-破滅-桜我天秦(6/21-08:50)No.3168
 ┣Re:破滅-松原ぼたん(6/21-15:48)No.3177
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  ┗Re:破滅-桜我天秦(6/26-00:06)No.3215


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3168破滅桜我天秦 6/21-08:50

「……ゼロスッ!」
 僕は名前を呼ばれた。だけど僕にはもう何も見えない。
 だけど声は聞いた事がある。僕にしては好きと言う思いがあるのかもしれない人間、リナ=インバース。
「ゼロスッ!あんたなんでっ!」
「ははははは……それは秘密ですよ、リナさん」
「なんで避けなかったのよっ!」
「い、痛いですよリナさん……」
「あんたはもう滅ぶのに痛いなんて言ってられると思っているの!?」
 ポタッ、と僕の肌に何かが零れた……涙?
 リナさんが……僕の為に泣いている?
 僕は残っている左腕で見えない物を探すかのように手を動かす。
「……ゼロス?」
「僕にはもう、リナさんの顔がどこにあるのかわかりません」
「あなた……目が?」
「ははははは……もう見えません。精一杯なんですよ、これだけで」
 僕は弱弱しく微笑む。
 僕はもうすぐ滅ぶだろう。だが悔いはない……僕の為に彼女が泣いてくれたのだから。
「僕はもうそろそろ滅びます……」
「ゼロスッ!」
「あなたの手で滅ぼされた事を感謝します……」
「あんた……馬鹿よ」
 リナさんの涙が僕の頬にまた一つ零れ落ちる。
 僕はリナさん頬を撫でる。
「僕はあなたを……あ……」
 僕は最後の言葉を言う事も出来ずに、あの方の元へと旅立った……


 ここはカタート。そこに二人の魔族がいた。ただし、一人は泣き崩れていた。
 泣き崩れている一人はゼロスの主、獣王ゼラス=メタリオム。
 もう一人、泣き崩れている女性の側で立っている女性、海王ダルフィン。
「ゼロス……あの馬鹿者が……私に無断で滅ぶなんて」
「ゼラス……」
 ダルフィンがいつもの眼鏡を外して心配そうにゼラスの肩を叩く。
「ほっといてっ!」
 ゼラスは今にも噛みつかんばかりの見幕でダルフィンの手を払いのける。
「ゼラス……」
「ダルフィンにはわからないのよっ!部下が滅んだ時の気持ちなんてっ!」
「……わからないわよ、今はまだ」
 そう言って、ダルフィンはゼラスを後ろから包み込む様に優しく抱きしめる。
「私だって部下じゃないけど……同僚を失ったからね。同じような気持ちはわかるわ」
「でも私のはっ!」
「振り向かないで。今のあなたの顔は見たくないの」
 ダルフィンは目を瞑って優しい微笑みを浮かべながら優しい声で言った。
「どうしてよっ!どうしてっ?どうしてゼロスが滅びなきゃならないのよっ!」
「それが、ゼロスが望んだ事なんでしょう……それに、事実から目を背けちゃ駄目よ」
「でも……でもっ!」
 ゼラスはもう、いつものゼラスではないのだろう。威厳がまるで感じられない。ただの女性だ。
 ダルフィンはそれを悟ったのか、抱き締めるのを止める。
「わかったわ……自分が納得できるまで、一人で考えていなさい」
 ダルフィンはゼラスから背を向ける。
「!?ダルフィン?」
「私は私の仕事をしてくるわ」
 そう言って、ダルフィンはその空間から姿を消した。
 残されたのは部下を、特別な部下を失ったゼラスはその場でまた、泣き始めた。


 一応、ゼロリナを組み入れてみましたけど、どうだったでしょうか?
 今回はゼロスの滅びを中心に物語を書いて見ましたが、どうなるんでしょうかね?これ
 では、また次の作品で

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3177Re:破滅松原ぼたん E-mail 6/21-15:48
記事番号3168へのコメント
 面白かったです。

> 僕は名前を呼ばれた。だけど僕にはもう何も見えない。
 何かあったの?
>「あんたはもう滅ぶのに痛いなんて言ってられると思っているの!?」
 そんなっ。
>「ゼロス……あの馬鹿者が……私に無断で滅ぶなんて」
 つっこむ状況じゃないが・・・・断ったら滅んでもいいのか? って、許さないか。
> 残されたのは部下を、特別な部下を失ったゼラスはその場でまた、泣き始めた。
 ゼラス様も気の毒ですねー。

 本当に面白かったです。
 ではまた、ご縁がありましたなら。

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3180Re:破滅桜我天秦 6/22-08:32
記事番号3177へのコメント
 どもども、桜我天秦です。
> 面白かったです。
 そう言っていただけるとありがたいですね(^^)
>> 僕は名前を呼ばれた。だけど僕にはもう何も見えない。
> 何かあったの?
 たぶん、精神力が弱くなって目が霞んでいるのでしょう。
>>「あんたはもう滅ぶのに痛いなんて言ってられると思っているの!?」
> そんなっ。
  まあ、これはリナが言いそうな発言だったので(^^;まあ、滅ぶ(死ぬ)直前にあんな事で痛いって言われれば、ネえ(^^;
>>「ゼロス……あの馬鹿者が……私に無断で滅ぶなんて」
> つっこむ状況じゃないが・・・・断ったら滅んでもいいのか? って、許さないか。
  許してくれると思いますでしょうか?(^^;あのゼラスが
>> 残されたのは部下を、特別な部下を失ったゼラスはその場でまた、泣き始めた。
> ゼラス様も気の毒ですねー。
  今回は不幸なゼラスになっちゃいましたけどね(^^;次はちゃんと明るくさせていただくつもりです。

> 本当に面白かったです。
> ではまた、ご縁がありましたなら。
 ではまたの作品で

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3208Re:破滅さぼてん 6/25-13:33
記事番号3168へのコメント
はじめまして?それともこんにちは?
最近レスしてないから記憶がない・・・失礼ですね自分・・・
とゆーわけで、(?)感想でいっ

> 僕は名前を呼ばれた。だけど僕にはもう何も見えない。
ほえ?いきなしなんだ!?先がよめない・・・?

>「あんたはもう滅ぶのに痛いなんて言ってられると思っているの!?」
ほろぶぅっゼロスさまがですか!?

> ポタッ、と僕の肌に何かが零れた……涙?
> リナさんが……僕の為に泣いている?
> 僕は残っている左腕で見えない物を探すかのように手を動かす。
いやぁぁぁぁっなんか切ないです。
私ゼロス様大好きなんで、悲しくなります。

>「……ゼロス?」
>「僕にはもう、リナさんの顔がどこにあるのかわかりません」
>「あなた……目が?」
>「ははははは……もう見えません。精一杯なんですよ、これだけで」
滅ぶ前まで笑ってるゼロスさま・・・痛々しい・・・

>「ゼラス……」
>「ダルフィンにはわからないのよっ!部下が滅んだ時の気持ちなんてっ!」
ゼラスさま・・・やっぱりショックですよね、
たった一人の部下に滅びられたんですものね。

> 一応、ゼロリナを組み入れてみましたけど、どうだったでしょうか?
なんかホントに切ないです、久しぶりのレスなんで、
なんて書いたらいいかわかんないんですけど、
なんかその場の情景がありありと浮かんできます。
文章構成も良かったです。
初めにあのシーンを持ってきていたので、インパクトもありましたし。

これは、もしかしたらあり得る話かも知れないんですよね、
または、この逆か・・・
そう思うとなんかやっぱし辛いもんがありますね。

> 今回はゼロスの滅びを中心に物語を書いて見ましたが、どうなるんでしょうかね?これ
> では、また次の作品で
今度はできるだけハッピーエンドのゼロリナが良いですね。
やっぱり悲しい顔のゼロス様は見たくないですし・・・
面白かったです。
次回作で、レス書けたら又書きにきますんで、
そんときはよろしくです。
それでは


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3215Re:破滅桜我天秦 6/26-00:06
記事番号3208へのコメント
>はじめまして?それともこんにちは?
 はじめましてじゃありませんよ(^^;腹心二人を書いた者です。

>> 僕は名前を呼ばれた。だけど僕にはもう何も見えない。
>ほえ?いきなしなんだ!?先がよめない・・・?
 やはり初めでインパクトを作っておかないといけないかなって(^^;

>>「あんたはもう滅ぶのに痛いなんて言ってられると思っているの!?」
>ほろぶぅっゼロスさまがですか!?
 まあ、いずれ滅ぶでしょうし。と私は思っています。
 この小説の元はSFCスレイヤーズのゼロスVSリナ・コピーです。

>> ポタッ、と僕の肌に何かが零れた……涙?
>> リナさんが……僕の為に泣いている?
>> 僕は残っている左腕で見えない物を探すかのように手を動かす。
>いやぁぁぁぁっなんか切ないです。
>私ゼロス様大好きなんで、悲しくなります。
  まあ、暗いシリアスな話しは得意なので(^^;
  切なさをうまく出せたかな?と自分では思っています。

>>「……ゼロス?」
>>「僕にはもう、リナさんの顔がどこにあるのかわかりません」
>>「あなた……目が?」
>>「ははははは……もう見えません。精一杯なんですよ、これだけで」
>滅ぶ前まで笑ってるゼロスさま・・・痛々しい・・・
 最後まで笑顔を崩さないのが、彼だとおもいました。
 やはり、心配を少しは殺ぐ事をすると思いましたので。

>>「ゼラス……」
>>「ダルフィンにはわからないのよっ!部下が滅んだ時の気持ちなんてっ!」
>ゼラスさま・・・やっぱりショックですよね、
>たった一人の部下に滅びられたんですものね。
 たった一人ではないと思いますが……重要な部下だとは考えています。
 この後ダルフィンがシピアな事を言うはずだったんですけど、止めました。 

>> 一応、ゼロリナを組み入れてみましたけど、どうだったでしょうか?
>なんかホントに切ないです、久しぶりのレスなんで、
>なんて書いたらいいかわかんないんですけど、
>なんかその場の情景がありありと浮かんできます。
>文章構成も良かったです。
>初めにあのシーンを持ってきていたので、インパクトもありましたし。
 ありがとうございます。
 実はゼロリナは初めてだったりします(^^;
 文章構成は自分にしてはよかった方だとおもいます。苦手なんですけどね。
 
>これは、もしかしたらあり得る話かも知れないんですよね、
>または、この逆か・・・
>そう思うとなんかやっぱし辛いもんがありますね。
 この逆は私的には有り得そうにないな、と言うのが本音ですが……
 この逆を書くかも知れませんね……その時にはリナは喋らないかもしれませんが(^^;

>> 今回はゼロスの滅びを中心に物語を書いて見ましたが、どうなるんでしょうかね?これ
>> では、また次の作品で
>今度はできるだけハッピーエンドのゼロリナが良いですね。
>やっぱり悲しい顔のゼロス様は見たくないですし・・・
>面白かったです。
>次回作で、レス書けたら又書きにきますんで、
>そんときはよろしくです。
>それでは

 えー……一つ。私ゼロリナ派じゃないんです(どっちかと言うとガウリナ派)
 ですので、ハッピーエンドは書くつもりはそんなにありません。
 今回は気分で書いてしまったようなもんだと考えています。
 読んでくださってありがとうございました。
 ゼロスとはゼラスと組ませたいが、ゼラスのキャラが固まっていなくて書けない桜我天秦でした