◆−生か死か CESE4−12 月VS復讐者−煌天由亜 (2004/6/23 23:34:50) No.30275
30275 | 生か死か CESE4−12 月VS復讐者 | 煌天由亜 | 2004/6/23 23:34:50 |
「レイ、兄さんは、ダブルの方を。 六合たちは、結界でも張って隅にいて!!」 テリトリ−≪領域≫に取り込まれたのは都合が良かった。 建物の心配をしなくても良いからだ。 ・・・できるのならば、闘いたくはないのだが。 私とガルディスは部屋の中央で睨み合う。 「妹は、お前を≪ロストレスロ−ズ≫とまで言っていたのだぞ? その子を何故殺した?」 ほとばしる殺気を冷気すら伴う殺気を隠そうともせずにそう吐いた。 「・・・・・・・私はたしかにそう言われた。 だけどねぇ、それは、人でないものを人にするか、永遠の苦しみを与えるしか出来ない。」 「うそね、あの子は『人になれたらいいのに』といつも言っていた・・その子が・・・・。」 「私を殺しても、起きたミルに殺されるだけよ?」 「うるさい。」 彼女は、筆架叉を構える。 私も、これ以上の話し合いは無駄だと思ったので、対夜人戦用の弾を装填したデザ−トイ−グル(改)を構えた。 それからは、無言での死神と一緒のダンスが始まった。 ガルディスが、胸を狙えば、銃で弾き蹴り返す。 それが退いたら10発近くを微妙にずらして撃ち込むと避けられ私の後ろに回られた。 (流石に強い。) 私は身を翻し、さらに彼女に向かって弾を放つ。 15分もする頃には、それぞれに細かな傷が出来始めていた。 (・・やばい。 もう15分、過ぎてしまった。 このままだと、伝承上の≪アイツ≫が出て来る。 月陽兄さんは、まだ戻れない。 でも、このままだとこの場にいるみんなが死ぬ。 悪くはないけど、選びたくない死に方だね。) そんなことを考えつつ、銃を上手く使い接近戦を演じていた。 そんなひり付く緊張感を楽しいとすら感じる『奴』を・・・月陽兄さんが押さえつけてくれていた『奴』を出てくるのは避けたい。 そんなことを考えていたせいが生まれた隙に、壁に縫い付けられた。 ようは、2ヶ月前の右肩の傷口に筆架叉を突き刺されたのだった。 「やっと、仇が取れるわ・・妹の・・・」 「止めろ!!ガルディス。 アイツが・・・アイツが起きる」 其処まで、完璧に追い込まれ、私の意識が朦朧とした所で本来ならやるバカはいないことを私はする。 すなわち、自分の手足に枷を填めたのだった。 「逃げろ・・ガル・・・」 『逃げろ、ガルディス。』という前に、私の意識は意識の深海に沈む。 −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ ユア;これをお読みの紳士淑女の皆さま。 第3ラウンドは、怒涛の展開で始まりました。 永蓮:で、月夜は生き残るのよね。 ユア;もちろんです。 永蓮;ところで、≪ロストレスロ−ズ≫って? ユア;作中でもありましたが。 人で無き者が一度は憧れることを叶える可能性を持った人間のことです。 永蓮;ややこしいわ。 ユア:ともかく、そろそろ、時間も時間なので終わります。 永蓮;なんか、異様にハイテンションね。 ユア;いろいろあったの。 では、また次回で。 |