◆−三日月は孤独な調べ 序曲 (『光への憧憬』番外編)−十叶夕海 (2006/3/17 00:05:24) No.32371 ┣隙間話なのですね−氷室 相良 (2006/3/18 12:48:48) No.32373 ┃┗ある意味 本編補完するお話です−十叶夕海 (2006/3/18 23:11:02) No.32376 ┣三日月は孤独な調べ 次曲 (『光への憧憬』番外編)−十叶夕海 (2006/3/20 22:40:02) No.32388 ┃┗Re:三日月は孤独な調べ 次曲 (『光への憧憬』番外編)−氷室 相良 (2006/3/21 18:25:50) No.32392 ┃ ┣回想なのです。−十叶夕海 (2006/3/22 00:44:44) No.32395 ┃ ┃┗Re:回想なのです。−氷室 相良 (2006/3/22 18:12:51) No.32397 ┃ ┗雲は深く、夜明けはまだ遠く…−月読乾 (2006/3/25 21:37:15) No.32410 ┃ ┗だけど 明けぬ夜は無く・・・−十叶夕海 (2006/3/25 22:22:56) No.32414 ┣でも、月にはきっと君がいる…−月読乾 (2006/3/25 11:37:18) No.32405 ┃┗だけど 側にいない−十叶夕海 (2006/3/25 22:16:35) No.32413 ┣三日月は孤独な調べ 三曲表の巻 (『光への憧憬』番外編)−十叶 夕海 (2006/4/9 10:53:15) No.32441 ┃┗月下の下で、見えない落し物を…−月読乾 (2006/4/9 13:37:51) No.32442 ┃ ┗探し 数百年の果てに見つける・・・・−十叶 夕海 (2006/4/9 20:16:32) No.32445 ┣三日月は孤独な調べ 三曲裏の巻 (『光への憧憬』番外編)−十叶 夕海 (2006/4/11 20:31:38) No.32452 ┃┗時は、静かな想いの破壊者…−月読乾 (2006/4/11 21:09:34) No.32453 ┃ ┗或いは、緩やかな万能薬−十叶 夕海 (2006/4/11 22:42:03) No.32454 ┣三日月は孤独な調べ 死曲 (『光への憧憬』番外編)−十叶 夕海 (2006/4/14 22:36:05) No.32467 ┃┗嵐の後…泉に移る月の影は…−月読乾 (2006/4/17 17:50:45) No.32473 ┃ ┗哀しさ映すが故に 美しく・・・・・・−十叶 夕海 (2006/4/17 21:39:43) No.32474 ┣三日月は孤独な調べ 終曲 (『光への憧憬』番外編)−十叶 夕海 (2006/4/20 20:11:44) No.32479 ┃┣夢から目覚めた時の、時計の針の角度の価値は…−月読乾 (2006/4/22 14:52:51) No.32480 ┃┃┗在るかどうかはわからない・・・−十叶 夕海 (2006/4/22 21:12:57) No.32481 ┃┗Re:三日月は孤独な調べ 終曲 (『光への憧憬』番外編)−夢見 (2006/4/24 19:20:22) No.32484 ┃ ┗ありがとうございます。−十叶 夕海 (2006/4/24 21:48:41) No.32485 ┗三日月は孤独な調べ 後書き−十叶 夕海 (2006/4/26 15:03:19) No.32486
32371 | 三日月は孤独な調べ 序曲 (『光への憧憬』番外編) | 十叶夕海 | 2006/3/17 00:05:24 |
この話は、『光への憧憬+どうか忘れないで+』の番外というか、隙間のお話です。 と言うわけで、『光への憧憬』を読んでいることが前提です。 位置的には、八話目九話目の間に入る回想です。 では、さっそく、始まり始まり・・・・・・・・。 −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ 序曲 月の砂漠のオアシスの少し前 私は、詠太郎と神影が、戻ってくる間、頬杖をついて 遠い昔日の事に思いをめぐらせていた。 そして、次第に心は、あの頃へと戻っていく・・・・。 光沢のある銀糸の髪に紅玉のように透明な紅の瞳の少女と光沢の薄い銀髪に淡い琥珀のような瞳の吟遊詩人姿の青年が嬉しそうに森の中に佇んでいた。 その傍らには、黒く大きな犬がいた。 「よかったぁ、ソラが私のこと覚えていてくれて。」 「そんなに、分が悪かったんですか?」 「うん、農民が爪楊枝一本で、全裸で熊に立ち向かう程度には。」 「それは、それは。」 その頃、ジュリは、欧州を渦巻いていた魔女狩りの嵐から逃れる為、イスラム教とキリスト教の大体の境目の大きな町にいた。 その近くの森の奥で、数十年ぶりに、ソラを・・・自分が救えなかった友人を使い魔にした後、初めて召喚したのだった。 そして、『諦めていた』ソラの記憶が何の偶然か、残っていて、それを喜んでいるのだった。 「この大犬が、私と同じ使い魔のシャドウくん? ジュリは、神の影ってことで、神影と呼んでいるみたいですけどね。」 「な、なんで、それ知っているの?」 「今の私は、『神の下僕』ではなく、『ジュリの下僕』ですから。」 そう真顔かつ、素でいうソラ。 少なくとも、絶世の美人に情熱な科白を言われて、赤くならない女性はいないだろう。 実際は、神影とソラは、以前から互いの事を知っていたのだが、それは、ジュリは知らない。 「あのね、そういう科白は他の人に言ったら、いやだからね。」 「わかりました、我が主(マイン・ヘル)」 「・・・・・・・・・・いちゃつくのもそれ位にしたらどうかね?」 と、いきなり、黒い大犬 がそう口を聞いた それと同時に、黒いロ−ブ姿の男性に変化した。 彼は、神影或いはシャドウ。ジュリの使い魔の一人目である。 「はいはい。 それで貴方の吟遊詩人としての技能が必要なの。」 「なぜですか?」 「私は、今から、イスラム教圏・・・・さしあたって、オスマントルコの方に避難する。 その時に、吟遊詩人と踊り子のペアとして、入るつもりだ。」 「私が、その護衛役だな。」 「分かりました。 しかし、踊りは?」 「踊れるよ、芸人集団が私のような年齢で踊るやつはね。 元々、そっち出身だ。」 それから数ヵ月後。 村や町を数日後とに移動し、歌や踊りを見せる二人とその護衛の黒づくめは、有名になった。 そして、その頃には、オスマントルコ帝国の勢力圏に入っていた。 その街は、イスラムとキリストのちょうど境目の街。 その街で、ジュリは、とある出会いをする。 −+−+−+−+−+−+−+−+−+−+−+ ジュリが話していたことと少し被っている部分がありますが。 これから先は、ジュリが、乾氏に語らなかった昔に入っていきます。 それでは、次曲で。 |
32373 | 隙間話なのですね | 氷室 相良 | 2006/3/18 12:48:48 |
記事番号32371へのコメント >この話は、『光への憧憬+どうか忘れないで+』の番外というか、隙間のお話です。 >と言うわけで、『光への憧憬』を読んでいることが前提です。 >位置的には、八話目九話目の間に入る回想です。 >では、さっそく、始まり始まり・・・・・・・・。 きゅ…九話…? ま、まだ見てませんでした…! これにレスしてから、九話にレス致します。 >光沢のある銀糸の髪に紅玉のように透明な紅の瞳の少女と光沢の薄い銀髪に淡い琥珀のような瞳の吟遊詩人姿の青年が嬉しそうに森の中に佇んでいた。 >その傍らには、黒く大きな犬がいた。 >「よかったぁ、ソラが私のこと覚えていてくれて。」 >「そんなに、分が悪かったんですか?」 >「うん、農民が爪楊枝一本で、全裸で熊に立ち向かう程度には。」 >「それは、それは。」 >その頃、ジュリは、欧州を渦巻いていた魔女狩りの嵐から逃れる為、イスラム教とキリスト教の大体の境目の大きな町にいた。 >その近くの森の奥で、数十年ぶりに、ソラを・・・自分が救えなかった友人を使い魔にした後、初めて召喚したのだった。 >そして、『諦めていた』ソラの記憶が何の偶然か、残っていて、それを喜んでいるのだった。 改めて、本当に分が悪いですよね…。 果たして、偶然か必然か。 >「この大犬が、私と同じ使い魔のシャドウくん? > ジュリは、神の影ってことで、神影と呼んでいるみたいですけどね。」 >「な、なんで、それ知っているの?」 >「今の私は、『神の下僕』ではなく、『ジュリの下僕』ですから。」 >そう真顔かつ、素でいうソラ。 >少なくとも、絶世の美人に情熱な科白を言われて、赤くならない女性はいないだろう。 >実際は、神影とソラは、以前から互いの事を知っていたのだが、それは、ジュリは知らない。 >「あのね、そういう科白は他の人に言ったら、いやだからね。」 >「わかりました、我が主(マイン・ヘル)」 >「・・・・・・・・・・いちゃつくのもそれ位にしたらどうかね?」 >と、いきなり、黒い大犬 がそう口を聞いた >それと同時に、黒いロ−ブ姿の男性に変化した。 >彼は、神影或いはシャドウ。ジュリの使い魔の一人目である。 素でそんな科白を… ジュリさんも、やっぱり他の人には言って欲しくないですよねっ。 微妙に突っ込みを入れた神影氏(笑) >「はいはい。 > それで貴方の吟遊詩人としての技能が必要なの。」 >「なぜですか?」 >「私は、今から、イスラム教圏・・・・さしあたって、オスマントルコの方に避難する。 その時に、吟遊詩人と踊り子のペアとして、入るつもりだ。」 >「私が、その護衛役だな。」 >「分かりました。 > しかし、踊りは?」 >「踊れるよ、芸人集団が私のような年齢で踊るやつはね。 > 元々、そっち出身だ。」 > > >それから数ヵ月後。 >村や町を数日後とに移動し、歌や踊りを見せる二人とその護衛の黒づくめは、有名になった。 >そして、その頃には、オスマントルコ帝国の勢力圏に入っていた。 >その街は、イスラムとキリストのちょうど境目の街。 >その街で、ジュリは、とある出会いをする。 とある出会い… ジュリさんにとって重要か、ごく普通の出会いか…。 >ジュリが話していたことと少し被っている部分がありますが。 >これから先は、ジュリが、乾氏に語らなかった昔に入っていきます。 > > >それでは、次曲で。 へぇ…。 はい。それではまた。 |
32376 | ある意味 本編補完するお話です | 十叶夕海 | 2006/3/18 23:11:02 |
記事番号32373へのコメント >>この話は、『光への憧憬+どうか忘れないで+』の番外というか、隙間のお話です。 >>と言うわけで、『光への憧憬』を読んでいることが前提です。 >>位置的には、八話目九話目の間に入る回想です。 >>では、さっそく、始まり始まり・・・・・・・・。 > きゅ…九話…? > ま、まだ見てませんでした…! > これにレスしてから、九話にレス致します。 一応、呼んだほうが楽しめると言う程度です。 半分ほどお話は、被りますし。 > >>光沢のある銀糸の髪に紅玉のように透明な紅の瞳の少女と光沢の薄い銀髪に淡い琥珀のような瞳の吟遊詩人姿の青年が嬉しそうに森の中に佇んでいた。 >>その傍らには、黒く大きな犬がいた。 >>「よかったぁ、ソラが私のこと覚えていてくれて。」 >>「そんなに、分が悪かったんですか?」 >>「うん、農民が爪楊枝一本で、全裸で熊に立ち向かう程度には。」 >>「それは、それは。」 >>その頃、ジュリは、欧州を渦巻いていた魔女狩りの嵐から逃れる為、イスラム教とキリスト教の大体の境目の大きな町にいた。 >>その近くの森の奥で、数十年ぶりに、ソラを・・・自分が救えなかった友人を使い魔にした後、初めて召喚したのだった。 >>そして、『諦めていた』ソラの記憶が何の偶然か、残っていて、それを喜んでいるのだった。 > 改めて、本当に分が悪いですよね…。 > 果たして、偶然か必然か。 そうですね。でも、神影の独走があってこそのことですしね。 でも、『偶さかに然るべくして起こる事』と『必ず然るべくして起こること』何が違いがあります? > >>「この大犬が、私と同じ使い魔のシャドウくん? >> ジュリは、神の影ってことで、神影と呼んでいるみたいですけどね。」 >>「な、なんで、それ知っているの?」 >>「今の私は、『神の下僕』ではなく、『ジュリの下僕』ですから。」 >>そう真顔かつ、素でいうソラ。 >>少なくとも、絶世の美人に情熱な科白を言われて、赤くならない女性はいないだろう。 >>実際は、神影とソラは、以前から互いの事を知っていたのだが、それは、ジュリは知らない。 >>「あのね、そういう科白は他の人に言ったら、いやだからね。」 >>「わかりました、我が主(マイン・ヘル)」 >>「・・・・・・・・・・いちゃつくのもそれ位にしたらどうかね?」 >>と、いきなり、黒い大犬 がそう口を聞いた >>それと同時に、黒いロ−ブ姿の男性に変化した。 >>彼は、神影或いはシャドウ。ジュリの使い魔の一人目である。 > 素でそんな科白を… > ジュリさんも、やっぱり他の人には言って欲しくないですよねっ。 > 微妙に突っ込みを入れた神影氏(笑) 何気に、ソラ氏は、『女殺し』なのです、無自覚に。 そうですね、ジュリは、ソラの事大好きですし。 『話を進めないのかい?』ではなく、『ソラ、お母さんを取らないで』という感じのツッコミです。 > >>「はいはい。 >> それで貴方の吟遊詩人としての技能が必要なの。」 >>「なぜですか?」 >>「私は、今から、イスラム教圏・・・・さしあたって、オスマントルコの方に避難する。 その時に、吟遊詩人と踊り子のペアとして、入るつもりだ。」 >>「私が、その護衛役だな。」 >>「分かりました。 >> しかし、踊りは?」 >>「踊れるよ、芸人集団が私のような年齢で踊るやつはね。 >> 元々、そっち出身だ。」 >> >> >>それから数ヵ月後。 >>村や町を数日後とに移動し、歌や踊りを見せる二人とその護衛の黒づくめは、有名になった。 >>そして、その頃には、オスマントルコ帝国の勢力圏に入っていた。 >>その街は、イスラムとキリストのちょうど境目の街。 >>その街で、ジュリは、とある出会いをする。 > とある出会い… > ジュリさんにとって重要か、ごく普通の出会いか…。 > 重要でしょう。 彼に出会ったからこそ、三人目に出会えた。 >>ジュリが話していたことと少し被っている部分がありますが。 >>これから先は、ジュリが、乾氏に語らなかった昔に入っていきます。 >> >> >>それでは、次曲で。 > へぇ…。 > はい。それではまた。 お楽しみに。 それでは。 |
32388 | 三日月は孤独な調べ 次曲 (『光への憧憬』番外編) | 十叶夕海 | 2006/3/20 22:40:02 |
記事番号32371へのコメント 次曲 舞姫としてのジュリ 白き花の木の下で 乙女は 思い焦がれる 彼の人の面影を瞼に 浮かべ 安らかに微笑み ただ 彼の人を思う 舞え 乙女 (なかなか、うまいものだね。 むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) 黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 「おい、オッサン。 うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 「笛者の言うとおりですよ。 わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 そんなこんなで、翌日の昼−。 オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? ジュリ様は好きでしょう?」 「うん。 あと、塩漬けの干し肉とね。」 「あとは、水・・・・か酒かね。 水は腐りやすいし。」 「放せ、クソ野郎!!」 という、のどかな市場には似合わない声。 染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 「主!!」 「気紛れ。 ・・・・理由は詳しく後から話す。」 「・・・・・・・御意に。」 「ありがとさん。」 「主に言われたからだ。」 「主?」 「・・・銀髪の男といる方だ。」 「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 「そうだな。」 「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 「主がいいと言えば。」 と、少年とシャドウは会話する。 「と言うわけだ、主。 如何する?」 「少年、お前のうちは、何処だ?」 「ハッティア。 この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 「ちょうどいい。 次の目的地だしね。 少年、名前は? 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 「俺? 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 こういう縁でウル−ジとジュリは出会った。 この出会いが無ければ、三人目は三人目にはならなかった。 ―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+―+ どうも、ユアです。 このお話は、『光への憧憬』の八話目読んで、このお話を最後まで読んで、九話目を読むとさらに、味が増します。 さて、次回こそ、アビゴルとジュリとの出逢いです。 それでは。 |
32392 | Re:三日月は孤独な調べ 次曲 (『光への憧憬』番外編) | 氷室 相良 | 2006/3/21 18:25:50 |
記事番号32388へのコメント > 次曲 舞姫としてのジュリ > > > > 白き花の木の下で 乙女は 思い焦がれる > > 彼の人の面影を瞼に 浮かべ 安らかに微笑み > > ただ 彼の人を思う 舞え 乙女 > > >(なかなか、うまいものだね。 > むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) >黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 >しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 >何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 >それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 >その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 >確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 ああ、見たい見たい! ジュリさん素敵〜vv …でも、「今なら」が気になりますね…。 ま、それも素敵さの一部と言うことにしときます。(自己完結) >「おい、オッサン。 > うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 >用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 >「笛者の言うとおりですよ。 > わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 > 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 ジュリさんモテモテ〜。 中年平民では、望めないでしょうね。 ソラさんは、確信犯ですね。 >そんなこんなで、翌日の昼−。 >オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 >雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 >「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? > ジュリ様は好きでしょう?」 >「うん。 > あと、塩漬けの干し肉とね。」 >「あとは、水・・・・か酒かね。 > 水は腐りやすいし。」 >「放せ、クソ野郎!!」 >という、のどかな市場には似合わない声。 >染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 >彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 >「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 >「主!!」 >「気紛れ。 > ・・・・理由は詳しく後から話す。」 >「・・・・・・・御意に。」 水って腐るんですか。 おっ、ウルージさん登場。 >「ありがとさん。」 >「主に言われたからだ。」 >「主?」 >「・・・銀髪の男といる方だ。」 >「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 >「そうだな。」 >「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 >「主がいいと言えば。」 >と、少年とシャドウは会話する。 >「と言うわけだ、主。 > 如何する?」 >「少年、お前のうちは、何処だ?」 >「ハッティア。 > この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 >「ちょうどいい。 > 次の目的地だしね。 > 少年、名前は? > 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 > 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 >「俺? > 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 トルコ人の名前って、結構発音しにくいですね。(関係ない) まぁ、どの国もたいていそうですが。(更に関係ない) >こういう縁でウル−ジとジュリは出会った。 >この出会いが無ければ、三人目は三人目にはならなかった。 これがきっかけですか。 >どうも、ユアです。 >このお話は、『光への憧憬』の八話目読んで、このお話を最後まで読んで、九話目を読むとさらに、味が増します。 > > >さて、次回こそ、アビゴルとジュリとの出逢いです。 ついに、三人目。 >それでは それではまた。 |
32395 | 回想なのです。 | 十叶夕海 | 2006/3/22 00:44:44 |
記事番号32392へのコメント >> 次曲 舞姫としてのジュリ >> >> >> >> 白き花の木の下で 乙女は 思い焦がれる >> >> 彼の人の面影を瞼に 浮かべ 安らかに微笑み >> >> ただ 彼の人を思う 舞え 乙女 >> >> >>(なかなか、うまいものだね。 >> むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) >>黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 >>しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 >>何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 >>それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 >>その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 >>確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 > ああ、見たい見たい! > ジュリさん素敵〜vv > …でも、「今なら」が気になりますね…。 > ま、それも素敵さの一部と言うことにしときます。(自己完結) 14歳なのに、キレイという言葉が似合います。 普段は、『氷』もかくやの無愛想&無表情ですから。 > > >>「おい、オッサン。 >> うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 >>用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 >>「笛者の言うとおりですよ。 >> わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 >> 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 > ジュリさんモテモテ〜。 > 中年平民では、望めないでしょうね。 > ソラさんは、確信犯ですね。 > キレイなので。 そうですね。 思い返してはいませんが、実際に、皇太子だの皇帝だのからもらっています。 数十年前の。嘘は言ってません。 そして、素です。 > >>そんなこんなで、翌日の昼−。 >>オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 >>雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 >>「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? >> ジュリ様は好きでしょう?」 >>「うん。 >> あと、塩漬けの干し肉とね。」 >>「あとは、水・・・・か酒かね。 >> 水は腐りやすいし。」 >>「放せ、クソ野郎!!」 >>という、のどかな市場には似合わない声。 >>染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 >>彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 >>「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 >>「主!!」 >>「気紛れ。 >> ・・・・理由は詳しく後から話す。」 >>「・・・・・・・御意に。」 > 水って腐るんですか。 > おっ、ウルージさん登場。 腐りますよ、革の水筒に入れていても、砂漠ぐらい熱いと一昼夜ほどで腹を下します。 まだまだ、あどけないウル−ジです。 > > >>「ありがとさん。」 >>「主に言われたからだ。」 >>「主?」 >>「・・・銀髪の男といる方だ。」 >>「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 >>「そうだな。」 >>「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 >>「主がいいと言えば。」 >>と、少年とシャドウは会話する。 >>「と言うわけだ、主。 >> 如何する?」 >>「少年、お前のうちは、何処だ?」 >>「ハッティア。 >> この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 >>「ちょうどいい。 >> 次の目的地だしね。 >> 少年、名前は? >> 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 >> 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 >>「俺? >> 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 > トルコ人の名前って、結構発音しにくいですね。(関係ない) > まぁ、どの国もたいていそうですが。(更に関係ない) そうですね。 ちなみに、言いやすく発音すると『ウル―ジ=メディナ=アルジャファル』になります。 > > >>こういう縁でウル−ジとジュリは出会った。 >>この出会いが無ければ、三人目は三人目にはならなかった。 > これがきっかけですか。 そうですね。 > > >>どうも、ユアです。 >>このお話は、『光への憧憬』の八話目読んで、このお話を最後まで読んで、九話目を読むとさらに、味が増します。 >> >> >>さて、次回こそ、アビゴルとジュリとの出逢いです。 > ついに、三人目。 ・・・・の出会い編です。 これの簡略版が、本編のジュリの話したことです。 > > >>それでは > それではまた。 > はい、ありがとうございました。 > |
32397 | Re:回想なのです。 | 氷室 相良 | 2006/3/22 18:12:51 |
記事番号32395へのコメント >>>(なかなか、うまいものだね。 >>> むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) >>>黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 >>>しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 >>>何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 >>>それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 >>>その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 >>>確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 >> ああ、見たい見たい! >> ジュリさん素敵〜vv >> …でも、「今なら」が気になりますね…。 >> ま、それも素敵さの一部と言うことにしときます。(自己完結) > >14歳なのに、キレイという言葉が似合います。 >普段は、『氷』もかくやの無愛想&無表情ですから。 無愛想で無表情… それはそれで、なかなか(何) >>>「おい、オッサン。 >>> うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 >>>用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 >>>「笛者の言うとおりですよ。 >>> わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 >>> 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 >> ジュリさんモテモテ〜。 >> 中年平民では、望めないでしょうね。 >> ソラさんは、確信犯ですね。 >> > >キレイなので。 >そうですね。 >思い返してはいませんが、実際に、皇太子だの皇帝だのからもらっています。 >数十年前の。嘘は言ってません。 >そして、素です。 素で言い切るソラさんが素敵。 >>>そんなこんなで、翌日の昼−。 >>>オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 >>>雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 >>>「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? >>> ジュリ様は好きでしょう?」 >>>「うん。 >>> あと、塩漬けの干し肉とね。」 >>>「あとは、水・・・・か酒かね。 >>> 水は腐りやすいし。」 >>>「放せ、クソ野郎!!」 >>>という、のどかな市場には似合わない声。 >>>染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 >>>彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 >>>「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 >>>「主!!」 >>>「気紛れ。 >>> ・・・・理由は詳しく後から話す。」 >>>「・・・・・・・御意に。」 >> 水って腐るんですか。 >> おっ、ウルージさん登場。 > >腐りますよ、革の水筒に入れていても、砂漠ぐらい熱いと一昼夜ほどで腹を下します。 >まだまだ、あどけないウル−ジです。 熱いと水もすぐ腐ってしまうんですか。 これからが楽しみです。 >>>「ありがとさん。」 >>>「主に言われたからだ。」 >>>「主?」 >>>「・・・銀髪の男といる方だ。」 >>>「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 >>>「そうだな。」 >>>「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 >>>「主がいいと言えば。」 >>>と、少年とシャドウは会話する。 >>>「と言うわけだ、主。 >>> 如何する?」 >>>「少年、お前のうちは、何処だ?」 >>>「ハッティア。 >>> この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 >>>「ちょうどいい。 >>> 次の目的地だしね。 >>> 少年、名前は? >>> 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 >>> 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 >>>「俺? >>> 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 >> トルコ人の名前って、結構発音しにくいですね。(関係ない) >> まぁ、どの国もたいていそうですが。(更に関係ない) > >そうですね。 >ちなみに、言いやすく発音すると『ウル―ジ=メディナ=アルジャファル』になります。 …おお!本当だ!(実際試した。) アルジャハルのあたりが。 >>>どうも、ユアです。 >>>このお話は、『光への憧憬』の八話目読んで、このお話を最後まで読んで、九話目を読むとさらに、味が増します。 >>> >>> >>>さて、次回こそ、アビゴルとジュリとの出逢いです。 >> ついに、三人目。 > >・・・・の出会い編です。 >これの簡略版が、本編のジュリの話したことです。 もう一回、本編見直してみましょうか。 今だからこそ、分かることもあると思いますし それではまた。 |
32410 | 雲は深く、夜明けはまだ遠く… | 月読乾 | 2006/3/25 21:37:15 |
記事番号32392へのコメント 白き花の木の下で 乙女は 思い焦がれる > > 彼の人の面影を瞼に 浮かべ 安らかに微笑み > > ただ 彼の人を思う 舞え 乙女 月桂樹の下は、光に照らされてよく見えない… 静かに微笑む満月は、次に見たときは全く表情を変えている… >(なかなか、うまいものだね。 > むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) >黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 >しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 >何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 >それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 >その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 >確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 コメントに困りました… 酒の席で絡んできた酔っ払いオヤジの話と同じくらいには!!(←大暴言。) >「おい、オッサン。 > うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 >用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 >「笛者の言うとおりですよ。 > わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 > 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 うん。まあ、そうだね… 何を考えてるかわかりにくい人の脅し(?)ほど恐怖を感じる物は無いしね。 >そんなこんなで、翌日の昼−。 >オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 >雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 >「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? > ジュリ様は好きでしょう?」 >「うん。 > あと、塩漬けの干し肉とね。」 >「あとは、水・・・・か酒かね。 > 水は腐りやすいし。」 >「放せ、クソ野郎!!」 >という、のどかな市場には似合わない声。 >染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 >彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 >「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 >「主!!」 >「気紛れ。 > ・・・・理由は詳しく後から話す。」 >「・・・・・・・御意に。」 この時点で、絡まれた理由が今いちわかりませんが… 少なくとも、ただチンピラに因縁をつけられた程度のレベルでは無さそうな… とにかく、『運命の厄介ごと』が起きてしまった感じですね。 >「ありがとさん。」 >「主に言われたからだ。」 >「主?」 >「・・・銀髪の男といる方だ。」 >「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 >「そうだな。」 >「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 >「主がいいと言えば。」 >と、少年とシャドウは会話する。 >「と言うわけだ、主。 > 如何する?」 >「少年、お前のうちは、何処だ?」 >「ハッティア。 > この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 >「ちょうどいい。 > 次の目的地だしね。 > 少年、名前は? > 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 > 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 >「俺? > 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 > > > > >こういう縁でウル−ジとジュリは出会った。 >この出会いが無ければ、三人目は三人目にはならなかった。 この少年が、アビゴル君何かの影響を? 何が起こったのか、こっちも話についていくつもりです。 |
32414 | だけど 明けぬ夜は無く・・・ | 十叶夕海 | 2006/3/25 22:22:56 |
記事番号32410へのコメント >白き花の木の下で 乙女は 思い焦がれる >> >> 彼の人の面影を瞼に 浮かべ 安らかに微笑み >> >> ただ 彼の人を思う 舞え 乙女 > >月桂樹の下は、光に照らされてよく見えない… >静かに微笑む満月は、次に見たときは全く表情を変えている… だからこそ、愛しい。 だからこそ、麗しい。 > >>(なかなか、うまいものだね。 >> むしろ、使い魔になって、息継ぎが怪しまれない程度に減らしたおかげというものもあるな。) >>黒衣の男−髪影は、ソラのリュ−トの添えに横笛を奏でつつそう、彼の腕に素直に思う。 >>しかし、主・ジュリの格好が格好だけに、気が気ではないようだ。 >>何故ならば、幾ら14歳で成長を止めていようと、それなりにメリハリのある身体なうえにヤマネコのようなシャ−プさと歩んできた数百年分の老練な妖艶さが合わさって、ジュリを少女のような少年のような不思議な魅力として見せていた。 >>それに、その服装も、装飾品を抜けば、ミルク色の布地に刺繍を入れたパレオ付きのビキニ水着といったところ。 >>その上に、額飾りやチョ−カ−、何十という腕輪や足輪など。手には、日本の錫仗のような杖も持っている。 >>確かに、愛想よく笑っている今なら、襲いたくなるような雰囲気である。 > >コメントに困りました… > >酒の席で絡んできた酔っ払いオヤジの話と同じくらいには!!(←大暴言。) ・・・少し怒るぞ? 男なら、誉め言葉のひとつや二つ言いなさい。 ・・・・・・と、ジュリなら言いそうですね。 > >>「おい、オッサン。 >> うちの舞姫に、手を触れるってなら、覚悟は出来てんだろな?」 >>用心棒として作った口調で、神影は、ジュリに触れようとしていた中年平民にそう言った。それをソラが、言葉を受け継ぎ、こう告げる。 >>「笛者の言うとおりですよ。 >> わが舞姫は、額飾りは、ある国の皇太子様より、チョ−カ−は、また別の国の皇帝様より賜ったモノです。 >> 高貴な方々の寵を拒んでまで踊りつづける舞姫に触れるとは、それ相応のものをいただけると思っていいので?」 > >うん。まあ、そうだね… > >何を考えてるかわかりにくい人の脅し(?)ほど恐怖を感じる物は無いしね。 たしかに、ソラも、笑顔に本音を隠して、怖いですしね。 >>そんなこんなで、翌日の昼−。 >>オスマントルコ内に入って、初めてのこの町を出る前に、必要なものを買おうと、男装をしたジュリと、一応前日とは服を代えたソラとシャドウは、市場を歩いている。 >>雰囲気だけで言うならば、親友同士と銀髪の方の歳の離れた弟という感じだろうか。 >>「ナツメの干したのと蜂蜜漬けもう少し買っときますか? >> ジュリ様は好きでしょう?」 >>「うん。 >> あと、塩漬けの干し肉とね。」 >>「あとは、水・・・・か酒かね。 >> 水は腐りやすいし。」 >>「放せ、クソ野郎!!」 >>という、のどかな市場には似合わない声。 >>染料とこのあたりの砂漠の日差しで焼けたであろう、褐色の肌と黒髪と海か空のように深い青の瞳の15歳ぐらいの少年。 >>彼が、何人かの黒づくめの男達に囲まれていた。 >>「・・・・・・シャドウ、あの少年、助けて。」 >>「主!!」 >>「気紛れ。 >> ・・・・理由は詳しく後から話す。」 >>「・・・・・・・御意に。」 > >この時点で、絡まれた理由が今いちわかりませんが… >少なくとも、ただチンピラに因縁をつけられた程度のレベルでは無さそうな… > >とにかく、『運命の厄介ごと』が起きてしまった感じですね。 そうですね。 だからこそ、十二年の長い親交が生まれた。 > >>「ありがとさん。」 >>「主に言われたからだ。」 >>「主?」 >>「・・・銀髪の男といる方だ。」 >>「ふ〜ん・・あ、昨日広場で舞いを披露してた。」 >>「そうだな。」 >>「・・・・・礼をしたいし、うちに来ないか?」 >>「主がいいと言えば。」 >>と、少年とシャドウは会話する。 >>「と言うわけだ、主。 >> 如何する?」 >>「少年、お前のうちは、何処だ?」 >>「ハッティア。 >> この辺で、一番栄えている所だろ、きっと。」 >>「ちょうどいい。 >> 次の目的地だしね。 >> 少年、名前は? >> 私は、ジュリ=クルツロ−ゼス。 >> 銀髪が、ソラ。黒髪は、シャドウ=クルツロ−ゼス」 >>「俺? >> 俺は、ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル。」 >> >> >> >> >>こういう縁でウル−ジとジュリは出会った。 >>この出会いが無ければ、三人目は三人目にはならなかった。 > >この少年が、アビゴル君何かの影響を? >何が起こったのか、こっちも話についていくつもりです。 それは、次曲で。 それでは。 |
32405 | でも、月にはきっと君がいる… | 月読乾 | 2006/3/25 11:37:18 |
記事番号32371へのコメント で、幾らこの内容から、つい思い出した好きな好きな言葉だったからとは言え、フレーズのあまりの歯の浮き具合に自分で赤面してる奴がここに居ますが…(汗) レス行きますね。 > >私は、詠太郎と神影が、戻ってくる間、頬杖をついて >遠い昔日の事に思いをめぐらせていた。 >そして、次第に心は、あの頃へと戻っていく・・・・。 待たされる『時間』程、密度の時計の針の刻む間に入る『時』が長くなる物は無いのかも… 夜の闇は、目に見える物を覆い隠す代わりに見えない物をどんな時よりもハッキリ見せてくれますしね。 >光沢のある銀糸の髪に紅玉のように透明な紅の瞳の少女と光沢の薄い銀髪に淡い琥珀のような瞳の吟遊詩人姿の青年が嬉しそうに森の中に佇んでいた。 >その傍らには、黒く大きな犬がいた。 >「よかったぁ、ソラが私のこと覚えていてくれて。」 >「そんなに、分が悪かったんですか?」 >「うん、農民が爪楊枝一本で、全裸で熊に立ち向かう程度には。」 >「それは、それは。」 >その頃、ジュリは、欧州を渦巻いていた魔女狩りの嵐から逃れる為、イスラム教とキリスト教の大体の境目の大きな町にいた。 >その近くの森の奥で、数十年ぶりに、ソラを・・・自分が救えなかった友人を使い魔にした後、初めて召喚したのだった。 >そして、『諦めていた』ソラの記憶が何の偶然か、残っていて、それを喜んでいるのだった。 周りの『大儀』と『正義』と言う名の幻影に盲目になった人間にとって、それらに比べたらその刹那の砂粒程の奇跡など何の関係も無い…のと同じくらい、 この小さな奇跡の前にはそんな物は何の関係も無い。 これだけで、自分の中にある闇に希望が指すか… あ、レスしてて思ったけど、何か途中でジュリさん、微妙な例えの台詞が言った気が… 何だろうな…? 気のせいか…? >「この大犬が、私と同じ使い魔のシャドウくん? > ジュリは、神の影ってことで、神影と呼んでいるみたいですけどね。」 >「な、なんで、それ知っているの?」 >「今の私は、『神の下僕』ではなく、『ジュリの下僕』ですから。」 >そう真顔かつ、素でいうソラ。 >少なくとも、絶世の美人に情熱な科白を言われて、赤くならない女性はいないだろう。 >実際は、神影とソラは、以前から互いの事を知っていたのだが、それは、ジュリは知らない。 >「あのね、そういう科白は他の人に言ったら、いやだからね。」 >「わかりました、我が主(マイン・ヘル)」 >「・・・・・・・・・・いちゃつくのもそれ位にしたらどうかね?」 >と、いきなり、黒い大犬 がそう口を聞いた >それと同時に、黒いロ−ブ姿の男性に変化した。 >彼は、神影或いはシャドウ。ジュリの使い魔の一人目である。 >「はいはい。 > それで貴方の吟遊詩人としての技能が必要なの。」 >「なぜですか?」 >「私は、今から、イスラム教圏・・・・さしあたって、オスマントルコの方に避難する。 その時に、吟遊詩人と踊り子のペアとして、入るつもりだ。」 >「私が、その護衛役だな。」 >「分かりました。 > しかし、踊りは?」 >「踊れるよ、芸人集団が私のような年齢で踊るやつはね。 > 元々、そっち出身だ。」 リアクションが無いと逆に困るので…(汗) むしろ、やっぱり失敗したんじゃと…不安になりかねない事を言う人だ… しかし、本当に『大事な人』を、『蘇らす』と言う、精神にも心にも大きなリスクを背負うって行った理由がそれだけ? 穿った言い方ですが… >それから数ヵ月後。 >村や町を数日後とに移動し、歌や踊りを見せる二人とその護衛の黒づくめは、有名になった。 >そして、その頃には、オスマントルコ帝国の勢力圏に入っていた。 >その街は、イスラムとキリストのちょうど境目の街。 >その街で、ジュリは、とある出会いをする。 非難するなら、余り目立つと逆にまずいのでは?意図的では無かったのだと思いますが… それとも、何かその『出会う人』と関係がある? >ジュリが話していたことと少し被っている部分がありますが。 >これから先は、ジュリが、乾氏に語らなかった昔に入っていきます。 > > >それでは、次曲で。 気になります。 どう言う事があったのか… |
32413 | だけど 側にいない | 十叶夕海 | 2006/3/25 22:16:35 |
記事番号32405へのコメント >で、幾らこの内容から、つい思い出した好きな好きな言葉だったからとは言え、フレーズのあまりの歯の浮き具合に自分で赤面してる奴がここに居ますが…(汗) > >レス行きますね。 返したタイトルは、ある意味この先の示唆でもあるのです。 素敵な言葉ありがとうございます。 はい、返レス行きます。 > >> >>私は、詠太郎と神影が、戻ってくる間、頬杖をついて >>遠い昔日の事に思いをめぐらせていた。 >>そして、次第に心は、あの頃へと戻っていく・・・・。 > >待たされる『時間』程、密度の時計の針の刻む間に入る『時』が長くなる物は無いのかも… そうですね。 ・・・・彼の生まれ変わりを詠太郎氏にしても面白いかも。 > >夜の闇は、目に見える物を覆い隠す代わりに見えない物をどんな時よりもハッキリ見せてくれますしね。 ・・・・見たくないものまでね。 > >>光沢のある銀糸の髪に紅玉のように透明な紅の瞳の少女と光沢の薄い銀髪に淡い琥珀のような瞳の吟遊詩人姿の青年が嬉しそうに森の中に佇んでいた。 >>その傍らには、黒く大きな犬がいた。 >>「よかったぁ、ソラが私のこと覚えていてくれて。」 >>「そんなに、分が悪かったんですか?」 >>「うん、農民が爪楊枝一本で、全裸で熊に立ち向かう程度には。」 >>「それは、それは。」 >>その頃、ジュリは、欧州を渦巻いていた魔女狩りの嵐から逃れる為、イスラム教とキリスト教の大体の境目の大きな町にいた。 >>その近くの森の奥で、数十年ぶりに、ソラを・・・自分が救えなかった友人を使い魔にした後、初めて召喚したのだった。 >>そして、『諦めていた』ソラの記憶が何の偶然か、残っていて、それを喜んでいるのだった。 > >周りの『大儀』と『正義』と言う名の幻影に盲目になった人間にとって、それらに比べたらその刹那の砂粒程の奇跡など何の関係も無い…のと同じくらい、 >この小さな奇跡の前にはそんな物は何の関係も無い。 > >これだけで、自分の中にある闇に希望が指すか… こう言う言葉が一番嬉しいかもです。 > >あ、レスしてて思ったけど、何か途中でジュリさん、微妙な例えの台詞が言った気が… > >何だろうな…? > >気のせいか…? ・・・・気のせいじゃないです。 詩的な言葉より、こっちの方がジュリらしいかなと。 > >>「この大犬が、私と同じ使い魔のシャドウくん? >> ジュリは、神の影ってことで、神影と呼んでいるみたいですけどね。」 >>「な、なんで、それ知っているの?」 >>「今の私は、『神の下僕』ではなく、『ジュリの下僕』ですから。」 >>そう真顔かつ、素でいうソラ。 >>少なくとも、絶世の美人に情熱な科白を言われて、赤くならない女性はいないだろう。 >>実際は、神影とソラは、以前から互いの事を知っていたのだが、それは、ジュリは知らない。 >>「あのね、そういう科白は他の人に言ったら、いやだからね。」 >>「わかりました、我が主(マイン・ヘル)」 >>「・・・・・・・・・・いちゃつくのもそれ位にしたらどうかね?」 >>と、いきなり、黒い大犬 がそう口を聞いた >>それと同時に、黒いロ−ブ姿の男性に変化した。 >>彼は、神影或いはシャドウ。ジュリの使い魔の一人目である。 >>「はいはい。 >> それで貴方の吟遊詩人としての技能が必要なの。」 >>「なぜですか?」 >>「私は、今から、イスラム教圏・・・・さしあたって、オスマントルコの方に避難する。 その時に、吟遊詩人と踊り子のペアとして、入るつもりだ。」 >>「私が、その護衛役だな。」 >>「分かりました。 >> しかし、踊りは?」 >>「踊れるよ、芸人集団が私のような年齢で踊るやつはね。 >> 元々、そっち出身だ。」 > >リアクションが無いと逆に困るので…(汗) > >むしろ、やっぱり失敗したんじゃと…不安になりかねない事を言う人だ… > >しかし、本当に『大事な人』を、『蘇らす』と言う、精神にも心にも大きなリスクを背負うって行った理由がそれだけ? > >穿った言い方ですが… てれてる部分があるんです。 それに、これまで極力、『自分を知らないソラ』かもしれないという『恐怖』と闘って、それが必要になった時に、呼び出した時に、『覚えていてくれた』ので、『照れてる』と言うわけ。 > >>それから数ヵ月後。 >>村や町を数日後とに移動し、歌や踊りを見せる二人とその護衛の黒づくめは、有名になった。 >>そして、その頃には、オスマントルコ帝国の勢力圏に入っていた。 >>その街は、イスラムとキリストのちょうど境目の街。 >>その街で、ジュリは、とある出会いをする。 > >非難するなら、余り目立つと逆にまずいのでは?意図的では無かったのだと思いますが… > >それとも、何かその『出会う人』と関係がある? と、いうより、『旅芸人』は、今で言うフリ―パスなんです。 ノリで言うなら、パスポ―ト無しで何処の国でも入れるので。 それに、『出会う人』にとっても連れ込みやすいということです。 > >>ジュリが話していたことと少し被っている部分がありますが。 >>これから先は、ジュリが、乾氏に語らなかった昔に入っていきます。 >> >> >>それでは、次曲で。 > > >気になります。 >どう言う事があったのか… はいではお楽しみに。 |
32441 | 三日月は孤独な調べ 三曲表の巻 (『光への憧憬』番外編) | 十叶 夕海 | 2006/4/9 10:53:15 |
記事番号32371へのコメント 三曲表の巻 錯綜する感情(こころ) そして、ジュリとジュリの部下とウルージは、真夜中で移動しやすくなった沙漠を馬三頭に分乗して移動していた。 「さっきの只のチンピラじゃなかったでしょ?」 「何のことだ?」 そうウルージは、言った。 『何か』を明らかに隠しているようでもあった。 「ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル・・・この辺の元為政者の現在の自治権をもらっている家の三男がそういう名前だったな。」 「・・・・・っ!!」 「安心しろ、あいつらみたいに、お前の命が欲しい訳ではないよ?」 「・・・・ジュリさん?」 「安心して。 私は、吸血鬼・・・貴方達人間の時空(とき)の流れの範疇の中にいない・・・・・。 興味が全くないといったら、嘘になるけど、積極的に関わりたい訳でもない。 それでも、話せば楽になることもあるわ。」 ソラの静かな忠告を半ば返さず、ウルージにそう告げるジュリ。 淡々としていて、その言葉は、とても外見の14歳には似合わない。 「・・・・・・・・・・・・・その通りだよ。 俺は、元この辺の王族の末裔で、トルコの王様から今は自治を認められている貴族のボンボンだ。」 こうして、連れられた大きなオアシスの領主の屋敷・・・・ウルージの家である・・・そのウルージのプライヴェートスペースに案内された。 そして、お世話係として紹介されたのが、アビゴルだった。 褐色の肌に筋肉質な身体と不思議と愛嬌のある穏やかそうな少年だった。 当時で十を大きく超えてはいないだろう。 「アビゴルいいます。 お世話させてもらうます、ジュリ様。」 「よろしく。 でも、敬語はいいわ。 一応、旅の踊り子に使われるのも変だしね。」 「しかし・・・」 「いいの、それにほぼ同じ外見の人間に使われるのも変だ。」 これが、アビゴルと3人目になるアビゴルとのであった。 それから、八年―。 その間に、ウルージも、アビゴルも、青年と呼ばれる世代になった。 ウルージ 二十三歳。 アビゴル 二十歳。 しかし、ジュリにも、ソラにも、神影にも、一年・・いや一秒たりとも、時間は過ぎてはいない。 「いい三日月だね、ウル?」 「ああ・・・」 水場のそば、三日月の下で、ジュリとウルージは、酒を酌み交わしていた。 「もう八年か・・・・」 「・・・何がだ?」 「私がここにとどまって、一人の人間と関わった期間だ。 ・ ・・・今までにないぐらいに長いよ。 「そうか。 どういうとこを回ってたんだ?」 「そうだね、色々なとこをまわったけど、ロシアのあたり以外の寒いところはいかなかったな。 ・ ・・北欧には寂しい思い出しかないからね。」 「・・・・そうか。 話は変わるんだが。 なぁ、ジュリ、俺の正室になってくれないか?」 「・・・・・・ウル、私の耳がストライキを起こしたようだ。 もう一度言ってくれ。」 「だから、俺と結婚してくれないか。」 「そういう冗談は嫌いだ。」 ジュリは、ウルージの言葉に、沙漠の夜とはいえ、零下もかくやというほどに冷淡にそう返した。 どこかで、忌避していたのかもしれない。 『大切な奴』が『自分』より『先』に『逝って』しまうことを。 「本気だ。」 「なお、悪い。 ・ ・・・それに、お前に入って無かったが、次の水の季節になったら出ていくつもりだった。 「・・・嘘だろ?」 「・・・・あのなウルージ、前の水の季節に、神影が襲われたろ? ここの呪術師に。 そんで、今は神影は、使い物にならないほどの痛手を負っている。 ・・・・そもそも、こんなに長い間私が、一つの場所にとどまったこと自体あり得ないことなんだ。」 「・・・・・俺のこと嫌いか?」 「嫌いじゃない。 ・ ・・・嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、結婚とかの意味で一緒になれない。 「・・・・・・。」 「・・・・悪いな、お前を好きだが、一緒になれるといいけど、私は異形だ。 先に、お前が逝くのも、お前が同族になるのも、シナーン殿に申し訳ない。」 しばらく沈黙したウルージに、慰めになのだろうかそんな言葉をかけ、ジュリは側に寄った。 すると、ウルージは、ジュリを抱き寄せ、己と彼女の唇を重ねた。 「何をする!!バカモノ!!」 ・ ・・・・この後のことは、ウルージが、ジュリのボディブローで気絶したことだけは言っておこう。 「・・・・そうか、私はウルのことが好きだったか。」 過去を思い出す思索から、我に返り、ジュリはそうつぶやいた。 「遅すぎるぞ、ジュリ=ローゼン=クロイツ。 あの頃に自覚していれば、まだ違っていたか? ・ ・・・ウル。」 それをみていた人物がいた。 『寝起きに紅茶でもどうですか?』と、準備をしてきたソラであった。 「そういえば、あの時ですか・・」 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 復活しましたユアです。 短大に進学し、パソコン環境が整うまで2週間ぐらいかかりました。 さて、今回のタイトルの理由は、ソラサイドで次回載せるつもりなので。 お楽しみに。 それでは、短いですが、次回で。 |
32442 | 月下の下で、見えない落し物を… | 月読乾 | 2006/4/9 13:37:51 |
記事番号32441へのコメント こんにちは!乾です。 ネット復帰おめでとうです! 今後も頑張ってくださいね! >そして、ジュリとジュリの部下とウルージは、真夜中で移動しやすくなった沙漠を馬三頭に分乗して移動していた。 >「さっきの只のチンピラじゃなかったでしょ?」 >「何のことだ?」 >そうウルージは、言った。 >『何か』を明らかに隠しているようでもあった。 >「ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル・・・この辺の元為政者の現在の自治権をもらっている家の三男がそういう名前だったな。」 >「・・・・・っ!!」 >「安心しろ、あいつらみたいに、お前の命が欲しい訳ではないよ?」 >「・・・・ジュリさん?」 >「安心して。 > 私は、吸血鬼・・・貴方達人間の時空(とき)の流れの範疇の中にいない・・・・・。 > 興味が全くないといったら、嘘になるけど、積極的に関わりたい訳でもない。 > それでも、話せば楽になることもあるわ。」 >ソラの静かな忠告を半ば返さず、ウルージにそう告げるジュリ。 >淡々としていて、その言葉は、とても外見の14歳には似合わない。 >「・・・・・・・・・・・・・その通りだよ。 > 俺は、元この辺の王族の末裔で、トルコの王様から今は自治を認められている貴族のボンボンだ。」 やっぱり、訳ありの人だったと… ウル−ジ君。 しかし、関わりたくないって言ってるけど、『人と同じ姿と心を持つ人外の者』と、『人の姿と人の心を忘れた人間』の見えないジレンマと自分の宿命に、実は静かな亀裂を入れたいんじゃ無いかな…? って思いました。 ジュリさん… >こうして、連れられた大きなオアシスの領主の屋敷・・・・ウルージの家である・・・そのウルージのプライヴェートスペースに案内された。 >そして、お世話係として紹介されたのが、アビゴルだった。 >褐色の肌に筋肉質な身体と不思議と愛嬌のある穏やかそうな少年だった。 >当時で十を大きく超えてはいないだろう。 >「アビゴルいいます。 > お世話させてもらうます、ジュリ様。」 >「よろしく。 > でも、敬語はいいわ。 > 一応、旅の踊り子に使われるのも変だしね。」 >「しかし・・・」 >「いいの、それにほぼ同じ外見の人間に使われるのも変だ。」 >これが、アビゴルと3人目になるアビゴルとのであった。 不思議な包容力を感じさせる少年ですね。 個人的には、『グリーンマイル』の囚人もイメージしてみたり。 言葉を超えた安心感があるのかな? しかし、彼が後の『3人目』か… >それから、八年―。 >その間に、ウルージも、アビゴルも、青年と呼ばれる世代になった。 >ウルージ 二十三歳。 >アビゴル 二十歳。 >しかし、ジュリにも、ソラにも、神影にも、一年・・いや一秒たりとも、時間は過ぎてはいない。 >「いい三日月だね、ウル?」 >「ああ・・・」 >水場のそば、三日月の下で、ジュリとウルージは、酒を酌み交わしていた。 >「もう八年か・・・・」 >「・・・何がだ?」 >「私がここにとどまって、一人の人間と関わった期間だ。 >・ ・・・今までにないぐらいに長いよ。 >「そうか。 > どういうとこを回ってたんだ?」 >「そうだね、色々なとこをまわったけど、ロシアのあたり以外の寒いところはいかなかったな。 >・ ・・北欧には寂しい思い出しかないからね。」 >「・・・・そうか。 > 話は変わるんだが。 > なぁ、ジュリ、俺の正室になってくれないか?」 >「・・・・・・ウル、私の耳がストライキを起こしたようだ。 8年か… きっと、随分密度の長い時を過ごしたんだろうな… まだ、『少年』と世間で言われた彼らも… はあ(汗)!! そう来ましたか…(汗)!! いや、まあ、今の日本と当時のトルコ事情は全然違んだけど…(汗) でも、やはり彼はああ見えて結構神経が太いのか… 単なる天然…? >「だから、俺と結婚してくれないか。」 >「そういう冗談は嫌いだ。」 >ジュリは、ウルージの言葉に、沙漠の夜とはいえ、零下もかくやというほどに冷淡にそう返した。 >どこかで、忌避していたのかもしれない。 >『大切な奴』が『自分』より『先』に『逝って』しまうことを。 目に見えない傷ってのは、心全体に染み渡り痛みはやがて、心の本来の働きを麻痺させてく… >「本気だ。」 >「なお、悪い。 >・ ・・・それに、お前に入って無かったが、次の水の季節になったら出ていくつもりだった。 >「・・・嘘だろ?」 >「・・・・あのなウルージ、前の水の季節に、神影が襲われたろ? > ここの呪術師に。 > そんで、今は神影は、使い物にならないほどの痛手を負っている。 > ・・・・そもそも、こんなに長い間私が、一つの場所にとどまったこと自体あり得ないことなんだ。」 >「・・・・・俺のこと嫌いか?」 >「嫌いじゃない。 >・ ・・・嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、結婚とかの意味で一緒になれない。 >「・・・・・・。」 >「・・・・悪いな、お前を好きだが、一緒になれるといいけど、私は異形だ。 > 先に、お前が逝くのも、お前が同族になるのも、シナーン殿に申し訳ない。」 >しばらく沈黙したウルージに、慰めになのだろうかそんな言葉をかけ、ジュリは側に寄った。 >すると、ウルージは、ジュリを抱き寄せ、己と彼女の唇を重ねた。 >「何をする!!バカモノ!!」 >・ ・・・・この後のことは、ウルージが、ジュリのボディブローで気絶したことだけは言っておこう。 求めてやまない気持ちと、守りたくてやまない気持ち… お互いを大切に思う気持ちがすれ違う時に、お互いが抱いていた幻想は月の光の下で、照らされる… そこから、どう言う真実を掴めばいいのか… 後、胃が無事だったのは、本当に運が良かったと思います(これはこれで、暴言だとは思いますが…)…… >「・・・・そうか、私はウルのことが好きだったか。」 >過去を思い出す思索から、我に返り、ジュリはそうつぶやいた。 >「遅すぎるぞ、ジュリ=ローゼン=クロイツ。 > あの頃に自覚していれば、まだ違っていたか? > ・ ・・・ウル。」 >それをみていた人物がいた。 >『寝起きに紅茶でもどうですか?』と、準備をしてきたソラであった。 >「そういえば、あの時ですか・・」 何か、『現在』の『流れていく時間』に『過去』の『流れている時間』を思い出すなんて… 何か意味があるのでしょうか? |
32445 | 探し 数百年の果てに見つける・・・・ | 十叶 夕海 | 2006/4/9 20:16:32 |
記事番号32442へのコメント >こんにちは!乾です。 >ネット復帰おめでとうです! > >今後も頑張ってくださいね! こんにちは、ユアです。 いえいえ、ありがとうございます。 はい、がんばります。 > > >>そして、ジュリとジュリの部下とウルージは、真夜中で移動しやすくなった沙漠を馬三頭に分乗して移動していた。 >>「さっきの只のチンピラじゃなかったでしょ?」 >>「何のことだ?」 >>そうウルージは、言った。 >>『何か』を明らかに隠しているようでもあった。 >>「ウル−ジ=メディナ=アル=ジャアファル・・・この辺の元為政者の現在の自治権をもらっている家の三男がそういう名前だったな。」 >>「・・・・・っ!!」 >>「安心しろ、あいつらみたいに、お前の命が欲しい訳ではないよ?」 >>「・・・・ジュリさん?」 >>「安心して。 >> 私は、吸血鬼・・・貴方達人間の時空(とき)の流れの範疇の中にいない・・・・・。 >> 興味が全くないといったら、嘘になるけど、積極的に関わりたい訳でもない。 >> それでも、話せば楽になることもあるわ。」 >>ソラの静かな忠告を半ば返さず、ウルージにそう告げるジュリ。 >>淡々としていて、その言葉は、とても外見の14歳には似合わない。 >>「・・・・・・・・・・・・・その通りだよ。 >> 俺は、元この辺の王族の末裔で、トルコの王様から今は自治を認められている貴族のボンボンだ。」 > >やっぱり、訳ありの人だったと… >ウル−ジ君。 その辺のもっと詳しい事情は、ソラの視点から語られます。 > >しかし、関わりたくないって言ってるけど、『人と同じ姿と心を持つ人外の者』と、『人の姿と人の心を忘れた人間』の見えないジレンマと自分の宿命に、実は静かな亀裂を入れたいんじゃ無いかな…? >って思いました。 > >ジュリさん… かも知れませんし、そうじゃないかもしれません。 それでも、彼女が彼女である限り、こういうことがあればこういう風に行動するでしょう > >>こうして、連れられた大きなオアシスの領主の屋敷・・・・ウルージの家である・・・そのウルージのプライヴェートスペースに案内された。 >>そして、お世話係として紹介されたのが、アビゴルだった。 >>褐色の肌に筋肉質な身体と不思議と愛嬌のある穏やかそうな少年だった。 >>当時で十を大きく超えてはいないだろう。 >>「アビゴルいいます。 >> お世話させてもらうます、ジュリ様。」 >>「よろしく。 >> でも、敬語はいいわ。 >> 一応、旅の踊り子に使われるのも変だしね。」 >>「しかし・・・」 >>「いいの、それにほぼ同じ外見の人間に使われるのも変だ。」 >>これが、アビゴルと3人目になるアビゴルとのであった。 > >不思議な包容力を感じさせる少年ですね。 >個人的には、『グリーンマイル』の囚人もイメージしてみたり。 >言葉を超えた安心感があるのかな? そうですね。 ・・・外見はゴツイのに、なぜか安心できると。 『グリーンマイル』とは? > >しかし、彼が後の『3人目』か… そう、だけど、ソラと同じく『主の楯であり剣として使い魔』には、遠い存在ですね、外見に似合わず。 > >>それから、八年―。 >>その間に、ウルージも、アビゴルも、青年と呼ばれる世代になった。 >>ウルージ 二十三歳。 >>アビゴル 二十歳。 >>しかし、ジュリにも、ソラにも、神影にも、一年・・いや一秒たりとも、時間は過ぎてはいない。 >>「いい三日月だね、ウル?」 >>「ああ・・・」 >>水場のそば、三日月の下で、ジュリとウルージは、酒を酌み交わしていた。 >>「もう八年か・・・・」 >>「・・・何がだ?」 >>「私がここにとどまって、一人の人間と関わった期間だ。 >>・ ・・・今までにないぐらいに長いよ。 >>「そうか。 >> どういうとこを回ってたんだ?」 >>「そうだね、色々なとこをまわったけど、ロシアのあたり以外の寒いところはいかなかったな。 >>・ ・・北欧には寂しい思い出しかないからね。」 >>「・・・・そうか。 >> 話は変わるんだが。 >> なぁ、ジュリ、俺の正室になってくれないか?」 >>「・・・・・・ウル、私の耳がストライキを起こしたようだ。 > >8年か… >きっと、随分密度の長い時を過ごしたんだろうな… >まだ、『少年』と世間で言われた彼らも… そうでしょうね。 だけど、それは、ジュリにとっても、新婚夫婦の蜜月よりも甘く濃い穏やかな時間だったのでしょう。 そして、『少年』が『青年』になり、恋をするに十分な時間です。 > > > > > > > > > > >はあ(汗)!! >そう来ましたか…(汗)!! > >いや、まあ、今の日本と当時のトルコ事情は全然違んだけど…(汗) > >でも、やはり彼はああ見えて結構神経が太いのか… > かもしれないですね。 それに、ジュリは、北欧系のロマ・・・ジプジーですので。 当時は、奴隷として欧州人が結構入ってきてましたので、ウルのように、純粋なアラブ人ではなく混血が珍しくないようです。 > > > > > > > > > >単なる天然…? > それか、理性的な情熱家でしょう。 > > > > > > > > >>「だから、俺と結婚してくれないか。」 >>「そういう冗談は嫌いだ。」 >>ジュリは、ウルージの言葉に、沙漠の夜とはいえ、零下もかくやというほどに冷淡にそう返した。 >>どこかで、忌避していたのかもしれない。 >>『大切な奴』が『自分』より『先』に『逝って』しまうことを。 > >目に見えない傷ってのは、心全体に染み渡り痛みはやがて、心の本来の働きを麻痺させてく… > それでも、それを抑制することはできない。 >>「本気だ。」 >>「なお、悪い。 >>・ ・・・それに、お前に入って無かったが、次の水の季節になったら出ていくつもりだった。 >>「・・・嘘だろ?」 >>「・・・・あのなウルージ、前の水の季節に、神影が襲われたろ? >> ここの呪術師に。 >> そんで、今は神影は、使い物にならないほどの痛手を負っている。 >> ・・・・そもそも、こんなに長い間私が、一つの場所にとどまったこと自体あり得ないことなんだ。」 >>「・・・・・俺のこと嫌いか?」 >>「嫌いじゃない。 >>・ ・・・嫌いじゃないけど、嫌いじゃないけど、結婚とかの意味で一緒になれない。 >>「・・・・・・。」 >>「・・・・悪いな、お前を好きだが、一緒になれるといいけど、私は異形だ。 >> 先に、お前が逝くのも、お前が同族になるのも、シナーン殿に申し訳ない。」 >>しばらく沈黙したウルージに、慰めになのだろうかそんな言葉をかけ、ジュリは側に寄った。 >>すると、ウルージは、ジュリを抱き寄せ、己と彼女の唇を重ねた。 >>「何をする!!バカモノ!!」 >>・ ・・・・この後のことは、ウルージが、ジュリのボディブローで気絶したことだけは言っておこう。 > >求めてやまない気持ちと、守りたくてやまない気持ち… >お互いを大切に思う気持ちがすれ違う時に、お互いが抱いていた幻想は月の光の下で、照らされる… > >そこから、どう言う真実を掴めばいいのか… > それは、遥か遠過ぎ、今は時間という時の霧で知ることはできない。 > > > >後、胃が無事だったのは、本当に運が良かったと思います(これはこれで、暴言だとは思いますが…)…… しかし、腸を直撃vでしたので、その後に三日は、こってり系は食べれませんでした。 > >>「・・・・そうか、私はウルのことが好きだったか。」 >>過去を思い出す思索から、我に返り、ジュリはそうつぶやいた。 >>「遅すぎるぞ、ジュリ=ローゼン=クロイツ。 >> あの頃に自覚していれば、まだ違っていたか? >> ・ ・・・ウル。」 >>それをみていた人物がいた。 >>『寝起きに紅茶でもどうですか?』と、準備をしてきたソラであった。 >>「そういえば、あの時ですか・・」 > >何か、『現在』の『流れていく時間』に『過去』の『流れている時間』を思い出すなんて… > >何か意味があるのでしょうか? 意味が無くても、それを糧に、人と人のココロを持つものは流れていく。 |
32452 | 三日月は孤独な調べ 三曲裏の巻 (『光への憧憬』番外編) | 十叶 夕海 | 2006/4/11 20:31:38 |
記事番号32371へのコメント 三曲裏の巻 ソラとしての感情(ココロ 或は かんそう) ソラは、元々、『神の僕』で・・・言ってしまえば、宗教吟遊詩人とでも、いう、モノなのだ。 しかし、あの『死』を境に、『自分』の『全て』をジュリに捧げた。 『恋』とかそんな甘くて優しい感情じゃない。 あえて、言葉にするなら、『忠誠』に近いのだろう。 その『忠誠』を捧げる相手が、昔の過ぎ去った時間を思い出し、そしてあることに気づいてしまったソラ。 ジュリがいる探偵のとしての事務所の応接室のドアでそのつぶやきを聞き、同じ階の台所へと引き返した。 そして、ソラ自身も過去へ心を飛ばす。 正確に言うなら、『反芻』に近いけれど。 ウルージが、ジュリにいわゆる告白をしたのは、『使い魔の先輩』の神影が、ウルージの家・・・その辺の領主宅お抱えの呪術師に不意打ちの上に、そこらの人間以上に、魔術に精通した人外に近い呪術師・・・呪導師ともいうべき力量だった為、向こう十年は実体化できないほどのダメージを受けた。 それから、二年ほど過ぎた水の季節の終わり・・・火の季節の初め・・今風に言えば、晩春から初夏のある夜のことだった。 ウルージとジュリが、酒を酌み交わしている回廊から張り出したテラスのような反対側で、ソラとアビゴルとララも、同じように酒・・・と言っても、林檎酒のようなもので、ノンアルコールビールに近いものだ・・・共に飲み、歓談していた。 「ソラ様達が、来られてから、八年ですか、早いもんですね〜。」 「そう、ソラさん達きてそれくらい。」 この頃になると、アビゴルの言葉は、敬語ではなく、たどたどしいながらも、ふつうのくだけた話し方になっていた。 ララは、金髪緑眼であった。 要するに、今に言い直せば、イタリアとかの地中海に面した欧州あたりから、奴隷として連れてこられたのだろう。 「・・・最近は、ウルージを狙うのは、いなくなりましたね。 さすがに、シナーン殿が死んで代替わりした以上は・・・ね。」 「そう、ウルージ様狙う、いない。 それ思う、側室様いない。」 「よかったわよね。 あとは、正室を娶ってくれれば、いうことなしなんですどね。」 などなど、ジュリたちと出会うことになった、出来事の原因を軽く『そういえば、3年前には青色がはやりましたね』とでもいう風に会話する。 「そういえば、知ってらっしゃいます? ウルージ様、ジュリ様にベタ惚れらしくて、即位した今回を期に告白するつもりみたいです。」 「・・・・・ジュリ様が受けるのは、あり得ないでしょうね。」 ララが、『何故ですか?』と質問を返す前に、反対側から、ウルージが、ジュリを口説く声が聞こえてきた。 「・・・・・・そういえば、あの時から、四年でしたっけ。 ジュリさんは話さないでしょうから、一応、伝えましょうか。 詠太郎さんには、ジュリさん、話そうとしないでしょうし。 ・ ・・・・かえるときに、捕まえて・・ですね。」 などなど、一人つぶやく。 ソラが、詠太郎に話そうとしているのは、ジュリは知らない。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ええと、前回のソラ視点です。 結構、使い魔になったときより、変わりに変わったソラさんです。 では、次回。 死曲 思い出の場所が漬い消える時 また次回であいましょう。 |
32453 | 時は、静かな想いの破壊者… | 月読乾 | 2006/4/11 21:09:34 |
記事番号32452へのコメント >ソラは、元々、『神の僕』で・・・言ってしまえば、宗教吟遊詩人とでも、いう、モノなのだ。 >しかし、あの『死』を境に、『自分』の『全て』をジュリに捧げた。 >『恋』とかそんな甘くて優しい感情じゃない。 >あえて、言葉にするなら、『忠誠』に近いのだろう。 >その『忠誠』を捧げる相手が、昔の過ぎ去った時間を思い出し、そしてあることに気づいてしまったソラ。 >ジュリがいる探偵のとしての事務所の応接室のドアでそのつぶやきを聞き、同じ階の台所へと引き返した。 >そして、ソラ自身も過去へ心を飛ばす。 >正確に言うなら、『反芻』に近いけれど。 その最後の瞬間まで、ソラは『何』を思い、『何の為』に生きようとし、その為に『何を代わりに』捨てる事を思っていたんだろう… 今までの生き方を否定するのではなく、それすら背負ってやり方を否定した。 でも、それは相手と自分を例えどんな形でも『捨てない』行為かも… 勝手で残酷だとは思うけど… 唯、いつかそれが思いもかけない形で拾い物に? >ウルージが、ジュリにいわゆる告白をしたのは、『使い魔の先輩』の神影が、ウルージの家・・・その辺の領主宅お抱えの呪術師に不意打ちの上に、そこらの人間以上に、魔術に精通した人外に近い呪術師・・・呪導師ともいうべき力量だった為、向こう十年は実体化できないほどのダメージを受けた。 体が自分の意思とは裏腹に、クラゲ…もしくはゼリーになる様な感じでしょうか…(汗) 別に、実体持ってる人間でも結構ある事だしね…(汗) >それから、二年ほど過ぎた水の季節の終わり・・・火の季節の初め・・今風に言えば、晩秋から初夏のある夜のことだった。 >ウルージとジュリが、酒を酌み交わしている回廊から張り出したテラスのような反対側で、ソラとアビゴルとララも、同じように酒・・・と言っても、林檎酒のようなもので、ノンアルコールビールに近いものだ・・・共に飲み、歓談していた。 >「ソラ様達が、来られてから、八年ですか、早いもんですね〜。」 >「そう、ソラさん達きてそれくらい。」 >この頃になると、アビゴルの言葉は、敬語ではなく、たどたどしいながらも、ふつうのくだけた話し方になっていた。 >ララは、金髪緑眼であった。 >要するに、今に言い直せば、イタリアとかの地中海に面した欧州あたりから、奴隷として連れてこられたのだろう。 >「・・・最近は、ウルージを狙うのは、いなくなりましたね。 > さすがに、シナーン殿が死んで代替わりした以上は・・・ね。」 >「そう、ウルージ様狙う、いない。 > それ思う、側室様いない。」 >「よかったわよね。 > あとは、正室を娶ってくれれば、いうことなしなんですどね。」 >などなど、ジュリたちと出会うことになった、出来事の原因を軽く『そういえば、3年前には青色がはやりましたね』とでもいう風に会話する。 >「そういえば、知ってらっしゃいます? > ウルージ様、ジュリ様にベタ惚れらしくて、即位した今回を期に告白するつもりみたいです。」 >「・・・・・ジュリ様が受けるのは、あり得ないでしょうね。」 >ララが、『何故ですか?』と質問を返す前に、反対側から、ウルージが、ジュリを口説く声が聞こえてきた。 おい!(汗) 突っ込む余地が多すぎるのですが… しかし、気が付いたらウル−ジ君がそう言う身分に… 結構、微妙かも… 『いい奴』だと思ってた相手が、『人の上』に立った時に、その先はコインの表と裏みらいに、希望と不安が同居する物ですし… ジュリさんは、そう言うのをちょっと見すぎてしまったのもあるし… まあ、しかしウル−ジ君の性格、会った時に比べて悪化してないかな? そっちの方が、むしろ目下の不安… >「・・・・・・そういえば、あの時から、四年でしたっけ。 > ジュリさんは話さないでしょうから、一応、伝えましょうか。 > 詠太郎さんには、ジュリさん、話そうとしないでしょうし。 >・ ・・・・かえるときに、捕まえて・・ですね。」 >などなど、一人つぶやく。 >ソラが、詠太郎に話そうとしているのは、ジュリは知らない。 いったい、何を語るんでしょう? そして、相手の反応は…? |
32454 | 或いは、緩やかな万能薬 | 十叶 夕海 | 2006/4/11 22:42:03 |
記事番号32453へのコメント >>ソラは、元々、『神の僕』で・・・言ってしまえば、宗教吟遊詩人とでも、いう、モノなのだ。 >>しかし、あの『死』を境に、『自分』の『全て』をジュリに捧げた。 >>『恋』とかそんな甘くて優しい感情じゃない。 >>あえて、言葉にするなら、『忠誠』に近いのだろう。 >>その『忠誠』を捧げる相手が、昔の過ぎ去った時間を思い出し、そしてあることに気づいてしまったソラ。 >>ジュリがいる探偵のとしての事務所の応接室のドアでそのつぶやきを聞き、同じ階の台所へと引き返した。 >>そして、ソラ自身も過去へ心を飛ばす。 >>正確に言うなら、『反芻』に近いけれど。 > >その最後の瞬間まで、ソラは『何』を思い、『何の為』に生きようとし、その為に『何を代わりに』捨てる事を思っていたんだろう… ソラ;捨てたとか、思っていませんよ。 それも含めて私なんですから。 > >今までの生き方を否定するのではなく、それすら背負ってやり方を否定した。 >でも、それは相手と自分を例えどんな形でも『捨てない』行為かも… > >勝手で残酷だとは思うけど… >唯、いつかそれが思いもかけない形で拾い物に? ソラ;そうかも知れませんね。 でも、それが私の生きてきた使い魔生ですから。 > >>ウルージが、ジュリにいわゆる告白をしたのは、『使い魔の先輩』の神影が、ウルージの家・・・その辺の領主宅お抱えの呪術師に不意打ちの上に、そこらの人間以上に、魔術に精通した人外に近い呪術師・・・呪導師ともいうべき力量だった為、向こう十年は実体化できないほどのダメージを受けた。 > >体が自分の意思とは裏腹に、クラゲ…もしくはゼリーになる様な感じでしょうか…(汗) > >別に、実体持ってる人間でも結構ある事だしね…(汗) ニュアンス的には、私のイメージ的には、果汁とギリギリの寒天で固めたジュレかな。 ・・そ、そうなんですか(苦笑) > >>それから、二年ほど過ぎた水の季節の終わり・・・火の季節の初め・・今風に言えば、晩秋から初夏のある夜のことだった。 >>ウルージとジュリが、酒を酌み交わしている回廊から張り出したテラスのような反対側で、ソラとアビゴルとララも、同じように酒・・・と言っても、林檎酒のようなもので、ノンアルコールビールに近いものだ・・・共に飲み、歓談していた。 >>「ソラ様達が、来られてから、八年ですか、早いもんですね〜。」 >>「そう、ソラさん達きてそれくらい。」 >>この頃になると、アビゴルの言葉は、敬語ではなく、たどたどしいながらも、ふつうのくだけた話し方になっていた。 >>ララは、金髪緑眼であった。 >>要するに、今に言い直せば、イタリアとかの地中海に面した欧州あたりから、奴隷として連れてこられたのだろう。 >>「・・・最近は、ウルージを狙うのは、いなくなりましたね。 >> さすがに、シナーン殿が死んで代替わりした以上は・・・ね。」 >>「そう、ウルージ様狙う、いない。 >> それ思う、側室様いない。」 >>「よかったわよね。 >> あとは、正室を娶ってくれれば、いうことなしなんですどね。」 >>などなど、ジュリたちと出会うことになった、出来事の原因を軽く『そういえば、3年前には青色がはやりましたね』とでもいう風に会話する。 >>「そういえば、知ってらっしゃいます? >> ウルージ様、ジュリ様にベタ惚れらしくて、即位した今回を期に告白するつもりみたいです。」 >>「・・・・・ジュリ様が受けるのは、あり得ないでしょうね。」 >>ララが、『何故ですか?』と質問を返す前に、反対側から、ウルージが、ジュリを口説く声が聞こえてきた。 > >おい!(汗) > >突っ込む余地が多すぎるのですが… 例えば? > >しかし、気が付いたらウル−ジ君がそう言う身分に… >結構、微妙かも… 八年というのは、短いようで長いんです。 その時間の流れのある意味での目安ですね。 > >『いい奴』だと思ってた相手が、『人の上』に立った時に、その先はコインの表と裏みらいに、希望と不安が同居する物ですし… > >ジュリさんは、そう言うのをちょっと見すぎてしまったのもあるし… > >まあ、しかしウル−ジ君の性格、会った時に比べて悪化してないかな? >そっちの方が、むしろ目下の不安… 変わってないです。 外面は、大人になりましたけど、中身は八年前の子供です。 それに、ジュリはそういうウルージも嫌いではないです。 > >>「・・・・・・そういえば、あの時から、四年でしたっけ。 >> ジュリさんは話さないでしょうから、一応、伝えましょうか。 >> 詠太郎さんには、ジュリさん、話そうとしないでしょうし。 >>・ ・・・・かえるときに、捕まえて・・ですね。」 >>などなど、一人つぶやく。 >>ソラが、詠太郎に話そうとしているのは、ジュリは知らない。 > >いったい、何を語るんでしょう? >そして、相手の反応は…? ある種の裏を。 ちなみに、そのやり取りは、番外編になりそうです。『光への憧憬』の。 それでは、次回。 |
32467 | 三日月は孤独な調べ 死曲 (『光への憧憬』番外編) | 十叶 夕海 | 2006/4/14 22:36:05 |
記事番号32371へのコメント 死曲 思い出の場所が漬い消える時 それから、四年。 ジュリが、ウルージの告白を断っても、次の水の季節が過ぎ去っても、神影を除いた五人の生活は続いた。 この四年を含めた十二年間は、ジュリの八百年近い吸血鬼としての生の中でも、これほど穏やかな時間はない。 だけど、それも十二年めの晩夏にそれは終わった。 ある晩のことだ。 その日も、ジュリとウルージは酒を酌み交わしていた。 そして、ジュリが酔いつぶれ、ウルージも隣で眠りこけていた。 日付が変わる頃・・・・。 「・・火をかけろ!!」 「標的は、確実に殺せ!!」 とか、声が響く。 さらに響く声を聞くに、二つの集団がいることもわかってしまった。 いくら、石造りと言っても、布などの燃えやすい素材がたっぷりと使われている。 幾らもしないうちに、その屋敷は炎に包まれた。 「・・・・ウルージ!! いない・・・・・ソラ、状況は?」 煙たさで飛び起きたジュリは、横で一緒に眠りこけていたウルージがいないことに気づき、使い魔であるソラを呼び出した。 その声と同時に、白い影―ソラは瞬時に現れた。 「二つの集団が、この屋敷を襲っています。 火を放った後、屋敷を回り家人を殺して回っているようです。」 「ウルとアビゴルは?」 「わかりません。 おそらく、使用人の避難の誘導でしょう。」 「わかった。 ・ ・・神影は?」 「シャドウは、まだ回復しておりません。」 「・・・・・どこまで、力を叩き込まれたんだ? ・ ・・・・・・まあいい、助けれるのは、助けて。」 「御意。」 ソラには、そう命じたが、ジュリは薄々感じていた。 ほとんど、生者がいないことを。 「アビゴル!! 大丈夫か?ウルはどうした?」 「ジュリ様・・・。 ウルージ様、家族を逃がしにいったまま、戻らない。」 「・・・・・・もうしゃべるな。 傷を塞ぐ。 そしたら、ウルを一緒に探しにいこう。」 アビゴルの部屋付近で、彼を見つけた。 しかし、それは、一目で人間としては、致命的だった。 腹を大きく切り裂かれ、顔や腕にも、切り傷があった。 「うん・・・・・。」 「喋るなって言ったろ。 ウルが心配なら、早く治るように願ってて。」 無駄と半分自覚しながら、昔・・・ソラの時よりは、上達した回復術を施していく。 しかし、それの効果が出る前に、アビゴルの血が命が、流れていった。 「ウルージ様、心配。 だから、生きたい・・・生きて、ウルージ様とジュリ様とみんなとずっと居た・・・・・・」 「喋っちゃい・・・・・逝ったか・・・・・ 生きたいって言ったよね・・・・・ごめん、貴方の意志に沿うものではないかもしれないけど・・・・・・・。」 アビゴルは、その命を最後まで、年上で不器用な主を心配したまま、逝った。 「ごめんね・・・・《使い魔強制変換》・・・・・・」 この後、ジュリも、ソラも、生きている人間には、少なくとも、屋敷の中では出会わなかった。 でも、ララとウルは、見つかった。 ララは、女性としての尊厳をこれ以上無いぐらいに最大限に、穢され踏みにじられ、首を絞められ死んでいるのを見つけた。 ウルは、実母の葬廟区域に、居た。 首を切られ、実母の棺に跪く体勢で・・・・・。 それぞれ、目を覆いたくなる有様だった。 それを見つけた・・・・特に、ウルージを見つけたジュリは、天を突かんとするほどの慟哭をあげた。 「あああああぁぁぁっ・・あああああああぁぁあぁ・・・・」 「ジュリさん。」 「・・・・・・・ソラ。 私は、すごく悲しい。 私は、すごく怒っている。 ・ ・・・ねぇ、殺すっていうのは殺されてもいいってことだよね。」 「・・・ジュリさん。」 ながら、そう言った。 この日、ジュリ、ソラとウルージ、アビゴル、ララが十二年を過ごした屋敷は地上から、永遠に姿を消した。 思い出の場所と。 屋敷を襲った二つの集団と。 それらを道連れにして、屋敷は消えた。 その数日後、欧州とトルコの境目の岩場。 「はじめまして、アビゴル。 私は、ジュリ=ローゼン=クロイツ。」 「あびごる・・・・じゅり・・・・」 その日、初めて、《三人目の使い魔》になったアビゴルを呼び出した。 周りに、ソラも神影も居ない。 ジュリとアビゴルだけだ。 やはり、《蒼白のアビゴル》としての記憶は一切持っていなかった。 「ゆっくり、教えてあげる。 ・ ・・教えてあげるから・・・・」 「ジュリ様、泣かないで。」 座り込んだまま、無表情に涙を流すジュリに、アビゴルは、抱き上げ抱きしめ慰める。 これが、三人目が仲間になった真相・・・・・。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@@ 後一話で、このお話も終わりです。 まとめた後書きを完結後に載せます。 それでは。 |
32473 | 嵐の後…泉に移る月の影は… | 月読乾 | 2006/4/17 17:50:45 |
記事番号32467へのコメント こんにちは、レスが少し遅れました。 今回は、少々(いつにも増して?)乱文ですが…(汗) >それから、四年。 >ジュリが、ウルージの告白を断っても、次の水の季節が過ぎ去っても、神影を除いた五人の生活は続いた。 >この四年を含めた十二年間は、ジュリの八百年近い吸血鬼としての生の中でも、これほど穏やかな時間はない。 >だけど、それも十二年めの晩夏にそれは終わった。 >ある晩のことだ。 >その日も、ジュリとウルージは酒を酌み交わしていた。 >そして、ジュリが酔いつぶれ、ウルージも隣で眠りこけていた。 >日付が変わる頃・・・・。 唐突に失われた物… 唐突に起きた事… そして、本当は予想していた事… 『おもいで』を振り返る度に、『それは幻』ともう一人の自分がその不安な『思い』を呟く… でも、そのもっと奥底にある更にもう一つの『想い』は、それと同じくらいの強さで… 或いは… >「・・火をかけろ!!」 >「標的は、確実に殺せ!!」 >とか、声が響く。 >さらに響く声を聞くに、二つの集団がいることもわかってしまった。 >いくら、石造りと言っても、布などの燃えやすい素材がたっぷりと使われている。 >幾らもしないうちに、その屋敷は炎に包まれた。 > > > >「・・・・ウルージ!! > いない・・・・・ソラ、状況は?」 >煙たさで飛び起きたジュリは、横で一緒に眠りこけていたウルージがいないことに気づき、使い魔であるソラを呼び出した。 >その声と同時に、白い影―ソラは瞬時に現れた。 >「二つの集団が、この屋敷を襲っています。 > 火を放った後、屋敷を回り家人を殺して回っているようです。」 >「ウルとアビゴルは?」 >「わかりません。 > おそらく、使用人の避難の誘導でしょう。」 >「わかった。 >・ ・・神影は?」 >「シャドウは、まだ回復しておりません。」 >「・・・・・どこまで、力を叩き込まれたんだ? >・ ・・・・・・まあいい、助けれるのは、助けて。」 >「御意。」 >ソラには、そう命じたが、ジュリは薄々感じていた。 >ほとんど、生者がいないことを。 入ってくる相手の声は何に聴こえたんだろう…? 悪魔は目に見えない形で現れ、人を欺く… 欺かれるのは、自分か相手か… 人はそれすらも本当は判別しきれない。 怒号と悲鳴と業火の中、 唯ひたすら堕ちて行く先には… >「アビゴル!! > 大丈夫か?ウルはどうした?」 >「ジュリ様・・・。 > ウルージ様、家族を逃がしにいったまま、戻らない。」 >「・・・・・・もうしゃべるな。 > 傷を塞ぐ。 > そしたら、ウルを一緒に探しにいこう。」 >アビゴルの部屋付近で、彼を見つけた。 >しかし、それは、一目で人間としては、致命的だった。 >腹を大きく切り裂かれ、顔や腕にも、切り傷があった。 >「うん・・・・・。」 >「喋るなって言ったろ。 > ウルが心配なら、早く治るように願ってて。」 >無駄と半分自覚しながら、昔・・・ソラの時よりは、上達した回復術を施していく。 >しかし、それの効果が出る前に、アビゴルの血が命が、流れていった。 >「ウルージ様、心配。 > だから、生きたい・・・生きて、ウルージ様とジュリ様とみんなとずっと居た・・・・・・」 >「喋っちゃい・・・・・逝ったか・・・・・ > 生きたいって言ったよね・・・・・ごめん、貴方の意志に沿うものではないかもしれないけど・・・・・・・。」 >アビゴルは、その命を最後まで、年上で不器用な主を心配したまま、逝った。 >「ごめんね・・・・《使い魔強制変換》・・・・・・」 無垢は時に罪なんだ… それは分かって欲しい… って、自分なら相手に伝わらない事にほんの少しの安堵と信頼をアビゴル君の無垢さに期待して言うかも知れません。 『人を自分の力で』救うと言う行為が時に傲慢さになるかも知れないけど、もしも、相手がそれを跳ね返せるなら、 妙な表現だけど、自分の『力を否定』される事が自分の『存在を肯定』される事が救いと希望になるのかも…(何言ってるんでしょう…自分…) >この後、ジュリも、ソラも、生きている人間には、少なくとも、屋敷の中では出会わなかった。 >でも、ララとウルは、見つかった。 >ララは、女性としての尊厳をこれ以上無いぐらいに最大限に、穢され踏みにじられ、首を絞められ死んでいるのを見つけた。 >ウルは、実母の葬廟区域に、居た。 >首を切られ、実母の棺に跪く体勢で・・・・・。 >それぞれ、目を覆いたくなる有様だった。 >それを見つけた・・・・特に、ウルージを見つけたジュリは、天を突かんとするほどの慟哭をあげた。 >「あああああぁぁぁっ・・あああああああぁぁあぁ・・・・」 >「ジュリさん。」 >「・・・・・・・ソラ。 > 私は、すごく悲しい。 > 私は、すごく怒っている。 >・ ・・・ねぇ、殺すっていうのは殺されてもいいってことだよね。」 >「・・・ジュリさん。」 > > >ながら、そう言った。 >この日、ジュリ、ソラとウルージ、アビゴル、ララが十二年を過ごした屋敷は地上から、永遠に姿を消した。 >思い出の場所と。 >屋敷を襲った二つの集団と。 >それらを道連れにして、屋敷は消えた。 堕ちた後には、静けさがまた訪れる… そのひと時に、自分はどう行くのか… 先が分からない闇の中を唯進むのみ… 答えが無いなら、何を答えにする自由もあるから… 背負うも、捨てるも… 両方を交互に渡りながら… >その数日後、欧州とトルコの境目の岩場。 >「はじめまして、アビゴル。 > 私は、ジュリ=ローゼン=クロイツ。」 >「あびごる・・・・じゅり・・・・」 >その日、初めて、《三人目の使い魔》になったアビゴルを呼び出した。 >周りに、ソラも神影も居ない。 >ジュリとアビゴルだけだ。 >やはり、《蒼白のアビゴル》としての記憶は一切持っていなかった。 >「ゆっくり、教えてあげる。 >・ ・・教えてあげるから・・・・」 >「ジュリ様、泣かないで。」 >座り込んだまま、無表情に涙を流すジュリに、アビゴルは、抱き上げ抱きしめ慰める。 > > >これが、三人目が仲間になった真相・・・・・。 もし、アビゴルで無くなっても、『そいつ』が『そいつ』のままならいい。 こっちの勝手な我侭だけど、許してくれるよね…? |
32474 | 哀しさ映すが故に 美しく・・・・・・ | 十叶 夕海 | 2006/4/17 21:39:43 |
記事番号32473へのコメント >こんにちは、レスが少し遅れました。 > >今回は、少々(いつにも増して?)乱文ですが…(汗) こんにちは。 かえるまでにレスしてなかったら、メールするとこでした。 はい、では返レスします。 > >>それから、四年。 >>ジュリが、ウルージの告白を断っても、次の水の季節が過ぎ去っても、神影を除いた五人の生活は続いた。 >>この四年を含めた十二年間は、ジュリの八百年近い吸血鬼としての生の中でも、これほど穏やかな時間はない。 >>だけど、それも十二年めの晩夏にそれは終わった。 >>ある晩のことだ。 >>その日も、ジュリとウルージは酒を酌み交わしていた。 >>そして、ジュリが酔いつぶれ、ウルージも隣で眠りこけていた。 >>日付が変わる頃・・・・。 > >唐突に失われた物… > >唐突に起きた事… > >そして、本当は予想していた事… > >『おもいで』を振り返る度に、『それは幻』ともう一人の自分がその不安な『思い』を呟く… > >でも、そのもっと奥底にある更にもう一つの『想い』は、それと同じくらいの強さで… > >或いは… 唐突であっても、予想していても、それでも、側に在りたかった。 それが、私のたった一つのワガママ・・・・・・ > >>「・・火をかけろ!!」 >>「標的は、確実に殺せ!!」 >>とか、声が響く。 >>さらに響く声を聞くに、二つの集団がいることもわかってしまった。 >>いくら、石造りと言っても、布などの燃えやすい素材がたっぷりと使われている。 >>幾らもしないうちに、その屋敷は炎に包まれた。 >> >> >> >>「・・・・ウルージ!! >> いない・・・・・ソラ、状況は?」 >>煙たさで飛び起きたジュリは、横で一緒に眠りこけていたウルージがいないことに気づき、使い魔であるソラを呼び出した。 >>その声と同時に、白い影―ソラは瞬時に現れた。 >>「二つの集団が、この屋敷を襲っています。 >> 火を放った後、屋敷を回り家人を殺して回っているようです。」 >>「ウルとアビゴルは?」 >>「わかりません。 >> おそらく、使用人の避難の誘導でしょう。」 >>「わかった。 >>・ ・・神影は?」 >>「シャドウは、まだ回復しておりません。」 >>「・・・・・どこまで、力を叩き込まれたんだ? >>・ ・・・・・・まあいい、助けれるのは、助けて。」 >>「御意。」 >>ソラには、そう命じたが、ジュリは薄々感じていた。 >>ほとんど、生者がいないことを。 > >入ってくる相手の声は何に聴こえたんだろう…? > >悪魔は目に見えない形で現れ、人を欺く… > >欺かれるのは、自分か相手か… > >人はそれすらも本当は判別しきれない。 > >怒号と悲鳴と業火の中、 > >唯ひたすら堕ちて行く先には… > あの時は、信じたくなかった。 だけど、気づいていた。 あの炎の中で、私が堕ち始めたのを・・・・ >>「アビゴル!! >> 大丈夫か?ウルはどうした?」 >>「ジュリ様・・・。 >> ウルージ様、家族を逃がしにいったまま、戻らない。」 >>「・・・・・・もうしゃべるな。 >> 傷を塞ぐ。 >> そしたら、ウルを一緒に探しにいこう。」 >>アビゴルの部屋付近で、彼を見つけた。 >>しかし、それは、一目で人間としては、致命的だった。 >>腹を大きく切り裂かれ、顔や腕にも、切り傷があった。 >>「うん・・・・・。」 >>「喋るなって言ったろ。 >> ウルが心配なら、早く治るように願ってて。」 >>無駄と半分自覚しながら、昔・・・ソラの時よりは、上達した回復術を施していく。 >>しかし、それの効果が出る前に、アビゴルの血が命が、流れていった。 >>「ウルージ様、心配。 >> だから、生きたい・・・生きて、ウルージ様とジュリ様とみんなとずっと居た・・・・・・」 >>「喋っちゃい・・・・・逝ったか・・・・・ >> 生きたいって言ったよね・・・・・ごめん、貴方の意志に沿うものではないかもしれないけど・・・・・・・。」 >>アビゴルは、その命を最後まで、年上で不器用な主を心配したまま、逝った。 >>「ごめんね・・・・《使い魔強制変換》・・・・・・」 > >無垢は時に罪なんだ… >それは分かって欲しい… そして 嘲りでもある。 > >って、自分なら相手に伝わらない事にほんの少しの安堵と信頼をアビゴル君の無垢さに期待して言うかも知れません。 > >『人を自分の力で』救うと言う行為が時に傲慢さになるかも知れないけど、もしも、相手がそれを跳ね返せるなら、 > >妙な表現だけど、自分の『力を否定』される事が自分の『存在を肯定』される事が救いと希望になるのかも…(何言ってるんでしょう…自分…) ただ、あの時、私はアビゴルに生きて欲しかった どんな形であっても ・・・・・・・ありがとうございます。 > >>この後、ジュリも、ソラも、生きている人間には、少なくとも、屋敷の中では出会わなかった。 >>でも、ララとウルは、見つかった。 >>ララは、女性としての尊厳をこれ以上無いぐらいに最大限に、穢され踏みにじられ、首を絞められ死んでいるのを見つけた。 >>ウルは、実母の葬廟区域に、居た。 >>首を切られ、実母の棺に跪く体勢で・・・・・。 >>それぞれ、目を覆いたくなる有様だった。 >>それを見つけた・・・・特に、ウルージを見つけたジュリは、天を突かんとするほどの慟哭をあげた。 >>「あああああぁぁぁっ・・あああああああぁぁあぁ・・・・」 >>「ジュリさん。」 >>「・・・・・・・ソラ。 >> 私は、すごく悲しい。 >> 私は、すごく怒っている。 >>・ ・・・ねぇ、殺すっていうのは殺されてもいいってことだよね。」 >>「・・・ジュリさん。」 >> >> >>ながら、そう言った。 >>この日、ジュリ、ソラとウルージ、アビゴル、ララが十二年を過ごした屋敷は地上から、永遠に姿を消した。 >>思い出の場所と。 >>屋敷を襲った二つの集団と。 >>それらを道連れにして、屋敷は消えた。 > >堕ちた後には、静けさがまた訪れる… >そのひと時に、自分はどう行くのか… > >先が分からない闇の中を唯進むのみ… > >答えが無いなら、何を答えにする自由もあるから… > >背負うも、捨てるも… > >両方を交互に渡りながら… まだ その道筋は見えないけれど 確実に確実に 歩んでいく 思い出を灯にしながら。 > >>その数日後、欧州とトルコの境目の岩場。 >>「はじめまして、アビゴル。 >> 私は、ジュリ=ローゼン=クロイツ。」 >>「あびごる・・・・じゅり・・・・」 >>その日、初めて、《三人目の使い魔》になったアビゴルを呼び出した。 >>周りに、ソラも神影も居ない。 >>ジュリとアビゴルだけだ。 >>やはり、《蒼白のアビゴル》としての記憶は一切持っていなかった。 >>「ゆっくり、教えてあげる。 >>・ ・・教えてあげるから・・・・」 >>「ジュリ様、泣かないで。」 >>座り込んだまま、無表情に涙を流すジュリに、アビゴルは、抱き上げ抱きしめ慰める。 >> >> >>これが、三人目が仲間になった真相・・・・・。 > >もし、アビゴルで無くなっても、『そいつ』が『そいつ』のままならいい。 >こっちの勝手な我侭だけど、許してくれるよね…? だけど、その記憶が無いのがとてつもなく寂しい。 だから また思い出をまた編んでいく ありがとうございました!! |
32479 | 三日月は孤独な調べ 終曲 (『光への憧憬』番外編) | 十叶 夕海 | 2006/4/20 20:11:44 |
記事番号32371へのコメント 終曲 未来への想い 「・・・・・・後悔してるのかな、私は。」 過去の回想から戻ったジュリは、そう呟く。 (でも、あれは、あのときには最前まではいかなくとも、次善だった。) 「・・・ジュリ様?」 そこへ、アビゴルが、心配そうに彼女を覗き込んだ。 少々びっくりしたようだが、すぐにジュリはこう返した。 「どうした、アビゴル?」 「ソラ、呼んでる。 お菓子焼けた、お茶入れた。 だから、ソラ、ジュリ様呼ぶ。」 「わかった。 今行く。」 (これでいいのだね。 ・ ・・・・・・これからどうなるかなんて、わからないけど、未来へ・・・か。) 「遅かったね。 まあ、いい話そう。」 話そう、とは言ったけど、全部は話せそうにない。 だけど、誰かに知ってもらおうと思えるようになっただけ、いいか。 @@@@@@@@@@@@@@@@@@@ ちゃんとした後書きは、後日載せます。 それでは。 |
32480 | 夢から目覚めた時の、時計の針の角度の価値は… | 月読乾 | 2006/4/22 14:52:51 |
記事番号32479へのコメント >「・・・・・・後悔してるのかな、私は。」 >過去の回想から戻ったジュリは、そう呟く。 >(でも、あれは、あのときには最前まではいかなくとも、次善だった。) >「・・・ジュリ様?」 >そこへ、アビゴルが、心配そうに彼女を覗き込んだ。 >少々びっくりしたようだが、すぐにジュリはこう返した。 >「どうした、アビゴル?」 >「ソラ、呼んでる。 > お菓子焼けた、お茶入れた。 > だから、ソラ、ジュリ様呼ぶ。」 >「わかった。 > 今行く。」 >(これでいいのだね。 >・ ・・・・・・これからどうなるかなんて、わからないけど、未来へ・・・か。) > > > >「遅かったね。 > まあ、いい話そう。」 >話そう、とは言ったけど、全部は話せそうにない。 >だけど、誰かに知ってもらおうと思えるようになっただけ、いいか。 その時も… そして、あの時も… 『答え』を出して、それでも前に進めずにいるのでしょうか… それでも、時間は経って今自分が『ここ』に居るのを感じれれば… とりあえず、またもう少しだけ今は自分を… |
32481 | 在るかどうかはわからない・・・ | 十叶 夕海 | 2006/4/22 21:12:57 |
記事番号32480へのコメント >>「・・・・・・後悔してるのかな、私は。」 >>過去の回想から戻ったジュリは、そう呟く。 >>(でも、あれは、あのときには最前まではいかなくとも、次善だった。) >>「・・・ジュリ様?」 >>そこへ、アビゴルが、心配そうに彼女を覗き込んだ。 >>少々びっくりしたようだが、すぐにジュリはこう返した。 >>「どうした、アビゴル?」 >>「ソラ、呼んでる。 >> お菓子焼けた、お茶入れた。 >> だから、ソラ、ジュリ様呼ぶ。」 >>「わかった。 >> 今行く。」 >>(これでいいのだね。 >>・ ・・・・・・これからどうなるかなんて、わからないけど、未来へ・・・か。) >> >> >> >>「遅かったね。 >> まあ、いい話そう。」 >>話そう、とは言ったけど、全部は話せそうにない。 >>だけど、誰かに知ってもらおうと思えるようになっただけ、いいか。 > >その時も… > >そして、あの時も… > >『答え』を出して、それでも前に進めずにいるのでしょうか… 進んでいても、ココロという風景は変わってないのかもしれない。 > > >それでも、時間は経って今自分が『ここ』に居るのを感じれれば… > >とりあえず、またもう少しだけ今は自分を… 信じ進んでいきましょう。 ありがとうございました。 |
32484 | Re:三日月は孤独な調べ 終曲 (『光への憧憬』番外編) | 夢見 | 2006/4/24 19:20:22 |
記事番号32479へのコメント 夕海さんこんばんは!!夢見です。 えっと、ひとまず『光への憧憬』(番外編)を読ませてもらいました。 とっても読みやすかったです。場面場面が思い浮かべやすくて。だから、「死曲」の話では、本当にジュリさんの辛さや悲しさがよく伝わってきました。私は文章書くのがとても下手かつ苦手なので、すごく羨ましいです。話は頭でまとまっても、それを書き表せません(笑) 他にもまだまだ夕海さんの小説があるようなので(最初どれから読んで良いかわからなかったくらいに〔笑〕)ちょくちょくですが、読ませていただきたいと思います。 ホント単純なコメントですみませんです。 これからも頑張ってくださいね!! |
32485 | ありがとうございます。 | 十叶 夕海 | 2006/4/24 21:48:41 |
記事番号32484へのコメント >夕海さんこんばんは!!夢見です。 こんばんわ、ユアです。 >えっと、ひとまず『光への憧憬』(番外編)を読ませてもらいました。 光への憧憬は、もう少し残ってますので、そちらもどうぞ。 >とっても読みやすかったです。場面場面が思い浮かべやすくて。だから、「死曲」の話では、本当にジュリさんの辛さや悲しさがよく伝わってきました。私は文章書くのがとても下手かつ苦手なので、すごく羨ましいです。話は頭でまとまっても、それを書き表せません(笑) ありがとうございます。 文章書いてうれしいのはそういう言葉です; 下手でも何でも、文章は書けば書くほどうまくなります。 だから、一作でも多く、書いてください。 >他にもまだまだ夕海さんの小説があるようなので(最初どれから読んで良いかわからなかったくらいに〔笑〕)ちょくちょくですが、読ませていただきたいと思います。 はい、ありがとうございます。 過去ログに、光への憧憬の本編がありますのでよろしくお願いします。 >ホント単純なコメントですみませんです。 >これからも頑張ってくださいね!! いえいえ、ありがとうございました。 それでは。 |
32486 | 三日月は孤独な調べ 後書き | 十叶 夕海 | 2006/4/26 15:03:19 |
記事番号32371へのコメント どうも、ユアです。 この『三日月は孤独な調べ』は、『光への憧憬』の番外編です。 『光への憧憬』9で語られた内容のさらに詳しいヴァージョンなんです。 最初、『光への憧憬』を書き始めた頃は、この話を書く気は、実はさらさらなかったんです。 しかし、書くうちに、『話したくないことは隠すんじゃないかな』と思い、この話が生まれました。 しかも、光への憧憬10と11の間に、もう一つ増えるんじゃないかなぁと、考えております。 『光への憧憬』10〜12は、女主人公・ジュリの放浪中のお話なんです。 だから、作ろうと思えば、十や二十作ろうと思えば、作れます。 それに、下手しなくても、話の配分上、残りの四話は割合長くなりそうです。 こんな私の作品ですが、よろしくお願いします。 |