◆−竜剣抄 第11話−棒太郎 (2004/7/6 00:18:00) No.30370
 ┣まさに「おらは見てはいけないものを見てしまっただ」だったのですね−エモーション (2004/7/7 22:46:02) No.30391
 ┃┗かなりヤバイところですからね−棒太郎 (2004/7/9 23:12:34) No.30400
 ┗竜剣抄 第12話−棒太郎 (2004/7/11 23:55:14) No.30411
  ┗最後の最後で……(滝汗)−エモーション (2004/7/13 23:53:35) No.30418
   ┗最強最凶最狂の愉快犯です−棒太郎 (2004/7/14 22:22:22) No.30421


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30370竜剣抄 第11話棒太郎 2004/7/6 00:18:00


こんばんは、棒太郎です。
いよいよ今回の話も大詰めに入ります。
あと、関係ないですがPS2のゲーム『機神咆哮デモンベイン』買いました。
まだほとんどやってないですが、クトゥルー神話好きの心を刺激する一品です。
それでは続きをどうぞ。


*************************************

『竜剣抄』 第11話


「・・・・・・ん?」
長く続いた意識の闇から、思考が覚醒した。
「ここは・・・・・・?」
身を起こし、ベルベインは今いる状況を確認しようとした。
「!あなた・・・・・気がつかれたのですね!」
「ファルネーゼ・・・・・・」
傍らに寄り添っていた愛妻が、瞳に涙を潤ませて彼に抱きついた。
ベルベインもギュッとファルネーゼを抱きしめる。
「ファルネーゼ・・・・・ここは?」
ベルベインがそう訊ねたとき、
「ひょ、ひょ、ひょ。気が付いたかい」
一人の老人が部屋にやって来た。その老人をひと目見たベルベインは、目を見開き、驚きの色を浮かべた。
「ま、まさか・・・・・ジイさん!?」
「ひょ、ひょ、ひょ。数十年ぶりじゃのう。まさか運び込まれたのがお主じゃったとはな」
「もうとっくにくたばったと思ってたぜ・・・・・・」
ふたりのやりとりを聞いていたファルネーゼが、ベルベインに訊ねた。
「あなた・・・・・お知り合いの方ですか・・・・?」
「ああ・・・・・お前と出会う前、ちょいとな」
「ひょ、ひょ、ひょ。これは失礼、御内儀。ワシはフー・マンチューというモンですじゃ」
フー・マンチューはファルネーゼに挨拶し、ファルネーゼも挨拶を返した。
「まあ、お主なんぞには勿体無いほどの器量良しの女性じゃの。まさに美女と野獣じゃ」
「けっ、大きなお世話だ。そっちこそまた一段と干からびたじゃねえか」
普段、ベルベインとレンドールが交わす会話のようで、ファルネーゼはくすりと笑った。
「それよりジイさん。ここは一体何処だ?ルナたちは?」
「まあ、順を追って話すわい」
そうしてここが異界・ゴーメンガーストであることや自分がここの住人であること、そしてこの城の現当主とルナの関係等が、フー・マンチューの口から明らかになった。
「そうか・・・・・あいつがそうか・・・・・」
「ひょ、ひょ、ひょ。飄々としておるがなかなか喰えん男よ。ゴーメンガースト城当主の名に負けぬ魔人じゃて」
愉快そうにフー・マンチューが笑った。
「そのグレンとやらほどの者などに、おさおさ引けはとらんよ」



「はい、山菜定食お待たせいたしました」
その頃、その魔人はリアランサーでウェイターをやっていた。
山篭りの修行に向かったルナの代打として、彼女が帰ってくるまでの間、彼女のシフトを働いていた。
白い歯がキラリと輝きそうな爽やかな笑顔が、ちょっとした話題となっていた。
「ねえねえ、あの人?ルナさんの代打の人って?」
「うん、そうよ。ルナさんが帰ってくるまでの間ですって」
リアランサーのスタッフ内の話題にもなっていた。
「結構かっこよくない?」
「やっぱり、ルナさんの彼氏かなぁ?」
「そうとしか思えないわよねぇ。ルナさんってそんなこと全然匂わせてなかったけど」
ここで誰か一人でもタイタスに関係を尋ねたのなら、輝かしい笑顔で「フィアンセです」と言われただろうが、生憎相手があのドラまたすら恐れる名物ウェイトレスなので、正面切って訊ねる者はいなかった。
しかし、こうしてタイタスは外堀も着実に埋めていっていた。
まあ、そんなことしなくてもすでに本丸は陥落しているが・・・・・・・

そして、ルナが山篭りに向かって1週間後―――――
昼はインバース商会の手伝いをしているタイタスであった。
ヴェルディオスという天敵がいなくなって、平和を満喫していたスポットことディルギアを生かさず殺さず、うまく使いながら荷を捌いていた。
「ん?」
ふと、ある気配を感じ、道の向こうに目をやると、一人の男がこちらにやって来るのが見えた。
「おやおや、お早いお帰りで」
タイタスがそう言うと、男はフッと笑って手にした白銀色の剣を構えた。
「少し厄介なところだったが・・・・・・同じ手は二度は食わん」
男―――グレンの言葉に、タイタスはやれやれと肩を竦めた。
そのタイタスの身体を、瞬時に銀閃が2筋、3筋と走り抜けた。
だがタイタスの姿は平然と立っていた。そして消えた。
「ふ、相変わらず逃げ足は速いな」
背後を振り向くと、少し離れた場所にタイタスが立っていた。
「はは、これが僕の自慢のひとつですから」
タイタスもグレンの言葉に笑って応えた。
「さあ、抜け。タイタス=グローン。あのときの続きだ」
「やれやれ、前にもいったでしょう。貴方と決着をつけるのは僕じゃないって」
その言葉が終わらぬうちに、銀光が走る。
しかし、次の瞬間にはタイタスは別の場所に立っていた。
「まったく人の話を聞かない人だ」
そう言うや、タイタスの姿が消えたかと思うと、グレンの身体に衝撃が走った。
だが、グレンは膝をつくことなく剣を揮った。
「へぇ・・・・・フー大人直伝の通し打ちを喰らって倒れないとはタフですねぇ」
感心したように呟くタイタスの胸襟に、小さな切れ目が走っていた。
「1週間前よりもまた一段と腕を上げられてますね。流石は修羅の魔人というところですか」
そう言い、タイタスが右手を振るうや、魔剣”グレンキャリバー”がその手に握られていた。
それを見たグレンはニヤリと笑みを浮べる。
対峙するふたりの間の空気が一気に凍りついた。
グレンは青眼に、タイタスは両手をダラリと下げて構えている。
「―――――ひとつお訊ねしますが」
睨みあっているふたりだが、やがてタイタスが口を開いた。
「貴方ほどの人が何故、そのような修羅道に?安易に力に呑み込まれるような方ではないと思うんですがね」
「・・・・・・・・」
「貴方は・・・・・・・何を視たのです?」
鋭く言い放ったタイタスの言葉に、グレンは小さく笑みを浮べた。
「ふ、ふふふふふ・・・・・・大いなる深淵だ・・・・・・」
「大いなる深淵・・・・・・・・」
「我らは母が創り給うこの世界――そして四柱の竜王と魔王が統べる世界に存在するもの。だが――――」
グレンの瞳に別の光が宿る。
「全てはこの世界だけではない。それは”向こう側”の者たる君も分かるだろう?」
「ええ、まあ」
「”向こう側”は広大無辺だ・・・・・・・『久遠に臥したるもの、死することなく怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん』―――――」
グレンが口にした一節に、タイタスの表情は険しくなった。
「禁断の異次元・・・・・・・・心を喰われたか・・・・・・・」
”グレンキャリバー”を構え、グレンを見据えた。
ふたりからより強烈に剣気が吹き付けた。
「タイタス=グローン!いざっ!」
ふたりの剣がぶつかり合おうとした時、横から別の銀光が割って入った。
「!?」
ふたりが目を向けたそこには、
「タイタス・・・・・・彼の相手は私よ」
1週間前とは異なる空気を纏ったルナが静かに立っていた。


*************************************

続きでした。
このまま対決に入っても、グレンが単なるヤバイ奴で終わっちゃうなーと思い、グレンがああなった訳を付け足してたら、時間が掛かってしまいました。
理由もなんだかわかるようなわからんような感じに・・・・・・・
グレンの視たものは”あの方々”がいるようなところです。
それではまた次回。

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30391まさに「おらは見てはいけないものを見てしまっただ」だったのですねエモーション E-mail 2004/7/7 22:46:02
記事番号30370へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

第二ラウンド前……の、タイタスさんの平穏な結婚前の広報活動(?)と、
グレンさんがあっちの世界ゾーンへ行ってしまった理由。
本当に「あっちの世界」に触れてしまったためでしたか……。無理もないよーな……(^_^;)
まともな状態で戻れたら、奇跡中の奇跡でしょうから。

市民図書館で半分、「あったらラッキー」と思いつつ、検索をかけていたら、
「ゴーメンガースト」がヒットしました。
読むなら購入以外無理だと思っていただけに、驚きました。(←待てこら)
勿論、予約を入れてきました♪(他の館からの取り寄せ&現在貸し出し中だったので)
届くのが楽しみです(^.^)


>一人の老人が部屋にやって来た。その老人をひと目見たベルベインは、目を見開き、驚きの色を浮かべた。
>「ま、まさか・・・・・ジイさん!?」
>「ひょ、ひょ、ひょ。数十年ぶりじゃのう。まさか運び込まれたのがお主じゃったとはな」
>「もうとっくにくたばったと思ってたぜ・・・・・・」

ベルベインじーちゃんが若りし頃、既にお年寄りだったフー・マンチューさん……。
軽く50年は前のはずですよね。ほんとーに、一体何歳なのでしょう……(汗)
フー・マンチューさんが特別なのか、ゴーメンガーストの住人は歳を取るのが遅いのか……。

>「ひょ、ひょ、ひょ。これは失礼、御内儀。ワシはフー・マンチューというモンですじゃ」
>フー・マンチューはファルネーゼに挨拶し、ファルネーゼも挨拶を返した。
>「まあ、お主なんぞには勿体無いほどの器量良しの女性じゃの。まさに美女と野獣じゃ」
>「けっ、大きなお世話だ。そっちこそまた一段と干からびたじゃねえか」
>普段、ベルベインとレンドールが交わす会話のようで、ファルネーゼはくすりと笑った。

この場合、普段のレンドールさんのポジションに、ベルベインじーちゃんがくるわけで……
ファルネーゼさんからすれば、「この人にもこんな風になってしまう相手がいたのね」と
微笑ましく思えるのでしょうね。
……ファルネーゼさん以外は、やはり驚くような気がしますが。

>「そうか・・・・・あいつがそうか・・・・・」
>「ひょ、ひょ、ひょ。飄々としておるがなかなか喰えん男よ。ゴーメンガースト城当主の名に負けぬ魔人じゃて」
>愉快そうにフー・マンチューが笑った。
>「そのグレンとやらほどの者などに、おさおさ引けはとらんよ」

さすがに祖父と孫娘と、間にワンクッション入るので、レンドールさんのような葛藤とは
無縁なのですね。思わず納得、というところでしょうか。

>「はい、山菜定食お待たせいたしました」
>その頃、その魔人はリアランサーでウェイターをやっていた。
>山篭りの修行に向かったルナの代打として、彼女が帰ってくるまでの間、彼女のシフトを働いていた。
>白い歯がキラリと輝きそうな爽やかな笑顔が、ちょっとした話題となっていた。

この期間は女性客が増えていそうですね(笑)
それにしてもウェイター……。本当に何でもこなしますね。
何故か山菜定食が、とてもツボでした。

>「ねえねえ、あの人?ルナさんの代打の人って?」
>「うん、そうよ。ルナさんが帰ってくるまでの間ですって」
>リアランサーのスタッフ内の話題にもなっていた。
>「結構かっこよくない?」
>「やっぱり、ルナさんの彼氏かなぁ?」
>「そうとしか思えないわよねぇ。ルナさんってそんなこと全然匂わせてなかったけど」

そして当然ながら、あっと言う間に話題に(笑)
普段、浮いた噂ひとつないだけに、余計に広まるのが早いのでしょうね。
オーナーには代打をする際の関係の説明で、しっかり「フィアンセです」と
言っていたと思いますが。

>しかし、こうしてタイタスは外堀も着実に埋めていっていた。
>まあ、そんなことしなくてもすでに本丸は陥落しているが・・・・・・・

いえいえ、外堀を埋めるのも実は大切だと(^.^)

>ヴェルディオスという天敵がいなくなって、平和を満喫していたスポットことディルギアを生かさず殺さず、うまく使いながら荷を捌いていた。

実はヴェルディオスさんがいたころと、まるで変わらない状況だ、ということに
全く気づかずに使われてそうです、スポット(仮名)……。

>そのタイタスの身体を、瞬時に銀閃が2筋、3筋と走り抜けた。
>だがタイタスの姿は平然と立っていた。そして消えた。
>「ふ、相変わらず逃げ足は速いな」
>背後を振り向くと、少し離れた場所にタイタスが立っていた。

もうさっそくですね、グレンさん。
本当に、強い相手と戦うのが好き……。まるでサ○ヤ人(笑)

>「へぇ・・・・・フー大人直伝の通し打ちを喰らって倒れないとはタフですねぇ」
>感心したように呟くタイタスの胸襟に、小さな切れ目が走っていた。
>「1週間前よりもまた一段と腕を上げられてますね。流石は修羅の魔人というところですか」
>そう言い、タイタスが右手を振るうや、魔剣”グレンキャリバー”がその手に握られていた。

さすがに本人の才能と〃修羅〃故の上達の早さに、タイタスさんも感心したようですね。
素手ではちょっと大変かな、と思ったのですね。

>「全てはこの世界だけではない。それは”向こう側”の者たる君も分かるだろう?」
>「ええ、まあ」
>「”向こう側”は広大無辺だ・・・・・・・『久遠に臥したるもの、死することなく怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん』―――――」
>グレンが口にした一節に、タイタスの表情は険しくなった。
>「禁断の異次元・・・・・・・・心を喰われたか・・・・・・・」
>”グレンキャリバー”を構え、グレンを見据えた。

さすがのタイタスさんも、グレンさんが相当問題有りな「あっちの世界」と
関わった、と分かって、自分が相手をするのもやむを得ない、と思ったのでしょうか。
もう本気で相手をしようとしているようですね。

>ふたりの剣がぶつかり合おうとした時、横から別の銀光が割って入った。
>「!?」
>ふたりが目を向けたそこには、
>「タイタス・・・・・・彼の相手は私よ」
>1週間前とは異なる空気を纏ったルナが静かに立っていた。

パワーアップしたルナのご登場! 
これだけでも力量が一週間前と違うと分かりますね。一週間前では、
おそらくこんな真似は出来なかったでしょうから。
きっちり、グレンさんに引導を渡しに来たルナ。次からバトルですね。

>続きでした。
>このまま対決に入っても、グレンが単なるヤバイ奴で終わっちゃうなーと思い、グレンがああなった訳を付け足してたら、時間が掛かってしまいました。
>理由もなんだかわかるようなわからんような感じに・・・・・・・
>グレンの視たものは”あの方々”がいるようなところです。
>それではまた次回。

ルナの前世の〃赤の竜神の騎士〃であるラナさんが、何故生きる意思を殺ぐほど、
自分を責め、後悔したのか、納得できると思います。
詳しくは分からなくても、グレンさんは相当やばいものと関わってしまったんだな。
ラナさんはそれを知っていたから、他の者のように割り切ることは出来ず、
本質的にグレンさんを救えなかったことを、悲しんでいたんだな、と。
ついに前世からの〃宿題(いや、追試かも)〃を、片づける時が来たのですね。
ルナとグレンさんの戦いが楽しみです。
それでは今日はこの辺で失礼します。

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30400かなりヤバイところですからね棒太郎 2004/7/9 23:12:34
記事番号30391へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>第二ラウンド前……の、タイタスさんの平穏な結婚前の広報活動(?)と、
>グレンさんがあっちの世界ゾーンへ行ってしまった理由。
>本当に「あっちの世界」に触れてしまったためでしたか……。無理もないよーな……(^_^;)
>まともな状態で戻れたら、奇跡中の奇跡でしょうから。

こんばんは、エモーションさん。
嵐の前の静けさ第2弾です。
相変わらず自分のペースで物事を運んでいるタイタス。そして、魔道書も出したんだから・・・・・ということで、再びあちらの世界の登場です。

>市民図書館で半分、「あったらラッキー」と思いつつ、検索をかけていたら、
>「ゴーメンガースト」がヒットしました。
>読むなら購入以外無理だと思っていただけに、驚きました。(←待てこら)
>勿論、予約を入れてきました♪(他の館からの取り寄せ&現在貸し出し中だったので)
>届くのが楽しみです(^.^)

おお!ヒットしましたか。私のとこの図書館は検索したけどありませんでした。
私の書くゴーメンガーストは表面の設定だけ拝借してるので、内容は全然違いますよ。


>>「ひょ、ひょ、ひょ。数十年ぶりじゃのう。まさか運び込まれたのがお主じゃったとはな」
>>「もうとっくにくたばったと思ってたぜ・・・・・・」
>
>ベルベインじーちゃんが若りし頃、既にお年寄りだったフー・マンチューさん……。
>軽く50年は前のはずですよね。ほんとーに、一体何歳なのでしょう……(汗)
>フー・マンチューさんが特別なのか、ゴーメンガーストの住人は歳を取るのが遅いのか……。

実際100はいってるかも・・・・・・とりあえずこのジーさんが特別製だと思ってください。

>>「まあ、お主なんぞには勿体無いほどの器量良しの女性じゃの。まさに美女と野獣じゃ」
>>「けっ、大きなお世話だ。そっちこそまた一段と干からびたじゃねえか」
>>普段、ベルベインとレンドールが交わす会話のようで、ファルネーゼはくすりと笑った。
>
>この場合、普段のレンドールさんのポジションに、ベルベインじーちゃんがくるわけで……
>ファルネーゼさんからすれば、「この人にもこんな風になってしまう相手がいたのね」と
>微笑ましく思えるのでしょうね。
>……ファルネーゼさん以外は、やはり驚くような気がしますが。

数少ない、苦手というか頭の上がらないような人物でしょうね。

>>「そうか・・・・・あいつがそうか・・・・・」
>>「ひょ、ひょ、ひょ。飄々としておるがなかなか喰えん男よ。ゴーメンガースト城当主の名に負けぬ魔人じゃて」
>>愉快そうにフー・マンチューが笑った。
>>「そのグレンとやらほどの者などに、おさおさ引けはとらんよ」
>
>さすがに祖父と孫娘と、間にワンクッション入るので、レンドールさんのような葛藤とは
>無縁なのですね。思わず納得、というところでしょうか。

レンドールのような親バカではないですので。それに曾孫の顔も見たいというのもあります。

>>「はい、山菜定食お待たせいたしました」
>>その頃、その魔人はリアランサーでウェイターをやっていた。
>>山篭りの修行に向かったルナの代打として、彼女が帰ってくるまでの間、彼女のシフトを働いていた。
>>白い歯がキラリと輝きそうな爽やかな笑顔が、ちょっとした話題となっていた。
>
>この期間は女性客が増えていそうですね(笑)
>それにしてもウェイター……。本当に何でもこなしますね。
>何故か山菜定食が、とてもツボでした。

ゴットフリードのところで執事もやってましたし。
とりあえず色々とそつなくこなせます。

>>「結構かっこよくない?」
>>「やっぱり、ルナさんの彼氏かなぁ?」
>>「そうとしか思えないわよねぇ。ルナさんってそんなこと全然匂わせてなかったけど」
>
>そして当然ながら、あっと言う間に話題に(笑)
>普段、浮いた噂ひとつないだけに、余計に広まるのが早いのでしょうね。
>オーナーには代打をする際の関係の説明で、しっかり「フィアンセです」と
>言っていたと思いますが。

あれだけ身持ち堅そうにしてましたからね。
余計に意外に思えたのでしょう。

>>しかし、こうしてタイタスは外堀も着実に埋めていっていた。
>>まあ、そんなことしなくてもすでに本丸は陥落しているが・・・・・・・
>
>いえいえ、外堀を埋めるのも実は大切だと(^.^)

まあ、地盤はしっかり固めておくということで(笑)

>>ヴェルディオスという天敵がいなくなって、平和を満喫していたスポットことディルギアを生かさず殺さず、うまく使いながら荷を捌いていた。
>
>実はヴェルディオスさんがいたころと、まるで変わらない状況だ、ということに
>全く気づかずに使われてそうです、スポット(仮名)……。

ある意味ヴェルディオス以上にこき使われているかも・・・・・しかし、そうと感じさせず、上手いこと使っていくのがこの男のオソロシイところです。

>>「ふ、相変わらず逃げ足は速いな」
>>背後を振り向くと、少し離れた場所にタイタスが立っていた。
>
>もうさっそくですね、グレンさん。
>本当に、強い相手と戦うのが好き……。まるでサ○ヤ人(笑)

闘うために帰ってきましたからね。

>>そう言い、タイタスが右手を振るうや、魔剣”グレンキャリバー”がその手に握られていた。
>
>さすがに本人の才能と〃修羅〃故の上達の早さに、タイタスさんも感心したようですね。
>素手ではちょっと大変かな、と思ったのですね。

少しまともに遊んであげようと思って、剣を取りました。

>>「”向こう側”は広大無辺だ・・・・・・・『久遠に臥したるもの、死することなく怪異なる永劫の内には死すら終焉を迎えん』―――――」
>>グレンが口にした一節に、タイタスの表情は険しくなった。
>>「禁断の異次元・・・・・・・・心を喰われたか・・・・・・・」
>>”グレンキャリバー”を構え、グレンを見据えた。
>
>さすがのタイタスさんも、グレンさんが相当問題有りな「あっちの世界」と
>関わった、と分かって、自分が相手をするのもやむを得ない、と思ったのでしょうか。
>もう本気で相手をしようとしているようですね。

タイタスも「あそこ」はかなりヤバいと知っていますから。
そうとわかれば話は変わる、と。

>>ふたりが目を向けたそこには、
>>「タイタス・・・・・・彼の相手は私よ」
>>1週間前とは異なる空気を纏ったルナが静かに立っていた。
>
>パワーアップしたルナのご登場! 
>これだけでも力量が一週間前と違うと分かりますね。一週間前では、
>おそらくこんな真似は出来なかったでしょうから。
>きっちり、グレンさんに引導を渡しに来たルナ。次からバトルですね。

一週間前もまともに組み合ってませんが、今ほどにあっさりとはいかないでしょうね。



>>理由もなんだかわかるようなわからんような感じに・・・・・・・
>>グレンの視たものは”あの方々”がいるようなところです。
>>それではまた次回。
>
>ルナの前世の〃赤の竜神の騎士〃であるラナさんが、何故生きる意思を殺ぐほど、
>自分を責め、後悔したのか、納得できると思います。
>詳しくは分からなくても、グレンさんは相当やばいものと関わってしまったんだな。
>ラナさんはそれを知っていたから、他の者のように割り切ることは出来ず、
>本質的にグレンさんを救えなかったことを、悲しんでいたんだな、と。
>ついに前世からの〃宿題(いや、追試かも)〃を、片づける時が来たのですね。
>ルナとグレンさんの戦いが楽しみです。
>それでは今日はこの辺で失礼します。

グレンのキャラがなんかステレオタイプかな〜、と思い、今回の設定が加わりました。まあ、この次に書こうかなと考えてる話に、久々に「あの御方」が出てきますので。
それではどうもありがとうございました。

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30411竜剣抄 第12話棒太郎 2004/7/11 23:55:14
記事番号30370へのコメント

こんばんは、棒太郎です。
いよいよラストです。
ここまでお付き合いくださり、ありがとうございました。
それではどうぞ。

*************************************

『竜剣抄』 第12話


あたりの空気は静かに緊迫していた。
その中心にルナとグレンは向かい合い、対峙していた。
息を呑むようなプレッシャーが覆う。
その中でタイタスは平然とした顔で、ふたりの姿を見つめていた。
グレンは剣を青眼に構え、ルナは無形の位に構えていた。
そのルナの姿を見て、タイタスは「ほう―――」と呟いた。
一週間前と空気が違っていた。山篭りで何かを掴んできたのは見て取れた。
(この勝負・・・・・・・いかに時間がたとうが恐らくは一撃で決まる・・・・・)
そうこうしているうちにも、互いの剣気は膨れ上がっていく。
しばらく睨みあっていたふたりだが、やがてグレンの剣の切尖が動いた。
切尖が少しずつグレンのほうに向いてゆき、それに合わせて身体も左へと切っていった。
「――――!」
グレンの身体が左に完全に半身を切ったとき、ルナの位置からグレンの刀身は見えなくなった。
「無影の太刀―――――」
グレンの構えは、ベルベインの必殺の一手と同じものだった。
あの一度の戦いで、業を見取ったというのか――――
タイタスもグレンの構えを見て、「ふむ・・・・・」と頷いた。それが一筋縄ではいかないことを見て取ったのだった。
また対峙が続く。
一秒が、数分にも数十分にも感じるようだった。
そして――――

「いざっ!!」

その声と共に、閃光のようにグレンの身体が動き、バネに弾かれたように凄まじい勢いで剣がルナに襲い掛かった。
ルナからは切尖の変化によって、刀身の動きを予測することは封じられている。動きを少しでも予測できるのと、全く出来ないのとでは天と地ほどの差もある。
一瞬動きが遅れてしまう。その一瞬が死への道に繋がるには十分である。
しかし、ルナの精神に焦燥や逡巡は微塵もない。

――万剣モ帰スレバ只一ツノ太刀――

曇りの無い鏡のようにルナの心は澄んでいた。
そして、その動きは傍から見れば緩慢とも見えるようだった。
ふたつの影が交差した瞬間――――
「おお――――」
タイタスが感嘆の声を上げた。
「ばかな・・・・・・・!?」
右肩から袈裟切りに血を噴いたのはグレンであった。
ルナは悠然と立ちながら、グレンのほうに向き直る。
「窮められましたか・・・・・・・・・・・」
タイタスは感心しきりといった表情を向けていた。
そのとき、グレンの傷口から何かが吹き出てきた。
「!?」
それはねとりと纏わりつくような、黒い闇と形容したほうがいいようなものだった。
そこから何かの異形の影が垣間見えるようだった。
ルナが再び剣を構えた時、
「おのれ!逃がさんぞ!」
グレンが叫び、這い出ようとするその”闇”を押さえつけた。
「さあ、今だ!今のうちにやるんだ!」
グレンがルナに向かって叫んだ。先程までとは打って変わったグレンの瞳と視線が合わさる。
刹那の交し合いであったが、ルナは剣を振り上げるや、空を銀光が疾った。






「ふふ・・・・・礼を言う・・・・・・私を止めてくれて・・・・・・」
仰向けに地面に倒れたグレンが、小さく笑みを浮べながら側に立つルナにそう言った。
「やはり貴方は・・・・・・・”あの世界”の存在(もの)に出会ったのですね」
タイタスがグレンに訊ねた。
「いや・・・・・私は君ほどに”向こう側”のことは知らない・・・・・・異界のことは承知していたが、次元の異なる世界までは知らなかった・・・・・・あのときに初めて知ったのだ・・・・・・・・」
グレンは小さく首を振り、そう言った。
「だが・・・・・・遥か太古の昔、その一部がこの世界にやって来たらしい・・・・・・・神族も魔族も、知るものは・・・・・ほとんどいまい・・・・・・あるとき、偶然私はそのものたちが残した遺跡の封殺に関わることとなった。そのときだ・・・・・・・・私が、あの大いなる深淵を視たのは・・・・・・・」
「そして・・・・闇黒に捉われましたか」
「そうだ・・・・・だが、操られていたわけではない・・・・・・その後の私もはっきりとした自分なのだよ・・・・・・純粋なる狂気・・・冥き闇の誘惑・・・・私は己の闇に打ち克つことができなかったのさ・・・・・・・」
ルナ=インバース――――と、グレンはルナを呼んだ。
「君には・・・・・迷惑をかけた・・・・・・・他の騎士たちにもすまないことをした・・・・・・・自らの驕りによって、闇黒に堕ち・・・・その犠牲としてしまた・・・・・・そして・・・・ラナにも・・・・・・・」
そうしてグレンはルナに瞳を向けた。
「ルナ・・・インバース・・・・・・・・永き時を経て、私が現世に戻ってきたことは・・・・・・単なる偶然では・・・あるまい・・・・・・・もしや・・また・・・・・あそこに眠る物を・・・再び手にしようとする者が、現われる予兆、なのやも・・・・知れぬ・・・・・・・・気を・・・つけ・・ろ・・・・・・・」
「グレン・・・・・・・」
「タイタス・・・・グローン・・・・・・・」
「なんです?」
「前世と現世は関係ないが・・・・・・・彼女を護ってやってくれ・・・・こんなこと・・を・・・・・・頼める・・・・義理では・・ないが・・・・・・・私が、してやれなかった分まで・・・・・・・・頼・・・・・・む・・・・・・・・・」
「わかりました」
グレンの死の間際の頼みに、タイタスはにこやかに応えた。
「すま・・ない・・・・・・・・こんな・・こと・・・で・・・・・ラナへの・・・・罪滅ぼしには・・・・なるまいが・・・・・・」
グレンの顔に自嘲の笑みが浮かぶ。ルナは黙ってグレンを見つめていたが、やがてタイタスのほうを振り向いた。
「タイタス・・・・・」
ルナの瞳を見たタイタスは一瞬「?」な表情を浮かべていたが、何かを察したのかひとつ笑って、「僕はルナさんを信じていますよ」と言った。
その言葉に笑みを浮べて、ルナはグレンに向き直った。
「グレン・・・・・・」
そう呟いた時、グレンは眼を見開いた。
ルナの雰囲気が変わった。その瞳は別の光を宿していた。
「グレン」
「ラ・・ラナ・・・・・!?」
グレンの呼び声に、”ラナ”はにこりと笑った。
「ラナ・・・・すま・・ない・・・・・・」
グレンの瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
「いいのよ・・・グレン」
聖母を思わせるような慈愛に満ちた笑みだった。
「さあ、いきましょう」
そう言うと、唇を重ね合わせた。
その瞬間、グレンの身体は光となって溶け、”ラナ”の身体に染み入るように消えていった。
「ありがとう・・・・・・ルナ=インバース」
”ラナ”はそう呟くと、瞳から光は消えた。
「ルナさん、大丈夫ですか?」
タイタスがルナの身体を支えた。
「ええ、大丈夫よ」
ルナがにこりと笑った。
「”愛が触れるものはすべて、死から救われる”、か・・・・・」
昔に読んだ本の一節をタイタスは口ずさんだ。














「ちょっとリナ。今日、私の代わりにバイトよろしくね」
「え!?ね、姉ちゃん、ちょっと待ってよ!?そんな急に――――」

あの戦いからしばらく経ち、インバース家にはまたいつもの平穏が戻ってきた。
姉の突然のお言葉に、リナは必死に対抗する。
「何よ、今日はタイタスとデートなの」
「今日も―――――じゃないの?」
ぼそりと言ったリナの言葉に、ルナは満面の笑みを浮べながらにじり寄ってくる。
「ん〜〜〜〜?何か言ったかしら、リ〜〜ナ〜〜〜〜〜?」
「ヒ、ヒイィィィィィィ!?」
ズザザザザァァァァッ!!と後じさるリナ。
絶体絶命の大ピンチのそのとき、
「ルナ〜〜〜〜、タイタス君が来たわよ〜〜〜〜〜」
フィルアの救いの声が聞こえてきた。
「え!?きゃぁぁ!すぐ着替えるから、ちょっと待っててーーー!!」
ルナの声に、「僕はいつでもいいですよ〜〜〜」とタイタスの声が返ってきた。
「というわけで、リナッ!任せたわよ!もしサボったらどうなるかはわかってるわよね?」
「は、はいぃぃぃぃぃ!!!」
「よろしい。物分りのいい妹を持って幸せだわ」


「あらあら。今日もにぎやかですこと」
ファルネーゼがくすりと笑った。
「へへ、こりゃ曾孫の顔も近いうちに見れるかもな」
傍らでベルベインも笑っていた。
いつもと変わらない日常。そして昨日以上の幸せな今日。
例えこれが夢であったとしても、ずっとずっと続いていくだろう。
ファルネーゼは夫の肩にもたれながらそう思った。






















「ふふ、久しぶりですね。ここに来るのも」
満月が煌々と輝く夜空の下、ひとりの男が静かに笑った。
顔に亀裂が走ったような笑みだった。
闇よりもなお冥く、原初の恐怖を甦らせるような不気味なオーラを纏ったその男は静かに歩き出した。
夜を動く鳥や獣の気配も、その男の前に凍りついたように静まり返っている。
みな、この男に恐怖しているのだった。
「さて、前回は別の用があったからあえて見逃しましたが、今回はそうはいきませんね。くく、虫ケラのごとく大人しくしていればよかったものを」
不気味な笑みを浮べるや、男の姿は闇に溶け込むように消えた。
その寸前、男の顔に燃え上がるような三つの眼が見えたのは気のせいだろうか・・・・・・・・
あとには男の笑い声だけが、こだましていた。


*************************************

続きでした。
今回はなんとかいい長さで区切ることが出来ました。
途中、ちょっとした変更点がありましたが(それがラストの文章にも関わってくる)
そして最後は・・・・・・・次に書くだろうと思われる話の伏線です。
この男も、もうバレバレでしょう。
それではここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
まあ、ここまでやっちゃったからまた次回作は書きます。
それでは。

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30418最後の最後で……(滝汗)エモーション E-mail 2004/7/13 23:53:35
記事番号30411へのコメント

棒太郎様、こんばんは。

「竜剣抄」完結、おめでとうございます&お疲れさまでした。
……それにしても、ラストでとんでもない御方が(滝汗)
この一件がきっかけになる出来事が、リナ達の周囲で起きるのでしょうか……。
何にせよ、少しは平穏なのですね。

予約していた「ゴーメンガースト」を無事借りてきました♪
最初はちょっとたるい感じがしたのですが、スティアパイクが動き出した途端、
どんどん面白くなってきて、現在半分ほど読み進めました。
現在の感想は「いいぞー、スティアパイクー! もっとやれ!!」と、
ハリポタでハリーより、ドラコ・マルフォイを応援するようなものに……(笑)
何分、現段階で生後3ヶ月なタイタスさんは活躍してませんから。(^_^;)


>グレンの身体が左に完全に半身を切ったとき、ルナの位置からグレンの刀身は見えなくなった。
>「無影の太刀―――――」
>グレンの構えは、ベルベインの必殺の一手と同じものだった。
>あの一度の戦いで、業を見取ったというのか――――

たった一度で見抜く……。凄いですね。(汗)
それだけに、あっちの世界に捕まり、修羅に堕ちている状態は残念ですね。

>曇りの無い鏡のようにルナの心は澄んでいた。
>そして、その動きは傍から見れば緩慢とも見えるようだった。
>ふたつの影が交差した瞬間――――
>「おお――――」
>タイタスが感嘆の声を上げた。
>「ばかな・・・・・・・!?」
>右肩から袈裟切りに血を噴いたのはグレンであった。
>ルナは悠然と立ちながら、グレンのほうに向き直る。

さすがにここまで極めた剣技では、タイタスさんも感嘆するしかないのですね。
……そして、改めて惚れ直しているのでしょうか。
グレンさんとしても、さすがにここまでとは思わなかったのでしょうね。

>「おのれ!逃がさんぞ!」
>グレンが叫び、這い出ようとするその”闇”を押さえつけた。
>「さあ、今だ!今のうちにやるんだ!」
>グレンがルナに向かって叫んだ。先程までとは打って変わったグレンの瞳と視線が合わさる。
>刹那の交し合いであったが、ルナは剣を振り上げるや、空を銀光が疾った。

この時のグレンさんは多少なりとも、「あっちの世界ゾーン」に触れる前のグレンさんに、
戻っているようですね。
グレンさんを〃変えて〃しまった〃闇〃……。自分ごと切り捨ててしまうように、
ルナに頼んだのですね。

>「だが・・・・・・遥か太古の昔、その一部がこの世界にやって来たらしい・・・・・・・神族も魔族も、知るものは・・・・・ほとんどいまい・・・・・・あるとき、偶然私はそのものたちが残した遺跡の封殺に関わることとなった。そのときだ・・・・・・・・私が、あの大いなる深淵を視たのは・・・・・・・」

思いっきり不運だったのか、それともあの〃闇〃に呼び寄せられたのか……。
何にせよ、それが悲劇の始まりだったのですね。

>ルナ=インバース――――と、グレンはルナを呼んだ。

グレンさん。初めて前世の名前ではなく、「ルナ」の名前を呼びましたね。
ルナを「ルナ」として認めたのですね。

>「ルナ・・・インバース・・・・・・・・永き時を経て、私が現世に戻ってきたことは・・・・・・単なる偶然では・・・あるまい・・・・・・・もしや・・また・・・・・あそこに眠る物を・・・再び手にしようとする者が、現われる予兆、なのやも・・・・知れぬ・・・・・・・・気を・・・つけ・・ろ・・・・・・・」

復活しかけた〃組織〃は、ダルフィン様が壊滅させていたようですが、
また新たに、何かをしようと目論んでいる者が現れたのでしょうか。

>ルナの雰囲気が変わった。その瞳は別の光を宿していた。
>「グレン」
>「ラ・・ラナ・・・・・!?」
>グレンの呼び声に、”ラナ”はにこりと笑った。
>「ラナ・・・・すま・・ない・・・・・・」
>グレンの瞳から一筋の涙が零れ落ちた。
>「いいのよ・・・グレン」
>聖母を思わせるような慈愛に満ちた笑みだった。
>「さあ、いきましょう」
>そう言うと、唇を重ね合わせた。
>その瞬間、グレンの身体は光となって溶け、”ラナ”の身体に染み入るように消えていった。
>「ありがとう・・・・・・ルナ=インバース」
>”ラナ”はそう呟くと、瞳から光は消えた。

最後に行ったのは、グレンさんとラナさんの〃再会〃……。
ルナは恐山のイタコに近い状態になっただけに、少し大変だったかもしれませんが、
これで二人は救われたのですね。

>「何よ、今日はタイタスとデートなの」
>「今日も―――――じゃないの?」
>ぼそりと言ったリナの言葉に、ルナは満面の笑みを浮べながらにじり寄ってくる。
>「ん〜〜〜〜?何か言ったかしら、リ〜〜ナ〜〜〜〜〜?」
>「ヒ、ヒイィィィィィィ!?」
>ズザザザザァァァァッ!!と後じさるリナ。
>絶体絶命の大ピンチのそのとき、
>「ルナ〜〜〜〜、タイタス君が来たわよ〜〜〜〜〜」
>フィルアの救いの声が聞こえてきた。
>「え!?きゃぁぁ!すぐ着替えるから、ちょっと待っててーーー!!」
>ルナの声に、「僕はいつでもいいですよ〜〜〜」とタイタスの声が返ってきた。
>「というわけで、リナッ!任せたわよ!もしサボったらどうなるかはわかってるわよね?」
>「は、はいぃぃぃぃぃ!!!」
>「よろしい。物分りのいい妹を持って幸せだわ」

ああ、すでに「ある愛の光景・タイタス&ルナ編」の出張プロローグが(笑)
すっかりラブラブな日々を過ごすルナとタイタスさん。毎日デート……。
タイタスさん、もしかして毎日ゴーメンガーストから通っているのでしょうか。

>「あらあら。今日もにぎやかですこと」
>ファルネーゼがくすりと笑った。
>「へへ、こりゃ曾孫の顔も近いうちに見れるかもな」
>傍らでベルベインも笑っていた。
>いつもと変わらない日常。そして昨日以上の幸せな今日。
>例えこれが夢であったとしても、ずっとずっと続いていくだろう。
>ファルネーゼは夫の肩にもたれながらそう思った。

そしていつもどおりのベルベインじーちゃん&ファルネーゼさんの、ラブラブご夫婦。
曾孫……ほんとに見られそうですね。多分、リナ&ガウリイよりも早く(笑)


>闇よりもなお冥く、原初の恐怖を甦らせるような不気味なオーラを纏ったその男は静かに歩き出した。
>夜を動く鳥や獣の気配も、その男の前に凍りついたように静まり返っている。
>みな、この男に恐怖しているのだった。
>「さて、前回は別の用があったからあえて見逃しましたが、今回はそうはいきませんね。くく、虫ケラのごとく大人しくしていればよかったものを」
>不気味な笑みを浮べるや、男の姿は闇に溶け込むように消えた。
>その寸前、男の顔に燃え上がるような三つの眼が見えたのは気のせいだろうか・・・・・・・・
>あとには男の笑い声だけが、こだましていた。

そしてお久しぶりと言いますか、とびっきりのゲストです(汗)ナイの方様……。(滝汗)
前回……は、やはりあの皇国での一件ですよね……(汗)
やっぱりまだ、〃あれ〃から得た知識で、しぶとく何かやらかす気満々の方が
いるのでしょうか……。

>続きでした。
>今回はなんとかいい長さで区切ることが出来ました。
>途中、ちょっとした変更点がありましたが(それがラストの文章にも関わってくる)
>そして最後は・・・・・・・次に書くだろうと思われる話の伏線です。
>この男も、もうバレバレでしょう。
>それではここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
>まあ、ここまでやっちゃったからまた次回作は書きます。
>それでは。

お疲れさまでした。
無事に前世からの〃宿題〃を、パーフェクトな形でクリアしたルナ。
これでもう次の〃赤の竜神の騎士〃に、悪影響はでないでしょう。
グレンさん、ラナさん、安らかに……。
そしてラストのあのお方(汗)
さすがにこの方を前にしますと、某黒子がひたすら可愛く思えますね、まだ……(^_^;)
一筋縄ではいかない事件が起きるようで、次の舞台はどこになるのか。
誰がメインになるのかと、今からあれこれ予想しています。

それでは、次作を楽しみにしています。

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30421最強最凶最狂の愉快犯です棒太郎 2004/7/14 22:22:22
記事番号30418へのコメント


>棒太郎様、こんばんは。
>
>「竜剣抄」完結、おめでとうございます&お疲れさまでした。
>……それにしても、ラストでとんでもない御方が(滝汗)
>この一件がきっかけになる出来事が、リナ達の周囲で起きるのでしょうか……。
>何にせよ、少しは平穏なのですね。
>
>予約していた「ゴーメンガースト」を無事借りてきました♪
>最初はちょっとたるい感じがしたのですが、スティアパイクが動き出した途端、
>どんどん面白くなってきて、現在半分ほど読み進めました。
>現在の感想は「いいぞー、スティアパイクー! もっとやれ!!」と、
>ハリポタでハリーより、ドラコ・マルフォイを応援するようなものに……(笑)
>何分、現段階で生後3ヶ月なタイタスさんは活躍してませんから。(^_^;)

こんばんは、エモーションさん。
労いのお言葉、どうもありがとうございます。
ラストは次回作への引きということで。ほんと、とんでもないのが出てきましたが。
ついに『ゴーメンガースト』を借りられましたか。
私も聞いた話では、スティアパイクが喚起剤みたいなものかなと思っています。
ちょこっと出そうかとも思いましたが、原作読んでないのにキャラが掴めるか、と思い、出しませんでした。その割にはタイタスの叔母のクラリスとコーラ(だったと思いますが)あんな形で出してますが・・・・・・


>>「無影の太刀―――――」
>>グレンの構えは、ベルベインの必殺の一手と同じものだった。
>>あの一度の戦いで、業を見取ったというのか――――
>
>たった一度で見抜く……。凄いですね。(汗)
>それだけに、あっちの世界に捕まり、修羅に堕ちている状態は残念ですね。

グレンも腕前は凄まじいレベルですから。

>>タイタスが感嘆の声を上げた。
>>「ばかな・・・・・・・!?」
>>右肩から袈裟切りに血を噴いたのはグレンであった。
>>ルナは悠然と立ちながら、グレンのほうに向き直る。
>
>さすがにここまで極めた剣技では、タイタスさんも感嘆するしかないのですね。
>……そして、改めて惚れ直しているのでしょうか。
>グレンさんとしても、さすがにここまでとは思わなかったのでしょうね。

タイタスも思わず唸ってしまうほどです。そして仰るとおり惚れ直してます(笑)
グレンですら辿りつけてない境地ですからね。

>>グレンがルナに向かって叫んだ。先程までとは打って変わったグレンの瞳と視線が合わさる。
>>刹那の交し合いであったが、ルナは剣を振り上げるや、空を銀光が疾った。
>
>この時のグレンさんは多少なりとも、「あっちの世界ゾーン」に触れる前のグレンさんに、
>戻っているようですね。
>グレンさんを〃変えて〃しまった〃闇〃……。自分ごと切り捨ててしまうように、
>ルナに頼んだのですね。

はい。このときのグレンは”闇”に捉われる前のグレンです。

>>「だが・・・・・・遥か太古の昔、その一部がこの世界にやって来たらしい・・・・・・・神族も魔族も、知るものは・・・・・ほとんどいまい・・・・・・あるとき、偶然私はそのものたちが残した遺跡の封殺に関わることとなった。そのときだ・・・・・・・・私が、あの大いなる深淵を視たのは・・・・・・・」
>
>思いっきり不運だったのか、それともあの〃闇〃に呼び寄せられたのか……。
>何にせよ、それが悲劇の始まりだったのですね。

不運としか言いようのない事件です。
この遺跡が次に絡んできます。

>>ルナ=インバース――――と、グレンはルナを呼んだ。
>
>グレンさん。初めて前世の名前ではなく、「ルナ」の名前を呼びましたね。
>ルナを「ルナ」として認めたのですね。

”闇”から解放されたので、ルナを認めることができました。

>>「ルナ・・・インバース・・・・・・・・永き時を経て、私が現世に戻ってきたことは・・・・・・単なる偶然では・・・あるまい・・・・・・・もしや・・また・・・・・あそこに眠る物を・・・再び手にしようとする者が、現われる予兆、なのやも・・・・知れぬ・・・・・・・・気を・・・つけ・・ろ・・・・・・・」
>
>復活しかけた〃組織〃は、ダルフィン様が壊滅させていたようですが、
>また新たに、何かをしようと目論んでいる者が現れたのでしょうか。

あの”組織”とはまた別物ですが、闇で画策しているのがいます。

>>聖母を思わせるような慈愛に満ちた笑みだった。
>>「さあ、いきましょう」
>>そう言うと、唇を重ね合わせた。
>>その瞬間、グレンの身体は光となって溶け、”ラナ”の身体に染み入るように消えていった。
>>「ありがとう・・・・・・ルナ=インバース」
>>”ラナ”はそう呟くと、瞳から光は消えた。
>
>最後に行ったのは、グレンさんとラナさんの〃再会〃……。
>ルナは恐山のイタコに近い状態になっただけに、少し大変だったかもしれませんが、
>これで二人は救われたのですね。

やっぱりフォローは入れておかないと。
同じ欠片同士ですから、そこに在る記憶を元にルナを媒介として、ラナを喚び出しました。

>>「え!?きゃぁぁ!すぐ着替えるから、ちょっと待っててーーー!!」
>>ルナの声に、「僕はいつでもいいですよ〜〜〜」とタイタスの声が返ってきた。
>>「というわけで、リナッ!任せたわよ!もしサボったらどうなるかはわかってるわよね?」
>>「は、はいぃぃぃぃぃ!!!」
>>「よろしい。物分りのいい妹を持って幸せだわ」
>
>ああ、すでに「ある愛の光景・タイタス&ルナ編」の出張プロローグが(笑)
>すっかりラブラブな日々を過ごすルナとタイタスさん。毎日デート……。
>タイタスさん、もしかして毎日ゴーメンガーストから通っているのでしょうか。

もはや一番の被害者は疑いようもなく彼女に(笑)
タイタスはゴーメンガーストから通い夫してます(笑)

>>いつもと変わらない日常。そして昨日以上の幸せな今日。
>>例えこれが夢であったとしても、ずっとずっと続いていくだろう。
>>ファルネーゼは夫の肩にもたれながらそう思った。
>
>そしていつもどおりのベルベインじーちゃん&ファルネーゼさんの、ラブラブご夫婦。
>曾孫……ほんとに見られそうですね。多分、リナ&ガウリイよりも早く(笑)

確かに(笑)
タイタスはそこらへんの節度は守ると思いますが、「出来ちゃいました♪」とか言いながら報告しに来るかもしれません。

>>「さて、前回は別の用があったからあえて見逃しましたが、今回はそうはいきませんね。くく、虫ケラのごとく大人しくしていればよかったものを」
>>不気味な笑みを浮べるや、男の姿は闇に溶け込むように消えた。
>>その寸前、男の顔に燃え上がるような三つの眼が見えたのは気のせいだろうか・・・・・・・・
>>あとには男の笑い声だけが、こだましていた。
>
>そしてお久しぶりと言いますか、とびっきりのゲストです(汗)ナイの方様……。(滝汗)
>前回……は、やはりあの皇国での一件ですよね……(汗)
>やっぱりまだ、〃あれ〃から得た知識で、しぶとく何かやらかす気満々の方が
>いるのでしょうか……。

最後は本当にお久しぶりのこの方です。
前回と言うのは『夢、幻の如くなり』の時です。このときは”輝くトラペゾヘドロン”を探すという用がありましたので。

>>続きでした。
>>今回はなんとかいい長さで区切ることが出来ました。
>>途中、ちょっとした変更点がありましたが(それがラストの文章にも関わってくる)
>>そして最後は・・・・・・・次に書くだろうと思われる話の伏線です。
>>この男も、もうバレバレでしょう。
>>それではここまで読んでくださった方、ありがとうございました。
>>まあ、ここまでやっちゃったからまた次回作は書きます。
>>それでは。
>
>お疲れさまでした。
>無事に前世からの〃宿題〃を、パーフェクトな形でクリアしたルナ。
>これでもう次の〃赤の竜神の騎士〃に、悪影響はでないでしょう。
>グレンさん、ラナさん、安らかに……。
>そしてラストのあのお方(汗)
>さすがにこの方を前にしますと、某黒子がひたすら可愛く思えますね、まだ……(^_^;)
>一筋縄ではいかない事件が起きるようで、次の舞台はどこになるのか。
>誰がメインになるのかと、今からあれこれ予想しています。
>
>それでは、次作を楽しみにしています。

前の『彼方の血脈』で、それほど出せてやれなかったので、今回の主役になってもらいました。でもまさかここまで蕩けラブになるとは思いませんでした(笑)
そしてラストのあの人(?)
確かにあの黒子より、物凄い質の悪い愉快犯ですからね。スケールが違います。
次回は『黒邪の王』以来の4人組を予定しております。
それではどうもありがとうございました。