◆−目隠し鬼−カナタ・マコト (2006/9/10 14:54:28) No.32778
 ┣Re:目隠し鬼−キノ (2006/9/10 15:05:31) No.32779
 ┗Re:目隠し鬼−優美象・静 (2006/9/10 18:00:59) No.32780


トップに戻る
32778目隠し鬼カナタ・マコト URL2006/9/10 14:54:28






鬼さんこちら、手の鳴る方へ。

いつ聞いたかも覚えたのかも知らないこの言葉と遊び

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」

それは、鬼を呼ぶ呪なのかも知れない






【目隠し鬼】

夕暮れの日に影を落とし佇む少年
まわりには、親と言えるものも友達と言える同年齢の子供もいなかった
ただ、誰かを呼ぶようにこう唱える。

「鬼さんこちら手の鳴る方へ」

つぶやくように紫がかった黒髪の少年はその遊び言葉をくちずさむ
ぱんぱんと手を叩き大きな広間を見回す
誰もいない。
少年の頬に水が伝った。
その純粋な涙は閉じられた瞳から溢れ光に発光しながら地に落ちていく

「鬼でも・・・っなんでもいいんですよ・・っ」

少年はそういってその場に座り込み頭を抱える
ふと少年の体に影がかかった。

「どうかしたのか?」
「?」

少年は、その声の主を探した。
首を左右にふったり上下させたりしてただ闇雲に。
そしたら気付いてくれると思ったから

「お前・・目・・見えないんだな」
「・・・(本当に鬼がきちゃったんですか?)」

ようやく第二声を放った青年の居場所に気がついてすぐに顔を向ける
姿形はわからない彼には闇が広がってるだけだから

「立てるか?レゾ」
「・・・・うん・・たぶん」

むくれた子供のように小さくうなずくレゾ。
しかし、立とうとしたとたん足に力が入らなかった
すぐにその場に崩れ落ちるどうやらレゾの足が痺れてしまったようだ
すぐさま姿のわからない男にレゾは転ばないように支えられた
しかし、一足遅かったらしく見事に足を挫いてしまった。
嫌な音が静かになった広間で響いた

「・・・・・ぅヴ・・」
「・・・・・・・・・・・」

レゾはしわをよせた。
もちろんもの凄く痛かったのだろうけれど泣かないし声も抑える

「ガキになってもそういう意地はあるんだな」
「は?」
「いや・・・なんでも・・」

レゾはまだ幼い手で男を探し当てようとする
目の見えないレゾは、こうやって人とかどうか確認する
大抵の人は嫌がるが男はそのままの体制のまま待っててくれていた
レゾは、顔に手を置く
(20歳頃の人で・・・・髪は・・針金?)
更に頬まできちんと確かめる普通の人には此処までしないのだが妙にきになったからである
(肌も岩・・・・冷たい・・)
また泣きたくなったなんでかはレゾでもわからなかった
別に恐怖でもなんでもなかったのだがただただ純粋に哀しかった
また顔が赤くなりすすり泣きはじめた今度はひゃっくりもあげている
さすがに、男は慌てたのか顔を覗きこみ肩に手をのせた

「おぃ・・泣くな」
「ごめんなさい」
「は?」
「ごめんなさいっ・・・っくひぅくっ」
「おっ・・おい・・なんで謝るんだ?何もしてないのに」
「わかんないっでもっ!謝らないと・・後悔しそうなん・・ですっ」
「・・・・・(あのレゾでもこういう時があったんだな)」

男は静かに自分の曾叔父を見つめる。
今すぐにでも殺せるような子供を・・・・・・・・
彼の力なら糸も簡単に殺せるだろういくら魔王の器のレゾでも5歳も満たない子供では簡単に
今憎しみに任せ殺すのもいいが、彼は昔とは違った
昔の彼ならば今のレゾを残酷に殺しただろうけれど彼はそういう気にはなれなかった
あのレゾが自分に謝っているのだ泣きじゃくりながらに

彼・・・ゼルガディスは、もうすぐ日が暮れるのを感じた夕日に目を向ける。
優しくレゾを抱きしめながら・・さながら親のように

「あの・・・」
「一つ言っとく」
「?」
「お前は目が見えんだろう・・・だからって・・自分のすることやることまで見えなくなるな後悔することになる」
「・・・・・・・・・・・・」
「お前は巨大な魔力を持っているそれに飲み込まれるな」
「・・・・・貴方は?預言者ですか?」
「いいや違う俺はゼルガディス」
「・・・・そうですか・・優しい鬼さんなんですね・・ねぇ・・友・・だ・・ち」
「すまんそれは出来ない・・俺はそろそろ時間切れなんだな」
「そうですか」

するとレゾを抱きしめていた手がだんだん現実味をなくしていき空気に包み込まれている感覚になった
レゾは、手を回しているであろう場所に自分の手を乗せる
放さないように放さないように力をこめて

「今言ったことを忘れるなレゾ」

その言葉を最後に完全に目の前の者は気配さえも消えた。
レゾは立ち上がりこう言い放った。

「鬼さんこちら、手の鳴る方へ」

成長した赤い影は今でもあの優しい鬼を呼ぶ。

++++++++++++++++++++++++++

あとがき

結局この小説は何が言いたいのかわからない・・
まだ修行せねば


トップに戻る
32779Re:目隠し鬼キノ 2006/9/10 15:05:31
記事番号32778へのコメント

>結局この小説は何が言いたいのかわからない・・
>まだ修行せねば
いえいえ、充分おもしろかったですよ。また投稿して下さい。絶対見ますから。

トップに戻る
32780Re:目隠し鬼優美象・静 2006/9/10 18:00:59
記事番号32778へのコメント

こんにちは(こんばんは?)カナタさん!
をををををぅ!またカナタさんの小説が出てるぅぅぅ!!(落ち着け)

>「立てるか?レゾ」
>「・・・・うん・・たぶん」

うわああああ!!ゼルやん優しいぃぃぃ!私もこんな風に言われて見たいぃぃぃぃ!!(死ね)

>「おぃ・・泣くな」
>「ごめんなさい」
>「は?」
>「ごめんなさいっ・・・っくひぅくっ」
>「おっ・・おい・・なんで謝るんだ?何もしてないのに」
>「わかんないっでもっ!謝らないと・・後悔しそうなん・・ですっ」
>「・・・・・(あのレゾでもこういう時があったんだな)」

めちゃ意外だったでしょうね。それにしても、カナタさんの書くレゾさんはプリティですねvv

>結局この小説は何が言いたいのかわからない・・
>まだ修行せねば

何をおっしゃいますかカナタさん!この小説、すごく素敵ですよ!
私もがんばらなきゃ……。
ってか、最近2人はvラブラブ(略してふたラブ)も、もしもdeスレイヤーズ(略してもしスレ)も、童話・昔話パロも書いてねぇぇぇ!!書け!書くんだ私!世界が私を……
待ってるわけない。

とゆーわけで、よく分からない女、優美象・静でした♪