◆−影−星村さゆる (2004/10/15 23:27:31) No.30774 ┗Re:こちらこそお久しぶりです−桜月 梓 (2004/10/20 20:33:21) No.30781 ┗本当に本当にすみません!!!!!−星村さゆる (2004/11/9 23:52:25) No.30887
30774 | 影 | 星村さゆる | 2004/10/15 23:27:31 |
お久しぶりの投稿です。 >梓さん、「答え」のアメリアサイドいまだ書いてなくてごめんなさい;忘れているワケではございません!年内には(遅っ・・・)どうにかしますので、気長にお待ち頂ければ幸いです;; ・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・ 青い瞳の中にぽっかり浮かぶ影があなたを閉じ込めているようで、僕はとても不安になるのです。 ◆◇―影―◇◆ 「アメリア」 「はい?」 返ってきた返事はあまりに軽かった。 名前を呼んだまではよかったが、続く言葉が出てこない。 「どうしたんですか?」 サラリと黒髪を揺らして、俺を覗き込む。 言動はどこまでも単純で、自然で。 なのに落ち着かないのはなぜだ。 「いや、気のせいだ。悪かった」 静かに告げて、視線を逸らす。 そんな俺の前でアメリアは、そうですか、と笑った。 笑った。 笑っていた。 「・・・アメリア」 「はい?」 先を歩くアメリアが振り返る。 同時に、彼女の足元の薄い影も止まる。 風の吹く小道。 あたりに人はいない。 道の両側に並ぶ背の低い広葉樹と、野原があるだけ。 立ち止まってしまったことに、名を呼んだことに、後悔した。 どうせ何も言えないくせに。 「なんでも」 「なんでもない、っていうのはダメですよ」 そう言って、アメリアはクスリと笑う。 先に続ける言葉を止められて、口を閉じる。 と、眼下にひょっこりと大きな目が表れた。 「ゼルガディスさん、どうしたんですか?」 大きな目。 青い目。 澄んだ目。 そう、澄んでいる。 影を見つけることも困難なほど。 「さっきから、ずっと」 「ヘンです」 その声は、心配そうだった。 ・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・ 青空の中にも雨雲はあって、いつ雨の雫がこの花を折ってしまうのだろうかと考えるたび、僕は不安になるのです。 「ヘンじゃない」 目を逸らしながら答えたのは間違いだった。 「ヘンです。すっごくヘン」 「お前に言われるとムカつくな」 「どういう意味です?」 そうだ。自分はさっきからイラついている。 それは、認めなければならない事実だった。 「ヘンなのはお前だ」 「ヘンじゃないですよぅっ」 頬を膨らませて、アメリア。 そんな子供っぽい動作さえ、胸のざわめきを煽る。 『ヘンじゃない』 嘘だ。 ならどうして。 そんな壊れそうな目をするんだ。 黙りこくったままの俺の手を、アメリアが包む。 「早く行きましょう、ゼルガディスさん」 微笑を残して歩き出す。 マントが白く光った。 小さい手だ、と思った。 そうやって。 輝きの下に、影を隠してしまっている。 彼女はいつか、話してくれるだろか。 つらい思いでも、悲しい過去も。 彼女はいつか、泣いてくれるだろうか。 この胸に、小さな身体にためこんだ涙を預けてくれるだろうか。 ・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・◇・・・◆・・・ 青い瞳の中にぽっかり浮かんだ影から涙が零れ落ちるときは、きっと傍にいるよ。 悲しみが君ひとりの上に注ぐことのないように、僕は傘をさしてあげるよ。 だから今は、小さな手を握り返す。 FIN |
30781 | Re:こちらこそお久しぶりです | 桜月 梓 | 2004/10/20 20:33:21 |
記事番号30774へのコメント 梓:さゆるさん、どうもお久しぶりです。 受験シーズンにつき、夏休みからしばらく来れていなかった桜月梓です。 久々に覗いてみようかと忍び足で来てみたら(ぇ)さゆるさんの新作。 これは読まねば!!といそいそとクリックいたしましたv > >梓さん、「答え」のアメリアサイドいまだ書いてなくてごめんなさい;忘れているワケではございません!年内には(遅っ・・・)どうにかしますので、気長にお待ち頂ければ幸いです;; 梓:あの微催促ですね。というか、いきなり私の名前が出てきて驚きました(笑 いえいえ、さゆるさんのペースで焦らないでいいですよ。 もちろんゆったりと待たせてもらいますv >「いや、気のせいだ。悪かった」 >静かに告げて、視線を逸らす。 >そんな俺の前でアメリアは、そうですか、と笑った。 >笑った。 >笑っていた。 梓:NEXTでもそういう場面がありましたが、アメリアは何かのはずみで 強みを挫かれるとかなり動揺してしまいそうですよね。 いつもは、明るく元気の正義の味方だけれど身分はセイルーンの第二王女。 やはり王そこは宮内、良い出来事ばかりあったはずないと思います。 でも、フィルさんがいたからこそ大丈夫だったのでしょうね。 >「ヘンじゃない」 >目を逸らしながら答えたのは間違いだった。 >「ヘンです。すっごくヘン」 >「お前に言われるとムカつくな」 >「どういう意味です?」 梓:すみません。 結構シリアスなお話なのに・・・ここは笑ってしまいました(爆 何だか言い合ってる2人の顔が浮かんできます。 >嘘だ。 > >ならどうして。 >そんな壊れそうな目をするんだ。 > > >黙りこくったままの俺の手を、アメリアが包む。 >「早く行きましょう、ゼルガディスさん」 >微笑を残して歩き出す。 >マントが白く光った。 >小さい手だ、と思った。 > >そうやって。 >輝きの下に、影を隠してしまっている。 > > > >彼女はいつか、話してくれるだろか。 >つらい思いでも、悲しい過去も。 >彼女はいつか、泣いてくれるだろうか。 >この胸に、小さな身体にためこんだ涙を預けてくれるだろうか。 梓:アメリアは自ら暗い雰囲気になる事はしないでしょうね。 それは明るく笑っていたいからなのか。 相手が笑わなくなるのが嫌なのか。 だけれど、ゼルと出会った今のアメリアは無理矢理に隠すような事は あまりなくなったんじゃないかと私は思います。 一番信頼出来る人に出会えて、またその人も過去を捨てられなくて。 それでも時々は思い出す。 アメリアがゼルの雰囲気を分かるように、ゼルもアメリアの雰囲気が分かる。 それはお互いの心が通じ合っている証拠。 心の整理や時期が過ぎたらきっとアメリアは自分からその事を話してくれると思います。 その時はちゃんとゼルも受け止めてくれるでしょうね。 えーと、久しぶりのレスになりますので、まとまりのない文章ですみません。 ゼルやアメリアでなく私が変です・・・・何が言いたいのか分からないですね(汗 とにかくさゆるさんの小説を久々に読めて嬉しかったですv これからもさゆるさんのゼルアメ一筋なので宜しくお願いします(ぇ それではでは。 |
30887 | 本当に本当にすみません!!!!! | 星村さゆる | 2004/11/9 23:52:25 |
記事番号30781へのコメント 最初に謝ります。本っっっ当にごめんなさい!!!!!遅れたとかいうレベルではないほどご返信が遅くなってしまって・・・本当に申し訳ないです・・・。 梓さん受験生さんなのに貴重なお時間を割いてレス下さったのに、もう顔上げられません・・・(土下座) >梓:あの微催促ですね。というか、いきなり私の名前が出てきて驚きました(笑 > いえいえ、さゆるさんのペースで焦らないでいいですよ。 > もちろんゆったりと待たせてもらいますv 梓さんに気づいていただけてよかったですvvああ、なんてお優しいお言葉!!(涙っ)うう、その寛大さに見習いたいです。あなたのペースで、と言って頂けるとすごく嬉しいのです。ありがとうございます。梓さんのためにもファイトだ俺!! >梓:NEXTでもそういう場面がありましたが、アメリアは何かのはずみで > 強みを挫かれるとかなり動揺してしまいそうですよね。 > いつもは、明るく元気の正義の味方だけれど身分はセイルーンの第二王女。 > やはり王そこは宮内、良い出来事ばかりあったはずないと思います。 > でも、フィルさんがいたからこそ大丈夫だったのでしょうね。 アメリアってあまりにも庶民的なので(笑)つい忘れてしまいますが、王女なんですよね。それもセイルーンという大国の。アメリアは幼い頃、母親に関する物凄いトラウマを受けたと聞きます。その上セイルーンは、NEXTでゼルがズケズケ指摘した通り、騒動の多い国で。私はバリバリ一般市民の庶民中の庶民なんで(笑)アメリアの気持ちを解れるわけないのですが・・・でも気楽にやれるわけないですよね。「王女」なんて。それもたった15歳の少女に。 いつも明るくて元気でドジで、影なんて感じさせないアメリア。だからこそ、梓さんのおっしゃるように挫かれたときが怖い。この子の精神年齢はかなり高いと思うのですが、まだまだ未完成です。すべて制御できるなんて、機械でできてないと無理ですよ。 アメリアって、すっごく我慢してるんじゃないかな、って思うんです。王女としての責任とか、私がしっかりしなくちゃ、ちゃんとやっていけるかな、やっていかなくちゃいけないんだ・・・とか。不安も大きいでしょうし。それに、この子は「ヒーロー」に憧れてます。「正義のヒーローは弱みを見せたりしちゃダメなんだ」とか無意識のうちに思ってしまっているのかも知れません。だから、知らず知らずのうちに我慢したものや不安が溜まっていって、それがふとした弾みに飛び出してしまうのでしょうか・・・。 王宮にフィルさんがいてくれるのが救いですよね。孤独じゃなくてよかった。 >>「ヘンじゃない」 >>目を逸らしながら答えたのは間違いだった。 >>「ヘンです。すっごくヘン」 >>「お前に言われるとムカつくな」 >>「どういう意味です?」 > >梓:すみません。 > 結構シリアスなお話なのに・・・ここは笑ってしまいました(爆 > 何だか言い合ってる2人の顔が浮かんできます。 ああ、ヨカッタですvシリアスな合間にほのぼの(・・・なのか?)をはさむのって好きなので^^こういうちょっとした言い合いって好きなのですよ。ちょっとした会話っていいですよね。ゼルから見たアメリアは「ヘンなやつ」なのですよ、きっと(笑) >梓:アメリアは自ら暗い雰囲気になる事はしないでしょうね。 > それは明るく笑っていたいからなのか。 > 相手が笑わなくなるのが嫌なのか。 むしろ雰囲気を明るくしてますよね、アメリアは。すごいです。 > だけれど、ゼルと出会った今のアメリアは無理矢理に隠すような事は > あまりなくなったんじゃないかと私は思います。 > 一番信頼出来る人に出会えて、またその人も過去を捨てられなくて。 リナに、ガウリイに、そしてゼルに逢えて、アメリアはすごく嬉しかったと思います。ゼルがアメリアに逢って救われたように、アメリアもゼルに逢えて救われたんですよね。裏表なく、自分を真っ直ぐに、ひとりの人間として見てくれる仲間に逢えて。本当の友達に逢えて。嬉しかったでしょうね。 それにリナやゼルには隠し事ってできないと思うんです。リナに隠し事なんかしたら白状するまでファイヤー・ボールですよ(笑)(そりゃあリナにもちゃんとデリカシーはありますが) 人が信じられるって嬉しいですよね。当たり前のようですごく尊いことだから。 > それでも時々は思い出す。 > アメリアがゼルの雰囲気を分かるように、ゼルもアメリアの雰囲気が分かる。 > それはお互いの心が通じ合っている証拠。 > 心の整理や時期が過ぎたらきっとアメリアは自分からその事を話してくれると思います。 > その時はちゃんとゼルも受け止めてくれるでしょうね。 嫌なことを思い出して、辛くて、独りでなんとかしようとして、でもできなくて。そんなとき、きっとそばにゼルがいます。アメリアには、無理しなくていいんだよと言ってあげたいでし。そしてゼルにもそう言って欲しい。心がこんなに通い合ってる二人ならきっと大丈夫ですよね。絶対ゼルは、アメリアのすべてを受け止めてくれます。ゼルは優しいですから・・・。 > とにかくさゆるさんの小説を久々に読めて嬉しかったですv > これからもさゆるさんのゼルアメ一筋なので宜しくお願いします(ぇ > それではでは。 うあああ、なんかもんのすごい勿体無いこと言われてるよ星村さん!!え?え、ホントでございまっしゃろか・・・?(動揺)あわあわ、いいのですかいお嬢さんそんなことおっしゃって!こいつバカなんで調子に乗って阿波踊りとかしちゃいますよ!?(錯乱)うう、こんな遅レス太郎になんていうありがたいお言葉っ!!身に染み渡ります・・・ありがとうございます!! こちらこそ、ご感想ありがとうございました><梓さんのレスはいつも、本当に考え抜かれていて、こちらの言いたいことを汲み取って下さっていて、うんうんそーなのよ!!と頷いてしまいます。ご丁寧で温かいお言葉・・・感動しました。 梓さん、どうもありがとうございました!これからもどうぞよろしくお願い致しますvv |