◆−白粉花−侑子紅子 (2006/7/29 15:12:26) No.32670
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32670白粉花侑子紅子 2006/7/29 15:12:26


長編を途中で挫折し、今度は詩に走った侑子です。(死)
…いや、本当に出過ぎた真似をしてました。
練習を重ねつつ、また再チャレンジしてみたいなと思っております。

では本文に。





 白粉花 ―迷い子と去り逝く者の白い詩―




いらっしゃい、こんにちは。

物好きだね。こんな素っ気ない病室に来るなんて。迷ったの?

出口はもう一つ下の階だよ。

あ、部屋から出て向かって右側の階段が近いかな。


…お礼だからって、花生けて行かなくていいよ。

僕に、花を愛でたり、水を換えたりする時間はないんだ。


――此処で逢ったのも何かの縁だね。寧ろ、運命的なものを感じるよ。

…自分は感じない?まぁまぁ、そんな冷たい事言わずにさ。

少しだけ時間をもらうだけで良いんだ。

僕の話、聞いてくれない?

忘れてもらったって、全然構わないから。




僕は、今日死んでしまうらしいんだ。

昨日お母さんと僕の主治医が話してたから、間違いないと思う。

お母さんは目が腫れてたけど、医者は淡々としてた。

まぁ、そんなもんだろうけどね。


…驚いた?僕今日死んじゃうのに、こんなに平気そうで。

だってさ、『死』って君が思ってるほど悪くないと思うんだ。

そりゃあ、『生』の方が良いけど。

今日死ねば明日死ぬ事はないし…

何より、『死』について考える事から解放される。

すごく、楽な道だと思う。

…分かってるよ。僕だって好きで死ぬ訳じゃない。

やりたい事もたくさんあるし…生きれるものなら、生きたいよ。



難しくても、それでも――受け入れなきゃ。

『死』だって『生』だって、自分が本当に望んだ事じゃない。

本当に欲しいものは、その先にあるものだからね。

でも結局、この世にある全ての命は、終わりを迎えなくてはならない。

勿論、例外なんて無い。

ずっと終わらなければいい?―知ってた?

終わりのない始まりほど、怖いものはないんだよ。

僕の場合は、その終わりが他の人より早かっただけ。

別に珍しくも何ともないよ。

命なんて、手のひらの砂の様に、簡単に指の間から零れ落ちてしまうんだから。


命だけじゃないね…そう、『大切なモノ』も。

手放したくなくても、手放すときは必ず来る。

その時までをどれだけ楽しめるかが、生きているかの価値だと、僕は思う。

僕はまぁまぁ楽しんだよ…最後の日に、君に逢えて、こうして話が出来たしね。

―君はそんな事でって言うけど、幸せの基準って存在しないんだよ。

強いて言うなら…生きている間に、どれだけ人を愛せるかって事だね。

他人を愛するって事は、自分も愛し、大切に出来るってことだから。



…君の未来(これから)は、未来の君だけが知るわけだけど…

たくさん、人を愛せてると良いね。

え?その台詞似合わない?…酷いな。結構良い事言ったのに。

最後の最後に、さ。



…もうこんな時間か。ごめんね。長い事引き留めてて。

もう、帰りなよ。――君の大切な人に逢える場所に。


僕達は、未来永劫逢う事は無いだろうけど。




じゃあね。


君と過ごしたこの僅かな時を、僕は忘れないよ――永遠に。










―――もう、迷っちゃ駄目だよ。









0本日の懺悔0

如何でしたでしょうか?
自分でも、途中で何かいてるのか分からなくなりました(爆)
少しずつでも、うまくなりたいです。

0解説0

白粉花(オシロイバナ)
花言葉は『あなたを思う』『病気』
病気の『僕』が『君』を思うって感じです。

副タイトルの解説
迷い子→「君」  去り逝く者→「僕」  白→病室  詩(うた)→会話?
訳すと、
『君』と『僕』が病室で何か話している
…風情のない訳し方ですいません。



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32777美しきは儚けき侑子紅子 2006/9/8 21:21:52
記事番号32670へのコメント
               お空に散った  綺麗な蜘蛛の巣

   
                      白銀の糸は  風に流され


   
               穢れ無き色  綺麗な蜘蛛の巣


                       歪んだ現世(うつしよ)  眺める旅人


   
               解れて溶けた  綺麗な蜘蛛の巣

   
                        地上に降り立ち  ゆっくり還る


    
   


   


               世界に在った  綺麗な蜘蛛の巣



                      誰も知らない  最後の煌めき 











   


                        ――――――神のみぞ聞く  最後の吐息