◆−報復−遙 琥珀 (2004/6/27 17:34:39) No.30308
 ┗海王様強し。−青月 かなた (2004/6/29 20:26:33) No.30315
  ┗腹心の中で二番目に好きです(笑)−遙 琥珀 (2004/6/30 17:01:46) No.30319


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30308報復遙 琥珀 E-mail URL2004/6/27 17:34:39





こけっこっこここっかっくるるるくるっこっこっこけこっこけこけっくるるるる。こけこ。


「…………」

フィブリゾは、ベッドから半分身を起こした体勢のまま硬直していた。

それはそうである。朝起きて部屋内が鶏に満たされていたら誰だって硬直する。

「…夢?」

こくんと首を傾げてみる。

すると…声に反応してか、鶏たちが一斉にフィブリゾの方を向いた。




突然だが――――――――――鶏の習性。朝早く鳴く。




こけこっこ―――――――――――!!!




鶏たちがお仕事する声は、滅びの砂漠を超えて近隣諸国にまで届いたという。








昼。

「邪魔するよ!」

フィブリゾは、ばん、とドアを蹴り開けた。

細かい羽根がびっしり躰に付着していたりする彼は、ずかずかずかと部屋の主に近付き、

「これ何!?」

びしっ、と自分の頭の上を指さす。

…そう。

フィブリゾの頭の上には、まるまる太った鶏が一羽、どでんと乗っかっていたりするのだ。

「…鶏。」

「そうじゃなくてっ!なんでこーゆーことするかなっ!?」

正直に応えたゼラスに、きぃ、と怒鳴るフィブリゾ。

「最近朝起きられない、って言ってたから…」

「だからって…!」

ぐぐぐ、と拳を握りしめるフィブリゾ。

「お陰でウチの食卓トリさんだらけだよ!」

「シメたなお前!?」

道理で羽毛まみれのはずである。

何故朝の鶏の話を昼持ってくるのかと思ったが、それに時間がかかったのであろう。

別に魔族は物質的に食物を摂る必要は無いのだが、一応味覚はある。

だから、時々人間世界のおいしいものをつまんだりもする…らしい。

「ふっ…朝も昼もフライドチキンばっかりさ」

何故か退廃的に笑う彼。

…一瞬ゼラスの脳裏にエプロン着てトリさんを料理するフィブリゾの姿がよぎったが…

まぁそれはそれとして、話を続ける。

「いっくらゼロスがいなくて暇だからって、こーいう悪戯やめてよね」

こけっこ、とフィブリゾ頭上の鶏が鳴いた。

彼は、くるりと背を向け、

「ちょっと失礼しますわゼラス…
ってうわフィブリゾトリくさっ!」

「好きで臭くなったんじゃ無いやい!」

部屋を出る際、丁度やってきたダルフィンと一漫才かまして去っていく。

賑やかなヤツである。

ゼラスは、ふぅ、と溜息を付いた。

そんな彼女にとことこ歩み寄るダルフィン。

「貴女らしくもありませんわね、八つ当たりだなんて」

「…いや〜」

ぽりぽり頬掻くゼラス。

「普段は言動怪しかったりやかましかったりでもいなけりゃいないでやっぱり大変で
そもそもの原因がウチのアホな下っ端の所為とは言えよく考えてみりゃすっげェ理不尽で、
だからと言って一旦貸したのを無理に取り返すのも何だかなぁとか思って考えてたら
取り敢えず直接原因であるアイツに当たっとくのが正当な気がしたんだが」

「…………」

一気にまくし立てられ、ちょっと呆気にとられるダルフィン。

「しかし、確かに自分で一度決めたことは決めたことだ。
今更アイツに当たるのは良くなかったかもしれない」

「そうね…いくらなんでも鶏責めは…」

ダルフィンは、にぱ、と笑い、

「だから、こうすればよろしいのよ」








翌朝。


音は、無かった。

フィブリゾは、ベッドから身を起こすことさえできずに硬直していた。

それはそうである。朝起きて部屋が生魚で満たされていたら誰だって硬直する。




数日間フィブリゾは同僚やら部下やらに『生臭い』と避けられ続けたという。












言い訳あんど言い逃れ。


読み切り投稿です。
元々ここに投稿する用に書いてたのですが、何の因果かウチのサイトの方に先載ってたりします(汗)
いやぁ、材料集めが忙しくて(言い訳)

HP持つの、思ってたより大変でした(汗)
掲載ネタ色々捜したりして(汗)
あちこちの本とか捜しまくって単語連ねて↓こんなん作ってみたり。

http://www.eonet.ne.jp/~kohaku/odai.htm

ちょっぴり宣伝でした(汗)



                                             幕。

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30315海王様強し。青月 かなた 2004/6/29 20:26:33
記事番号30308へのコメント

こんばんは、お久しぶりです。青月です。
レスさせていただきます。

>こけっこっこここっかっくるるるくるっこっこっこけこっこけこけっくるるるる。こけこ。
とっても賑やか〜。
>
>「…………」
>フィブリゾは、ベッドから半分身を起こした体勢のまま硬直していた。
>それはそうである。朝起きて部屋内が鶏に満たされていたら誰だって硬直する。
……そういえば昔鶏さんと生活する芸人がいましたなぁ…(なんだか遠い目)
>「…夢?」
>こくんと首を傾げてみる。
訊いてみたくもなりますよね。それにしても可愛らしい…v

>すると…声に反応してか、鶏たちが一斉にフィブリゾの方を向いた。
>突然だが――――――――――鶏の習性。朝早く鳴く。
>こけこっこ―――――――――――!!!
>鶏たちがお仕事する声は、滅びの砂漠を超えて近隣諸国にまで届いたという。
ご愁傷様です。(笑)
…人間じゃあ鼓膜破れるのでは…?

>昼。
>「邪魔するよ!」
>
>フィブリゾは、ばん、とドアを蹴り開けた。
>
>細かい羽根がびっしり躰に付着していたりする彼は、ずかずかずかと部屋の主に近付き、
あのあとの状況のすさまじさを表してますねー。
>「これ何!?」
>びしっ、と自分の頭の上を指さす。
仕草(だけは)とても少年らしいです。
>…そう。
>フィブリゾの頭の上には、まるまる太った鶏が一羽、どでんと乗っかっていたりするのだ。
まるまる太った……「食べろ」って感じでしょーか。
>「…鶏。」
>正直に応えたゼラスに、きぃ、と怒鳴るフィブリゾ。
正直なのは良きことかな。
……良きこと、かなぁ……
>「最近朝起きられない、って言ってたから…」
>「だからって…!」
だからって、トリ攻めなんて…なんて笑える…もとい、悲惨な。
>ぐぐぐ、と拳を握りしめるフィブリゾ。
>「お陰でウチの食卓トリさんだらけだよ!」
>「シメたなお前!?」
というか、部屋いっぱいの鶏を食べようとするところがすごいと思います。
>道理で羽毛まみれのはずである。
>何故朝の鶏の話を昼持ってくるのかと思ったが、それに時間がかかったのであろう。
一人暮しは大変ですねぇ…(論点が違う)
>別に魔族は物質的に食物を摂る必要は無いのだが、一応味覚はある。
>
>だから、時々人間世界のおいしいものをつまんだりもする…らしい。
した方が人生楽しいと思います。
…魔族に人生楽しむもなにもない、とかそもそも人生じゃないとか言う話は無しの方向で。
>「ふっ…朝も昼もフライドチキンばっかりさ」
>…一瞬ゼラスの脳裏にエプロン着てトリさんを料理するフィブリゾの姿がよぎったが…
羽まみれで、フリフリエプロン着て、豆が主人公の某錬金術師漫画・師匠風に包丁投げてるフィブリゾの姿が…。

>「いっくらゼロスがいなくて暇だからって、こーいう悪戯やめてよね」
悪戯?

>「ちょっと失礼しますわゼラス…
>ってうわフィブリゾトリくさっ!」
>「好きで臭くなったんじゃ無いやい!」
>部屋を出る際、丁度やってきたダルフィンと一漫才かまして去っていく。
>賑やかなヤツである。
踏んだりけったり?
>ゼラスは、ふぅ、と溜息を付いた。
なんか疲れた感じで…。
>
>「普段は言動怪しかったりやかましかったりでもいなけりゃいないでやっぱり大変で
>そもそもの原因がウチのアホな下っ端の所為とは言えよく考えてみりゃすっげェ理不尽で、
>だからと言って一旦貸したのを無理に取り返すのも何だかなぁとか思って考えてたら
>取り敢えず直接原因であるアイツに当たっとくのが正当な気がしたんだが」
>「…………」
>一気にまくし立てられ、ちょっと呆気にとられるダルフィン。
マシンガン・トーク。笑いましたよ。
普段喋ってるのって海王様っぽっいですしねぇ
>「しかし、確かに自分で一度決めたことは決めたことだ。
>今更アイツに当たるのは良くなかったかもしれない」
それこそ今更言っても意味のないことですけどね。
>「そうね…いくらなんでも鶏責めは…」
>ダルフィンは、にぱ、と笑い、
>「だから、こうすればよろしいのよ」
なんとなーく、この方がそういう笑みを浮かべているのってロクなこと考えてないイメージが。
>
>翌朝。
>
>
>音は、無かった。
>
>フィブリゾは、ベッドから身を起こすことさえできずに硬直していた。
>
>それはそうである。朝起きて部屋が生魚で満たされていたら誰だって硬直する。
………怖っ。
……………次は生け作りですかねぇ………。

>数日間フィブリゾは同僚やら部下やらに『生臭い』と避けられ続けたという。
「うっさいやい!」とか入ってる冥王様を想像しました。


それでは、今回も楽しませていただきました。
お元気で〜。

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30319腹心の中で二番目に好きです(笑)遙 琥珀 E-mail URL2004/6/30 17:01:46
記事番号30315へのコメント


>こんばんは、お久しぶりです。青月です。
>レスさせていただきます。
どうも。
お久し振りです。
最近五大魔族(降魔)激スランプ中で、めちゃめちゃ現実逃避してる琥珀です。(前置き長い。)
>
>>こけっこっこここっかっくるるるくるっこっこっこけこっこけこけっくるるるる。こけこ。
>とっても賑やか〜。
嬉しくないなぁ。(遠い目)
>>
>>「…………」
>>フィブリゾは、ベッドから半分身を起こした体勢のまま硬直していた。
>>それはそうである。朝起きて部屋内が鶏に満たされていたら誰だって硬直する。
>……そういえば昔鶏さんと生活する芸人がいましたなぁ…(なんだか遠い目)
…いたなぁ。同一人物を思い浮かべてるのかどうかは知らないが。
しゃ○れ…。(ヲイ)

>>「…夢?」
>>こくんと首を傾げてみる。
>訊いてみたくもなりますよね。それにしても可愛らしい…v
人差し指をほっぺに当てたポーズでお願いします(ヲイ)
>
>>すると…声に反応してか、鶏たちが一斉にフィブリゾの方を向いた。
>>突然だが――――――――――鶏の習性。朝早く鳴く。
>>こけこっこ―――――――――――!!!
>>鶏たちがお仕事する声は、滅びの砂漠を超えて近隣諸国にまで届いたという。
>ご愁傷様です。(笑)
>…人間じゃあ鼓膜破れるのでは…?
うーん、破れないにしてもしばらく聴覚神経麻痺決定(苦笑)
>
>>昼。
>>「邪魔するよ!」
>>
>>フィブリゾは、ばん、とドアを蹴り開けた。
>>
>>細かい羽根がびっしり躰に付着していたりする彼は、ずかずかずかと部屋の主に近付き、
>あのあとの状況のすさまじさを表してますねー。
よく立ち直ってますよねー(遠い目)
>>「これ何!?」
>>びしっ、と自分の頭の上を指さす。
>仕草(だけは)とても少年らしいです。
考えてることはいざ知らず…
>>…そう。
>>フィブリゾの頭の上には、まるまる太った鶏が一羽、どでんと乗っかっていたりするのだ。
>まるまる太った……「食べろ」って感じでしょーか。
個人的に七面鳥より鶏の方がおいしいです。(何の話)
七面鳥は淡泊すぎてどうも…。
>>「…鶏。」
>>正直に応えたゼラスに、きぃ、と怒鳴るフィブリゾ。
>正直なのは良きことかな。
>……良きこと、かなぁ……
…まぁ…ある程度までは…
>>「最近朝起きられない、って言ってたから…」
>>「だからって…!」
>だからって、トリ攻めなんて…なんて笑える…もとい、悲惨な。
実際やられたら絶対泣く(汗)
>>ぐぐぐ、と拳を握りしめるフィブリゾ。
>>「お陰でウチの食卓トリさんだらけだよ!」
>>「シメたなお前!?」
>というか、部屋いっぱいの鶏を食べようとするところがすごいと思います。
多分それも現実逃避で
『鶏…
 ああ…食べなきゃ』
的な思考の賜物かと。
思考回路よくわからんけど。
>>道理で羽毛まみれのはずである。
>>何故朝の鶏の話を昼持ってくるのかと思ったが、それに時間がかかったのであろう。
>一人暮しは大変ですねぇ…(論点が違う)
ゾンビさんたちはいるんだろうけどね。
お掃除のゾンビさんはたきながら『ああっ!むさくるしいっ!』とか言ってるフィブリゾの図を想像してみたり。
>>別に魔族は物質的に食物を摂る必要は無いのだが、一応味覚はある。
>>
>>だから、時々人間世界のおいしいものをつまんだりもする…らしい。
>した方が人生楽しいと思います。
>…魔族に人生楽しむもなにもない、とかそもそも人生じゃないとか言う話は無しの方向で。
そーゆーこと言ったら多分魔族話のほとんどはツブれます。特に私のは。(遠い目)
>>「ふっ…朝も昼もフライドチキンばっかりさ」
>>…一瞬ゼラスの脳裏にエプロン着てトリさんを料理するフィブリゾの姿がよぎったが…
>羽まみれで、フリフリエプロン着て、豆が主人公の某錬金術師漫画・師匠風に包丁投げてるフィブリゾの姿が…。
…まぁ。賑やか。(そんな嬉しそうに)
>
>>「いっくらゼロスがいなくて暇だからって、こーいう悪戯やめてよね」
>悪戯?
というか嫌がらせ。
>
>>「ちょっと失礼しますわゼラス…
>>ってうわフィブリゾトリくさっ!」
>>「好きで臭くなったんじゃ無いやい!」
>>部屋を出る際、丁度やってきたダルフィンと一漫才かまして去っていく。
>>賑やかなヤツである。
>踏んだりけったり?
そうかも…
…そうなのか?
>>ゼラスは、ふぅ、と溜息を付いた。
>なんか疲れた感じで…。
疲れてるというか憑かれてるというか(ヲイ)
>>
>>「普段は言動怪しかったりやかましかったりでもいなけりゃいないでやっぱり大変で
>>そもそもの原因がウチのアホな下っ端の所為とは言えよく考えてみりゃすっげェ理不尽で、
>>だからと言って一旦貸したのを無理に取り返すのも何だかなぁとか思って考えてたら
>>取り敢えず直接原因であるアイツに当たっとくのが正当な気がしたんだが」
>>「…………」
>>一気にまくし立てられ、ちょっと呆気にとられるダルフィン。
>マシンガン・トーク。笑いましたよ。
ゼラスさん物静かそうだし。
>普段喋ってるのって海王様っぽっいですしねぇ
一方的にべらべらと。
>>「しかし、確かに自分で一度決めたことは決めたことだ。
>>今更アイツに当たるのは良くなかったかもしれない」
>それこそ今更言っても意味のないことですけどね。
まぁ確かに。
>>「そうね…いくらなんでも鶏責めは…」
>>ダルフィンは、にぱ、と笑い、
>>「だから、こうすればよろしいのよ」
>なんとなーく、この方がそういう笑みを浮かべているのってロクなこと考えてないイメージが。
…そのとーり。
>>
>>翌朝。
>>
>>
>>音は、無かった。
>>
>>フィブリゾは、ベッドから身を起こすことさえできずに硬直していた。
>>
>>それはそうである。朝起きて部屋が生魚で満たされていたら誰だって硬直する。
>………怖っ。
>……………次は生け作りですかねぇ………。
…多分。
そしてウロコまみれで海王宮に殴り込むのね。
>
>>数日間フィブリゾは同僚やら部下やらに『生臭い』と避けられ続けたという。
>「うっさいやい!」とか入ってる冥王様を想像しました。
…あ、可愛い。
挿絵描くかも(ヲイ)
>
>
>それでは、今回も楽しませていただきました。
>お元気で〜。
>
ありがとうございました〜。
実はこの話、『あること』対策の為に投稿したもので、物語に余り意味は無かったりします☆(ヲイ)あとがきが本題…


HPに掲載しちゃうと感想が来にくいので…
ここに投稿した方が感想来るのよね。しくしく。

感想が恋しくなったらまた投稿します(迷惑)
それでは、ありがとうございました〜。