◆−Not a Period:01(TRY後日談?)−人見蕗子 (2006/8/28 12:06:27) No.32739 ┣Not a Period:02−人見蕗子 (2006/8/28 12:07:27) No.32740 ┣Not a Period:03−人見蕗子 (2006/8/28 12:08:18) No.32741 ┣Not a Period:04−人見蕗子 (2006/8/28 12:09:10) No.32742 ┣Not a Period:05−人見蕗子 (2006/8/28 12:10:34) No.32743 ┣Not a Period:06−人見蕗子 (2006/8/28 12:11:36) No.32744 ┣Not a Period:07−人見蕗子 (2006/8/28 12:12:18) No.32745 ┣Not a Period:08−人見蕗子 (2006/8/28 12:13:16) No.32746 ┣Not a Period:09−人見蕗子 (2006/8/28 12:14:20) No.32747 ┣Not a Period:10−人見蕗子 (2006/8/28 12:15:15) No.32748 ┗Not a Period:おまけ&あとがき−人見蕗子 (2006/8/28 12:17:40) No.32749 ┣私も再熱してきそーです・・・−夜宵吹雪 (2006/8/28 22:38:09) No.32752 ┃┗ありがとうございます!−人見蕗子 (2006/8/29 18:32:13) No.32755 ┣お邪魔します−美月沙耶 (2006/8/29 02:49:50) No.32753 ┃┗美月さん・・・ありがとですー・・・−人見蕗子 (2006/8/29 18:19:16) No.32754 ┗ツボすぎました−じょぜ (2006/9/1 23:51:46) No.32767 ┗萌え!!?−人見蕗子 (2006/9/4 17:01:16) No.32775
32739 | Not a Period:01(TRY後日談?) | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:06:27 |
Not a Period:01 北の街はいつも冷たい風が吹く。フィリアはぎゅっとマントの襟を深く合わせたが、ヴァルはその鼻先を冷やす風を肺一杯に吸い込み、そこに同胞のかすかな気配を感じた。街の終わりを示す険しい山々、その向こうに古代竜の最期の土地、終焉の場所があった。かつては彼らの遺体を封じた神殿があったが、今はもう何も無い。ヴァルガーヴが、自ら全てを塵にした。それでもなお、大地に染み込んだ古代竜のおびただしい血が、そこに彼らの気配を留めていた。 懐かしい匂いに感嘆の声を漏らそうとしたヴァルは、しかし隣にいる黄金竜の女の存在を思い出し、 「また雪になりそうだな」 と小さく呟いた。 「ええ、風も冷たくなって・・・急ぎましょうか」 「滑るなよ」 小走りになろうとするフィリアに、呼びかける。昼間はぬかるんでいた道は、陽が翳った途端に凍りつく。ヴァルはかつて山一つ越えた土地で育ったので雪道には慣れているが、彼女のように恵まれた場所で育った者にとっては知らないことだ。 「きゃっ!!?」 言った端からフィリアは足を滑らせて甲高い声を上げ、街を歩く地元の人々に好奇の目を向けられる。この街に来て4日目になるが、彼女はまだ独特の歩き方を身につけていないらしい。 「危ねえよ・・・どこも痛くないか?」 「はい・・・すみません・・・」 片腕いっぱいに荷物を抱え、空いている手を差し伸べてきたヴァルに、フィリアは照れたように笑いかける。彼は、変わった。自分をみつめる金の瞳にはもう憎悪の炎はかけらも見当たらず、それが逆にフィリアを戸惑わせていた。 |
32740 | Not a Period:02 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:07:27 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:02 4日前――誰もが、ヴァルガーヴは死んだと思った。今度こそ生き返ることは無く、彼は自分が望み続けた平穏をこういう形で手に入れたのだと、無理やりにでも納得するしかなかった。そうでもなければ前に進めない、そんな重苦しさをリナたちは感じた。 そんな時、ヴァルガーヴは戻ってきた。魔力を失って。外見は何も変わらない、ただ、額にあった角が消えていただけで。 だが彼の目は、もう怒りも憎悪も抱いてはいなかった。彼は自分が焼き尽くし、浄化した北の果てでうなだれ、まるで罪の重さに押しつぶされたかのように動かなかった。 ゼロスはヴァルガーヴの再生に驚き、アストラルサイドに姿を消した。リナは、彼の身体に魔力も、異界の魔王も宿っていないことを感じ、 「あんたは、自由なのよ」 と短く言ったが、ヴァルガーヴは身動き一つしない。 やがて、長い沈黙の果てにヴァルガーヴは顔を上げた。よく言えば静かな、悪く言えば魂を失ったようなヴァルガーヴの表情は恐ろしいほど美しかった。魔力をその身から捨て去るために、感情のすべてまでも浄化されてしまったような。 「ヴァルガーヴは、悪い夢だ。決して覚めることの無い、悪夢――」 そう呟くと、ヴァルガーヴは再びその場に崩れ落ちた。 気を失ったヴァルガーヴを連れて南に下ると、山を越えた先に小さな街を見つけ、リナたちはそこに泊まることにした。 「ーーヴァルガーヴをどうするか、ってことよね」 いつ目を覚ますか分からないヴァルガーヴをベッドに寝かせ、同じ部屋で5人が話し合う。その声でヴァルガーヴが起きてしまうかもしれないが、別室に寝かせておいて逃げられる方がまずいと判断した。 リナは故郷に帰って姉ちゃんに「世界の危機」の顛末を報告しなきゃならないし、アメリアは家出状態で今回の旅に加わったのだから捜索される前にセイルーンに帰らなければならない。ゼルガディスはまた写本探しのたびに出るだろうし、自称リナの保護者・ガウリィは当然リナに付き添う。残るのはヴァルガーヴとフィリアだけになってしまう。 フィリアは大丈夫です、と言い張るが、魔力は失っていても何を考えているか分からないヴァルガーヴをフィリアに押し付けるのは危険だ、とリナは主張する。 「ヴァルガーヴをダシにして、ゼフィーリアに帰るの遅らせよっかなー・・・あぁ、でも遅れたら遅れたで怖いことになりそうだし・・・いっそヴァルガーヴを突き出して「世界の危機の犯人(の一部)です!煮るなり焼くなりプリーズ!!」って言っちゃおうかな・・・そしたらコイツ今度こそ生き返らんかも・・・」 「・・・俺は、この地に留まる」 真後ろから上がった声に驚いてリナが振り向くと、眼を覚ましたヴァルガーヴが身体を起こした。 「俺たち古代竜は、北へ北へと追われて、最期のあの地へと辿り着いた。だから、この土地にも住んでいたことがあるし、ここらの土にはみんな古代竜の血が染み込んでいる。 だから、俺は此処を離れるつもりは、無い」 魔族だった時とは少し違う、静かだが曲げようの無い意思のこもった言葉に、リナは頭を抱えるしかなかった。 「ど、どうしようかなー・・・」 「俺は、もう魔族の力を持たない。あんたらともう一度やりあう気は無いからーー放っておいてくれないか」 「ヴァルガーヴ、そんな・・・」 思わず声をあげたフィリアをヴァルガーヴは横目で見たが、その表情に憎悪は滲んでいない。むしろ、彼女の反応に戸惑っているような。 いつものリナだったら、「本人がそういうんだったら、好きにしなさいよ」という所だろうが、今回はそうしてはいけないような気がした。ヴァルガーヴが魔族じゃなくなった、メデタシメデタシ、で本当に終わるかしらーーそんな不安が、彼女の中にあった。 「・・・アメリア、あんたひとりでセイルーンまで帰れる?」 突然びっ!と指差されたアメリアはビクッとした後で、 「リナさん、私のこと子ども扱いしないで下さい!!帰れますよー!!」 と膨れっ面で答えた。 「――よし、決まり! ガウリィ、ゼル、あんたたち、フィリアと一緒にここに残ってくれる?」 『えぇ!?』 指名された3人プラスアメリアが驚きの声をあげる。 「ゼルには悪いけど、あんたのクレアバイブル探し、緊急じゃないでしょ?あたしとアメリアは緊急だから・・・あたし、姉ちゃんに報告したら、すぐ戻ってくるから!殺されなかったら!!それまで、フィリアと一緒にヴァルガーヴの見張り、頼むわね」 ゼルだけではなく、アメリアが何となく不機嫌そうになったのを察知し、 「リナ、オレとフィリアだけでも大丈夫じゃないか?」 威勢良く手を上げたガウリィ。しかし、それを見た4人は逆にめちゃめちゃ不安を感じ、ゼルはあっさりとリナの提案を受け入れた。 「――じゃ、そーゆーことになったから。 あんたもまだどういう状態なのか分からないんだから、ひとりにならない方がいいでしょ?ヴァルガーヴ?」 リナがベッドへ視線を移すと、当のヴァルガーヴは聞いているのかいないのか、難しい顔をして窓の向こうを見詰めていた。 「ちょっと・・・ヴァルガーヴ!!?聞いてんのー!!?」 声を荒げると、何秒かの沈黙の後、ようやく彼は顔をこちらに向けた。シカトしてんじゃないわよっ!とリナは怒っているが、フィリアはふと思い当たり、ヴァルガーヴへ歩み寄った。 「・・・何だよ、お嬢さん」 近寄ってきた彼女に、躊躇いがちにヴァルガーヴは声をかける。 「もう、お嬢さんでは無くて、名前で呼んでくれませんか?フィリア、と」 「・・・フィリア?」 「あなたのことは、何と呼べば? あなたの本当の名前、聞かせてくれませんか?ヴァルガーヴ」 「――ヴァル=アガレス」 彼女の問いに素直に答えるのは初めてだ、と彼は思った。 「じゃあ、ヴァルと呼んでも?」 「・・・ああ」 ヴァルガーヴだった時には不愉快でしかなかった彼女の存在が、その眩しさが。今は憎悪も羨望の気持ちも湧かなかった。ただ、綺麗な女だ、と思った。 「ふぅん、ヴァル、ねぇ・・・」 ふたりのやりとりを見ていたリナは、魔族のネーミングセンスは相変わらず分かんないわねーと呆れながら、フィリアだけでも大丈夫だったかな、と感じていた。 翌日の早朝リナとアメリアは出立し、それからはガウリィ、ゼルガディス、フィリア、ヴァルの4人が宿で生活を共にしていた。リナは「見張り」と言っていたが実際は同じ部屋に集まり、会話を交わす、それ位の干渉だった。当たり障りの無い会話の中で、ヴァルが普通の青年だということを3人は知った。 「奴の変化は、まるで嵐の後、みたいだな」 ゼルガディスにそう耳打ちされ、フィリアもうなずいた。 このままずっと、穏やかでいて欲しい。フィリアはそう祈った。もう巫女ではないし、巫女を辞めたのはヴァルガーヴの存在も理由のひとつだったが、彼のためにできることは祈り以外には無いと分かっていた。 怒りや、憎しみや、苦しみに囚われた彼の心が解放されたのなら、私にとってもそれ以上の喜びはないでしょうーー。 時間が経つに連れてヴァルの方も打ち解けてきたのをフィリアは感じた。 だから、今日は思い切って買い物に付き合ってくれますか?と尋ねると、彼はあっさりと承諾してくれた。 |
32741 | Not a Period:03 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:08:18 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:03 「いけない、買い忘れがありました・・・っ!!」 宿に着く直前になって片手に買い物袋、片手にメモを握ったフィリアが声を上げ、方向転換しようとして、また足を滑らせた。心臓に悪いわ、とドキドキする胸を押さえる彼女を見かねて、ヴァルがメモを覗き込む。 「何を忘れたんだ?」 「えっと、コレと、コレ・・・」 「俺が行ってくるから、あんたは先に戻ってな。危なっかしくてしょうがない」 「す、すみません・・・」 メモと荷物を交換し、ヴァルは翳りゆく街の中を再び歩き出した。まばらに商店が並ぶこの街のメインストリートに出るには、細い路地を進まなければならない。いくつ目かの角を折れた時、不意に、空が漆黒に染まった。空だけではない、上下左右の区別もできない闇がヴァルを覆い尽くした。 ――アストラルサイド。 ヴァルは舌打ちし、自分をこの空間に誘いこんだ相手を探す。 「イキモノに戻った気分はいかがですか、ヴァルガーヴさん」 相変わらず、人をナメた口調で話しかけてくる。 「ゼロス・・・」 怒りのこもる声で吐き捨てたが、ヴァルの心情は怒りよりも恐怖が大きかった。この不安定な世界の中で竜の力をどう使えばいいか必死で考える。魔力を失ったのはほんの数日前のことだから、戦いの最中うっかり使えもしない魔力に頼ってしまいそうだ。 古代竜だったとき、ヴァルは魔族と戦ったことは無かった。同族の黄金竜とは文字通りの死闘を繰り広げたが、あれは肉弾戦で、ゼロスのような純魔族に今の自分が立ち向かう術はほとんど無かった。 ゼロスは攻撃を仕掛けようともせず、ヴァルの焦燥、戸惑い、恐怖を味わっていた。 (良薬口に苦しっていうか、ゲテモノ食いっていうか・・・複雑な気分ですね) 憎しみの対象である男の負の感情を栄養にして自分の力が上がることに、ゼロスは嫌悪感を覚えた。 「そんな感情は要りませんよ、ヴァルガーヴさん。 以前みたいにブチ切れて向かってきて下さいよ、腑抜けてないで、ねぇ?」 たいていの場合頭に血が上った方が負けるが、ヴァルガーヴの場合は別だった。激昂させるほど、強くなるし手段も選ばなくなる。こちらの冷静な頭では想像も及ばない暴挙に出る。 どうせ殺してしまうのなら、あの顔が見たかった。 「僕の喉でも噛み切る勢いで、突っ込んできたらどうですか」 ゼロスが手に持った錫杖をスッと降ろすと闇が歪み、次の瞬間ヴァルの足の裏が地面を捉えた。元の世界に戻されたヴァルは、ゼロスの予想を裏切って彼に背を向けて駆け出した。 「ちょ・・・ヴァルガーヴさん!?あなた馬鹿ですか? 僕は空間渡れるんですから、逃げたって意味無いですよ」 そんなことは分かっているのに、脚が止まらなかった。 (今の俺じゃ、奴には勝てない) 焦りと恐怖。雪と氷に足を取られおぼつかない足元。喉を、鼻を、キリキリと冷やす風。ヴァルは無意識のうちに記憶を辿っていた。幼い自分。雪の中を逃げる素足は感覚が無く、群れから遅れ出す。引き返す母親。目の前に迫った槍から母子を守ろうと覆い被さる父親。降り注ぐ血の温かさ。 (何で、こんな時に、思い出すんだーー) ぎっ、と口の端を噛み切り、無理やり意識を逸らす。戦わなければ、また追い詰められた果てに殺されるだけだ。今は何も出来ない子供ではない。力も、経験も、この身に備わっている。戦え! 覚悟を決めて振り返った瞬間――後ろに突き飛ばされるような衝撃と焼け付く痛みがヴァルの腹部を突き抜けた。 「・・・・はっ・・・!!?」 左のわき腹に、ゼロスが握り締めた錫杖の先が突き刺さっているのをヴァルは見た。一呼吸おいて錫杖が乱暴に引き抜かれると赤黒い血が噴き上がり、彼は地面に倒れ込んだ。喉の奥から血の味が広がり、たちまち口から溢れ出る。うつ伏せに倒れたヴァルの目の前で、血に濡れた錫杖の先が氷の張った地面をカッと打ち鳴らした。ゼロスはどんな顔をしている?顔を上げることも出来ず、口に溜まった血を吐き出して声を絞り出す。 「何故・・・今更俺を・・・」 「あなたが憎いからです」 冷徹な声に、ヴァルは耳を疑った。純魔族であるゼロスが、感情など持たない、個ではなく魔族という集合体の一端にすぎない存在が、「憎い」という理由で俺を殺すのか?魔族は意思を持たない。持ってはいけない。彼らの意思は、すべて彼らを束ねる存在から与えられる。そうではない感情がゼロスを動かしているとしたら、それは彼の存在の崩壊を招く。 「ヴァルガーヴさん、あなたには僕等の気持ちなんて分からないんですよ。 一度は同じ「魔族」だったとしても、本当は誰もあなたを同じものだとは思っていませんでしたよ。もちろん、ガーヴに関してもね。 あなた方はーーあなたは、はじめから僕等とは違うものなんですよ。「本当は此処に居ないもの」ではなく、身体を、命を持っているんですから。 そして都合よく命あるものに戻れたあなたがーーとんでもなく頭に来まして、僕は」 「お前・・・滅びるぜ?」 「あなたが死んでくれれば、後はどうなろうと構わないです」 「ゼロス・・・」 容赦なく体温を奪う石畳に、温かい血が流れ出していく。その様子に満足したのか、ゼロスは空間に消えた。 |
32742 | Not a Period:04 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:09:10 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:04 灰色の厚い雲からふわりと白いものが降りてくる。窓の外を、フィリアは不安げな表情で見つめていた。 宿の前で別れたヴァルが、戻ってこない。まだそれほど時間は経っていないが、別行動を取ったことをフィリアは後悔していた。 ヴァルガーヴとは別人のような、ヴァル。それでも、内側には未だに暗い感情を抱いていたのかも知れない。だから、戻ってこないかも知れないーー。 宿の前の通りが見渡せる窓辺に陣取ったフィリアの背中を、ガウリィとゼルガディスが別の理由で心配そうに見つめている。「見張り」を頼まれて、みすみすヴァルを逃がしたと分かればリナがどれだけの暴挙に出るか。ドラまたの怒りを恐れた男二人は、壁に掛けておいた厚手のマントを羽織るともう一枚をフィリアに差し出した。。 「そんなに心配なら・・・探しに行くぞ、フィリア」 「――はい!!」 3人は夕食の支度でざわめいている食堂の脇を駆け抜け、通りに飛び出しーー派手にすっ転んだ。 「うおっ!?」 「うわぁぁぁ!!」 「キャ・・・ッ!!」 三者三様の悲鳴を上げ、しりもちをつく。 「くそ・・・フィリア、ヴァルはどっちへ?」 「商店街に向かったんですけど、そこに行くまで狭い路地が続くんです」 「分かった、フィリアはさっき通った道を頼む。俺たちは宿の周りを見てから行く」 慣れないアイスバーンに苦労しながら、彼女たちはヴァルを探し始める。 フィリアは、つるつるに凍った迷路のような路地を、壁に手を付きながら進んだ。 「確かこの角は左・・・っきゃあ!!」 一瞬手を離した瞬間にまた足を滑らせ、しりもちをつくが今度は手を差し伸べてくれるものなどいない。 ヴァルは、本当にまだこの街に留まっているのだろうか。そんな不安が、夕暮れの闇と共に大きくなってゆく。 でも、あの時の彼の瞳はーー。 顔を刺すような寒さにフィリアが思わず目を閉じると、不意に彼女の鼻が独特の臭いを捉えた。どこかで知ってはいるけれど思い出せない、どこか不快な臭いに顔をしかめたフィリアは目の前の丁字路を覗き込みーー目の前の惨状に一瞬立ちすくんだ。 雪の吹き付ける路地、積もった雪をくすんだ赤色に染めるおびただしい血。それは、ぐったりと横たわるヴァルの腹部から溢れ出していた。 「――ヴァル!!?どうして・・・」 慌ててヴァルに駆け寄り、抱き起こすが彼は目を開こうとしない。身体は夜の冷気に体温を奪われて震えている。傷口を握り締めている彼の手をが傷の様子を見るために動かすと、内臓が見えるほどの裂け目から血が流れ出した。予想外の深手に、フィリアは吐き気を覚える。思わず目を逸らしたフィリアの耳に、聞きなれた声が飛び込んできた。 「おーいフィリ・・・わっ!!・・・痛ってー」 「まだ雪道に慣れないのか?」 「このつるつるには慣れないだろ・・・」 どこか呑気なやり取りは、やはり彼らはヴァルガーヴが自分の意思で消えたと思い込んでいるのだろう。 「こっちです!!早くっ!!」 壁を隔てた路地からフィリアの怒りに満ちた叫び声が上がり、ゼルガディスとガウリィは大慌てで声のした方に向かい、彼らもまた、一瞬立ち尽くした。その惨状に。凍った地面に流れた血はそこにシャーベット状にこびり付き、フィリアのベージュのスカートも見る影も無く赤茶色に染まっている。どれだけの血がヴァルガーヴの身体から失われたのか、想像もつかなかった。 とりあえず止血を施し、宿に運び込んでから本格的な治療を開始した。フィリアは神聖呪文を唱え、手のひらに生まれた光をヴァルの腹部に押し当てる。魔力が引きずり込まれるように彼の中に染みてゆくのを感じて、フィリアの表情が曇った。ここまで重傷を負った者を、治癒できるのだろうか。不安を振り切るために、フィリアは自分の力を一層強くヴァルに送った。ガウリィは宿までヴァルを運んでからはおろおろと部屋の中をうろついている。 バァン!!と力任せに部屋の扉が開かれ、ゼルガディスが苛立ちながら飛び込んでくる。 「駄目だ、この街にはロクな魔導士が居ない・・・!!」 俺たちで何とかするしかないな、とマントを脱ぎ捨てたゼルに、フィリアは無言で頷いた。 |
32743 | Not a Period:05 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:10:34 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:05 ゼロスは全身にヴァルの返り血を浴びて、アストラルサイドに呆然と佇んでいた。 (自暴自棄は、ヴァルガーヴの専売特許だと思ってたんですけど。僕も何やってるんですかね・・・) 震えているのは、ヴァルを刺したからではなく。上司の命令無しに、人間で言うところの「頭に血が上って」彼を刺してしまった、自らの行動を理解できなかったからだ。彼の前ではいつも通りのポーカーフェイスを通したが、内心は嵐のような激しい衝動が荒れ狂っていた。ゼロスは魔族でありながら、はっきりと憎しみを持ってヴァルを刺した。 「うっ・・・・!!」 不意に全身を握り潰されるような苦痛に襲われ、ゼロスは低く呻いた。自己嫌悪は、精神体の魔族にとっては致命傷になりかねない。 向こう側に逃げなければーーアストラルサイドに身を潜めることはできない。自己嫌悪で滅びるか、上司に造反を疑われて滅びるか、ふたつにひとつだ。ならば。ゼロスは彼女の気配を探し、そこに向かって空間を渡った。 ヴァルは、ひとりで闇を歩いていた。 (これが、竜の見る夢、か) 彼はゼロスに殺されかけたことを思い出し、舌打ちした。いや、もう死んでしまったのかもしれない。こんな闇夜の野原を、竜が歩く時はーー。 ふわふわした足取りで流されるように進んでゆくと、やがてその目が、前方の人影を捉えた。栗色の長い髪をした、少女。顔はこちらを向いてはいるが、遠すぎて表情は見えない。しかし、ヴァルは彼女を呼んだ。 「汝に問う、リナ=インバース。竜は夢を見るか?」 その声に気づき、少女――リナはヴァルに向かって脚を進める。しかし、彼女の背から烈しい風が吹きつけ、ヴァルから歩み寄ることは出来ない。リナの髪は風に弄ばれ、その顔をほとんど隠してしまっている。 「これ以上は近付かないで、気づかれてしまうからーー。 竜は、夢など見ないでしょうに。竜に眠りはない。それが訪れるのは、限りなく永遠に近い命を空に返す時・・・どうしたの?」 「――ゼロスに、刺された」 「ゼロスなら、今あたしを抱いてるけど?」 「――何考えてんだ、奴は」 「せいぜい嫌がって、暴れて、屈辱と怒りを食べさせてあげてるわよ。 あんたを刺したことで、だいぶ傷ついたんでしょ。存在が」 「――あんたには、ゼロスが必要ってことか」 「んな訳ないじゃないーーって、あたしも何やってんだか、ね」 「・・・奴に惚れてるなら、いっそ魔族になってやればいい」 はじめてリナの琥珀色の目が、ヴァルを睨み付けた。 「――あんたも、あたしも、同じよ。 神と魔の境を垣間見たからといって・・・本当のところは何も分からない。 あたし達は身体を、命を持つ限り、彼らの気持ちなんて絶対に分からない」 「・・・あんまり、踏み込むなよ。 俺は、魔力を与えられなければ魔族にはならない。でもリナ=インバース、あんたはその内側にーー」 「言わないで、忘れたフリをしてるんだから。 ――あぁ、ガウリィに触れたいな。あたしが闇に堕ちるのを止めるのは、あの手だけなのよね・・・クラゲなんかに頼ってんのも悔しいけど」 ふと柔らかな顔で微笑むリナに、ヴァルの顔が曇る。 「その手が・・・あんたを救い上げる唯一の存在が、奪われたら、どうする?」 「――あんたは、どう思う?あたしは、あんたのようになると思う? 支えを失ってーー彼を殺した者を憎み、自分の運命を呪い、それを仕掛けた世界を、あたしが滅ぼすと思う?」 「・・・・・・」 あたし、ゼフィーリアに行かずに、そっちに戻るわ。それまで生きてたら、キス位してあげるわよ。ヴァル」 ふふ、と妖艶に微笑むリナの顔に見とれた瞬間、ヴァルは長い闇から開放されるのを感じた。夢に終わりがあることを、彼は知った。 |
32744 | Not a Period:06 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:11:36 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:06 フィリアとゼルガディスは一睡もせずにヴァルにリザレクションをかけ続け、ついでにガウリィも徹夜していた。その日の夕方、リナがひょっこり顔を出した。 「リナ、どうしたんだ?それ!!」 彼女の右腕と首に、包帯が巻かれている。心配そうなガウリィ、ゼル、フィリアに、 「あー、姉ちゃんに会うのビビっちゃってヤケ酒飲んだら、宿屋の階段から落ちちゃって・・・てへ☆」 とカワイ子ぶってみるリナ。一同の顔があからさまに冷たくなる。 「リカバリィでもかけてもらおうと思ったんだけど・・・そんな雰囲気じゃなさそう、ね。 何があったの?」 やはり、昨夜のあれは夢ではなかったとリナは痛感する。自分の意識の中に、ヴァルは迷子のようにふらりと入り込んできた。しかし、リナの肉体には先客がいた。 「僕は、自分の意思でヴァルガーヴを殺しました。どうやら、僕も滅びるしか道は無いようです」 そう言うなりゼロスはすがり付いてきたので、わざとフィリア並みに罵り、暴れて彼を拒絶しようとした。いつもならヘラヘラ困ったように笑うだけのくせに、ゼロスはリナに殴りかかり、首を絞め、無理矢理抱いてきた。感情を持って。 そんな忙しい中にヴァルまで訪ねてきたので、正直意識の方は夢だったかもという期待を持っていたがーーそう甘くはないようだ。何があったかなんて一晩かけて知っていたが、リナはそ知らぬ顔でフィリアに問いかける。 「ヴァルが・・・何者かに襲われました」 「そう・・・目星はついてるんでしょ?」 「魔族、だな。おそらくは・・・」 ゼルガディスは言葉を飲み込んだが、一同の脳裏には同じ顔が浮かんだ。ニコ目の獣神官、ゼロス。 「で。コイツの状態は?」 生きているのか怪しいほど顔色の悪いヴァルを、リナは親指で指す。 「やれるだけのことはやったつもりだ・・・って訳で、俺もフィリアもヴァルの治癒に魔力を使いきった。残念だな」 「リナさんはご自分でなんとかしてください」 疲れきった表情のふたりに冷たく言われ、リナが溜め息をつく。 「いやー・・・今ちょっとね・・・」 珍しくリナが言い淀んだのでフィリアとゼルガディスは一瞬顔を見合わせ、その理由に思い当たって気まずそうにお互いぱっと目をそらす。 「おお!!“あの日”か!!」 彼らの大人の対応を、ぶち壊すガウリィ。 「だからあんたはいい加減口に出していいことと悪いことをわきまえなさいよッ!!」 ごすっっ!!とリナの怒りの拳がガウリィのみぞおちに食い込み、ぐえっと奇妙な声を上げて彼はその場に崩れ落ちた。 「まったく、ひどい顔色して・・・役に立たないくせに徹夜してるから眠くなるのよっ!!」 「・・・それ、眠ったんじゃなくて気絶だろ・・・」 「同じことでしょー?」 突っ込んでくるゼルとやりとりを無視してヴァルの介抱を続けるフィリアに疲労の色が滲んでいるのをみかね、 「ほら、ゼルもフィリアも一睡もしてないんでしょ?顔色がすごいわよ、ゼルは正直よく分からないけど・・・後はあたしに任せて、休んだ休んだ」 と隣の部屋に半ば無理やり3人を押し込むと、ヴァルの前に立ったリナの表情はたちまち険しくなる。 「・・・起きてるんでしょ」 「・・・何が“あの日”だよ、ふざけやがって」 ぱち、とヴァルの両目が開き、横目でリナを睨みつける。 「あんたも言葉は選びなさいよ、大体竜のくせに意味分かってんの?ガキ。童貞」 「誰がだ!あんたこそ言葉選べよ!! ・・・昨夜はお楽しみだったよーで、“あの日”だなんて通用するか」 「本当なんだから、しょうがないでしょ」 「・・・・・・・・・・・・・・・・その怪我といい、鬼畜か?あの野郎」 うんざりした表情のヴァルからリナは顔を背け、想像すんじゃないわよ!と一喝する。 「まあ、魔族だからね・・・。ってあたしのことはどうだっていいわ。そっちの傷、見せて」 ヴァルは一瞬躊躇ったが、仕方なく包帯を外す。生々しい傷跡に、リナの顔がさっと強張った。 「・・・フィリアとゼルが全力で治癒をして、この程度の回復?」 「そうでもなきゃ、夢で会うことなんて叶わないだろ?」 深手を自慢するようなヴァルの口ぶりに、リナは思わず苦笑する。それでいい、と彼は安堵する。泣く女はフィリアひとりでたくさんだ。あんたは揺らぐな、俺ごときのことで。 「あ、そうだ。夢で思い出したわ。 ――ヴァル、あんたはもうちょっと踏み込んだ方がいいんじゃないの?」 「・・・何の話だ」 「フィリアのことよ」 「・・・あいつが、どうした」 「言ったでしょ?あたしが闇に堕ちるのを止められるのは、ガウリィだけだって。 あんたが闇に堕ちるのを止められるのは、きっと、フィリアだけよ。 失うのが怖くて手に入れないなんて、馬鹿げてるわ。 ・・・恐れてんの?もし目の前で大切な人が殺されたら、あんたはまた、ああなると」 ヴァルは、言い返せなかった。肯定も、否定もできずに、動けずに居た。 「――はっきりしなさいよ・・・!!もう、フィリア呼んでくるから、腹くくっときな!」 短気なリナが勢いよく部屋を飛び出していくのを止めることも出来ず、ヴァルはアイツの横暴に付き合ってると腹の傷が裂けそうだ、と顔を歪めた。 |
32745 | Not a Period:07 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:12:18 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:07 首根っこを捕まれるような感覚、次の瞬間、ゼロスは獣王の前にみっともなく転がっていた。 「――忘れるんじゃない、お前は魔族よ。そして私の一部。 お前が目に余る言動を取るたび私の力もまた、弱まる。均衡を崩す愚かな真似を、なぜ続けた?答えろゼロス!!」 びりびり、と空間が震えるような咆哮に近いゼラスの声に、ゼロスは答える術を持たなかった。 「リナ=インバースにとどまらず竜の娘にもちょっかいを出してーー嫉妬は、命あるものの専売特許だ。お前が真似ることではない」 「・・・フィリアさんは・・・」 「負の感情を喰らいに通っているのだと、信じていた。私も愚かだな、信じるなんて、そんな感情はーー」 ゼラスは爪を伸ばした手で、ゼロスの額を鷲摑んだ。爪が食い込み、ゼロスは驚きの表情を浮かべたまま、固まった。もう少し力を入れればこの部下は塵となり、彼に与えていた力はゼラスの胎内に還って新たな部下を誕生させることが出来る。 しかし、ゼラスはその手をゼロスから離し、長い溜め息をついた。私も愚かだわ、と再び自嘲して。 命あるものが何を思い、なぜ限りある命を精一杯生きようとするか、精神体のゼラスには分からなかった。ガーヴに会うまでは。彼女は、ガーヴを思いながらゼロスを創った。自分が持たない感情というものを、見てみたかった。だから、ゼロスが人間くさいのは自分の責任だ。ガーヴが、ヴァルガーヴが、純粋な魔族には決してなれないのと同じように。ゼロスが人間らしく振舞うのは、矛盾だった。その歪みが今になって大きく口を開いたーー。 ゼラスは小さく呪文を唱えると、恐怖の表情を浮かべたままのゼロスに口付けをした。お前を滅ぼすつもりは無い、でも。すこしだけ記憶を操作して、ゼロスは再びゼロスとして創られた。 |
32746 | Not a Period:08 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:13:16 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:08 冷たい手が頬に触れたのを感じ、フィリアは飛び起きた。目の前には、リナが唇に指を当て「しー」っと囁いている。 「悪いわね、起こしちゃって」 「いえ、もう平気です・・・」 窓際のソファに目をやると、ガウリィとゼルガディスはまだ深い眠りの中に居る。 「ヴァルが、呼んでるから」 「え!?」 ヴァル、という言葉を聞くなり掛け布団を跳ね飛ばし、ぼさぼさの髪のまま隣の部屋へ向かうフィリアの姿を見て、脈はありそうなんだけどなー、と呟く。 (ま、後はあたしの知ったこっちゃないわ) ソファに近付き、ガウリィの頬にそっと触れる。フィリアとは違い、目覚める気配は無い。どうやらリナに殴られた気絶から本当に眠りに入ったらしい。 (可愛い寝顔して・・・惑わすのは、あたしだけにしてよ) 彼の隣で眠るゼルのことを忘れ、今度は唇と唇を触れさせた。 「・・・ホントに来ちまった・・・!」 「え!?」 リナが「フィリア呼んでくるから、腹くくっときな!」と出て行ったのを冗談だと思っていたヴァルは、部屋に飛び込んできたのがリナではなくフィリアだと気づいた瞬間飛び上がるほど驚いた。彼の具合が悪化したと思い込んでいたフィリアは半泣きで部屋に飛び込んでベッドに起き上がっているヴァルを見て目を丸くし、ほっと胸をなでおろした。 「・・・良かった・・・」 安堵の溜め息と同時に、涙がぼろぼろっと零れてしまいフィリアは恥ずかしそうにそれを拭うとヴァルに歩み寄る。 「もう、傷の具合は大丈夫なんですね?」 「あ、あぁ・・・」 良かった、とまだ涙の止まらない顔をヴァルから背けようとするフィリア。とっさに、ヴァルは彼女の手を掴んだ。びっくりしたフィリアは、泣きながらヴァルと向き合う。 「・・・ヴァル?」 「――ありがと、な。助けてくれて」 「や、そんな・・・え?ど、どうしたんですか、急に・・・」 「あんたに、言いたいことがあるんだ、フィリア」 ヴァルの口から「ありがとう」なんて単語を聞く日が来るとは思ってなかったフィリアは動揺して真っ赤になってしまう。握られた手が力を増したのを感じ、更に赤くなる。 「・・・あんたに、側にいて欲しいんだ。ずっと」 (側に・・・ずっと!!?ってことはコレって告白!!?な・・・え・・・えー!!?) 混乱しながらも、ヴァルも照れているのか赤くなっているのを見て、冗談ではないことにフィリアは気づく。彼、基本的に冗談飛ばすようなタイプじゃないし。 大パニックに落ちいったフィリアの返事は。 「い、嫌ぁぁぁー!!!」 「え・・・・!?」 ある程度予想はしていたが、直球ストレートで拒絶されてショックを受けるヴァル。その顔を見て、フィリアはハッ!と正気に戻った。 「え!?あ!!ち、違うんですー!! わ・・・私徹夜明けだししかも寝起きだし髪はぼさぼさだし顔も服もぐちゃぐちゃで、こんな状態の時にそんな大事なことを言われちゃったのが嫌なんです!!ヴァルが嫌なんじゃないですー!!」 興奮したフィリアの声はだんだん大きくなり、後半は隣の部屋まで丸聞こえ。壁に耳を当てて隣の会話を盗み聞きしていたリナの全身がビリビリ震える位の。 「え!?す、スミマセン・・・」 こっちも病み上がりで状況を整理しきれないヴァルがとりあえず謝る。 「ちょ、ちょっと待ってていただけますか!?」 フィリアは両の手のひらをヴァルに向けながらじりじりと後ずさり、バスルームに駆け込んだ。 「いや・・・俺まだ動けないし・・・」 数分後。戻ってきたフィリアは、化粧を直し、髪をとかして3割り増しで綺麗になっていた。ベッドの端に遠慮がちに腰かけ、ヴァルと視線を合わせる。 (澄ました顔して、何狙ってやがるこの女!!?) 冷静に「自分のどこが嫌なのか」駄目出しされたら立ち直れないな・・・とどこか遠くを見つめるヴァル。 「もう一度、言ってくださいませんか?」 「・・・は!!?」 予想外のフィリアの言葉に、ヴァルはまたしても飛び上がるほど驚いた。もう一度なんて言えるか!!と怒鳴りたくなったが、傍らのフィリアは頬を染めてじっとこっちを見つめている。 「――ずっと、俺の側にいて欲しい」 駄目出しの恐怖におびえつつ、腹を括ってヴァルは告げた。彼の手を、今度はフィリアがそっと握り返す。 「はい。私でいいのなら、ずっとここに居ます」 「・・・・・・・え!?」 「私、あなたの側に居たいんです」 「あんたなぁ・・・さっきと違うじゃねーか!!!馬鹿にしてんのか!!?」 「だから、さっきはボロボロの格好で告白されてるのが嫌だったんですー!! あなたのことが嫌なんじゃないって、言ったでしょう!!」 ふたり、というか竜2匹の言い合いは建物全体を揺るがすほどの大声で、昼寝中のガウリィとゼルガディスは飛び起きた拍子にソファから転がり落ちる。 「・・・どういうことだ?」 不機嫌そうなゼルの問いに、 「ハハ・・・もう、ふたりきりにしても大丈夫みたい・・・」 あきれた顔のリナが答えた。そして何だ何だ!!?と寝ぼけた顔でおろおろする保護者の頭をぺちっと叩き、 「ガウリィ、やっぱり、ゼフィーリアまで付いて来てくれない?」 と、彼女もまた腹を括って、彼女なりの告白をした。 ヴァルとフィリア、リナとガウリィの関係を敏感に察したゼルガディスは頬をぽりぽりと掻き、 (後で知ったら、「そんな大事な場面に立ち会えなかったなんて・・・私の馬鹿―!!」って嘆きそうだな、アイツは) と、今は澄ました顔で姫君を演じているだろう少女のことを思って苦笑した。 |
32747 | Not a Period:09 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:14:20 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:09 長い冬を乗り越えて、大地がまた芽吹き始めた頃。街の外れにある骨董屋の女主人とその夫は、朝市の雑踏に立っていた。怪しげな壷を並べた露天にかじりついている妻の後ろに突っ立っているのにも飽きて、ヴァルは数歩下がると何となしに周りを見渡しーーふと黒いフードで顔を覆った旅人に目を奪われた。これだけの人込みの中で、なぜ彼が目に留まったのか。不意に脳裏にひとつの名前が浮かんだ。 (――ゼロス!!?) 何故ここにーー嫌な汗が背中を濡らしてゆく。ヴァルはこのままゼロスを追いかけるべきか、フィリアを連れて雑踏に紛れて逃げるべきか躊躇った。しかし、次の瞬間、活気に溢れる朝市から人影は忽然と消えてしまった。もし自分が、或いはフィリアが標的だとしたら、ゼロスに限って見落とすことは無いだろう。空間に身を移して仕掛けてくるつもりか? 拳を固めた瞬間、羽織っているマントの裾を引かれて、顔を強張らせて振り返る。目の前には、不安げな顔のフィリア。 「ヴァル・・・どうかしたんですか?」 「ゼロスが居た、ような気がした」 「ゼロス・・・!?生ゴミが今更何の用事ですか!!」 細い眉を吊り上げ、人込みの中で大声を上げるフィリアを何事かと見詰める大勢の視線に気づき、ヴァルは慌てて後ろから彼女の肩を掴んで道の端に移動する。 「どこに潜んでるんですかっあのゴキブリは!!」 「いや、一瞬それらしい奴が居たんだが・・・もう、気配も無い」 その言葉を聞くと、フィリアの表情が緩んだ。まだ、なにもかも終わった訳ではない。さっき、フィリアから離れて遠くを睨みつけていたヴァルは、ヴァルガーヴの顔をしていた。まだあの苦しそうな顔をする。魔力を失い、ガーヴから切り離されたとはいえ、過去は消せない。 あいつがヴァルガーヴだったことが、また悲しみを呼ぶかも知れない。 リナにそう聞かされていたし、フィリア自身あの神と魔の壮絶な力の干渉を目の当たりにしたのだから、ヴァルが再び魔族に追われるかも知れないという諦めは抱いていた。実際、ヴァルに戻ってまもなくの彼を襲撃したのはゼロスだったと、フィリアは後で聞かされた。悔しいが、こちらが敵わない程の力を持つ高位魔族に、彼は狙われたままなのだ。何も決着はついていない、それでも。 「帰りましょうか、ヴァル」 できるだけ明るい声で、フィリアは言った。 「・・・俺はいいけど、いいのか?」 「ええ、後は食糧を買って、家でご飯にしましょう」 新鮮なお野菜を売ってたのはあっちのお店でしたよね?とヴァルの手を握り、小走りで市の中を進むフィリア。その背中がなんだか大きく見えて、ヴァルは自分が子供みたいだと思いながら、いつかのリナの言葉を思い出していた。 ――あぁ、ガウリィに触れたいな。あたしが闇に堕ちるのを止めるのは、あの手だけなのよねーー 彼女を繋ぎ止める最後の鎖が、彼の手だとしたら。俺を繋ぎ止める最後の鎖は、この手なのだろうか。いつも追い詰め、泣かせてばかりだった彼女に。縋ってもいいのだろうか。 市場の並ぶ道からやや遠い、街の中心にある商家の豪奢な屋根の上に、ゼロスは居た。 「あれが異界の魔王と接触したヴァルガーヴの原型、ヴァル=アガレスですか。一緒に居る黄金竜が神魔融合魔法に一役買ったフィリア=ウル=コプト、現在ではアガレス夫人・・・随分と悪趣味な組み合わせになったものですね」 獣王の命令通り、彼らの居場所は掴んだし、その間彼らに見つかることも無かったはずだ。 ヴァルガーヴが呼んだ、異界の魔王による世界の危機。その事件に自身も関わっていたはずだが、ゼロスは獣王から語られたいきさつ以外の情報を持っていなかった。だから、姿が多少変わったヴァルはともかく、フィリアを見てもそれが見知った者だとは思えなかった。市場からは離れたが、ゼロスは高い屋根の上から買い物を続ける二人を確認できた。獣王の言葉を思い出し、彼は冷たく笑った。 ――いつか彼らの過去が、その記憶が我らにとって必要になる時が来るはずよ。しかしそれは今ではなく、どれだけ先のことになるかーーそれまでは、自由にさせておく。すべて忘れてしまう程の幸福の後に、また悲劇が起きれば。我らにとってどれだけの糧になるか・・・想像するだけで甘美でしょう? 「快楽の果てには、悲しみが待っている、ねぇ・・・愚かですね、命あるものってヤツは」 そして、ゼロスは虚空へと消えた。 |
32748 | Not a Period:10 | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:15:15 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:10 市を抜けて、丘の上の家までの帰り道。 不意にフィリアは告げた。 「ヴァル、大丈夫ですよ」 「ん?」 「魔族があなたを狙おうとも、私が絶対に守りますから。だから、あなたも自分を手放さないで。何があっても、もう世界を憎んだりはしないで」 フィリアの真剣な面持ちに、なぜか一瞬リナ=インバースが脳裏をよぎった。 「俺を守って・・・あんたが殺されたら、俺はどうなるだろうな」 リナには言えなかった弱音が、口から零れたことをヴァルは後悔した。しかし、フィリアは大丈夫です、と再び呟いて、微笑んだ。 「もしも、私が居なくなっても・・・あなたをひとりぼっちにはしません。その頃あなたの隣には、きっと両手で抱きしめきれない程の子供たちが居ます。 今は・・・まだ、ひとりですけど」 そう言って、華奢な手で自分のお腹をそっと撫でてみせると、きょとんとしていたヴァルの顔に驚きが広がった。 「え・・・!?フィリア、子供・・・っ!!?」 「やっぱり、気づいてなかったんですね。もうすぐ生まれちゃいますよ、卵」 「な、何でもっと早く言わねーんだよ!!? こんな寒い中外歩き回って、荷物持って・・・おい!そっちも俺が持つからよこせ!!」 真っ赤な顔をして荷物をひったくって来たヴァルの姿に、フィリアは笑いを堪えることができない。 「何がおかしいんだよ!!おいフィリア!!」 ヴァルが真剣になればなるほど笑いがこみ上げてしまい、フィリアは小走りで家に向かおうとするが、走るなー!!とヴァルに叫ばれ、ぴたりと足を止める。 「ふふふふ・・・だ、だって、そんなに気遣ってくれるなんて思ってなかったんですもの・・・。子供ができた、って言って喜ぶかどうかも正直微妙かなーと思ってたんで、ギャップが・・・あははははは」 ついにお腹を抱えて笑い出すフィリアの耳元で、赤くなったままのヴァルはぼそっと呟いた。 「――ありがと、な。フィリア」 |
32749 | Not a Period:おまけ&あとがき | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/28 12:17:40 |
記事番号32739へのコメント Not a Period:おまけ&あとがき ガウリィを連れたリナが故郷に帰り、姉ちゃんに「世界の危機」の顛末を報告し、ついでにこってりと絞られ、こき使われて。 ボロボロのリナと、「姉ちゃんは胸でかいんだなー」と不用意な発言のためにボロボロになったガウリィがセイルーンに立ち寄ったのは、初夏を迎える頃だった。 「リナさん!ガウリィさん!!フィリアさんから手紙が届いてますよー」 アメリアから手紙を受け取ると、読み始めたリナの顔に驚きが広がった。 「えー!!子供生まれたんだー!!」 しかし、フィリアの上品な文字が躍る手紙には、ごく簡単なことしか書かれていない。 「って・・・コレだけ!?子供が男の子か女の子かも分かんないじゃない!!」 「フィリアさんにしては、そっけない文面ですよね・・・」 アメリアは寂しそうな顔をするが、 「コレはもう・・・行くしかないでしょ!!」 リナが満面の笑みを浮かべるのを見て、アメリアも会いに行きますか!!と身を乗り出す。 「会いたいです!!って素直に書けないところがフィリアらしいわね・・・赤ん坊の性別も、ヴァルの親父やってる所も、見てのお楽しみ、って感じ? ねえアメリア、あんたいつ頃暇になる?」 「もう、すぐにでも行けますよ!!」 「よっしゃ!!途中でゼルも捕まえて・・・行くわよ!!」 「はいっ!!」 その場で豪華なドレスを脱ぎ捨てようとするアメリアを見て、リナは慌ててガウリィをベランダに放り出す。もっと大事にしてやらなきゃダメよね、と思いながら。 「お子さん、どっちに似てるんでしょうか?」 「フィリアに似ればいいんじゃないの」 「なんか、どっちに似ても、魔族嫌いっぽいですよね。 ゼロスさんが現われようものなら、家族全員でゴキブリー!!とか叫びそうな」 「逆に台所にゴキが出たら、「お母さん!!ゼロスが!!」とか言っちゃったりして」 「・・・ある意味良くない教育ですね・・・」 「・・・ヴァルに似た方がいいのかな・・・」 「そういえば、あれ以来ゼロスさん見ないですね」 「そうだっけ?・・・あー、確かに最近見ないわね」 滅んじゃったかな、とちらりと思う。胸が痛んだのは、たぶん気のせい。お腹減ったせい。 「ね、出かける前に、ご飯食べない?」 「はいはい、リナさんたちのために、食料庫パンパンにしてありますよ!」 あたしたちは、生きてくことが楽しくてしょうがないんだから。終わりが来ることが、なんだっていうのよ。終われないことがどれだけ悲しいことか、あたしたちには理解らないのよ、ねぇ。 「リナー・・・まだかー?」 「・・・ガウリィ、ゴメン忘れてた!」 窓の外から遠慮がちに上がった声に、リナは慌ててベランダに駆け寄り、外壁に背中を寄せてちんまちと体育座りをしているガウリィの姿に大爆笑した。 :::::::::::::::::: 一坪さん、大丈夫ですかー? 私の再来が、一坪さんの体調に悪影響を与えてなければいいのですが・・・お大事になさってください。 「チェイン」のあとがきで「もう思い残すことはない」って言い切ったんですが・・・軽く読み返したら自分でも酷い小説・・・と思いまして。スレイヤーズなのに戦闘シーンとか無いし!!観念小説だなーと反省していたところ、TRYの後日談・別バージョン思いついちゃったんで、書いてみました。相変わらず私以外の需要があるかは謎なのですが、そっと置き逃げさせていただきます。 「チェイン」よりは明る・・・くもない気がしますが、もう、個人的にはヴァルガーヴががきんちょにならなきゃどうでもいいです!!(言っちゃった) 色々言いたいことはあるんですが・・・今回は補足ナシで。 うっかりスレイ、というかヴァル熱が再燃してしまい、サイトさんをふらふらしているのですが、私には帰る場所が無いのが寂しくなってきたので、またHP作りたい・・・です・・・。いつかそこで力いっぱい語れる日を夢みて。 2006.8.28 人見。 |
32752 | 私も再熱してきそーです・・・ | 夜宵吹雪 | 2006/8/28 22:38:09 |
記事番号32749へのコメント 初めまして!同じく現世に黄泉がえった(?)夜宵吹雪と言うものです。 このサイトとも長いお付き合いをしていました。 2年近くのブランクを思い知らされ、見知ったお人の文章に感嘆しております。 人見蕗子の「チェイン」は見ていないんですが・・・探して見ますね。 本作のTRYの後日は私と共通する観点がいくつかありました。 ぶっちゃけますと、ヴァルを中心にした後日談が大好きなのです。 フィリアが絡んでれば、なお良し! ・・・ただ、読んでてちょっぴりゼロス×ヴァル(?)っぽいなあと思って、ときめいた自分にびっくりしたり。嫌いじゃないんです。ははは・・・(乾いた笑い) ノーマルはゼロリナ、ヴァルフィリが好物です。あえて付け加えておきます。 今度、私自身も執筆しようかしら・・・もうTRY自体うろ覚えなのに・・・。 やっぱ、アニメは忘れた頃に見ると面白いんですよね・・・。 とりあえず、TRYは不滅と信じてやまない私です。 こんな私でよろしければ、熱く、そうマグマのように力いっぱいに語りください! 私のようなものでよろしければ、精一杯の誠意をこめてお返事します! それでは、つたないレスですが、これにて。 |
32755 | ありがとうございます! | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/29 18:32:13 |
記事番号32752へのコメント 夜宵吹雪さん、はじめまして!読んでいただいてありがとうございます。 「チェイン」はこのページのちょっとだけ下の方にありますので、よかったらどうぞ・・・。スタート地点とゼロスの扱いが酷いのが一緒で、後は全然別物です。 私は4〜5年ぶりの黄泉がえりなのでほぼ浦島太郎です; ゼロス×ヴァルっぽい、というコメントにびっくりしました(笑)私の脳内では、ゼロスもヴァルもリナとフィリアの間で揺れてて、でもゼロスは純魔族だから絶対に手が届かないのに同じ魔族だったヴァルがイキモノに戻ったことでゼロスがヴァルに嫉妬している、っていう図式が展開していたので・・・。私も、嫌いじゃないですよー(笑) 確かに、TRYうろ覚えな所いっぱいありまして、色々記憶違いな部分があると思いますが許してください!DVD出てからちゃんと調べて書けばよかった・・・無駄にリカバリィとリザレクションの違いだけ調べました; 私のつたない小説に、すばらしいコメントをありがとうございました!私がこの場所で本気で語ってしまうと強制終了になりかねないので、夜宵さんのヴァル話もぜひ聞かせてください! それでは。 |
32753 | お邪魔します | 美月沙耶 | 2006/8/29 02:49:50 |
記事番号32749へのコメント 美月沙耶です。前回の『チェイン』に感想を投稿出来なかったので今度こそ…!と思い感想を投稿します。 わわわ…!ドラゴンのにーちゃん可愛いんですけど!!(*^▽^*)最初から最後まで8割方にやけていました(←おいこら失礼だ;) ゼロスとの戦闘シーン読んでて緊張しました。ああ…もうドラゴンの力しかないんだな。そりゃ『逃げるが勝ち』を実行するしかないなと思いつつも、戦って欲しかった気もします。古代竜の力で(酷) フィリアさん…告白されてますね!!今となっては(…昔はどぅだったかな)羨ましいと言うより良かったっていう気持ちでいっぱいになりました。感謝の言葉を述べる彼も貴重です!やっぱりウ゛ァルにとって彼女は鎖的な存在ですね、そして温もりであり、生きて行くための優しさ。憎しみよりも尊い物を彼が得る事が出来たんだなと涙が…。そしてリナ、TRYの最終回前後でガウリィに「私勝てるかな…?」と弱音を漏らした彼女をガウリィが「大丈夫だ!」って励ますのを見て、あのにーちゃんとリナって似てるんだな〜とふと思ってました(あのキレっぷりも似てる:笑)『チェイン』のウ゛ァルリナはかなりおいしかったです☆絶対有り得る。 ゼロスは…今回、過激でしたね〜でも彼が作られた時の事も書かれていたのを読んで納得です。あ〜赤毛のダンディが根底にあるんですね。そう思うと人間臭い感情のあるゼロスも愛しいです。ゼロスを殺さず記憶を操作しただけのゼラス様にも、共感してしまいます。(私のライバルはゼラス様の様ですね…ふふふ、あっウ゛ァルもか←微笑) 長くなってしまってすいません。数年ぶりにふっきーの小説が読めて嬉しかったです。 是非またサイト立ち上げて下さい。入り浸りますから(迷惑客…?) 携帯からなので文章が変なところで途切れたりしているかもしれません。お見苦しい投稿になっていたらすいません…。でわでわ。 |
32754 | 美月さん・・・ありがとですー・・・ | 人見蕗子 E-mail | 2006/8/29 18:19:16 |
記事番号32753へのコメント 「チェイン」に引き続き、コメントありがとうございます! 最初は何て返したらいいか分からなくて、そっけないレスになってしまいすみませんでした。 じょぜさんの所でレス頂いたのを見て、もう、ホントに色々済みません!!としか言えないんですが・・・どこで謝っていいかも分からないので、もしよければメールもらえないでしょうか? では、コメント返しさせて頂きますー。 読んでくれてありがとうございました!美月さんもそうみたいだけど、9年経つとキャラクターの見方変わってきますよね?私は実はフィリア嬢苦手だったのが、可愛い女じゃないか!って思うようになったし、ヴァルリナは無い!と思ってたけど推奨で!!って感じになりました(笑) ゼロスの扱いがヒドイのは・・・自分がヴァル目線だからです。宿敵がどうなろうと知るか!!と思いつつ、人気のあるキャラは上手に・・・使えないあたりが私の不器用さです。 美月さんは赤毛のダンディに惚れてるんですか!!?全然出てなくてスイマセン・・・・。 美月さんこそ、HP立ち上げるのを待ってますー。 それでは。 |
32767 | ツボすぎました | じょぜ | 2006/9/1 23:51:46 |
記事番号32749へのコメント どうも、人見さん、こんばんはー。 早速ヴァルフィリとヴァルリナの濃い話を読めてめちゃくちゃ嬉しいです(笑)。 いやー、四人の相関関係があまりにツボだったんでどっから感想を述べていいやら……とりあえず05がすっごく好きです。 特にここ、 >「ゼロスなら、今あたしを抱いてるけど?」 〜〜〜〜っっっ!!!!!!(ばんばんテーブルを叩いてます) ここ!! 萌え!! 萌えですよ人見さん!! いや、よーく考えたらすっごくヤバヤバな状況なんだけど(汗)、あまりにリナがカッコよすぎます。 ヴァルとリナのやりとりがあまりにツボです。ツボすぎます。 「チェイン」のあとがきで「ヴァルを守るのはフィリアだけど、導くのはリナ」と書いておられましたが、もうその通りだなとうなずきました。 最終的にはヴァルはフィリアと一緒にいるべきで、それは本人もわかってるんだろうけど、絶対リナの存在もヴァルには外せない。 で、そのことをフィリアもちゃんとわかってる。 リナとフィリアの間でふらふらするヴァルとゼロスって図式もいいですね(笑)。 ヴァルリナでヴァルフィリでゼロリナでゼロフィリでゼロヴァルでフィリリナ……いやーたまりませんね。この四人の関係大好きです。 ヴァルガーヴとリナがよく似ていて、どっちも神と魔の間に立つものとして理解しあえる存在なんだけど、支え、守ってくれる存在はお互いではない、というのが納得です。 リナにはガウリイ、ヴァルにはフィリア、なんだと思います。 フィリアがもし殺されてしまったら、たぶん今度こそヴァルはルーク並に絶望しちゃうだろうなと思います。んでそうならないためにはどうしたらいいのかなーと考えたら、やっぱりフィリア以外に守るべき存在がそのときにないと駄目だろうな、それはやっぱり二人の間に生まれた命であればいいなと思います。 こう、ツボを突かれすぎるとうまく言葉にならないのですが、ぜひまた人見さんのヴァルとフィリアのお話が読めたらと期待してます。 サイト開設もぜひ! |
32775 | 萌え!!? | 人見蕗子 E-mail | 2006/9/4 17:01:16 |
記事番号32767へのコメント じょぜさん、こんにちは。 コメントありがとうございます!レスが遅くて申し訳ありません; も、萌えですかー!!?女に生まれて2×年、初めて「萌え」の一言を頂きました・・・ヴァルリナはじょぜさんの影響というか、まんまパクリじゃない!?ってことに書き終わってから気づき、青ざめていたのでほっとしました。。 >ヴァルリナでヴァルフィリでゼロリナでゼロフィリでゼロヴァルでフィリリナ コレはもう、完全にじょぜさんの作品の影響ですから!訳分からん四角関係、素敵過ぎます!! って・・・私の作品にはゼロヴァル風味ありますか!?私は気づかなかったんですが、同じような感想を頂いてびっくりしたので。むむぅ。 じょぜさんはルクミリもお好きなんですよね。私はスレをそんなに極めてなくて、原作は一度読んだけど二部はそんなに思い入れがなかったので正直ルークってどうなったのか覚えてないんですが(死)ヴァルフィリにかぶるルクミリ、気になります〜。 実は、水面下でHP作成中です。もう完全復活の勢いで・・・近日中に形になると思います。自サイトなら、もっと濃ゆくできますし(笑) あ、掲示板の私用申し訳ありませんでした!!お陰さまで美月さんと再会できました、ありがとうございます〜。 |