◆−闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 3−棒太郎 (2005/8/10 23:57:33) No.31690
 ┣とんでもない呪文でたーーーー!!(汗)−エモーション (2005/8/11 23:30:25) No.31692
 ┃┗これの他にあの呪文も出る予定−棒太郎 (2005/8/12 10:42:36) No.31693
 ┣闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 4−棒太郎 (2005/8/13 11:04:28) No.31698
 ┃┗人を呪わば穴2つ−エモーション (2005/8/15 16:57:40) No.31707
 ┃ ┗天網恢恢、疎にしてもらさず−棒太郎 (2005/8/17 00:41:56) No.31711
 ┣闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 5−棒太郎 (2005/8/20 00:20:19) No.31728
 ┃┗今度はこの御方の呪文ですか……。(遠い目)−エモーション (2005/8/20 23:03:49) No.31730
 ┃ ┗当初から予定してました−棒太郎 (2005/8/21 22:58:45) No.31735
 ┣闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 6−棒太郎 (2005/8/24 11:10:55) No.31741
 ┃┗剣といえばこの人ですね−エモーション (2005/8/25 22:49:06) No.31758
 ┃ ┗呼ばれて飛び出て―――−棒太郎 (2005/8/26 00:19:42) No.31759
 ┣闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 6−棒太郎 (2005/9/1 16:47:38) No.31776
 ┃┣間違えた・・・・・7でした−棒太郎 (2005/9/1 16:49:11) No.31777
 ┃┗イメージイラストはやはりこの御方で−エモーション (2005/9/2 23:10:26) No.31782
 ┃ ┗熱い、漢のお約束−棒太郎 (2005/9/3 23:46:08) No.31787
 ┗闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 8−棒太郎 (2005/9/16 19:06:50) No.31847
  ┗ミカン箱(違う)の中にいる状態なのですね−エモーション (2005/9/17 23:16:12) No.31853
   ┗ミカン箱の中は超難解世界−棒太郎 (2005/9/18 22:30:28) No.31862


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31690闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 3棒太郎 2005/8/10 23:57:33


こんばんは、棒太郎です。
長らく間が空いてしまいましたが、続きをどうぞ。


************************************

 『闇黒の断章』 〜第5章〜 

  「Dig Me No Grave」 3



石造りの回廊を、リナを抱え、シキブが風のように駆けていた。
「ちょ、ちょっとシキブさん!?どうしたの!?」
矢のような走りに、リナは目を丸くして大声でシキブを呼んだ。
「あのままあそこにいては危険と察知しましたので・・・・・・・我々二人だけであそこに入るのは、むざと猛獣の巣穴にはいるようなものです」
ミカズチとラ・モルテがいないとやはり―――――と、シキブは言った。
自分の勘に従い、戦略的撤退を決めたようだ。だが―――――

「ふふふ・・・・・・そう言わないで。ネズミさんたち、遊びましょ?」

囁きかけるような声が辺りに響いた。
急ブレーキをかけて止まるや、広間のような空間の前方からヌゥッと人影が現れた。
おかしな獣のような生き物を連れた女だった。
ニィッと笑ったその瞳には、尋常ならざる光が宿っている。
それを見て、リナはすぐさま臨戦態勢をとった。
彼女の纏う雰囲気は、あのティリンギャストと同じような魔性の気配であった。
「あんたもあいつらのお仲間ってとこかしら?」
「うふふ・・・・・・一応名乗っておいてあげるわ。私はキザイア――――」
「!?あんたがっ!?」
悪名高き魔女と知られる、そしてセイルーンを襲撃したという人物であった。
「あなたが懐に持ってるその魔道書――――――貰っていくわよ」
「そう簡単に渡してたまるもんですか!」
リナとキザイアの身体に、魔力が膨れ上がる。
「バースト・フレア!!」
烈火の焔がキザイアに襲い掛かるが、
「ふふ、死炎狂舞(デス・ナパーム)!」
うねる爆炎がそれを呑み込み、掻き消した。
リナも聞いたことのない呪文であった。
「っ!?」
「ふふふ、こちとら150年のキャリアがあるのよ。自分オリジナルの呪文なんて10や20持ってるわよ」
フフンと鼻で嗤うキザイアに、リナのこめかみに薄っすらと#マークが浮かぶ。
「はっ!こっちだって大叔母さん直伝よ!あんたなんかに遅れを取るもんですか!」
「いってくれるわね、小娘。なら楽しませて頂戴」



「シャァァーーーーッッ!!」
錐のように渦巻く水柱が、いくつも襲い掛かる。
その目標であるラ・モルテは、左右に避けたり、手にする黒塗りの柩”ゴルゴダ”で防いだりする。
”ゴルゴダ”を揮って攻撃するが、すぐさまバミューダの身体は弾けるように四散し、あるいは不定形な水の塊となって、躱していた。
「ちっ!」
”ゴルゴダ”最大の技である『聖櫃(アーク)』が使えれば、一発で片はつくのだが、それを放つためのエネルギーもかなりのものであるため、そうそうみだりには撃てない。
それに、そんな大技を放った隙をついて、ハオン=ドルも間髪入れず攻撃を仕掛けてくるだろう。
(肉を切らせて骨を絶つか・・・・・・・だがそれでも最低50%以上の負傷を負う)
まだ、このあとも戦いを控えているだけあって、なるべく大きな傷は負いたくはない。
そのとき、ハオン=ドルの魔力が急激に膨れ上がった。
「あまり遊びすぎるわけにもいかんのでな。そろそろケリをつけてやろう」
そういうや、一冊の本、いや石版を取り出した。
「この『セラエノ断章』の力、とくと思い知るがよい」
異様な気配が巻き起こる。
「イア!イア!ハスタア!
 ハスタア クフアヤク ブルグトム
 ブグトラグルン ブルグトム―――――」
ハオン=ドルが叫ぶ呪文と共に、瘴気を孕んだ風が舞い上がり、吹き荒れる。
「アイ!アイ!ハスタア!」
放たれた風は、辺りに爪跡を刻みながらラ・モルテに襲い掛かった。
「これはっ!?」
”ゴルゴダ”でガードするが、余りの衝撃に横へ飛び退いた。
だが、風は意思を持つかのように、生き物のごとくラ・モルテを追うのだった。
「はっはっは!これはそこいらの魔力風とは違うぞ!”名状し難きもの”と呼ばれる存在の力の魔風よ!おとなしく刻まれるがいい!!」



「エクスプロージョン!」
リナの叫びと共に大爆炎が怒涛の如く押し寄せる。
「爆噴焔(ヴォルケノ・ブレイク)!」
キザイアの放つ魔法がそれを迎え撃ち、鍔迫り合いのようにギリギリと押し比べをしている。
気を抜けば、溜まっている魔法は、鉄砲水のように負けた方へ押し寄せる。
「ふふ・・・・・・」
そんな状況の中で、キザイアが不敵な笑みを浮かべた。
「でかい口を叩くだけあって、そこそこやるじゃない。でも、これで終わらせてもらうわ」
すると空いているほうの手に大きな魔力が集束し出した。
「え、う、嘘っ!?同時に2つの魔法を――――!?」
「ションベン臭いガキと一緒にしないでほしいわね。魔法の”同時詠唱”、これが私のもうひとつのとっておきよ」
「く―――――」
「それじゃ、さよなら。魔嵐(デモン・テンペスト)!!」
凄まじい突風と風の刃がリナに襲い掛かった。だが―――――
「なに!?」
突如横合いから巻き起こった”風”に、キザイアの放った魔風は相殺された。

「”吹くからに 秋の草木のしおるれば むべ山風を嵐というらむ”」

リナの傍らにシキブが立ち、そんな詩を読み上げた。
「私を忘れてもらっては困るわ」
「おのれ―――――」
「魔法の同時詠唱?そんなもの二人同時に攻撃されるのと、どう違うというのよ」
フフンと鼻で嗤うシキブに、キザイアの顔が憎悪に歪む。
「このアマ!まともに死ねると思うなよ!」
「面白いわね。お嬢様の魔法と私の”神呪歌(しんのううた)”、相手にしきれるかしら?」
「なら、受けてみるがいいわ!」
そう叫ぶや、キザイアから強大な魔力が放たれる。
だが、シキブは二本の指刀で空を切る。
「天・地・玄・妙・行・神・変・通・力・勝!」
斜めに、それぞれ交差するように一字一字、指刀を切る。
「八剣や 波奈の刃のこの剣 向かう悪魔を薙ぎ祓うなり」
祝詞を詠い上げるや、そこに沸き起こった力がキザイアの魔力を迎え撃った。
「お嬢様っ!」
シキブの声に、リナも魔力を集中させる。
「フルパワーで、遠慮なくいくわよ!」
そう言ったとき、
「おナメじゃないよ!こいつを喰らってからそう言うんだね!!」
キザイアからもうひとつ魔力が放たれた。
それが弾けるや、凄まじい、身を締め上げられるかのような悪寒がリナの身体を襲った。
「くぅっ―――ー!?」
「お嬢様!?」
見渡すと、周りは身の毛もよだつような鬼気が大渦のように渦巻いていた。
「ほほほほほ!!どう?150年も熟成させた怨嗟と断末魔の叫びは?これぞ、我が黒魔術の奥義”黒怨呪葬陣”お前たちも私の魔術の糧となれ!」



***********************************

久々の続きでした。
ようやくシキブの能力も出せました。
ほんとはこの話でキザイア戦は決着をつけようと思ってのですが、次に続いちゃいました。
キザイアの奥義、なんか魔族には通じないような感じですが、怨念そのものではなくて、それを強大なエネルギーに純化させて攻撃すると考えてください。
それではまた次回。

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31692とんでもない呪文でたーーーー!!(汗)エモーション E-mail 2005/8/11 23:30:25
記事番号31690へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

続きをお待ちしていましたー♪
敵とエンカウントしているリナ・シキブ組とゼル・アメリア組。
ただでさえ戦略上好ましくない戦力の分断にあっている上に、相手は厄介な方々ばかり。
速やかに合流できることを望むばかりですね。
……その前に相手を倒さなくてはならないというのが、大変なところですが。


>「あのままあそこにいては危険と察知しましたので・・・・・・・我々二人だけであそこに入るのは、むざと猛獣の巣穴にはいるようなものです」
>ミカズチとラ・モルテがいないとやはり―――――と、シキブは言った。

さすがシキブさん。良い勘しています。いくらリナとシキブさんでも、あれは二人だけで
どうにかできる相手ではないですし。

>「うふふ・・・・・・一応名乗っておいてあげるわ。私はキザイア――――」
>「!?あんたがっ!?」
>悪名高き魔女と知られる、そしてセイルーンを襲撃したという人物であった。
>「あなたが懐に持ってるその魔道書――――――貰っていくわよ」
>「そう簡単に渡してたまるもんですか!」

知らないとはいえ、先祖でもあるヴェルミスさんから託された大事な魔道書。何より、
先程のエズダゴルさんの態度からも、これがかなりの重要アイテムだと分かるでしょうから、
リナとしては絶対に渡せませんよね。

>「ふふ、死炎狂舞(デス・ナパーム)!」
>うねる爆炎がそれを呑み込み、掻き消した。
>リナも聞いたことのない呪文であった。
>「っ!?」
>「ふふふ、こちとら150年のキャリアがあるのよ。自分オリジナルの呪文なんて10や20持ってるわよ」

伊達に長生きはしていない、ということですね。よく考えれば彼女より多少年下と思われるレゾも、
かなりオリジナルの呪文を持っていたようですし、むしろ若さを保って長生きできる知識と技量を持つ魔道士なのに、
100年以上生きていてオリジナル呪文を持っていない方が不思議かも……。

>”ゴルゴダ”を揮って攻撃するが、すぐさまバミューダの身体は弾けるように四散し、あるいは不定形な水の塊となって、躱していた。
>「ちっ!」
>”ゴルゴダ”最大の技である『聖櫃(アーク)』が使えれば、一発で片はつくのだが、それを放つためのエネルギーもかなりのものであるため、そうそうみだりには撃てない。
>それに、そんな大技を放った隙をついて、ハオン=ドルも間髪入れず攻撃を仕掛けてくるだろう。

〃水〃という特定の形態を持たない相手であるバミューダさんと、単独でも相手をするのは
かなり手こずる相手であろうハオン=ドルさん。
片方だけでも結構厄介なのに、二人同時に相手にしなくてはならないのはキツイですね。

>「イア!イア!ハスタア!
> ハスタア クフアヤク ブルグトム
> ブグトラグルン ブルグトム―――――」
>ハオン=ドルが叫ぶ呪文と共に、瘴気を孕んだ風が舞い上がり、吹き荒れる。
>「アイ!アイ!ハスタア!」

ちょっと待てーーーーーーーっ!!!! とんでもない存在(もの)呼ぶなーーーーっ!!

>”ゴルゴダ”でガードするが、余りの衝撃に横へ飛び退いた。
>だが、風は意思を持つかのように、生き物のごとくラ・モルテを追うのだった。
>「はっはっは!これはそこいらの魔力風とは違うぞ!”名状し難きもの”と呼ばれる存在の力の魔風よ!おとなしく刻まれるがいい!!」

確かに〃そこいらの魔力風〃とは違う……というか、同じであってたまるかという感じですが……
大丈夫でしょうか、これ……。制御出来なかったらひたすら困るような……(滝汗)
また、何にせよラ・モルテさん、ピンチです。どう対処するのでしょうか。

>「エクスプロージョン!」
>リナの叫びと共に大爆炎が怒涛の如く押し寄せる。
>「爆噴焔(ヴォルケノ・ブレイク)!」
>キザイアの放つ魔法がそれを迎え撃ち、鍔迫り合いのようにギリギリと押し比べをしている。

セリシアさんから呪文を伝授されたとはいえ、150年のキャリアの差を充分カバーしているリナ。
さすが誰もが〃天才〃と認めるだけのことはありますね。

>「それじゃ、さよなら。魔嵐(デモン・テンペスト)!!」
>凄まじい突風と風の刃がリナに襲い掛かった。だが―――――
>「なに!?」
>突如横合いから巻き起こった”風”に、キザイアの放った魔風は相殺された。
>
>「”吹くからに 秋の草木のしおるれば むべ山風を嵐というらむ”」
>
>リナの傍らにシキブが立ち、そんな詩を読み上げた。
>「私を忘れてもらっては困るわ」

ギザイアさん。本当にシキブさんのことは忘れていたようですね。
それとも現代の〃天才魔道士〃リナ=インバースしか眼中になく、注意を払っていなかったのでしょうか。

>そう叫ぶや、キザイアから強大な魔力が放たれる。
>だが、シキブは二本の指刀で空を切る。
>「天・地・玄・妙・行・神・変・通・力・勝!」
>斜めに、それぞれ交差するように一字一字、指刀を切る。
>「八剣や 波奈の刃のこの剣 向かう悪魔を薙ぎ祓うなり」
>祝詞を詠い上げるや、そこに沸き起こった力がキザイアの魔力を迎え撃った。

シキブさんの技はイメージ的に陰陽師の呪という感じなのですね。
そして大概のものどころか、相当強力なものでも対抗出来るようですね。
リナの呪文とシキブさんの神呪歌の連携による攻撃……。かなり強力でしょうね。

>「おナメじゃないよ!こいつを喰らってからそう言うんだね!!」
>キザイアからもうひとつ魔力が放たれた。
>それが弾けるや、凄まじい、身を締め上げられるかのような悪寒がリナの身体を襲った。
>「くぅっ―――ー!?」
>「お嬢様!?」
>見渡すと、周りは身の毛もよだつような鬼気が大渦のように渦巻いていた。
>「ほほほほほ!!どう?150年も熟成させた怨嗟と断末魔の叫びは?これぞ、我が黒魔術の奥義”黒怨呪葬陣”お前たちも私の魔術の糧となれ!」

連携でどんな呪文がでてくるのか、と思いきや再びの同時詠唱で出された術……。
並の人間では、少なくとも単独で抵抗し、反撃するのは大変そうな気が……(汗)
リナとシキブさんはこのピンチをどう切り抜けるのでしょうか。

>久々の続きでした。
>ようやくシキブの能力も出せました。
>ほんとはこの話でキザイア戦は決着をつけようと思ってのですが、次に続いちゃいました。
>キザイアの奥義、なんか魔族には通じないような感じですが、怨念そのものではなくて、それを強大なエネルギーに純化させて攻撃すると考えてください。
>それではまた次回。

それぞれ厄介な相手と戦うリナ・シキブ組とゼル・アメリア・ラ・モルテ組。
特に後者は「風の偉い人(あっちの世界ゾーン・ヴィジョン)」絡みのものが出てきて、
どうなるのやらと……(汗)ゼルたちは無事でいられるのでしょうか。
リナの方も、さすがに150年のキャリアなギザイアさんが相手なだけに、かなり苦戦していますね。
〃黒怨呪葬陣〃……怨念の持つ「パワーだけ」を攻撃に使っている感じなのですね。……かなりキツそう……(汗)

それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。

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31693これの他にあの呪文も出る予定棒太郎 2005/8/12 10:42:36
記事番号31692へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。
>
>続きをお待ちしていましたー♪
>敵とエンカウントしているリナ・シキブ組とゼル・アメリア組。
>ただでさえ戦略上好ましくない戦力の分断にあっている上に、相手は厄介な方々ばかり。
>速やかに合流できることを望むばかりですね。
>……その前に相手を倒さなくてはならないというのが、大変なところですが。

こんにちは、エモーションさん。
もうほんと、久々すぎる続きで申し訳ないです。
まだしばらくは畳み掛けるようにバトルが続くと思います。


>>「あのままあそこにいては危険と察知しましたので・・・・・・・我々二人だけであそこに入るのは、むざと猛獣の巣穴にはいるようなものです」
>>ミカズチとラ・モルテがいないとやはり―――――と、シキブは言った。
>
>さすがシキブさん。良い勘しています。いくらリナとシキブさんでも、あれは二人だけで
>どうにかできる相手ではないですし。

伊達にフー・マンチューの名代で来てませんからね。

>>「あなたが懐に持ってるその魔道書――――――貰っていくわよ」
>>「そう簡単に渡してたまるもんですか!」
>
>知らないとはいえ、先祖でもあるヴェルミスさんから託された大事な魔道書。何より、
>先程のエズダゴルさんの態度からも、これがかなりの重要アイテムだと分かるでしょうから、
>リナとしては絶対に渡せませんよね。

本の雰囲気からも、ヤバ気な空気がプンプン漂ってますし。
そしてこんな連中に渡したら、それこそ何が起こるかわかりませんし。

>>「ふふふ、こちとら150年のキャリアがあるのよ。自分オリジナルの呪文なんて10や20持ってるわよ」
>
>伊達に長生きはしていない、ということですね。よく考えれば彼女より多少年下と思われるレゾも、
>かなりオリジナルの呪文を持っていたようですし、むしろ若さを保って長生きできる知識と技量を持つ魔道士なのに、
>100年以上生きていてオリジナル呪文を持っていない方が不思議かも……。

やはり格上の魔道士ともなれば、武道の流派のように、自分の魔術の体系を構築していくと思いますし。
特に100年以上生きててオリジナルのひとつもないのは、ボンクラと言えますね。

>>”ゴルゴダ”最大の技である『聖櫃(アーク)』が使えれば、一発で片はつくのだが、それを放つためのエネルギーもかなりのものであるため、そうそうみだりには撃てない。
>>それに、そんな大技を放った隙をついて、ハオン=ドルも間髪入れず攻撃を仕掛けてくるだろう。
>
>〃水〃という特定の形態を持たない相手であるバミューダさんと、単独でも相手をするのは
>かなり手こずる相手であろうハオン=ドルさん。
>片方だけでも結構厄介なのに、二人同時に相手にしなくてはならないのはキツイですね。

今後の戦いのためにも余計な手傷を負いたくないので、ますますやり合うのがキツイです。

>>「イア!イア!ハスタア!
>> ハスタア クフアヤク ブルグトム
>> ブグトラグルン ブルグトム―――――」
>>ハオン=ドルが叫ぶ呪文と共に、瘴気を孕んだ風が舞い上がり、吹き荒れる。
>>「アイ!アイ!ハスタア!」
>
>ちょっと待てーーーーーーーっ!!!! とんでもない存在(もの)呼ぶなーーーーっ!!

なはは、来ちゃいました。
この話を書く段階でこれは出そうと思ってましたから。あともうひとつ、呪文が出る予定です。

>>「はっはっは!これはそこいらの魔力風とは違うぞ!”名状し難きもの”と呼ばれる存在の力の魔風よ!おとなしく刻まれるがいい!!」
>
>確かに〃そこいらの魔力風〃とは違う……というか、同じであってたまるかという感じですが……
>大丈夫でしょうか、これ……。制御出来なかったらひたすら困るような……(滝汗)
>また、何にせよラ・モルテさん、ピンチです。どう対処するのでしょうか。

比べる次元が違いますからね。
この”風”は本体ではなく、表層の力なのですが、それでも厄介なものには変わりないですね。

>>「エクスプロージョン!」
>>リナの叫びと共に大爆炎が怒涛の如く押し寄せる。
>>「爆噴焔(ヴォルケノ・ブレイク)!」
>>キザイアの放つ魔法がそれを迎え撃ち、鍔迫り合いのようにギリギリと押し比べをしている。
>
>セリシアさんから呪文を伝授されたとはいえ、150年のキャリアの差を充分カバーしているリナ。
>さすが誰もが〃天才〃と認めるだけのことはありますね。

才能に加え、かなりの修羅場も潜ってきてますからね。
戦闘経験も、そう引けを取らないと思います。

>>「”吹くからに 秋の草木のしおるれば むべ山風を嵐というらむ”」
>>
>>リナの傍らにシキブが立ち、そんな詩を読み上げた。
>>「私を忘れてもらっては困るわ」
>
>ギザイアさん。本当にシキブさんのことは忘れていたようですね。
>それとも現代の〃天才魔道士〃リナ=インバースしか眼中になく、注意を払っていなかったのでしょうか。

つい、遊びに夢中になってしまった、というところでしょうか。
強大な力がある分、相手を侮って見ているようです。

>>「八剣や 波奈の刃のこの剣 向かう悪魔を薙ぎ祓うなり」
>>祝詞を詠い上げるや、そこに沸き起こった力がキザイアの魔力を迎え撃った。
>
>シキブさんの技はイメージ的に陰陽師の呪という感じなのですね。
>そして大概のものどころか、相当強力なものでも対抗出来るようですね。
>リナの呪文とシキブさんの神呪歌の連携による攻撃……。かなり強力でしょうね。

フー・マンチューの名代の一人に選ばれるぐらいですから。
実力も相応のものです。

>>見渡すと、周りは身の毛もよだつような鬼気が大渦のように渦巻いていた。
>>「ほほほほほ!!どう?150年も熟成させた怨嗟と断末魔の叫びは?これぞ、我が黒魔術の奥義”黒怨呪葬陣”お前たちも私の魔術の糧となれ!」
>
>連携でどんな呪文がでてくるのか、と思いきや再びの同時詠唱で出された術……。
>並の人間では、少なくとも単独で抵抗し、反撃するのは大変そうな気が……(汗)
>リナとシキブさんはこのピンチをどう切り抜けるのでしょうか。

並の人間ではあっという間に、この呪文にやられてしまうでしょうね。
怨念なんかは年月が経つほど、強力になってゆくっていいますし。


>>久々の続きでした。
>>ようやくシキブの能力も出せました。
>>ほんとはこの話でキザイア戦は決着をつけようと思ってのですが、次に続いちゃいました。
>>キザイアの奥義、なんか魔族には通じないような感じですが、怨念そのものではなくて、それを強大なエネルギーに純化させて攻撃すると考えてください。
>>それではまた次回。
>
>それぞれ厄介な相手と戦うリナ・シキブ組とゼル・アメリア・ラ・モルテ組。
>特に後者は「風の偉い人(あっちの世界ゾーン・ヴィジョン)」絡みのものが出てきて、
>どうなるのやらと……(汗)ゼルたちは無事でいられるのでしょうか。
>リナの方も、さすがに150年のキャリアなギザイアさんが相手なだけに、かなり苦戦していますね。
>〃黒怨呪葬陣〃……怨念の持つ「パワーだけ」を攻撃に使っている感じなのですね。……かなりキツそう……(汗)
>
>それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。

とりあえず『セラエノ断章』はラ・モルテ方のハオン=ドルが持っているので、ゼルたちはその脅威にさらされませんが・・・・・
それでもただの魔道士ではないので、苦戦は必至でしょう。
”黒怨呪葬陣”はそういう感じですね。
恨みなんかの負のパワーは強力ですし。
それでは、どうもありがとうございました。

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31698闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 4棒太郎 2005/8/13 11:04:28
記事番号31690へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
8月も半ばにさしかかっているし、そろそろゴールデンで心霊特集でもやってくれないかな、と思う今日この頃です。
それでは続きをどうぞ。


*************************************

 『闇黒の断章』 〜第5章〜 

  「Dig Me No Grave」 4




「・・・・?ここは――――――」
先ほどとはまた別の回廊の光景に、ガウリイは周りを見渡した。
あの黒騎士ボルボックの気配も全く感じられない。
「完全に別の場所に来たみたいだな」
とりあえず、どちらへ向かおうかと思案しかけたとき、

 カタカタカタカタ

右の回廊の奥へ、茶碗ののった盆を持った小さな人形がまっすぐに進んでいって、消えた。
「道案内――――か。用意がいいな」
そう言いながら、ガウリイはその後へ続くように回廊の奥へと歩き出した。

 ――――へへっ、すいませんねぇ。こちらの仕込がもうちょい掛かるんで、先に向かっていただきますよ




「ぬぅ・・・くっ・・・・!」
襲い来る魔性の凶風。
その爪牙に、”ゴルゴダ”でもって防いでいるが、その勢いはとどまるところを知らず、ますます増してゆく。
さしもの”ゴルゴダ”にも、無数の細かな傷が刻まれていた。
「はっはっはっは!いつまで耐え切れるかな?」
ハオン=ドルの笑い声が響く。
「それに―――――」
ハオン=ドルの言葉のあとを継ぐように、バミューダの周りの水が渦巻き始めた。
「さあ、フィナーレだ!」
ふたつの力がラ・モルテに向かい、大きく膨れ上がる。
それが爆発せんとしたとき、凄まじい轟音とともに、回廊の壁が吹き飛んだ。
「――――っと。こいつぁ――――?」
「!?ミカズチ!?」
粉塵の舞う向こうからミカズチが姿を現した。
「おう、ラ・モルテか」
そう言うや、周りの様子に視線を巡らせ、状況を瞬時に判断したようだ。
「苦戦してるみてぇじゃねぇか」
「ふん、後のために余計な傷は負いたくないだけだ」
そう言って、互いにニッと笑うや、
「後ろのを任せる」
「おうさ、任された!」
”ゴルゴダ”を構え、”雷雲甲冑”が火花を散らす。
「小癪な!」
ハオン=ドルが再び魔風を召喚するが、
「ふ、後顧の憂いがなくなれば、遅れは取らん!喰らえ、”聖櫃”フルパワー!!」
「な―――――!?」
烈しいエネルギーの奔流が、鉄砲水のように魔風ごとハオン=ドルを呑み込んだ。
「へ、思う存分味わいな。”雷雲甲冑”最大奥義『雷令・九天応元雷声普化天尊』!!」
その叫びと共に、”雷雲甲冑”、いやミカズチの全身がまるで太陽を思わせるように、雷光に輝いた。
そして、両手がバミューダの身体を掴むや、白光が爆発した。
断末魔が白光とともに消えた。
後には、床に落ちている『セラエノ断章』と、蒸発を免れた僅かな水滴が残っているだけだった。



「く・・くぅ・・・・・」
渦巻く怨念の鬼気に、リナは胆に力を込め、生命力を吸い取られるのを防いでいた。
人間の持つ魂の力で、最も深く、強いもののひとつが怨みである。
烈しい怨みは末代までも消すことが出来ずに残る。そして、怨みだけに凝り固まった魂を、古代の人々は『鬼』と呼んだ。
ちょうど、ゴーメンガーストの開かずの間に封ぜられていた、セイルーン旧王家の魂のように。
そして、それらが発する鬼気は、生者の身を脅かす。
烈しければ烈しいだけ、生者に悪影響を及ぼし、強烈なものになれば生命すら奪ってしまう。
そんな強力なパワーを利用したのが、キザイアのこの”黒怨呪葬陣”であった。
「うふふ、どう?150年もの時間、たぁっぷり熟成させた怨念の味は?」
ニタリと笑みを浮かべるキザイア。その笑みはまさに魔性の者であった。
「これは・・・・・この怨念の主たちはすべてあなたが――――」
「そうよ。なるだけ苦しんで、”黒怨呪葬陣”の糧になってもらったのよ」
怨念の渦巻く間から、『タスケテ』『クルシイ』『シニタクナイ』と、断末魔の声が聞こえてくる。
「あんた!どこまで腐ってるの!?」
「あらぁ、随分なお言葉ね。それが魔道士ってもんじゃないの?」
ペロリと唇を舐めるキザイアに、リナは顔をしかめる。
「そんなエゴ、あたしは認めないわよ!」
「ならば決まりですね」
「へっ?」
突然のシキブの言葉に、リナは一瞬呆気に取られた。
「なにが?」
「これほど胸クソ悪い者は、思いっきりぶちのめしても何の良心の呵責もない―――ということです」
シキブのその言葉に、リナは「な〜る」とニヤリと笑った。
「はっ、この”黒怨呪葬陣”をどうにかできると思ってんの?これだけ年季の入った怨念に、浄化魔法なんざ通用しないわよ」
「ふふ、そちらこそ我が”神呪歌”、甘く見るな」
再び指刀を構え、印を切る
「怨敵の 呪詛のいきを祓うなり 受け取りたまえ今日の聞き神」
祝詞とともに、リナたちに向かってくる鬼気が何かに阻まれる。
「いかにして 呪い来るとも道返しの 関守すべて防ぎ返さむ」
鬼気が彼女たちを避けるように渦巻き、やがてシキブの手の上に集まってゆく。
「な―――!?そんな――――!?」
キザイアの顔に驚愕の表情が張り付く。
「呪い来て 身を妨ぐる悪念をば 今打ち返す元の主に」
その祝詞とともに、集まった鬼気がキザイアに向かって飛んで行った。
呪詛返しを受けた呪いは、倍の力になってかけた者へと返ってくるという。
「な、なめるなクソガキィィ!!」
まさか自慢の”黒怨呪葬陣”が返されるとは思いもよらなかったキザイアだが、それでも150余年のキャリアを持つ魔道士。返された鬼気を見事受け止める。
「同時詠唱が得意との事だけど・・・・・その状態で第二派、受けきれるかしら?」
「なにっ!?」
キザイアの叫びと同時に、
「ドラグスレイブッ!!」
赤い光弾がキザイアに向かって放たれた。
「くあっ!あ・・・・ち、ちくしょぉぉぉぉ!!」
その叫びと共にキザイアは、ドラフスレイブに呑み込まれた。
「思い知れ 己と為せる災いも 解けて流れて瀬々の白波―――」
「ふぅ・・・・・やったの?」
「はい、お嬢様。完膚なきまでに―――というやつです」
そう言うと、シキブも大きく息を吐いて脱力した。
「しかし、あれほどの鬼気―――――久々に堪えました」
笑うシキブの顔に、疲労の色も見て取れた。
「さあ、お嬢様。時間は余りありませんが、他の方々を――――っ!?」
「!?な、なに――――!?」
見ると、リナとシキブを中心にいつのまにか床に魔法陣が描かれていた。
「お嬢様!!」
シキブがリナを魔法陣の外へ突き飛ばすのと、魔法陣が発動するのは同時だった。
「シキブさん!?」
突き飛ばされたリナが身体を起こすと、シキブが魔法陣の中へと吸い込まれていった。

「いやいや、いやいや。あの一瞬で最善の行動を起こすとは。さすが、さすがなものだ」

回廊の奥から、独特のある意味しつこい言い回しが聞こえてきた。
「しかし、しかしだ。ナハブの魔女殿は納得しまいが、私は君が残ってくれて嬉しい、とても嬉しいのだよ」
シルクハットに、濃紺の外套、そして片眼鏡をかけた紳士が姿を現した。
「あんたは―――――ティリンギャスト!!」
「いやいや、覚えていてくれたとは、これは光栄、光栄のいたりだね」


「む・・・ここは?」
シキブは辺りに視線を巡らす。
先ほどの回廊と似ているが、どこか現実感が薄かった。
「亜空間かしら?」
「そうよ」
そう声が聞こえた。そこには人面の巨大ネズミというような奇怪な生物がいた。
「長年使ってきた身体をよくもオシャカにしてくれたわね。おかげでまた別のを調達しないといけないわ」
その声はまさしくキザイアの声であった。
「あなた・・・・・・精神体となって生き延びていたのね。そして宿るに適した身体を見つけ寄生する――――」
「ふふ、そうよ。私のもうひとつの奥義よ。150年前もこれで死んだことにしたしね」
ニヤリと唇が笑みの形に歪む。
「でも、すぐに身体が見つかってよかったわ。あなたのその身体、なかなか魅力的だわ」
「お褒めの言葉は有難いけど、即お断りよ―――――っ!?」
指刀を切ろうとした瞬間、シキブの首に何かが巻きついた。
それは黒髪であった。
「ふふ、どうかしら怨念の黒髪は。あなたの力は厄介だからね。そんなんじゃ、使えないでしょ?」
黒髪はギリギリとシキブの首を締め上げる。息が出るばかりで、なかなか吸い込めない。
「さて、なるべく傷がつかないようにやんなきゃね」
キザイアが呪文を唱え始める。
「やっぱり呪詛で殺るほうが、外傷がつかなくていいわね」
そのとき、シキブが小さく笑みを浮かべていた。
「ふふ・・・・私は・・・”四重奏団(カルテット)”・の・・二つ名を・・持って・・・いるわ・・・」
「何言ってるのよ?」
「残念・・と・・いうこ・・とよ・・・・私の・・能力が・・・・これで・・・・」
そう言うや、
「詠え、イザヨイ!」
その声と共に、シキブの右肩が蠢いた。服に皺がより、その上に顔が現れた。
俗に言う、人面疽というやつであった。
『オン・スムバ・ニスムバ・フン・グリナ・グリナ・フングリナ――――』
イザヨイと呼ばれた人面疽が祝詞を詠うや、調伏の力が発せられる。
「ツクヨ!」
かざした左手の表面が蠢くや、そこにも人の顔が現れた。
『――――アーパヤ・フン・アーナーヤ・ホフ・バガバン・ヴァジラ・フンハッタ』
ツクヨと呼ばれた人面疽が詠う祝詞が合わさり、更なる力を発し、怨念の黒髪も吹き飛ばした。
「そんな、バカな――――!?」
「ちょっと意味合いが違うけど、私も同時詠唱が出来るのよ。そして、もうひとつ。唱えた修法を掛け合わせることが出来る、いわば複合能力が私の切り札よ」
シキブがキザイアの前に立つ。
「今度こそ、きちんと送ってあげるわ」
「ヒィッ!?や、やめ―――――」
「カルラ!」
シキブの声とともに、服の腹の部分に大きく皺がより、また別の人面疽が現れた。
『ノウマク・サマンダ・バザラダン・カン』
祝詞とともに、紅蓮の火焔を吐き出した。
その焔は、生物――使い魔のブラウン・ジェンキンの身体はおろか、精神体であるキザイアまで灼き尽くした。
「ヒ、ヒィッ!?あ、熱い、熱いぃぃ!?な、何故、何故ぇ!ヒィィィィッ!!」
ギャアアアアッ!と醜い断末魔の悲鳴をあげ、キザイアは消し炭となり、灰となった。
「これはただの焔でなく、アチャラナータの悪を灼く浄化の焔。それは精神体であろうと関係ないわ」
キザイアの成れの果てを一瞥すると、再び”神呪歌”を詠いはじめた。
「何かイヤな予感がするわ。お嬢様の身に何かあったのしら。急いでここから出ないと」


***********************************

続きでした。
今回でなんとか厄介なのが、半分ほど倒せました。
ようやくシキブの能力も全て公開。3人の中で彼女がなかなか説明が難しいです。
ミカズチの『九天応元雷声普化天尊』の元ネタは、道教の神様で、全ての雷神の中で最高位の神様の名前です。勧善懲悪の神様だそうです。
あとシキブが言ってた『アチャラナータ』は不動明王のサンスクリット語読みです。真言が有名なので、分かる人はすぐ分かるでしょうが。
それでは、次回はリナVSティリンギャストです。お楽しみに。

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31707人を呪わば穴2つエモーション E-mail 2005/8/15 16:57:40
記事番号31698へのコメント

棒太郎様、こんにちは。

やっとお休みだ〜♪ と喜んでいたら、やたらと雨が降っている初日……(T_T)
このところ炎天下→大雨→炎天下のローテーションな天気なので、暑さと湿気で気力体力が
削られまくってます。日本の気候が亜熱帯化しつつあるって本当なのかも……。

さて、さっそくの続き♪
次から次へと敵も現れますが、ジゴマさんの導きもあってか徐々に合流しつつもあるのですね。


>右の回廊の奥へ、茶碗ののった盆を持った小さな人形がまっすぐに進んでいって、消えた。
>「道案内――――か。用意がいいな」
>そう言いながら、ガウリイはその後へ続くように回廊の奥へと歩き出した。

さりげなくガウリイがまともに思考していますね(←酷い)
誰の差し金による道案内なのかも分かっていそうですし。シリアスモードガウリイ、見参!でしょうか。

> ――――へへっ、すいませんねぇ。こちらの仕込がもうちょい掛かるんで、先に向かっていただきますよ

……こちらの仕込みって……やはり対ラスボス戦のことなんでしょうかねぇ……。
先に向かっていただくって……どこへなのかが気になりますね。

>「それに―――――」
>ハオン=ドルの言葉のあとを継ぐように、バミューダの周りの水が渦巻き始めた。
>「さあ、フィナーレだ!」
>ふたつの力がラ・モルテに向かい、大きく膨れ上がる。
>それが爆発せんとしたとき、凄まじい轟音とともに、回廊の壁が吹き飛んだ。
>「――――っと。こいつぁ――――?」
>「!?ミカズチ!?」
>粉塵の舞う向こうからミカズチが姿を現した。

絶体絶命の状況──というところで現れたのはミカズチさん。ずっと壁を破壊して進んできたのですね(笑)
パッと見は唖然としてしまう状況ですが、ミカズチさんの登場でラ・モルテさんはかなり精神的にも
楽になったのではないかと思いました。

>そう言って、互いにニッと笑うや、
>「後ろのを任せる」
>「おうさ、任された!」

軽口を言い合いながらも、すぐに状況に応じて対応する……。息のあった仲間ならではですね。

>「ふ、後顧の憂いがなくなれば、遅れは取らん!喰らえ、”聖櫃”フルパワー!!」
>「な―――――!?」
>烈しいエネルギーの奔流が、鉄砲水のように魔風ごとハオン=ドルを呑み込んだ。
>「へ、思う存分味わいな。”雷雲甲冑”最大奥義『雷令・九天応元雷声普化天尊』!!」
>その叫びと共に、”雷雲甲冑”、いやミカズチの全身がまるで太陽を思わせるように、雷光に輝いた。
>そして、両手がバミューダの身体を掴むや、白光が爆発した。
>断末魔が白光とともに消えた。
>後には、床に落ちている『セラエノ断章』と、蒸発を免れた僅かな水滴が残っているだけだった。

ラ・モルテさんの“聖櫃”のフルパワーと、ミカズチさんの最大奥義……。
さすが、ですね。個人個人でも凄いですが、これで三人揃って連携技を行ったら
相当凄いものになるのでしょうね。

>人間の持つ魂の力で、最も深く、強いもののひとつが怨みである。
>烈しい怨みは末代までも消すことが出来ずに残る。そして、怨みだけに凝り固まった魂を、古代の人々は『鬼』と呼んだ。
>ちょうど、ゴーメンガーストの開かずの間に封ぜられていた、セイルーン旧王家の魂のように。
>そして、それらが発する鬼気は、生者の身を脅かす。
>烈しければ烈しいだけ、生者に悪影響を及ぼし、強烈なものになれば生命すら奪ってしまう。

一線を越えてしまうと、もう「人の言葉」は通じなくなりますからね。
しかももうちょっとやそっとでは「打ち砕く」事すら出来ないレベルの恨み……。
それを意図的に行った(いや、現在進行形?)ギザイアさん……。非情さと残酷さ加減でいったら、
他の追随を許しませんね。

>怨念の渦巻く間から、『タスケテ』『クルシイ』『シニタクナイ』と、断末魔の声が聞こえてくる。

熟成されまくった怨念の中にも残っている、救いを求める〃声〃。
せめてその部分だけでも救う事が出来るとよいのですが……。

>「怨敵の 呪詛のいきを祓うなり 受け取りたまえ今日の聞き神」
>祝詞とともに、リナたちに向かってくる鬼気が何かに阻まれる。
>「いかにして 呪い来るとも道返しの 関守すべて防ぎ返さむ」
>鬼気が彼女たちを避けるように渦巻き、やがてシキブの手の上に集まってゆく。
>「な―――!?そんな――――!?」
>キザイアの顔に驚愕の表情が張り付く。
>「呪い来て 身を妨ぐる悪念をば 今打ち返す元の主に」
>その祝詞とともに、集まった鬼気がキザイアに向かって飛んで行った。

〃呪い〃のような形で使われていたものを、呪詛返しという形で本来の彼らの恨みの対象である相手、
ギザイアさんに返す……。しかも当然利子付き。さすがです。シキブさん。

>「さあ、お嬢様。時間は余りありませんが、他の方々を――――っ!?」
>「!?な、なに――――!?」
>見ると、リナとシキブを中心にいつのまにか床に魔法陣が描かれていた。
>「お嬢様!!」
>シキブがリナを魔法陣の外へ突き飛ばすのと、魔法陣が発動するのは同時だった。
>「シキブさん!?」
>突き飛ばされたリナが身体を起こすと、シキブが魔法陣の中へと吸い込まれていった。

ほっとしたのもつかの間。不意を突かれた形で描かれていた魔法陣。魔法陣が発動する中、
とっさにリナを庇うシキブさん。ティリンギャストさんと同じくさすが……とは思いますが……
大丈夫なのでしょうか。

>「長年使ってきた身体をよくもオシャカにしてくれたわね。おかげでまた別のを調達しないといけないわ」
>その声はまさしくキザイアの声であった。
>「あなた・・・・・・精神体となって生き延びていたのね。そして宿るに適した身体を見つけ寄生する――――」

なるほど……「倒された」記録があるのに生きのびていた理由は、こういうことだったのですね。
確かにシャレにならないくらいの悪事を働いていたのですから、「倒した証拠」としての遺体がなければ、
誰も(特に被害者は)信用しませんし、すぐに追跡の手が回りますからね。
……より最適な身体を見つけるたびに身体を乗っ取って、魂の方は呪詛の道具にしていた……。
本当に最悪な人ですね、ギザイアさん。

>「ちょっと意味合いが違うけど、私も同時詠唱が出来るのよ。そして、もうひとつ。唱えた修法を掛け合わせることが出来る、いわば複合能力が私の切り札よ」
>シキブがキザイアの前に立つ。
>「今度こそ、きちんと送ってあげるわ」
>「ヒィッ!?や、やめ―――――」
>「カルラ!」
>シキブの声とともに、服の腹の部分に大きく皺がより、また別の人面疽が現れた。
>『ノウマク・サマンダ・バザラダン・カン』
>祝詞とともに、紅蓮の火焔を吐き出した。
>その焔は、生物――使い魔のブラウン・ジェンキンの身体はおろか、精神体であるキザイアまで灼き尽くした。

本人と人面疽による呪歌で〃四重奏〃。
人面疽はシキブさんの意思で表に現れているのですね。すごい……ですが、女性には結構使うのが
キツイ技かもしれないと思いました。

>キザイアの成れの果てを一瞥すると、再び”神呪歌”を詠いはじめた。
>「何かイヤな予感がするわ。お嬢様の身に何かあったのしら。急いでここから出ないと」

ギザイアさんを確実に倒し、リナの身を案じるシキブさん。一刻も早く合流出来ると良いですね。

>今回でなんとか厄介なのが、半分ほど倒せました。
>ようやくシキブの能力も全て公開。3人の中で彼女がなかなか説明が難しいです。
>ミカズチの『九天応元雷声普化天尊』の元ネタは、道教の神様で、全ての雷神の中で最高位の神様の名前です。勧善懲悪の神様だそうです。
>あとシキブが言ってた『アチャラナータ』は不動明王のサンスクリット語読みです。真言が有名なので、分かる人はすぐ分かるでしょうが。

シキブさんのは真言ですぐに分かったのですが、ミカズチさんのは道教の神様で、最高位の雷神でしたか。
知りませんでした。道教も色々神様がいらっしゃるのですね。

>それでは、次回はリナVSティリンギャストです。お楽しみに。

次はリナとティリンギャストさんですか。
リナの本領発揮なるか。またはガウリイが合流してリナ・ガウリイの夫婦(笑)コンビパワーが
炸裂するのか。楽しみです。
それでは、今日はこの辺で失礼します。

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31711天網恢恢、疎にしてもらさず棒太郎 2005/8/17 00:41:56
記事番号31707へのコメント

>棒太郎様、こんにちは。
>
>やっとお休みだ〜♪ と喜んでいたら、やたらと雨が降っている初日……(T_T)
>このところ炎天下→大雨→炎天下のローテーションな天気なので、暑さと湿気で気力体力が
>削られまくってます。日本の気候が亜熱帯化しつつあるって本当なのかも……。
>
>さて、さっそくの続き♪
>次から次へと敵も現れますが、ジゴマさんの導きもあってか徐々に合流しつつもあるのですね。

こんばんは、エモーションさん。
湿潤気候の上、温暖化のせいもあってかムワッと蒸す日が続きますね。
暑さにはまだ耐えられるほうなのですが、それでもキツイです。
本編のほう、なんとか合流の流れができてきました。


>>「道案内――――か。用意がいいな」
>>そう言いながら、ガウリイはその後へ続くように回廊の奥へと歩き出した。
>
>さりげなくガウリイがまともに思考していますね(←酷い)
>誰の差し金による道案内なのかも分かっていそうですし。シリアスモードガウリイ、見参!でしょうか。

今回、出る予定ですよ。シリアスモードガウリイ。
そろそろ出番です。

>> ――――へへっ、すいませんねぇ。こちらの仕込がもうちょい掛かるんで、先に向かっていただきますよ
>
>……こちらの仕込みって……やはり対ラスボス戦のことなんでしょうかねぇ……。
>先に向かっていただくって……どこへなのかが気になりますね。

いろいろと、です。
ガウリイを向かわせた先は、カミさん(笑)のところです。

>>「――――っと。こいつぁ――――?」
>>「!?ミカズチ!?」
>>粉塵の舞う向こうからミカズチが姿を現した。
>
>絶体絶命の状況──というところで現れたのはミカズチさん。ずっと壁を破壊して進んできたのですね(笑)
>パッと見は唖然としてしまう状況ですが、ミカズチさんの登場でラ・モルテさんはかなり精神的にも
>楽になったのではないかと思いました。

一直線に壁を破壊しながらやってきました(笑)
かなり上等の援軍なので、とても楽になります。

>>そう言って、互いにニッと笑うや、
>>「後ろのを任せる」
>>「おうさ、任された!」
>
>軽口を言い合いながらも、すぐに状況に応じて対応する……。息のあった仲間ならではですね。

フー・マンチューの代理として選ばれるぐらいですからね。
連携もバッチリです。

>>「ふ、後顧の憂いがなくなれば、遅れは取らん!喰らえ、”聖櫃”フルパワー!!」
>>「な―――――!?」
>
>>「へ、思う存分味わいな。”雷雲甲冑”最大奥義『雷令・九天応元雷声普化天尊』!!」
>>その叫びと共に、”雷雲甲冑”、いやミカズチの全身がまるで太陽を思わせるように、雷光に輝いた。
>
>ラ・モルテさんの“聖櫃”のフルパワーと、ミカズチさんの最大奥義……。
>さすが、ですね。個人個人でも凄いですが、これで三人揃って連携技を行ったら
>相当凄いものになるのでしょうね。

個人技もそれぞれ凄まじいものを持っていますし、それで連係プレーをとればかなりすごいと思われます。

>>そして、それらが発する鬼気は、生者の身を脅かす。
>>烈しければ烈しいだけ、生者に悪影響を及ぼし、強烈なものになれば生命すら奪ってしまう。
>
>一線を越えてしまうと、もう「人の言葉」は通じなくなりますからね。
>しかももうちょっとやそっとでは「打ち砕く」事すら出来ないレベルの恨み……。
>それを意図的に行った(いや、現在進行形?)ギザイアさん……。非情さと残酷さ加減でいったら、
>他の追随を許しませんね。

ある意味聞く耳持たん、というレベルですからね。
祟り神ですね、これは。
キザイアは悪名高いだけあって、なかなかの外道です。

>>怨念の渦巻く間から、『タスケテ』『クルシイ』『シニタクナイ』と、断末魔の声が聞こえてくる。
>
>熟成されまくった怨念の中にも残っている、救いを求める〃声〃。
>せめてその部分だけでも救う事が出来るとよいのですが……。

より熟成させるために、その部分も残してあります。
キザイアが斃されて、初めて解放されます。

>>キザイアの顔に驚愕の表情が張り付く。
>>「呪い来て 身を妨ぐる悪念をば 今打ち返す元の主に」
>>その祝詞とともに、集まった鬼気がキザイアに向かって飛んで行った。
>
>〃呪い〃のような形で使われていたものを、呪詛返しという形で本来の彼らの恨みの対象である相手、
>ギザイアさんに返す……。しかも当然利子付き。さすがです。シキブさん。

呪詛は返されると、倍の力で自分に返ってきますからね。
呪詛返しも相手と同等以上の実力がないと、やられてしまいますし。

>>シキブがリナを魔法陣の外へ突き飛ばすのと、魔法陣が発動するのは同時だった。
>>「シキブさん!?」
>>突き飛ばされたリナが身体を起こすと、シキブが魔法陣の中へと吸い込まれていった。
>
>ほっとしたのもつかの間。不意を突かれた形で描かれていた魔法陣。魔法陣が発動する中、
>とっさにリナを庇うシキブさん。ティリンギャストさんと同じくさすが……とは思いますが……
>大丈夫なのでしょうか。

この魔法陣はティリンギャストの仕業です。
キザイアの手助けみたいなもんです。
SPは我が身を呈してVIPを護りますからね。

>>「長年使ってきた身体をよくもオシャカにしてくれたわね。おかげでまた別のを調達しないといけないわ」
>>その声はまさしくキザイアの声であった。
>>「あなた・・・・・・精神体となって生き延びていたのね。そして宿るに適した身体を見つけ寄生する――――」
>
>なるほど……「倒された」記録があるのに生きのびていた理由は、こういうことだったのですね。
>確かにシャレにならないくらいの悪事を働いていたのですから、「倒した証拠」としての遺体がなければ、
>誰も(特に被害者は)信用しませんし、すぐに追跡の手が回りますからね。
>……より最適な身体を見つけるたびに身体を乗っ取って、魂の方は呪詛の道具にしていた……。
>本当に最悪な人ですね、ギザイアさん。

150年前も当局の目を騙すために、わざと「斃された」ようなものですし。
魔道士としては超一流ですが、人間としては下衆以下ですね。

>>シキブの声とともに、服の腹の部分に大きく皺がより、また別の人面疽が現れた。
>>『ノウマク・サマンダ・バザラダン・カン』
>>祝詞とともに、紅蓮の火焔を吐き出した。
>>その焔は、生物――使い魔のブラウン・ジェンキンの身体はおろか、精神体であるキザイアまで灼き尽くした。
>
>本人と人面疽による呪歌で〃四重奏〃。
>人面疽はシキブさんの意思で表に現れているのですね。すごい……ですが、女性には結構使うのが
>キツイ技かもしれないと思いました。

はい、シキブと彼女の身体にある3つの人面疽。これが二つ名の由来です。
文章に書き忘れましたが、この「カルラ」「イザヨイ」「ツクヨ」はそれぞれ女性の顔です。
不気味な面構えでないので、女性でも大丈夫だと思います。

>>キザイアの成れの果てを一瞥すると、再び”神呪歌”を詠いはじめた。
>>「何かイヤな予感がするわ。お嬢様の身に何かあったのしら。急いでここから出ないと」
>
>ギザイアさんを確実に倒し、リナの身を案じるシキブさん。一刻も早く合流出来ると良いですね。

とりあえず、ゴーメンガースト組は敵を斃したので、後は合流するだけですが、スレイヤーズ組はもうしばらく受難があります。

>>今回でなんとか厄介なのが、半分ほど倒せました。
>>ようやくシキブの能力も全て公開。3人の中で彼女がなかなか説明が難しいです。
>>ミカズチの『九天応元雷声普化天尊』の元ネタは、道教の神様で、全ての雷神の中で最高位の神様の名前です。勧善懲悪の神様だそうです。
>>あとシキブが言ってた『アチャラナータ』は不動明王のサンスクリット語読みです。真言が有名なので、分かる人はすぐ分かるでしょうが。
>
>シキブさんのは真言ですぐに分かったのですが、ミカズチさんのは道教の神様で、最高位の雷神でしたか。
>知りませんでした。道教も色々神様がいらっしゃるのですね。

不動明王の真言は有名ですからね。
ミカズチのは雷神で調べたら出てきたので使いました。道教は人間が神格化した神とかもいますからね(関帝とか)

>>それでは、次回はリナVSティリンギャストです。お楽しみに。
>
>次はリナとティリンギャストさんですか。
>リナの本領発揮なるか。またはガウリイが合流してリナ・ガウリイの夫婦(笑)コンビパワーが
>炸裂するのか。楽しみです。
>それでは、今日はこの辺で失礼します。

次の戦いですが、これがまた大変なことに―――――詳細は次回をお楽しみに。
それでは、どうもありがとうございました。

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31728闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 5棒太郎 2005/8/20 00:20:19
記事番号31690へのコメント

こんばんは、棒太郎です。
この前知り合いと飲みに行って、次の日頭痛とえづきに悩まされました。
酒はアホみたいに飲むもんじゃないですね。
それでは続きをどうぞ。


*************************************

  『闇黒の断章』 〜第5章〜 

   「Dig Me No Grave」 5





  ―――――ほう、『風』の気配が止んだか

  ―――――しかし、ごく表層の力とはいえ召喚できるとは

  ―――――この世界(ここ)の者も、思ったよりはやる者もいるものだ

  ―――――そうでなくばアレの駒ともならぬ、か

  ―――――クカ、クカカカ、クカカカカカカカカ



「むっ!?」
何かを察知し、突如ハオン=ドルが手を止めた。
「バカな・・・・・・”門番”ともども斃されたというのか・・・・!?」
そう口にすると、忌々しげに唇を噛む。
そしてその瞳により凶悪な光が宿った。
「俄かには信じられんが・・・・しかし、事実は事実。なれば、遊んではおれん」
アメリアとゼルガディスに向き直るや、ハオン=ドルは胸の前で両手を交差させ、×の字をつくった。
全身に膨れ上がるオーラに、ゼルガディスはアメリアを背に庇うように、剣を構えた。
「クァァァァァーーーッッ!!」
咽喉の奥から搾り出すような不快な音声が吐き出された。
それともに黒いもやのようなものもそこから飛び出した。
「―――!?」
ヴヴヴヴヴヴ、と羽音を繰り出すそれは、体長12,3cmほどのおぞましい姿の蟲であった。
蟲たちは血に飢えた獣の如く、アメリアとゼルガディスに向かって襲い掛かった。



石造りの回廊のとある一角。
そこは、迸る魔力のオーラのぶつかり合いに、渦巻く空気と緊迫に支配されていた。
その空気の中心の部分には、二人の魔道士が15mほど距離をあけて対峙していた。
一人は栗色の髪も鮮やかな少女――リナ=インバース。
そしてもう一人は、片眼鏡の輝く紳士然とした男――ティリンギャストであった。
リナは油断無くティリンギャストを見据え、構えている。対するティリンギャストは、ステッキをついて悠然と立ちながら、ニヤリと笑みを浮かべていた。
互いの身体から発せられるオーラが触れると、そこの空気は凍りつくかのように張り詰めてゆく。
それをティリンギャストは愉しげに見つめ、
「ははは、これほどの魔力のプレッシャー!流石、流石はリナ=インバース!伊達に天才を名乗ってはいないということか、いうことだな」
「!?あたしの名前を―――!?」
「ふふふ、先日は失礼したね。あの時は君があのリナ=インバースとは知らなくてね。あれから君の名を知ったのさ、知ったのだよ」
いや、失敬失敬―――と笑うティリンギャストに、リナはより警戒を強める。
「リナ=インバースという魔道士のことは以前から聞き及んでいたのだよ」
「どーせろくな話じゃないでしょ」
ドラまたやらなんやらと、世間一般―――主に裏家業の人たちの間で言われている自分の評価はうんざりするほど耳にしている。
おかげで姉の追及に戦々恐々とした日々を過ごしたこともあった。
「ははは、確かに、確かに君の評判はよく耳にしているよ。曰く『盗賊殺し』、曰く『ドラゴンもまたいで通る』―――――」
予想していたのとドンピシャリのティリンギャストの言葉に、リナは思わず溜め息をつく。
「――――――しかし、それは君の一部分しか見ていない、見ることの出来ない愚人どもの戯言だ。君に贈るにふさわしい名はそう―――――」
ティリンギャストの笑みがさらに深く刻まれる。
「そう、『魔を滅する者(デモン・スレイヤー)』―――」
「っ!?」
ティリンギャストのその一言に、リナの瞳が驚きに見開かれる。
「あんた――――――!?」
「ふふふ、そう謙遜することもないだろうに。あの赤法師レゾは言うに及ばず、数々の魔族―――それも中級以上の―――を斃し、そしてかの冥王フィブリゾを下し、覇王グラウシェラーも退けた」
ティリンギャストが言葉を紡ぐたびに、辺りの空気の緊張感はどんどんと増してゆく。
「そしてあの赤眼の魔王シャブラニグドゥの欠片を二つも滅ぼした――――――ふふふ、これほどの魔道士は世界広しといえどもそうはいない、いないだろうさ。十二分に誇れることだ」
「・・・・・・あんた、何者よ」
サイラーグの件など、旅の仲間以外誰も知らないはずである。
もしかしたらアメリア辺りが口が滑ったかもしれないが、それではもうすでに世間に知れ渡っているはずである。
先ほどとは違う意味で警戒し、睨むリナに、ティリンギャストはニヤリと笑みを浮かべた。
あのエズダゴルとはまた別の、ゾクリとする不気味な笑みであった。
「くっ!」
リナは体内の怯懦を振り払うように気合を発した。
迸る魔力に応えるよう、ティリンギャストの魔力も膨れ上がった。
(あいつ・・・・・おそらく、あの『暗黒の大巻』の力で障壁を張っているでしょね。となると、生半可な呪文は通じないわ――――――)
魔力を練り上げながら、リナは心中で呟いた。
(ドラグ・スレイブをフルパワーでいくか――――――でも、このプレッシャー、前のときとは違い向こうも全力で来るわけね)
しばし考えた後、リナは意を決めた瞳を向けた。
(下手すればあいつをやってしまいかねないけど・・・・・でもここであいつらの計画を潰さないと、ヤバイことになるわ・・・・・)
リナは印を結んで、呪文を唱え始めた。
セリシアから授けられた魔法の中で最強の破壊力をもつ呪文のひとつ。
「黄昏よりも昏きもの、血の流れより赤きもの―――――――」
赤眼の魔王の文言が紡がれる。
そしてリナの身にドラグ・スレイブを上回る魔力が集束する。
「ほほう、これは―――――」
その力にティリンギャストが感嘆の声を上げる。
「これほどの力――――まさに、まさに天才と呼ぶに相応しい」
そうしてティリンギャストも外套を大きく翻した。
「ならば私もとっておきでお相手しよう!」
禍々しい魔力が大きく膨れ上がる。
「――――汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。我らこそが力、我らこそが滅びなり―――――」
リナの唱える呪文が重厚な魔力を帯びて響き渡る。
その言葉だけで、大気は怯えるように震え、弾けてゆく。
だがその中でもティリンギャストは笑みを崩さず、手の甲をみせながら両手を交差させ、気合を発した。
「往くぞ!リナ=インバース!

 ―――フングルイ ムグルウナフ

 ―――クトゥグア フォマルハウト

 ――――――――」
ティリンギャストの身に灼熱にも等しい魔力が荒れ狂う。
辺りの空気はもはや嵐の如く吹き荒れていた。
「――――汝が力は我が意思なり 『ギガ・フレア』!!」
リナの叫びと共に、巨大な紅蓮の輝きの光弾が尾を引いて撃ち放たれた。
山脈ひとつ吹き飛ばせると思えるほどの力がティリンギャストに襲い掛かる。
だが――――

「―――ンガア グア ナフルタグン


 ―――イア!クトゥグア!!」

その瞬間、太陽の数十倍はあろうともいう灼熱の閃光が爆発し、辺りは白い光の中に呑み込まれた。





******





「リナッ!!」
回廊の奥から駆けて来たガウリイは思わずリナの名を呼んだ。
彼の全身に貫くような直感が駆け巡っていた。
辺りの回廊の壁はひどく歪んでいた。
いや、よく見ると一度融けた後が見えた。
それが広範囲に渡って広がっていた。
「これは―――――!?」
ガウリイがその光景に絶句した。
「ほう、これはこれは。伴侶のご登場かね」
「!!」
カツンと床を叩く音が聞こえた。その先にステッキをついて悠然と立つティリンギャストがいた。
服の両袖は、手袋ともども消し炭となってボロボロとなっていた。
「貴様!!リナをどうした!?」
「リナ=インバースかね?彼女は―――――」
ティリンギャストはニヤリと深い笑みを浮かべた。


  「消滅―――いや、”焼滅”した」



***********************************

続きでした。
ついにあの『呪文』まで出てきました。
リナが大変なことになりましたが、さてどうなるか・・・・・
それではまた次回

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31730今度はこの御方の呪文ですか……。(遠い目)エモーション E-mail 2005/8/20 23:03:49
記事番号31728へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

>この前知り合いと飲みに行って、次の日頭痛とえづきに悩まされました。
>酒はアホみたいに飲むもんじゃないですね。

お酒……。その場のノリでついつい飲み過ぎちゃうことがありますよねぇ……。
……そして気が付くと、帰宅途中に買う予定のなかったCDやマンガ本を買っていたりする……。
自分の酒量の見極めって大事です、ほんと。

今回は……もの凄い展開になりましたね……(滝汗)
出てきた某氏の天敵(?)な御方の呪文以上にラストの状況が……。
次回が何やら薄ら怖い展開になりそうですね。


>  ―――――ほう、『風』の気配が止んだか
>
>  ―――――しかし、ごく表層の力とはいえ召喚できるとは
>
>  ―――――この世界(ここ)の者も、思ったよりはやる者もいるものだ
>
>  ―――――そうでなくばアレの駒ともならぬ、か
>
>  ―――――クカ、クカカカ、クカカカカカカカカ
>
まだまだ見学モードのこの御方。余裕の出番待ちですね。

>「バカな・・・・・・”門番”ともども斃されたというのか・・・・!?」
>そう口にすると、忌々しげに唇を噛む。
>そしてその瞳により凶悪な光が宿った。
>「俄かには信じられんが・・・・しかし、事実は事実。なれば、遊んではおれん」

片割れが受けた攻撃の影響を、こちらは全く受けていないところをみると、
完全に独立した存在として分かれているようですが、それでも分かれた片割れがどうなったのか、
さすがに分かるのですね。

>「クァァァァァーーーッッ!!」
>咽喉の奥から搾り出すような不快な音声が吐き出された。
>それともに黒いもやのようなものもそこから飛び出した。
>「―――!?」
>ヴヴヴヴヴヴ、と羽音を繰り出すそれは、体長12,3cmほどのおぞましい姿の蟲であった。
>蟲たちは血に飢えた獣の如く、アメリアとゼルガディスに向かって襲い掛かった。

これはまた不気味な生き物を繰り出してきましたね……(汗)
ところでこちらのハオン=ドルさんは〃本〃を持っているのでしょうか?

>「ふふふ、先日は失礼したね。あの時は君があのリナ=インバースとは知らなくてね。あれから君の名を知ったのさ、知ったのだよ」
>いや、失敬失敬―――と笑うティリンギャストに、リナはより警戒を強める。
>「リナ=インバースという魔道士のことは以前から聞き及んでいたのだよ」
>「どーせろくな話じゃないでしょ」
>ドラまたやらなんやらと、世間一般―――主に裏家業の人たちの間で言われている自分の評価はうんざりするほど耳にしている。

何だかんだ言っても、リナ=インバースの名前は世間に轟き渡っていますからね。

>「――――――しかし、それは君の一部分しか見ていない、見ることの出来ない愚人どもの戯言だ。君に贈るにふさわしい名はそう―――――」
>ティリンギャストの笑みがさらに深く刻まれる。
>「そう、『魔を滅する者(デモン・スレイヤー)』―――」
>「っ!?」
>ティリンギャストのその一言に、リナの瞳が驚きに見開かれる。
>「あんた――――――!?」
>「ふふふ、そう謙遜することもないだろうに。あの赤法師レゾは言うに及ばず、数々の魔族―――それも中級以上の―――を斃し、そしてかの冥王フィブリゾを下し、覇王グラウシェラーも退けた」
>ティリンギャストが言葉を紡ぐたびに、辺りの空気の緊張感はどんどんと増してゆく。
>「そしてあの赤眼の魔王シャブラニグドゥの欠片を二つも滅ぼした――――――ふふふ、これほどの魔道士は世界広しといえどもそうはいない、いないだろうさ。十二分に誇れることだ」

どうやって、と言いたくなるくらい正確な情報を持っていますね、ティリンギャストさん。
確かにこれが正当な評価ですし、後世には(一般に知られている範囲内に限りますが)その事実を
広く世間一般に知られるようですが、現段階で、となるとかなり不可解ですよね。
(サイラーグの件なんて、それこそ詳しく調べても「何らかの形で関わっていたらしい」という
ラーヴァスの調査レベルが限界でしょうに)

>しばし考えた後、リナは意を決めた瞳を向けた。
>(下手すればあいつをやってしまいかねないけど・・・・・でもここであいつらの計画を潰さないと、ヤバイことになるわ・・・・・)
>リナは印を結んで、呪文を唱え始めた。
>セリシアから授けられた魔法の中で最強の破壊力をもつ呪文のひとつ。

できれば相手の情報がほしいところだけれど、そうも言っていられない相手だけに、
リナとしては最強の呪文を使うしかないのですね。

>「――――汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。我らこそが力、我らこそが滅びなり―――――」
>リナの唱える呪文が重厚な魔力を帯びて響き渡る。
>その言葉だけで、大気は怯えるように震え、弾けてゆく。

基本はシャブラニグドゥを基とする呪文なのですね。けれど竜破斬以上の威力の呪文……。
ギガ・スレよりは危なくないけれど、迂闊に使えないレベルは同等かもしれませんね(汗)

>ティリンギャストの身に灼熱にも等しい魔力が荒れ狂う。
>辺りの空気はもはや嵐の如く吹き荒れていた。
>「――――汝が力は我が意思なり 『ギガ・フレア』!!」
>リナの叫びと共に、巨大な紅蓮の輝きの光弾が尾を引いて撃ち放たれた。
>山脈ひとつ吹き飛ばせると思えるほどの力がティリンギャストに襲い掛かる。
>だが――――
>
>「―――ンガア グア ナフルタグン
>
>
> ―――イア!クトゥグア!!」
>
>その瞬間、太陽の数十倍はあろうともいう灼熱の閃光が爆発し、辺りは白い光の中に呑み込まれた。

やはり思いきり「ちょっと待てーーーーーーーっ!!!!」な、ティリンギャストさんの、
誰かさんの天敵の呪文とリナの使うセリシアさん直伝の呪文、「ギガ・フレア」の直撃。
どちらも相当強力な呪文ですし、その分魔力障壁もそれなりにあるはずですが……。
どちらもただじゃ済みそうにないですね……。

>辺りの回廊の壁はひどく歪んでいた。
>いや、よく見ると一度融けた後が見えた。
>それが広範囲に渡って広がっていた。
>「これは―――――!?」
>ガウリイがその光景に絶句した。
>「ほう、これはこれは。伴侶のご登場かね」

〃案内〃を受けて、リナの元へやって来たガウリイ。……できればもう少し早くついていれば……(汗)
そんな中、「伴侶」発言に思わず喜んでしまいました。敵方にもすでに公認……というより、
世間はとっくにそう認定してるでしょうし。

>カツンと床を叩く音が聞こえた。その先にステッキをついて悠然と立つティリンギャストがいた。
>服の両袖は、手袋ともども消し炭となってボロボロとなっていた。
>「貴様!!リナをどうした!?」
>「リナ=インバースかね?彼女は―――――」
>ティリンギャストはニヤリと深い笑みを浮かべた。
>
>
>  「消滅―――いや、”焼滅”した」
>
……服装などが酷い有様になっていても、ほぼ無傷なティリンギャストさんと、その場にいたのに
今は存在していないリナ……。ど、ど、ど、どーなっちゃたのでしょうか……(滝汗)
そしてティリンギャストさんは、自分の死刑執行書にサインをしてしまったようですね。
ガウリイがどうなるのか……かなり楽しみで怖いです。

>続きでした。
>ついにあの『呪文』まで出てきました。
>リナが大変なことになりましたが、さてどうなるか・・・・・
>それではまた次回

リナも魔道書を懐に持っていたはずですし、何よりあの天敵の呪文ですから、
あの御方がちょっと手助けしてくれないかなあ……と読みながら思いました。
何より次回に見られるであろう、超バリバリシリアスモードガウリイ(修羅道に踏み込みしゅらしゅしゅvr)が、
楽しみでもあり、どうなるのか怖いなあと思っています。
おそらく、ガウリイがリナに一番見せたくない姿なのでしょうから。

それでは、今日はこの辺で失礼します。続きをどきどきしつつお待ちしています。

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31735当初から予定してました棒太郎 2005/8/21 22:58:45
記事番号31730へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。
>
>>この前知り合いと飲みに行って、次の日頭痛とえづきに悩まされました。
>>酒はアホみたいに飲むもんじゃないですね。
>
>お酒……。その場のノリでついつい飲み過ぎちゃうことがありますよねぇ……。
>……そして気が付くと、帰宅途中に買う予定のなかったCDやマンガ本を買っていたりする……。
>自分の酒量の見極めって大事です、ほんと。
>
>今回は……もの凄い展開になりましたね……(滝汗)
>出てきた某氏の天敵(?)な御方の呪文以上にラストの状況が……。
>次回が何やら薄ら怖い展開になりそうですね。

こんばんは、エモーションさん。
酒はそんなに飲まないのですが、飲み会はまず酒ありき、みたいな人がいますので・・・・・・・
今回のリナVSティリンギャスト戦の状況は、当初から予定していました。
また二転三転していきます。


>>  ―――――ほう、『風』の気配が止んだか
>>
>>  ―――――しかし、ごく表層の力とはいえ召喚できるとは
>>
>>  ―――――この世界(ここ)の者も、思ったよりはやる者もいるものだ
>>
>>  ―――――そうでなくばアレの駒ともならぬ、か
>>
>>  ―――――クカ、クカカカ、クカカカカカカカカ
>>
>まだまだ見学モードのこの御方。余裕の出番待ちですね。

大々的に表に出てくることはないですが、ちょくちょく様子を見てます。

>>「俄かには信じられんが・・・・しかし、事実は事実。なれば、遊んではおれん」
>
>片割れが受けた攻撃の影響を、こちらは全く受けていないところをみると、
>完全に独立した存在として分かれているようですが、それでも分かれた片割れがどうなったのか、
>さすがに分かるのですね。

それぞれ完全に独立した存在です。
しかし、互いの精神の感応は常人より強いです。

>>ヴヴヴヴヴヴ、と羽音を繰り出すそれは、体長12,3cmほどのおぞましい姿の蟲であった。
>>蟲たちは血に飢えた獣の如く、アメリアとゼルガディスに向かって襲い掛かった。
>
>これはまた不気味な生き物を繰り出してきましたね……(汗)
>ところでこちらのハオン=ドルさんは〃本〃を持っているのでしょうか?

はい。こちらは『クハヤの儀式』を持っています。

>>ドラまたやらなんやらと、世間一般―――主に裏家業の人たちの間で言われている自分の評価はうんざりするほど耳にしている。
>
>何だかんだ言っても、リナ=インバースの名前は世間に轟き渡っていますからね。

まあ、これでも超有名人ですからね。

>>「そしてあの赤眼の魔王シャブラニグドゥの欠片を二つも滅ぼした――――――ふふふ、これほどの魔道士は世界広しといえどもそうはいない、いないだろうさ。十二分に誇れることだ」
>
>どうやって、と言いたくなるくらい正確な情報を持っていますね、ティリンギャストさん。
>確かにこれが正当な評価ですし、後世には(一般に知られている範囲内に限りますが)その事実を
>広く世間一般に知られるようですが、現段階で、となるとかなり不可解ですよね。
>(サイラーグの件なんて、それこそ詳しく調べても「何らかの形で関わっていたらしい」という
>ラーヴァスの調査レベルが限界でしょうに)

知られているはずの無い情報を的確に知っている・・・・・ティリンギャストの不気味さを薄っすらと出せればいいなと思います。

>>リナは印を結んで、呪文を唱え始めた。
>>セリシアから授けられた魔法の中で最強の破壊力をもつ呪文のひとつ。
>
>できれば相手の情報がほしいところだけれど、そうも言っていられない相手だけに、
>リナとしては最強の呪文を使うしかないのですね。

先日はまだお互い本気ではありませんでしたし。
今回はさらに激戦は必至ですからね。

>>「――――汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。我らこそが力、我らこそが滅びなり―――――」
>>リナの唱える呪文が重厚な魔力を帯びて響き渡る。
>>その言葉だけで、大気は怯えるように震え、弾けてゆく。
>
>基本はシャブラニグドゥを基とする呪文なのですね。けれど竜破斬以上の威力の呪文……。
>ギガ・スレよりは危なくないけれど、迂闊に使えないレベルは同等かもしれませんね(汗)

流石に”金色の魔王”系の呪文はヤバいですからね。
それにシャブラニグドゥも、偶には凄いぞってところを見せてあげませんとね(笑)

>>「―――ンガア グア ナフルタグン
>>
>>
>> ―――イア!クトゥグア!!」
>>
>>その瞬間、太陽の数十倍はあろうともいう灼熱の閃光が爆発し、辺りは白い光の中に呑み込まれた。
>
>やはり思いきり「ちょっと待てーーーーーーーっ!!!!」な、ティリンギャストさんの、
>誰かさんの天敵の呪文とリナの使うセリシアさん直伝の呪文、「ギガ・フレア」の直撃。
>どちらも相当強力な呪文ですし、その分魔力障壁もそれなりにあるはずですが……。
>どちらもただじゃ済みそうにないですね……。

ティリンギャストの呪文は本当に洒落になりませんからね。
ンガイの森を焼き尽くしたものですし。

>>「ほう、これはこれは。伴侶のご登場かね」
>
>〃案内〃を受けて、リナの元へやって来たガウリイ。……できればもう少し早くついていれば……(汗)
>そんな中、「伴侶」発言に思わず喜んでしまいました。敵方にもすでに公認……というより、
>世間はとっくにそう認定してるでしょうし。

敵味方問わずに、もうそう思われてますね。
天もガウリイの味方をしてますね。

>>「貴様!!リナをどうした!?」
>>「リナ=インバースかね?彼女は―――――」
>>ティリンギャストはニヤリと深い笑みを浮かべた。
>>
>>
>>  「消滅―――いや、”焼滅”した」
>>
>……服装などが酷い有様になっていても、ほぼ無傷なティリンギャストさんと、その場にいたのに
>今は存在していないリナ……。ど、ど、ど、どーなっちゃたのでしょうか……(滝汗)
>そしてティリンギャストさんは、自分の死刑執行書にサインをしてしまったようですね。
>ガウリイがどうなるのか……かなり楽しみで怖いです。

さてさて、えらい展開になってきました。
この場面は最初から考えていました。ようやくここに到達することが出来ました。


>>続きでした。
>>ついにあの『呪文』まで出てきました。
>>リナが大変なことになりましたが、さてどうなるか・・・・・
>>それではまた次回
>
>リナも魔道書を懐に持っていたはずですし、何よりあの天敵の呪文ですから、
>あの御方がちょっと手助けしてくれないかなあ……と読みながら思いました。
>何より次回に見られるであろう、超バリバリシリアスモードガウリイ(修羅道に踏み込みしゅらしゅしゅvr)が、
>楽しみでもあり、どうなるのか怖いなあと思っています。
>おそらく、ガウリイがリナに一番見せたくない姿なのでしょうから。
>
>それでは、今日はこの辺で失礼します。続きをどきどきしつつお待ちしています。

リナはどうなってしまったのか、ガウリイはどうなるのか―――――えらい展開になってながら、次回へ続きます(笑)
次回はゲストが出演予定です。お楽しみに!
それでは、どうもありがとうございました。

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31741闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 6棒太郎 2005/8/24 11:10:55
記事番号31690へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
8月も残すところあとわずかですね。といってもお盆休みなんぞ無かった私にとってはあまり感傷が湧きません・・・・・・・どチクショウ(泣)
それでは続きをどうぞ。


*************************************


 『闇黒の断章』 〜第5章〜 

  「Dig Me No Grave」 6




「――――汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。我らこそが力、我らこそが滅びなり―――――」

「フングルイ ムグルウナフ
 クトゥグア フォマルハウト
 ンガア グア  ナフルタグン―――――」

ふたつの呪文が響き渡り、それと同時に強大なプレッシャーが辺り一面を蹂躙する。
魔力は荒れ狂い、嵐の中にいるかと思われるほどであった。


****


  ―――――ほう・・・・この気配は

  ―――――クカカカ  久しぶりに気に食わないものを見たものだ

  ―――――クカカカカカ


****


「!?なんだ、この空気の震えは!?」
空気の異変を察知したガウリイは、己の直感が示す方向へと駆け出した。
「リナッ!」


****


「――――汝が力は我が意思なり 『ギガ・フレア』!!」

「――――イア!クトゥグア!!」

二人の叫びと共に、紅蓮の輝きと灼熱の閃光が爆発した。
二つの力がリナとティリンギャストの間で烈しくぶつかり合う。
互角かに見えたその瞬間、ティリンギャストの放った灼熱の閃光は、『ギガ・フレア』の力を受け、更に爆発した。
「な――――!?」
「ふははははっ!これは唯の魔力ではない!純粋な超エネルギー体!実体化すれば超々高熱の力となるのだよ!」
その光は『ギガ・フレア』のエネルギーをも己が力の糧として呑み込み、膨れ上がった。
その瞬間、辺りは白い閃光に閉ざされた。


「ふむ―――――」
薄闇と静寂の戻った空間。
その中でティリンギャストは前方を見つめ、静かに頷いた。
服の両袖はボロボロに焦げ落ちていたが、彼自身には何の被害も無かった。
「今回で二度目となるが―――――相変わらず加減が分からんものだ」
そう呟く先には、超々高熱によってつるつるに融けた回廊の天井や壁、床の姿があった。リナの姿だけはどこにも見当たらなかった。
「ふむ、まあいい。まあいいさ。所詮、相手を滅消させるのに変わりはない」
ニヤリと不気味な笑みが顔に刻まれる。
「リナッ!!」
そのとき、回廊の奥から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
「ほう、これはこれは。伴侶のご登場かね」
カツンとステッキを手に、ティリンギャストは優雅に身構えた。
「貴様!!リナをどうした!?」
「リナ=インバースかね?彼女は―――――」
ガウリイの言葉に、ティリンギャストはニヤリと深い笑みを浮かべた。

「消滅―――いや、”焼滅”した」

「な―――――!?」
その言葉に流石のガウリイも一瞬絶句してしまった。
「バカな!あのリナがそうやすやすとやられるか!」
「ふむ・・・・まあ、伴侶を思いやる気持ちも分からんでもないが・・・・・・しかし、これは厳然たる事実、事実なのだよ」
君ほどの剣士ならば分かるはずだ、この場の残気が――――ティリンギャストはニヤリと笑い、そう言った。
ティリンギャストにいわれるまでもなく、ガウリイはこの場の残気をいやでも感じ取っていた。
ガウリイほどに研ぎ澄まされた剣士ともなれば、感覚の目でその場に残る気を捉えることが出来る。
そして、この場のリナの残気も彼の感覚の目に視えていた。
呪文を唱え、魔法を放つリナ。だがその次の瞬間、一瞬にして彼女の姿は消えた。
それは先程のティリンギャストの言葉を如実に物語っていた。
「―――――――っ!!!」
ギリギリと身を引き絞り、声のない慟哭をあげるガウリイ。
護ることのできなかった無念が、怒りが辺りにうずくまる。
「なに、悲しむことはない。君もすぐに彼女の許へ送ってあ―――――」
その途中、銀光が宙を疾った。
「な―――!?」
あげかけたティリンギャストの右手が、ステッキを握ったまま、床に落ちた。
いつの間にかガウリイの剣が抜き放たれていた。
彼の瞳には、これまでに見たことの無い鬼気が宿っていた。
再び銀光が宙を疾ったかと思うと、袈裟斬りに赤い血の線が走った。
(くっ!動きが読めん!まるで狂った野獣のようだ―――)
ティリンギャストの頬にひと筋の汗が流れた。
(リナ=インバースを失ったことで、修羅の鬼と化したか。修羅道へ堕ちたか)
ゾクリとするような薄ら寒い殺気が漂ってくる。
その次の瞬間、魔獣の咆哮の如き気合をあげ、ガウリイの剣がティリンギャストの脳天へと疾った。
ティリンギャストも片手で印をつくり、応じようとしたとき、降り来る一撃を黒の銀光が疾って受け止めた。
「・・・・・・・己が無力を嘆き、心に鬼を宿したか。ガウリイ=ガブリエフ」
剣を受け止めたその影は、あの黒騎士ボルボックであった。
「・・・・魔道士殿。ここは引き受けるゆえ、下がられよ」
ボルボックの言葉に、ティリンギャストは切り落とされた右手を招き寄せ、「それではお言葉に甘えて」と何の未練もなく、姿を消した。
ガウリイとボルボック――――二人は再び対峙した。
「・・・・・貴公ほどの剣士が・・・・惜しいな」
「・・・・・・・どけ。邪魔をするなら、殺す!」
ガウリイの全身から凄まじい殺気が吹き荒れる。
「・・・・・無駄だ・・・・・・・確かに先程よりは凄まじい剣閃だが、己に呑まれた剣など私には通じぬ・・・・・・」
そう言うや、ボルボックの右腕の鎧がバキバキと変化をはじめ、力が膨れ上がる。そして、その手に持つストームブリンガーの剣先にまで力が通ってゆく。
「往くぞ、ガウリイ=ガブリエフ」
互いに睨みあい、そして地を蹴った。
だがその瞬間――――
「!?」
「なっ!?」
突如横合いから銀光が閃き、ボルボックへと疾った。
咄嗟に剣を返し、それを受けるが、その剣閃は勢いを殺さず、軌道を変えてガウリイの剣も弾いた。
「何者!?」
剣閃の疾った方を振り向くと、そこにひとりの男が立っていた。
左肩に長い包みを担ぎ、右手には細長い片刃の剣が握られていた。
「水を差すようで悪いが・・・・・・・ここでその男をやらせるわけにはいかんな」
「お、お前は・・・・・・」
「久方ぶりだな、ガウリイ=ガブリエフ」
男が目深に被った菅笠の奥でニッと笑った。
「貴公・・・・何者だ?」
再び、ボルボックが男に問い掛けた。
男は刃を地に向けたまま、ボルボックのほうに目を向け、澄んだ笑みを向けた。

「我が名はリュウゼン。義によりて、ガウリイ=ガブリエフの助太刀を致す」


*************************************

続きでした。
今回、前々から予定していたゲストがようやく登場です。
なんだよ、コレかよ―――とかは言わないでくださいね。
仕掛けはもちろんあのヒトです。
それでは、また次回。

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31758剣といえばこの人ですねエモーション E-mail 2005/8/25 22:49:06
記事番号31741へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

台風接近で雨と風が凄いです。停電だけがちょっと心配です。

さて、リナの消失でぷっつん切れてしまったガウリイ。薄ら寒いまでの殺気を漂わせたガウリイにとって、
ゲスト様は多少のストッパーになるのでしょうか。
でもすべてが終わった後、「いざ勝負!!」なんて事になりそうな気がするのは何故……?(^_^;)


>  ―――――ほう・・・・この気配は
>
>  ―――――クカカカ  久しぶりに気に食わないものを見たものだ
>
>  ―――――クカカカカカ

気に入らない気配を感じても、やはり余裕のナイの方。
本体が召喚されたわけではないから……なのでしょうか。

>「!?なんだ、この空気の震えは!?」
>空気の異変を察知したガウリイは、己の直感が示す方向へと駆け出した。

一般人でも感じ取りそうな空気だけに、元々勘の鋭いガウリイはヤバさ加減をピリピリしすぎるくらい、
感じ取っているのでしょうね。

>「な――――!?」
>「ふははははっ!これは唯の魔力ではない!純粋な超エネルギー体!実体化すれば超々高熱の力となるのだよ!」
>その光は『ギガ・フレア』のエネルギーをも己が力の糧として呑み込み、膨れ上がった。

うわぁ……。相手の力すら自らのエネルギー源とする技……。
元が純粋な超エネルギー体では、呪文が炎系かそうでないかは関係なさそうなだけに、
厄介でとんでもない技ですね(汗)

>服の両袖はボロボロに焦げ落ちていたが、彼自身には何の被害も無かった。
>「今回で二度目となるが―――――相変わらず加減が分からんものだ」

ギガ・スレと同じで、ほいほい試すわけにいかないのでしょうけれど、加減が分からないのに
使ってしまう辺り、そして「まあいい」ですませる辺りに、思わず「待て、こら」と。
……そーいえば昔、某アニメの主人公は第一話で、自分でも初めて使うどんなものかも良く分からん必殺技を、
敵に繰り出してたなあ。…………それも捕まってた人質ごと…………。(当時、画面に向かって
盛大に突っ込んだのは良い思い出です(笑))

>ティリンギャストにいわれるまでもなく、ガウリイはこの場の残気をいやでも感じ取っていた。
>ガウリイほどに研ぎ澄まされた剣士ともなれば、感覚の目でその場に残る気を捉えることが出来る。
>そして、この場のリナの残気も彼の感覚の目に視えていた。
>呪文を唱え、魔法を放つリナ。だがその次の瞬間、一瞬にして彼女の姿は消えた。
>それは先程のティリンギャストの言葉を如実に物語っていた。

実際にその場を目撃していなくても、それが分かってしまうのはかなり辛いものがありますね。

>あげかけたティリンギャストの右手が、ステッキを握ったまま、床に落ちた。
>いつの間にかガウリイの剣が抜き放たれていた。
>彼の瞳には、これまでに見たことの無い鬼気が宿っていた。
>再び銀光が宙を疾ったかと思うと、袈裟斬りに赤い血の線が走った。
>(くっ!動きが読めん!まるで狂った野獣のようだ―――)
>ティリンギャストの頬にひと筋の汗が流れた。
>(リナ=インバースを失ったことで、修羅の鬼と化したか。修羅道へ堕ちたか)
>ゾクリとするような薄ら寒い殺気が漂ってくる。

ついに……ガウリイが修羅道踏み込みVrに……。
ティリンギャストさんですらゾクリと感じさせる殺気。
ガウリイ本来の人格に抑えられていた部分が、「修羅の鬼」となったことで綺麗に
消え去ってしまったのですね。

>ティリンギャストも片手で印をつくり、応じようとしたとき、降り来る一撃を黒の銀光が疾って受け止めた。
>「・・・・・・・己が無力を嘆き、心に鬼を宿したか。ガウリイ=ガブリエフ」
>剣を受け止めたその影は、あの黒騎士ボルボックであった。
>「・・・・魔道士殿。ここは引き受けるゆえ、下がられよ」
>ボルボックの言葉に、ティリンギャストは切り落とされた右手を招き寄せ、「それではお言葉に甘えて」と何の未練もなく、姿を消した。

どれほど凄まじい呪文を使えても、それを使う前に斬られていたのでは無意味、ということで
後はボルボックさんに任せて退場したティリンギャストさん。
冗談抜きで余裕がなかったのでしょうね。

>突如横合いから銀光が閃き、ボルボックへと疾った。
>咄嗟に剣を返し、それを受けるが、その剣閃は勢いを殺さず、軌道を変えてガウリイの剣も弾いた。
>「何者!?」
>剣閃の疾った方を振り向くと、そこにひとりの男が立っていた。
>左肩に長い包みを担ぎ、右手には細長い片刃の剣が握られていた。
>「水を差すようで悪いが・・・・・・・ここでその男をやらせるわけにはいかんな」
>「お、お前は・・・・・・」
>「久方ぶりだな、ガウリイ=ガブリエフ」
>男が目深に被った菅笠の奥でニッと笑った。
>「貴公・・・・何者だ?」
>再び、ボルボックが男に問い掛けた。
>男は刃を地に向けたまま、ボルボックのほうに目を向け、澄んだ笑みを向けた。
>
>「我が名はリュウゼン。義によりて、ガウリイ=ガブリエフの助太刀を致す」

ガウリイとボルボックさんの間に、突如割って入ったのは誰かと思ったら……リュウゼンさんでしたか。
……ま、まあ、斬り合いをしているこの2人に割って入れそうな者なんて、リュウゼンさん以外には……
ルナ、タイタスさん、フー・マンチューさん、リナ父(ゴーメンガーストでのVrアップ版)、
そして天下無敵のベルベインじーちゃんに……あれ? 結構いるかも(爆) 
それはさておき、剣の戦いとなればやはりこの人、ですね。

>続きでした。
>今回、前々から予定していたゲストがようやく登場です。
>なんだよ、コレかよ―――とかは言わないでくださいね。
>仕掛けはもちろんあのヒトです。
>それでは、また次回。

ゲストはリュウゼンさんでしたか。すでに一対一の剣の戦いは、この人!というイメージができてます。
何よりガウリイとの「縁」を考えたら、仕掛け人(笑)にとっても「彼」しか適任者が
浮かばないのかもしれませんね。
リュウゼンさんが加わったことで、ガウリイにどんな影響がでるのか、どんな戦いになるのでしょうか。
そして…………リナは本当にどうなってしまったのか。

それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。

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31759呼ばれて飛び出て―――棒太郎 2005/8/26 00:19:42
記事番号31758へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。
>
>台風接近で雨と風が凄いです。停電だけがちょっと心配です。
>
>さて、リナの消失でぷっつん切れてしまったガウリイ。薄ら寒いまでの殺気を漂わせたガウリイにとって、
>ゲスト様は多少のストッパーになるのでしょうか。
>でもすべてが終わった後、「いざ勝負!!」なんて事になりそうな気がするのは何故……?(^_^;)

こんばんは、エモーションさん。
そちらの方面は台風が接近してるんでしたね。
こちらは風の余波があったくらいで、午後には天気になりました。
今回、ようやく登場させることの出来たゲスト。純粋に手助けにきたので、「いざ、尋常に―――」ということにはなりませんです。


>>  ―――――ほう・・・・この気配は
>>
>>  ―――――クカカカ  久しぶりに気に食わないものを見たものだ
>>
>>  ―――――クカカカカカ
>
>気に入らない気配を感じても、やはり余裕のナイの方。
>本体が召喚されたわけではないから……なのでしょうか。

本体じゃないし、別に自分に向けられたものでもないですから、趙余裕な態度です。
彼に向けられたのなら、それはそれでティリンギャストの身のほうが終わりですし。

>>「!?なんだ、この空気の震えは!?」
>>空気の異変を察知したガウリイは、己の直感が示す方向へと駆け出した。
>
>一般人でも感じ取りそうな空気だけに、元々勘の鋭いガウリイはヤバさ加減をピリピリしすぎるくらい、
>感じ取っているのでしょうね。

ビシバシ感じ取ってます。

>>「な――――!?」
>>「ふははははっ!これは唯の魔力ではない!純粋な超エネルギー体!実体化すれば超々高熱の力となるのだよ!」
>>その光は『ギガ・フレア』のエネルギーをも己が力の糧として呑み込み、膨れ上がった。
>
>うわぁ……。相手の力すら自らのエネルギー源とする技……。
>元が純粋な超エネルギー体では、呪文が炎系かそうでないかは関係なさそうなだけに、
>厄介でとんでもない技ですね(汗)

炎と炎が合わさるとより大きくなるように、呪文の系統がどうであれ、その力と合わさりより大きくなりますので。

>>服の両袖はボロボロに焦げ落ちていたが、彼自身には何の被害も無かった。
>>「今回で二度目となるが―――――相変わらず加減が分からんものだ」
>
>ギガ・スレと同じで、ほいほい試すわけにいかないのでしょうけれど、加減が分からないのに
>使ってしまう辺り、そして「まあいい」ですませる辺りに、思わず「待て、こら」と。
>……そーいえば昔、某アニメの主人公は第一話で、自分でも初めて使うどんなものかも良く分からん必殺技を、
>敵に繰り出してたなあ。…………それも捕まってた人質ごと…………。(当時、画面に向かって
>盛大に突っ込んだのは良い思い出です(笑))

彼も彼で、リナに生半可な呪文は通じないと踏み、また『ギガ・フレア』の威力も凄まじいと見たので、最大級の威力のあるこの呪文で迎撃しました。

>>そして、この場のリナの残気も彼の感覚の目に視えていた。
>>呪文を唱え、魔法を放つリナ。だがその次の瞬間、一瞬にして彼女の姿は消えた。
>>それは先程のティリンギャストの言葉を如実に物語っていた。
>
>実際にその場を目撃していなくても、それが分かってしまうのはかなり辛いものがありますね。

事実を否が応でも分かってしまいますからね。

>>(くっ!動きが読めん!まるで狂った野獣のようだ―――)
>>ティリンギャストの頬にひと筋の汗が流れた。
>>(リナ=インバースを失ったことで、修羅の鬼と化したか。修羅道へ堕ちたか)
>>ゾクリとするような薄ら寒い殺気が漂ってくる。
>
>ついに……ガウリイが修羅道踏み込みVrに……。
>ティリンギャストさんですらゾクリと感じさせる殺気。
>ガウリイ本来の人格に抑えられていた部分が、「修羅の鬼」となったことで綺麗に
>消え去ってしまったのですね。

ついに表に出てきてしまいました、剣鬼Ver。
例えるなら『流浪人』から『人斬り抜○斎』となったようなものです。

>>「・・・・魔道士殿。ここは引き受けるゆえ、下がられよ」
>>ボルボックの言葉に、ティリンギャストは切り落とされた右手を招き寄せ、「それではお言葉に甘えて」と何の未練もなく、姿を消した。
>
>どれほど凄まじい呪文を使えても、それを使う前に斬られていたのでは無意味、ということで
>後はボルボックさんに任せて退場したティリンギャストさん。
>冗談抜きで余裕がなかったのでしょうね。

万全の態勢でもありませんし、不確定要素に対するには情報が足りないとの判断で、あっさりと退却しました。

>>「貴公・・・・何者だ?」
>>再び、ボルボックが男に問い掛けた。
>>男は刃を地に向けたまま、ボルボックのほうに目を向け、澄んだ笑みを向けた。
>>
>>「我が名はリュウゼン。義によりて、ガウリイ=ガブリエフの助太刀を致す」
>
>ガウリイとボルボックさんの間に、突如割って入ったのは誰かと思ったら……リュウゼンさんでしたか。
>……ま、まあ、斬り合いをしているこの2人に割って入れそうな者なんて、リュウゼンさん以外には……
>ルナ、タイタスさん、フー・マンチューさん、リナ父(ゴーメンガーストでのVrアップ版)、
>そして天下無敵のベルベインじーちゃんに……あれ? 結構いるかも(爆) 
>それはさておき、剣の戦いとなればやはりこの人、ですね。

ルナ、タイタス、フー・マンチューは確実ですし、レンドール・ベルベインも甘く見ることは出来ないですし。
とはいえ、このメンバーの中に名を連ねることの出来る腕前ですし、彼は。


>>続きでした。
>>今回、前々から予定していたゲストがようやく登場です。
>>なんだよ、コレかよ―――とかは言わないでくださいね。
>>仕掛けはもちろんあのヒトです。
>>それでは、また次回。
>
>ゲストはリュウゼンさんでしたか。すでに一対一の剣の戦いは、この人!というイメージができてます。
>何よりガウリイとの「縁」を考えたら、仕掛け人(笑)にとっても「彼」しか適任者が
>浮かばないのかもしれませんね。
>リュウゼンさんが加わったことで、ガウリイにどんな影響がでるのか、どんな戦いになるのでしょうか。
>そして…………リナは本当にどうなってしまったのか。
>
>それでは、続きを楽しみにしつつ、今日はこの辺で失礼します。

やはりサムライ的なイメージ、剣撃となると一番しっくりきそうなのは、リュウゼンですからね。
まあ、仕掛け人の奴も認める腕前ですし。
さてさてこれからどうなるか。
それでは、どうもありがとうございました。

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31776闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 6棒太郎 2005/9/1 16:47:38
記事番号31690へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
もう9月に入ってしまいましたね。
これから寒くなっていくのかと思うと、ちょっとブルーです。
それでは続きをどうぞ。


*************************************


 『闇黒の断章』 〜第5章〜 

  「Dig Me No Grave」 6




黒い靄のごとき物体に埋め尽くされた空間。
ヴヴヴと奇怪な音を発するソレは、見たことも無い不気味な蟲であった。
辺りを見回せば、蟲、蟲、蟲の大群。
ソレらはぐるりとアメリアとゼルガディスを取り囲んでいる。
「くそ!キリがない!」
唇を噛み締め、ゼルがディスが呻る。
ゼルガディスと背を合わせながら、アメリアも疲労を浮かばせながらも、懸命に構えている。
「はははははははっ!!無駄な足掻きよ。おとなしく我が蟲たちの餌食となるがいい!」
ハオン=ドルが笑い声を響かせながら、その手を上げた。
「死ねぃっ!」
振り下ろされたその手を合図に、蟲たちが四方八方から一斉に襲い掛かった。
「―――――っ!!」
無駄とは思いながらも、ゼルガディスはアメリアを庇いながら剣を構える。
「――――!?」
そのときであった。
突如走った銀光が迫り来る黒い靄を薙ぎ払った。
風に散らされるように、蟲たちが周囲に散っていく。
「なっ!?」
さらにアメリアのほうでは、迫ってきた蟲たちが正反対の方向へと吹き飛ばされた。
「なんだと!?バカな!?」
驚きの色を浮かべるゼルガディス、アメリア、ハオン=ドルの3人の間に2つの影がその姿を現した。
「お、お前は――――!?」
「えっ!?あ、貴女は―――――!?」
一人は仕込み杖を手に、青白い妖気が煌く瞳をハオン=ドルに向け、もう一人は右手につけた鉄の爪をカシンカシンと鳴らしながら、ニィッと笑みを浮かべた。
「カ、カーライル!?」
「スケアクロウさん!?」
驚きの声を上げるアメリアの胸元で、”エルマ”がくれたアミュレットが鈍い輝きを放っていた。

  ―――――さぁて、こちらはどうにか間に合ったかい

  ―――――次はあちらだな






 「我が名はリュウゼン。義によりて、ガウリイ=ガブリエフの助太刀を致す」

現れた黒笠の青年は、澄んだ笑みを向けながらそう名乗った。
そのリュウゼンを見ながら、ボルボックはストームブリンガーを構えなおした。
(この男・・・・・・できる)
さきほどの一閃から、ボルボックはリュウゼンの実力を感じ取っていた。
「な、何故お前が――――――」
そう言いかけたガウリイであったが、彼の鋭い直感がある答えを瞬時に導いた。
「奴か――――――」
アルゼンスタンの道中で出会った黒コートの男、そして手渡されたアミュレット――――――その訳はこれであったのか。
「その通りだ。だが、こちらはちと間に合わなかったようだな」
リュウゼンの言葉にガウリイの表情が曇る。
「・・・・・悪いが、貴公らも後を追ってもらおう」
「ほう・・・・面白い―――――」
ボルボックの言葉に、リュウゼンの放つ気が変わった。
「―――――と言いたいところだが、今は彼奴が本調子ではないのでな。この仕合、ひとまず預かりとするぞ」
「な――――――」
そう言い、リュウゼンは剣を鞘に納めた。
随分ぬけぬけとした言い草である。さすがのボルボックも思わず絶句してしまった。
「・・・・そちらがそうであっても、こちらには関係のないこと・・・!」
だがすぐに気を取り直すや、ストームブリンガーを振りかぶった。だが――――
「!?」
突如、ボルボックの目の前にぽんとパスするように、ボールのようなものが投げられた。
振りかぶった剣でそれを切り払うと、その瞬間凄まじい閃光が迸った。
「しまっ―――――」
閃光は辺りを白く埋め尽くした。
閃光が収まり、視界が戻ったときにはガウリイとリュウゼン――2人の姿はどこにもなかった。
「・・・・・逃げられたか」
クッと呟くボルボック。そこへ、
『ボルボックよ・・・・・こちらへ戻れ。次の段階へと移る』
ネフレンカの『声』が聞こえてきた。
「は・・・・・・、承知仕りました」
もう一度、ガウリイたちのいなくなった空間を見据えるや、ボルボックは回廊の向こうへと消えていった。





「リュウゼン!何故、あそこから退いた!」
ガウリイがリュウゼンに向かって咆えた。
「言った筈だ。お主は本調子ではない、と」
「本調子じゃないだと!何故そう言える!」
「何故――――だと」
黒笠を取り、リュウゼンが隻眼をガウリイに向け、見据える。
「それはお主があのときの私と同じ眼をしているからよ」
「――――っ!?」
「私を咎めたお主がそこへ堕ちるとはなんとも皮肉なものよ」
ガウリイは拳を強く握り締め、震わせる。
「俺は・・・・・リナを・・・あいつを・・・・・護ってやれなかった」
「あの分断された状況では仕方があるまい――――」
「だが、奴が俺をリナのところへ案内した!けど俺は間に合わなかった!」
「・・・・・・・・・・」
「今まで、これほど自分を情けないと思ったことはないぜ・・・・・・」
静かに腕を組みながら、リュウゼンはガウリイの言葉を聴いていた。
「・・・・・・修羅の道に堕ちた男の末路がどのようなものであったか――――――知らぬお主ではあるまい・・・・・・・・それでもそのような無様を晒すか?」
「・・・・・・大切な者を失うその辛さ、嘆きを知っているだろう」
ガウリイの言葉に、リュウゼンは大きく息をひとつついた。
「そうか・・・・・・」
そう言ってガウリイの傍へ歩み寄ると、バンッと鈍い音が響き、リュウゼンの拳がガウリイの頬に突き刺さった。
「ぐは・・・・・な、なにしやがる!」
「ふん・・・今のお主、斬る価値もない。そのような奴にはこれで充分よ」
そう言いもう一発、今度は腹に突き刺さった。
「ぐはっ!」
胃の中がこみ上げてくるようであった。だが、
「ふ、ふざけるんじゃねえ!」
ゴスッとガウリイの拳がリュウゼンの左頬に炸裂した。
そこからはもう、技も術も何も関係のない、純粋な殴り合いが続いた。

しばらくして―――――

「ハァ、ハァ―――――」
「ハァ、ハァ―――――」
お互い肩で息をしながら、睨みあっていた。
顔は互いに痣だらけ、立っているのがやっとといった態であった。
「・・・・・・・少しは気が晴れたか?」
「・・・・・!?」
そのとき、リュウゼンが言った。
「煮えたぎった頭が少しは冷めたようだな」
「お前・・・・・・・・まさか、そのために―――――」
「ふん―――――」
顎をさすりつつ、ガウリイを見るリュウゼン。
「どこかの馬鹿と同じようなことをしようとしてる阿呆には、こうでもせんとわからんだろう」
「言ってくれるぜ・・・・・・・・・」
「己を責めるならば、為すべきことを為してから存分にやれ。それに―――――」
リュウゼンがニッと笑みを浮かべた。
「お主が見初めた少女を信じられんか?」
その言葉に、ガウリイはどことなく分の悪い表情を浮べた。
「くくく、さしものお主もこうストレートに言われると言葉に詰まるか」
「うるさい――――――そうだな・・・・・まだやらなきゃならんことは終わってない。後悔するにしてもそれからだな。あいつがしようとしていたことを為してからだ」
ガウリイの言葉に、リュウゼンは何か意味ありげな笑みを浮べた。
「では往くか、ガウリイ=ガブリエフ」
「ああ」
とガウリイが言ったとき、リュウゼンが束ねた包みの中からある包みを取り出した。
「ガウリイ=ガブリエフ、これを――――――」
「これは――――?」
「ジゴマ殿からお主に渡してくれるように言われたものだ。受け取れ」
そう言うリュウゼンの手から、ガウリイはその包みを受け取った。
(これは・・・・剣か?)
だが、なにか懐かしい。ガウリイの手が、身体がそれを思い出した。
(ま、まさか――――――)
その包みを外すと、
「これは―――――――」
それはかつて自分と旅を共にした剣――――――
「ひ、光の剣―――――!?」
「――――のイミテーション、だそうだ」
リュウゼンがガウリイの言葉を継いだ。
「本物と比べると多少引っかかりがあるかもしれないが、そこは勘弁してくれとのことだ」
2,3度振るってみるが、ほとんど違和感はないといってもいい。ジゴマの腕に内心舌を巻いた。
「それならば問題はなさそうだな」
「ああ――――」
刃を納め、腰に差す。まるで元からそこにあったかのようにぴたりと収まった。
「さて、往こうか、ガウリイ=ガブリエフ」
そう言い、道を知っているかのような足取りで歩き出したリュウゼンを追って、ガウリイも歩き出した。



「おのれ、頭数が増えたからとてどうにかなるものではないわ!」
ハオン=ドルが印を結ぶや、再び蟲たちが集まって群れを成し、アメリアたちに襲い掛かった。
その大群に向かって、カーライルの仕込み杖が閃く。
あの魔技ともいえる剣技は健在で、剣閃が走るたびに蟲たちは斬り落とされてゆく。
「く、小癪な―――――!?」
そのとき凄まじい衝撃がハオン=ドルの身体を吹き飛ばした。
その先には鋭い眼光を光らせるスケアクロウがいた。
「おのれ!”サイコキネシス”か!これほどまでの威力とは、だが――――!」
クァァァァァッ!と不気味な声と共に、口の奥から更に蟲の大群が吐き出された。
「くっ、奴をどうにかしないとキリがない!」
ゼルガディスがそう言ったとき、カーライルがなにやら耳打ちした。
「――――――!?わかった」
ゼルガディスがそう言うと、カーライルは彼の前に立ち、仕込みを構えた。
「死ねぃっ!」
ハオン=ドルの声と共に、一斉に蟲が襲い掛かる。
正面から津波のように押し寄せる蟲の大群を、スケアクロウの”サイコキネシス”が迎え撃った。
見えない壁にぶつかるように次々と空中で止まる蟲たち。だがその後ろから次々と新手が押し寄せてくる。
そこへカーライルが仕込みを抜き放ち、床へと突き刺した。
その瞬間、爆発したように床が弾けとんだ。その破片と爆風が蟲たちを吹き飛ばす。
「ふん!そのような小細工を弄しても――――――!?」
だが、そこにカーライルとスケアクロウしか居ないのに気が付いた。
「な―――まさか」
そのとき、
「アストラル・バイン!!」
ズブリと胸から白刃が生えた。
「アメリア!ここだ!」
「はい、ゼルガディスさん!エルメキア・ランス!!」
「ギャアァァァァッ!!」
ハオン=ドルの口から絶叫が迸った。
そして、傷口からヌルリといくつもの蟲たちが集まってできた奇怪な肉塊のような蟲が現れた。
「あ・・ああ・・・・蟲が・・・・・生命の蟲が・・・・・・」
ザンッ!とゼルガディスの剣がその蟲を断つと、ハオン=ドルの身体はボロボロと崩れ落ちた。
「ゼルガディスさん・・・・あ、アレは―――――」
「ああ・・・・あれが奴の本体だったんだ。魔道を駆使して自分の身体をああしていたんだろ。アストラルサイドに隠されていたアレが無事な限り、奴は肉体を何度でも再生できたわけだ」
ドッペルケンガーの正体もそうだろう――――とゼルガディスは言った。
「なんにせよ、人を捨てた魔道の技・・・・・・・おぞましいものだ」


************************************

続きでした。
今回のガウリイとリュウゼンの青春劇場―夕焼けの川原編といったあれは、前々から考えてたものです。
互いに好敵手だからこそだと思います。
それでは、また次回。

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31777間違えた・・・・・7でした棒太郎 2005/9/1 16:49:11
記事番号31776へのコメント

話数、間違えました。
これ、「Dig Me No Grave」の7です。

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31782イメージイラストはやはりこの御方でエモーション E-mail 2005/9/2 23:10:26
記事番号31776へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

>もう9月に入ってしまいましたね。
>これから寒くなっていくのかと思うと、ちょっとブルーです。

気がつけばもう、という感じですよね。
でも確かに朝と夜は少し肌寒くなってきました。もう半月もすれば秋分だけあって、
当然の如く日も短くなってきましたし。

さて今回は思わず……「いやー! 蟲、いやー!!!!」……と……(^_^;)
そして青春劇場(笑)
やはり「漢同志は拳で語れ」ですね。


>黒い靄のごとき物体に埋め尽くされた空間。
>ヴヴヴと奇怪な音を発するソレは、見たことも無い不気味な蟲であった。
>辺りを見回せば、蟲、蟲、蟲の大群。
>ソレらはぐるりとアメリアとゼルガディスを取り囲んでいる。

……これだけで充分すぎるくらい「勘弁してください」な光景ですね……(汗)

>突如走った銀光が迫り来る黒い靄を薙ぎ払った。
>風に散らされるように、蟲たちが周囲に散っていく。
>「なっ!?」
>さらにアメリアのほうでは、迫ってきた蟲たちが正反対の方向へと吹き飛ばされた。
>「なんだと!?バカな!?」
>驚きの色を浮かべるゼルガディス、アメリア、ハオン=ドルの3人の間に2つの影がその姿を現した。
>「お、お前は――――!?」
>「えっ!?あ、貴女は―――――!?」
>一人は仕込み杖を手に、青白い妖気が煌く瞳をハオン=ドルに向け、もう一人は右手につけた鉄の爪をカシンカシンと鳴らしながら、ニィッと笑みを浮かべた。
>「カ、カーライル!?」
>「スケアクロウさん!?」
>驚きの声を上げるアメリアの胸元で、”エルマ”がくれたアミュレットが鈍い輝きを放っていた。

アメリア・ゼル組にも突如現れた「助っ人」。
なるほど、ジゴマさんの「御守り」はこういう効果を現すものだったのですね。
その時その状況で、もっとも適した人物を出現させるようになっているのでしょうか。

>「な、何故お前が――――――」
>そう言いかけたガウリイであったが、彼の鋭い直感がある答えを瞬時に導いた。
>「奴か――――――」
>アルゼンスタンの道中で出会った黒コートの男、そして手渡されたアミュレット――――――その訳はこれであったのか。

いきなり現れた、既に彼岸の人(しかもそちらへ送ったのは自分)なはずの「リュウゼンさん」に
驚きつつも、すぐに事情を理解するガウリイ。普段ならギャグに紛れさせて言うのでしょうけれど、
シリアスモードだけにあくまで真面目に言うのですね。(ことこの部分だけは、たまにはリナに
見せてあげればいいのにと思いました)

>「・・・・そちらがそうであっても、こちらには関係のないこと・・・!」
>だがすぐに気を取り直すや、ストームブリンガーを振りかぶった。だが――――
>「!?」
>突如、ボルボックの目の前にぽんとパスするように、ボールのようなものが投げられた。
>振りかぶった剣でそれを切り払うと、その瞬間凄まじい閃光が迸った。
>「しまっ―――――」
>閃光は辺りを白く埋め尽くした。
>閃光が収まり、視界が戻ったときにはガウリイとリュウゼン――2人の姿はどこにもなかった。

……剣を構えているときに目の前に放り投げられたものを、つい斬ってしまうのは、
剣士の習性なのでしょうか。
それはともかくガウリイをリュウゼンさんに連れ去られ、これで対ガウリイ戦のお預け
二度目なボルボックさん。
ネフレンカさんに呼ばれて戻っていきましたが……悔しいだろうなあ……。

>「本調子じゃないだと!何故そう言える!」
>「何故――――だと」
>黒笠を取り、リュウゼンが隻眼をガウリイに向け、見据える。
>「それはお主があのときの私と同じ眼をしているからよ」

他の誰に言われるよりも、リュウゼンさんに言われる方がガウリイには来るものがあるでしょう。

>「・・・・・・修羅の道に堕ちた男の末路がどのようなものであったか――――――知らぬお主ではあるまい・・・・・・・・それでもそのような無様を晒すか?」
>「・・・・・・大切な者を失うその辛さ、嘆きを知っているだろう」
>ガウリイの言葉に、リュウゼンは大きく息をひとつついた。
>「そうか・・・・・・」
>そう言ってガウリイの傍へ歩み寄ると、バンッと鈍い音が響き、リュウゼンの拳がガウリイの頬に突き刺さった。
>「ぐは・・・・・な、なにしやがる!」
>「ふん・・・今のお主、斬る価値もない。そのような奴にはこれで充分よ」
>そう言いもう一発、今度は腹に突き刺さった。

分かっていてもそうなるのは、それだけ大切だからですが、裏を返せば自分一人の感情だけを
周囲の迷惑顧みずに優先させて、「大切に思う相手」のことなどまるで無視した状態になっているのに、
それを理由にして正当化しているものでもあると思います。
修羅道に堕ちたとはいえ、まだ「戻る」ことが可能な状態にいるガウリイを、リュウゼンさんは
「こちら」へ引き戻したいのですね。

>ゴスッとガウリイの拳がリュウゼンの左頬に炸裂した。
>そこからはもう、技も術も何も関係のない、純粋な殴り合いが続いた。
>
>しばらくして―――――
>
>「ハァ、ハァ―――――」
>「ハァ、ハァ―――――」
>お互い肩で息をしながら、睨みあっていた。
>顔は互いに痣だらけ、立っているのがやっとといった態であった。

拳で語り合うのは漢の特権ですね♪

>「どこかの馬鹿と同じようなことをしようとしてる阿呆には、こうでもせんとわからんだろう」
>「言ってくれるぜ・・・・・・・・・」
>「己を責めるならば、為すべきことを為してから存分にやれ。それに―――――」
>リュウゼンがニッと笑みを浮かべた。
>「お主が見初めた少女を信じられんか?」
>その言葉に、ガウリイはどことなく分の悪い表情を浮べた。
>「くくく、さしものお主もこうストレートに言われると言葉に詰まるか」
>「うるさい――――――そうだな・・・・・まだやらなきゃならんことは終わってない。後悔するにしてもそれからだな。あいつがしようとしていたことを為してからだ」
>ガウリイの言葉に、リュウゼンは何か意味ありげな笑みを浮べた。

そして拳で語り合った後は、友情が成立するのですね。是非ともバックに夕日がほしいところです。
舞台は当然河原か河川敷だ!
……さて、ガウリイはどうにか「戻れた」のですね。それとも「修羅道」を超えた先に、
一歩を踏み入れたかな?

>(これは・・・・剣か?)
>だが、なにか懐かしい。ガウリイの手が、身体がそれを思い出した。
>(ま、まさか――――――)
>その包みを外すと、
>「これは―――――――」
>それはかつて自分と旅を共にした剣――――――
>「ひ、光の剣―――――!?」
>「――――のイミテーション、だそうだ」
>リュウゼンがガウリイの言葉を継いだ。
>「本物と比べると多少引っかかりがあるかもしれないが、そこは勘弁してくれとのことだ」
>2,3度振るってみるが、ほとんど違和感はないといってもいい。ジゴマの腕に内心舌を巻いた。

うわーーーっ! 凄い、凄すぎですジゴマさん。「本物」はL様世界のものとはいえ、
異界の魔族なのですから、性能に差が出るのは仕方がないというより当然なのに、
それを長年使い慣れたガウリイにあまり違和感感じさせないなんて……凄すぎ……。
リナと見つけたブレストソードも良いですが、やはりリナと出会ったときに、
何かをするために使おうと決めた光の剣が、今回は相応しいのかも知れませんね。

>その大群に向かって、カーライルの仕込み杖が閃く。
>あの魔技ともいえる剣技は健在で、剣閃が走るたびに蟲たちは斬り落とされてゆく。
>「く、小癪な―――――!?」
>そのとき凄まじい衝撃がハオン=ドルの身体を吹き飛ばした。
>その先には鋭い眼光を光らせるスケアクロウがいた。

カーライルさんの剣技も、スケアクロウさんのサイコキネシスも、味方の技となると心強いですね。
ですが……ハオン=ドルさんもまだまだ余力が十分あるようで……。
それにしても気持ち悪い技です(汗)

>「あ・・ああ・・・・蟲が・・・・・生命の蟲が・・・・・・」
>ザンッ!とゼルガディスの剣がその蟲を断つと、ハオン=ドルの身体はボロボロと崩れ落ちた。
>「ゼルガディスさん・・・・あ、アレは―――――」
>「ああ・・・・あれが奴の本体だったんだ。魔道を駆使して自分の身体をああしていたんだろ。アストラルサイドに隠されていたアレが無事な限り、奴は肉体を何度でも再生できたわけだ」

なるほど……。半分魔族に近い状態だったのですね。それにしても……本体まで蟲ですか(汗)

>「なんにせよ、人を捨てた魔道の技・・・・・・・おぞましいものだ」

まったくそのとおりです。(汗)ハオン=ドルさん……いろんな意味で恐ろしい敵でしたね。

>続きでした。
>今回のガウリイとリュウゼンの青春劇場―夕焼けの川原編といったあれは、前々から考えてたものです。
>互いに好敵手だからこそだと思います。
>それでは、また次回。

蟲さんぞろぞろに「いやああああああ」と思いました。ハオン=ドルさんは私の中では、
今回ある意味一番恐ろしい敵になりました。
そしてガウリイとリュウゼンさんの青春劇場は最高でした。この場面だけ脳内イメージイラストが
島◯和彦先生に……(笑)
やはり! こういう場面では! このお方テイストのイラストが最適だと! 
思いますのですよ!!(バンバンバン)←机を叩く音

何にせよ、アメリア・ゼル組も一段落。ガウリイも友情ぱわー(笑)で「復活」して、
次の幕になるのですね。
まだまだネフレンカさんなども残っていますし、次はどのような展開になるのか。
楽しみにお待ちしています。
それでは、今日はこの辺で失礼します。

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31787熱い、漢のお約束棒太郎 2005/9/3 23:46:08
記事番号31782へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。

>気がつけばもう、という感じですよね。
>でも確かに朝と夜は少し肌寒くなってきました。もう半月もすれば秋分だけあって、
>当然の如く日も短くなってきましたし。
>
>さて今回は思わず……「いやー! 蟲、いやー!!!!」……と……(^_^;)
>そして青春劇場(笑)
>やはり「漢同志は拳で語れ」ですね。

こんばんは、エモーションさん。
朝晩とだいぶ涼しくなり、日暮れもだんだん早くなってきました。
もうすぐ郷愁の季節ですね。
そして、今回の目玉ですので・・・・・青春劇場(笑)


>>辺りを見回せば、蟲、蟲、蟲の大群。
>>ソレらはぐるりとアメリアとゼルガディスを取り囲んでいる。
>
>……これだけで充分すぎるくらい「勘弁してください」な光景ですね……(汗)

全然感じのいい光景ではないですからね。何者も大群でこられると不気味ですし。

>>一人は仕込み杖を手に、青白い妖気が煌く瞳をハオン=ドルに向け、もう一人は右手につけた鉄の爪をカシンカシンと鳴らしながら、ニィッと笑みを浮かべた。
>>「カ、カーライル!?」
>>「スケアクロウさん!?」
>>驚きの声を上げるアメリアの胸元で、”エルマ”がくれたアミュレットが鈍い輝きを放っていた。
>
>アメリア・ゼル組にも突如現れた「助っ人」。
>なるほど、ジゴマさんの「御守り」はこういう効果を現すものだったのですね。
>その時その状況で、もっとも適した人物を出現させるようになっているのでしょうか。

アメリアに渡した御守りは、助っ人の出現ポイントにもなってます。
そして、今回のジゴマの趣向か、現れる助っ人は縁のある人物で構成されています。

>>アルゼンスタンの道中で出会った黒コートの男、そして手渡されたアミュレット――――――その訳はこれであったのか。
>
>いきなり現れた、既に彼岸の人(しかもそちらへ送ったのは自分)なはずの「リュウゼンさん」に
>驚きつつも、すぐに事情を理解するガウリイ。普段ならギャグに紛れさせて言うのでしょうけれど、
>シリアスモードだけにあくまで真面目に言うのですね。(ことこの部分だけは、たまにはリナに
>見せてあげればいいのにと思いました)

状況が状況ですからね。
よりにもよって。というような最悪な状況ですし。

>>閃光は辺りを白く埋め尽くした。
>>閃光が収まり、視界が戻ったときにはガウリイとリュウゼン――2人の姿はどこにもなかった。
>
>……剣を構えているときに目の前に放り投げられたものを、つい斬ってしまうのは、
>剣士の習性なのでしょうか。
>それはともかくガウリイをリュウゼンさんに連れ去られ、これで対ガウリイ戦のお預け
>二度目なボルボックさん。
>ネフレンカさんに呼ばれて戻っていきましたが……悔しいだろうなあ……。

瞬間的に目の前に現れたかのように、虚をつかれて投げられましたから、振り払う感じで斬りました。まあ、斬っても斬らなくても弾けましたけどね。

>>黒笠を取り、リュウゼンが隻眼をガウリイに向け、見据える。
>>「それはお主があのときの私と同じ眼をしているからよ」
>
>他の誰に言われるよりも、リュウゼンさんに言われる方がガウリイには来るものがあるでしょう。

経験者は語る―――――意味合いは少し違いますが、説得力は多分にありますからね。

>>そう言ってガウリイの傍へ歩み寄ると、バンッと鈍い音が響き、リュウゼンの拳がガウリイの頬に突き刺さった。
>>「ぐは・・・・・な、なにしやがる!」
>>「ふん・・・今のお主、斬る価値もない。そのような奴にはこれで充分よ」
>>そう言いもう一発、今度は腹に突き刺さった。
>
>分かっていてもそうなるのは、それだけ大切だからですが、裏を返せば自分一人の感情だけを
>周囲の迷惑顧みずに優先させて、「大切に思う相手」のことなどまるで無視した状態になっているのに、
>それを理由にして正当化しているものでもあると思います。
>修羅道に堕ちたとはいえ、まだ「戻る」ことが可能な状態にいるガウリイを、リュウゼンさんは
>「こちら」へ引き戻したいのですね。

気持ちは分からんでもないが・・・・・・という感じですね。
自分と同じ愚を犯さないようにするためです。

>>「ハァ、ハァ―――――」
>>「ハァ、ハァ―――――」
>>お互い肩で息をしながら、睨みあっていた。
>>顔は互いに痣だらけ、立っているのがやっとといった態であった。
>
>拳で語り合うのは漢の特権ですね♪

やっぱり漢同士のお約束、ですから。

>>「くくく、さしものお主もこうストレートに言われると言葉に詰まるか」
>>「うるさい――――――そうだな・・・・・まだやらなきゃならんことは終わってない。後悔するにしてもそれからだな。あいつがしようとしていたことを為してからだ」
>>ガウリイの言葉に、リュウゼンは何か意味ありげな笑みを浮べた。
>
>そして拳で語り合った後は、友情が成立するのですね。是非ともバックに夕日がほしいところです。
>舞台は当然河原か河川敷だ!
>……さて、ガウリイはどうにか「戻れた」のですね。それとも「修羅道」を超えた先に、
>一歩を踏み入れたかな?

漢は不器用な生き物ですから。殴り合って互いに分かり合うのです。

>>「ひ、光の剣―――――!?」
>>「――――のイミテーション、だそうだ」
>>リュウゼンがガウリイの言葉を継いだ。
>>「本物と比べると多少引っかかりがあるかもしれないが、そこは勘弁してくれとのことだ」
>>2,3度振るってみるが、ほとんど違和感はないといってもいい。ジゴマの腕に内心舌を巻いた。
>
>うわーーーっ! 凄い、凄すぎですジゴマさん。「本物」はL様世界のものとはいえ、
>異界の魔族なのですから、性能に差が出るのは仕方がないというより当然なのに、
>それを長年使い慣れたガウリイにあまり違和感感じさせないなんて……凄すぎ……。
>リナと見つけたブレストソードも良いですが、やはりリナと出会ったときに、
>何かをするために使おうと決めた光の剣が、今回は相応しいのかも知れませんね。

本物と比べるとランクは落ちますが、『剣』として見る分にはそこいらの聖剣・魔剣などとは比べものにはならないでしょう。

>>その大群に向かって、カーライルの仕込み杖が閃く。
>>あの魔技ともいえる剣技は健在で、剣閃が走るたびに蟲たちは斬り落とされてゆく。
>>「く、小癪な―――――!?」
>>そのとき凄まじい衝撃がハオン=ドルの身体を吹き飛ばした。
>>その先には鋭い眼光を光らせるスケアクロウがいた。
>
>カーライルさんの剣技も、スケアクロウさんのサイコキネシスも、味方の技となると心強いですね。
>ですが……ハオン=ドルさんもまだまだ余力が十分あるようで……。
>それにしても気持ち悪い技です(汗)

どちらも非凡な力ですからね。生半なものでは対抗できません。
ハオン=ドルの魔術の本質は『蟲』ですね。
元ネタのハオン=ドルも数々の使い魔を操りますし。

>>「ゼルガディスさん・・・・あ、アレは―――――」
>>「ああ・・・・あれが奴の本体だったんだ。魔道を駆使して自分の身体をああしていたんだろ。アストラルサイドに隠されていたアレが無事な限り、奴は肉体を何度でも再生できたわけだ」
>
>なるほど……。半分魔族に近い状態だったのですね。それにしても……本体まで蟲ですか(汗)

キザイアの精神憑依と似た感じの魔道です。どちらもタチの悪いものですが。

>>「なんにせよ、人を捨てた魔道の技・・・・・・・おぞましいものだ」
>
>まったくそのとおりです。(汗)ハオン=ドルさん……いろんな意味で恐ろしい敵でしたね。

いろんな意味で人間捨ててますからね。

>>続きでした。
>>今回のガウリイとリュウゼンの青春劇場―夕焼けの川原編といったあれは、前々から考えてたものです。
>>互いに好敵手だからこそだと思います。
>>それでは、また次回。
>
>蟲さんぞろぞろに「いやああああああ」と思いました。ハオン=ドルさんは私の中では、
>今回ある意味一番恐ろしい敵になりました。
>そしてガウリイとリュウゼンさんの青春劇場は最高でした。この場面だけ脳内イメージイラストが
>島◯和彦先生に……(笑)
>やはり! こういう場面では! このお方テイストのイラストが最適だと! 
>思いますのですよ!!(バンバンバン)←机を叩く音
>
>何にせよ、アメリア・ゼル組も一段落。ガウリイも友情ぱわー(笑)で「復活」して、
>次の幕になるのですね。
>まだまだネフレンカさんなども残っていますし、次はどのような展開になるのか。
>楽しみにお待ちしています。
>それでは、今日はこの辺で失礼します。

今回、蟲がある意味でヒットしてますね。確かに詳しい映像は想像したくありませんが。
青春劇場は、リナVSティリンギャスト〜リュウゼン登場の一連の流れを組み立てたときに自然と出てきました。
今回のリュウゼンは友として、ガウリイの手助けをするものですので。
また次から、少し展開が一転してきます。どうぞお楽しみに。
それでは、どうもありがとうございました。

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31847闇黒の断章 〜第5章〜 「Dig Me No Grave」 8棒太郎 2005/9/16 19:06:50
記事番号31690へのコメント

こんにちは、棒太郎です。
大分、空気も冷たくなり、朝晩も冷え込みが強くなってきました。
これから冬になっていくのかと思うと・・・・・・
それでは、続きをどうぞ。


*************************************

 『闇黒の断章』 〜第5章〜 

  「Dig Me No Grave」 8




「ガウリイ=ガブリエフ」
ふとリュウゼンが足を止め、後ろのガウリイへと振り返った。
「ん、なんだ」
「剣を抜け」
「おい―――――」
唐突なその言葉に、思わずガウリイは呆れ顔でツッコんだ。
「ふ、そうではない――――――お主に、私の剣を授けておこうと思ってな」
「な――――」
リュウゼンの言葉にガウリイは目を見開いた。
「時間がないので実戦形式で教授する。なに、お主のその人並外れた天性の勘ならば、すぐに技の奥義を掴むだろう」
「しかし・・・・俺とお前じゃ剣の流儀が――――――」
「ふふ、剣の流儀など問題ではない。要は技の本質がお主の剣の中に入ればいいのだ。何らかの形で生かされれば、結果として技は継がれていく」
そう言うと、リュウゼンの隻眼に笑みが浮かぶ。
「私が友にしてやれるのは、これぐらいなものだ」
ガウリイも小さく笑みを浮べた。
「なら―――――頼む」
そう言い、光の剣を構えた。



「ラ・モルテさん、大丈夫でしょうか?」
「ああ、かなりの実力者だからそう簡単にやられるはずはないと思うが」
不安そうに声を上げるアメリアに、ゼルガディスは微妙にフォローになっていないようなフォローをいれる。
と、そのとき、空間が弾ける衝撃が起こった。
「きゃっ!?」
「な、なんだ!?」
アメリアを後ろに庇い、ゼルガディスは剣を構える。
傍のカーライルとスケアクロウもそれぞれ得物を構える。
そこへ姿を現したのは―――――
「ふう、戻ってこれたか」
「シキブさん!?」
そこには両手を交差するように構えたシキブの姿があった。
その両の手の平と腹部にはそれぞれ、女面の人面疽が浮かんでいた。
「そ、それは――――――?」
浮かぶ人面疽にアメリアは半ば呆然とした声を上げて訊ねた。
「申し遅れましたね。これが私の能力です」
そう言うと、人面疽が蠢き、縮みながら消えた。
呆気に取られたようにその光景を見つめていた二人だったが、
「御二方様!」
後ろから二人を呼ぶ声が聞こえてきた。
振り返ると”ゴルゴダ”を担いだラ・モルテがこちらにやってくるのが見えた。
その横には”雷雲甲冑”を纏ったミカズチの姿もあった。
二人はアメリアたちの傍にいたカーライルとスケアクロウに警戒の色を浮べたが、アメリアの説明に殺気を収めた。
「どこに飛ばされたのかと思ったけど、合流できてよかったわ、ミカズチ」
「へっ、まぁな。ところでお嬢様はどうした?」
ミカズチの言葉に、シキブはこれまでの経緯を話した。
「―――――そうか・・・・・・だがまだ何人か残っているしな。早ぇとこ、お嬢様とガウリイ殿を探さねぇと」
「お嬢様の身に万が一があってはならないからな」
だがリナの身が、万が一どころかとんでもないことになっているのは皆知る由もなかった。




意識が無明の闇の中をグルグルと渦巻いていく。
闇のそこからようやく意識が身を起こしだした。
何が起こったのか―――――――意識は途切れた情報を総括し始めた。
閃光。
そう眩いという言葉すら生ぬるいほどの閃光が、あの時輝いた。
それと同時に余りの凄まじさに知覚すら麻痺してしまった超々高熱。
そこで意識が途切れたのだ。
情報を総括し終わり、意識は急速に浮上していった。
「う・・・・・・・・」
固く閉ざされた瞼が開く。
焦点が合わず、ぼやけたものが目に飛び込んでくる。
しかし、少しして焦点も定まってきた。そしてその目が映したのは――――

「やあ」

「うわおぅっ!!??」
突然目の前に移った人の顔に、リナは仰天して跳ね起きた。
早鐘のように胸が脈打つ。
そこにいたのは、黒の鍔広のシルクハットに、黒の外套を着た一人の男だった。
彼が先程、横たわっていたリナの顔を覗き込んでいたのだった。
「ここに人が来るとは珍しい」
男がそう言った。
「ここは・・・・・?」
男の言葉を聞いてリナは辺りを見回した。
そこは奇妙なところであった。
まるでシュルレアリズム絵画のような超現実といえる世界であった。
乾いた荒野や、死都を思わせる無人の建築物あるいは不可思議な空と雲。
およそこの世のどの風景とも思えなかった。
「ねえ、あんた。ここってどこなのよ。知ってんでしょ」
リナの言葉に、目深に被った帽子の奥で男の瞳が光ってこちらを見た。
その視線に、どことなく気圧されるような感じだった。
「シュレディンガーの猫さ」
「は?」
男の言葉にリナは思いっきり?マークを浮べた。
「例えの話だ。ここは様々な事象が重なり合う時空の狭間。生と死が重なり合った状態の虚空間、そんなようなところだ」
「生と死・・・・・・・・そんじゃあたしは死んだってこと!?」
男の説明に何かしらを理解したリナが、思い至って大声をあげた。
「それは正確ではない。言ったはずだ、ここは”生と死が重なり合った状態”のところだ、と。生か死か―――どちらに変化するかは”観測する”瞬間に決定される」
「あ〜〜〜、ごちゃごちゃとわかんないことはいいわよ!要は可能性はあるってことね!?」
リナの言葉に応えず、男は小さく笑みを浮べて外套を翻した。
「ちょっとどこ行くのよ!?」
「この虚空間はアレが眠っている世界でもある。ここはいわば、我々の世界にある別宇宙―――――」
リナの言葉はハナから聞こえていないように、滔々と男は語る。
「そう、混沌たる金色の魔王とはまた異なる混沌―――――」
男の言葉にリナは驚きを浮かべる。
男もまた、”金色の魔王”を正確に理解しているのだ――と感じた。
何者か―――そう思う間もなく、男はスタスタと歩き出した。
「あっ!ちょ、ちょっと!」
リナが慌てて後を追おうとするが、
「さて・・・・・そういえばあの『赤の竜神の騎士』二人はどうしているか・・・・・・・・」
そう呟くと、男の姿はスゥッと掻き消すように消えていった。




アルゼンスタン城―――――
その一角のテラスで、月のように静かな美貌を曇らせ、アルウェンが遠い空の下にいるであろう夫の安否を気遣っていた。
この国も自分の故国も、置かれた立場の苦しさは分かっている。
しかし、女の勘か愛する夫への愛ゆえか、アルウェンの心はさざ波のように押し寄せる不安に掻き立てられていた。
「陛下・・・・・どうか、御無事で・・・・・・・」
アルウェンの唇がそう呟いたとき、

 ゆよろ ゆよろ ゆよろろろ

「!?」
彼女の知るどの動物ともつかぬ不気味な鳴声が聞こえた。
と思うや、突然テラスの床の敷石の隙間からスライムのような粘塊質のものが染み出すように、溢れ出てきた。
「あっ、あっ!」
ソレはボンと膨れ上がったかと思うと、ガバッとアルウェンの身体を包み込んだ。
「きゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
アルウェンの悲鳴を細く残し、ソレは再び、床の隙間へと消えていった。






「エズダゴル殿、首尾はいかがですかな?」
引き続き魔法陣の力場を調整しているエズダゴルに、ネフレンカがやってきた。
「問題はありませんな。ネズミのほうは如何です?」
「ボルボックが剣士と対峙したということですがな。あのときの空間震でどこかに行ってしまったということです」
「そうですか。まあ、致し方ありませんな」
仕方がないと息をつくエズダゴル。
「それはそうとエズダゴル殿。あちらでちと気になることがありましてな。よろしいですかな?」
そう言い、ネフレンカが広間の外へ来てくれるよう頼んだ。
「ふむ・・・・なんでしょうか」
エズダゴルはイルファンにことわりをいれ、その後を追った。
「なにかありましたか、ネフレンカ殿」
「ふむ・・・・実はですな――――――」
と、ネフレンカが振り向いたとき、エズダゴルの胸から黒刃が生えた。
「ぐっ!?」
確実に急所を貫いたその刃の柄をボルボックが握っていた。
「な・・・・ばか・・な・・・・・」
「ふっふっふ、いかにボルボックが剣の達人で殺気を抑えようとも、お主相手では、僅かの殺気も察知されてしまう恐れがあるからの。苦労したわい」
ネフレンカがそう言うと、さらに刃が捻じ込まれた。
「ならば、最初から殺気をなくせばよい。人が自然に息をするように、剣で斬ることもまたごく自然な行動と、暗示をかけたのだよ」
「お・・おのれ・・・・・」
なおもエズダゴルは魔力を集中させようとするが、
「ふっふっふ、お主に敬意を表し、冥土の土産に見せてやろう」
そう言うと、魔法陣と奇妙な図柄の描かれた数枚の御符を取り出した。
ネフレンカが呪文を紡ぎだすと、凄まじい魔力が集まりだす。
「まさか・・・・それは・・・・・」
「そう、これこそかの伝説の魔術、”アブラメリン魔術”よ!」
そう言うや、魔術が炸裂し、エズダゴルの身体は崩れ落ちた。
「ふっふっふ。後のことはわしが継いでやる。安心して冥府へ行くがいい」
くっくっくとネフレンカの笑い声が響き渡った。


************************************

続きでした。
次からまた少し展開が変わります。
リナは無事戻ってこれるのか、ついに尻尾を現したネフレンカにどうなるのか。
それではまた次回。

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31853ミカン箱(違う)の中にいる状態なのですねエモーション E-mail 2005/9/17 23:16:12
記事番号31847へのコメント

棒太郎様、こんばんはです。

>大分、空気も冷たくなり、朝晩も冷え込みが強くなってきました。
>これから冬になっていくのかと思うと・・・・・・

朝晩はもう冷えてきましたね〜。日中は陽射しはまだ残暑でも、風が冷たくなってきましたし。
そろそろ秋冬物と入れ換える時期になったのかも……。

さて、今回はネフレンカさんが怪しい行動を取り始めましたね。
今までは「おとなしく使われてあげていた」と……。
やはりこの手の代物に関わっている方々は、扱いに細心の注意が必要なのですね(^_^;)


>「剣を抜け」
>「おい―――――」
>唐突なその言葉に、思わずガウリイは呆れ顔でツッコんだ。
>「ふ、そうではない――――――お主に、私の剣を授けておこうと思ってな」

いきなりの「剣を抜け」発言に、思わず目が点になりましたが答えに……。(^.^)
いい人です、リュウゼンさん。

>「時間がないので実戦形式で教授する。なに、お主のその人並外れた天性の勘ならば、すぐに技の奥義を掴むだろう」
>「しかし・・・・俺とお前じゃ剣の流儀が――――――」
>「ふふ、剣の流儀など問題ではない。要は技の本質がお主の剣の中に入ればいいのだ。何らかの形で生かされれば、結果として技は継がれていく」
>そう言うと、リュウゼンの隻眼に笑みが浮かぶ。
>「私が友にしてやれるのは、これぐらいなものだ」
>ガウリイも小さく笑みを浮べた。
>「なら―――――頼む」
>そう言い、光の剣を構えた。

全くタイプの違うものであっても、本質をしっかり引き継いでいれば、その特性が失われることは
ないですからね。ガウリイの剣にリュウゼンさんの剣が加わる……。
なんだかとても凄い剣が誕生しそうですね。

>「ふう、戻ってこれたか」
>「シキブさん!?」
>そこには両手を交差するように構えたシキブの姿があった。

とりあえず飛ばされた空間から、無事戻ってきたシキブさん。
言葉から察するに、さすがに戻ってくるのは大変だったようですね。

>「御二方様!」
>後ろから二人を呼ぶ声が聞こえてきた。
>振り返ると”ゴルゴダ”を担いだラ・モルテがこちらにやってくるのが見えた。
>その横には”雷雲甲冑”を纏ったミカズチの姿もあった。
>二人はアメリアたちの傍にいたカーライルとスケアクロウに警戒の色を浮べたが、アメリアの説明に殺気を収めた。

そしてラ・モルテさんとミカズチさんも合流。
リナとガウリイ以外は、なんとか無事に再会できましたね。

>ミカズチの言葉に、シキブはこれまでの経緯を話した。
>「―――――そうか・・・・・・だがまだ何人か残っているしな。早ぇとこ、お嬢様とガウリイ殿を探さねぇと」
>「お嬢様の身に万が一があってはならないからな」
>だがリナの身が、万が一どころかとんでもないことになっているのは皆知る由もなかった。

ガウリイどころか、リナを知る者ならみんな「嘘だー!!」と思う状況になってますしね……(汗)

>突然目の前に移った人の顔に、リナは仰天して跳ね起きた。
>早鐘のように胸が脈打つ。
>そこにいたのは、黒の鍔広のシルクハットに、黒の外套を着た一人の男だった。
>彼が先程、横たわっていたリナの顔を覗き込んでいたのだった。

目が覚めたとき、真ん前に顔があったら……そりゃあ驚きますね(^_^;)
覗き込んでいるのはヴェルミスさんだと分かりますが……何だかピンピンしてますね。
きっちり死んでいたはずなのに(^_^;) 
でもヴェルミスさんだしなあ……(←失礼な!)

>男の言葉を聞いてリナは辺りを見回した。
>そこは奇妙なところであった。
>まるでシュルレアリズム絵画のような超現実といえる世界であった。
>乾いた荒野や、死都を思わせる無人の建築物あるいは不可思議な空と雲。
>およそこの世のどの風景とも思えなかった。

ダリの絵のようなものを想像してしまいました。何にせよ別世界なのですね。

>「シュレディンガーの猫さ」
>「は?」
>男の言葉にリナは思いっきり?マークを浮べた。
>「例えの話だ。ここは様々な事象が重なり合う時空の狭間。生と死が重なり合った状態の虚空間、そんなようなところだ」
>「生と死・・・・・・・・そんじゃあたしは死んだってこと!?」
>男の説明に何かしらを理解したリナが、思い至って大声をあげた。
>「それは正確ではない。言ったはずだ、ここは”生と死が重なり合った状態”のところだ、と。生か死か―――どちらに変化するかは”観測する”瞬間に決定される」
>「あ〜〜〜、ごちゃごちゃとわかんないことはいいわよ!要は可能性はあるってことね!?」
>リナの言葉に応えず、男は小さく笑みを浮べて外套を翻した。

……なるほど……。リナはちょっとややこしい状態になってしまったようですね。
〃観測する側〃=ガウリイたちがどう判断するかで、命運が決まってしまうみたいですし。
また、量子力学的な部分は理解できなくても、会話の中で一番重要な点だけは、
しっかり読みとる辺り、さすがリナだと思いました。

>「この虚空間はアレが眠っている世界でもある。ここはいわば、我々の世界にある別宇宙―――――」
>リナの言葉はハナから聞こえていないように、滔々と男は語る。
>「そう、混沌たる金色の魔王とはまた異なる混沌―――――」
>男の言葉にリナは驚きを浮かべる。
>男もまた、”金色の魔王”を正確に理解しているのだ――と感じた。
>何者か―――そう思う間もなく、男はスタスタと歩き出した。
>「あっ!ちょ、ちょっと!」
>リナが慌てて後を追おうとするが、
>「さて・・・・・そういえばあの『赤の竜神の騎士』二人はどうしているか・・・・・・・・」
>そう呟くと、男の姿はスゥッと掻き消すように消えていった。

うわあ……。聞き逃せない内容のお言葉が……。いるんですか、今回のラスボス的存在が。
そして『赤の竜神の騎士』二人って……もしかしてあのカップル……?

>彼女の知るどの動物ともつかぬ不気味な鳴声が聞こえた。
>と思うや、突然テラスの床の敷石の隙間からスライムのような粘塊質のものが染み出すように、溢れ出てきた。
>「あっ、あっ!」
>ソレはボンと膨れ上がったかと思うと、ガバッとアルウェンの身体を包み込んだ。
>「きゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
>アルウェンの悲鳴を細く残し、ソレは再び、床の隙間へと消えていった。

……アルウェンさんまでとんでもないことに……(汗)
い、一体何が城の方で起き始めているのでしょう……(滝汗)

>「ふっふっふ、いかにボルボックが剣の達人で殺気を抑えようとも、お主相手では、僅かの殺気も察知されてしまう恐れがあるからの。苦労したわい」
>ネフレンカがそう言うと、さらに刃が捻じ込まれた。
>「ならば、最初から殺気をなくせばよい。人が自然に息をするように、剣で斬ることもまたごく自然な行動と、暗示をかけたのだよ」

ボルボックさんは、すでにネフレンカさんに操られていたのですね。
……今現在のボルボックさん本人は、自分の自我があるのでしょうか。

>「ふっふっふ、お主に敬意を表し、冥土の土産に見せてやろう」
>そう言うと、魔法陣と奇妙な図柄の描かれた数枚の御符を取り出した。
>ネフレンカが呪文を紡ぎだすと、凄まじい魔力が集まりだす。
>「まさか・・・・それは・・・・・」
>「そう、これこそかの伝説の魔術、”アブラメリン魔術”よ!」
>そう言うや、魔術が炸裂し、エズダゴルの身体は崩れ落ちた。
>「ふっふっふ。後のことはわしが継いでやる。安心して冥府へ行くがいい」
>くっくっくとネフレンカの笑い声が響き渡った。

手段がはた迷惑ではあっても、一応自国のために行動していたエズダゴルさんを強制的に退場させ、
自分の目的を優先する方向へ持っていくということでしょうか。
ネフレンカさん、最初から計画していたのですね。

>続きでした。
>次からまた少し展開が変わります。
>リナは無事戻ってこれるのか、ついに尻尾を現したネフレンカにどうなるのか。
>それではまた次回。

エズダゴルさんの退場に驚きました。まさかここでとは思いませんでしたので。
ネフレンカさん……やはりお名前がお名前だけに、一筋縄ではいかない相手だったのですね。
そしてリナ。あの虚空間からどうやって戻ってくるのか、というところですね。
迂闊な真似をすれば、眠っているラスボスを速攻で起こしてしまいそうですし。
全然関係ない話ですが、「シュレディンガーの猫」と聞くと、何故かいつも「ミカン箱に入れられて、
みーみー鳴いている仔猫」を想像します。理屈は分かるのですが、どうしても発想の方は
ついそんな代物に……(笑)

さて、次回から次の場へと動くのでしょうか。
どのような展開になるのか楽しみにお待ちしています。
それでは、今日はこの辺で失礼します。

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31862ミカン箱の中は超難解世界棒太郎 2005/9/18 22:30:28
記事番号31853へのコメント

>棒太郎様、こんばんはです。

>朝晩はもう冷えてきましたね〜。日中は陽射しはまだ残暑でも、風が冷たくなってきましたし。
>そろそろ秋冬物と入れ換える時期になったのかも……。
>
>さて、今回はネフレンカさんが怪しい行動を取り始めましたね。
>今までは「おとなしく使われてあげていた」と……。
>やはりこの手の代物に関わっている方々は、扱いに細心の注意が必要なのですね(^_^;)

エモーションさん、こんばんは。
だんだんと冷え込んできましたよね。
温かいものが恋しくなってくる季節がやってきますね。コタツで丸くなる季節も。


>>「剣を抜け」
>>「おい―――――」
>>唐突なその言葉に、思わずガウリイは呆れ顔でツッコんだ。
>>「ふ、そうではない――――――お主に、私の剣を授けておこうと思ってな」
>
>いきなりの「剣を抜け」発言に、思わず目が点になりましたが答えに……。(^.^)
>いい人です、リュウゼンさん。

やはり目が点になりましたか(笑)実はちょっと狙ってました。

>>「ふふ、剣の流儀など問題ではない。要は技の本質がお主の剣の中に入ればいいのだ。何らかの形で生かされれば、結果として技は継がれていく」
>>そう言うと、リュウゼンの隻眼に笑みが浮かぶ。
>>「私が友にしてやれるのは、これぐらいなものだ」
>>ガウリイも小さく笑みを浮べた。
>>「なら―――――頼む」
>>そう言い、光の剣を構えた。
>
>全くタイプの違うものであっても、本質をしっかり引き継いでいれば、その特性が失われることは
>ないですからね。ガウリイの剣にリュウゼンさんの剣が加わる……。
>なんだかとても凄い剣が誕生しそうですね。

目指す本質が同じなら、表現方法が違うだけですからね。
ガウリイの天性の勘にリュウゼンの技術―――凄いことになりそうです。

>>「ふう、戻ってこれたか」
>>「シキブさん!?」
>>そこには両手を交差するように構えたシキブの姿があった。
>
>とりあえず飛ばされた空間から、無事戻ってきたシキブさん。
>言葉から察するに、さすがに戻ってくるのは大変だったようですね。

亜空間ですから。なんか変なところに出られても困りますし、

>>振り返ると”ゴルゴダ”を担いだラ・モルテがこちらにやってくるのが見えた。
>>その横には”雷雲甲冑”を纏ったミカズチの姿もあった。
>>二人はアメリアたちの傍にいたカーライルとスケアクロウに警戒の色を浮べたが、アメリアの説明に殺気を収めた。
>
>そしてラ・モルテさんとミカズチさんも合流。
>リナとガウリイ以外は、なんとか無事に再会できましたね。

とりあえず、バラバラに分かれたパーティーがまた集結し始めました。
用心棒も多くなってアメリア・ゼルガディスも安心です。

>>「お嬢様の身に万が一があってはならないからな」
>>だがリナの身が、万が一どころかとんでもないことになっているのは皆知る由もなかった。
>
>ガウリイどころか、リナを知る者ならみんな「嘘だー!!」と思う状況になってますしね……(汗)

最悪中の最悪のシナリオですからね。

>>そこにいたのは、黒の鍔広のシルクハットに、黒の外套を着た一人の男だった。
>>彼が先程、横たわっていたリナの顔を覗き込んでいたのだった。
>
>目が覚めたとき、真ん前に顔があったら……そりゃあ驚きますね(^_^;)
>覗き込んでいるのはヴェルミスさんだと分かりますが……何だかピンピンしてますね。
>きっちり死んでいたはずなのに(^_^;) 
>でもヴェルミスさんだしなあ……(←失礼な!)

後述しますが、彼も落命してからずっとこの空間を漂っている状態です。
ピンピンしてるように見えるのは、彼が常人とは別格の神経の持ち主だからですね。

>>まるでシュルレアリズム絵画のような超現実といえる世界であった。
>>乾いた荒野や、死都を思わせる無人の建築物あるいは不可思議な空と雲。
>>およそこの世のどの風景とも思えなかった。
>
>ダリの絵のようなものを想像してしまいました。何にせよ別世界なのですね。

そうですね。イメージ的にはそんなところです。ダリとか、デ・キリコとか、ポール・デルヴォーとか。

>>「それは正確ではない。言ったはずだ、ここは”生と死が重なり合った状態”のところだ、と。生か死か―――どちらに変化するかは”観測する”瞬間に決定される」
>>「あ〜〜〜、ごちゃごちゃとわかんないことはいいわよ!要は可能性はあるってことね!?」
>>リナの言葉に応えず、男は小さく笑みを浮べて外套を翻した。
>
>……なるほど……。リナはちょっとややこしい状態になってしまったようですね。
>〃観測する側〃=ガウリイたちがどう判断するかで、命運が決まってしまうみたいですし。
>また、量子力学的な部分は理解できなくても、会話の中で一番重要な点だけは、
>しっかり読みとる辺り、さすがリナだと思いました。

私も量子力学は聞きかじりですので(だったら書くなという感じですが)、乱暴な説明ですが。
リナの精神(魂)はこの虚空間に入り込んで囚われてしまった状態です。

>>何者か―――そう思う間もなく、男はスタスタと歩き出した。
>>「あっ!ちょ、ちょっと!」
>>リナが慌てて後を追おうとするが、
>>「さて・・・・・そういえばあの『赤の竜神の騎士』二人はどうしているか・・・・・・・・」
>>そう呟くと、男の姿はスゥッと掻き消すように消えていった。
>
>うわあ……。聞き逃せない内容のお言葉が……。いるんですか、今回のラスボス的存在が。
>そして『赤の竜神の騎士』二人って……もしかしてあのカップル……?

正確に言えば、ラスボスのいる虚空間と同じような世界という意味です。
そして、赤の竜神の騎士』二人はあの悲劇のカップルのことです。

>>ソレはボンと膨れ上がったかと思うと、ガバッとアルウェンの身体を包み込んだ。
>>「きゃあああぁぁぁぁぁぁっ!!」
>>アルウェンの悲鳴を細く残し、ソレは再び、床の隙間へと消えていった。
>
>……アルウェンさんまでとんでもないことに……(汗)
>い、一体何が城の方で起き始めているのでしょう……(滝汗)

先にばらすと、これもネフレンカが絡んでいます。

>>「ふっふっふ、いかにボルボックが剣の達人で殺気を抑えようとも、お主相手では、僅かの殺気も察知されてしまう恐れがあるからの。苦労したわい」
>>ネフレンカがそう言うと、さらに刃が捻じ込まれた。
>>「ならば、最初から殺気をなくせばよい。人が自然に息をするように、剣で斬ることもまたごく自然な行動と、暗示をかけたのだよ」
>
>ボルボックさんは、すでにネフレンカさんに操られていたのですね。
>……今現在のボルボックさん本人は、自分の自我があるのでしょうか。

操られているというか、殺気をなくすための暗示です。
本人の意思はきちんとあります。

>>「そう、これこそかの伝説の魔術、”アブラメリン魔術”よ!」
>>そう言うや、魔術が炸裂し、エズダゴルの身体は崩れ落ちた。
>>「ふっふっふ。後のことはわしが継いでやる。安心して冥府へ行くがいい」
>>くっくっくとネフレンカの笑い声が響き渡った。
>
>手段がはた迷惑ではあっても、一応自国のために行動していたエズダゴルさんを強制的に退場させ、
>自分の目的を優先する方向へ持っていくということでしょうか。
>ネフレンカさん、最初から計画していたのですね。

だいたいのお膳立てはできたので、ついに動き出しました。
彼は最初からそのつもりでした。

>>続きでした。
>>次からまた少し展開が変わります。
>>リナは無事戻ってこれるのか、ついに尻尾を現したネフレンカにどうなるのか。
>>それではまた次回。
>
>エズダゴルさんの退場に驚きました。まさかここでとは思いませんでしたので。
>ネフレンカさん……やはりお名前がお名前だけに、一筋縄ではいかない相手だったのですね。
>そしてリナ。あの虚空間からどうやって戻ってくるのか、というところですね。
>迂闊な真似をすれば、眠っているラスボスを速攻で起こしてしまいそうですし。

エズダゴルの退場も最初から計画していました。ただ彼も簡単には終わらない、と言っておきましょう。
リナのほうは、ご先祖様と黒の人も出張ってくると思います。

>全然関係ない話ですが、「シュレディンガーの猫」と聞くと、何故かいつも「ミカン箱に入れられて、
>みーみー鳴いている仔猫」を想像します。理屈は分かるのですが、どうしても発想の方は
>ついそんな代物に……(笑)

”観測が状態を決定する”という概念の説明に用いられる有名な喩えですからね。
理系の人間ではないので、量子論のことで調べてみてもほとんどチンプンカンプンです。

>さて、次回から次の場へと動くのでしょうか。
>どのような展開になるのか楽しみにお待ちしています。
>それでは、今日はこの辺で失礼します。

次回からまた少し展開が変わります。
そしてニュー・ガウリィの最初の相手はもちろんあの人の予定です。
それでは、どうもありがとうございました。