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32011セピアな瞳にシビアな愛を柳 侑莱維 2005/10/28 10:42:16



セピアの瞳にシビアな愛を―
 
     著・駄文マン


幸せが、欲しい。

この手に握りたい。

この手に握って、自分のものにしたい。

私は、それだけを願う。

彼女のために

彼のために

あのこのために…

それだけを願う。

そのためなら、私自身どうなってもいいだろう。

私が持っているものは一体何?

私が知っているものは一体に何?

私を好きでいてくれているのは、一体誰?

私は―

幸せなのか?

あの方に忠誠を誓って

それでいて、不幸?

何だそれは。

いっそ、死のうか。

自分で滅びを求めれば楽にいけるかもしれない。

じゃあそれで

それで悲しむものもいないなら

私はいなくてもいいのでは?

上司は?

そして、何よりも大好きな


彼は?

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32012セピアな瞳にシビアな愛を柳 侑莱維 2005/10/28 10:53:31
記事番号32011へのコメント

あのこがここにきてから何日がたっただろう。
あのこが捨てられて拾われるまで何日かかっただろう。

血だまりにうずまってぼろぼろになった服。
ぱさついた、ブルーの髪。
そして、何よりも深い傷を負った、セピアの色をした瞳。

私は彼女に冷たく接した。
ここにいては、いずれ彼女は死ぬ事になるだろう。
ここにいさせては、ここにいることで幸せをつかませては…
彼女は本当に幸せにはなれないだろう。

だから私は、彼女に冷たい。
でも彼は、優しかった。

彼女がかなしい顔をすると、彼は優しく慰めた。
昔、私にしてくれたみたいに、優しい目をして。

しかし彼は知らない。
それはいけない事だと。

そして私も、教える気がしない。

ここにいては、必ずいつか死ぬ。
ましてや人間の身で…
このさきずっとここにいることは

不可能だ。

魔王様に見付かったらすぐに殺される。
同僚に見られても殺されるだろう。
このこのことを知っているのは、彼と私と

後は、ずいぶん前にこの神殿を訪れた緑色の綺麗な髪をした竜と
優しい目をした同じくグリーンの髪を後で束ねた青年。

竜は、言った。
「面倒見てもらえませんか?」
彼にしては珍しい敬語で。

青年も、言った。
「俺のところには置けません。俺には、厳しすぎる上司と、守らなきゃいけない同僚が三人いますから」
彼にしては寂しそうな口調で。

だから私は―

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32014セピアな瞳にシビアな愛を柳 侑莱維 2005/10/28 11:04:28
記事番号32011へのコメント

「人間の、気配が……します」
その男の髪は吸い込まれるような漆黒で、血のような赤い瞳をしていた。
そして頭に鎌を突き刺した格好。
「人間の、気配が…します」
それをくりかえした、金髪美女。
その手には到底扱えるとは思えない巨大なハンマーが握られていた。
しかし女はそれを軽々とあやつって、
「でーー?」
男の頭をブン殴った。
即時によけようともせず、三メートルとんだあと、なきながら
「だってだってだってだって〜〜!!何かあったらどーするんですかあ!もう!L様はいつもこーだかか…」
しかし男の台詞は彼女の手にした特大ハンマーによって消える。
男は号泣した。
でもけして反撃しない。
それは、
女が完璧な悪女で、完璧な美貌で、世界で一番強いと知っているからでもなんでもなく、彼女がとどめをさす事がないと知っているから。
そして女は、
「人間の女の子ねえ〜」
軽く呟いた。

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挨拶遅れましたです。どうも駄文マンです。
久しぶりの完全復活な気がします。最近はずっと投稿のほうにかかりっきりで、ここにきても書く余裕があまりなかったのですが、まあ、かいてます。
タイトルは思いつきです。だから内容とあってなくてもきにしないでください。ではです。