◆−モリガナの魔王修行 5 父の職業名は?−桜月 梓 (2004/8/6 22:00:59) No.30499
 ┗モリガナの魔王修行 6 姉の手紙と、待ち人達−桜月 梓 (2004/8/13 14:32:05) No.30539


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30499モリガナの魔王修行 5 父の職業名は?桜月 梓 2004/8/6 22:00:59




梓:どーも(今の時点では)こんにちは。
  ・・・めちゃくちゃ久しぶりに更新する事になりましたねー・・・これ。
  過去ログでも中ほどに落ちちゃいましたし(汗)
  ではあらすじなど。

  父の後を継いで立派な魔王になるため、叔父であるルビーアイの元へ修行をしに来たモリガナ。
  叔父の部下の部下であるゼロスがモリガナの案内をする事になり、2人は叔父を倒したリナ達の所へ向かう。
  行き着いた先はセイルーン。
  そこの食堂で昼飯戦争をしていたリナとガウリイにモリガナは絶句。
  ゼロスに気がついたリナは容赦なく呪文勃発。モリガナは卵焼きを死守するために素手でそれを払う。
  半壊した食堂に「この騒ぎは何事か」と乗り込んできたのはご存じアメリア姫。
  そしてゼロスが食堂を直してから一同はセイルーン城へ。

  っていう所ですかね。
  それでは久々の「5・父の職業名は?」更新です。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――






















 「そういえばモリガナさんはどうしてゼロスさんと一緒なんですか?」


 「へ?」











 ふとしたアメリアの問いに、出された紅茶を飲んでいたモリガナに代わってゼロスが素っ頓狂に似た声を上げた。

 そういえば、とクッキーをほおばっていたガウリイとようやく冷静になったリナも2人を見る。

 何となく隣同士に座っていたモリガナとゼロスは顔を見合わせる。

 “魔王修行に来ました。”

 本意でなくとも魔王を倒したリナ達の目の前で、そんな事はまさかでも言えないだろう。


 「僕はですね、モリガナさんの案内役なんですよ」


 「案内役ぅ?あんたが?」


 にっこりとゼロスが笑って言うと、リナが不信そうな顔で見やる。


 「実はモリガナさんのお父様は有名なお仕事の上司をしていらっしゃったんですが引退したそうなんです。
  それで、娘のモリガナさんがその後を継ぐために修行しにここに来たんですよ。
  たまたま暇していた僕にここの案内役を頼まれまして・・・・・・今にいたるというワケです」


 嘘は言っていない、そして本当の事も言っていない。

 ゼロスお得意の喋り方である。

 それに気がついたモリガナもリナ達に向かってこくこくと大きく頷いた。


 「有名なお仕事って?」


 「はい?それはもちろん、まぉ・・・・・・・・・・。」









 時が止まる。

 いや、止まったかのように見えた。







 そのまま言葉を続けようとしたモリガナはカップをテーブルに置こうとした手が硬直し

 隣のゼロスはにこにこと笑っていた口はしが微妙に引きつり

 リナとガウリイとアメリアは、首を傾げながらモリガナの言葉の続きを待っている。





 ま・・・ 





 ま・・・





 ま・・・





 ま・・・





 「ま―――ま―――・・・・・・・・・・・・・・“魔道士協会違法対策郡本部事務所”の所長ですっ!!」

 「秤スそれ?!!」










 モリガナの叫んだ職業名にリナが電光石火のごとく突っ込む。

 いきなりの事にゼロスも口を開けたままになっている。


 「わっ、私の郷里にある威厳と誇りを持つ、たっ、大切なえぇそりゃもう大事なお仕事なんです!
  魔道士協会は時に違法な行為をするじゃないですか。
  えぇと浮気の腹いせにローブを盗んだり評判の悪い魔道士さんを鍛えるために
  何だかかなり無駄っぽい教育委員もどきさんを送ったりして!!」


 「・・・それは違法行為って言うよりも・・・」


 珍しくガウリイがポツリと呟く。

 が、誰もが嘘だと思うような例えは、何故かリナは身に覚えがありまくったりした。

 しかもその両方ともに良い思い出などない。

 ぴぴくぴくっと震えた肩が全てを物語っていると言えよう。


 「そんな糸の切れた凧のような違法行為をですね、その、お父様は世間様のご迷惑にならないようにしていたんです。
  取り締まるというか束ねるというか。そんなお父様を慕い、私を応援してくれている
  ヤスさんとサブさんのタメにも、私は、あの、えぇっとですね・・・」


 ついつい勢いで言ってしまった職業名にモリガナ自身、何を言っているか分からなくなってきた。

 それを見たゼロスが、ぽかんとした口を一度閉じてからフォローしようとすると

 がしぃっ!!

 と、アメリアが無言でモリガナの両手を握った。


 「素晴らしいですっ!!」


 「・・・・・・・・あ・・・・・・・え・・・・・は?」


 アメリアのきらきらと輝いた瞳と笑顔にモリガナは困惑する。

 リナは呆れたように頭に手をやっている。


 「素晴らしいです!!私感動しました!!世の中にそんな素敵な職業があるなんて知りませんでした!!」


 実際そんな職業はないが。

 しかしアメリアはエキサイトしていて他が見えていないようだ。


 「魔道士協会の違法を取り締まり、悪事の芽を摘み取る!!これぞまさに正義ですっ!!
  モリガナさん、私もモリガナさんの事を精一杯応援しますね!!
  一緒にこの世の悪を滅ぼしましょうっ!!」


 「はぁ・・・・・・・」


 もはやなんと言っていいか分からず、モリガナは曖昧に答えた。

 この場でアメリアを止められるのは、リナか、もしくはとある男性なのだが。

 リナは久しぶりに見たアメリアの迫力に気力を失い。

 とある男性は当てがない旅の真最中でここにはいない。

 ゼロスはゼロスで生の賛歌を歌われては適わないと思い。

 ガウリイはすでに居眠りしている。















 モリガナの魔王修行はまだまだ続く














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梓:書いている途中で買い物行ったり迎えに行ったり本読んだりで
  何故かこんな時間に仕上げとなってしまいました(汗)
  しかもまだ続くかって感じです。
  更新はやはり遅れ気味でしょうが、もう少しお付き合いくださいませ。



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30539モリガナの魔王修行 6 姉の手紙と、待ち人達桜月 梓 2004/8/13 14:32:05
記事番号30499へのコメント


梓:何だか最近気持ちが落ち着かなくて、打ち込みの気力が沸きませんでした(汗
  いけませんねー、こんなことじゃ。
  なので残りの気力使って「6」書いてみる事にしました。


―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――









 かさり・・・







 「・・・あら?」







 ふとモリガナは足元に乾いた音を聞いた気がして下を見る。

 そこには1枚の紙が落ちていた。

 不思議に思いながらそれを拾って裏にしてみた。

 手紙のようだった。

 綺麗な字だったが、短く3行しか書かれていない。

 ・・・モリガナには何だか手紙というよりメモのような物にも見えたが。


 「どうしたの?モリガナ」


 ようやくアメリアを落ち着かせたリナはそんなモリガナに気がつく。

 モリガナはちらっとリナを見ると、紙を差し出す。


 「・・・あの・・・リナさん宛てみたいです」


 「あたしぃ?何?このか・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・み・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」


 確かモリガナが見た手紙(?)の内容はこんな感じだった。













 ≪ リナへ

   あんたに会いに来たのが2人来てるからすぐ帰ってきなさい。

   姉より ≫















 「行くわよゼフィーリア帰るわよゼフィーリア姉ちゃんのお仕置きを受ける前に今すぐっ!!!!!!」


 ソファを反動で倒してしまいそうな意気込みで立ち上がるリナ。

 がたがたと震える手に紙を持ち、顔はかなり青ざめている。

 きょとんとしているモリガナの横でアメリアは元気良く手を上げた。


 「じゃあ私もついていっていいですか?ゼフィーリアは一度行ってみたかったんです!」


 「えぇすぐさま行くわよ」


 きっぱり答えるリナの様子を見て、モリガナはふとゼロスに聞く。


 「あの、ゼフィーリアってどこらへんにあるんですか?」


 「えぇと・・・ここらへんですね」


 ゼロスはご丁寧にも地図を取り出してモリガナに教える。

 その場所を詳しく聞いてからモリガナは、今にも飛び出して行きそうなリナを呼び止める。

 そしてアメリアとガウリイも一緒に自分の近くに呼び寄せた。


 「一体何よ?早くしないと姉ちゃんがっ・・・!」


 焦るリナに大丈夫だと言った後、モリガナはイメージを固めて呟いた。


 「裂換」




















 ぐらりと揺れた視界。

 しかし次の瞬間には5人は『リアランサー』と書かれたレストランの前に立っていた。

 唖然とするリナ、アメリアの2人(ガウリイは絶対分かっていない)。

 何をするか最初から分かっていたのかゼロスは普通に笑っている。

 ちょうどその時、レストランのドアが開いて紫の髪をした女性が出てきた。

 ビシリ!とリナが音を立てて硬直する。

 女性は前に立つ5人を見て多少目を丸くするが、ちらりっとモリガナとゼロスを見ると1つ頷いた。


 「一応は初めましてかしらね。リナの姉のルナ=インバースよ。
  さ、入んなさい・・・きっと待ちくたびれてると思うわ」


 ルナに連れられて、びくびく歩くリナの後ろをモリガナ達もついていく。

 奥の方の席に座っていた人物が立ち上がる。

 それを見届けたルナは注文をとりに他の客の元へと行ってしまった。


 「リナさん!お久しぶりですわ!アメリアさんもガウリイさんも!!」


 「「「「フィリア(さん)?!」」」」


 金髪をサラサラとたなびかせて嬉しそうに笑う人物を見て、4人は声を上げる。

 ただ、その中の1人だけは嫌々そうだったが。


 「あら・・・?生ゴミもいたんですの?私が用があるのはリナさん達 だ け でしたのに・・・」


 「いやぁ・・・僕も ま さ か 生意気トカゲさんに会うとは思いませんでしたよ〜」


 その言葉に言い返そうとしたフィリアをルナが止めた。

 忘れているようだが、ここはレストランである。

 フィリアを無視しようとゼロスが横を向くと、これまた嫌々そうな顔をした人物と目が合った。

 つり目気味な瞳と、水色の髪から堂々とした一本の角。


 「おや・・・ヴァルガ―ヴさんじゃないですか。孵ったんですね」


 「俺もてめぇとは会いたくなかったぜ。・・・つーか、今の名前は“ヴァル”だ」


 そう言ってからヴァルはゼロスから目線を外して、がしがしと頭をかいた。

 その隣にはもう1人男性が座っていた。

 つややかな黒髪に青い瞳。

 ―――どこかで見たことがあるような。

 その人物を最初からじぃっと見つめていたアメリアがポツリと呟いた。


 「ゼ・・・・・・・・・ゼルガ・・・・・・・ディスさん・・・・・・・・・・・?」


 「久しぶりだな」


 その言葉の意味は肯定。

 ふっと微笑を浮かべる男性にアメリアの大きい瞳がもっと大きくなった。


 「ゼル?!あ、あんた、人間に戻れたの?!!」


 「あぁ、ようやくな。本当はルナさんに頼みに来たんだが、やはり無理だと言われて・・・。まさかお前の姉だとは思わなかったが(汗)
  そのよしみだと言われて図書館の禁書を少しだけ見せてくれたんだ。
  で、ちょうど俺が見つけた本にそれらしき事が書かれていてな。
  ・・・かなり高度な論理ばかりだったんで、理解するのに数週間かかったぞ・・・」


 リナ達を待っていたのは、フィリアと、ヴァルの2人。

 ルナを頼ってきたのは、ゼルガディス。

 手繰り寄せられる運命らしきものなのだが・・・関係を良く知らないモリガナにはさっぱりだった。

















 モリガナの魔王修行はどんどん続く










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梓:・・・途中でお墓参りに行ったりして、これまた時間がかかりました。
  お盆かぁ・・・夏休みももう半分いっちゃいましたね(汗)
  9月に入ったら、学校がヒートアップして忙しくなると思うので
  (いつもだけど)更新が遅れ気味になると思います・・・勉強なんて嫌いだ・・・(←そんな事言ってられない奴)