◆−闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 1−棒太郎 (2006/9/14 13:48:11) No.32785 ┣〃あの国〃にちょっかいだしたらダメよね(汗)−エモーション (2006/9/14 23:52:07) No.32786 ┃┗火種持って火薬庫に飛び込むようなものです−棒太郎 (2006/9/15 20:48:38) No.32789 ┣闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 2−棒太郎 (2006/9/28 10:24:57) No.32797 ┃┗呼ばれて飛び出て……じゃじゃじゃじゃーん(汗)−エモーション (2006/9/28 23:51:38) No.32799 ┃ ┗とうとう出ちゃった・・・・・・−棒太郎 (2006/10/3 22:09:39) No.32803 ┣闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 3−棒太郎 (2006/11/7 00:14:28) No.32857 ┃┗サービス過剰すぎです、ナイの方。−エモーション (2006/11/7 22:50:02) No.32858 ┃ ┗こんなサービスいりません・・・・・・orz−棒太郎 (2006/11/8 21:11:21) No.32860 ┣闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 4−棒太郎 (2006/11/7 23:22:35) No.32859 ┃┗「落としどころ」は必要なんですよね、やっぱり。−エモーション (2006/11/8 23:17:24) No.32861 ┃ ┗これが最後の戦いです−棒太郎 (2006/11/9 11:17:11) No.32862 ┣闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 5−棒太郎 (2006/11/9 15:48:47) No.32863 ┗闇黒の断章 〜終章〜−棒太郎 (2006/11/9 16:37:55) No.32864 ┗お疲れさまでした!−エモーション (2006/11/9 22:47:04) No.32866 ┗ありがとうございます−棒太郎 (2006/11/12 17:13:11) No.32869
32785 | 闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 1 | 棒太郎 | 2006/9/14 13:48:11 |
『闇黒の断章』 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 1 「フハハハハ!どうした。その程度か?」 高らかな笑い声が響き、シャッド=メルが勝ち誇った笑みを向けた。 「そんあ・・・・ミカズチさんたちが――――――」 リナたちに驚きが走る。あのゴーメンガースト勢をああも容易くねじ伏せてしまうとは。 「さて・・・・次に引導を渡してもらいたいのは誰だ?」 シャッド=メルの身体から魔力が膨れ上がる。 だがそのとき、轟音と共に閃光が、シャッド=メルに向かって奔った。 「なにっ!?」 雷の矢がシャッド=メルの目前で四散する。 それが放たれた先には、 「チッ、甘く見てたァつもりはねェんだがな――――」 ミカズチ、シキブ、ラ・モルテが起き上がっていた。 「・・・・攻撃しようとした瞬間、絶妙のタイミングでカウンターをとるとはな」 「意識せずとも侮っていたことは認めましょう」 「だがよ、オレたちもそこいらのヤツらたァ、鍛え方が違うんでな」 そう言う三人に、 「なるほど・・・・・門番どもや、ティリンギャストたちが敗れたのも頷ける」 ニヤリと不適な笑みを浮かべると、再び両手を顔の前で交差させた。 ******** ―――――クカ クカカ いずこか知れぬ闇の中。 その奥で、この闇さえもたじろぐような闇黒が。 ソレはどこからか、繰り広げらる激戦を眺めていた。 燃え上がる眸が3つ、闇を蹂躙するが如く浮かび輝く。 「クカカカカ――――さて、いよいよクライマックスですね」 闇に亀裂が走り、笑みの形を浮かべる。 その眸が闇の奥の、そのまた向こうへと向けられた。 「そろそろご一緒にいかがですか?」 闇の空間は静寂に固まったまま。しかし、声は構わず、言葉を続ける。 「そんなところで盗み見などお人が悪い―――――――――金色の魔王殿」 ニヤリとう、浮かぶその笑みが深くなったと同時に、闇の空間のなかにもうひとつの存在が顕現した。 輝く金色の闇――――それが一点に凝縮下かと思うと、そこから一人の女性が姿を現した。 先ほどの”闇”と同じく輝く金色の髪。 人の言葉では到底言い表せぬ美がそこにいた。 「これはこれは。やはりおいでになられましたか」 ”闇黒”の言葉に、金色の魔王――――その化身、Lはギヌリと鋭い眼光を向けた。 「この件には不干渉を約束なされた貴女様が何ゆえこちらにおいでに?」 わかっていながら、わざとらしくLに問いかける。 「ここは私の世界よ。どーしよーが私の勝手でしょう。ナイアルラトホテップ」 Lの言葉に、ナイアルラトホテップが笑い声を上げた。 「クカカ、確かに、確かに。ここは貴女様の世界。貴女様の創りだした宇宙です。それはそうでしょう」 クカカカカと笑い声が闇を犯すように響き渡る。 「貴女様がなにをしようと勝手です。そう――――このクライマックスに、私を妨害なさろうというのも」 ******** 「砕け散れっ!ダイナストブラス!!」 「なめんなッ!ユピテルサンダァァァァッッ!!」 雷光がぶつかり合い、弾け飛ぶ。 弾けた破片があたりに飛び散るその間隙を縫って、カーライルの刃とスケアクロウのサイコキネシスがシャッド=メルを襲った。 サイコキネシスを魔力のシールドで防ぎ、そのままレイ・ウィングで空へ飛び上がり、刃を躱す。さらにそこへ―――― 「エクスプロージョン!!」 「エルメキアランス!!」 間髪入れず、リナたちの魔法が炸裂する。 一対多数の状況の中、なおもシャッド=メルは余裕のある顔つきであった。 「うう〜〜〜〜、あんまり数を頼みに戦うというのも、正義としてどうかと――――――」 「んなコト、今悩んでる場合じゃないでしょ、コラ!アイツのヤバさはあんたもわかるでしょ!」 イマイチ納得のいかない表情を浮かべるアメリアに、リナの叱咤がとぶ。 「エズダゴルッ!」 向こうではイルファンが叫んでいた。 彼もこの状況ではエズダゴル―――シャッド=メルに不利だと思った。しかし、 「ご安心を、陛下。これしきのこと、どうということはありませぬ」 イルファンの心配とはまったく逆で、余裕綽々であった。 「陛下はどうぞそのまま、召喚の儀をお続け下さい。 その『妖精の書』もまた、力ある魔道書のひとつ。 まもなくです。もう、まもなく我らが”神”は顕現いたします」 イルファンとアルウェンが巻き添えを食わぬよう、張られた結界の向こう。 その方陣の中央で、『妖精の書』が広げられていた。 「さて、準備運動もそろそろお終いだ。歴代の”シャッド=メル”が連綿と受け継いできた力と技。とくと味わうがいい」 言うや、強大な魔力が集束する。 「地獄の火炎よ、我が敵を燃やし尽くせ!」 集束する魔力が、灼熱の熱気へと変化してゆく。しかもそれは、シャッド=メルの両手それぞれに集束してゆく。 「まさかっ!同時詠唱!?」 リナが、同じくそれを使っていたキザイアを思い出した。 「ハハハハハッ!キザイアだけの専売特許だと思っていたか? 理論上は不可能ではない。それに―――――」 ただの二連撃ではない。ふたつの魔力が掛け合わさってゆく。 「滅せよ!ツイン・インフェルノ・バースト!!」 ソレ単体で放たれるものの、3〜4倍はあろうかという力が襲い掛かった。 「いかにして 呪い来るとも道返しの 関守すべて防ぎ返さむ―――――カルラ、イザヨイ、ツクヨ!!」 『オン・アボキャ・ベィロシャノゥ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラハリヤ・ウン』 『ノゥマク・サマンダ・バザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン』 『オン・マヤラギラン・デイ・ソワカ』 しかし、同じく力の掛け合わせを得意とするシキブがその前に立ち、襲い来る熱波を相殺させた。 「ほう・・・・・やるものだな」 必殺の一手を防がれてなお、シャッド=メルの顔には焦りはなかった。 「こっちにも似たよゥな力の使い手が、いンだよ」 「・・・・・そろそろテェック・メイトだな」 だが、シャッド=メルの笑みは崩れず、 「テェック・メイト・・・?気の早いことだ」 落ち着きのある声が響いた。 「まだ全ての手の内を出していないというのに」 「なに?」 シャッド=メルの顔に浮かんだ笑みを見た瞬間、リナの背筋にゾクリとしたものが走った。 「そいつを早く――――!なにかヤバイわ――――」 リナが思わず叫んだ。 「ククク、ではとくと味わうがいい――――― イア イア ハスタア ハスタア クフアヤク ブルグトム ブグトラグルン ブルグトム――――――」 紡がれるその呪文の正体に気付いたラ・モルテが、”ゴルゴダ”を振りかざす。しかし、 「 アイ! アイ! ハスタア!! 」 その瞬間、凄まじい風の牙が吹き荒れた。 ******** 「やはり、最後にきて情にほだされましたか?L殿」 揶揄するようなナイアルラトホテップの言葉に、Lは凍てつくような鋭い視線を向けたままだった。 「しかし、今回ばかりは私も引き下がれません。私のお役目にも関わることですからね」「なに?」 「クカカ――――貴女様がアレに御温情を与えていたことは存じていますよ。アレはいわば、貴女様の同胞(はらから)、兄弟のようなもの。半身とさえ言うものもおりますからねぇ」 3つの眸が笑みの形に細まる。 「”あちら”では、貴女様は『明けの明星』とも呼ばれ、畏れ敬われておりましたが・・・・・そんな貴女様にあれはコンプレックスを抱いていたのでしょうかねぇ」 「・・・・・・・・・・・」 「或いは新たな”神”となり、その力を認めてもらいたかったのか・・・・・・まあ、私にはわかりませんし、どうでもいいことですが」 ナイアルラトホテップの笑みが深くなる。 「貴女様が”あちら”を去って暫くした後、どういう風の吹き回しか我々にケンカを売ってきたのですよ。 星辰の位置が変わり、多くの者が力を失い、星々や深海・大地の奥底に入滅したとはいえ、我らが遅れをとるはずはありません。 この偉業と或いは愚行により、『敵対者』『反対する者』の名でアレは呼ばれたりもしましたが―――――――まあ、散々思い知らせてやったら、こちらに逃げましてね。貴女様の御顔を立てて、追い込みはかけなかったのですが」 そこで、ひとつ息をつくと、ヤレヤレと大げさに肩をすくめた。 「半端な情けがいけませんでしたねぇ。折角見逃していたのに、とんでもないことをしてくれましてね――――――もう、お気づきでしょう?」 Lはじっとナイアルラトホテップを見据えたままだった。 しかし、沈黙は肯定と受け取ったのか、ナイアルラトホテップは言葉を続けた。 「ヤツめ―――――”夢の国(ドリームランド)”にこっそりと侵入し、私とノーデンスが庇護する”大地の神々”を襲ったのですよ」 「――――っ!」 ”夢の国”は、人間の見ている夢の、更に深いところにあるいう異世界である。 その北方に聳える凍てつく荒野の未知なるカダスには、この”夢の国”の住人に崇拝される”大地の神々”と呼ばれる存在が、巨大な縞瑪瑙の城に住んでいる。 ”大地の神々”は地球本来の神々とも言われている。 その彼らを、”旧支配者””外なる神”側のナイアルラトホテップと、対立する”旧神”側のノーデンスが、何故か共に守護しているのだ。 「目的は彼らの叡智だったのかは知りませんが、未だに昔の思いを捨てていなかったようですね。 私とノーデンスがちょっと留守にした隙でしたよ。まあ、事態を知らされた私が戻ったので、未遂に終わりましたが」 押し黙ったままのLに、ナイアルラトホテップはニタニタと笑っている。 「彼らを守護するものとして、このまま放っていたのでは、面子が丸つぶれですからね。先ほども言いましたように、”夢の国”のことに関しては、どうあっても私は引き下がれませんね」 「・・・・・・・・・・・・ナイアルラトホテップ。ここは私の世界よ」 「これはこれは。しかし、貴女様の御温情に、ヤツが図に乗り、かようなことになったのですよ。 それをまだ、庇い立てなさいますか」 大仰に驚く仕草をみせる。道化芝居を見るような仕草だった。 「私もこのまま穴倉に籠もったままであったなら、考えを改めないでもありませんでしたが、どうやらヤツにその気はなさそうですのでね。 たとえ、貴女様の同胞であろうとも筋は通させていただきますよ」 それに―――――と、ナイアルラトホテップは言葉を加えた。 「我が主、アザトースからの許可もいただいております」 その言葉に、Lの動きが止まった。 「これでもう、何も問うことはございますまい。なればそこで、ごゆるりと御観覧ください」 そう言うと、再び3つの眸は、戦いの光景へと向けられた。 ************************************ こんにちは、棒太郎です。 いよいよクライマックスに入り、『這い寄る混沌』の行動の理由も 判明してきました。 策略であの手この手で引っ張り出して―――っていうのにしようとも考えたのですが、最初で「干渉しません」って言っちゃってるので、こんなんになりました。アッハッハッハッ 『ヤツ』も最初はオリジナル的な存在で考えてたんですが、L様と関係あるのにしたらこんなんになりました。アッハッハッハッ もう試行錯誤しまくりですよ。アッハッハッハッ 後付設定満載ですよ。アッハッハッハッ 出てくる名称もクトゥルー読んでない人は面白くないですよ。アッハッハッハッ どうしよう。アッハッハッハッ それではまた次回。 |
32786 | 〃あの国〃にちょっかいだしたらダメよね(汗) | エモーション E-mail | 2006/9/14 23:52:07 |
記事番号32785へのコメント 棒太郎様、こんばんはです。 第7章開始ですね。リナたちがエズダゴルさんと戦っている中、 ようやく出番がやってきた、と動き始めるナイの方。L様との会話もかなり意味深です。 L様の同胞・半身……パッと浮かぶのはイニシャルMの方なんですけどね。 何か違う様な気もしますし……。うーん。 >「チッ、甘く見てたァつもりはねェんだがな――――」 >ミカズチ、シキブ、ラ・モルテが起き上がっていた。 >「・・・・攻撃しようとした瞬間、絶妙のタイミングでカウンターをとるとはな」 >「意識せずとも侮っていたことは認めましょう」 >「だがよ、オレたちもそこいらのヤツらたァ、鍛え方が違うんでな」 >そう言う三人に、 >「なるほど・・・・・門番どもや、ティリンギャストたちが敗れたのも頷ける」 初手でねじ伏せられたとはいえ、それで終わりではないのがさすがです。 フー・マンチューさんからのお墨付きは伊達じゃない、というところですね。 >「クカカ、確かに、確かに。ここは貴女様の世界。貴女様の創りだした宇宙です。それはそうでしょう」 >クカカカカと笑い声が闇を犯すように響き渡る。 >「貴女様がなにをしようと勝手です。そう――――このクライマックスに、私を妨害なさろうというのも」 ナイの方が出番を待っていたのは分かりますが、何故L様がここに……と思っていたら……。 妨害、ですか。一体どうして……。 でも、ナイの方は最初からお見通し、といった風。何やら込み入った事情がありそうですね。 >一対多数の状況の中、なおもシャッド=メルは余裕のある顔つきであった。 >「うう〜〜〜〜、あんまり数を頼みに戦うというのも、正義としてどうかと――――――」 >「んなコト、今悩んでる場合じゃないでしょ、コラ!アイツのヤバさはあんたもわかるでしょ!」 次元の違う雲の上の方々の事情と関係なく始まっている、リナ達とエズダゴルさんの戦い。 タイマンでどうにかなる相手じゃないとはいえ、アメリアはついつい1対1にこだわっちゃうのですね。 ……強敵には仲間と力を合わせて戦うものです、姫。 >「陛下はどうぞそのまま、召喚の儀をお続け下さい。 > その『妖精の書』もまた、力ある魔道書のひとつ。 > まもなくです。もう、まもなく我らが”神”は顕現いたします」 >イルファンとアルウェンが巻き添えを食わぬよう、張られた結界の向こう。 >その方陣の中央で、『妖精の書』が広げられていた。 イルファンさんはどうしているのかと思っていたら、召喚の儀を行っていたのですか。 ……これで呼ばれて来る〃神〃って……相当ヤバくて人間にどうにかなる存在じゃないような……。 >「滅せよ!ツイン・インフェルノ・バースト!!」 >ソレ単体で放たれるものの、3〜4倍はあろうかという力が襲い掛かった。 >「いかにして 呪い来るとも道返しの 関守すべて防ぎ返さむ―――――カルラ、イザヨイ、ツクヨ!!」 >『オン・アボキャ・ベィロシャノゥ・マカボダラ・マニ・ハンドマ・ジンバラ・ハラハリヤ・ウン』 >『ノゥマク・サマンダ・バザラダン・センダ・マカロシャダ・ソワタヤ・ウンタラタ・カンマン』 >『オン・マヤラギラン・デイ・ソワカ』 >しかし、同じく力の掛け合わせを得意とするシキブがその前に立ち、襲い来る熱波を相殺させた。 力の掛け合わせで放たれた攻撃呪文を、力の掛け合わせで強化した防御呪文で防ぐ。 エズダゴルさんも思わず感心していますね。また、タイタスさんもフー・マンチューさんも、 色々な状況や攻撃を想定して、シキブさん達を選んで派遣してきただなあとしみじみ思いました。 >「ククク、ではとくと味わうがいい――――― > > イア イア ハスタア > > ハスタア クフアヤク ブルグトム > > ブグトラグルン ブルグトム――――――」 >紡がれるその呪文の正体に気付いたラ・モルテが、”ゴルゴダ”を振りかざす。しかし、 >「 アイ! アイ! ハスタア!! 」 > >その瞬間、凄まじい風の牙が吹き荒れた。 うわーーーー!! とんでもない呪文を!!(滝汗) ラ・モルテさんが気づいて反応していましたが……リナ達、大丈夫でしょうか(滝汗) >「クカカ――――貴女様がアレに御温情を与えていたことは存じていますよ。アレはいわば、貴女様の同胞(はらから)、兄弟のようなもの。半身とさえ言うものもおりますからねぇ」 >3つの眸が笑みの形に細まる。 >「”あちら”では、貴女様は『明けの明星』とも呼ばれ、畏れ敬われておりましたが・・・・・そんな貴女様にあれはコンプレックスを抱いていたのでしょうかねぇ」 >「貴女様が”あちら”を去って暫くした後、どういう風の吹き回しか我々にケンカを売ってきたのですよ。 >星辰の位置が変わり、多くの者が力を失い、星々や深海・大地の奥底に入滅したとはいえ、我らが遅れをとるはずはありません。 >この偉業と或いは愚行により、『敵対者』『反対する者』の名でアレは呼ばれたりもしましたが―――――――まあ、散々思い知らせてやったら、こちらに逃げましてね。貴女様の御顔を立てて、追い込みはかけなかったのですが」 前半の台詞を見ているとイニシャルMの方が浮かぶのですが(同胞や兄弟、半身という辺りで)、 後半部分で分からなくなりますね……。さて、一体どなたなのでしょう。 >”夢の国”は、人間の見ている夢の、更に深いところにあるいう異世界である。 >その北方に聳える凍てつく荒野の未知なるカダスには、この”夢の国”の住人に崇拝される”大地の神々”と呼ばれる存在が、巨大な縞瑪瑙の城に住んでいる。 >”大地の神々”は地球本来の神々とも言われている。 >その彼らを、”旧支配者””外なる神”側のナイアルラトホテップと、対立する”旧神”側のノーデンスが、何故か共に守護しているのだ。 >「目的は彼らの叡智だったのかは知りませんが、未だに昔の思いを捨てていなかったようですね。 >私とノーデンスがちょっと留守にした隙でしたよ。まあ、事態を知らされた私が戻ったので、未遂に終わりましたが」 〃夢の国〃に住む〃大地の神々〃への襲撃……。(汗) それではナイの方としては、放って置く訳に行きませんね。 ランドルフ・カーターさんだって、ちょっとナイの方を出し抜いたら、 その代償に入国禁止されたんだから。 >「これはこれは。しかし、貴女様の御温情に、ヤツが図に乗り、かようなことになったのですよ。 >それをまだ、庇い立てなさいますか」 >大仰に驚く仕草をみせる。道化芝居を見るような仕草だった。 >「私もこのまま穴倉に籠もったままであったなら、考えを改めないでもありませんでしたが、どうやらヤツにその気はなさそうですのでね。 >たとえ、貴女様の同胞であろうとも筋は通させていただきますよ」 >それに―――――と、ナイアルラトホテップは言葉を加えた。 >「我が主、アザトースからの許可もいただいております」 >その言葉に、Lの動きが止まった。 >「これでもう、何も問うことはございますまい。なればそこで、ごゆるりと御観覧ください」 >そう言うと、再び3つの眸は、戦いの光景へと向けられた。 L様、気分は犯罪者の身内ですね。しでかした事の大きさは重々承知しているけれど、 このまま見過ごすのも忍びない、という……。 しかも刑事・裁判官・刑の執行人がナイの方では尚更、というところでしょうか。 それでもアザトース様の許可が降りていると聞いたら、もう諦めるしかない、という……。 L様にとってアザトース様はかなり大きな存在なのですね。またはL様同様、 アザトース様にも関わりのある存在なのか。……って……まさかお二人の子ども?(爆) >こんにちは、棒太郎です。 >いよいよクライマックスに入り、『這い寄る混沌』の行動の理由も 判明してきました。 >策略であの手この手で引っ張り出して―――っていうのにしようとも考えたのですが、最初で「干渉しません」って言っちゃってるので、こんなんになりました。アッハッハッハッ >『ヤツ』も最初はオリジナル的な存在で考えてたんですが、L様と関係あるのにしたらこんなんになりました。アッハッハッハッ >もう試行錯誤しまくりですよ。アッハッハッハッ >後付設定満載ですよ。アッハッハッハッ >出てくる名称もクトゥルー読んでない人は面白くないですよ。アッハッハッハッ >どうしよう。アッハッハッハッ >それではまた次回。 な、何だかハイテンションですね、棒太郎様。(汗) ナイの方が「ヤツ」を追ってきた理由……確かに無理もないとしか言い様がないですね。 L様と関係のある「ヤツ」について、イニシャルMの方かなー?それとも別物かなー?と ぐるぐると頭の中で考えが回っています。どうなるのかな?(わくわく) クトゥルー部分は、そういう世界があるのだ、で割り切れるレベルの情報量が 書かれていると思います。 さて、ついに動き出したナイの方。そしてエズダゴルさんが唱えたとんでもない呪文と さらにヤバイもの召喚中のイルファンさん。 どんな展開になるのか、続きを楽しみにお待ちしています。 それでは、今日はこの辺で失礼します。 |
32789 | 火種持って火薬庫に飛び込むようなものです | 棒太郎 | 2006/9/15 20:48:38 |
記事番号32786へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >第7章開始ですね。リナたちがエズダゴルさんと戦っている中、 >ようやく出番がやってきた、と動き始めるナイの方。L様との会話もかなり意味深です。 >L様の同胞・半身……パッと浮かぶのはイニシャルMの方なんですけどね。 >何か違う様な気もしますし……。うーん。 こんばんは、エモーションさん。 彼の本番もようやく巡ってきました。 >>「だがよ、オレたちもそこいらのヤツらたァ、鍛え方が違うんでな」 >>そう言う三人に、 >>「なるほど・・・・・門番どもや、ティリンギャストたちが敗れたのも頷ける」 > >初手でねじ伏せられたとはいえ、それで終わりではないのがさすがです。 >フー・マンチューさんからのお墨付きは伊達じゃない、というところですね。 インフレ起こしすぎないように、ゴーメンガースト組も復帰してもらいました。 >>「貴女様がなにをしようと勝手です。そう――――このクライマックスに、私を妨害なさろうというのも」 > >ナイの方が出番を待っていたのは分かりますが、何故L様がここに……と思っていたら……。 >妨害、ですか。一体どうして……。 >でも、ナイの方は最初からお見通し、といった風。何やら込み入った事情がありそうですね。 後半で語ってますが、ナイアルラトホテップがやったろうというヤツは、彼女に関係あるヤツですので。 そのことも踏まえて、彼女の行動も予想してました。 >>一対多数の状況の中、なおもシャッド=メルは余裕のある顔つきであった。 >>「うう〜〜〜〜、あんまり数を頼みに戦うというのも、正義としてどうかと――――――」 >>「んなコト、今悩んでる場合じゃないでしょ、コラ!アイツのヤバさはあんたもわかるでしょ!」 > >次元の違う雲の上の方々の事情と関係なく始まっている、リナ達とエズダゴルさんの戦い。 >タイマンでどうにかなる相手じゃないとはいえ、アメリアはついつい1対1にこだわっちゃうのですね。 >……強敵には仲間と力を合わせて戦うものです、姫。 仲間と力とあわせて戦うのも大事ですが、戦力が大きすぎますからね。 いつもの4人組に加えて、ゴーメンガースト組にカーライル・スケアクロウと揃っていては、ちょっとやりすぎではないかと思ったようです。 >>イルファンとアルウェンが巻き添えを食わぬよう、張られた結界の向こう。 >>その方陣の中央で、『妖精の書』が広げられていた。 > >イルファンさんはどうしているのかと思っていたら、召喚の儀を行っていたのですか。 >……これで呼ばれて来る〃神〃って……相当ヤバくて人間にどうにかなる存在じゃないような……。 ”神”が素直に力を貸してくれるかどうかわかりませんしね。 ナイアルラトホテップも狙ってますし。 >>しかし、同じく力の掛け合わせを得意とするシキブがその前に立ち、襲い来る熱波を相殺させた。 > >力の掛け合わせで放たれた攻撃呪文を、力の掛け合わせで強化した防御呪文で防ぐ。 >エズダゴルさんも思わず感心していますね。また、タイタスさんもフー・マンチューさんも、 >色々な状況や攻撃を想定して、シキブさん達を選んで派遣してきただなあとしみじみ思いました。 伊達に援軍に選ばれてないということですね。 タイタスが任せるぐらいですし。 >>「 アイ! アイ! ハスタア!! 」 >> >>その瞬間、凄まじい風の牙が吹き荒れた。 > >うわーーーー!! とんでもない呪文を!!(滝汗) >ラ・モルテさんが気づいて反応していましたが……リナ達、大丈夫でしょうか(滝汗) 今回コレがでましたが、更にアレも出る予定です。 >>「”あちら”では、貴女様は『明けの明星』とも呼ばれ、畏れ敬われておりましたが・・・・・そんな貴女様にあれはコンプレックスを抱いていたのでしょうかねぇ」 > >>この偉業と或いは愚行により、『敵対者』『反対する者』の名でアレは呼ばれたりもしましたが―――――――まあ、散々思い知らせてやったら、こちらに逃げましてね。貴女様の御顔を立てて、追い込みはかけなかったのですが」 > >前半の台詞を見ているとイニシャルMの方が浮かぶのですが(同胞や兄弟、半身という辺りで)、 >後半部分で分からなくなりますね……。さて、一体どなたなのでしょう。 『明けの明星』が意味するのはルシファーです。 L様の本名がルシファーって説を聞いたことがあるので、これをもってきました。 『敵対者』『反対する者』はヘブライ語で”サタン”を意味します。 ルシファーが堕天してサタンへとなったというのを、使った次第であります。 >>その彼らを、”旧支配者””外なる神”側のナイアルラトホテップと、対立する”旧神”側のノーデンスが、何故か共に守護しているのだ。 >>「目的は彼らの叡智だったのかは知りませんが、未だに昔の思いを捨てていなかったようですね。 >>私とノーデンスがちょっと留守にした隙でしたよ。まあ、事態を知らされた私が戻ったので、未遂に終わりましたが」 > >〃夢の国〃に住む〃大地の神々〃への襲撃……。(汗) >それではナイの方としては、放って置く訳に行きませんね。 >ランドルフ・カーターさんだって、ちょっとナイの方を出し抜いたら、 >その代償に入国禁止されたんだから。 地球本来の神々である”大地の神々”に、新しき神ともいえる『サタン』が襲ってくるってのいいんじゃね?と思い、この設定を採用しました。 これならナイアルラトホテップを敵に回す理由も十分ですしね。 >>「我が主、アザトースからの許可もいただいております」 >>その言葉に、Lの動きが止まった。 >>「これでもう、何も問うことはございますまい。なればそこで、ごゆるりと御観覧ください」 >>そう言うと、再び3つの眸は、戦いの光景へと向けられた。 > >L様、気分は犯罪者の身内ですね。しでかした事の大きさは重々承知しているけれど、 >このまま見過ごすのも忍びない、という……。 >しかも刑事・裁判官・刑の執行人がナイの方では尚更、というところでしょうか。 >それでもアザトース様の許可が降りていると聞いたら、もう諦めるしかない、という……。 >L様にとってアザトース様はかなり大きな存在なのですね。またはL様同様、 >アザトース様にも関わりのある存在なのか。……って……まさかお二人の子ども?(爆) 『彼方の血脈』のときと似たような感じですね。 ほとんどいない同族みたいなものですから、やはり情が出てしまってます。 アザトースとはほぼ同等の実力を持つ存在なので、L様もうかつに手が出せません。 >>こんにちは、棒太郎です。 >>いよいよクライマックスに入り、『這い寄る混沌』の行動の理由も 判明してきました。 >>策略であの手この手で引っ張り出して―――っていうのにしようとも考えたのですが、最初で「干渉しません」って言っちゃってるので、こんなんになりました。アッハッハッハッ >>『ヤツ』も最初はオリジナル的な存在で考えてたんですが、L様と関係あるのにしたらこんなんになりました。アッハッハッハッ >>もう試行錯誤しまくりですよ。アッハッハッハッ >>後付設定満載ですよ。アッハッハッハッ >>出てくる名称もクトゥルー読んでない人は面白くないですよ。アッハッハッハッ >>どうしよう。アッハッハッハッ >>それではまた次回。 > >な、何だかハイテンションですね、棒太郎様。(汗) >ナイの方が「ヤツ」を追ってきた理由……確かに無理もないとしか言い様がないですね。 >L様と関係のある「ヤツ」について、イニシャルMの方かなー?それとも別物かなー?と >ぐるぐると頭の中で考えが回っています。どうなるのかな?(わくわく) >クトゥルー部分は、そういう世界があるのだ、で割り切れるレベルの情報量が >書かれていると思います。 >さて、ついに動き出したナイの方。そしてエズダゴルさんが唱えたとんでもない呪文と >さらにヤバイもの召喚中のイルファンさん。 >どんな展開になるのか、続きを楽しみにお待ちしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。 『ヤツ』についてはちょっとご想像とは違いましたね。 『サタン』という設定ですが、これも呼び名のひとつですから。 様々な見方で、様々な名があります。 クトゥルー部分については、みなさんにそう解釈していただけると気が楽ですね。 興味が湧いたら詠んでもらいたいですね。 それでは、どうもありがとうございました。 |
32797 | 闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 2 | 棒太郎 | 2006/9/28 10:24:57 |
記事番号32785へのコメント 『闇黒の断章』 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 2 「 イア イア ハスタア ハスタア クフアヤク ブルグトム ブグトラグルン ブルグトム―――――」 シャッド=メルの詠唱とともに、魔性の神気を帯びた魔力が辺りに吹き荒れる。 「 アイ! アイ! ハスタア!!」 その瞬間、凄まじい狂風の牙が爆発した。 「なにィッ!?」 「いかん!お嬢様方!私の後ろへ!」 盾として、”ゴルゴダ”をかざしながら、ラ・モルテが叫んだ。 見る見るうちに、荒れ狂う凶つ牙は次々と”ゴルゴダ”に深い爪痕を刻んでゆく。 「なッ!?”ゴルゴダ”がッ!?」 「そんな!?こんなにも容易く―――!?」 ミカズチとシキブに、驚きの色が張り付く。 ゴーメンガーストの中でも、そんじょそこいらのものでは到底傷つけられない硬度を持っているのだ。その”ゴルゴダ”が、いとも簡単に傷つけられてゆく。 「ぐ・・・・・、これは、ハオン=ドル以上の力だ・・・・」 さすがのラ・モルテも顔を顰める。 「ハッハッハッハッ!この荒れ狂う風の牙に、どこまで耐え切れるかな?」 シャッド=メルの高笑いがこだまする。 風の牙は止まることを知らず、生き物の如く意志を持って襲い掛かってくる。 更なる重圧が、ラ・モルテにのしかかる。 「ラ・モルテさん!?」 リナが思わず声を掛ける。 なんとか手を貸したいが、この凶暴な力に、下手な呪文は撃てない。 「なら――――こいつで!!」 印を結び、精神を集中する。 「黄昏よりも昏きもの、血の流れより赤きもの。 汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。 我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。 我らこそが力、我らこそが滅びなり――――」 ギガ・スレイブ以外で、今ある中で最大最強の力を誇る呪文。 「――――汝が力は我が意思なり 『ギガ・フレア』!!」 放たれた巨大な紅蓮の光弾と風の牙がぶつかり合った。 その瞬間、大きな閃光が走った。 「む―――!?」 魔力による閃光が炸裂し、白熱に似た光が視界を奪う。 やがて視界が戻ると、荒れ狂っていた風の牙は消え去っていた。 「ほう・・・・さすがはヴェルミス=インバースの子孫。やるものだな」 シャッド=メルが瞳を細め、ニィッと笑みを浮かべる。 リナは前方に両手を突き出したまま、肩で大きく息をしていた。 さしものリナといえども、あの狂風相手には並大抵のことではなかった。 シャッド=メルの視線に、負けじと睨み返し、構えなおそうとしたが、ぐらりと足がもつれた。 「リナ!?」 「リナさん!?」 ガウリイとアメリアが、リナの体を支えようとする。だが、体勢を少し崩したが、リナは「大丈夫よ」と小さく笑いながら、立ち直った。 「フフ・・・・・それほどの実力。ココで消すにはいささか惜しいものだ」 からかいではない賞賛が、シャッド=メルの口から発せられる。 「しかし惜しむらくは、君も”正義”を唱える愚かな連中に与していることか――――」 愚者とはなんてことを――――と、アメリアが憤るが、 「”正義”を公言するものが正しいとお思いか?アメリア姫殿下」 口許は笑みを浮かべているが、シャッド=メルの眼光がより鋭くなる。 「”正義”、”正義”、”正義”―――――この世には、人の数ほど”正義”が存在する。 それらすべてが、己の価値によったもの。”正義”など、所詮は己の行動を正当化するための大義名分にすぎない」 「そんなことありません!!」 シャッド=メルの言葉に、アメリアが叫ぶ。 「わたしたちが光を讃え、闇を退ける心は万人に正しいもの――――」 だが、シャッド=メルの顔には嘲りの笑みが浮かんでいる。 「ハッハッハ!ならば、問おう!その光の正しさは、一体誰が保障するものなのか!」 「なっ―――」 「光に属する存在―――神族でさえ、己が意に添おうとせぬものを殺戮する。 その正当性を誰が証明するというのだ?死人に口無し。判断するものは当事者の弁だけよ。いかようにもいえる。 何が正義で、何が悪か――――それは己にとって、利であるか、害であるかに過ぎぬだけ。すべては各々の主観によって形作られる。普遍的な”正義”など存在しない!!」 「そんなことは――――」 だが一瞬、言葉が継げなかった。 火竜王の眷属による古代竜の抹殺など―――――それらが脳裏をかすめた。 「ならば我らも我らの”正義”を通すまで。大国の、”正義”という偽善を纏ったエゴに苦しめられてきた我らが王を救うために!!」 「あんたの言ってること、当たってるところもあるかもしれないけど―――――それで、はい、そうですかってわけにはいかないのよ!!」 あんたらが喚び出そうってモノは、大勢の人間にとっちゃ、迷惑極まりないのよ――――リナが叫ぶが、 「力無き”正義”など、誰も歯牙にはかけぬ!小国が大国に同等に扱われるためには、力が無くてはならん!」 再び、両者の間の空気が緊迫し、魔力が渦巻く。 「イルファン王!やめてください!強大すぎる力は、やがて自分も滅ぼします!」 アメリアが前に駆け出し、イルファンに向かって叫ぶ。 「アメリア姫・・・・・大国である貴女にはわかりますまい。常に周りに怯え、顔色を伺いながら暮らさねばならぬ者たちの心は――――」 結界の向こうで、イルファンが口を開いた。 「民の平穏のため、我らがどれほど懇願しようとも、弱小国である我々を大国は侮り、蔑み、歯牙にもかけようともしない。 この惨めさ・・・・・・何ゆえ、我らが大国のエゴの犠牲とならねばならないのだ。 私はこの力を侵略に使おうなどとは思っていない。抑止力とするだけだ」 「いえ・・・イルファン王。貴方がどれほど立派な御心でいたとしても、その力の意義を理解せず、その威だけに心を奪われる者は必ず現れます!」 「アメリア・・・・・・」 アメリアの言おうとすることを、ゼルガディスは理解した。 あの旧王家の悲劇を再び繰り返されるのを、止めようとしているのだ。 二度と起こしてはならぬあの悲劇を――――だが、 「これ以上の問答は無用!邪魔立てするものは、すべて粉砕するのみ!」 アメリアとイルファンとの間に流れた空気を切断するように、シャッド=メルの声が響いた。 「 アイ! アイ! ハスタア!! 」 再び激烈なる風の牙が襲い掛かった。 「なっ!?」 リナたちがそれを迎え撃とうとしたとき、シャッド=メルの左手に、同じような魔力が集束し出した。 「そんなっ!?こんなものを同時詠唱!?」 集束した魔力は、前に出ていたアメリアに向かって放たれた。 「アメリア!?」 ゼルガディスが走り出す。しかし、風の牙はそれより速かった。 風の牙がアメリアに喰らいついた―――――かに見えたそのとき、 アメリアの前に、ふたつの影が割って入り、彼女を突き飛ばした。 「カーライルさん!?スケアクロウさん!?」 その影を認めた次の瞬間、二人は牙の渦に呑みこまれた。 吹き荒れたその後には、ボロボロに砕かれた白木の人形の破片が転がっていた。 ふたつの狂風は、一旦上昇するとひとつに絡まりあい、そしてまたリナたちに襲い掛かった。 シャッド=メルのほうも、同時詠唱の負のフィードバックにより、ダメージを追っている。 しかし、それでも顔色ひとつ変えず、さらに魔力を燃やした。 「させんっ!」 ”ゴルゴダ”を向かい来る狂風にかざし、ラ・モルテが叫んだ。 「聖櫃!!」 これまでにない出力で放たれたエネルギーの奔流が、風の牙と烈しくぶつかりあう。 「ぬ・・・・ぐぅぅ・・・・・・」 「う・・・ぬぅぅぅ・・・・・・」 強大なエネルギーは、互いに相手を呑みこまんと、押し合う。 「ぬぉぉ―――!!」 「でぁぁ―――!!」 二人の気合が炸裂するや、エネルギーは大きく膨れ上がり、そして互いに烈しく弾けとんだ。 その衝撃で二人の体は後方へ吹き飛ぶ。 「く・・・・・」 予想以上の力に、シャッド=メルは舌打ちした。 甘く見ていたつもりは無い。それでもここまでのものとは思わなかった。 「さぁ!まだやる気!?」 「く・・・!勝ち名乗りをあげるのはまだ早いぞ!!」 シャッド=メルが両手を交差させ、構える。 リナたちも構えようとしたとき、 ォォォォオオオォォォオオオォオォォ―――――――― 「!?」 「これは!?」 突如として、辺りの空気に異様な霊気が立ち込んだ。肌に感じる言いようの無い感覚は、かつて感じた混沌の気配と似ている気がした。 魔法陣から流れ込んでくる魔力が、明らかにその質が変わっていった。 「ふ・・・ふははは・・・・ははははははは―――――――!!」 シャッド=メルが大きな笑い声を上げた。 「ふはははは!来るぞ来るぞ!もうすぐだ!もうすぐ”神”が降り立つ!我らが悲願の成就の時が!」 「そんなこと――――させないわよ!!」 「ふはははは!ここまできて、これ以上の邪魔はさせん!この身と引き換えにしても、お前たちを葬り去る!」 そのとたん、シャッド=メルの全身から灼熱以上の魔力が荒れ狂った。 それを感じた瞬間、リナの顔が青ざめた。 これは――――――アレなのか!? 「塵ひとつ残さず、焼滅するがいい!! フングルイ ムグルウナフ――――――」 聞き覚えのある呪文が響き渡る。 「リナ!どうした?」 動きの止まったリナに、ガウリイが呼びかけるが、リナの顔色は明らかに恐怖が支配していた。 ラ・モルテが再び”ゴルゴダ”をかざすが、今度は沈黙したままだった。 「なんてこッた!ンな時にガス欠かよッ!」 ミカズチが顔を顰め、舌打ちする。先ほどの狂風との戦いは、それほどまで烈しいものだったのだ。 「 ―――クトゥグア フォマルハウト―――」 集まる魔力のヤバさ加減に、ミカズチがある決断をする。 「ラ・モルテ!オレを”ゴルゴダ”の贄にしろ!」 「なんだと!?」 「バーローッ!ガス欠じゃどうにもならねェだろがッ! オレらン中で一番破壊力があンのはオメェのソレだ。エネルギー源になれンなァ、オレしかいねェだろが」 早くしろと、目線で言うミカズチのもとへ、 「待ちなさい。それだったらひとりよりふたりのほうがいいでしょ」 シキブが口を開いた。 さすがのラ・モルテもしばし逡巡したが、 「お嬢様方を御護りするため・・・・・すまん、二人とも!」 と、ゴルゴダをかざそうとしたとき、 「何をする気か知らんが遅い!! イア! クトゥグア!!」 彼らの行動より早く、シャッド=メルから太陽を越える灼熱の閃光が爆発した。 『これは唯の魔力ではない!純粋な超エネルギー体!実体化すれば超々高熱の力となるのだよ!』 以前この呪文を放ったティリンギャストの言葉が蘇る。 あのとき、『ギガ・フレア』のちからを取り込まれたように、『聖櫃』のエネルギーも取り込まれるのではないか。 だが、そう思ったときには、暴虐の焔は眼前まで迫っていた。 (もう・・・ダメ―――!?) 思わず目を瞑った。 だが――――― クカ クカカカカカ―――――― 「な、なんだとッ!?」 シャッド=メルの驚愕の声が響き渡った。 瞼を上げるとそこには―――― クカカカカカカカカ―――――― 邪悪な風が吹きぬけ、そこに顕れたおぞましいまでの闇黒が、暴虐の焔を呑みこんでいた。 ――――ふむ・・・・先ほど唱えた人間よりも力が上だが ――――しかし、所詮はこれも表層の力 ――――本体が召喚されたのでなければ、私にどうということはない どこか聞き覚えのある声が、頭の中に響く。 その闇黒の中から、燃え上がる三つの眸が浮かびあがった。 ――――クカカカ 待っていたぞ、この時を ――――さあ、己が愚かさに絶望するがいい シャイターン ――――『敵対者』『反逆者』よ! ************************************ こんにちは、棒太郎です。 いやぁ、あの御方もでてきて、いよいよクライマックスです。 もうすぐ夜明けのような気分です。 ま、夜明け前が一番暗いんですけど・・・・・・ それでは、また次回 |
32799 | 呼ばれて飛び出て……じゃじゃじゃじゃーん(汗) | エモーション E-mail | 2006/9/28 23:51:38 |
記事番号32797へのコメント 棒太郎様、こんばんはです。 いよいよ人類のレベルでのラストバトル開始ですね。 ……もっとも、それだけに初っぱなからヤバイ呪文が飛び交っているよーで……(汗) 何にせよ、続きをお待ちしていました♪ >「なッ!?”ゴルゴダ”がッ!?」 >「そんな!?こんなにも容易く―――!?」 >ミカズチとシキブに、驚きの色が張り付く。 >ゴーメンガーストの中でも、そんじょそこいらのものでは到底傷つけられない硬度を持っているのだ。その”ゴルゴダ”が、いとも簡単に傷つけられてゆく。 さすがに……この系統の呪文相手では、ラ・モルテさんの〃ゴルゴダ〃もダメージを……。 むしろあの力をかなり殺いでいるだけ凄いのかもしれませんね。 >「ほう・・・・さすがはヴェルミス=インバースの子孫。やるものだな」 >シャッド=メルが瞳を細め、ニィッと笑みを浮かべる。 >リナは前方に両手を突き出したまま、肩で大きく息をしていた。 >さしものリナといえども、あの狂風相手には並大抵のことではなかった。 >シャッド=メルの視線に、負けじと睨み返し、構えなおそうとしたが、ぐらりと足がもつれた。 >「リナ!?」 >「リナさん!?」 >ガウリイとアメリアが、リナの体を支えようとする。だが、体勢を少し崩したが、リナは「大丈夫よ」と小さく笑いながら、立ち直った。 >「フフ・・・・・それほどの実力。ココで消すにはいささか惜しいものだ」 >からかいではない賞賛が、シャッド=メルの口から発せられる。 セリシアさんに教えてもらった呪文で、何とかあの呪文を相殺(?)したリナ。 敵対しているとはいえ、エズダゴルさんも賞賛を口にしていますね。 でもリナの状態を見るに、やはり扱いの難しい呪文なのですね。 >「光に属する存在―――神族でさえ、己が意に添おうとせぬものを殺戮する。 > その正当性を誰が証明するというのだ?死人に口無し。判断するものは当事者の弁だけよ。いかようにもいえる。 > 何が正義で、何が悪か――――それは己にとって、利であるか、害であるかに過ぎぬだけ。すべては各々の主観によって形作られる。普遍的な”正義”など存在しない!!」 エズダゴルさんの言っている「正義」についての見解は、確かに一面では正しいけれど、 「正義」がエゴの自己正当化に使われているものばかりだからと言って、 「そんなものはない」と否定できるか、というとそうでもないでしょうに。 それ以前に「エゴを『正義』でコーティングしている」と周囲にバレバレな時点で 思いっきり戦略的には失敗のような気が……。(^_^;) どれだけ「正義だ」と言い張っても、その言葉に値しない行為はすぐにメッキが剥がれて 敵味方関係なく、批判され続けるようになっているんですから。 (「正義」って本来、そういうもののことをいうと思います) 便利で使いやすい言葉だけに、いいように利用されて可哀相な言葉だと思います、「正義」って。 >「アメリア姫・・・・・大国である貴女にはわかりますまい。常に周りに怯え、顔色を伺いながら暮らさねばならぬ者たちの心は――――」 >結界の向こうで、イルファンが口を開いた。 >「民の平穏のため、我らがどれほど懇願しようとも、弱小国である我々を大国は侮り、蔑み、歯牙にもかけようともしない。 > この惨めさ・・・・・・何ゆえ、我らが大国のエゴの犠牲とならねばならないのだ。 > 私はこの力を侵略に使おうなどとは思っていない。抑止力とするだけだ」 >「いえ・・・イルファン王。貴方がどれほど立派な御心でいたとしても、その力の意義を理解せず、その威だけに心を奪われる者は必ず現れます!」 イルファンさんの行動が、おそらく建国当初の旧王家国王と同じ思いからくるものだということも、 その結果どうなったのかも良く分かっているだけに、アメリアはかなり複雑ですね。 まして頼ろうとしている「力」が、はっきりいって「それをやっちゃーおしまいよ」な どれだけ「正義」でコーティングしようとしても正当化は無理なものですし。 >これまでにない出力で放たれたエネルギーの奔流が、風の牙と烈しくぶつかりあう。 >「ぬ・・・・ぐぅぅ・・・・・・」 >「う・・・ぬぅぅぅ・・・・・・」 >強大なエネルギーは、互いに相手を呑みこまんと、押し合う。 >「ぬぉぉ―――!!」 >「でぁぁ―――!!」 >二人の気合が炸裂するや、エネルギーは大きく膨れ上がり、そして互いに烈しく弾けとんだ。 >その衝撃で二人の体は後方へ吹き飛ぶ。 >「く・・・・・」 >予想以上の力に、シャッド=メルは舌打ちした。 >甘く見ていたつもりは無い。それでもここまでのものとは思わなかった。 あのとんでもない〃風〃の力を同時詠唱で発動させるエズダゴルさんも凄いですが、 それでもどうにか相殺させるラ・モルテさんの〃ゴルゴダ〃……。凄いパワーです。 >シャッド=メルが大きな笑い声を上げた。 >「ふはははは!来るぞ来るぞ!もうすぐだ!もうすぐ”神”が降り立つ!我らが悲願の成就の時が!」 うわあ……とうとう、来ちゃいますか……(汗) どうでもいいですが、エズダゴルさんたちは「呼んだもの」が根本的にどんなものか、 ちゃんと理解しているんでしょうか……(汗) >そのとたん、シャッド=メルの全身から灼熱以上の魔力が荒れ狂った。 >それを感じた瞬間、リナの顔が青ざめた。 >これは――――――アレなのか!? >「塵ひとつ残さず、焼滅するがいい!! > > フングルイ ムグルウナフ――――――」 >聞き覚えのある呪文が響き渡る。 >「リナ!どうした?」 >動きの止まったリナに、ガウリイが呼びかけるが、リナの顔色は明らかに恐怖が支配していた。 一度自分を焼滅させた呪文だけに、どうしても恐怖が先に立ってしまいますよね。 克服する猶予もなかったですし。何より……どんな呪文を打ち込んでも、 あの呪文のパワーとして取り込まれるかもしれないのでは……。(汗) >邪悪な風が吹きぬけ、そこに顕れたおぞましいまでの闇黒が、暴虐の焔を呑みこんでいた。 > > ――――ふむ・・・・先ほど唱えた人間よりも力が上だが > > ――――しかし、所詮はこれも表層の力 > > ――――本体が召喚されたのでなければ、私にどうということはない > >どこか聞き覚えのある声が、頭の中に響く。 >その闇黒の中から、燃え上がる三つの眸が浮かびあがった。 リナ達を守るため、自らの命をゴルゴダのエネルギー源にしようとするミカズチさんとシキブさん。 でも、それより先にクトゥグア様の力が発動しちゃった──ところで、満を持して登場ですね、ナイの方。 ライバルの力だけに張り切って打ち消してそうだと思ってしまいました(^_^;) > ――――クカカカ 待っていたぞ、この時を > > ――――さあ、己が愚かさに絶望するがいい > > シャイターン > ――――『敵対者』『反逆者』よ! 呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん♪ ……な状況を待っていたナイの方。 この御方にとっては、(リナの焼滅はちょっと予想外だったとしても) まさに筋書きどおりだったのですね。 ……人外の戦いが始まるのでしょうか……。 >こんにちは、棒太郎です。 >いやぁ、あの御方もでてきて、いよいよクライマックスです。 >もうすぐ夜明けのような気分です。 >ま、夜明け前が一番暗いんですけど・・・・・・ >それでは、また次回 さすがに……今回は呪文がヤバイだけに、リナ達はこれまで以上に追い込まれてますね。 エズダゴルさん、ラズボスの面目躍如といったところでしょうか。 そしてついにあの御方の出番が……。待ってはいたけれど、どんな戦いになるのか、 もの凄く怖いような、楽しみなような……。 リナ達も人類外の戦いには関与しないとしても、エズダゴルさん達との決着を つけなくてはなりませんから、クライマックスに入ったとはいえ、まだまだ苦しい戦いが続きそうですね。 それでは、続きを楽しみにお待ちしつつ、今日はこの辺で失礼します。 |
32803 | とうとう出ちゃった・・・・・・ | 棒太郎 | 2006/10/3 22:09:39 |
記事番号32799へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >いよいよ人類のレベルでのラストバトル開始ですね。 >……もっとも、それだけに初っぱなからヤバイ呪文が飛び交っているよーで……(汗) >何にせよ、続きをお待ちしていました♪ こんばんは、エモーションさん。 お返事が遅くなりました。 先週から、体調がぐずついて、まだながびいております。 ラストバトルに取り掛かる予定が、延期を余儀なくされております。 >>ミカズチとシキブに、驚きの色が張り付く。 >>ゴーメンガーストの中でも、そんじょそこいらのものでは到底傷つけられない硬度を持っているのだ。その”ゴルゴダ”が、いとも簡単に傷つけられてゆく。 > >さすがに……この系統の呪文相手では、ラ・モルテさんの〃ゴルゴダ〃もダメージを……。 >むしろあの力をかなり殺いでいるだけ凄いのかもしれませんね。 確かに、威力をいくらかでも殺せているだけでも敢闘賞ものですね。 もっともあの呪文のほうも、完全に召喚できてはいませんが。 >>ガウリイとアメリアが、リナの体を支えようとする。だが、体勢を少し崩したが、リナは「大丈夫よ」と小さく笑いながら、立ち直った。 >>「フフ・・・・・それほどの実力。ココで消すにはいささか惜しいものだ」 >>からかいではない賞賛が、シャッド=メルの口から発せられる。 > >セリシアさんに教えてもらった呪文で、何とかあの呪文を相殺(?)したリナ。 >敵対しているとはいえ、エズダゴルさんも賞賛を口にしていますね。 >でもリナの状態を見るに、やはり扱いの難しい呪文なのですね。 あの呪文を相殺させるために、ティリンギャストのとき以上の出力で放ちましたからね。 さすがのリナもかなりの魔力を消耗しました。 >>「光に属する存在―――神族でさえ、己が意に添おうとせぬものを殺戮する。 >> その正当性を誰が証明するというのだ?死人に口無し。判断するものは当事者の弁だけよ。いかようにもいえる。 >> 何が正義で、何が悪か――――それは己にとって、利であるか、害であるかに過ぎぬだけ。すべては各々の主観によって形作られる。普遍的な”正義”など存在しない!!」 > >エズダゴルさんの言っている「正義」についての見解は、確かに一面では正しいけれど、 >「正義」がエゴの自己正当化に使われているものばかりだからと言って、 >「そんなものはない」と否定できるか、というとそうでもないでしょうに。 >それ以前に「エゴを『正義』でコーティングしている」と周囲にバレバレな時点で >思いっきり戦略的には失敗のような気が……。(^_^;) >どれだけ「正義だ」と言い張っても、その言葉に値しない行為はすぐにメッキが剥がれて >敵味方関係なく、批判され続けるようになっているんですから。 >(「正義」って本来、そういうもののことをいうと思います) >便利で使いやすい言葉だけに、いいように利用されて可哀相な言葉だと思います、「正義」って。 穿った見方をすれば、エズダゴルの言ってる通りかもしれませんが・・・ エズダゴルのほうも頭からそう決めてしまって見ているところがありますので、視野狭窄に陥っているところがあります。 >>「いえ・・・イルファン王。貴方がどれほど立派な御心でいたとしても、その力の意義を理解せず、その威だけに心を奪われる者は必ず現れます!」 > >イルファンさんの行動が、おそらく建国当初の旧王家国王と同じ思いからくるものだということも、 >その結果どうなったのかも良く分かっているだけに、アメリアはかなり複雑ですね。 >まして頼ろうとしている「力」が、はっきりいって「それをやっちゃーおしまいよ」な >どれだけ「正義」でコーティングしようとしても正当化は無理なものですし。 『ゴーメンガースト』事件で、いろいろと考えさせられましたからね。 似たような道筋を辿っているイルファンに、同じ轍は踏んで欲しくない思いがあります。 ま、頼る『力』が、ゴーメンガーストなど可愛いと思えるほど性質の悪いモノですし。 >>予想以上の力に、シャッド=メルは舌打ちした。 >>甘く見ていたつもりは無い。それでもここまでのものとは思わなかった。 > >あのとんでもない〃風〃の力を同時詠唱で発動させるエズダゴルさんも凄いですが、 >それでもどうにか相殺させるラ・モルテさんの〃ゴルゴダ〃……。凄いパワーです。 ゴーメンガーストの中でも破壊力に関しては5本の指に入るほどという設定です。 ゴーメンガーストの連中に、大艦巨砲主義が通じるかは疑問ですが。 >>シャッド=メルが大きな笑い声を上げた。 >>「ふはははは!来るぞ来るぞ!もうすぐだ!もうすぐ”神”が降り立つ!我らが悲願の成就の時が!」 > >うわあ……とうとう、来ちゃいますか……(汗) >どうでもいいですが、エズダゴルさんたちは「呼んだもの」が根本的にどんなものか、 >ちゃんと理解しているんでしょうか……(汗) ある意味、利用されてるようなものですからね。 意思疎通をちゃんと図ってくれるかどうか・・・・・ >>聞き覚えのある呪文が響き渡る。 >>「リナ!どうした?」 >>動きの止まったリナに、ガウリイが呼びかけるが、リナの顔色は明らかに恐怖が支配していた。 > >一度自分を焼滅させた呪文だけに、どうしても恐怖が先に立ってしまいますよね。 >克服する猶予もなかったですし。何より……どんな呪文を打ち込んでも、 >あの呪文のパワーとして取り込まれるかもしれないのでは……。(汗) あんな目にあってしまっては、さすがのリナも恐怖が起こってきますね。 >>どこか聞き覚えのある声が、頭の中に響く。 >>その闇黒の中から、燃え上がる三つの眸が浮かびあがった。 > >リナ達を守るため、自らの命をゴルゴダのエネルギー源にしようとするミカズチさんとシキブさん。 >でも、それより先にクトゥグア様の力が発動しちゃった──ところで、満を持して登場ですね、ナイの方。 >ライバルの力だけに張り切って打ち消してそうだと思ってしまいました(^_^;) ついに表舞台に登場です。 約定のため、うかつに手出しはできないので、封が溶けるまで待っていました。 >> ――――クカカカ 待っていたぞ、この時を >> >> ――――さあ、己が愚かさに絶望するがいい >> >> シャイターン >> ――――『敵対者』『反逆者』よ! > >呼ばれて飛び出てじゃじゃじゃじゃーん♪ ……な状況を待っていたナイの方。 >この御方にとっては、(リナの焼滅はちょっと予想外だったとしても) >まさに筋書きどおりだったのですね。 >……人外の戦いが始まるのでしょうか……。 だいたい筋書き通りです。 細かいところは現場でちょくちょく修正入れてますし。 >さすがに……今回は呪文がヤバイだけに、リナ達はこれまで以上に追い込まれてますね。 >エズダゴルさん、ラズボスの面目躍如といったところでしょうか。 >そしてついにあの御方の出番が……。待ってはいたけれど、どんな戦いになるのか、 >もの凄く怖いような、楽しみなような……。 >リナ達も人類外の戦いには関与しないとしても、エズダゴルさん達との決着を >つけなくてはなりませんから、クライマックスに入ったとはいえ、まだまだ苦しい戦いが続きそうですね。 > >それでは、続きを楽しみにお待ちしつつ、今日はこの辺で失礼します。 善悪を抜きにすれば、かなりの実力者ですからね、エズダゴルは。 あれらのヤバイ呪文も繰り出しちゃいます。 あと、ようやく出てきた彼。 一応場面設定はできているのですが、伯仲する戦いになるかどうか。 前回も余裕を残して追っ払ってますし。 兎にも角にも、とりあえず体調を治すことに専念します。 それでは、ありがとうございました。 |
32857 | 闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 3 | 棒太郎 | 2006/11/7 00:14:28 |
記事番号32785へのコメント 『闇黒の断章』 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 1 ――――クカカカ 待っていたぞ、この時を ――――さあ、己が愚かさに絶望するがいい シャイターン ――――『敵対者』『反逆者』よ! 吹き荒れる闇黒の瘴気の中を、嘲笑が響き渡る。 あんこくのより浮かび上がる三眸が、愉快そうに揺らめきながら、輝く。 突如として現れた邪悪な闇に、リナたちはおろか、この場を支配しようとしていた魔性の神気さえもたじろぎ、恐怖に震えていた。 「な、なんだ――――!?なんだというのだ、これはっ――――!!??」 さしものシャッド=メルも、驚愕と困惑の声を上げる。 「こ、これは――――」 リナにしても、今まで感じたことの無い―――どの魔族よりも圧倒的で、強大な邪であった。 いや、正確には一度だけその片鱗を味わっている。 あの暴虐の焔に身を焼かれ、彷徨った生と死の重なり合う虚空間で視た過去の映像。 そこで垣間見た異次元の世界。それに感じたものと同じであった。 オオオオォオオォオオォォォォォオオオオ 遺跡全体を揺るがすように、霊気の震えが響く。まるで悲鳴を上げるように。 ――――クカカカカ ようやく穴倉から引きずり出せたか ――――少しばかり、この世界の人間に霊波を受信させてやったが ――――やはり汝を復活させるべく動いてくれたか 闇の嘲笑に、リナたちが目を見開く。 「なんだと・・・・!?では、今回のことは――――」 シャッド=メルの顔に、愕然とした表情が浮かぶ。 『いえいえ、全てが私の計画したことではありませんよ。 私もコレがどこに潜んでいるかまでは、わかりませんでしたのでね。 貴方がたの計画を知り、それに便乗させてもらったまでで。 ただ、早めに探しものが見つかるように、少し手をかけただけですよ』 闇の中から、聞き覚えのある声が聞こえてきた。 「まさか・・・・あんたはチャンドラプ―――――」 その声の正体を覚ったリナが、声を上げかけたとき、 ――――クカカカ さあ、今度は情けをかける者はいない ――――混沌の深淵で絶望に身を焦がすがいい その瞬間、闇が膨れ上がった。 上も下も、右も左も、前も後ろも、知覚する感覚が消え失せたようであった。 そのとき彼方から何かが聞こえてきた。 だんだんとはっきり聞こえてくるその音は、太鼓とフルートの音色であった。 それは下劣でくぐもった狂おしい連打と、か細く単調な呪われた音色だった。 だがそれが聞こえた瞬間、『敵対者』『反逆者』と呼ばれた魔性の神気の存在は、ざわめき震えた。 まるで、恐怖に狂わんばかりの――――いや、狂気の恐怖に侵された人間の放つ悲鳴のようにも思えた。 「は、ははは、ははははは、はははははは―――――」 何、これは――――――― 知らず、リナは笑っていた。 可笑しくて笑うのではない。訳も分からず、ただ笑いという行動のみが、身体の外へと発せられているだけだ。 人間は本当に恐怖したとき、ただ笑うだけだ――――と、何かの本で書いてあったような、とリナの思考が僅かにそう思った。 しかし、それもすぐにまともに働かなくなった。 下劣な太鼓と、呪われたフルートの音とともに、いつのまにか無定形の怪物たち―――”踊り子”が踊っていた。 何故”踊り子”と認識したのかはわからない。 フルートや太鼓を狂ったように演奏しながら、”踊り子”たちは縦横無尽に踊り狂っていた。 荒れ狂わんばかりの恐怖、恐怖、恐怖で、魔性の神気は震えていた。 その中でリナたちは視た。 ”踊り子”たちが踊り狂いながら、取り巻くその中心。 そこは無限の宇宙空間の中心。 沸騰する混沌が渦巻く最奥。 時を超越した無明の房室。 その混沌の玉座にソレは横たわっていた。 如何なる形をも持たぬ不定形の黒影。 泡立ち、絶え間なく膨張と収縮を繰り返す暴走するエネルギーの塊。 名状し難くも恐るべき宇宙の原罪そのもの。 ”外なる神”の総帥――万物の王である盲目にして、白痴の神、アザトース。 「―――――ッッッァァァァァアアアアアァァァアアアア―――――!!!!???????」 ソレを目にした瞬間、自分の中の全てが崩れ去るようだった。 存在の根底そのものが破壊されてしまう。 (こんなのが――――こんなのが、在るはずがない――――――!!!????) コレは人間など遥かに及びもしない――――恐らくは、神族や魔族さえ歯牙にもかけぬ超越の存在だ。 コレと似たものは、あの金色の海ぐらいだろうか―――― おぞましい狂気がリナたちを侵そうとしたそのとき―――ー 「て、天・地・玄・妙・行・神・変・通・力・勝!詠え!カルラ、イザヨイ、ツクヨ!!」 「オン・バザラ・ダド・バン ナウマク・サマンダ・ボダナン・アビラウンケン」 「ナウマク・サマンダ・ボダナン・サンサク・ソワカ オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン」 「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク」 シキブと人面疽による呪歌の力が、リナたちを包み込む。 その瞬間、リナたちの意識は白い光の中へ遠のいていった、 ――――クカカ クカカカカカカカカ 最後に、邪悪な嘲笑をその耳に残して―――― ************************************ こんばんは、棒太郎です。 遅れましたが、ようやく続きです。 今回はもう、リナたちは脇へ追いやられてます。 まあ、さすがのドラまたもコレにはどうしようもありませんしねえ・・・・・ まだもう少し続きますので、もうしばらくお付き合い下さい。 それでは、また次回。 |
32858 | サービス過剰すぎです、ナイの方。 | エモーション E-mail | 2006/11/7 22:50:02 |
記事番号32857へのコメント 棒太郎様、こんばんはです。 お待ちしていた続きには、さらに特別サービスなとんでもない御方がご登場ですか……。 ……………………サービス過剰すぎです、ナイの方……………………(滝汗) >リナにしても、今まで感じたことの無い―――どの魔族よりも圧倒的で、強大な邪であった。 >いや、正確には一度だけその片鱗を味わっている。 >あの暴虐の焔に身を焼かれ、彷徨った生と死の重なり合う虚空間で視た過去の映像。 >そこで垣間見た異次元の世界。それに感じたものと同じであった。 ……この世界の魔族が可愛く思えるような御方ですしねぇ……。 今のリナは「……もう味わいたくなかったのに……orz」な気分でしょうね。 >『いえいえ、全てが私の計画したことではありませんよ。 > 私もコレがどこに潜んでいるかまでは、わかりませんでしたのでね。 > 貴方がたの計画を知り、それに便乗させてもらったまでで。 > ただ、早めに探しものが見つかるように、少し手をかけただけですよ』 多分、嘘はついていないのでしょうが、それでも嘘くさく聞こえるのは何故でしょう……。(遠い目) 何にせよ、「神」の呼びかけに応えたつもりで、実は「神」の敵に踊らされていたエズダゴルさん、 かなーりショックですね。 そして、声の正体に気づいたリナもかなーりイヤンな気分なのでは……(滝汗) >そのとき彼方から何かが聞こえてきた。 >だんだんとはっきり聞こえてくるその音は、太鼓とフルートの音色であった。 >それは下劣でくぐもった狂おしい連打と、か細く単調な呪われた音色だった。 >だがそれが聞こえた瞬間、『敵対者』『反逆者』と呼ばれた魔性の神気の存在は、ざわめき震えた。 >まるで、恐怖に狂わんばかりの――――いや、狂気の恐怖に侵された人間の放つ悲鳴のようにも思えた。 でた……。太鼓とフルート……。そりゃあもう、恐怖に震えるしかないです。 リナも、いえ、多分ガウリイもゼルもアメリア、この場にいるほとんどの人間は、 ただ恐怖から乾いた笑いをするしかない状況でしょうね……。 >その中でリナたちは視た。 >”踊り子”たちが踊り狂いながら、取り巻くその中心。 >そこは無限の宇宙空間の中心。 >沸騰する混沌が渦巻く最奥。 >時を超越した無明の房室。 >その混沌の玉座にソレは横たわっていた。 > >如何なる形をも持たぬ不定形の黒影。 > >泡立ち、絶え間なく膨張と収縮を繰り返す暴走するエネルギーの塊。 > >名状し難くも恐るべき宇宙の原罪そのもの。 > >”外なる神”の総帥――万物の王である盲目にして、白痴の神、アザトース。 ……………………超が無限大でつきそうな大物がご登場…………………………。 本当の意味で人間にとっては「見たくないもの」永久欠番な御方のお姿(寝姿?寝起き?)拝見……って、 勘弁してください、ナイの方……(TT) >おぞましい狂気がリナたちを侵そうとしたそのとき―――ー >「て、天・地・玄・妙・行・神・変・通・力・勝!詠え!カルラ、イザヨイ、ツクヨ!!」 >「オン・バザラ・ダド・バン ナウマク・サマンダ・ボダナン・アビラウンケン」 >「ナウマク・サマンダ・ボダナン・サンサク・ソワカ オン・アミリタ・テイゼイ・カラ・ウン」 >「ナウマク・サマンダ・ボダナン・バク」 >シキブと人面疽による呪歌の力が、リナたちを包み込む。 >その瞬間、リナたちの意識は白い光の中へ遠のいていった、 シキブさん、ナイス、という以上にものごっつ、いい仕事です!!!! あのままでいたら、もう全員あっちの世界ゾーンへダイブするしかなくなっていたでしょうし。 できれば全員無事でありますように……。(トラウマは盛大に残りそうですが) >こんばんは、棒太郎です。 >遅れましたが、ようやく続きです。 >今回はもう、リナたちは脇へ追いやられてます。 >まあ、さすがのドラまたもコレにはどうしようもありませんしねえ・・・・・ >まだもう少し続きますので、もうしばらくお付き合い下さい。 >それでは、また次回。 今回は本当に……とーんでもない御方がでてきましたね……(滝汗) ナイの方より遥に大物では、リナたちも脇に追いやられるというより逃げるしかないですよ、ほんと。 そんな中、今回一番がんばったで賞なシキブさん。必死で理性保ったんでしょうね……。 タイタスさんの人選は本当に確かです。 次回からは纏めに入るのでしょうか。エズダゴルさんやイルファンさんたち、 シャイターンを「神」としてその力を得ようとしていた彼らは、すべての真相を知り「神」を失った今、 どんな行動をとるのでしょうか。できれば、プラスになる方へ動いてくれると良いのですが。 それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。 |
32860 | こんなサービスいりません・・・・・・orz | 棒太郎 | 2006/11/8 21:11:21 |
記事番号32858へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >お待ちしていた続きには、さらに特別サービスなとんでもない御方がご登場ですか……。 >……………………サービス過剰すぎです、ナイの方……………………(滝汗) こんばんは、エモーションさん。 今回はサービスが過ぎましたかね。 書いてるときはそう思いませんでしたが、改めて読み返してみると確かにサービス過剰ですね。嫌な方向で。 >>あの暴虐の焔に身を焼かれ、彷徨った生と死の重なり合う虚空間で視た過去の映像。 >>そこで垣間見た異次元の世界。それに感じたものと同じであった。 > >……この世界の魔族が可愛く思えるような御方ですしねぇ……。 >今のリナは「……もう味わいたくなかったのに……orz」な気分でしょうね。 ”外なる神”の一員であり、主の意思の代行者ですからね。 ダルフィンも赤子の如く扱ってましたし。 >>『いえいえ、全てが私の計画したことではありませんよ。 >> 私もコレがどこに潜んでいるかまでは、わかりませんでしたのでね。 >> 貴方がたの計画を知り、それに便乗させてもらったまでで。 >> ただ、早めに探しものが見つかるように、少し手をかけただけですよ』 > >多分、嘘はついていないのでしょうが、それでも嘘くさく聞こえるのは何故でしょう……。(遠い目) >何にせよ、「神」の呼びかけに応えたつもりで、実は「神」の敵に踊らされていたエズダゴルさん、 >かなーりショックですね。 >そして、声の正体に気づいたリナもかなーりイヤンな気分なのでは……(滝汗) 日頃の行いの賜物ですね・・・・・・・ここまで信用のないのは。 人間社会に潜み、巧みに邪神の復活に暗躍してますから、この程度はお手の物なのでしょう。 >>まるで、恐怖に狂わんばかりの――――いや、狂気の恐怖に侵された人間の放つ悲鳴のようにも思えた。 > >でた……。太鼓とフルート……。そりゃあもう、恐怖に震えるしかないです。 >リナも、いえ、多分ガウリイもゼルもアメリア、この場にいるほとんどの人間は、 >ただ恐怖から乾いた笑いをするしかない状況でしょうね……。 禁断の領域ですからね、ココは・・・・・・ 人間の理解なんぞ到底及びも着かないところですから・・・・・・ >>如何なる形をも持たぬ不定形の黒影。 >> >>泡立ち、絶え間なく膨張と収縮を繰り返す暴走するエネルギーの塊。 >> >>名状し難くも恐るべき宇宙の原罪そのもの。 >> >>”外なる神”の総帥――万物の王である盲目にして、白痴の神、アザトース。 > >……………………超が無限大でつきそうな大物がご登場…………………………。 >本当の意味で人間にとっては「見たくないもの」永久欠番な御方のお姿(寝姿?寝起き?)拝見……って、 >勘弁してください、ナイの方……(TT) この世界の宇宙の存在すべては、アザトースの思考によって創造されたといわれていますからね。 発狂ですむほうがまだマシなのかも・・・・・・・・・ >>シキブと人面疽による呪歌の力が、リナたちを包み込む。 >>その瞬間、リナたちの意識は白い光の中へ遠のいていった、 > >シキブさん、ナイス、という以上にものごっつ、いい仕事です!!!! >あのままでいたら、もう全員あっちの世界ゾーンへダイブするしかなくなっていたでしょうし。 >できれば全員無事でありますように……。(トラウマは盛大に残りそうですが) あのままいれば存在を破壊され、取り込まれていたでしょからね。 とはいえ、シキブには物凄い負荷です・・・・・・・ >今回は本当に……とーんでもない御方がでてきましたね……(滝汗) >ナイの方より遥に大物では、リナたちも脇に追いやられるというより逃げるしかないですよ、ほんと。 >そんな中、今回一番がんばったで賞なシキブさん。必死で理性保ったんでしょうね……。 >タイタスさんの人選は本当に確かです。 >次回からは纏めに入るのでしょうか。エズダゴルさんやイルファンさんたち、 >シャイターンを「神」としてその力を得ようとしていた彼らは、すべての真相を知り「神」を失った今、 >どんな行動をとるのでしょうか。できれば、プラスになる方へ動いてくれると良いのですが。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。 まあスケールからして格が違うというか、次元が違いすぎますからね。 翻弄されまくっても仕方ないです。 展開はもう一転する予定です。 どうぞお楽しみに。 それでは、ありがとうございました。 |
32859 | 闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 4 | 棒太郎 | 2006/11/7 23:22:35 |
記事番号32785へのコメント 『闇黒の断章』 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 4 「う・・・・・・・・・・」 頭の奥底から、意識が浮かび上がる。 「ここは・・・・・・・?」 まだぼやける頭を振り払いながら、辺りを見回す。 そこはシャッド=メルと激戦を繰り広げていたあの広間であった。 アレは夢だったのか――――――― そう思ったが、あの瞬間まで辺りを支配していた霊気は全て消え失せていた。 あの魔性の神気の存在は、間違いなくあのおぞましい世界へ連れ去られたのだ。 「――――――――ぉぃ―――おい、シキブッ!!」 ミカズチの声が聞こえてきた。振り向いてみると、ラ・モルテに抱えられているシキブの姿が目に映った。 白目を剥いて倒れており、目や鼻・耳、そして口の端から血が流れ出ていた。 「オイ、起きろッ!!起きねェと揉むぞ、コルァッ!!」 「!!いかん、心臓が止まっているぞ!」 「なンだとッ!?」 慌ててミカズチが両手をシキブの胸に当て、力を籠める。 バシリッと雷雲甲冑から電光が走り、その度にシキブの身体はビクリ、ビクリと跳ね上がった。 「――――――――よしっ!心臓が動き出した」 「フゥ・・・・・・ッたく、ヒヤヒヤさせやがるゼ」 己が命をかけてあそこから自分達を連れ出してくれたことに、感謝の念を浮かべる。 しかし、彼女には悪いが、彼女の力だけでアソコから脱出できたとは思えなかった。 (あたしたちを・・・・・わざと逃がした・・・・・?) そんな疑問が思い浮かぶ。だが、すぐにその考えはやめた。 考えれば考えるほど、あの嘲笑の上で踊らされているように思えるからだ。 「う・・・・・・・」 他からも声が聞こえてきた。ガウリイも、ゼルガディスも、アメリアも意識を取り戻したようだ。 「リナ・・・・・・無事か?」 「まあね・・・・・・・」 フッと力ない笑みを浮かべる。 「リナさん・・・・・・・・・アレは一体なんだったんですか・・・・・?」 「さあね・・・・・・・・・でも・・・・知らないほうがいいのかもね・・・」 少なくとも自分達の世界の――――いや、この金色の魔王が創世したる四界とは全く別のモノだ。 ココとは関係ないのなら・・・・・・・自分の精神衛生上、知らないでおいたほうがいい。 やがて、イルファンとアルウェンも意識を取り戻した。 さすがにあんなモノを視たせいか、すっかり毒気を抜かれ、覇気がなくなってしまっている。 そして、シャッド=メルも呆然と、あさっての方向を見つめながら突っ立っていた。 呼吸を整え、シャッド=メルに近づく。 「どうやら・・・・終わっちゃったようね・・・・・・ アンタたちの頼みのカミサマもイッちゃったみたいだし」 ゆっくりと言葉を紡ぐが、 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」 聞こえているのか、聞こえていないのか、シャッド=メルはあさっての方向を見つめたままだった。 「エズダゴル・・・・・・・・・」 イルファンもそんな彼の様子に、不安げに声を掛ける。 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・フッ・・・・・・・フフッ・・・・・・・・・・・フハハハハハハ・・・・・・・・・・・・」 突如笑い声があがった。 「ハハハハハ・・・・・・・・・ハーハッハッハッハッハッハッハッ!!!!」 奇妙な高笑いと共に、くるりとリナたちのほうを振り返った。 「確かに・・・・・確かに我らが”神”は消え去った。我らが計画もここまで―――――」 「じゃあ―――――「だがッ―――――――!!!」 シャッド=メルの瞳に、再び光が宿った。 「だが、終わりではない!そう!まだだ・・・まだだ!!私はアソコで視た!彼岸の境を越えた領域を!!新たな”神”を!!私が!私が去りし”神”に変わり、アルゼンスタンの守護神となろう!!!」 「何を言って――――――!?」 そのとき、シャッド=メルの全身から異様な気配が噴き出した。 渦巻くように吹き荒れる魔性の神気。 「まさかッ、ヤロゥッ!?」 ミカズチが激しく舌打ちし、ラ・モルテも無言で”ゴルゴダ”を構える。二人の顔には、異様な緊張が張り付いていた。 高笑いをあげながら、シャッド=メルが両手を掲げるや、 「――――ッ!?」 突如として彼の身体は頭から、まるで蝋人形のように渡けだし、崩れ落ちた。 「な、なんですか・・・・・あれは!?」 アメリアが声を上げるが、それはその場全員の言葉でもあった。 ドロリと溶けた蝋の塊のようになったシャッド=メルの身体が、グツグツとあわ立ち、蠢き出した。 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― 奇怪な雄叫びが響き、塊がボンッと休息に膨れ上がり、弾けた。 「な―――――!?」 そこに現れたモノに、皆が絶句した。 それは芋虫のように長く粘ついた体に、頭の部分にはイカのような触手が無数に伸びていた。 ちょうど芋虫の体と、頭の部分にイカの下半身をくっつけたような姿だった。 「ヤロウッ!アソコの”神”と交わりやがッたか!!」 「どういうこと!?ミカズチさん!」 「アソコで・・・・・アレを取り巻いていたモノの内のどれかか・・・・・・或いはアノ外のモノか、わからねェが・・・・・・」 「なんで・・・・アイツに力を・・・・・・」 「イヤ・・・そんなこたァ、ちィとも思ッてないでしょうよ・・・・・・オレたちなンざ、ヤツらにとッちゃ塵芥に等しい、歯牙にもかけぬ卑小な存在ですヨ。たまたまエサがソコに転がッていたッてぇ、感覚なのかも知れねェ」 「・・・・・ヤツらの思考など、人間の理解の範疇から大きく外れたものです。我々には理解など到底できぬものなのです」 そう言う間に、”シャッド=メル”はおぞましい雄叫びを上げ、リナたちに襲い掛かった。 「うおっ!?」 「きゃっ!?」 触手の一撃は床を、壁を砕き、辺りを破壊してゆく。 「ちぃっ!!」 ガウリイはリナを、ゼルガディスはアメリアを庇いながら、遅い来る触手を斬り払って行く。 だが、斬り払うたびに、断面がグツグツと泡立ち、新たな触手が生えてくる。 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― ”シャッド=メル”が触手を地面に貼り付けるや、大きな揺れが怒り、床石が細かな砂となって砕けていく。それはほぼ一直線にリナたちに向かっていった。 「ゼル!避けろ!!」 ガウリイの声とともに、横へ飛んだ。 リナたちを襲った振動は床やぶつかった壁を、ことごとく砂へと砕いた。 「こいつは・・・・シャレにならんな・・・・・・」 かつて死闘を繰り広げたデッドエンドを遥かに上回る超振動波であった。 ”シャッド=メル”のこの圧倒的パワー。魔王・竜神とも並ぶかと思われるほどのものであった。 「ラ・モルテ!”聖櫃”は――――!?」 ミカズチの声に、ラ・モルテは首を振った。 「・・・・駄目だ。フルパワーで撃っても、完全に斃せんだろう。お前達を贄にしてもな」 「チッ!コンチクショーめが!!」 リナも思っていた。アレはドラグスレイブ―――いや、ギガ・フレアでも斃しきれないだろう。 最悪の場合、ギガスレイブか――――― だが不完全版のほうでも、この遺跡がその衝撃に耐えられないだろう。皆、揃って生き埋めである。 理想はギガ・フレアと”聖櫃”の同時攻撃だが、”聖櫃”の発動には、ミカズチとシキブの犠牲が必要となる。 甘い考えと言われようとも、そのようなことはできない。 (完全版の・・・・・ギガ・スレを使うしかない―――か) ************************************ こんばんは、棒太郎です。 いよいよ本当にクライマックスとなりました。 シャッド=メルの”変身”は、クトーニアンのことを詳しく知った時に、じゃあコレにしようと思ってました。 ありがとう、『図解 クトゥルフ神話』・・・・・・・ それでは、また次回。 |
32861 | 「落としどころ」は必要なんですよね、やっぱり。 | エモーション E-mail | 2006/11/8 23:17:24 |
記事番号32859へのコメント 棒太郎様、こんばんはです。 シキブさんのおかげであの場から撤退できて、さあ、これからまとめかな、と思っていたら……。 あれですべてが終了なはずもなく、人間サイドのラストバトル。 エズダゴルさんにとっては、必要な「落としどころ」なのかもしれないなとふと、思いました。 >ミカズチの声が聞こえてきた。振り向いてみると、ラ・モルテに抱えられているシキブの姿が目に映った。 >白目を剥いて倒れており、目や鼻・耳、そして口の端から血が流れ出ていた。 >「オイ、起きろッ!!起きねェと揉むぞ、コルァッ!!」 >「!!いかん、心臓が止まっているぞ!」 >「なンだとッ!?」 >慌ててミカズチが両手をシキブの胸に当て、力を籠める。 >バシリッと雷雲甲冑から電光が走り、その度にシキブの身体はビクリ、ビクリと跳ね上がった。 シキブさん……。当然といえば当然なのでしょうが、もの凄い負担がかかったのですね。 >己が命をかけてあそこから自分達を連れ出してくれたことに、感謝の念を浮かべる。 >しかし、彼女には悪いが、彼女の力だけでアソコから脱出できたとは思えなかった。 >(あたしたちを・・・・・わざと逃がした・・・・・?) >そんな疑問が思い浮かぶ。だが、すぐにその考えはやめた。 >考えれば考えるほど、あの嘲笑の上で踊らされているように思えるからだ。 やはりこれは「L様とのお約束」があるからなのでしょうね……。 もっとも、ただ漫然と助けて(?)くれるわけじゃなく、その時の自分にできる限りの行動を見せなかったら、 そのまま放って置かれたような気もしますが(滝汗) >「さあね・・・・・・・・・でも・・・・知らないほうがいいのかもね・・・」 >少なくとも自分達の世界の――――いや、この金色の魔王が創世したる四界とは全く別のモノだ。 >ココとは関係ないのなら・・・・・・・自分の精神衛生上、知らないでおいたほうがいい。 ……これが一番正しい判断&態度ですよね。(^_^;) >やがて、イルファンとアルウェンも意識を取り戻した。 >さすがにあんなモノを視たせいか、すっかり毒気を抜かれ、覇気がなくなってしまっている。 もしかして、今回一番不幸だったのってアルウェンさんでは……。(何も知らないのに いきなり誘拐されてここへ連れてこられ、衝撃的な話を聞かされた挙げ句に、 精神崩壊起こしかねないようなとんでもないモノを見るはめになった) >そこに現れたモノに、皆が絶句した。 >それは芋虫のように長く粘ついた体に、頭の部分にはイカのような触手が無数に伸びていた。 >ちょうど芋虫の体と、頭の部分にイカの下半身をくっつけたような姿だった。 >「ヤロウッ!アソコの”神”と交わりやがッたか!!」 頼みにしていた「神」を失い、諦めたのか……と思いきや、とんでもない発言とともに、 さらにとんでもないモノに変化してしまったエズダゴルさん。 シキブさんと同じく「己が命を捨てても」な心意気なのでしょうけれど……。 「激しく迷惑」な行動にしかなってないのが何とも。(汗)まあ、そんな認識ができるようなら、 初めからあんな行動は取っていないのでしょうね。 >「アソコで・・・・・アレを取り巻いていたモノの内のどれかか・・・・・・或いはアノ外のモノか、わからねェが・・・・・・」 >「なんで・・・・アイツに力を・・・・・・」 >「イヤ・・・そんなこたァ、ちィとも思ッてないでしょうよ・・・・・・オレたちなンざ、ヤツらにとッちゃ塵芥に等しい、歯牙にもかけぬ卑小な存在ですヨ。たまたまエサがソコに転がッていたッてぇ、感覚なのかも知れねェ」 >「・・・・・ヤツらの思考など、人間の理解の範疇から大きく外れたものです。我々には理解など到底できぬものなのです」 アノ場のモノにとってこちらの人間は、こちらの生き物に例えて言えば 小魚やプランクトンみたいなものなんでしょうねぇ……。 >「ラ・モルテ!”聖櫃”は――――!?」 >ミカズチの声に、ラ・モルテは首を振った。 >「・・・・駄目だ。フルパワーで撃っても、完全に斃せんだろう。お前達を贄にしてもな」 さすがに小物とはいえ、あちらのモノ相手では〃聖櫃〃フルパワーでも無理ですか……。 「エズダゴル」だったころのように、複数の強力呪文をポンポンだしてこないだけマシとはいえ、 触手はすぐ復活するわ、妙に力有り余ってそうだわと、本当に厄介な相手ですね。 >リナも思っていた。アレはドラグスレイブ―――いや、ギガ・フレアでも斃しきれないだろう。 >最悪の場合、ギガスレイブか――――― >だが不完全版のほうでも、この遺跡がその衝撃に耐えられないだろう。皆、揃って生き埋めである。 >理想はギガ・フレアと”聖櫃”の同時攻撃だが、”聖櫃”の発動には、ミカズチとシキブの犠牲が必要となる。 >甘い考えと言われようとも、そのようなことはできない。 > >(完全版の・・・・・ギガ・スレを使うしかない―――か) リナとしても自滅どころか世界の破滅になりかねない、禁断の呪文。 ですが……他に選択肢がなさそうでもありますね。 別名「L様召喚呪文」のギガ・スレ。どんな結末を導くのでしょうか。 >こんばんは、棒太郎です。 >いよいよ本当にクライマックスとなりました。 >シャッド=メルの”変身”は、クトーニアンのことを詳しく知った時に、じゃあコレにしようと思ってました。 >ありがとう、『図解 クトゥルフ神話』・・・・・・・ >それでは、また次回。 今回はいろんな意味で「捨て身」の行動が出てきたな、と思いました。 シャッド=メルの〃変身〃には驚きましたよ〜。ラストバトルはともかく、 さすがにあんなモノになるとは思わなかったので。 「図解 クトゥルフ神話」……あるんですか……。新紀元社辺りの発行でしょうか。 …………図書館で検索してみようかな。(笑) それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。 |
32862 | これが最後の戦いです | 棒太郎 | 2006/11/9 11:17:11 |
記事番号32861へのコメント >棒太郎様、こんばんはです。 >シキブさんのおかげであの場から撤退できて、さあ、これからまとめかな、と思っていたら……。 >あれですべてが終了なはずもなく、人間サイドのラストバトル。 >エズダゴルさんにとっては、必要な「落としどころ」なのかもしれないなとふと、思いました。 こんにちは、エモーションさん。 予想を裏切ったようで(笑) やはりクライマックスの最終バトルは必要だろうと思いましたので。 あれで終了するには、ちとマッタリかな〜と。 >>ミカズチの声が聞こえてきた。振り向いてみると、ラ・モルテに抱えられているシキブの姿が目に映った。 >>白目を剥いて倒れており、目や鼻・耳、そして口の端から血が流れ出ていた。 > >シキブさん……。当然といえば当然なのでしょうが、もの凄い負担がかかったのですね。 あの彼岸の境を越えた、禁断の領域からの帰還ですからね。 さすがのゴーメンガーストの精鋭でもキツすぎます。 >>そんな疑問が思い浮かぶ。だが、すぐにその考えはやめた。 >>考えれば考えるほど、あの嘲笑の上で踊らされているように思えるからだ。 > >やはりこれは「L様とのお約束」があるからなのでしょうね……。 >もっとも、ただ漫然と助けて(?)くれるわけじゃなく、その時の自分にできる限りの行動を見せなかったら、 >そのまま放って置かれたような気もしますが(滝汗) ナイアルラトホテップにしてみれば、「おっと、忘れてた」みたいな感じでしょう。 とりあえず戻してあげますよ―――と。 >>「さあね・・・・・・・・・でも・・・・知らないほうがいいのかもね・・・」 >>少なくとも自分達の世界の――――いや、この金色の魔王が創世したる四界とは全く別のモノだ。 >>ココとは関係ないのなら・・・・・・・自分の精神衛生上、知らないでおいたほうがいい。 > >……これが一番正しい判断&態度ですよね。(^_^;) 『好奇心、猫を殺す』・・・・・この言葉がまさにふさわしいトコロですから。 >>やがて、イルファンとアルウェンも意識を取り戻した。 >>さすがにあんなモノを視たせいか、すっかり毒気を抜かれ、覇気がなくなってしまっている。 > >もしかして、今回一番不幸だったのってアルウェンさんでは……。(何も知らないのに >いきなり誘拐されてここへ連れてこられ、衝撃的な話を聞かされた挙げ句に、 >精神崩壊起こしかねないようなとんでもないモノを見るはめになった) そうですね。彼女が一番、衝撃の展開を味わわされたひとですからね。 >>そこに現れたモノに、皆が絶句した。 >>それは芋虫のように長く粘ついた体に、頭の部分にはイカのような触手が無数に伸びていた。 >>ちょうど芋虫の体と、頭の部分にイカの下半身をくっつけたような姿だった。 >>「ヤロウッ!アソコの”神”と交わりやがッたか!!」 > >頼みにしていた「神」を失い、諦めたのか……と思いきや、とんでもない発言とともに、 >さらにとんでもないモノに変化してしまったエズダゴルさん。 >シキブさんと同じく「己が命を捨てても」な心意気なのでしょうけれど……。 >「激しく迷惑」な行動にしかなってないのが何とも。(汗)まあ、そんな認識ができるようなら、 >初めからあんな行動は取っていないのでしょうね。 最後のどんでん返しです。事の善悪を抜きにすれば、厚い忠義心を持つ忠臣なのですが・・・・・ >>「イヤ・・・そんなこたァ、ちィとも思ッてないでしょうよ・・・・・・オレたちなンざ、ヤツらにとッちゃ塵芥に等しい、歯牙にもかけぬ卑小な存在ですヨ。たまたまエサがソコに転がッていたッてぇ、感覚なのかも知れねェ」 >>「・・・・・ヤツらの思考など、人間の理解の範疇から大きく外れたものです。我々には理解など到底できぬものなのです」 > >アノ場のモノにとってこちらの人間は、こちらの生き物に例えて言えば >小魚やプランクトンみたいなものなんでしょうねぇ……。 人間がアリなんかを踏みつけても、何も意識しないのと同じようなものなのでしょう。邪神の考えなんてとても分かりませんが・・・・・ >>「ラ・モルテ!”聖櫃”は――――!?」 >>ミカズチの声に、ラ・モルテは首を振った。 >>「・・・・駄目だ。フルパワーで撃っても、完全に斃せんだろう。お前達を贄にしてもな」 > >さすがに小物とはいえ、あちらのモノ相手では〃聖櫃〃フルパワーでも無理ですか……。 >「エズダゴル」だったころのように、複数の強力呪文をポンポンだしてこないだけマシとはいえ、 >触手はすぐ復活するわ、妙に力有り余ってそうだわと、本当に厄介な相手ですね。 厄介な呪文は撃ってこないけど、それを上回る力を持っちゃってますからね。 より厄介になりました。 >>理想はギガ・フレアと”聖櫃”の同時攻撃だが、”聖櫃”の発動には、ミカズチとシキブの犠牲が必要となる。 >>甘い考えと言われようとも、そのようなことはできない。 >> >>(完全版の・・・・・ギガ・スレを使うしかない―――か) > >リナとしても自滅どころか世界の破滅になりかねない、禁断の呪文。 >ですが……他に選択肢がなさそうでもありますね。 >別名「L様召喚呪文」のギガ・スレ。どんな結末を導くのでしょうか。 もう、極限の方向にしか選択肢がありません。 さて、これからどうなるやら・・・・・・ >今回はいろんな意味で「捨て身」の行動が出てきたな、と思いました。 >シャッド=メルの〃変身〃には驚きましたよ〜。ラストバトルはともかく、 >さすがにあんなモノになるとは思わなかったので。 >「図解 クトゥルフ神話」……あるんですか……。新紀元社辺りの発行でしょうか。 >…………図書館で検索してみようかな。(笑) >それでは、今日はこの辺で失礼します。続きを楽しみにお待ちしています。 ラストバトルですから、盛り上げないといけませんからね。 後書きでも書きましたが、名前のモデルであるクトーニアンがどういうものか、知ったので、ああいう展開になりました。 『図解 クトルゥフ神話』はお察しの通り、新紀元社発行の本です。 それでは、どうもありがとうございました。 |
32863 | 闇黒の断章 〜第7章〜 「Alone in the Dark」 5 | 棒太郎 | 2006/11/9 15:48:47 |
記事番号32785へのコメント 『闇黒の断章』 〜第7章〜 (完全版の・・・・・ギガ・スレを使うしかない―――か) 下手をすれば自滅。あるいは世界の破滅にも繋がりかねない選択ではあるが。 しかし、”シャッド=メル”の猛威は止まるところをしらない。 「――黄昏よりも昏きもの、血の流れより赤きもの。 汝が偉大なその御名において、我ここに滅びを司る大いなる力とならん。 我らの前に立ち塞がりし愚かなる者ども全て、我らが前に跪き、滅びを以って許しを与えん。 我らこそが力、我らこそが滅びなり――――」 「リナッ!?」 「お嬢様!!」 「――――汝が力は我が意思なり 『ギガ・フレア』!!」 巨大な紅蓮の光弾が、”シャッド=メル”へと炸裂する。 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― 「やったか・・・・・?」 ”シャッド=メル”の身体に『ギガ・フレア』の爪痕が、まざまざと刻み付けられている。 しかし、その傷口が蠢き、泡立つや、ジュグジュグと音を立てて、再生していった。 「もしかして―――――と思ったけど・・・・・・・やっぱりダメか・・・」 やはり選択肢はひとつしかない―――― 「エズダゴルッ!やめよ!やめるんだ!!」 そのとき、イルファンの叫び声が聞こえてきた。 「もういい!やめてくれ!!これ以上お前が――――」 悲痛ともいえる声であった。しかし、それでも”シャッド=メル”の猛攻は止まなかった。 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― 「ヤロゥ・・・・もう人の思考は無くなりやがッたか」 「もはやあるのは彼らを護ろうという保護本能のみか・・・・・」 「ミカズチさん・・・ラ・モルテさん・・・・・・」 リナが静かに問いかけた。 「やっぱりアイツを元に戻すことは―――――」 「・・・・・・・・・・・・」 「・・・・・もう不可能でしょう」 ある程度は予想していたことだった。 リナの顔には、やはり、という色が浮かんでいた。 「アソコのヤツらに取り込まれたンなら、もう・・・・・・・」 「わかったわ・・・・・」 そう言うと、印を結び、魔力を集束し始めた。 「お嬢様!?」 「何を――――!?」 「これが最後の切り札よ――――闇よりもなお暗きもの 夜よりもなお深きもの 混沌の海よたゆたいし存在 金色なりし闇の王――――」 膨大な魔力が集束してゆく。 「リナ!?まさか――――!?」 魔力の気配に気が付いたガウリイたちも叫ぶ。 だが、気付いたのは彼らだけではなかった。 ”シャッド=メル”の触手が、リナに向かって襲い掛かってきた。 ”ゴルゴダ”と雷によって迎撃されるが、 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― 再び”シャッド=メル”があの超振動波を放とうと力を集束する。 『ッ!?』 ミカズチ、ラ・モルテがリナを庇おうとしたそのとき、横合いから放たれた力が”シャッド=メル”を襲った。 それは、『妖精の書』を広げたイルファンであった。 ”シャッド=メル”は、何故彼が自分を攻撃するのか、理解できないようだった。 「頼む・・・・・エズダゴルを・・・・解放して・・やってくれ・・・・・」 両目から大粒の涙をこぼし、苦渋の表情で懇願した。 夫の心中を察し、アルウェンも夫の手を優しく握り締める。 「頼む・・・・・!!」 「・・・・・・・・我ここに汝に願う 我ここに汝に誓う 我が前に立ち塞がりし すべての愚かなるものに 我と汝が力もて 等しく滅びを――――!?」 突然、リナの身体に呪文の負のフィードバックが襲ってきた。 (うぅっ!?やっぱり・・・・・・ギガ・フレアの出力全開を・・連発した・・せい・・・・・!?) リナの顔が苦痛に歪む。組みあがりかけた魔力が乱れ始める。 (ダ、ダメ――――制御が――――) 「リナッ!?」 「リナさん!?」 「「お嬢様!?」」 金色の魔力が爆発しようという瞬間、 ―――今回は特別に手を貸してやろう、人間よ 頭の中にどこか聞き覚えのある声が聞こえた。 ―――此度の件とは関係の無いものの干渉は認めん 暴走寸前だった力は途端に安定した。 「!?な、ナニモンだ、テメェ!?」 明らかに雰囲気の変わったリナに、ミカズチとラ・モルテが緊張を張り付かせ、身構える。 『お前達程度で揺らぐほどの我が世界ではない。それほどの力もあるまい。彼奴らと違ってな』 リナにはない、全てをひれ伏させる圧倒的な気配。 「ま・・まさ・・か・・・・・・」 ある仮説が頭に浮かんだ二人は、ただ絶句するほか無かった。 『此度は私も関係があるからな。ケジメをつけよう』 そう言うや、金色の光が閃き、”シャッド=メル”を包み込んだ。 オオオオオオォォォォオオオォォォォォォォ――――― 断末魔ともいえるような雄叫びが響く。 オオオォォオォォォ―――――ヘイ・・・カ・・・・オウ・・ヒ・・・ワタ・・・ガ・・・オ・・マ・・・モリ・・・ 「エズダゴルッ!!」 ―――ワレ・・ラ・・ガ・ロク・・ダ・・メ・・ヨ・・・・・シャ・・ド・・・ル・・・キョウ・・ダ・・・フ・・メ・・ツ・・・・・・ アル・・ゼ・・ンスタン・・・・・エイ・・コ・・ウ・・・・・・・ア・・・・レ・・・・・・・・ 「エズダゴルゥゥッッ!!!!」 最後の言葉を残し、”シャッド=メル”――――エズダゴルは金色の光の中へ消えていった。 ======== |
32864 | 闇黒の断章 〜終章〜 | 棒太郎 | 2006/11/9 16:37:55 |
記事番号32785へのコメント 闇黒の断章 〜終章〜 深遠。 深淵。 果てなく続く無限の海。 すべては泡沫。 思い醒ませば儚く消える夢。 そこは始原にして終焉。 終わりにして始まり。 その、虚無であり完全である世界にたゆたう存在(もの) 彼女こそが混沌の海。 混沌の海こそが彼女。 いつ果てるとも知れぬ無限の静寂の意識。 彼女はたゆたう。 「お邪魔します――――」 唐突に。 無限の静寂の世界に。 異形の声が響いた。 瘴気を孕んだ風が吹きぬけ、濃密な、邪悪な闇黒が世界に入ってきた。 彼女はそれに意識を覚醒させた。 「―――――金色の魔王殿」 ニィッと唇の端を吊り上げて、笑みを浮かべながら、漆黒の肌をした長躯の男がそこにいた。 「今回の件、無事始末がつきました。ご協力のほど、感謝いたします」 男の目の前にひとりの女性が現われた。 金色の髪をなびかせる、あらゆる存在を超越する美の結晶と言える美しさであった。 「そう。じゃ、さっさと帰って頂戴」 シッシッと手を払うL。ナイアルラトホテップは愉快そうに笑みを浮かべながら、 「いやはや、これはこれは。ところでL殿。ヤツのことですが―――」 「なによ」 「いえ、確かにヤツは始末いたしましたが、実はあのとき何かの横やりが入りましてね。ヤツの存在の一部分を持っていったようなのですよ。 あの空間でそのようなことができるものなど、そうそうおりませんし」 「ふぅ〜〜ん。で?」 「クカカ、まあそんな少しの力では赤子も同然ですし。それと、コチラに二度と姿を現さないというのであれば別段いいだろうというのが、我々の結論です」 愉快そうに笑いながら、ナイアルラトホテップの姿は瘴気を孕んだ風に消えていく。 「そういうことですので、どうぞ大切に御育て下さい。それでは失礼いたします」 クカカカと笑い声を残し、ナイアルラトホテップは去っていった。 それを見送り、Lは妙にトゲトゲした物体を取り出すと、空間へ向かって放り投げた。 「掃除はちゃんとしとくのよ」 空間の彼方で「イテッ」という声が聞こえたとか、聞こえなかったとか。 ========= あれから1週間後――――― 「はぁ・・・・ほんと、どうなることかと思ったわ」 テーブルに置かれたお茶を飲みながら、リナが呟いた。 「だな。お前さんがアレを使ったときにゃ、ほんとそう思ったぜ」 「まぁね・・・・あたしもアン時はほんとヤバイと思ったわ」 力を暴走―――いや、あの御方がまた自分に降臨したのには参った。 「でも・・・アルゼンスタンはこれから・・・どうなるんでしょう」 アメリアがポツリと呟く。 「さあ・・・・遺跡に関しては大叔母さんたちが話し合ってるけど・・・・・まぁ、魔道士協会のソウイウ部署で監視するんじゃいかしら?」 今回の件が幕を折り、結果宮廷魔道士団の力が弱まったところに、魔道士協会が協会による管理を徹底させたのだ。 とはいえ、それは表向きのこと。本当の件は、抜け殻になったとはいえ未だ砂漠に存在するあの遺跡の封殺のためであった。 その処置のために、各支部から専門家が集まっていた。 ミスカトニック大図書館館長ランファード=アーミティッジ、同図書館秘密図書室室長セリシア=アーミティッジ。 アルゼンスタン支部長ジョゼフ=シュリュズベリィ。 協会内封殺組織『ウィルマース・ファウンデーション』主宰アルバート・N・ウィルマース、同組織の切り札と評されるタイタス・クロウ。 その他に、ナサニエル・ウィンゲート・ピースリー教授、ウィリアム=ダイアー教授、ローラ・クリスティン・ネーデルマン女史、セネカ=ラファム博士、エイブラハム・ヴァン・ヘルシング教授、マーティン・ヘッセリウス博士にジョン・サイレンス博士など、魔道士協会の碩学たちが勢揃いしていた。 皆いずれもが、禁断の知識や外法の封殺に関わっている者たちばかりだ。 「あの人たちに任せておけばいいんじゃない?協会でも影の頭脳と呼ばれてる人たちばかりだし」 「でも、イルファン王は―――――」 「・・・・お前の気持ちも分かるがな、アメリア。国や政治なんてものは個人の感情でどうにかできるものじゃないのは、お前がよく分かっているだろ」 ゼルガディスの言葉に、アメリアは小さくうなだれながら「はい・・・」と答えた。 「まあ、お前が信じる事を信念を持ってやればいいさ」 「!はい!!」 「んな簡単なことで国交結んでいいのかな〜〜〜?」 苦笑しながらリナが呟く。 「それはそうとリナさん。ミカズチさんたちはもう帰られたんですか?」 「ええ、あんたたちによろしくって」 実はあの後、リナが一度焼滅させられていたということを知った3人は、「一死を以って大罪を謝す」と言い出したものだから、止めるのに大変だったのだ。 なんとか説得し、義兄宛に寛大に処置してくれるよう頼み込んだ手紙を持たせてなんとか落ち着いたのだった。 「結婚式には是非呼んでくださいって言ってたわよ」 「なっ――――!!??」 「/////////////」 顔を真っ赤にする二人に、リナたちはアッハハハとお腹を抱えて笑う。 そんな光景を見ながら、ガウリイは修羅へ堕ちかけた自分を救い上げてくれた友に、「ありがとよ・・・・」と呟いた。 ========= 静寂に包まれた遺跡の中。 その冷たい石の床にティリンギャストの首が転がっていた。 と、そこへコツコツと足音が響き、何かが立ち止まった。 それはティリンギャストの首を拾い上げると、 「おやまあ、随分と変わり果てた姿になっちまったな」 と言った。すると、 「これはこれは。お久し振りでございます、マスター」 白目を剥いていた眼がぐるりと動き、ニヤッと笑いながら言葉を吐いた。 「ったく、オメェを放ってから一度も連絡が無かったからすっかり忘れてたぜ」 「申し訳ございません、マスター。しかし”草”人形としての役割は忘れておりませんよ」 実はジゴマは情報収集用の人形を、各地に放っているのだった。彼の神出鬼没ぶりの一端はここにあった。 「まあ、いい。それよりも今回の成果は?」 「はっ、こちらに」 そう言うと、口の中から2冊の本を吐き出した。 それは『暗黒の大巻』と『黄衣の王』であった。 「ふむ、これだけでも十分元は取れただろう」 「それはそれは、よかったですねぇ」 不意に聞こえてきた声。 見るとそこに、あの異国の装束を纏った褐色長身痩躯の男がいた。 「貴方様は――――――」 「しかし、申し訳ありませんが、それも『妖蛆の秘密』同様、処分しなければならないのですよ。こちらに戴けますかねぇ」 男の顔に亀裂のような笑みが走る。 しばらく対峙していたジゴマであったが、やがてひとつ息をついて肩をすくめると、 「はぁ・・・仕方ありませんや。やつがれ如きじゃ到底お相手になりゃしません」 ポイッと2冊の書を男へ放り投げた。 「いやいや、物分りがよろしくて結構、結構」 男は笑いながら書を掴むと、次の瞬間には書は塵となって消えた。 「さてさてこれで掃除はあとひとつで終わりですね」 男がそう言い、ティリンギャストの首へ目を向けた瞬間、 「ぎぃゃべっ―――――」 「!?」 ティリンギャストの首は闇に呑まれ、消え去った。 ジゴマの頬に汗が伝う。 「これで全て終了か。クカカカ、それでは」 「お待ちを・・・・貴方様は一体―――――?」 ジゴマの言葉に男はニヤリと笑って、 『クカカカ、それでは二度と再びこの我に出会わぬことを祈るがいい。 我は”這い寄る混沌”ナイアルラトホテップなれば』 笑い声を残して消え去った。 しばらく立ち尽くしていたジゴマだったが、大きく長い息を吐き、肩の力を落とした。 「やれやれ・・・・まったくとんでもねぇ御人だったぜ。あんなのにゃ二度と関わりたくねぇな」 ポリポリと頭を掻きながら、呟いた。 「結局・・・・・・骨折り損のくたびれもうけ、か・・・・・・・」 力なく笑うと、回廊の奥へと歩き去っていった。 からくり からくり 浮世の糸は 天下を舞わして ひと舞わす ************************************ これにて『闇黒の断章』終了です。 最後は気の効いたヒネリもありませんでしたが・・・・・・・ 長いこと間が開いていた時期もあり、読んでくださっていた方々には本当にご迷惑をおかけしました。 なんとか完結できて、ホッとしています。 最後にまたクトゥルー関係の名詞がオンパレードです(若干違うのもありますが)興味があれば、調べてみてください。 ここまで読んでくださった方、本当にありがとうございました。 *参考資料 『機神咆哮デモンベイン』 『図解 クトゥルフ神話』 『クトゥルー神話辞典』 『クトゥルフ神話ガイドブック』 |
32866 | お疲れさまでした! | エモーション E-mail | 2006/11/9 22:47:04 |
記事番号32864へのコメント 棒太郎様、こんばんは。 「闇黒の断章」無事完結、おめでとうございます。&お疲れさまでした。 リナのL様召喚は、いったいどんな形で成立させるのかと思っていましたが、 L様御自ら後始末……。 人間はもうひれ伏すしかありませんね。 ゴーメンガースト組も、相手がL様ではおとなしくしているしかないですし。 あんな姿になり、自我も何もなくなっているのにイルファンさんや アルゼンスタンを守ろうとしたエズダゴルさん。 そして、「エズダゴルを解放してやってくれ」と泣きながら頼んだイルファンさん。 二人の姿は、とても悲しいものでしたね。 さて、L様。このまま滅ぼされてしまうのは忍びなくて、シャイターンの一部を ゲットしていたのですか。 同じものに育つことはないでしょうけれど、生まれかわりみたいな感じになるのでしょうか。 L様のもとで、平穏(?)に成長するのですね。 ……何故か今脳裏に、エプロンつけてベビーシッターをしている赤の魔王様の図が浮かびました……。 リナたちも何とか一件落着で、平穏な日常へ還っていくようで。でも、ゴーメンガースト組は どんな「寛大な処置」を受けるのか、知りたいような知りたくないような……(汗) また、遺跡の管理メンバーの凄さに驚きました。……イルファンさんはセイルーンとの国交の他に、 このコネをフルに活用するのが一番ですよね。 そして……ラストを締めるのはやはりこの人とあの御方でしたか。(^_^;) ティリンギャストさんはジゴマさんの人形だったのに、一度も連絡来ないから忘れていたって(笑) 同じように忘れられてる人形がいくつかありそうですね(笑) こっそり出し抜いて本を手に入れようとしたジゴマさんを、しっかり見抜いたのか、 タイミング良くやって来たナイの方。 この御方相手ではジゴマさんも踏んだり蹴ったりですが、それでも飄々としているところがさすがでした。 本当に長い間の連載、お疲れさまでした。そして無事完結、おめでとうございます。 世の中にはどうしても都合というものがありますから、中断があるのは仕方がないのですが、 中断したままになってしまう作品も多い中、最後まで書き上げてくださいまして、 読み手としても嬉しいです。しかもどうもラスボスがシャレにならない相手のようだったので、 これは書くのも大変だよなあと思っていましたから、書き手としてもひたすら「おめでとうございます」です。 そのくせ長期連載のあとなので、少しお休みするのかな?と書き手の感覚で見ながら、 次作は何だろうな?(わくわく)と、罪はなくても鬼のような読み手の感覚を書いてしまいますが。(←まず自分が復帰しろ) 本当に長い間、楽しく読ませていただきました。次の作品を読ませていただけるのを、 楽しみにしています。 それでは、今日はこの辺で失礼します。 |
32869 | ありがとうございます | 棒太郎 | 2006/11/12 17:13:11 |
記事番号32866へのコメント >棒太郎様、こんばんは。 >「闇黒の断章」無事完結、おめでとうございます。&お疲れさまでした。 こんにちは、エモーションさん。 お返事、遅くなりまして申し訳ありません。 どうにかb蛆完結しました。 >リナのL様召喚は、いったいどんな形で成立させるのかと思っていましたが、 >L様御自ら後始末……。 >人間はもうひれ伏すしかありませんね。 >ゴーメンガースト組も、相手がL様ではおとなしくしているしかないですし。 最初はギガスレの予定はなかったんですが、書いてるうちにやっぱこれかな〜という感じで、使うことになりました。 今回は雲の上すぎる存在が結構出張る結果になってしまいました。 >あんな姿になり、自我も何もなくなっているのにイルファンさんや >アルゼンスタンを守ろうとしたエズダゴルさん。 >そして、「エズダゴルを解放してやってくれ」と泣きながら頼んだイルファンさん。 >二人の姿は、とても悲しいものでしたね。 元ネタのクトーニアンも自分の仔を護ろうという保護本能が強い、 と、ありますので。 イルファンにとっても兄代わりみたいな人だったと思います。 >さて、L様。このまま滅ぼされてしまうのは忍びなくて、シャイターンの一部を >ゲットしていたのですか。 >同じものに育つことはないでしょうけれど、生まれかわりみたいな感じになるのでしょうか。 >L様のもとで、平穏(?)に成長するのですね。 >……何故か今脳裏に、エプロンつけてベビーシッターをしている赤の魔王様の図が浮かびました……。 自分の半身みたいなものですから、やっぱり情が出てしまったというところです。 忙しいときは赤の魔王がやっぱり面倒みさされるんでしょうね(笑) >リナたちも何とか一件落着で、平穏な日常へ還っていくようで。でも、ゴーメンガースト組は >どんな「寛大な処置」を受けるのか、知りたいような知りたくないような……(汗) >また、遺跡の管理メンバーの凄さに驚きました。……イルファンさんはセイルーンとの国交の他に、 >このコネをフルに活用するのが一番ですよね。 リナが、自分達の命で償おうという3人を留めるために陳情してますから。 どこぞの魔王みたいに酷いものではありませんね。 管理メンバーは、アーミティッジ・シュリュズベリィと出てますから、やっぱり関連のある名前を持ってこようと思い、これでもかと出してみました(若干名神話とは関係ない名前もありますが) >そして……ラストを締めるのはやはりこの人とあの御方でしたか。(^_^;) >ティリンギャストさんはジゴマさんの人形だったのに、一度も連絡来ないから忘れていたって(笑) >同じように忘れられてる人形がいくつかありそうですね(笑) >こっそり出し抜いて本を手に入れようとしたジゴマさんを、しっかり見抜いたのか、 >タイミング良くやって来たナイの方。 >この御方相手ではジゴマさんも踏んだり蹴ったりですが、それでも飄々としているところがさすがでした。 敵の魔道士の中では、ティリンギャストが得体の知れない感じかな、と思い、彼で最後にヒネリを入れてみようと思いまして。 最初は、実は「ナイアルラトホテップの千の顔のひとつ」だった―――というのを考えたのですが、「だめだよ。クトゥグア召喚やっちゃってるし」ということでボツになりました。 それで2番目の案として出ていた、「ジゴマの人形」ということにしました。 >本当に長い間の連載、お疲れさまでした。そして無事完結、おめでとうございます。 >世の中にはどうしても都合というものがありますから、中断があるのは仕方がないのですが、 >中断したままになってしまう作品も多い中、最後まで書き上げてくださいまして、 >読み手としても嬉しいです。しかもどうもラスボスがシャレにならない相手のようだったので、 >これは書くのも大変だよなあと思っていましたから、書き手としてもひたすら「おめでとうございます」です。 中断時期も入れると本当に長期連載ですね・・・・・ 私も中断になったままという作品に結構であってますので、書き手として「一度筆をつけた作品はなんであれ書き上げねばならない」を旨としてしています。 でも、今回は流石にそれが崩れかけましたね。危ない、危ない。 >そのくせ長期連載のあとなので、少しお休みするのかな?と書き手の感覚で見ながら、 >次作は何だろうな?(わくわく)と、罪はなくても鬼のような読み手の感覚を書いてしまいますが。(←まず自分が復帰しろ) > >本当に長い間、楽しく読ませていただきました。次の作品を読ませていただけるのを、 >楽しみにしています。 >それでは、今日はこの辺で失礼します。 今ちょっと、軽い燃え尽き症候群のような感じですね。 でも色々ぼんやりと浮かんではいます。形にはなってませんが。 久し振りにバカ義兄弟か暴走ダルフィンも楽しそうですし。 なにかリクエストみたいなのがあれば、言ってくださっても(笑) それでは、本当に長期間拙作に付き合っていただき、ありがとうございました。 |