◆−光への憧憬+どうか忘れないで+  1 −十叶夕海 (2006/1/5 18:52:17) No.32193
 ┣光への憧憬+どうか忘れないで+  2 −十叶夕海 (2006/1/8 00:24:19) No.32197
 ┃┣Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  2 −氷室 相良 (2006/1/8 14:58:58) No.32198
 ┃┃┗次回より、悲劇&悲恋?シリアス注意報発令です。−十叶夕海 (2006/1/8 22:42:06) No.32200
 ┃┃ ┗なるほど。−氷室 相良 (2006/1/11 18:27:51) No.32202
 ┃┗取材レポート(インタビュー内容、1)−月読 乾 (2006/1/18 21:41:24) No.32210
 ┃ ┗・・・・あの件に関しては悪かった。−十叶夕海 (2006/1/19 00:20:40) No.32211
 ┣取材レポート(乾 詠太郎)−月読 乾 (2006/1/15 23:20:11) No.32206
 ┃┗ダメだし(上条樹里)−十叶夕海 (2006/1/15 23:55:59) No.32207
 ┣光への憧憬+どうか忘れないで+  3−十叶夕海 (2006/1/18 21:02:46) No.32209
 ┃┣過去が明らかに…−氷室 相良 (2006/1/19 20:55:12) No.32213
 ┃┃┗これからドンドン明かされます。−十叶夕海 (2006/1/19 23:55:43) No.32214
 ┃┗レポート本編、2(追記、気分的に感情的な記述多し。)−月読 乾 (2006/1/21 20:59:37) No.32217
 ┃ ┗・・・・・・お前は似ているよ。(感傷的な科白多し)−十叶夕海 (2006/1/22 20:20:34) No.32218
 ┣光への憧憬+どうか忘れないで+  4−十叶夕海 (2006/2/3 23:08:44) No.32230
 ┃┣Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  4−氷室 相良 (2006/2/4 15:28:27) No.32231
 ┃┃┗忘れるなんて、ひどいわ〜、相良ちゃん(BY サラ)−十叶夕海 (2006/2/4 18:53:12) No.32232
 ┃┗レポート(樹里さんの過去編。ここから、色々と初耳の事も多くなってくる。)−月読 乾 (2006/2/4 21:20:07) No.32233
 ┃ ┗そう、ベラベラ話すようなことじゃないだろう?−十叶夕海 (2006/2/4 22:31:24) No.32234
 ┣光への憧憬+どうか忘れないで+  5−十叶夕海 (2006/2/11 02:25:12) No.32249
 ┃┣レポート(早めの昼食を兼ねて。)−月読 乾 (2006/2/11 12:05:41) No.32250
 ┃┃┗Re:神影と一緒に−十叶夕海 (2006/2/12 23:50:35) No.32260
 ┃┗Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  5−氷室 相良 (2006/2/13 18:01:02) No.32265
 ┃ ┗毎度毎度ありがとうです。−十叶夕海 (2006/2/13 21:52:08) No.32269
 ┗光への憧憬+どうか忘れないで+  6−十叶夕海 (2006/2/12 22:26:05) No.32258
  ┣こんにちはー。−みい (2006/2/13 15:19:06) No.32263
  ┃┗ありがとうございます〜v−十叶夕海 (2006/2/13 21:43:07) No.32268
  ┣Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  6−氷室 相良 (2006/2/13 18:21:19) No.32266
  ┃┗連続レスありがとうございます−十叶夕海 (2006/2/13 22:49:23) No.32270
  ┣Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  6−蝶塚未麗 (2006/2/14 23:07:52) NEW No.32274
  ┃┗ありがとうございます。−十叶夕海 (2006/2/15 01:28:28) NEW No.32276
  ┗レポート(原稿の遅れを叱られながら…)−月読 乾 (2006/2/15 21:41:07) NEW No.32284
   ┗遅れよりも、約束破りのほうだな。−十叶夕海 (2006/2/15 23:27:07) NEW No.32287


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32193光への憧憬+どうか忘れないで+  1 十叶夕海 2006/1/5 18:52:17





1 プロロ−グなインタビュ− @




「・・・『月刊・黄泉』の『乾 詠太郎』さん?」
「はい。
 いつも、オカルトコラムありがとうございます、上条先生。」
現実よりも、少し魔法が生きていて。
現実よりも、少し人外が存在していて。
現実よりも、それらが多く認識されて、共存する世界。
それが、この世界。
そんな世界の極東の首都の片隅の骨董品のデスクと同じく骨董品の応接セットに本棚が並ぶ、古びたビルの一室。
時刻は、日が暮れ始めた頃−。
季節は、まあ、肌寒くなり始めたそんな頃。
応接セットには、二人の人影が。
一人は、二十代半ばぐらいの典型的な日本人的な黒髪黒目の青年。
もう一人は、『外見』は、十代前半の銀髪を長く伸ばし、焦点を結ばない赤い瞳のアルビノの少女。
前者の名前は、乾 詠太郎(いぬい えいたろう)。
後者の筆名が、上条 樹梨。
後者の本名が、ジュリ=ロ−ゼン=マリア。
後者は、人ではない。
「貴方が、物語風に・・・フィクション風に仕上げるというから、承諾したの。
 それだけは、忘れないで。」
『月刊・黄泉』とは、オカルト雑誌とその手の業界の情報誌を足して2で割ったような雑誌である。
そして、人外の存在が認められているこの世界では、この雑誌や他の雑誌も含めて、人外の小説を掲載しているのが常である。
三ヶ月前に、前任の小説が終わったのだ。
今回は、来々月から、始める小説のためのインタビュ−である。
読者からの要望と掲載によって受ける襲撃に関しても盟約が結ばれたので、やっと実現したのだ。
「じゃあ、どこから話そうかか。
 ・・・そうだね、吸血鬼のランクから話そうか。」





吸血鬼とは、『宵闇の者』としては、かなり有名だ。
まあ、一口にそう括っても、まったく違う生き物かも知れないが。
共通点として、光が苦手とか、流れる水が苦手とか、なんか弱点があるものなんだ。
そして、吸血鬼を三つにランク分けできるんだ。
一番弱くて、普通の人間と同じ様な外見で、違いといえば、赤い瞳孔と異常な筋力の【レッサ−】。
俗に言う『転化したて』あるいは、『成りたて』だね。
こいつらは、光を浴びれば肺になるし、銀の弾とかで、簡単に滅ぼせる存在だ。
【ノフェスラト】の中でも下っ端が、たまに失敗して、生まれる存在だ。
それに噛まれれば、【レッサ−】になる・・・・ゾンビと似たような存在だ、一度死んでいるという意味ではな。
次の【ノフェスラト】が、一番多いかな。
・・・・・と言っても、今は五桁もいない。
そのなかでも、強さもピンキリだが、一番弱い奴でも、人間に倒せはしない。
弱点も多いけど、人間が一番の弱点だと思うもの−『光』で滅ぶ事はまずない。
普通の人間程度の力になるぐらいだ。
最後の【ノ−ライフキング】になると、もう手が終えない。
一夜で、四つ国を滅ぼしたとか、という伝説まであるほどだ。
それでも、何処かの城で居眠りしてばかりだけどね。
・・・・・・・まあ、こんな感じだね。



「・・・ってなかんじだ。」
「じゃあ、次質問していきますんで、よろしくお願いします。」
「はいはい。」
ジュリは、そう応えた・・・・・・。






−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+


オリジナルの吸血鬼ものです。
一応、全13回ぐらいを目標にして終わらせるつもりです。


それでは、次回はジュリのパ−ソナルデ−タ編です。


私信;乾さんへ
   ちょっとしたミスで、電話番号とメアド消しました。
   これを閲覧し次第、連絡求む。





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32197光への憧憬+どうか忘れないで+  2 十叶夕海 2006/1/8 00:24:19
記事番号32193へのコメント

 

 2 ジュリのプロフィ−ル


そうして、詠太郎の質問が始まった。
「じゃあ、オ−ソドックスに、上条先生の本名、生年月日、血液型、出身地をどうぞ。」
「樹里=ロ−ゼン=マリア。
 生年は覚えていない・・・まあ、第三回十字軍遠征があってすぐらしいから、13世紀の頭だろうな。
 誕生日は、十二月十一日。
 血液型は、ABのRHマイナス。
 出身は、今の北の方のノルウェ−だな、たぶん。」
と言うことは、樹里は、大体八百歳近い年齢という事になるのであった。
吸血鬼は、『転化』した年齢で成長が止まるということになるからだろう。
「資格免許は?」
「上条樹里の名前で、免許と薬剤師の免許は持っている。」
「視力は、どうでしょ?」
「悪くは無いかな。
 ・・・・吸血鬼基準でな。
 4.0といったぐらいか。」
ちなみに、吸血鬼の標準は、3.8ぐらいである。
「趣味特技は?」
「趣味は、月光を浴びながらまどろむ事と薬の調合、あと読書か。
特技は、薬の調合、短時間睡眠でOKなこと。」
「では、好きな色・食べ物・飲み物・果物・御菓子。」
「・・・・・・・・色は、ともかく何だあとの質問は?」
「・・だって、樹梨さん、食べ物摂取も可能だろ?」
何時の間にか、上条先生ではなく、樹梨さん、と詠太郎は、そう呼んでいた。
この二人、一応公私共に、付き合いがあるのだ。
出会い自体は、詠太郎が、今の職業についてからで。
詳しく言えば、とある殺人事件で知り合っての事だ。
「そうだが・・・・・。
 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
「何が?」
「果物。」
「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
「いえいえ。」
彼は、苦笑しつつも、さらに質問を続けた。
「それで、嫌いな食べ物って?」
「くたばりぞこないの精気。
 カッスカスで、食べれたものじゃない。」
「天気では何が好き?」
「雪。
 誰の足跡も無い所、足跡をつけるのが好きでな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「・・・・子供っぽいのと意外なのは意識しているから、安心しろ。」
友達付き合いのそう浅くない詠太郎でも、ヤハリ、この樹梨の応えは、意外だったようだ。
「普段着と寝間着を教えてくだ・・・・・・・・編集長!!」
どうやら、編集長に渡されたメモ書き通りに質問していっているが、その中に、これはマズイだろというものがあったらしい。
言わずもがな、寝間着のことだ。
「部屋着は、いわゆるゴスロリ系だな。
 昔風で懐かしいから。
 外出着は、TPOにあわせて。
 寝間着は・・・・・・・・冬は黒いネグリジェ。夏は言わなくてもいいな。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「若いな、詠太郎。」
「・・・・・・・少しは恥とか考えては?」
「八百歳にもなれば薄れる。」
「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
「・・・・棺桶ベッドか?
 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
詠太郎は、ジュリの言葉に、少々頭を抱えた後、気を取り直したように、さらに質問を続けた、果敢にも。
「朝と言うか、夜起きてする事は?」
「仕事の依頼が無いか、メ−ル確認。」
ジュリの本業は、街の情報屋兼・・・探偵である。
先ほどの、詠太郎と出会った件も、探偵として招待された先で、ライタ−として招待された詠太郎と出会ったのであった。
「では、寝る前にする事と一日の平均睡眠時間は?」
「ホットワインをカップ一杯呷る事。
 ・・・・・睡眠時間ねぇ・・・大体8時間から、12時間かしら。」
「・・・・・すみません。
 樹梨さん、先に編集長を殴ってくる。」
「どうした?」
次の質問に移る前に、立ち上がり、帰りかけた詠太郎を人外・・・吸血鬼の速度と力で止めた。
一応、言って置こう。
ジュリと単純な力比べができるのは、K1の選手とかでも難しいというほど、詠太郎と彼女の力の差ははっきりとしている。
「・・・・・・・なるほどな。
 ・・・・それ抜かせ、っていうか、多少は臨機応変にしろ。」
「はい。」
彼は、やや渋々といった感じで、元のソファへ戻った。
基本的に、能力の源泉故か、女性に対しては潔癖な所があるようだ。
「好きな男性のタイプは?」
「アイツ・・・・・・クロイツ=ロ−ゼン=マリア。」
「・・・・・・・・(気まずいっ)」
「どうした、次の質問は?」
「は、はい。
 ええと、一番今の自分に影響を与えた人物は、理由も?」
「さっきと同じ。
 私に・・・・人間だった私に生きててもいいと言ってくれたから。」
「ま、守りたい人はいますか?」
「今は、いない。
 ・・・・・・・・強いて言えば、数少ない知り合いとお前だな。」
「はあ。(おい、俺の気遣いは!!?)
 外面・内面を分析してください。」
「髪・銀色長い。瞳・紅。身長・低い。
 内面・・・・・死にたがりだな。」
「・・・・樹梨さん!!」
「落ち着け、詠太郎。
 お前に、一年前約束しただろが、『自分から死を選ばない』と。」
ジュリは、外見不相応に、口の端を歪めるような笑みと疲れ果てたようなため息を洩らした。
そして、壁に掛かっていた時計に目をやり、時間を確認して一言。
「今日は、帰るか・・・・・終電無いか。
 止まるかどうにかして、続きは今日の日が暮れてからだ。
 狩りに行きたいんでな。」
時刻は、午前三時。
数時間ほどで、夜があける時刻である。
「ヤです。」
「・・・・・・・・・・・<ウォ−クライ>の上ステ−キセット五人前。
 半分出すなら、食べた後、昼間になっても話そう。」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
<ウォ−クライ>とは、この事務所の近くの二十四時間営業の全国チェ−ンのステ−キハウスである。
そういう店にしては、珍しく客の目の前で焼いてくれるスタイルである。
ちなみに、上ステ−キセット(サ−ロイン350g、サラダ、ライスorパン、ドリンク)は、2500円である。
少々、サラリ−から、出すにはキツイ値段であった。
「さすが、詠太郎。」
と、ニコニコと外見相応の笑顔全開で答えた。





−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+


はい、『光への憧憬+どうか忘れないで+』2回目です。
ジュリ嬢の職業は探偵です。
これは、前に書いた話とミックスした為です。
と言うわけで、乾 詠太郎氏は、ワトソンです。
ジュリ嬢は、ホ−ムズなわけです。
今回の他に、数編分のプロットがあります。
反応次第では、載せるつもりなので,意見どうぞ。


あと、乾詠太郎氏の簡単なプロフを。

正式;詠太郎=乾=ワトソン
略式;乾 詠太郎
年齢:二十台半ば
職業;月刊黄泉のライタ−
外見;黒髪黒目の典型的の日本人
   ただし、片目は赤。
誕生日;三月十一日 魚座
血液型:A
身長:ジュリより30センチ前後上。
性格:女性には優しく,男には厳しく。
   しかし、押しに弱い。


・・・・・・・と、こんな感じです。
このお話の中では明かせそうにないので。
ちなみに、英語圏では、ワトソンは割合ポピュラ−なファミリ−ネ−ムです。
私の祖母の妹が嫁いだ先が、ワトソン家だったりします。


それでは。



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32198Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  2 氷室 相良 2006/1/8 14:58:58
記事番号32197へのコメント

初めまして。氷室 相良(ひむろ さがら)という者です。一応女です。
私も何時か投稿したい!……と思っているのですが、作品を仕上げる文才も、ネタを考える頭も、出来たものを人様にお見せする度胸もありません。(大泣)
……初対面の方に色々とすみません。

では、本題の感想に入ります。


>「そうだが・・・・・。
> 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
> 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
>「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
>「何が?」
>「果物。」
>「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
 なんだか楽しいやりとりですよね。見ていると微笑ましいと言うか。
 変に辛いスナックって、カラムーチョとかですか?
 食べてると水が欲しくなってくるというあの。
 
>「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
>「・・・・棺桶ベッドか?
> 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
 棺桶ベットは吸血鬼っぽいなと思いましたけど、まさか鉄の処女まで出てくるとは…なるほど、血を搾り取るために使うんですね。
 鉄の処女は形はマリア様で、縦にぱかっとわれて、その中に罪人を入れて閉める、と言うもので、もちろん拷問器具…というか処刑器具?のなかには針がびっしり詰まっているそうです。
 私が見た小説によると、鉄の処女は閉まるときに床がぬけて、罪人を逃がす仕組みになっていたそうです。
 ……なんで拷問器具について熱く語っているのだろうか…?
 
>「・・・・・・・・・・・<ウォ−クライ>の上ステ−キセット五人前。
> 半分出すなら、食べた後、昼間になっても話そう。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
><ウォ−クライ>とは、この事務所の近くの二十四時間営業の全国チェ−ンのステ−キハウスである。
>そういう店にしては、珍しく客の目の前で焼いてくれるスタイルである。
>ちなみに、上ステ−キセット(サ−ロイン350g、サラダ、ライスorパン、ドリンク)は、2500円である。
>少々、サラリ−から、出すにはキツイ値段であった。
>「さすが、詠太郎。」
>と、ニコニコと外見相応の笑顔全開で答えた。
 2500×5=12500
 12500÷2=6250    A,6250円
                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
 確かに苦しい金額……学生の私にはとても…。
 ……上ステーキセット、美味しそうですね…。
 ステーキハウスってどんなところか、行ってみたことも見たことすらないので分かりませんねぇ。
 サラリーの給料っていくらなんだろうなー。
 というか、五人前も食べるんですね樹里さん…。      

>今回の他に、数編分のプロットがあります。
>反応次第では、載せるつもりなので,意見どうぞ。
 と言うことなので、是非載せてください!見たいです!

 それではこの辺で。
 
 


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32200次回より、悲劇&悲恋?シリアス注意報発令です。十叶夕海 2006/1/8 22:42:06
記事番号32198へのコメント


>初めまして。氷室 相良(ひむろ さがら)という者です。一応女です。
>私も何時か投稿したい!……と思っているのですが、作品を仕上げる文才も、ネタを考える頭も、出来たものを人様にお見せする度胸もありません。(大泣)
>……初対面の方に色々とすみません。

こちらこそ、初めまして、十叶夕海(とがの・ゆあ)と言うものです。
歴とした女性です。
文章は,練習あるのみですよ。
それに、私も含めてですが、『こう言う文章書きました。指摘・意見・ツッコミください。』的な文章を添えてあれば、アドバイスをするような人間結構います。
ですので、貴方にあと必要なのは、人に見せる度胸だけです。
初めから文章ではなく、詩とか散文とか、思った事を書き散らしたものからはじめたという人もいますしね。
・・・つらつらとすみません。


>
>では、本題の感想に入ります。

では、返レスに。
>
>
>>「そうだが・・・・・。
>> 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
>> 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
>>「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
>>「何が?」
>>「果物。」
>>「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
> なんだか楽しいやりとりですよね。見ていると微笑ましいと言うか。
> 変に辛いスナックって、カラムーチョとかですか?
> 食べてると水が欲しくなってくるというあの。

外見は、10代前半なので、違和感はないといえばないんですけどね。
カラム−チョ及び、バハネロとか、べビネロ、キムチ味のスナック菓子(べビ−スタ−など)とか全般苦手です。

> 
>>「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
>>「・・・・棺桶ベッドか?
>> 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
> 棺桶ベットは吸血鬼っぽいなと思いましたけど、まさか鉄の処女まで出てくるとは…なるほど、血を搾り取るために使うんですね。

裏切者とか、ヤクザからの死体始末の仕事とかで使います。
それに、棺桶って寝やすいらしいですよ。

> 鉄の処女は形はマリア様で、縦にぱかっとわれて、その中に罪人を入れて閉める、と言うもので、もちろん拷問器具…というか処刑器具?のなかには針がびっしり詰まっているそうです。
> 私が見た小説によると、鉄の処女は閉まるときに床がぬけて、罪人を逃がす仕組みになっていたそうです。
> ……なんで拷問器具について熱く語っているのだろうか…?

私も、拷問器具というか、拷問に少し語らせていただきます。
そもそもは、『鳥の篭』と同じく、出血から来る死の恐怖によって相手を自白させる類いのものです。
今風に言えば、『棘の箱(部屋)』という拷問方法に近いです。(BY・『いまどきの拷問術・増補版』)
つまりは、処刑道具に近い拷問器具なわけで、かの魔女狩り時代に出来たとか。
日本にも、『早坂人形』とかいうキリシタン弾圧に使われた同系統の拷問器具が在るようです。
・・・・・・私も熱く語りすぎですね。
紙面尽きようとも,語れる自信はあります。


> 
>>「・・・・・・・・・・・<ウォ−クライ>の上ステ−キセット五人前。
>> 半分出すなら、食べた後、昼間になっても話そう。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
>><ウォ−クライ>とは、この事務所の近くの二十四時間営業の全国チェ−ンのステ−キハウスである。
>>そういう店にしては、珍しく客の目の前で焼いてくれるスタイルである。
>>ちなみに、上ステ−キセット(サ−ロイン350g、サラダ、ライスorパン、ドリンク)は、2500円である。
>>少々、サラリ−から、出すにはキツイ値段であった。
>>「さすが、詠太郎。」
>>と、ニコニコと外見相応の笑顔全開で答えた。
> 2500×5=12500
> 12500÷2=6250    A,6250円
>                  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 
> 確かに苦しい金額……学生の私にはとても…。
> ……上ステーキセット、美味しそうですね…。
> ステーキハウスってどんなところか、行ってみたことも見たことすらないので分かりませんねぇ。

ちなみに設定としては、鉄板焼きチェ−ンだったところを改造してます。
目の前で焼いてくれて、目と耳と鼻と舌で味わえるとこです。

> サラリーの給料っていくらなんだろうなー。
> というか、五人前も食べるんですね樹里さん…。      

月刊黄泉の平の場合・19万+特別手当ですので、大体22万前後ですが、乾氏の副業の関係上10万は、家賃に消え、5万ほどは、水道光熱費。
7万が食費その他なんです。
しかし、物語中の今日は、給料日7日前にして、昼飯以外は、カップめんなのです。
この時点で、三食カップめん決定です。
・・・・狩りで得られるはずのエネルギ−が大体それくらいなので。

>
>>今回の他に、数編分のプロットがあります。
>>反応次第では、載せるつもりなので,意見どうぞ。
> と言うことなので、是非載せてください!見たいです!
>
> それではこの辺で。

分かりました。
たぶん、バリバリの推理ミステリ?になるかと。

はいそれでは。


> 
> 
>
>

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32202なるほど。氷室 相良 2006/1/11 18:27:51
記事番号32200へのコメント

こんにちは。
返レスの返レスやります。

>こちらこそ、初めまして、十叶夕海(とがの・ゆあ)と言うものです。
>歴とした女性です。
>文章は,練習あるのみですよ。
>それに、私も含めてですが、『こう言う文章書きました。指摘・意見・ツッコミください。』的な文章を添えてあれば、アドバイスをするような人間結構います。
>ですので、貴方にあと必要なのは、人に見せる度胸だけです。
 文章は練習あるのみ、ですか。
 書きまくれば自然と慣れてくる、と言うことでしょうか。
 書いたものの最後に、指摘・意見・ツッコミください的な文を添えるのも一つの手ですね。アドバイスありがとうございます。
 人に見せる度胸は頑張ってつけます。
>初めから文章ではなく、詩とか散文とか、思った事を書き散らしたものからはじめたという人もいますしね。
>・・・つらつらとすみません。
 詩とかも結構ありますしね。…考えてみることなんですが、詩って一番本人の個性、性格、考え方が現れるものなんだと思います。
 いえいえ、お互い様(?)ですよ。

>>>「そうだが・・・・・。
>>> 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
>>> 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
>>>「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
>>>「何が?」
>>>「果物。」
>>>「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
>> なんだか楽しいやりとりですよね。見ていると微笑ましいと言うか。
>> 変に辛いスナックって、カラムーチョとかですか?
>> 食べてると水が欲しくなってくるというあの。
>
>外見は、10代前半なので、違和感はないといえばないんですけどね。
>カラム−チョ及び、バハネロとか、べビネロ、キムチ味のスナック菓子(べビ−スタ−など)とか全般苦手です。
 探せば辛いお菓子って結構あるんですね…。カラムーチョしか思いつきませんでした。
 一昨日食べましたが、結構美味しかったです。やっぱり水入りますけど。

>>>「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
>>>「・・・・棺桶ベッドか?
>>> 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
>>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
>> 棺桶ベットは吸血鬼っぽいなと思いましたけど、まさか鉄の処女まで出てくるとは…なるほど、血を搾り取るために使うんですね。
>
>裏切者とか、ヤクザからの死体始末の仕事とかで使います。
>それに、棺桶って寝やすいらしいですよ。
>
>> 鉄の処女は形はマリア様で、縦にぱかっとわれて、その中に罪人を入れて閉める、と言うもので、もちろん拷問器具…というか処刑器具?のなかには針がびっしり詰まっているそうです。
>> 私が見た小説によると、鉄の処女は閉まるときに床がぬけて、罪人を逃がす仕組みになっていたそうです。
>> ……なんで拷問器具について熱く語っているのだろうか…?
>
>私も、拷問器具というか、拷問に少し語らせていただきます。
>そもそもは、『鳥の篭』と同じく、出血から来る死の恐怖によって相手を自白させる類いのものです。
>今風に言えば、『棘の箱(部屋)』という拷問方法に近いです。(BY・『いまどきの拷問術・増補版』)
>つまりは、処刑道具に近い拷問器具なわけで、かの魔女狩り時代に出来たとか。
>日本にも、『早坂人形』とかいうキリシタン弾圧に使われた同系統の拷問器具が在るようです。
>・・・・・・私も熱く語りすぎですね。
>紙面尽きようとも,語れる自信はあります。
 拷問器具については、【鉄の処女】しか知らないんですよね…。ですからそれを見たときは、あっ!っとしたものです。
 出血からくる恐怖とは、例えば目の前でそれを別の人に使ってみせるとか、死なないようなものをその人に試すとかですか?私が考えつくのはそのくらいなので。
 魔女狩り時代のレポートまとめしたことあります。…と言っても、インターネットだけで仕上げたものなのでどこからどこまでが真実なのか分かりませんけどね。
 私は紙面尽きるようなとこまで語れる自信はありません…。

>> サラリーの給料っていくらなんだろうなー。
>> というか、五人前も食べるんですね樹里さん…。      
>
>月刊黄泉の平の場合・19万+特別手当ですので、大体22万前後ですが、乾氏の副業の関係上10万は、家賃に消え、5万ほどは、水道光熱費。
>7万が食費その他なんです。
 となると、
 190000(給料)+X(特別手当)=220000(合計)
 220000(合計)−100000(家賃)=120000(残金)
 120000(合計)−50000(水道光熱費)=70000(食費・その他)
 …まだ給料の善し悪しが分からないので、厳しいのかどうか分かりません。


>しかし、物語中の今日は、給料日7日前にして、昼飯以外は、カップめんなのです。
>この時点で、三食カップめん決定です。
>・・・・狩りで得られるはずのエネルギ−が大体それくらいなので。
 カップ麺と言うことは、やっぱり苦しいんですね…。
 エネルギーなかなか多いですね。

>>>今回の他に、数編分のプロットがあります。
>>>反応次第では、載せるつもりなので,意見どうぞ。
>> と言うことなので、是非載せてください!見たいです!
>>
>> それではこの辺で。
>
>分かりました。
>たぶん、バリバリの推理ミステリ?になるかと。
 推理ミステリですか!…好きですけど、一度もトリック・犯人を当てられたことがありません…。
 
 それでは。
 

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32210取材レポート(インタビュー内容、1)月読 乾 2006/1/18 21:41:24
記事番号32197へのコメント

1月18日。

さて、いよいよインタビューの内容に取り掛かるとするか…

なにしろ、あれから少々他にもゴタゴタしてたしな…
忘れない内に、きとんと記録を確認しておかないと…

幸い、旦那…じゃなくて樹里さん(我ながら、女性にこんな別称使うか?普通…)から直々にチェックももらったしな…

>そうして、詠太郎の質問が始まった。
>「じゃあ、オ−ソドックスに、上条先生の本名、生年月日、血液型、出身地をどうぞ。」
>「樹里=ロ−ゼン=マリア。
> 生年は覚えていない・・・まあ、第三回十字軍遠征があってすぐらしいから、13世紀の頭だろうな。
> 誕生日は、十二月十一日。
> 血液型は、ABのRHマイナス。
> 出身は、今の北の方のノルウェ−だな、たぶん。」
>と言うことは、樹里は、大体八百歳近い年齢という事になるのであった。
>吸血鬼は、『転化』した年齢で成長が止まるということになるからだろう。

まあ、プライベートなら女性に聞く質問じゃないな…我ながら。
十字軍遠征は、正直、俺の『本業』を考えると耳の痛い話だ(『この業界』の暗部みたいな物だしな。)。

まあ、そんな事はさておき、ノルウェーの冬の生まれか…
それと、AB型のRH−。付き合いを考えると、こんな事を知るのは初めてだ…
『食事』の時は、かなり多くの量を必要としていうそうだな…同じ血液を持つ物が稀な訳だし…

今まで、貧血になった時は無かったのか、俺としては非常に気になるんだが…

今まで生きて来て800年か…

旦…じゃないや。この人に限らず、3桁以上の年(測定不能の人も居たが…)を生きる事で得る、喜び、悲しみ、苦痛、不変の肉体を持つ事で得る、自らが壊れる事をスローに感じていく感情を…
俺にはちょっと上手く想像しきる事が出来ない…

しかし、人と関わるって事は、それだけで相当の背負う物を覚悟しなきゃいけない行為だ。別にこの人を特別扱いする気は無いさ…

そう言う行為は、ひいては相手に対する敬意を欠くだけに留まらず俺自身すら暗に否定する事になる訳だしな…

>「資格免許は?」
>「上条樹里の名前で、免許と薬剤師の免許は持っている。」
>「視力は、どうでしょ?」
>「悪くは無いかな。
> ・・・・吸血鬼基準でな。
> 4.0といったぐらいか。」
>ちなみに、吸血鬼の標準は、3.8ぐらいである。

ま、運転免許の事はあまり触れない事にするか…(一度乗せて貰った時があれだった訳だしな…)。

薬剤師の免許は分かったが、
俺としては何故あんな医者でも普通は入手困難な材料を常備してるかの方が謎だ。

視力の方は、人間の基準でも話にならない程視力の悪い俺には、最早比べる以前の問題の気がする。

最も、視力がいい人(に限らないが…)はそれだけ非常時に対する対応が優れてるってのが俺の持論だし、羨ましい話ではあるな…

>「趣味特技は?」
>「趣味は、月光を浴びながらまどろむ事と薬の調合、あと読書か。
>特技は、薬の調合、短時間睡眠でOKなこと。」
>「では、好きな色・食べ物・飲み物・果物・御菓子。」
>「・・・・・・・・色は、ともかく何だあとの質問は?」
>「・・だって、樹梨さん、食べ物摂取も可能だろ?」
>何時の間にか、上条先生ではなく、樹梨さん、と詠太郎は、そう呼んでいた。
>この二人、一応公私共に、付き合いがあるのだ。
>出会い自体は、詠太郎が、今の職業についてからで。
>詳しく言えば、とある殺人事件で知り合っての事だ。

いや、月光浴に関しては、人間の俺でも風流な趣味だと思う…
が、薬の調合は趣味で人に変な物を飲ませてくれるのは勘弁して欲しいんだが…(この間は、三日は変な物が見えて周りに誤魔化すのに苦労した訳だし…)

とりあえず、残りの質問は、完全な俺の個人的な趣味だったな…
男性、女性を問わず、お茶を入れるときのリサーチみたいな事をしてしまうって奴だ。

ああ、初対面の時からこんな事を聞いて、あの人に変な顔されたっけ…
でも、別に下心で言ったんじゃないんだがな…

>「そうだが・・・・・。
> 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
> 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
>「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
>「何が?」
>「果物。」
>「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
>「いえいえ。」
>彼は、苦笑しつつも、さらに質問を続けた。
>「それで、嫌いな食べ物って?」
>「くたばりぞこないの精気。
> カッスカスで、食べれたものじゃない。」
>「天気では何が好き?」
>「雪。
> 誰の足跡も無い所、足跡をつけるのが好きでな。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
>「・・・・子供っぽいのと意外なのは意識しているから、安心しろ。」
>友達付き合いのそう浅くない詠太郎でも、ヤハリ、この樹梨の応えは、意外だったようだ。

いや、別に嫌味じゃないんだがな…
俺が別の取材で知り合った、蛇の化身の伯爵なんか、苺は常食だったんだし…(ん?ひょっとしてこれはフォローになってないのか…?)

まあ、人間でも生物は活きの良い物に限るのが相場だ…
今度、日頃のお礼も兼ねて、お寿司屋さんでも紹介してみるか…?
生の魚は許容範囲か、それも聴いておくか…

雪に足を付けるのは、雪に縁の無い育ちの俺なら、同じ事をする気がするし…
まあ、俺としては悪戯で雪に普通の人間では有り得ない足跡を付けてその地域の人を混乱させる事をしてもらうと困るが…

>「普段着と寝間着を教えてくだ・・・・・・・・編集長!!」
>どうやら、編集長に渡されたメモ書き通りに質問していっているが、その中に、これはマズイだろというものがあったらしい。
>言わずもがな、寝間着のことだ。
>「部屋着は、いわゆるゴスロリ系だな。
> 昔風で懐かしいから。
> 外出着は、TPOにあわせて。
> 寝間着は・・・・・・・・冬は黒いネグリジェ。夏は言わなくてもいいな。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
>「若いな、詠太郎。」
>「・・・・・・・少しは恥とか考えては?」
>「八百歳にもなれば薄れる。」
>「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
>「・・・・棺桶ベッドか?
> 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

いやいや、これは普通に俺のほうが困ったね…
第一、こんな事をインタビューで聞く必要があるのか?
この事についての説明、確か編集長にまだちゃんと話してもらって無いんだが…

>詠太郎は、ジュリの言葉に、少々頭を抱えた後、気を取り直したように、さらに質問を続けた、果敢にも。
>「朝と言うか、夜起きてする事は?」
>「仕事の依頼が無いか、メ−ル確認。」
>ジュリの本業は、街の情報屋兼・・・探偵である。
>先ほどの、詠太郎と出会った件も、探偵として招待された先で、ライタ−として招待された詠太郎と出会ったのであった。
>「では、寝る前にする事と一日の平均睡眠時間は?」
>「ホットワインをカップ一杯呷る事。
> ・・・・・睡眠時間ねぇ・・・大体8時間から、12時間かしら。」
>「・・・・・すみません。
> 樹梨さん、先に編集長を殴ってくる。」
>「どうした?」
>次の質問に移る前に、立ち上がり、帰りかけた詠太郎を人外・・・吸血鬼の速度と力で止めた。
>一応、言って置こう。
>ジュリと単純な力比べができるのは、K1の選手とかでも難しいというほど、詠太郎と彼女の力の差ははっきりとしている。

うん、まあそうだね。あの編集長、絶対趣味と仕事を混同してるしね!
ある意味、こういうのも広い意味でのセクハラだよな…

俺、何でここで仕事を続けてるのか、これ書いてて疑問に思えてきた…

ま、止めてもらったのはありがたかったけど…

>「・・・・・・・なるほどな。
> ・・・・それ抜かせ、っていうか、多少は臨機応変にしろ。」
>「はい。」
>彼は、やや渋々といった感じで、元のソファへ戻った。
>基本的に、能力の源泉故か、女性に対しては潔癖な所があるようだ。
>「好きな男性のタイプは?」
>「アイツ・・・・・・クロイツ=ロ−ゼン=マリア。」
>「・・・・・・・・(気まずいっ)」
>「どうした、次の質問は?」
>「は、はい。
> ええと、一番今の自分に影響を与えた人物は、理由も?」
>「さっきと同じ。
> 私に・・・・人間だった私に生きててもいいと言ってくれたから。」
>「ま、守りたい人はいますか?」
>「今は、いない。
> ・・・・・・・・強いて言えば、数少ない知り合いとお前だな。」
>「はあ。(おい、俺の気遣いは!!?)
> 外面・内面を分析してください。」
>「髪・銀色長い。瞳・紅。身長・低い。
> 内面・・・・・死にたがりだな。」
>「・・・・樹梨さん!!」
>「落ち着け、詠太郎。
> お前に、一年前約束しただろが、『自分から死を選ばない』と。」
>ジュリは、外見不相応に、口の端を歪めるような笑みと疲れ果てたようなため息を洩らした。

まあ、俺の方もこの人の気持ちを理解出来ない訳じゃないつもりだ…
大事な人を失う事…
それに答えがある筈が無い。一生向き合うしか無いんだがな…
唯、救いが無いとも思わない。

まあ、この話題には本当に弱いんだ…

>そして、壁に掛かっていた時計に目をやり、時間を確認して一言。
>「今日は、帰るか・・・・・終電無いか。
> 止まるかどうにかして、続きは今日の日が暮れてからだ。
> 狩りに行きたいんでな。」
>時刻は、午前三時。
>数時間ほどで、夜があける時刻である。
>「ヤです。」
>「・・・・・・・・・・・<ウォ−クライ>の上ステ−キセット五人前。
> 半分出すなら、食べた後、昼間になっても話そう。」
>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
><ウォ−クライ>とは、この事務所の近くの二十四時間営業の全国チェ−ンのステ−キハウスである。
>そういう店にしては、珍しく客の目の前で焼いてくれるスタイルである。
>ちなみに、上ステ−キセット(サ−ロイン350g、サラダ、ライスorパン、ドリンク)は、2500円である。
>少々、サラリ−から、出すにはキツイ値段であった。
>「さすが、詠太郎。」
>と、ニコニコと外見相応の笑顔全開で答えた。
>

仕事の潤滑油なんだよな…こういう時って。
いやいや、俺のほうからもお願いしますよ。

ポケットマネーには余裕あるんだし…

さてと、少々疲れたので、一旦ここでレポートは中断するか…

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32211・・・・あの件に関しては悪かった。十叶夕海 2006/1/19 00:20:40
記事番号32210へのコメント


>1月18日。
>
>さて、いよいよインタビューの内容に取り掛かるとするか…
>
>なにしろ、あれから少々他にもゴタゴタしてたしな…
>忘れない内に、きとんと記録を確認しておかないと…
>
>幸い、旦那…じゃなくて樹里さん(我ながら、女性にこんな別称使うか?普通…)から直々にチェックももらったしな…

姐さんとかだろうな、順当に行けば。
まあ、呼び捨ててでもいいんだが、別に。

>
>>そうして、詠太郎の質問が始まった。
>>「じゃあ、オ−ソドックスに、上条先生の本名、生年月日、血液型、出身地をどうぞ。」
>>「樹里=ロ−ゼン=マリア。
>> 生年は覚えていない・・・まあ、第三回十字軍遠征があってすぐらしいから、13世紀の頭だろうな。
>> 誕生日は、十二月十一日。
>> 血液型は、ABのRHマイナス。
>> 出身は、今の北の方のノルウェ−だな、たぶん。」
>>と言うことは、樹里は、大体八百歳近い年齢という事になるのであった。
>>吸血鬼は、『転化』した年齢で成長が止まるということになるからだろう。
>
>まあ、プライベートなら女性に聞く質問じゃないな…我ながら。
>十字軍遠征は、正直、俺の『本業』を考えると耳の痛い話だ(『この業界』の暗部みたいな物だしな。)。

だよね。
実際、書きとめていた奴がいなかったら、表に本当に出なかったかもしれないしな。

>
>まあ、そんな事はさておき、ノルウェーの冬の生まれか…
>それと、AB型のRH−。付き合いを考えると、こんな事を知るのは初めてだ…
>『食事』の時は、かなり多くの量を必要としていうそうだな…同じ血液を持つ物が稀な訳だし…
>
>今まで、貧血になった時は無かったのか、俺としては非常に気になるんだが…
>
飲むだけなら、何型でもいい。
O型は、大味過ぎて、あまり飲まないが。
まあ、数日に一回の狩りで、5人かな。


>今まで生きて来て800年か…
>
>旦…じゃないや。この人に限らず、3桁以上の年(測定不能の人も居たが…)を生きる事で得る、喜び、悲しみ、苦痛、不変の肉体を持つ事で得る、自らが壊れる事をスローに感じていく感情を…
>俺にはちょっと上手く想像しきる事が出来ない…
>
>しかし、人と関わるって事は、それだけで相当の背負う物を覚悟しなきゃいけない行為だ。別にこの人を特別扱いする気は無いさ…
>
>そう言う行為は、ひいては相手に対する敬意を欠くだけに留まらず俺自身すら暗に否定する事になる訳だしな…

すくなくとも、この数百年で、お前に会えたのが一番の喜びだ。
普通に生きるほうが、密度が高い分辛いだろうよ。


>
>>「資格免許は?」
>>「上条樹里の名前で、免許と薬剤師の免許は持っている。」
>>「視力は、どうでしょ?」
>>「悪くは無いかな。
>> ・・・・吸血鬼基準でな。
>> 4.0といったぐらいか。」
>>ちなみに、吸血鬼の標準は、3.8ぐらいである。
>
>ま、運転免許の事はあまり触れない事にするか…(一度乗せて貰った時があれだった訳だしな…)。

・・・・悪かった。
二十年近く前にとった時以来殆ど乗らないからな。

>
>薬剤師の免許は分かったが、
>俺としては何故あんな医者でも普通は入手困難な材料を常備してるかの方が謎だ。

・・・・・だって、楽しいじゃないか。
実験は(人体実験含む)。

>
>視力の方は、人間の基準でも話にならない程視力の悪い俺には、最早比べる以前の問題の気がする。
>
>最も、視力がいい人(に限らないが…)はそれだけ非常時に対する対応が優れてるってのが俺の持論だし、羨ましい話ではあるな…

生き残る為に洗濯・・・いや選択だな。


>
>>「趣味特技は?」
>>「趣味は、月光を浴びながらまどろむ事と薬の調合、あと読書か。
>>特技は、薬の調合、短時間睡眠でOKなこと。」
>>「では、好きな色・食べ物・飲み物・果物・御菓子。」
>>「・・・・・・・・色は、ともかく何だあとの質問は?」
>>「・・だって、樹梨さん、食べ物摂取も可能だろ?」
>>何時の間にか、上条先生ではなく、樹梨さん、と詠太郎は、そう呼んでいた。
>>この二人、一応公私共に、付き合いがあるのだ。
>>出会い自体は、詠太郎が、今の職業についてからで。
>>詳しく言えば、とある殺人事件で知り合っての事だ。
>
>いや、月光浴に関しては、人間の俺でも風流な趣味だと思う…
>が、薬の調合は趣味で人に変な物を飲ませてくれるのは勘弁して欲しいんだが…(この間は、三日は変な物が見えて周りに誤魔化すのに苦労した訳だし…)

その件に関しては、悪かった。
手に入れた『ファ二−ファントム』草の効果を試したかったんだ。

>
>とりあえず、残りの質問は、完全な俺の個人的な趣味だったな…
>男性、女性を問わず、お茶を入れるときのリサーチみたいな事をしてしまうって奴だ。
>
>ああ、初対面の時からこんな事を聞いて、あの人に変な顔されたっけ…
>でも、別に下心で言ったんじゃないんだがな…

でもな、ナンパの時に聞くようなことを外見年齢14とはいえ、聞いてきたんだ。
変な顔しないわけあるか。

>
>>「そうだが・・・・・。
>> 色は、黒と紅。食べ物は、動物の精気・・・得に人間のな、それ以外だと、こんがりステ−キか。
>> 果物は、木苺とイチゴと柘榴。飲み物は、赤ワイン。お菓子は、変に辛いスナック以外。」
>>「・・・・・・・意外と可愛いものがすきなんだね。」
>>「何が?」
>>「果物。」
>>「・・・・・・・悪いか、昔から好きなんだよ。」
>>「いえいえ。」
>>彼は、苦笑しつつも、さらに質問を続けた。
>>「それで、嫌いな食べ物って?」
>>「くたばりぞこないの精気。
>> カッスカスで、食べれたものじゃない。」
>>「天気では何が好き?」
>>「雪。
>> 誰の足跡も無い所、足跡をつけるのが好きでな。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
>>「・・・・子供っぽいのと意外なのは意識しているから、安心しろ。」
>>友達付き合いのそう浅くない詠太郎でも、ヤハリ、この樹梨の応えは、意外だったようだ。
>
>いや、別に嫌味じゃないんだがな…
>俺が別の取材で知り合った、蛇の化身の伯爵なんか、苺は常食だったんだし…(ん?ひょっとしてこれはフォローになってないのか…?)
>

全然、なってないぞ、乾。
第一、アイツは、陰険で陰気でしつこいんだぞ、

>まあ、人間でも生物は活きの良い物に限るのが相場だ…
>今度、日頃のお礼も兼ねて、お寿司屋さんでも紹介してみるか…?
>生の魚は許容範囲か、それも聴いておくか…

食べれないことは無い。
むしろ、好きな方だ。
しかしな、『ワサビ』のあの『ツ―ン』が嫌だ。

>
>雪に足を付けるのは、雪に縁の無い育ちの俺なら、同じ事をする気がするし…
>まあ、俺としては悪戯で雪に普通の人間では有り得ない足跡を付けてその地域の人を混乱させる事をしてもらうと困るが…

しないが。
少々、子供っぽいと思ってな。

>
>>「普段着と寝間着を教えてくだ・・・・・・・・編集長!!」
>>どうやら、編集長に渡されたメモ書き通りに質問していっているが、その中に、これはマズイだろというものがあったらしい。
>>言わずもがな、寝間着のことだ。
>>「部屋着は、いわゆるゴスロリ系だな。
>> 昔風で懐かしいから。
>> 外出着は、TPOにあわせて。
>> 寝間着は・・・・・・・・冬は黒いネグリジェ。夏は言わなくてもいいな。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
>>「若いな、詠太郎。」
>>「・・・・・・・少しは恥とか考えては?」
>>「八百歳にもなれば薄れる。」
>>「・・・・・・・一人暮らしですけど、人に言えないものとか在ったりする?」
>>「・・・・棺桶ベッドか?
>> 後は、血を絞り取るための拷問用具・・・所謂、鉄の処女だ。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」
>
>いやいや、これは普通に俺のほうが困ったね…
>第一、こんな事をインタビューで聞く必要があるのか?
>この事についての説明、確か編集長にまだちゃんと話してもらって無いんだが…

某オリキャラさんに100の質問かららしい。
・・・・・まあ、編集長のライタ―ならではの好奇心だろう、きっと。

>
>>詠太郎は、ジュリの言葉に、少々頭を抱えた後、気を取り直したように、さらに質問を続けた、果敢にも。
>>「朝と言うか、夜起きてする事は?」
>>「仕事の依頼が無いか、メ−ル確認。」
>>ジュリの本業は、街の情報屋兼・・・探偵である。
>>先ほどの、詠太郎と出会った件も、探偵として招待された先で、ライタ−として招待された詠太郎と出会ったのであった。
>>「では、寝る前にする事と一日の平均睡眠時間は?」
>>「ホットワインをカップ一杯呷る事。
>> ・・・・・睡眠時間ねぇ・・・大体8時間から、12時間かしら。」
>>「・・・・・すみません。
>> 樹梨さん、先に編集長を殴ってくる。」
>>「どうした?」
>>次の質問に移る前に、立ち上がり、帰りかけた詠太郎を人外・・・吸血鬼の速度と力で止めた。
>>一応、言って置こう。
>>ジュリと単純な力比べができるのは、K1の選手とかでも難しいというほど、詠太郎と彼女の力の差ははっきりとしている。
>
>うん、まあそうだね。あの編集長、絶対趣味と仕事を混同してるしね!
>ある意味、こういうのも広い意味でのセクハラだよな…
>
>俺、何でここで仕事を続けてるのか、これ書いてて疑問に思えてきた…
>
>ま、止めてもらったのはありがたかったけど…

まあ、天春(あまかす)は、悪い人間ではないよ。
人外のことも、差別無く扱ってくれる。

>
>>「・・・・・・・なるほどな。
>> ・・・・それ抜かせ、っていうか、多少は臨機応変にしろ。」
>>「はい。」
>>彼は、やや渋々といった感じで、元のソファへ戻った。
>>基本的に、能力の源泉故か、女性に対しては潔癖な所があるようだ。
>>「好きな男性のタイプは?」
>>「アイツ・・・・・・クロイツ=ロ−ゼン=マリア。」
>>「・・・・・・・・(気まずいっ)」
>>「どうした、次の質問は?」
>>「は、はい。
>> ええと、一番今の自分に影響を与えた人物は、理由も?」
>>「さっきと同じ。
>> 私に・・・・人間だった私に生きててもいいと言ってくれたから。」
>>「ま、守りたい人はいますか?」
>>「今は、いない。
>> ・・・・・・・・強いて言えば、数少ない知り合いとお前だな。」
>>「はあ。(おい、俺の気遣いは!!?)
>> 外面・内面を分析してください。」
>>「髪・銀色長い。瞳・紅。身長・低い。
>> 内面・・・・・死にたがりだな。」
>>「・・・・樹梨さん!!」
>>「落ち着け、詠太郎。
>> お前に、一年前約束しただろが、『自分から死を選ばない』と。」
>>ジュリは、外見不相応に、口の端を歪めるような笑みと疲れ果てたようなため息を洩らした。
>
>まあ、俺の方もこの人の気持ちを理解出来ない訳じゃないつもりだ…
>大事な人を失う事…
>それに答えがある筈が無い。一生向き合うしか無いんだがな…
>唯、救いが無いとも思わない。
>
>まあ、この話題には本当に弱いんだ…

今でも、納得できないことだ。
・・・・そう言ってもらえて本当に嬉しい。

>
>>そして、壁に掛かっていた時計に目をやり、時間を確認して一言。
>>「今日は、帰るか・・・・・終電無いか。
>> 止まるかどうにかして、続きは今日の日が暮れてからだ。
>> 狩りに行きたいんでな。」
>>時刻は、午前三時。
>>数時間ほどで、夜があける時刻である。
>>「ヤです。」
>>「・・・・・・・・・・・<ウォ−クライ>の上ステ−キセット五人前。
>> 半分出すなら、食べた後、昼間になっても話そう。」
>>「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・分かった。」
>><ウォ−クライ>とは、この事務所の近くの二十四時間営業の全国チェ−ンのステ−キハウスである。
>>そういう店にしては、珍しく客の目の前で焼いてくれるスタイルである。
>>ちなみに、上ステ−キセット(サ−ロイン350g、サラダ、ライスorパン、ドリンク)は、2500円である。
>>少々、サラリ−から、出すにはキツイ値段であった。
>>「さすが、詠太郎。」
>>と、ニコニコと外見相応の笑顔全開で答えた。
>>
>
>仕事の潤滑油なんだよな…こういう時って。
>いやいや、俺のほうからもお願いしますよ。
>
>ポケットマネーには余裕あるんだし…
>
>さてと、少々疲れたので、一旦ここでレポートは中断するか…

まあ、美味しかったぞ。
・・・・ん、分かった。
それじゃな。


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32206取材レポート(乾 詠太郎)月読 乾 2006/1/15 23:20:11
記事番号32193へのコメント

風が一際強く吹いた時、俺は気が付いたらカフェテラスの周りを何気なく見渡していた…
夕刻の空は、それこそ真紅の色に染まりまるでさっきまで話していた彼女に見られている気がして、俺は改めてPCに打ち込んだ、インタビューの記録を見直す事にした…

いや、正直なところ、別に俺に物書きとしての良心がそれほど備わってるとは思わないし、
そう言う物の為に再確認をしよう…とした訳でも無いのだが…

>「・・・『月刊・黄泉』の『乾 詠太郎』さん?」
>「はい。
> いつも、オカルトコラムありがとうございます、上条先生。」
>現実よりも、少し魔法が生きていて。
>現実よりも、少し人外が存在していて。
>現実よりも、それらが多く認識されて、共存する世界。

いや、こう言う『出会い』自体は俺はこれが始めてでは無い。
『出会い』と言う物は、それが本当に重要な物なら、多かれ少なかれ自分を振り返る行為が必ず付きまとう…
振り返る事が出切ると言う時点で、恐らくその『出会い』は軽い意味では絶対に済まされない世界に入った証拠だと思う。


『自分』が『知覚』できないと存在できない『現実』が如何に頼りない言葉かは、俺はそんな考えの代表になろうと思っていないので、あえて考えない事にした。

>そんな世界の極東の首都の片隅の骨董品のデスクと同じく骨董品の応接セットに本棚が並ぶ、古びたビルの一室。
>時刻は、日が暮れ始めた頃−。
>季節は、まあ、肌寒くなり始めたそんな頃。
>応接セットには、二人の人影が。
>一人は、二十代半ばぐらいの典型的な日本人的な黒髪黒目の青年。
>もう一人は、『外見』は、十代前半の銀髪を長く伸ばし、焦点を結ばない赤い瞳のアルビノの少女。
>前者の名前は、乾 詠太郎(いぬい えいたろう)。
>後者の筆名が、上条 樹梨。
>後者の本名が、ジュリ=ロ−ゼン=マリア。

考えてみると、違和感は妙に無かった…
あの人が『どう言う人』かは、ある程度事前に分かっていたつもりだし、『そう言う人』と話すのも、別にこれが初めてでは無い…

お互い、偽りの名前を使って居たのが一つの原因なのかも知れないが、
ある意味、人が現実にする物は、同じくらい幻として成り立ちえる…
そう言う物なのかも知れない…

>後者は、人ではない。
>「貴方が、物語風に・・・フィクション風に仕上げるというから、承諾したの。
> それだけは、忘れないで。」
>『月刊・黄泉』とは、オカルト雑誌とその手の業界の情報誌を足して2で割ったような雑誌である。
>そして、人外の存在が認められているこの世界では、この雑誌や他の雑誌も含めて、人外の小説を掲載しているのが常である。
>三ヶ月前に、前任の小説が終わったのだ。
>今回は、来々月から、始める小説のためのインタビュ−である。
>読者からの要望と掲載によって受ける襲撃に関しても盟約が結ばれたので、やっと実現したのだ。
>「じゃあ、どこから話そうかか。
> ・・・そうだね、吸血鬼のランクから話そうか。」

一応、俺自身がその方面に関わっていた…
物書きとしてでは無い。もっとディープな形でだ。

だから、正直この話をフィクションにする…も、別に良心から…と言うよりも、そうしないとある意味俺の存在まで否定しかねないからだと言う事なんだろう…

>吸血鬼とは、『宵闇の者』としては、かなり有名だ。
>まあ、一口にそう括っても、まったく違う生き物かも知れないが。
>共通点として、光が苦手とか、流れる水が苦手とか、なんか弱点があるものなんだ。
>そして、吸血鬼を三つにランク分けできるんだ。
>一番弱くて、普通の人間と同じ様な外見で、違いといえば、赤い瞳孔と異常な筋力の【レッサ−】。
>俗に言う『転化したて』あるいは、『成りたて』だね。
>こいつらは、光を浴びれば肺になるし、銀の弾とかで、簡単に滅ぼせる存在だ。
>【ノフェスラト】の中でも下っ端が、たまに失敗して、生まれる存在だ。
>それに噛まれれば、【レッサ−】になる・・・・ゾンビと似たような存在だ、一度死んでいるという意味ではな。
>次の【ノフェスラト】が、一番多いかな。
>・・・・・と言っても、今は五桁もいない。
>そのなかでも、強さもピンキリだが、一番弱い奴でも、人間に倒せはしない。
>弱点も多いけど、人間が一番の弱点だと思うもの−『光』で滅ぶ事はまずない。
>普通の人間程度の力になるぐらいだ。
>最後の【ノ−ライフキング】になると、もう手が終えない。
>一夜で、四つ国を滅ぼしたとか、という伝説まであるほどだ。
>それでも、何処かの城で居眠りしてばかりだけどね。
>・・・・・・・まあ、こんな感じだね。

非常に参考になった話だ…
俺は俺で、『リアル』な経験は知識は持って居るのだが、こうして体系的に文字通り『直伝』してもらうのは初めてになる…

>「・・・ってなかんじだ。」
>「じゃあ、次質問していきますんで、よろしくお願いします。」
>「はいはい。」
>ジュリは、そう応えた・・・・・・。

初めての取材で思ったのだが、思っていたよりも、かなり気さくな人だったな…

いや、実のところ本当はそんな物なのかも知れない…
今までの『理不尽な』歴史も、あるいは出会いだけで随分変わったのかもしれない…

正直、真面目に考えると今の事実よりも怖い話なのだが、おいおい取材を進めるつもりだ。

さて、次のレポートに移るか…

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32207ダメだし(上条樹里)十叶夕海 2006/1/15 23:55:59
記事番号32206へのコメント


>風が一際強く吹いた時、俺は気が付いたらカフェテラスの周りを何気なく見渡していた…
>夕刻の空は、それこそ真紅の色に染まりまるでさっきまで話していた彼女に見られている気がして、俺は改めてPCに打ち込んだ、インタビューの記録を見直す事にした…

一応、これは、多分この話が終わってからだと思います。
夜通し語るという形ですので。


>
>いや、正直なところ、別に俺に物書きとしての良心がそれほど備わってるとは思わないし、
>そう言う物の為に再確認をしよう…とした訳でも無いのだが…

一応、私が知る限りでは、お前のそのライタ―業は、『ス−パ−マンの仮の姿が新聞記者』からきているだろう?
まあ、確認はいいものだぞ?

>
>>「・・・『月刊・黄泉』の『乾 詠太郎』さん?」
>>「はい。
>> いつも、オカルトコラムありがとうございます、上条先生。」
>>現実よりも、少し魔法が生きていて。
>>現実よりも、少し人外が存在していて。
>>現実よりも、それらが多く認識されて、共存する世界。
>
>いや、こう言う『出会い』自体は俺はこれが始めてでは無い。
>『出会い』と言う物は、それが本当に重要な物なら、多かれ少なかれ自分を振り返る行為が必ず付きまとう…
>振り返る事が出切ると言う時点で、恐らくその『出会い』は軽い意味では絶対に済まされない世界に入った証拠だと思う。

私なりの冗句に、二コリともしないとは、なかなか無粋だな。
まあ、『上条樹里』が、『乾詠太郎』と仕事はするのは初めてでも。
一年半前のあの事件で、出会っているだろう?
なかなか複雑な関係での出会いだったのは認めるが。

>
>
>『自分』が『知覚』できないと存在できない『現実』が如何に頼りない言葉かは、俺はそんな考えの代表になろうと思っていないので、あえて考えない事にした。

それも一つの手だな。
思考停止は、緩慢な自殺だが。

>
>>そんな世界の極東の首都の片隅の骨董品のデスクと同じく骨董品の応接セットに本棚が並ぶ、古びたビルの一室。
>>時刻は、日が暮れ始めた頃−。
>>季節は、まあ、肌寒くなり始めたそんな頃。
>>応接セットには、二人の人影が。
>>一人は、二十代半ばぐらいの典型的な日本人的な黒髪黒目の青年。
>>もう一人は、『外見』は、十代前半の銀髪を長く伸ばし、焦点を結ばない赤い瞳のアルビノの少女。
>>前者の名前は、乾 詠太郎(いぬい えいたろう)。
>>後者の筆名が、上条 樹梨。
>>後者の本名が、ジュリ=ロ−ゼン=マリア。
>
>考えてみると、違和感は妙に無かった…
>あの人が『どう言う人』かは、ある程度事前に分かっていたつもりだし、『そう言う人』と話すのも、別にこれが初めてでは無い…

というかだな、一年半前のあの事件以前にも会っているだろうに。
『・・・・・』の乾氏?

>
>お互い、偽りの名前を使って居たのが一つの原因なのかも知れないが、
>ある意味、人が現実にする物は、同じくらい幻として成り立ちえる…
>そう言う物なのかも知れない…

だろうな。
まあ、乾詠太郎というのも、ある種の本名だろう?
というか、日本名に、祖母の家の名字だったか?

>
>>後者は、人ではない。
>>「貴方が、物語風に・・・フィクション風に仕上げるというから、承諾したの。
>> それだけは、忘れないで。」
>>『月刊・黄泉』とは、オカルト雑誌とその手の業界の情報誌を足して2で割ったような雑誌である。
>>そして、人外の存在が認められているこの世界では、この雑誌や他の雑誌も含めて、人外の小説を掲載しているのが常である。
>>三ヶ月前に、前任の小説が終わったのだ。
>>今回は、来々月から、始める小説のためのインタビュ−である。
>>読者からの要望と掲載によって受ける襲撃に関しても盟約が結ばれたので、やっと実現したのだ。
>>「じゃあ、どこから話そうかか。
>> ・・・そうだね、吸血鬼のランクから話そうか。」
>
>一応、俺自身がその方面に関わっていた…
>物書きとしてでは無い。もっとディープな形でだ。
>
>だから、正直この話をフィクションにする…も、別に良心から…と言うよりも、そうしないとある意味俺の存在まで否定しかねないからだと言う事なんだろう…

一応、そっち方面でも噂は聞いていたよ。
今の時代・・・昔ほど認められては無いからな。
まだ、ちゃんと認識されているのはいいのだろうが。

>
>>吸血鬼とは、『宵闇の者』としては、かなり有名だ。
>>まあ、一口にそう括っても、まったく違う生き物かも知れないが。
>>共通点として、光が苦手とか、流れる水が苦手とか、なんか弱点があるものなんだ。
>>そして、吸血鬼を三つにランク分けできるんだ。
>>一番弱くて、普通の人間と同じ様な外見で、違いといえば、赤い瞳孔と異常な筋力の【レッサ−】。
>>俗に言う『転化したて』あるいは、『成りたて』だね。
>>こいつらは、光を浴びれば肺になるし、銀の弾とかで、簡単に滅ぼせる存在だ。
>>【ノフェスラト】の中でも下っ端が、たまに失敗して、生まれる存在だ。
>>それに噛まれれば、【レッサ−】になる・・・・ゾンビと似たような存在だ、一度死んでいるという意味ではな。
>>次の【ノフェスラト】が、一番多いかな。
>>・・・・・と言っても、今は五桁もいない。
>>そのなかでも、強さもピンキリだが、一番弱い奴でも、人間に倒せはしない。
>>弱点も多いけど、人間が一番の弱点だと思うもの−『光』で滅ぶ事はまずない。
>>普通の人間程度の力になるぐらいだ。
>>最後の【ノ−ライフキング】になると、もう手が終えない。
>>一夜で、四つ国を滅ぼしたとか、という伝説まであるほどだ。
>>それでも、何処かの城で居眠りしてばかりだけどね。
>>・・・・・・・まあ、こんな感じだね。
>
>非常に参考になった話だ…
>俺は俺で、『リアル』な経験は知識は持って居るのだが、こうして体系的に文字通り『直伝』してもらうのは初めてになる…


中の中まで、だろうな。
それ以上は、私も含めてだが、あまり行動はしないからな。

>
>>「・・・ってなかんじだ。」
>>「じゃあ、次質問していきますんで、よろしくお願いします。」
>>「はいはい。」
>>ジュリは、そう応えた・・・・・・。
>
>初めての取材で思ったのだが、思っていたよりも、かなり気さくな人だったな…
>
>いや、実のところ本当はそんな物なのかも知れない…
>今までの『理不尽な』歴史も、あるいは出会いだけで随分変わったのかもしれない…
>
>正直、真面目に考えると今の事実よりも怖い話なのだが、おいおい取材を進めるつもりだ。
>
>さて、次のレポートに移るか…

一応、敵ではないの方のカテゴリに入れてあるからな。
此処一年半は、やや敵の方に入れてたから、違って当たり前だ。
次か・・・どうなるかな。


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32209光への憧憬+どうか忘れないで+  3十叶夕海 2006/1/18 21:02:46
記事番号32193へのコメント




3 放浪の旅 +私が人間だった頃・・・・+


「ごちそう様、詠太郎。」
そうして、食事後、事務所に戻った樹梨と詠太郎。
「・・・・・・・(後一週間生き残れるかなぁ)。」
「じゃ、話しましょうか。
 ・・・・・聞いてる?」
「はい。」
「じゃあ、いくわね。
 私が覚えている一番古い記憶は・・・・・・・・――」


一番古い記憶は、両親と一緒にいた頃のもの。
私は、旅芸人の一座の座長の娘だった。
国から国へ、大変だったけど、楽しかった。
私が次に覚えている古い記憶は、誰かに追われて、何かに追われて、雪野原を書き分け進んでいる所。
クロイツ・・・その時を失った私を拾ってくれた奴・・・によると、私は、隣りの隣りの国の人間に追われていたらしい。
結局、十歳のガキの足と体力じゃ、野垂れ死にだっただろう。
そう、私は寒さと疲労で、雪野原の途中でぶっ倒れてしまった。
そんな時に、クロイツに拾われたらしい。
・・・・らしいと言うのは、彼の居城の近くに倒れていたのを彼が拾ったと後から教えてもらった。
それから、私は、クロイツに育てられた、彼の娘のようにな。
彼から聞いた話になるが、その頃でも、『住ませてもらう代わりに、その国を守る』という形で、共存していたらしい。
というかね、それが普通だった。
それ以外は、森なり湖なりでひっそりと隠れ住んでいた。
まあ、今の十倍はいたかな。
人間じゃない存在。
とにかく、私はクロイツから、いろいろな事を学んだ。
人間が歩んだ歴史。文化。礼儀作法。剣術。魔法・・・・・・。
本当にいろいろな事を学んだ。
旅芸人のままじゃ、学べないような事ばかりだった。
14歳のときかな。
その前から言っていたけど、十四歳の誕生日の日に、私はクロイツの仲間になった。
・・・・平たく言うなら、彼の血を飲んだ。
嬉しかったね。
これで、彼と一緒に歩んでいけるって。
でもね、それはその数週間後に終わった。
奇しくもそれは、クロイツと盟約を結んでいた領主が死んで、その息子が後を継いだことから始まる。
数日後。
城に火がつられた。
火は、ドンドン燃え広がって、全てを飲み込んでいった。
いっしょにお茶をした中庭も、私の部屋も・・・・・・全部。
『ジュリ、逃げなさい。』
『クロイツは?』
『後から、行きます。』
『うん、待ってる。
 待っているから、絶対に来てね。』
その時、本当は、分かっていたのかも知れない。
クロイツに二度と会えないこと。
彼も分かっていたのかも知れない。
最後に、私に、私の11歳の時の誕生日にくれた青の宝石箱と・・・・その中に彼の最後の言葉が書かれていた。
私は、その後・・・・・・


「私は、その後・・・」
「樹里さん。」
「ん?
 どうした?」
「涙、拭いてください」
樹里は、静かに涙していた。
焦点の合わぬ・・・光を映さないそのルビ−の瞳から、雫を流していた。
詠太郎は、彼女にハンカチを差し出した。
「・・・・・・まだ、納得できていないらしい。
 もう八百年経つのに・・・・・」
「・・・・・コ−ヒ−でも淹れてきます。」
「すまん。」
樹里は、詠太郎から受け取ったハンカチで涙を拭いながら、ただ座っていた。






―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+


はい、『光への憧憬+どうか忘れないで+』3回目です。
さてはて、これからどうなるのでしょうか。
まだ、ジュリの800年の長い旅は、始まったばかりなのです。


それでは、また次回。

           +アップルパイアイスを食べつつ  十叶 夕海+

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32213過去が明らかに…氷室 相良 2006/1/19 20:55:12
記事番号32209へのコメント


こんばんは。
今回も楽しく読ませていただきました。
感想いきますね。

>「ごちそう様、詠太郎。」
>そうして、食事後、事務所に戻った樹梨と詠太郎。
>「・・・・・・・(後一週間生き残れるかなぁ)。」
 頑張ってください(笑)

>一番古い記憶は、両親と一緒にいた頃のもの。
>私は、旅芸人の一座の座長の娘だった。
>国から国へ、大変だったけど、楽しかった。
>私が次に覚えている古い記憶は、誰かに追われて、何かに追われて、雪野原を書き分け進んでいる所。
>クロイツ・・・その時を失った私を拾ってくれた奴・・・によると、私は、隣りの隣りの国の人間に追われていたらしい。
>結局、十歳のガキの足と体力じゃ、野垂れ死にだっただろう。
>そう、私は寒さと疲労で、雪野原の途中でぶっ倒れてしまった。
 …意外な過去があったんですね。
 十歳とは、まだまだ義務教育が済んでいない年頃なのですが…まぁ、その時は義務教育自体がなかったんでしょうけど…そう考えれば、今の私たちはとても恵まれているんですね。…ま、関係ないんですけど。

>14歳のときかな。
>その前から言っていたけど、十四歳の誕生日の日に、私はクロイツの仲間になった。
>・・・・平たく言うなら、彼の血を飲んだ。
>嬉しかったね。
>これで、彼と一緒に歩んでいけるって。
>でもね、それはその数週間後に終わった。
>奇しくもそれは、クロイツと盟約を結んでいた領主が死んで、その息子が後を継いだことから始まる。
>数日後。
>城に火がつられた。
>火は、ドンドン燃え広がって、全てを飲み込んでいった。
>いっしょにお茶をした中庭も、私の部屋も・・・・・・全部。
>『ジュリ、逃げなさい。』
>『クロイツは?』
>『後から、行きます。』
>『うん、待ってる。
> 待っているから、絶対に来てね。』
>その時、本当は、分かっていたのかも知れない。
>クロイツに二度と会えないこと。
>彼も分かっていたのかも知れない。
>最後に、私に、私の11歳の時の誕生日にくれた青の宝石箱と・・・・その中に彼の最後の言葉が書かれていた。
 クロイツさん、吸血鬼だったんですね。
 そして樹里さんもその仲間に…。確かに、自分の大好きな人と一緒に生きていける、ともに笑えるのは幸せですもんね。
 
 城が燃えて、二人は別々に…。…それも、もしかしたら永遠に…。
 最後に残ったのは、青の宝石箱と、彼の言葉…。

>「私は、その後・・・」
>「樹里さん。」
>「ん?
> どうした?」
>「涙、拭いてください」
>樹里は、静かに涙していた。
>焦点の合わぬ・・・光を映さないそのルビ−の瞳から、雫を流していた。
>詠太郎は、彼女にハンカチを差し出した。
>「・・・・・・まだ、納得できていないらしい。
> もう八百年経つのに・・・・・」
>「・・・・・コ−ヒ−でも淹れてきます。」
>「すまん。」
>樹里は、詠太郎から受け取ったハンカチで涙を拭いながら、ただ座っていた。
 確かに、自分の大切な人の最期なんて、誰も認めたくないですよね。
 席を外したのは、詠太郎さんなりの優しさでしょうか…。

>それでは、また次回。
 はい。楽しみにしています。

>           +アップルパイアイスを食べつつ  十叶 夕海+
 凍ってるんですか?アップルパイが。…美味しそうですね。凍ったアップルパイ。(私は絶対かたくて食べられない)

それでは。
 
 


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32214これからドンドン明かされます。十叶夕海 2006/1/19 23:55:43
記事番号32213へのコメント


>
>こんばんは。
>今回も楽しく読ませていただきました。
>感想いきますね。

ありがとうございました。
返レス行きます

>
>>「ごちそう様、詠太郎。」
>>そうして、食事後、事務所に戻った樹梨と詠太郎。
>>「・・・・・・・(後一週間生き残れるかなぁ)。」
> 頑張ってください(笑)

一応、エピロ−グで、救済はあります。

>
>>一番古い記憶は、両親と一緒にいた頃のもの。
>>私は、旅芸人の一座の座長の娘だった。
>>国から国へ、大変だったけど、楽しかった。
>>私が次に覚えている古い記憶は、誰かに追われて、何かに追われて、雪野原を書き分け進んでいる所。
>>クロイツ・・・その時を失った私を拾ってくれた奴・・・によると、私は、隣りの隣りの国の人間に追われていたらしい。
>>結局、十歳のガキの足と体力じゃ、野垂れ死にだっただろう。
>>そう、私は寒さと疲労で、雪野原の途中でぶっ倒れてしまった。
> …意外な過去があったんですね。
> 十歳とは、まだまだ義務教育が済んでいない年頃なのですが…まぁ、その時は義務教育自体がなかったんでしょうけど…そう考えれば、今の私たちはとても恵まれているんですね。…ま、関係ないんですけど。

何故追われたいたのか?
それも含めて、明らかになっていきます。

そうですね。現代の世界情勢からしてもかなり。

>
>>14歳のときかな。
>>その前から言っていたけど、十四歳の誕生日の日に、私はクロイツの仲間になった。
>>・・・・平たく言うなら、彼の血を飲んだ。
>>嬉しかったね。
>>これで、彼と一緒に歩んでいけるって。
>>でもね、それはその数週間後に終わった。
>>奇しくもそれは、クロイツと盟約を結んでいた領主が死んで、その息子が後を継いだことから始まる。
>>数日後。
>>城に火がつられた。
>>火は、ドンドン燃え広がって、全てを飲み込んでいった。
>>いっしょにお茶をした中庭も、私の部屋も・・・・・・全部。
>>『ジュリ、逃げなさい。』
>>『クロイツは?』
>>『後から、行きます。』
>>『うん、待ってる。
>> 待っているから、絶対に来てね。』
>>その時、本当は、分かっていたのかも知れない。
>>クロイツに二度と会えないこと。
>>彼も分かっていたのかも知れない。
>>最後に、私に、私の11歳の時の誕生日にくれた青の宝石箱と・・・・その中に彼の最後の言葉が書かれていた。
> クロイツさん、吸血鬼だったんですね。
> そして樹里さんもその仲間に…。確かに、自分の大好きな人と一緒に生きていける、ともに笑えるのは幸せですもんね。
> 
> 城が燃えて、二人は別々に…。…それも、もしかしたら永遠に…。
> 最後に残ったのは、青の宝石箱と、彼の言葉…。

そうです、色々と制約はありますけど。
それでも、大切な人と共に歩めるというだけで、すごく・・・・・ね。

・・・『城が燃えて〜』は、これからのことに関わりますので、のーコメント。
>
>>「私は、その後・・・」
>>「樹里さん。」
>>「ん?
>> どうした?」
>>「涙、拭いてください」
>>樹里は、静かに涙していた。
>>焦点の合わぬ・・・光を映さないそのルビ−の瞳から、雫を流していた。
>>詠太郎は、彼女にハンカチを差し出した。
>>「・・・・・・まだ、納得できていないらしい。
>> もう八百年経つのに・・・・・」
>>「・・・・・コ−ヒ−でも淹れてきます。」
>>「すまん。」
>>樹里は、詠太郎から受け取ったハンカチで涙を拭いながら、ただ座っていた。
> 確かに、自分の大切な人の最期なんて、誰も認めたくないですよね。
> 席を外したのは、詠太郎さんなりの優しさでしょうか…。
>

そうですね。
浅くもないですが、深くもない付き合いで、『涙を見られること』を嫌がるのは彼も知っていますから。

>>それでは、また次回。
> はい。楽しみにしています。
>
>>           +アップルパイアイスを食べつつ  十叶 夕海+
> 凍ってるんですか?アップルパイが。…美味しそうですね。凍ったアップルパイ。(私は絶対かたくて食べられない)


ハーゲンダッツの期間限定のヤツです。
値段相応においしいです。

では、次回で。

>
>それでは。
> 
> 
>
>

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32217レポート本編、2(追記、気分的に感情的な記述多し。)月読 乾 2006/1/21 20:59:37
記事番号32209へのコメント

>「ごちそう様、詠太郎。」
>そうして、食事後、事務所に戻った樹梨と詠太郎。
>「・・・・・・・(後一週間生き残れるかなぁ)。」
>「じゃ、話しましょうか。
> ・・・・・聞いてる?」
>「はい。」
>「じゃあ、いくわね。
> 私が覚えている一番古い記憶は・・・・・・・・――」

……色んな意味でね……
俺の財布の底が尽きて、ミイラになってるのを発見されるのが先か…
うっかり精気を吸われすぎて、ミイラになってるのを発見されるのが先か…

……いや、一番疑問なのは、今この場でこんな考えを打ち込んでいる俺自身なんだが……

ま、そんな微妙な心配よりも、要点のチェックに入るか。

>一番古い記憶は、両親と一緒にいた頃のもの。
>私は、旅芸人の一座の座長の娘だった。
>国から国へ、大変だったけど、楽しかった。
>私が次に覚えている古い記憶は、誰かに追われて、何かに追われて、雪野原を書き分け進んでいる所。
>クロイツ・・・その時を失った私を拾ってくれた奴・・・によると、私は、隣りの隣りの国の人間に追われていたらしい。
>結局、十歳のガキの足と体力じゃ、野垂れ死にだっただろう。
>そう、私は寒さと疲労で、雪野原の途中でぶっ倒れてしまった。
>そんな時に、クロイツに拾われたらしい。
>・・・・らしいと言うのは、彼の居城の近くに倒れていたのを彼が拾ったと後から教えてもらった。

裕福な家庭に生まれ、その中でずっと『何不自由なく』生きて来た俺から見たら、
『不幸な境遇』だったとも言えるし、ひょっとしたら、それと同じくらい心の奥底では、俺の境遇では絶対に経験出来ない『幸せな暮らし』だったと羨ましく思ってるのかも知れない…

追ってきた奴の事は…
いや、ここではあまり意味の無い事か…一旦保留しとこう。

似てる…って言われたな…俺はこのクロイツと言う人に…

似てる…のか?
俺はこの人みたいな、勇気も頼り甲斐も無い、唯のボンボンの生まれの甘さの抜けきらない牧師(後、こう言う副業をしている…)だぜ?

しかし、この人が樹里さんを助けた時、この人の胸には何があったんだろうな…

>それから、私は、クロイツに育てられた、彼の娘のようにな。

きっと、人は血の繋がらない人間を愛する力があるんだろう…
いや、むしろ俺の後で派kk利あいた『妹』…いや、やはりこんな呼び方には抵抗があるな…

唯、後で俺の血縁だった事実も含めると、血よりも強い、人を繋げる見えない力があるのかも知れない…

『運命』と言う少し手垢の付いた言葉を使うにしても、
それが最初から定められた物なのか…
その定められた物を覆して手にした物なのか…

>彼から聞いた話になるが、その頃でも、『住ませてもらう代わりに、その国を守る』という形で、共存していたらしい。
>というかね、それが普通だった。
>それ以外は、森なり湖なりでひっそりと隠れ住んでいた。
>まあ、今の十倍はいたかな。
>人間じゃない存在。
>とにかく、私はクロイツから、いろいろな事を学んだ。
>人間が歩んだ歴史。文化。礼儀作法。剣術。魔法・・・・・・。

別に、『住む事を許される』とか、『国を守る』目的なんてのは、実は瑣末な問題なんじゃなかろうか…

人は自分に無い物に対する、憧れと畏れを合理化する為に、あえて自分と相手に決定的な隔たりを作る…

天使も悪魔も、唯違うのは憧れと畏れの感情のどっちを選んだか…
それだけなんだろう…

クロイツさんは人間じゃないから、恐らく教える事は無かったんだろうが…
別に、今も状況は変わっていない。

人じゃない物が減った代わりに、人の内に潜む『悪魔』はどんどんその数を増している…

誰でも、心に悪魔の影を宿す事に気付かなければ、何も問題は解決しないまま、過ちは繰り返される事になる…

俺は、自分の悪魔に打ち勝ち、俺の関わる人の手助けがほんのちょっとだけ出切る事の為に生きている訳だしな…

クロイツさんの守りたかった物を、俺も心に刻み付ける事にする…

>旅芸人のままじゃ、学べないような事ばかりだった。
>14歳のときかな。
>その前から言っていたけど、十四歳の誕生日の日に、私はクロイツの仲間になった。
>・・・・平たく言うなら、彼の血を飲んだ。
>嬉しかったね。
>これで、彼と一緒に歩んでいけるって。

契りを交わすって言うのは、相手を自分と同じ存在として、その全てを受け入れる事だ。

そこに、自分に対する愛情と、相手に対する愛情が同じだけの量が無いと成立しない。

自由、自分、自己の存在…

全てを引き換えにしても構わないと思って得る物…

俺は、まだ心を閉ざしているのかもな…

>でもね、それはその数週間後に終わった。
>奇しくもそれは、クロイツと盟約を結んでいた領主が死んで、その息子が後を継いだことから始まる。
>数日後。
>城に火がつられた。
>火は、ドンドン燃え広がって、全てを飲み込んでいった。
>いっしょにお茶をした中庭も、私の部屋も・・・・・・全部。
>『ジュリ、逃げなさい。』
>『クロイツは?』
>『後から、行きます。』
>『うん、待ってる。
> 待っているから、絶対に来てね。』
>その時、本当は、分かっていたのかも知れない。
>クロイツに二度と会えないこと。
>彼も分かっていたのかも知れない。
>最後に、私に、私の11歳の時の誕生日にくれた青の宝石箱と・・・・その中に彼の最後の言葉が書かれていた。
>私は、その後・・・・・・

一度預けた物が、返って来たんだろうか…
大事な人を失った事を詳細に語れる時は…

きっと、もうその時間が自分の中で死んでしまった事を意味するのかも知れない…

唯、その代わり返してもらった物をまた新しく捧げてもいい人に会った時、例え同じ運命を辿っても、覆す事は出切る…

「私は、その後・・・」
>「樹里さん。」
>「ん?
> どうした?」
>「涙、拭いてください」
>樹里は、静かに涙していた。
>焦点の合わぬ・・・光を映さないそのルビ−の瞳から、雫を流していた。
>詠太郎は、彼女にハンカチを差し出した。
>「・・・・・・まだ、納得できていないらしい。
> もう八百年経つのに・・・・・」
>「・・・・・コ−ヒ−でも淹れてきます。」
>「すまん。」
>樹里は、詠太郎から受け取ったハンカチで涙を拭いながら、ただ座っていた。

いや、俺もこういうのには弱いし…

納得する必要なんか無いよ。
答えが出ても、事実は変わらないし、事実をひとくくりにする為の『答え』に俺は大した価値なんか感じない…

ずっと、『生きている時間』を感じてたいと思ってもいいと思うから…

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32218・・・・・・お前は似ているよ。(感傷的な科白多し)十叶夕海 2006/1/22 20:20:34
記事番号32217へのコメント


>>「ごちそう様、詠太郎。」
>>そうして、食事後、事務所に戻った樹梨と詠太郎。
>>「・・・・・・・(後一週間生き残れるかなぁ)。」
>>「じゃ、話しましょうか。
>> ・・・・・聞いてる?」
>>「はい。」
>>「じゃあ、いくわね。
>> 私が覚えている一番古い記憶は・・・・・・・・――」
>
>……色んな意味でね……
>俺の財布の底が尽きて、ミイラになってるのを発見されるのが先か…
>うっかり精気を吸われすぎて、ミイラになってるのを発見されるのが先か…
>
>……いや、一番疑問なのは、今この場でこんな考えを打ち込んでいる俺自身なんだが……
>
>ま、そんな微妙な心配よりも、要点のチェックに入るか。

ま、一応『給料日前』で金がないのはしってるよ。
ただね、あまり思い出したくない事柄を思い出した後は、一人で経口の人間の食事をとるのは、とても・・・・・淋しい

>
>>一番古い記憶は、両親と一緒にいた頃のもの。
>>私は、旅芸人の一座の座長の娘だった。
>>国から国へ、大変だったけど、楽しかった。
>>私が次に覚えている古い記憶は、誰かに追われて、何かに追われて、雪野原を書き分け進んでいる所。
>>クロイツ・・・その時を失った私を拾ってくれた奴・・・によると、私は、隣りの隣りの国の人間に追われていたらしい。
>>結局、十歳のガキの足と体力じゃ、野垂れ死にだっただろう。
>>そう、私は寒さと疲労で、雪野原の途中でぶっ倒れてしまった。
>>そんな時に、クロイツに拾われたらしい。
>>・・・・らしいと言うのは、彼の居城の近くに倒れていたのを彼が拾ったと後から教えてもらった。
>
>裕福な家庭に生まれ、その中でずっと『何不自由なく』生きて来た俺から見たら、
>『不幸な境遇』だったとも言えるし、ひょっとしたら、それと同じくらい心の奥底では、俺の境遇では絶対に経験出来ない『幸せな暮らし』だったと羨ましく思ってるのかも知れない…

そんなものな、自分の感情次第だよ。
私にしてみたら、あのこと以外幸せだったし。

>
>追ってきた奴の事は…
>いや、ここではあまり意味の無い事か…一旦保留しとこう。
>

うん、一応の決着というか、そんなのは次回だね。
ま・・・・復讐相手でもあるかな。

>似てる…って言われたな…俺はこのクロイツと言う人に…
>
>似てる…のか?
>俺はこの人みたいな、勇気も頼り甲斐も無い、唯のボンボンの生まれの甘さの抜けきらない牧師(後、こう言う副業をしている…)だぜ?
>
>しかし、この人が樹里さんを助けた時、この人の胸には何があったんだろうな…

似ているよ、お前は。
たしかに、騒がしいし、抜けてるし、甘いし。
どうしようもないけどな、一緒にいて安心できるところが特に似ている。
クロイツが、何が目的あれ、拾ってくれて、本当に嬉しかった。

>
>>それから、私は、クロイツに育てられた、彼の娘のようにな。
>
>きっと、人は血の繋がらない人間を愛する力があるんだろう…
>いや、むしろ俺の後で派kk利あいた『妹』…いや、やはりこんな呼び方には抵抗があるな…

『派kk利あいた』?
外見上は、悔しいが妹だな。
死んだお前の妹がこれくらいだったしな。

>
>唯、後で俺の血縁だった事実も含めると、血よりも強い、人を繋げる見えない力があるのかも知れない…
>
>『運命』と言う少し手垢の付いた言葉を使うにしても、
>それが最初から定められた物なのか…
>その定められた物を覆して手にした物なのか…

半分は覆せただろう。
半分は・・・師匠が助けてくれたからな。

>
>>彼から聞いた話になるが、その頃でも、『住ませてもらう代わりに、その国を守る』という形で、共存していたらしい。
>>というかね、それが普通だった。
>>それ以外は、森なり湖なりでひっそりと隠れ住んでいた。
>>まあ、今の十倍はいたかな。
>>人間じゃない存在。
>>とにかく、私はクロイツから、いろいろな事を学んだ。
>>人間が歩んだ歴史。文化。礼儀作法。剣術。魔法・・・・・・。
>
>別に、『住む事を許される』とか、『国を守る』目的なんてのは、実は瑣末な問題なんじゃなかろうか…
>
>人は自分に無い物に対する、憧れと畏れを合理化する為に、あえて自分と相手に決定的な隔たりを作る…
>
>天使も悪魔も、唯違うのは憧れと畏れの感情のどっちを選んだか…
>それだけなんだろう…
>
>クロイツさんは人間じゃないから、恐らく教える事は無かったんだろうが…
>別に、今も状況は変わっていない。
>
>人じゃない物が減った代わりに、人の内に潜む『悪魔』はどんどんその数を増している…
>
>誰でも、心に悪魔の影を宿す事に気付かなければ、何も問題は解決しないまま、過ちは繰り返される事になる…
>
>俺は、自分の悪魔に打ち勝ち、俺の関わる人の手助けがほんのちょっとだけ出切る事の為に生きている訳だしな…
>
>クロイツさんの守りたかった物を、俺も心に刻み付ける事にする…
>

確かにね。
まあ、そうしてもらえたら、嬉しい。

>>旅芸人のままじゃ、学べないような事ばかりだった。
>>14歳のときかな。
>>その前から言っていたけど、十四歳の誕生日の日に、私はクロイツの仲間になった。
>>・・・・平たく言うなら、彼の血を飲んだ。
>>嬉しかったね。
>>これで、彼と一緒に歩んでいけるって。
>
>契りを交わすって言うのは、相手を自分と同じ存在として、その全てを受け入れる事だ。
>
>そこに、自分に対する愛情と、相手に対する愛情が同じだけの量が無いと成立しない。
>
>自由、自分、自己の存在…
>
>全てを引き換えにしても構わないと思って得る物…
>
>俺は、まだ心を閉ざしているのかもな…

うん、彼は、『まだ早い』テ言ってたけどね。
でもね、『自由』は、まだ引換えにしていない。
私は、今自由だ。


>
>>でもね、それはその数週間後に終わった。
>>奇しくもそれは、クロイツと盟約を結んでいた領主が死んで、その息子が後を継いだことから始まる。
>>数日後。
>>城に火がつられた。
>>火は、ドンドン燃え広がって、全てを飲み込んでいった。
>>いっしょにお茶をした中庭も、私の部屋も・・・・・・全部。
>>『ジュリ、逃げなさい。』
>>『クロイツは?』
>>『後から、行きます。』
>>『うん、待ってる。
>> 待っているから、絶対に来てね。』
>>その時、本当は、分かっていたのかも知れない。
>>クロイツに二度と会えないこと。
>>彼も分かっていたのかも知れない。
>>最後に、私に、私の11歳の時の誕生日にくれた青の宝石箱と・・・・その中に彼の最後の言葉が書かれていた。
>>私は、その後・・・・・・
>
>一度預けた物が、返って来たんだろうか…
>大事な人を失った事を詳細に語れる時は…
>
>きっと、もうその時間が自分の中で死んでしまった事を意味するのかも知れない…
>
>唯、その代わり返してもらった物をまた新しく捧げてもいい人に会った時、例え同じ運命を辿っても、覆す事は出切る…

中身は、次回で少し明かす。

・・そうだな。
まあ、覚えていれば、クロイツは生きているよ。

>
>「私は、その後・・・」
>>「樹里さん。」
>>「ん?
>> どうした?」
>>「涙、拭いてください」
>>樹里は、静かに涙していた。
>>焦点の合わぬ・・・光を映さないそのルビ−の瞳から、雫を流していた。
>>詠太郎は、彼女にハンカチを差し出した。
>>「・・・・・・まだ、納得できていないらしい。
>> もう八百年経つのに・・・・・」
>>「・・・・・コ−ヒ−でも淹れてきます。」
>>「すまん。」
>>樹里は、詠太郎から受け取ったハンカチで涙を拭いながら、ただ座っていた。
>
>いや、俺もこういうのには弱いし…
>
>納得する必要なんか無いよ。
>答えが出ても、事実は変わらないし、事実をひとくくりにする為の『答え』に俺は大した価値なんか感じない…
>
>ずっと、『生きている時間』を感じてたいと思ってもいいと思うから…

・・・・ありがとう。
此処には、それ以上コメントしない。
すると、泣き出したくなるから。



じゃ、次回な。

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32230光への憧憬+どうか忘れないで+  4十叶夕海 2006/2/3 23:08:44
記事番号32193へのコメント




      3  ただいま地獄の修行中





「・・・・・・・ありがと。」
樹里は、コ−ヒ―を淹れてくれた詠太郎に対し、ややそっぽを向きながら、顔を赤くして、そう言った。
(・・・・・やっぱり、まだちゃんと向き合えそうに無いな。
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・次のエピソ―ドって、確か・・・・。)
「・・・・・次のエピソ−ドは、お師匠様?」
「お師匠様って、誰?」
「本名じゃないのは、確かだけど、通称『鮮血微笑のサラ』・・・・。
 一応、あの業界でも、有名だから、知っているだろう、詠太郎?」
「ええまあ、一応は。
 出版業界でも、有名だしね。」
「・・・そっちじゃないんだが。
 ・・・・・ま、話すか。」




火に包まれた城を出て、一昼夜。
距離にして、百キロほど歩いたときのことだ。
そのときには、私が最後に家族と別れた国まで戻っていた。
大きな交易都市か、王都か、栄えている都市だったね。
ちょうど、季節も、新年で、人が溢れていたね。
でも、人が多いって事は、その分警備をする兵士も多いってことだ。
そう、四年ほど前に、私を追跡していた兵士もいたわけだ。
それで、連れてかれそうになった時、馬車・・・・・・高級そうなものだった・・・・から、声を掛けられたのさ。
「ちょいと待ちなさいな。
 その子の身柄、女伯爵、このサラディナ―サ様が預かるわ。」
「しかし、サラディン様・・・・・」
「サラディナ―サよ。
此処で断れば、この国を出て、敵国に力を貸すのも面白そうね。」
「・・・・・・・・・わかりました。」
「お嬢ちゃん・・・ああと、ジュリだったわね、お乗りなさいな。」
助けてもらったことも驚いたけど、馬車に乗ってさらに驚いた。
髪は、真紅色を盛大に天然パ−マが掛かり、瞳は、開いている方は蒼穹の青。
開いている方というのは、片方は、黒革の眼帯で隠されていたからだ。
そして、服装も欧州風ではなく、どこかエキゾチックな雰囲気のムスリム風だった。
ただし、胸は不自然であったが。
「城下の屋敷へ。」
馬車の主は、そう従僕に申し付け、私に向き直った。
そして、馬車は、走り出す。
「初めまして。
 私は、サラディナ−サ=クレフォルム。
 一応、この国を守る代わりに、住まさせられてる。
 ≪古き血統の吸血鬼(オ―ルドブラッド・ノ―ライフ)≫
一応、これでも、千年と少しは生きているわ。」
「あ、ジュリっていいます。」
「知ってるわ、クロイツから聞いていたわ。」
「・・・・・・・・・」
でも、そのクロイツはもういない。
あの時の炎によって潰え逝くの城に消えた。
「一昨日の晩、人間に狩られたようね。
 ・・・・・ジュリ、アイツの最後の手紙には、『ジュリを仲間にする』ってあったけれど、
どうなの?
 吸血鬼でも、まだ人間でも育ててあげるわ、独り立ちできるまで。」
「・・・一応、吸血鬼です。
 クロイツが、『親』が、日光に強い性質でしたので。
 光には、まだ耐性があります。」
「そっか。
 ・・・・・・ま、私の修行は厳しいから覚悟しなよ。
 この国も、そうそう持たないだろうし。」
こうして、私は、サラに拾われた。
それから、数十年は、修行の毎日だったよ。
弱点への克服・相手の魅了の仕方・体術・攻撃魔術・・・他にもいろいろなことを学んだ。
・・・具体的に?
それだけは、勘弁してくれ。
理由はな、修行は苛烈でな、今でも怖いくらいだ。
最近の漫画で言うところの『鋼の錬金術師』の『イズミ=カ―ティス』のようなものだ。
そして、その修行の最終試験に、使い魔を創ったんだ。
「ご主人様。
 おはようございます。・・・・と言った所かね?」
ソイツは、当時の服装は、魔道士風の服装だったね。
いかにも、動きずらそうなぞろりとした感じの。
全体の雰囲気は、深い闇を象にしてどろりとした雰囲気だった。
髪も、闇を絃にして紡いで束ねたような肩までの不揃いな髪、深淵の漆黒の闇を覗き込んだような黒に限り無く近い深い藍色の瞳。
それに、ロイド眼鏡の青年と言っていいほどの外見で、常態で笑顔だった。。
しかし、青年と言う言葉はにあわなかったが。
身長も、私より高い175センチ前後。
「ええ。」
「じゃ、名前つけてあげなさい。」
「師匠、何語でもいいですけど、『神様の影』ってなんていいます?」
「そうだね。
 イングランドの方だと、ゴッドシャドウ。
 大和語だと、神影(ジンエイ)だね。」
「じゃあ、普段はシャドウ。
 でも、私だけは、神影と呼ぶ。」
「じゃ、よろしく。
 と言った所だね、マイマスタ−。」
・・・・・・・結局、私はシャドウを初めとして、都合四人の使い魔を持っているけどね。
自分から、進んで創ったのは、この一人だけだ。
残りの三人は、元々人間だよ。





「・・・・・・残りの3人は、元々人間だよ。」
「・・・ちょっと待って、ジュリさん。
 シャドウって、あの時の幻十朗君?
 それに、使い魔が元々人間って?」
「・・・・今度は、お前が落ち着け。」
やっぱり、詠太郎はパニックを起こしていた。
それもそうだろう。
一年半前のあの事件の時の幻十朗が、ジュリの使い魔であるのに加え、他の3人は、人間だったとは。
「・・・・・・言って、置くが強制的に使い魔にしたわけじゃない。」
「そりゃ、そうだろうけど。」
「・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
 何処の国かは、忘れたが。
 それが、師匠の所をでて、30年ほど経っていたな。」
「ふむふむ」
そうして、再び続きは語られる。











―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+

ちょっと、性別不詳のおにね―さんと陰気で妖しいお兄さんが出てまいりました。




ともあれ、此処で解説。
タイトルのは、『光への憧憬+どうか忘れないで+』は、『ひかりへのどうけい+どうかわすれないで+』と読みます。
『憧憬』は、『しょうけい』とも読みますが。
アコガレとか、そんな意味合いの言葉です。



どんどん、時代が下っていきます。
最後には、皆さんもよく知る時代にもいくかも!?


では、また次回。


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32231Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  4氷室 相良 2006/2/4 15:28:27
記事番号32230へのコメント

こんにちは。
早速レス行きます。

>「・・・・・・・ありがと。」
>樹里は、コ−ヒ―を淹れてくれた詠太郎に対し、ややそっぽを向きながら、顔を赤くして、そう言った。
>(・・・・・やっぱり、まだちゃんと向き合えそうに無いな。
> ・・・・・・・・・・・・・・・・・次のエピソ―ドって、確か・・・・。)
>「・・・・・次のエピソ−ドは、お師匠様?」
>「お師匠様って、誰?」
>「本名じゃないのは、確かだけど、通称『鮮血微笑のサラ』・・・・。
> 一応、あの業界でも、有名だから、知っているだろう、詠太郎?」
>「ええまあ、一応は。
> 出版業界でも、有名だしね。」
>「・・・そっちじゃないんだが。
> ・・・・・ま、話すか。」
 次ってことは…まだまだエピソードあるんですね。
 業界とは…裏業界?出版業界でも有名とは…いったい何者なんでしょうか。ちゃんとした戸籍とかとは別の意味で。

>火に包まれた城を出て、一昼夜。
>距離にして、百キロほど歩いたときのことだ。
>そのときには、私が最後に家族と別れた国まで戻っていた。
>大きな交易都市か、王都か、栄えている都市だったね。
>ちょうど、季節も、新年で、人が溢れていたね。
>でも、人が多いって事は、その分警備をする兵士も多いってことだ。
>そう、四年ほど前に、私を追跡していた兵士もいたわけだ。
>それで、連れてかれそうになった時、馬車・・・・・・高級そうなものだった・・・・から、声を掛けられたのさ。
>「ちょいと待ちなさいな。
> その子の身柄、女伯爵、このサラディナ―サ様が預かるわ。」
>「しかし、サラディン様・・・・・」
>「サラディナ―サよ。
>此処で断れば、この国を出て、敵国に力を貸すのも面白そうね。」
>「・・・・・・・・・わかりました。」
>「お嬢ちゃん・・・ああと、ジュリだったわね、お乗りなさいな。」
>助けてもらったことも驚いたけど、馬車に乗ってさらに驚いた。
>髪は、真紅色を盛大に天然パ−マが掛かり、瞳は、開いている方は蒼穹の青。
>開いている方というのは、片方は、黒革の眼帯で隠されていたからだ。
>そして、服装も欧州風ではなく、どこかエキゾチックな雰囲気のムスリム風だった。
>ただし、胸は不自然であったが。
>「城下の屋敷へ。」
>馬車の主は、そう従僕に申し付け、私に向き直った。
>そして、馬車は、走り出す。
>「初めまして。
> 私は、サラディナ−サ=クレフォルム。
> 一応、この国を守る代わりに、住まさせられてる。
> ≪古き血統の吸血鬼(オ―ルドブラッド・ノ―ライフ)≫
>一応、これでも、千年と少しは生きているわ。」
>「あ、ジュリっていいます。」
>「知ってるわ、クロイツから聞いていたわ。」
>「・・・・・・・・・」
>でも、そのクロイツはもういない。
>あの時の炎によって潰え逝くの城に消えた。
 サラディンとは愛称なのでしょうか。
 …城に消え、炎と共に過ぎ去った彼の人の事を思い出しているんですね…。

>「一昨日の晩、人間に狩られたようね。
> ・・・・・ジュリ、アイツの最後の手紙には、『ジュリを仲間にする』ってあったけれど、
>どうなの?
> 吸血鬼でも、まだ人間でも育ててあげるわ、独り立ちできるまで。」
>「・・・一応、吸血鬼です。
> クロイツが、『親』が、日光に強い性質でしたので。
> 光には、まだ耐性があります。」
>「そっか。
> ・・・・・・ま、私の修行は厳しいから覚悟しなよ。
> この国も、そうそう持たないだろうし。」
>こうして、私は、サラに拾われた。
>それから、数十年は、修行の毎日だったよ。
>弱点への克服・相手の魅了の仕方・体術・攻撃魔術・・・他にもいろいろなことを学んだ。
>・・・具体的に?
>それだけは、勘弁してくれ。
>理由はな、修行は苛烈でな、今でも怖いくらいだ。
>最近の漫画で言うところの『鋼の錬金術師』の『イズミ=カ―ティス』のようなものだ。
 日光に強い性質の吸血鬼がいると言うことは、他の性質を持った吸血鬼もいるのでしょうか。大蒜が平気(ちょっと違う気も)、十字架に触っても大丈夫(これも違うような…)といった類のものですかねぇ。…まぁ、全部が全部本当とは限らないのが吸血鬼の伝説なのですが。
 『鋼の錬金術師』の「イズミ=カーティス」とは…。分かる人にはわかりやすい説明をどうも。
 つまり…何というか…サラさんってすごい人なんですね。(いろんな意味で)

>「・・・・・・残りの3人は、元々人間だよ。」
>「・・・ちょっと待って、ジュリさん。
> シャドウって、あの時の幻十朗君?
> それに、使い魔が元々人間って?」
>「・・・・今度は、お前が落ち着け。」
>やっぱり、詠太郎はパニックを起こしていた。
>それもそうだろう。
>一年半前のあの事件の時の幻十朗が、ジュリの使い魔であるのに加え、他の3人は、人間だったとは。
>「・・・・・・言って、置くが強制的に使い魔にしたわけじゃない。」
>「そりゃ、そうだろうけど。」
>「・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
> 何処の国かは、忘れたが。
> それが、師匠の所をでて、30年ほど経っていたな。」
>「ふむふむ」
>そうして、再び続きは語られる。
 人間の使い魔とは…強制ではないなら、その人は自らの意志で使い魔となったんですか。…仕える側に絶対的な信頼を置いているんですね。
 別の考え方もあると思いますが。  私はそう思いました。
 …次のエピソードはなんでしょうか。

>ともあれ、此処で解説。
>タイトルのは、『光への憧憬+どうか忘れないで+』は、『ひかりへのどうけい+どうかわすれないで+』と読みます。
>『憧憬』は、『しょうけい』とも読みますが。
>アコガレとか、そんな意味合いの言葉です。
 どうけいでしたか…「ひかりへのどうきょう」と読んでました…。
 憧れとかの意味合いの言葉ですか。成る程。

>どんどん、時代が下っていきます。
>最後には、皆さんもよく知る時代にもいくかも!?
 よく知る時代…?もしかして、フランス革命とかですか?私は詳しくないんですけど、母が「ベルばら」が好きでそうゆうことをよく知ってるんですよ。
 ま、当てずっぽうなんですけどね。

>では、また次回。
 はい。次回も楽しみにしてます。

それでは。












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32232忘れるなんて、ひどいわ〜、相良ちゃん(BY サラ)十叶夕海 2006/2/4 18:53:12
記事番号32231へのコメント


>こんにちは。
>早速レス行きます。

こんにちわ。
久遠:こんにちは。
   相良ちゃん、久遠よ。

>
>>「・・・・・・・ありがと。」
>>樹里は、コ−ヒ―を淹れてくれた詠太郎に対し、ややそっぽを向きながら、顔を赤くして、そう言った。
>>(・・・・・やっぱり、まだちゃんと向き合えそうに無いな。
>> ・・・・・・・・・・・・・・・・・次のエピソ―ドって、確か・・・・。)
>>「・・・・・次のエピソ−ドは、お師匠様?」
>>「お師匠様って、誰?」
>>「本名じゃないのは、確かだけど、通称『鮮血微笑のサラ』・・・・。
>> 一応、あの業界でも、有名だから、知っているだろう、詠太郎?」
>>「ええまあ、一応は。
>> 出版業界でも、有名だしね。」
>>「・・・そっちじゃないんだが。
>> ・・・・・ま、話すか。」
> 次ってことは…まだまだエピソードあるんですね。
> 業界とは…裏業界?出版業界でも有名とは…いったい何者なんでしょうか。ちゃんとした戸籍とかとは別の意味で。

そうですね。
おもに、残り三人の生きていた頃のエピソ―ドが中心ですね
久遠;出版業界としては、吸血鬼の代名詞として。
   もう一つの方は、狩るべき存在としてね。
   もう一つの方だと、私も狩られるほうね。
   怖いわぁ
長生きな上に、男が何を・・・。

>
>>火に包まれた城を出て、一昼夜。
>>距離にして、百キロほど歩いたときのことだ。
>>そのときには、私が最後に家族と別れた国まで戻っていた。
>>大きな交易都市か、王都か、栄えている都市だったね。
>>ちょうど、季節も、新年で、人が溢れていたね。
>>でも、人が多いって事は、その分警備をする兵士も多いってことだ。
>>そう、四年ほど前に、私を追跡していた兵士もいたわけだ。
>>それで、連れてかれそうになった時、馬車・・・・・・高級そうなものだった・・・・から、声を掛けられたのさ。
>>「ちょいと待ちなさいな。
>> その子の身柄、女伯爵、このサラディナ―サ様が預かるわ。」
>>「しかし、サラディン様・・・・・」
>>「サラディナ―サよ。
>>此処で断れば、この国を出て、敵国に力を貸すのも面白そうね。」
>>「・・・・・・・・・わかりました。」
>>「お嬢ちゃん・・・ああと、ジュリだったわね、お乗りなさいな。」
>>助けてもらったことも驚いたけど、馬車に乗ってさらに驚いた。
>>髪は、真紅色を盛大に天然パ−マが掛かり、瞳は、開いている方は蒼穹の青。
>>開いている方というのは、片方は、黒革の眼帯で隠されていたからだ。
>>そして、服装も欧州風ではなく、どこかエキゾチックな雰囲気のムスリム風だった。
>>ただし、胸は不自然であったが。
>>「城下の屋敷へ。」
>>馬車の主は、そう従僕に申し付け、私に向き直った。
>>そして、馬車は、走り出す。
>>「初めまして。
>> 私は、サラディナ−サ=クレフォルム。
>> 一応、この国を守る代わりに、住まさせられてる。
>> ≪古き血統の吸血鬼(オ―ルドブラッド・ノ―ライフ)≫
>>一応、これでも、千年と少しは生きているわ。」
>>「あ、ジュリっていいます。」
>>「知ってるわ、クロイツから聞いていたわ。」
>>「・・・・・・・・・」
>>でも、そのクロイツはもういない。
>>あの時の炎によって潰え逝くの城に消えた。
> サラディンとは愛称なのでしょうか。
> …城に消え、炎と共に過ぎ去った彼の人の事を思い出しているんですね…。

サラディンが本名です。
久遠;そして、『彼』が、この話版の私よ。
   まあ、ジュリちゃんにとって、『彼』・・・サラちゃんは、お母さん役ね。
まだ、数日前の出来事ですから。

>
>>「一昨日の晩、人間に狩られたようね。
>> ・・・・・ジュリ、アイツの最後の手紙には、『ジュリを仲間にする』ってあったけれど、
>>どうなの?
>> 吸血鬼でも、まだ人間でも育ててあげるわ、独り立ちできるまで。」
>>「・・・一応、吸血鬼です。
>> クロイツが、『親』が、日光に強い性質でしたので。
>> 光には、まだ耐性があります。」
>>「そっか。
>> ・・・・・・ま、私の修行は厳しいから覚悟しなよ。
>> この国も、そうそう持たないだろうし。」
>>こうして、私は、サラに拾われた。
>>それから、数十年は、修行の毎日だったよ。
>>弱点への克服・相手の魅了の仕方・体術・攻撃魔術・・・他にもいろいろなことを学んだ。
>>・・・具体的に?
>>それだけは、勘弁してくれ。
>>理由はな、修行は苛烈でな、今でも怖いくらいだ。
>>最近の漫画で言うところの『鋼の錬金術師』の『イズミ=カ―ティス』のようなものだ。
> 日光に強い性質の吸血鬼がいると言うことは、他の性質を持った吸血鬼もいるのでしょうか。大蒜が平気(ちょっと違う気も)、十字架に触っても大丈夫(これも違うような…)といった類のものですかねぇ。…まぁ、全部が全部本当とは限らないのが吸血鬼の伝説なのですが。

ある程度、本物だと『視』えるモノ以外こう言う系統では使いませんので。
基本的に、人間が言うように、弱点を全部の吸血鬼が全部持っているわけじゃないのです。


> 『鋼の錬金術師』の「イズミ=カーティス」とは…。分かる人にはわかりやすい説明をどうも。
> つまり…何というか…サラさんってすごい人なんですね。(いろんな意味で)

基本的に、奇抜な服装好きですし、オカマですし、両刀ですし。(久遠を見ながら)
久遠;そうね、結構強いみたい。(視線を無視して)

>
>>「・・・・・・残りの3人は、元々人間だよ。」
>>「・・・ちょっと待って、ジュリさん。
>> シャドウって、あの時の幻十朗君?
>> それに、使い魔が元々人間って?」
>>「・・・・今度は、お前が落ち着け。」
>>やっぱり、詠太郎はパニックを起こしていた。
>>それもそうだろう。
>>一年半前のあの事件の時の幻十朗が、ジュリの使い魔であるのに加え、他の3人は、人間だったとは。
>>「・・・・・・言って、置くが強制的に使い魔にしたわけじゃない。」
>>「そりゃ、そうだろうけど。」
>>「・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>> 何処の国かは、忘れたが。
>> それが、師匠の所をでて、30年ほど経っていたな。」
>>「ふむふむ」
>>そうして、再び続きは語られる。
> 人間の使い魔とは…強制ではないなら、その人は自らの意志で使い魔となったんですか。…仕える側に絶対的な信頼を置いているんですね。
> 別の考え方もあると思いますが。  私はそう思いました。
> …次のエピソードはなんでしょうか。

信頼って、言う格式張ったものってよりは、ジュリを好きだから。
久遠;そうよね、好きだから、使い魔としてでも側に居たかったって言うのもアリよね。

>
>>ともあれ、此処で解説。
>>タイトルのは、『光への憧憬+どうか忘れないで+』は、『ひかりへのどうけい+どうかわすれないで+』と読みます。
>>『憧憬』は、『しょうけい』とも読みますが。
>>アコガレとか、そんな意味合いの言葉です。
> どうけいでしたか…「ひかりへのどうきょう」と読んでました…。
> 憧れとかの意味合いの言葉ですか。成る程。

憧れているんですよね。
久遠;でも、私や吸血鬼のような夜の者には、縁遠いものだしね。

>
>>どんどん、時代が下っていきます。
>>最後には、皆さんもよく知る時代にもいくかも!?
> よく知る時代…?もしかして、フランス革命とかですか?私は詳しくないんですけど、母が「ベルばら」が好きでそうゆうことをよく知ってるんですよ。
> ま、当てずっぽうなんですけどね。

次の次のエピソ−ドっすね。
久遠;時代はね。
   でも、そういう華やかさとは、少しはなれた場所よね。
そうですね。
私が、アラビアンナイトが好きなせいもありますが。

>
>>では、また次回。
> はい。次回も楽しみにしてます。
>
>それでは。
>

はい。次回は、約一週間後に。
久遠;バイバイ!!

>
>
>
>
>
>
>
>
>
>
>

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32233レポート(樹里さんの過去編。ここから、色々と初耳の事も多くなってくる。)月読 乾 2006/2/4 21:20:07
記事番号32230へのコメント

2月4日

 今思うと、話を始めた時はここまで長くなるとは思わなかったな…

こうして、レポートと言う形で内容を校正しているとつくづくそう思う…

最も、或いはやはり薄々感じていたのかもな…
長い時間を共有して、永い時を共有する事を。

いずれにせよ、ここから話は佳境に入っていく事になる訳だ…

>「・・・・・・・ありがと。」
>樹里は、コ−ヒ―を淹れてくれた詠太郎に対し、ややそっぽを向きながら、顔を赤くして、そう言った。
>(・・・・・やっぱり、まだちゃんと向き合えそうに無いな。
> ・・・・・・・・・・・・・・・・・次のエピソ―ドって、確か・・・・。)
>「・・・・・次のエピソ−ドは、お師匠様?」
>「お師匠様って、誰?」
>「本名じゃないのは、確かだけど、通称『鮮血微笑のサラ』・・・・。
> 一応、あの業界でも、有名だから、知っているだろう、詠太郎?」
>「ええまあ、一応は。
> 出版業界でも、有名だしね。」
>「・・・そっちじゃないんだが。
> ・・・・・ま、話すか。」

 今にして思うと、態度に輪を掛けてコーヒーの味の方まで不味かったかもな…
俺はコーヒーの味にうるさい癖に、自分ではインスタントもちゃんといれられない様な奴だ…
次までには、せめてコーヒーと紅茶の入れ方くらい本格的に練習しとくか。

後、つい知ってるって答えてしまったが、『鮮血のサラ』に限らず、正直この業界の『知っている。』は中身の真実度はほとんど信用でき無いし、あくまで一番レベルの低い知識程度の認識なんだが…


>火に包まれた城を出て、一昼夜。
>距離にして、百キロほど歩いたときのことだ。
>そのときには、私が最後に家族と別れた国まで戻っていた。
>大きな交易都市か、王都か、栄えている都市だったね。
>ちょうど、季節も、新年で、人が溢れていたね。
>でも、人が多いって事は、その分警備をする兵士も多いってことだ。
>そう、四年ほど前に、私を追跡していた兵士もいたわけだ。

息苦しい感じがしたんじゃないだろうか?って思う…

長い夜道を抜けて、また過去のキツイ思い出のある場所へ足を踏み入れる…

そいつは俺には実際の苦痛以上に、心に圧し掛かる恐怖と圧迫感と向き合わなきゃならない行為だ。

でも、変わってたんだよな…街は。

そして、変わらない…
良くも悪くも。

この場合、ヤナ奴に会っちまったってのがあるが…

>それで、連れてかれそうになった時、馬車・・・・・・高級そうなものだった・・・・から、声を掛けられたのさ。
>「ちょいと待ちなさいな。
> その子の身柄、女伯爵、このサラディナ―サ様が預かるわ。」
>「しかし、サラディン様・・・・・」
>「サラディナ―サよ。
>此処で断れば、この国を出て、敵国に力を貸すのも面白そうね。」
>「・・・・・・・・・わかりました。」
>「お嬢ちゃん・・・ああと、ジュリだったわね、お乗りなさいな。」
>助けてもらったことも驚いたけど、馬車に乗ってさらに驚いた。
>髪は、真紅色を盛大に天然パ−マが掛かり、瞳は、開いている方は蒼穹の青。
>開いている方というのは、片方は、黒革の眼帯で隠されていたからだ。
>そして、服装も欧州風ではなく、どこかエキゾチックな雰囲気のムスリム風だった。
>ただし、胸は不自然であったが。

何か、俺としては凄い苦手なタイプかも知れない…
ちょっと貴族の嫌な面を見てきたからかも知れないが…

俺も、末端…と言うレベルなら、一応貴族の血統を引いてる事になる訳だし。

>「城下の屋敷へ。」
>馬車の主は、そう従僕に申し付け、私に向き直った。
>そして、馬車は、走り出す。
>「初めまして。
> 私は、サラディナ−サ=クレフォルム。
> 一応、この国を守る代わりに、住まさせられてる。
> ≪古き血統の吸血鬼(オ―ルドブラッド・ノ―ライフ)≫
>一応、これでも、千年と少しは生きているわ。」
>「あ、ジュリっていいます。」
>「知ってるわ、クロイツから聞いていたわ。」
>「・・・・・・・・・」
>でも、そのクロイツはもういない。
>あの時の炎によって潰え逝くの城に消えた。
>「一昨日の晩、人間に狩られたようね。
> ・・・・・ジュリ、アイツの最後の手紙には、『ジュリを仲間にする』ってあったけれど、
>どうなの?
> 吸血鬼でも、まだ人間でも育ててあげるわ、独り立ちできるまで。」
>「・・・一応、吸血鬼です。
> クロイツが、『親』が、日光に強い性質でしたので。
> 光には、まだ耐性があります。」
>「そっか。
> ・・・・・・ま、私の修行は厳しいから覚悟しなよ。
> この国も、そうそう持たないだろうし。」
>こうして、私は、サラに拾われた。
>それから、数十年は、修行の毎日だったよ。
>弱点への克服・相手の魅了の仕方・体術・攻撃魔術・・・他にもいろいろなことを学んだ。

この人の場合、吸血鬼になる事に、どう言う経緯があったんだろうな…
苦手そうなタイプとは言え、そこは気になる。

最も、吸血鬼になる前から既に結構な性格だった事は確かな気もするんだが…
に、しても吸血鬼になる事と教えてくれた幾つものスキルをマスターする事は、当然イコールでは無い筈だよな?

そう考えると、結構凄い人ではあるんだろう…

でも、やっぱり俺は出来れば師事したいと思わないが…

>最近の漫画で言うところの『鋼の錬金術師』の『イズミ=カ―ティス』のようなものだ。
>そして、その修行の最終試験に、使い魔を創ったんだ。
>「ご主人様。
> おはようございます。・・・・と言った所かね?」
>ソイツは、当時の服装は、魔道士風の服装だったね。
>いかにも、動きずらそうなぞろりとした感じの。
>全体の雰囲気は、深い闇を象にしてどろりとした雰囲気だった。
>髪も、闇を絃にして紡いで束ねたような肩までの不揃いな髪、深淵の漆黒の闇を覗き込んだような黒に限り無く近い深い藍色の瞳。
>それに、ロイド眼鏡の青年と言っていいほどの外見で、常態で笑顔だった。。
>しかし、青年と言う言葉はにあわなかったが。
>身長も、私より高い175センチ前後。

昨日の電話での打ち合わせでも言ってたな。
どうも、こっちの(俗っぽい)感覚では、形式上はともかくぶっちゃけ仲の良い有人で子会社作って、一応上司と部下が、立場としては付いてる…みたいな物か?

私事だけど、身長はほとんど俺と同じか。

>「ええ。」
>「じゃ、名前つけてあげなさい。」
>「師匠、何語でもいいですけど、『神様の影』ってなんていいます?」
>「そうだね。
> イングランドの方だと、ゴッドシャドウ。
> 大和語だと、神影(ジンエイ)だね。」
>「じゃあ、普段はシャドウ。
> でも、私だけは、神影と呼ぶ。」
>「じゃ、よろしく。
> と言った所だね、マイマスタ−。」
>・・・・・・・結局、私はシャドウを初めとして、都合四人の使い魔を持っているけどね。
>自分から、進んで創ったのは、この一人だけだ。
>残りの三人は、元々人間だよ。

樹里さんには本当に悪いんだが、ここで俺が一番意外だったのは、大和語…
俺達の言う日本語を知ってたって事だった。

それも、俺達の居る時代には、ほとんど日常では使わない様な言葉だった訳だし…

まあ、さすがに神影なんて言われても、普通の英国人は混乱するだけだろうしな…(揚げ足取りっぽ言い方だが。)

>「・・・・・・残りの3人は、元々人間だよ。」
>「・・・ちょっと待って、ジュリさん。
> シャドウって、あの時の幻十朗君?
> それに、使い魔が元々人間って?」
>「・・・・今度は、お前が落ち着け。」
>やっぱり、詠太郎はパニックを起こしていた。
>それもそうだろう。
>一年半前のあの事件の時の幻十朗が、ジュリの使い魔であるのに加え、他の3人は、人間だったとは。
>「・・・・・・言って、置くが強制的に使い魔にしたわけじゃない。」
>「そりゃ、そうだろうけど。」
>「・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
> 何処の国かは、忘れたが。
> それが、師匠の所をでて、30年ほど経っていたな。」
>「ふむふむ」
>そうして、再び続きは語られる。

むしろ、この事を教えてもらった事で、俺は発想を逆転させて混乱する事になった。

使い魔が、基本的に元々人間だった者と、創り出された物で特にその存在そのものに違いが無いのなら、ちょっと知識と言う問題の他に、仲間内でもかなり溝が発生しそうな気がしたしな。

その事は、この後じっくり教えてもらうんだが…

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32234そう、ベラベラ話すようなことじゃないだろう?十叶夕海 2006/2/4 22:31:24
記事番号32233へのコメント


>2月4日
>
> 今思うと、話を始めた時はここまで長くなるとは思わなかったな…
>
>こうして、レポートと言う形で内容を校正しているとつくづくそう思う…

後何話になるわかららないな。
まあ、最低、使い魔の人数―1+その他で五話前後だな、最低。

>
>最も、或いはやはり薄々感じていたのかもな…
>長い時間を共有して、永い時を共有する事を。
>
>いずれにせよ、ここから話は佳境に入っていく事になる訳だ…

だな。
少なくとも、此処まで詳しいのも、師匠程度しか知らないだろう。

>
>>「・・・・・・・ありがと。」
>>樹里は、コ−ヒ―を淹れてくれた詠太郎に対し、ややそっぽを向きながら、顔を赤くして、そう言った。
>>(・・・・・やっぱり、まだちゃんと向き合えそうに無いな。
>> ・・・・・・・・・・・・・・・・・次のエピソ―ドって、確か・・・・。)
>>「・・・・・次のエピソ−ドは、お師匠様?」
>>「お師匠様って、誰?」
>>「本名じゃないのは、確かだけど、通称『鮮血微笑のサラ』・・・・。
>> 一応、あの業界でも、有名だから、知っているだろう、詠太郎?」
>>「ええまあ、一応は。
>> 出版業界でも、有名だしね。」
>>「・・・そっちじゃないんだが。
>> ・・・・・ま、話すか。」
>
> 今にして思うと、態度に輪を掛けてコーヒーの味の方まで不味かったかもな…
>俺はコーヒーの味にうるさい癖に、自分ではインスタントもちゃんといれられない様な奴だ…
>次までには、せめてコーヒーと紅茶の入れ方くらい本格的に練習しとくか。


少し、粉が多かったな。
せめて、インスタントとパックの入れ方は覚えておくといいだろう。

>
>後、つい知ってるって答えてしまったが、『鮮血のサラ』に限らず、正直この業界の『知っている。』は中身の真実度はほとんど信用でき無いし、あくまで一番レベルの低い知識程度の認識なんだが…
>

出版であれ、あの業界であれ、本当に大袈裟に伝わるからな。
それでも、吸血鬼は、姿を隠すことを好む分そういう噂も少ないからな。

>
>>火に包まれた城を出て、一昼夜。
>>距離にして、百キロほど歩いたときのことだ。
>>そのときには、私が最後に家族と別れた国まで戻っていた。
>>大きな交易都市か、王都か、栄えている都市だったね。
>>ちょうど、季節も、新年で、人が溢れていたね。
>>でも、人が多いって事は、その分警備をする兵士も多いってことだ。
>>そう、四年ほど前に、私を追跡していた兵士もいたわけだ。
>
>息苦しい感じがしたんじゃないだろうか?って思う…
>
>長い夜道を抜けて、また過去のキツイ思い出のある場所へ足を踏み入れる…
>
>そいつは俺には実際の苦痛以上に、心に圧し掛かる恐怖と圧迫感と向き合わなきゃならない行為だ。
>
>でも、変わってたんだよな…街は。
>
>そして、変わらない…
>良くも悪くも。
>
>この場合、ヤナ奴に会っちまったってのがあるが…

だな。
一応、分かれる原因になったとはいえ、最後の思い出なんだしな。
まあ、逆に、かわらなさ過ぎて、辛かったかも知れない。

>
>>それで、連れてかれそうになった時、馬車・・・・・・高級そうなものだった・・・・から、声を掛けられたのさ。
>>「ちょいと待ちなさいな。
>> その子の身柄、女伯爵、このサラディナ―サ様が預かるわ。」
>>「しかし、サラディン様・・・・・」
>>「サラディナ―サよ。
>>此処で断れば、この国を出て、敵国に力を貸すのも面白そうね。」
>>「・・・・・・・・・わかりました。」
>>「お嬢ちゃん・・・ああと、ジュリだったわね、お乗りなさいな。」
>>助けてもらったことも驚いたけど、馬車に乗ってさらに驚いた。
>>髪は、真紅色を盛大に天然パ−マが掛かり、瞳は、開いている方は蒼穹の青。
>>開いている方というのは、片方は、黒革の眼帯で隠されていたからだ。
>>そして、服装も欧州風ではなく、どこかエキゾチックな雰囲気のムスリム風だった。
>>ただし、胸は不自然であったが。
>
>何か、俺としては凄い苦手なタイプかも知れない…
>ちょっと貴族の嫌な面を見てきたからかも知れないが…
>
>俺も、末端…と言うレベルなら、一応貴族の血統を引いてる事になる訳だし。

ああ、こいつは、貴族でもなんでもない。
聞くに、数十年前にこの国に来て、縛り付ける為に、爵位を持たされて呪的に縛られているらしい。
まあ、一応、男で、オカマで、両刀で、吸血鬼のおにね―さんだ。

>
>>「城下の屋敷へ。」
>>馬車の主は、そう従僕に申し付け、私に向き直った。
>>そして、馬車は、走り出す。
>>「初めまして。
>> 私は、サラディナ−サ=クレフォルム。
>> 一応、この国を守る代わりに、住まさせられてる。
>> ≪古き血統の吸血鬼(オ―ルドブラッド・ノ―ライフ)≫
>>一応、これでも、千年と少しは生きているわ。」
>>「あ、ジュリっていいます。」
>>「知ってるわ、クロイツから聞いていたわ。」
>>「・・・・・・・・・」
>>でも、そのクロイツはもういない。
>>あの時の炎によって潰え逝くの城に消えた。
>>「一昨日の晩、人間に狩られたようね。
>> ・・・・・ジュリ、アイツの最後の手紙には、『ジュリを仲間にする』ってあったけれど、
>>どうなの?
>> 吸血鬼でも、まだ人間でも育ててあげるわ、独り立ちできるまで。」
>>「・・・一応、吸血鬼です。
>> クロイツが、『親』が、日光に強い性質でしたので。
>> 光には、まだ耐性があります。」
>>「そっか。
>> ・・・・・・ま、私の修行は厳しいから覚悟しなよ。
>> この国も、そうそう持たないだろうし。」
>>こうして、私は、サラに拾われた。
>>それから、数十年は、修行の毎日だったよ。
>>弱点への克服・相手の魅了の仕方・体術・攻撃魔術・・・他にもいろいろなことを学んだ。
>
>この人の場合、吸血鬼になる事に、どう言う経緯があったんだろうな…
>苦手そうなタイプとは言え、そこは気になる。

師匠は、話してくれないけど。
半分、嵌められてらしい・・・・・。

>
>最も、吸血鬼になる前から既に結構な性格だった事は確かな気もするんだが…
>に、しても吸血鬼になる事と教えてくれた幾つものスキルをマスターする事は、当然イコールでは無い筈だよな?
>
>そう考えると、結構凄い人ではあるんだろう…
>
>でも、やっぱり俺は出来れば師事したいと思わないが…

そうだね、あんな飛び抜けた人でも、時間の中での鍛錬が必要だったのだろう。
私の場合仕方ないと言う部分もあったしな。(遠い目)

>
>>最近の漫画で言うところの『鋼の錬金術師』の『イズミ=カ―ティス』のようなものだ。
>>そして、その修行の最終試験に、使い魔を創ったんだ。
>>「ご主人様。
>> おはようございます。・・・・と言った所かね?」
>>ソイツは、当時の服装は、魔道士風の服装だったね。
>>いかにも、動きずらそうなぞろりとした感じの。
>>全体の雰囲気は、深い闇を象にしてどろりとした雰囲気だった。
>>髪も、闇を絃にして紡いで束ねたような肩までの不揃いな髪、深淵の漆黒の闇を覗き込んだような黒に限り無く近い深い藍色の瞳。
>>それに、ロイド眼鏡の青年と言っていいほどの外見で、常態で笑顔だった。。
>>しかし、青年と言う言葉はにあわなかったが。
>>身長も、私より高い175センチ前後。
>
>昨日の電話での打ち合わせでも言ってたな。
>どうも、こっちの(俗っぽい)感覚では、形式上はともかくぶっちゃけ仲の良い有人で子会社作って、一応上司と部下が、立場としては付いてる…みたいな物か?
>
>私事だけど、身長はほとんど俺と同じか。

友人の部分を『同胞(はらから)』か『仲間』に換えればな。
少なくとも、同等だ。
私の場合、150あるかないかだもんな。


>
>>「ええ。」
>>「じゃ、名前つけてあげなさい。」
>>「師匠、何語でもいいですけど、『神様の影』ってなんていいます?」
>>「そうだね。
>> イングランドの方だと、ゴッドシャドウ。
>> 大和語だと、神影(ジンエイ)だね。」
>>「じゃあ、普段はシャドウ。
>> でも、私だけは、神影と呼ぶ。」
>>「じゃ、よろしく。
>> と言った所だね、マイマスタ−。」
>>・・・・・・・結局、私はシャドウを初めとして、都合四人の使い魔を持っているけどね。
>>自分から、進んで創ったのは、この一人だけだ。
>>残りの三人は、元々人間だよ。
>
>樹里さんには本当に悪いんだが、ここで俺が一番意外だったのは、大和語…
>俺達の言う日本語を知ってたって事だった。
>
>それも、俺達の居る時代には、ほとんど日常では使わない様な言葉だった訳だし…
>
>まあ、さすがに神影なんて言われても、普通の英国人は混乱するだけだろうしな…(揚げ足取りっぽ言い方だが。)

師匠は、平安時代前後・・・・所謂、『国風文化』が出来始めた頃から、のフリ―クだったしな。
当時の欧州人は、ギリギリ知るか知らないかの時代だもんな。


>
>>「・・・・・・残りの3人は、元々人間だよ。」
>>「・・・ちょっと待って、ジュリさん。
>> シャドウって、あの時の幻十朗君?
>> それに、使い魔が元々人間って?」
>>「・・・・今度は、お前が落ち着け。」
>>やっぱり、詠太郎はパニックを起こしていた。
>>それもそうだろう。
>>一年半前のあの事件の時の幻十朗が、ジュリの使い魔であるのに加え、他の3人は、人間だったとは。
>>「・・・・・・言って、置くが強制的に使い魔にしたわけじゃない。」
>>「そりゃ、そうだろうけど。」
>>「・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>> 何処の国かは、忘れたが。
>> それが、師匠の所をでて、30年ほど経っていたな。」
>>「ふむふむ」
>>そうして、再び続きは語られる。
>
>むしろ、この事を教えてもらった事で、俺は発想を逆転させて混乱する事になった。
>
>使い魔が、基本的に元々人間だった者と、創り出された物で特にその存在そのものに違いが無いのなら、ちょっと知識と言う問題の他に、仲間内でもかなり溝が発生しそうな気がしたしな。
>
>その事は、この後じっくり教えてもらうんだが…


微妙に、違いはあるし、溝もあった。
まあ、ソラ・・・吟遊詩人タイプの奴と神影が中がいいのは例外中の例外だ。

ま、その辺はまた次回以降だな。

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32249光への憧憬+どうか忘れないで+  5十叶夕海 2006/2/11 02:25:12
記事番号32193へのコメント



 5  白い吟遊詩人


「・・・・そろそろ、夜が明ける。
 カ―テンぐらい閉めたほうがいいのではないかね?」
と、いきなり、男性・・・さっき、話に出てきた神影が、そう声を掛けた。
話の中と違い、黒いぞろりとしたマントとス−ツに黒の紐タイ姿であったが。
「そうだね、ありがとう。
 ソラ達は?」
「ソラは、地下室にいる。
 他のは知らない。」
「わかった。」
そう言って、樹里は、カ―テンを閉めに、ソファを立ち、席を離れる。
完全に、背を向けた。
その瞬間、神影は、言葉を発した。
「・・・・君が、あの乾氏かね?」
「・・・っ?」
詠太郎は、理由もなくただ、怖かった。
あの稼業の時でも、殆ど感じたことがないようなそんな種類の薄ら寒さの明確な恐怖だった。
「こらっ、神影。
 脅かしちゃダメでしょ。
 過剰なプレッシャ―は、人間の心臓ぐらい止めるって、何回教えた?」
「はいはい。
 忠誠からくる嫉妬だと、何故考えない?」
「アンタに限って、それは無いね。
 ママの愛情欲しがるのなら、まだしも。」
「あの、彼があの神影・・・もといシャドウであり、神影幻十郎(かみかげ・げんじゅうろう)くん?」
「そうなるわ。」
「・・・・ソラの事話すのかね?」
「そう。」
「なら、同席させてもらおう。」
「じゃ、話すよ。」





・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
何処の国かは、忘れたが。
それが、師匠の所を出て、30年ほど経っていたな。
150歳近くになっていても、外見は子供だからね。
神影(じんえい)を大きな黒犬・・・・あえていうなら、ニュ−ファンドランドとカって言う犬をふた周りほど大きくした感じの黒犬に化けさせて、連れ歩いてた。
どんなに治安がいい街でも、やっぱり女子供を襲う下衆ってのはいてね。
私が、ソラと会ったのも、そんな場合、だったね。
「放してください!」
とか、言ってたの。
それで、気紛れに私は助けたんだ。
正確に言えば、神影をけしかけてだけどね。
「大丈夫、お兄さん?」
彼は、私の銀髪よりも、もっと薄い光沢の銀髪を腰より少し長く伸ばし、瞳は淡い琥珀のような色合いで、肌は陶器のようにすべらかで、完璧な美貌というものがあれば、こんな感じかな、と思わせる要望だった。
彼が着ていたのも、形は、多少珍しいとはいえ普通の吟遊詩人の服・・・ただ、裾が足をすっぽり覆っていた・・・・でも装飾も銀で纏められた真白な服は、どこか人ではないようなそんな雰囲気を覚えさせた。
私は、そんな彼に、外見にあわせた子供のような口調でそう声を掛けた。
「ありがとうございます。
 ・・ええと。」
「私は、マリアン。
 この子は、シャドウ。
 ・・・・・・お兄さんは?」
「貴方が知っている言葉で、『無い』と言う意味の言葉は?」
「・・・名前ないの?」
「ええ、神に、全てを捧げましたから。」
「・・・・・・じゃ、『ソラ』。
 師匠に教えてもらった、東の果ての言葉で、何も無い。を意味するから。」
「では、そう呼んでください。
 ・・・・マリアンは、一人で旅をしているのですか?」
「うん。」
「目的はありますか?」
「無いよ。」
「・・・・・私と一緒にきませんか?」
「いいよ。」
って言う具合に、決まった。
それから、いっしょに旅をした。
ソラは、私に何も聞かなかったし、私もソラに何も聞かなかった。
神影も、珍しく何も言わなかった。
それから一年。
優雅な姿と天賦の楽才以外は、何処にでもいそうなそんな感じだったけど。
いまでも、何の感情か分からないけど、一つの感情を私を支配するようになっていた。
その歌があればいい・・・・その音(ね)があればいい。
彼が歌ってくれるだけで、いい。
そうすれば、旅を・・・・果ての無い旅を続けられる。
そう考えるようになっていた。
今でも、この感情が何かはわからない。
分からないけど、狂おしいほどにその感情は心地よかった。



「知らなくてもいい。
 主が、知らなくてもいい事柄だよ。
 そう思わないかね、乾氏?」
「ああ、ううん。」
神影に、気圧される形で、同意する詠太郎。
彼は知っていた。
主の・・・ジュリのソラへ対するその感情を。
彼は知っていた。
主が・・・ジュリがそれを知れば壊れてしまうかも知れない事を。
「・・・・・・変な二人。」
ジュリは、そう言って苦笑した。
そして、続きを放し始めたジュリ・・・・・・・。







―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+


ジュリ嬢のソラへの感情はなんなのでしょうか?
それは,もう今は枯れ果ててしまった感情ですが。
真実を知れば、後悔してしまう事です。
知らないほうがいいのかもしれませんし。
もしかしたら、ジュリは知っているのかもしれません。


ともあれ、また次回。



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32250レポート(早めの昼食を兼ねて。)月読 乾 2006/2/11 12:05:41
記事番号32249へのコメント

ここまでレポートを書いてた時点で、気が付くと辺りの日差しも随分を光増していた…

因果って言うんだろうか…
これから書こうとしている内容とそのディスプレイの外の現実が同じ様にシンクロしている…

例え、どんなに時が過ぎても、どんな些細な形であっても、一度関わった世界はずっと関わり続ける物なのかもな…

まあ、多分今打ち込んでる分を終わらせる頃には、このカフェテラスも昼食の時間帯で込む事になる頃だろうし、後で場所を変える準備も考えるか。

>「・・・・そろそろ、夜が明ける。
> カ―テンぐらい閉めたほうがいいのではないかね?」
>と、いきなり、男性・・・さっき、話に出てきた神影が、そう声を掛けた。
>話の中と違い、黒いぞろりとしたマントとス−ツに黒の紐タイ姿であったが。
>「そうだね、ありがとう。
> ソラ達は?」
>「ソラは、地下室にいる。
> 他のは知らない。」
>「わかった。」
>そう言って、樹里は、カ―テンを閉めに、ソファを立ち、席を離れる。
>完全に、背を向けた。
>その瞬間、神影は、言葉を発した。
>「・・・・君が、あの乾氏かね?」
>「・・・っ?」
>詠太郎は、理由もなくただ、怖かった。
>あの稼業の時でも、殆ど感じたことがないようなそんな種類の薄ら寒さの明確な恐怖だった。

まあ、『こう言う事』は別に今回が初めてじゃない。
むしろ、『仕事』の関係上、ありがちな事と言っていいくらいだろうし、別に俺程あからさまな形でなくても、『不測の恐怖』なんて日常で幾らでもみんな体験する筈なんだが、それでも『恐怖』を消せずに居るのが人間って奴なんだよな…

いや、悪い意味じゃない。少なくとも、俺は人一倍恐怖を感じる心があったから、逆にこの世界に入り、そして今までとりあえずはまともな形に生き延びてこれてるんだし。

別に俺に限った事じゃないよな。

とは言った物の、やっぱり先に姿を見せるなら見せるって言って欲しかった…

>「こらっ、神影。
> 脅かしちゃダメでしょ。
> 過剰なプレッシャ―は、人間の心臓ぐらい止めるって、何回教えた?」
>「はいはい。
> 忠誠からくる嫉妬だと、何故考えない?」
>「アンタに限って、それは無いね。
> ママの愛情欲しがるのなら、まだしも。」
>「あの、彼があの神影・・・もといシャドウであり、神影幻十郎(かみかげ・げんじゅうろう)くん?」
>「そうなるわ。」
>「・・・・ソラの事話すのかね?」
>「そう。」
>「なら、同席させてもらおう。」
>「じゃ、話すよ。」

悪い、別に価値観の違いじゃなくて普通に不毛な会話だよな…これ。ってあの時、背景になってた俺は中で思ってた…

>・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>何処の国かは、忘れたが。
>それが、師匠の所を出て、30年ほど経っていたな。
>50歳近くになっていても、外見は子供だからね。
>神影(じんえい)を大きな黒犬・・・・あえていうなら、ニュ−ファンドランドとカって言う犬をふた周りほど大きくした感じの黒犬に化けさせて、連れ歩いてた。
>どんなに治安がいい街でも、やっぱり女子供を襲う下衆ってのはいてね。
>私が、ソラと会ったのも、そんな場合、だったね。

俺は別に外見が成長しても、中身は変わってないけど…
未だに、何が正しいのか分からずに同じ事を反復したり、時には答えを手繰り寄せる為に、バカな行動をやってひどい目にも合う。

結局、大した違いは無いんじゃないかな?

俺は人間の中でも、特に成長してない分を前面に出してしまうだけで…

しかし、人間外の姿になるのは本人(って言葉をとりあえず使わせてもらう。)の同意があれば…だが、強制の場合はどういう感じなのか…

あ、チンピラが居るのは治安がいい今のこの国も同じだ。

>「放してください!」
>とか、言ってたの。
>それで、気紛れに私は助けたんだ。
>正確に言えば、神影をけしかけてだけどね。
>「大丈夫、お兄さん?」
>彼は、私の銀髪よりも、もっと薄い光沢の銀髪を腰より少し長く伸ばし、瞳は淡い琥珀のような色合いで、肌は陶器のようにすべらかで、完璧な美貌というものがあれば、こんな感じかな、と思わせる要望だった。
>彼が着ていたのも、形は、多少珍しいとはいえ普通の吟遊詩人の服・・・ただ、裾が足をすっぽり覆っていた・・・・でも装飾も銀で纏められた真白な服は、どこか人ではないようなそんな雰囲気を覚えさせた。
>私は、そんな彼に、外見にあわせた子供のような口調でそう声を掛けた。

完璧な美貌…か。
美貌ってのは、知性と野生がどんな形にせよ同時に両立する…
そう言う者で無いと持ち得ない物だって俺は思ってる。

もっとも、だからこそそういう相手と関わった時、
物事は最良の事態にも、最悪の事態にも転びえるんだがな。

天使も悪魔も、結局美貌の象徴で同じ物って考えがある訳だし…

あ!もちろん目に見えるだけの物は、最終的に高が知れてるけどな。
そいつも、それだけで判断する奴も。

>「ありがとうございます。
> ・・ええと。」
>「私は、マリアン。
> この子は、シャドウ。
> ・・・・・・お兄さんは?」
>「貴方が知っている言葉で、『無い』と言う意味の言葉は?」
>「・・・名前ないの?」
>「ええ、神に、全てを捧げましたから。」
>「・・・・・・じゃ、『ソラ』。
> 師匠に教えてもらった、東の果ての言葉で、何も無い。を意味するから。」
>「では、そう呼んでください。
> ・・・・マリアンは、一人で旅をしているのですか?」
>「うん。」
>「目的はありますか?」
>「無いよ。」
>「・・・・・私と一緒にきませんか?」
>「いいよ。」
>って言う具合に、決まった。
>それから、いっしょに旅をした。
>ソラは、私に何も聞かなかったし、私もソラに何も聞かなかった。
>神影も、珍しく何も言わなかった。

むう…何か扱いつらいタイプ…?
いや、俺もこういう奴の方が好きなんだけどね。
それと、俺もあまり遠からずな事言いかねないし。

しかし、名前が無いってのは個人の観念的な物か、それとも具体的な意味があるのか、この時点でかなり気になった。

>それから一年。
>優雅な姿と天賦の楽才以外は、何処にでもいそうなそんな感じだったけど。
>いまでも、何の感情か分からないけど、一つの感情を私を支配するようになっていた。
>その歌があればいい・・・・その音(ね)があればいい。
>彼が歌ってくれるだけで、いい。
>そうすれば、旅を・・・・果ての無い旅を続けられる。
>そう考えるようになっていた。
>今でも、この感情が何かはわからない。
>分からないけど、狂おしいほどにその感情は心地よかった。

別に、そんな物だと思う。結局はそれだけでいいって思える…
そいつが最高の幸せだって気もするし…

傷ついた事のある人間には、得たいのしれない不安も付きまとうけど、それが強さになる事だって、常にあるんだ…

>「知らなくてもいい。
> 主が、知らなくてもいい事柄だよ。
> そう思わないかね、乾氏?」
>「ああ、ううん。」
>神影に、気圧される形で、同意する詠太郎。
>彼は知っていた。
>主の・・・ジュリのソラへ対するその感情を。
>彼は知っていた。
>主が・・・ジュリがそれを知れば壊れてしまうかも知れない事を。
>「・・・・・・変な二人。」
>ジュリは、そう言って苦笑した。
>そして、続きを放し始めたジュリ・・・・・・・。

こいつ、俺が答えられない事を知っててその上で振ったんじゃないだろうな…
って今でも思ってるんだけど…

我ながら、了見狭いわ、もちろん俺自身に対する…な。

さて、予想通り、昼食の時間帯でごった返して来たな。

続きは別のとこに場を移して進めるとしますか。

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32260Re:神影と一緒に十叶夕海 2006/2/12 23:50:35
記事番号32250へのコメント


>ここまでレポートを書いてた時点で、気が付くと辺りの日差しも随分を光増していた…
>
>因果って言うんだろうか…
>これから書こうとしている内容とそのディスプレイの外の現実が同じ様にシンクロしている…
>
>例え、どんなに時が過ぎても、どんな些細な形であっても、一度関わった世界はずっと関わり続ける物なのかもな…
>
>まあ、多分今打ち込んでる分を終わらせる頃には、このカフェテラスも昼食の時間帯で込む事になる頃だろうし、後で場所を変える準備も考えるか。

冬は、流石に、カフェテラスはきついが、それでも風が気持ちよさそうだ。
神影;そうだね、多少でも関われば、それが一生モノだよ。
・・・返レス行く。

>
>>「・・・・そろそろ、夜が明ける。
>> カ―テンぐらい閉めたほうがいいのではないかね?」
>>と、いきなり、男性・・・さっき、話に出てきた神影が、そう声を掛けた。
>>話の中と違い、黒いぞろりとしたマントとス−ツに黒の紐タイ姿であったが。
>>「そうだね、ありがとう。
>> ソラ達は?」
>>「ソラは、地下室にいる。
>> 他のは知らない。」
>>「わかった。」
>>そう言って、樹里は、カ―テンを閉めに、ソファを立ち、席を離れる。
>>完全に、背を向けた。
>>その瞬間、神影は、言葉を発した。
>>「・・・・君が、あの乾氏かね?」
>>「・・・っ?」
>>詠太郎は、理由もなくただ、怖かった。
>>あの稼業の時でも、殆ど感じたことがないようなそんな種類の薄ら寒さの明確な恐怖だった。
>
>まあ、『こう言う事』は別に今回が初めてじゃない。
>むしろ、『仕事』の関係上、ありがちな事と言っていいくらいだろうし、別に俺程あからさまな形でなくても、『不測の恐怖』なんて日常で幾らでもみんな体験する筈なんだが、それでも『恐怖』を消せずに居るのが人間って奴なんだよな…

神影;それこそが、『命あるもの』だ。
そうだね、多少成とも、そういうものだね。

>
>いや、悪い意味じゃない。少なくとも、俺は人一倍恐怖を感じる心があったから、逆にこの世界に入り、そして今までとりあえずはまともな形に生き延びてこれてるんだし。
>
>別に俺に限った事じゃないよな。
>
>とは言った物の、やっぱり先に姿を見せるなら見せるって言って欲しかった…

神影;それでは、面白くない。

>
>>「こらっ、神影。
>> 脅かしちゃダメでしょ。
>> 過剰なプレッシャ―は、人間の心臓ぐらい止めるって、何回教えた?」
>>「はいはい。
>> 忠誠からくる嫉妬だと、何故考えない?」
>>「アンタに限って、それは無いね。
>> ママの愛情欲しがるのなら、まだしも。」
>>「あの、彼があの神影・・・もといシャドウであり、神影幻十郎(かみかげ・げんじゅうろう)くん?」
>>「そうなるわ。」
>>「・・・・ソラの事話すのかね?」
>>「そう。」
>>「なら、同席させてもらおう。」
>>「じゃ、話すよ。」
>
>悪い、別に価値観の違いじゃなくて普通に不毛な会話だよな…これ。ってあの時、背景になってた俺は中で思ってた…
>

確かに(苦笑)
神影;こういう会話遊戯とでも言うようなものは結構好きだからね。

>>・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>>何処の国かは、忘れたが。
>>それが、師匠の所を出て、30年ほど経っていたな。
>>50歳近くになっていても、外見は子供だからね。
>>神影(じんえい)を大きな黒犬・・・・あえていうなら、ニュ−ファンドランドとカって言う犬をふた周りほど大きくした感じの黒犬に化けさせて、連れ歩いてた。
>>どんなに治安がいい街でも、やっぱり女子供を襲う下衆ってのはいてね。
>>私が、ソラと会ったのも、そんな場合、だったね。
>
>俺は別に外見が成長しても、中身は変わってないけど…
>未だに、何が正しいのか分からずに同じ事を反復したり、時には答えを手繰り寄せる為に、バカな行動をやってひどい目にも合う。
>
>結局、大した違いは無いんじゃないかな?
>
>俺は人間の中でも、特に成長してない分を前面に出してしまうだけで…

神影;賢明ならば、そう思うのが人間だよ、乾氏。
自覚してるほうが、まだいいんだろうね。

>
>しかし、人間外の姿になるのは本人(って言葉をとりあえず使わせてもらう。)の同意があれば…だが、強制の場合はどういう感じなのか…
>
>あ、チンピラが居るのは治安がいい今のこの国も同じだ。

神影:次回で言うだろうが、関係あるのかい?
というか、関係ないですね、感じも何も。
分からなくさせるのが、あの呪文だしね。

>
>>「放してください!」
>>とか、言ってたの。
>>それで、気紛れに私は助けたんだ。
>>正確に言えば、神影をけしかけてだけどね。
>>「大丈夫、お兄さん?」
>>彼は、私の銀髪よりも、もっと薄い光沢の銀髪を腰より少し長く伸ばし、瞳は淡い琥珀のような色合いで、肌は陶器のようにすべらかで、完璧な美貌というものがあれば、こんな感じかな、と思わせる要望だった。
>>彼が着ていたのも、形は、多少珍しいとはいえ普通の吟遊詩人の服・・・ただ、裾が足をすっぽり覆っていた・・・・でも装飾も銀で纏められた真白な服は、どこか人ではないようなそんな雰囲気を覚えさせた。
>>私は、そんな彼に、外見にあわせた子供のような口調でそう声を掛けた。
>
>完璧な美貌…か。
>美貌ってのは、知性と野生がどんな形にせよ同時に両立する…
>そう言う者で無いと持ち得ない物だって俺は思ってる。
>
>もっとも、だからこそそういう相手と関わった時、
>物事は最良の事態にも、最悪の事態にも転びえるんだがな。
>
>天使も悪魔も、結局美貌の象徴で同じ物って考えがある訳だし…
>
>あ!もちろん目に見えるだけの物は、最終的に高が知れてるけどな。
>そいつも、それだけで判断する奴も。

ソラは、綺麗って言うか、女のようなのに、男性顔って言うか、それなのに、中身も綺麗って言うか純粋って言うか。
神影;イレモノもうそうだけど、透けて見える中も綺麗だったな。

>
>>「ありがとうございます。
>> ・・ええと。」
>>「私は、マリアン。
>> この子は、シャドウ。
>> ・・・・・・お兄さんは?」
>>「貴方が知っている言葉で、『無い』と言う意味の言葉は?」
>>「・・・名前ないの?」
>>「ええ、神に、全てを捧げましたから。」
>>「・・・・・・じゃ、『ソラ』。
>> 師匠に教えてもらった、東の果ての言葉で、何も無い。を意味するから。」
>>「では、そう呼んでください。
>> ・・・・マリアンは、一人で旅をしているのですか?」
>>「うん。」
>>「目的はありますか?」
>>「無いよ。」
>>「・・・・・私と一緒にきませんか?」
>>「いいよ。」
>>って言う具合に、決まった。
>>それから、いっしょに旅をした。
>>ソラは、私に何も聞かなかったし、私もソラに何も聞かなかった。
>>神影も、珍しく何も言わなかった。
>
>むう…何か扱いつらいタイプ…?
>いや、俺もこういう奴の方が好きなんだけどね。
>それと、俺もあまり遠からずな事言いかねないし。

扱いづらいっていうか、結構頑固な感じ。

>
>しかし、名前が無いってのは個人の観念的な物か、それとも具体的な意味があるのか、この時点でかなり気になった。

神影;当時の本人曰く『自分たちは、神様から分かれたものだから、固有名詞は必要の無いもの。私は、【唄】という形で、神様に仕えるものだから、名前を捨てた』って言うようなことを言っていたね。
要するに、当時のマイナ―宗教の信徒だったっぽいね。

>
>>それから一年。
>>優雅な姿と天賦の楽才以外は、何処にでもいそうなそんな感じだったけど。
>>いまでも、何の感情か分からないけど、一つの感情を私を支配するようになっていた。
>>その歌があればいい・・・・その音(ね)があればいい。
>>彼が歌ってくれるだけで、いい。
>>そうすれば、旅を・・・・果ての無い旅を続けられる。
>>そう考えるようになっていた。
>>今でも、この感情が何かはわからない。
>>分からないけど、狂おしいほどにその感情は心地よかった。
>
>別に、そんな物だと思う。結局はそれだけでいいって思える…
>そいつが最高の幸せだって気もするし…
>
>傷ついた事のある人間には、得たいのしれない不安も付きまとうけど、それが強さになる事だって、常にあるんだ…


そうだね。
それと同時に、失いたくなくて、臆病になってしまうけど。

>
>>「知らなくてもいい。
>> 主が、知らなくてもいい事柄だよ。
>> そう思わないかね、乾氏?」
>>「ああ、ううん。」
>>神影に、気圧される形で、同意する詠太郎。
>>彼は知っていた。
>>主の・・・ジュリのソラへ対するその感情を。
>>彼は知っていた。
>>主が・・・ジュリがそれを知れば壊れてしまうかも知れない事を。
>>「・・・・・・変な二人。」
>>ジュリは、そう言って苦笑した。
>>そして、続きを放し始めたジュリ・・・・・・・。
>
>こいつ、俺が答えられない事を知っててその上で振ったんじゃないだろうな…
>って今でも思ってるんだけど…
>
>我ながら、了見狭いわ、もちろん俺自身に対する…な。

神影;わかると思っていたんだが。
   主は、乾氏に弱いようだからね。

>
>さて、予想通り、昼食の時間帯でごった返して来たな。
>
>続きは別のとこに場を移して進めるとしますか。

わかった。またな。
神影:乾氏は、本当に興味深い。

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32265Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  5氷室 相良 2006/2/13 18:01:02
記事番号32249へのコメント

こんにちは。
レス行きます。

> 5  白い吟遊詩人
>
>
>「・・・・そろそろ、夜が明ける。
> カ―テンぐらい閉めたほうがいいのではないかね?」
>と、いきなり、男性・・・さっき、話に出てきた神影が、そう声を掛けた。
>話の中と違い、黒いぞろりとしたマントとス−ツに黒の紐タイ姿であったが。
>「そうだね、ありがとう。
> ソラ達は?」
>「ソラは、地下室にいる。
> 他のは知らない。」
>「わかった。」
>そう言って、樹里は、カ―テンを閉めに、ソファを立ち、席を離れる。
>完全に、背を向けた。
>その瞬間、神影は、言葉を発した。
>「・・・・君が、あの乾氏かね?」
>「・・・っ?」
>詠太郎は、理由もなくただ、怖かった。
>あの稼業の時でも、殆ど感じたことがないようなそんな種類の薄ら寒さの明確な恐怖だった。
>「こらっ、神影。
> 脅かしちゃダメでしょ。
> 過剰なプレッシャ―は、人間の心臓ぐらい止めるって、何回教えた?」
>「はいはい。
> 忠誠からくる嫉妬だと、何故考えない?」
>「アンタに限って、それは無いね。
> ママの愛情欲しがるのなら、まだしも。」
>「あの、彼があの神影・・・もといシャドウであり、神影幻十郎(かみかげ・げんじゅうろう)くん?」
>「そうなるわ。」
>「・・・・ソラの事話すのかね?」
>「そう。」
>「なら、同席させてもらおう。」
>「じゃ、話すよ。」
 プレッシャーで死ぬような怖さだったんですね…。
 私だったらぽっくり…?

 ソラさんってどんな方でしょうか。(下見れば分かるやも)

>・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>何処の国かは、忘れたが。
>それが、師匠の所を出て、30年ほど経っていたな。
>150歳近くになっていても、外見は子供だからね。
>神影(じんえい)を大きな黒犬・・・・あえていうなら、ニュ−ファンドランドとカって言う犬をふた周りほど大きくした感じの黒犬に化けさせて、連れ歩いてた。
>どんなに治安がいい街でも、やっぱり女子供を襲う下衆ってのはいてね。
>私が、ソラと会ったのも、そんな場合、だったね。
>「放してください!」
>とか、言ってたの。
>それで、気紛れに私は助けたんだ。
>正確に言えば、神影をけしかけてだけどね。
 気紛れに人助け…なかなか出来る技(?)じゃないですよ。あっぱれ樹里さん。

>「大丈夫、お兄さん?」
>彼は、私の銀髪よりも、もっと薄い光沢の銀髪を腰より少し長く伸ばし、瞳は淡い琥珀のような色合いで、肌は陶器のようにすべらかで、完璧な美貌というものがあれば、こんな感じかな、と思わせる要望だった。
 男のくせに…羨ましい。
 完璧はいらないけど、まぁまぁの要望が欲しいです(何)

>「ありがとうございます。
> ・・ええと。」
>「私は、マリアン。
> この子は、シャドウ。
> ・・・・・・お兄さんは?」
>「貴方が知っている言葉で、『無い』と言う意味の言葉は?」
>「・・・名前ないの?」
>「ええ、神に、全てを捧げましたから。」
>「・・・・・・じゃ、『ソラ』。
> 師匠に教えてもらった、東の果ての言葉で、何も無い。を意味するから。」
>「では、そう呼んでください。
> ・・・・マリアンは、一人で旅をしているのですか?」
>「うん。」
>「目的はありますか?」
>「無いよ。」
>「・・・・・私と一緒にきませんか?」
>「いいよ。」
>って言う具合に、決まった。
 あっさり決まってしまいましたね。
 警戒心とか、ないんでしょうか…?私なら絶対「うあ、何か胡散臭い」ぐらいは思いますよ。(すみません)

>それから、いっしょに旅をした。
>ソラは、私に何も聞かなかったし、私もソラに何も聞かなかった。
>神影も、珍しく何も言わなかった。
>それから一年。
>優雅な姿と天賦の楽才以外は、何処にでもいそうなそんな感じだったけど。
>いまでも、何の感情か分からないけど、一つの感情を私を支配するようになっていた。
>その歌があればいい・・・・その音(ね)があればいい。
>彼が歌ってくれるだけで、いい。
>そうすれば、旅を・・・・果ての無い旅を続けられる。
>そう考えるようになっていた。
>今でも、この感情が何かはわからない。
>分からないけど、狂おしいほどにその感情は心地よかった。
 色々ありますけど、これはきっと愛情に近くて、遠い感情だと思いました。
 …表現がいまいちでしたね。言った私もよくわかりません。(おい)

>「知らなくてもいい。
> 主が、知らなくてもいい事柄だよ。
> そう思わないかね、乾氏?」
>「ああ、ううん。」
>神影に、気圧される形で、同意する詠太郎。
>彼は知っていた。
>主の・・・ジュリのソラへ対するその感情を。
>彼は知っていた。
>主が・・・ジュリがそれを知れば壊れてしまうかも知れない事を。
>「・・・・・・変な二人。」
>ジュリは、そう言って苦笑した。
>そして、続きを放し始めたジュリ・・・・・・・。
 心地よく、知れば壊れてしまう感情…複雑ですね。

>ジュリ嬢のソラへの感情はなんなのでしょうか?
>それは,もう今は枯れ果ててしまった感情ですが。
>真実を知れば、後悔してしまう事です。
>知らないほうがいいのかもしれませんし。
>もしかしたら、ジュリは知っているのかもしれません。
 後悔する感情…誰でも持ってますけど、これはレベルの違う話ですね。
 知っているのだったら、もう味わった後なのでしょうか。…狂うほどの後悔を。

>ともあれ、また次回。
 はい。また。



 

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32269毎度毎度ありがとうです。十叶夕海 2006/2/13 21:52:08
記事番号32265へのコメント


>こんにちは。
>レス行きます。

こんにちわ。
返レス行きますね。

>
>> 5  白い吟遊詩人
>>
>>
>>「・・・・そろそろ、夜が明ける。
>> カ―テンぐらい閉めたほうがいいのではないかね?」
>>と、いきなり、男性・・・さっき、話に出てきた神影が、そう声を掛けた。
>>話の中と違い、黒いぞろりとしたマントとス−ツに黒の紐タイ姿であったが。
>>「そうだね、ありがとう。
>> ソラ達は?」
>>「ソラは、地下室にいる。
>> 他のは知らない。」
>>「わかった。」
>>そう言って、樹里は、カ―テンを閉めに、ソファを立ち、席を離れる。
>>完全に、背を向けた。
>>その瞬間、神影は、言葉を発した。
>>「・・・・君が、あの乾氏かね?」
>>「・・・っ?」
>>詠太郎は、理由もなくただ、怖かった。
>>あの稼業の時でも、殆ど感じたことがないようなそんな種類の薄ら寒さの明確な恐怖だった。
>>「こらっ、神影。
>> 脅かしちゃダメでしょ。
>> 過剰なプレッシャ―は、人間の心臓ぐらい止めるって、何回教えた?」
>>「はいはい。
>> 忠誠からくる嫉妬だと、何故考えない?」
>>「アンタに限って、それは無いね。
>> ママの愛情欲しがるのなら、まだしも。」
>>「あの、彼があの神影・・・もといシャドウであり、神影幻十郎(かみかげ・げんじゅうろう)くん?」
>>「そうなるわ。」
>>「・・・・ソラの事話すのかね?」
>>「そう。」
>>「なら、同席させてもらおう。」
>>「じゃ、話すよ。」
> プレッシャーで死ぬような怖さだったんですね…。
> 私だったらぽっくり…?
>
> ソラさんってどんな方でしょうか。(下見れば分かるやも)

そうですね、ちゃんと原因がわかる恐怖じゃない分尚更かも。

ソラは、使い魔の中でも、神影と一番仲良し同士です。

>
>>・・・・・・・あれは、春の豊穣祈願祭だったな。
>>何処の国かは、忘れたが。
>>それが、師匠の所を出て、30年ほど経っていたな。
>>150歳近くになっていても、外見は子供だからね。
>>神影(じんえい)を大きな黒犬・・・・あえていうなら、ニュ−ファンドランドとカって言う犬をふた周りほど大きくした感じの黒犬に化けさせて、連れ歩いてた。
>>どんなに治安がいい街でも、やっぱり女子供を襲う下衆ってのはいてね。
>>私が、ソラと会ったのも、そんな場合、だったね。
>>「放してください!」
>>とか、言ってたの。
>>それで、気紛れに私は助けたんだ。
>>正確に言えば、神影をけしかけてだけどね。
> 気紛れに人助け…なかなか出来る技(?)じゃないですよ。あっぱれ樹里さん。
>

『たまにはそんな事もしたくなる』とか、いいそうですね。

>>「大丈夫、お兄さん?」
>>彼は、私の銀髪よりも、もっと薄い光沢の銀髪を腰より少し長く伸ばし、瞳は淡い琥珀のような色合いで、肌は陶器のようにすべらかで、完璧な美貌というものがあれば、こんな感じかな、と思わせる要望だった。
> 男のくせに…羨ましい。
> 完璧はいらないけど、まぁまぁの要望が欲しいです(何)

これが後の悲劇につながるわけですね・・・・・・。

>
>>「ありがとうございます。
>> ・・ええと。」
>>「私は、マリアン。
>> この子は、シャドウ。
>> ・・・・・・お兄さんは?」
>>「貴方が知っている言葉で、『無い』と言う意味の言葉は?」
>>「・・・名前ないの?」
>>「ええ、神に、全てを捧げましたから。」
>>「・・・・・・じゃ、『ソラ』。
>> 師匠に教えてもらった、東の果ての言葉で、何も無い。を意味するから。」
>>「では、そう呼んでください。
>> ・・・・マリアンは、一人で旅をしているのですか?」
>>「うん。」
>>「目的はありますか?」
>>「無いよ。」
>>「・・・・・私と一緒にきませんか?」
>>「いいよ。」
>>って言う具合に、決まった。
> あっさり決まってしまいましたね。
> 警戒心とか、ないんでしょうか…?私なら絶対「うあ、何か胡散臭い」ぐらいは思いますよ。(すみません)
>

色々な意味で、ソラは邪気がないのですね。

>>それから、いっしょに旅をした。
>>ソラは、私に何も聞かなかったし、私もソラに何も聞かなかった。
>>神影も、珍しく何も言わなかった。
>>それから一年。
>>優雅な姿と天賦の楽才以外は、何処にでもいそうなそんな感じだったけど。
>>いまでも、何の感情か分からないけど、一つの感情を私を支配するようになっていた。
>>その歌があればいい・・・・その音(ね)があればいい。
>>彼が歌ってくれるだけで、いい。
>>そうすれば、旅を・・・・果ての無い旅を続けられる。
>>そう考えるようになっていた。
>>今でも、この感情が何かはわからない。
>>分からないけど、狂おしいほどにその感情は心地よかった。
> 色々ありますけど、これはきっと愛情に近くて、遠い感情だと思いました。
> …表現がいまいちでしたね。言った私もよくわかりません。(おい)

実際、『友情』と言うには『熱すぎて』。
   『恋慕』というには『幼い』そんな感情なんです。

>
>>「知らなくてもいい。
>> 主が、知らなくてもいい事柄だよ。
>> そう思わないかね、乾氏?」
>>「ああ、ううん。」
>>神影に、気圧される形で、同意する詠太郎。
>>彼は知っていた。
>>主の・・・ジュリのソラへ対するその感情を。
>>彼は知っていた。
>>主が・・・ジュリがそれを知れば壊れてしまうかも知れない事を。
>>「・・・・・・変な二人。」
>>ジュリは、そう言って苦笑した。
>>そして、続きを放し始めたジュリ・・・・・・・。
> 心地よく、知れば壊れてしまう感情…複雑ですね。

恋した相手を使い魔にしたなんて知ってしまったら・・。

>
>>ジュリ嬢のソラへの感情はなんなのでしょうか?
>>それは,もう今は枯れ果ててしまった感情ですが。
>>真実を知れば、後悔してしまう事です。
>>知らないほうがいいのかもしれませんし。
>>もしかしたら、ジュリは知っているのかもしれません。
> 後悔する感情…誰でも持ってますけど、これはレベルの違う話ですね。
> 知っているのだったら、もう味わった後なのでしょうか。…狂うほどの後悔を。

狂うほどの後悔をしても、ソラ達は側にいましたから。

>
>>ともあれ、また次回。
> はい。また。
>

ではでは。

>
>
> 
>

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32258光への憧憬+どうか忘れないで+  6十叶夕海 2006/2/12 22:26:05
記事番号32193へのコメント



  6 二人目の使い魔  +ずっと側にいて欲しいけど・・・・+

そんなこんなで、旅は続いたね。
でも、そのときでも理解していた。
別れの時が近いことを。
幾ら、変わっていても、ソラは人間だ。
時間には限りがある。
こっちの我が儘で、ずっといっしょにいられない。
当時は、まだ始まったばかりだったけど、魔女狩りもあったし、商人や職人の行き来もあった。
下手に噂になって、ソラも一緒に火あぶりなんてことは、避けたかった。
これで、事情を話して、別れようと思った、何処の国か忘れたけど、でも今の歴史の地図の中には、乗らないようなそんな小さな国の建国祭か、豊穣祈願祭か、そこの王だか大公だかの前で、ソラが唄を唄いリュ−トを奏で、私が剣舞を舞った。
・・・・・・・・・・それで、円満に別れれば良かったんだけどね。
そうはさせちゃくれなかった。
・・・・・・クソッたれた、運命はね。
どうしてか分からなかったし・・・・・まぁ、王妃様か王女様が、ソラに惚れて、関係を結ぼうとして・・・・断られて・・・・報復がてらに、拷問されたらしい。
らしいっていうのは、私が、ソラを見つけたのが、その王族の別荘であった事と、その主犯って言うか、本人はいなかったせいもあるね。
黒大犬に化けさせた神影といっしょにその部屋に踏み込んだ。・・・・・・彼を見つけた時にはね、生きてもいたし、顔もキズはついちゃいなかった。
だけどね、陶器みたいにすべらかだった肌には、痣とか切り傷とか、火傷とか・・・拷問で付いた傷があったし・・・一言で言うなら、虫の息だった。
私とかの吸血鬼でも、治るのに数日かかりそうな傷だった。
人間で、しかも体力にに自身が無いようなソラにとって、致命的だった。
しかも、私が治療魔術が得意ならばよかったのだが、そっち系統は、自分にかけても簡単な擦り傷とかだろうと、10分は掛かってしまう。
神影にしたって、親の私と似たり寄ったりだった。
「主、とにかく下ろさないと。」
「・・・わかった。」
私は、震える手で、どうにかソラをおろした。
その時点で、もう分かってた。
ソラは、140センチそこそこしかない私よりも、かなり背が高くて、神影よりも少し高かった。
当然、体重もいくら細身だといっても体重もそこそこあるはずで、体格からいって、私だけでは下ろせないはずだった。
・・・・・・そう、彼は軽くなっていた。
(もうすぐ、ソラが死ぬ・・・・・)
私は、認めたくなくて、認めきれなくて、私は、ソラに呼びかけた。
ある事を確認する為に、師匠から、サラさんから『禁呪』といわれた呪文の為に確認したい事があったのだ。
「ソラ、ソラ。
 生きてる?生きてるなら、返事して。」
「・・・マリアン・・ですか・・・・」
「そう、ソラ。
 ソラに私は黙っていた事があった。
 私は、吸血鬼だ。
 ・・・・不老不死の化け物だ。」
「いけま・・・せんよ・・・それで・・・も、マリア・・・ンはマリア・・・ンです。」
「名前も、ジュリだ。
 ・・・・ソラ、私はソラと別れたくない。
 ・・・・・・・ソラは、どんな形でも、私といてくれる?」
嫌だった。
誰かが、私が気を許せる存在が、居なくなるのは、二度と経験したくなかった。
「いい・・・ですよ・・・・私も・・・・わ・・・・―――」
「・・・・ありがと、ソラ。
 そして、バイバイ、ソラ。」
「急いだ方がいい。
 アレは、時間との勝負だろう?」
「分かってる。」
私が、ソラにかけた呪文は『強制使い魔変換』・・・人間の言葉にあえて直すとそんな感じだ。
名前に『強制』とか入っているが、生前に『承諾』が無いと使えない少々使い勝手のワルイモノだ。
「【我は望む 我の心に・・・・・】」
ただ、ソラを大切な友達を失いたくは無かった。
だから、唱えた。
使い魔になったソラが、『全てを忘れて』、私の事が分からなくなると分かっていても、私は唱えた。
でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
だから、それから、また百年ほどは、神影と一緒に二人だけの旅が続いた。
やっと、呼び出したのは、スペインに無敵艦隊がイギリスに負けた前後だから、16世紀の終わりかな。
クロイツや、両親・・・・ソラとか、大切な人を奪った『ウンメイ』とかという奴に、感謝したね。
呼び出した・・・召喚したソラは、全てを覚えていた。
それだけで嬉しかったね。
それからは、神影が化けた黒大犬と詩人のソラと踊りこの私で、旅芸人として各地を回った。
でも、すぐに、革命だ、戦争だとか、色々ときな臭くなったからね。今のトルコらへんの国の王族・・・・・三人目の使い魔になった奴の主人だね・・・そいつの世話になった。
まあ、王族って言っても、王位継承順位も低いせいか、あんまり偉そうではなかったけどね。





「・・・・・・・・・主、眠いのではないかな?」
「・・・・・ああうん。」
「少し仮眠をしてきたら、どうかな。
 ・・・・私も、乾氏に、話したいことがあるのでね。」
「ま、いいけど。
 今、午前十一時か、じゃ午後二時か3時に起こしてくれ。」
「わかった。」
詠太郎を完璧かつ完全に無視し、二人でさっさと決め、樹里は、自室へと去ってしまった。
それを見届けて、神影は、にっこり・・・いや、どろりとにっこりというような感じの微笑を詠太郎に向け、こう一言。
「話を小説風に纏めるのなら、違う視点と真実は必要だろう?」
「まあ。」
「少し待ってるといい。
 この服では、目立つからな。」
「はい?」
「・・・お前は人間だろう。
 昼食がてらに、話してやると言っている。」
「わかった。」
たしかに、現代風とはいえ、古式ゆかしいマントとス−ツは、目立ちすぎる。
数分後―。
ビルの前の道。
「少し歩くぞ。」
着替えた神影の服装は、ハイネックセ―タ―、ジャケット、スラックス、春用コ−トというもので、色は当然全部黒。
そして、あまり飾り気の無い小さなクロスがついたイヤ―カフスと白い細革紐が二重になったタイプの燻し銀の太陽がぶら下がったチョ―カ−というシンプルなもの。
「樹里さんに、言われたのか?」
「いいや。純粋に好意だけさ。
 ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」





―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―

一応、予告より数えて、約半分行きました。
神影は、詠太郎に何を語るのでしょうか。

ともかく、また次回。

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32263こんにちはー。みい E-mail URL2006/2/13 15:19:06
記事番号32258へのコメント

どうも二度目まして、みいでっす。
先日はレスどうもでしたー。
という事で、覗きに来ちゃいましたv


で、感想なんですが……。
取り敢えず、「凄い」。もう口を開ければこの言葉がってくらい、本気で凄いと思います。
インタビューって形で一人の吸血鬼の生涯(というか、今まで)を描くって手法も成る程と思いましたし、
プロットが凄いですよね。
設定とかも細かいですし、ちょっと羨ましいです、文才分けて下さい(笑
……僕の場合、全何話とか決められないくらい構成力なかったり(痛


ジュリさんの過去を通して、世界の舞台裏も垣間見えつつ。
(この見せ方も凄いと思うのですが)
先が読めないので、続きがとても気になります。
ジュリさんの知らない、神影だけが知っている、ソラの事とは一体何なのでしょうっ。
続き、期待しつつ待ってますねv


ではでは、支離滅裂でごめんなさい。
みいでしたー。

トップに戻る
32268ありがとうございます〜v十叶夕海 2006/2/13 21:43:07
記事番号32263へのコメント


>どうも二度目まして、みいでっす。
>先日はレスどうもでしたー。
>という事で、覗きに来ちゃいましたv

こちらこそ、レスありがとうです。
じゃ、返レス行きますねv

>
>
>で、感想なんですが……。
>取り敢えず、「凄い」。もう口を開ければこの言葉がってくらい、本気で凄いと思います。
>インタビューって形で一人の吸血鬼の生涯(というか、今まで)を描くって手法も成る程と思いましたし、
>プロットが凄いですよね。
>設定とかも細かいですし、ちょっと羨ましいです、文才分けて下さい(笑
>……僕の場合、全何話とか決められないくらい構成力なかったり(痛

そこまで言って頂けて、感謝感激雨霰って感じです。
あはは、構成力というか、ある程度お話を煮詰めてからかくので、濃くなっちゃうんですよね。
全何話とかも、めやすですし。
ともかくありがとうございます。

>
>
>ジュリさんの過去を通して、世界の舞台裏も垣間見えつつ。
>(この見せ方も凄いと思うのですが)
>先が読めないので、続きがとても気になります。
>ジュリさんの知らない、神影だけが知っている、ソラの事とは一体何なのでしょうっ。
>続き、期待しつつ待ってますねv


はい、ありがとうございます。
では次回で。

>
>
>ではでは、支離滅裂でごめんなさい。
>みいでしたー。

トップに戻る
32266Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  6氷室 相良 2006/2/13 18:21:19
記事番号32258へのコメント

こんにちは。
連続レス行きますね。(先刻のと合わせて)

>  6 二人目の使い魔  +ずっと側にいて欲しいけど・・・・+
>
>そんなこんなで、旅は続いたね。
>でも、そのときでも理解していた。
>別れの時が近いことを。
>幾ら、変わっていても、ソラは人間だ。
>時間には限りがある。
>こっちの我が儘で、ずっといっしょにいられない。
>当時は、まだ始まったばかりだったけど、魔女狩りもあったし、商人や職人の行き来もあった。
>下手に噂になって、ソラも一緒に火あぶりなんてことは、避けたかった。
>これで、事情を話して、別れようと思った、何処の国か忘れたけど、でも今の歴史の地図の中には、乗らないようなそんな小さな国の建国祭か、豊穣祈願祭か、そこの王だか大公だかの前で、ソラが唄を唄いリュ−トを奏で、私が剣舞を舞った。
 大切な人を自分のせいで失いたくないですもんね。
 
>・・・・・・・・・・それで、円満に別れれば良かったんだけどね。
>そうはさせちゃくれなかった。
>・・・・・・クソッたれた、運命はね。
>どうしてか分からなかったし・・・・・まぁ、王妃様か王女様が、ソラに惚れて、関係を結ぼうとして・・・・断られて・・・・報復がてらに、拷問されたらしい。
>らしいっていうのは、私が、ソラを見つけたのが、その王族の別荘であった事と、その主犯って言うか、本人はいなかったせいもあるね。
>黒大犬に化けさせた神影といっしょにその部屋に踏み込んだ。・・・・・・彼を見つけた時にはね、生きてもいたし、顔もキズはついちゃいなかった。
>だけどね、陶器みたいにすべらかだった肌には、痣とか切り傷とか、火傷とか・・・拷問で付いた傷があったし・・・一言で言うなら、虫の息だった。
>私とかの吸血鬼でも、治るのに数日かかりそうな傷だった。
>人間で、しかも体力にに自身が無いようなソラにとって、致命的だった。
>しかも、私が治療魔術が得意ならばよかったのだが、そっち系統は、自分にかけても簡単な擦り傷とかだろうと、10分は掛かってしまう。
>神影にしたって、親の私と似たり寄ったりだった。
 ………!
 王妃王女…!なんて事を!
 自分が惚れて、受け入れてもらえなかったからって、その相手を拷問するなんて…本当に好きだったのか疑っちゃいますね。
 しかも、顔だけ傷つけないで…まるで、顔だけがいいみたいな!失礼ですよねっ!(注:顔も傷つけろってことじゃないですよ。絶対に。)
 力はあるのに、使う術をもたないのって、こういう場面では。辛いですよね。

>「主、とにかく下ろさないと。」
>「・・・わかった。」
>私は、震える手で、どうにかソラをおろした。
>その時点で、もう分かってた。
>ソラは、140センチそこそこしかない私よりも、かなり背が高くて、神影よりも少し高かった。
>当然、体重もいくら細身だといっても体重もそこそこあるはずで、体格からいって、私だけでは下ろせないはずだった。
>・・・・・・そう、彼は軽くなっていた。
>(もうすぐ、ソラが死ぬ・・・・・)
>私は、認めたくなくて、認めきれなくて、私は、ソラに呼びかけた。
>ある事を確認する為に、師匠から、サラさんから『禁呪』といわれた呪文の為に確認したい事があったのだ。
>「ソラ、ソラ。
> 生きてる?生きてるなら、返事して。」
>「・・・マリアン・・ですか・・・・」
>「そう、ソラ。
> ソラに私は黙っていた事があった。
> 私は、吸血鬼だ。
> ・・・・不老不死の化け物だ。」
>「いけま・・・せんよ・・・それで・・・も、マリア・・・ンはマリア・・・ンです。」
>「名前も、ジュリだ。
> ・・・・ソラ、私はソラと別れたくない。
> ・・・・・・・ソラは、どんな形でも、私といてくれる?」
>嫌だった。
>誰かが、私が気を許せる存在が、居なくなるのは、二度と経験したくなかった。
 大切な人が目の前でいなくなってしまう…考えただけで嫌です。

>「いい・・・ですよ・・・・私も・・・・わ・・・・―――」
>「・・・・ありがと、ソラ。
> そして、バイバイ、ソラ。」
>「急いだ方がいい。
> アレは、時間との勝負だろう?」
>「分かってる。」
>私が、ソラにかけた呪文は『強制使い魔変換』・・・人間の言葉にあえて直すとそんな感じだ。
>名前に『強制』とか入っているが、生前に『承諾』が無いと使えない少々使い勝手のワルイモノだ。
>「【我は望む 我の心に・・・・・】」
>ただ、ソラを大切な友達を失いたくは無かった。
>だから、唱えた。
>使い魔になったソラが、『全てを忘れて』、私の事が分からなくなると分かっていても、私は唱えた。
>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
 自分は相手のことを覚えているのに、相手は全て覚えていない…。私なら、大切な人でも、声をかけるのを躊躇ってしまいそうです。

>だから、それから、また百年ほどは、神影と一緒に二人だけの旅が続いた。
>やっと、呼び出したのは、スペインに無敵艦隊がイギリスに負けた前後だから、16世紀の終わりかな。
>クロイツや、両親・・・・ソラとか、大切な人を奪った『ウンメイ』とかという奴に、感謝したね。
>呼び出した・・・召喚したソラは、全てを覚えていた。
>それだけで嬉しかったね。
>それからは、神影が化けた黒大犬と詩人のソラと踊りこの私で、旅芸人として各地を回った。
>でも、すぐに、革命だ、戦争だとか、色々ときな臭くなったからね。今のトルコらへんの国の王族・・・・・三人目の使い魔になった奴の主人だね・・・そいつの世話になった。
>まあ、王族って言っても、王位継承順位も低いせいか、あんまり偉そうではなかったけどね。
 ……!っ!
 …覚えていたんですね…!良かったです!本当に。
 きっと、泣いてしまうくらい嬉しかったと思います。

>着替えた神影の服装は、ハイネックセ―タ―、ジャケット、スラックス、春用コ−トというもので、色は当然全部黒。
>そして、あまり飾り気の無い小さなクロスがついたイヤ―カフスと白い細革紐が二重になったタイプの燻し銀の太陽がぶら下がったチョ―カ−というシンプルなもの。
>「樹里さんに、言われたのか?」
>「いいや。純粋に好意だけさ。
> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」
 樹里さんも知らない事とは…?
 
>一応、予告より数えて、約半分行きました。
>神影は、詠太郎に何を語るのでしょうか。
>
>ともかく、また次回。
 はい。楽しみに待ってます!

 



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32270連続レスありがとうございます十叶夕海 2006/2/13 22:49:23
記事番号32266へのコメント


>こんにちは。
>連続レス行きますね。(先刻のと合わせて)

はい、ありがとうございます。
返レス行きます。

>
>>  6 二人目の使い魔  +ずっと側にいて欲しいけど・・・・+
>>
>>そんなこんなで、旅は続いたね。
>>でも、そのときでも理解していた。
>>別れの時が近いことを。
>>幾ら、変わっていても、ソラは人間だ。
>>時間には限りがある。
>>こっちの我が儘で、ずっといっしょにいられない。
>>当時は、まだ始まったばかりだったけど、魔女狩りもあったし、商人や職人の行き来もあった。
>>下手に噂になって、ソラも一緒に火あぶりなんてことは、避けたかった。
>>これで、事情を話して、別れようと思った、何処の国か忘れたけど、でも今の歴史の地図の中には、乗らないようなそんな小さな国の建国祭か、豊穣祈願祭か、そこの王だか大公だかの前で、ソラが唄を唄いリュ−トを奏で、私が剣舞を舞った。
> 大切な人を自分のせいで失いたくないですもんね。

そうです、そのために自分の気持ちを殺していた部分もありますが。

> 
>>・・・・・・・・・・それで、円満に別れれば良かったんだけどね。
>>そうはさせちゃくれなかった。
>>・・・・・・クソッたれた、運命はね。
>>どうしてか分からなかったし・・・・・まぁ、王妃様か王女様が、ソラに惚れて、関係を結ぼうとして・・・・断られて・・・・報復がてらに、拷問されたらしい。
>>らしいっていうのは、私が、ソラを見つけたのが、その王族の別荘であった事と、その主犯って言うか、本人はいなかったせいもあるね。
>>黒大犬に化けさせた神影といっしょにその部屋に踏み込んだ。・・・・・・彼を見つけた時にはね、生きてもいたし、顔もキズはついちゃいなかった。
>>だけどね、陶器みたいにすべらかだった肌には、痣とか切り傷とか、火傷とか・・・拷問で付いた傷があったし・・・一言で言うなら、虫の息だった。
>>私とかの吸血鬼でも、治るのに数日かかりそうな傷だった。
>>人間で、しかも体力にに自身が無いようなソラにとって、致命的だった。
>>しかも、私が治療魔術が得意ならばよかったのだが、そっち系統は、自分にかけても簡単な擦り傷とかだろうと、10分は掛かってしまう。
>>神影にしたって、親の私と似たり寄ったりだった。
> ………!
> 王妃王女…!なんて事を!

どっちかは具体的に考えてないですが。

> 自分が惚れて、受け入れてもらえなかったからって、その相手を拷問するなんて…本当に好きだったのか疑っちゃいますね。
> しかも、顔だけ傷つけないで…まるで、顔だけがいいみたいな!失礼ですよねっ!(注:顔も傷つけろってことじゃないですよ。絶対に。)

超絶裏設定なのですが、デスマスクを作るためというわけで、顔だけは綺麗にしてあったと。

> 力はあるのに、使う術をもたないのって、こういう場面では。辛いですよね。

『何の為の力だ』っていう感じでね・・。

>
>>「主、とにかく下ろさないと。」
>>「・・・わかった。」
>>私は、震える手で、どうにかソラをおろした。
>>その時点で、もう分かってた。
>>ソラは、140センチそこそこしかない私よりも、かなり背が高くて、神影よりも少し高かった。
>>当然、体重もいくら細身だといっても体重もそこそこあるはずで、体格からいって、私だけでは下ろせないはずだった。
>>・・・・・・そう、彼は軽くなっていた。
>>(もうすぐ、ソラが死ぬ・・・・・)
>>私は、認めたくなくて、認めきれなくて、私は、ソラに呼びかけた。
>>ある事を確認する為に、師匠から、サラさんから『禁呪』といわれた呪文の為に確認したい事があったのだ。
>>「ソラ、ソラ。
>> 生きてる?生きてるなら、返事して。」
>>「・・・マリアン・・ですか・・・・」
>>「そう、ソラ。
>> ソラに私は黙っていた事があった。
>> 私は、吸血鬼だ。
>> ・・・・不老不死の化け物だ。」
>>「いけま・・・せんよ・・・それで・・・も、マリア・・・ンはマリア・・・ンです。」
>>「名前も、ジュリだ。
>> ・・・・ソラ、私はソラと別れたくない。
>> ・・・・・・・ソラは、どんな形でも、私といてくれる?」
>>嫌だった。
>>誰かが、私が気を許せる存在が、居なくなるのは、二度と経験したくなかった。
> 大切な人が目の前でいなくなってしまう…考えただけで嫌です。
>

それも、力を持っていれば、それだけ、ショックは大きいですね。

>>「いい・・・ですよ・・・・私も・・・・わ・・・・―――」
>>「・・・・ありがと、ソラ。
>> そして、バイバイ、ソラ。」
>>「急いだ方がいい。
>> アレは、時間との勝負だろう?」
>>「分かってる。」
>>私が、ソラにかけた呪文は『強制使い魔変換』・・・人間の言葉にあえて直すとそんな感じだ。
>>名前に『強制』とか入っているが、生前に『承諾』が無いと使えない少々使い勝手のワルイモノだ。
>>「【我は望む 我の心に・・・・・】」
>>ただ、ソラを大切な友達を失いたくは無かった。
>>だから、唱えた。
>>使い魔になったソラが、『全てを忘れて』、私の事が分からなくなると分かっていても、私は唱えた。
>>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
> 自分は相手のことを覚えているのに、相手は全て覚えていない…。私なら、大切な人でも、声をかけるのを躊躇ってしまいそうです。
>
>>だから、それから、また百年ほどは、神影と一緒に二人だけの旅が続いた。
>>やっと、呼び出したのは、スペインに無敵艦隊がイギリスに負けた前後だから、16世紀の終わりかな。
>>クロイツや、両親・・・・ソラとか、大切な人を奪った『ウンメイ』とかという奴に、感謝したね。
>>呼び出した・・・召喚したソラは、全てを覚えていた。
>>それだけで嬉しかったね。
>>それからは、神影が化けた黒大犬と詩人のソラと踊りこの私で、旅芸人として各地を回った。
>>でも、すぐに、革命だ、戦争だとか、色々ときな臭くなったからね。今のトルコらへんの国の王族・・・・・三人目の使い魔になった奴の主人だね・・・そいつの世話になった。
>>まあ、王族って言っても、王位継承順位も低いせいか、あんまり偉そうではなかったけどね。
> ……!っ!
> …覚えていたんですね…!良かったです!本当に。
> きっと、泣いてしまうくらい嬉しかったと思います。

『本当に、嬉しい。もしかしたら、クロイツに出会えたよりも。』というのが、プロット段階でありました。
本当に嬉しい事だったと思いますよ。

>
>>着替えた神影の服装は、ハイネックセ―タ―、ジャケット、スラックス、春用コ−トというもので、色は当然全部黒。
>>そして、あまり飾り気の無い小さなクロスがついたイヤ―カフスと白い細革紐が二重になったタイプの燻し銀の太陽がぶら下がったチョ―カ−というシンプルなもの。
>>「樹里さんに、言われたのか?」
>>「いいや。純粋に好意だけさ。
>> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」
> 樹里さんも知らない事とは…?

ソラが、ソラのままで、あの呪文で使い魔になれた件ですね。

> 
>>一応、予告より数えて、約半分行きました。
>>神影は、詠太郎に何を語るのでしょうか。
>>
>>ともかく、また次回。
> はい。楽しみに待ってます!
>

では次回。


> 
>
>
>

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32274Re:光への憧憬+どうか忘れないで+  6蝶塚未麗 2006/2/14 23:07:52
記事番号32258へのコメント

こんばんは。
感想書かせていただきます。




まずタイトル。
とても綺麗なタイトルだなと思います。
吸血鬼にも相応しいですし。
印象として近いのは「白夜行」でしょうか。
読んだことも観たこともないですが。




▽ここまで
吸血鬼へのインタビューというと、これも読んだことがないのですが「夜明けのヴァンパイア」(アン・ライス)という作品がそれみたいですね(映画化もされてるとか)。
第二回の好きな食べ物などを質問するシーンが個人的にかなり好きです。
ああいう風にキャラを描くのは面白いと思うし、セリフにもリアリティがあって引きつけられました。
第四回の「残りの三人は、元々人間だよ。」というところは、サラさんが人間を監禁していてその人を無理矢理使い魔にするよう強要したのか、などと想像が変に怖い方に飛躍してしまいましたが、ちゃんと次の話の布石になっているし、次回を読ます手法としてもシンプルながら効果的だなと思いました。
でも、各エピソードは個人的にはもっと長く描いたほうが好みかなあーと思ったりしました。




▽今回
いきなりショッキングな展開。
吸血鬼ものにはこういう展開はつきものですけど、……あまりに理不尽。
>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
この辺りは分かるような気がします。
想像できます。
>「いいや。純粋に好意だけさ。
> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」
またもや続きを読ます戦略ですね。
もちろん引っかかってしまいます(笑)。




それでは短いですが、これで失礼致します。
お忙しいであろう中、これだけ書けるのは凄いです。
本当に尊敬してます(私なんて暇なのに何にも書けない)。

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32276ありがとうございます。十叶夕海 2006/2/15 01:28:28
記事番号32274へのコメント


>こんばんは。
>感想書かせていただきます。

ありがとうございます。
返レス行きます。

>
>
>
>
>まずタイトル。
>とても綺麗なタイトルだなと思います。
>吸血鬼にも相応しいですし。
>印象として近いのは「白夜行」でしょうか。
>読んだことも観たこともないですが。
>

私も読んだことも観たこともないのです。
なんとなく、ホワンと頭に浮かんだタイトルなのです。
そう言ってもらえると嬉しいです。

>
>
>
>▽ここまで
>吸血鬼へのインタビューというと、これも読んだことがないのですが「夜明けのヴァンパイア」(アン・ライス)という作品がそれみたいですね(映画化もされてるとか)。
>第二回の好きな食べ物などを質問するシーンが個人的にかなり好きです。
>ああいう風にキャラを描くのは面白いと思うし、セリフにもリアリティがあって引きつけられました。

その部分だけでは、分からないのが人間というか心のある存在なのでしょう。
第二回は、樹里と詠太郎氏のキャラ紹介兼関係紹介みたいでした。
そう言ってもらえて嬉しいです。


>第四回の「残りの三人は、元々人間だよ。」というところは、サラさんが人間を監禁していてその人を無理矢理使い魔にするよう強要したのか、などと想像が変に怖い方に飛躍してしまいましたが、ちゃんと次の話の布石になっているし、次回を読ます手法としてもシンプルながら効果的だなと思いました。
>でも、各エピソードは個人的にはもっと長く描いたほうが好みかなあーと思ったりしました。
>

ありがとうございます。
なるべく、他のエピソ―ドと等分量になるようにしたら、こんな感じにしました。
それに、この二人なら、こんな感じなのかなとか、想像して欲しかったですし。
まぁ、書く小話は幾つか考えてますが。

>
>
>
>▽今回
>いきなりショッキングな展開。
>吸血鬼ものにはこういう展開はつきものですけど、……あまりに理不尽。

書いててなんですけど、『人間らしさ』って言うのかな、それを書きたかったこの一回です。
理不尽なこの世界だしね・・・・・・・。

>>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
>この辺りは分かるような気がします。
>想像できます。

ありがとうございます。
樹里は、少々臆病になってたんですよね、このとき。

>>「いいや。純粋に好意だけさ。
>> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」
>またもや続きを読ます戦略ですね。
>もちろん引っかかってしまいます(笑)。
>
>
そうです。
それに、神影さんとソラは、仲良しですので、秘密があってもいいかなと。

>
>
>それでは短いですが、これで失礼致します。
>お忙しいであろう中、これだけ書けるのは凄いです。
>本当に尊敬してます(私なんて暇なのに何にも書けない)。

いえ、文章書くのが大好きなだけですよ、
ありがとうございました。


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32284レポート(原稿の遅れを叱られながら…)月読 乾 2006/2/15 21:41:07
記事番号32258へのコメント

しまった…ちょっと別の事してたら、ついにジュリさん本人から怒りのメールが来ちまった…

何か、編集が遅いを通り越して、既に気分は追試で後が無い高校生の気分なんだけど…
ある意味、あの人の原稿の遅れの催促は。

>>そんなこんなで、旅は続いたね。
>>でも、そのときでも理解していた。
>>別れの時が近いことを。
>>幾ら、変わっていても、ソラは人間だ。
>>時間には限りがある。
>>こっちの我が儘で、ずっといっしょにいられない。
>>当時は、まだ始まったばかりだったけど、魔女狩りもあったし、商人や職人の行き来もあった。
>>下手に噂になって、ソラも一緒に火あぶりなんてことは、避けたかった。
>>これで、事情を話して、別れようと思った、何処の国か忘れたけど、でも今の歴史の地図の中には、乗らないようなそんな小さな国の建国祭か、豊穣祈願祭か、そこの王だか大公だかの前で、ソラが唄を唄いリュ−トを奏で、私が剣舞を舞った。

ジレンマだ…ハッキリ言って明らかに同じ時間を生きるには与えられた時間が違いすぎる者同士がお互いを大切に思った時に、その大切に思う気持ちが、それを引き離される苦痛から今度は残酷な別れを決意させちまう…

愛犬、愛する病の人…

でも、『死』に限りなく近い相手ほど逆に『生』を限りなく漂わせている存在はいないから…

もし、確実に来る『死』を少しの間は(少なくとも、自分の存在を忘れてくれる『残酷な癒し』を与えてくれるまでは…)感じなくていいなら、或いは…

>>・・・・・・・・・・それで、円満に別れれば良かったんだけどね。
>>そうはさせちゃくれなかった。
>>・・・・・・クソッたれた、運命はね。
>>どうしてか分からなかったし・・・・・まぁ、王妃様か王女様が、ソラに惚れて、関係を結ぼうとして・・・・断られて・・・・報復がてらに、拷問されたらしい。
>>らしいっていうのは、私が、ソラを見つけたのが、その王族の別荘であった事と、その主犯って言うか、本人はいなかったせいもあるね。
>>黒大犬に化けさせた神影といっしょにその部屋に踏み込んだ。・・・・・・彼を見つけた時にはね、生きてもいたし、顔もキズはついちゃいなかった。
>>だけどね、陶器みたいにすべらかだった肌には、痣とか切り傷とか、火傷とか・・・拷問で付いた傷があったし・・・一言で言うなら、虫の息だった。
>>私とかの吸血鬼でも、治るのに数日かかりそうな傷だった。
>>人間で、しかも体力にに自身が無いようなソラにとって、致命的だった。
>>しかも、私が治療魔術が得意ならばよかったのだが、そっち系統は、自分にかけても簡単な擦り傷とかだろうと、10分は掛かってしまう。
>>神影にしたって、親の私と似たり寄ったりだった。

ほんのちょっとだけ人より何かがあるか無いか…それだけで、他の相手より特別だと思い込む…

でも、自分を結局それ以上破れない時点で、人はその憎しみと愛情を相手にも向ける…

誰にもある…
到底、納得出来ない話だけどね。

でも、俺にもその心に巣くう悪魔の接吻を受けた身を天使の羽で最後は這い上がって見たい気持ちはある!

>>「主、とにかく下ろさないと。」
>>「・・・わかった。」
>>私は、震える手で、どうにかソラをおろした。
>>その時点で、もう分かってた。
>>ソラは、140センチそこそこしかない私よりも、かなり背が高くて、神影よりも少し高かった。
>>当然、体重もいくら細身だといっても体重もそこそこあるはずで、体格からいって、私だけでは下ろせないはずだった。
>>・・・・・・そう、彼は軽くなっていた。
>>(もうすぐ、ソラが死ぬ・・・・・)
>>私は、認めたくなくて、認めきれなくて、私は、ソラに呼びかけた。
>>ある事を確認する為に、師匠から、サラさんから『禁呪』といわれた呪文の為に確認したい事があったのだ。
>>「ソラ、ソラ。
>> 生きてる?生きてるなら、返事して。」
>>「・・・マリアン・・ですか・・・・」
>>「そう、ソラ。
>> ソラに私は黙っていた事があった。
>> 私は、吸血鬼だ。
>> ・・・・不老不死の化け物だ。」
>>「いけま・・・せんよ・・・それで・・・も、マリア・・・ンはマリア・・・ンです。」
>>「名前も、ジュリだ。
>> ・・・・ソラ、私はソラと別れたくない。
>> ・・・・・・・ソラは、どんな形でも、私といてくれる?」
>>嫌だった。
>>誰かが、私が気を許せる存在が、居なくなるのは、二度と経験したくなかった。

何も関係無いって、俺も思うよ…
いや、俺の場合は彼の様に清らかだからじゃない。唯、世間知らずの癖に、ちょっと人の醜さ(当然、俺自身も含めてね。)だけは少しだけ知ってるから…

それの前で、表面的な『存在』なんて関係ないんじゃないかな…って思えてきたから…

『時計仕掛けのオレンジ』だって悪の化身だったアレックスは、洗脳を受けても最後は悪の化身に戻れたんだぜ?

自分は自分でしかありえないんだ。
でも、好きな相手に偽りの自分で愛する事は無い筈だから…

>>「いい・・・ですよ・・・・私も・・・・わ・・・・―――」
>>「・・・・ありがと、ソラ。
>> そして、バイバイ、ソラ。」
>>「急いだ方がいい。
>> アレは、時間との勝負だろう?」
>>「分かってる。」
>>私が、ソラにかけた呪文は『強制使い魔変換』・・・人間の言葉にあえて直すとそんな感じだ。
>>名前に『強制』とか入っているが、生前に『承諾』が無いと使えない少々使い勝手のワルイモノだ。
>>「【我は望む 我の心に・・・・・】」
>>ただ、ソラを大切な友達を失いたくは無かった。
>>だから、唱えた。
>>使い魔になったソラが、『全てを忘れて』、私の事が分からなくなると分かっていても、私は唱えた。
>>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。

時計仕掛けのオレンジの話、また引き合いに出すけど、俺はあれに希望をもらったんだ…

例え、『悪の化身』と『世間』から判断され、洗脳された男でも最後は元に戻った…

どんな事があっても、『存在そのもの』を変える事は出来ない…って。

>>だから、それから、また百年ほどは、神影と一緒に二人だけの旅が続いた。
>>やっと、呼び出したのは、スペインに無敵艦隊がイギリスに負けた前後だから、16世紀の終わりかな。
>>クロイツや、両親・・・・ソラとか、大切な人を奪った『ウンメイ』とかという奴に、感謝したね。
>>呼び出した・・・召喚したソラは、全てを覚えていた。
>>それだけで嬉しかったね。
>>それからは、神影が化けた黒大犬と詩人のソラと踊りこの私で、旅芸人として各地を回った。
>>でも、すぐに、革命だ、戦争だとか、色々ときな臭くなったからね。今のトルコらへんの国の王族・・・・・三人目の使い魔になった奴の主人だね・・・そいつの世話になった。
>>まあ、王族って言っても、王位継承順位も低いせいか、あんまり偉そうではなかったけどね。
>>着替えた神影の服装は、ハイネックセ―タ―、ジャケット、スラックス、春用コ−トというもので、色は当然全部黒。
>>そして、あまり飾り気の無い小さなクロスがついたイヤ―カフスと白い細革紐が二重になったタイプの燻し銀の太陽がぶら下がったチョ―カ−というシンプルなもの。
>>「樹里さんに、言われたのか?」
>>「いいや。純粋に好意だけさ。
>> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」

すまん、ジン。実はあの時アンタに本当に最初に掛けたかった一声は『それは俺のコスプレか?』だった…

しかし、『伝説』を聴いた直後に本人に会う事程、妙な気分になる事もそうそう無い話だよなあ…

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32287遅れよりも、約束破りのほうだな。十叶夕海 2006/2/15 23:27:07
記事番号32284へのコメント


>しまった…ちょっと別の事してたら、ついにジュリさん本人から怒りのメールが来ちまった…
>
>何か、編集が遅いを通り越して、既に気分は追試で後が無い高校生の気分なんだけど…
>ある意味、あの人の原稿の遅れの催促は。

ま、そういうな。
お前の血は、最高級のボルド―のオ−ルドワインより、美味なのは認めるが・・・ね?(少々意地悪な微笑)

>
>>>そんなこんなで、旅は続いたね。
>>>でも、そのときでも理解していた。
>>>別れの時が近いことを。
>>>幾ら、変わっていても、ソラは人間だ。
>>>時間には限りがある。
>>>こっちの我が儘で、ずっといっしょにいられない。
>>>当時は、まだ始まったばかりだったけど、魔女狩りもあったし、商人や職人の行き来もあった。
>>>下手に噂になって、ソラも一緒に火あぶりなんてことは、避けたかった。
>>>これで、事情を話して、別れようと思った、何処の国か忘れたけど、でも今の歴史の地図の中には、乗らないようなそんな小さな国の建国祭か、豊穣祈願祭か、そこの王だか大公だかの前で、ソラが唄を唄いリュ−トを奏で、私が剣舞を舞った。
>
>ジレンマだ…ハッキリ言って明らかに同じ時間を生きるには与えられた時間が違いすぎる者同士がお互いを大切に思った時に、その大切に思う気持ちが、それを引き離される苦痛から今度は残酷な別れを決意させちまう…

だけどね、過ぎた歴史に『もしも』は無いけど。
本当に、この祭が終わったら、別れるつもりだった。
使い魔にしなかったけど、ソラに会う前の30年もその繰り返しだった。

>
>愛犬、愛する病の人…
>
>でも、『死』に限りなく近い相手ほど逆に『生』を限りなく漂わせている存在はいないから…
>
>もし、確実に来る『死』を少しの間は(少なくとも、自分の存在を忘れてくれる『残酷な癒し』を与えてくれるまでは…)感じなくていいなら、或いは…

ありがとう。
それしか、乾には言いようが無いな。

>
>>>・・・・・・・・・・それで、円満に別れれば良かったんだけどね。
>>>そうはさせちゃくれなかった。
>>>・・・・・・クソッたれた、運命はね。
>>>どうしてか分からなかったし・・・・・まぁ、王妃様か王女様が、ソラに惚れて、関係を結ぼうとして・・・・断られて・・・・報復がてらに、拷問されたらしい。
>>>らしいっていうのは、私が、ソラを見つけたのが、その王族の別荘であった事と、その主犯って言うか、本人はいなかったせいもあるね。
>>>黒大犬に化けさせた神影といっしょにその部屋に踏み込んだ。・・・・・・彼を見つけた時にはね、生きてもいたし、顔もキズはついちゃいなかった。
>>>だけどね、陶器みたいにすべらかだった肌には、痣とか切り傷とか、火傷とか・・・拷問で付いた傷があったし・・・一言で言うなら、虫の息だった。
>>>私とかの吸血鬼でも、治るのに数日かかりそうな傷だった。
>>>人間で、しかも体力にに自身が無いようなソラにとって、致命的だった。
>>>しかも、私が治療魔術が得意ならばよかったのだが、そっち系統は、自分にかけても簡単な擦り傷とかだろうと、10分は掛かってしまう。
>>>神影にしたって、親の私と似たり寄ったりだった。
>
>ほんのちょっとだけ人より何かがあるか無いか…それだけで、他の相手より特別だと思い込む…

少なくとも、才能をそう見る人間は嫌いじゃない。
向上心が、些少也ともあるからな。
だが、この王女とかのように、生まれだけで、そう思い込むような人間には、虫唾が走る。

>
>でも、自分を結局それ以上破れない時点で、人はその憎しみと愛情を相手にも向ける…
>
>誰にもある…
>到底、納得出来ない話だけどね。
>
>でも、俺にもその心に巣くう悪魔の接吻を受けた身を天使の羽で最後は這い上がって見たい気持ちはある!

それすら思えないような人間が多いからな。
でも、その心がある人間は、好きだぞ。

>
>>>「主、とにかく下ろさないと。」
>>>「・・・わかった。」
>>>私は、震える手で、どうにかソラをおろした。
>>>その時点で、もう分かってた。
>>>ソラは、140センチそこそこしかない私よりも、かなり背が高くて、神影よりも少し高かった。
>>>当然、体重もいくら細身だといっても体重もそこそこあるはずで、体格からいって、私だけでは下ろせないはずだった。
>>>・・・・・・そう、彼は軽くなっていた。
>>>(もうすぐ、ソラが死ぬ・・・・・)
>>>私は、認めたくなくて、認めきれなくて、私は、ソラに呼びかけた。
>>>ある事を確認する為に、師匠から、サラさんから『禁呪』といわれた呪文の為に確認したい事があったのだ。
>>>「ソラ、ソラ。
>>> 生きてる?生きてるなら、返事して。」
>>>「・・・マリアン・・ですか・・・・」
>>>「そう、ソラ。
>>> ソラに私は黙っていた事があった。
>>> 私は、吸血鬼だ。
>>> ・・・・不老不死の化け物だ。」
>>>「いけま・・・せんよ・・・それで・・・も、マリア・・・ンはマリア・・・ンです。」
>>>「名前も、ジュリだ。
>>> ・・・・ソラ、私はソラと別れたくない。
>>> ・・・・・・・ソラは、どんな形でも、私といてくれる?」
>>>嫌だった。
>>>誰かが、私が気を許せる存在が、居なくなるのは、二度と経験したくなかった。
>
>何も関係無いって、俺も思うよ…
>いや、俺の場合は彼の様に清らかだからじゃない。唯、世間知らずの癖に、ちょっと人の醜さ(当然、俺自身も含めてね。)だけは少しだけ知ってるから…
>
>それの前で、表面的な『存在』なんて関係ないんじゃないかな…って思えてきたから…

少なくともね、そう言われるだけで私は救われる。
それに、そうお前に言われるとなんかすごく嬉しい。

>
>『時計仕掛けのオレンジ』だって悪の化身だったアレックスは、洗脳を受けても最後は悪の化身に戻れたんだぜ?
>
>自分は自分でしかありえないんだ。
>でも、好きな相手に偽りの自分で愛する事は無い筈だから…

・・・・この女殺し!!(顔真っ赤)
そういう、科白を生真面目に言うな、こっちが、嬉しいような恥かしいような奇妙な気分になる。

>
>>>「いい・・・ですよ・・・・私も・・・・わ・・・・―――」
>>>「・・・・ありがと、ソラ。
>>> そして、バイバイ、ソラ。」
>>>「急いだ方がいい。
>>> アレは、時間との勝負だろう?」
>>>「分かってる。」
>>>私が、ソラにかけた呪文は『強制使い魔変換』・・・人間の言葉にあえて直すとそんな感じだ。
>>>名前に『強制』とか入っているが、生前に『承諾』が無いと使えない少々使い勝手のワルイモノだ。
>>>「【我は望む 我の心に・・・・・】」
>>>ただ、ソラを大切な友達を失いたくは無かった。
>>>だから、唱えた。
>>>使い魔になったソラが、『全てを忘れて』、私の事が分からなくなると分かっていても、私は唱えた。
>>>でもね、ソラに『貴方が私の主ですか』とかって言われるの、怖くて、それから百年は、使い魔にしたけれど、呼び出さなかった。
>
>時計仕掛けのオレンジの話、また引き合いに出すけど、俺はあれに希望をもらったんだ…
>
>例え、『悪の化身』と『世間』から判断され、洗脳された男でも最後は元に戻った…
>
>どんな事があっても、『存在そのもの』を変える事は出来ない…って。

そうか。次回で詳しく明かすが。
『記憶』を持っているのは間違いない、普通にアレを唱えても。
それが表に出てこないだけだ。
ソラの場合は、ジンの執着の結果でもあるね。
神影;回りくどい言い方をしないで、言う事があるのではないかね?
・・・・・ありがとう。

>
>>>着替えた神影の服装は、ハイネックセ―タ―、ジャケット、スラックス、春用コ−トというもので、色は当然全部黒。
>>>そして、あまり飾り気の無い小さなクロスがついたイヤ―カフスと白い細革紐が二重になったタイプの燻し銀の太陽がぶら下がったチョ―カ−というシンプルなもの。
>>>「樹里さんに、言われたのか?」
>>>「いいや。純粋に好意だけさ。
>>> ・・・・それに、これは、樹里も知らないことだからね。」
>
>すまん、ジン。実はあの時アンタに本当に最初に掛けたかった一声は『それは俺のコスプレか?』だった…

『黒づくめ』だけは、譲れないという彼の主張と折半したら、こうなりました。
マリヤ(四人目)が、コ−ディネ―トしました。

>
>しかし、『伝説』を聴いた直後に本人に会う事程、妙な気分になる事もそうそう無い話だよなあ…


あ〜、たしかに。
私も、ドクトル・ファウストだとか、ドラゴンに合ったときは、流石に妙な気分になった。

ではな、せかして悪かった。