◆−朋の嘉言−瑞茅桜璃 (2004/6/26 20:53:10) No.30300 ┣この二人は友達的に好きvv−琴見奈々 (2004/6/27 00:07:28) No.30302 ┃┗有難うございます!−瑞茅桜璃 (2004/6/27 18:02:15) No.30309 ┣朋の嘉言 2−瑞茅桜璃 (2004/6/27 18:10:37) No.30310 ┣朋の嘉言 3−瑞茅桜璃 (2004/6/29 01:29:44) No.30313 ┃┗ゼル登場☆−琴見奈々 (2004/7/4 00:54:38) No.30347 ┃ ┗登場です!−瑞茅桜璃 (2004/7/4 20:13:51) No.30353 ┣朋の嘉言 4−瑞茅桜璃 (2004/7/4 20:56:30) No.30354 ┃┗ここでシルフィールが!?−琴見奈々 (2004/7/6 22:37:00) No.30379 ┃ ┗裏切っちゃいましたか。−瑞茅桜璃 (2004/7/7 23:09:56) No.30392 ┗朋の嘉言 5−瑞茅桜璃 (2004/7/8 17:22:05) No.30393
30300 | 朋の嘉言 | 瑞茅桜璃 | 2004/6/26 20:53:10 |
はじめまして。瑞茅桜璃と申します。 初投稿から連載という無謀を開始しますがお付き合い頂けると嬉しいです。 基本設定はガウリナでルクミリですが、ルーク&リナにミリーナ&ガウリイ+αでお送りする所存です。目指すは第三者からみたガウリナだったり。 ではでは。 * * * * * 最近こういった”偶然”というものが良くある。 戦力的にはかなり魅力的な偶然ではあるのだが、あたしはあんまし歓迎していなかったりする。 断わっておくが、それはガウリイと二人っきりの旅を邪魔すんな、などというどっかの相棒命な男のような理由からではない。 会いたくないのは…… 「はっ相変わらず進歩のないお子様だな。」 ひきき。 そう。この男――ルークの口の悪さである。目つきも悪いがとにかく口が悪い。 しかぁし!この戦士にして天才美少女魔道士たるリナ・インバースに口で勝とうなどとは100年早い!まあ戦士も魔道士も美少女も関係ないかもしんないが。 「そっちこそ全然進歩ないようね。ミリーナもうんざりしてるんじゃない?」 彼の弱点。今も無表情で遣り取りを見守っているもうミリーナを引き合いに出して攻める。 愛情が空回りしている奴である。この攻撃は堪えるはず。 「このくそちび!誰がうんざりしてるってんだ。俺達はなぁ……」 「『ラブラブカップルぶらり旅』とか言わないでくださいね。」 ルーク撃沈。 あいかわらずミリーナの突っ込みは厳しいようである。 「ほーら進歩ない。」 「だーお前人の気にしてることをっ!」 「ふっ修行がなってないわよルーク。」 なんぞという会話を交わしつつ、歩みは止まらないのだから慣れたものだ。 所詮腐れ縁、という奴である。 まあこうも度々会ってたら慣れもするか。 そしてもう一つ。 ひたり、と足を止めてあたしは宙に言い放つ。 ……だから嫌だったんだけどなぁ。 「さっさと出てきたらどう?」 ――――――静寂。 むろんボケているわけではない。間違いなくそこに居るのだ。 その証拠にガウリイもルークもミリーナも剣に手を掛けたまま動かない。 そう。ごくり、と息を飲ませる圧力【プレッシャー】。 そうさせるだけの何か。盗賊でも追剥でもない――――魔族が。 「それとも人間相手に怖いとでも言うわけ?」 「よく気が付いたな。」 声はあたしが見つめる位置のほぼ真正面から聞こえてきた。 まあガウリイの向ける視線の方を見ていたのだからそう間違いはないと思ってはいたが。 なんせ彼の勘は野生動物なみ。頭の中身とは違ってかなり信用できるのである。 ひたり。 足音をさせて姿を現した魔族を見つめる。 かろうじで人型ではあるが、その顔は人のものとは言えない。マスクをしているわけでもないのにぎょろりと目だけが光って、他は全て白い。無論身体もである。 ふっ……三流。 なんぞといって慰めてはみたが魔族は魔族。侮れる相手ではない。大量だとしてもレッサーデーモンの方がまだましである。 そんな思いで内心溜息をつきつつ、あたしは笑みを浮かべて言ってやる。 「気配の隠し方がなってないわよ。」 「ふむ。気配を殺さねばならん場面など普段はないからな。」 面白い外見はともかくも性格は至極真面目な奴らしい。 口調が固い。顔さえ良ければ渋いおじさんとして十分な人気を集めそうなテノールだ。 その発言から察するにあたしたちが誰かを知って、という可能性は低い。 気配を殺す場面がない―――気配を殺す必要がない。 もし覇王の事件を知っているのなら、たった一匹の雑魚が何の用意もなく襲撃したりなんぞしないだろう。 それに少なくともあたしはこんな魔族は知らない! 「悪役は名前を言ってから戦闘開始が筋ってもんよ。」 「ならば名乗ってやろう。それが死に行くものへの礼儀というものかもしれぬしな。」 んなもんないない。 突っ込みたくてもこの唱え始めた呪文を無駄にするわけにはいかないのでだんまりで通す。 あたしの動作に気付いていないのか、ニヤリと笑った魔族はぺらぺらと喋り続ける。 「我が名は……」 「烈閃槍【エルメキア・ランス】」 先手必勝。 あたしのぶっ放した呪文を追ってガウリイが走る。 ぺらぺらと喋らせておいて急を付く。これぞ悪を倒すのに必勝のパターンである。夜盗なんかはこれでけりが付くのだが、 いくら増幅【プースト】つきであったとしてもこれくらいで滅んでいたら魔族は勤まらない。 倒せちゃったら楽でいいけど。 兎にも角にも今の攻撃はまともに食らったし、熱いシャワーを浴びたくらいのダメージはあるだろう。 ガウリイが斬りかかるタイミングを図るにはそれで十分である。 なんせ彼の腕は然ることながら、得物は斬妖剣【ブラスト・ソード】。細工をしていなければ石だろうがなんだろうがスパスパ切れちゃう自動辻斬り装置のような危ない剣である。覇王に通じたのだからこの下っ端魔族に通じないわけがない。 一応そいつは光弾を手に受けているが…… 光弾を斬り飛ばして消滅させた途端ガウリイが大きく飛び上がって魔族の後ろへ抜ける。 「螺光衝霊弾【フェルザレード】」 ミリーナの呪文。どうやら奴の背後に移動していたようである。光の螺旋がガウリイを追おうとした魔族へと迫る。 このタイミングは避けられるわけがない。うめき声を残して姿がぶれ…… 消えた。 「・・・・・・・・・・・・・・」 えーと。 なんていうか本気で弱いぞ。 って最近妙に上位魔族ばっかり相手にしてきたもんだから感覚が狂っているのかもしれない。 これだって雑魚じゃあないのだ。 少なくとも初めて戦ったセイグラムくらいかそれ以上の力は持っているはず。 過信は油断を招く。 付け入る先は侮りだというのにこっちがそれをやっていたら勝てるもんも勝てないのである。 「気をつけて。あれで終わりとは思えないわ。」 言うまでもなくガウリイは剣を構えたまま、ルークとミリーナも呪文を口に乗せている。 そのまま警戒することしばし。唐突にそれは来た。 ――――――――突風。 いや。ただの風ではない。 魔風【ディム・ウィン】などの起こす風は人の動きを止めるくらいはできるが、こうも空間を揺るがすようなものではない。さりとて殺傷力があるわけでもない。 「人間風情と思ったが、なるほど……」 魔族はどこからか笑う。 知っていたのだ。あたしたちが誰であるか。 力が変わるわけではないが、無策ではなかったのか…… 安定しない地面の上でどこかで侮っていたことに後悔する。 「各個撃破と行かせて貰おうか。」 それはそれで情けないぞ、と突っ込む間もなく視界が更に揺れる。 そして―――――――――― 引き離される。 風は東西に向けてニ方向に吹き付けた。 一方は戦闘開始から動いていないあたしとルークを。 もう一方は斬り込んだガウリイと回り込んだミリーナと。 風は二つに戦力を分け、引き離していく。 駄目もとで放ったあたしの術が宙を飛び。 「リナっ」 遠くでガウリイの声が。 「ミリーナ!」 存外近くでルークの声が。 聞こえたのが最後だった。 |
30302 | この二人は友達的に好きvv | 琴見奈々 E-mail | 2004/6/27 00:07:28 |
記事番号30300へのコメント >はじめまして。瑞茅桜璃と申します。 はじめまして〜。琴見奈々といいます,よろしくお願いしますvv ………………失礼ですがお名前、どう読むのでしょうか(´△`)??あう…バカアでごめんなさい↓↓ >初投稿から連載という無謀を開始しますがお付き合い頂けると嬉しいです。 うにゅ。私もそうでした。そして未完です(最悪)。 私のブンまで頑張って頂けると嬉しいです∠( ̄× ̄)!!!←うわ >最近こういった”偶然”というものが良くある。 偶然も重なればーってやつですね☆☆ でも私的に運命って言葉はキレイすぎると思うです(どおでもいい)。。 >そう。この男――ルークの口の悪さである。目つきも悪いがとにかく口が悪い。 >しかぁし!この戦士にして天才美少女魔道士たるリナ・インバースに口で勝とうなどとは100年早い!まあ戦士も魔道士も美少女も関係ないかもしんないが >「そっちこそ全然進歩ないようね。ミリーナもうんざりしてるんじゃない?」 >彼の弱点。今も無表情で遣り取りを見守っているもうミリーナを引き合いに出して攻める。 このコンビ好きですvvカップリングとしてよりおともだち的にっっ!! 喧嘩するほど仲が良いとか言うと絶対怒るタイプだけど。 ルークとリナって、馬は合わないけど本質的には嫌いあってない…というかリナとガウみたいな信頼はないけどすっごい友情はありそう。 >「『ラブラブカップルぶらり旅』とか言わないでくださいね。」 ミリーナの口から『ラブラブカップルぶらり旅』って、そっちのが嬉しい気が…vv >かろうじで人型ではあるが、その顔は人のものとは言えない。マスクをしているわけでもないのにぎょろりと目だけが光って、他は全て白い。無論身体もである。 >ふっ……三流。 せいぐらむさんりゅうっ、せいぐらむさんりゅうっっ!! 彼もなかなかスマートな体でしたよね♪♪ >「我が名は……」 >「烈閃槍【エルメキア・ランス】」 >先手必勝。 うわ。さすがです!! >あたしのぶっ放した呪文を追ってガウリイが走る。 >ぺらぺらと喋らせておいて急を付く。これぞ悪を倒すのに必勝のパターンである。 この魔族さんが可哀想になってきました↓↓真面目な人はこういうことすっごく気にしちゃうからっ!!; >「人間風情と思ったが、なるほど……」 >魔族はどこからか笑う。 >知っていたのだ。あたしたちが誰であるか。 おおっ!!!やっぱ魔族ですから。三流でも。てか見た目は好きにできるんだから(?)ギョロ目はただの趣味だったのかもしれない……!!! >「リナっ」 >遠くでガウリイの声が。 >「ミリーナ!」 >存外近くでルークの声が。 >聞こえたのが最後だった。 先がすごい読みたくなりましたvvがんばってください!! 自分、感想書くの下手でごめんなさい↓↓↓←最近レスするたんびに言ってる気が;; それではこのへんでー。。 |
30309 | 有難うございます! | 瑞茅桜璃 | 2004/6/27 18:02:15 |
記事番号30302へのコメント 初めまして。感想ありがとうございますv 名前は瑞茅(ミズチ)桜璃(オウリ)と読みます。適当に好きな漢字を並べて作ったというHNなので読みづらくてすみませ…桜璃とでもお呼び下さいませv ルーク&リナコンビ好きですか!私も最近妙に好きで…(笑)CPとしてはガウリナスキーなんですが、お友達(というとなんだか似合わない気がしますが…喧嘩友達?むしろ悪友?(笑))としてはいいですよね。仲がいいなんて言われたら声を揃えて噛み付くタイプで。 とりあえず完結を目指してがんばりまっす!琴見さんもそう言わずがんばってくださいませv(実は隠れファンだったり…) 私も感想を書くのがへたというか苦手で感激したものや好きなお話は多いのですがロムってばかりで…いつかちゃんと感激を伝えられたらいいと思います。 それでは続きを書きに行って参りますv |
30310 | 朋の嘉言 2 | 瑞茅桜璃 | 2004/6/27 18:10:37 |
記事番号30300へのコメント 転がった視点から見えるのは空と丈の長い草、少し先には木々が見える。 人は居ない。町の中とも思えず、森の中というには明るすぎるここはどうやら街道からは少し外れた位置にあるらしい。ミリーナの銀髪を探すが、視界の中にあれば探すまでもなく飛び込んでくるあの髪の色はどこにもない。あるのはただ、見知ったもう一人の女である。 リナ=インバース。 突風が吹いたときの場所から予想してはいたが、どうやらこちらはあの女と二人飛ばされたらしい。 気を失っていたために正確なことまでは分からないが、とりあえずあの風の所為でどこかに飛ばされたというのは間違いがない。太陽の位置は戦闘時からそう目に見えて変わっているわけでもないのに、景色が見覚えのない場所であるのがいい証拠だ。 よっと起き上がり、比較的近い位置に転がる女を確認する。 「おい。」 「ん……ガウリイ?」 軽く揺さぶれば僅かに身動ぎし、自分の相棒の名前を呼ぶ女にこんなときではあるがにんまりと笑みが毀れる。偶然でも会えば散々からかい倒されることに一抹の屈辱を感じるだけに笑える。こいつらだって立派に夫婦漫才を繰り広げているというのに、自覚がないから性質が悪い。 まあガウリイの奴はどうだか正直わからんが。 「残念だったな。いつまでも寝てねーでとっとと起きろ。」 「あールークじゃない。なに乙女の寝顔タダで見てんのよ。」 初めはやや億劫そうに、だが最後はいつもの如くふてぶてしく言い出してきやがった。 「はっ誰が乙女だ。ミリーナならともかくてめーの寝顔なんざ見たってしかたねーだろうが。」 「ほー。ミリーナならいつまででも見たいって?」 「当たり前だろーが!ミリーナとおめーが同じ感想のわけねーだろ。」 それが世の中の真理というもんだ。うんうん。 ミリーナの日頃の孤高の顔も好きだが、寝顔はあどけなくて可愛い。 その時折見せてくれるギャップは信頼されているようで嬉しかったりするのだ。決してそれは日頃信頼を感じないわけではない。……本当に。多分……きっと。 「冗談はともかく、ガウリイたちは……いないんでしょうね。あなたに起こされたってことは。」 「まーな。どうやら分断されちまったようだ。」 「こんな小細工までしてねぇ。」 何もない草原を見渡して溜息を吐く。 どうでもいいことにも頭が回るが、こういった場合での頭の回転の速さは頼りになる。早く気が付いた方が説明することになるのは世の中の常だが、 説明要らずのこいつは中々便利だ。 もっとも説明しろなどと言われても出来るほどの事態もないが。 「にしてもこんなこと並みっつーか下っ端三流魔族にできんのかよ?」 「別に魔族にならそう難しいことじゃないわ。結界を作れる奴なら簡単でしょうね。」 簡単に言ってのける。 理屈としては結界のように空間を捻じ曲げて、その際に繋げる場所をちょっと細工したのだ。 あの突風は繋げる際の力の余波。一番形にしやすい風に影響が出たのだろう。そして対峙したときはすでに結界内に取り込まれていたというわけだ。 「俺達が揃ったとたん現れたのは?」 「あたし達の顔知らなかったんじゃないかと思うんだけど。」 ぽりぽりと頬を掻きつつ、これには自信がないのか少し考えるようにリナは言う。 「あたしたちの情報っていうか覇王を倒した奴の名前と特徴しか知らないんじゃないかなって。んでもってそれは四人。特徴ならば栗色の髪の黒魔道士、長い金髪の剣士、銀髪の女、それに目つきの悪い黒髪の男ってね。」 どうも俺のコメントだけが微妙に含みがあるようなところが気になるが、今は非常事態だろうと必死になだめる。 ここにミリーナはいないのだ。下手なことを言って墓穴を掘るのは遠慮したい。 今、他に誰もいないここで口を開いたが最後。延々と舌戦を繰り広げる自信がある。いや……んなもんは自慢してもしょーもないが。 「だからあたし達が二人ずつの時は二人という人数がネックになって気付かない。情報は四人で1パックだからよ。まあ魔族がどうやって人間を認識してんのか知らないからはっきりとはいえないけどね。」 なるほど。納得できる理由ではある。俺らが出会う奴はデーモンを除けば人間のような格好をしている奴が多いから視覚で認識しているような気がするが、目のない奴もいることだし、そもそも魔族という奴は精神世界面【アストラル・サイド】に根本を置く精神体である。見た目が全てでない奴等の認識能力などわかりはしない。 妙にこいつ等と会うときは魔族との遭遇率がいいような気がして凶運を移されたのかと思ったが、どうやらきちんとした理由がありそうだ。 「さて、と。ここどこかしらね?」 よっとこちらも立ち上がり、きょろきょろと辺りを見回した。 道を探さなければならない。比較的スペースのある場所であるし、野宿くらいできなくもなさそうだが、ここにずっと居てもしかたがないし、街かせめて街道に出て場所を確認しないことにはミリーナと合流ができないだろう。愛の力さえあれば、などと言えるほど現実逃避はしていない。 本当に愛の力でミリーナの居場所がわかれば楽なんだが…… 「浮遊【レビテーション】で上から確認してみるか。」 「そうね。」 ぶつぶつと唱えて飛翔する。 空に近づくにつれて広がる視界だが、見えるものは木、木、木、だ。 やっと少々西に街道らしき開けた場所を見つけたが…… 「なんか……嫌な予感がするんだけどよ。」 「あんたと一緒な予感なんてありえないけど……あたしもよ。」 顔を顰めて空を見上げる。立ち上る白い煙。 夜盗なんかが食事を作っている、なんてこともあるかもしれない。一般的な食事時間からは時間がかなりずれているが。 ちょっとした小競り合いで火を放った可能性も無きにしも非ず。 だが…… けっこーな勢いで立ち上る白い煙は、もっと凶悪な感じがした。 * * * * * 今回も恋愛要素が皆無な話展開に…説明的な部分は適当ですみません。 下っ端魔族が空間繋げて飛ばすなんて芸当ができるのかわかりませんが……とりあえずそういう理屈を捏ね上げました(汗) 次回も恋愛要素は皆無な予定です。っておい。 |
30313 | 朋の嘉言 3 | 瑞茅桜璃 | 2004/6/29 01:29:44 |
記事番号30300へのコメント はたして嫌な予感は当たった。 人間の第六感も馬鹿にしたものではない。まあ第六感などと言えるほどたいしたことでもなく、どちらかといえば過去の経験からの状況判断ともいう。 嫌な予感をひしひしと、逃げるってー選択肢ははなからなく、念のためといくらも離れていない場所を覗いた瞬間。 蠢く異形の集団。 「レッサー・デーモン!」 「ちっこんな時に……」 勿論一匹や二匹ならば多少面倒ではあるが一人でも他愛ない。のだが…… 色々倒したりはしたのだが、どうやら今だ治まってはいないらしいことを考えると一面のデーモンの群れが予想される。 「あれを二人で相手しろってーのかよ!」 「んなこと言ってもしょうがないでしょ。やるしかないわよ。」 「わかってる!」 きっちりと叫び返しながら走り出したリナを追い、遅れを取らないよう走り出す。 「黒妖陣【ブラスト・アッシュ】」 「青魔烈弾破【ブラム・ブレイザー】」 「覇王雷撃陣【ダイナスト・ブラス】」 魔族にも効く攻撃魔法のオンパレード。 出会い頭に片っ端からぶちかます女。 俺がしていることもそうは変わらないが、怖いぞそれは。 「ルーク。そっち火も消えるように水系の呪文使うこと!」 「そーいうお前は普通に攻撃呪文使ってんじゃねーかよっ。」 「あたしはいーのよ!だいたいあんたは剣があるでしょーが。」 まあ確かに魔法よりは剣に比重を置いてるといえば置いている。 得物もこいつの相棒が持つものに比べるとそう大したものではないが、そこそこ便利な魔法剣である。 「俺には俺の戦い方がだな……」 「あーもうっいいからさくさくやる!炎に撒かれて死にたいわけ!?」 「ちっ……そーいうことかよっ」 確かに今も考えなしにこの量のデーモンが炎の矢なんぞ吐きまくってくれるおかげで燃えるいっぽう。炎を消してから戦闘なんて余裕はなさそうだ。 認めるのは癪だが、この女の指揮は動き易い。特に対多数、対魔族には絶大な効果を誇る。 (さすがドラマタ……) 数ある二つ名の中でも割合有名なものを思わず呟く。 あとは盗賊殺し【ロバーズ・キラー】だの冥府の王だのとまあとにかく広く名前の知れている奴ではあるが、話半分に聞かねば信じられんような噂ばかりではっきり言って信憑性は薄いと思っていたのだ。 まさか噂に違わずこんな無茶な女だったとは思わなかったが。 「あと何匹?」 「こっちは3匹だな。」 背中合わせでフォローし合いつつ確認しあう。 急造コンビは合う合わないはともかく、とりあえずは問題なく屠っていく。 もちろん愛し合う俺とミリーナのコンビに比べればへでもないが。 ……ミリーナの突込みがないとこーいうセリフはさみしいものがある。 「んじゃちゃっちゃと行くわよっ!」 「言われなくてもなっ」 気合一閃。 呪文と剣との攻撃であっさりとデーモンどもは減っていく。 呪文でまず倒せば、剣で一匹なぎ倒し、おまけに呪文で駄目押しが入る。 頭脳プレーが出来ないこいつらじゃ、いくら数が多くとも相手じゃない。 圧巻だろう。もっとも死屍累々とデーモンが横たわってるってーのはあまりいい光景ではないが。 そして。 「獣王牙操弾【ゼラス・ブリッド】」 最後の一匹をリナの放った光の帯が粉砕した。 「これで、終わりか?」 「にしては数が少ないわね……」 辺りを見回しそこにあるデーモンの数を数えて眉をしかめる。 デーモンの異常発生だったら何百匹という量のレッサー・デーモンがうじゃうじゃと発生する。 だが倒したのは僅かに――といったって普通よりは多い十四匹。 そもそも気付いたのは奴らが火の矢を放ったからではなかったか。 炎の矢【フレア・アロー】を放ったということは、放てる相手がいたということだ。 まあレッサーデーモンならむやみやたらとぶっ放した可能性もなきにしもあらずだが…… ピクリ。 捕らえた気配にすっと一歩前に出る。 それが結果的に気付いていないらしいリナの前にでることになり。 「何よ?」 俺の警戒態勢に訝しげな顔をするリナに端的に答える。 「誰かいる。」 人の気配だ。それは間違いはない。だが…… 敵か通りすがりかは計りかねる。ただ一般人でないことだけは確かだ。 やがて現れたのは。 抜き身のブロード・ソードを引っさげた白ずくめの男が一人。 そうとうな使い手だろうことは想像に難くない。 フードも目深に被り、目以外を覆ってはいるがどうしても覗く肌は異質な。 ――――キメラ。 悟った瞬間に剣を持つ手に力がこもる。 殺気はなかった。だが、ただ静かに佇む相手も気を緩めない。 じりじりとお互いに動かない状態で出方を伺って…… 「ゼルガディス!」 いきなし緊張の後ろから物凄い音量で上げられた声に粉砕された。 「うっわー久しぶりね、ゼル。」 親しげなその呼びかけに、僅かにその空気が緩む。 ひらひらと手を振りつつひょっこりと俺の後ろから出やがったリナは警戒心が皆無だった。剣こそ収めちゃいないがあれじゃあとっさには反応できない。 「おいこらっ。ちょっと待て。」 「あによ。」 人がせっかく庇ってやったというのに煩そうに振り返って顔をしかめやがった。 まあ止まるだけましといえばましだが。 「ほいほい怪しい奴に近づくんじゃねーよ。」 「あんたあたしを何歳だと思ってるわけ……?」 言い方が気に入らねーのかジト目で見やる。 その姿を見やってぽそりと。 「15か16か下手すりゃ13とかか?まっ大人にゃ見えねーな。胸もないし。」 「だーっほっとけ!どいつもこいつも!!」 やはりそれは事実であるが故に言い返せないらしい。 勝利の予感にニヤリと笑う。 「ガキにゃあちゃんと注意しとかねーとな。」 「ほっほー。あたしがガキならあんたおじんよ、お・じ・ん!」 「ってっめー。それ殆どの傭兵敵に回す言葉だってしってっか?しかもあれだな。お前の論法でいくんならガウリイの奴もおじんだな。」 「あれはあたしの保護者だもん。おじんで十分!」 言い切りやがった…… 哀れガウリイ。人事ながら同情しちまう。 いやいやまじで惚れた女がこれで、扱いがこれ。 哀れ以外の何者でもない気がする。 「ともかく問題ないってば。あたしの知り合いよ。」 器用なウィンクを送ってよこし、今度こそ白ずくめの男の前に立つ。 「てーことで改めて。お久しぶりね、ゼル。」 「あいかわらず訳のわからんノリをしてるな。」 「そー簡単に変わるわけないじゃない。ゼルも相変わらず見かけによらずおちゃめじゃない。」 ……おちゃめか? どちらかというと物騒に見えるんだが。 類は友を呼ぶ、などという言葉が頭を過ぎる。 勿論俺とミリーナは除く。だいたいちょっと何度か事件に出会うだけの腐れ縁で類友なんぞと言われたらかなわない。……それこそ類友という説もあるが。 ちらり、とこっちに視線をくれた奴は意味ありげにリナに問う。 「連れが違うようだがガウリイの旦那はどうした?」 「ちょっとはぐれちゃってね。」 詳しい説明はとりあえず避けたようで言いつつリナは肩を竦める。 とはいえこっちに話してもいいか、などと伺う予定はないらしい。 今言葉を濁したのも単にここはデーモンの死体が散らばっていて落ち着かないというだけだ。 「これはルーク。目つきと人相と口は悪いけどまあ悪い奴じゃないから。」 「てめーっ」 人相悪いの口が悪いのと人のことをなんだと言えるようなたまじゃないくせに何を言う。女の癖に俺より口が悪いんじゃねーかこの女は。 まあ愛想がいいというか調子がいいというかぶりっ子は得意な様で目つきばかりは勝負にならねーが。 だいたい怪しさ大爆発なそいつよりはマシだと思うぞ。 くるり、と今度はこっちを向いて。 どーでもいいが人を指差すのはやめろっつーに。 「ルーク、そっちはゼルガディスっていってあたしたちと……」 「自己紹介は後だ。」 ゼルガディスという白ずくめは遮って。 「そうね……」 すっとリナの顔が真剣になる。 俺も当然ながら気付いていた。 ―――――――デーモンとは核が違う、瘴気を放つ気配に。 「また厄介ごとを背負っているようだな。」 呆れとも、諦めともつかぬ苦笑で応じた魔剣士はブロードソードを構えなおす。 「まあ、ね。」 複雑そうに答えるリナも抜いたショート・ソードに術を掛けたらしく魔皇霊斬【アストラル・ヴァイン】の赤黒い光が剣を覆う。意外そうなゼルガディスだったがそいつも自分の剣に同じ呪文を掛けたようだった。 人のことばかりをきにしているわけにもいかない。 こいつらの気の抜けたやりとりに思わず緩んだ緊張を張りなおす。 そして…… 第二ラウンドが始まった。 |
30347 | ゼル登場☆ | 琴見奈々 E-mail | 2004/7/4 00:54:38 |
記事番号30313へのコメント 二度目まして〜(´∪`) あ、前回は失礼な質問にお答えありがとうございました!! ミズチオウリさん、めちゃめちゃキレイな名前ですね!!ではでは桜璃さんと呼ばせていただきますvv私のことは琴見でも奈々でも☆………なんか両方名前ぽい;;でも琴見の発音はやや苗字風です(意味不)。 ゼルがここで!! ルークたちといるときにゼルやアメリアに会ったら…とか考えますよね。 みんな個性あるからまとまり悪そうだけど…でも結局は大人数になっても割とみんな気があいそう♪♪ でもルークとゼルは……ルークは遠慮なしにゼルの体とか見てゼルはそれに機嫌悪くなったり…とかで慣れるまで大変そう( ̄△ ̄) そんでも今回はリナのおじん発言でそんな修羅場は気になりません(きぱ)。 そうか…ガウもおじんか。確かに結構年はなれてるんですねー。ガウって25かそれより上ぐらいでしたよね。25歳と35歳はいいのに、15(16)歳と25歳は怪しいと思ってしまう……↓↓↓ ゼルも出てきて盛り上がってきましたねえ♪♪これからが楽しみです♪ ではでは〜 |
30353 | 登場です! | 瑞茅桜璃 | 2004/7/4 20:13:51 |
記事番号30347へのコメント またまた感想ありがとうございますvお言葉に甘えまして奈々さんと呼ばせて頂きますね! さて、はい。ゼル登場でございます!ルーク&ミリーナも好きですが仲良し四人組も好きなのでついついやってしまいましたわ。確かに皆さん集まると個性は…強そうですね…そして苦労するリナさん(笑)十分個性は強いですけど纏めるのはやはり彼女ですからね。 >そうか…ガウもおじんか。確かに結構年はなれてるんですねー。ガウって25かそれより上ぐらいでしたよね。25歳と35歳はいいのに、15(16)歳と25歳は怪しいと思ってしまう……↓↓↓ たったしかに中高生(15、6)のうちの10歳差は大きく感じてしまいます…25歳と35歳は違和感も感じないのに!リナとガウリイは、まあ現代ではありませんし…(と自分を誤魔化してみる。) ではでは、盛り上がりを下げないように気をつけつつ頑張ります! |
30354 | 朋の嘉言 4 | 瑞茅桜璃 | 2004/7/4 20:56:30 |
記事番号30300へのコメント 「うっ……」 うめいて私は目を開けた。 倒れていた下が草だと知って意識する状況。 混乱はない。何故こんな場所にいるのか、不思議ではあったが心当たりはあった。 ―――――ミリーナっ。 声で記憶が途切れている。気を失ったのだろう。 最後の記憶が彼の声だということに僅かに苦笑する――といっても顔が変わるわけではないが。 足音。 自然とかけてくれる声を予想して。 「ああ。気が付いたか?ミリーナ。」 声が違う。 彼ではない。 「ガウリイさん……」 視界の中に飛び込んできた知った顔に思わず息を吐いた。 念のために言っておくなら失望の息ではない。安堵でもないけれど。 ただ、思わず。ただ、それだけだ。 別に掛けられた一声に連れを想像して悪いことはない。ただそれを素直に知らせることに抵抗があるだけで。 所詮不器用な性格だ。 一応と剣を確認しながら立ち上がって。 「リナさんとルークは?」 半ば答えを予想して問いかける。 「別に飛ばされたみたいだな。近くにはいなかった。」 「そうですか。」 予想していただけにさして驚きはない。 自分と彼が一緒に飛ばされたことから考えて、リナさんとルークも一緒だと思っていいだろう。 リナさんが一緒ならば、彼もそう心配することもないはずだ。 ……別の意味で心配ではあるけれど。 ふう、と一つ息をつく。 たとえ心配だと思ったとしても、まずは自分の状況をなんとかしなくては始まらない。 どこだろうか、ここは。 何か手掛かりでも欲しいところだが、生憎と目印になるものはなかった。 群生する植物からある程度の場所柄が分かることもあるが、目に付くのはありきたりの植物だけだ。 ちらりともう一人の男に視線をやるが、あまり期待はしていなかった。 けれど。 「セイルーンだ。」 「えっ?」 思いかけず返ってきた答えに思わず問い返す。 こんなときでものほほんとした人のことは言えないが、相変わらずの調子で。 こんな何もない場所でどうしたらわかるのだろう。 一度来たことがあるくらいでは分かりはしない。 ましてはこの男だ。 「見覚えがあるんだ。結構来てるんでな、この辺りは。」 この男のくらげっぷりはよくリナさんから聞いているし、実際やりとりを見ていれば実際そうなのだろうと思う。 どこまで信じていいのか。 それが分かったのか苦笑して彼は言った。 彼がこの場所を断言できる理由を。 「間違いない。ここは……リナが死にそうになった場所だから。」 とりあえず、落ち着けるところで今後の方策を立てようと歩き出したのが昼過ぎ。 実際正しかったようで、しばらく歩いて着いたセイルーン・シティの食堂で、私たちは無事にテーブルを囲んでいた。何度か来ていると言っても行きつけの店があるほどでもないらしく、数ある店の中からガウリイさんの嗅覚を頼りに入った高くもなく安くもなくというお決まりの食堂はさすが、というべきか。味はそれなりに美味しい。 「ミリーナたちはどこに行くつもりだったんだ?」 「イルマート公国です。」 「うーん。こっからじゃ遠いなぁ。」 ざくっとフォークでウィンナーを一つ。 リナさんが居ない所為か、そのペースは早いながらも目を見張るほどではない。 お皿の数も一枚、二枚と数えられるくらいの数である。 「ガウリイさんたちは?」 「リナ任せだからなぁ……今朝聞いたような気もするが憶えとらん。」 どきっぱりと答えることは、呆れるよりもみごとにガウリイさんらしいといえる。 やはりさっき憶えていたのはリナさんというキーマンがいたからだろう。 旅の連れが死にそうになるというのだからそうとうインパクトの強い出来事のはずだ。 ……魔王と戦っても名前すら憶えていないようだったが。 ガウリイ・ガブリエフというこの男にとって、リナ・インバースという存在は単なる旅の連れではない。ただなんとなく、いつ離れてもいいくらいの連れならもっと問題のない人間を選ぶだろうし、そもそも一人でも十分にやっていける腕はあるのだ――――脳みそは分からないが。 おそらくそういうことなのだろう。 「メッセージセンターとか使えないか?」 「必ず見るとは限りません。」 「だよなぁ。」 そもそもメッセージセンターがない場所もある。 それはたいていは田舎だからあの二人がそんな場所に長く居るとはおもえないが。 「探すにしても行き違いになると困るし……」 一番原始的な方法はそれがネックだ。 一国でも相当な広さなのに範囲がなしだなどといったら何年掛かることだ。向こうも探したとして行き違いになることが多いに予想される。 だが範囲を絞り込むにも情報がなさ過ぎる。これが次の目的地が近ければ可能性があるのだけれど。 「せめてどんな理論で飛ばされたのかが分かればいいんですが……」 「分からないのか?」 「私は魔族についてそれほど詳しくはありませんから。」 リナさんを基準に物事を考えられては困る。 どうしたものか。 頭を抱えることこそしないが、八方塞がりの状況に閉口して黙々とただ手だけを動かて暫し。 「ガウリイ様っ!?」 唐突に叫ばれた目の前に座る男の名前に、聞こえてきた方へと顔を向ける。 声の主は黒い癖のない髪が腰ほどまで伸びる楚々とした美人だった。 付けられた”様”という呼称が妙だが、この女性にこの男というのは酷く似合うような気がする。 「シルフィール?」 珍しい、と思わず思う。彼が彼女のであろう名前を呼んだことが、だ。 世間一般の基準からすれば決して長いわけでも複雑なわけでもないが、文字数からすればその名前は長い。もちろん比較対比はリナさんだ。 彼のくらげ脳から一発でその名前が出てくるとは…… 相当に付き合いのあった人なのだろう。例えば昔ともに旅をしていたとか。 想像できないことではあるが、男と女としての付き合いがあったのかもしれない。 などとつい考えてしまったりする。保護者と被保護者だと言っているあの二人の関係はそれなりに興味はあるのだ。 「あら?見えないようですが、リナさんはどうなさいましたの?」 そこにリナさんが居るのが当然、というように小首をかしげた彼女はガウリイさんの隣に別の女―――つまり私の姿を見つけて戸惑ったように問いかける。とすれば後者の可能性は違ったらしい。 「さっきまでは一緒だったんだけどな……」 「まあリナさんの食欲に嫌気がさしたとか、新しい魔力剣を手に入れたのはいいけれどそれを持ち逃げしてガウリイ様を売り払ったりとかしたんですか?」 ――――――売れない、うれない。 どこかでリナさんの突っ込みが聞こえる。 ガウリイさんくらい整った顔をしていれば金持ちの奥様、お嬢様に売れるだろうし、彼ほどの腕があればどこぞの領主さまでも買ってくれるだろう。 ともあれどうやら彼女、中々にきついというかいい性格の人らしい。確かにリナさんの食欲は目を見張るものがあるけれど。性格もそれがないとは言い切れないところがあるけれど。 「さすがにそれはないな……シルフィール、いったい俺達をどんな目で見てるんだ?」 「普通の目ですけど……それでそちらの方は?」 「ああ。ミリーナだ。」 若干ジト目で問いかけたが、名前だけを答えてからちらりとこちらを見やってガウリイさんは問う。 「仲間といっていいかい?」 「今はかまわないと思います。」 少なくともルークとリナさんを見つけるという共通の目的がある限りは一緒に行動を共にすることになるだろう。 そうでなくても何度か一緒に戦った仲であるし。 「ということだ。ちょっとリナとミリーナの連れと逸れちまってな。」 「そうでしたの……」 そこに厄介な臭いを嗅ぎ取ったのだろう。深くは追求してこないでしばし考えるように睫を伏せる。 それからおもむろにこちらを向いた彼女はニッコリと笑った。 「シルフィール・ネルス・ラーダと申します。よかったらわたくしの家にいらっしゃいませんか?」 * * * * * うう…尻切れトンボ。しかも回を追うごとに短くなっているような気がします。 とりあえず視点は変わってミリーナ&ガウリイへ。原作世界の地理がさっぱり分からないので見つけた名前を適当に使ってしまいました…なんでここ、という突っ込みをされても適当★としか返りません(笑) テスト期間中だというのにビデオで見たアニメ版シルフィールが好きだという思いを込めてシルフィールさんにもご登場願いました〜でもこちらは小説版で行く予定ですが。(性格微妙に違ってますよね?) |
30379 | ここでシルフィールが!? | 琴見奈々 E-mail | 2004/7/6 22:37:00 |
記事番号30354へのコメント こんばんはー♪♪ シルフィール!? 前回のゼルで当然のようにアメリアと再会するものとばかり…!! ううっ,いい意味で裏切られました… >「間違いない。ここは……リナが死にそうになった場所だから。」 これは原作でのことを指しているのか、オリジナルな展開があるのか…?? >「シルフィール?」 >珍しい、と思わず思う。彼が彼女のであろう名前を呼んだことが、だ。 >世間一般の基準からすれば決して長いわけでも複雑なわけでもないが、文字数からすればその名前は長い。もちろん比較対比はリナさんだ。 ここがすごく好きですvv比べるのはもちろんリナって。 確かに『リナ』と『シルフィール』……覚えにくいのはシルフィールだあ!! でも本人に向かってミルフィールとか言ったらショックで寝込むこと間違いなしですね!! 桜璃さんの書くお話はキャラの個性とかがホントによくでててすごいなって思います。うらやましいです! ところでずっと聞きたかったんですけど…このお話の題は、何と読むのでしょうか??そしてどういう意味なんでしょうか?? うわあバカバカ!!ごめんなさい!!! ではっっ!!! |
30392 | 裏切っちゃいましたか。 | 瑞茅桜璃 | 2004/7/7 23:09:56 |
記事番号30379へのコメント こんばんは!またまた感想ありがとうございます〜 ルーク&リナ&ゼルのシーンを続けようかとも思いましたが先に書きあがった方をということでミリーナ&ガウリイに移りました。といってもアメリアはきちんと出てくるのか分かりませんが…シルフィールが出ちゃったので(笑) >>「間違いない。ここは……リナが死にそうになった場所だから。」 >これは原作でのことを指しているのか、オリジナルな展開があるのか…?? 原作でのことです。小説4巻「聖王都動乱」対カンヅェル最後のシーンの場所で。死にそう、というと語弊があるような気もしますが(この巻妙にリナ死にそうになってる気が…)結構なピンチだったと。 >でも本人に向かってミルフィールとか言ったらショックで寝込むこと間違いなしですね!! ミルフィーユっ!ガウリイなら言いそうですね…食べ物の名ですし(笑)そして強くなっていくのよシルフィール!! 題名は「ホウのカゲン」と読みます。意味は「朋…同胞など友達、仲間」+「嘉言…処世術や心理を喝破した言葉」で仲間の心理を喝破しちゃいました、さらに言うとガウリイ君のくらげの皮がはがれちゃいます☆という意味です。ちゃんと話が題名通りに行くかは分からなくなってきましたが(汗) 過分なお言葉までありがとうございました!リナはさすがに主人公ですからまだわかり易いのですが、ミリーナやルークはよく掴めていないのでちゃんと分かるかな、と心配だったので凄く嬉しいです。 それでは。 |
30393 | 朋の嘉言 5 | 瑞茅桜璃 | 2004/7/8 17:22:05 |
記事番号30300へのコメント 「わたくしの家と言っても叔父の家なんですが……」 「立派な家ですね。」 それを見上げて私は言った。 大きくは無いが、中々立派な門構えで趣味も悪くない。 王宮にほの近い立地条件から言ってもそれなりに地位のある人物なのだろう。 「魔法医をしているんです。」 なるほど。 セイルーンは聖王都と名高い。町自体が巨大な結界になるこの町では稀有ではないが憧れの職業だろう。 言いながらドアを開けるシルフィールさんの後に続いて私達は家へと入っていく。 結局、お昼を片付けた後私達は彼女の言葉に甘えることにしたのだ。 宿を取るよりも安いし、事情を知っている人ならば話すことにもあまり遠慮はいらない。さすがに魔族がどうのこうのなど人が普通に聞いていそうな場所では話せないし、かといって……このメンツで騒ぐ、ということもないだろうが宿屋ではあまり騒ぐと怒鳴り込まれることがある。 懐はこの前オリハルコンを貰った事もあるからそこそこに温かい。けれど無駄遣いをできるほど今の状況は楽観できるものでもない。悠長に依頼など受けていられなくなるかもしれないし、そもそもあまり受けたくは無い。 理由はいくつかあることだが、相棒が違うという点は一応上げておく。 ……別に深い意味はないけれど。 ガウリイさんは客間に落ち着いて、いくらもしない間にやおら質問を投げかける。 「おじさんはまだ神殿に?」 「ええ。」 「じゃあ、アメリアに連絡を頼みたいんだが……」 「わかりました。でもガウリイ様、アメリアさんに連絡をとってどうなさるんですか?」 「リナが大人しくしていると思うか?」 「そうですね。きっと何か暴れていますわね。」 なにやらさっぱり分からない話を始めたが、ずいぶんと大事な話をする。 神殿、連絡、『アメリア』、それに…… リナさんが暴れるならルークも暴れている確立が高い。彼は黙っていられるたちではないしリナさんに後れを取るようなことは断固として嫌がるだろう。もともと彼らは極端の走り方が妙に似ている。言ったら二人とも怒るのだろうが。 「情報を集めていただくようお願いしてきますね。」 何がどうしてどうすればそうなるのだという説明が欲しいのだが、シルフィールさんはでは、と一礼して出て行ってしまう。 後に残される私とガウリイさん。おじさんは仕事中だし、その奥さんも手伝いで出払っているというから完全だ。 いいのだろうか?怪しい傭兵などだけを家に残していって。 まあガウリイさんとはそのおじさんとやらも既知の間柄らしいが。 特に何かする予定もないのだし、いいのだろう。魔族さえ襲ってこなければ。 襲われた場合は応戦する。それで家の一部が壊れても責任は取りかねる。 それよりも、アメリアという人だが―――――たしかセイルーンの王族の一人に居たような…… 第一王位継承者の二番目の姫君。噂では相当に活動的な人でデーモンの討伐にも身を乗り出そうとしているとか。 まさか、と思わなくもない。王族、しかもセイルーンほどの大国となると雇われて、という話ならあるだろうがそれだとて顔や名前を憶えてもらうにはそうとうの功績と時間がいる。よほど鮮烈に印象を植え付けたのなら話は違ってくるが。それに平和主義を掲げるこの国はあまり傭兵を取らないし。 でも、だ。魔族とエルフと竜族に知り合いがいるのだ。王族の知り合いがいてもおかしくはない。一応人間同士なのだから。 どの道憶測してみたところで人間関係というのは事情の知らない人間には理解できないものではある。 「ガウリイさんそのアメリアという方は?」 「昔旅した仲間だな。シルフィールも一時期は一緒だったし。」 「一時期はっということは彼女とはあまり旅をしていないんですね。」 言葉尻を捕らえて更に突っ込む。 「やけに今日は知りたがるなぁ。」 「ガウリイさんがシルフィールさんの名前を憶えていましたから。」 「……そんなに俺が人の名前を憶えてるのはおかしいか?」 「はい。」(きっぱし。) 答えた私にガウリイさんは盛大に肩を落とす。何か言いたげではあったが、聞いてはあげない。 そのボケっぷりを自覚をしていると思っていたのだが、実はしていなかったのだろうか。 ……いや、していても嘆きたくなるのが人情というものかもしれないが。 なんにつけても不思議な人だ。リナさんの隣に居ればここまで不思議なこともないのに。 旅の連れとはあまり人のことをどうこう言える関係を築いてはいないのだが、だから気になってしまって。 それに。 「私も好奇心がないわけじゃありません。」 ガウリイさんは僅かに目を細める。そういう目をすると、まともな人に見えるから不思議だ。 後は戦っているときくらいだろうか? リナさんの半歩下がった後ろから歩いているときもそうかもしれない。ただどれも受ける印象は全く違うが。 「それじゃ好奇心ついでに飲みに行かないか?」 何を考えているのか分からない。 いきなりそんなことを言い出したガウリイさんに無表情に私は眉を寄せる。 「酔うとまともになるみたいだからな。」 もっとも記憶がさっぱりないが、と笑う男に。 「いつものことじゃないんですか?」 そう返せばいつものように穏やかにただ笑った。 |