◆−エルフ君の冒険(仮題名?)−パッチー (2004/11/30 21:58:01) No.30935


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30935エルフ君の冒険(仮題名?)パッチー 2004/11/30 21:58:01


ヒトテリア公国・・・後にライゼール帝国と名を変える、南の大国。

西にセイルーン、北にゼフィーリアという2大国に隣接するがために、この国は常に争いが絶えない。

そして。争いがあるということは、それだけ犠牲者が多い。


ヒトテリア公国の一角。比較的ゼフィーリアとの国境に近い村で、私達は一夜の宿を取った。

魔術師ギルドに、今回の戦争の被害状況を調べて欲しい、と頼まれたのだ。

仲間の戦士二人を伴い、私はヒトテリア公国に入った。

この地に来てすぐ、私は目を疑った。『ヒトテリア大草原』と呼ばれた美しき草原地帯が、一切の草木も生えない焼け野原となっていたのだ。

原因は簡単だ。ファイヤーボールを撃ちすぎたせいだろう。

無理に酷使され続けた精霊の泣き声が、風となって草原の上を吹き荒れる。この世でもっとも精霊に近い生物であるエルフには、答える環境だ。

それに・・・辺り中から、魔族のおぞましいにおいがする。

気分が悪いと私が言うと、仲間の一人。ガーブが近くの村で宿を取ろう。と提案してくれた。

彼は粗野な外見からは想像できないほど、細やかな気配りのできる男だ。

これで完全な人間であれば、言うことはないのだが・・・

兎に角。私達はこの村にやってきた。

ガーブともう一人の剣士・・・名前はセルトという。800年来の腐れ縁(というべきなのだろうか?)は、私を村に送り届けると、戦場後に戻っていった。

本来の目的である被害状況の調査と、魔族の気配についてを調べるためである。

もし、この戦争がカタートの陰険なクソガキ・・・失礼。陰険野郎の仕業だとするなら、一刻も早くセイルーンに引き返さねばならないからだ。

急がねばならぬ理由は幾つかある。ガーブの存在についてもそうだ。だが・・・それよりも。

私が居る事を知れば、あの陰険は間違いなく何かしらの嫌がらせをやってくる。

本人が出てくるのならさっさと叩き潰してめちゃめちゃに切り刻んでLの胃袋に放り込んでやるのだが・・・

兎に角。魔族すら横行するとあっては、すでに国家間同士の争いだけに留まらない。

二人が戻ってきたらすぐに、この国を出ることになるかもしれない。

・・・セイルーンの女王と、会う必要があるな・・・

思考の海をゆっくりと泳ぎながら、私は仲間の帰りを待った。




「あの・・・」

・・・む・・・

気分不良がたたってか、いつの間にか眠っていたようだ。

私は軽く頭を振って、脳を眠りからたたき起こす。

私を呼び起こしたのは、10歳位の男の子だった。

利発そうな顔をしている子供だ。一見すれば女性にも見える顔立ちと、藍に近い色をした黒髪。

・・・しかし

子供の顔の中心。開いていれば綺麗な色をしているだろう瞳は、何かに封をされたように閉ざされている。

・・・全盲なのだろうか?光を持たない少年は、私に手探りに近い状態で近づいてくる。

「あの・・貴方がエルフさんですか・・・?」

少年は不安そうに私が居るであろう場所に顔を向ける。

「・・・確かに私はエルフ族だが・・・君は?」

私は肯定し、彼に尋ねた。

「僕は・・・僕は、レゾ=グレイワーズです・・・」

少年は震える声で答えた。

「エルフさんに・・・お願いがあります・・・僕の・・・僕の目を治してください!!」

少年は私の服をつかみ、そう叫んだ。




続く・・・かもしれない




あとがき


最近、書きたいものを書きたいのにかけないことに苦しんでいます。

どんなにがんばっても、文章力ってやつは大変なもので、良い言葉が思いつかないことが多く・・・

日本語大辞典を眺める日々が続く。いや、これ結構面白くてw

さて。お読みくださった皆様、本日は本当にありがとうございました。

短い作品でしたが、楽しんでいただけたでしょうか?

また次回を、楽しみにしてください。

ではでは




変なあとがきだなぁw