、やばい状況になってしまいましたが、颯爽とじーちゃんと父ちゃん登場。 >そして次回はじーちゃんVSグレンです。 >それではまた次回。 とりあえずルナの課題は「前世の自分との対決」でしょうか。 ラナさんに負けないくらいの、強い意志や思いが必要となるようですね。 颯爽とご登場した最強の保護者コンビは、かっこよかったです。 これでは並の男は勝てませんね。(^_^;) 次回はベルベインじーちゃんとグレンさんの対決……。 かなり熾烈で人外の域に達しそうな戦いになりそうですね。 それでは、続きを楽しみにお待ちしています。 |
30231 | 注目の好カードです | 棒太郎 | 2004/6/18 23:38:13 |
記事番号30230へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >ついに登場のグレンさん。 >ヤバさ加減と強さのレベルが、もの凄いですね。 >そして最強の名実共に保護者コンビ、ベルベインじーちゃんとレンドールさん。 >ノリは綱取り一歩手前の大関と、常勝無敗の名横綱が揃ってお相手、と言う感じですね。 >……大関が横綱にど突かれてますが(笑) エモーションさん、こんばんは。 ようやく今回からグレンが本格的に動き出しました。 そしてじーちゃんと父ちゃんも登場。このふたりはまさにそんな感じですね。 >>多くの傷が体に走り、右手の剣を支えに膝をついてなんとか体を起こしていた。だが呼吸は荒く、そうしているのがやっとの状態であることは明らかだった。 >>そして左腕の肘より下が、痛々しい痕をみせて無くなっていた。 > >ちょっとの時間で、ヨハネスさんがこのような状態に……(汗) >グレンさんの技の凄さがうかがえますね。 他の二人もあっさりと斃してしまうくらいですから。 凄まじい腕前です。 >>ふたりを一瞥したグレンはやや拍子抜けしたような息をついた。 >>「どうやら現世は怠惰なほど平和であるようだな・・・・・」 > >世の中の為には、その方が良いような気がしますが、力を求めるグレンさんにとっては、 >少なくとも手応えのある相手、であるはずの〃赤の竜神の騎士〃がろくに手応えがないのは、 >ひたすらつまらないのですね。 平和な時代よりも乱世の時代のほうが戦う技は活きて来ますからね。 >>前に立つグレンの瞳はヨハネスたちを見てはいなかった。その視線の先には、射抜くような鋭い眼光を向けたルナが立っていた。 > >ヨハネスさんに続き、ベルナードさん、リルカさんを文字通り、ばったばったと >なぎ払ったグレンさん。しかもどうやら視線の方に気を取られていたようですので、 >ほんとに「ちょっと邪魔」という感じでしか、相手していなかったようですね。 >それでもこれですか……。強いです。 リルカを斬る寸前に、ルナの視線を感じて手を緩めたというわけです。 >>沸き起こる衝動に必死に耐え、己を保とうとするが、堰を押し破ったように怒涛の如く感情が押し寄せてくる。 >>「ラナ・・・・君はいつもわたしの側にいてくれた・・・・・・・だが・・・またあのときのように封殺するというのか・・・・・・」 > >現世でもかなりの剣の使い手である、ということを喜んでいそうな点を差し引いても、 >さすがのグレンさんも、元彼女にはそれなりの想いがあるようですね。 >前世と同じく、現世でも剣がかなり使えるのも、ポイント高かったのでは? >(何となく、ルナが剣の使えない、普通の女性でしかなかったら、 >あっさり斬ってたような気がしますし。あ、でももしルナが4〜5歳の幼児だったら、 >グレンさんはどんな対応したんでしょうね) ルナにしてみれば元カレ(ちょっと意味が違いますが)ですが、グレンにとっては前世の彼女に相違ないです。それに現世もかなりの遣い手であることも高ポイントです。 >>「グレン・・・・・・・・・」 >>その声に応えるように、別の光を宿した瞳を向けて、ルナがグレンを見つめた。 > >前世の自分と現世の自分との間で、ある種の戦いになってますね。 >現段階では、グレンさんの誘惑(汗)とラナさんの強い想いで、ルナが押されたようですが。 そうですね。前世と現世の葛藤ですね。 今回は前世のほうに軍配があがりかけましたが。 >>「てめえ、俺の孫娘を誑かそうたぁいい度胸だな」 >>そう言うと、隣のレンドールにルナを預け、グレンと対峙した。 > >颯爽とご登場のベルベインじーちゃんとレンドールさん。 >最強の保護者コンビの判定は、「こいつは完璧不合格」ですね。 >……日常でもやってそうです(笑)やっぱり合格したガウリイは凄いかも。 あーゆー男に渡す気はサラサラありません。 インバース家全員の御眼鏡に適わないといけませんから。 >>ちょうどレンドールの立っていた位置――鳩尾に当たるところにベルベインの鞘の先がつき立てられていた。 >>「けっ、てめぇの不意打ちなんぞ喰らうかよ。てめぇの考えてるこたぁバレバレなんだよ」 >>それに―――とベルベインが言葉を続ける。 >>「子が親より先に死んでどうする・・・・・・・」 > >義理の父子の不意打ち対決は、やはりベルベインじーちゃんに軍配が上がりましたか。 >何だかんだ言っても、ベルベインじーちゃんはレンドールさんに「まだまだだが、 >こいつになら後を任せてもいいな」と思っているのでしょうし、レンドールさんも >口では言わなくても尊敬していて、「唯一、俺が頭を下げる相手」と思っているのでしょうね。 >軽口を叩き合いながらも、互いに相手に対する信頼や思いがあるのですね。 そうです。なんだかんだと軽口叩きあいながらも互いに信頼しています。 レンドールに関してはベルベインに大恩がありますから余計です。 >>続きでした。 >>今回のルナは前世の記憶に精神・意識を侵されて、やばい状況になってしまいましたが、颯爽とじーちゃんと父ちゃん登場。 >>そして次回はじーちゃんVSグレンです。 >>それではまた次回。 > >とりあえずルナの課題は「前世の自分との対決」でしょうか。 >ラナさんに負けないくらいの、強い意志や思いが必要となるようですね。 >颯爽とご登場した最強の保護者コンビは、かっこよかったです。 >これでは並の男は勝てませんね。(^_^;) >次回はベルベインじーちゃんとグレンさんの対決……。 >かなり熾烈で人外の域に達しそうな戦いになりそうですね。 > >それでは、続きを楽しみにお待ちしています。 ルナの課題はそうですね。 前世に負けないくらいの意思や思い・・・・・・・・いよいよ彼の出番です(笑) 保護者ふたり、格好よく書けたのなら良かったです。 次回の対決、お楽しみに。 それではどうもありがとうございました。 |
30232 | 竜剣抄 第7話 | 棒太郎 | 2004/6/19 12:07:13 |
記事番号30179へのコメント こんにちは、棒太郎です。 ほとんどラスト近くまで書いたのですが、不慮の事故で消えてしまいました・・・・・・・へこむ・・・・・ というわけでもう一度書き直しです。 それではどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第7話 「さ、やるかい」 ベルベインのその言葉に応え、グレンも剣を構えた。 ふたりの発する気に、たちまち周りの空気は凍りついたように張り詰めた。 もはや一種の結界である。こうなるとさすがのレンドールも迂闊に手出しは出来なかった。 「レン!ルナ!」 そのときフィルアがレンドールとルナのもとに駆けつけた。 その後ろにはファルネーゼ、リナ、ガウリイと続いていた。 「あいつ・・・・かなりヤバいわね・・・・・・」 「ああ・・・・・・」 グレンをひと目見て呟いたリナの言葉に、ガウリイも低く頷いた。 (あいつ・・・・リュウゼン以上か・・・・・・) 「あなた・・・・・・」 ファルネーゼも不安げな顔色で夫を見つめていた。 「大丈夫よ、母さん。父さんなら―――」 「ええ・・・・・」 だが、ファルネーゼの顔色は晴れなかった。 (どうして・・・・?今日はあなたの勝つ姿が浮かばない・・・・・・・・) ジッと睨み合いが続いているが、グレンがフッと笑みを浮べた。 「いささか現世に失望しかけていたが・・・・・・これほどの遣い手とまみえることができようとは。我が名はグレン=アルハザード―――」 「ベルベイン=インバースだ」 ベルベインは自分の名を名乗るや、青眼の構えから、刃の切尖を少しずつ自分の方へ向け始めた。それに合わせて上半身も左へ廻っていった。 ベルベインが完全な半身になったとき――― 「無影の太刀―――」 ベルベインの構えを見たレンドールがそう呟いた。 「無影の太刀?」 「おやっさんの必殺の一手だ・・・・・あいつの位置からは―――」 刀身が見えなくなった。 右手の柄のみはかろうじて見えるが、峰から切尖にかけては完全に視界から隠れた。 切尖の変化によって、刀身の動きを知ることは完全に封じられた。 グレンは剣を構えたまま、不動となっていた。 「―――いざ」 言いざま、ベルベインが仕掛けた。グレンも地を蹴った。 バネに弾かれたみたいに、ベルベインの刀身が弧を描いてグレンを襲った。 ふたつの影が交差して、そのまま駆け抜けた。 互いに先ほど相手の立っていた位置に、背を向けて着地した。 グレンの右肩から赤い血が溢れ出した。が――― 「・・・・・・クソッタレ」 ベルベインが一言呟くや、彼の身体は左肩から胸にかけて大きく血を噴いて、地面に倒れこんだ。 「あなたっ!?」 ファルネーゼの悲痛な叫びが響いた。 みなが信じられないという目を向ける中、新たな斬撃がグレンを襲った。 「てめえ!よくもおやっさんを!!」 怒りを迸らせたレンドールの一撃を受け止め、鍔迫り合いとなる。 そこへ――― 「ドラグスレイブ!!」 赤い光弾がグレンを襲った。それを跳び退いて躱す。 「レン!」 フィルアがレンドールの側に駆けつけた。 すでに2発目を撃つ準備も万全である。 「ベルベイン=インバースより多少は劣るが・・・・・・それでもなかなかの遣い手だな」 グレンが二人に向かって剣を構える。レンドールとフィルアも構えた時――― 「ちょいと待てよ」 そう声がした。そちらを向くとベルベインがゆっくりと身体を起こし、立ち上がった。 「まだ・・・終わっちゃいねえぜ・・・・・完全に・・息の根止めて決着・・・・ってのが・・・・・・真剣勝負・・・ってもん・・だろう・・・・・?」 すでに顔には死の翳がかかっているが、瞳はなお衰えぬ光を宿していた。 「!?おやっさん!!やめてくれ!ここは俺が―――」 「父さん!!やめて―――」 「やかましい!!!」 叫ぶレンドールとフィルアに、ベルベインが一喝を落とした。凄まじい気迫にさすがのふたりも思わず怯んでしまった。 「へっ・・・・・てめえはよ・・・・・昔、突っ張ってたころの俺と・・・・・似てるぜ・・・・・・・」 コフッと口から血を吐きながらも、剣を構える。 「ただただ・・力のみを求め・・・・・力に憑かれた・・・・・・・その先にあるのは・・・破滅しか・・ない・・・・・」 深く腰を落とし、刃を顔の側、地面と平行に構える。刺突の一撃の体勢であった。 「とあるジイさんに会わなけりゃ・・・・・俺は力に自滅していただろう・・・・・・そして・・ファルネーゼと出会い・・・・・・・家族を持ち・・・・・レンドール・・ヴェルディオス・・・・・・俺が・・高みに立てた証しであり・・・・・・誇りだ・・・・・・・・・」 キッと鋭い眼光を向け、グレンを見据える。 「お前は・・・・・あのときの・・・・・愚かな俺だ・・・・・・だから・・・・俺が・・救ってやるよ・・・・・・・・」 グレンもじっとベルベインを見据えていた。 (左肩から胸にかけての傷・・・・・・肺腑にまで到達している・・・・・それにあの出血・・・・・常人ならとうに死んでいるが・・・・・・) 「それでもなお闘らせてくれるというのか・・・・・感謝するぞ、ベルベイン=インバース」 再びベルベインに向けて剣を構えた。 (フィルア・・・・・) そのふたりを見ながら、レンドールは小声で隣のフィルアに呼びかけた。 (なに?レン) (サポートしてくれ。ふたりが動く瞬間、俺が間に割って入って、奴の動きを止める。そのときに俺ごとでいい、ドラグスレイブで奴をやれ) (な―――!?) レンドールの言葉にフィルアは絶句した。 (そ、そんなの!私ができるわけないじゃない!!) (俺はおやっさんに拾われた大恩がある。その大恩人を死なせるわけにはいかねえ。頼んだぜ) (ちょっ――待って―――!!) フィルアの制止を振り切って、レンドールが動いた。 そして、ベルベインとグレンも、どちらにしても最後の一撃となる剣を繰り出そうとした。 そのとき――――― 『!?』 リナは場の空気が一気に削げ落ちたように感じた。 見るとグレンもベルベインに背を向け、後方を振り向いている。 相手が瀕死の重傷を負っているとはいえ、常識ハズレな余裕振りともいえる。 だが、ベルベインにしてもレンドールにしても、その瞳はある一点に向けられていた。 インバース家へ続く道の彼方であった。 (なんだ・・・・・?先ほど感じた異様な戦慄は?) グレンは雷撃のように身体に駆け抜けた、先ほどの気配の衝撃を思い返した。 そして、インバース家へと続く道―――その向こうから一人の青年がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 ************************************* 続きでした。 剣狼伝のときもそうでしたが、達人同士の戦いはなかなか表現が難しいです。 そして最後に出てきた謎の青年―――って、もう正体バレバレですね。 では次回、『元カレVS今カレ』をお楽しみに。 |
30239 | 竜剣抄 第8話 | 棒太郎 | 2004/6/20 16:13:53 |
記事番号30179へのコメント こんにちは、棒太郎です。 いよいよ、皆さんお待ちかねの『元カレVS今カレ』がやってまいりました。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第8話 グレンをはじめ、皆がその一点を見つめていた。 道の向こうからこちらに向かって、ひとりの青年が歩いてきていた。 白のシャツに襟元にスカーフを締め、濃紺の礼服の上下に脛まで覆う革のブーツ、そして礼服のジャケットには金糸の刺繍が施されている。 誰が着てもキザだ、イヤミだといわれそうな服装だが、不思議とこの青年には合っていた。 左手には異様な長さの剣を納めた鞘を持っていた。 青年は目の前の光景を気にする風もなく、変わらぬ足取りで近づいてくる。 (この男なのか・・・・・?先ほどの感じた異様な戦慄は・・・・・・・?) グレンは近づいてくる青年をじっと見据えていた。 青年もグレンなど目に入っていないような足取りであった。 青年がグレンの3メートルほど前まで来たとき、頭上から銀光が駆け落ちた。 神速の如き疾さでグレンの剣が唐竹割りに斬り下ろされたのだった。その予備動作もほとんど捕らえられぬほどであった。 だが、その一撃が身体を通り抜けても青年は元の位置に立っていた――――と見えた瞬間、消えた。 それは残像であった。 グレンの背後から青年の足音が聞こえた。 「ま・・・まさか・・・・・・」 ルナがかすれた声をあげた。ルナのほうを見ながら青年がニコリと笑った。 「お・・まえ・・は・・・・・?」 問いただすベルベインに、青年はひとつ笑みを浮べるとやおらベルベインの眉間を人差し指で突いた。 軽く人差し指を捻ると、ベルベインの身体は崩れるように地面に倒れた。 「おじいちゃん!?」 「大丈夫ですよ」 青年が言った。 「少しの間、眠っていただきました。これ以上は命の保障はできませんのでね。まあ、普段の状態でしたらこんなもの、効きはしないでしょうが」 そう言うと、青年は片膝をつき、ルナと顔を合わせた。 「本当にお久しぶりです。ルナさん」 「タ・・タイ――――」 ルナが言いかけたとき、突如空中で火花が散った。 「・・・・・やれやれ、無粋な人ですねぇ。もう少し再会の余韻に浸らせてくれてもいいでしょうに」 青年の声は背後で剣を振り下ろしたグレンに向けられた。 そのグレンの剣を、いつの間に抜きは放ったのか、青年の手に握られた剣が受け止めていた。 互いに片手とはいえ、かかる力は並ではないが、互いの剣はその場で拮抗している。 「よ、っと」 青年の掛け声と共に、互いの剣は弾き合い、間を取ってふたりは対峙した。 「貴様・・・・・・・何者だ?それにその剣もただの剣ではないな・・・・・・」 「はじめまして。僕の名はタイタス=グローンと申します。あ、別にお見知りおきいただかなくても結構ですよ」 青年――タイタスは、両手を下げた自然体で立った。 「そして、この剣は僕の愛剣”グレンキャリバー”。遥か天空の彼方より降り来たった星の欠片から打ち出した剣です」 2メートルは悠に越える刃渡りの長剣”グレンキャリバー”が輝きを放つ。 それはこの世界にあらざる輝きに見え、グレンは剣を構えた。 「初対面でこういうのもなんですが――――貴方、かなりごビョーキですね」 タイタスがそう言った瞬間、グレンの足が地を蹴っていた。 先ほど以上の疾さの一撃がタイタスに襲い掛かった瞬間――――― 「!?」 ボッと鮮血を噴いたのはグレンであった。 その背後には、いつの間にかタイタスが立っており、”グレンキャリバー”を持った右手を水平に伸ばしていた。 「え・・・?ど、どうしたの?」 「グレンって奴の剣が届く前にあのタイタスって奴が斬ったんだ・・・・・・」 呆然とした声を上げるリナに、ガウリイが答えた。 「う、うそ・・・・・?ガウリイ、あんた見えたの?」 「斬ったというのはかろうじて捉ええられたんだが・・・・・・何回斬ったかまではわからんかった」 事実、グレンの身体には幾つもの刀傷が刻まれていた。 「む―――!」 その傷にも怯まず、背後を振り返ったグレンだが、タイタスの姿はまた忽然と消え、別の場所に立っていた。 「へえ、手加減したといえタフなかたですねぇ」 感心したように言うタイタスに、グレンは再び剣を構えた。 「貴様もなかなか面妖な剣法を使う・・・・・・・現世も捨てたものではないな・・・・・・」 タイタスの”グレンキャリバー”と超加速剣法は、グレンの心にますます火をつけたようだった。 「タイタス=グローン――――いざっ!!」 「やれやれ、ほんとにビョーキですね」 グレンの刃が届いたと思ったら、タイタスの姿はまた別の場所に移動していた。 「でも、今は貴方と遊んでいる時間はないんですよ」 ”グレンキャリバー”を青眼に構えた。 「それに、貴方と決着をつけるのは僕じゃあ、ありませんよ」 そう言うと、”グレンキャリバー”を振りかぶった。 「しばらく別のところにでも行っててください。”グレンキャリバー”よ!そのとば口を開け!!」 銀光を閃かせて、”グレンキャリバー”が縦一文字に空を斬り裂いた。 「タイタス――――グローンッ――――!!!!」 タイタスに向かって跳び掛かったグレンの声は、そのまま前方―――”グレンキャリバー”が斬り裂いた空間の裂け目に吸い込まれていった。 そして続いてグレンの姿も、空間の向こうに呑み込まれていった。 グレンの姿が消えると、タイタスはもう一度”グレンキャリバー”を先ほどとまったく同じ軌道で振り下ろした。 最初は解放―――次は封印―――空間の裂け目は何事もなかったようにピッタリ閉じられた。 「あのまま放っておいたら、この国中のものを吸い込みかねませんからね」 笑ってそう言うと、タイタスは再びルナの側へとやって来た。 「タイタス・・・・・本当に、貴方なの・・・・・?」 「ええ、ルナさん。正真正銘、タイタス=グローン本人ですよ」 タイタスは右手のブレスレットを見せ、言った。それはルナがしているものと同じものであった。 それを見たルナは小さく微笑むと、そのまま気を失った。 ************************************* 続きでした。 満を持して登場のタイタスでした。 おいしいところ持っていきまくりですね。 それではまた次回。 |
30245 | さっそく元カレ&今カレの間で火花が散ってますね | エモーション E-mail | 2004/6/20 22:37:00 |
記事番号30239へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 気が付いたら、2話! ということで纏めて感想です。 >ほとんどラスト近くまで書いたのですが、不慮の事故で消えてしまいました・・・・・・・へこむ・・・・・ >というわけでもう一度書き直しです。 そ、それは……(^_^;) 泣くしかない事故ですね。 消すと言えば、私はこの間、危うく小説データの入ったディスクを うっかり初期化するところでした……(滝汗) ちゃんと「初期化しますか?」と、警告音入りで確認取ってくれてありがとう、Mac。 >そのときフィルアがレンドールとルナのもとに駆けつけた。 >その後ろにはファルネーゼ、リナ、ガウリイと続いていた。 >「あいつ・・・・かなりヤバいわね・・・・・・」 >「ああ・・・・・・」 >グレンをひと目見て呟いたリナの言葉に、ガウリイも低く頷いた。 >(あいつ・・・・リュウゼン以上か・・・・・・) インバース家全員集合ですね。一目でグレンさんの力量が分かったガウリイ。 リュウゼンさん以上って……相当なものですね。 そして……やはりとは思いましたが、ベルベインじーちゃん。 リュウゼンさんより強かったのですね(汗) >「無影の太刀―――」 >ベルベインの構えを見たレンドールがそう呟いた。 >「無影の太刀?」 >「おやっさんの必殺の一手だ・・・・・あいつの位置からは―――」 >刀身が見えなくなった。 >右手の柄のみはかろうじて見えるが、峰から切尖にかけては完全に視界から隠れた。 >切尖の変化によって、刀身の動きを知ることは完全に封じられた。 ベルベインじーちゃんの必殺の一手……。 相手が暢気に剣をあわせられる相手じゃないだけに、短期決戦というところでしょうか。 >「・・・・・・クソッタレ」 >ベルベインが一言呟くや、彼の身体は左肩から胸にかけて大きく血を噴いて、地面に倒れこんだ。 >「あなたっ!?」 >ファルネーゼの悲痛な叫びが響いた。 あのベルベインじーちゃんが斬られたーーっ!! 何だか本当にこれは、凄まじい出来事ですね。少なくともこの場にいる者にとっては、 初めて見た光景なのでは……(汗) >「とあるジイさんに会わなけりゃ・・・・・俺は力に自滅していただろう・・・・・・そして・・ファルネーゼと出会い・・・・・・・家族を持ち・・・・・レンドール・・ヴェルディオス・・・・・・俺が・・高みに立てた証しであり・・・・・・誇りだ・・・・・・・・・」 >キッと鋭い眼光を向け、グレンを見据える。 >「お前は・・・・・あのときの・・・・・愚かな俺だ・・・・・・だから・・・・俺が・・救ってやるよ・・・・・・・・」 代わりに戦おうとする娘夫婦を一喝して、最後まで自分が決着を付けようとするベルベインじーちゃん。 大切な家族であり、愛弟子(だったのですね。言葉から察するに)を、こんな形で 失くしたくない思いと、ガウリイがリュウゼンさんを「もう一人の自分」と見ているように、 ベルベインじーちゃんも、グレンさんに「力溺れたままの自分」を見て、 何とかしてやりたいと思ったのですね。 ……それにしても「とあるジイさん」って……まさか……?(^_^;) >(なんだ・・・・・?先ほど感じた異様な戦慄は?) >グレンは雷撃のように身体に駆け抜けた、先ほどの気配の衝撃を思い返した。 >そして、インバース家へと続く道―――その向こうから一人の青年がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 それぞれの思いが絡んで、どうなる?! と思った途端ご登場の「彼」……。 ある種の「気」をわざと発していたのでしょうか。 何にせよ、グッドタイミングですね♪ >白のシャツに襟元にスカーフを締め、濃紺の礼服の上下に脛まで覆う革のブーツ、そして礼服のジャケットには金糸の刺繍が施されている。 >誰が着てもキザだ、イヤミだといわれそうな服装だが、不思議とこの青年には合っていた。 剣を持っている以外は、思いっきり当主としての「正装」で、やって来たのでしょうか。 ……まあ、カノジョのご家族と合うとなると、きちんとした服装くらいしますよね♪(何か違う) >青年がグレンの3メートルほど前まで来たとき、頭上から銀光が駆け落ちた。 >神速の如き疾さでグレンの剣が唐竹割りに斬り下ろされたのだった。その予備動作もほとんど捕らえられぬほどであった。 >だが、その一撃が身体を通り抜けても青年は元の位置に立っていた――――と見えた瞬間、消えた。 >それは残像であった。 かなりの使い手のようなので仕掛けてみた、というところなのでしょうけれど、 瞬間的に「こいつはいろんな意味で、超強力なライバル」と感じて、攻撃したように 見てしまいました。(←おい!) それにしても、やはりさすがですね。タイタスさん。 >そう言うと、青年は片膝をつき、ルナと顔を合わせた。 >「本当にお久しぶりです。ルナさん」 >「タ・・タイ――――」 >ルナが言いかけたとき、突如空中で火花が散った。 >「・・・・・やれやれ、無粋な人ですねぇ。もう少し再会の余韻に浸らせてくれてもいいでしょうに」 >青年の声は背後で剣を振り下ろしたグレンに向けられた。 いろんな意味で焦っているようなグレンさんと、思いっきり余裕のタイタスさん。 今カレと元カレで、さっそく火花を散らしてますね。 にこやかに応対しているタイタスさんが……何だかやたら怖いですね(^_^;) 事情は分からないけれど、ルナとルナの家族を傷つけたのは許しませんからね、 と態度が言ってますね。 >ボッと鮮血を噴いたのはグレンであった。 >その背後には、いつの間にかタイタスが立っており、”グレンキャリバー”を持った右手を水平に伸ばしていた。 >「え・・・?ど、どうしたの?」 >「グレンって奴の剣が届く前にあのタイタスって奴が斬ったんだ・・・・・・」 >呆然とした声を上げるリナに、ガウリイが答えた。 >「う、うそ・・・・・?ガウリイ、あんた見えたの?」 >「斬ったというのはかろうじて捉ええられたんだが・・・・・・何回斬ったかまではわからんかった」 ああ、何だかほんとに「怒ってる、怒ってるよ〜!!」という感じです。 手加減してこれですか……(汗) それにしてもガウリイ。斬った回数は分からないと言っても、よく見えましたね。 それだけでも充分凄いような。 >「しばらく別のところにでも行っててください。”グレンキャリバー”よ!そのとば口を開け!!」 >銀光を閃かせて、”グレンキャリバー”が縦一文字に空を斬り裂いた。 >「タイタス――――グローンッ――――!!!!」 >タイタスに向かって跳び掛かったグレンの声は、そのまま前方―――”グレンキャリバー”が斬り裂いた空間の裂け目に吸い込まれていった。 >そして続いてグレンの姿も、空間の向こうに呑み込まれていった。 >グレンの姿が消えると、タイタスはもう一度”グレンキャリバー”を先ほどとまったく同じ軌道で振り下ろした。 >最初は解放―――次は封印―――空間の裂け目は何事もなかったようにピッタリ閉じられた。 何となく「ど○でもドア」を連想しました。空間の裂け目(笑) さて、ひたすら力と強い相手を求める姿に、タイタスさんも少々苦笑してますね。 あっさりと倒すこともできたのでしょうけれど、ここは「決着をつける方」のために、 穏便に対処したというところでしょうか。 ……ルナの前世彼氏が復縁をせまってた(微妙に違うが嘘ではない)と知ったら、 複雑な気分でしょうね。彼女とその祖父の気持ちは分かる。でもムカツクと……(^_^;) >「タイタス・・・・・本当に、貴方なの・・・・・?」 >「ええ、ルナさん。正真正銘、タイタス=グローン本人ですよ」 >タイタスは右手のブレスレットを見せ、言った。それはルナがしているものと同じものであった。 >それを見たルナは小さく微笑むと、そのまま気を失った。 タイタスさんの存在に、ルナは心底ほっとしたんですね。もうしっかり乙女です。 ……そして気が付いたときには、「和やかに祖母・母・妹夫婦(笑)と お茶をするタイタスさんと、ちょっとぶつぶつ言っているが、同じテーブルで お茶を飲んでいる父(祖父はさすがにベットの住人。でも元気)」の光景を見るのですね。 >続きでした。 >満を持して登場のタイタスでした。 >おいしいところ持っていきまくりですね。 >それではまた次回。 楽しんで読みました〜(^.^) 一部妄想モードで見てましたが(笑) おいしいところをビシバシと持っていったタイタスさん。 ルナが好きになるだけのことはありますね。 とりあえず、次回はひとときの安らぎと、ルナ&タイタスさんの恋愛模様でしょうか。 何にせよ、続きを楽しみにしています。 それでは、この辺で失礼します。 |
30252 | バトル開始です | 棒太郎 | 2004/6/21 23:36:10 |
記事番号30245へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >気が付いたら、2話! ということで纏めて感想です。 > >>ほとんどラスト近くまで書いたのですが、不慮の事故で消えてしまいました・・・・・・・へこむ・・・・・ >>というわけでもう一度書き直しです。 > >そ、それは……(^_^;) 泣くしかない事故ですね。 >消すと言えば、私はこの間、危うく小説データの入ったディスクを >うっかり初期化するところでした……(滝汗) >ちゃんと「初期化しますか?」と、警告音入りで確認取ってくれてありがとう、Mac。 こんばんは、エモーションさん。 ええ、もう黙って泣くしかありませんよ・・・・・ほんと。 数秒間、時が止まりましたからね。 >>グレンをひと目見て呟いたリナの言葉に、ガウリイも低く頷いた。 >>(あいつ・・・・リュウゼン以上か・・・・・・) > >インバース家全員集合ですね。一目でグレンさんの力量が分かったガウリイ。 >リュウゼンさん以上って……相当なものですね。 >そして……やはりとは思いましたが、ベルベインじーちゃん。 >リュウゼンさんより強かったのですね(汗) 単純に戦闘力のみで見れば、じーちゃんはリュウゼンとほぼ互角、あるいは少し上ぐらいですね。 >>「おやっさんの必殺の一手だ・・・・・あいつの位置からは―――」 >>刀身が見えなくなった。 >>右手の柄のみはかろうじて見えるが、峰から切尖にかけては完全に視界から隠れた。 >>切尖の変化によって、刀身の動きを知ることは完全に封じられた。 > >ベルベインじーちゃんの必殺の一手……。 >相手が暢気に剣をあわせられる相手じゃないだけに、短期決戦というところでしょうか。 一気に決着をつける気です。 >>ベルベインが一言呟くや、彼の身体は左肩から胸にかけて大きく血を噴いて、地面に倒れこんだ。 >>「あなたっ!?」 >>ファルネーゼの悲痛な叫びが響いた。 > >あのベルベインじーちゃんが斬られたーーっ!! >何だか本当にこれは、凄まじい出来事ですね。少なくともこの場にいる者にとっては、 >初めて見た光景なのでは……(汗) ここに居る者たちにとっては、想像しようにもなかなか思い浮かばない光景ですからね。 みなのショックも膨大です。 >>キッと鋭い眼光を向け、グレンを見据える。 >>「お前は・・・・・あのときの・・・・・愚かな俺だ・・・・・・だから・・・・俺が・・救ってやるよ・・・・・・・・」 > >代わりに戦おうとする娘夫婦を一喝して、最後まで自分が決着を付けようとするベルベインじーちゃん。 >大切な家族であり、愛弟子(だったのですね。言葉から察するに)を、こんな形で >失くしたくない思いと、ガウリイがリュウゼンさんを「もう一人の自分」と見ているように、 >ベルベインじーちゃんも、グレンさんに「力溺れたままの自分」を見て、 >何とかしてやりたいと思ったのですね。 >……それにしても「とあるジイさん」って……まさか……?(^_^;) そうですね。家族を失わせないという思いと、グレンに過去の自分を見て立ち上がってます。 そして「とあるジイさん」は・・・・・・恐らくご想像の通りだと・・・・ >>グレンは雷撃のように身体に駆け抜けた、先ほどの気配の衝撃を思い返した。 >>そして、インバース家へと続く道―――その向こうから一人の青年がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。 > >それぞれの思いが絡んで、どうなる?! と思った途端ご登場の「彼」……。 >ある種の「気」をわざと発していたのでしょうか。 >何にせよ、グッドタイミングですね♪ バッチタイミングで登場です。 場の空気を持っていくために、瞬間的に発しました。 >>白のシャツに襟元にスカーフを締め、濃紺の礼服の上下に脛まで覆う革のブーツ、そして礼服のジャケットには金糸の刺繍が施されている。 >>誰が着てもキザだ、イヤミだといわれそうな服装だが、不思議とこの青年には合っていた。 > >剣を持っている以外は、思いっきり当主としての「正装」で、やって来たのでしょうか。 >……まあ、カノジョのご家族と合うとなると、きちんとした服装くらいしますよね♪(何か違う) 思いっきりの正装です。 というか、ゴーメンガーストでの普段着ですから。 >>だが、その一撃が身体を通り抜けても青年は元の位置に立っていた――――と見えた瞬間、消えた。 >>それは残像であった。 > >かなりの使い手のようなので仕掛けてみた、というところなのでしょうけれど、 >瞬間的に「こいつはいろんな意味で、超強力なライバル」と感じて、攻撃したように >見てしまいました。(←おい!) >それにしても、やはりさすがですね。タイタスさん。 先ほど感じた気配や身のこなしを見て、瞬時に仕掛けました。 まあでも、見ようによってはそう見えますね(笑) >>ルナが言いかけたとき、突如空中で火花が散った。 >>「・・・・・やれやれ、無粋な人ですねぇ。もう少し再会の余韻に浸らせてくれてもいいでしょうに」 >>青年の声は背後で剣を振り下ろしたグレンに向けられた。 > >いろんな意味で焦っているようなグレンさんと、思いっきり余裕のタイタスさん。 >今カレと元カレで、さっそく火花を散らしてますね。 >にこやかに応対しているタイタスさんが……何だかやたら怖いですね(^_^;) >事情は分からないけれど、ルナとルナの家族を傷つけたのは許しませんからね、 >と態度が言ってますね。 さっそくの対決です。 まだ互いに挨拶代わりの一刀ですが、火花が散ってます。 あと、タイタスはゴーメンガーストの秘密ネットワークにより、おおよその事情はわかっています。 >>「グレンって奴の剣が届く前にあのタイタスって奴が斬ったんだ・・・・・・」 >>呆然とした声を上げるリナに、ガウリイが答えた。 >>「う、うそ・・・・・?ガウリイ、あんた見えたの?」 >>「斬ったというのはかろうじて捉ええられたんだが・・・・・・何回斬ったかまではわからんかった」 > >ああ、何だかほんとに「怒ってる、怒ってるよ〜!!」という感じです。 >手加減してこれですか……(汗) >それにしてもガウリイ。斬った回数は分からないと言っても、よく見えましたね。 >それだけでも充分凄いような。 急所は外してます。 ガウリイも実際の視覚に捉えたのではなく、感覚の眼が感じた、という感じです。 >>タイタスに向かって跳び掛かったグレンの声は、そのまま前方―――”グレンキャリバー”が斬り裂いた空間の裂け目に吸い込まれていった。 >>そして続いてグレンの姿も、空間の向こうに呑み込まれていった。 >>グレンの姿が消えると、タイタスはもう一度”グレンキャリバー”を先ほどとまったく同じ軌道で振り下ろした。 >>最初は解放―――次は封印―――空間の裂け目は何事もなかったようにピッタリ閉じられた。 > >何となく「ど○でもドア」を連想しました。空間の裂け目(笑) >さて、ひたすら力と強い相手を求める姿に、タイタスさんも少々苦笑してますね。 >あっさりと倒すこともできたのでしょうけれど、ここは「決着をつける方」のために、 >穏便に対処したというところでしょうか。 >……ルナの前世彼氏が復縁をせまってた(微妙に違うが嘘ではない)と知ったら、 >複雑な気分でしょうね。彼女とその祖父の気持ちは分かる。でもムカツクと……(^_^;) ベルベインの状態のこともありますし、なによりグレンと決着をつけるのはルナ、ということでとりあえず一時、退場してもらったというところです。 >>タイタスは右手のブレスレットを見せ、言った。それはルナがしているものと同じものであった。 >>それを見たルナは小さく微笑むと、そのまま気を失った。 > >タイタスさんの存在に、ルナは心底ほっとしたんですね。もうしっかり乙女です。 >……そして気が付いたときには、「和やかに祖母・母・妹夫婦(笑)と >お茶をするタイタスさんと、ちょっとぶつぶつ言っているが、同じテーブルで >お茶を飲んでいる父(祖父はさすがにベットの住人。でも元気)」の光景を見るのですね。 前世の記憶などで張り詰めた糸が一気に解き放たれて、意識が強制的に休息に入りました。 次回は似たような光景がでます(笑) >>続きでした。 >>満を持して登場のタイタスでした。 >>おいしいところ持っていきまくりですね。 >>それではまた次回。 > >楽しんで読みました〜(^.^) 一部妄想モードで見てましたが(笑) >おいしいところをビシバシと持っていったタイタスさん。 >ルナが好きになるだけのことはありますね。 >とりあえず、次回はひとときの安らぎと、ルナ&タイタスさんの恋愛模様でしょうか。 >何にせよ、続きを楽しみにしています。 >それでは、この辺で失礼します。 タイタスの登場シーンは、『竜剣抄』を書くにあたって、まず第一に思いついたシーンですので。 『異邦の〜』でもまだ全然実力を出していませんでしたので、一番実力の未知数のキャラです。 まあ、あんな奇人たちをまとめてる総大将なので只者ではありませんが・・・・・ 次回はエモーションさんの言われている通り、はひとときの安らぎと、ルナ&タイタスの恋愛模様をお送りします。 それではどうもありがとうございました。 |
30265 | 竜剣抄 第9話 | 棒太郎 | 2004/6/23 00:55:11 |
記事番号30179へのコメント こんばんは、棒太郎です。 ひとまず第一の山場が終わりました。 次の山場に向けて、また動き出します。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第9話 ひとまず、グレンの驚異が去ったインバース家では――――― その応接室で、ひとりの青年が皆の視線を集めていた。 言うまでもなく、それはタイタス=グローンであった。 ベルベインと夫に付き添うファルネーゼを、”案内人”と呼んだ4頭立ての馬車の御者に『くれぐれも無礼のないように』と伝え、彼の主治医のもとへと送らせた。 そしてルナを自室のベッドへ休め、今に至るのであった。 『つまらないものですが―――』と、どこからか取り出した菓子折りの箱をフィルアに渡し、出されたお茶を優雅にご馳走になっていた。 「それで・・・・・君は一体何者なのだ?」 ひとまず治療を終えたヨハネスがタイタスに尋ねた。 あのグレンを事も無げといった風に退けたこの青年に、驚きと疑問の色を浮べている。それは、ベルナードにしてもリルカにしても同じだった。 インバース家のほうは少し異なり、その関心はどちらかといえば、ルナとの関係のほうにあるようだった。 ヨハネスの問いに、タイタスはティーカップを置いて襟を正し、笑みを浮べた。 「では、改めましてみなさん。僕はタイタス=グローンと申します。ゴーメンガースト城の第77代当主を務めております」 「ゴーメンガースト?」 「ゴーメンガーストだと――――」 タイタスの言葉にヨハネスは絶句した。 「ヨハネス様・・・・・ご存知なのですか?」 「ああ・・・・・ゴーメンガースト―――いずことも知れぬ時、いずことも知れぬ場所にあるという巨大な迷宮の如き城、とな・・・・・・その昔、『グラーキの黙示録』にゴーメンガーストに関する記述があったのを見たことがある」 「グ、グラーキの黙示録!?」 「まさか・・・・本当に存在したの!?」 ヨハネスの口に出た、『グラーキの黙示録』という言葉にリナとフィルアが驚きの声を上げる。 「なあ、その『ぐらーきのもくしろく』ってなんだ?」 と訊ねるガウリイに、 「伝説とされている幻の魔道書のひとつよ・・・・・・ある意味『異界黙示録』よりレア物だわ」 その名のみが伝わり、今やその存在すらも疑問視されているいくつかの魔道書―――伝説の大魔道士エイボンが著したとされ、数多くの禁断の知識が記されているという『エイボンの書』、大妖術士アルソフォカスが著したとされる伝説の写本で、邪悪な呪文の数々が記されているという『暗黒の大巻』、生涯を禁断の領域の探求に費やした奇人フォン・ユンツトが、世界各地を遍歴する過程で見聞した奇怪な伝承の類を書き留めたという禁断の書物『無名祭祀書』など―――そして、その中の一冊で異界に関わる事どもを記した悪名高い魔道書で、その完全版は稀にしか存在しないといわれているのが、『グラーキの黙示録』であった。 「ああ、確かにあの本にもゴーメンガーストのことが書かれていますね」 「それじゃあ、あなたは異界の者ってわけね」 「平たく言えばそうですね」 フィルアの言葉に、タイタスはさらりと応えた。 「まさか・・・・・そう簡単に異界の者が――――」 「そうですか?貴方がたから見れば”向こう側”の住人は、結構来ているものですよ」 そのタイタスの言葉に、リナはあの”闇の向こう側より来たる者”を思い出した。 「それで、うちのルナとお前さんはどーゆー関係なんだ?」 フィルアの横でムスッとした顔つきで、茶を飲んでいたレンドールが訊いてきた。 「ああ、そうですね。昔、ルナさんが廻国修行で世界を旅しておられたときに、その道中で出会いまして――――それで、しばらく旅を共にさせていただきました」 「あら、そうだったの」 その言葉にますます顔をしかめるレンドールに代わって、フィルアが言葉を継いだ。 「で?」 「で・・・・・と申しますと?」 「ぶっちゃけ言って、ルナと突っ込んだ仲になったんでしょ?」 ニヤニヤと笑みを浮べて訊ねるフィルアに、 (かーちゃん・・・・・・思いっきりストレート過ぎ・・・・・・) 心の中で、大きな汗を浮べながらリナは呟いた。 「ええ、まあ、そのなんといいますか――――ぶっちゃけ言ってそうですかね」 その言葉にレンドールがウガーッと立ち上がりかけたが、フィルアの裏拳によって沈黙した。 「まあ、それでですね。しばらく旅を続けた後、ルナさんにプロポーズをしたんですが―――――」 「プロポーズだとーーーーっ!!!!」 再び怒涛の勢いでレンドールが再起動したが、フィルアの初代タイ○ーマスクばりのローリングソバットでまたも撃沈した。 「それで―――?」 「はい、お返事をいただく前にルナさんはこちらに帰られまして。それ以来です。」 「な〜〜るほど」 フィルアがなにやら得心がいったという風に、ニヤ〜ッと笑い大きく頷いた。 「・・・・・それで、あのグレンって奴はどうなったの?」 横からリナが声をかけた。 「あの人ならちょっと異空間に行ってもらいましたが、まああの人ほどなら1週間ほどで戻ってくるでしょう」 「1週間――――」 「ふ〜ん、1週間か〜・・・・・・」 少し考えて、フィルアはタイタスに向かって、 「ま、しばらくは居られるんでしょ?ゆっくりしていきなさいな」 と言った。 ゆっくりと意識が目覚めてゆき、それにあわせてルナの肉体も目を覚ました。 見慣れた自分の部屋の天井が見えてきた。 前世の記憶も何も見ない、久々の無からの目覚めだった。 「気がつかれましたか?」 その声を聞いた途端、意識の覚醒が急速になった。 上半身を起こし、横を振り向くと、そこに懐かしい顔があった。 「タイ・・・タス・・・・・・・」 ルナの呟きにタイタスはにっこりと笑って応えた。 「・・・・どうしてここに・・・・・・?」 「いやぁ、僕も結構幅広いネットワークを持っていましてね。色んな情報が入ってくるんですよ。まあ、そこから今回の事を知りましてね。お節介かも知れませんがお伺いしに来まして――――――」 笑ってそう言ったが、ルナの瞳が懺悔のような色を宿しているのを見て、笑みを引っ込めた。 「・・・・・・・どうしました?」 「・・・・・怒ってないの?」 「何をです?」 「・・・・・・・・あなたの前から・・・・・逃げ出したこと・・・・・・・」 そう言い、ルナは瞳を伏せた。 「・・・・・私にリナのことをどうこう言う権利なんてないわよね・・・・・・・・”赤の竜神の騎士”としての道を選んだなんて言ってるけど・・・・・・・それは、恋に怯えて逃げ出したことを誤魔化す方便に過ぎないわ・・・・・・」 「・・・・・・・・・・・・・」 「あの旅で・・・・・・・あなたと一緒に居て、本当に心が安らいだ。それまでは”赤の竜神の騎士”たらんとして自分を縛り付けて生きてきた・・・・・・・おじいちゃん達は私自身の生き方をするように、そう教育してくれたけど・・・・・私はそれが私の使命だって・・・・」 「頑なに固辞していた・・・・・・そうでしたよね?」 静かにタイタスが言葉を継いだ。 「ええ・・・・・・誰も私を”赤の竜神の騎士”として見てたけど・・・・・家族以外であなただけだったわ・・・・・・最初からひとりの女の子としてみてくれたのは・・・・・」 「光栄ですね」 「あなたといて安らぎを覚える反面、私は怖かった・・・・・・私の心に広がる”恋愛”という感情が・・・・・・今までひとりでもやって来れた私が、どう対処していいかわからなくなり、それがまた漠然とした不安を呼んだ・・・・・・・・・そしてあなたの言葉に応えるときに・・・・・私はそこから逃げ出した・・・・・・・・どういう形でも立ち向かうことなく・・・・・・・・・」 キュッとシーツを握り締め、ルナは俯いた。 「私は自分の臆病な心に負けた・・・・・・・それを振り払うように、私はまたがむしゃらに修行に明け暮れた。そして・・・・・そんな轍を妹が踏まないように、あれこれ口を出したわ・・・・・・そんな資格、私にはないのに・・・・・・」 自嘲の笑みを浮べるルナだったが、隣のタイタスがそっと優しく手を握った。 「申し訳ありません、ルナさん。僕の言葉がそれほどまで貴女を苦しめていたとは」 「え・・・・・?」 「僕は知らず知らずのうちに貴女を追い詰めていたんですね。まったく・・・・・とんだエゴイストだ」 「違うわ、タイタス!?それは自分に負けた私の責任よ」 「いいえ。僕も自分の想いを伝えるだけで、貴女の心を理解していなかった」 キッとした瞳でタイタスはルナを見つめた。 「僕には・・・・貴女を愛する資格はないようですね」 タイタスの言葉に、ルナは目を見開いた。 「違う・・・・・違うわ・・・・・・前世の記憶に苛まれ、そしてグレンに会って意識を侵されたとき――――気が付いた。いいえ、理解した」 ルナの瞳がタイタスの瞳と合わさった。 「今は言える・・・・・・・私は・・・・あなたを愛してる・・・・・・・」 そっと、だが力強くタイタスの手を握り返した。 「懺悔の気持ちも謝罪の気持ちもある・・・・・・・でもそれ以上に、純粋にあなたを愛してる・・・・・・・」 「ルナさん・・・・・・・・僕も貴女を愛してますよ」 「ねえちゃ〜ん、具合どう?」 ルナの容態を心配して、リナが暖かい飲み物を持って部屋に来たが―――― 「し、しししし失礼しましたぁっ!!!!」 ひと目見るや、一目散に部屋を飛び出して行った。 リナが部屋に入ったとき、そこではふたりの熱いベーゼが交わされている真っ最中であった。 (いやぁぁぁ〜〜〜〜!!!!こ、殺される!!絶対殺される!!!) その日、リナは倉庫の片隅で毛布を頭から被り蒼ざめているところを発見された。その顔は死より恐ろしい恐怖に怯えていたと言われている。 ************************************* 続きでした。 今回後半の部分を書いていて、むず痒さ爆発でした。 ダルフィンのときでも、これほどまではいかなかったのに・・・・・ もうよそでやってくれ、よそで。 あと、魔道書の部分はわかる人にはわかるセレクションです。 というか、趣味爆発です。 一応、スレ世界にあってもおかしくないものをチョイスしたつもりです。 それではまた次回。 |
30274 | さりげなく父と妹が不幸(笑) | エモーション E-mail | 2004/6/23 22:55:47 |
記事番号30265へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 さっそく続きが♪ 今回は家庭内でのヒエラルキーが、よく分かりますね(笑) 精神的なヒエラルキーは、ベルベインじーちゃん&ファルネーゼさんは別枠として、 フィルアさん>ルナ>レンドールさん≧リナなのですね。(^.^) タイタスさんにとっては「ケガの功名」になったのか、自分の気持ちを はっきりと自覚して素直に示したルナ。 こうして、らぶらぶカップルがまた一組誕生ですね。 >ベルベインと夫に付き添うファルネーゼを、”案内人”と呼んだ4頭立ての馬車の御者に『くれぐれも無礼のないように』と伝え、彼の主治医のもとへと送らせた。 確かにあちらであの方に任せれば、「安全・確実・早い」の三拍子揃った、 まるでどっかのキャッチフレーズのような治療を受けられますよね。 ……リハビリと称して、再会した「とあるジイさん」と、少しじゃれてきそうな気が、 ヒシヒシとしますね(^_^;) >あのグレンを事も無げといった風に退けたこの青年に、驚きと疑問の色を浮べている。それは、ベルナードにしてもリルカにしても同じだった。 >インバース家のほうは少し異なり、その関心はどちらかといえば、ルナとの関係のほうにあるようだった。 仕方がないとはいえ、〃赤の竜神の騎士〃トリオとインバース家での、 関心の違いが面白いですよね。 それにしてもどこから菓子折だしたんでしょう、タイタスさん。 ついでに何の菓子だったのか気になります。「銘菓ゴーメンガースト饅頭」とか(笑) >「ヨハネス様・・・・・ご存知なのですか?」 >「ああ・・・・・ゴーメンガースト―――いずことも知れぬ時、いずことも知れぬ場所にあるという巨大な迷宮の如き城、とな・・・・・・その昔、『グラーキの黙示録』にゴーメンガーストに関する記述があったのを見たことがある」 >「グ、グラーキの黙示録!?」 >「まさか・・・・本当に存在したの!?」 さすがに腐っても〃赤の竜神の騎士〃というべきか、伝説の魔道書を読んだことがあるって……。 ヨハネスさんもかなり博識な方なのですね。 それにしても魔道書のラインナップ……。良く知りませんが『無名祭祀書』は どっかのHPで見た覚えが(笑) でもさすがに『ネ○ロノミ○ン』はないんですね(爆) >「そうですか?貴方がたから見れば”向こう側”の住人は、結構来ているものですよ」 >そのタイタスの言葉に、リナはあの”闇の向こう側より来たる者”を思い出した。 露骨に迷惑なのもいれば、素知らぬふりで、この世界を漫遊している方も、 案外多いのかも知れませんね。(某巣○祐里子さんの「極東天国!」みたいに) ……って、そーいえば私の書く話では、堂々と異世界の生き物がゼフィーリア王宮で 飼われてたり、インバース家の周辺で含み笑いしてたりしますね(笑) >「ぶっちゃけ言って、ルナと突っ込んだ仲になったんでしょ?」 >ニヤニヤと笑みを浮べて訊ねるフィルアに、 >(かーちゃん・・・・・・思いっきりストレート過ぎ・・・・・・) >心の中で、大きな汗を浮べながらリナは呟いた。 >「ええ、まあ、そのなんといいますか――――ぶっちゃけ言ってそうですかね」 >その言葉にレンドールがウガーッと立ち上がりかけたが、フィルアの裏拳によって沈黙した。 >「まあ、それでですね。しばらく旅を続けた後、ルナさんにプロポーズをしたんですが―――――」 >「プロポーズだとーーーーっ!!!!」 >再び怒涛の勢いでレンドールが再起動したが、フィルアの初代タイ○ーマスクばりのローリングソバットでまたも撃沈した。 レンドールさんの反応と、にこやかに応対しつつ、きっちりレンドールさんを 抑えているフィルアさんがさすがです。 でも、やはり一番凄いのは「結婚の第一関門(笑)」の前で平然としている、 タイタスさんかも……。 >「ふ〜ん、1週間か〜・・・・・・」 >少し考えて、フィルアはタイタスに向かって、 >「ま、しばらくは居られるんでしょ?ゆっくりしていきなさいな」 >と言った。 第一面接はクリア、かな。フィルアさん、娘婿をしっかり見定める気、満々ですね(^_^;) >「違う・・・・・違うわ・・・・・・前世の記憶に苛まれ、そしてグレンに会って意識を侵されたとき――――気が付いた。いいえ、理解した」 >ルナの瞳がタイタスの瞳と合わさった。 >「今は言える・・・・・・・私は・・・・あなたを愛してる・・・・・・・」 >そっと、だが力強くタイタスの手を握り返した。 >「懺悔の気持ちも謝罪の気持ちもある・・・・・・・でもそれ以上に、純粋にあなたを愛してる・・・・・・・」 >「ルナさん・・・・・・・・僕も貴女を愛してますよ」 追いつめられて、自分の本心が何だったのか分かったルナ。互いの思いも通じ合って、 最高に盛り上がってますね、二人は。 >「ねえちゃ〜ん、具合どう?」 >ルナの容態を心配して、リナが暖かい飲み物を持って部屋に来たが―――― >「し、しししし失礼しましたぁっ!!!!」 >ひと目見るや、一目散に部屋を飛び出して行った。 >リナが部屋に入ったとき、そこではふたりの熱いベーゼが交わされている真っ最中であった。 リナ……せめてノックしようよ……。 でもこの状態では、二人ともノックしても気づきそうにないですが。(笑) >その日、リナは倉庫の片隅で毛布を頭から被り蒼ざめているところを発見された。その顔は死より恐ろしい恐怖に怯えていたと言われている。 最後の最後で不幸でしたね、リナ(^_^;) 何が不幸って、ルナもタイタスさんもリナに目撃されたことは、 「完璧に二人の世界を作っていて、まるで気がついていなかっただろう」 という点でしょうか。 リナを発見したのはガウリイでしょうか。しっかり宥めたのでしょうね♪ >続きでした。 >今回後半の部分を書いていて、むず痒さ爆発でした。 >ダルフィンのときでも、これほどまではいかなかったのに・・・・・ >もうよそでやってくれ、よそで。 ああああ、今、もの凄くよく分かります、その気持ちが(^_^;) 書いていて、何故かこちらが赤面して脱力するという……(ぷすぷす) たった一言なのに、書くのに一週間もかかった台詞もありますし(滝汗) ストレートに書かない方が、かえって恥ずかしいのかも……。 >あと、魔道書の部分はわかる人にはわかるセレクションです。 >というか、趣味爆発です。 >一応、スレ世界にあってもおかしくないものをチョイスしたつもりです。 >それではまた次回。 伝説の魔道書:異世界編、ヨハネスさんのように読むだけならともかく、 実際に使おうなんて思ったら、たいていは制御できなくて自滅するんでしょうね。 危なすぎて誰も写本しようとは思わないのだろうなと思いました。 自分の本心を認識したことで、ひとまず精神面が安定したルナ。 グレンさんが再び現れるまでの時間に、どれだけ変わっていくのでしょうか。 それでは今日はこの辺で失礼します。 続きを楽しみにしていますね。 |
30279 | 愉しい家族模様(笑) | 棒太郎 | 2004/6/24 18:03:06 |
記事番号30274へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >さっそく続きが♪ >今回は家庭内でのヒエラルキーが、よく分かりますね(笑) >精神的なヒエラルキーは、ベルベインじーちゃん&ファルネーゼさんは別枠として、 >フィルアさん>ルナ>レンドールさん≧リナなのですね。(^.^) >タイタスさんにとっては「ケガの功名」になったのか、自分の気持ちを >はっきりと自覚して素直に示したルナ。 >こうして、らぶらぶカップルがまた一組誕生ですね。 こんばんは、エモーションさん。 インバース家は、やはり母は強しです。 実力はレンドールのほうが上ですが、尻に敷かれてます。 そして、タイタスはやっぱりおいしいとこどりです。 >>ベルベインと夫に付き添うファルネーゼを、”案内人”と呼んだ4頭立ての馬車の御者に『くれぐれも無礼のないように』と伝え、彼の主治医のもとへと送らせた。 > >確かにあちらであの方に任せれば、「安全・確実・早い」の三拍子揃った、 >まるでどっかのキャッチフレーズのような治療を受けられますよね。 >……リハビリと称して、再会した「とあるジイさん」と、少しじゃれてきそうな気が、 >ヒシヒシとしますね(^_^;) 我らのプルーンスクワラー医師に任せておけば、大丈夫。 医療ミスなんかもないですし。 >>あのグレンを事も無げといった風に退けたこの青年に、驚きと疑問の色を浮べている。それは、ベルナードにしてもリルカにしても同じだった。 >>インバース家のほうは少し異なり、その関心はどちらかといえば、ルナとの関係のほうにあるようだった。 > >仕方がないとはいえ、〃赤の竜神の騎士〃トリオとインバース家での、 >関心の違いが面白いですよね。 >それにしてもどこから菓子折だしたんでしょう、タイタスさん。 >ついでに何の菓子だったのか気になります。「銘菓ゴーメンガースト饅頭」とか(笑) グレンの”赤の竜神の騎士”トリオのように深刻な問題ではありませんからね。 それに、最近のルナの様子からピンと北と思われます。 >>「グ、グラーキの黙示録!?」 >>「まさか・・・・本当に存在したの!?」 > >さすがに腐っても〃赤の竜神の騎士〃というべきか、伝説の魔道書を読んだことがあるって……。 >ヨハネスさんもかなり博識な方なのですね。 >それにしても魔道書のラインナップ……。良く知りませんが『無名祭祀書』は >どっかのHPで見た覚えが(笑) >でもさすがに『ネ○ロノミ○ン』はないんですね(爆) 現代の”赤の竜神の騎士”の中では古株ですからね。若い頃に一度見たことがあるようです。 『ネ○ロノミ○ン』はどうしようかと思いましたが、やっぱり異界の本ということで、ラインナップには入れませんでした。 >>「そうですか?貴方がたから見れば”向こう側”の住人は、結構来ているものですよ」 >>そのタイタスの言葉に、リナはあの”闇の向こう側より来たる者”を思い出した。 > >露骨に迷惑なのもいれば、素知らぬふりで、この世界を漫遊している方も、 >案外多いのかも知れませんね。(某巣○祐里子さんの「極東天国!」みたいに) >……って、そーいえば私の書く話では、堂々と異世界の生き物がゼフィーリア王宮で >飼われてたり、インバース家の周辺で含み笑いしてたりしますね(笑) 『レベルE』みたいにスレ世界の人たちは気付いてないだけで、色んな存在が来てる感じです。 >>「まあ、それでですね。しばらく旅を続けた後、ルナさんにプロポーズをしたんですが―――――」 >>「プロポーズだとーーーーっ!!!!」 >>再び怒涛の勢いでレンドールが再起動したが、フィルアの初代タイ○ーマスクばりのローリングソバットでまたも撃沈した。 > >レンドールさんの反応と、にこやかに応対しつつ、きっちりレンドールさんを >抑えているフィルアさんがさすがです。 >でも、やはり一番凄いのは「結婚の第一関門(笑)」の前で平然としている、 >タイタスさんかも……。 夫の操縦法は上手く心得ているようです。 タイタスはやっぱりあの城の総大将ですから(笑) >>「ま、しばらくは居られるんでしょ?ゆっくりしていきなさいな」 >>と言った。 > >第一面接はクリア、かな。フィルアさん、娘婿をしっかり見定める気、満々ですね(^_^;) 見定める気満々です。ついでにルナとの恋模様もデバガメする気満々です。 >>「今は言える・・・・・・・私は・・・・あなたを愛してる・・・・・・・」 >>そっと、だが力強くタイタスの手を握り返した。 >>「懺悔の気持ちも謝罪の気持ちもある・・・・・・・でもそれ以上に、純粋にあなたを愛してる・・・・・・・」 >>「ルナさん・・・・・・・・僕も貴女を愛してますよ」 > >追いつめられて、自分の本心が何だったのか分かったルナ。互いの思いも通じ合って、 >最高に盛り上がってますね、二人は。 いやもう、最高潮です。このふたり。 >>ひと目見るや、一目散に部屋を飛び出して行った。 >>リナが部屋に入ったとき、そこではふたりの熱いベーゼが交わされている真っ最中であった。 > >リナ……せめてノックしようよ……。 >でもこの状態では、二人ともノックしても気づきそうにないですが。(笑) ノックしたけど変事がないので、気になって覗いてみたら―――――というところです。 >>その日、リナは倉庫の片隅で毛布を頭から被り蒼ざめているところを発見された。その顔は死より恐ろしい恐怖に怯えていたと言われている。 > >最後の最後で不幸でしたね、リナ(^_^;) >何が不幸って、ルナもタイタスさんもリナに目撃されたことは、 >「完璧に二人の世界を作っていて、まるで気がついていなかっただろう」 >という点でしょうか。 >リナを発見したのはガウリイでしょうか。しっかり宥めたのでしょうね♪ 当然ふたりは気が付いていません(タイタスは気付いていそうですが・・・・) 第一発見者はやはりガウリイでしょう。 >>続きでした。 >>今回後半の部分を書いていて、むず痒さ爆発でした。 >>ダルフィンのときでも、これほどまではいかなかったのに・・・・・ >>もうよそでやってくれ、よそで。 > >ああああ、今、もの凄くよく分かります、その気持ちが(^_^;) >書いていて、何故かこちらが赤面して脱力するという……(ぷすぷす) >たった一言なのに、書くのに一週間もかかった台詞もありますし(滝汗) >ストレートに書かない方が、かえって恥ずかしいのかも……。 何気に書き出していったのですが、途中でふと意識すると自分の書いてる文面が無茶苦茶むず痒かったです。 あーゆーのは第三者の立場から見るからまだ大丈夫なのであって、主観に持ってくると辛いものですね。 >>あと、魔道書の部分はわかる人にはわかるセレクションです。 >>というか、趣味爆発です。 >>一応、スレ世界にあってもおかしくないものをチョイスしたつもりです。 >>それではまた次回。 > >伝説の魔道書:異世界編、ヨハネスさんのように読むだけならともかく、 >実際に使おうなんて思ったら、たいていは制御できなくて自滅するんでしょうね。 >危なすぎて誰も写本しようとは思わないのだろうなと思いました。 まあ、全部が禁断の魔道書ですからね。下手に使おうとすれば、自分の身を滅ぼしますし・・・・・・・ >自分の本心を認識したことで、ひとまず精神面が安定したルナ。 >グレンさんが再び現れるまでの時間に、どれだけ変わっていくのでしょうか。 >それでは今日はこの辺で失礼します。 >続きを楽しみにしていますね。 自分の心を認識し、精神的に一歩進んだルナ。 次はそれを切磋琢磨するための修行編です。 また、ある人が登場する予定です。 それではどうもありがとうございました。 |
30281 | 竜剣抄 第10話 | 棒太郎 | 2004/6/24 20:00:36 |
記事番号30179へのコメント こんばんは、棒太郎です。 最近仕事がちょっと憂鬱な気分です。転職という文字が頭の中をチラホラと・・・・・・・ とまあ、こんな話はここまでにして、続きをどうぞ。 ************************************* 『竜剣抄』 第10話 「それじゃあ―――――行って来ます」 「お気をつけて」 軽く纏めた荷物を背負い、そう言うルナを、タイタスは柔らかな視線で見送った。 その後ろではフィルアがニヤニヤと笑いながら二人の姿を見つめているが、互いの瞳を見つめ合い、ふたりの世界に入ってしまったルナたちは気付いていなかった。 自分の気持ちを確認し、その想いを告げたルナ。 それまでの反動からか、リナが目を見張るほどタイタスと寄り添いあっていた。 互いに瞳が合わさっては、微笑を浮かべる。無言の甘い愛の会話が聞こえてきそうで、リナは身を悶える羽目になっていた。 そしてタイタスから、グレンを異空間へ退けたことを聞いた。 「あの人ほどの力なら、1週間ほどで戻ってくるんじゃないですかね」 そう聞いたルナは、やおら荷造りを始めた。そして――― 「山篭りをするわ」 そう告げた。 「私が今まで不敗だとか言われてきたのは、それだけの強さをもっていからじゃないわ・・・・・・世界は広い、たまたまそんな剣士に遭わなかっただけよ」 タイタスの胸に身を寄せながらルナはそう言った。 「貴方と別れてから後、ひとりだけ・・・・・それほどの剣士に遭ったことがあるわ。そのときも慄然としたわ・・・・・・」 「その方は―――?」 「一日近く闘って・・・・・・勝負つかずでその場は互いに引いたわ。またいつか、仕合う時がくるだろうと思っていたけど・・・・・彼は修羅道を歩み、その果てに倒れたわ・・・・・・」 「そうですか・・・・・」 「前世のことは今の私とは関係のないことだけど、同じ欠片だしね。もう一度、心を磨いてくるわ」 そう言ってルナは山篭りへと向かった。 山に入り、瞑想によって心を平らにし、そこから一日中、樹立や大岩を相手に剣を揮った。 朝早くから剣を揮い、日が沈む頃には心身茫として無我の境地に入ることもあり、また昏倒しそうになるときもあった。 それでも連日数千回も剣を振るって、刺撃を続けた。まさに血を吐くような過酷な荒行を続け、生とも死とも分かたぬ日を送った。 そして一週間後、一万回の立切を終え、流石のルナも体中に力が入らず意識も朦朧として、夢幻の境に陥った。 こうした荒行を行った武芸者たちは往々にして、様々な神秘体験をしている。 そしてそこから開眼の転機を掴み、武の奥義を感得していった。 ルナもまた、奇怪な幻覚に襲われた。 心身ともに昏迷して朽木の如く倒れていたルナに、森の樹々が無数の剣となって、四方から襲い掛かってきた。 「!?」 もはや一寸の身動きも不可能かと思われたルナだったが、きっとその身を立て起こし、剣を構えた。 襲い掛かる無数の剣は、そのどれもが必殺の鋭気をもっている。 迫り来る剣気を躱していくが、なおもルナを追い立てていく。そのとき――― 祇園精舎の鐘の声 何かの声が聞こえたかと思うと、襲い来る剣の中でひとつ、段違いのキレと重さの剣がルナを襲った。 諸行無常の響きあり 沙羅双樹の花の色 盛者必衰の理をあらわす やがてそれらの剣が前後左右上下、あらゆるところから宝玉のような光を放ちつつ迫った。到底防ぐ術はない。 (―――斬られる!!) ルナは覚悟した。 (斬るなら斬るといいわ・・・・・私も少なくとも正面からくる剣は叩き斬る) 無数の剣先に向かって、無数に分散していた己の心眼を正面ただひとつの剣先にのみ集中した。 純一無想をもって心気を凝らすと、不思議なことに無数の剣は消え失せ、正面の剣光のみが自分を狙っているのみだった。 ひとえに風の前の塵に同じ その剣が矢の如く走って、ルナを襲った。 ルナの剣も稲妻の如く走って、その剣を撃った。その瞬間、幻覚は消えた。 ルナは凝然と立っていた。身体の疲労は消えて、颯爽とした気が満ちていた。 ―――万剣モ帰スレバ只一ツノ太刀――― ルナの心の中でもう一人の自分が呟いた。 いかなる名手が剣の秘術を尽くし、千変万化の業を以って掛かってこようとも、っその根源は剣ひとつ。自分の手にある剣は、ただその根源たる剣一つを狙って撃砕すればいい―――― 一切の技法を越えた境地が、豁然とルナの心眼の中に開かれた。 その境地に思いを寄せていると、やおらルナは身を半回転させ、剣を振り下ろした。 何も見たわけではない。無念無想―――ほとんど無意識の中に剣を揮っていた。 「見事なり、ルナ=インバース!」 気が付くと黒笠を目深に被った一人の青年がそこに立っていた。 「我、ついには及ばず。よくぞその境地に達せられた」 見ると青年の持つ細身の片刃の剣の先は綺麗に斬りおとされていた。そして、ピッと音を立てて黒笠が真っ二つに斬れ落ちた。 「リュ、リュウゼ―――」 ルナは絶句した。かつて自分と互角の勝負を繰り広げ、今は静かに眠っているはずの男であった。 「もはやこの私はもとより、いかなる剣士もおぬしには敵うまい。その新たなる心境を以って敵に向かえば、一刀よく万刀に当たるであろう」 ガウリイやリナが見れば驚くような、穏やかな澄んだ瞳をルナに向けていた。 「さあ、ゆくがいい。そしてさらば、ルナ=インバース」 そう言うと、リュウゼンはルナに背を向け、森の奥へと歩き出した。 「リュウゼン!!」 ルナが叫んだ。 リュウゼンは顔だけ振り向き、ひとつ笑みを浮べた。そしてその側に一人の女性が立ち、ルナに向かって静かに頭を下げた。 気が付くとふたりの姿は消えていた。 「・・・・・・ありがとう。リュウゼン、ミヤリさん」 二人の消えた先をジッと見つめながらルナは一言、呟いた。 そしてインバース家では――――― 「おや、もうお戻りになられましたか」 そう言うタイタスの前に、グレンが笑みを浮べて立っていた。 ふたりの魔人の気に、周りの空気が静かに凍りついた。 ************************************* 続きでした。 今回は、ルナ奥義を究めるでした。 ガウリイより強くなっちゃいましたよ。どうする、ガウリイ(笑) それではまた次回。 |
30285 | ゲスト出演はこの方でしたか♪ | エモーション E-mail | 2004/6/24 23:09:05 |
記事番号30281へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 お仕事、何やら大変なのでしょうか。 何にせよ、心身共に無理をなさらないようにしてくださいませ。 さて、リナを脅えさせつつ「二人の愛の世界」に浸った後は、自分の心を 磨く修業を 始めるルナ。飛び入りゲストに驚きました。幸せそうですね、こちらも。 >自分の気持ちを確認し、その想いを告げたルナ。 >それまでの反動からか、リナが目を見張るほどタイタスと寄り添いあっていた。 >互いに瞳が合わさっては、微笑を浮かべる。無言の甘い愛の会話が聞こえてきそうで、リナは身を悶える羽目になっていた。 まさに「二人のために世界はあるのv」状態。魔族も簡単に滅ぼせます(笑) 祖父母が理想になっているせいか、ルナの感覚では「この程度は普通」なのかもしれませんね。 そしてやはり軽いアナフィラキシー・ショックを起こしているリナ。(笑) ひたすら無意味に不幸……。(^_^;) >「前世のことは今の私とは関係のないことだけど、同じ欠片だしね。もう一度、心を磨いてくるわ」 >そう言ってルナは山篭りへと向かった。 タイタスさんという「ルナ=インバース」にとっての、絶対の支えができたことで、 前世の自分と向かいあっても、揺るがない強さを得ようとしているのですね。 また自分の〃次〃の事も考えると、今世できっちり片を付けた方がいい事でもありますし。 >そして一週間後、一万回の立切を終え、流石のルナも体中に力が入らず意識も朦朧として、夢幻の境に陥った。 >こうした荒行を行った武芸者たちは往々にして、様々な神秘体験をしている。 >そしてそこから開眼の転機を掴み、武の奥義を感得していった。 >ルナもまた、奇怪な幻覚に襲われた。 心身共に疲労困憊して、夢と現の境が曖昧になっている状態ですね。 それでも研ぎすまされた感覚だけは、残っているという……。 > 祇園精舎の鐘の声 > >何かの声が聞こえたかと思うと、襲い来る剣の中でひとつ、段違いのキレと重さの剣がルナを襲った。 ここで、「え?」と思い、次いで「また某黒子かー?!」と思ってしまいました。 ……思いっきり冤罪でしたね。(^_^;) >その剣が矢の如く走って、ルナを襲った。 >ルナの剣も稲妻の如く走って、その剣を撃った。その瞬間、幻覚は消えた。 >ルナは凝然と立っていた。身体の疲労は消えて、颯爽とした気が満ちていた。 > > ―――万剣モ帰スレバ只一ツノ太刀――― > >ルナの心の中でもう一人の自分が呟いた。 >いかなる名手が剣の秘術を尽くし、千変万化の業を以って掛かってこようとも、っその根源は剣ひとつ。自分の手にある剣は、ただその根源たる剣一つを狙って撃砕すればいい―――― >一切の技法を越えた境地が、豁然とルナの心眼の中に開かれた。 >その境地に思いを寄せていると、やおらルナは身を半回転させ、剣を振り下ろした。 >何も見たわけではない。無念無想―――ほとんど無意識の中に剣を揮っていた。 ある意味、悟りを開きましたね。そして、もう違うステージへ到達したのですね。 >「もはやこの私はもとより、いかなる剣士もおぬしには敵うまい。その新たなる心境を以って敵に向かえば、一刀よく万刀に当たるであろう」 >ガウリイやリナが見れば驚くような、穏やかな澄んだ瞳をルナに向けていた。 >「さあ、ゆくがいい。そしてさらば、ルナ=インバース」 >そう言うと、リュウゼンはルナに背を向け、森の奥へと歩き出した。 >「リュウゼン!!」 >ルナが叫んだ。 >リュウゼンは顔だけ振り向き、ひとつ笑みを浮べた。そしてその側に一人の女性が立ち、ルナに向かって静かに頭を下げた。 >気が付くとふたりの姿は消えていた。 >「・・・・・・ありがとう。リュウゼン、ミヤリさん」 >二人の消えた先をジッと見つめながらルナは一言、呟いた。 リュウゼンさんは、あと一息という状態のルナの後押しをしに、 「ちょっとこちらへ出張して」きたのでしょうか。 何にせよ、現実だろうと夢だろうと、どちらでも良い最高の出来事ですね。 ……この時のリュウゼンさんって、修羅に走る前の、本来の瞳をしていたのでしょうね。 >「おや、もうお戻りになられましたか」 >そう言うタイタスの前に、グレンが笑みを浮べて立っていた。 >ふたりの魔人の気に、周りの空気が静かに凍りついた。 そして余韻に浸る間もなく、グレンさんの再来訪。 ルナが戻ってくるまで、タイタスさんが抑えているとして、 今彼と元彼のガチンコ対決再び、ですね。 >続きでした。 >今回は、ルナ奥義を究めるでした。 >ガウリイより強くなっちゃいましたよ。どうする、ガウリイ(笑) >それではまた次回。 ガウリイが半分死ぬ覚悟で何とか手が届いた……けど、今は届かない領域に、 ルナが到達してしまわれました。 これはもう目標にして、がんばるしかないのでは? ガウリイ……。(^_^;) 何だかルナは玉の輿に乗って、ゴーメンガーストに嫁いでいっちゃいそうですから、 未来のインバース家を背負って立つ、入り婿としては(笑) それでは今日はこの辺で失礼します。 グレンさんの再びの来訪で、何が起きるのか、続きを楽しみにしています。 |
30293 | タイタス登場シーンと並んで最初に考えていました | 棒太郎 | 2004/6/25 21:05:12 |
記事番号30285へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >お仕事、何やら大変なのでしょうか。 >何にせよ、心身共に無理をなさらないようにしてくださいませ。 > >さて、リナを脅えさせつつ「二人の愛の世界」に浸った後は、自分の心を >磨く修業を >始めるルナ。飛び入りゲストに驚きました。幸せそうですね、こちらも。 こんばんは、エモーションさん。 仕事はまあ・・・・・・ストレス溜めないようにやっていきます。 今回の飛び入りゲストは、前々から考えていましたので。 >>互いに瞳が合わさっては、微笑を浮かべる。無言の甘い愛の会話が聞こえてきそうで、リナは身を悶える羽目になっていた。 > >まさに「二人のために世界はあるのv」状態。魔族も簡単に滅ぼせます(笑) >祖父母が理想になっているせいか、ルナの感覚では「この程度は普通」なのかもしれませんね。 >そしてやはり軽いアナフィラキシー・ショックを起こしているリナ。(笑) >ひたすら無意味に不幸……。(^_^;) もはや誰も侵すことのできない二人の世界です。理想が理想だし。 そしてリナはその呷りを受けております。 >>「前世のことは今の私とは関係のないことだけど、同じ欠片だしね。もう一度、心を磨いてくるわ」 >>そう言ってルナは山篭りへと向かった。 > >タイタスさんという「ルナ=インバース」にとっての、絶対の支えができたことで、 >前世の自分と向かいあっても、揺るがない強さを得ようとしているのですね。 >また自分の〃次〃の事も考えると、今世できっちり片を付けた方がいい事でもありますし。 精神面の克服が重要な課題ですからね。 >>そして一週間後、一万回の立切を終え、流石のルナも体中に力が入らず意識も朦朧として、夢幻の境に陥った。 >>こうした荒行を行った武芸者たちは往々にして、様々な神秘体験をしている。 >>そしてそこから開眼の転機を掴み、武の奥義を感得していった。 >>ルナもまた、奇怪な幻覚に襲われた。 > >心身共に疲労困憊して、夢と現の境が曖昧になっている状態ですね。 >それでも研ぎすまされた感覚だけは、残っているという……。 山篭りによって奥義を感得する話は多聞にあります。 それほどまでの激烈な修行をして、はじめて常人を超えた業を身につけられるのでしょう。 >> 祇園精舎の鐘の声 >> >>何かの声が聞こえたかと思うと、襲い来る剣の中でひとつ、段違いのキレと重さの剣がルナを襲った。 > >ここで、「え?」と思い、次いで「また某黒子かー?!」と思ってしまいました。 >……思いっきり冤罪でしたね。(^_^;) まあ、彼はそう疑われるだけの数々の実績を残してますからね(笑) >>いかなる名手が剣の秘術を尽くし、千変万化の業を以って掛かってこようとも、っその根源は剣ひとつ。自分の手にある剣は、ただその根源たる剣一つを狙って撃砕すればいい―――― >>一切の技法を越えた境地が、豁然とルナの心眼の中に開かれた。 >>その境地に思いを寄せていると、やおらルナは身を半回転させ、剣を振り下ろした。 >>何も見たわけではない。無念無想―――ほとんど無意識の中に剣を揮っていた。 > >ある意味、悟りを開きましたね。そして、もう違うステージへ到達したのですね。 剣の境地へと達しました。他の剣士とは一線を画してます。 >>リュウゼンは顔だけ振り向き、ひとつ笑みを浮べた。そしてその側に一人の女性が立ち、ルナに向かって静かに頭を下げた。 >>気が付くとふたりの姿は消えていた。 >>「・・・・・・ありがとう。リュウゼン、ミヤリさん」 >>二人の消えた先をジッと見つめながらルナは一言、呟いた。 > >リュウゼンさんは、あと一息という状態のルナの後押しをしに、 >「ちょっとこちらへ出張して」きたのでしょうか。 >何にせよ、現実だろうと夢だろうと、どちらでも良い最高の出来事ですね。 >……この時のリュウゼンさんって、修羅に走る前の、本来の瞳をしていたのでしょうね。 剣友として、よきライバルとしてルナが境地へ達する手助けにきたのでしょう。 >>「おや、もうお戻りになられましたか」 >>そう言うタイタスの前に、グレンが笑みを浮べて立っていた。 >>ふたりの魔人の気に、周りの空気が静かに凍りついた。 > >そして余韻に浸る間もなく、グレンさんの再来訪。 >ルナが戻ってくるまで、タイタスさんが抑えているとして、 >今彼と元彼のガチンコ対決再び、ですね。 今カレVS元カレ再びです。 タイタスは決着をつけるのはルナ、として相手はしおないでしょうが。 >>続きでした。 >>今回は、ルナ奥義を究めるでした。 >>ガウリイより強くなっちゃいましたよ。どうする、ガウリイ(笑) >>それではまた次回。 > >ガウリイが半分死ぬ覚悟で何とか手が届いた……けど、今は届かない領域に、 >ルナが到達してしまわれました。 >これはもう目標にして、がんばるしかないのでは? ガウリイ……。(^_^;) >何だかルナは玉の輿に乗って、ゴーメンガーストに嫁いでいっちゃいそうですから、 >未来のインバース家を背負って立つ、入り婿としては(笑) > >それでは今日はこの辺で失礼します。 >グレンさんの再びの来訪で、何が起きるのか、続きを楽しみにしています。 達人の境地に達したわけですからね。ある意味、いい目標となるでしょう。 相手が相手だけに確かにルナは玉の輿。最強の王妃さまですね。 次回はグレンVSルナ リベンジ編で。 それではどうもありがとうございました。 |