◆−その時まで。−鮎 (2004/6/13 12:48:10) No.30199


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30199その時まで。2004/6/13 12:48:10



こんにちは。鮎でございます。
突発的短編です。
なんとなくゼロリナ?かな。
まあ、暇つぶしにどうぞ〜



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いつからだったのか、判らないけれど。

たしかに、彼らはそこにいて。



「・・・・なぁ。リナ」
「何よ」
セイルーンの王宮の中。
久しぶりに集まった仲間達一同の心の声を、ガウリイは口にした。
「お前ら、いつからそんな仲になったんだ?」
その指がさす先には。リナの隣。
当然の様にリナの隣を陣取るその影に、仲間の視線が集中している。
「・・・・はぁ」
ため息一つ、リナはその彼にちらり、と視線を送り、
「だから言ったのよ。説明とか面倒だから来るなって」
「いいじゃないですか。僕は久しぶりに皆さんの顔を拝見できて楽しいですよ?」
言ったのは、ニコニコ笑顔の神官。
セイルーンに神官など珍しくもないが、彼は違う。
「あんたは楽しくても、こっちは面倒なのよっ!」
「まあまあ、リナさん。落ち着いて」
「誰のせいだと・・・・っ!」
「そんな事はどうでもいいんですっ!」
ばんっ!とテーブルに手を打ちつけて、アメリアは立ち上がった。
そのままびしぃっ!と神官を指差すと、
「ゼロスさんっ!魔族が何を考えているのか知りませんけどっ!
いくらリナさんが悪の化身のような破壊活動とかをしているからって!」
「ちょっと待て」
「私の大事な仲間であるリナさんを悪の道に引きずり落とそうとはっ!
一刻も早く真人間になってくださいっ!」
「えっと・・・・それは無理かと・・・・」
「愛と正義の心があれば、何だって出来るんです!」
「う・・・・」
魔族の弱点の生の感情大バーゲンのアメリアの言動に、やや苦しそうに笑顔を引きつらせる。
「それはともかく、何だってお前らは一緒にいるようになったんだ?
魔族の作戦か何かか?」
ゼルガディスの厳しい眼光もなんのその、ゼロスはにっこり笑って、
「それは秘密です」
「ああ、久しぶりだなぁ、そのセリフ」
その中で、ガウリイだけが、暢気に懐かしそうに笑った。


アメリアの要請で、リナ達一同の集められた今日。
ガウリイが一人でやってきたことに、まずアメリアたちは驚いた。
「リナさんはどうしたんですか?」
「ん〜まあ、どっかで元気にやってるんじゃないのか?」
のほほんとした返答にアメリアはがし、とその腕を掴み、
「一緒じゃないんですか?!」
それに、彼はどこか遠くを見つめて。
「なんかの囮にされて、金品強奪されて簀巻きにされて宿屋に取り残されたんだよ。
いやー、敵がどんどん沸いて出て、大変だったなぁ」
「リナらしいといえばリナらしいな・・・・」
ゼルガディスの実感のこもった呟きに、アメリアはぐるんっ!と振り向き、
「リナさんを一人にするなんて、核爆弾をその辺に放っておくみたいなものですよ!?」
恐ろしい何かを想像して、顔を青ざめさせた、その時。

「やっほー、アメリア!ゼル!ガウリイ!」
「リナさんっ!?」
声と共に、リナは突然表われた。
文字通り、突然、アメリアたちのすぐ横に。
そして。
「いやぁ、お久しぶりです、皆さん」
「「ゼロス!?」」
「ゼロスさん!?」
リナと共に立つ人影に、ますます彼らは驚いた。


・・・・で、そんなこんなで問い詰めると。
二人は、ほとんど一緒に旅をしていることが判った。
しかも。
「あ。ゼロス、それ取って」
「はいはい。ああ、これもいかかです?」
「ありがと、ゼロス」
「どういたしまして」
依頼の為らしい、何かの魔道のアイテム。それを仲良く作りつつ。
仲良く笑いあう二人を見て、一同は首を捻った。


「いつから・・・・って言われても・・・・ねぇ?」
「そうですねぇ・・・・」
顔を見合わせ、お互いを見つめること暫し。
「気がついたら、いっつも傍にいたってゆーか」
「いつのまにか、それが当たり前になってましたしねぇ」
そんな返答に、アメリアは困惑した。
「何ですか、それ?」
「そのまんま、よ。他に言い様がないわ」
「じゃあ、これからもずっと一緒にいるのか」
ゼルのもっともな問いに、彼らはそれって首を振った。
「あたしを殺す気は、あるでしょう?」
「僕の事、倒しますよね?」
お互いを指差し、そんなことを言い合った。
首を傾げる一同に、またもや当然のように。
「こいつ、魔族よ。いつあたしを殺せって言われるか判んないもの」
「命令があれば、僕はリナさんを殺しますよ?」
「じゃあ、何で一緒にいるんだ?」
ガウリイの言葉に、リナとゼロスは再び沈黙し。
「何でかしらね?」
「何ででしょうねぇ?」
言って、方や挑戦的に、方や穏やかに、笑った。



いつからこうなったのか、判らないけれど。

ずっとこの時が続くなんて、ありえないけれど。

その時が来るまで。

一緒に在ろうと決めた。

今、この時だけは。

自由に、気楽に、笑っていよう。

遠く、近い。避けられない未来を見据えて。


「ゼロスッ! さっさと行くわよ!」
「ちょっと待って下さいよぉ、リナさん」


今だけ、共に在るために。




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ガウリナよりも、私はゼロリナが好きです。
自分ではうまく書けないのが悲しいですけどぉ・・・・
見てくださった方がいらっしゃったら(いないか)、感想くださるとうれしいです。
では、鮎でした。