◆−エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン−朋 (2005/2/11 13:38:32) No.31167 ┣エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1−朋 (2005/2/11 15:36:34) No.31168 ┃┣Re:エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1−エスエル (2005/2/13 18:00:00) No.31173 ┃┗Re:エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1−エスエル (2005/2/13 18:00:02) No.31174 ┃ ┗ありがとうございます!−朋 (2005/2/13 18:40:59) No.31175 ┣エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン2−朋 (2005/2/13 21:30:17) No.31176 ┣エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン3−朋 (2005/2/16 18:04:30) No.31184 ┗エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン4−朋 (2005/2/19 22:56:41) No.31190
31167 | エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン | 朋 | 2005/2/11 13:38:32 |
はじめまして、朋です。初投稿です。コメントくれたらすごいうれしいです〜 畜生。 ヴァルガーヴは、そう呟いていた。 今、ヴァルガーヴは神封じの結界内に入っていた。ゼロスも同じである。 ヴァルガーヴは燃えるように熱くなっていた肩の傷に手をあてながら、ゼロスの攻撃を防いでいた。 ヴァルガーヴは、ガーヴの仇であるリナ・インバースを狙い、襲撃したところ。 それを狙ったゼロスが現れたのである。 途中までは互角にやりあっていた。が、目の前からゼロスが消え、存在場所をアストラル・サイドに移したと気付いたとき。 一瞬の虚をつかれ、次の瞬間には、ゼロスの本性と思われる黒い錐が、彼の肩を切り裂いていた。 傷の深さに、退却を余儀なくされたヴァルガーヴは、海から東の方向に進んでいた。 しつこくゼロスは追ってくる。 「があっ!!」 再び黒い錐が、ヴァルガーヴの右太ももを貫いた。 血がどくどくとながれていく。 魔族とはいえ、ヴァルガーヴは半分竜族である。普通の魔族なら、物質界に具現化した体など、いくら傷つこうと、たいしたことはないが、ヴァルガーヴは純粋な精神生命体ではない。 生身の肉体も、精神同様、深い傷を負えば、致命傷になりうる。 そして、ヴァルガーヴの負った二つの傷は、十分それになりうるものだった。 どんどん血が失われていく。 ここはどこなんだー 一瞬、そんな問いが頭をよぎった瞬間。 ヴァルガーヴの意識は暗転した。 |
31168 | エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1 | 朋 | 2005/2/11 15:36:34 |
記事番号31167へのコメント 夢を見た。あの、忌まわしい記憶。 ゴールドドラゴンが、大挙してエンシェントドラゴンの神殿に攻め込んできた時の。 本当なら、一匹のエンシェントドラゴンさえいれば、十分事足りる程度の攻撃だった。 しかし、神聖呪文で力を解放しようとしたその前に、ゴールドドラゴンの槍がヴァルの胸を貫き。 それだけなら、自分ひとりが死ぬだけですんだ。そうだったら、どれほど救われていたことか。 そうだったら、どれほど― 「あっ、ぐっ・・・うっ・・・!」 痛みに、ヴァルガーヴは苦痛の声を上げると同時に、ヴァルガーヴは覚醒した。 「すまんな、少し力が入りすぎた。大丈夫か」 聞きなれない、、だが穏やかでよく通る声のした方を見やる。そこには、見事な金髪の青年が、ヴァルガーヴの肩に包帯を巻きながら、座っていた。 「見つけたときは、すでにかなり危険な状態だった。回復呪文をかけることもできなかったので、どうなるかと思ったが・・・どうやら間に合ったようだな。」 ヴァルガーヴは上体を起こし、後ずさる。 「あんた・・・ゴールドドラゴンだな」 「その通りだ。」 「名は?」 「ドラゴンズピークのゴールドドラゴンの長、ミルガズィアだ。」 落ち着いた声でこたえる。 「ふん・・・ゴールドドラゴンなんぞに助けられるとはな」 ヴァルガーヴの言葉に、ミルガズィアは気を悪くした風もなく、包帯を巻いてやる。 「ところで、その胸の傷、相当古いようだが」 「!!」 「その傷は、我ら竜族が唯一つかうことが許されている呪いのあとだな。 たった一人のドラゴンの体を媒体に、同族すべての魔力を封じる・・・」 「きさまっ・・・」 怒りにまかせて、人に擬態したゴールドドラゴンの首につかみかかろうとし、 「ぐっ・・・!」 肩に走った激痛に、おもわず上体を倒れ伏す。 「無理をするな。気に障ったならあやまる。」 ミルガズィアは怒りもせず、立ち上がり、部屋の出口の方に向かう。 「食事をあとで用意しておく。ここには何日いてもかまわない。その傷がなおるまで、ここにいたほうがいい」 そういうと、静かなあしどりで出て行った。 ヴァルガーヴは、さきほどの痛みがおさまるのを待ち、息を落ち着け、過去の夢を反芻していた。 そう。あのとき。 ゴールドドラゴンが何の礼儀もわきまえず、エンシェントドラゴンの神殿に強引に入ってきたと聞いたとき、エンシェントドラゴンの誰も、ほとんど動揺するものはいなかった。 ゴールドドラゴンの力など、エンシェントドラゴンにしてみれば、取るに足らないものだったし、もとはおなじ竜族。なんらかの不満で、抗議を申し立てにきたものとおもった。 大神官として、ヴァルガーヴが(その当時はヴァルだったが)とりあえずゴールドドラゴンたちに落ち着くよう促し、話を聞こうと席をすすめたところだった。 自分は完全に油断しきっていたのだ。 ゴールドドラゴンが自分たちを殺すため、槍を魔法で見えぬよう隠し持っていると気づいたときんは、もう遅かったのである。 あわてて神聖呪文を唱え、防ごうとしたのもかなわず。 ヴァルの胸を槍が貫き、呪がかけられ― エンシェントドラゴンの全ての魔力は封じられ―そして― 「おれの―せいなんだ―」 気が付くと、ヴァルのほおは、つめたいものでぬれていた。 |
31173 | Re:エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1 | エスエル E-mail URL | 2005/2/13 18:00:00 |
記事番号31168へのコメント はじめましてー! 現在、発見者により名づけられた未確認生命物体です で・・・・ !!!!ウァルかっこよすぎます!!!!!!!!!!!!! ミルさんんんんんん!!!!!!! いませんなんか意味不明で・・・ なんか凄かったのでコメントつけたくなりました・・・・ すいませんでした |
31174 | Re:エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン1 | エスエル E-mail URL | 2005/2/13 18:00:02 |
記事番号31168へのコメント はじめましてー! 現在、発見者により名づけられた未確認生命物体です で・・・・ !!!!ウァルかっこよすぎます!!!!!!!!!!!!! ミルさんんんんんん!!!!!!! いませんなんか意味不明で・・・ なんか凄かったのでコメントつけたくなりました・・・・ すいませんでした |
31175 | ありがとうございます! | 朋 | 2005/2/13 18:40:59 |
記事番号31174へのコメント ありがとうございます!あんなつたないモノをほめてもらえるなんて・・・!!わたしも、ヴァル大好きなんで、つたないながらも一所懸命書いていきたいとおもいます! |
31176 | エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン2 | 朋 | 2005/2/13 21:30:17 |
記事番号31167へのコメント 次の日、ヴァルガーヴは、窓からさす光で目覚めた。 起き上がると、とりあえず日のさす方向に歩いていく。呪文で傷を癒しながら。 「どこなんだ・・・ここ・・・」 ヴァルガーヴはあたりを見回す。どっしりした荘厳な柱、壁にほどこされた、質素な、しかし優美なつくり。 なぜゼロスは追ってこないのか?この深手で攻撃されれば―恐らく逃げることもかなわないだろう。 歩くと右太ももに痛みが走る。 そして、中庭に出た。そこには、なんとも精巧なつくりの美しい噴水があった。とりあえずそこに腰をおろす。肩の傷はほとんど治ったので、こんどは太ももに呪文をかける。 「起きられるようになったのか。傷はもういいのか。」 ふりかえると、昨日の、確かミルガズィアといった―が、佇んでいた。 「あんたに心配される筋合いはない」 不機嫌に言い捨てる。 「ここはどこだ」 「カタート山脈のドラゴンズピークに最近作られた神殿だ。竜の眷属以外は、見ることも、入ることもかなわぬ場所。お前が誰に追われているか知らんが、ここなら見つかる心配はない」 ミルガズィアの言葉に、ヴァルガーヴはふん、とそっぽを向く。 「なぜ俺を助けた」 「傷ついたものを助けるのに理由がいるのか」 あいかわらず、ミルガズィアの声は静かなままだ。 「あんた・・・ゴールドドラゴンの長って言ってたよな」 「そのとおりだ。エンシェントドラゴンの若者よ」 「・・・!!長なら、かってゴールドドラゴンにエンシェントドラゴン討伐の命が下ったことぐらいしってるだろう!?なぜ俺を助けた!?」 いっきにまくしたてる。 「ここはひとつの拠点が消えたとはいえ、神封じの結界の中。降魔戦争以来会っていないが、そう簡単に海の外の最長老に知られる心配はない」 「そうじゃなくて、あんたはっ・・・」 「それにしても来客は久しぶりだ。あのリナ・インバース以来だ」 ミルガズィアの言葉に、ヴァルガーヴの顔色が変わる。 「何!?リナ・インバースを知っているのか!?」 おもわずミルガズィアのほうに身を乗り出し、しかし鋭く走った傷の痛みに膝をつく。 「ああ。ちょうどリナ・インバースがクレアバイブルのもとに行った時・・・そして仲間ともども魔竜王ガーヴに殺されそうになっていた時、私はそこにいた。なぜお前はリナ・インバースを知っている?」 ミルガズィアが問いかける。 「奴は・・・ガーヴ様の仇だ。」 「・・・お前はガーヴの配下だったのか。そうか・・・だが・・・そうしなければ、リナ・インバース達のほうが殺されていた」 「わかってるさ。ガーヴ様は、リナ・インバースを殺すと言っていた。奴らは自分たちを守るため、ああするしかなかった。それでも俺は許すことはできない。・・・あいつを」 「・・・お前がそう言うなら私は何も言うまい。あの娘なら、自分に降りかかってくる火の粉ぐらい、自分で払うだろう」 「・・・・・・」 ヴァルガーヴは沈黙する。 「ところで私にもうひとつ質問させてもらおう。お前からは、竜族の『気』と魔族の『気』、魔竜王の『気』があふれだしている。エンシェントドラゴンはとうに一族すべて滅ぼされた。生き延びるために、魔族に身を堕とすしかなかったのか?」 「なんだと。ふざけるな」 ヴァルガーヴはぎっとミルガズィアを睨み付けた。 「『堕ちた』だと?俺は自分の意思で、望んで、ガーヴ様の腹心となったんだ。『堕ちた』なんて思ったことなんて一度だってない」 それだけ言うと、ヴァルガーヴは身を翻し、神殿の奥に入っていった。 |
31184 | エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン3 | 朋 | 2005/2/16 18:04:30 |
記事番号31167へのコメント それから2日ほどたった後、ヴァルガーヴはまた噴水のところに来ていた。別にここが気に入ったわけではない。なんとなくここに足が向いたのである。 黄金竜もまた来ていた。 「・・・またあんたか」 「もうほとんど傷は治ったよだな。自分で治したのか」 「ああ・・・」 「お前をここの運んだとき、回復呪文をかけようとも思ったのだが・・・魔族の力を持っているお前の中で、竜族の聖なる力と魔族の力が反発しあったときのことを考えて、かけなかった。自分自身の力なら、障りはないようだな。」 「このあいだの質問だ。黄金竜のあんたがなぜ俺を助けた」 ヴァルガーヴの言葉にミツガズィアは、 「またその質問か。・・・ついてくるがいい」 「おいっ!!無視してねえで・・・」 ヴァルガーヴの言葉がいいおわらないうちに、ミルガズィアの背は進んでいく。なんで俺がこいつの後をついていかなきゃなんねえんだと内心毒ずきながらヴァルガーヴも後に続いた。 噴水のわきの廊下をくだり左にまがる。階段を下り、さらに上る。かと思えばまた下り、左にいき右にいき、最後に地下にいく階段についた。 扉を開けたミルガズィアに続いてヴァルガーヴも中に入る。 「こんなところに何の用だ」 「少し待ってくれ」 ミルガズィアはそう答えると、さらに部屋の奥に歩を進めていく。そして小箱から手のひらほどの石を取り出した。 「石・・・?」 「これを・・・」 そういってヴァルガーヴに手渡す。 「なんだ?これ・・・」 どくん。 「・・・!?」 「わかるか。生命の脈動が」 ヴァルガーヴの手の中の石が脈打ち、光を放ち、砕け散る。 「あ・・・」 ヴァルガーヴは声を失った。その手のひらに生まれ出でたのは。 小さな―古代竜。 「そん・・な・・・こいつは・・・?」 呆然とするヴァルガーヴ。 「これは竜族の中でごくたまに使えるものがいる・・・仮死状態になり、石に擬態し敵の目から逃れる眠りの石という術だ。再び目覚めるには同族の力がいる。もう目覚めさせるのは無理だとあきらめていたが・・・そこにお前が現れたのだ」 「そ・・・っか・・・あんたが・・・」 ヴァルガーヴは、生まれ出でた古代竜の幼生の姿をとったものから、まだ目を離すことができずに、手でつつみこむようにし、ただいとおしげにみつめていた。 「まだ目覚めたばかりで幼生の姿をとることしかできないので、古代竜の誰かまでは分からんが・・・お前の一族であることのはかわりはない。」 「ああ・・・」 「だがこの子はここにいては、黄金竜の中にいては、外にでることも、竜族でありながら真の空の風に触れることもかなわぬ。 この子を連れて行って―守ってやってくれ」 傷は癒えた。 下には海が広がっている。 いつゼロスが襲ってきても、今なら対抗できる。 あの後―彼は、同胞をミルガズィアに預けてきた。 自分は今戦っている― 今は自分を狙ってくる魔族どもがいる。 この戦いが終わったら必ず迎えに来ると約束して。 ミルガズィアは静かに頷いた。 自分は勝つ。絶対に負けない。そして必ず迎えにいく。新たに生まれた希望を。 そしてヴァルガーヴは目指した。リナ・インバースのいる場所を。 |
31190 | エンシェントドラゴンとゴールドドラゴン4 | 朋 | 2005/2/19 22:56:41 |
記事番号31167へのコメント リナ・インバースはすぐに見つかった。 もともと竜族であり、高位魔族であるヴァルガーヴに、特定の人間の気配を探索することなど、造作もない。ついでにいうと、元竜族であるヴァルガーヴは、一瞬で何千もの生物、人物の姿、そして魔力を把握することができる。 そのせいで、ガーヴといたころは、ガーヴに「いい女を探してくれ」と実にくだらない用事をうけたまわったことが何度もあった。しかたなしに半ばあきれつつ主の依頼をうけていたが・・・さらに困ったことには、女の標的が自分のほうにむかってくるときであった。ガーヴに「男なら女の一人二人くどいてみろ」と面白半分に半強制的にすすめられ、女と夜をともにしなければならなかったこともあった。まあ、その度アストラル・サイドに逃げ込んでいたが・・・それはさておき。 リナたちがいる場所は町の中―さすがに今攻撃をしかけるわけにはいかない。それはヴァルガーヴを追っているゼロスも同じだ。 「おっそいなー、フィリアってば」 リナは昼食をつつきながら言った。 「しょうがないですよ、火竜王の神殿まで逆戻りですから」 アメリアが応じる。 「にしても、呪文ひとつ教えるためにこんなに手間がかるとはな」 今、リナたちとフィリアは別行動をとっていた。そもそもの始まりは10日ほど前のこと。リナが、ヴァルガーヴたちに対抗するために、強力な神聖呪文を教えてくれないか、と言ってみたのだ。 フィリアとしても、仲間に神聖呪文を教えることは、敵に対抗する上で、有益なことつぃて、賛成したのだが、 「攻撃系の神聖呪文を教えるのは、最長老様の許可がいるんです。もともと高位の巫女、神官にのみ学ぶことが許されたもので・・・」 それで仕方なく、フィリアが神殿まで戻り、リナたちはこの町でまっていることになったのである。常人の使う3倍ちかくの食費を奪って。 「でももう10日よお・・・くっそー、フィリアが帰ってきたらデザート10人分おごらせちゃる!」 リナに路銀の大半を奪われ、泣く泣く神殿にむかったフィリアに対し、なんの罪悪感も感じないリナであった。 いっぽうアメリアは、フィリアさん路銀が切れて途中で果てたのかしら・・・と心配しながらもこたえる。 「でも神殿からこの町まで5日くらいですから、往復10日、そろそろ戻ってくるんじゃないですか?」 (・・・・・・?) ヴァルガーヴは気配、姿を消してリナたちの様子を見ていた。 (ゴールドドラゴンの巫女がいない・・・?) たしかあの巫女は神封じの結界から出たことのないリナ・インバースの案内人のようなものだったはず。だが今は4人だけ。 (火竜王の神殿まで導いただけで役目は終わったってことか・・・?) 「リナさあーん、みなさあーん!」 「あ、フィリア!」 ヴァルガーヴも声のしたほうを向くと、例の火竜王の巫女が小走りに走ってきていた。 「遅かったじゃない、もー待ちくたびれちゃったわよ。で、どうだった?」 「ええ、それが・・・」 途中で言葉を切る。 「最長老様とは連絡が取れなかったんです。」 「へ?なんで?」 「なんでも神封じの結界内に用ができたとかで・・・一族全員出払ってて、神殿はもぬけの殻でした。」 フィリアが答える。 「神殿のオーブに、私が戻ってきたときのための伝言が入ってたんです。」 「うーん、じゃあさ、結界内のどこに向かったとか分からない?フィリアには悪いけど、ドラゴン姿になって追っかけて・・・」 「それが・・・できないんです」 フィリアが表情を曇らせる。 「伝言では、大陸全体に・・・結界を張った、とありました。 『結界!?』 リナたちの声がハモる。 (結界だって・・・?) 「なんでも、大陸のものたちを巻き込むわけにはいかないとか」 「どういうことだ・・・」 ゼルガディスが首をかしげながら言う。 「大陸のものたちを守る結界・・・神封じの結界内に・・・しかも一族全員で向かっただと?まさかカタート山脈の魔族どもが動き出したとでもいうのか?」 (魔族が動き出した?) ヴァルガーヴも姿、気配を消しリナたちの話を聞いていた。 リナたちはなおも話を続けている。 「なあ、ひょっとして黄金竜全員でバカンスとか」 すぱあああん!! ガウリイの頭にスリッパあとがつく。 「わー!!なにも怒ることないじゃないかリナああああああ!!」 「んなわけないでしょおおおお!!仮にも火竜王に仕える竜族が全員そろって魔族の結界内にお遊びにいkなんてあるわけないでしょうがあああ!!」 (おいおい・・・) ヴァルガーヴはあきれながらリナたちのやりとりをながめていた。 なんだかこいつらをみてると、思い出したくないことを思い出す・・・別にスリッパの応酬なんてことはなかったが、こういうおちゃらけたことは前にも・・・ ヴァルガーヴはリナたちから視線をそらすと、アストラル・サイドに身を投じた。 |