◆−りめいくっ!song7−鮎 (2004/11/8 19:43:00) No.30875 ┗りめいくっ!song8−鮎 (2004/11/8 20:46:41) No.30876
30875 | りめいくっ!song7 | 鮎 | 2004/11/8 19:43:00 |
お久しぶりです…むしろ初めまして? 鮎と申します。 ほんっっとうに、不定期な連載を(かろうじて)続けております。 とりあえず、区切りがつくまで、何とか打っていこうと思います。 では、行きます。 #################### 「・・・・っ!?」 跳ね起きたその体制のまま、刹那は大きく首を振る。 どくどくと脈打つ体を、落ち着かせようと深呼吸。数度繰り返してから、ほう、と息を吐き出した。 改めて回りを見渡す。 いつの間にか、部屋のベッドに寝かされていたらしい。窓から差し込む月明かりが、部屋を青白く照らし出す。 「う・・・・疲れたぁ・・・・」 眠っていたのに、こんなに疲れるなんて、生まれて初めてかもしれない。 そう思いつつ、ベッドから立ち上がる。何となく窓に近づいて、外を見ようと―― 「セツナっ!!」 「うひゃあっ!?」 窓の外から、顔が浮かび上がってきて、思いっきり声を上げた。 思わず引いた体のまま、数秒その顔と見つめあう。 先に顔が口を開いた。 「・・・・何だ。普通じゃない」 「・・・・あ。リナさん」 ぽん、と手を打って、顔を指差す。それに呆れようにリナは言う。 「それ以外の何に見えるってのよ」 「ただの生首」 即答すると、何故か半眼になるリナ。 そこで、窓の外から声が聞こえてきた。 「リナさん、早く入ってください!」 「そうだぞ。後がつかえてるんだからな」 「あ、ごめんごめん」 忘れてた、とリナはふわりと部屋に、文字通り飛びこむ。 ようやく開いた窓から、続いて二人、部屋に入ってきた。 皆一様に、きょとんと部屋に立つ刹那を見て、安堵したように息をつく。 「どうかしたんですか?」 「それはこっちのセリフですっ!」 アメリアに即座に言い返される。 彼女はそのまま刹那に近寄り、がしり、とその腕を掴む。 「セツナさん、叫び声をあげたんですよ!覚えてないんですか」 「・・・・へ?」 その言葉に、刹那は目を見開く。視界の隅で、リナが一つ頷いて、 「あまりにも鬼気迫る声だったから、慌てて部屋に入ろうとしたのよ。 ・・・・が、扉が思ったより頑丈で。 そこで、外に出て浮遊で上がってきたって訳」 「そうだぜ。何かあったのか?」 ガウリイの問いかけに、刹那の表情が曇る。 「それは・・・・」 数秒考え込むように目線を下げて。 「・・・・・・・・あれ?」 突然、首を捻る。 そのまま、思いっきり緊張感のない声で、 「なんだっけ?」 言った瞬間、みな一様に顔を引きつらせた。 「あ、あのねえ・・・・ガウリイじゃあるまいし!」 「そうだぞ」 うんうん、と賛同すると、すかさず頭に一撃が飛ぶ。 声もなくしゃがみこむ彼を完全に無視して、リナは半ば睨むように、 「覚えてないの?」 「何か、すっごく嫌な話題だった気がするけど・・・・」 さっぱり。覚えてない。 それに、リナは深くため息をついた。 その時、部屋の扉が開け放たれる。 一斉に振り向く先に、すたすたと入ってくるゼルガディスの姿。その背後に、鍵を持って愛想笑いをする宿の主人が見えた。 彼はそのまま刹那の前に進み出ると、 「おい。説明してもらおうか」 言って、その鋭い視線をさらに研ぎ澄ました。 #################### と、まあ、こんなよくわからん小説を書いているわけですよ。 続きます。 …きっと。多分。 それでは、失礼しました。 |
30876 | りめいくっ!song8 | 鮎 | 2004/11/8 20:46:41 |
記事番号30875へのコメント 続けざまに行きます。 投稿できる時にしてしまいます。 では、行きますです。 #################### といわれても、刹那にも説明できるような事はあまりない。 ぱらぱらと本をめくったりしながら、ぼーっと紅茶を口に運ぶ。 「おいしいなぁ」 「・・・・おい」 「目は元通りだし。いい感じ。うんうん」 「おい」 「あ、そういえばゼロスどこに行ったんですか?」 「あー、ちょっと用事があるとか言ってたぞ」 「そうで「いい加減にしろ!!」 がたんっ!! こぶしを叩きつけると、ぎろりと射殺すような目線を向けるゼルガディス。 たいして、特に気にした風もなく、じっと見つめ返す刹那。 「やっぱりこの子も変わってるわね」 「類は友を呼ぶって言いますからね」 「そうそう」 周りが好き勝手にほざくのに、ゼルが軽く睨みを聞かせる。 もっとも、この仲間達に効くわけもないけれど。 沈黙の中、ぽん、と突然手を打って。 「謳い手」 「・・・・?」 刹那の口から飛び出た単語に、いぶかしげに眉を顰める一同。 「謳い手がどうとか言ってた」 「何が?」 「歪みが」 「そっかあ、あいつらも言葉を話せるのか」 「ガウリイさん、論点がずれてます」 アメリアの指摘に、ガウリイは、ははっと笑って。それを呆れたように一瞥してから、リナは刹那に問いかける。 「他には何か言ってなかった?」 『裏切るのか――』 「・・・・特には」 微かな沈黙とともに、刹那は首を振る。 勝手に裏切りとか言われても、心当たりがないのだから、言ったってしょうがない。 一同の論点は、すでに謳い手のほうへと移っているらしく、 「普通の祭りで言う、歌姫みたいなものでしょうか?」 「そうかもしれないし、違うかもしれないわ」 言うと、リナは自分の紅茶に手をのばした。 考えるように瞳を宙に向けたまま、 「なんにしろ、その一言だけじゃ、手ががりにならないわ」 結局そういう結論に行き着き、アメリアと視線を合わせて押し黙る。 「…心当たりが、ないこともない」 唐突に、そんなことを言ったのは、ゼルガディスだった。 「本当ですか、ゼルガディスさん!?」 元気よく立ち上がったアメリアに、制するように片手を挙げて、彼は頷いた。 「ああ。以前立ち寄った町の伝承に、それらしいものがある。 …確か、謳い手と呼ばれた巫女の話だった筈だ」 ここからそう遠くないぞ、とゼルは続けた。 ぱちん、っとリナが指を打ち鳴らして、 「よっしゃ。じゃあ、次の目的地はそこに決まりねっ」 「おお、何か決まったのか」 ガウリイののんきな発言は当然のように聞き流されて、 「とりあえず、今日はもう寝ませんか?もう夜も遅いですし」 アメリアが言ったとおり、宿の一階はほとんど人がいなくなってきている。 「ちょっと待て。俺はまだ、コイツに聞きたいことがある」 言うと、ゼルは刹那に視線を合わせて、 「昼間、ゆがみが一気に消えた。あれは、いったい何が起こったんだ?」 何か知っているはずだ、と。彼は厳しい視線のまま、刹那に問いかける。 「…えっと」 視線をそこここにさ迷わせながら、刹那は頭を捻った。 金色の獣、たぶんあれが大元で、それを消したから他も消え去ったんだ、と思う。 獣を消したのは、刹那が持たされた黒い祖父の本。 それを使ったのは刹那。 使い方を教えてくれたのはクロスで、クロスは… 「駄目だ、これじゃあ、全部一から話さなくちゃいけなくなるし…」 それは面倒だからいや。 ぶつぶつつぶやく刹那を一同がいぶかしげに、心配そうに、またはあきれて見守る中、 「…?」 ふいに、刹那があらぬ方向を向いた。 「どしたの、セツナ?」 リナが問いかけ、同じく首を動かすと、 ヴンッッ 空間が軋むような音を立てて、そこに黒い影が現れた。 「よお、ゼロス」 気軽に声をかけるガウリイに、どうも、と返事をする。 見慣れたにこにこ笑顔とともに、彼はこちらに近づいて、 「すみませんが、それはお話できないんです」 と、きっぱりとした口調で言った。 #################### ふふふ。中途半端ー。 この続きは、考えつつ打ち途中でございます。 あ、それでは、失礼しました。鮎でした。 |