◆−Motherland−現 夢幻 (2006/4/13 03:16:23) No.32458 ┗初めまして。−びぎなーいっく。 (2006/4/17 23:20:07) No.32475 ┗Re:初めまして。−現 夢幻 (2006/4/18 00:27:12) No.32476
32458 | Motherland | 現 夢幻 | 2006/4/13 03:16:23 |
初めまして。初投稿なので至らない点もあるかと思いますが、よろしくお願いします。 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 今日のように雲が静かに流れる日の午後、私はあの人に笑顔で言った。 「時間があったら、セイルーンに寄ってくださいね。」 そう言って、今まで旅を共にしたアミュレットの片方をはずして差し出した。 「お守りです。道中、お気をつけて。」 そう言うと、彼は少し戸惑いながらも、 「ああ。お前の代わりに、旅に連れて行こう。」 と、受け取ってくれた。 私の代わりにと言ってくれたのが嬉しくて、溢れる気持ちが口から出てきてしまいそうになったけど、言ってしまえば彼を困らせてしまうことは明白で、なんとか言葉を飲み込んだ。 「じゃあ、また。」 ‘また’いつか会う日のための約束の言葉。 「ああ、じゃあまたな。」 そう言って、踵を返し、振り向くこともなく彼は旅立った。 君が旅立つ日は いつもと同じ「じゃあね」と手を振った まるで明日もまた この街で会うみたいに 城に帰ってからは執務をこなすだけの退屈な日々ばかり。 あの人が隣にいない不安に涙したのは最初だけ。 不安に負けたら、きっとあの人は怒るだろうから。 だから、私は毎晩テラスであの人の夢が叶うように星に祈るの。 愛を信じるのは 自分にも負けないこと 夢が叶う日まで 笑顔のまま星を見て祈り捧げここにいるから 私は君にとっての空でいたい 哀しみまでも包み込んで いつでも見上げるときはひとりじゃないと 遠くで思えるように 帰る場所であるように 私は今日も空を見上げてる。 「ゼルガディスさん、元気ですか?私は今日も元気ですよ!」 執務の合間に空を見上げて、あの人に預けたアミュレットの片割れに語りかける。 「毎日退屈でリナさん達と旅していた頃が懐かしいです。執務ばっかりで、お城の外にも行けないんですよ。・・・でも、私があの旅をしたことにも、今していることにも、ちゃんと意味があるんだと思うんです。・・・だから、今ゼルガディスさんが旅をして、辛いことに遭っていても、きっとそれは未来に繋がる意味のあることなんですよ。」 この言葉が、あの人に届くことはないけれど、いつか気付いてほしい。 辛いことがあっても、目的を、自分自身を見失わないように。 「あの雲みたいに自由なら、今すぐ飛んで行けるのに・・・。私の想いをあの人に届けてくれますか?」 君がいない街で 相変わらずに元気で過ごしてる それが今私に できることそう思うから どんな出来事にも 隠れてる意味があるの 夢が消えかけても 自分らしくいてほしいどんなときもここにいるから 涙失くすほど強くなくてもいい 疲れた心休ませてね 素敵な明日を願い眠りについて 小さな子供のように この広い世界はつながってる 白い雲は流れ風になって 君のもとへ 私の声は届きますか? 溢れる気持ち言えなかった ‘私も一緒に行きます。連れて行ってください。’ その一言はどうしても言えなかった。言った後の困った顔が想像できたから。 だから私はこの国で、セイルーンで彼を待つと決めた。 不安にならないわけじゃない。でも、初めて彼と交わした‘また’という、約束と呼ぶにはあまりにも不安定でちっぽけな言葉を、私はずっと信じて、この場所で待っていたい。 あの人にとって、私が帰る場所でありたいから。 私は君にとっての空でいたい 哀しみまでも包み込んで いつでも見上げるときはひとりじゃないと 遠くで思えるように 帰る場所であるように 帰る場所であるように 〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜 いかがだったでしょうか?! イメージソングは「鋼の錬金術師」のEDで、タイトルの通り「Motherland」です。この曲を聴いてからどうしてもゼルアメで書きたくなってしまって。 よろしければ感想などいただけると嬉しいです。 |
32475 | 初めまして。 | びぎなーいっく。 | 2006/4/17 23:20:07 |
記事番号32458へのコメント 初めまして、びぎなーいっくと申します。 いっくとお呼びくださいませ(^^) 基本的に通りすがりなかんじでたゆたっている者です。 お名前は「うつつ むげん」様で良いのでしょうか?(^^) 元の歌を私は知らないのですが、 歌詞があまりにぴったりだったので 本歌があったことにびっくりしてコメントしちゃいました(^^;) >私があの旅をしたことにも、今していることにも、ちゃんと意味があるんだと思うんです。 忙しい日々の中で忘れてしまうわけではないけど、悲しみにとらわれない。 そんなアメリアを表しているようでこのフレーズがとても好きです。 通り雨の後野原にたったとき感じる冷たい風のような、何というか、 すっきりとした寂しさというイメージを持ちました。 (よくわからない表現でごめんなさい!!) お話と歌詞がぴったりで、雰囲気が素敵で、読み終わってから なんとなくぼうっとしてしまいました。(///) ではでは、また現 夢幻様の素敵なお話に出会えることを楽しみにしつつ。 |
32476 | Re:初めまして。 | 現 夢幻 | 2006/4/18 00:27:12 |
記事番号32475へのコメント >初めまして、びぎなーいっくと申します。 >いっくとお呼びくださいませ(^^) いっく様、初めまして。お読み下さって、ありがとうございます。 >お名前は「うつつ むげん」様で良いのでしょうか?(^^) はい!「うつつ むげん」で合ってます。 >>私があの旅をしたことにも、今していることにも、ちゃんと意味があるんだと思うんです。 > >忙しい日々の中で忘れてしまうわけではないけど、悲しみにとらわれない。 >そんなアメリアを表しているようでこのフレーズがとても好きです。 >通り雨の後野原にたったとき感じる冷たい風のような、何というか、 >すっきりとした寂しさというイメージを持ちました。 >(よくわからない表現でごめんなさい!!) いえいえ、すっきりとした寂しさって表現いいですね。 今回のアメリアは、寂しさや哀しみを紛らわせず、それでいて、囚われずにすべてを包み込むようなイメージで書いてみたんです。 どんなに退屈な仕事でも、意味があるかないか、自分の感じ方ひとつで気持ちも変わるんじゃないかなと・・・。 >ではでは、また現 夢幻様の素敵なお話に出会えることを楽しみにしつつ。 はい。今回は初めてでしたし、30分くらいで一気に書き上げたものなので、次はもっといい文章が書けたらと思います。 では、読んでいただいて本当にありがとうございました! |