◆-異界黙示録伝《風の書》その8-魔沙羅 萌(7/3-21:01)No.3254 ┗Re:異界黙示録伝《風の書》その8-松原ぼたん(7/4-15:03)No.3259 ┗松原ぼたん様へ-魔沙羅 萌(7/7-21:44)No.3290
3254 | 異界黙示録伝《風の書》その8 | 魔沙羅 萌 | 7/3-21:01 |
とっても御無沙汰してました!いやあ、やっとテストが終わったもんで。 風の歌……それは風の精霊たちが歌う滅びの歌…… 『風吹き荒れし 精霊の世界 哀しみに紛れて ヒトの真実を運ばん 人のカラダより創られた 哀しみの世界 傲慢な神々 人々の創った 悲しみの織物』 これと共に語り継がれた伝説がある。 それは二人の妖精王の伝説。 それはまさに今、妖精界で繰り返そうとされている二人の妖精王の伝説……。 そして……この世界が『リラ』になった本当の真実だった……。 水辺の深紅 赤黒く染まった空……まるで古き血だまりのように濁った夜空が私たちをむかえている……。 妖精城はそんな中、まるで邪悪な生命体のように聳え立っている。 まるで、本来の主人がおさめている時とは違って……。 「アグニさん、妖精城への抜け道ってどちらですか?」 私たちがいるのは妖精城のまわりに張り巡らされているお堀。 アメリアさんの『浮遊』の術でお堀の上をぷかぷかと浮いているのだ。 ただ浮いているだけじゃない。 わたしがちょっとばっかり炎をつかって蜃気楼をおこしていたりするから他のところからは見えていない。 「あっちです。ほら、あの蔦が一番濃いあたりにあります」 「蔦ですか?…あ、あれですね!」 私が指差したあたりにアメリアさんはゆっくりと近付いていく。 その蔦が濃い部分の壁には1つだけ煉瓦のへこんだ部分があったりして、そこに妖精王の紋章が刻まれていたりしている。 「あ、わかりました!これを押すんですね」 アメリアさんはそれを押そうと手を伸ばす。 「あ、押しちゃだめですよ、アメリアさん。それはフェアル以外の人が押すと感電死しちゃいますよ」 「ええ!そうなんですか!」 「ええ、そうなんです。フェアル、お願い」 フェアルはコクリっとうなずくとそっとその紋章に触れた。 瞬間、私たちは大気に混ざっていくような気がした……。 「貴方、来たようですよ。火の神が」 「うむ、そのようだな」 ここはオベロンたちのいる謁見の間。 彼ら3人は緊張感の欠片もなく、いまだにお茶を楽しんでいた。 「という事はパック様たちも近いうちに攻めてこられると思います。 たぶんですが、火の神は地下牢へ、パック様がこちらに」 「わかっておりますわ、リヴァ。あなたは私と地下牢に来なさい。 貴方、こちらは任せますわ。くれぐれもパックをよろしく頼みます」 そういって席を立つティタニアとリヴァを見てオベロンはお茶をひとくち口に含んだ。 「頼んだぞ、ティタニア、リヴァ。さて、わしはもうしばらく茶を楽しむか」 「こ、こんなところにジブさんはいるんですか?!」 アメリアさんは思わず声を上げてしまったみたい。 ここは妖精城の地下牢獄。牢屋と牢屋の間には赤い海水が張り詰められている。 どういう仕掛けだかはよくわかんないけど、海水の上を歩けるみたいだ。 血なまぐさい……どうやらこの海水、元々の赤だけじゃなくてここで惨殺した死体の血も混ざっているみたい。 昔はただの水がはってあっただけだったんだけど……。 あ、ええと、一応説明しなくちゃいけなさそうだからするけど、この世界の海水の色は赤い。 伝説上ではこの世界は昔いた『理羅』と言う神様がこの地を創る時、自分の体を使って創ったからだとされているけど、本当なのかは謎。 だから海水は血液から成り立っていると言うわけ。 で、ただの水との違いはというのは、雨が降るまでの循環作業により血液中の色素が蒸発できないで、雨や真水は透明だと言うわけ。 まあ、私にはよくわからないけど、それに近いことがなくては精神面に隔離された世界なんて創れないとは思う。 「みたいですよ。なれないとは思うけど我慢してください」 「その必要はありませんわ。だってあなた達はここでお亡くなりになるんですもの」 『!!』 声のする方に顔を向けると、そこにいたのはティタニアと一人の少年。 その二人が虚空に浮かんでいた。 「ティタニア……」 「え、あの人がティタニアなんですか!」 アメリアさんは彼女を睨み付けながら問い掛けてくる。 「ええそうですわ。私がティタニアです。はじめまして、お嬢さん。そして……さようなら」 「ほんと、久しぶりですね、ティタニア。私としてはもう逢いたくはなかったけど。……ジブを解放しなさい」 「いやですわ。それにあなた、善人気取りで人助けですか? ばかばかしい。だいたいわたくしの夫はこの国の国民に認められておりますわ。 それなのにいまさらあの女が出てきて何になると言うんです? 迷惑な一部の人間の革命意識に付き合うなんてあなたも火の神らしくありませんわね」 「あなたこそよく言いますね。どうせあなたが国民の意識すら変えてしまおうとしてあのキメラ研究所をつくったんでしょ。まったく極悪非道なところは変わってませんね」 「そうです!あなたみたいな悪い奴には私たちは負けません! 天が許してもこの、アメリア=ウィル=テスラ=セイルーンが許しません!」 ア、アメリアさん、話が繋がってないのでは? 「まあいいでしょう。相手をするのはわたくしではないのですから」 ざあー。 水のひく音が響く。 そして……現れたのは――。 〔続く〕 てなわけで次回予告! アメリア、アグニ、フェアルがティタニアと相手をしている時、ゼルガディス、パックは謁見の間へと向かっていた。 あ、ちなみにパック曰く、悪戯新ネタ募集中らしいです。 それでは |
3259 | Re:異界黙示録伝《風の書》その8 | 松原ぼたん E-mail URL | 7/4-15:03 |
記事番号3254へのコメント 面白かったです。 >とっても御無沙汰してました!いやあ、やっとテストが終わったもんで。 おめでとー。 >赤黒く染まった空……まるで古き血だまりのように濁った夜空が私たちをむかえている……。 かなりいやかも。 >「あ、押しちゃだめですよ、アメリアさん。それはフェアル以外の人が押すと感電死しちゃいますよ」 物騒な・・・・当然か。 >だから海水は血液から成り立っていると言うわけ。 何かある意味リアリティありすぎるんですけど。 >ア、アメリアさん、話が繋がってないのでは? いつものこと、いつものこと。 ところでお暇でしたら、一度今までの粗筋書いてくれませんか? 記憶力ないもんで結構忘れてるようなので・・・・。読み返す時間があればいいんだけどね。 本当に面白かったです。 ではまた、ご縁がありましたなら。 |
3290 | 松原ぼたん様へ | 魔沙羅 萌 | 7/7-21:44 |
記事番号3259へのコメント どうも、魔沙羅です。 松原ぼたん様のリクエスト(?)におこたえして、ここまでの事情説明をいたします。 それから松原ぼたん様、毎度毎度感想ありがとうございます。 この、異界黙示録伝は今のところ、6つの書で完結させるつもりです。 第1部では、リナが目覚めてからエマちゃんに会うまでのお話です。 その間に、萌、玻璃、玉髄、螢のお子様4人組にあって『スィーフィード世界の破滅』を聞かされたり、リナが、自分の名前の由来となった伝説を思い出したりしています。 ちなみに、この時点で、ゼロス君は半分寝込んでます。しかもベッドで(笑)。 第2部では、アメリアさんがアルフ=ハイムでアグニ姫にあってリナたちと同じことを聞かされてなおかつ、『破壊者』を説得すればなんとかなるかもと言われたもんで、その『破壊者』さんに正義の鉄槌をかませに行こうとする話です。 途中、アグニ姫の知り合いの魔神、フェニックスくんに邪魔され、魔王くんまででてきちゃって、当初の目的、『破壊者に正義の鉄槌をくらわせる』ために通る涙の国にあるゲートが無くなっちゃうと言う非常事態が起きるお話です。 第3部は、またリナたちのお話にもどっていて、《水の書》そのまんま全部つかって、エマちゃんと萌たちの過去話。《炎の書》で『時を統べるもの』のことを出してしまったからこその説明の書と言うところだと思ってください。 ちなみに私、この頃、一番『暗い』を連発してたような気がする……。 第4部は今やってる《風の書》。ストーリー宙もっとも長くなると見られている書なもんで次でその9。妖精界にやってきたアメリアさんたちはアグニ姫のおトモダチのパックに「ジブ様たちを助けて」なんぞと言われてまずはじめにおトモダチその1,2であるフェアルとネオンが捕まっているキメラ研究所に向かって……。 というのがお話の大筋。《風の書》の説明はキメラ研究所の直前までで終わらせて頂きます。 それでは。 |