◆−ネット復帰しました。−十叶夕海  (2005/8/5 20:28:17) No.31657
 ┗生か死か CASE 6―40 安心 或いは 少しの進歩?−十叶夕海  (2005/8/5 21:00:31) No.31658
  ┣生か死か CASE 6―41  真夜中 或いは 求めるモノ−十叶夕海  (2005/8/10 23:50:54) No.31689
  ┣生か死か CASE 6―42  誘拐 或いは 僕のお母さん−十叶夕海  (2005/8/11 22:30:23) No.31691
  ┗生か死か CASE 6―43  成長と気が付いた感情−十叶夕海 (2005/9/1 23:27:30) No.31780


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31657ネット復帰しました。十叶夕海  2005/8/5 20:28:17



お久しぶりの方は、お久しぶり。
初めましての方は、初めまして。

十叶 夕海です。
奇跡的に、『孤独な涙』のツリ‐が残っているようですが、先に生か死かを一段落したいと思います。

では、本編へ。

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31658生か死か CASE 6―40 安心 或いは 少しの進歩?十叶夕海  2005/8/5 21:00:31
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前回までの大まかなあらすじ―。

ルナとレイファルは、裏稼業でコンビを組んでいた。
彼女の因縁により、≪アマスガス≫に関わっていく。
物語開始より、約十ヶ月。
二人の師匠―ホヅミの招待で、スタリオに、旅行に。
そこで、ルナは、師匠と居候のファウストから、話を聞くことに。
その後、寝るように言われたが・・・・


―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―


廊下に、私が出たときに既に、外は大荒れ。
雷こそ、鳴っていなかったが雨と風が縦横無尽に暴れていた。
「それじゃ、お休み。
 ファウスト。」
「お休み。」
部屋の前で、ファストと分かれ、割り当てられた部屋に向かう。
このままだと、時間を置かず雷もなり始めるだろう。
さっさと、風呂に入って寝よう。
うん、それが一番だ。
しかし、私が、マッハで風呂に入ると既に時遅し、十秒に一度は雷が鳴り響いている。
部屋に、戻るとレイファルは本を読んでいた。
「雷・・・鳴ってるな。」
「・・ああ・・・」
「一緒に寝て良いか。」
「・・・ああ・・・・」
生返事しか返さない。
≪雷が鳴っている時は、一緒に寝る≫
そう言う約束をレイとしている。
・・もう判っていると思うけど、私は雷が苦手だ。
そのため、こんな約束をしたのだ。
「レイ・・・・」
「すまんすまん。」
やっぱりこいつにとって、私は、初めて会った時の13歳のままなのか?
もうすぐ、アレから11年。
あの時からですら、7年が経つ。
その両方の時の、情景が雷なのだ。
19になった今ですら、そうなのだ。
「もう寝るか?」
「・・うん。」
私は、寝巻き代わりの浴衣に着替え、レイと同じベッドに入るために近づく―とほぼ同時に、大きな雷が近くに落ちる。
「ひゃあ。」
「とっと、眼を瞑れ。」
情けない悲鳴を上げ、その上レイにい引っ張られて、彼の胸に飛び込んでしまう。
お休み、レイファル。
・・そう言う前に、私は、眠りに落ちた。


雷が鳴っていてもよく眠れた。
レイは私にとって、とても≪安心≫できる場所なのだ。








+――+―+―+―+―+―+―+

後書きは・・・・・

ユア;はい、本日は、バイトが8時間連続でしたので割あ・・・げふっ
久遠;何、バカなこといってんの(背中に、鋼鉄製のハリセンを隠しながら。)
ユア:はいはい。(流血しつつ)
久遠:で、とりあえず、一歩前進ね。
ユア;隠した言葉に気がつけばです。
   だから・・・ということもありますが、後書きを割愛したかったんです。
久遠;いいじゃないの。
   そういえば、次回はあの子が出るわね。
ユア;そ―ですね。
久遠;バラすのもなんだし、終わりしょうか。
二人;では次回の『生か死か』で。
   それでは。




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31689生か死か CASE 6―41  真夜中 或いは 求めるモノ十叶夕海  2005/8/10 23:50:54
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ルナ達が、スタリオに到着する数日前の真夜中。
裏町の一角の酒場―



「≪ウィザ―ド≫、いつもにもまして暗いよな、おい?」
その酒場のステ−ジのすぐ横の半円のボックス席に居た二つの影のうち一人がそう言う。
彼の名前は、アイナ=メルティナ。
キレイに揃えられた黒い角刈りに、彫りが深くゴツイ顔に、筋骨隆々のよく日に焼けた顔が印象的な男だった。
顔の割に怖くないのは、彼の顔に浮かぶのは、親しみ安い笑顔だからだろう。
これで、五十里に顔を染めた日には、彼を慕う部下ですらはだしで逃げ出すだろう。
先ほどの言葉も、からかうような意味合いが込められていた。
「五月蝿い。
 それに、僕は、衛藤景だ。」
「いいじゃんか。
 ・・・そうそう。
 お前のカァちゃん、明日か明後日、この国に来るみたいだから、来たら、さらいに行くからな。」
「ほんとう?」
アイナは、ごく普通に『明日、親戚来るから来たら、映画でも行くか?』とでもいう風に言う。
その言葉に思わず立ち上がったもう一人の影―衛藤景退きていたダボダボなウィンドブレ−カ−の帽子が落ちる。
彼は、ショ−トカットの雪銀色の髪といい、白い肌といい、真紅のひとみといい、雪うさぎを思わせる、少女めいた線の細さの十六〜十八歳の少年だった。
「それ暑くねぇか、この国の気候だと。」
「良いんだ。
 お母さんの好きな絵本の魔法使いっぽいから。」
「マザコンだよなぁ。
 一回もあったことのねぇカァちゃんにそこまで思えるよな・・・」
「五月蝿い。」
景は、少々照れくさそうにそう返す。
それをはぐらかすためにか、ステ−ジをさして、
「ツアムの歌、始るぜ。」
「ああ。」
ステ−ジには、長く波打つ金髪を背中に流し、赤い瞳と優しそうな瞳が印象的で、グラマスな女性である。
その女性は、十数曲を熱唱すると、アイナ達の席に来る。
「今日はどうだったかしら?」
「上手かったぜ。」
「・・・・。」
「景は・・・・って寝てるわね。
 アイナ、この子運んでくるわね。」
景は、ソファで静かな寝息を立てていた。
「ああ、こっちは、店仕舞いしとくからな。」
「お願いね。」





「やっぱり、時間がないのかしら?
 一番若い私でも、ときどき胸に鋭い痛みが走る。」
景の上着を脱がせ、ベッドにおろし、毛布を掛けた後、ツアムは、一人そうつぶやく。
「景は、あの場所を抜けた頃は、こう無警戒に寝ることはなかったのに。」









−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+

ユア;それでは、また次回で会いましょう。



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31691生か死か CASE 6―42  誘拐 或いは 僕のお母さん十叶夕海  2005/8/11 22:30:23
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「いい天気・・・・・」
嵐も過ぎ去り、私達がスタリオに来た翌々日の朝・・と言うよりも昼に近い時間。
師匠のうちの店の前−師匠は、お肉屋さんをやっているのだ−の前を掃き掃除をしていた私はそう漏らす。
その背中では、ミルクと離乳食のレバ−ぺ−ストでお腹一杯になったのか、ベルが寝息を立てている。
今日の晩に、天河に指定された酒場に行く予定なのだ。
「すみません。
 肉屋さんてここですか?」
銀髪・紅眼の線の細い街の少年?がそう訊ねて来た。
「そうよ。」
「・・・ごめんなさい。」
「え・・・・」
私に、少年が触った瞬間、静かなスタンガンのような透明な衝撃を感じた。
また、側には、さっきまでたくさん居た行き交う人々も居なかった。
そして、私の意識が沈み、少年に抱えられた。



「ほぇあ、ほぇあ、ほぇあ・・・」
「くそっ、何処のどいつだ。」
レイファルガ、しばらくあとに箒とベルが、道路のに置かれ、ルナが居ないのを見つけた。
そして、ホヅミの情報網で、ルナの居場所?を特定した。



レイファルが突入する数時間前。
さらわれてから、数時間後のルナは−。



「・・・・・・・」
(どこだ、ここ・・・・・・・・・)
少なくとも、白いコンクリのうち付けの床も天井も師匠の家にはない。
私の手足も、部屋の中はともかく、ドアに近づけない程度の長さの鎖の手錠をつけられている。
「目が覚めた?
 お母さん。」
声からするならば、さっきの少年なのだろうが、青いダボダボのウィンドブレ−カ−のせいか、印象がまったく違う。
昔読んだ、一番大好きな絵本の悪い魔法使いみたいだった。
ただ、女王様が好きで攫っただけなのに、悪者にされた魔法使いに。
「お母さん?」
「幾つか質問させて。
 一つは、此処何処?
 もう一つは、貴方誰?
 私、そんな大きな子供を持った覚えはないよ。」
「≪DIVA≫シリ−ズ知ってる?」
知らないはずがない。
リュシカさんの娘・ファランを生み出した計画。
・・・≪アマスガス≫のした悪魔の所業の一つだ。
「僕は、その計画の計画の≪枝≫みたいな計画の産物。
 僕の計画は、三十年程前から、やっていて、僕は、その第三期の十体目の成功作。
 18年前の1歳検診のときに採取された貴方の遺伝子を元に作られた人工≪ウィスパ−≫もどきの人造人間・・・・・いや化け物だ。」
少年は、ただ、そう淡々と述べる。
その声音には、どこか、長く生き過ぎた老人のような響きがあった。
「それでも、あんたは立派な人間だ。
 出なきゃ、私の兄や友人も同じ化け物になってしまうよ。
 ・・・・・お前、名前は?」
「衛藤景って、名乗ることが多いよ。」
「いい名前だな。
 ・・・何故、私を攫った?」
「お母さんに会いたかったから。」




−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+


ユア;はい、景君やっとお母さんに会えました。
K;年齢的には、兄弟に近いんだけどね。
ユア;おまけに、何時壊れるかわからないしね。
K:・・・作者?(怒って)
ユア;す、すみません、逃げます。
   では次回。


                   +幕+


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31780生か死か CASE 6―43  成長と気が付いた感情十叶夕海 2005/9/1 23:27:30
記事番号31658へのコメント



「スケベ。」
「はい。」
「バカ。」
「はい。」
「考えなし。」
「はい。」
「鬼畜。」
「・・・・・・」
「はいは?」
「・・・はい。
 ・・・ゴメンナサイ。」
オレ・月陽は、ベッドの上でシ−ツに包って零児に文句を言っている。
前眠ってから、約一日後の今は・・・・・・出来れば、上の会話から察して欲しい・・・・むしろ聞くなと言った状態だ。
「謝るなら、最初から、するなボケぇ・・・・・」
「・・・・憎しみでも、お前に思ってほしかったから。」
零児はオレに背を向け座っている。
背中から見る限りでは、服に目立った乱れはない。
でもその姿は、オレに二十代の成人男性というよりは、子供が悪戯してしまったあとのように見える。
「最初から、言葉にしてよ。
 ・・・・・オレも一人の寂しさを知っているからさ。」
・・・・・・オレはこいつに惚れたのかもしれない。
・・・ちょっと待て、オレは同性愛の気は無い。
無いけど気になる・・・・・というか傍にいてやりたい。
ルナ以外でそう思うのこいつが初めてだ。
「・・・・・遅いかもしれないが。
 セレスティアナ=コンコ−ネ。
 俺の傍にいてくれ。
 ・・・・・女相手にこういうのは初めてだが、多分好きだ。」
「わかった。
 どんなに短くても、≪アマスガス≫との戦いまでは絶対にいてやる。」
「本当か?」
「その代わりというのも変だけどな。
 ・・・・ルナはそれまで狙わないでくれ。」
「それがお前の望みなら。」
零児は、オレをシ−ツごと優しく抱きすくめる。












ほぼ同時刻―。

ルナが攫われて数時間。
日本の永蓮の店。

「魅里。天理。
 向こうで、レイ達を助けてやれ。」
「わかったわ、グラン・マスタ―。
 ・・・しかし、この格好落ち着きません。」
「了解ぃ、それじゃあぁ、魅里ちゃん行こうぉ。」
その店の地下室で、そんな会話がなされた。
3人以外には、無言で佇むレナ―ドがいた。
魅里のほうは、いつもは魔法使いのような胸が開いたワンピ−スナのだが、今は白のYシャツに、黒地に、銀と赤の逆十字と髑髏のアップリケのネクタイにピッタリとした皮パンに、ヒ−ルの高いブ―ツという格好。
髪型も、ウェ―ビ−な深い茶髪を青いゴムひもで結び(それでも腰ぐらいの長さだ)、右目にある泣きボクロが色っぽいが鳶色の瞳のせいでどこかきつい印象の美人の二十代の女性。
天理のほうも、いつものふわふわな法衣ではなく、濃い青のキャミソ―ルに白の上着、淡いピンクのミニスカに同系色のミュ−ルと言う格好。
ボブカットの金髪は、そのままに大きな翡翠の瞳が印象的な10代後半の女の子。
「頑張ってきな。」
「はい。」
「魅里ちゃん急ごうぉ」






―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+

後書き今回割愛します。
では次回以降で。