◆−アナフィラキシーショック−水無瀬 音 (2004/8/23 10:25:15) No.30621 ┣付けたし−水無瀬 音 (2004/8/23 13:44:30) No.30624 ┗ふふ、読ませていただきましたv−朱音 (2004/8/23 17:28:24) No.30629 ┗ありがとうございます(照)−水無瀬 音 (2004/8/24 11:17:52) No.30634
30621 | アナフィラキシーショック | 水無瀬 音 | 2004/8/23 10:25:15 |
雨が降る。安い宿屋は木造で、ぎしぎしと不気味な音を立てて軋む。まとわりつく ウザッたい湿気。 肌寒いような気温の中なのに、体温だけは上昇して。まるで血が逆流しているかのような 緊張。 今、自分のすぐ隣にいるのは 今、手を伸ばせば簡単に抱き寄せられるような 今、すぐ側にいるのは。 「愛してる」 「なんでよ」 掴めない距離 うめられない。 酒が入っているせいで、上手く頭が回らない。熱っぽくて たまらない。切なすぎて たまらない。 「あんたには ミリーナが居るでしょうが」 一言。突き刺さるように・・・。どこかで血が流れる。涙のように。 ぽたぽたと 水滴の落ちていく音。 「聞いてなかったのか?俺はお前を愛してる」 言葉を紡ぐしか 術のない自分。どう言えば伝わるのか わからない自分。体温は上昇する。 紅い瞳は こちらを向かない。他のところに向けられて。 俺を・・・映さない。 悲しい衝動 切ない激情。単語にしても始まらない。 手を伸ばしたい。そしたら容易く捕まえられるから。 捕縛してしまいたい。この腕で。柔らかそうな その白い肌を、思う存分に確かめたい。自分の全てで。 「あんたが欲しい」 「そのセリフ、ミリーナに言いなさいよ」 違う。俺が好きだと、愛してると囁きたいのはお前なんだ。 ふつふつと もどかしさ。 いらいらと 飢餓感。 お前はわかってない。何もかも。 「…酔ってるなら、頭冷やして来なさいよ」 警戒。否定。拒絶。その全ての信号が立つ。自分と言う”男”を目の前に。 逃げる機会をうかがって 焦る気持ちを押さえ込んで 俺の腕から逃れる術を探してる。 小動物。まさにその言葉が合う。びくびくと怯えた その瞳。男を煽る その行動。 「確かに 酔ってる。でも意識はハッキリしてる。あんたが欲しいと、俺のものにしたいと」 ほら また。怯えたように、その瞳の赤がよどむ。 警戒警戒 否定否定 拒絶拒絶 そればかり。俺を寄せ付けようとはしない。 どんなに独りでも。どんなに心細くても。 わかってないな。そんなんで逃げられると思っているあたりが。そんな頼りない 威嚇のしかたが。 「愛してる」 「…うるさい…」 「俺のもんになれ」 「…うるさい…」 「ガウリイの旦那の所へは 帰さない」 「……っ?!! うるさいうるさいうるさいうるさいうるさい!!」 「―――…逃げられるとでも、思ってんのか?」 低く唸る。あいつはびくりと身体を震わせ、立ち上がる。 この場から逃げるために。俺から逃れるために。 あいつは走り出す。扉のノブに手を掛ける。それを遮るように、ドアを制す。開かないように 力を込めながら。 そのまま抱き寄せ、自由を奪う。あいつは逃げようと必死だけれど。 ここまで来て逃がすほど、俺はお人好しじゃない。束縛を強め 耳元で囁く。 「どうした?逃げるんじゃなかったのか?」 思った以上に柔らかい肢体。華奢な身体。さらさらと 髪が心地よく頬を擦る。止められない征服感。 「離しなさいよ!!」 この状況でもまだ、その身を任せない。 それもいい。どうせ俺から逃げられることなど 有りはしないのだから。 「全部 お前が悪ぃんだよ」 お前の毒が 俺に注がれたから。じわじわと、細胞を蝕む毒を。二度目に刺された俺は 重症で 即死。 お前に狂った その日から。独占しても まだ物足りない。俺の腕から離しはしない。 「もう、拒絶させねぇぞ」 君を蝕む 俺のアナフィラキシー。 |
30624 | 付けたし | 水無瀬 音 | 2004/8/23 13:44:30 |
記事番号30621へのコメント この小説では、”アナフィラキシー”の題材を、アレルギー・拒絶反応ではなく、著しい細胞の変化のほうを指しています。 例えば、蜂に一度目に刺された後、傷口の修復部分から急速にその毒に対応する免疫細胞のデータ修正を行い始めます。 要するに、蜂なら蜂に対する毒の免疫が造られていくのですが、ここで免疫の弱い人、何らかの原因でアレルギー反応を出す人は 細胞の分裂、創作にバグ・・・間違いがおきます。毒に対して防衛壁を張るのではなく、外部の拒絶、過剰反応をおこします。 そして、その細胞の急激な拒絶反応に人間の身体がついて行けず、絶命するのです。 この小説ではアレルギー反応を完全におこす前の、細胞が毒に侵食されていく経緯のほうを使わせていただいています。 |
30629 | ふふ、読ませていただきましたv | 朱音 E-mail URL | 2004/8/23 17:28:24 |
記事番号30621へのコメント こんにちは!こちらでははじめまして、朱音(しゅおん)です。 タイトル通り読みに来ましたv >「あんたには ミリーナが居るでしょうが」 おおおおおおおっ!!ルクリナアアアアァァッ!(落ち着け 違うよリナ!ルークにはあなたしかいません!(だから↑ >違う。俺が好きだと、愛してると囁きたいのはお前なんだ。 ルークがリナに『愛してる』って言ったああぁっ!!(←言わせたこと無い人(ぇ >ふつふつと もどかしさ。 いらいらと 飢餓感。 お前はわかってない。何もかも。 リナはド鈍いですから(ぇ >小動物。まさにその言葉が合う。びくびくと怯えた その瞳。男を煽る その行動。 強いて言えば猫(余計 >「全部 お前が悪ぃんだよ」 ふふふ。なんかもう重症ですね〜(ニヤ←怪しさ大爆発 >「もう、拒絶させねぇぞ」 > >君を蝕む 俺のアナフィラキシー。 あぅ凄いです…(もうすぐ昇天←マテ ルークって独占よく結構あるかも…(半分昇天←ヤバイ ふふふ。かなり萌えましたv(お〜い… では失礼します! |
30634 | ありがとうございます(照) | 水無瀬 音 | 2004/8/24 11:17:52 |
記事番号30629へのコメント 半ば無理やりのように見せてしまってすみません(汗) 感想、凄く嬉しいですvv >こんにちは!こちらでははじめまして、朱音(しゅおん)です。 >タイトル通り読みに来ましたv 申し訳ございません(平謝り)。来てくれて感謝です。 >>「あんたには ミリーナが居るでしょうが」 >おおおおおおおっ!!ルクリナアアアアァァッ!(落ち着け >違うよリナ!ルークにはあなたしかいません!(だから↑ うわぁいvv喜んでくれましたか?嬉しいですvv >>違う。俺が好きだと、愛してると囁きたいのはお前なんだ。 >ルークがリナに『愛してる』って言ったああぁっ!!(←言わせたこと無い人(ぇ マジですか?!・・・もしかしたら、ルークにリナを愛してるって言わせたの、 私がはじめてかもしれません・・・(汗)。 >>ふつふつと もどかしさ。 いらいらと 飢餓感。 お前はわかってない。何もかも。 >リナはド鈍いですから(ぇ そしてその鈍感なところが良いんですvv(←バカ) >>小動物。まさにその言葉が合う。びくびくと怯えた その瞳。男を煽る その行動。 >強いて言えば猫(余計 まさにその通り。栗毛の赤い瞳の猫vvらぶりーvv(←気色悪いから) >>「全部 お前が悪ぃんだよ」 >ふふふ。なんかもう重症ですね〜(ニヤ←怪しさ大爆発 独占欲が強めなもの書くの好きなんですvvハイvv >>「もう、拒絶させねぇぞ」 >> >>君を蝕む 俺のアナフィラキシー。 >あぅ凄いです…(もうすぐ昇天←マテ 嬉しいです〜vv私ごときの小説で・・・感動です(喜) >ルークって独占よく結構あるかも…(半分昇天←ヤバイ >ふふふ。かなり萌えましたv(お〜い… >では失礼します! ありがとうございました! 読んでもらって嬉しいです!朱音様の小説も楽しみに読んでいますvv |