◆−覇王将軍−朧月夜 (2005/8/4 16:20:16) No.31652 ┗Re:覇王将軍−ルフラン (2005/8/4 18:10:22) No.31653 ┗Re:覇王将軍−朧月夜 (2005/8/6 22:23:12) No.31670
31652 | 覇王将軍 | 朧月夜 | 2005/8/4 16:20:16 |
男にさんざん弄ばれて。 生きるのが辛くて。 だから、飛び降りた。 夢を、見ていた。 長い長い、夢だった。 唐突に視界が金色に染まった。 あまりのまぶしさに気を失って、気付いたときには… 私は魔族だった。 それからの私は、覇王様に使えた。 前世の記憶があるのを隠して、精一杯頑張った。 でも、いつも心の隅には、あの記憶が残っていた。 他の皆には、記憶が残っていないみたいなのに。 どうして私だけ、こんなことを覚えているの・・? そう思っていると、金色に輝いた『声』が聞こえた。 『記憶があるのは、お前だけではない。 魔族全体と言っても過言ではないだろう。 もっとも、お前はきづいていないようだが。 前世であった辛いことや悲しいこと… それを抱えた者のみが、魔族になるのだ。 人間にされたことを思い出して、人間を憎みながら…』 そうか。 そうなんだ。 だから私は、こんなにも人間を憎んでたんだ。 そして、覇王様が稀に見せる、悲しそうな顔。 決めた。 私は、覇王様についていこう。 殺されるなら覇王様の手で。 やっと、そう決断したときだった─── 人間の、リナ=インバースとかって奴が。 ・・あっさりと、この決断を揺らがせた。 「覇王グラウシェラーの部下で名前がシェーラ! その安直なネーミング・センスが許せないって言ったのよっ! 「──まさかとは思うけど。 シェーラ、アンタの同僚──っていうか、覇王神官か何かに、『グラウ』だの、『グロウ』だのって名前の奴がいたりしないでしょーね?」 その後の事は、まさしく前世の記憶そのままだった。 覇王様にたかが道具と言われ、覇王神官にあきらめきった声で「そうに決まってるだろ」って言われて。 目の前が、暗くなった───── それから私は、無茶なことに、どんどん手を出していった。 滅べるものなら早く滅びたい。 だけど、せめて『上司』である覇王様のお役に立たなきゃ。 そう思った。 滅びたときの笑顔の理由は、リナたちが勝手に想像したものじゃない。 やっと、解放される。 誰にも干渉されないところ…混沌の海に帰ることが出来ると、そう思えて。 久しぶりに、ほっとできた、そういう笑顔。 さようなら、覇王様。 私は最期まで、貴方を憎めないままでした──── ・・・・・・・・・・ 初投稿です。始めまして。 皆さんの素晴らしい小説&詩に埋もれて駄文の私がいます。 ふふ・・・ごめんなさい。 とにかく健気なシェーラさんが好きで書いたはずの文なのに、 逆にシェーラさんに失礼なような気がしてきました。 そう思いつつも投稿してしまう悲しい女心。 |
31653 | Re:覇王将軍 | ルフラン E-mail | 2005/8/4 18:10:22 |
記事番号31652へのコメント はじめまして、ルフランといいます。 シェーラちゃんの小説、切ない感じが良いです。 前世から不幸っていうのが少し可愛そうな感じがしますが・・・。 それでも上司は憎めなかったって所がいいかなぁ、と思ってたり。 ・・・コメント訳分からん(汗 とにかく、よろしくお願いします(笑 ・・・ところでHNの漢字が読めなかったんです(おい) なんてお呼びすればいいでしょうか・・・・?(滝汗 |
31670 | Re:覇王将軍 | 朧月夜 | 2005/8/6 22:23:12 |
記事番号31653へのコメント ルフラン様、始めまして。 もったいないお言葉、ありがとうございます!(涙 ここに限らず投稿するのは初めてで、しかもこんな素晴らしいコメントが頂けるとは・・・ ・・・私って、幸せですね・・・(遠い目 自分としてはシェーラさんは万年不幸女(酷)というイメージがあったものですから・・・ シェーラさんごめんなさい!!(汗 名前ですが、「朧月夜」と書いて「おぼろづきよ」と読みます。 こうして平仮名で書くと馬鹿っぽいですが・・・ ではでは。 ありがとうございました。 |