◆−闇黒の断章 〜序章〜−棒太郎 (2004/7/26 12:18:25) No.30468 ┣まず真っ先に受難に遭う男……(^_^;)−エモーション (2004/7/26 23:37:31) No.30472 ┃┗はじまりました−棒太郎 (2004/7/27 22:34:41) No.30473 ┣闇黒の断章 「神託にあらわれたもの」−前−−棒太郎 (2004/8/5 12:09:10) No.30488 ┃┗天敵登場?−エモーション (2004/8/6 23:30:28) No.30500 ┃ ┗彼の苦手(笑)とする数少ない人物のひとり−棒太郎 (2004/8/7 22:41:40) No.30509 ┗闇黒の断章 「神託にあらわれたもの」−後−−棒太郎 (2004/8/14 22:45:10) No.30543 ┗かなりヤバ目な方からの「神託」のようで……(汗)−エモーション (2004/8/15 23:09:43) No.30547 ┗大変なもの受信しちゃったよ、ってな感じです−棒太郎 (2004/8/16 22:37:06) No.30557
30468 | 闇黒の断章 〜序章〜 | 棒太郎 | 2004/7/26 12:18:25 |
こんにちは、棒太郎です。 前回の『竜剣抄』のラストで引っ張った伏線を、書き出していきます。 初期作と同じくクトゥルー神話の要素が融合してますが、知らない方でもわかるようにしようとは心がけます。(私もとても詳しいというわけでもないので) それでは、よろしければお目をお通しください。 ************************************* 『闇黒の断章』 〜序章〜 「闇に囁くもの」 その瞬間、爆ぜるように白い闇が迸った。 あたかも宇宙の全てを包み込むかのようなそれは、やがて静かに闇黒の星の海に溶けるように消えていった。 再び闇の静寂に包まれた空間に、やがて瘴気の風が舞い、濃密ななにかが顕現した。 それは闇の混沌を纏ったものだった。 ――――クカカカカカカカ 闇の哄笑が世界を侵すかのように響き渡る。 ――――愚かな ――――今の我らになら敵うと思っていたのかな? ――――確かに大半をヤツらに封ぜられたとはいえ、お前達如きに遅れはとらぬ クカカカカ―――と再び哄笑が響き、闇の混沌の中に真っ赤に燃える三つの眸が現われた。 ――――ほう、あそこへ逃げ込んだか ――――まあいい。大人しくしているぶんには金色の御方も何も言わぬ ――――だが! 三つの眸の輝きが激しさを増した。 ――――再び事を起こすようであれば その瞬間、嘲りの笑いとともに凄まじい瘴気が吹き荒れ、あたりを蹂躙していった。 クカカ クカ クカカカカカカカカカカ 漆黒の夜闇が塗りつぶす険しい山間の森を、ひとつの影が駆けていた。 時折何かを確認するように、顔を後ろに向けていたが、それでも速度を落とさずに走り抜けていた。 「・・・・・・・引き離したか?」 呟き、足を止めたが、そのとき―――― 「!?」 闇という水底から浮かび上がってくるように、別の影が疾風の如く現われた。 「くっ!?」 剣を構えるが、それより早く貫手が襲い掛かった。 身を捻り、胴への攻撃を避けるが、左腕にかすった貫手はそのまま肉を抉った。 そのとき、薄く月明かりが差し込め、剣を握る男の姿と、対峙するふたりの男女の姿を弱々しく照らし出した。 剣を握る男の姿は普通の人間とは異なり、岩のような肌を持っていた。 その男に対するものは、黒のロングコートを纏った、禍々しい空気を宿した男と、貴婦人のようないでたちの、長煙管を咥えた女であった。 「奴らの追手か・・・・・・・・」 男が呟いた時、ふたりの男女の遥か後ろにもうひとつ、黒尽くめの影が現われたのを見た。 その瞬間、男は絶句した。 「なっ!?お、お前は――――あのとき――――」 その言葉に、影はからかうような笑みが浮かんだように見えた。 「くっ!バーストロンド!!」 男が魔法を唱えるや、すさまじい爆煙と土煙が巻き起こった。 土煙が晴れると男の姿は何処にもなかった。 相手にダメージを与えるためではなく、かく乱のためのものだったのだ。 ふたつの影はひとつ息をつくと、再び闇の中を風の如く駆け出した。 「まさか、あいつまで―――――」 傷の手当てをしながら、男――ゼルガディスは呟いた。 「奴らに加えて、あいつまで向こうにいては勝ち目はない・・・・・・・なんとか逃げ延びないとな・・・・・・・」 そして懐にある包みに手をやる。 「こいつは思った以上にヤバイ代物らしいな・・・・・・」 「ふふ、好奇心猫を殺す――」 瞬時に身を起こし、剣を構えると、先程の男女が目の前に立っていた。 ゴキリと指を鳴らし、フーッと紫煙を吐き出す。 「くそ!」 ゼルガディスが剣を揮うと同時に襲い掛かった。 「ネズミはどうした?」 闇の奥から声がした。 続いて、神官のような服装の男と、黒塗りの櫃を背負った黒尽くめの男が現われた。 黒コートの男が崖を指差す。その下からは激流の音が聞こえてくる。 「ま、あの御仁がそれくらいではくたばらないとは思いますがね」 黒尽くめの男が笑った。 「知っているのか?」 「以前、とある一件でご一緒したことがあるんでございますよ」 「ほう・・・・・・・・・で、例の物はどうした?」 そう言うと、黒コートの男はゼルガディスが持っていた包みを取り出した。 男は包みを受け取ると、それを解いた。 中からは古びた装丁の一冊の本が現われた。 「ほほう、それが――――」 「『クハヤの儀式』・・・・・・間違いないな」 男はひとつ笑みを浮かべ、その本を懐にしまった。 「では、やつがれはこのへんで――――」 「行くのか?」 「やつがれの仕事は終わりましたものでございますから」 そう言うと、黒尽くめの男はふたりの男女を引き連れて、闇の奥へと消えていった。 しばらくその後を見送っていた男だったが、やがて「始末しておけ」と一言言うと、踵を返し森の奥へと消えていった。 ************************************* とりあえず導入編でした。 相変わらず、ゼルガディス受難ですが(笑) あせらずじっくり腰を据えて書いていくつもりです。 時間がかかってくるでしょうが・・・・・ それではまた次回 |
30472 | まず真っ先に受難に遭う男……(^_^;) | エモーション E-mail | 2004/7/26 23:37:31 |
記事番号30468へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 さっそくの「竜剣抄」ラストのあのお方(汗)絡みのお話ですね。 そして真っ先に受難に遭うのは……やはり彼(笑) 相変わらず不運が似合う人です、ほんと。 本人、認めたくないでしょうけれど、「呼ばなくてもトラブルがやって来る」点では、 リナと同じかもしれないですね。 > ――――ほう、あそこへ逃げ込んだか > ――――まあいい。大人しくしているぶんには金色の御方も何も言わぬ > ――――だが! > >三つの眸の輝きが激しさを増した。 > > ――――再び事を起こすようであれば > >その瞬間、嘲りの笑いとともに凄まじい瘴気が吹き荒れ、あたりを蹂躙していった。 この辺りは、遙か昔。ほんとーに気が遠くなるほど昔、のことなのでしょうね。 ……ま、まあ、L様やナイの方にはちょっと前のことでしか、ないのでしょうけれど。 何にせよ、ナイの方たちと事を構えたような存在(もの)が、リナ達の世界へ 来訪したのですね。 そして分かっていても、おとなしくしていればスルーする辺りは、 L様の度量というものでしょうか。(そのとばっちり食うのは部下だけど) >闇という水底から浮かび上がってくるように、別の影が疾風の如く現われた。 >「くっ!?」 >剣を構えるが、それより早く貫手が襲い掛かった。 >身を捻り、胴への攻撃を避けるが、左腕にかすった貫手はそのまま肉を抉った。 のっけから戦闘ですね。ひたすら緊迫した状況です。 >その男に対するものは、黒のロングコートを纏った、禍々しい空気を宿した男と、貴婦人のようないでたちの、長煙管を咥えた女であった。 >「奴らの追手か・・・・・・・・」 >男が呟いた時、ふたりの男女の遥か後ろにもうひとつ、黒尽くめの影が現われたのを見た。 さっそく登場ですね。今回ゼルを追いつめているのは、最強カードのお二人。 そして現れた黒子……。やはり何事もなかったように戻ってきましたか(笑) お久しぶりです、ジゴマさん♪ これはゼルも驚きますね。 >「まさか、あいつまで―――――」 >傷の手当てをしながら、男――ゼルガディスは呟いた。 >「奴らに加えて、あいつまで向こうにいては勝ち目はない・・・・・・・なんとか逃げ延びないとな・・・・・・・」 さすがに、良く分かってます、ゼル。でもいきなりロペティさんたちが 追っ手になっている辺り、ジゴマさんは結構ゼルを高評価していますね。 >「ネズミはどうした?」 >闇の奥から声がした。 >続いて、神官のような服装の男と、黒塗りの櫃を背負った黒尽くめの男が現われた。 >黒コートの男が崖を指差す。その下からは激流の音が聞こえてくる。 ……もしかして、どこからか「いただいて」来ちゃったんですか、ゼル? それもかなり厄介そうな代物を……。(^_^;) 激流に流されたゼル。どこへ流れ着くのでしょう……。 タイタスさんが拾って来たりして(笑)あるいはレンドールさんが釣り上げる(笑) ……何故でしょう? どっちにしても不運に思えるのは(笑) >そう言うと、黒コートの男はゼルガディスが持っていた包みを取り出した。 >男は包みを受け取ると、それを解いた。 >中からは古びた装丁の一冊の本が現われた。 >「ほほう、それが――――」 >「『クハヤの儀式』・・・・・・間違いないな」 >男はひとつ笑みを浮かべ、その本を懐にしまった。 騒動の元凶の本……。 ナイの方が動き出す、というだけで充分ヤバすぎ通り越している代物なのでしょうけれど、 いったいどんなことが起きてしまうのでしょう。 >「やつがれの仕事は終わりましたものでございますから」 >そう言うと、黒尽くめの男はふたりの男女を引き連れて、闇の奥へと消えていった。 >しばらくその後を見送っていた男だったが、やがて「始末しておけ」と一言言うと、踵を返し森の奥へと消えていった。 あくまでビジネスライクに行動するジゴマさん。契約がこれで終わりな点は、 ゼルにとってラッキーだったのかも。 そして神官は当然知らないから仕方ないのでしょうけれど……始末出来たら、 苦労しないですよね、彼は(笑) 何にせよ、これでジゴマさんを敵に回したかも。 >とりあえず導入編でした。 >相変わらず、ゼルガディス受難ですが(笑) >あせらずじっくり腰を据えて書いていくつもりです。 >時間がかかってくるでしょうが・・・・・ >それではまた次回 導入編でさっそく愉快犯な御方が再登場(笑)本当に彼の正体も謎ですね。 ゼルガディス受難の場面を読んでいて、ふと「ルナとタイタスさんが『うふふ、あはは』な バカップル状態で、リナが現実逃避していたのと同じ時期だったのかなあ」とか思ったら、 余計にゼルが不憫になりました。 「ゴーメンガースト」全3巻読み終えました。半分病床のピーク氏が、 譫言で話した言葉を何とか纏めて話にしたからか、3巻はちょっとあらすじっぽくて、 作者の責任ではないので仕方がないことなのですが、1巻、2巻に比べると やはり物足りないです。 お元気なら3巻の内容も1巻、2巻と同様に密度のある内容になったのでしょうし、 3巻を踏まえて4巻では、「ゴーメンガースト」の謎を解き明かす形にするはずだったのが、 容易に推測出来るので、つくづく完成前に亡くなったのが残念です。 さて、厄介そうな上にレベルの違う愉快犯まで絡んできそうなこのお話。 じっくり書いていってくださいませ。楽しみにしています。 それでは、今日はこの辺で失礼します。 |
30473 | はじまりました | 棒太郎 | 2004/7/27 22:34:41 |
記事番号30472へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >さっそくの「竜剣抄」ラストのあのお方(汗)絡みのお話ですね。 >そして真っ先に受難に遭うのは……やはり彼(笑) >相変わらず不運が似合う人です、ほんと。 >本人、認めたくないでしょうけれど、「呼ばなくてもトラブルがやって来る」点では、 >リナと同じかもしれないですね。 こんばんは、エモーションさん。 ついに始まりました。まだオープニングですが、あのお方も出る予定です。 そしてやっぱりゼルはこーゆー目に遭います(笑) >>三つの眸の輝きが激しさを増した。 >> >> ――――再び事を起こすようであれば >> >>その瞬間、嘲りの笑いとともに凄まじい瘴気が吹き荒れ、あたりを蹂躙していった。 > >この辺りは、遙か昔。ほんとーに気が遠くなるほど昔、のことなのでしょうね。 >……ま、まあ、L様やナイの方にはちょっと前のことでしか、ないのでしょうけれど。 >何にせよ、ナイの方たちと事を構えたような存在(もの)が、リナ達の世界へ >来訪したのですね。 >そして分かっていても、おとなしくしていればスルーする辺りは、 >L様の度量というものでしょうか。(そのとばっちり食うのは部下だけど) 彼らが封じられた直後あたりのところですから。彼らの感覚ではほんとにそんな感じでしょう。 L様にはL様の考えがあるのでしょうが、まあ度量が広いというのもひとつありますね。 >>闇という水底から浮かび上がってくるように、別の影が疾風の如く現われた。 >>「くっ!?」 >>剣を構えるが、それより早く貫手が襲い掛かった。 >>身を捻り、胴への攻撃を避けるが、左腕にかすった貫手はそのまま肉を抉った。 > >のっけから戦闘ですね。ひたすら緊迫した状況です。 オープニングのつかみをしっかりしておきませんと(笑) >>男が呟いた時、ふたりの男女の遥か後ろにもうひとつ、黒尽くめの影が現われたのを見た。 > >さっそく登場ですね。今回ゼルを追いつめているのは、最強カードのお二人。 >そして現れた黒子……。やはり何事もなかったように戻ってきましたか(笑) >お久しぶりです、ジゴマさん♪ これはゼルも驚きますね。 はい、出てきました(笑) 今回はそんなにひっちゃかめっちゃかしない予定ですが。 >>「奴らに加えて、あいつまで向こうにいては勝ち目はない・・・・・・・なんとか逃げ延びないとな・・・・・・・」 > >さすがに、良く分かってます、ゼル。でもいきなりロペティさんたちが >追っ手になっている辺り、ジゴマさんは結構ゼルを高評価していますね。 あの一件で、敵に回したらとてつもなく厄介だと思い知らされましたからね。 >>続いて、神官のような服装の男と、黒塗りの櫃を背負った黒尽くめの男が現われた。 >>黒コートの男が崖を指差す。その下からは激流の音が聞こえてくる。 > >……もしかして、どこからか「いただいて」来ちゃったんですか、ゼル? >それもかなり厄介そうな代物を……。(^_^;) >激流に流されたゼル。どこへ流れ着くのでしょう……。 >タイタスさんが拾って来たりして(笑)あるいはレンドールさんが釣り上げる(笑) >……何故でしょう? どっちにしても不運に思えるのは(笑) 何故ゼルがこんなことになったのか―――というのも後ほど書いていきます。 今回、タイタスはちょいとお休みの予定です。 >>「『クハヤの儀式』・・・・・・間違いないな」 >>男はひとつ笑みを浮かべ、その本を懐にしまった。 > >騒動の元凶の本……。 >ナイの方が動き出す、というだけで充分ヤバすぎ通り越している代物なのでしょうけれど、 >いったいどんなことが起きてしまうのでしょう。 騒動の原因のひとつですね。 今回は魔道書、厳密に言えばそこに記されている智識がポイントです。 まだあと何冊か出てきます。 >>「やつがれの仕事は終わりましたものでございますから」 >>そう言うと、黒尽くめの男はふたりの男女を引き連れて、闇の奥へと消えていった。 >>しばらくその後を見送っていた男だったが、やがて「始末しておけ」と一言言うと、踵を返し森の奥へと消えていった。 > >あくまでビジネスライクに行動するジゴマさん。契約がこれで終わりな点は、 >ゼルにとってラッキーだったのかも。 >そして神官は当然知らないから仕方ないのでしょうけれど……始末出来たら、 >苦労しないですよね、彼は(笑) >何にせよ、これでジゴマさんを敵に回したかも。 愉快犯な彼ですから、本当にビジネスライクな行動なのか怪しいところですが。 確かに、簡単に始末されるようならあそこまではちゃめちゃしませんね(笑) >>とりあえず導入編でした。 >>相変わらず、ゼルガディス受難ですが(笑) >>あせらずじっくり腰を据えて書いていくつもりです。 >>時間がかかってくるでしょうが・・・・・ >>それではまた次回 > >導入編でさっそく愉快犯な御方が再登場(笑)本当に彼の正体も謎ですね。 >ゼルガディス受難の場面を読んでいて、ふと「ルナとタイタスさんが『うふふ、あはは』な >バカップル状態で、リナが現実逃避していたのと同じ時期だったのかなあ」とか思ったら、 >余計にゼルが不憫になりました。 彼の正体はこれからも明かされないかも・・・・・・・・ 「謎のままのほうがこいつらしいし」と私が思ってますから。 時期的にはその状態の少し後ぐらいですかね。相変わらずのバカップル状態だと思いますが。 >「ゴーメンガースト」全3巻読み終えました。半分病床のピーク氏が、 >譫言で話した言葉を何とか纏めて話にしたからか、3巻はちょっとあらすじっぽくて、 >作者の責任ではないので仕方がないことなのですが、1巻、2巻に比べると >やはり物足りないです。 >お元気なら3巻の内容も1巻、2巻と同様に密度のある内容になったのでしょうし、 >3巻を踏まえて4巻では、「ゴーメンガースト」の謎を解き明かす形にするはずだったのが、 >容易に推測出来るので、つくづく完成前に亡くなったのが残念です。 私も書評で、次(4巻から)ゴーメンガーストの謎が解き明かされる、というところで作者が亡くなったというのを見ました。 こうなるとBBCのドラマがどういう風にまとめたのかが気になりますね。 >さて、厄介そうな上にレベルの違う愉快犯まで絡んできそうなこのお話。 >じっくり書いていってくださいませ。楽しみにしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。 今回もいろいろとキャラが出てくる予定です。 とりあえず久々の4人パーティーで、あと”這い寄る混沌”も。 敵側数人と、ゴーメンガーストの住人も予定してます(フーじいさんは今回お休み予定) それでは、どうもありがとうございました。 |
30488 | 闇黒の断章 「神託にあらわれたもの」−前− | 棒太郎 | 2004/8/5 12:09:10 |
記事番号30468へのコメント こんにちは、棒太郎です。 間が空きましたが、続きです。 今回は長くなりそうです。 それではどうぞ。 ************************************* 『闇の断章』 「神託にあらわれたもの」−前− その日、インバース家に珍しい訪問者がやって来た。 朝から表がなにやら騒がしいと、リナが覗いて見ると、そこには正装をした騎士たちと、なにやら特使らしい格好をした男が玄関前に立っていた。 その対面では、祖父ベルベインがメンドくさそうな表情を隠そうともせず、椅子に腰掛けていた。 いきなり大噴火にならなきゃいいけどな〜〜―――と思いながら、リナはその様子を見守っていた。 「―――――悪いが、ルナはここしばらく出掛けている。当分帰ってこねぇよ」 ベルベインがそう言うと、特使の男は顔を顰めた。 「これは女王陛下直々の召喚ですぞ!それを―――――」 「うっせぇな。いねぇもんはいねぇんだよ。ルナだってきちんとした用事があって出てんだ。それに今日、そっちが来るなんてことそのときに分かるか、ボケが」 心底、コイツあほか、というベルベインの言葉に、特使の男は屈辱と怒りに顔を赤らめる。 「キサマ!女王陛下の特使たる私に向かって―――――」 叫びかけた言葉は、突然の圧迫に押さえ込まれた。 「特使たるテメエがどうしたって?あ?」 ニッと唇の端を吊り上げて、ベルベインが言った。 首根っこを掴まれ、いわゆるネックハンギング状態にされている特使は、「ひ」という恐怖の言葉を呑み込んだ。 その光景にリナは、あちゃ〜〜〜と額に手を当てて呟いた。 しかし、先程からの特使の態度は高圧的で、見下した態度がありありと見えていたので、自業自得だとして別に止めようとはしなかった。 それは何事もないようにお茶を啜っているフィルアも同じだった。 レンドールはとある事情で、今この場にはいないが、いたとしても同じような態度であろう。 ミシミシと首にかかる力が増していく。 それは締め上げるというやさしいものではなく、首の骨をへし折るという勢いだった。 「あなた・・・・・・そこらへんでおやめになって」 と、そこへ救いの手が差し伸べられた。 インバース家最後の良心、祖母ファルネーゼであった。 愛妻のその言葉に、ベルベインは掴んでいた特使を放り投げると、また椅子に腰掛けた。 放り投げられた―――というと聞こえは良いが、実際は壁に叩きつけられた―――特使はぐったりとのびていた。 慌てて騎士たちが特使を介抱する。そこへ、 「おい」 と、ベルベインの声がかかった。 「女王陛下にお伝えしておきな。明日、俺と孫のリナが行くとな」 それを聞いて、リナはまぢで?と目を見開いた。 翌日――― 王宮の迎えの馬車に揺られながら、ベルベインとリナ、そしてベルベインの「お前さんも来い」の一言で、ガウリイも同行していた。 リナは、フィルアが用意したよそいきの立派な服に少し窮屈そうだったが、それ以上に祖父がよそいきの正装をしていることに驚いていた。 リナの記憶にある限りでは、ベルベインはいかなるときもラフな格好でいた。 あのファルネーゼですら、今回を含めてベルベインの正装姿は3回ほどしか見たことがないという。それでいて、何故か違和感は感じさせない。 何十年ぶりかのその姿を見つめていたファルネーゼは、『惚れ直したか?ファルネーゼ』というベルベインの言葉に、顔を真っ赤にして『もう・・・』と照れ隠しのように軽く叩いた。 そんな祖父母の光景にリナは、うちわを仰ぎながら彼方を虚ろに見つめていた。 王宮に到着し、いよいよ”永遠の女王”と謁見と相成った。 これまで王族とも会ってきたリナだが、さすがに自国の統治者には緊張するのか、やや表情が硬かった。 ”永遠の女王”の参上を告げる声が響き、あたりは緊張に包まれた。 ベルベインたちの前にある玉座に、ひとりの女性が現われ、腰を降ろした。 美しいブロンドの髪をたなびかせ、気品と威厳に溢れるその姿。 その緊張の渦の中を、ベルベインは何事もないように一歩前に出た。 「偉大なる”永遠の女王”陛下のご尊顔を拝し賜り、恐悦至極にございます。ベルベイン=インバース及び、リナ=インバース、ガウリイ=ガブリエフ、女王陛下の御前にまかりこしましてございます」 ベルベインの口から流暢に参上の言が述べられた。 一流の教養人のような祖父の礼法に、リナはまたまた驚いてしまった。 それは周りのほとんどの家臣たちも同じだった。彼らはベルベインを粗野な野蛮人と見なしていたからだ。 「大義である。ベルベイン=インバース。此度の召喚については部屋を用意してあるので、そちらにて述べるとする。この者たちを案内してやれ」 リナたちは侍従に案内され、別室へと入っていった。 部屋に入り、扉が閉められるや、 「―――ったく、こういうのは肩凝っていけねぇや」 先程の姿はなんだったのかというくらいに、いつものベルベインに戻った。 「あ〜〜、けどあたしは緊張したな〜〜。王族のひとと会うのは慣れてたけど」 「俺は別になんともなかったけどなぁ」 「あんたは脳みそクラゲだからでしょ。その無神経さが羨ましいわ」 祖父につられて、伸びをするリナ。 「ま、話聞いてさっさと帰るとするか」 まるで我が家のように椅子に腰掛けるベルベインに、後ろの扉からクスクスと笑い声が聞こえてきた。 「相変わらずですね、おじ様」 振り返るとそこに”永遠の女王”が立っていた。 「いっ!?」 慌てて居ずまいを正すリナだったが、ベルベインはまるで友人にあったかのように「よう」と手を上げた。 「元気そうだな、エスティーナ。ルナはちぃと留守にしててな。一体何のようだ?」 「ええ、実は用があるのは私ではないのです」 少し申し訳なさそうに、”永遠の女王”エスティーナは言った。 「?そんじゃ誰が・・・・・・・・・・まさか――――」 ベルベインが何か思い当たったとき、 「はぁい、ベルさん。お久しぶりぃ♪」 陽気な声を上げながら、ひとりの女性が入ってきた。 「やっぱりテメェか!!フローディア!!」 「あん、もう。久しぶりだってのに、そんな怖い顔しないでよぅ♪」 現われた女性の名前を聞き、リナは驚きの表情を浮かべた。 「フ、フローディアって・・・・もしかして・・・・・・」 「ええ、そうよ。リナちゃん。先代”永遠の女王”、フローディア=アレクサンドラ=ド・マリーニよ」 驚きが麻痺してしまって、エスティーナの言葉にもただ「へぇ」と答えるのみだった。 「えっとぉ、まだあのときのこと怒ってるのぅ?」 「ったりめぇだ!!テメェのせいであやうく離婚寸前までいったんだぞ!!」 「い、いや〜〜、あはははぁ・・・・・・・もう、とりあえず時効ってことで――――」 「俺は一生忘れん!!」 「ええ〜、そんな〜〜〜〜」 祖父と先代女王のある意味漫才のような言い合いを見ながら、リナは現女王に訊ねた。 「あの・・・・じいちゃ―――祖父と先代女王陛下とって、何かあったんですか?」 「ええ・・・・まあ、あったんだけど―――」 ぽりぽりと頬をかきながら、エスティーナは苦笑した。 「先代ね、おじ様が好きでね、アプローチしてたの」 「えっ!?」 「当時おじ様はもう結婚してらしたんだけど、『じゃあ、私、2号さん!』って言ってね。それがまあ、いろいろと誤解に誤解が重なって、離婚寸前・勘当寸前の大騒ぎになっちゃったのよ」 「はあ・・・なるほど」 「下手したら先代、首跳ね飛ばされてたわね」 ほほほと笑いながらとんでもないことを口にしたが、あり得ないとは言い切れないことだった。 「とりあえず、お茶にしましょ。まだしばらく続くと思うわ。話が出来るのはもう少しあとね」 そう言うとエスティーナはお茶とお菓子を持ってこさせ、ティータイムに入るのであった。 「このとーり、深〜〜〜く反省してるからもう許してぇ」 「い〜〜や、テメェは懲りねぇ奴だからな。俺が許したとしてどうする?」 「改めて、私を2号さんに―――――」 「するかっつってんだろうが!!!」 「大丈夫よ、ファルネーゼさんとも仲良くやるから」 「話を聞け!お前、アレか?ストーカーか?」 「私は貴方の愛のド・レ・イ・よ♪」 「そんなもんいらん!!」 「あ〜〜ん、つれな〜〜〜〜い・・・シクシク・・・・・でも、そこもス・テ・キ」 「が〜〜〜!!しまいにゃ叩っ斬るぞ!!」 「貴方になら殺されてもいい・・・・・・・(ポ)」 「まじでイカレてんのか!テメェは!!このキ○○○(規制)」 ・ ・ ・ ・ ・ 以下、2時間ほどこのやりとりが続いたという。 その頃、インバース家では 「はっ!」 ファルネーゼが何かを察知し、包丁を止めた。 「敵・・・・敵なのね・・・・・・・・」 そう呟くと砥石を取り出し、手にしていた包丁を入念に研ぎ始めた。 ************************************* 続きでした。 とりあえず、進んでません。導入篇ですけど、進んでません。 なんかキャラが壊れてます。 壊れそうにない人まで壊れてます。 次は真面目にいきます。 それでは、また次回。 |
30500 | 天敵登場? | エモーション E-mail | 2004/8/6 23:30:28 |
記事番号30488へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 熱中症対策(?)に、アセロラ黒酢ドリンク(実在する飲料です)を飲みながら、 続きをお待ちしていました♪ でもまさか、ベルベインじーちゃんの天敵が登場するとは(笑) さすがゼフィーリアというべきでしょうか。 >「―――――悪いが、ルナはここしばらく出掛けている。当分帰ってこねぇよ」 >ベルベインがそう言うと、特使の男は顔を顰めた。 >「これは女王陛下直々の召喚ですぞ!それを―――――」 >「うっせぇな。いねぇもんはいねぇんだよ。ルナだってきちんとした用事があって出てんだ。それに今日、そっちが来るなんてことそのときに分かるか、ボケが」 これはベルベインじーちゃんの言い分の方が正しいですよね。 事前に訪問が来るのを分かっていていなくなったわけではないのですから。 >「キサマ!女王陛下の特使たる私に向かって―――――」 >叫びかけた言葉は、突然の圧迫に押さえ込まれた。 >「特使たるテメエがどうしたって?あ?」 >ニッと唇の端を吊り上げて、ベルベインが言った。 さすがベルベインじーちゃん。何か勘違いしている偉そうなおバカさんは、 こういう目にあうのですね。自業自得です。 >しかし、先程からの特使の態度は高圧的で、見下した態度がありありと見えていたので、自業自得だとして別に止めようとはしなかった。 >それは何事もないようにお茶を啜っているフィルアも同じだった。 >レンドールはとある事情で、今この場にはいないが、いたとしても同じような態度であろう。 この辺りもさすがインバース家という感じです。……私でも止めませんが。(笑) ところでレンドールさんはどちらへ。はっ、もしやルナさんに連れられ(拉致られ)て、 ゴーメンガーストへご挨拶に?! >「女王陛下にお伝えしておきな。明日、俺と孫のリナが行くとな」 >それを聞いて、リナはまぢで?と目を見開いた。 やはり止めるのファルネーゼさん。確かにインバース家の最後の良心ですね。 さて、ベルベインじーちゃんの返事に、驚くリナ。 「ルナはいない」で終わると思っていたのですね。 >リナは、フィルアが用意したよそいきの立派な服に少し窮屈そうだったが、それ以上に祖父がよそいきの正装をしていることに驚いていた。 >リナの記憶にある限りでは、ベルベインはいかなるときもラフな格好でいた。 >あのファルネーゼですら、今回を含めてベルベインの正装姿は3回ほどしか見たことがないという。それでいて、何故か違和感は感じさせない。 さすがに王宮に行くのにラフな格好はできないというより、きちんとそれが必要なときには、 TPOを弁えるのですね。そして違和感を感じさせないのもさすがです。 やはり中身がきちっとしているから「服に中身が負けない」のでしょうね。 >何十年ぶりかのその姿を見つめていたファルネーゼは、『惚れ直したか?ファルネーゼ』というベルベインの言葉に、顔を真っ赤にして『もう・・・』と照れ隠しのように軽く叩いた。 >そんな祖父母の光景にリナは、うちわを仰ぎながら彼方を虚ろに見つめていた。 ラブラブです。ベルベインじーちゃん&ファルネーゼさん。 そしてまた自己防衛本能から、違う世界へトリップするリナ。ガンバレ。 >「偉大なる”永遠の女王”陛下のご尊顔を拝し賜り、恐悦至極にございます。ベルベイン=インバース及び、リナ=インバース、ガウリイ=ガブリエフ、女王陛下の御前にまかりこしましてございます」 >ベルベインの口から流暢に参上の言が述べられた。 ついにご登場のゼフィーリア女王。比較的若い方なのでしょうか。 そしてきちんと礼をとるベルベインじーちゃん。さすがと思いつつも、 一体どこで覚えたのかなと思いました。付け焼き刃でどうにかなるものでもないですしね。 >「ま、話聞いてさっさと帰るとするか」 >まるで我が家のように椅子に腰掛けるベルベインに、後ろの扉からクスクスと笑い声が聞こえてきた。 >「相変わらずですね、おじ様」 >振り返るとそこに”永遠の女王”が立っていた。 >「いっ!?」 >慌てて居ずまいを正すリナだったが、ベルベインはまるで友人にあったかのように「よう」と手を上げた。 ファルネーゼさん絡みの事もありますので、ゼフィーリア王家とはどうしても 関わらざるを得なかったとは思いますが、どうやらかなり個人的な、そして 親しい付き合いがあるようですね。 ベルベインじーちゃんの様子を見るに、女王個人は気に入っているようですし。 >「やっぱりテメェか!!フローディア!!」 >「あん、もう。久しぶりだってのに、そんな怖い顔しないでよぅ♪」 >現われた女性の名前を聞き、リナは驚きの表情を浮かべた。 >「フ、フローディアって・・・・もしかして・・・・・・」 >「ええ、そうよ。リナちゃん。先代”永遠の女王”、フローディア=アレクサンドラ=ド・マリーニよ」 ……み、妙に軽いですね……先代女王様……。(^_^;) そしてさりげなくリナを「リナちゃん」と呼ぶ、現女王様。 彼女はリナを知っているのですね。それも「ちゃん」付けで呼ぶのが自然な年代の頃に。 リナの方は緊張があるところから、ほとんど覚えていないようですが。 >祖父と先代女王のある意味漫才のような言い合いを見ながら、リナは現女王に訊ねた。 >「あの・・・・じいちゃ―――祖父と先代女王陛下とって、何かあったんですか?」 >「ええ・・・・まあ、あったんだけど―――」 >ぽりぽりと頬をかきながら、エスティーナは苦笑した。 >「先代ね、おじ様が好きでね、アプローチしてたの」 衝撃の事実。確かに見る目のある女性なら、それは無理もないかなと思いますが。 >「当時おじ様はもう結婚してらしたんだけど、『じゃあ、私、2号さん!』って言ってね。それがまあ、いろいろと誤解に誤解が重なって、離婚寸前・勘当寸前の大騒ぎになっちゃったのよ」 >「はあ・・・なるほど」 >「下手したら先代、首跳ね飛ばされてたわね」 >ほほほと笑いながらとんでもないことを口にしたが、あり得ないとは言い切れないことだった。 なかなか凄まじいスキャンダルだったようですね(汗) また、あのラブラブ夫婦状態にもかかわらず、ファルネーゼさんにそこまでの 危機感を感じさせた方でもあったかなと思いました。 >「話を聞け!お前、アレか?ストーカーか?」 >「私は貴方の愛のド・レ・イ・よ♪」 >「そんなもんいらん!!」 >「あ〜〜ん、つれな〜〜〜〜い・・・シクシク・・・・・でも、そこもス・テ・キ」 >「が〜〜〜!!しまいにゃ叩っ斬るぞ!!」 >「貴方になら殺されてもいい・・・・・・・(ポ)」 >「まじでイカレてんのか!テメェは!!このキ○○○(規制)」 ……何だか楽しそうだと言ったら、私も斬られそうですね(苦笑) >ファルネーゼが何かを察知し、包丁を止めた。 >「敵・・・・敵なのね・・・・・・・・」 >そう呟くと砥石を取り出し、手にしていた包丁を入念に研ぎ始めた。 うわぁい……(^_^;) ファルネーゼさんが違う意味での「敵(笑)」を察知しちゃってる〜!! ああ、インバース家の最後の良心が。大丈夫なのでしょうか(滝汗) >続きでした。 >とりあえず、進んでません。導入篇ですけど、進んでません。 >なんかキャラが壊れてます。 >壊れそうにない人まで壊れてます。 >次は真面目にいきます。 >それでは、また次回。 ベルベインじーちゃんの過去の女関係(笑)に、楽しませていただきました。 ファルネーゼさん、気を確かにっ! さて、わざわざ漫才のために呼び出すわけもなく、また特使の態度にムカついてしめても、 あっさり召喚に応じる辺り、ベルベインじーちゃんは何か面倒なことが起きつつあるのを、 察しているようですね。ガウリイも連れてきていますし。 さて、次回で何が語られるのでしょうか。 それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 |
30509 | 彼の苦手(笑)とする数少ない人物のひとり | 棒太郎 | 2004/8/7 22:41:40 |
記事番号30500へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >熱中症対策(?)に、アセロラ黒酢ドリンク(実在する飲料です)を飲みながら、 >続きをお待ちしていました♪ >でもまさか、ベルベインじーちゃんの天敵が登場するとは(笑) >さすがゼフィーリアというべきでしょうか。 こんばんは、エモーションさん。 しばらくいろいろとメンドくさいことがありまして、遅くなりました。 今回はそんなに進んでませんが・・・・・・ >>「うっせぇな。いねぇもんはいねぇんだよ。ルナだってきちんとした用事があって出てんだ。それに今日、そっちが来るなんてことそのときに分かるか、ボケが」 > >これはベルベインじーちゃんの言い分の方が正しいですよね。 >事前に訪問が来るのを分かっていていなくなったわけではないのですから。 ないものねだりされてもどうしようもないですからね。 >>「キサマ!女王陛下の特使たる私に向かって―――――」 >>叫びかけた言葉は、突然の圧迫に押さえ込まれた。 >>「特使たるテメエがどうしたって?あ?」 >>ニッと唇の端を吊り上げて、ベルベインが言った。 > >さすがベルベインじーちゃん。何か勘違いしている偉そうなおバカさんは、 >こういう目にあうのですね。自業自得です。 この人の前でこんな態度をとるのは自殺行為ですからね。 >>しかし、先程からの特使の態度は高圧的で、見下した態度がありありと見えていたので、自業自得だとして別に止めようとはしなかった。 >>それは何事もないようにお茶を啜っているフィルアも同じだった。 >>レンドールはとある事情で、今この場にはいないが、いたとしても同じような態度であろう。 > >この辺りもさすがインバース家という感じです。……私でも止めませんが。(笑) >ところでレンドールさんはどちらへ。はっ、もしやルナさんに連れられ(拉致られ)て、 >ゴーメンガーストへご挨拶に?! あのじーちゃんの下で育ってきてますからね。 家族揃って容赦しません。 レンドールはまあ・・・・・そんなところですね(笑) >>「女王陛下にお伝えしておきな。明日、俺と孫のリナが行くとな」 >>それを聞いて、リナはまぢで?と目を見開いた。 > >やはり止めるのファルネーゼさん。確かにインバース家の最後の良心ですね。 >さて、ベルベインじーちゃんの返事に、驚くリナ。 >「ルナはいない」で終わると思っていたのですね。 長年一緒にいるので、染まっているところもあるでしょうが、基本的には人格者です。 >>リナの記憶にある限りでは、ベルベインはいかなるときもラフな格好でいた。 >>あのファルネーゼですら、今回を含めてベルベインの正装姿は3回ほどしか見たことがないという。それでいて、何故か違和感は感じさせない。 > >さすがに王宮に行くのにラフな格好はできないというより、きちんとそれが必要なときには、 >TPOを弁えるのですね。そして違和感を感じさせないのもさすがです。 >やはり中身がきちっとしているから「服に中身が負けない」のでしょうね。 弁えるところはきちんと弁えます。 筋を通すべきところはどこなのかということは、ちゃんと分かってます。 >>何十年ぶりかのその姿を見つめていたファルネーゼは、『惚れ直したか?ファルネーゼ』というベルベインの言葉に、顔を真っ赤にして『もう・・・』と照れ隠しのように軽く叩いた。 >>そんな祖父母の光景にリナは、うちわを仰ぎながら彼方を虚ろに見つめていた。 > >ラブラブです。ベルベインじーちゃん&ファルネーゼさん。 >そしてまた自己防衛本能から、違う世界へトリップするリナ。ガンバレ。 その炎、未だ衰えを知らず(笑) >>「偉大なる”永遠の女王”陛下のご尊顔を拝し賜り、恐悦至極にございます。ベルベイン=インバース及び、リナ=インバース、ガウリイ=ガブリエフ、女王陛下の御前にまかりこしましてございます」 >>ベルベインの口から流暢に参上の言が述べられた。 > >ついにご登場のゼフィーリア女王。比較的若い方なのでしょうか。 >そしてきちんと礼をとるベルベインじーちゃん。さすがと思いつつも、 >一体どこで覚えたのかなと思いました。付け焼き刃でどうにかなるものでもないですしね。 礼儀作法やそういった教養は、彼の母とかフーじいさんに教わりました(身体で覚えさせられたのかも知れません) >>振り返るとそこに”永遠の女王”が立っていた。 >>「いっ!?」 >>慌てて居ずまいを正すリナだったが、ベルベインはまるで友人にあったかのように「よう」と手を上げた。 > >ファルネーゼさん絡みの事もありますので、ゼフィーリア王家とはどうしても >関わらざるを得なかったとは思いますが、どうやらかなり個人的な、そして >親しい付き合いがあるようですね。 >ベルベインじーちゃんの様子を見るに、女王個人は気に入っているようですし。 ベルベインじーちゃんは特権階級は嫌いですが、人間個人として好ましい人物はそういったことで否定したりしません。 エスティーナはベルベインの御眼鏡に適う人物ということですね。 >>「フ、フローディアって・・・・もしかして・・・・・・」 >>「ええ、そうよ。リナちゃん。先代”永遠の女王”、フローディア=アレクサンドラ=ド・マリーニよ」 > >……み、妙に軽いですね……先代女王様……。(^_^;) >そしてさりげなくリナを「リナちゃん」と呼ぶ、現女王様。 >彼女はリナを知っているのですね。それも「ちゃん」付けで呼ぶのが自然な年代の頃に。 >リナの方は緊張があるところから、ほとんど覚えていないようですが。 ゼフィーリアの統治者ですから、やっぱりどこか癖のある人物でしょう(笑) エスティーナもベルベインとの付き合いもありますし、”赤の竜神の騎士”のルナの知り合いでもありますから、リナのこともよく知ってます。 >>ぽりぽりと頬をかきながら、エスティーナは苦笑した。 >>「先代ね、おじ様が好きでね、アプローチしてたの」 > >衝撃の事実。確かに見る目のある女性なら、それは無理もないかなと思いますが。 人の内面をしっかり見れる人でしたら、魅力的な男ですからね。 >>「当時おじ様はもう結婚してらしたんだけど、『じゃあ、私、2号さん!』って言ってね。それがまあ、いろいろと誤解に誤解が重なって、離婚寸前・勘当寸前の大騒ぎになっちゃったのよ」 >>「はあ・・・なるほど」 >>「下手したら先代、首跳ね飛ばされてたわね」 >>ほほほと笑いながらとんでもないことを口にしたが、あり得ないとは言い切れないことだった。 > >なかなか凄まじいスキャンダルだったようですね(汗) >また、あのラブラブ夫婦状態にもかかわらず、ファルネーゼさんにそこまでの >危機感を感じさせた方でもあったかなと思いました。 ファルネーゼのほうもいろいろと誤解してしまって、騒ぎがとんでもないところにまでいってしまいました。 >>「話を聞け!お前、アレか?ストーカーか?」 >>「私は貴方の愛のド・レ・イ・よ♪」 >>「そんなもんいらん!!」 >>「あ〜〜ん、つれな〜〜〜〜い・・・シクシク・・・・・でも、そこもス・テ・キ」 >>「が〜〜〜!!しまいにゃ叩っ斬るぞ!!」 >>「貴方になら殺されてもいい・・・・・・・(ポ)」 >>「まじでイカレてんのか!テメェは!!このキ○○○(規制)」 > >……何だか楽しそうだと言ったら、私も斬られそうですね(苦笑) 傍から見てる分には楽しいでしょうが・・・・・・口には出せませんね。 >>ファルネーゼが何かを察知し、包丁を止めた。 >>「敵・・・・敵なのね・・・・・・・・」 >>そう呟くと砥石を取り出し、手にしていた包丁を入念に研ぎ始めた。 > >うわぁい……(^_^;) >ファルネーゼさんが違う意味での「敵(笑)」を察知しちゃってる〜!! >ああ、インバース家の最後の良心が。大丈夫なのでしょうか(滝汗) 今回、一番の問題の部分(笑) 彼女のような人格者にしても、最愛の旦那様のことになると独占欲が出てしまうようです。 >>続きでした。 >>とりあえず、進んでません。導入篇ですけど、進んでません。 >>なんかキャラが壊れてます。 >>壊れそうにない人まで壊れてます。 >>次は真面目にいきます。 >>それでは、また次回。 > >ベルベインじーちゃんの過去の女関係(笑)に、楽しませていただきました。 >ファルネーゼさん、気を確かにっ! >さて、わざわざ漫才のために呼び出すわけもなく、また特使の態度にムカついてしめても、 >あっさり召喚に応じる辺り、ベルベインじーちゃんは何か面倒なことが起きつつあるのを、 >察しているようですね。ガウリイも連れてきていますし。 >さて、次回で何が語られるのでしょうか。 >それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 流石のベルベインも手を焼いてます(笑) どんなものにも天敵がある・・・・・やはり世の中というのは上手いことできてるものです(笑) 次はちゃんと進めたいと思います。 それではどうもありがとうございました。 |
30543 | 闇黒の断章 「神託にあらわれたもの」−後− | 棒太郎 | 2004/8/14 22:45:10 |
記事番号30468へのコメント こんばんは、棒太郎です。 先日、何かの食べ物に中ったらしく、腹痛に全身の発疹そして吐き気に襲われました。 久しぶりにキツイ思いをしました。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『闇黒の断章』 「神託にあらわれたもの」−後− ベルベインとフローディアの、ある意味掛け合い漫才が続くこと2時間。 ようやくその波が収まり、話ができる状況となった。 「で?いったい何の用があって呼び出した」 「だから2―――――」 同じ事を言おうとしたフローディアだったが、その瞬間ベルベインが持つティーカップが鈍い音を立てて日々が入ったのを見て、言葉を引っ込めた。 「―――こほん。実はね、今日はルナちゃんに”赤の竜神の騎士”として来て貰おうと思ってたの」 「ほう―――――なんかあったか?」 フローディアの言葉に、ベルベインの眼に鋭い光が宿る。 「まだ、なにがどうとかはよくわからないんだけど―――――」 そう言い、一枚の紙を取り出した。 それを手に取り、目を通したベルベインは、隣のリナに手渡した。 リナがその紙に目をやった。 「これは・・・・・・」 「この間、ある神殿に顕れた神託よ。それはその写し―――――ただし、その内容がすべて分かる者はいないけどね」 そこには、おそらくは古代文字の一種であろうと思われるものが記されていた。 リナも見たことがない文字だった。 「いろんな学者や研究者、魔道士協会にも協力してもらって頭捻ってるんだけど、もうさっぱり。発狂したほうがましって感じね」 やれやれと肩を竦めるフローディア。 「お前でも解らないのか?」 「五十歩百歩ね。かろうじて解った部分がこれよ」 そう言って、懐からもう一枚の紙を取り出した。 『久遠に臥し―――――怪異なる――――死す―――終焉――迎え――――』 その紙の最初にはそう記されていた。 さらにその下には、 『―――――銀の―ぎ―――――――――窮極の―――――――道たるもの――――――我、ここに――――――闇―――ちょう――――――かの―――庭―――――――我が―――――――』 「ちんぷんかんぷんだな」 あっさりと言い放つベルベインに、フローディアはもう、と膨れる。 「ここまで翻訳したんだから大したものよ。熱出して寝込んじゃった人が何人もいるんだからね」 「でもこれがどういうことに?」 リナの疑問にフローディアが待ってましたとばかりに指を立てる。 「そう、それよ!これはまだ内容はさっぱりだけどね。これから何かが起こるような気がするのよ。あのダークスターのときのようにね」 「いぃっ!?どうしてそれを!?」 「うっふふ〜〜、リナちゃん。退位しても私には色々と「耳」があるのよ」 得意気に言うフローディアであったが、 「うふふ。ほんとはルナに聞いたのよ」 隣のエスティーナがあっさりと言った。 「ああ〜〜〜ん、エスティーナぁぁ。それは言わない約束でしょ〜〜」 わざとらしくフローディアはエスティーナに泣き崩れた。 「それでルナを呼んだてわけか」 「そ、この神託は一部の神殿――ほとんどは邪教崇拝の類のもの――に現れたのよ。これは私の推測だけどね、そういったところに神託が降りたっていうより、偶々そういった魔力の力場がそれを捉えたって感じね。これにはな〜んかヤな感じがするのよね〜〜。私の第六感がビンビンにそう言ってるわ」 「ま、お前もある意味電波系だからな」 なによそれ!とベルベインの言葉に、盛大にツッコむフローディア。 「ま、とにかくまだはっきりとはわからないけど、ヤバそうな感じだけは大いにあるわ。だからルナちゃんにも調査に加わってもらおうと思ったのよ。それに気になる事件も起きてるし」 「事件?」 「ええ。セイルーンでね、おかしな事があったみたいよ」 かつての旅の仲間のいる国の名前が出てきて、リナの顔に不安げな表情が浮かんだ。 「”赤の竜神の騎士”も一応ネットワークがあるんでしょ?世界規模でヤバいことにならない内に、ってね」 「そうか・・・・・一月以内には帰ってくると思うが、詳しい日はわからねぇな。こればっかりは向こう次第だからな」 「何処に行ってるの?あれならゼフィーリア王室の文書出すけど?」 「そんなの通じねえよ」 ベルベインの笑いに、エスティーナも「何処に行かれているのですか?」と尋ねた。 「ゴーメンガーストだよ」 「ゴーメンガースト?」 「それは――――外の国なのですか?」 「ま、遠い国っつっとくわ。詳しいことはまた今度教えてやるよ」 ルナは今、ゴーメンガーストにご挨拶に行っているのであった。 あまり仰々しい作法に捉われることのないタイタスも、嫁取りに関しては無視できないことが多々あるらしい。 ついでにレンドールもフー老人にちょいと揉んでもらおうと考え、一緒に行かせたのであった。 「とはいえ、魔術は俺は専門外だからな」 「う〜〜ん、どうしようかな〜〜」 とフローディアが首を捻っている時、 「あ、あの、あたしが行きます」 リナが名乗りを上げた。 「え、まあ、リナちゃんの実力は知ってるけど・・・・・・・今まで以上にヤバいかもよ?」 「大丈夫です。いままでいろんな橋を渡ってますから。それに―――」 先程のセイルーンでの事件という言葉も気に掛かっていた。 「そうね。セイルーンのアメリア王女とは友だちだもんね。ねえベルさん―――」 「本人がヤル気なんだ。俺に止める理由はねえよ。それと―――」 と、いきなりリナの隣でこくりこくりと寝ているガウリイに踵落しを繰り出した。 「こいつもついてるから大丈夫だ」 ベルベインはニッと笑いながら、欠伸をしながら頭上で踵落しをブロックしているガウリイを指差した。 「さてさて、この舞台どうなるのかねぇ」 口元にニヤリとした笑みを浮べながら、黒装束に身を包んだ男は楽しげに呟いた。 「それにしても、俺も甘く見られたもんだ」 そう言う男の足元には、何人もの兵士の屍が倒れていた。 「ま、ちょいと様子を見させてもらうか。さすがにあれはヤバイ臭いがプンプンしやがる」 だが、言葉とは裏腹に男の表情――といっても口元しか見えていないが――は面白そうな色が浮かんでいた。 もう一度、亀裂が走ったような笑みを浮べると、男は闇の向こうへと消えて言った。 ************************************* 続きでした。 とりあえず導入篇のリナサイドでした。 次は話でも出ていたセイルーン篇でも書くと思います。 まだまだ時間は掛かりますが、よろしければ気長にお付き合いください。 それではまた次回。 |
30547 | かなりヤバ目な方からの「神託」のようで……(汗) | エモーション E-mail | 2004/8/15 23:09:43 |
記事番号30543へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 >先日、何かの食べ物に中ったらしく、腹痛に全身の発疹そして吐き気に襲われました。 >久しぶりにキツイ思いをしました。 >それでは続きをどうぞ。 た……大変でしたね(汗) 今年は異様に暑い日が続いていますから、食べ物なども傷みやすくなっていますしね。 十分ご注意&お身体ご自愛下さいませ。 >「―――こほん。実はね、今日はルナちゃんに”赤の竜神の騎士”として来て貰おうと思ってたの」 >「ほう―――――なんかあったか?」 >フローディアの言葉に、ベルベインの眼に鋭い光が宿る。 この辺りだけを見ていれば、2時間も掛け合い漫才をしていたようには見えませんね。 >「この間、ある神殿に顕れた神託よ。それはその写し―――――ただし、その内容がすべて分かる者はいないけどね」 >そこには、おそらくは古代文字の一種であろうと思われるものが記されていた。 >リナも見たことがない文字だった。 これは「言葉」ではなく「文字」で──自動書記のような形で、神託が下りたのでしょうか。 > 『久遠に臥し―――――怪異なる――――死す―――終焉――迎え――――』 > >その紙の最初にはそう記されていた。 >さらにその下には、 > > 『―――――銀の―ぎ―――――――――窮極の―――――――道たるもの――――――我、ここに――――――闇―――ちょう――――――かの―――庭―――――――我が―――――――』 > >「ちんぷんかんぷんだな」 >あっさりと言い放つベルベインに、フローディアはもう、と膨れる。 >「ここまで翻訳したんだから大したものよ。熱出して寝込んじゃった人が何人もいるんだからね」 ……これは意味が理解出来た方が、余計に発狂しそうな代物では……(^_^;) 熱出して寝込んでいる真の理由はもしや……(汗) >「そ、この神託は一部の神殿――ほとんどは邪教崇拝の類のもの――に現れたのよ。これは私の推測だけどね、そういったところに神託が降りたっていうより、偶々そういった魔力の力場がそれを捉えたって感じね。これにはな〜んかヤな感じがするのよね〜〜。私の第六感がビンビンにそう言ってるわ」 系列(?)は違っても、感応(受信?)しやすいんでしょうか。やはり(汗) >「ええ。セイルーンでね、おかしな事があったみたいよ」 >かつての旅の仲間のいる国の名前が出てきて、リナの顔に不安げな表情が浮かんだ。 >「”赤の竜神の騎士”も一応ネットワークがあるんでしょ?世界規模でヤバいことにならない内に、ってね」 ベルベインじーちゃんのデンパ(笑)発言はともかく、フローディアさんは その手の方面に敏感なのですね。 確かにこれは〃赤の竜神の騎士〃レベルじゃないと、対応はキツそうだと 判断するのは当然でしょうし。 フローディアさんやエスティーナさんが知っている〃赤の竜神の騎士〃は、 ルナだけだったのでしょうけれど、インバース家としてはヨハネスさん達と 連絡を取る手段を持っていないのでしょうか。……ベルナードさんは全力で インバース家(というよりベルベインじーちゃん)に関わるの、嫌がりそうですが。 >「ゴーメンガースト?」 >「それは――――外の国なのですか?」 >「ま、遠い国っつっとくわ。詳しいことはまた今度教えてやるよ」 >ルナは今、ゴーメンガーストにご挨拶に行っているのであった。 >あまり仰々しい作法に捉われることのないタイタスも、嫁取りに関しては無視できないことが多々あるらしい。 >ついでにレンドールもフー老人にちょいと揉んでもらおうと考え、一緒に行かせたのであった。 確かに「遠い国」のようなものですよね。ゴーメンガースト……。 そしてちゃくちゃくと結婚話が進んでいますね。ルナとレンドールさんは 結納の品と共に戻ってきそうですね♪ >「そうね。セイルーンのアメリア王女とは友だちだもんね。ねえベルさん―――」 >「本人がヤル気なんだ。俺に止める理由はねえよ。それと―――」 >と、いきなりリナの隣でこくりこくりと寝ているガウリイに踵落しを繰り出した。 >「こいつもついてるから大丈夫だ」 >ベルベインはニッと笑いながら、欠伸をしながら頭上で踵落しをブロックしているガウリイを指差した。 セイルーンで妙な事件が起きたと聞いては、さすがにリナは黙っていられませんよね。 そして眠っていても、ベルベインじーちゃんの踵落としをブロックするガウリイがさすがです。 ベルベインじーちゃんが、日々楽しくガウリイを鍛えている様子が、目に浮かぶよーです。 ベルベインじーちゃん。リナ。ガウリイの三人がとりあえずセイルーンへ 向かうのでしょうか。 >「ま、ちょいと様子を見させてもらうか。さすがにあれはヤバイ臭いがプンプンしやがる」 >だが、言葉とは裏腹に男の表情――といっても口元しか見えていないが――は面白そうな色が浮かんでいた。 >もう一度、亀裂が走ったような笑みを浮べると、男は闇の向こうへと消えて言った。 ジゴマさんから見てもヤバイ臭いがプンプン……。 ま、まああのお方が絡んでくるような代物ですしね(汗) それでもやはり楽しそうなのが、ジゴマさんのジゴマさんたる由縁ですね。 >続きでした。 >とりあえず導入篇のリナサイドでした。 >次は話でも出ていたセイルーン篇でも書くと思います。 >まだまだ時間は掛かりますが、よろしければ気長にお付き合いください。 >それではまた次回。 次回はセイルーンですか。 時期的には「異邦の〜」の事件の後始末が、何とか終わったところでしょうか。 久々に会うリナとアメリア。共通の知り合いが2名いると知ったら、驚くでしょうね。 また、ゼルもそのうち合流するのでしょうね。 それでは続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 |
30557 | 大変なもの受信しちゃったよ、ってな感じです | 棒太郎 | 2004/8/16 22:37:06 |
記事番号30547へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 > >>先日、何かの食べ物に中ったらしく、腹痛に全身の発疹そして吐き気に襲われました。 >>久しぶりにキツイ思いをしました。 >>それでは続きをどうぞ。 > >た……大変でしたね(汗) >今年は異様に暑い日が続いていますから、食べ物なども傷みやすくなっていますしね。 >十分ご注意&お身体ご自愛下さいませ。 こんばんは、エモーションさん。 いやもう、かなり辛かったですよ。 食べ物だろうとは思うんですけど、原因はよくわかりませんし。 >>「―――こほん。実はね、今日はルナちゃんに”赤の竜神の騎士”として来て貰おうと思ってたの」 >>「ほう―――――なんかあったか?」 >>フローディアの言葉に、ベルベインの眼に鋭い光が宿る。 > >この辺りだけを見ていれば、2時間も掛け合い漫才をしていたようには見えませんね。 そうですね。このあたりだけでしたら(笑) >>そこには、おそらくは古代文字の一種であろうと思われるものが記されていた。 >>リナも見たことがない文字だった。 > >これは「言葉」ではなく「文字」で──自動書記のような形で、神託が下りたのでしょうか。 そんな感じですね。ビビッと電波を傍受してしまって書き留めてしまったものです。 >>「ちんぷんかんぷんだな」 >>あっさりと言い放つベルベインに、フローディアはもう、と膨れる。 >>「ここまで翻訳したんだから大したものよ。熱出して寝込んじゃった人が何人もいるんだからね」 > >……これは意味が理解出来た方が、余計に発狂しそうな代物では……(^_^;) >熱出して寝込んでいる真の理由はもしや……(汗) 真に理解できる者だったらそうなるでしょうね。 ただ、この世界にはあちら側のことを知ってる者はほとんどいませんから。 >>「そ、この神託は一部の神殿――ほとんどは邪教崇拝の類のもの――に現れたのよ。これは私の推測だけどね、そういったところに神託が降りたっていうより、偶々そういった魔力の力場がそれを捉えたって感じね。これにはな〜んかヤな感じがするのよね〜〜。私の第六感がビンビンにそう言ってるわ」 > >系列(?)は違っても、感応(受信?)しやすいんでしょうか。やはり(汗) 類は友を呼ぶ――みたいな感じですね。電波が似通ってると混線してしまうようなものです。 >>「”赤の竜神の騎士”も一応ネットワークがあるんでしょ?世界規模でヤバいことにならない内に、ってね」 > >ベルベインじーちゃんのデンパ(笑)発言はともかく、フローディアさんは >その手の方面に敏感なのですね。 >確かにこれは〃赤の竜神の騎士〃レベルじゃないと、対応はキツそうだと >判断するのは当然でしょうし。 >フローディアさんやエスティーナさんが知っている〃赤の竜神の騎士〃は、 >ルナだけだったのでしょうけれど、インバース家としてはヨハネスさん達と >連絡を取る手段を持っていないのでしょうか。……ベルナードさんは全力で >インバース家(というよりベルベインじーちゃん)に関わるの、嫌がりそうですが。 直感とか洞察力が優れていますからね、彼女は。 ルナがいれば、ヨハネス達と連絡も取れますが、お察しの通りベルナードは嫌がるでしょう(笑) >>ルナは今、ゴーメンガーストにご挨拶に行っているのであった。 >>あまり仰々しい作法に捉われることのないタイタスも、嫁取りに関しては無視できないことが多々あるらしい。 >>ついでにレンドールもフー老人にちょいと揉んでもらおうと考え、一緒に行かせたのであった。 > >確かに「遠い国」のようなものですよね。ゴーメンガースト……。 >そしてちゃくちゃくと結婚話が進んでいますね。ルナとレンドールさんは >結納の品と共に戻ってきそうですね♪ ええ、タイタスが着実に進めています。結婚話。 嫁の実家への挨拶は済んでますし(笑) >>「こいつもついてるから大丈夫だ」 >>ベルベインはニッと笑いながら、欠伸をしながら頭上で踵落しをブロックしているガウリイを指差した。 > >セイルーンで妙な事件が起きたと聞いては、さすがにリナは黙っていられませんよね。 >そして眠っていても、ベルベインじーちゃんの踵落としをブロックするガウリイがさすがです。 >ベルベインじーちゃんが、日々楽しくガウリイを鍛えている様子が、目に浮かぶよーです。 >ベルベインじーちゃん。リナ。ガウリイの三人がとりあえずセイルーンへ >向かうのでしょうか。 ベルベインの老後の楽しみがまたひとつ増えてます(笑) とりあえず、セイルーンへはリナとガウリイが向かうことになると思います。 じーちゃんはお留守番の予定で・・・・・・ >>「ま、ちょいと様子を見させてもらうか。さすがにあれはヤバイ臭いがプンプンしやがる」 >>だが、言葉とは裏腹に男の表情――といっても口元しか見えていないが――は面白そうな色が浮かんでいた。 >>もう一度、亀裂が走ったような笑みを浮べると、男は闇の向こうへと消えて言った。 > >ジゴマさんから見てもヤバイ臭いがプンプン……。 >ま、まああのお方が絡んでくるような代物ですしね(汗) >それでもやはり楽しそうなのが、ジゴマさんのジゴマさんたる由縁ですね。 ”這い寄る混沌”まで絡んできますから、ヤバさは桁違いです。 ま、ジゴマも愉快犯ですからね。火遊びは危険なほど面白い、みたいな。 >>続きでした。 >>とりあえず導入篇のリナサイドでした。 >>次は話でも出ていたセイルーン篇でも書くと思います。 >>まだまだ時間は掛かりますが、よろしければ気長にお付き合いください。 >>それではまた次回。 > >次回はセイルーンですか。 >時期的には「異邦の〜」の事件の後始末が、何とか終わったところでしょうか。 >久々に会うリナとアメリア。共通の知り合いが2名いると知ったら、驚くでしょうね。 >また、ゼルもそのうち合流するのでしょうね。 >それでは続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 時間的には『異邦の〜』の後ですね。 共通の知り合い(笑)ひとりは身内にあるかもしれないですしね。 もうひとりは、リナとゼルは考えたくもないでしょうが。 それでは、どうもありがとうございました。 |