◆−不幸な彼女。−三波深海 (2006/2/15 23:37:49) No.32288


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32288不幸な彼女。三波深海 2006/2/15 23:37:49


覇王将軍シェーラはいつも大変なのです。
たとえば、某上司の悪戯に引っかかってしまったり。
たとえば、某上司にこきつかわれたり。
たとえば、某上司に騙されたり。
たとえば・・・・(以下エンドレス)。
語ろうとしても語れない、語れたとしても語りつくせない。
そんな彼女の物語。



「覇王様!!」
「なんだ」
「いい加減その張り紙をはがしてください!」

シェーラは壁を指差す。
そこには、うじゃうじゃとシェーラが張ってあった。

「張り紙ではなくポスターだ」
「・・そういう問題じゃ・・・」
「それに、どのシェーラをはずせばよいのだ?自由選択ならこれ以上日焼けしないように寝顔シェーラを仕舞いたいのだが」
「全部です!!」

ものすごい剣幕で怒鳴りつけるシェーラ。
三つ編みがすこし逆立っている。ような気がする。
グラウシェラーは少し面食らったような表情で、

「では・・このバニー加工も猫耳加工もメイド加工も金髪加工もセーラー加工も眼鏡加工もスク水加工も全てはがせというのか?」
「そうです!!」

今度はばんっと机を叩く。
その衝撃で、ぱたりと軽い音がして何かが倒れた。
そのまま床に転がり落ち、てんてん、と音を立てて弾み、そして静止した。

「・・・・・・・・・・これは・・・・」

シェーラのフィギュア。
量産品ではないらしく、各所にオリジナルならではのこだわりが見られる。
証拠1、スカートから見え隠れする下着。
証拠2、アルミ切り出しの睫毛のハネ。
証拠3、服から透ける下着のライン。

「なんでスカートなんですか!!いやそうじゃなくて、これは一体何なんですか!!」
「フィブリゾに作らせた。」
「うああああああああ!!!」

なぜあの冥王がこんな趣味を持っているのしかも何この最高に気持ち悪くてスバラシイ仕上がりは私スカートなんてはいたこと無いのにいやそれより何この下着の色は私こんな悪趣味じゃないんだからふざけるなぁぁぁっ!!

シェーラは体の底から沸きあがる衝動を堪えきれずに擬似的自分に向かって足を振り上げた。
そしてそのまま────ぎゅむ、と踏みにじった。
弾力を持ったそれが、シェーラの靴の下でわずかに歪む。

「あ」

ふとルキアは、怒りに狂った心の片隅で、どどどどど、というやたら威圧感がある音が聞こえるのを感じた。
その音の根源の方をゆっくりと振り向く。

「・・・はははははははは覇王様・・・・・」

怒り狂った表情で半身に構え、シェーラを鋭い眼光で睨みつける白哉。
その怒りオーラに、シェーラはただただ「ああああああ」を連呼するだけだった。


「ほう・・・踏みつけるか・・・・

 ・・・・剥ぐぞ。身に纏っている何かを」

シェーラはその威圧から、かくりと膝を突いた。
やっと正気に戻り、目の前に居るのが上司だと気づく。
上司の趣味を罵倒し(内容はともかく)、その上司の所有物を損壊する。
これはかなりきつい処罰が・・・などと覚悟を決めたとき。
覇王がふんっと鼻を鳴らした。

「いいではないか。萌え」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・そうですね」

ああ、あの御方。
こんな上司を創造り給えしことを、深く恨み申し上げます。




* * * * * * * *

こんなグダグダの小説を読んでくださってありがとうございます。
もうお詫びするしかありませんね、すみません。
改めまして。
はじめまして、三波深海です!
数年前から覗いていたのですが、どうしても書き込みたくなってしまいました。
こんなものですが、続く予定です。
どうか読んでもらえると嬉しいです。