◆−闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 1−棒太郎 (2005/6/11 11:23:34) No.31518 ┣とりあえず執行猶予ですね−エモーション (2005/6/14 00:08:39) No.31527 ┃┗ギリギリまで足掻きます−棒太郎 (2005/6/14 22:43:54) No.31529 ┗闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 2−棒太郎 (2005/6/17 10:54:52) No.31536 ┗それぞれ因縁の相手と出会ってますね−エモーション (2005/6/17 23:42:31) No.31540 ┗戦端が開かれました。−棒太郎 (2005/6/18 23:53:11) No.31543
31518 | 闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 1 | 棒太郎 | 2005/6/11 11:23:34 |
こんにちは、棒太郎です。 いよいよ梅雨入りですね。 鬱陶しい雨が続くのかと思いますが、ここで降らないとこの後の夏場は水不足確定ですからね。 それでは、続きをどうぞ。 ************************************ 『闇黒の断章』 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 1 衝撃によって途切れた意識の回路が再び接続され、脳内を活発に流れてゆく。 「う・・・・・・」 再起動したばかりの意識はまだぼやけていたが、それでも数秒とかからないうちにはっきりと覚醒した。 「気がつかれましたか、お嬢様?」 傍らからかけられた声に振り向くと、微笑を浮かべたシキブの姿があった。 「あ・・・・シキブさん。ここは・・・・?」 軽く頭を振りながら、リナはシキブに問いかけた。 「はい、どうやらあの空間震によって遺跡内の別のところへ飛ばされてしまったようです」 「場所は・・・・・・・分かる訳ないか。ジャングルのど真ん中に放り出されたようなもんね」 「はい」 しかし、このまま座して待つわけにもいかない。リナとシキブは腰をあげ、とりあえずは歩き始めることにした。 「ミカズチあたりが大暴れしてくれれば、その気配を察知することもできるかもしれないのですが・・・・・・・・」 『雷雲甲冑』を身に纏い、そこらじゅうに爆雷をかます姿が容易に想像でき、小さく吹き出してしまった。 「ちくしょう!なんだってんだ、ありゃ!!」 回廊にミカズチの怒声が響き渡った。 「ガウリイ殿もどっかへ飛ばされちまったのか。お嬢様にはシキブがついてたから大丈夫だとは思うが・・・・・」 そう言い、あたりを見回す。 どこを見ても石の壁が続いている。 「ちっ!まどろっこしい!オラァッ!!!」 轟音とともに雷が炸裂し、壁を破壊した。 次々と壁を破壊しながら、ミカズチは文字通り一直線に遺跡内を走り出した。 「それにしてもめちゃくちゃになってるわねぇ」 壁に手を這わせながら慎重に歩みを進めるシキブとリナ。 目には見えないが、感覚が先ほどの振動により、空間がめちゃめちゃになっていることを捉えていた。 「お気をつけください、お嬢様」 雪山のクレバスのように、空間の狭間・裂け目が潜んでいる。 「ええ、わかってる――――!?」 そう言いかけて、壁に手を置いた瞬間、そこに壁の感触はなかった。 壁があったつもりで体を預けたのが、そのまますっぽりと狭間へ落ち込んだ――――と、間一髪でリナの腕をシキブが掴んだ。 支えられて、ホッと息をついたリナは、ふとその空間の先に何かがあるのが見えた。 「あれは――――――?」 目を凝らしてみると、なにやら祭壇らしかった。 それは先ほどまでエズダゴルたちが目指していた場所だとは、二人にはそこまで分からなかった。 そこはいったいどこまで下ったところなのか。 これまでとは一回りも二回りも違う広さの部屋。何かを祀る神殿のようにも見えるし、大きな公園の広場のようにも見える。 その中央に複雑な構成の魔法陣がいくつも敷かれ、そこにエズダゴルとネフレンカが立っていた。 その後ろに見守るように、イルファンと生き残りの魔道士がいた。 ティリンギャスト、ハオン=ドル、キザイアの姿はそこにはなかった。 「では陛下、いよいよですぞ。あの3人も周りの小部屋で準備を終えております」 エズダゴルの声が響いた。 イルファンがじっと目を見開いて見つめていると、エズダゴルとネフレンカの間にある台座に置かれた”書”がファサリと開いた。 魔道書『イステの歌』―――――二人の声に反応するように辺りを濃密な魔力が包み始めた。 『嗚呼、汝、死して横たわりながら夢見るものよ。今ここに我らが声を聞き届けよ』 そしてその声に応えるように、この場を取り囲むそれぞれの小部屋からも魔力が発せられた。 ――――死の館にて夢見る者よ、我が声を聞き給え。汝、再び現世に戻りたれば 『暗黒の大巻』『黄衣の王』を持つティリンギャストの声が、 ――――死が終焉を迎えしとき、怪異なる永劫の下、汝がときは再び訪れたり 『隠蔽されしものの書』『カーナックの書』を手に、キザイアの声が、 ――――縛めを破り、汝の呼び声を我らに聞かせ給え。我らここに、汝の偉大なる御名を高らかに謳いあげんがため 『クハヤの儀式』『セラエノ断章』のハオン=ドルの声が低く、高く響き渡る。 魔力が絡まり、更なる奔流となり、またそれが絡まってゆく。 そして声がひとつに重なる。 ――――顕れ給え、顕れ出で給え。ここに汝がときは来たれり!! 「これは・・・・・・?」 辺りを警戒しながら祭壇のそばまでやって来たリナとシキブは、その下に階段が続いているのを発見した。 シキブがリナを背後に庇いながら慎重に下りてゆく。 やがて階段を降り立ったところで、そのすぐ前に何かの影がいた。 それを認めるや構える二人であったが、影はピクリとも動かなかった。 ライティングで部屋を照らし出して、その理由が分かった。 「ミイラ・・・・・・・?」 それは台座のひとつに腰掛けていた。 長い年月の経過によってであろう、ボロボロになった鍔広のシルクハットを被り、黒のガウンとケープを纏っていた。 その肉体はすでにミイラ化していた。 しばし目を奪われていたリナであったが、ふとその手元あたりから異様な気配を感じた。 見ると、ミイラの両手が一冊の本を持っていた。 年月の経過を感じさせない気味の悪い装丁の本であった。 表紙を覗き込むと、 「え〜〜と・・・・・デ・ウェルミス・ミステリイス――――――『妖蛆(ようしゅ)の秘密』・・・?これも魔道書かしら・・・・?」 場所が場所だけに間違いはなかろう。それもあの『暗黒の大巻』らと同じ部類の。 「どうしよう・・・・・こんなところ来れる人間もそうはいないと思うけど・・・・・・・」 しばらく逡巡していたリナだが、やがて意を決して『妖蛆の秘密』を掴んだ。 「大叔母さんに封殺して貰おう。こんなところに絶対人がやって来ないなんてのも言えないし・・・・・」 ミイラの手からその”書”を取ろうとした瞬間、 「きゃあ!?」 電撃にも似た衝撃が走った。 「お嬢様!?大丈夫でございますか!?」 駆け寄るシキブにリナは大丈夫と笑みを浮かべた。 「どうやらこのミイラ自身が身を持って本を封印しているみたいね。どこの誰だか知らないけど、なかなかの力の持ち主だわ」 「どういたしましょう、お嬢様。解呪いたしますか?」 「う〜〜〜ん、けどこれほどの力となると、無理にやったら何が起こるか―――――」 そのとき、 ――――顕れ給え、顕れ出で給え。ここに汝がときは来たれり!! 異様な、異質な魔力の気配が旋風のように巻き起こった。 「!?」 「な、なに、これは!?」 数千匹の蟲がゾワリと全身に這い上がるような感触が走った。 「もう何かをおっぱじめったってワケ!?」 そのときであった。 ポスッと床に何かが落ちた。 見ると、ミイラの手から『妖蛆の秘密』が零れ落ちていた。 シキブが警戒しながら『妖蛆の秘密』を手に取るが、何も起こらなかった。 と、ミイラは塵となって崩れ落ちた。 まるでリナたちに『妖蛆の秘密』を託したようにも見えた。 少しの間、崩れたミイラを見つめていたリナであったが、「急ぎましょう、お嬢様」と、シキブの声でその場を後にした。 「先ほどの異様な魔力の気配、微弱ながらその中心らしき場を捉えました」 「そう、じゃ、早いとこ急ぎましょ」 熾烈な閃光にも似た輝きが収まった後、また静寂が全てを覆った。 イルファンは庇うようにして前に出していた腕を下ろし、辺りを見やった。 前には荒い息をつくエズダゴルとネフレンカがいる。 特に何も変わりはないように思えた。 「おのれ・・・・・ヴェルミス=インバースめ・・・・・・最後の最後までとんだ邪魔をしてくれる・・・・・・・」 大きく息をつき、忌々しげにエズダゴルが呟いた。 「どうした、エズダゴル・・・・・もしや失敗したのか?」 「いえ・・・・・儀式は成功しました・・・・・・ただ・・・最後に横やりが入り・・・・・」 流石に、魔道書を一冊欠いた状態はキツかったのか、彼ほどの魔道士が未だに呼吸は整わない。 「なんといいますか・・・・・・魔力が”路”の前に立ち塞がっているような状態ですな・・・・・・ただ、堰き止めるまでにはいたっておりませんな・・・・・少し、時間が延びただけです。単なる時間稼ぎですな」 ネフレンカも荒い息を吐きながら言葉を継ぐ。 「少し休憩を入れたら次の儀式に取り掛かります。それでこの計画は完遂されます」 そう言うと、大きく息を吐き出した。 「それまでに邪魔者は抹殺しておくとしましょう」 エズダゴルの言葉が出るや、周りの小部屋から3人の魔道士の気配が消えた。 「む・・・・・これは・・・・”路”が開いたか」 作業の手を止め、ベゼクリクが感じた気配に意識を向けた。 「再び現世に顕現なされるか・・・・・・しかし――――ー」 ベゼクリクがちらりと目を向けた。 その先には何もない。しかし、そこには褐色の長躯の男がいた。 なにもないそこに、しかしあの男の哄笑が確かに残っていた。 ―――――クカカ、クカカカカカカカ ―――――さて、いよいよか ―――――クカカカカカカカ ************************************ 続きでした。 儀式がひと段落したエズダゴル組。 解き放たれた3人の魔道士がリナたちに襲い掛かる! というわけで次回もバトル必至です。 あと、今回出てきた魔道書の元ネタを ・『イステの歌』 ときに『ネクロノミコン』や『エイボンの書』と並び称される魔道書。ディルカ一族の手で、往古の伝説的形態から人類黎明期の三大文明の言語に翻訳された。 ・『カーナックの書』 おそらくはエジプト起源と思われる魔道書。 異次元の知的生命体の実在に関する記述がある。 ・『セラエノ断章』 書物や写本ではなく、壊れた石版の形で遺されたという禁断の書。 〈旧神〉や〈旧支配者〉の秘密が記されている。 それではまた次回。 |
31527 | とりあえず執行猶予ですね | エモーション E-mail | 2005/6/14 00:08:39 |
記事番号31518へのコメント >こんにちは、棒太郎です。 >いよいよ梅雨入りですね。 >鬱陶しい雨が続くのかと思いますが、ここで降らないとこの後の夏場は水不足確定ですからね。 棒太郎様、こんばんはです。 梅雨入り。こちらもそろそろです。……できればダムの辺りに、大量に降らないかなとか、 思ってますが(笑) さて、今回は単純に運の問題なのか、それとも先祖が子孫を呼び寄せたのか、という感じですね。 ひっそりと、けれど身を持って、な〃彼〃の行動には、ただただ頭が下がります。 番外だろうと本編だろうと、やはり〃彼〃は凄い方なのですね。 >しかし、このまま座して待つわけにもいかない。リナとシキブは腰をあげ、とりあえずは歩き始めることにした。 >「ミカズチあたりが大暴れしてくれれば、その気配を察知することもできるかもしれないのですが・・・・・・・・」 >『雷雲甲冑』を身に纏い、そこらじゅうに爆雷をかます姿が容易に想像でき、小さく吹き出してしまった。 確かにそれはいい目印ですね。 そしてシキブさんがギャグではなく、真面目に言っているだけに余計に笑えます。 >そう言い、あたりを見回す。 >どこを見ても石の壁が続いている。 >「ちっ!まどろっこしい!オラァッ!!!」 >轟音とともに雷が炸裂し、壁を破壊した。 >次々と壁を破壊しながら、ミカズチは文字通り一直線に遺跡内を走り出した。 ……ある意味、ほとんどシキブさんの予想どおりな行動を取っているミカズチさん。(笑) 下手に壊すと崩れるんじゃあ……(汗) >「それにしてもめちゃくちゃになってるわねぇ」 >壁に手を這わせながら慎重に歩みを進めるシキブとリナ。 >目には見えないが、感覚が先ほどの振動により、空間がめちゃめちゃになっていることを捉えていた。 単純に違う場所だから、というのとは違っていると、明確に分かるくらいおかしくなっているのですね。 >支えられて、ホッと息をついたリナは、ふとその空間の先に何かがあるのが見えた。 >「あれは――――――?」 >目を凝らしてみると、なにやら祭壇らしかった。 >それは先ほどまでエズダゴルたちが目指していた場所だとは、二人にはそこまで分からなかった。 無欲の勝利(?)というべきか。エズダゴルさんたちが知ったら、悔しがるでしょうね。 >そこはいったいどこまで下ったところなのか。 >これまでとは一回りも二回りも違う広さの部屋。何かを祀る神殿のようにも見えるし、大きな公園の広場のようにも見える。 >その中央に複雑な構成の魔法陣がいくつも敷かれ、そこにエズダゴルとネフレンカが立っていた。 >その後ろに見守るように、イルファンと生き残りの魔道士がいた。 空間がめちゃくちゃになったものの、エズダゴルさんたちはそこそこちゃんとした部屋を 新たに見つけたのですね。 >魔道書『イステの歌』―――――二人の声に反応するように辺りを濃密な魔力が包み始めた。 > > 『嗚呼、汝、死して横たわりながら夢見るものよ。今ここに我らが声を聞き届けよ』 > >そしてその声に応えるように、この場を取り囲むそれぞれの小部屋からも魔力が発せられた。 > > ――――死の館にて夢見る者よ、我が声を聞き給え。汝、再び現世に戻りたれば > >『暗黒の大巻』『黄衣の王』を持つティリンギャストの声が、 > > ――――死が終焉を迎えしとき、怪異なる永劫の下、汝がときは再び訪れたり > >『隠蔽されしものの書』『カーナックの書』を手に、キザイアの声が、 > > ――――縛めを破り、汝の呼び声を我らに聞かせ給え。我らここに、汝の偉大なる御名を高らかに謳いあげんがため > >『クハヤの儀式』『セラエノ断章』のハオン=ドルの声が低く、高く響き渡る。 >魔力が絡まり、更なる奔流となり、またそれが絡まってゆく。 >そして声がひとつに重なる。 > > > ――――顕れ給え、顕れ出で給え。ここに汝がときは来たれり!! エズダゴルさんがいる部屋を中心に行われる儀式。いったい何をと思っていたら……(汗) 思いっきりとんでもない存在の召喚を……(滝汗) >それは台座のひとつに腰掛けていた。 >長い年月の経過によってであろう、ボロボロになった鍔広のシルクハットを被り、黒のガウンとケープを纏っていた。 >その肉体はすでにミイラ化していた。 この方は……もしかして〃彼〃……でしょうか? >しばらく逡巡していたリナだが、やがて意を決して『妖蛆の秘密』を掴んだ。 >「大叔母さんに封殺して貰おう。こんなところに絶対人がやって来ないなんてのも言えないし・・・・・」 >ミイラの手からその”書”を取ろうとした瞬間、 >「きゃあ!?」 >電撃にも似た衝撃が走った。 >「お嬢様!?大丈夫でございますか!?」 >駆け寄るシキブにリナは大丈夫と笑みを浮かべた。 >「どうやらこのミイラ自身が身を持って本を封印しているみたいね。どこの誰だか知らないけど、なかなかの力の持ち主だわ」 自分の身を持って封印……。 ヴェルミスさんであっても、強力とはいえ、自分を犠牲にしなくてはならないような封印を 取らざるを得ない存在……。 これだけでも充分凄い相手なのだと分かりますね。 今のところミイラが誰か分かっていないリナ。後で知ったらどう思うのでしょうね。 >異様な、異質な魔力の気配が旋風のように巻き起こった。 >「!?」 >「な、なに、これは!?」 >数千匹の蟲がゾワリと全身に這い上がるような感触が走った。 ……かなり嫌な感触ですね(汗) >ポスッと床に何かが落ちた。 >見ると、ミイラの手から『妖蛆の秘密』が零れ落ちていた。 >シキブが警戒しながら『妖蛆の秘密』を手に取るが、何も起こらなかった。 >と、ミイラは塵となって崩れ落ちた。 >まるでリナたちに『妖蛆の秘密』を託したようにも見えた。 エズダゴルさんたちが行った儀式のため、意味がなくなったからなのか、それともヴェルミスさんの 意思でリナたちに後事を託したのか。なんとなく、後者のように思えますね。 >イルファンは庇うようにして前に出していた腕を下ろし、辺りを見やった。 >前には荒い息をつくエズダゴルとネフレンカがいる。 >特に何も変わりはないように思えた。 >「おのれ・・・・・ヴェルミス=インバースめ・・・・・・最後の最後までとんだ邪魔をしてくれる・・・・・・・」 >大きく息をつき、忌々しげにエズダゴルが呟いた。 死して尚、とことん彼らの邪魔をするヴェルミスさん。本当にさすがというか凄い方ですね。 >「少し休憩を入れたら次の儀式に取り掛かります。それでこの計画は完遂されます」 >そう言うと、大きく息を吐き出した。 >「それまでに邪魔者は抹殺しておくとしましょう」 >エズダゴルの言葉が出るや、周りの小部屋から3人の魔道士の気配が消えた。 ヴェルミスさんが行ってくれた〃時間稼ぎ〃。リナたちにとって、本当に貴重な時間ですね。 そしてリナ達を始末するべく、動き出したギザイアさんたち。 いよいよ彼らとの直接対決になるのですね。 > ―――――クカカ、クカカカカカカカ > > ―――――さて、いよいよか > > ―――――クカカカカカカカ エズダゴルさんたちの儀式でこちらへ顕現しようとする〃存在〃を感じ取り、楽しげに笑うナイの方。 ……この世界のことを考えると、この御方の出番がない方が良いのでしょうけれどね……。 >続きでした。 >儀式がひと段落したエズダゴル組。 >解き放たれた3人の魔道士がリナたちに襲い掛かる! >というわけで次回もバトル必至です。 >あと、今回出てきた魔道書の元ネタを > >・『イステの歌』 > ときに『ネクロノミコン』や『エイボンの書』と並び称される魔道書。ディルカ一族の手で、往古の伝説的形態から人類黎明期の三大文明の言語に翻訳された。 > >・『カーナックの書』 > おそらくはエジプト起源と思われる魔道書。 > 異次元の知的生命体の実在に関する記述がある。 > >・『セラエノ断章』 > 書物や写本ではなく、壊れた石版の形で遺されたという禁断の書。 > 〈旧神〉や〈旧支配者〉の秘密が記されている。 > >それではまた次回。 今回も楽しませていただきました♪ ヤバイ魔道書数冊で召喚するのは、当然の如くヤバイ御方なのですね……(^_^;) ヴェルミスさんのおかげな〃執行猶予〃の間に、リナ達はどれだけ危険度を減らせるのでしょうか。 襲いかかってくる魔道士達とリナ達の戦い。そしておそらくボルボックさんと同じ場所にいて、 戦っているのであろうガウリイ。 続きを楽しみにお待ちしています。 それでは、今日はこの辺で失礼します。 |
31529 | ギリギリまで足掻きます | 棒太郎 | 2005/6/14 22:43:54 |
記事番号31527へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >梅雨入り。こちらもそろそろです。……できればダムの辺りに、大量に降らないかなとか、 >思ってますが(笑) > >さて、今回は単純に運の問題なのか、それとも先祖が子孫を呼び寄せたのか、という感じですね。 >ひっそりと、けれど身を持って、な〃彼〃の行動には、ただただ頭が下がります。 >番外だろうと本編だろうと、やはり〃彼〃は凄い方なのですね。 こんばんは、エモーションさん。 梅雨入り・・・・・したのはいいのですが、まだカラカラにいい天気です。 どうなってんだ、こりゃ? 今回のは、やっぱり因縁という他ないでしょうね。巻き込まれる方はたまったもんじゃありませんが。 >>『雷雲甲冑』を身に纏い、そこらじゅうに爆雷をかます姿が容易に想像でき、小さく吹き出してしまった。 > >確かにそれはいい目印ですね。 >そしてシキブさんがギャグではなく、真面目に言っているだけに余計に笑えます。 武具の性質と所有者の気質からそうなってしまいますが。 >>轟音とともに雷が炸裂し、壁を破壊した。 >>次々と壁を破壊しながら、ミカズチは文字通り一直線に遺跡内を走り出した。 > >……ある意味、ほとんどシキブさんの予想どおりな行動を取っているミカズチさん。(笑) >下手に壊すと崩れるんじゃあ……(汗) 結構長い付き合いがあると思いますので、性格をよく理解してますね。 タクラマカンのときを見ても、周りにも目を配れているので大丈夫とは思いますが。 >>目には見えないが、感覚が先ほどの振動により、空間がめちゃめちゃになっていることを捉えていた。 > >単純に違う場所だから、というのとは違っていると、明確に分かるくらいおかしくなっているのですね。 空間が激しくシェイクされて、しかもチグハグにくっつき合わさっているようなモンです。 >>目を凝らしてみると、なにやら祭壇らしかった。 >>それは先ほどまでエズダゴルたちが目指していた場所だとは、二人にはそこまで分からなかった。 > >無欲の勝利(?)というべきか。エズダゴルさんたちが知ったら、悔しがるでしょうね。 これぞ漁夫の利(?) 懸命に探して、あんなのまで喰らった方としては、ハンカチを噛み千切るようなもんですね。 >>その中央に複雑な構成の魔法陣がいくつも敷かれ、そこにエズダゴルとネフレンカが立っていた。 >>その後ろに見守るように、イルファンと生き残りの魔道士がいた。 > >空間がめちゃくちゃになったものの、エズダゴルさんたちはそこそこちゃんとした部屋を >新たに見つけたのですね。 一応ここが目的地です。 >>魔力が絡まり、更なる奔流となり、またそれが絡まってゆく。 >>そして声がひとつに重なる。 >> >> >> ――――顕れ給え、顕れ出で給え。ここに汝がときは来たれり!! > >エズダゴルさんがいる部屋を中心に行われる儀式。いったい何をと思っていたら……(汗) >思いっきりとんでもない存在の召喚を……(滝汗) いよいよ始まりました。 これからが真の本番です。 >>それは台座のひとつに腰掛けていた。 >>長い年月の経過によってであろう、ボロボロになった鍔広のシルクハットを被り、黒のガウンとケープを纏っていた。 >>その肉体はすでにミイラ化していた。 > >この方は……もしかして〃彼〃……でしょうか? はい、”彼”です。 >>電撃にも似た衝撃が走った。 >>「お嬢様!?大丈夫でございますか!?」 >>駆け寄るシキブにリナは大丈夫と笑みを浮かべた。 >>「どうやらこのミイラ自身が身を持って本を封印しているみたいね。どこの誰だか知らないけど、なかなかの力の持ち主だわ」 > >自分の身を持って封印……。 >ヴェルミスさんであっても、強力とはいえ、自分を犠牲にしなくてはならないような封印を >取らざるを得ない存在……。 >これだけでも充分凄い相手なのだと分かりますね。 >今のところミイラが誰か分かっていないリナ。後で知ったらどう思うのでしょうね。 再び世に出さないよう、最後の力を振り絞ってより強力に封印をかけてます。 >>数千匹の蟲がゾワリと全身に這い上がるような感触が走った。 > >……かなり嫌な感触ですね(汗) いや過ぎる感触の表現をと思い、こーゆー描写に。 >>と、ミイラは塵となって崩れ落ちた。 >>まるでリナたちに『妖蛆の秘密』を託したようにも見えた。 > >エズダゴルさんたちが行った儀式のため、意味がなくなったからなのか、それともヴェルミスさんの >意思でリナたちに後事を託したのか。なんとなく、後者のように思えますね。 事態が起こってしまったため、というのもありますが、そのための『毒を持って毒を制す』るものを後世の者に――――というのでもあります。 >>「おのれ・・・・・ヴェルミス=インバースめ・・・・・・最後の最後までとんだ邪魔をしてくれる・・・・・・・」 >>大きく息をつき、忌々しげにエズダゴルが呟いた。 > >死して尚、とことん彼らの邪魔をするヴェルミスさん。本当にさすがというか凄い方ですね。 二重三重の対策を施していますから、彼は。 >>「それまでに邪魔者は抹殺しておくとしましょう」 >>エズダゴルの言葉が出るや、周りの小部屋から3人の魔道士の気配が消えた。 > >ヴェルミスさんが行ってくれた〃時間稼ぎ〃。リナたちにとって、本当に貴重な時間ですね。 >そしてリナ達を始末するべく、動き出したギザイアさんたち。 >いよいよ彼らとの直接対決になるのですね。 いよいよ直接対決です。 皆、それぞれ何かしらの因縁がありますからね。 >> ―――――クカカ、クカカカカカカカ >> >> ―――――さて、いよいよか >> >> ―――――クカカカカカカカ > >エズダゴルさんたちの儀式でこちらへ顕現しようとする〃存在〃を感じ取り、楽しげに笑うナイの方。 >……この世界のことを考えると、この御方の出番がない方が良いのでしょうけれどね……。 でしゃばってくれないほうがいいでしょうね。 でないと、でなくていい被害まで出てしまいそうですから。 >>続きでした。 >>儀式がひと段落したエズダゴル組。 >>解き放たれた3人の魔道士がリナたちに襲い掛かる! >>というわけで次回もバトル必至です。 >今回も楽しませていただきました♪ >ヤバイ魔道書数冊で召喚するのは、当然の如くヤバイ御方なのですね……(^_^;) >ヴェルミスさんのおかげな〃執行猶予〃の間に、リナ達はどれだけ危険度を減らせるのでしょうか。 >襲いかかってくる魔道士達とリナ達の戦い。そしておそらくボルボックさんと同じ場所にいて、 >戦っているのであろうガウリイ。 >続きを楽しみにお待ちしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。 一応知らぬところで時間稼ぎは働いてますが、厄介な敵も向かってきてますからね。 まだまだ予断を許さない状況です。 それでは、どうもありがとうございました。 |
31536 | 闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 2 | 棒太郎 | 2005/6/17 10:54:52 |
記事番号31518へのコメント こんにちは、棒太郎です。 あんまり雨も降ってないのに、梅雨も中休みて・・・・・ こりゃ、また水不足ですな。 それでは続きをどうぞ。 ************************************* 『闇黒の断章 〜第5章〜』 「Dig Me No Grave」 2 薄暗い石の回廊を、ライティングの光を頼りに3つの影がひた走る。 「さっきのアレは一体なんだったんだ!?」 駆けながら、影のひとつ―――ゼルガディスが声を上げた。 「詳しくは分かりませんが、恐らくは何かを始めたものと思われます」 先頭を行くラ・モルテが応えた。 爆発の衝撃にも似た空間震のしばらく後に訪れた異様な戦慄の気配。 「あの気配は・・・・・・まさしく”悪”です!」 アメリアの正義レーダーがビンビンにソレを捉えていた。 「なんにせよこれまで以上にやばくなってきたということか・・・・」 そうゼルガディスが呟いたとき、 「むっ!お二方!!」 バッと両腕を広げ、ラ・モルテが二人を止めた。 そこへ炎の矢がいくつも飛んでくるのと、ラ・モルテが”ゴルゴダ”を構えるのは同時だった。 向かってきた炎の矢はすべて”ゴルゴダ”によって防がれた。 「ほう、地上でも見ていたが、やはり油断ならぬ者のようだな」 回廊の闇の奥からそう声がし、やがてヌゥッとその姿が現れた。 「!?お前は!?」 ゼルガディスが剣を抜いた。 「ほほう、あの者が言っていたように、生きておったか」 現れた男――ハオン=ドルはニヤリと笑ってそう言った。 「あの時おとなしく死んでいれば、さらなる地獄を味わうこともなかったろうに」 ハオン=ドルの手に魔力が集中する。と、そこへ頭上から影が差した。 次の瞬間には凄まじい轟音と共に、石床を破壊した。 「アメリア様、ゼルガディス様。ここはお任せを」 振り下ろした”ゴルゴダ”を縛る革ベルトを握り締めながら、ラ・モルテが先を促した。 スナップを利かせて手首を返すや、その動きに反応して、”ゴルゴダ”が生き物のように跳ね上がる。 「ぬおっ!?」 ハオン=ドルは迫りくるそれを避けると、その隙にアメリアとゼルガディスは脇を走り抜けた。 「おのれ!」 「おっと、お前の相手はこの私だ」 荒れ狂う大蛇のように、壁を床を砕きながら、”ゴルゴダ”が縦横無尽に襲い掛かる。 だが、二人が走り去ったを見ながらハオン=ドルはニヤリと笑みを浮かべた。 「何がおかしい?」 「ふ、私を足止めしたつもりだろうが、あまり意味がなっかたな」 「なんだと?」 アメリアとゼルガディスは、ラ・モルテが見当をつけた気配の方角を走った。 だが――――― 「ふふ、ネズミども、逃がさんぞ」 その声と共に、炎の矢が襲い掛かった。 「!?フレア・アロー!!」 咄嗟に魔法でそれを相殺する。 だが、二人は現れた声の主に愕然とした。 「バ、バカな」 二人の驚きにニヤリと笑みを浮かべるのはまさに、ハオン=ドルであった。 「まさか!貴様、二重存在(ドッペルケンガー)の使い手か!?」 「御名答。よくわかったな」 しまった、とラ・モルテは顔をしかめた。まんまとしてやられてしまった。 「おっと、いかせはせんぞ。お前はここで私と遊んでもらおうか」 それに――――、とハオン=ドルは言葉を続ける。 「お前と遊びたがっているのがもう一人いるのでな」 「なに?」 その言葉と共に、彼の背後の壁や床から大量の水が染み出した。それがひとつに集まるや、ズズズッと人の形に立ち上がった。 「貴様は・・・・バミューダ」 そこには”門番”のひとり、バミューダが立っていた。 薄暗い回廊の中を、いくつかの火花が飛び散った。 剣と剣がぶつかり合い、その度に小さく回廊の中に輝いている。 数合打ち合いが続き、二人は互いに間合いを離した。 二人とも金の長髪をたなびかせていた。 「・・・・・何を焦っている?」 片方の黒い重装の鎧を纏った剣士が、対峙する軽装の剣士に問うた。 ボルボックとガウリイであった。 あの空間震でリナたちとバラバラになったが、この二人は近い場所にいたためか、同じところにいた。 「あんたにゃ関係ないな」 そう言いながらも、ガウリイは鋭い眼光でボルボックを睨みつける。 「・・・・・あの魔道士の少女のことが心配か?」 ボルボックの言葉に、しかしガウリイの顔色に変化はなかった。しかし、ボルボックはそれを肯定と捉えた。 「・・・・あの少女は、おとなしく守られているような女子でもあるまい」 「まあな。どっちかって言うと、相手に一発かますようなタイプさ。けど、俺はあいつの保護者をずっとやってたんでね」 ガウリイがそういうと、ボルボックは小さく笑みを浮かべた。 「なるほど・・・・・しかし、君には悪いが、私は私の役目を果たさせて貰おう」 そういうと、剣を持つボルボックの右腕――それを包む鎧が生き物のように蠢き、腕が倍以上の太さになった。その腕には凄まじい”力”のプレッシャーに溢れていた。 さすがのガウリイも目を見開き、「おいおい・・・・」と呟いた。 「ガウリイ=ガブリエフ、いざ尋常に―――」 「それのどこが尋常だよ」 口調は呆れ気味だが、ガウリイの全神経は凄まじくヤバイと警告していた。 (この広さじゃ避けても余波でダメージを受けちまいそうだな) どうする――――と、考えを巡らせていたとき、 おやおや、こいつぁヤバイこって どこかで誰かが呟いた。 仕方がねえ、水差すようだがちょいと預かりにしてもらおう ボルボックが大上段に剣を振り下ろした。 刃が地面に触れた瞬間、爆発するように”力”が解放された。 轟音と共に、床や壁が吹き飛び、クレーター状に抉れていた。 だが、ガウリイの姿はどこにもなかった。 手応えはなかったので、吹き飛んだわけではない。 「ガウリイ=ガブリエフ・・・・・どこへ・・・・・?」 リナとシキブは目の前の扉を勢いよく開けた。 そこはこれまでとは違い、神殿のようにも、広間のようにも思えるところだった。 だがこの場所が、あの気配を察したところなのだと、シキブは言っていた。 「ほう、ネズミが2匹ここまで来たか」 振り向くと、一人の男が階段の上に立っていた。 男から感じられる雰囲気は、前に出遭ったティリンギャストよりも異様なものだった。 「これは・・・・・いきなりボスの登場ってとこかしら」 リナは男を見据えながら構える。だが、その背に汗が流れるのを否が応でも感じていた。 「名前ぐらいは名乗っておこうか。私はアルゼンスタン王国宮廷魔道士団の長がひとり、エズダゴルだ」 「これはまた・・・大物じゃない」 「しかしここまでやって来るとはたいしたものだな」 「まあ半分はへんな空間震に巻き込まれたせいだけど」 リナの言葉になるほど――とエズダゴルは笑みを浮かべた。 「しかしその若さでなかなかの腕前だ。ひとつ、名前を教えてもらいたい」 「・・・・・・・リナ=インバースよ」 その言葉にエズダゴルがほぅ、と呟いた。 「なるほど、君があの・・・・・・・ならば、もうひとつ尋ねたい」 「なによ」 「君の先祖にヴェルミス=インバースという者はいるか?」 「・・・さあ・・・・・・ご先祖様の詳しいことは知らないわ。でもインバースって名字もそうあるもんじゃないから・・・・もしかしたらいるかもね」 それを聞いてエズダゴルはますます笑みを深めた。 「くくく・・・ははは・・・・これは面白い。なんという因縁だ。ははは―――――」 エズダゴルの笑いにリナは訝しい顔色を浮かべる。 「ならば、180余年の時を隔てて再び決着をつけようか」 「ちょっと!どういうことよ!」 「ふふ、我らが教祖、初代シャッド=メルの計画を邪魔したのが、彼なのだよ。結果、教団も大打撃を受け、一時壊滅させられたのさ」 そういえばセリシアが「教団は何者かとの抗争で壊滅したと言われている」と言っていた。 なんだかそのご先祖様を恨みたくなってきたが、ここでそんなことを言っても始まらない。 「ああーー、もうっ!こうなったら来るものぶっ飛ばしてやるわよ!!」 半ばヤケクソ気味にリナは臨戦態勢をとる。そのとき、エズダゴルはリナの懐からある気配を感じ取った。 「リナ=インバース!その懐のものは――――」 その言葉に懐に手を当て、中をチラリと見るリナ。 「それはまさかっ、『妖蛆の秘密』!?馬鹿な、それをどうして!?」 エズダゴルが驚きに目を見開いた瞬間、シキブがリナを抱きしめ、脱兎のごとく扉の外へと駆け出した。 「くっ!アレさえあれば、すぐにでも――――!!」 だが、今この場を離れるわけにはいかなかった。 チッと忌々しげに唇を噛むが、しかしその次には元の表情に戻っていた。 「そうか・・・・・・では任せたぞ。”ナハブの魔女”」 そう言うと、踵を返して奥のほうへと消えていった。 ************************************ 続きでした。 今回いろいろ振り分けとなりました。 次回はこれらの対決となります。 ジゴマの仕込みももうすぐでてきますよ。 それではまた次回。 |
31540 | それぞれ因縁の相手と出会ってますね | エモーション E-mail | 2005/6/17 23:42:31 |
記事番号31536へのコメント 棒太郎様、こんばんはです。 >あんまり雨も降ってないのに、梅雨も中休みて・・・・・ >こりゃ、また水不足ですな。 水不足は嫌ですね(^_^;) かといって何年か前、こちらであったみたいに梅雨明け宣言した途端、 雨が降り続き、撤回→好天が続く→梅雨明け宣言→再びだばだば雨続き→撤回を繰り返すという、 まるでマンガのような状況も鬱陶しいですし。(結局その年は、はっきりした梅雨明け宣言がないまま、 台風シーズンに突入しました(汗)) 梅雨の時期に、しっかりと降ってほしいものです。 さて、ひとり遺跡を無理やり突破しているミカズチさんを別にして、それぞれの場所で敵と対峙する アメリア・ゼル組、リナ・シキブさん、そしてガウリイ。 いよいよ本番ですね。 >爆発の衝撃にも似た空間震のしばらく後に訪れた異様な戦慄の気配。 >「あの気配は・・・・・・まさしく”悪”です!」 >アメリアの正義レーダーがビンビンにソレを捉えていた。 まあ……レーダーの針が勢いよく振り切れそうなくらい、やばい〃存在〃ですし……(汗) >「!?お前は!?」 >ゼルガディスが剣を抜いた。 >「ほほう、あの者が言っていたように、生きておったか」 >現れた男――ハオン=ドルはニヤリと笑ってそう言った。 >「あの時おとなしく死んでいれば、さらなる地獄を味わうこともなかったろうに」 ゼルとハオン=ドルさん。まさに「ここであったが百年目」という感じですね。 >「まさか!貴様、二重存在(ドッペルケンガー)の使い手か!?」 >「御名答。よくわかったな」 >しまった、とラ・モルテは顔をしかめた。まんまとしてやられてしまった。 >「おっと、いかせはせんぞ。お前はここで私と遊んでもらおうか」 >それに――――、とハオン=ドルは言葉を続ける。 >「お前と遊びたがっているのがもう一人いるのでな」 >「なに?」 >その言葉と共に、彼の背後の壁や床から大量の水が染み出した。それがひとつに集まるや、ズズズッと人の形に立ち上がった。 >「貴様は・・・・バミューダ」 >そこには”門番”のひとり、バミューダが立っていた。 自分が足止めになり、ゼルとアメリアを先に行かせようとしたのに、相手はドッペルゲンガー……。 さらに先程ラ・モルテさんと戦い、とどめを刺し損ねたバミューダさんも参戦。 これは、結構厄介な戦いになりそうですね。 >薄暗い回廊の中を、いくつかの火花が飛び散った。 >剣と剣がぶつかり合い、その度に小さく回廊の中に輝いている。 >数合打ち合いが続き、二人は互いに間合いを離した。 やはり同じ場所に飛ばされ、戦っていたガウリイとボルボックさん。 シリアスな戦いが繰り広げられていますね。 >「・・・・・あの魔道士の少女のことが心配か?」 >ボルボックの言葉に、しかしガウリイの顔色に変化はなかった。しかし、ボルボックはそれを肯定と捉えた。 >「・・・・あの少女は、おとなしく守られているような女子でもあるまい」 >「まあな。どっちかって言うと、相手に一発かますようなタイプさ。けど、俺はあいつの保護者をずっとやってたんでね」 リナが心配で仕方がないガウリイ。はっきりと表情に表さなくても、空間震の前と後での微妙な 態度や剣さばきなどの様子から、やはり分かるものなのでしょうね。 うーん。ガウリイ、愛ですねぇ。そしてシリアスです。 >「なるほど・・・・・しかし、君には悪いが、私は私の役目を果たさせて貰おう」 >そういうと、剣を持つボルボックの右腕――それを包む鎧が生き物のように蠢き、腕が倍以上の太さになった。その腕には凄まじい”力”のプレッシャーに溢れていた。 >さすがのガウリイも目を見開き、「おいおい・・・・」と呟いた。 >「ガウリイ=ガブリエフ、いざ尋常に―――」 >「それのどこが尋常だよ」 >口調は呆れ気味だが、ガウリイの全神経は凄まじくヤバイと警告していた。 確かに「どこが尋常なんだ」ですね、ボルボックさんの右腕……。(汗) これは〃鎧〃が右腕を変化させたのか。それとも右腕自体が既に〃別の物〃になってしまったものなのか。 何にせよ、いくら斬妖剣(ブラスト・ソード)を所持していて、心身も鍛えているとはいえ、 生身の人間であるガウリイには激しく不利ですよね。 > おやおや、こいつぁヤバイこって > >どこかで誰かが呟いた。 > > 仕方がねえ、水差すようだがちょいと預かりにしてもらおう > >ボルボックが大上段に剣を振り下ろした。 >刃が地面に触れた瞬間、爆発するように”力”が解放された。 >轟音と共に、床や壁が吹き飛び、クレーター状に抉れていた。 >だが、ガウリイの姿はどこにもなかった。 >手応えはなかったので、吹き飛んだわけではない。 >「ガウリイ=ガブリエフ・・・・・どこへ・・・・・?」 凄まじいパワーです、ボルボックさんの〃力〃……。 ジゴマさんの〃預かり〃がなく、そのまま身に受けていたら、シャレにならないことになっていたような……。 そしてジゴマさんのこの〃演出〃は、半分はジゴマさんの判断、半分はナイの方の依頼によるもの、 と見て良いのでしょうか。 >振り向くと、一人の男が階段の上に立っていた。 >男から感じられる雰囲気は、前に出遭ったティリンギャストよりも異様なものだった。 >「これは・・・・・いきなりボスの登場ってとこかしら」 >リナは男を見据えながら構える。だが、その背に汗が流れるのを否が応でも感じていた。 最重要部所(?)にたどり着いたリナとシキブさん。 二人にとっては、テレポーターでいきなりラスボスのいる部屋の前に来てしまった感じですから、 エズダゴルさんとしても苦笑するしかないでしょうね。 それでも、相手の力量を甘く見ない辺りはさすがです。 >「しかしその若さでなかなかの腕前だ。ひとつ、名前を教えてもらいたい」 >「・・・・・・・リナ=インバースよ」 >その言葉にエズダゴルがほぅ、と呟いた。 >「なるほど、君があの・・・・・・・ならば、もうひとつ尋ねたい」 >「なによ」 >「君の先祖にヴェルミス=インバースという者はいるか?」 >「・・・さあ・・・・・・ご先祖様の詳しいことは知らないわ。でもインバースって名字もそうあるもんじゃないから・・・・もしかしたらいるかもね」 さすがに王侯貴族だの、先祖が歴史上の人物だのといった、所謂名家でもない限り、 普通は自分の先祖の名前なんてそうそう知りませんしね。 それでも名字が珍しい方であれば、可能性は高い、と。 >「くくく・・・ははは・・・・これは面白い。なんという因縁だ。ははは―――――」 >エズダゴルの笑いにリナは訝しい顔色を浮かべる。 >「ならば、180余年の時を隔てて再び決着をつけようか」 >「ちょっと!どういうことよ!」 >「ふふ、我らが教祖、初代シャッド=メルの計画を邪魔したのが、彼なのだよ。結果、教団も大打撃を受け、一時壊滅させられたのさ」 >そういえばセリシアが「教団は何者かとの抗争で壊滅したと言われている」と言っていた。 >なんだかそのご先祖様を恨みたくなってきたが、ここでそんなことを言っても始まらない。 先祖が壊滅させ、それでも復活した相手と、今度はその子孫が対峙することになる……。 確かにこれは〃因縁〃のようなものですね。 先祖のことをそれなりに詳しく知っていそうなセリシアさんが、教団壊滅に先祖が関わっていると知らない…… ヴェルミスさんが本当に、全く余裕がない状態で、自らの身体を使って封印という手段を 取らざるを得なかった証拠のようなものですね。そう思うと少し悲しいです。 >「リナ=インバース!その懐のものは――――」 >その言葉に懐に手を当て、中をチラリと見るリナ。 >「それはまさかっ、『妖蛆の秘密』!?馬鹿な、それをどうして!?」 >エズダゴルが驚きに目を見開いた瞬間、シキブがリナを抱きしめ、脱兎のごとく扉の外へと駆け出した。 シキブさんはエズダゴルさんの様子から、何かを感じてこの場を退く方を選んだのでしょうか。 何にせよ、良い判断だったのかも。 そして、リナたちの次の相手はギザイアさんなのですね。 >続きでした。 >今回いろいろ振り分けとなりました。 >次回はこれらの対決となります。 >ジゴマの仕込みももうすぐでてきますよ。 >それではまた次回。 楽しく読ませていただきました♪ 今現在バトル中のゼルたち。一旦退いたものの、すぐに相手を変えてのバトルになりそうなリナたち。 そして一時預かりになったガウリイ。 中央突破(?)中のミカズチさんはともかく、この中ではガウリイがまずどうなったのか気になります。 また、あの状態のボルボックさんとどう戦うのかなとも。 ジゴマさんの仕込みもそろそろ出てくるのですね。何が出てくるか楽しみです。 それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 |
31543 | 戦端が開かれました。 | 棒太郎 | 2005/6/18 23:53:11 |
記事番号31540へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >水不足は嫌ですね(^_^;) かといって何年か前、こちらであったみたいに梅雨明け宣言した途端、 >雨が降り続き、撤回→好天が続く→梅雨明け宣言→再びだばだば雨続き→撤回を繰り返すという、 >まるでマンガのような状況も鬱陶しいですし。(結局その年は、はっきりした梅雨明け宣言がないまま、 >台風シーズンに突入しました(汗)) >梅雨の時期に、しっかりと降ってほしいものです。 > >さて、ひとり遺跡を無理やり突破しているミカズチさんを別にして、それぞれの場所で敵と対峙する >アメリア・ゼル組、リナ・シキブさん、そしてガウリイ。 >いよいよ本番ですね。 こんばんは、エモーションさん。 去年も確かあんまり降らなくて、そのかわり台風が通年のシーズン以降も来ましたね。 きちんとメリハリはつけてほしいものです。 >>爆発の衝撃にも似た空間震のしばらく後に訪れた異様な戦慄の気配。 >>「あの気配は・・・・・・まさしく”悪”です!」 >>アメリアの正義レーダーがビンビンにソレを捉えていた。 > >まあ……レーダーの針が勢いよく振り切れそうなくらい、やばい〃存在〃ですし……(汗) この世界の基準以上のものですからね。 >>現れた男――ハオン=ドルはニヤリと笑ってそう言った。 >>「あの時おとなしく死んでいれば、さらなる地獄を味わうこともなかったろうに」 > >ゼルとハオン=ドルさん。まさに「ここであったが百年目」という感じですね。 因縁の対決その@ですね。 第2ラウンド開始です。 >>その言葉と共に、彼の背後の壁や床から大量の水が染み出した。それがひとつに集まるや、ズズズッと人の形に立ち上がった。 >>「貴様は・・・・バミューダ」 >>そこには”門番”のひとり、バミューダが立っていた。 > >自分が足止めになり、ゼルとアメリアを先に行かせようとしたのに、相手はドッペルゲンガー……。 >さらに先程ラ・モルテさんと戦い、とどめを刺し損ねたバミューダさんも参戦。 >これは、結構厄介な戦いになりそうですね。 超兵器”ゴルゴダ”を持っているとはいえ、楽ではない戦いです。 >>薄暗い回廊の中を、いくつかの火花が飛び散った。 >>剣と剣がぶつかり合い、その度に小さく回廊の中に輝いている。 >>数合打ち合いが続き、二人は互いに間合いを離した。 > >やはり同じ場所に飛ばされ、戦っていたガウリイとボルボックさん。 >シリアスな戦いが繰り広げられていますね。 魔法合戦もいいけど、剣術勝負も書いてると心躍ります。 やっぱりチャンバラが好きなんだなぁ・・・・・ >>「・・・・あの少女は、おとなしく守られているような女子でもあるまい」 >>「まあな。どっちかって言うと、相手に一発かますようなタイプさ。けど、俺はあいつの保護者をずっとやってたんでね」 > >リナが心配で仕方がないガウリイ。はっきりと表情に表さなくても、空間震の前と後での微妙な >態度や剣さばきなどの様子から、やはり分かるものなのでしょうね。 >うーん。ガウリイ、愛ですねぇ。そしてシリアスです。 それなりのレベルを持つものには、些細な変化もわかってしまうのでしょう。 >>「ガウリイ=ガブリエフ、いざ尋常に―――」 >>「それのどこが尋常だよ」 >>口調は呆れ気味だが、ガウリイの全神経は凄まじくヤバイと警告していた。 > >確かに「どこが尋常なんだ」ですね、ボルボックさんの右腕……。(汗) >これは〃鎧〃が右腕を変化させたのか。それとも右腕自体が既に〃別の物〃になってしまったものなのか。 >何にせよ、いくら斬妖剣(ブラスト・ソード)を所持していて、心身も鍛えているとはいえ、 >生身の人間であるガウリイには激しく不利ですよね。 これは前者のほうです。ボルボックの”鎧”がクセモノです。 はっきり言って彼も生身の人間じゃありませんからね。 >> おやおや、こいつぁヤバイこって >> >>どこかで誰かが呟いた。 >> >> 仕方がねえ、水差すようだがちょいと預かりにしてもらおう > >凄まじいパワーです、ボルボックさんの〃力〃……。 >ジゴマさんの〃預かり〃がなく、そのまま身に受けていたら、シャレにならないことになっていたような……。 >そしてジゴマさんのこの〃演出〃は、半分はジゴマさんの判断、半分はナイの方の依頼によるもの、 >と見て良いのでしょうか。 依頼から推測して、何かあったらまずいだろうなとの判断で手を出しました。 ”仕込み”を出すにはちょい間に合わないようだったので。 >>「これは・・・・・いきなりボスの登場ってとこかしら」 >>リナは男を見据えながら構える。だが、その背に汗が流れるのを否が応でも感じていた。 > >最重要部所(?)にたどり着いたリナとシキブさん。 >二人にとっては、テレポーターでいきなりラスボスのいる部屋の前に来てしまった感じですから、 >エズダゴルさんとしても苦笑するしかないでしょうね。 >それでも、相手の力量を甘く見ない辺りはさすがです。 気がつけばボスの前でした――――ですからね。 向こうにしても「あ〜〜」という他ないでしょう。 >>「君の先祖にヴェルミス=インバースという者はいるか?」 >>「・・・さあ・・・・・・ご先祖様の詳しいことは知らないわ。でもインバースって名字もそうあるもんじゃないから・・・・もしかしたらいるかもね」 > >さすがに王侯貴族だの、先祖が歴史上の人物だのといった、所謂名家でもない限り、 >普通は自分の先祖の名前なんてそうそう知りませんしね。 >それでも名字が珍しい方であれば、可能性は高い、と。 詳しい家系図を遺してない限り、180年以上前の先祖のことなんてなかなかわかりませんよね。 >>「ふふ、我らが教祖、初代シャッド=メルの計画を邪魔したのが、彼なのだよ。結果、教団も大打撃を受け、一時壊滅させられたのさ」 >>そういえばセリシアが「教団は何者かとの抗争で壊滅したと言われている」と言っていた。 >>なんだかそのご先祖様を恨みたくなってきたが、ここでそんなことを言っても始まらない。 > >先祖が壊滅させ、それでも復活した相手と、今度はその子孫が対峙することになる……。 >確かにこれは〃因縁〃のようなものですね。 >先祖のことをそれなりに詳しく知っていそうなセリシアさんが、教団壊滅に先祖が関わっていると知らない…… >ヴェルミスさんが本当に、全く余裕がない状態で、自らの身体を使って封印という手段を >取らざるを得なかった証拠のようなものですね。そう思うと少し悲しいです。 運命というよりも”宿命”といった感じですね、こんな因縁。 ヴェルミスもこの最後の戦いより数年前から消息不明になっていたので、この関わりはわからなかった―――という設定です。 >>エズダゴルが驚きに目を見開いた瞬間、シキブがリナを抱きしめ、脱兎のごとく扉の外へと駆け出した。 > >シキブさんはエズダゴルさんの様子から、何かを感じてこの場を退く方を選んだのでしょうか。 >何にせよ、良い判断だったのかも。 >そして、リナたちの次の相手はギザイアさんなのですね。 「今この場で戦うのはまずい」と判断しての、戦略的撤退です。 ネフレンカとかの気配も感じ取って、そう決断しました。 >>続きでした。 >>今回いろいろ振り分けとなりました。 >>次回はこれらの対決となります。 >>ジゴマの仕込みももうすぐでてきますよ。 >>それではまた次回。 > >楽しく読ませていただきました♪ >今現在バトル中のゼルたち。一旦退いたものの、すぐに相手を変えてのバトルになりそうなリナたち。 >そして一時預かりになったガウリイ。 >中央突破(?)中のミカズチさんはともかく、この中ではガウリイがまずどうなったのか気になります。 >また、あの状態のボルボックさんとどう戦うのかなとも。 >ジゴマさんの仕込みもそろそろ出てくるのですね。何が出てくるか楽しみです。 > >それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。 もうしばらくバトル中心になると思います。 いろいろと小さな山場を用意する予定ですので、どうぞお楽しみに。 それでは、どうもありがとうございました。 |